(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101439
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】ヘッドレスト及びこれを備えた車両用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/856 20180101AFI20240722BHJP
【FI】
B60N2/856
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005417
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 東鉉
(72)【発明者】
【氏名】今成 勝利
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DC05
3B087DC08
3B087DC09
(57)【要約】
【課題】着座乗員の車酔いを軽減可能なサポートパッドを、スペース効率よく収納することができるヘッドレストを得る。
【解決手段】ヘッドレスト10は、着座乗員Pの頭部Hを後方側から支持可能に構成されたヘッドレスト本体16と、使用状態及び収納状態の何れの状態にもなり得、使用状態において、ヘッドレスト本体16のシート前側に配置されると共に、着座乗員Pの頭部Hにおいて後頭骨に対応する部位H1を後方側及び側方側の少なくとも一方側から支持可能に構成されたサポートパッド18と、ヘッドレスト本体16のシート後側においてシート前方側へ向かって凹設され、サポートパッド18を収納可能に構成された収納部54と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座乗員の頭部を後方側から支持可能に構成されたヘッドレスト本体と、
使用状態及び収納状態の何れの状態にもなり得、前記使用状態において、前記ヘッドレスト本体のシート前側に配置されると共に、着座乗員の頭部において後頭骨に対応する部位を後方側及び側方側の少なくとも一方側から支持可能に構成されたサポートパッドと、
前記ヘッドレスト本体のシート後側においてシート前方側へ向かって凹設され、前記サポートパッドを収納可能に構成された収納部と、
を有するヘッドレスト。
【請求項2】
矩形シート状に形成されると共に、一端部がシート幅方向に沿って前記ヘッドレスト本体の上端部に固定されかつ他端部が前記サポートパッドに固定された連結部材をさらに有する、
請求項1に記載のヘッドレスト。
【請求項3】
前記収納状態において、前記連結部材は、前記ヘッドレスト本体の前記上端部から前記収納部の上端にかけて前記ヘッドレスト本体の上部外周面に沿って配置される、
請求項2に記載のヘッドレスト。
【請求項4】
前記連結部材の前記一端部は、前記ヘッドレスト本体の前記上端部の前端部に固定されている、
請求項3に記載のヘッドレスト。
【請求項5】
前記ヘッドレスト本体は、発泡樹脂製のヘッドレストパッドと、前記ヘッドレストパッドを覆う表皮材と、を備えており、
前記連結部材は、前記表皮材と同じ材質で構成されている、
請求項2に記載のヘッドレスト。
【請求項6】
前記サポートパッドは、発泡樹脂製のサポートパッド本体と、前記ヘッドレスト本体の前記表皮材と同じ材質で構成され前記サポートパッド本体を覆う表皮材と、を備えている、
請求項5に記載のヘッドレスト。
【請求項7】
前記使用状態及び前記収納状態における前記サポートパッドのシート後側の面は、平面状に形成されており、前記収納状態において、前記サポートパッドのシート後側の面は、前記ヘッドレスト本体のシート後側の面と面一とされている、
請求項3に記載のヘッドレスト。
【請求項8】
シート後方側から見て、前記収納部と前記収納状態の前記サポートパッドとの間には、隙間が設けられている、
請求項7に記載のヘッドレスト。
【請求項9】
前記隙間は、前記収納部においてシート下側に形成された面と前記収納状態における前記サポートパッドのシート下側の面との間に設けられており、
前記収納部におけるシート下側に形成された面は、シート前方側からシート後方側へ向かうにつれてシート下方側へ傾斜して形成されている、
請求項8に記載のヘッドレスト。
【請求項10】
前記収納状態において、前記サポートパッドはシート後方側から見て前記収納部に嵌合されており、当該サポートパッドのシート後側の面には、シート状又は紐状のつまみ部が設けられているかシート前方側へ凹んだ溝部が形成されている、
請求項7に記載のヘッドレスト。
【請求項11】
前記サポートパッドの前記使用状態におけるシート前側の面は、シート下方側へ向かうにつれて前方側へ傾斜して形成されており、平断面視でシート前方側に開放されたU字状に形成されると共に、シート幅方向に沿った縦断面視でシート上方側に開放されたU字状に形成されており、着座乗員の頭部において後頭骨に対応する部位を後方側、側方側及び下方側から支持可能に構成されている、
請求項2に記載のヘッドレスト。
【請求項12】
前記使用状態において、前記サポートパッドの下端部は、前記ヘッドレスト本体の下端部以上の高さに配置されており、
前記サポートパッドの前記使用状態におけるシート下方側の面は、シート前方側に向かうにつれてシート上方側へ傾斜して形成されている、
請求項11に記載のヘッドレスト。
【請求項13】
前記サポートパッドの前記使用状態におけるシート幅方向の中央部は、側断面視で上底が上方側を向く等脚台形状に形成されている、
請求項12に記載のヘッドレスト。
【請求項14】
前記ヘッドレスト本体において、前記収納部のシート前側には、シート後方側へ向かって突出して形成され前記収納状態における前記サポートパッドのシート前側の面と係合する凸部が設けられている、
請求項11に記載のヘッドレスト。
【請求項15】
シート上下方向に延在すると共に前記ヘッドレスト本体の前記凸部に埋設された左右一対の支柱部と、前記左右一対の支柱部の上端部同士をシート幅方向に連結すると共に前記ヘッドレスト本体の上端部に埋設されたアッパ部と、を含んで構成されたヘッドレストステーをさらに有する、
請求項14に記載のヘッドレスト。
【請求項16】
着座乗員の背部を支持可能なシートバックと、
前記シートバックのシート上方側に配設された請求項1~請求項15の何れか一項に記載の前記ヘッドレストと、
を有する車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドレスト及びこれを備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートにおいて着座乗員の車酔いを軽減又は防止(以後、これらを総称して軽減と称す。)する目的で、着座乗員の頭部のうち後頭骨に対応する部位を支持して頭部の揺れを抑制するサポートパッドが開発されている。このような車酔い軽減用のサポートパッドは、非使用時の収納場所に困るという課題があった。
【0003】
下記特許文献1には、可撓片を介してクッション体(サポートパッド)を背もたれ本体に取り付けた椅子が開示されている。このクッション体は、使用時には背もたれ本体の前面に配置され、非使用時には、着座乗員の邪魔にならないように、背もたれ本体の後面に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたクッション本体(サポートパッド)は、非使用時には、背もたれ本体の後面に重なる形で後方側へ突出して配置されるため、スペース効率の観点で課題がある。
【0006】
