(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101406
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】内燃機関の失火判定方法、内燃機関の制御方法および内燃機関の制御装置
(51)【国際特許分類】
F02D 45/00 20060101AFI20240722BHJP
F02D 41/22 20060101ALI20240722BHJP
F02D 41/34 20060101ALI20240722BHJP
F02D 43/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
F02D45/00 368Z
F02D41/22
F02D41/34
F02D45/00 345
F02D43/00 301H
F02D43/00 301Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005370
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】316015888
【氏名又は名称】三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】古川 雄太
(72)【発明者】
【氏名】高柳 恒
【テーマコード(参考)】
3G301
3G384
【Fターム(参考)】
3G301HA01
3G301HA04
3G301HA22
3G301JA23
3G301JB09
3G301LB04
3G301MA11
3G301NE06
3G301PC01Z
3G301PC09B
3G384AA01
3G384AA06
3G384AA14
3G384BA13
3G384DA54
3G384EB02
3G384EB10
3G384ED07
3G384ED08
3G384FA29Z
3G384FA32B
(57)【要約】
【課題】内燃機関システムの冗長性を確保しつつ、排気管における未燃燃料の着火を抑制できる内燃機関の失火判定方法、内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の失火の有無を判定するための内燃機関の失火判定方法であって、内燃機関の運転中において内燃機関の少なくとも1つの気筒の失火を検知する失火検知ステップと、失火検知ステップにおいて失火が検知された少なくとも1つの気筒である失火対象気筒に対して、少なくとも失火検知ステップの次の燃焼サイクルにおける燃料の供給を停止する燃料供給停止ステップと、燃料供給停止ステップの次の燃焼サイクルにおいて、失火対象気筒に対して燃料を供給して失火対象気筒の失火の有無を判定する失火判定ステップと、燃料供給停止ステップと失火判定ステップとを所定回数繰り返すことで、失火対象気筒の故障の有無を判定する故障判定ステップと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の失火の有無を判定するための内燃機関の失火判定方法であって、
前記内燃機関の運転中において前記内燃機関の少なくとも1つの気筒の失火を検知する失火検知ステップと、
前記失火検知ステップにおいて失火が検知された前記少なくとも1つの気筒である失火対象気筒に対して、少なくとも前記失火検知ステップの次の燃焼サイクルにおける燃料の供給を停止する燃料供給停止ステップと、
前記燃料供給停止ステップの次の燃焼サイクルにおいて、前記失火対象気筒に対して前記燃料を供給して前記失火対象気筒の失火の有無を判定する失火判定ステップと、
前記燃料供給停止ステップと前記失火判定ステップとを所定回数繰り返すことで、前記失火対象気筒の故障の有無を判定する故障判定ステップと、を備える、
内燃機関の失火判定方法。
【請求項2】
前記故障判定ステップは、
前記失火判定ステップを所定回数繰り返したときの、連続して失火を検知した回数が一定回数以上である場合に、前記失火対象気筒が故障していると判定する第1の故障判定ステップを含む、
請求項1に記載の内燃機関の失火判定方法。
【請求項3】
前記故障判定ステップは、
前記失火判定ステップを所定回数繰り返したときの、失火を検知した割合が閾値以上である場合に、前記失火対象気筒が故障していると判定する第2の故障判定ステップを含む、
請求項1又は2に記載の内燃機関の失火判定方法。
【請求項4】
前記燃料供給停止ステップでは、連続する複数回の燃焼サイクルにおける前記燃料の供給を停止することが行われる、
請求項1又は2に記載の内燃機関の失火判定方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの気筒は、各気筒から排ガスを排出するための排気管が合流する複数の気筒を含み、
前記内燃機関の失火判定方法は、
前記複数の気筒のうち、前記失火対象気筒以外の気筒である失火対象外気筒の少なくとも1つに対して、前記失火対象気筒が前記失火検知ステップにおいて失火が検知されてから次の前記失火判定ステップが行われるまでの間、前記燃料の供給を停止する失火対象外気筒燃料供給停止ステップをさらに備える、
請求項1又は2に記載の内燃機関の失火判定方法。
【請求項6】
前記失火対象外気筒燃料供給停止ステップでは、
前記失火対象気筒の前記排気管よりも排ガスの流れ方向の下流側に前記排気管が合流する前記失火対象外気筒の少なくとも1つに対して、前記失火対象気筒が前記失火検知ステップにおいて失火が検知されてから次の前記失火判定ステップが行われるまでの間、前記燃料の供給を停止することが行われる、
請求項5に記載の内燃機関の失火判定方法。
【請求項7】
前記燃焼サイクルは、前記気筒から未燃ガス又は排ガスを排出する排気行程を含み、
前記失火対象外気筒燃料供給停止ステップでは、
前記失火対象気筒が前記排気行程を実行中に前記排気行程の少なくとも一部が行われる前記失火対象外気筒の少なくとも1つに対して、前記失火対象気筒が前記失火検知ステップにおいて失火が検知されてから次の前記失火判定ステップが行われるまでの間、前記燃料の供給を停止することが行われる、
請求項5に記載の内燃機関の失火判定方法。
【請求項8】
前記失火検知ステップでは、
前記少なくとも1つの気筒の筒内圧を取得するように構成された筒内圧取得装置が取得した前記筒内圧を用いて、前記気筒の失火検知が行われる、
請求項1又は2に記載の内燃機関の失火判定方法。
【請求項9】
内燃機関の運転を制御するための内燃機関の制御方法であって、
請求項1又は2に記載の内燃機関の失火判定方法と、
前記燃料供給停止ステップにおいて前記燃料の供給が停止されたときの前記失火対象気筒の筒内圧が、予め設定された燃料供給停止時の設定範囲を逸脱した場合に前記内燃機関の運転を停止させる内燃機関停止ステップと、を備える、
内燃機関の制御方法。
【請求項10】
内燃機関の運転を制御するように構成された内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関の運転中において前記内燃機関の少なくとも1つの気筒の失火を検知するように構成された失火検知部と、
