(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101404
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】ナノバブル生成装置
(51)【国際特許分類】
B05B 17/06 20060101AFI20240722BHJP
A61M 11/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
B05B17/06
A61M11/00 300D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005368
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】301048080
【氏名又は名称】スリーアール株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591072950
【氏名又は名称】立花 克郎
(71)【出願人】
【識別番号】503161176
【氏名又は名称】古山 正史
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】立花 克郎
(72)【発明者】
【氏名】中川 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】古山 正史
【テーマコード(参考)】
4D074
【Fターム(参考)】
4D074AA03
4D074AA10
4D074BB06
4D074DD04
4D074DD12
4D074DD22
4D074DD33
4D074DD42
4D074DD64
4D074DD65
(57)【要約】
【課題】小流量の送液においても液中のナノバブルを発生させるのに有効なナノバブル生成装置を提供する。
【解決手段】ナノバブル生成装置は、互いに逆向きの第1面163及び第2面164と、それぞれが第1面163と第2面164とに開口する通液用の複数の孔165と、を有する通液部161と、少なくとも第1面163が液体に接するように通液部161を支持し、第1面163から第2面164に向かって複数の孔165を通る液体に、ナノバブルを発生させるように通液部161を振動させるアクチュエータ162と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに逆向きの第1面及び第2面と、
それぞれが前記第1面と前記第2面とに開口する通液用の複数の孔と、
を有する通液部と、
少なくとも前記第1面が液体に接するように前記通液部を支持し、前記第1面から前記第2面に向かって前記複数の孔を通る前記液体に、ナノバブルを発生させるように前記通液部を振動させるアクチュエータと、
を備えるナノバブル生成装置。
【請求項2】
前記アクチュエータは、1mlあたり1億個以上の前記ナノバブルを発生させるように前記通液部を振動させる、
請求項1記載のナノバブル生成装置。
【請求項3】
前記アクチュエータは、前記通液部を20kHz超の周波数で振動させる、
請求項1記載のナノバブル生成装置。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記複数の孔のそれぞれに、前記第1面から前記第2面に向かう前記液体の流れを発生させるように前記通液部を振動させる、
請求項1記載のナノバブル生成装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記第1面及び前記第2面に垂直な方向に沿って前記通液部を振動させる、
請求項4記載のナノバブル生成装置。
【請求項6】
前記液体を収容する容器を更に備え、
前記アクチュエータは、前記第1面が前記容器内の前記液体に接し、前記第2面が前記容器外に面するように前記通液部を支持し、前記複数の孔を通った液体をミスト化して前記容器外に送出するように前記通液部を振動させる、
請求項4記載のナノバブル生成装置。
【請求項7】
前記アクチュエータは、1分あたり0.5~5mlの液体をミスト化して前記容器外に送出するように前記通液部を振動させる、
請求項6記載のナノバブル生成装置。
【請求項8】
前記複数の孔のそれぞれは、前記容器が大気圧の雰囲気中にあり、前記通液部が静止した状態にて、前記第1面から前記第2面に液体を通さないように形成されている、
請求項6記載のナノバブル生成装置。
【請求項9】
前記複数の孔のそれぞれの内径は、3~10μmである、
請求項8記載のナノバブル生成装置。
【請求項10】
前記複数の孔のそれぞれの内径は、前記第1面から前記第2面に向かうにつれて徐々に小さくなっている、
請求項9記載のナノバブル生成装置。
【請求項11】
前記容器の外面から突出し、人の口腔内に向けられる筒状部を更に備え、
前記アクチュエータは、前記第2面が前記筒状部を経て前記容器外に面するように前記通液部を支持し、前記筒状部を経て液体を口腔内に送出するように前記通液部を振動させる、
請求項6~10のいずれか一項記載のナノバブル生成装置。
【請求項12】
前記容器は、人の顔面に向けられる対向面を有し、
前記アクチュエータは、前記第2面が前記対向面の一部を構成するように前記通液部を支持し、顔面に液体を送出するように前記通液部を振動させる、
請求項6~10のいずれか一項記載のナノバブル生成装置。
【請求項13】
