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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101434
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】液体容器およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
B41J2/175 141
B41J2/175 115
B41J2/175 119
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005407
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】林 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 真也
(72)【発明者】
【氏名】田邉 裕磨
(72)【発明者】
【氏名】大木 聡
(72)【発明者】
【氏名】福田 祐士
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA18
2C056KC02
2C056KC14
2C056KC16
(57)【要約】
【課題】溶融した樹脂が外側へ流れ出しにくい液体容器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 液体容器は、開口95を区画する壁体129を有する箱型状の樹脂製の筐体130と、底壁136と底壁136の周縁から起立する周壁137とを有しており、開口95に嵌合される樹脂製の内蓋と、壁体129の上面129Aと周壁137の上面とに熱溶着されているフィルム133と、備え、周壁137の上面は、溝部227を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を区画する壁体を有する箱型状の樹脂製の筐体と、
底壁と上記底壁の周縁から起立する周壁とを有しており、上記開口に嵌合される樹脂製の内蓋と、
上記壁体の上面と上記周壁の上面とに熱溶着されているフィルムと、を備え、
上記周壁の上面は、溝部を有する液体容器。
【請求項2】
上記溝部は、上記開口の周囲に沿った環状である請求項1に記載の液体容器。
【請求項3】
上記周壁は、上記溝部と外部とを連通する連通路をさらに備える請求項2に記載の液体容器。
【請求項4】
上記溝部は、多角形であり、
上記連通路は、上記溝部が直線状に延びる部分に位置する請求項3に記載の液体容器。
【請求項5】
上記連通路は、上記溝部において対向する位置にそれぞれ位置する請求項4に記載の液体容器。
【請求項6】
上記周壁の上面は、上記溝部よりも内周側において外周側よりも高い請求項5に記載の液体容器。
【請求項7】
上記フィルムを覆って、上記筐体に嵌合する蓋体をさらに備えた請求項1から6のいずれかに記載の液体容器。
【請求項8】
開口を区画する壁体を有する箱型状の樹脂製の筐体に、底壁と上記底壁の周縁から起立する周壁を有しており、上記周壁の上面に溝部を有する樹脂製の内蓋を、上記開口に嵌合するように嵌め合わせる嵌合工程と、
上記壁体の上面および上記周壁の上面がフィルムで覆われるように上記フィルムを位置合わせする位置合わせ工程と、
上記フィルムを介して上記周壁および上記壁体の上面を加熱して、上記フィルムを上記周壁および上記壁体に熱溶着する溶着工程と、を含む液体容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内蓋が筐体に嵌められた液体容器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクカートリッジから供給されたインクが、ノズルを介して記録ヘッドから吐出されるプリンタが知られている。インクカートリッジは、例えば樹脂性の筐体と蓋体とを有する。筐体は、上面が開口されており、内部空間がインクを貯留する貯留室となる。蓋体は、筐体の開口に嵌合される。蓋体および筐体の上面には、樹脂製のフィルムが熱溶着される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-161874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱溶着において、蓋体のフィルムへの溶着面は、加熱により溶融される。溶融された樹脂は、嵌合されている筐体の上面より外側へ流れ出して、バリとなるおそれがある。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶融した樹脂が外側へ流れ出しにくい液体容器およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る液体容器は、開口を区画する壁体を有する箱型状の樹脂製の筐体と、底壁と上記底壁の周縁から起立する周壁とを有しており、上記開口に嵌合される樹脂製の内蓋と、上記壁体の上面と上記周壁の上面とに熱溶着されているフィルムと、を備える。上記周壁の上面は、溝部を有する。