前記失火検知部において失火が検知された前記少なくとも1つの気筒である失火対象気筒に対して、少なくとも前記失火検知部により失火が検知された燃焼サイクルの次の燃焼サイクルにおける燃料の供給を停止するように構成された燃料供給停止部と、
前記燃料供給停止部により前記燃料の供給が停止された燃焼サイクルの次の燃焼サイクルにおいて、前記失火対象気筒に対して前記燃料を供給して前記失火対象気筒の失火の有無を判定する失火判定部と、
前記失火判定部による所定回数の判定結果から前記失火対象気筒の故障の有無を判定するように構成された故障判定部と、を備える、
内燃機関の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内燃機関の失火判定方法、内燃機関の制御方法および内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関において失火が発生すると、燃焼室から未燃ガスが排気管に流出し、排気管において着火する虞がある。排気管において着火を回避することを目的として、一般的に内燃機関において失火が発生した場合に失火が発生した気筒の運転状態を休止に移行させる、又は、内燃機関を停止させる等の安全上の措置が取られる。例えば、特許文献1には、内燃機関の出力と回転数により失火の有無を判定し、失火が疑わしい場合に燃料供給を停止することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮に故障確定に要する失火検知がされた燃焼サイクルの数が1つである場合には、誤判定や過剰判定の可能性が高く、失火を検知した際に即座に上記安全上の措置が取られてしまうこととなる。これにより、内燃機関を備える内燃機関システムの商品性の低下を招く虞がある。故障確定に要する失火検知がされた燃焼サイクルの数を増やすほど、誤判定や過剰判定の可能性が低くなり内燃機関システムの冗長性が向上するが、排気管において着火するリスクも上昇する。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、内燃機関システムの冗長性を確保しつつ、排気管における未燃燃料の着火を抑制できる内燃機関の失火判定方法、内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態に係る内燃機関の失火判定方法は、
内燃機関の失火の有無を判定するための内燃機関の失火判定方法であって、
前記内燃機関の運転中において前記内燃機関の少なくとも1つの気筒の失火を検知する失火検知ステップと、
前記失火検知ステップにおいて失火が検知された前記少なくとも1つの気筒である失火対象気筒に対して、少なくとも前記失火検知ステップの次の燃焼サイクルにおける燃料の供給を停止する燃料供給停止ステップと、
前記燃料供給停止ステップの次の燃焼サイクルにおいて、前記失火対象気筒に対して前記燃料を供給して前記失火対象気筒の失火の有無を判定する失火判定ステップと、
前記燃料供給停止ステップと前記失火判定ステップとを所定回数繰り返すことで、前記失火対象気筒の故障の有無を判定する故障判定ステップと、を備える。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係る内燃機関の制御方法は、
内燃機関の運転を制御するための内燃機関の制御方法であって、
前記内燃機関の失火判定方法と、
前記燃料供給停止ステップにおいて前記燃料の供給が停止されたときの前記失火対象気筒の筒内圧が、予め設定された燃料供給停止時の設定範囲を逸脱した場合に前記内燃機関の運転を停止させる内燃機関停止ステップと、を備える。
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係る内燃機関の制御装置は、
内燃機関の運転を制御するように構成された内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関の運転中において前記内燃機関の少なくとも1つの気筒の失火を検知するように構成された失火検知部と、
前記失火検知部において失火が検知された前記少なくとも1つの気筒である失火対象気筒に対して、少なくとも前記失火検知部により失火が検知された燃焼サイクルの次の燃焼サイクルにおける燃料の供給を停止するように構成された燃料供給停止部と、
前記燃料供給停止部により前記燃料の供給が停止された燃焼サイクルの次の燃焼サイクルにおいて、前記失火対象気筒に対して前記燃料を供給して前記失火対象気筒の失火の有無を判定する失火判定部と、
前記失火判定部による所定回数の判定結果から前記失火対象気筒の故障の有無を判定するように構成された故障判定部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、内燃機関システムの冗長性を確保しつつ、排気管における未燃燃料の着火を抑制できる内燃機関の失火判定方法、内燃機関の制御方法及び内燃機関の制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る内燃機関の制御装置を備える内燃機関システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
【
図2】本開示の一実施形態における内燃機関の構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る内燃機関の制御方法の一例を示すフロー図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る内燃機関の燃焼サイクルを説明するための説明図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る内燃機関の失火判定方法を説明するための説明図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る内燃機関の失火判定方法を説明するための説明図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る内燃機関の失火判定方法を説明するための説明図である。
【
図8】本開示の一実施形態における失火対象外気筒の燃料供給停止制御の一例を説明するための説明図である。
【
図9】本開示の一実施形態における失火対象外気筒の燃料供給停止制御の一例を説明するための説明図である。
【
図10】本開示の一実施形態における失火判定方法の一例を説明するための説明図である。
【
図11】本開示の一実施形態における内燃機関の運転停止制御の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0012】
(内燃機関システム)