本発明は、上記の事実を考慮し、着座乗員の車酔いを軽減可能なサポートパッドを、スペース効率よく収納することができるヘッドレスト及びこれを備えた車両用シートを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のヘッドレストは、着座乗員の頭部を後方側から支持可能に構成されたヘッドレスト本体と、使用状態及び収納状態の何れの状態にもなり得、前記使用状態において、前記ヘッドレスト本体のシート前側に配置されると共に、着座乗員の頭部において後頭骨に対応する部位を後方側及び側方側の少なくとも一方側から支持可能に構成されたサポートパッドと、前記ヘッドレスト本体のシート後側においてシート前方側へ向かって凹設され、前記サポートパッドを収納可能に構成された収納部と、を有している。
【0008】
請求項1に記載の本発明によれば、着座乗員の頭部は、ヘッドレスト本体に後方側から支持される。また、着座乗員の頭部において後頭骨に対応する部位は、ヘッドレスト本体のシート前側に配置されたサポートパッドによって、後方側及び側方側の少なくとも一方側から支持される。よって、サポートパッドの使用状態において、着座乗員の後頭骨の前後方向及び左右方向の少なくとも一方向の揺れが抑制され、車酔いが軽減される。
【0009】
また、サポートパッドは、ヘッドレスト本体のシート後側において、シート前方側へ向かって凹設された収納部に収納される。よって、サポートパッドは、非使用時に邪魔になることなく、スペース効率よく収納される。
【0010】
請求項2に記載のヘッドレストは、請求項1に記載の発明において、矩形シート状に形成されると共に、一端部がシート幅方向に沿って前記ヘッドレスト本体の上端部に固定されかつ他端部が前記サポートパッドに固定された連結部材をさらに有している。
【0011】
請求項2に記載の本発明によれば、サポートパッドは、連結部材によってヘッドレスト本体に連結されている。このため、サポートパッドの非使用状態であって収納部にサポートパッドを収納しない場合に、サポートパッドが紛失するのを防止することができる。
【0012】
また、連結部材の一端部は、シート幅方向に沿ってヘッドレスト本体の上端部に固定されている。このため、サポートパッドの使用状態において、シート状の連結部材は、ヘッドレスト本体の上端部からシート前側の面へ沿うように垂れ下がって配置される。このとき、連結部材の他端部に固定されたサポートパッドは、ヘッドレスト本体のシート前側に吊り下がった状態で配置される。このように、使用状態において、連結部材はヘッドレスト本体の前面に沿った状態で配置されるため、当該連結部材に吊り下げられたサポートパッドは、安定して配置される。
【0013】
一方、サポートパッドの非使用時において、連結部材は、ヘッドレスト本体の上端部に固定された一端部を基点として側面視で後方側へ折り返される。これにより、サポートパッドは、ヘッドレスト本体の後側に吊り下げられる。つまり、着座乗員は、サポートパッドを取り外したくなった場合、サポートパッドをヘッドレスト本体の前側から避けて、ヘッドレスト本体の上方側を通して、ヘッドレスト本体の後側へ吊り下げておくことができる。比較例として、サポートパッドが非使用時にヘッドレスト本体の側方に吊り下げられる構成の場合、車両の揺れなどにより、着座乗員の邪魔になる可能性が残る。これに対して、本実施形態に係るヘッドレストのサポートパッドは、ヘッドレスト本体の後側に吊り下げられるため、仮に非使用時に収納部に収納されなくても、着座乗員の邪魔にならない。
【0014】
請求項3に記載のヘッドレストは、請求項2に記載の発明において、前記収納状態において、前記連結部材は、前記ヘッドレスト本体の前記上端部から前記収納部の上端にかけて前記ヘッドレスト本体の上部外周面に沿って配置される。
【0015】
請求項3に記載の本発明によれば、収納状態において、連結部材は、余って撓むことなくヘッドレスト本体の上部外周面に沿って配置される。よって、収納状態の意匠性が向上される。また、着座乗員がサポートパッドを収納する際に、収納部に対するサポートパッドの位置合わせが容易になる。
【0016】
請求項4に記載のヘッドレストは、請求項3に記載の発明において、前記連結部材の前記一端部は、前記ヘッドレスト本体の前記上端部の前端部に固定されている。
【0017】
請求項4に記載の本発明によれば、収納状態において、連結部材はヘッドレスト本体の上端部の前端部から収納部の上端にかけて、ヘッドレスト本体の上面及び後面に沿って配置される。一方、使用状態において、連結部材はヘッドレスト本体の上端部の前端部からヘッドレスト本体の前面に沿って配置される。よって、収納状態においてヘッドレスト本体の後面に沿う連結部材の上下方向の長さは、使用状態においてヘッドレスト本体の前面に沿う連結部材の上下方向の長さよりも、略ヘッドレスト本体の上面の前後方向の長さ分短くなる。換言すると、サポートパッドは、ヘッドレスト本体の前側に吊り下げられるときよりも後側に吊り下げられるときの方が、上方側に配置される。
【0018】
そして、収納部は、連結部材が撓まないように、ヘッドレスト本体の後側に吊り下げられたサポートパッドの位置に対応して形成されている。つまり、収納部は、使用状態におけるサポートパッドの位置、すなわち着座乗員の後頭骨に対応する位置よりも上方側に形成されている。よって、着座乗員がヘッドレスト本体の上方側から腕を伸ばして容易に収納部へアクセスすることができる。つまり、収納部へのサポートパッドの収納及び収納部からのサポートパッドの取り出しが容易になる。
【0019】
請求項5に記載のヘッドレストは、請求項2に記載の発明において、前記ヘッドレスト本体は、発泡樹脂製のヘッドレストパッドと、前記ヘッドレストパッドを覆う表皮材と、を備えており、前記連結部材は、前記表皮材と同じ材質で構成されている。
【0020】
請求項5に記載の本発明によれば、発泡樹脂製のヘッドレストパッドにより、着座乗員の頭部に対するクッション性が向上される。また、連結部材は、ヘッドレスト本体の表皮材と同じ材質で構成されている。よって、連結部材は、ヘッドレスト本体と一体化して見え、意匠性が向上される。
【0021】
請求項6に記載のヘッドレストは、請求項5に記載の発明において、前記サポートパッドは、発泡樹脂製のサポートパッド本体と、前記ヘッドレスト本体の前記表皮材と同じ材質で構成され前記サポートパッド本体を覆う表皮材と、を備えている。
【0022】
請求項6に記載の本発明によれば、発泡樹脂製のサポートパッド本体により、着座乗員の頭部のうち後頭骨に対応する部位に対するクッション性が向上される。また、ヘッドレスト本体の表皮材と同じ材質で構成された表皮材により、サポートパッドはヘッドレスト本体と一体化して見える。よって、より一層意匠性が向上される。
【0023】
請求項7に記載のヘッドレストは、請求項1に記載の発明において、前記使用状態及び前記収納状態における前記サポートパッドのシート後側の面は、平面状に形成されており、前記収納状態において、前記サポートパッドのシート後側の面は、前記ヘッドレスト本体のシート後側の面と面一とされている。
【0024】
請求項7に記載の本発明によれば、使用状態及び収納状態において、サポートパッドは略同じ向きを向いており、その後面は平面状に形成されている。よって、使用状態において、平面状に形成されたサポートパッドの後面は、安定してヘッドレスト本体に支持される。これにより、車酔いをより一層軽減することができる。また、収納状態においては、平面状に形成されたサポートパッドの後面がヘッドレスト本体の後面と面一となるため、意匠性が向上される。
【0025】
請求項8に記載のヘッドレストは、請求項7に記載の発明において、シート後方側から見て、前記収納部と前記収納状態の前記サポートパッドとの間には、隙間が設けられている。