前記通液部と、前記容器と、前記アクチュエータとをそれぞれが有する複数の送液ユニットと、
前記複数の送液ユニットのいずれにも装着可能であり、前記通液部を振動させるための電力を前記アクチュエータに供給する電源ユニットと、
を備え、
前記複数の孔のそれぞれの大きさが、前記複数の送液ユニット同士で互いに異なっている、
請求項6~10のいずれか一項記載のナノバブル生成装置。
【請求項14】
前記通液部と、前記容器と、前記アクチュエータとをそれぞれが有する複数の送液ユニットと、
前記複数の送液ユニットのいずれにも装着可能であり、前記通液部を振動させるための電力を前記アクチュエータに供給する電源ユニットと、
を備え、
前記複数の孔の数が、前記複数の送液ユニット同士で互いに異なっている、
請求項6~10のいずれか一項記載のナノバブル生成装置。
【請求項15】
前記液体を収容する容器を更に備え、
前記アクチュエータは、前記第1面及び前記第2面の両方が前記容器内で液体に接するように前記通液部を支持し、前記複数の孔と、前記通液部の周囲とを経て前記容器内で液体を循環させるように前記通液部を振動させる、
請求項1記載のナノバブル生成装置。
【請求項16】
それぞれが前記通液部と前記アクチュエータとを有する複数の振動ユニットを備え、
前記複数の振動ユニットは、前記第1面及び前記第2面が同一のラインに対し直交するように、ラインに沿って並び、前記容器内に収容されており、
前記複数の振動ユニットのそれぞれの前記アクチュエータが、前記複数の孔を通る液体に前記ナノバブルを発生させるように前記通液部を振動させる、
請求項14記載のナノバブル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナノバブル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水流によって、100μ以下の気泡を水中に発生させながら吐水するシャワーヘッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、小流量の送液においても液中のナノバブルを発生させるのに有効なナノバブル生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るナノバブル生成装置は、互いに逆向きの第1面及び第2面と、それぞれが第1面と第2面とに開口する通液用の複数の孔と、を有する通液部と、少なくとも第1面が液体に接するように通液部を支持し、第1面から第2面に向かって複数の孔を通る液体に、ナノバブルを発生させるように通液部を振動させるアクチュエータと、を備える。
【0006】
このナノバブル生成装置によれば、アクチュエータのエネルギーを利用することで、小流量の送液においても液中のナノバブルを発生させることができる。
【0007】
アクチュエータは、複数の孔を通る液体に、1mlあたり1億個以上のナノバブルを発生させるように通液部を振動させてもよい。発生したナノバブルを洗浄等に有効活用することができる。
【0008】
アクチュエータは、通液部を20kHz超の周波数で振動させてもよい。ナノバブルを高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0009】
アクチュエータは、複数の孔のそれぞれに、第1面から第2面に向かう液体の流れを発生させるように通液部を振動させてもよい。通液部の振動を送液にも有効活用することができる。複数の孔のそれぞれにおける液体の流れによって、ナノバブルの発生を促進することもできる。
【0010】
アクチュエータは、第1面及び第2面に垂直な方向に沿って通液部を振動させてもよい。ナノバブルを高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0011】
液体を収容する容器を更に備えてもよく、アクチュエータは、第1面が容器内の液体に接し、第2面が容器外に面するように通液部を支持し、複数の孔を通った液体をミスト化して容器外に送出するように通液部を振動させてもよい。発生したナノバブルをミストとして有効活用することができる。
【0012】
アクチュエータは、1分あたり0.5~5mlの液体をミスト化して容器外に送出するように通液部を振動させてもよい。ナノバブルをより高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0013】
複数の孔のそれぞれは、容器が大気圧の雰囲気中にあり、通液部が静止した状態にて、第1面から第2面に液体を通さないように形成されていてもよい。ナノバブルをより高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0014】
複数の孔のそれぞれの内径は、3~10μmであってもよい。ナノバブルをより高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0015】
複数の孔のそれぞれの内径は、第1面から第2面に向かうにつれて徐々に小さくなっていてもよい。ナノバブルをより高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0016】
容器の外面から突出し、人の口腔内に向けられる筒状部を更に備え、アクチュエータは、第2面が筒状部を経て容器外に面するように通液部を支持し、筒状部を経て液体を口腔内に送出するように通液部を振動させてもよい。ナノバブルを含有するミストを痰の除去等に有効活用することができる。