図1は、本開示の一実施形態に係る内燃機関2の制御装置3を備える内燃機関システム1の構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図2は、本開示の一実施形態における内燃機関2の構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図1に示されるように、内燃機関システム1は、内部で燃料を燃焼させることで動力を発生させるように構成された内燃機関(エンジン)2と、内燃機関2の運転制御や燃焼制御を行うように構成された制御装置3と、を備える。
【0013】
内燃機関2は、
図1に示されるように、少なくとも1つ(図示例では、複数)の気筒4を含む。複数の気筒4の各々は、
図2に示されるように、気筒本体41と、気筒本体41の内部に収容されたピストン42と、を含み、気筒本体41とピストン42との間に形成された燃焼室43を有する。内燃機関2は、複数の気筒4の夫々の燃焼室43において燃料および燃焼用気体を燃焼させるように構成されている。
【0014】
以下の実施形態では、内燃機関2が、燃焼室43においてガス燃料(燃料)及び空気(燃焼用気体)が混合した混合気を燃焼(予混合燃焼)させるように構成されたガスエンジンである場合について説明するが、本開示の幾つかの実施形態は、内燃機関2が、燃焼室43においてガソリン等の液体燃料を空気に噴射するガソリンエンジンやディーゼルエンジンである場合にも適用可能である。また、以下の実施形態では、内燃機関2が、4ストロークエンジンである場合について説明するが、本開示の幾つかの実施形態は、内燃機関2が、2ストロークエンジンである場合にも適用可能である。
【0015】
内燃機関システム1は、
図2に示されるように、気筒4にガス燃料(燃料)を供給するように構成されたガス燃料供給装置(燃料供給装置)44と、燃焼室43においてガス燃料及び空気が混合した混合気に点火する点火装置(図示例では、点火プラグ)45と、気筒4の失火を検知するための失火検知装置46と、をさらに備える。ガス燃料供給装置44は、ガス燃料(燃料)を噴射するように構成されたガス燃料噴射弁(燃料噴射弁)であってもよい。
図2に示される実施形態では、ガス燃料供給装置44は、気筒4の内部に形成された燃焼室43にガス燃料を供給するようになっているが、燃焼室43に空気(燃焼用気体)を供給する空気供給管(空気供給流路形成部)5にガス燃料を供給するようになっていてもよい。
図2に示されるように、空気供給管(空気供給流路形成部)5は、燃焼室43に空気を供給するための流路を形成するものであり、配管に限定されない。空気供給管(空気供給流路形成部)5は、内燃機関2の内部に形成されて燃焼室43に連通する吸気ポートを含む。ガス燃料供給装置44、点火装置45及び失火検知装置46は、気筒4毎に個別に設けられる。
【0016】
図示される実施形態では、失火検知装置46は、筒内圧取得装置(図示例では、筒内圧センサ)46Aを含む。複数の筒内圧取得装置46Aの夫々は、該筒内圧取得装置46Aが対応する気筒4の筒内圧を取得するように構成されている。筒内圧取得装置(筒内圧センサ)46Aは、装着された気筒4の内部の圧力に応じた電気を発生させるように構成されている。或る実施形態では、筒内圧取得装置46Aは、圧電素子や歪ゲージなどを圧力検出素子として用いる。筒内圧取得装置46Aで生じる電気量を内燃機関2の制御装置3でモニタリングすることで、筒内圧取得装置46Aが装着された気筒4の内部の圧力を監視できる。
【0017】
内燃機関システム1は、
図2に示されるように、気筒4の燃焼室43に一端が接続され、該気筒4の燃焼室43に空気を導くための空気供給管5と、気筒4の燃焼室43に一端が接続され、該気筒4の燃焼室43から未燃ガス又は排ガスを排出するための排気管(排気流路形成部)6と、ガス燃料供給装置44に一端が接続され、該ガス燃料供給装置44にガス燃料の供給源(例えば、ガス貯留タンク)からガス燃料を導くためのガス燃料供給管47と、をさらに備える。
図2に示されるように、排気管(排気流路形成部)6は、燃焼室43から未燃ガス又は排ガスを排出するための流路を形成するものであり、配管に限定されない。排気管6は、内燃機関2の内部に形成されて燃焼室43に連通する排気ポートを含む。空気供給管5、排気管6及びガス燃料供給管47は、気筒4毎に個別に設けられる。
【0018】
内燃機関2は、複数の気筒4の内部でガス燃料を含む混合気を燃焼させることで動力を発生させるように構成されている。内燃機関システム1は、
図1に示されるように、内燃機関2の動力伝達シャフト21に接続された発電機11をさらに備えていてもよい。発電機11は、動力伝達シャフト21を介して内燃機関2が発生させた動力を回収し、回収した動力により発電するように構成されている。
【0019】
(内燃機関の制御装置)
内燃機関2の制御装置3は、内燃機関2、ガス燃料供給装置44及び点火装置45等の内燃機関システム1が備える各装置の運転を制御する電子制御ユニットである。制御装置3は、プロセッサを含む中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、及びI/Oインターフェイスなどからなるマイクロコンピュータとして構成されてもよい。図示される実施形態では、制御装置3は、エンジンコントロールユニットからなる。なお、他の幾つかの実施形態では、制御装置3は、エンジンコントロールユニットの備える機能(プログラムや回路)の一つとして実装されていてもよい。また、他の幾つかの実施形態では、制御装置3は、エンジンコントロールユニットとは異なる電子制御ユニットとして構成されていてもよい。
【0020】
ガス燃料供給装置44は、制御装置3によりガス燃料の供給時期(供給クランク角)及び供給量が制御されるように構成されている。点火装置45は、制御装置3により点火時期(点火クランク角)が制御されるように構成されている。ガス燃料供給装置44により燃焼室43又は空気供給管5に供給されたガス燃料は、空気供給管5を介して燃焼室43に送られる空気と混同後に燃焼室43で燃焼する。燃焼室43における燃焼により生じた排ガスは、排気管6を介して内燃機関システム1の外部に排出される。
【0021】
制御装置3は、内燃機関システム1に設けられたセンサ類(例えば、失火検知装置46)からの各種信号が、I/Oインターフェイスを介してCPUなどに入力されるようになっている。CPUでは、ROMに記憶されている制御プログラムに従って、各種制御を実行するように構成されている。制御装置3は、内燃機関システム1に設けられたセンサ類(例えば、失火検知装置46)からの各種信号(例えば、筒内圧取得装置46Aの検出値)を記憶する記憶部30を備える。
【0022】
(失火判定方法)
図3は、本開示の一実施形態に係る内燃機関2の制御方法200の一例を示すフロー図である。幾つかの実施形態に係る内燃機関2の制御方法200は、内燃機関2の運転を制御するための方法であり、内燃機関2の失火判定方法100を備える。内燃機関2の失火判定方法100は、内燃機関2の失火の有無を判定するための方法である。内燃機関2の失火判定方法100は、
図3に示されるように、失火検知ステップS1と、燃料供給停止ステップS2と、失火判定ステップS3と、故障判定ステップS4と、を備える。