【0026】
請求項8に記載の本発明によれば、着座乗員は、収納部に収納されたサポートパッドを取り出す際、収納部とサポートパッドとの間の隙間に指を入れることができる。よって、収納部からサポートパッドを取り出し易くなる。
【0027】
請求項9に記載のヘッドレストは、請求項8に記載の発明において、前記隙間は、前記収納部においてシート下側に形成された面と前記収納状態における前記サポートパッドのシート下側の面との間に設けられており、前記収納部におけるシート下側に形成された面は、シート前方側からシート後方側へ向かうにつれてシート下方側へ傾斜して形成されている。
【0028】
請求項9に記載の本発明によれば、隙間は収納状態におけるサポートパッドの下側に設けられている。よって、着座乗員がヘッドレスト本体の上方側から後側へ腕を伸ばして隙間に指を入れ、サポートパッドを取り出す際に、シート上方側かつシート後方側へ向かって力をかけ易くなる。よって、着座乗員はサポートパッドを容易に収納部から取り出すことができる。
【0029】
また、収納部の下面、すなわち隙間の下側に位置する面は、シート前方側からシート後方側へ向かうにつれてシート下方側へ傾斜して形成されている。仮に収納部の下面が水平方向に延在しているとすると、サポートパッドを収納部に収納していないときに別の物が当該面の上に置かれ得る。この場合、収納部に置かれた当該別の物は、サポートパッドの収納部への収納の妨げとなる。これに対して、本発明によれば、隙間の下側に位置する収納部の下面が傾斜しているため、物が置かれることが防止される。
【0030】
請求項10に記載のヘッドレストは、請求項7に記載の発明において、前記収納状態において、前記サポートパッドはシート後方側から見て前記収納部に嵌合されており、当該サポートパッドのシート後側の面には、シート状又は紐状のつまみ部が設けられているかシート前方側へ凹んだ溝部が形成されている。
【0031】
請求項10に記載の本発明によれば、シート後方側から見て収納状態のサポートパッドと収納部との間には隙間が形成されていないため、シート後方側から見た収納状態のヘッドレストの意匠性が向上される。また、着座乗員は、収納部からサポートパッドを取り出す際、サポートパッドの後面に設けられたシート状又は紐状のつまみ部をつまむか、サポートパッドの後面に形成された溝部に指をひっかけることで、容易にサポートパッドを収納部から取り出すことができる。さらに、このつまみ部又は溝部は嵩張らないため、使用状態においてサポートパッドの後面とヘッドレスト本体との接触を阻害せずに済む。よって、使用状態におけるサポートパッドの安定性が維持される。
【0032】
請求項11に記載のヘッドレストは、請求項2に記載の発明において、前記サポートパッドの前記使用状態におけるシート前側の面は、シート下方側へ向かうにつれて前方側へ傾斜して形成されており、平断面視でシート前方側に開放されたU字状に形成されると共に、シート幅方向に沿った縦断面視でシート上方側に開放されたU字状に形成されており、着座乗員の頭部において後頭骨に対応する部位を後方側、側方側及び下方側から支持可能に構成されている。
【0033】
請求項11に記載の本発明によれば、サポートパッドの使用状態におけるシート前側の面は、着座乗員の後頭部の形状に対応して形成されている。よって、着座乗員の後頭骨の前後方向、左右方向及び上下方向の揺れが抑制され、着座乗員の車酔いがより一層軽減される。
【0034】
請求項12に記載のヘッドレストは、請求項11に記載の発明において、前記使用状態において、前記サポートパッドの下端部は、前記ヘッドレスト本体の下端部以上の高さに配置されており、前記サポートパッドの前記使用状態におけるシート下方側の面は、シート前方側に向かうにつれてシート上方側へ傾斜して形成されている。
【0035】
請求項12に記載の本発明によれば、使用状態において、サポートパッドの後面はヘッドレスト本体の前面に広く支持される。よって、サポートパッドの後面は、サポートパッドの前面が着座乗員の頭部のうち後頭骨に対応する部位から受けた荷重を、ヘッドレスト本体へ効率よく分散することができる。また、サポートパッドのシート下方側の面は傾斜して形成されており、着座乗員の頸部の後方側に空間ができるため、着座乗員が肩を動かすスペースが広く確保される。よって、例えば着座乗員がハンドル操作をするなどして肩を動かす際に、サポートパッドが当該動作を妨げることを抑制することができる。
【0036】
請求項13に記載のヘッドレストは、請求項12に記載の発明において、前記サポートパッドの前記使用状態におけるシート幅方向の中央部は、側断面視で上底が上方側を向く等脚台形状に形成されている。
【0037】
請求項13に記載の本発明によれば、使用状態におけるサポートパッドは、シート幅方向の中央部、すなわち着座乗員の後頭部のシート幅方向中央部を支える部分において、側断面視で上底が上方側を向く等脚台形状に形成されている。つまり、使用状態のサポートパッドの上面(等脚台形の上底にあたる面)は、略前後方向に延在している。これにより、サポートパッドが側断面視で上方側に凸となる三角形状に形成されている場合と比較して、着座乗員の後頭部とヘッドレスト本体の前面との間には、自然と僅かなバックセットが設けられることになる。よって、例えば車線変更などで着座乗員が横を向く際に、ヘッドレスト本体と着座乗員の頭部とが干渉する煩わしさが軽減される。
【0038】
請求項14に記載のヘッドレストは、請求項11に記載の発明において、前記収納部のシート前側には、シート後方側へ向かって突出して形成され前記収納状態における前記サポートパッドのシート前側の面と係合する凸部が設けられている。
【0039】
請求項14に記載の本発明によれば、収納状態におけるサポートパッドの前面は、収納部のシート前側に位置するヘッドレスト本体の凸部に係合される。よって、着座乗員がサポートパッドを収納部に収納する際、着座乗員がサポートパッドを押し込む強さによらず、サポートパッドは常に一定の位置に収納される。また、サポートパッドの前面がヘッドレスト本体の凸部の後面、すなわち収納部の前面に係合されるため、ヘッドレスト本体とサポートパッドとの接触面積を大きく確保することができ、摩擦力が増加する。よって、車両走行時の振動に対してサポートパッドが収納部から抜け落ち難くなる。
【0040】
請求項15に記載のヘッドレストは、請求項14に記載の発明において、シート前後方向から見てシート下方側に開放されたU字状に形成され、前記ヘッドレスト本体の凸部に埋設されシート上下方向に延在する左右一対の支柱部と、前記ヘッドレスト本体の上端部に埋設され前記左右一対の支柱部の上端部同士をシート幅方向に連結するアッパ部と、を含んで構成されたヘッドレストステーをさらに有している。
【0041】
請求項15に記載の本発明によれば、ヘッドレストステーによって、車両の衝突時における着座乗員の頭部のシート後方側への移動が抑制される。特に、ヘッドレスト本体の上端部に設けられたアッパ部によって、着座乗員の頭部の上部がシート後方側へ移動されることが抑制される。また、左右一対の支柱部は、凸部に埋設されている。つまり、左右一対の支柱部は、着座乗員の頭部において後頭骨に対応する部位を支持するサポートパッドの前面の幅よりも狭い間隔で、シート幅方向に離れて設けられている。これにより、着座乗員の頭部のシート後方側への移動がより一層抑制される。また、左右一対の支柱部が収納部と干渉することなく凸部に効率よく配置されていることにより、左右一対の支柱部の前方側においてヘッドレスト本体のシート前後方向の厚みを確保することができる。よって、着座乗員の後頭部へのクッション性が維持される。
