IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TDK株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電子部品およびチップバリスタ 図1
  • 特開-電子部品およびチップバリスタ 図2
  • 特開-電子部品およびチップバリスタ 図3
  • 特開-電子部品およびチップバリスタ 図4
  • 特開-電子部品およびチップバリスタ 図5
  • 特開-電子部品およびチップバリスタ 図6
  • 特開-電子部品およびチップバリスタ 図7
  • 特開-電子部品およびチップバリスタ 図8
  • 特開-電子部品およびチップバリスタ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101426
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】電子部品およびチップバリスタ
(51)【国際特許分類】
   H01C 7/10 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
H01C7/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005396
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】篠沢 恒樹
(72)【発明者】
【氏名】内田 雅幸
【テーマコード(参考)】
5E034
【Fターム(参考)】
5E034DA07
5E034DC01
(57)【要約】
【課題】端面電極間の距離を確保しつつ側面電極のカバー性を高めることができる電子部品およびチップバリスタを提供する。
【解決手段】チップバリスタ1においては、第一電極20Aおよび第二電極20Bの第2部分24の突出長さD1が、第三電極20C、20Dの第1部分21の突出長さD3より短くなっている。第2部分24の突出長さD1が相対的に短くなっていることで側面10c、10dにおける第一電極20Aと第二電極20Bとの間の距離が確保され、それによりショート等の抑制が図られている。一方、第三電極20C、20Dの第1部分21の突出長さD3を相対的に長くすることで、第1部分21が幅広となり、第三電極20C、20Dが設けられた側面10c、10dにおいて露出する第三導体30Cの各端部31のカバー性が高まり、第三導体30Cと第三電極20C、20Dとの接続性の向上が図られている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行であるとともに一方が実装面を構成する一対の主面と、該主面に対して交差する方向に延びるとともに互いに平行な一対の端面と、前記主面および前記端面に対して交差する方向に延びるとともに互いに平行な一対の側面とを有する素体と、
前記素体内に設けられ、前記側面において露出する端部を有するとともに該端部が前記側面において前記主面と平行に延びる側面露出電極と、
前記一対の端面にそれぞれ設けられ、前記端面と前記端面に近接する部分の前記側面および前記主面とを一体的に覆い、前記端面を覆う第1部分と前記側面を覆う第2部分と前記主面を覆う第3部分とをそれぞれ有する一対の端面電極と、
前記側面に設けられ、前記側面と前記側面に近接する部分の前記主面とを一体的に覆い、前記側面を覆って該側面に露出した前記側面露出電極の端部と接続される第1部分と前記主面を覆う第2部分とを有する側面電極と
を備え、
前記素体の前記主面と前記側面とで画成される稜線上における前記端面電極の先端位置同士を結ぶ仮想線を基準とした前記端面電極の前記第2部分の突出長さが、前記稜線上における前記側面電極の端部位置同士を結ぶ仮想線を基準とした前記側面電極の前記第1部分の突出長さより短い、電子部品。
【請求項2】
前記側面に直交する断面における前記側面電極の先端の角度が、前記側面に直交する断面における前記端面電極の前記第2部分の先端の角度より狭い、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記素体の前記主面と前記側面とで画成される稜線を基準とした前記側面電極の前記主面を覆う部分の突出長さが、前記稜線上における前記側面電極の端部位置同士を結ぶ仮想線を基準とした前記側面電極の突出長さより長い、請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記素体の前記主面と前記側面とで画成される稜線上における前記端面電極の先端位置同士を結ぶ仮想線を基準とした前記第3部分の突出長さが、該稜線を基準とした前記側面電極の前記主面を覆う部分の突出長さより長い、請求項1に記載の電子部品。
【請求項5】
請求項1に記載された電子部品であって、前記素体の内部にバリスタ構造が形成されている、チップバリスタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品およびチップバリスタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、素体の一対の端面にそれぞれ端面電極が設けられるとともに一対の側面にそれぞれ側面電極が設けられた構成を有する電子部品として、キャパシタ(下記特許文献1)やチップバリスタ(下記特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-84399号公報