【0017】
容器は、人の顔面に向けられる対向面を有し、アクチュエータは、第2面が対向面の一部を構成するように通液部を支持し、顔面に液体を送出するように通液部を振動させてもよい。ナノバブルを含有するミストを痰の除去等に有効活用することができる。
【0018】
通液部と、容器と、アクチュエータとをそれぞれが有する複数の送液ユニットと、複数の送液ユニットのいずれにも装着可能であり、通液部を振動させるための電力をアクチュエータに供給する電源ユニットと、を備え、複数の孔のそれぞれの大きさが、複数の送液ユニット同士で互いに異なっていてもよい。粘度の異なる複数種類の液体に応じて第1ユニットと第2ユニットとを使い分けることで、複数種類の液体のそれぞれに、高いエネルギー効率でナノバブルを発生させることができる。
【0019】
通液部と、容器と、アクチュエータとをそれぞれが有する複数の送液ユニットと、複数の送液ユニットのいずれにも装着可能であり、通液部を振動させるための電力をアクチュエータに供給する電源ユニットと、を備え、複数の孔の数が、複数の送液ユニット同士で互いに異なっていてもよい。粘度の異なる複数種類の液体に応じて第1ユニットと第2ユニットとを使い分けることで、複数種類の液体のそれぞれに、高いエネルギー効率でナノバブルを発生させることができる。
【0020】
アクチュエータは、第1面及び第2面の両方が容器内で液体に接するように通液部を支持し、複数の孔と、通液部の周囲とを経て容器内で液体を循環させるように通液部を振動させてもよい。ナノバブルの含有数を自在に調節することができる。
【0021】
それぞれが通液部とアクチュエータとを有する複数の振動ユニットを備え、複数の振動ユニットは、第1面及び第2面が同一のラインに対し直交するように、ラインに沿って並び、容器内に収容されており、複数の振動ユニットのそれぞれのアクチュエータが、複数の孔を通る液体にナノバブルを発生させるように通液部を振動させてもよい。ナノバブルをより短時間で発生させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、小流量の送液においても液中のナノバブルを発生させるのに有効なナノバブル生成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】ナノバブル生成装置の一例を示す側面図である。
【
図3】ナノバブル生成装置の変形例を示す図である。
【
図4】ナノバブル生成装置の他の変形例を示す図である。
【
図5】ナノバブル生成装置の更に他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
本実施形態に係るナノバブル生成装置は、液中に直径1μm未満のバブル(以下、「ナノバブル」という。)を発生させる装置である。特許文献1に記載されたシャワーヘッドは、液中に微細なバブルを発生させるが、バブルを水流のエネルギーにより発生させているため、小流量の送液では十分なバブルを発生させることができない。
【0026】
そこで、本実施形態に係るナノバブル生成装置は、互いに逆向きの第1面及び第2面と、それぞれが第1面と第2面とに開口する通液用の複数の孔と、を有する通液部と、少なくとも第1面が液体に接するように通液部を支持し、第1面から第2面に向かって複数の孔を通る液体に、ナノバブルを発生させるように通液部を振動させるアクチュエータと、を備える。
【0027】
アクチュエータのエネルギーを利用することで、小流量の送液においても液中のナノバブルを発生させることができる。以下、図面を参照しつつ、ナノバブル生成装置の構成を例示する。
【0028】
図1は、ナノバブル生成装置の一例を示す側面図であり、上方の一部分が断面図となっている。
図1に示すナノバブル生成装置1は、液体をミスト化し、ユーザの呼吸器系に供給するネブライザである。例えばナノバブル生成装置1は、ミスト化した液体を、鉛直方向に交差(例えば直交)する方向に送り出す。以下、説明の便宜上、液体の送出方向を「前方」とする。
【0029】
ナノバブル生成装置1は、送液ユニット100と、電源ユニット200とを備える。送液ユニット100は、容器110と、蓋140と、筒状部150と、振動ユニット160とを有する。容器110は上方に開口し、蒸留水又は薬剤の水溶液等の液体を収容する。
【0030】
容器110は、樹脂材料により一体的に成型されており、底板111と、周壁120とを有する。底板111は、鉛直方向に交差する。周壁120は、底板111の上を包囲する。これにより、上方に開口する収容空間112が底板111の上に形成されており、液体は収容空間112に収容される。
【0031】
周壁120は、容器110の前方に面する前壁121と、容器110の後方に面する後壁122とを有する。前壁121は、液体を送り出すための送液口123を有する。
【0032】
周壁120は、底板111よりも下まで突出している。これにより、底板111の下には配線空間113が形成されている。配線空間113の周囲において、後壁122には、一対のコンタクト131,132が設けられている。一対のコンタクト131,132のそれぞれは、例えば銅等の導電性材料により形成されており、後壁122から後方に露出している。一対のコンタクト131,132は、配線空間113を経て、一対の電線133,134により後述のアクチュエータ162に接続される。