【0023】
制御方法200は、制御装置3により行われてもよい。制御装置3は、
図1に示されるように、失火検知部31と、燃料供給停止部32と、失火判定部33と、故障判定部34と、を備える。失火検知部31、燃料供給停止部32、失火判定部33及び故障判定部34は、必要な情報を記憶部30から取得可能に構成されている。また、失火検知部31及び失火判定部33は、失火検知装置46から気筒4の失火を検知するための情報(信号、例えば、筒内圧取得装置46Aの検出値)を取得してもよい。
【0024】
(燃焼サイクル)
図4は、本開示の一実施形態に係る内燃機関2の燃焼サイクルCを説明するための説明図である。内燃機関2は、内燃機関2の運転中に複数の気筒4の各々において吸気行程P1、圧縮行程P2、膨張行程P3及び排気行程P4の4つの行程を1周期とする燃焼サイクルCを繰り返し行うことで出力が生み出されるようになっている。吸気行程P1では、空気供給管5を介して燃焼室43内に気体(空気、又は空気とガス燃料が混合した混合気)が吸入され、ピストン42が上死点TDCから下死点BDCに移動する。圧縮行程P2では、吸気行程P1において燃焼室43内に吸入された上記気体が圧縮され、ピストン42が下死点BDCから上死点TDCに移動する。膨張行程P3では、圧縮行程P2において圧縮された上記気体が膨張(燃焼)し、ピストン42が上死点TDCから下死点BDCに移動する。排気行程P4では、膨張行程P3において膨張した上記気体が燃焼室43内から排気管6に排出され、ピストン42が下死点BDCから上死点TDCに移動する。
【0025】
膨張行程P3の始期に点火装置45による点火が行われるようになっていてもよい。ガス燃料供給装置44は、燃焼サイクルC毎にガス燃料を供給可能に構成されている。或る燃焼サイクルCにて燃焼室43における燃焼を行う場合には、該燃焼サイクルCの膨張行程P3よりも前に、ガス燃料供給装置44から気筒4にガス燃料が供給されるようになっている。
図4におけるFSは、ガス燃料供給装置44によるガス燃料の供給時期の一例を示すものである。
【0026】
(失火検知ステップ)
図5~
図7の各々は、本開示の一実施形態に係る内燃機関2の失火判定方法100を説明するための説明図である。失火検知ステップS1では、内燃機関2の運転中において内燃機関2の少なくとも1つの気筒4の失火を検知することが行われる。失火検知ステップS1における失火の検知は、燃焼サイクルC毎に該燃焼サイクルCにおいて着火しない等の適切な燃焼が行われていないことを失火検知装置46が取得した情報により検知することを意味する。失火検知ステップS1は、失火検知部31により行われるようになっていてもよい。失火検知部31では、失火検知装置46が取得した情報を基に、少なくとも1つの気筒4の燃焼サイクルC毎の失火の検知が行われるようになっている。
【0027】
(燃料供給停止ステップ)
失火検知ステップS1において失火が検知された少なくとも1つの気筒4を失火対象気筒4Aと定義し、複数の気筒4のうち、失火対象気筒4A以外の気筒を失火対象外気筒4Bと定義する。燃料供給停止ステップS2では、失火対象気筒4Aに対して、少なくとも失火検知ステップS1の次の燃焼サイクルにおける燃料(ガス燃料)の供給を停止することが行われる。燃料供給停止ステップS2の対象となる燃焼サイクルでは、失火対象気筒4Aに対する失火の検知や失火の有無の判定が行われない。
図5~
図7に示されるように、少なくとも失火検知ステップS1において失火が検知された燃焼サイクルC1の次の燃焼サイクルC2において、失火対象気筒4Aへの燃料の供給が停止される。燃料供給停止ステップS2は、燃料供給停止部32により行われるようになっていてもよい。燃料供給停止部32は、燃焼サイクルC2において失火対象気筒4Aに対する燃料の供給を停止するようにガス燃料供給装置44に対して指示する。
【0028】
(失火判定ステップ)
失火判定ステップS3では、燃料供給停止ステップS2の次の燃焼サイクルにおいて、失火対象気筒4Aに対して燃料(ガス燃料)を供給して失火対象気筒4Aの失火の有無を判定することが行われる。
図5及び
図6に示されるように、燃料供給停止ステップS2の次の燃焼サイクルC3(C)において、失火対象気筒4Aへの燃料の供給が行われ、失火対象気筒4Aの失火の有無が判定される。失火判定ステップS3は、失火判定部33により行われるようになっていてもよい。失火判定部33は、燃焼サイクルC3において失火対象気筒4Aに対する燃料の供給を行うようにガス燃料供給装置44に対して指示する。失火判定部33は、失火検知装置46が取得した情報を基に、失火対象気筒4Aの燃焼サイクルC毎の失火の有無の判定を行うように構成されている。
【0029】
(故障判定ステップ)
故障判定ステップS4では、燃料供給停止ステップS2と失火判定ステップS3とを所定回数繰り返すことで、失火対象気筒4Aの故障の有無を判定することが行われる。
【0030】
失火判定ステップS3において失火有りと判定された場合(
図3のステップS3で「YES」)には、該失火判定ステップS3の次に燃料供給停止ステップS2が行われる。すなわち、
図5及び
図6に示されるように、失火判定ステップS3において失火有りと判定された失火対象気筒4Aに対して、少なくとも該失火判定ステップS3の次の燃焼サイクルC4における燃料(ガス燃料)の供給を停止することが行われる。
【0031】
失火判定ステップS3において失火無しと判定された場合(
図3のステップS3で「NO」)には、
図6に示されるように、該失火判定ステップS3の次の燃焼サイクルC6に対して、失火判定ステップS3が行われる。
【0032】
燃料供給停止ステップS2及び失火判定ステップS3が繰り返され、失火判定ステップS3における失火の有無の判定結果が記憶部30に記憶される。
図3に示される実施形態では、失火判定ステップS3の繰り返し数Nが設定数(設定繰り返し数)NS以上となるまで、燃料供給停止ステップS2及び失火判定ステップS3が繰り返されるようになっている(ステップS5)。設定数NSは、5回以内が好ましく、3回以内がさらに好ましい。
【0033】
故障判定ステップS4は、故障判定部34により行われるようになっていてもよい。故障判定部34は、繰り返し行われた失火判定ステップS3における失火の有無の判定結果を基に、失火対象気筒4Aの故障の有無を行うように構成されている。故障判定ステップS4において、複数回の失火の有無の判定結果を基に、失火対象気筒4Aの故障を確定させることができる。
【0034】
(フェールセーフ動作)
制御方法200は、
図3に示されるように、故障判定ステップS4において失火対象気筒4Aが故障していると判定された場合(
図3のステップS6で「YES」)には、失火対象気筒4Aを有する内燃機関2、ガス燃料供給装置44及び点火装置45に対して、失火対象気筒4Aの故障に応じたフェールセーフ動作を行わせるフェールセーフ動作ステップS7をさらに備えていてもよい。フェールセーフ動作ステップS7では、例えば、失火対象気筒4Aを使用しない(燃料の供給停止や点火の停止)等の措置が取られる。フェールセーフ動作ステップS7は、制御装置3により行われるようになっていてもよい。