【0007】
上記構成によれば、熱溶着において、溶融した周壁が溝部に流入するので、溶融した樹脂が外部へ流れ出し難い。また、周壁の厚みが太くなるので、液体容器の強度が向上する。
【0008】
(2) 好ましくは、上記溝部は、上記開口の周囲に沿った環状である請求項1に記載の液体容器である。
【0009】
上記構成によれば、周壁の厚みが一様に太くなる。
【0010】
(3) 好ましくは、上記周壁は、上記溝部と外部とを連通する連通路をさらに備える請求項2に記載の液体容器である。
【0011】
上記構成によれば、溶融した周壁が溝部に流入するとき、連通路から外部へ空気が流出する。
【0012】
(4) 好ましくは、上記溝部は、多角形であり、上記連通路は、上記溝部が直線状に延びる部分に位置する請求項3に記載の液体容器である。
【0013】
上記構成によれば、連通路により周壁の強度が低下しにくい。
【0014】
(5) 好ましくは、上記連通路は、上記溝部において対向する位置にそれぞれ位置する請求項4に記載の液体容器である。
【0015】
上記構成によれば、溝部から空気が流出しやすい。
【0016】
(6) 好ましくは、上記周壁の上面は、上記溝部よりも内周側において外周側よりも高い請求項5に記載の液体容器である。
【0017】
上記構成によれば、溝部よりも内周側の周壁から溶融するので、連通路が塞がれにくくなる。
【0018】
(7) 好ましくは、上記フィルムを覆って、上記筐体に嵌合する蓋体をさらに備えた請求項1から6のいずれかに記載の液体容器である。
【0019】
(8) 本発明に係る液体容器の製造方法は、開口を区画する壁体を有する箱型状の樹脂製の筐体に、底壁と上記底壁の周縁から起立する周壁を有しており、上記周壁の上面に溝部を有する樹脂製の内蓋を、上記開口に嵌合するように嵌め合わせる嵌合工程と、上記側壁の上面および上記周壁の上面がフィルムで覆われるように上記フィルムを位置合わせする位置合わせ工程と、上記フィルムを介して上記周壁および上記壁体の上面を加熱して、上記フィルムを上記周壁および上記壁体に熱溶着する溶着工程と、を含む。
【0020】
上記構成によれば、溶着工程において、外壁および内壁が溶融した樹脂が溝部に流入するので、溝部に存在する空気は、連通路を介して外部に流出する。これにより、樹脂の外部への流出が抑制される。また、周壁の厚みが太くなるので、液体容器の強度が向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、溶融した樹脂が外側へ流れ出しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、プリンタ部の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
図2図2は、カートリッジ装着部の平面図である。
図3図3は、インクカートリッジの斜視図である。
図4図4は、インクカートリッジの縦断面を示す斜視図である。
図5図5は、インクカートリッジの横断面図である。
図6図6は、図4の領域Aの部分拡大図である。
図7図7は、第1内蓋の斜視図である。
図8図8は、インクカートリッジの分解斜視図である。
図9図9は、第1内蓋および第2内蓋を筐体に嵌合したインクカートリッジの斜視図である。
図10図10は、第1内蓋の周壁と、筐体の外壁とにフィルムを重ねたインクカートリッジの斜視図である。
図11図11は、第1内蓋の周壁と、筐体の外壁とにフィルムを熱溶着する工程を示すインクカートリッジの部分断面図である。
図12図12は、第1内蓋の周壁と、筐体の外壁とにフィルムを熱溶着する工程を示すインクカートリッジの部分断面図である。
図13図13は、第1内蓋の周壁と、筐体の外壁とにフィルムを熱溶着する工程を示すインクカートリッジの部分断面図である。
図14図14は、タンクの下面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0024】
また、以下の説明では、インクカートリッジがカートリッジ装着部に挿入される方向が前方向と定義される。また、インクカートリッジがカートリッジ装着部から抜き出される方向が後方向と定義される。以下では、インクカートリッジは、カートリッジ装着部に対して水平方向である前提として説明がなされるが、必ずしも前方向および後方向は水平方向でなくてもよい。また、前方向および後方向のいずれかに直交する方向が下方向と定義される。下方向の反対となる方向が上方向と定義される。前方向および下方向と直交する方向が右方向と定義される。右方向と反対方向が左方向と定義される。したがって、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されて使用される状態において、重力方向が下方向であり、重力方向と反対方向が上方向であることを前提として説明がなされる。