【0033】
収容空間112の周囲において、後壁122の上部は後方に膨出している。これにより、容器110の上部に、後方に張り出した張出部114が形成され、収容空間112の上部が後方に拡張されている。
【0034】
蓋140は、収容空間112の上を覆うように、周壁120の上部に取り付けられる。例えば蓋140は、ヒンジ141によって前壁121の上部に取り付けられている。ヒンジ141まわりに蓋140を回転させることで、周壁120の上部を開閉することができる。
【0035】
筒状部150は、容器110の外面から突出し、ユーザ(人)の口腔内に向けられる。例えば筒状部150は、送液口123を包囲するように前壁121に設けられ、前壁121から前方に突出している。例えば筒状部150は、容器110の材料と共通の材料によって、容器110と一体的に成型されている。
【0036】
筒状部150には、複数の吸気口151が形成されている。これにより、吸気口151からの空気と、送液口123から送出れた液体とを混合してユーザに吸入させることが可能となっている。
【0037】
振動ユニット160は、通液部161と、アクチュエータ162とを有する。通液部161は、ステンレス等の金属により構成された薄板であり、第1面163と、第2面164とを有する。通液部は、セラミック等の非金属材料により構成されていてもよい。第1面163と、第2面164とは、通液部161の厚さ方向において互いに逆向きである。通液部161は、第2面164を前方に向け、第1面163を後方に向けて、送液口123を塞ぐように配置される。第1面163は収容空間112内の液体に接し、第2面164は容器110外に面する。例えば第1面163は、筒状部150内を経て容器110外に面する。
【0038】
通液部161の厚さ(第1面163と第2面164との間隔)は、例えば0.3~1mmであり、0.55~0.75mmであってもよい。例えば通液部161の厚さは0.65mmである。
【0039】
図2に示すように、通液部161は、複数の孔165を更に有する。複数の孔165のそれぞれは、通液部161を貫通して、第1面163と第2面164とに開口している。
【0040】
複数の孔165のそれぞれは、容器110が大気圧の雰囲気中にあり、通液部161が静止した状態にて、第1面163から第2面164に液体を通さないように形成されている。複数の孔165のそれぞれは、例えば円形である。複数の孔165のそれぞれの内径は、例えば3~10μmであり、3~7μmであってもよい。例えば、複数の孔165のそれぞれの内径は5μmである。複数の孔165のそれぞれは、非円形(例えば、楕円形又は多角形)であってもよい。
【0041】
複数の孔165は、例えば1mm2あたり50~100個の密度で点在している。一例として、通液部161は、直径8mmの円形の外形を有し、この外形内に900個の孔165を有している。
【0042】
複数の孔165のそれぞれの内径は、第1面163から第2面164に向かうにつれて徐々に小さくなっていてもよい。例えば、複数の孔165のそれぞれの第2面164における内径D2は、3~10μmであり、3~7μmであってもよく、4.5~6.5μmであってもよい。複数の孔165のそれぞれの第1面163における内径D1は、30~50μmであり、35~45μmであってもよい。例えば、複数の孔165のそれぞれの第2面164における内径D2は5.5μmであり、複数の孔165のそれぞれの第1面163における内径D1は40μmである。
【0043】
なお、複数の孔165のそれぞれの内径は、第1面163から第2面164に至るまで一定であってもよい。複数の孔165のそれぞれの内径は、第1面163から第2面164に向かうにつれて徐々に大きくなっていてもよい。複数の孔165は、互いに内径が異なる2以上の孔165を含んでいてもよい。
【0044】
図1に戻り、アクチュエータ162は、容器110が収容する液体に、少なくとも第1面163が接するように通液部161を支持する。例えばアクチュエータ162は、容器110が収容する液体に第1面163が接し、第2面164が筒状部150を経て容器110外に面するように通液部161を支持する。例えばアクチュエータ162は、環形状を有し、送液口123を包囲するように前壁121に取り付けられている。アクチュエータ162は、第2面164を前方に向け、第1面163を後方に向けて、送液口123を塞ぐように通液部161を全周に亘って支持する。
【0045】
アクチュエータ162は、第1面163から第2面164に向かって複数の孔165を通る液体にナノバブルを発生させるように通液部161を振動させる。アクチュエータ162は、複数の孔165のそれぞれに、第1面163から第2面164に向かう液体の流れを発生させるように通液部161を振動させてもよい。例えばアクチュエータ162は、複数の孔165を通った液体をミスト化して容器110外に送出するように通液部161を振動させる。例えばアクチュエータ162は、筒状部150を経て液体を口腔内に送出するように通液部161を振動させる。
【0046】
例えばアクチュエータ162は、第1面163及び第2面164に垂直な方向に沿って通液部161を超音波振動させる。例えばアクチュエータ162は圧電素子であり、定周期で増減を繰り返す駆動電圧の印加に応じ、第1面163及び第2面164に垂直な方向に沿って伸縮を繰り返す。アクチュエータ162の伸縮により、通液部161が前進、後退を繰り返す。通液部161が後退する度に、通液部161の後方において部分的に液圧が高まり、複数の孔165を経て液体が前方に送り出される。