【0035】
幾つかの実施形態に係る内燃機関2の失火判定方法100は、
図3に示されるように、上述した失火検知ステップS1と、上述した燃料供給停止ステップS2と、上述した失火判定ステップS3と、上述した故障判定ステップS4と、を備える。
【0036】
上記の方法によれば、失火検知ステップS1において失火が検知された燃焼サイクルにおいて燃焼室43から未燃ガスが排出されたとしても、失火検知ステップS1の次の燃焼サイクルにおいて燃焼室43から燃焼用気体が排出されるため、排気管6を流れる排ガスの未燃燃料濃度を低減でき、排気管6における未燃燃料の着火を抑制できる。また、上記の方法によれば、失火判定ステップS3を所定回数繰り返すことで得られた所定回数の失火の有無の判定結果から失火対象気筒4Aの故障の有無を判定することで、誤判定や過剰判定を抑制できるため、内燃機関2を備える内燃機関システム1の冗長性を確保できる。
【0037】
ここで、誤判定は、ノイズ等の原因により、正常に燃焼が行われているのに失火対象気筒4Aの故障確定をしてしまうことを意味する。過剰判定は、部品の故障や消耗を伴わない、単発的な失火が行われる燃焼サイクルが発生する状況で、リスクが低いにも関わらず故障確定をしてしまうことを意味する。
【0038】
幾つかの実施形態に係る内燃機関2の制御装置3は、
図1に示されるように、上述した失火検知部31と、上述した燃料供給停止部32と、上述した失火判定部33と、上述した故障判定部34と、を備える。
【0039】
上記の構成によれば、失火検知部31において失火が検知された燃焼サイクルにおいて燃焼室43から未燃ガスが排出されたとしても、失火が検知された燃焼サイクルの次の燃焼サイクルにおいて燃焼室43から燃焼用気体が排出されるため、排気管6を流れる排ガスの未燃燃料濃度を低減でき、排気管6における未燃燃料の着火を抑制できる。また、上記の構成によれば、失火判定部33により得られた所定回数の失火の有無の判定結果から失火対象気筒4Aの故障の有無を判定することで、誤判定や過剰判定を抑制できるため、内燃機関2を備える内燃機関システム1の冗長性を確保できる。
【0040】
(第1の故障判定ステップ)
幾つかの実施形態では、上述した故障判定ステップS4は、
図5に示されるように、失火判定ステップS3を所定回数繰り返したときの、連続して失火を検知した回数が一定回数以上である場合に、失火対象気筒4Aが故障していると判定する第1の故障判定ステップを含む。
図5に示される実施形態では、第1の故障判定ステップは、失火検知ステップS1において失火の検知から連続して複数回(図示例では、2回)の失火を検知したときに、失火対象気筒4Aが故障している(故障確定)と判定している。
【0041】
上記の方法によれば、失火判定ステップS3において連続して失火を検知した回数が一定回数以上である場合には、誤判定や過剰判定ではなく失火対象気筒4Aが実際に故障している可能性が高い。このため、第1の故障判定ステップ(故障判定ステップS4)において失火対象気筒4Aが故障していると判定することで、失火対象気筒4Aの故障を確定でき、内燃機関2に対して失火対象気筒4Aの故障に応じたフェールセーフ動作を行わせることができる。これにより、内燃機関2を備える内燃機関システム1の冗長性を確保できる。
【0042】
(第2の故障判定ステップ)
幾つかの実施形態では、上述した故障判定ステップS4は、
図6に示されるように、失火判定ステップS3を所定回数繰り返したときの、失火を検知した割合が閾値以上である場合に、失火対象気筒4Aが故障していると判定する第2の故障判定ステップを含む。
図6に示される実施形態では、第2の故障判定ステップは、連続する3回の失火の有無の判定したときに、2回以上失火判定がされたときに、失火対象気筒4Aが故障している(故障確定)と判定している。
【0043】
上記の方法によれば、失火判定ステップS3において失火を検知した割合が閾値以上である場合には、誤判定や過剰判定ではなく失火対象気筒4Aが実際に故障している可能性が高い。このため、第2の故障判定ステップにおいて失火対象気筒4Aが故障していると判定することで、失火対象気筒4Aの故障を確定でき、内燃機関2に対して失火対象気筒4Aの故障に応じたフェールセーフ動作を行わせることができる。これにより、内燃機関2を備える内燃機関システム1の冗長性を確保できる。
【0044】
第2の故障判定ステップは、第1の故障判定ステップよりも失火の有無の判定回数が多くなり、第1の故障判定ステップよりも記憶部30の記憶領域を広く使用することとなる。第1の故障判定ステップは、連続する失火判定結果を利用するため、燃焼室43内の未燃燃料の濃度が比較的高い状態で失火の有無が判定されるのに対して、第2の故障判定ステップは、燃焼室43内の未燃燃料の濃度が比較的低い状態で失火の有無を判定できるため、第1の故障判定ステップに比べて実際の失火リスクに近い故障判定が可能となる。
【0045】
幾つかの実施形態では、
図7に示されるように、上述した燃料供給停止ステップS2では、連続する複数回の燃焼サイクルにおける燃料の供給が停止される。
図7に示される実施形態では、失火検知ステップS1において失火が検知された燃焼サイクルC1の次の燃焼サイクルC2だけでなく、該燃焼サイクルC2に連続する少なくとも1つの燃焼サイクルC3においても失火対象気筒4Aへの燃料の供給が停止される。また、失火判定ステップS3において失火が検知された燃焼サイクルC4の次の燃焼サイクルC5だけでなく、該燃焼サイクルC5に連続する少なくとも1つの燃焼サイクルC6においても失火対象気筒4Aへの燃料の供給が停止される。なお、1回の燃料供給停止ステップS2において燃料の供給が停止される燃焼サイクルの数は、3つ以下が好ましく2つ以下がさらに好ましい。
【0046】
上記の方法によれば、失火検知ステップS1や失火判定ステップS3の次の燃焼サイクルから連続する少なくとも1回の燃焼サイクルにおいて燃焼室43から燃焼用気体が排出されるため、失火検知ステップS1や失火判定ステップS3の次の燃焼サイクルだけ燃焼の供給を停止する場合に比べて、排気管6を流れる排ガスの未燃燃料濃度を効果的に低減でき、排気管6における未燃燃料の着火を効果的に抑制できる。
【0047】
(失火対象外気筒燃料供給停止ステップ)
図8及び
図9は、本開示の一実施形態における失火対象外気筒4Bの燃料供給停止制御の一例を説明するための説明図である。
図8に示されるように、内燃機関2の複数の気筒4は、失火対象気筒4Aと、少なくとも1つ(図示例では、複数)の失火対象外気筒4B(4C~4G)と、を含む。複数の排気管6は、失火対象気筒4Aに接続された排気管6Aと、複数の失火対象外気筒4B(4C~4G)に個別に接続された少なくとも1つの排気管6B(6C~6G)と、を含む。複数の気筒4は、各気筒4(4A、4C~4G)から排ガスを排出するための排気管6(6A、6C~6G)が合流している。複数の排気管6は、複数の気筒4から排出された排ガスが合流して流れる合流流路60を有する。