【特許文献2】特開2017-204547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した構成を有する電子部品においては、電子機器の小型化に伴い、小型化や低背化に対する要求が高まっている。電子部品の小型化や低背化に伴って端面電極同士が近づくと、端面電極間におけるショートや部品特性の変動リスクが生じやすくなるため、十分な電極間距離を確保する必要がある。一方、素体の側面に設けられた側面電極が十分に確保できないと、側面に引き出される内部電極のカバー性が低下してしまう。
【0005】
発明者らは、端面電極および側面電極の構成について研究を重ね、その結果、端面電極間の距離を確保しつつ側面電極のカバー性を高めることができる技術を新たに見出した。
【0006】
本発明は、端面電極間の距離を確保しつつ側面電極のカバー性を高めることができる電子部品およびチップバリスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る電子部品は、互いに平行であるとともに一方が実装面を構成する一対の主面と、該主面に対して交差する方向に延びるとともに互いに平行な一対の端面と、主面および端面に対して交差する方向に延びるとともに互いに平行な一対の側面とを有する素体と、素体内に設けられ、側面において露出する端部を有するとともに該端部が前記側面において主面と平行に延びる側面露出電極と、一対の端面にそれぞれ設けられ、端面と端面に近接する部分の側面および主面とを一体的に覆い、端面を覆う第1部分と側面を覆う第2部分と主面を覆う第3部分とをそれぞれ有する一対の端面電極と、側面に設けられ、側面と側面に近接する部分の主面とを一体的に覆い、側面を覆って該側面に露出した側面露出電極の端部と接続される第1部分と主面を覆う第2部分とを有する側面電極とを備え、素体の主面と側面とで画成される稜線上における端面電極の先端位置同士を結ぶ仮想線を基準とした端面電極の第2部分の突出長さが、稜線上における側面電極の端部位置同士を結ぶ仮想線を基準とした側面電極の第1部分の突出長さより短い。
【0008】
上記電子部品においては、端面電極の第2部分の突出長さが相対的に短くなっていることで端面電極間の距離が確保され、それによりショート等の抑制が図られている。一方、側面電極の第1部分の突出長さを相対的に長くすることで側面に露出する側面露出電極のカバー性が高められている。
【0009】
他の形態に係る電子部品では、側面に直交する断面における側面電極の先端の角度が、側面に直交する断面における端面電極の第2部分の先端の角度より狭い。
【0010】
他の形態に係る電子部品では、素体の主面と側面とで画成される稜線を基準とした側面電極の主面を覆う部分の突出長さが、稜線上における側面電極の端部位置同士を結ぶ仮想線を基準とした側面電極の突出長さより長い。
【0011】
他の形態に係る電子部品では、素体の主面と側面とで画成される稜線上における端面電極の先端位置同士を結ぶ仮想線を基準とした第3部分の突出長さが、該稜線を基準とした側面電極の主面を覆う部分の突出長さより長い。
【0012】
本発明の一形態に係るチップバリスタは、上記記載の電子部品であって、素体の内部にバリスタ構造が形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、端面電極間の距離を確保しつつ側面電極のカバー性を高めることができる電子部品およびチップバリスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る電子部品を示す概略斜視図である。
図2図1に示した素体の内部の各導体を示した斜視図である。
図3図1に示した素体の内部の各導体を示した断面図である。
図4】第一導体および第二導体のみを示した図である。
図5】第三導体と第三電極との位置関係を示した図である。
図6】各導体の位置関係を示した断面図である。
図7】各導体の位置関係を示した断面図である。
図8】素体の側面を示した側面図である。
図9】素体の主面を示した底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0016】
まず、図1図3を参照して、電子部品の一種であるチップバリスタ1の構成について説明する。
【0017】
チップバリスタ1は、多端子型の積層チップバリスタであり、素体10と4つの端子電極20A~20Dとを備えて構成されている。チップバリスタ1は、略直方体形状の外形を有し、いわゆる2012サイズ(長手方向長さが2.0mm、短手方向長さが1.25mm、高さが0.8mm)である。
【0018】
素体10は、略直方体形状の外形を有する積層構造体である。素体10は、長手方向において互いに対向する長方形状の一対の端面10a、10bと、端面10a、10bに直交する長方形状の一対の側面10c、10dおよび一対の主面10e、10fとを有する。一対の側面10c、10dおよび一対の主面10e、10fは、端面10a,10b間を連結するように延びている。