【0047】
アクチュエータ162は、複数の孔165を通る液体に、ナノバブルを発生させるように通液部161を振動させる、例えばアクチュエータ162は、複数の孔165を通る液体に、ナノバブルを1mlあたり1億個以上まで発生させるように通液部161を振動させる。
【0048】
ここで、通液部161の振動により単位時間あたりに送出される液体の量は、振動のエネルギーが高くなるにつれて増える。例えば、通液部161の振動の周波数を変えずに、通液部161の振動の振幅を大きくすると、単位時間当たりに送出される液体の量が増える。また、通液部161の振動により送出される液体の量が増えるにつれて、送出された液体が1mlあたりに含有するナノバブルの数は増加する。この知見に基づいて、アクチュエータ162は、毎分0.5~5mlの液体をミスト化して容器110外に送出するように通液部161を振動させる。アクチュエータ162は、毎分0.7~4mlの液体をミスト化して容器110外に送出するように通液部161を振動させてもよく、0.7~2mlの液体をミスト化して容器110外に送出するように通液部161を振動させてもよい。
【0049】
例えばアクチュエータ162は、通液部161を超音波振動させる。超音波振動は、20kHzを超える周波数での振動を意味する。例えばアクチュエータ162は、周波数20~200kHz、±60~120Vの駆動電圧の印加に応じ、0.5~2Wの電力を消費して、駆動電圧の周波数に対応する周波数で通液部161を振動させる。アクチュエータ162は、周波数50~150kHz、±70~90Vの駆動電圧の印加に応じ、0.8~1.2Wの電力を消費して、駆動電圧の周波数に対応する周波数で通液部161を振動させてもよい。例えばアクチュエータ162は、周波数108kHz、振幅80Vの駆動電圧の印加に応じ、1Wの電力を消費して、駆動電圧の周波数に対応する周波数で通液部161を振動させる。これにより、直径8mmの通液部161は、2W/cm2の強度で超音波振動することとなる。
【0050】
電源ユニット200は、通液部161を振動させるための電力をアクチュエータ162に供給する。例えば電源ユニット200は、上記駆動電圧を生成してアクチュエータ162に印加する。電源ユニット200は、グリップ210と、嵌合部220とを有する。グリップ210は、容器110の下に装着され、ユーザにより把持される。
【0051】
グリップ210は、バッテリ収容部211と、駆動回路212と、スイッチ213とを有する。バッテリ収容部211は、駆動電圧を生成するためのバッテリを収容する。例えばバッテリ収容部211は、単三型又は単四型等の乾電池を1又は2個以上収容する。
【0052】
駆動回路212は、バッテリから印加される直流電圧を上記駆動電圧に変換する。スイッチ213は、例えば押し釦スイッチであり、駆動回路212に駆動電圧を生成させるオン状態と、駆動回路212に駆動電圧を生成させないオフ状態とを切り替える。
【0053】
嵌合部220は、グリップ210の後側部分から上方に突出し、張出部114の下において、後方から容器110に嵌合する。嵌合部220には、一対のコンタクト231,232が設けられている。一対のコンタクト231,232のそれぞれは、例えば銅等の導電性材料により形成されており、嵌合部220から前方に露出している。
【0054】
一対のコンタクト231,232は、駆動回路212に接続されており、駆動回路212が生成した駆動電圧を出力する。嵌合部220が容器110に嵌合すると、一対のコンタクト231,232が、一対のコンタクト131,132にそれぞれ接触する。これにより、アクチュエータ162が駆動回路212に電気的に接続されるので、駆動回路212が生成した駆動電圧がアクチュエータ162に印加される。
【0055】
以上に説明したナノバブル生成装置1において、ナノバブルの発生に適した通液部の仕様は、容器110が収容する液体の特性(例えば粘度)によって異なる場合がある。そこで、ナノバブル生成装置1は、複数の送液ユニット100を有してもよい。この場合、電源ユニット200は複数の送液ユニット100のいずれにも装着可能であり、装着された送液ユニット100のアクチュエータ162に駆動電圧を供給する。
【0056】
ナノバブル生成装置1が複数の送液ユニット100を有する場合、複数の孔165のそれぞれの大きさが、複数の送液ユニット100同士で互いに異なっていてもよい。あるいは、複数の孔165の数が、複数の送液ユニット100同士で互いに異なっていてもよい。あるいは、複数の孔165のそれぞれの大きさと、複数の孔165の数との両方が、複数の送液ユニット100同士で互いに異なっていてもよい。
【0057】
以上に例示したナノバブル生成装置1の構成は適宜変更可能である。アクチュエータ162が通液部161を振動させる方向は、必ずしも第1面163及び第2面164に垂直な方向に限られない。例えばアクチュエータ162は、第1面163及び第2面164に平行な方向に沿って通液部161を振動させてもよい。
【0058】
ナノバブル生成装置1は、
