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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101403
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20240722BHJP
   H02M 1/00 20070101ALI20240722BHJP
【FI】
G05F1/56 330Z
H02M1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005366
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 孝典
(72)【発明者】
【氏名】戸田 克則
(72)【発明者】
【氏名】藤森 弘之
(72)【発明者】
【氏名】年木 健
【テーマコード(参考)】
5H420
5H740
【Fターム(参考)】
5H420BB13
5H420DD02
5H420EA03
5H420EB01
5H420FF03
5H420FF04
5H420FF22
5H420FF23
5H420LL04
5H420LL09
5H740BA01
5H740BB06
5H740BB07
5H740BC01
5H740BC02
5H740MM01
5H740MM11
(57)【要約】
【課題】ノイズに起因してサイリスタが局所的に導通した場合に、サイリスタの故障および劣化を抑制できる電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置Aは、ゲート端子2Gにハイレベルのゲート信号が入力されることでアノード端子2Aからカソード端子2Kに電流が流れるサイリスタ2と、指令信号を受けて、ゲート端子2Gにハイレベルのゲート信号を出力するサイリスタ駆動回路3と、所定のタイミングで上記指令信号である第1指令信号をサイリスタ駆動回路3に出力する第1指令部5と、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通を検出する導通検出部6と、第1指令部5が第1指令信号を出力していないタイミングで導通検出部6により上記導通が検出されたとき、上記指令信号である第2指令信号をサイリスタ駆動回路3に出力する第2指令部7とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート端子にハイレベルのゲート信号が入力されることでアノード端子からカソード端子に電流が流れるサイリスタと、
指令信号を受けて、前記ゲート端子にハイレベルの前記ゲート信号を出力するサイリスタ駆動回路と、
所定のタイミングで前記指令信号である第1指令信号を前記サイリスタ駆動回路に出力する第1指令部と、
前記アノード端子と前記カソード端子との導通を検出する導通検出部と、
前記第1指令部が前記第1指令信号を出力していないタイミングで前記導通検出部により前記導通が検出されたとき、前記指令信号である第2指令信号を前記サイリスタ駆動回路に出力する第2指令部とを備える
ことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記導通検出部は、前記アノード端子から前記カソード端子に流れる電流の検出結果に基づいて、前記導通を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記導通検出部は、前記アノード端子と前記カソード端子との間の電圧の変化の検出結果に基づいて、前記導通を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイリスタを介して負荷に電流を出力する電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
強磁場発生装置等を構成する誘導性負荷に大電流を供給するための電源装置として、予め蓄えた電力を、放電用スイッチをオフ状態からオン状態に切り替えることで、誘導性負荷に大電流として供給する電源装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
放電用スイッチとしては、FET(Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、またはサイリスタ等の半導体スイッチを採用できるが、大きなサージ電流に耐えられることからサイリスタが広く採用されている。サイリスタは、ゲート端子にハイレベルのゲート信号が入力されることでアノード端子からカソード端子に電流が流れるように構成されており、ゲート端子にハイレベルのゲート信号の入力が無くなった状態でも、アノード端子とカソード端子との導通の維持(すなわちサイリスタのオン状態の維持)が可能であるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-150622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、大電流が流れる電源装置内では過大なノイズが発生し易く、サイリスタのゲート端子に意図しないハイレベルのノイズ信号が短時間だけ入力された場合には、サイリスタが局所的に導通し、サイリスタのアノード端子からカソード端子に大電流が流れる。このため、サイリスタの局所的な導通領域に大電流が流れ、サイリスタが過剰に発熱して故障したり劣化したりするおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ノイズに起因してサイリスタが局所的に導通した場合に、サイリスタの故障および劣化を抑制できる電源装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る電源装置は、ゲート端子にハイレベルのゲート信号が入力されることでアノード端子からカソード端子に電流が流れるサイリスタと、指令信号を受けて、前記ゲート端子にハイレベルの前記ゲート信号を出力するサイリスタ駆動回路と、所定のタイミングで前記指令信号である第1指令信号を前記サイリスタ駆動回路に出力する第1指令部と、前記アノード端子と前記カソード端子との導通を検出する導通検出部と、前記第1指令部が前記第1指令信号を出力していないタイミングで前記導通検出部により前記導通が検出されたとき、前記指令信号である第2指令信号を前記サイリスタ駆動回路に出力する第2指令部とを備える。