つまり、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されて使用される状態において、筐体のメイン下壁の外面が重力方向の下方を向く。また、前方向及び下方向と直交する方向が、右方向及び左方向と定義される。より具体的には、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されて使用される状態で、インクカートリッジを後方から前方に視た場合において、右方に向く方向が右方向と定義され、左方に向く方向が左方向と定義される。なお、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されて使用される状態とは、インクカートリッジがカートリッジ装着部の装着位置まで挿入された状態である。装着位置は、カートリッジ装着部に設けられたインクニードルがインクカートリッジに設けられたインク供給部に挿入されて互いに連結され、且つインクカートリッジに設けられたIC基板がカートリッジ装着部に設けられた接点と接触する位置である。また、以下では、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されて使用される状態の、当該インクカートリッジの姿勢を使用姿勢と称する。
【0025】
また、前方向及び後方向は、前後方向と定義される。また、上方向及び下方向は、上下方向と定義される。また、右方向及び左方向は、左右方向(幅方向の一例)と定義される。
【0026】
また、以下の説明では、「前方を向く」とは、前方の成分を含む方向を向くことを含み、「後方を向く」とは、後方の成分を含む方向を向くことを含む。また、「下方を向く」とは、下方の成分を含む方向を向くことを含み、「上方を向く」とは、上方の成分を含む方向を向くことを含む。例えば、「前面が前方を向く」とは、前面が前方を向いていてもよいし、前面が前方に対して傾斜した方向を向いていてもよい。
【0027】
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、用紙に対してインク滴を吐出することにより画像を記録する画像記録装置であり、例えばインクジェットプリンタである。プリンタ10は、記録ヘッド21と、インク供給装置100と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100は、カートリッジ装着部110を備える。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30(液体容器の一例)が装着される。図2に示されるように、カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が形成されている。インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に前方へ挿入され、或いは開口112を通じてカートリッジ装着部110から後方へ抜き出される。
【0028】
インクカートリッジ30は、液体を貯留しており、例えばプリンタ10で使用可能なインク(液体の一例)を貯留する。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とは、インクチューブ20を介して接続されている。記録ヘッド21は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留するダンパ室28を有する。記録ヘッド21は、ダンパ室28から供給されたインクを複数のノズル29から吐出する。具体的には、記録ヘッド21が備えるヘッド制御基板が、複数のノズル29に対応して設けられた複数のピエゾ素子29Aに選択的に駆動電圧を印加する。これにより、ノズル29から選択的にインクが吐出される。つまり、記録ヘッド21は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30に貯留されたインクを消費する。
【0029】
プリンタ10は、給紙トレイ15と、給紙ローラ23と、搬送ローラ対25と、プラテン26と、排出ローラ対27と、排紙トレイ16と、を備えている。給紙ローラ23は、給紙トレイ15上の用紙を搬送路24へ向けて給送する。搬送路24へ給送された用紙は、やがて搬送ローラ対25に到達する。搬送ローラ対25は、搬送ローラ対25に到達した用紙をプラテン26上へ搬送する。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した用紙は、排出ローラ対27に到達する。排出ローラ対27は、排出ローラ対27に到達した用紙を、搬送路24の最下流側に位置する排紙トレイ16に排出する。
【0030】
[インク供給装置100]