【0042】
請求項16に記載の車両用シートは、着座乗員の背部を支持可能なシートバックと、前記シートバックのシート上方側に配設された請求項1~請求項15の何れか一項に記載の前記ヘッドレストと、を有する。
【0043】
請求項16に記載の本発明によれば、着座乗員の頭部は、シートバックの上方側に取り付けられたヘッドレストのヘッドレスト本体に、後方側から支持される。また、着座乗員の頭部において後頭骨に対応する部位は、ヘッドレスト本体のシート前側に配置されたサポートパッドによって、後方側及び側方側の少なくとも一方側から支持される。よって、サポートパッドの使用状態において、着座乗員の後頭骨の前後方向及び左右方向の少なくとも一方向の揺れが抑制され、車酔いが軽減される。
【0044】
また、サポートパッドは、ヘッドレスト本体のシート後側において、シート前方側へ向かって凹設された収納部に収納される。よって、サポートパッドは、非使用時に邪魔になることなく、スペース効率よく収納される。
【発明の効果】
【0045】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係るヘッドレストは、着座乗員の車酔いを軽減可能なサポートパッドを、スペース効率よく収納することができるという優れた効果を有する。
【0046】
請求項2に記載の本発明に係るヘッドレストは、非使用時のサポートパッドの紛失を防止すると共に、使用状態におけるサポートパッドの安定性を向上することができるという優れた効果を有する。
【0047】
請求項3に記載の本発明に係るヘッドレストは、収納状態における意匠性を向上すると共に、収納する際のサポートパッドの位置合わせを容易にすることができるという優れた効果を有する。
【0048】
請求項4に記載の本発明に係るヘッドレストは、収納部へのサポートパッドの収納及び取り出しが容易になるという優れた効果を有する。
【0049】
請求項5に記載の本発明に係るヘッドレストは、意匠性を向上することができるという優れた効果を有する。
【0050】
請求項6に記載の本発明に係るヘッドレストは、より一層意匠性を向上することができるという優れた効果を有する。
【0051】
請求項7に記載の本発明に係るヘッドレストは、車酔いをより一層軽減しつつ、収納状態における意匠性をより一層向上することができるという優れた効果を有する。
【0052】
請求項8に記載の本発明に係るヘッドレストは、収納部からのサポートパッドの取り出しを容易にすることができるという優れた効果を有する。
【0053】
請求項9に記載の本発明に係るヘッドレストは、収納部からのサポートパッドの取り出しをより一層容易にすると共に、収納部にサポートパッド以外の物が入れられることを防止することができるという優れた効果を有する。
【0054】
請求項10に記載の本発明に係るヘッドレストは、使用状態におけるサポートパッドの安定性を維持しつつ、収納状態における意匠性を向上しかつ収納部からのサポートパッドの取り出しをより一層容易にすることができるという優れた効果を有する。
【0055】
請求項11に記載の本発明に係るヘッドレストは、着座乗員の車酔いをより一層軽減することができるという優れた効果を有する。
【0056】
請求項12に記載の本発明に係るヘッドレストは、着座乗員の頭部保護性能を向上すると共に、快適性を向上することができるという優れた効果を有する。
【0057】
請求項13に記載の本発明に係るヘッドレストは、着座乗員の快適性をより一層向上させることができるという優れた効果を有する。
【0058】
請求項14に記載の本発明に係るヘッドレストは、収納状態における意匠性を向上することができると共に、収納状態かつ走行時におけるサポートパッドが抜け落ち難くなるという優れた効果を有する。
【0059】
請求項15に記載の本発明に係るヘッドレストは、むち打ち防止性能を維持しつつ、着座乗員の後頭部へのクッション性を確保することができるという優れた効果を有する。
【0060】
請求項16に記載の本発明に係る車両用シートは、着座乗員の車酔いを軽減可能なサポートパッドを、ヘッドレストにスペース効率よく収納することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】本実施形態に係るヘッドレストが組付けられた車両用シートの前方斜視図であり、サポートパッドの使用状態を示す図である。
【
図3】
図2に示されるヘッドレストステーの正面図である。
【
図4】
図1に示される車両用シートにおいて、サポートパッドが収納部に収納された収納状態を示す後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、
図1~
図7を用いて、本発明の一実施形態に係るヘッドレスト10について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FR、矢印UP、矢印LH及び矢印RHは、ヘッドレスト10を備えた車両用シート12のシート前方側、シート上方側、シート幅方向左側及びシート幅方向右側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート左右方向(幅方向)の左右をそれぞれ示すものとする。
【0063】
(車両用シート12の全体構成)
図1には、ヘッドレスト10を備えた車両用シート12の上部が示されている。車両用シート12は、着座乗員の臀部及び大腿部を支持する図示しないシートクッションと、シートクッションの後端部に連結されて着座乗員の背部を支持するシートバック14と、シートバック14の上端部に連結されて着座乗員の頭部を支持するヘッドレスト10と、を含んで構成されている。なお、
図2及び
図5では、実際の乗員の代わりに衝突試験用のダミーPが車両用シート12に着座している。このダミーPは、BioRID-IIダミー(後面衝突評価用ダミー)であり、衝突試験法で定められた標準的な着座姿勢で着座している。以下、説明を分かり易くするために、ダミーを「乗員P」と称す。
【0064】
(ヘッドレスト10の全体構成)
図1に示されるように、ヘッドレスト10は、略直方体状に形成されシートバック14の上端部の上側に配設されたヘッドレスト本体16と、ヘッドレスト本体16の前側に配置されることで、乗員Pの頭部Hにおいて後頭骨に対応する部位H1(
図2参照)を支持するサポートパッド18と、を備えている。サポートパッド18は、矩形シート状の連結部材20によって、ヘッドレスト本体16に連結されている。以後、
図1に示されるように、サポートパッド18がヘッドレスト本体16の前側に配置された状態を「使用状態」と称す。なお、ヘッドレスト本体16の形状及び連結部材20の形状は、上記に限定されるものではない。
【0065】
(ヘッドレスト本体16)
図2に示されるように、ヘッドレスト本体16は、骨格を構成すると共にシートバック14の被挿入部(図示省略)に挿入されたヘッドレストステー22と、ヘッドレストステー22を覆い乗員Pの頭部H(
図4参照)から受ける荷重によって弾性変形するヘッドレストパッド24と、ヘッドレストパッド24を覆う表皮材26と、を含んで構成されている。
【0066】
ヘッドレストパッド24は、例えばポリウレタンフォーム等の発泡樹脂製とされており、ヘッドレストステー22を埋設して発泡成形されている。
【0067】
表皮材26は、例えば布材、ニット素材、合成皮革、皮革等からなる複数の表皮片が互いに縫製されて構成されている。一例として、本実施形態の表皮材26を構成する表皮片は、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)製であるものとする。