図3に示すように、チューブ152を更に備えていてもよい。チューブ152は、筒状部150に接続され、ユーザの口腔内に挿入される。チューブ152は、容器110及び筒状部150の材料よりも柔軟な材料により形成されていてもよい。チューブ152は筒状部150に対し着脱自在であってもよく、筒状部150に対し接着などにより固定されていてもよい。また、チューブ152は、例えば二色成型等により、容器110と一体的に成型されていてもよい。また、振動ユニット160が、チューブ152の端部に設けられていてもよい。この場合、例えばチューブ152内面への付着によるミストの減少を抑制することができる。
【0059】
アクチュエータ162は、通液部161と一体化されていてもよい。例えば、通液部161自体が、圧電素子により形成され、駆動電圧の印加に応じて振動するように構成されていてもよい。この場合、通液部161は、複数の孔165の内径の拡大・縮小を繰り返すように振動してもよい。
【0060】
通液部161の振動により、ナノバブルを発生させながら送液を行う構成は、ネブライザ以外にも適用可能である。例えば
図4に示すナノバブル生成装置1Aは、液体をミスト化し、ユーザの顔面に供給する美容器具を例示する図である。ナノバブル生成装置1Aは、送液ユニット100Aと、電源ユニット200Aとを有する。
【0061】
送液ユニット100Aは、容器110Aと、複数の振動ユニット160A,160B,160Cとを有する。容器110Aは、蒸留水又は美容液(例えば化粧水)等の液体を収容する。容器110Aは、対向面119を有する。対向面119は、鉛直方向に交差する方向に面し、人の顔面に向けられる。
【0062】
複数の振動ユニット160A,160B,160Cのそれぞれは、上述した通液部161とアクチュエータ162とを有する。複数の振動ユニット160A,160B,160Cは、対向面119に点在するように配置される。これにより、ミスト化した液体を顔面の広範囲に同時に供給することができる。複数の振動ユニット160A,160B,160Cのそれぞれにおいて、アクチュエータ162は、第2面164が対向面119の一部を構成するように通液部161を支持し、顔面に液体を送出するように通液部161を振動させる。
【0063】
複数の振動ユニット160A,160B,160Cのそれぞれにおいて、アクチュエータ162は、複数の孔165を通る液体に、ナノバブルを発生させるように通液部161を振動させる、例えばアクチュエータ162は、複数の孔165を通る液体に、ナノバブルを1mlあたり1億個以上まで発生させるように通液部161を振動させる。
【0064】
電源ユニット200Aは、複数の振動ユニット160A,160B,160Cのそれぞれのアクチュエータ162に、通液部161を振動させるための電力を供給する。例えば電源ユニット200Aは、上記駆動電圧を生成してアクチュエータ162に印加する。電源ユニット200と同様に、電源ユニット200Aは、容器110Aの下に位置するグリップ210を有する。なお、振動ユニットの数は3個に限られず、適宜変更可能である。
【0065】
送液ユニット100Aは、複数の振動ユニット160A,160B,160Cの向き(通液部161の第2面164が面する方向)を変更可能にする方向調節部を更に有してもよい。複数の振動ユニット160A,160B,160Cのそれぞれに方向調節部が設けられ、複数の振動ユニット160A,160B,160Cのそれぞれの向きを独立して調節することが可能となっていてもよい。
【0066】
振動ユニット160は、アクチュエータ162による通液部161の振動が、第1面163から第2面164への送液には実質的に寄与しないように構成されていてもよい。例えば、通液部161の複数の孔165のそれぞれは、第1面163から第2面164への液体の流れを妨げない程度に大きな内径を有していてもよい。例えば、通液部161は、シャワーヘッドの吐水部に設けられ、アクチュエータ162による振動が付加されていない状況においても、液体をシャワー上にして送り出すように構成されていてもよい。このような構成においても、アクチュエータ162により通液部161を振動させることで、複数の孔165を通る液体にナノバブルを発生させることができる。
【0067】
図5に示すナノバブル生成装置1Bは、液中に浸漬された通液部161の振動によって、容器内の液体にナノバブルを発生させる構成を例示する図である。ナノバブル生成装置1Bは、送液ユニット100Bと、複数の振動ユニット160D,160E,160Fとを有する。送液ユニット100Bは、蒸留水又は薬剤の水溶液等の液体を収容する。送液ユニット100Bの底には送液口123が形成されている。送液ユニット100Bの下には、送液口123から送出された液体を導く送液管170が設けられている。送液管170の流路はコック等によって開閉される。
【0068】
複数の振動ユニット160D,160E,160Fのそれぞれは、上述した通液部161とアクチュエータ162とを有する。複数の振動ユニット160D,160E,160Fのそれぞれのアクチュエータ162は、第1面163及び第2面164の両方が容器110B内で液体に接するように通液部161を支持し、孔165と、通液部161の周囲(アクチュエータ162の周囲)とを経て容器110B内で液体を循環させるように通液部161を振動させる。
【0069】
複数の振動ユニット160D,160E,160Fは、第1面163及び第2面164が同一のラインに対し直交するように、上記ラインに沿って並んでいる。
【0070】