図1に示されるように、プリンタ10は、インク供給装置100を備えている。インク供給装置100は、記録ヘッド21にインクを供給する。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110と、タンク103と、を備えている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態が示されている。つまり、図1において、インクカートリッジ30は装着状態である。この状態にあるインクカートリッジ30の姿勢が、使用姿勢である。
【0031】
[カートリッジ装着部110]
図1および図2に示されるように、カートリッジ装着部110は、カートリッジケース101と、インクニードル102と、を備えている。
【0032】
[カートリッジケース101]
図2に示されるように、カートリッジケース101は、カートリッジ装着部110の筐体である。図1から図3に示されるように、インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジケース101へ挿入され、開口112を通じてカートリッジケース101から抜き出される。
【0033】
[インクニードル102]
図1及び図2に示されるように、インクニードル102は、中空の管状となっており、カートリッジケース101の下部に位置している。インクニードル102は、カートリッジケース101において、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部34(図3参照)に対応する位置に配置されている。インクニードル102は、カートリッジケース101から後方へ突出しており、その先端が後方に向けて開口している。
【0034】
[タンク103]
図1に示されるように、カートリッジケース101の前方にはタンク103が配置されている。タンク103は、内部にインクを貯留可能な箱形状である。タンク103の上部は、大気連通ポート124によって外部へ開口している。これにより、タンク103の内部空間251は、大気開放されている。タンク103の内部空間251は、後方においてインクニードル102の内部空間と連通している。これにより、インクニードル102を通じてインクカートリッジ30から流出したインクがタンク103に貯留される。タンク103には、インクチューブ20が接続されている。これにより、タンク103の内部空間に貯留されたインクがインクチューブ20を通じて記録ヘッド21へ供給される。
【0035】
[インクカートリッジ30の全体構造]
インクカートリッジ30は液体であるインクが貯留される容器である。図3から図5に示されるように、インクカートリッジは、平面視における外形が略矩形の箱体である。図3から図5に示されているインクカートリッジ30の姿勢は、インクカートリッジ30が使用姿勢にあるときの姿勢、すなわち使用姿勢である。インクカートリッジ30は、前壁40、82と、後壁41、83と、上壁39と、下壁48と、側壁37、84と、側壁38、85とを備える。
【0036】
前壁40は、インクカートリッジ30が使用姿勢において、前方向を向く壁である。後壁41は、インクカートリッジ30が使用姿勢において、後方向を向く壁である。上壁39は、インクカートリッジ30が使用姿勢において、上方向を向き、前端が前壁82の上端と接続され、後端が後壁83の上端と接続されている。
【0037】
下壁48は、インクカートリッジ30が使用姿勢において、下方向を向き、前端が前壁40の下端と接続され、後端が後壁41の下端と接続されている。
【0038】
インクカートリッジ30は、使用姿勢においては、後壁41から前壁40に向かう方向が前方向に一致し、前壁40から後壁41に向かう方向が後方向に一致する姿勢である。また、インクカートリッジ30は、使用姿勢においては、上壁39から下壁48に向かう方向が下方向(重力方向)に一致し、下壁48から上壁39に向かう方向が上方向に一致する姿勢である。また、インクカートリッジ30は、使用姿勢においては、側壁38から側壁37に向かう方向が右方向に一致し、側壁37から側壁38に向かう方向が左方向に一致する。また、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されるときに、前壁40の外面は前方向を向き、後壁41の外面は後方向を向き、下壁48の外面は下方向を向き、上壁39の外面は、上方向を向く。
【0039】
図4および図6に示されるように、インクカートリッジ30は、筐体130と、第1内蓋131と、第2内蓋132と、フィルム133と、外蓋134と、を備える。
【0040】
[筐体130]
図4および図8に示されるように、筐体130は、上方が開放された箱形状である。つまり、筐体130の上端には、開口95が形成されている。本実施形態では、筐体130は、樹脂製の容器である。図3から図5に示されるように、筐体130は、液体を貯留する貯留室32を有する。
【0041】