【0008】
上記構成によれば、第1指令部が第1指令信号を出力していないタイミングで導通検出部によりアノード端子とカソード端子との導通が検出されたとき、すなわちノイズに起因して意図しないタイミングでサイリスタが導通しているとき、第2指令信号が第2指令部からサイリスタ駆動回路に出力される。このため、ハイレベルのゲート信号がゲート端子に入力されることで、サイリスタが局所的に導通している状態が解消され、サイリスタが過剰に発熱することを抑止でき、サイリスタの故障および劣化を抑制できる。
【0009】
また、上記電源装置において、前記導通検出部は、前記アノード端子から前記カソード端子に流れる電流の検出結果に基づいて、前記導通を検出することもできる。
【0010】
また、上記電源装置において、前記導通検出部は、前記アノード端子と前記カソード端子との間の電圧の変化の検出結果に基づいて、前記導通を検出することもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノイズに起因してサイリスタが局所的に導通した場合に、サイリスタの故障および劣化を抑制できる電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る電源装置の概略構成図である。
図2】(A)および(B)は、同実施形態に係る電源装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図3】変形例に係る電源装置の概略構成図である。
図4】(A)は、比較例に係る電源装置の概略構成図であり、(B)は、同比較例に係る電源装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る電源装置Aを説明する。
図1に示すように、電源装置Aは、蓄電部1と、サイリスタ2と、サイリスタ駆動回路3と、カレントトランス4と、第1指令部5と、導通検出部6と、第2指令部7と、論理和回路8とを備えている。電源装置Aは、強磁場を発生させるための大電流を負荷Lに供給する。負荷Lは、例えば強磁場発生装置を構成する誘導性負荷である。
【0014】
蓄電部1は、大電流を供給するために電力を蓄える。蓄電部1は、充電回路(図示略)に接続されたコンデンサにより構成され、充電回路から出力された直流電圧が印加されることで蓄電する。
【0015】
サイリスタ2は、蓄電部1に蓄えられた電力を出力するための放電用スイッチとして機能する。サイリスタ2は、蓄電部1に接続されたアノード端子2Aと、負荷Lに接続されたカソード端子2Kと、サイリスタ駆動回路3に接続されたゲート端子2Gとを有している。
【0016】
サイリスタ2は、ゲート端子2Gにハイレベルのゲート信号が入力されることで(すなわちゲート端子2Gとカソード端子2Kとの間に所定のトリガ電圧が印加されることで)、アノード端子2Aからカソード端子2Kに電流が流れるように構成されている。すなわち、サイリスタ2は、アノード端子2Aとカソード端子2Kとが導通していないオフ状態と、アノード端子2Aとカソード端子2Kとが導通しているオン状態とをとり、ゲート端子2Gにハイレベルのゲート信号が入力されると、オフ状態からオン状態に切り替わる。オン状態をとっているサイリスタ2は、アノード端子2Aからカソード端子2Kに電流が流れている間は、ゲート端子2Gにハイレベルのゲート信号が入力されているか否かに関わらずオン状態を維持し、アノード端子2Aからカソード端子2Kに電流が流れなくなったとき、オフ状態に切り替わる。
【0017】
サイリスタ駆動回路3は、サイリスタ2を駆動する(すなわちサイリスタ2をオフ状態からオン状態に切り替える)回路である。サイリスタ駆動回路3は、後述する指令信号を受けて、ゲート端子2Gにハイレベルのゲート信号を出力する。サイリスタ駆動回路3は、ゲート端子2Gとカソード端子2Kとの間に接続されている。サイリスタ駆動回路3は、パルス生成部31と、抵抗32Rおよびコンデンサ32Cを含んだローパスフィルタ32と、定電圧ダイオード33と、ダイオード34とにより構成されている。
【0018】
パルス生成部31は、第1指令部5および第2指令部7からの指令信号を受けたとき、パルス状のゲート信号を生成して出力する。パルス生成部31が出力するハイレベルのゲート信号は、所定の信号レベルおよび信号幅を有する単パルスであって、サイリスタ2が局所的に導通しないように十分に長い信号幅を有している。
【0019】
ローパスフィルタ32は、サイリスタ駆動回路3に発生する高周波のノイズを除去する。定電圧ダイオード33は、ゲート端子2Gとカソード端子2Kとの間の電圧を制限することによって、サイリスタ2を保護する。ダイオード34は、その順方向電圧降下によって、サイリスタ駆動回路3に発生する低電圧のノイズを除去する。
【0020】
カレントトランス4は、アノード端子2Aとカソード端子2Kの導通を検出するための構成要素である。カレントトランス4は、アノード端子2A側に設けられ、蓄電部1からサイリスタ2に流れる電流を検出する。
【0021】
第1指令部5は、所定のタイミングで、指令信号である第1指令信号を、論理和回路8を介してサイリスタ駆動回路3に出力する。第1指令部5が第1指令信号を出力するタイミングは、例えば、予めプログラムされたタイミング、または、何らかの操作に応じたタイミングである。
【0022】