【0019】
一対の端面10a、10bは、いずれも素体10の積層方向に対して平行に延在しており、互いに平行である。一対の側面10c、10dは、いずれも素体10の積層方向に対して平行に延在しており、互いに平行であるとともに短手方向において互いに対向している。一対の主面10e、10fは、素体10の積層方向に対して直交するように延在しており、互いに平行であるとともに素体10の積層方向において互いに対向している。本実施形態では、一方の主面10fが、チップバリスタ1が実装される基板と対向する実装面を構成している。
【0020】
素体10は、隣り合う面10a~10fによって画成される12本の稜線12a~12hを有する。具体的には、素体10は、各端面10a、10bと各側面10c、10dとで画成される4本の稜線12a~12dと、各端面10a、10bと各主面10e、10fとで画成される4本の稜線12e~12hと、各側面10c、10dと各主面10e、10fとで画成される4本の稜線12i~12lとを有する。
【0021】
素体10は、バリスタ特性を発現する焼結体(半導体セラミック)からなる。素体10は、バリスタ特性を発現する焼結体からなる複数の層からなる積層構造体である。実際の素体10では、構成する各層は、その間の境界が視認できない程度に一体化されている。素体10は、ZnO(酸化亜鉛)を主成分として含むと共に、副成分としてCo、希土類金属元素、IIIb族元素(B、Al、Ga、In)、Si、Cr、Mo、アルカリ金属元素(K、Rb、Cs)及びアルカリ土類金属元素(Mg、Ca、Sr、Ba)などの金属単体やこれらの酸化物を含む。素体10の表面がガラス質で構成される場合には素体10の表面は高い濡れ性を有する。本実施形態において、素体10は、副成分としてCo、Pr、Cr、Ca、K、及びAlを含んでいる。素体10におけるZnOの含有量は、特に限定されないが、素体10を構成する全体の材料を100質量%とした場合に、通常、99.8~69.0質量%である。希土類金属元素(たとえば、Pr)は、バリスタ特性を発現させる物質として作用する。素体10における希土類金属元素の含有量は、たとえば0.01~10原子%程度に設定される。
【0022】
チップバリスタ1は、素体10内に複数の導体を備えており、具体的には第一導体30A、第二導体30Bおよび第三導体30Cを備えている。第一導体30A、第二導体30Bおよび第三導体30Cは、導電材を含んでいる。各導体30A、30B、30Cに含まれる導電材としては、特に限定されないが、PdまたはAg-Pd合金からなることが好ましい。各導体30A、30B、30Cの厚み(積層方向長さ)は、たとえば0.1~10μm程度である。
【0023】
第一導体30Aは、均一幅を有する帯状の形状を有し、素体10を構成する層内おいて、端面10a、10bの対向方向に沿って延在している。第一導体30Aは、一方の端部30aが端面10aに露出するとともに他方の端部30bが素体10内に位置している。第一導体30Aの幅は、たとえば0.4mmである。
【0024】
第二導体30Bは、均一幅を有する帯状の形状を有し、第一導体30Aが形成された層とは異なる層内おいて、端面10a、10bの対向方向に沿って延在している。第二導体30Bは、一方の端部30aが端面10bに露出するとともに他方の端部30bが素体10内に位置している。第二導体30Bの幅は、第一導体30Aの幅と同じになるように設計されており、たとえば0.4mmである。
【0025】
図3および図4に示すように、第一導体30Aと第二導体30Bとは素体10の積層方向から見て互いに位置合わせされており、素体10内に位置する端部30b同士が積層方向において完全に重なっている。第一導体30Aの端部30bと第二導体30Bの端部30bとが重なって形成された重畳部40は、積層方向から見て、長辺方向が端面10a、10bの対向方向に平行な長方形状を呈する。
【0026】
第三導体30C(側面露出電極)は、側面10c、10dの対向方向に沿って延びる形状を有し、側面10cから側面10dに亘って延びている。図5に示すように、第三導体30Cは、一対の端部31、本体部32および一対の拡幅部33を有する。
【0027】
第三導体30Cの各端部31は、側面10c、10dの近傍に位置しており、側面10c、10dから露出している。側面10c、10dから露出した各端部31の形状(端面形状)は、側面10c、10dにおいて主面10e、10fと平行(すなわち、端面10a、10bの対面方向)に延びる形状を呈する。各端部31は、均一な幅W1(端面10a、10bの対向方向に関する長さ)を有し、幅W1は一例として0.1mmである。
【0028】