図3から図6に示されるように、筐体130は、外壁として、前壁40と、後壁41と、側壁37と、側壁38と、下壁48とを備える。前壁40と後壁41との間の間隔は、側壁37と側壁38との間の間隔よりも長い。前壁40と、後壁41と、側壁37と、側壁38と、下壁48とが、貯留室32を画定している。前壁40、後壁41、側壁37、および側壁38は、開口95を区画する壁体129の一例(以下、壁体129ともいう)である。前壁40、後壁41、側壁37、および側壁38のそれぞれの上面は、例えば、面一になっている。壁体129の内面は、貯留室32を区画する。壁体129は、上端部の外周面に、上方向を向く段差面42Bを有する。壁体129は、上端部の内周面に、上方向を向く段差面43Bを有する。
【0042】
段差面42Bは、壁体129の外周に沿って環状に延びる。段差面42Bは、壁体129の上端部の外周側をL字状にした底面である。段差面42Bは、後述する外蓋134の前壁82下面と、後壁83の下面と、側壁84の下面と、側壁85の下面と対向する。
【0043】
段差面43Bは、壁体129の内周に沿って環状に延びる。段差面43Bは、壁体129の上端部の内周側をL字状にした底面である。段差面43Bは、後述する第1内蓋131が載置される面である。
【0044】
下壁48の外面には、インクを外部に供給するインク供給部34が位置する。インク供給部34は、貯留室32に連通する筒体である。インク供給部34は、前方向を向く開口87を有する。図4に示されるように、インク供給部34の内部空間には、バルブ77が位置する。バルブ77は、開口87を開閉する。バルブ77は、コイルバネ78によって開口87へ向けて付勢されており、開口87を閉じた状態である。前方向から開口87へインクニードル102が挿入されると、バルブ77が開口87から離れてインクニードル102の先端がインク供給部34の内部空間へ進入する。インク供給部34の内部空間において、インクニードル102の先端からインクニードル102の内部空間にインクが流入する。
【0045】
[第1内蓋131]
図7および図8に示されるように、第1内蓋131(内蓋の一例)は、上方向が開放された箱形状である。第1内蓋131は、平面視の外形が矩形である。樹脂製である第1内蓋131は、底壁136と、底壁136の周縁から起立する周壁137と、を備える。周壁137は、外周側に膨出する張出部138を備える。図6に示されるように、第1内蓋131は、筐体130の開口95に嵌合される。第1内蓋131の張出部138の下面138Bは、壁体129の段差面43Bに支持される。第1内蓋131により、筐体の開口95が閉塞される。
【0046】
図7に示されるように、底壁136は、前後方向および左右方向に拡がる板状体である。底壁136は、貯留室32を区画する。図4および図7に示されるように、底壁136には、上下方向に貫通する貫通孔46が位置する。貫通孔46は、後述する大気連通流路72を構成する。
【0047】
図6および図7に示されるように、周壁137は、底壁136の周縁から起立する。周壁137は、例えば、底壁136の周縁に沿って環状に延びる。周壁137の外周面は、壁体129の内周面に接するか或いは対向する。周壁137は、上面において下方に凹む溝部227を有する。溝部227の断面は、上方向に向かって幅が拡がるV字状である。溝部227の底227Bは、張出部138の下面138Bよりも上方に位置する。溝部227は、周壁137の外周側である外壁228と、内周側である内壁229 とを区画する。例えば、溝部227は、底227Bよりも上方向且つ外周側に位置する外壁228と、底227Bよりも上方向且つ内周側に位置する内壁229とを区画する。周壁137の内周面には、上方向を向く段差面137Bが位置する。段差面137Bは、周壁137に沿って環状に延びる。
【0048】
外壁228は、上面228Aを平面とする断面形状が略三角形状である。換言すると、外壁228は、断面形状において上方向に沿って幅が狭まるテーパ状である。外壁228の上下方向の中央付近から外向きに張出部138が膨出する。外壁228の上面228Aは、壁体129の上面129Aと面一である。
【0049】
内壁229は、上面229Aを平面とする断面形状が略三角形状である。換言すると、内壁229は、断面形状において上方向に沿って幅が狭まるするテーパ状である。内壁229は、段差面137Bよりも上方に位置する。内壁229の内周面は、段差面137Bよりも外周側に位置する。内壁229の上面229A(溝部227よりも内周側の上面)は、外壁228の上面228A(溝部227よりも外周側の上面)よりも上方に位置する。底壁136と内壁229の上面229Aとの上下方向に沿った寸法は、底壁136と外壁228の上面229Aとの上下方向に沿った寸法よりも大きい。
【0050】
図7に示されるように、周壁137は、連通路240を備える。連通路240は、外壁228の直線状に延びる部分に位置する。連通路240は、例えば、第1内蓋131の長辺のそれぞれに位置する。連通路240は、溝部227において対向する位置にそれぞれ位置する。連通路240の位置は、例えば、左右方向において重なる。連通路240の位置は、例えば、貫通孔46を挟んで左右方向に延び、底壁136の上面136Aから下方向に向けて凹む凹部139に沿う。