導通検出部6は、アノード端子2Aからカソード端子2Kに流れる電流の検出結果に基づいて、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通を検出する。具体的には、導通検出部6は、カレントトランス4が検出した電流に基づき、カレントトランス4が検出した電流が実質的に0でなければ、アノード端子2Aとカソード端子2Kとが導通していることを検出する。
【0023】
第2指令部7は、第1指令部5が第1指令信号を出力していないタイミングで導通検出部6によりアノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通が検出されたとき、指令信号である第2指令信号を、論理和回路8を介してサイリスタ駆動回路3に出力する。なお、第1指令部5が第1指令信号を出力していないタイミングと、導通検出部6によりアノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通が検出されたタイミングは、同時刻でなくてもよく、動作の遅延を鑑みて時間差があってもよい。
【0024】
具体的には、第2指令部7は、第1指令部5が第1指令信号を出力するタイミングと導通検出部6による導通の検出結果とに基づいて、所定のタイミングでサイリスタ2が導通しているか否かを判定する。第1指令部5が第1指令信号を出力していないタイミングでアノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通が検出された場合は、第2指令部7は、サイリスタ駆動回路3に発生したノイズに起因するハイレベルのノイズ信号がゲート端子2Gに入力されたことでサイリスタ2が導通したと判断し、サイリスタ2の局所的な導通を解消するための第2指令信号を出力する。
【0025】
なお、第1指令部5が第1指令信号を出力したタイミングでアノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通が検出された場合は、第2指令部7は、パルス生成部31が生成したハイレベルのゲート信号がゲート端子2Gに入力されたことでサイリスタ2が導通したと判断し、第2指令信号を出力しない。すなわち、第2指令部7は、第1指令部5が第1指令信号を出力する上記タイミング以外のタイミングでアノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通が検出されたときのみ、第2指令信号を出力する。
【0026】
論理和回路8は、2入力1出力の2値論理回路であって、第1指令信号および第2指令信号が入力されるように構成されている。論理和回路8は、第1指令信号および第2指令信号の少なくとも一方が入力されているとき、サイリスタ駆動回路3のパルス生成部31に指令信号を出力する。
【0027】
図2を参照して、本発明に係る電源装置Aの動作の一例について説明する。図2(A)は、サイリスタ駆動回路3にノイズが発生してないときの電圧Vおよび電流Iの変化を表し、図2(B)は、サイリスタ駆動回路3に過大なノイズが発生したときの電圧Vおよび電流Iの変化を表している。なお、図中の「電圧V」は、ゲート端子2Gに印加される電圧を表し、「電流I」は、アノード端子2Aからカソード端子2Kに流れる電流を表している。
【0028】
図2(A)に示すように、サイリスタ駆動回路3にノイズが発生していないときに、第1指令部5が所定のタイミングである時刻T1で第1指令信号を出力すると、所定時間ΔT1を経過するまで、ゲート端子2Gにハイレベルのゲート信号が入力され、アノード端子2Aからカソード端子2Kに電流が流れる。ゲート信号の信号幅に対応する所定時間ΔT1が経過した時刻T2でゲート端子2Gにハイレベルのゲート信号が入力されなくなった後も、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通は維持され、アノード端子2Aからカソード端子2Kに電流が流れ続ける。
【0029】
図2(B)に示すように、時刻T3でサイリスタ駆動回路3に過大なノイズ(すなわちローパスフィルタ32およびダイオード34で除去できないノイズ)が発生すると、ノイズに対応する短時間ΔT2が経過するまでの一瞬の間だけ、ゲート端子2Gにトリガ電圧となるハイレベルのノイズ信号が入力される。このため、サイリスタ2が局所的に導通し、アノード端子2Aからカソード端子2Kに電流が流れる。短時間ΔT2が経過した時刻T4でゲート端子2Gにノイズ信号が入力されなくなった後も、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通(ただし、局所的な導通)は維持され、アノード端子2Aからカソード端子2Kに電流が流れ続ける。次いで、時刻T5で導通検出部6によりアノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通が検出されると、第2指令部7が第2指令信号を出力し、所定時間ΔT1が経過するまで、ゲート端子2Gにハイレベルのゲート信号が入力される。こうして、サイリスタ2の導通領域が広がり、サイリスタ2の局所的な導通が解消される。
【0030】
図4を参照して、比較例に係る電源装置Aについて説明する。なお、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を用いて説明を省略する。また、図4(B)は、サイリスタ駆動回路3に過大なノイズが発生したときの電圧Vおよび電流Iの変化を表している。
【0031】
図4(A)に示すように、比較例に係る電源装置Aは、上記実施形態で説明したカレントトランス4、導通検出部6、第2指令部7、および論理和回路8を備えておらず、第1指令部5と同様に機能する指令部105を備えている。
【0032】
