IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イッティの特許一覧

<>
  • 特開-枕 図1
  • 特開-枕 図2
  • 特開-枕 図3
  • 特開-枕 図4
  • 特開-枕 図5
  • 特開-枕 図6
  • 特開-枕 図7
  • 特開-枕 図8
  • 特開-枕 図9
  • 特開-枕 図10
  • 特開-枕 図11
  • 特開-枕 図12
  • 特開-枕 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101425
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】枕
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
A47G9/10 E
A47G9/10 M
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005395
(22)【出願日】2023-01-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年1月6日に株式会社イッティのウェブサイト(https://shop.ichiban-boshi.com/user_data/kenmin-makura.php?adcd=p9c8ouy4vst)で掲載。
(71)【出願人】
【識別番号】512238656
【氏名又は名称】株式会社イッティ
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100073483
【弁理士】
【氏名又は名称】八鍬 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100164286
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 卓夫
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 洋
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102AA09
3B102AB07
3B102AC02
(57)【要約】
【課題】寝返りを打ちやすくし、使用者の睡眠の質を向上させる枕1を提供する。
【解決手段】本願発明の枕1は、幅方向よりも奥行方向の長さを短くした略矩形状の基部20と、基部20の短手方向の一端側において隆起し、使用者の頸部を載置する第1頸部載置部22と、基部20の短手方向の他端側であって第1頸部載置部22と対向する位置において、第1頸部載置部22よりも高く隆起し、使用者の頸部を載置する第2頸部載置部23と、第1頸部載置部22と第2頸部載置部23の間に位置し、使用者の頭部を載置する頭部載置部21と、を有する枕本体2を備え、使用者が第1頸部載置部22と第2頸部載置部23とを使い分けて、使用者の頭部および頸部を載置する高さを調節する枕1であって、頭部載置部21は、第1頸部載置部22および第2頸部載置部23に近接するように延び、第1頸部載置部22および第2頸部載置部23の幅を超えないように隆起している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向よりも奥行方向の長さを短くした略矩形状の基部と、
前記基部の短手方向の一端側において隆起し、使用者の頸部を載置する第1頸部載置部と、
前記基部の短手方向の他端側であって前記第1頸部載置部と対向する位置において、前記第1頸部載置部よりも高く隆起し、前記使用者の頸部を載置する第2頸部載置部と、
前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部の間に位置し、前記使用者の頭部を載置する頭部載置部と、を有する枕本体を備え、
前記使用者が前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部とを使い分けて、前記使用者の頭部および頸部を載置する高さを調節する枕であって、
前記頭部載置部は、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部に近接するように延び、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅を超えないように隆起していることを特徴とする枕。
【請求項2】
前記頭部載置部は、前記第1頸部載置部と前記頭部載置部との各隣接端部の長さと、前記頭部載置部と前記第2頸部載置部との各隣接端部の長さとが、略同一となるように、前記第1頸部載置部側の端部から前記第2頸部載置部側の端部へ向けて高さが高くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の枕。
【請求項3】
前記枕本体は、さらに、
前記基部の長手方向の一端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第1誘導部と、
前記第1誘導部と対向し、前記基部の長手方向の他端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第2誘導部と、を有し、
前記第1誘導部および前記第2誘導部は、前記頭部載置部を中央に挟むように位置し、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅よりも内側から傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載の枕。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の寝返りを打つ動作をサポートし、快適な睡眠を得ることのできる枕に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、快適な睡眠を得るための枕、具体的には、使用者の首の高さなどの体格又は寝る姿勢(仰向け又は横向きなどの姿勢)に応じて枕の高さを調節し、肩こりや寝違えを抑制し、使用者の快適な睡眠をサポートする枕が鋭意研究されている。
【0003】
このような枕として例えば、特許文献1(従来例)では、図13で示すように、頭部(不図示)を支持する基部103と、基部103に対して奥行方向の一方側に位置し、首部(不図示)を支持する第1突出部104と、基部103に対して奥行方向の他方側に位置し、首部を支持する第2突出部105と、を有する枕101が開示されている。基部103における、第1突出部104と第2突出部105との間には、頭部の形状に合わせて丸みを帯び、この頭部を配置することができる凹部133が形成されている。