【0051】
連通路240は、外壁228の周方向に沿って、一部を下方に凹ませた凹状部である。連通路240の底面は、例えば、溝部227の底227Bと同じ位置である。連通路240は、壁体129と張出部138との間の隙間を介して、溝部227の内部空間と貯留室32とを連通する。
【0052】
[第2内蓋132]
図6および図8に示されるように、第2内蓋132は、概ね板形状である。第2内蓋132の下面は、第1内蓋131の段差面137Bに支持されている。第2内蓋132の上面132Aには、上面132Aの周縁部から上方向へ起立したリブ140が位置する。リブ140の上面140Aは、後述するフィルム133と溶着している。図4に示されるように、第2内蓋132は、貫通孔47を有する。貫通孔47は、第1内蓋131の貫通孔46と上下方向において重なる位置にある。図9に示されるように、貫通孔47には、貫通孔46の開閉を切り替える弁機構135の一部が挿通される。図4および図9に示されるように、第2内蓋132の左右方向の中央および前後方向の前端側には、上下方向に貫通する貫通孔148と、リブ149とが位置する。リブ149は、上面132Aから起立する。リブ149は、貫通孔148を囲繞する。貫通孔148およびリブ149は、後述する大気連通流路72を構成する。
【0053】
[フィルム133]
図6および図10に示されるように、フィルム133は、平面視における外形が矩形の枠体である。フィルム133は、前後方向および左右方向に延び、壁体129の上面129Aと、周壁137の上面(外壁228の上面228Aおよび内壁229の上面229A)と、リブ140の上面140Aと、に上方向から重ね合わされる。フィルム133は、壁体129の上面129Aと、周壁137の上面(外壁228の上面228Aおよび内壁229の上面229A)と、リブ140の上面140Aとに熱溶着されている。フィルム133は、壁体129と、第1内蓋131との隙間を液密に封止する。フィルム133の開口133Aは、第2内蓋132の上面を露出している。具体的には、フィルム133の開口133Aは、弁機構135、リブ149、および貫通孔148を露出している。
【0054】
[外蓋134]
図4および図6に示されるように、外蓋134(蓋体の一例)は、下方が開放された箱形状である。外蓋134は、上方向から筐体130に嵌合される。外蓋134は、筐体130との間に第1内蓋131、第2内蓋132、およびフィルム133を挟み込む。外蓋134は、上壁39と、前壁82と、後壁83と、側壁84と、側壁85と、を備える。前壁82は、前壁40に組み合わせられる。後壁83は、後壁41に組み合わせられる。側壁84は、側壁37に組み合わせられる。側壁85は、側壁38に組み合わせられる。上壁39の後方端には、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の着脱に用いられる操作面90が位置する。図3および図4に示されるように、上壁39の左右方向の中央且つ前後方向の後端側には、後述する大気連通流路72の一部である開口44が位置する。
【0055】
[大気連通流路72]
図4に示されるように、大気連通流路72は、貯留室32と大気との間に連通される空気の流路である。大気連通流路72の連通の有無は、弁機構135の上下動による貫通孔46の開閉により切り替えられる。大気連通流路72は、貫通孔46、第1内蓋131の上面136Aと第2内蓋132の下面との間、貫通孔148、第2内蓋132の上面132Aと外蓋134の下面との間、および開口44を通る。弁機構135により貫通孔46が開放されている状態(カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着されている状態)が開状態である。弁機構135により貫通孔46が閉鎖されている状態(カートリッジ装着部110からインクカートリッジ30が外されている状態)が閉状態である。
【0056】
[インクカートリッジ30の製造方法]
インクカートリッジ30の製造方法は、嵌合工程と、位置合わせ工程と、溶着工程と、外嵌工程と、を備える。なお、インク供給部34は、上記各工程の前後において筐体130に組み付けられる。
【0057】
嵌合工程において、図6および図8に示されるように、筐体130に、第1内蓋131および第2内蓋132が組み合わせられる。筐体130は、開口95を上方向に向けた状態とされる。第1内蓋131は、周壁137の上面を上方向に向けて、筐体130の開口95に嵌合される。具体的には、周壁137の張出部138の下面138Bが、壁体129の段差面43Bに載置されることにより、第1内蓋131が筐体130に嵌合される。第2内蓋132の下面が、第1内蓋131の段差面137Bに載置される。これにより、第1内蓋131の上方に第2内蓋132が嵌合される。
【0058】