【0068】
図3に示されるように、ヘッドレストステー22は、一例として、前後方向から見て下方側に開放された略U字状に形成されており、金属製とされている。ヘッドレストステー22は、それぞれ略上下方向に延在する左右一対の脚部28と、左右一対の脚部28の上端部同士を左右方向に連結するアッパ部30と、を備えている。
図2に示されるように、アッパ部30は、ヘッドレスト本体16の上端部かつ前端部に配置されている。
【0069】
図2及び
図3に示されるように、左右一対の脚部28は、略上下方向に延在すると共にシートバック14の被挿入部(図示省略)に挿入された下部脚部32と、下部脚部32の上端部においてシート幅方向内側かつシート前方側へ向かって屈曲形成された屈曲部34と、屈曲部34とアッパ部30とを略上下方向に連結する支柱部としての上部脚部36と、をそれぞれ備えている。屈曲部34が形成されていることにより、左右一対の上部脚部36は、左右一対の下部脚部32よりもシート幅方向内側に配置されている。なお、ヘッドレストステー22の形状は上記に限定されるものではない。
【0070】
(サポートパッド18)
次に、
図1に戻ってサポートパッド18について詳述する。
図1には、サポートパッド18の使用状態が示されている。サポートパッド18は、例えば車両用シート12が運転席の場合、運転者としての乗員Pが自動運転中に使用する。なお、これに限らず、サポートパッド18は、運転中の運転者に使用されてもよい。また、サポートパッドを備えた車両用シートは、助手席や後部座席であってもよい。使用状態及び後述する収納状態において、サポートパッド18の向きは略同じであるため、以下の説明でサポートパッド18について特記なく前後、上下及び左右の方向を用いる場合は、使用状態及び収納状態におけるサポートパッド18の前後、上下及び左右をそれぞれ示すものとする。
【0071】
サポートパッド18は、シート幅方向の中央部に位置する中央部38と、中央部38の左右両側に設けられると共に、中央部38よりもシート前方側へ突出して形成されたサイドサポート部40と、を備えている。サポートパッド18の後面18A(
図4参照)は、略上下方向及び略シート幅方向に延在する矩形平面状に形成されている。
【0072】
一方、サポートパッド18の前面18Bは、平断面視でシート前方側に開放された略U字状に形成されている(
図6参照)。これにより、サポートパッド18は、乗員Pの頭部Hにおいて後頭骨に対応する部位H1(
図2参照)を前方側かつ幅方向内側に向かって斜め前向きに支持可能になっている。
【0073】
また、
図1及び
図2に示されるように、サポートパッド18の前面18Bは、シート下方側へ向かうにつれて前方側へ傾斜して形成されている。これにより、サポートパッド18は、乗員Pの頭部Hにおいて後頭骨に対応する部位H1を、前方側かつ上方側に向かって斜め上向きに支持可能になっている。
【0074】
さらに、
図7に示されるように、サポートパッド18の前面18Bは、シート幅方向に沿った縦断面視でシート上方側に開放された略U字状に形成されている。換言すると、サポートパッド18の前面18Bのうち、サイドサポート部40のシート幅方向内側の面18B1は、下方側へ向かうにつれてシート幅方向内側へ向かって傾斜して形成されている。これにより、サポートパッド18は、乗員Pの頭部Hにおいて後頭骨に対応する部位H1(
図2参照)を、上方側かつ幅方向内側に向かって斜め上向きに支持可能になっている。
【0075】
さらにまた、
図2に示されるように、サポートパッド18の中央部38は、サポートパッド18の使用状態において、乗員Pの頭部Hにおける上部H2がヘッドレスト本体16の前面16Aに対して所定の間隔を空けて配置されるように、側断面視で三角形状ではなく上底が下底よりも短い等脚台形状に形成されている。
【0076】
上記をまとめると、サポートパッド18は、後頭骨に対応する部位H1が後方側、側方側及び下方側から広く支持されるように、後頭部の形状に合わせて形成されつつ、使用状態において、乗員Pの頭部Hの上部H2がヘッドレスト本体16の前面16Aに対して所定の間隔を空けて配置されるように形成されている。なお、ヘッドレスト本体16の前面16Aは、サポートパッド18の使用状態において、車両用シート12が搭載された図示しない車両に後突が発生した場合、サポートパッド18の上方側において、乗員Pの頭部Hの上部H2を後方側から支持可能となっている。
【0077】
サポートパッド18は、ヘッドレスト本体16と同様に、例えばポリウレタンフォーム等の発泡樹脂製のサポートパッド本体42と、サポートパッド本体42を覆う表皮材44と、を備えている、
【0078】
(連結部材20)
次に、
図1に戻って連結部材20について説明する。本実施形態の連結部材20は、ヘッドレスト本体16の表皮材26と同じPVC製とされている。連結部材20は、略同じ矩形状の連結片20A及び連結片20Bが互いに重ね合わされて、外表で縫製されている。
【0079】
連結部材20の一端部46は、シート幅方向に沿って、ヘッドレスト本体16の上面16Bの前端部に位置する表皮材26の縫製部48に入れ込まれた状態で縫製されている。具体的には、
図2に示されるように、縫製部48では、ヘッドレスト本体16の表皮材26における表皮片の端部が位置している。なお、
図1~
図7において、縫製部48以外の縫製部については適宜省略して描いている。
【0080】
表皮材26において、連結部材20が縫製部48に固定される前の状態では、一対の表皮片の端部は、その一部が互いに縫製されずにシート前後方向に突き合わされており、これにより、シート幅方向に沿うスリット(図示省略)が形成されている。当該スリットの長さは、連結部材20の幅よりも僅かに大きく形成されている。連結部材20の一端部46は、当該スリットに、すなわち表皮材26において前後方向に互いに突き合わされた表皮片の間に挿入されている。そして、
図2に示されるように、連結片20Aの一端部が表皮材26の内側で後方側へ折り返されて、後方側の表皮片の端部に縫製されている。また、連結片20Bの一端部が表皮材26の内側で前方側へ折り返されて、前方側の表皮片の端部に縫製されている。これにより、連結部材20の一端部46が縫製部48においてヘッドレスト本体16に縫製されている。
【0081】
また、連結部材20の他端部50は、サポートパッド18の上面18Cと後面18Aとの間の角部に位置するサポートパッド18の表皮材44の縫製部52に、入れ込まれて縫製されている。具体的には、連結片20Aの他端部が表皮材44の内側で前方側へ折り返されて、上方側の表皮片の端部に縫製されている。また、連結片20Bの他端部が表皮材44の内側で後方側の表皮片の端部に縫製されている。これにより、連結部材20の他端部50が縫製部52においてサポートパッド18に縫製されている。
【0082】
上記説明したように、連結部材20がサポートパッド18をヘッドレスト本体16に連結しているため、使用状態において、サポートパッド18は、ヘッドレスト本体16の前側に吊り下げられている。換言すると、連結部材20は、使用状態において、サポートパッド18からの張力により、ヘッドレスト本体16の縫製部48からサポートパッド18の縫製部52までヘッドレスト本体16の前面16Aに沿って垂れ下がって配置されている。
【0083】
図1及び
図2に示される使用状態では、サポートパッド18の後面18Aは、その全体がヘッドレスト本体16の前面16Aの下部に当接しており、後方側から支持されている。換言すると、