【0004】
基部103における、第1突出部104と第2突出部105との間に頭部を配置することができる凹部133が形成されていることにより、第1突出部104または第2突出部105の少なくともいずれか一方で使用者の首を支持し、使用者の頭部を凹部133に配置することで、仰臥位の姿勢において安定して、かつ、自然な姿勢で後頭部を支持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6945124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来例の枕101では、頭部を基部103の凹んだ部位である凹部133に配置して使用するため、使用者が寝返りを打とうとしても頭部が凹部133に保持されていることにより、寝返りが阻害されるリスクがあった。このため、寝返りが阻害されることにより就寝時に血行が悪くなり、肩や背中や腰に負担をかけ、肩こりや腰痛の原因となるリスクがあった。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、寝返りを打ちやすくし、使用者の睡眠の質を向上させる枕を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、幅方向よりも奥行方向の長さを短くした略矩形状の基部と、前記基部の短手方向の一端側において隆起し、使用者の頸部を載置する第1頸部載置部と、前記基部の短手方向の他端側であって前記第1頸部載置部と対向する位置において、前記第1頸部載置部よりも高く隆起し、前記使用者の頸部を載置する第2頸部載置部と、前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部の間に位置し、前記使用者の頭部を載置する頭部載置部と、を有する枕本体を備え、前記使用者が前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部とを使い分けて、前記使用者の頭部および頸部を載置する高さを調節する枕であって、前記頭部載置部は、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部に近接するように延び、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅を超えないように隆起していることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、頭部載置部は、第1頸部載置部および第2頸部載置部に近接するように延び、第1頸部載置部および第2頸部載置部の幅を超えないように隆起しているので、頸部を比較的長手方向の幅が大きな第1頸部載置部または第2頸部載置部に載置した状態で幅方向の長さが比較的小さな頭部載置部に頭部を載置することができる。このため、頸部を第1頸部載置部または第2頸部載置部に載置した状態で、頭部載置部を支点として頭部を回転させ、使用者の寝返りをサポートすることができ、使用者の睡眠の質を向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された枕であって、前記頭部載置部は、前記第1頸部載置部と前記頭部載置部との各隣接端部の長さと、前記頭部載置部と前記第2頸部載置部との各隣接端部の長さとが、略同一となるように、前記第1頸部載置部側の端部から前記第2頸部載置部側の端部へ向けて高さが高くなるように傾斜していることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、頭部載置部は、第1頸部載置部と頭部載置部との各隣接端部の長さと、頭部載置部と第2頸部載置部との各隣接端部の長さとが、略同一となるように、第1頸部載置部側の端部から第2頸部載置部側の端部へ向けて高さが高くなるように傾斜しているので、第1頸部載置部に頸部を載置した場合と第2頸部載置部に頸部を載置した場合との両方で、頭部に対する頸部の高さを一定に保つことで、単に頸部の高さのみを変更して適切な頭部に対する頸部の高さを維持することができ、使用者の睡眠の質を保ちながら、使用者の好みに合わせることができる。また、頭部載置部の上面を傾斜面で形成することで、徐々に高くなるため、特段首の長さによっては段差部などに当り、使用者が不快に感じることなどを防ぐことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載された枕であって、前記枕本体は、さらに、前記基部の長手方向の一端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第1誘導部と、前記第1誘導部と対向し、前記基部の長手方向の他端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第2誘導部と、を有し、前記第1誘導部および前記第2誘導部は、前記頭部載置部を中央に挟むように位置し、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅よりも内側から傾斜していることを特徴とする
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、第1誘導部および第2誘導部は、頭部載置部を中央に挟むように位置し、第1頸部載置部および第2頸部載置部の幅よりも内側から傾斜しているので、使用者が寝返りを打ち、第1頸部載置部又は第2頸部載置部において頸部から外れそうになった際に、使用者の頭部が第1誘導部又は第2誘導部に誘導されて、使用者の頸部が第1頸部載置部又は第2頸部載置部から外れることを防止し、使用者の快適な睡眠を保つことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明の枕によれば、頸部を比較的長手方向の幅が大きな第1頸部載置部または第2頸部載置部に載置した状態で幅方向の長さが比較的小さな頭部載置部に頭部を載置することができるので、頸部を第1頸部載置部または第2頸部載置部に載置した状態で、頭部載置部を支点として頭部を回転させ、使用者の寝返りをサポートすることができ、使用者の睡眠の質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の枕の概略図である。
図2図1の枕の内袋を外袋から取り出した状態を示す概略図である。
図3図2の内袋の内部に収納された状態の枕本体および高さ調節シートを示す概略図である。
図4図3の枕本体および高さ調節シートの斜視図である。
図5図3の枕本体および高さ調節シートの側面図である。
図6図3の枕本体および高さ調節シートの正面図である。