図4(B)に示すように、時刻T103でサイリスタ駆動回路3に過大なノイズが発生すると、ノイズに対応する短時間ΔT2が経過するまでの一瞬の間だけ、ゲート端子2Gにトリガ電圧となるハイレベルのノイズ信号が入力され、サイリスタ2が局所的に導通する。短時間ΔT2が経過した時刻T104でゲート端子2Gにノイズ信号が入力されなくなった後も、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通(ただし、局所的な導通)は維持される。したがって、アノード端子2Aからサイリスタ2の局所的な導通領域を経てカソード端子2Kに電流が流れ続けるため、サイリスタ2が過剰に発熱し、サイリスタ2が故障や劣化するおそれがある。
【0033】
本実施形態では次の効果が得られる。
(1)サイリスタ2のゲート端子2Gに意図しないハイレベルのノイズ信号が短時間だけ入力された場合には、サイリスタ2が局所的に導通し、サイリスタ2のアノード端子2Aからカソード端子2Kに大電流が流れる。このとき、上記構成によれば、第1指令部5が第1指令信号を出力していないタイミングで導通検出部6によりアノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通が検出されたとき、すなわちノイズに起因して意図しないタイミングでサイリスタ2が導通しているとき、第2指令信号が第2指令部7からサイリスタ駆動回路3に出力される。このため、ハイレベルのゲート信号がゲート端子2Gに入力されることで、サイリスタ2が局所的に導通している状態が解消され、サイリスタ2が過剰に発熱することを抑止でき、サイリスタ2の故障および劣化を抑制できる。
【0034】
(2)導通検出部6は、アノード端子2Aからカソード端子2Kに流れる電流の検出結果に基づいて、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通を検出する。このため、カレントトランス4で検出された電流に基づいて、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通を検出できる。
【0035】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記構成を変更することもできる。例えば、以下のように変更して実施することもでき、以下の変更を組み合わせて実施することもできる。
【0036】
導通検出部6がアノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通を検出できるのであれば、カレントトランス4に係る構成を変更してもよい。例えば、カレントトランス4は、カソード端子2K側に設けられ、カソード端子2Kから負荷Lに流れる電流を検出してもよい。
【0037】
また、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通を検出できるのであれば、導通検出部6に係る構成を変更してもよい。図3を参照して、本変形例に係る電源装置Aを説明する。なお、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を用いて説明を省略する。
【0038】
図3に示すように、本変形例に係る電源装置Aは、上記実施形態で説明したカレントトランス4に代えて電圧計9を備えている。電圧計9は、アノード端子2Aとカソード端子2Kの導通を検出するための構成要素である。電圧計9は、サイリスタ2と並列に接続されるように、アノード端子2Aとカソード端子2Kとに接続されており、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの間の電圧を測定する。
【0039】
本変形例の導通検出部6は、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの間の電圧の変化の検出結果に基づいて、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通を検出する。具体的には、導通検出部6は、電圧計9が測定した電圧またはその電圧の微分値に基づき、所定量以上の電圧の変化があれば、アノード端子2Aとカソード端子2Kとが導通していることを検出する。
【0040】
本変形例によれば上記(2)の効果に代えて次の効果が得られる。
(3)導通検出部6は、アノード端子2Aからカソード端子2Kとの間の電圧の変化の検出結果に基づいて、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通を検出する。このため、電圧計9で測定された電圧に基づいて、アノード端子2Aとカソード端子2Kとの導通を検出できる。
【0041】
また、第1指令信号および第2指令信号をサイリスタ駆動回路3に出力することができるのであれば、論理和回路8を省いてもよい。すなわち、例えば、サイリスタ駆動回路3のパルス生成部31が、第1指令部5から第1指令信号を直接受けるとともに、第2指令部7から第2指令信号を直接受けるように構成してもよい。
【0042】
また、第1指令信号を受けてサイリスタ駆動回路3が出力するハイレベルのゲート信号と、第2指令信号を受けてサイリスタ駆動回路3が出力するハイレベルのゲート信号とは、信号レベルまたは信号幅が同じでなくてもよい。すなわち、サイリスタ2が局所的に導通している状態を解消できるのであれば、第2指令信号を受けてサイリスタ駆動回路3が出力するハイレベルのゲート信号を変更してもよい。
【符号の説明】
【0043】
A 電源装置
L 負荷
1 蓄電部
2 サイリスタ
2A アノード端子
2K カソード端子
2G ゲート端子
3 サイリスタ駆動回路
4 カレントトランス
5 第1指令部
6 導通検出部
7 第2指令部
8 論理和回路
9 電圧計
31 パルス生成部
32 ローパスフィルタ
32R 抵抗
32C コンデンサ
33 定電圧ダイオード
34 オフセットダイオード
図1
図2
図3
図4