第三導体30Cの本体部32は、両端部31の間であって第三導体30Cの中央に位置しており、第一導体30Aおよび第二導体30Bと交差している(本実施形態においては直交している)。本体部32は、第一導体30Aおよび第二導体30Bの重畳部40と素体10の積層方向において重なる部分である機能部34を有する。第三導体30Cは、第一導体30Aとは重畳部40においてのみ重なり、第二導体30Bとも重畳部40においてのみ重なる。そのため、機能部34の面積は、第三導体30Cと第一導体30Aとの重畳面積と一致し、かつ、第三導体30Cと第二導体30Bとの重畳面積とも一致する。本体部32は、均一な幅W2を有し、本体部32の幅W2は端部31の幅W1より広くなるように設計されている(W2>W1)。本体部32の幅W2は一例として0.2mmである。機能部34の幅は、本体部32の幅W2と一致しており、機能部34の幅に応じて、ESD耐量が調整される(たとえば高められる)。
【0029】
両端部31と本体部32との間には、それぞれ拡幅部33が介在している。拡幅部33は、端部31から本体部32に向かって漸次幅が拡がる部分である。
【0030】
図6および図7に示すように、第三導体30Cは、第一導体30Aと第二導体30Bとの中間に位置する層内に延在している。そのため、素体10の積層方向に関し、第三導体30Cと第一導体30Aとの離間距離は、第三導体30Cと第二導体30Bとの離間距離と実質的に同一である。機能部34は、第一導体30Aの端部30bとの間に第一機能層42を形成する。第一機能層42は、機能部34と第一導体30Aの端部30bとで挟まれた素体部分である。第一機能層42は、たとえば20~50pF程度の静電容量を有する。また、機能部34は、第二導体30Bの端部30bとの間に第二機能層44を形成する。第二機能層44は、機能部34と第二導体30Bの端部30bとで挟まれた素体部分である。上述したとおり、第三導体30Cは、第一導体30Aおよび第二導体30Bと実質的に同じ距離だけ離間しており、かつ、第一導体30Aおよび第二導体30Bと重畳面積が実質的に同じであるため、第二機能層44は、第一機能層42の静電容量と実質的に同じ静電容量を有する。
【0031】
4つの端子電極20A~20Dのうちの第三電極20C、20D(側面電極)は、対をなしており、素体10の側面10c側および側面10d側にそれぞれ配置されている。第三電極20C、20Dは、素体10の側面10c、10dに露出した第三導体30Cの両端部31をそれぞれ覆うように形成されており、第三電極20C、20Dは、第三導体30Cと直接接続されている。一対の第三電極20C、20Dと第三導体30Cとは対称的に配置されているため、均一な放電を実現することができる。本実施形態において、第三電極20C、20Dは略紡錘状の全体形状を有する。
【0032】
第三電極20Cは、積層方向に延びて主面10eと主面10fに回り込んで、側面10cと主面10e、10fとを一体的に覆っている。本実施形態では、第三電極20Cは、長方形状を有する側面10cの長辺の中間位置において積層方向に延びて主面10eと主面10fに回り込んでいるが、長辺の中間位置からある程度ズレた態様であってもよい。第三電極20Cは、より詳しくは、側面10cと主面10eおよび主面10fとの稜線12k、12lの間にわたって延びる第1部分21と、第1部分21から一体的に延びて素体10の主面10e、10fのそれぞれに回り込んだ第2部分22とを含んで構成されている。素体10の側面10cに設けられた第三電極20Cの第1部分21は、素体10の積層方向における中間位置において最大幅w1となり、側面10cと主面10e、10fとの稜線12k、12l(最小幅w2)に向けてその側縁が樽状に湾曲するように漸次幅狭となっている。本実施形態に係る第三電極20Cの第1部分21は、側面10cにおける積層方向に関する中間位置を基準に線対称(上下対称)の形状を呈する。そのため、側面10cと主面10eとの稜線12kにおける幅w2と、側面10cと主面10fとの稜線12lにおける幅w2とは同じである。素体10の稜線12k、12l付近に位置する第三電極20Cの第1部分21の四隅はいずれも鈍角となっている。素体10の主面10e、10fにそれぞれ設けられた第三電極20Cの第2部分22は、主面10e、10fと側面10cとの稜線12k、12lから離れる従ってその側縁が略半円状に湾曲するように漸次幅狭となっている。
【0033】
同様に、第三電極20Dも、積層方向に延びて主面10e、10fに回り込んで、側面10dと主面10e、10fとを一体的に覆っている。本実施形態では、第三電極20Dは、長方形状を有する側面10dの長辺の中間位置において積層方向に延びて主面10eと主面10fに回り込んでいるが、長辺の中間位置からある程度ズレた態様であってもよい。第三電極20Dは、より詳しくは、側面10dと主面10eおよび主面10fとの稜線12i、12jの間にわたって延びる第1部分21と、第1部分21から一体的に延びて素体10の主面10e、10fのそれぞれに回り込んだ第2部分22とを含んで構成されている。素体10の側面10dに設けられた第三電極20Dの第1部分21は、素体10の積層方向における中間位置において最大幅w1となり、側面10dと主面10e、10fとの稜線12i、12j(最小幅w2)に向けてその側縁が樽状に湾曲するように漸次幅狭となっている。本実施形態に係る第三電極20Dの第1部分21は、側面10dにおける積層方向に関する中間位置を基準に線対称(上下対称)の形状を呈する。そのため、側面10dと主面10eとの稜線12iにおける幅w2と、側面10dと主面10fとの稜線12jにおける幅w2とは同じである。素体10の稜線12i、12j付近に位置する第三電極20Dの第1部分21の四隅はいずれも鈍角となっている。素体10の主面10e、10fにそれぞれ設けられた第三電極20Dの第2部分22は、主面10e、10fと側面10dとの稜線12i、12jにから離れる従ってその側縁が略半円状に湾曲するように漸次幅狭となっている。