図2に示されるように、使用状態においてサポートパッド18の下端部はヘッドレスト本体16の下端部と略同じ高さに位置している。
【0084】
(収納部54)
ここで、
図2~
図6に示されるように、ヘッドレスト本体16の後側には、前方側へ向かって凹んだ収納部54が形成されている。収納部54は、サポートパッド18の非使用時に、サポートパッド18を収納可能となっている。以後、
図4~
図6に示されるように、サポートパッド18がヘッドレスト本体16の収納部54に収納された状態を「収納状態」と称す。
【0085】
図4に示されるように、収納部54は、ヘッドレスト本体16の後部において、上下方向中央部かつ左右方向中央部に設けられている。収納部54は、背面視でシート幅方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。なお、収納部54の位置及び形状は上記に限定されるものではない。
【0086】
ここで、
図3及び
図5に示されるように、収納部54は、ヘッドレストステー22の上部脚部36の後方側に設けられている。具体的には、ヘッドレストステー22の上部脚部36は、前後方向から見て収納部54の幅に収まるように配設されている。
【0087】
また、
図6に示されるように、ヘッドレスト本体16において、収納部54の前側には、後方側へ向かって突出して形成されかつ収納状態におけるサポートパッド18の前面18Bと係合する凸部56が設けられている。ヘッドレストステー22の上部脚部36は、当該凸部56に埋設されている。
【0088】
収納部54において、上面54A(
図2参照)、左右側面54B及び前面54Cは、サポートパッド18の上面18C(
図2参照)、左右側面18D及び前面18Bと、それぞれ嵌合する形状とされている。また、
図4~
図6に示されるように、サポートパッド18の後面18Aは、収納状態においてヘッドレスト本体16の後面16Cと面一となっている。
【0089】
ここで、
図4及び
図5に示されるように、収納部54は、シート後方側から見て、収納されたサポートパッド18よりも下方側に僅かに大きく形成されている。つまり、
図5に示されるように、収納部54の下面54Dと、収納状態におけるサポートパッド18の下面18Eとの間には、隙間58が設けられている。収納部54の下面54Dは、前方側から後方側へ向かうにつれて下方側へ傾斜して形成されている。これにより、隙間58は側断面視で前方側へ尖った楔形となっている。
【0090】
また、サポートパッド18の収納状態において、ヘッドレスト本体16の前面16Aは、一般的なヘッドレストと同様、乗員Pの頭部Hを後方側から支持可能に構成されている。
【0091】
ここで、
図2に示されるように、側断面視においてヘッドレスト本体16の前面16Aにおける使用状態のサポートパッド18の上端に対応する位置を、位置Xとする。また、側断面視において収納部54の上端を位置Yとする。
図5に示されるように、収納状態において、連結部材20は縫製部48を基点としてシート後方側に折り返された状態で、縫製部48から位置Yに至るまで、ヘッドレスト本体16の上部外周面に沿って配置されている。つまり、位置X(
図2参照)からヘッドレスト本体16の上側を通って位置Yに至るまでのヘッドレスト本体16の上部外周面の長さをLとすると、連結部材20の長手方向の長さはL/2に近似して設定されている。そして、縫製部48は、ヘッドレスト本体16の上部外周面においてXとYの中間地点に設定されている。
【0092】
(本実施形態の作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0093】
本実施形態に係るヘッドレスト10及び車両用シート12によれば、
図5に示されるように、サポートパッド18の収納状態において乗員Pの頭部Hは、ヘッドレスト本体16に後方側から支持される。また、
図2に示されるサポートパッド18の使用状態において、図示しない車両に後突が発生した場合には、乗員Pの頭部Hの上部H2は、ヘッドレスト本体16に支持される。
【0094】
サポートパッド18は、使用状態において、ヘッドレスト本体16の前側に配置される。乗員Pの頭部Hにおいて後頭骨に対応する部位H1は、当該サポートパッド18によって、後方側及び側方側から支持される。これにより、乗員Pの後頭骨の前後方向及び左右方向の少なくとも一方向の揺れが抑制され、乗員Pの車酔いが軽減される。
【0095】
また、
図5に示されるように、サポートパッド18は、収納部54に収納される。よって、サポートパッド18は、非使用時に乗員Pや例えば後部座席に着座した他の乗員の邪魔になることなくスペース効率よく収納される。
【0096】
さらに、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、サポートパッド18は、連結部材20によってヘッドレスト本体16に連結されている。このため、サポートパッド18の非使用状態であって収納部54にサポートパッド18を収納しない場合に、サポートパッド18が紛失するのを防止することができる。
【0097】
さらにまた、
図1に示されるように、サポートパッド18の使用状態において、連結部材20はヘッドレスト本体16の上端部から前面16Aへ沿うように垂れ下がって配置される。このとき、連結部材20の他端部50に固定されたサポートパッド18は、ヘッドレスト本体16の前側に吊り下がる。このように、使用状態において、連結部材20はヘッドレスト本体16の前面16Aに沿った状態で配置されるため、サポートパッド18は安定して配置される。
【0098】
一方、
図5に示されるように、サポートパッド18の非使用時には、連結部材20は、シート幅方向に延在する縫製部48に縫製された一端部46を基点として側面視で後方側へ折り返される。これにより、サポートパッド18は、ヘッドレスト本体16の後側に吊り下げられる。つまり、乗員Pは、サポートパッド18を取り外したくなった場合、サポートパッド18をヘッドレスト本体16の前側から避けて、ヘッドレスト本体16の上方側を通して、ヘッドレスト本体16の後側へ吊り下げておくことができる。比較例として、サポートパッドが非使用時にヘッドレスト本体の側方に吊り下げられる構成の場合、車両の揺れなどにより、着座乗員の邪魔になる可能性がある。これに対して、本実施形態に係るヘッドレスト10のサポートパッド18は、ヘッドレスト本体16の後側に吊り下げられるため、仮に非使用時に収納部54に収納されなくても、乗員Pの邪魔にならない。例えば、乗員は、運転中にサポートパッド18を頭部Hの後方側から外してヘッドレスト本体16の後方側に避けておき、車両が停止するなど状況が落ち着いてから、サポートパッド18を収納部54に収納することができる。
【0099】
また、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、収納状態において、連結部材20は、ヘッドレスト本体16の上端部の前端部に位置する縫製部48から収納部54の上端の位置Yにかけて、ヘッドレスト本体16の上面16B及び後面16Cに沿って配置される。一方、
図2に示されるように、サポートパッド18の使用状態において、連結部材20は、縫製部48からヘッドレスト本体16の前面16Aに沿って位置Xまで配置される。よって、収納状態においてヘッドレスト本体16の後面16Cに沿う連結部材20の上下方向の長さは、使用状態においてヘッドレスト本体16の前面16Cに沿う連結部材20の上下方向の長さよりも、略ヘッドレスト本体の上面16Bの前後方向の長さ分短くなる。換言すると、サポートパッド18は、ヘッドレスト本体16の前側に吊り下げられるときよりも後側に吊り下げられるときの方が、上方側に配置される。