例えば複数の振動ユニット160D,160E,160Fは、第1面163及び第2面164が鉛直な1本のラインL1に対し直交するように、ラインL1に沿って互いに間隔をあけて並んでいる。例えば複数の振動ユニット160D,160E,160Fは、下から順に、間隔をあけて並んでいる。複数の振動ユニット160D,160E,160Fのそれぞれにおいて、第1面163は上方に向き、第2面164は下方に向いている。振動ユニット160Eの第2面164は振動ユニット160Dの第1面163に対向し、振動ユニット160Fの第2面164は振動ユニット160Eの第1面163に対向している。
【0071】
複数の振動ユニット160D,160E,160Fのそれぞれのアクチュエータ162は、複数の孔165を経て、液体を第2面164が向かう方向に送るように通液部161を振動させる。例えば振動ユニット160Fのアクチュエータ162は、上方の液体を下方の振動ユニット160Eに送るように通液部161を振動させる。振動ユニット160Eのアクチュエータ162は、振動ユニット160Fから送られた液体を下方の振動ユニット160Dに送るように通液部161を振動させる。振動ユニット160Dのアクチュエータ162は、振動ユニット160Eから送られた液体を下方に送るように通液部161を振動させる。振動ユニット160Dの通液部161により下方に送られた液体は、複数の振動ユニット160D,160E,160Fの外周と、容器110Bとの間を経て上方に戻る。これにより、容器110B内で液体が循環する。
【0072】
複数の振動ユニット160D,160E,160Fのそれぞれのアクチュエータ162は、複数の孔165を通る液体にナノバブルを発生させるように通液部161を振動させる。容器110B内を循環する液体が、複数の振動ユニット160D,160E,160Fのそれぞれにおいて複数の孔165を通る度に、液体中のナノバブルが発生する。このため、容器110B内の液体中に、ナノバブルを効率よく発生させることができる。
【0073】
これにより、容器110B内には、ナノバブルを高い濃度で含有する液体が生成される。生成された液体は、送液管170を経て送出され、手洗い、うがい、又は器具の洗浄等、様々な用途に利用され得る。なお、振動ユニットの数は3個に限られず、適宜変更可能である。
【0074】
〔まとめ〕
上述した実施形態は、以下の構成を含む。
(1) 互いに逆向きの第1面163及び第2面164と、それぞれが第1面163と第2面164とに開口する通液用の複数の孔165と、を有する通液部161と、少なくとも第1面163が液体に接するように通液部161を支持し、複数の孔165を経て、第1面163から第2面164に向かって複数の孔165を通る液体に、ナノバブルを発生させるように通液部161を振動させるアクチュエータ162と、を備えるナノバブル生成装置。
このナノバブル生成装置によれば、アクチュエータ162のエネルギーを利用することで、小流量の送液においても液中のナノバブルを発生させることができる。
【0075】
(2) アクチュエータ162は、複数の孔165を通る液体に、1mlあたり1億個以上のナノバブルを発生させるように通液部161を振動させる、(1)記載のナノバブル生成装置。
発生したナノバブルを洗浄等に有効活用することができる。
【0076】
(3) アクチュエータ162は、通液部161を20kHz超の周波数で振動させる、(1)又は(2)記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルを効率よく発生させることができる。
【0077】
(4) アクチュエータ162は、複数の孔165のそれぞれに、第1面163から第2面164に向かう液体の流れを発生させるように通液部161を振動させる、(1)~(3)のいずれか記載のナノバブル生成装置。
通液部の振動を送液にも有効活用することができる。複数の孔のそれぞれにおける液体の流れによって、ナノバブルの発生を促進することもできる。
【0078】
(5) アクチュエータ162は、第1面163及び第2面164に垂直な方向に沿って通液部161を振動させる、(4)記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルを効率よく発生させることができる。
【0079】
(6) 液体を収容する容器110を更に備え、アクチュエータ162は、第1面163が容器110内の液体に接し、第2面164が容器110外に面するように通液部161を支持し、複数の孔165を通った液体をミスト化して容器110外に送出するように通液部161を振動させる、(5)記載のナノバブル生成装置。
発生したナノバブルをミストとして有効活用することができる。
【0080】
(7) アクチュエータ162は、1分あたり0.5~5mlの液体をミスト化して容器110外に送出するように通液部161を振動させる、(6)記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルをより高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0081】
(8) 複数の孔165のそれぞれは、容器110が大気圧の雰囲気中にあり、通液部161が静止した状態にて、第1面163から第2面164に液体を通さないように形成されている、(6)又は(7)記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルをより高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0082】