【0034】
すなわち、第三電極20C、20Dの第1部分21の幅は、素体10の側面10c、10dにおける積層方向に関する中間位置において最大幅であるw1となっている。素体10の側面10c、10dにおける積層方向に関する中間位置は、第三導体30Cの各端部31が露出する位置であり、第三電極20C、20Dの第1部分21は第三導体30Cの各端部31が露出する位置において最大幅w1となっている。また、第三電極20C、20Dの第1部分21の幅は、側面10c、10dと主面10e、10fとの稜線12i~12lにおいて最小幅であるw2となっている。
【0035】
図5に示すように、第三電極20C、20Dの第2部分22は、素体10の積層方向から見て、第三導体30Cの拡幅部33の少なくとも一部と重なっている。図5に示した形態では、第三電極20Dの第2部分22は、素体10の積層方向から見て、第三導体30Cの拡幅部33の全部と重なっている。
【0036】
第三電極20C、20Dは、導電性ペーストを素体10の表面に付与することにより形成される。導電性ペーストには、金属(たとえば、Pd、Cu、Ag、又はAg-Pd合金など)からなる粉末に、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を混合したものが用いられている。導電性ペーストを素体10の表面に付与した後、乾燥処理等によってバインダ成分が除かれる。第三電極20C、20Dは、単層構造であっても複数層構造であってもよい。たとえば、第三電極20C、20Dの表面をめっき層で構成することができ、第三電極20C、20DはNiめっき層と、当該Niめっき層上に形成されたSnめっき層とを含んでいてもよい。
【0037】
4つの端子電極20A~20Dの一つである第一電極20A(端面電極)は、素体10の端面10a側に配置されている。第一電極20Aは、端面10aと、端面10aに近接する部分の側面10c、10dおよび主面10e、10fとを一体的に覆うように形成されている。第一電極20Aは、素体10の端面10aに露出した第一導体30Aの一方の端部30aを覆うようにも形成されており、第一電極20Aは、第一導体30Aと直接接続されている。4つの端子電極20A~20Dの一つである第二電極20B(端面電極)は、素体10の端面10b側に配置されている。第二電極20Bは、端面10bと、端面10bに近接する部分の側面10c、10dおよび主面10e、10fとを一体的に覆うように形成されている。第二電極20Bは、素体10の端面10bに露出した第二導体30Bの一方の端部30aを覆うようにも形成されており、第二電極20Bは、第二導体30Bと直接接続されている。
【0038】
第一電極20Aおよび第二電極20Bは、より詳しくは、端面10a、10bを覆う第1部分23と、素体10の側面10c、10dに回り込んで側面10c、10dにおける端面10a、10b側の縁を覆う第2部分24と、素体10の主面10e、10fに回り込んで主面10e、10fにおける端面10a、10b側の縁を覆う第3部分25とを含んで構成されている。本実施形態では、第2部分24は側面10c、10dにおける端面10a、10b側の全縁を覆っており、第3部分25は主面10e、10fにおける端面10a、10b側の全縁を覆っている。素体10の側面10c、10dに設けられた第2部分24は、その幅が、素体10の積層方向における中間位置において最大幅w3となり、かつ、側面10c、10dと主面10e、10fとの稜線12i~12lにおいて最小幅w4となり、素体10の積層方向における中間位置から稜線12i~12lに向けてその側縁がD字状に湾曲するように漸次幅狭となっている。第2部分24および第3部分25の形状は、たとえば、D字状、半円状、半楕円状であってもよい。第2部分24は、側面10c、10dにおける積層方向に関する中間位置を基準に線対称(上下対称)の形状を呈する。そのため、側面10c、10dと主面10eとの稜線12i、12kにおける幅w4と、側面10c、10dと主面10fとの稜線12j、12lにおける幅w4とは同じである。素体10の稜線12i~12l付近に位置し、かつ、第三電極20C、20Dと対向する第2部分24の隅はいずれも鈍角となっている。主面10eに設けられた第3部分25と主面10fに設けられた第3部分25とは、同一形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
【0039】