図7図4の枕本体の平面図である。
図8図4の枕本体の底面図である。
図9図4の枕本体の背面図である。
図10図7の枕本体のA-A‘断面図である。
図11図7の枕本体のB-B‘断面図である。
図12図3の高さ調節シートの斜視図である。
図13】従来例の枕の構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る枕1について説明する。
【0017】
図1は本実施形態の枕1の概略図であり、図2図1の枕1の内袋4を外袋5から取り出した状態を示す概略図であり、図3図2の内袋4の内部に収納された状態の枕本体2および高さ調節シート3を示す概略図であり、図4図3の枕本体2および高さ調節シート3の斜視図である。
【0018】
なお、以下では説明のために、枕1の長手方向(幅方向)をX軸、枕1の短手方向(奥行方向)をY軸、枕1の高さ方向をZ軸とする。
【0019】
図1で示すように、引用符号1は、本実施形態の枕1である。本実施形態の枕1は、図1乃至図4で示すように、内部に収納される枕本体2と、枕本体2の底面に配置され枕本体2の載置面(上面)からの高さを調節する高さ調節シート3と、これら枕本体2および高さ調節シート3とを包む内袋4と、枕本体2および高さ調節シート3を包んだ状態の内袋4を収納する外袋5と、を備える。
【0020】
図5は、枕本体2および高さ調節シート3の側面図であり、図6は、枕本体2および高さ調節シート3の正面図である。
【0021】
図7は、枕本体2の平面図、図8は枕本体2の正面図、図9は、枕本体2の底面図、図10は枕本体2のA-A断面図、図11は枕本体2のB-B断面図を表す。
【0022】
枕本体2は、図4乃至図7で示すように、平面視で略矩形状の基部20と、基部20の短手方向(Y軸方向)の一端側において隆起する第1頸部載置部22と、第1頸部載置部22と対向し、基部20の短手方向の他端側において隆起する第2頸部載置部23と、第1頸部載置部22と第2頸部載置部23の間の位置において隆起する頭部載置部21と、を有する。
【0023】
また、枕本体2は、基部20の長手方向(X軸方向)の一端側において隆起する左側誘導部(第1誘導部)24と、左側誘導部と対向し、基部20の長手方向の他端側において隆起する右側誘導部(第2誘導部)25と、を有する。
【0024】
使用者が第1頸部載置部22と第2頸部載置部23とを使い分けて、使用者の頭部および頸部を載置する高さを調節することができる。
【0025】
枕本体2の素材は、本実施形態では、例えば、ウレタン樹脂が用いられる。具体的には、このウレタンとして、大豆由来の素材を含むバイオベースフォームが用いられる。バイオベースフォームの例としては、大豆由来の素材を含むものだけでなく、例えば国際出願WO2016/139401に記載されている、還元糖及びアミン化合物から得られるフォーム、国際出願WO2016/174328に記載されている、糖及び強酸から得られるフォーム、又は国際出願WO2016/207517に記載されている、ポリオール及びポリ酸から得られるフォームを用いることもできる。このようなバイオベースフォームを用いることにより、この枕本体2を廃棄する際に微生物により分解されやすくなり、環境に優しいというメリットがある。
【0026】
また、枕本体2の素材として用いることができるのは、このようなウレタン樹脂に限られず、弾性力を有する素材、例えばポリエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂やウレタン樹脂の発泡体、ゴム製樹脂や生分解性の樹脂を用いても良い。
【0027】
図4乃至図9で示すように、基部20は、平面視で幅方向(X軸方向)よりも奥行方向(Y軸方向)の長さを短くした略矩形状を呈する。
【0028】
この基部20の2つの長辺(X軸方向に延びる辺)には、この基部20のY軸方向の内側に凹む凹部20a,20bが形成されている。具体的には、基部20のX軸方向の一方側(第1頸部載置部22側)の辺の中央部には、X軸方向の他方側に凹む凹部20aが形成されており、基部20のX軸方向の他方側(第2頸部載置部23側)の辺の中央部には、X軸方向の一方側に凹む凹部20bが形成されている。
【0029】
また、凹部20aは第1頸部載置部22の側面と一体に形成されており、凹部20bは第2頸部載置部23の側面と一体に形成されている。凹部20a,20bがこのように形成されていることにより、使用者の肩をこの凹部20aまたは凹部20bにフィットさせ、肩甲骨や背中等に弾力を与えることで使用者の睡眠の質をより一層向上させることができる。
【0030】
図7で示すように、第1頸部載置部22は、長手方向(X軸方向)に延びる略矩形状を有しており、基部20の短手方向(Y軸方向)の一端側において隆起している。この第1頸部載置部22は、使用者の頸部を載置することが可能なように形成されている。
【0031】
第2頸部載置部23は、長手方向(X軸方向)に延びる略矩形状を有しており、基部20の短手方向の他端側であって第1頸部載置部22と対向する位置から隆起している。
【0032】
第2頸部載置部23は、第1頸部載置部22よりも高く隆起し、使用者の頸部を載置することが可能なように形成されている。
【0033】
第2頸部載置部23の上面のX軸方向の中央部には、使用者の頭部を載置することが可能な凹部23aがZ軸方向の下側に凹んで形成されている。この凹部23aに使用者の頸部を載置することで、第2頸部載置部23の基部20からの高さを第1頸部載置部の基部20からの高さよりも高く設定した場合であっても、使用者の頸部をこの第2頸部載置部23に保持し、使用者の首が第2頸部載置部23から落下するのを抑制することができる。
【0034】
図10で示すように、頭部載置部21は、第1頸部載置部22と第2頸部載置部23の間に位置し、第1頸部載置部22および第2頸部載置部23に近接するように基部20の短手方向(Y軸方向)に延びている。この頭部載置部21は、当該頭部載置部21の短手方向(X軸方向)の幅が第1頸部載置部22および第2頸部載置部23の長手方向(X軸方向)の幅を超えない幅となるように隆起している。
【0035】
頭部載置部21は、第1頸部載置部22と頭部載置部21との各隣接端部21a,22aの長さと、頭部載置部21と第2頸部載置部23との各隣接端部21b,23bの長さとが、略同一となるように、第1頸部載置部22側の端部21aから第2頸部載置部23側の端部21bへ向けて高さが高くなるように傾斜している。
【0036】