【0048】
幾つかの実施形態では、
図3に示されるように、上述した内燃機関の失火判定方法100は、複数の気筒4のうち、失火対象気筒4A以外の気筒である失火対象外気筒4Bの少なくとも1つに対して、失火対象気筒4Aが失火検知ステップS1において失火が検知されてから次の失火判定ステップS3が行われるまでの間(
図9の期間OP)、燃料の供給を停止する失火対象外気筒燃料供給停止ステップS8をさらに備える。
図3に示されるように、失火対象外気筒燃料供給停止ステップS8は、失火対象気筒4Aが失火判定ステップS3において失火有りと判定されてから次の失火判定ステップS3が行われるまでの間、燃料の供給を停止してもよい。なお、期間OPの始期は、失火検知ステップS1の次の燃料サイクルの始期(P1開始時)と同じであってもよい。期間OPの終期は、失火検知ステップS1の次の燃料サイクルの終期(P4終了時)と同じであってもよい。
【0049】
上記の方法によれば、失火対象外気筒燃料供給停止ステップS8において、失火対象外気筒4Bの少なくとも1つへの燃料の供給を停止することで、排気管6を流れる排ガスの温度を低減できるため、排気管6における未燃燃料の着火を抑制できる。
【0050】
失火対象外気筒燃料供給停止ステップS8では、全ての失火対象外気筒4Bに対して燃料の供給を停止してもよい。しかしながら、失火対象外気筒燃料供給停止ステップS8において燃料の供給が停止される失火対象外気筒4Bは、失火対象気筒4Aから排出される未燃ガスと、該失火対象外気筒4Bから排出される排ガスとが混合するか否かから決定されることが望ましい。また、失火対象気筒4Aから排出される未燃ガスと、該失火対象外気筒4Bから排出される排ガスとが混合するか否かは、失火対象気筒4Aと該失火対象外気筒4Bとの相対位置(具体的には、排気管6Aと該失火対象外気筒4Bに接続された排気管6Bとの合流位置等)、点火時期等の各気筒4の間隔、排気管6の平均流速の少なくとも1つを用いて決定してもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、上述した失火対象外気筒燃料供給停止ステップS8では、失火対象気筒4Aの排気管6Aよりも排ガスの流れ方向の下流側(
図8中右側)に排気管6Bが合流する失火対象外気筒4B(4D~4G、
図8参照)の少なくとも1つに対して、失火対象気筒4Aが失火検知ステップS1において失火が検知されてから、又は、失火対象気筒4Aが失火判定ステップS3において失火有りと判定されてから、次の失火判定ステップS3が行われるまでの間、燃料の供給を停止することが行われる。
【0052】
上記の方法によれば、排気管6Aよりも排ガスの流れ方向の下流側に排気管6Bが合流する失火対象外気筒4B(4D~4G)は、その排気管6Bを流れる排ガスが、排気管6Aを流れる未燃ガスに合流し、混合する可能性が高い。該失火対象外気筒4B(4D~4G)への燃料の供給を停止することで、排気管6Aを流れる未燃ガスに混合する可能性が高い排気管6Bを流れる排ガス(空気)の温度を低減できるため、排気管6における未燃燃料の着火を抑制できる。
【0053】
上述したように燃焼サイクルCは、気筒4から未燃ガス又は排ガスを排出する排気行程P4を含む。幾つかの実施形態では、上述した失火対象外気筒燃料供給停止ステップS8では、失火対象気筒4Aが排気行程P4を実行中に排気行程P4の少なくとも一部が行われる失火対象外気筒4B(4E、
図9参照)の少なくとも1つに対して、失火対象気筒4Aが失火検知ステップS1において失火が検知されてから、又は、失火対象気筒4Aが失火判定ステップS3において失火有りと判定されてから、次の前記失火判定ステップS3が行われるまでの間、燃料の供給を停止することが行われる。
【0054】
本実施形態では、失火対象気筒4Aの排気行程P4に排気行程P4が重複する期間(
図9参照)を有する失火対象外気筒4Bが、失火対象外気筒燃料供給停止ステップS8における燃料の供給停止対象となる。
【0055】
上記の方法によれば、失火対象気筒4Aが排気行程を実行中に排気行程の少なくとも一部が行われる失火対象外気筒4Bは、その排気管6Bを流れる排ガスが、排気管6Aを流れる未燃ガスに合流し、混合する可能性が高い。該失火対象外気筒4Bへの燃料の供給を停止することで、排気管6Aを流れる未燃ガスに混合する可能性が高い排気管6Bを流れる排ガス(空気)の温度を低減できるため、排気管6における未燃燃料の着火を抑制できる。
【0056】
幾つかの実施形態では、上述した失火検知ステップS1では、上述した少なくとも1つの気筒4の筒内圧を取得するように構成された筒内圧取得装置46Aが取得した筒内圧を用いて、該気筒4の失火検知が行われる。または、上述した失火判定ステップS3では、筒内圧取得装置46Aが取得した筒内圧を用いて、該気筒4の失火の有無を判定してもよい。
【0057】
図10は、本開示の一実施形態における失火判定方法100の一例を説明するための説明図である。
図10には、時間と筒内圧を軸とするグラフが示されており、該グラフには、燃料の供給が行われ、通常の燃焼(適切な燃焼)が行われる正常の燃焼サイクルの波形(第1基準波形)FV1と、燃料の供給が行われ、失火が検知される正常でない燃焼サイクルの波形AFV1とが示されている。
【0058】
失火検知ステップS1や失火判定ステップS3では、燃料の供給が行われているときの気筒4の筒内圧が、予め設定された燃料供給時の設定範囲を逸脱した場合に、該気筒4を失火有りと判定してもよい。上記燃料供給時の設定範囲は、第1基準波形FV1に対して高圧側に所定の裕度を持たせたものを上限閾値(
図10中一点鎖線で表示)としてもよく、第1基準波形FV1に対して低圧側に所定の裕度を持たせたものを下限閾値(
図10中二点鎖線で表示)としてもよい。
【0059】
上記の方法によれば、筒内圧取得装置46Aは、気筒4の温度(例えば、筒内温度)を取得する温度取得装置や気筒4の振動(例えば、振動の強度や周波数)を取得する振動取得装置に比べて応答速度が高い(応答性が良好である)ため、気筒4の筒内圧の変動を細かく取得できる。このため、筒内圧取得装置46Aが取得した筒内圧を用いることで、上記温度取得装置が取得した温度や上記振動取得装置が取得した振動を用いる場合に比べて、気筒4の失火検出の精度を向上できる。
【0060】
(内燃機関停止ステップ)
幾つかの実施形態に係る内燃機関の制御方法200は、上述した内燃機関の失火判定方法100と、内燃機関停止ステップと、を備える。上記内燃機関停止ステップでは、上述した燃料供給停止ステップS2において燃料の供給が停止されたときの失火対象気筒4Aの筒内圧が、予め設定された燃料供給停止時の設定範囲を逸脱した場合に内燃機関2の運転を停止させることが行われる。
【0061】
図11は、本開示の一実施形態における内燃機関の運転停止制御の一例を説明するための説明図である。
図11には、時間と筒内圧を軸とするグラフが示されており、該グラフには、燃料の供給が停止されたときの、正常の燃焼サイクルの波形(第2基準波形)FV2と、燃料の供給が停止されたときの、正常でない燃焼サイクルの波形AFV2、AFV3とが示されている。