ここで、図8に示すように、第三電極20C、20Dの第1部分21と第一電極20Aおよび第二電極20Bの第2部分24との距離は、素体10の側面10c、10dにおける積層方向に関する中間位置において、最小距離であるd1となっている。また、第三電極20C、20Dの第1部分21と第一電極20Aおよび第二電極20Bの第2部分24との距離は、素体10の側面10c、10dと主面10e、10fとの稜線12i~12lにおいて、最大距離であるd2となっている。素体10の稜線12i~12lにおける距離d2は、側面10c、10dにおける積層方向に関する中間位置における距離d1より長い。第三電極20C、20Dの第1部分21と第一電極20Aおよび第二電極20Bの第2部分24との距離は、側面10c、10dにおける積層方向に関する中間位置から稜線12i~12lへ向かうに従い、漸次長くなっている。
【0040】
第一電極20Aおよび第二電極20Bは、第3部分25の突出長さD2が第2部分24の突出長さD1より長くなっている。第2部分24の突出長さD1は、図8に示すように、主面10e、10fと側面10c、10dとで画成される稜線12i~12l上における第一電極20Aおよび第二電極20Bの先端位置P同士を側面10c、10d上において結ぶ仮想線L1を基準とした長さ(すなわち仮想線L1からの離間距離)の最大値である。第一電極20Aの突出長さD1と第二電極20Bの突出長さD1とは、同じであってもよく異なっていてもよい。第3部分25の突出長さD2は、図9に示すように、主面10e、10fと側面10c、10dとで画成される稜線12i~12l上における第一電極20Aおよび第二電極20Bの先端位置P同士を主面10e、10f上において結ぶ仮想線L2を基準とした長さ(すなわち仮想線L2からの離間距離)の最大値である。第一電極20Aの突出長さD2と第二電極20Bの突出長さD2とは、同じであってもよく異なっていてもよい。本実施形態に係る仮想線L1、L2は、いずれも端面10a、10bに対して平行に延在しているが、端面10a、10bに対して所定角度だけ傾いている態様であってもよい。
【0041】
第一電極20Aおよび第二電極20Bは、たとえば焼付電極であり、導電性ペーストを素体10の表面に付与して焼き付けることにより形成される。導電性ペーストには、金属(たとえば、Pd、Cu、Ag、又はAg-Pd合金など)からなる粉末に、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を混合したものが用いられている。このような焼付電極上に、めっき層を形成することもできる。めっき層は、Niめっき層と、当該Niめっき層上に形成されたSnめっき層とを含んでいてもよい。第一電極20Aおよび第二電極20Bは、単層構造であっても複数層構造であってもよい。
【0042】
第一電極20Aおよび第二電極20Bの形成時に、導電性ペーストを素体10の表面に付与する際、第2部分24が形成される側面10c、10dを導電性ペーストに対する親和性が低い表面状態(疎水性表面)にしておくことで、側面10c、10dにおける導電性ペーストの濡れ性が低下し、第2部分24の突出長さD1を短くすることができる。疎水性表面は、たとえば素体表面に樹脂を付与することで実現することができ、一例として、樹脂フィルムを素体表面に接触させることで実現することができる。本実施形態においては、第一電極20Aおよび第二電極20Bとなるべき導電性ペーストを素体10の表面に付与する際に、側面10c、10dのみに選択的に樹脂を付与することで、側面10c、10dが疎水性表面となり、かつ、端面10a、10bおよび主面10e、10fが導電性ペーストに対する親和性が相対的に高い表面状態(親水性表面)となる。このとき、導電性ペーストの濡れ性により、主面10e、10fに直交する断面における第3部分25の先端の角度は、側面10c、10dに直交する断面における第2部分24の先端の角度より狭くなる。
【0043】
第三電極20C、20Dの第1部分21の突出長さD3は、第一電極20Aおよび第二電極20Bの第2部分24の突出長さD1より長くなっている。第1部分21の突出長さD3は、図8に示すように、側面10c、10dと主面10e、10fとで画成される稜線12i~12l上における第三電極20Chic、20Dの端部位置Q同士を側面10c、10d上において結ぶ仮想線L3を基準とした長さ(すなわち仮想線L3からの離間距離)の最大値である。第一電極20A側の突出長さD3と第二電極20B側の突出長さD3とは、同じであってもよく異なっていてもよい。側面10cに設けられた第三電極20Cの突出長さD3と、側面10dに設けられた第三電極20Dの突出長さD3とは、同じであってもよく異なっていてもよい。第三電極20C、20Dの突出長さD3を同じにすることで、高い寸法精度を実現することができ、また、第三電極20C、20D間の特性ばらつきが抑えられる。第三電極20C、20Dの一方の突出長さD3を他方の突出長さD3より長くした場合、突出長さD3を長くしたほうの第三電極20C、20Dが設けられた側面10c、10dを実装面として実装して、実装性を高めることができる。端子電極20A~20Dの形成時に、導電性ペーストを素体10の表面に付与する際、第三電極20C、20Dの第1部分21が形成される領域の側面10c、10dを部分的に親水性表面としつつ、第一電極20Aおよび第二電極20Bの第2部分24が形成される領域の側面10c、10dを部分的に疎水性表面にしておくことで、第一電極20Aおよび第二電極20Bとなる導電性ペーストの側面10c、10dにおける濡れ性が低下し、第2部分24の突出長さD1を相対的に短く(逆に、第1部分21の突出長さD3を相対的に長く)することができる。このとき、導電性ペーストの濡れ性により、側面10c、10dに直交する断面における第三電極20C、20Dの第1部分21の先端の角度は、側面10c、10dに直交する断面における第一電極20Aおよび第二電極20Bの第2部分24の先端の角度より狭くなる。