図11に示されるように、筐体130に第1内蓋131および第2内蓋132が嵌合された状態において、周壁137の外周面は、壁体129の内周面に接するか或いは対向する。溝部227は周壁137の上面において上方へ露出する。図7および図9に示す連通路240は、壁体129の内周面に接するか或いは対向する。筐体130の外側から内側へ向けて、壁体129、外壁228、内壁229、およびリブ140が順に並ぶ。筐体130の外側から内側へ向けて、筐体130の上面129A、外壁228の上面228A、内壁229の上面229A、およびリブ140の上面140Aが順に並ぶ。
【0059】
位置合わせ工程において、図10および図11に示されるように、筐体130、第1内蓋131、および第2内蓋132に対して、フィルム133が位置合わせされる。具体的には、壁体129、外壁228、内壁229、およびリブ140の上面129A,228A,229A,140Aのそれぞれが、フィルム133により覆われるように位置合わせされる。
【0060】
溶着工程において、フィルム133が、周壁137、壁体129およびリブ140に溶着される。図11に示されるように、熱せられた熱板210が、上方向からフィルム133の上面に押し当てられる。内壁229の上面229Aおよびリブ140の上面140Aが、フィルム133を介して熱板210に接する。図12に示されるように、熱板210により加熱された内壁229の上面229Aが溶融すると、溶融した樹脂が溝部227の内部空間へ流入する。また、リブ140の上面140Aが内壁229の上面229Aとともに溶融する。
【0061】
図13に示されるように、内壁229およびリブ140が溶融することにより、熱板210は、外壁228の上面228Aおよび壁体129の上面129Aにもフィルム133を介して接触する。内壁229および外壁228が溶融すると、溶融した樹脂が溝部227の内部空間へ流入する。周壁137に沿って環状に延びる溝部227の内部空間には、幅方向に隣接する内壁229および外壁228から溶融した樹脂が流入する。これにより、溶融した樹脂は、溝部227の全体に亘って流入する。溝部227の内部空間に流入した樹脂は、熱板210による加熱が終わると、底227Bにおいて自然冷却により凝固する。
【0062】
凝固した樹脂によって、溝部227の内部空間が狭まり、その結果、溝部227の内部空間に樹脂が流れ込む前と比べて、周壁137の左右方向または前後方向に沿った厚みが太くなる。また、溶融した樹脂が溝部227の内部空間に留めるので、溶融した樹脂が、壁体129の上面129Aを超えて外部に流出することが抑制される。
【0063】
溝部227の内部空間に樹脂が流入することにより、溝部227の内部空間に存在する空気は、連通路240を通じて溝部227の外部に流出する。溝部227から流出した空気は、壁体129の内周面と張出部138との間の隙間から貯留室32へ流入する。フィルム133は、周壁137の上面228A,229Aと、壁体129の上面129Aと、リブ140の上面140Aと、に溶着される。溶着されたフィルム133は、周壁137と壁体129との間(第1内蓋131と筐体130との間)を液密に封止する。溶着されたフィルムは、周壁137とリブ140との間(第2内蓋132と第1内蓋131との間)を液密に封止する。
【0064】
外嵌工程において、図6および図8に示されるように、外蓋134が筐体130の壁体129に外嵌される。フィルム133は、外蓋134によって覆われる。外蓋134の前壁82、後壁83、側壁84,85は、壁体129の段差面42Bと当接する。これにより、インクカートリッジ30が製造される。
【0065】
[実施形態の作用効果]
前述された実施形態では、周壁137が溝部227を有するので、周壁137において溶融した樹脂が溝部227に流入する。これにより、溶融した樹脂が周壁137の外側へ流れ出しにくい。また、溝部227の内部空間に流入した樹脂が凝固することにより、周壁137の厚みが太くなるので、インクカートリッジ30の強度が向上する。
【0066】
複数色のカートリッジを並べて装着可能なカラープリンタにおいて、複数色のカートリッジの容量を1つにまとめた(大容量化された)単色のインクカートリッジ30を装着可能にすることが考えられる。すなわち、カラープリンタをモノクロプリンタに設計変更可能なプリンタ10の採用が考えられる。大容量化されたインクカートリッジ30の重量は、複数色のカートリッジ単体に比べて増加する。上記のように、インクカートリッジ30の強度が向上することで、重量が増加したインクカートリッジ30においても破損を抑制できる。例えば、インクカートリッジ30が落下したとしても、破損し難くできる。
【0067】
溝部227が筐体130の開口95に沿った環状なので、溶融した樹脂は、溝部227の底227Bに沿って環状になる。これにより、周壁137の厚みが一様に太くなる。
【0068】
溝部227の内部空間に溶融した樹脂が流入すると、溝部227の内部空間に存在する空気は、連通路240を通じて溝部227の外部に流出する。これにより、溶融した樹脂が溝部227の内部空間に流入しやすい。