【0062】
上記燃料供給停止時の設定範囲は、第2基準波形FV2に対して高圧側に所定の裕度を持たせたものを上限閾値(
図11中一点鎖線で表示)としてもよく、第2基準波形FV2に対して低圧側に所定の裕度を持たせたものを下限閾値(
図11中二点鎖線で表示)としてもよい。例えば、
図11中の波形AFV2のように、失火対象気筒4Aの筒内圧が、上限閾値を超えた場合には、失火対象気筒4Aに対する燃料の供給停止が正常に行われていないものとし、失火対象気筒4Aの故障を確定でき、内燃機関2の運転を停止させることが行われる。例えば、
図11中の波形AFV3のように、失火対象気筒4Aの筒内圧が、下限閾値を超えた場合には、失火対象気筒4Aにおいてガス漏れが生じているものとし、失火対象気筒4Aの故障を確定でき、内燃機関2の運転を停止させることが行われる。
【0063】
上記の方法によれば、燃料の供給が停止されたときの失火対象気筒4Aの筒内圧は、単純な圧縮膨張に応じた変化であるため、十分に予測可能である。燃料の供給が停止されたときの失火対象気筒4Aの筒内圧が、予め設定された燃料供給停止時の設定範囲を逸脱した場合には、内燃機関2の運転の即時停止が好ましい故障が予測されるため、上記内燃機関停止ステップにおいて内燃機関2の運転を停止させることで、内燃機関2や内燃機関2に取り付けられる機器の損傷リスクを低減できる。
【0064】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0065】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0066】
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
【0067】
1)本開示の少なくとも一実施形態に係る内燃機関の失火判定方法(100)は、
内燃機関(2)の失火の有無を判定するための内燃機関(2)の失火判定方法(100)であって、
前記内燃機関(2)の運転中において前記内燃機関(2)の少なくとも1つの気筒(4)の失火を検知する失火検知ステップ(S1)と、
前記失火検知ステップ(S1)において失火が検知された前記少なくとも1つの気筒(4)である失火対象気筒(4A)に対して、少なくとも前記失火検知ステップ(S1)の次の燃焼サイクルにおける燃料の供給を停止する燃料供給停止ステップ(S2)と、
前記燃料供給停止ステップ(S2)の次の燃焼サイクルにおいて、前記失火対象気筒(4A)に対して前記燃料を供給して前記失火対象気筒(4A)の失火の有無を判定する失火判定ステップ(S3)と、
前記燃料供給停止ステップ(S2)と前記失火判定ステップ(S3)とを所定回数繰り返すことで、前記失火対象気筒(4A)の故障の有無を判定する故障判定ステップ(S4)と、を備える。
【0068】
上記1)の方法によれば、失火検知ステップ(S1)において失火が検知された燃焼サイクルにおいて燃焼室から未燃ガスが排出されたとしても、失火検知ステップ(S1)の次の燃焼サイクルにおいて燃焼室から燃焼用気体が排出されるため、排気管を流れる排ガスの未燃燃料濃度を低減でき、排気管における未燃燃料の着火を抑制できる。また、上記1)の方法によれば、失火判定ステップ(S3)を所定回数繰り返すことで得られた所定回数の失火の有無の判定結果から失火対象気筒(4A)の故障の有無を判定することで、誤判定や過剰判定を抑制できるため、内燃機関(2)を備える内燃機関システム(1)の冗長性を確保できる。
【0069】
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の内燃機関の失火判定方法(100)であって、
前記故障判定ステップ(S4)は、
前記失火判定ステップ(S3)を所定回数繰り返したときの、連続して失火を検知した回数が一定回数以上である場合に、前記失火対象気筒(4A)が故障していると判定する第1の故障判定ステップを含む。
【0070】
上記2)の方法によれば、失火判定ステップ(S3)において連続して失火を検知した回数が一定回数以上である場合には、誤判定や過剰判定ではなく失火対象気筒(4A)が実際に故障している可能性が高い。このため、第1の故障判定ステップにおいて失火対象気筒(4A)が故障していると判定することで、失火対象気筒(4A)の故障を確定でき、内燃機関(2)に対して失火対象気筒(4A)の故障に応じたフェールセーフ動作を行わせることができる。これにより、内燃機関(2)を備える内燃機関システム(1)の冗長性を確保できる。
【0071】
3)幾つかの実施形態では、上記1)又は2)に記載の内燃機関の失火判定方法(100)であって、
前記故障判定ステップ(S4)は、
前記失火判定ステップ(S3)を所定回数繰り返したときの、失火を検知した割合が閾値以上である場合に、前記失火対象気筒(4A)が故障していると判定する第2の故障判定ステップを含む。
【0072】
上記3)の方法によれば、失火判定ステップ(S3)において失火を検知した割合が閾値以上である場合には、誤判定や過剰判定ではなく失火対象気筒(4A)が実際に故障している可能性が高い。このため、第2の故障判定ステップにおいて失火対象気筒(4A)が故障していると判定することで、失火対象気筒(4A)の故障を確定でき、内燃機関(2)に対して失火対象気筒(4A)の故障に応じたフェールセーフ動作を行わせることができる。これにより、内燃機関(2)を備える内燃機関システム(1)の冗長性を確保できる。
【0073】
4)幾つかの実施形態では、上記1)から3)までの何れかに記載の内燃機関の失火判定方法(100)であって、
前記燃料供給停止ステップ(S2)では、連続する複数回の燃焼サイクルにおける前記燃料の供給を停止することが行われる。
【0074】
上記4)の方法によれば、失火検知ステップ(S1)の次の燃焼サイクルから連続する複数回の燃焼サイクルにおいて燃焼室から燃焼用気体が排出されるため、失火検知ステップ(S1)の次の燃焼サイクルだけ燃焼の供給を停止する場合に比べて、排気管を流れる排ガスの未燃燃料濃度を効果的に低減でき、排気管における未燃燃料の着火を効果的に抑制できる。
【0075】
5)幾つかの実施形態では、上記1)から4)までの何れかに記載の内燃機関の失火判定方法(100)であって、
前記少なくとも1つの気筒(4)は、各気筒(4)から排ガスを排出するための排気管(6)が合流する複数の気筒(4)を含み、
前記内燃機関の失火判定方法(100)は、
前記複数の気筒(4)のうち、前記失火対象気筒(4A)以外の気筒である失火対象外気筒(4B)の少なくとも1つに対して、前記失火対象気筒(4A)が前記失火検知ステップ(S1)において失火が検知されてから次の前記失火判定ステップ(S3)が行われるまでの間、前記燃料の供給を停止する失火対象外気筒燃料供給停止ステップ(S8)をさらに備える。
【0076】