具体的には、図10で示すように、頭部載置部21の第1頸部載置部22と隣接する側の端部を第1端部21a、第1頸部載置部22の頭部載置部21と隣接する側の端部を第1頸部端部22aとし、頭部載置部21の第2頸部載置部23と隣接する側の端部を第2端部21b、第2頸部載置部23の頭部載置部21と隣接する側の端部を第2頸部端部23bとすると、第1頸部端部22aの上面と第1端部21aの上面との高さ方向における長さと、第2頸部端部23bの上面と第2端部21bの上面との高さ方向における長さとが略同一となるように、頭部載置部21が基部20からZ軸方向に隆起している。また、頭部載置部21は、第1端部21aから第2端部21bに進むにつれて高さが高くなるように傾斜するように基部20から隆起している。
【0037】
この頭部載置部21は、所定の厚みを有し、平面視で基部20の短手方向(Y軸方向)に延びる長円形状を呈する。なお、頭部載置部21の形状は、短手方向に延びていれば長円形状である必要はなく、楕円や長方形など、種々の形状を採用することができる。
【0038】
第1端部21aは、頭部載置部21の上面のY軸方向の一方側(図10の紙面右側)の端部であり、この第1端部21aの基部20からの高さは、第1頸部端部22aの基部20からの高さよりも低く設定されている。
【0039】
第2端部21bは、頭部載置部21の上面のY軸方向の他方側(図10の紙面左側)の端部であり、この第2端部21bの基部20からの高さは、第2頸部端部23bの基部20からの高さよりも低く設定されている。
【0040】
すなわち、頭部載置部21の上面が、第1頸部載置部22における第1頸部端部22aの上面と、第2頸部載置部23における第2頸部端部23bの上面とを結んだ直線よりも低い位置となるように、頭部載置部21が形成されている。
【0041】
図11で示すように、左側誘導部24および右側誘導部25は、頭部載置部21を中央に挟むように位置し、第1頸部載置部22および第2頸部載置部23の幅よりも内側から傾斜している
【0042】
具体的に、左側誘導部24は、頭部載置部21のX軸方向の一方側(図11の紙面左側)で基部20から上方に隆起しており、右側誘導部25は、頭部載置部21のX軸方向の他方側(図11の紙面右側)で基部20から上方に隆起している。
【0043】
左側誘導部24は、基部20の長手方向(X軸方向)の一端側において頭部載置部21へ向けて低くなるように隆起し、使用者の頭部を頭部載置部21に誘導するように形成されている。
【0044】
左側誘導部24は、基部20のX軸方向の一方側の端部に形成された第1左側傾斜部241と、この第1左側傾斜部241のX軸方向他方側に一体に形成された左側段差部242と、この左側段差部242のX軸方向他方側に一体に形成され第1左側傾斜部241よりも基部20からの高さが低い第2左側傾斜部243と、を有する。
【0045】
第1左側傾斜部241における基部20からの高さは、頭部載置部21における基部20からの高さよりも高くなるように形成されている。また、第2左側傾斜部243における基部20からの高さは、その他方側の端部において、頭部載置部21における基部20からの高さよりも低くなる位置となるように傾斜している。
【0046】
また、図7で示すように、第2左側傾斜部243のX軸方向他方側(頭部載置部21と隣接する側)の端部は、第1頸部載置部22および第2頸部載置部23のX軸方向一方側(左側誘導部24側)の端部よりも内側(X軸方向他方側)に位置している。
【0047】
第2左側傾斜部243の傾斜は第1左側傾斜部241の傾斜よりも大きく、左側段差部242の傾斜は第1左側傾斜部241の傾斜および第2左側傾斜部243の傾斜よりも大きくされている。
【0048】
このように第2左側傾斜部243と、第1左側傾斜部241との間に左側段差部242が形成されており、第1左側傾斜部241の基部20からの高さは、頭部載置部21の基部20からの高さよりも高くなるように形成されていることにより、使用者が寝返りを左側へ打ったときに頭部がこの左側段差部242に接触することで、頭部が枕1から落下するのを抑制しつつ第1左側傾斜部241と、第1左側傾斜部241よりも傾斜が大きい第2左側傾斜部243とにより使用者の頭部を頭部載置部21に誘導することができる。
【0049】
右側誘導部25は、左側誘導部24と対向し、基部20の長手方向の他端側において頭部載置部21へ向けて低くなるように隆起し、使用者の頭部を頭部載置部21に誘導するように形成されている。
【0050】
右側誘導部25は、基部20のX軸方向の他方側の端部に形成された第1右側傾斜部251と、この第1右側傾斜部251のX軸方向一方側に一体に形成された右側段差部252と、この右側段差部252のX軸方向一方側に一体に形成され第1右側傾斜部251よりも基部20からの高さが低い第2右側傾斜部253と、を有する。
【0051】
第1右側傾斜部251における基部20からの高さは、頭部載置部21における基部20からの高さよりも高くなるように形成されている。また、第2右側傾斜部253における基部20からの高さは、その一方側の端部において、頭部載置部21における基部20からの高さよりも低くなる位置となるように傾斜している。
【0052】
また、図7で示すように、第2右側傾斜部253のX軸方向一方側(頭部載置部21と隣接する側)の端部は、第1頸部載置部22および第2頸部載置部23のX軸方向他方側(右側誘導部25側)の端部よりも内側(X軸方向一方側)に位置している。
【0053】
第2右側傾斜部253の傾斜は第1右側傾斜部251の傾斜よりも大きく、右側段差部252の傾斜は第1右側傾斜部251の傾斜および第2右側傾斜部253の傾斜よりも大きくされている。
【0054】
このように第1右側傾斜部251と、第2右側傾斜部253との間に右側段差部252が形成されており、第1右側傾斜部251の基部20からの高さは、頭部載置部21の基部20からの高さよりも高くなるように形成されていることにより、使用者が寝返りを右側へ打ったときに頭部がこの右側段差部252に接触し、頭部が枕1から落下するのを抑制しつつ、第1右側傾斜部251と、第1右側傾斜部251よりも傾斜が大きい第2右側傾斜部253とにより使用者の頭部を頭部載置部21に誘導することができる。
【0055】
また、左側誘導部24および右側誘導部25は、頭部載置部22から離れるにしたがって、傾斜角度が大きくなるように2段階での傾斜面(第1左側傾斜部241の上面および第2左側傾斜部242の上面と、第1右側傾斜部251の上面および第2右側傾斜部252の上面)を形成することで、使用者が左側又は右側へ寝返りを打って進むにつれて、外側(枕本体2の長手方向における両端部側)へ寝返りが徐々に打ちにくくすることで、使用者の頭部が枕本体2から外れて、使用者が目覚めてしまうことなどを防ぐことができる。
【0056】
図12は、高さ調節シート3の上面斜視図である。
【0057】