【0100】
そして、収納部54は、連結部材20が撓まないように、ヘッドレスト本体18の後側に吊り下げられたサポートパッド18の位置に対応して形成されている。つまり、収納部54は、使用状態におけるサポートパッド18の位置、すなわち乗員Pの後頭骨に対応する位置よりも上方側に形成されている。よって、乗員Pがヘッドレスト本体16の上方側から腕を伸ばして容易に収納部54へアクセスすることができる。つまり、収納部54へのサポートパッド18の収納及び収納部54からのサポートパッド18の取り出しが容易になる。
【0101】
また、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、連結部材20は、ヘッドレスト本体16の表皮材26と同じ材質で構成されている。よって、連結部材20は、ヘッドレスト本体16と一体化して見える。これにより、ヘッドレスト10の意匠性がより一層向上される。
【0102】
さらに、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、サポートパッド18は、発泡樹脂製のサポートパッド本体42により、乗員Pの頭部Hのうち後頭骨に対応する部位H1に対するクッション性が向上される。また、サポートパッド18は、ヘッドレスト本体16の表皮材26と同じ材質で構成された表皮材44により、ヘッドレスト本体16と一体化して見える。よって、より一層ヘッドレスト10の意匠性が向上される。
【0103】
さらにまた、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、使用状態において、平面状に形成されたサポートパッド18の後面18Aは、安定してヘッドレスト本体16に支持される。よって、車酔いをより一層軽減することができる。さらに、収納状態において、サポートパッド18の後面18Aは、ヘッドレスト本体16の後面16Cと面一となっている。よって、収納状態におけるヘッドレスト10の意匠性がより一層向上される。
【0104】
また、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、乗員Pは、収納部54に収納されたサポートパッド18を取り出す際、隙間58に指を入れることができる。よって、収納部54からサポートパッド18を取り出し易くなる。
【0105】
さらに、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、隙間58は、収納状態におけるサポートパッド18の下側に設けられている。よって、乗員Pがヘッドレスト本体16の上方側から後側へ腕を伸ばして隙間58に指を入れてサポートパッド18を取り出す際に、上方側かつ後方側へ向かって力をかけ易くなる。よって、乗員Pは、サポートパッド18を容易に収納部54から取り出すことができる。
【0106】
また、収納部54の下面54Dは、シート前方側からシート後方側へ向かうにつれてシート下方側へ傾斜して形成されている。仮に収納部54の下面54Dが水平方向に延在しているとすると、サポートパッド18を収納部54に収納していないときに、例えば後部座席に着座した他の乗員によって別の物が下面54Dの上に置かれると、いざサポートパッド18を収納部54に収納しようとしたときに、当該別の物が邪魔になってしまう。本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、収納部54の下面54Dが傾斜しているため、物が置かれることが防止される。
【0107】
また、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、サポートパッド18の前面18Bは乗員Pの後頭部の形状に対応して形成されている。よって、乗員Pの後頭骨の前後方向、左右方向及び上下方向の揺れが抑制され、乗員Pの車酔いがより一層軽減される。
【0108】
さらに、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、使用状態において、サポートパッド18の後面18Aがヘッドレスト本体16の前面16Aに広く支持される。よって、サポートパッド18の後面18Aは、サポートパッド18の前面18Bが乗員Pの頭部Hのうち後頭骨に対応する部位H1から受けた荷重を、ヘッドレスト本体16へ効率よく分散することができる。また、サポートパッド18の下面18Eは傾斜して形成されており、乗員Pの頸部の後方側に空間ができるため、乗員Pが肩を動かすスペースが広く確保される。よって、例えば乗員Pがハンドル操作をするなどして肩を動かす際に、サポートパッド18が当該動作を妨げることを抑制することができる。
【0109】
さらにまた、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、サポートパッド18の中央部38は、側断面視で等脚台形状に形成されており、当該等脚台形の上底にあたるサポートパッド18の上面18Cは、略前後方向に延在している。これにより、サポートパッドの中央部が側断面視で上方側に凸となる三角形状に形成されている場合と比較して、乗員Pの頭部Hの上部H2とヘッドレスト本体16の前面16Aとの間には、自然と僅かなバックセットが設けられることになる。よって、乗員Pが例えば車線変更などで横を向く際に、ヘッドレスト本体16と乗員Pの頭部Hの上部H2とが干渉することが抑制される。
【0110】
また、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、
図6に示されるように、サポートパッド18の前面18Bは、収納部54の前面54C、すなわちヘッドレスト本体16の凸部56の後面に係合される。よって、乗員Pがサポートパッド18を収納部54に収納する際、乗員Pがサポートパッド18を押し込む強さによらず、サポートパッド18は常に一定の位置に収納される。また、サポートパッド18の前面18Bが収納部54の前面54Cに係合されるため、ヘッドレスト本体16とサポートパッド18との接触面積を大きく確保することができ、摩擦力が増加する。よって、車両走行時の振動に対してサポートパッド18が収納部54から抜け落ち難くなる。
【0111】
さらに、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、
図2に示されるように、ヘッドレストステー22によって、車両の衝突時における乗員Pの頭部Hの後方への移動が抑制される。特に、ヘッドレスト本体16の上端部に設けられたアッパ部30によって、乗員Pの頭部Hの上部H2がシート後方側へ移動されることが抑制される。また、
図6に示されるように、左右一対の上部脚部36は、凸部56に対応する位置に埋設されている。つまり、左右一対の上部脚部36は、乗員Pの頭部Hにおいて後頭骨に対応する部位H1を支持するサポートパッド18の前面18Bの幅よりも狭い間隔で、シート幅方向に離れて設けられている。これにより、乗員Pの頭部Hはより一層シート後方側への移動が抑制される。よって、ヘッドレスト10のむち打ち防止性能が維持される。
【0112】
また、このような左右一対の上部脚部36が収納部54と干渉することなく凸部56に効率よく配置されているため、左右一対の上部脚部36の前方側においてヘッドレストパッド42のシート前後方向の厚みを確保することができる。よって、乗員Pの後頭部へのクッション性が維持される。
【0113】