(9) 複数の孔165のそれぞれの内径は、3~10μmである、(8)記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルをより高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0083】
(10) 複数の孔165のそれぞれの内径は、第1面163から第2面164に向かうにつれて徐々に小さくなっている、(8)又は(9)記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルをより高いエネルギー効率で発生させることができる。
【0084】
(11) 容器110の外面から突出し、人の口腔内に向けられる筒状部150を更に備え、アクチュエータ162は、第2面164が筒状部150を経て容器110外に面するように通液部161を支持し、筒状部150を経て液体を口腔内に送出するように通液部161を振動させる、(6)~(10)のいずれか記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルを含有するミストを痰の除去等に有効活用することができる。
【0085】
(12) 容器110は、人の顔面に向けられる対向面を有し、アクチュエータ162は、第2面164が対向面の一部を構成するように通液部161を支持し、顔面に液体を送出するように通液部161を振動させる、(6)~(10)のいずれか記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルを含有するミストを痰の除去等に有効活用することができる。
【0086】
(13) 通液部161と、容器110と、アクチュエータ162とをそれぞれが有する複数の送液ユニット100と、複数の送液ユニット100のいずれにも装着可能であり、通液部161を振動させるための電力をアクチュエータ162に供給する電源ユニットと、を備え、複数の孔165のそれぞれの大きさが、複数の送液ユニット100同士で互いに異なっている、(6)~(12)のいずれか記載のナノバブル生成装置。
粘度の異なる複数種類の液体に応じて第1ユニットと第2ユニットとを使い分けることで、複数種類の液体のそれぞれに、高いエネルギー効率でナノバブルを発生させることができる。
【0087】
(14) 通液部161と、容器110と、アクチュエータ162とをそれぞれが有する複数の送液ユニット100と、複数の送液ユニット100のいずれにも装着可能であり、通液部161を振動させるための電力をアクチュエータ162に供給する電源ユニットと、を備え、複数の孔165の数が、複数の送液ユニット100同士で互いに異なっている、(6)~(13)のいずれか記載のナノバブル生成装置。
粘度の異なる複数種類の液体に応じて第1ユニットと第2ユニットとを使い分けることで、複数種類の液体のそれぞれに、高いエネルギー効率でナノバブルを発生させることができる。
【0088】
(15) 液体を収容する容器110を更に備え、アクチュエータ162は、第1面163及び第2面164の両方が容器110内で液体に接するように通液部161を支持し、複数の孔165と、通液部161の周囲とを経て容器110内で液体を循環させるように通液部161を振動させる、(1)又は(2)記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルの含有数を自在に調節することができる。
【0089】
(15) それぞれが通液部161とアクチュエータ162とを有する複数の振動ユニット160D,160E,160Fを備え、複数の振動ユニット160D,160E,160Fは、第1面163及び第2面164が同一のラインに対し直交するように、ラインに沿って並び、容器110内に収容されており、複数の振動ユニット160D,160E,160Fのそれぞれのアクチュエータ162が、複数の孔165を通る液体にナノバブルを発生させるように通液部161を振動させる、(14)記載のナノバブル生成装置。
ナノバブルをより短時間で発生させることができる。
【実施例0090】
以下、ナノバブル生成装置1の実施例を示すが、本発明は実施例に限定されるものではない。以下の仕様の振動ユニット160を有するナノバブル生成装置1を準備した。
通液部の厚さ: 0.65mm
通液部の材質: ステンレス
通液部の外径: 8mm
孔の数: 900個
第2面における孔の内径: 5.5μm
第1面における孔の内径: 40μm
【0091】
容器110に蒸留水を収容した上で、振動ユニット160のアクチュエータ162に対し、周波数108kHz、±80Vの駆動電圧を印加して1Wの電力を供給した。アクチュエータ162が通液部161を振動させることで発生したミストを回収し、回収した液中のナノバブルの数を、ナノ粒子トラッキング解析法により計数した。計測の結果、1mlあたり1.2億個のナノバブルが含まれていることが確認された。
1…ナノバブル生成装置、100…送液ユニット、110…容器、150…筒状部、161…通液部、163…第1面、164…第2面、165…孔、162…アクチュエータ、1,1A,1B…ナノバブル生成装置、160D,160E,160F…複数の振動ユニット。