図12で示すように、高さ調節シート3は、枕本体2の底面と同一の形状を有している。すなわち、高さ調節シート3は、略長方形状を呈しており、X軸方向に沿った一対の長辺における中央部には、Y軸方向に沿って基部20のY軸方向の内側に凹む一対の凹部3a,3bが形成されている。
【0058】
具体的には、高さ調節シート3のY軸方向の一方側の長辺の中央部には、Y軸方向の他方側に凹む凹部3aが形成されており、高さ調節シート3のY軸方向の他方側の長辺の中央部には、Y軸方向の一方側に凹む凹部3bが形成されている。
【0059】
これら一対の凹部3a,3bは、高さ調節シート3を枕本体2の底面に配置したときに、基部20の凹部20aと高さ調節シート3の凹部3aが隣接し、さらに基部20の凹部20bと高さ調節シート3の凹部3bが隣接する位置に形成されている。
【0060】
高さ調節シート3の、基部20の底面に接する面(Z軸方向の上面)には、複数の突起3cが形成されている。
【0061】
このような突起3cが高さ調節シート3の基部20の底面に接する側の面に形成されていることにより、高さ調節シート3と枕本体2との間に弾性力を与えることができ、枕1のクッション性能を向上させ、使用者の睡眠の質をさらに向上させることができる。
【0062】
この高さ調節シート3は、図3乃至図6で示すように、枕本体2の基部20の下に配置して使用される。この高さ調節シート3のZ軸方向の厚みを調節することにより、枕本体2の載置面からの高さを使用者の頭の位置に合わせて調節することができる。
【0063】
なお、高さ調節シート3の素材は、枕本体2とは異なる素材が用いられる。具体的には、バイオベースフォームではない素材、すなわち大豆由来の成分を含有していないウレタン樹脂、その他の樹脂等が用いられる。
【0064】
また、高さ調節シート3の素材として用いることができるのは、このようなウレタン樹脂に限られず、弾性力を有する素材、例えばポリエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂やウレタン樹脂の発泡体、ゴム製樹脂や生分解性の樹脂を用いても良い。
【0065】
この高さ調節シート3は、枕本体2の下面に配置され、この枕本体2とともに内袋4の内部に収納される。
【0066】
内袋4は、図3で示すように、密閉された袋であり、枕本体2と高さ調節シート3を内部に収納するために、伸縮性のある薄い布生地により形成されており、枕本体2と高さ調節シート3を包むことが可能な大きさに形成されている。
【0067】
内袋4は、枕本体2および高さ調節シート3をともに包み込むことができるように、枕本体2および高さ調節シート3の収納状態において、これら枕本体2および高さ調節シート3に密着する。
【0068】
外袋5は、図1及び図2で示すように、収納部51と、この収納部51に開閉可能に設けられた蓋部52と、蓋部52と収納部51とを連結する連結部53と、を有する。
【0069】
収納部51は、枕本体2の底面と略同じ大きさの長方形状に形成された底部51aと、この底部51aの周面からZ軸方向の上方に立ち上がる周壁51bと、により構成される。
【0070】
周壁51bは、枕本体2および高さ調節シート3を収納した内袋4を側面から覆うことができる高さに形成されており、底部51aと、周壁51bにより、枕本体2および高さ調節シート3を収納した内袋4を収納することができる収納空間が形成される。
【0071】
図1及び図2で示すように、蓋部52は、周壁51bの上端縁に連結されている。
【0072】
蓋部52の周縁の一部は周壁51bの一部と一体に形成されており、その他の部分は、連結部53により収納部51の内側が開閉可能となるように周壁51bのその他の部分と連結されている。
【0073】
連結部53としては、例えばファスナーが用いられる。具体的に、連結部53は、スライダー5aと、このスライダー5aにより互いに係合し、蓋部52に取り付けられるエレメント5bと、周壁51bに取り付けられるエレメント5cと、を有する。なお、図1ではスライダー5aを2個用いているが、ここで用いられるスライダー5aの個数は1個でもよい。
【0074】
図2で示すように、エレメント5bは、蓋部52の周縁に取り付けられている。
【0075】
また、エレメント5cは、周壁51bの上端縁に取り付けられている。
【0076】
スライダー5aにエレメント5bとエレメント5cをかみ合わせた状態でこのスライダー5aをスライドさせることでエレメント5bとエレメント5cとを係合し、蓋部52と収納部51とを連結することができる。
【0077】
なお、本実施形態では連結部53としてファスナーを用いる例について説明したが、連結部53として用いることができるものはファスナーに限られず、例えばボタンにより蓋部52と収納部51とを連結しても良い。
【0078】
このような外袋5は、伸縮性のある薄い布生地により形成されており、枕本体2と高さ調節シート3を収納した内袋4をさらに収納することが可能となる大きさに形成されている。
【0079】
本実施形態の枕1は、枕本体2および高さ調節シート3を収容した内袋4を、外袋5内に収納することで、使用者が就寝中に汗などで外袋5を汚しても、外袋5を内袋4から取り外して、外袋5を洗濯することで、簡単に使用者の頭部および頸部が接する外袋5の汚れを除去することができ、使用者の快適性を維持させることができる。
【0080】
また、本実施形態の枕1は、枕本体2および高さ調節シート3を収容した内袋4から外袋5を取り外すことができるため、使用者が寝る際の寝心地を変更したい場合に、素材を変更した外袋5を内袋4に取付けることで、使用者の好みに合わせた寝心地に変更することもできる。
【0081】
さらに、本実施形態の枕1は、枕本体2および高さ調節シート3を外袋5の内側に位置する内袋4内に収納することで、外袋5を取り外す際に、枕本体2と高さ調節シート3とが露出しないため、枕本体2と高さ調節シート3がバラバラになり、外袋5を取付ける作業が煩雑になることも防ぐことができる。
【0082】
(使用方法)
以上説明した枕1は、あらかじめ枕本体2と高さ調節シート3を組み合わせ、内袋4に収納し、さらにこの内袋4を外袋5に収納した状態で使用される。
【0083】
使用者は、この枕1の使用する向きを変えることで第1頸部載置部22または第2頸部載置部23を使用者の体格や寝る姿勢に応じて使い分けることができる。
【0084】
すなわち、使用者の頸部の高さが比較的低い場合や仰向けの姿勢で寝る場合は、使用者は枕1の短手方向(Y軸方向)の他方側に頭を向けて、頸部を第1頸部載置部22に、頭部を頭部載置部21に載置して使用することで(使用状態1)、頸部および頭部を載置する高さを低くして、快適な睡眠を得ることができる。
【0085】