【0044】
第三電極20C、20Dの第2部分22の突出長さD4は、第一電極20Aおよび第二電極20Bの第3部分25の突出長さD2より長くなっている。第2部分22の突出長さD4は、図9に示すように、側面10c、10dと主面10e、10fとで画成される稜線12i~12lを基準とした第2部分22の主面10e、10fにおける突出長さの最大値である。第三電極20Cの突出長さD4と第三電極20Dの突出長さD4とは、同じであってもよく異なっていてもよい。第三電極20C、20Dの形成時に、導電性ペーストを素体10の表面に付与する際、主面10e、10fを導電性ペーストに対する親和性が比較的高い表面状態(疎水性表面)としておくことで、主面10e、10fにおける導電性ペーストの十分な濡れ性を確保し、第2部分22の突出長さD4を長くすることができる。このとき、導電性ペーストの濡れ性により、主面10e、10fに直交する断面における第2部分22の先端の角度は、側面10c、10dに直交する断面における第2部分24の先端の角度より狭くなる。
【0045】
上述したとおり、チップバリスタ1においては、第一電極20Aおよび第二電極20Bの第2部分24の突出長さD1が、第三電極20C、20Dの第1部分21の突出長さD3より短くなっている。第2部分24の突出長さD1が相対的に短くなっていることで側面10c、10dにおける第一電極20Aと第二電極20Bとの間の距離が確保され、それによりショート等の抑制が図られている。一方、第三電極20C、20Dの第1部分21の突出長さD3を相対的に長くすることで、第1部分21が幅広となり、第三電極20C、20Dが設けられた側面10c、10dにおいて露出する第三導体30Cの各端部31のカバー性が高まり、第三導体30Cと第三電極20C、20Dとの接続性の向上が図られている。
【0046】
チップバリスタ1においては、第一電極20Aおよび第二電極20Bの第3部分25の突出長さD2が第2部分24の突出長さD1より長くなっている。実装面を構成する主面10fに位置する第3部分25の突出長さD2が相対的に長いことで、たとえばチップバリスタ1をはんだ実装する際に実装面におけるはんだの形成領域が広くなり、実装性が高められる。たとえば、十分な量のはんだを第一電極20Aおよび第二電極20Bに付与することができ、それにより接合強度が向上する。一方、実装面を構成しない側面10c、10dに位置する第2部分24の突出長さD1が相対的に短いことで、第一電極20Aと第二電極20Bとの間の距離が確保され、それにより第一電極20Aと第二電極20Bとの間におけるショート等の抑制が図られている。
【0047】
また、チップバリスタ1においては、その駆動時に、端子電極20A~20D間における角部同士で電界集中が生じ得る。ただし、チップバリスタ1では、側面10c、10dにおいて第三電極20C、20Dと第一電極20Aおよび第二電極20Bとの距離が長くなるように設計されており、第三電極20C、20Dの第1部分21と第一電極20Aおよび第二電極20Bの第1部分23との距離が素体10の稜線12i~12lにおいて最大距離d2となっているため、素体10の稜線付近に位置する第三電極20C、20Dの角部と第一電極20Aのおよび第二電極20Bの角部との間における電界集中が抑制されている。それにより、電界集中に起因する各端子電極20A~20Cの劣化が抑制されている。
【0048】
さらに、端子電極20A~20Dは、素体10の側面10c、10dの稜線12i~12lにおいて幅狭(すなわち、最小幅w2、w4)となり、その隅が鈍角となっているため、端子電極20A~20Dそれぞれにおいて角部の電界集中が抑制されている。
【0049】
また、第三電極20C、20Dの幅W3は、第三導体30Cの端部31の幅W1より広くなるように設計されている(W3>W1)。また、第三電極20C、20Dの幅W3は、第三導体30Cの本体部32の幅W2より広くなるように設計されている(W3>W2)。第三電極20C、20Dの幅W3は一例として0.5mmである。本実施形態において、第三電極20Cの幅W3と第三電極20Dの幅W3とは同一である。第三電極20Cの幅W3と第三電極20Dの幅W3とは異なっていてもよい。
【0050】
チップバリスタ1においては、第三導体30Cの機能部34の幅W2を拡げることで、ESD耐量が高められる。第三導体30Cの端部31の幅W1は、第三電極20C、20Dの幅W3より短く(W3>W1)、かつ、第三導体30Cの機能部34の幅W2より短い(W2>W1)。そのため、たとえば第三電極20C、20Dを形成する際、端面10a、10bの対向方向に関する第三電極20C、20Dと第三導体30Cとの相対位置ズレがある場合でも、第三導体30Cの一部が第三電極20C、20Dに覆われない事態が生じにくい。すなわち、第三導体30Cと第三電極20C、20Dとの相対位置ズレが生じても、第三導体30Cと第三電極20C、20Dとの接続領域の大きさが変わらず、良好な接続を実現することができる。