上記5)の方法によれば、失火対象外気筒燃料供給停止ステップ(S8)において、失火対象外気筒(4B)の少なくとも1つへの燃料の供給を停止することで、排気管(6)を流れる排ガスの温度を低減できるため、排気管(6)における未燃燃料の着火を抑制できる。
【0077】
6)幾つかの実施形態では、上記5)に記載の内燃機関の失火判定方法(100)であって、
前記失火対象外気筒燃料供給停止ステップ(S8)では、
前記失火対象気筒(4A)の前記排気管(6A)よりも排ガスの流れ方向の下流側に前記排気管(6B)が合流する前記失火対象外気筒(4B)の少なくとも1つに対して、前記失火対象気筒(4A)が前記失火検知ステップ(S1)において失火が検知されてから次の前記失火判定ステップ(S3)が行われるまでの間、前記燃料の供給を停止することが行われる。
【0078】
上記6)の方法によれば、排気管(6A)よりも排ガスの流れ方向の下流側に排気管(6B)が合流する失火対象外気筒(4B)は、その排気管(6B)を流れる排ガスが、排気管(6A)を流れる未燃ガスに合流し、混合する可能性が高い。該失火対象外気筒(4B)への燃料の供給を停止することで、排気管(6A)を流れる未燃ガスに混合する可能性が高い排気管(6B)を流れる排ガス(空気)の温度を低減できるため、排気管(6)における未燃燃料の着火を抑制できる。
【0079】
7)幾つかの実施形態では、上記5)又は6)に記載の内燃機関の失火判定方法(100)であって、
前記燃焼サイクルは、前記気筒(4)から未燃ガス又は排ガスを排出する排気行程を含み、
前記失火対象外気筒燃料供給停止ステップ(S8)では、
前記失火対象気筒(4A)が前記排気行程を実行中に前記排気行程の少なくとも一部が行われる前記失火対象外気筒(4B)の少なくとも1つに対して、前記失火対象気筒(4A)が前記失火検知ステップ(S1)において失火が検知されてから次の前記失火判定ステップ(S3)が行われるまでの間、前記燃料の供給を停止することが行われる。
【0080】
上記7)の方法によれば、失火対象気筒(4A)が排気行程を実行中に排気行程の少なくとも一部が行われる失火対象外気筒(4B)は、その排気管(6B)を流れる排ガスが、排気管(6A)を流れる未燃ガスに合流し、混合する可能性が高い。該失火対象外気筒(4B)への燃料の供給を停止することで、排気管(6A)を流れる未燃ガスに混合する可能性が高い排気管(6B)を流れる排ガス(空気)の温度を低減できるため、排気管における未燃燃料の着火を抑制できる。
【0081】
8)幾つかの実施形態では、上記1)から7)までの何れかに記載の内燃機関の失火判定方法(100)であって、
前記失火検知ステップ(S1)では、
前記少なくとも1つの気筒(4)の筒内圧を取得するように構成された筒内圧取得装置(46A)が取得した前記筒内圧を用いて、前記気筒(4)の失火検知が行われる。
【0082】
上記8)の方法によれば、筒内圧取得装置(46A)は、気筒(4)の温度(例えば、筒内温度)を取得する温度取得装置や気筒(4)の振動(例えば、振動の強度や周波数)を取得する振動取得装置に比べて応答速度が高い(応答性が良好である)ため、気筒(4)の筒内圧の変動を細かく取得できる。このため、筒内圧取得装置(46A)が取得した筒内圧を用いることで、上記温度取得装置が取得した温度や上記振動取得装置が取得した振動を用いる場合に比べて、気筒(4)の失火検出の精度を向上できる。
【0083】
9)本開示の少なくとも一実施形態に係る内燃機関の制御方法(200)は、
内燃機関(2)の運転を制御するための内燃機関の制御方法(200)であって、
上記1)から8)までの何れかに記載の内燃機関の失火判定方法(100)と、
前記燃料供給停止ステップ(S2)において前記燃料の供給が停止されたときの前記失火対象気筒(4A)の筒内圧が、予め設定された燃料供給停止時の設定範囲を逸脱した場合に前記内燃機関(2)の運転を停止させる内燃機関停止ステップ(S6)と、を備える。
【0084】
上記9)の方法によれば、燃料の供給が停止されたときの失火対象気筒(4A)の筒内圧は、単純な圧縮膨張に応じた変化であるため、十分に予測可能である。燃料の供給が停止されたときの失火対象気筒(4A)の筒内圧が、予め設定された燃料供給停止時の設定範囲を逸脱した場合には、内燃機関(2)の運転の即時停止が好ましい故障が予測されるため、内燃機関停止ステップ(S6)において内燃機関(2)の運転を停止させることで、内燃機関(2)や内燃機関(2)に取り付けられる機器の損傷リスクを低減できる。
【0085】
10)本開示の少なくとも一実施形態に係る内燃機関(2)の制御装置(3)は、
内燃機関(2)の運転を制御するように構成された内燃機関(2)の制御装置(3)であって、
前記内燃機関(2)の運転中において前記内燃機関(2)の少なくとも1つの気筒(4)の失火を検知するように構成された失火検知部(31)と、
前記失火検知部(31)において失火が検知された前記少なくとも1つの気筒(4)である失火対象気筒(4A)に対して、少なくとも前記失火検知部(31)により失火が検知された燃焼サイクルの次の燃焼サイクルにおける燃料の供給を停止するように構成された燃料供給停止部(32)と、
前記燃料供給停止部(32)により前記燃料の供給が停止された燃焼サイクルの次の燃焼サイクルにおいて、前記失火対象気筒(4A)に対して前記燃料を供給して前記失火対象気筒(4A)の失火の有無を判定する失火判定部(33)と、
前記失火判定部(33)による所定回数の判定結果から前記失火対象気筒(4A)の故障の有無を判定するように構成された故障判定部(34)と、を備える。
【0086】
上記10)の構成によれば、失火検知部(31)において失火が検知された燃焼サイクルにおいて燃焼室から未燃ガスが排出されたとしても、失火が検知された燃焼サイクルの次の燃焼サイクルにおいて燃焼室から燃焼用気体が排出されるため、排気管を流れる排ガスの未燃燃料濃度を低減でき、排気管における未燃燃料の着火を抑制できる。また、上記10)の構成によれば、失火判定部(33)により得られた所定回数の失火の有無の判定結果から失火対象気筒(4A)の故障の有無を判定することで、誤判定や過剰判定を抑制できるため、内燃機関(2)を備える内燃機関システム(1)の冗長性を確保できる。
【符号の説明】
【0087】
1 内燃機関システム
2 内燃機関
3 制御装置
4 気筒
4A 失火対象気筒
4B 失火対象外気筒
5 空気供給管
6 排気管
11 発電機
21 動力伝達シャフト
30 記憶部
31 失火検知部
32 燃料供給停止部
33 失火判定部
34 故障判定部
41 気筒本体
42 ピストン
43 燃焼室
44 ガス燃料供給装置
45 点火装置
46 失火検知装置
46A 筒内圧取得装置
47 ガス燃料供給管
100 失火判定方法
200 制御方法
C,C1~C6 燃焼サイクル
N 繰り返し数
NS 設定数
OP 期間
P1 吸気行程
P2 圧縮行程
P3 膨張行程
P4 排気行程
S1 失火検知ステップ
S2 燃料供給停止ステップ
S3 失火判定ステップ
S4 故障判定ステップ
S7 フェールセーフ動作ステップ
S8 失火対象外気筒燃料供給停止ステップ