一方、使用者の頸部の高さが比較的高い場合や横向きの姿勢で寝る場合は、使用者は枕1の短手方向(Y軸方向)の一方側に頭を向けて、頸部を第2頸部載置部23に、頭部を頭部載置部21に載置して使用することで(使用状態2)、使用状態1よりも頸部および頭部を載置する高さを高くして、快適な睡眠を得ることができる。
【0086】
以上説明した実施形態に係る枕1によれば、頭部載置部21は、第1頸部載置部22および第2頸部載置部23に近接するように延び、第1頸部載置部22および第2頸部載置部23の幅を超えないように隆起しているので、頸部を比較的長手方向の幅が大きな第1頸部載置部22または第2頸部載置部23に載置した状態で幅方向の長さが比較的小さな頭部載置部21に頭部を載置することができる。このため、頸部を第1頸部載置部22または第2頸部載置部23に載置した状態で、頭部載置部21を支点として頭部を回転させ、使用者の寝返りをサポートすることができ、使用者の睡眠を向上させることができる。
【0087】
また、頭部載置部21は、第1頸部載置部22と頭部載置部21との各隣接端部の長さ、頭部載置部21と第2頸部載置部23との各隣接端部の長さとが、略同一となるように、第1頸部載置部22側の端部から第2頸部載置部23側の端部へ向けて高さが高くなるように傾斜しているので、第1頸部載置部22に頸部を載置した場合と第2頸部載置部23に頸部を載置した場合との両方で、頭部に対する頸部の高さを一定に保つことで、単に頸部の高さのみを変更して適切な頭部に対する頸部の高さを維持することができ、使用者の睡眠の質を保ちながら、使用者の好みに合わせることができる。
【0088】
また、左側誘導部24および右側誘導部25は、頭部載置部21を中央に挟むように位置し、第1頸部載置部22および第2頸部載置部23の幅よりも内側から傾斜しているので、使用者が寝返りを打ち、第1頸部載置部22又は第2頸部載置部23において頸部から外れそうになった際に、使用者の頭部が左側誘導部24又は右側誘導部25に誘導されて、使用者の頸部が第1頸部載置部22又は第2頸部載置部23から外れることを防止することができる。
【0089】
本実施形態では、枕本体2および高さ調節シート3の素材として大豆由来のウレタン樹脂を用いたが、このような素材を用いることで、枕本体2および高さ調節シート3を廃棄する際には微生物により分解されやすくなり、環境に優しいというメリットがある。すなわち、本実施形態の枕1は、内袋4、外袋5および高さ調節シート3以外の主要な構成である枕本体2を大豆由来のウレタン樹脂で成形することで、廃棄する場合における環境への配慮も考慮した枕1を提供することができる。
【0090】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、内袋4は密閉されていたが、この内袋4は、完全に密閉されている必要はなく、枕本体2および高さ調節シート3を収納することができる形状であれば、網状に形成されていても良い。
【0091】
また、内袋4にも外袋5の連結部53のような部材を設け、開閉可能な構成としても良い。
【0092】
このように構成することで、内袋4から収容された高さ調節シート3を取り外すことで、前述の使用状態1および使用状態2における第1頸部載置部22、第2頸部載置部23および頭部載置部の高さをより低くすることでき、使用者の体格や寝る姿勢などの好みに応じて使用することができる。
【0093】
また、高さ調節シート3の高さを変更したり、別途高さ調節シート3を追加したりすることで、使用状態1および使用状態2における第1頸部載置部22、第2頸部載置部23および頭部載置部の高さをより高くすることでき、使用者の体格や寝る姿勢などの好みに応じて使用することができる。
【0094】
さらに、上記実施形態では、外袋5を上方に開口する収容部51と、この収容部51を上方から覆う蓋部52と、これら収容部51と蓋部52とを開閉可能に連結する連結部53と、により構成した。つまり、連結部53を外袋5の上面の周縁に沿って配置するよう外袋5として構成したが、外袋5の構成はこれに限られるものではない。
【0095】
具体的には、外袋5を、下方に開口する収容部51と、この収容部51を下方から覆う蓋部52と、これら収容部51と蓋部52とを開閉可能に連結する連結部53と、により構成してもよい。すなわち、連結部53を外袋5の下面の周縁に沿って配置するよう外袋5を構成してもよい。
【0096】
このように外袋5を構成すれば、使用者が枕1を使用するときに、連結部53が使用者の頭部や頸部に接触するリスクを低減し、使用者の睡眠の質をより一層向上させるとともに、連結部53が外袋5の下面の目立たない位置して、外袋5の全体のデザイン性を向上させることができる。
【0097】
また、連結部53を外袋5の下面の周縁に沿って配置した場合、エレメント5bおよびエレメント5cを連結するスライダー5aを1つで構成することで、スライダ5aの部分もよりスッキリしたデザインとし、よりデザイン性を向上させることもできる。
【0098】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書の記載には、何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0099】
1:枕
2:枕本体
20:基部 20a:凹部 20b:凹部 21:頭部載置部 21a:第1端部 21b:第2端部 22:第1頸部載置部 22a:第1頸部端部 23:第2頸部載置部 23a:凹部 23b:第2頸部端部 24:左側誘導部(第1誘導部) 241:第1左側傾斜部 242:左側段差部 243: 第2左側傾斜部 25:右側誘導部(第2誘導部) 251:第1右側傾斜部 252:右側段差部 253:第2右側傾斜部
3:高さ調節シート3
3a:凹部 3b:凹部 3c:突起
4:内袋
5:外袋
51:収納部 51a:底面 51b:周壁 52:蓋部 53:連結部 5a:スライダー 5b:エレメント 5c:エレメント

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向よりも奥行方向の長さを短くした略矩形状の基部と、
前記基部の短手方向の一端側において隆起し、使用者の頸部を載置する第1頸部載置部と、
前記基部の短手方向の他端側であって前記第1頸部載置部と対向する位置において、前記第1頸部載置部よりも高く隆起し、前記使用者の頸部を載置する第2頸部載置部と、
前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部の間に位置し、前記使用者の頭部を載置する頭部載置部と、を有する枕本体を備え、
前記使用者が前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部とを使い分けて、前記使用者の頭部および頸部を載置する高さを調節する枕であって、