【0051】
もし、第三導体30Cの端部31の幅W1が第三電極20C、20Dの幅W3以上である場合(W3≦W1)、端面10a、10bの対向方向に関する第三電極20C、20Dと第三導体30Cとの相対位置ズレがあると、第三導体30Cの一部が第三電極20C、20Dに覆われず、第三導体30Cの端部31が第三電極20C、20Dから露出する事態が生じ得る。第三導体30Cの端部31が第三電極20C、20Dから露出した場合、製品不良となり得る。または、第三導体30Cと第三電極20C、20Dとの接続領域の大きさが製品ごとに変わって、製品ごとの特性ズレが生じ得る。
【0052】
また、チップバリスタ1では、図5に示すとおり、第三電極20C、20Dの幅W3が、第三導体30Cの本体部32の幅W2より広い(W3>W2)。このように、第三電極20C、20Dを幅広とすることで、上述の相対位置ズレが大きい場合であっても、第三導体30Cと第三電極20C、20Dとの良好な接続を実現することができる。
【0053】
また、上述したチップバリスタ1においては、第三導体30Cが拡幅部33を有するため、端部31と本体部32との幅が異なる場合であっても、端部31と本体部32との境界における応力集中が抑制され、クラック等の欠陥が生じる事態が抑制される。
【0054】
さらに、第三電極20C、20Dの第2部分22が、素体10の積層方向から見て、第三導体30Cの拡幅部33の少なくとも一部と重なる程度まで素体10の稜線12i~12lから長く延びているため、素体10内(たとえば第三導体30C)において発生した熱を、第三電極20C、20Dの第2部分22から外部に効率よく放出することができる。素体10内において発生した熱は、素体10内部を通って第2部分22に直接的に伝わる場合や、第1部分21を介して第2部分22に間接的に伝わる場合が考えられる。
【0055】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。たとえば、電子部品は、素体の内部にバリスタ構造が形成されたチップバリスタに限らず、素体の内部にキャパシタ構造が形成されたキャパシタ等であってもよい。また、第三電極の数は1つであってもよく、この場合、第三電極は一対の側面のいずれか一方に設けられ得る。さらに、第三電極は、側面と一対の主面の両方とを一体的に覆う態様であってもよく、側面と一対の主面のいずれか一方とを一体的に覆う態様であってもよい。
【0056】
上述の記載から把握されるとおり、本明細書は下記を開示している。
[付記1]
互いに平行であるとともに一方が実装面を構成する一対の主面と、該主面に対して交差する方向に延びるとともに互いに平行な一対の端面と、前記主面および前記端面に対して交差する方向に延びるとともに互いに平行な一対の側面とを有する素体と、
前記素体内に設けられ、前記側面において露出する端部を有するとともに該端部が前記側面において前記主面と平行に延びる側面露出電極と、
前記一対の端面にそれぞれ設けられ、前記端面と前記端面に近接する部分の前記側面および前記主面とを一体的に覆い、前記端面を覆う第1部分と前記側面を覆う第2部分と前記主面を覆う第3部分とをそれぞれ有する一対の端面電極と、
前記側面に設けられ、前記側面と前記側面に近接する部分の前記主面とを一体的に覆い、前記側面を覆って該側面に露出した前記側面露出電極の端部と接続される第1部分と前記主面を覆う第2部分とを有する側面電極と
を備え、
前記素体の前記主面と前記側面とで画成される稜線上における前記端面電極の先端位置同士を結ぶ仮想線を基準とした前記端面電極の前記第2部分の突出長さが、前記稜線上における前記側面電極の端部位置同士を結ぶ仮想線を基準とした前記側面電極の前記第1部分の突出長さより短い、電子部品。
[付記2]
前記側面に直交する断面における前記側面電極の先端の角度が、前記側面に直交する断面における前記端面電極の前記第2部分の先端の角度より狭い、付記1に記載の電子部品。
[付記3]
前記素体の前記主面と前記側面とで画成される稜線を基準とした前記側面電極の前記主面を覆う部分の突出長さが、前記稜線上における前記側面電極の端部位置同士を結ぶ仮想線を基準とした前記側面電極の突出長さより長い、付記1または2に記載の電子部品。
[付記4]
前記素体の前記主面と前記側面とで画成される稜線上における前記端面電極の先端位置同士を結ぶ仮想線を基準とした前記第3部分の突出長さが、該稜線を基準とした前記側面電極の前記主面を覆う部分の突出長さより長い、付記1~3のいずれか一つに記載の電子部品。
[付記5]
付記1~4のいずれか一つに記載された電子部品であって、前記素体の内部にバリスタ構造が形成されている、チップバリスタ。
【符号の説明】
【0057】
1…チップバリスタ、10…素体、10a、10b…端面、10c、10d…側面、10e、10f…主面、20A…第一電極、20B…第二電極、20C、20D…第三電極。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9