さらにまた、本実施形態に係るヘッドレスト10によれば、連結部材20は、2枚の連結片20A及び20Bを外表で縫製することで構成されている。よって、使用状態においては、連結片20Aの表面が露出され、収納状態においては連結片20Bの表面が露出される。これにより、ヘッドレスト10の意匠性がより一層向上される。なお、連結部材は2枚の表皮片を重ね合わせる構成に限らず、1枚で構成されていてもよい。例えば、裏表のない材料を用いた場合には、1枚の表皮片で構成した場合であっても、意匠性は維持される。
【0114】
また、本実施形態に係るヘッドレスト10は、シートバック14に対して上下方向に移動可能に構成されている。これにより、乗員Pと同じ体格の着座乗員に限らず、それぞれの着座乗員の体格に合わせて、後頭骨に対応する部位にサポートパッド18が位置するように、ヘッドレスト10の位置を調節することができる。
【0115】
〔上記実施形態の補足説明〕
上記実施形態では、サポートパッド18は、連結部材20によってヘッドレスト本体16に連結されているものとして説明したが、これに限らず、ヘッドレスト10は連結部材20を備えていなくてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、サポートパッド18は、乗員Pの頭部Hにおいて後頭骨に対応する部位H2を後方側、側方側及び下方側から広く支持するものとして説明したが、これに限らず、サポートパッドは、後頭骨に対応する部位を後方側及び側方側の少なくとも一方側から支持する構成であればよい。
【0117】
さらに、上記実施形態では、連結部材20の一端部46は、シート幅方向に沿ってヘッドレスト本体16の上端部に固定されるものとして説明したが、これに限らない。例えば、連結部材の一端部は、ヘッドレスト本体の側面においてシート上下方向に沿って固定されていてもよい。
【0118】
さらにまた、上記実施形態では、連結部材20はサポートパッド18の収納状態において撓むことなくヘッドレスト本体16の上部外周面に沿って配置されるものとして説明したが、これに限らない。例えば、連結部材は、サポートパッドの収納状態において撓んでいてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、連結部材20及びサポートパッド18の表皮材44はヘッドレスト本体16の表皮材26と同じPVC製であるものとして説明したが、これに限らない。例えば、連結部材、サポートパッドの表皮材及びヘッドレスト本体の表皮材は、それぞれ異なる材質で構成されていてもよい。
【0120】
さらに、上記実施形態では、サポートパッド18の後面18Aは、矩形平面状に形成されており、収納状態において当該後面18Aは、ヘッドレスト本体16の後面16Cと面一とされているものとして説明したが、これに限らない。例えば、サポートパッドの後面は、ヘッドレスト本体の前面の形状に合わせて造形されていてもよい。この場合、使用状態におけるサポートパッドの安定性がより一層向上する。
【0121】
さらにまた、上記実施形態では、連結部材20の長さは、使用状態においてサポートパッド18の下端部がヘッドレスト本体16の下端部と略同じ高さになるように定められているものとして説明したが、これに限らない。例えば、車両用シートの形状によっては、サポートパッドは、後頭骨に対応する部位を支持するために、使用状態においてその一部がシートバックの前方側に配置されていてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、ヘッドレスト本体16には凸部56が設けられており、収納部54の前面54Cは、サポートパッド18の前面18Bが嵌合する形状であるものとして説明したが、これに限らない。例えば、収納部の前面は上下方向及び幅方向に延在する平面状に形成されていてもよい。
【0123】
さらに、上記実施形態では、ヘッドレストステー22の上部脚部36がヘッドレスト本体16の凸部56に埋設されているものとして説明したが、これに限らない。例えば、ヘッドレストステーの上部脚部は、側面視で収納部と重ならない位置に配置されていてもよい。
【0124】
さらにまた、上記実施形態では、ヘッドレスト10はシートバック14とは別体に設けられているものとして説明したが、これに限らず、ヘッドレストはシートバックと一体に設けられていてもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、収納部54の下面54Dと、収納状態におけるサポートパッド18の下面18Eとの間に隙間58が設けられているものとして説明したが、これに限らない。例えば、収納部の側面とサポートパッドの側面との間に隙間が設けられていてもよい。また、例えば、
図8に示される第1変形例又は
図9に示される第2変形例の構造を採用してもよい。なお、以下の各変形例の説明において、上記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して適宜その説明を省略する。
【0126】
(第1変形例)
図8に示されるように、本変形例の車両用シート72のヘッドレスト70では、ヘッドレスト本体74の収納部76はサポートパッド78が嵌合する形状とされている。また、サポートパッド78の後面78Aの下端部には、シート状のつまみ部80が設けられている。本変形例に係るヘッドレスト70によれば、収納状態におけるサポートパッド78と収納部76との間には隙間が形成されていないため、意匠性が向上される。また、乗員Pは、収納部76からサポートパッド78を取り出す際、つまみ部80をつまむことで、容易にサポートパッド78を収納部76から取り出すことができる。さらに、このつまみ部80は嵩張らないため、使用状態においてサポートパッド78の後面78Aとヘッドレスト本体74との接触を阻害せずに済む。よって、使用状態におけるサポートパッド78の安定性が維持される。なお、つまみ部は、シート状に限らず、例えば紐状であってもよい。
【0127】
(第2変形例)
図9に示されるように、本変形例の車両用シート92のヘッドレスト90では、第1変形例と同様に、ヘッドレスト本体94の収納部96は、サポートパッド98が嵌合する形状とされている。また、サポートパッド98の後面98Aには、シート前方側へ凹んだ溝部100が形成されている。本変形例に係るヘッドレスト90によれば、収納状態におけるサポートパッド98と収納部96との間には隙間が形成されていないため、意匠性が向上される。また、乗員Pは、収納部96からサポートパッド98を取り出す際、溝部100に指を入れることで、容易にサポートパッド98を収納部96から取り出すことができる。さらに、この溝部100は、使用状態においてサポートパッド98の後面98Aとヘッドレスト本体94との接触を阻害せずに済む。よって、使用状態におけるサポートパッド98の安定性が維持される。
【符号の説明】
【0128】
10、70、90 ヘッドレスト
12、72、92 車両用シート
14 シートバック
16、74、94 ヘッドレスト本体
16C ヘッドレスト本体の後面
18、78、98 サポートパッド
18A、78A、98A サポートパッドの後面
18B サポートパッドの前面
18E サポートパッドの下面
20 連結部材
22 ヘッドレストステー
24 ヘッドレストパッド
26 ヘッドレスト本体の表皮材
30 アッパ部
36 上部脚部(支柱部)
38 サポートパッドの中央部
42 サポートパッド本体
44 サポートパッドの表皮材
46 連結部材の一端部
50 連結部材の他端部
54、76、96 収納部
54D 収納部の下面
56 凸部
58 隙間
80 つまみ部
100 溝部
H 頭部
H1 頭部において後頭骨に対応する部位
H2 頭部の上部
P 乗員(着座乗員)
Y 位置(収納部の上端)