前記頭部載置部は、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部に近接するように前記基部の短手方向へ延び、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅を超えないように隆起しており、平面視で長円形状をしたものであって、前記頭部載置部の長手方向における前記第1頸部載置部と隣接する側の第1端部の上面と、前記第1頸部載置部における前記第1端部と隣接する側の第1頸部端部の上面との高さ方向における長さと、前記頭部載置部の長手方向における前記第2頸部載置部と隣接する側の第2端部の上面と、前記第2頸部載置部における前記第2端部と隣接する側の第2頸部端部の上面との高さ方向における長さと、が略同一となるように、前記第1端部から前記第2端部へ向けて高さが高くなるように傾斜していることを特徴とする枕。
【請求項2】
前記枕本体は、さらに、
前記基部の長手方向の一端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、前記使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第1誘導部と、
前記第1誘導部と対向し、前記基部の長手方向の他端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、前記使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第2誘導部と、を有し、
前記第1誘導部および前記第2誘導部は、前記頭部載置部を中央に挟むように位置し、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅よりも内側から傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の枕。
【請求項3】
前記第1誘導部は、前記基部の長手方向の一方側の端部に形成された第1左側傾斜部と、前記第1左側傾斜部に一体に形成された左側段差部と、前記左側段差部に一体に形成され前記第1左側傾斜部よりも前記基部からの高さが低い第2左側傾斜部と、を有し、
前記第2誘導部は、前記基部の長手方向の他方側の端部に形成された第1右側傾斜部と、前記第1右側傾斜部に一体に形成された右側段差部と、前記右側段差部に一体に形成され前記第1右側傾斜部よりも前記基部からの高さが低い第2右側傾斜部と、を有し、
前記第1左側傾斜部の傾斜は前記第2左側傾斜部の傾斜よりも大きく形成され、前記第1右側傾斜部の傾斜は前記第2右側傾斜部の傾斜よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項2に記載の枕。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、幅方向よりも奥行方向の長さを短くした略矩形状の基部と、前記基部の短手方向の一端側において隆起し、使用者の頸部を載置する第1頸部載置部と、前記基部の短手方向の他端側であって前記第1頸部載置部と対向する位置において、前記第1頸部載置部よりも高く隆起し、前記使用者の頸部を載置する第2頸部載置部と、前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部の間に位置し、前記使用者の頭部を載置する頭部載置部と、を有する枕本体を備え、前記使用者が前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部とを使い分けて、前記使用者の頭部および頸部を載置する高さを調節する枕であって、前記頭部載置部は、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部に近接するように前記基部の短手方向へ延び、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅を超えないように隆起しており、平面視で長円形状をしたものであって、前記頭部載置部の長手方向における前記第1頸部載置部と隣接する側の第1端部の上面と、前記第1頸部載置部における前記第1端部と隣接する側の第1頸部端部の上面との高さ方向における長さと、前記頭部載置部の長手方向における前記第2頸部載置部と隣接する側の第2端部の上面と、前記第2頸部載置部における前記第2端部と隣接する側の第2頸部端部の上面との高さ方向における長さと、が略同一となるように、前記第1端部から前記第2端部へ向けて高さが高くなるように傾斜していることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、頭部載置部は、第1頸部載置部および第2頸部載置部に近接するように延び、第1頸部載置部および第2頸部載置部の幅を超えないように隆起しているので、頸部を比較的長手方向の幅が大きな第1頸部載置部または第2頸部載置部に載置した状態で幅方向の長さが比較的小さな頭部載置部に頭部を載置することができる。このため、頸部を第1頸部載置部または第2頸部載置部に載置した状態で、頭部載置部を支点として頭部を回転させ、使用者の寝返りをサポートすることができ、使用者の睡眠の質を向上させることができる。
また、第1頸部載置部に頸部を載置した場合と第2頸部載置部に頸部を載置した場合との両方で、頭部に対する頸部の高さを一定に保つことで、単に頸部の高さのみを変更して適切な頭部に対する頸部の高さを維持することができ、使用者の睡眠の質を保ちながら、使用者の好みに合わせることができる。また、頭部載置部の上面を傾斜面で形成することで、徐々に高くなるため、特段首の長さによっては段差部などに当り、使用者が不快に感じることなどを防ぐことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された枕であって、前記枕本体は、さらに、前記基部の長手方向の一端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、前記使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第1誘導部と、前記第1誘導部と対向し、前記基部の長手方向の他端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、前記使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第2誘導部と、を有し、前記第1誘導部および前記第2誘導部は、前記頭部載置部を中央に挟むように位置し、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅よりも内側から傾斜していることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、第1誘導部および第2誘導部は、頭部載置部を中央に挟むように位置し、第1頸部載置部および第2頸部載置部の幅よりも内側から傾斜しているので、使用者が寝返りを打ち、第1頸部載置部又は第2頸部載置部において頸部から外れそうになった際に、使用者の頭部が第1誘導部又は第2誘導部に誘導されて、使用者の頸部が第1頸部載置部又は第2頸部載置部から外れることを防止し、使用者の快適な睡眠を保つことができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載された枕であって、前記第1誘導部は、前記基部の長手方向の一方側の端部に形成された第1左側傾斜部と、前記第1左側傾斜部に一体に形成された左側段差部と、前記左側段差部に一体に形成され前記第1左側傾斜部よりも前記基部からの高さが低い第2左側傾斜部と、を有し、前記第2誘導部は、前記基部の長手方向の他方側の端部に形成された第1右側傾斜部と、前記第1右側傾斜部に一体に形成された右側段差部と、前記右側段差部に一体に形成され前記第1右側傾斜部よりも前記基部からの高さが低い第2右側傾斜部と、を有し、前記第1左側傾斜部の傾斜は前記第2左側傾斜部の傾斜よりも大きく形成され、前記第1右側傾斜部の傾斜は前記第2右側傾斜部の傾斜よりも大きく形成されていることを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向よりも奥行方向の長さを短くした略矩形状の基部と、
前記基部の短手方向の一端側において隆起し、使用者の頸部を載置する第1頸部載置部と、
前記基部の短手方向の他端側であって前記第1頸部載置部と対向する位置において、前記第1頸部載置部よりも高く隆起し、前記使用者の頸部を載置する第2頸部載置部と、
前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部の間に位置し、前記使用者の頭部を載置する頭部載置部と、を有する枕本体を備え、
前記使用者が前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部とを使い分けて、前記使用者の頭部および頸部を載置する高さを調節する枕であって、
前記頭部載置部は、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部に近接するように前記基部の短手方向へ延び、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅を超えないように隆起しており、平面視で長円形状をしたものであって、前記頭部載置部の長手方向における前記第1頸部載置部と隣接する側の第1端部の上面と、前記第1頸部載置部における前記第1端部と隣接する側の第1頸部端部の上面との高さ方向における長さの差と、前記頭部載置部の長手方向における前記第2頸部載置部と隣接する側の第2端部の上面と、前記第2頸部載置部における前記第2端部と隣接する側の第2頸部端部の上面との高さ方向における長さの差と、が略同一となるように、前記第1端部から前記第2端部へ向けて高さが高くなるように傾斜していることを特徴とする枕。
【請求項2】
前記枕本体は、さらに、
前記基部の長手方向の一端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、前記使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第1誘導部と、
前記第1誘導部と対向し、前記基部の長手方向の他端側において前記頭部載置部へ向けて低くなるように隆起し、前記使用者の頭部を前記頭部載置部に誘導する第2誘導部と、を有し、
前記第1誘導部および前記第2誘導部は、前記頭部載置部を中央に挟むように位置し、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅よりも内側から傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の枕。
【請求項3】
前記第1誘導部は、前記基部の長手方向の一方側の端部に形成された第1左側傾斜部と、前記第1左側傾斜部に一体に形成された左側段差部と、前記左側段差部に一体に形成され前記第1左側傾斜部よりも前記基部からの高さが低い第2左側傾斜部と、を有し、
前記第2誘導部は、前記基部の長手方向の他方側の端部に形成された第1右側傾斜部と、前記第1右側傾斜部に一体に形成された右側段差部と、前記右側段差部に一体に形成され前記第1右側傾斜部よりも前記基部からの高さが低い第2右側傾斜部と、を有し、
前記第1左側傾斜部の傾斜は前記第2左側傾斜部の傾斜よりも大きく形成され、前記第1右側傾斜部の傾斜は前記第2右側傾斜部の傾斜よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項2に記載の枕。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、幅方向よりも奥行方向の長さを短くした略矩形状の基部と、前記基部の短手方向の一端側において隆起し、使用者の頸部を載置する第1頸部載置部と、前記基部の短手方向の他端側であって前記第1頸部載置部と対向する位置において、前記第1頸部載置部よりも高く隆起し、前記使用者の頸部を載置する第2頸部載置部と、前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部の間に位置し、前記使用者の頭部を載置する頭部載置部と、を有する枕本体を備え、前記使用者が前記第1頸部載置部と前記第2頸部載置部とを使い分けて、前記使用者の頭部および頸部を載置する高さを調節する枕であって、前記頭部載置部は、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部に近接するように前記基部の短手方向へ延び、前記第1頸部載置部および前記第2頸部載置部の幅を超えないように隆起しており、平面視で長円形状をしたものであって、前記頭部載置部の長手方向における前記第1頸部載置部と隣接する側の第1端部の上面と、前記第1頸部載置部における前記第1端部と隣接する側の第1頸部端部の上面との高さ方向における長さの差と、前記頭部載置部の長手方向における前記第2頸部載置部と隣接する側の第2端部の上面と、前記第2頸部載置部における前記第2端部と隣接する側の第2頸部端部の上面との高さ方向における長さの差と、が略同一となるように、前記第1端部から前記第2端部へ向けて高さが高くなるように傾斜していることを特徴とする。