【0069】
溝部227に樹脂が流れ込むと、樹脂が溝部227を部分的に塞いで、溝部227に沿って空気が流れなくなるが、連通路240が複数設けられているので、溝部227が部分的に塞がれても、いずれかの連通路240から空気が流出する。
【0070】
連通路240が溝部227が直線状に延びる部分に位置するので、連通路240が角部に位置する場合に比べ、周壁137の強度が低下し難い。
【0071】
[変形例]
上記実施形態では、第2内蓋132のリブ140の上面140Aもフィルム133に溶着するとしたが、これに限定されない。第2内蓋のリブ140は、フィルム133に溶着されなくともよい。また、第2内蓋132は、第1内蓋131と予め一体化されていてもよいし、また、第2内蓋132が省かれて、第1内蓋131のみが筐体130に嵌合されてもよい。
【0072】
上記実施形態では、内壁229の上面229Aは、外壁228の上面228Aより上方に位置するが、これに限定されない。内壁229の上面229Aと、外壁228の上面228Aとは上下方向の同じ位置であってもよい。これにより、内壁229の上面229Aおよび外壁228の上面228Aに熱板210が同時に接触するので、インクカートリッジ30の製造時間が短縮される。
【0073】
上記実施形態では、第1内蓋131および第2内蓋132が筐体130に嵌合される順序は限定されない、第1内蓋131が筐体130の開口95に嵌合された後に、第2内蓋132は、第1内蓋131に嵌合されてもよいし、第1内蓋131と第2内蓋132とが嵌合されてから、筐体130に嵌合されてもよい。
【0074】
上記実施形態では、平面視における外形が矩形のインクカートリッジ30が説明されたが、これに限定されない。インクカートリッジ30は、上方から視た形状が多角形であってよい。溝部227もインクカートリッジ30の上方からみた形状に合わせて多角形であってよい。多角形は、例えば、矩形のほか、五角形や六角形、八角形などである。
【0075】
上記実施形態では、一対の連通路240が説明されたが、これに限定されない。連通路240は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、連通路240は設けられなくてもよい。
【0076】
上記実施形態では、筐体130に外蓋134が嵌められているが、外蓋134は設けられなくてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、液体容器としてインクカートリッジ30が説明されたが、これに限定されない。液体容器は、タンク103であってもよい。図14に示されるように、タンク103のシアン、マゼンダ、イエロー、およびブラックの各色に対応する内部空間251(図1参照)の下面を構成する底壁252が上記実施形態の第1内蓋131と同様の周壁253を有してもよい。詳細には、シアン、マゼンダ、イエロー、およびブラックの各タンク103の内部空間251を壁体254によって区画した箱形状の筐体255に対して、その下面に底壁252を嵌め込む構成であってよい。周壁253は、底壁252の下面252Aの周縁から起立する。周壁253は、各タンク103の内部空間251を画定する壁体254に嵌合された状態で、壁体254の内周に沿って位置する。周壁253の下面には、周壁253に沿って延びる溝部256が位置する。周壁253は、溝部256よりも外周側に位置する外壁257と、内周側に位置する内壁258と、溝部256と外部とを連通する連通路259と、を有する。
【0078】
周壁253の下面と、壁体254の下面とには、図示しないフィルムが重ね合わされる。フィルムは、例えば、壁体254の下面の形状と概略同形状である。フィルムを介して、内壁258の下面258Aと、外壁257の下面257Aと、壁体254の下面とに熱が加えられる。これにより、内壁258、外壁257、および壁体254は溶融される。内壁258および外壁257を溶融した樹脂は、溝部256に流れ込む。溝部256内の空気は、連通路259を通って、壁体254と底壁252との間から内部空間251に流出する。これにより、上下方向における周壁253の厚さを厚くしつつ、フィルムにより、底壁252と壁体254との間を液密に封止できる。周壁253が厚くなるので、タンク103の強度が向上する。また、タンク103は、一色のインクを貯留するモノクロ用であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
30・・・インクカートリッジ
32・・・貯留室
95・・・開口
129・・・壁体
130・・・筐体
131・・・第1内蓋
132・・・第2内蓋
133・・・フィルム
134・・・外蓋
136・・・底壁
137・・・周壁
227・・・溝部
228・・・外壁
229・・・内壁
240・・・連通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14