(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101493
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】アウターミラー
(51)【国際特許分類】
F21S 43/242 20180101AFI20240722BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20240722BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240722BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20240722BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240722BHJP
【FI】
F21S43/242
F21S43/237
F21W103:20
F21W103:55
F21W103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005502
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【氏名又は名称】柿本 恭成
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】越智 一暁
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 和義
(57)【要約】
【課題】カバー部及びバイザボデーに設けられた複数の点灯領域を点灯可能で、使用時の点灯領域の視認性を向上しつつ構造を簡素化できるアウターミラーを提供する。
【解決手段】バイザボデー11とカバー部12との間に配置されたランプ20,30を備え、ランプ20,30の光がカバー部12又はバイザボデー11に設けた点灯領域21,31から出射されるアウターミラー10であって、ランプ20,30は、発光部22,32と、発光部22,32の光を点灯領域21,31に導光して出射する導光体23,33と、を備えると共に、さらに、導光体23,33が、長手方向の一端側に設けられて発光部22,32の光が入射する入射部と、点灯領域21,31に配置されて入射部からの光を出射する出射部23b,33bと、を備え、発光部22,32が入射部23a,33aとともにハウジング42に収容されて液密にシールされている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイザボデーと、前記バイザボデーの一方の面を覆うカバー部と、前記バイザボデーと前記カバー部との間に配置された第1ランプ及び第2ランプと、を備え、前記第1ランプは前記カバー部に設けられた第1点灯領域から光を出射し、前記第2ランプは前記バイザボデーに設けられた第2点灯領域から光を出射するアウターミラーであって、
前記カバー部と前記バイザボデーとの間の空間を前記第1点灯領域側と前記バイザボデー側とに仕切るシェードを備え、
前記シェードより前記第1点灯領域側に、前記第1ランプの第1発光部と、該第1発光部の光を前記第1点灯領域まで導光して出射する第1導光体と、が配置され、
前記シェードより前記バイザボデー側に、前記第2ランプの第2発光部と、該第2発光部の光を前記第2点灯領域まで導光して出射する第2導光体と、が配置されている、アウターミラー。
【請求項2】
前記シェードは前記第1点灯領域より大きく設けられ、該シェードにより前記第1点灯領域全体が内側から離間して覆われている、請求項1に記載のアウターミラー。
【請求項3】
前記シェードは前記第2点灯領域より大きく設けられ、該シェードにより前記第2点灯領域全体が内側から離間して覆われている、請求項1に記載のアウターミラー。
【請求項4】
前記第1導光体と前記第2導光体とが前記シェードを介して並べて配置されている、請求項1に記載のアウターミラー。
【請求項5】
前記第1導光体と前記第2導光体と前記シェードとが一体に並設されている、請求項4に記載のアウターミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のアウターミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のサイドターンシグナルランプ、足元ランプ、デイタイムランニングランプのような光を出射するためのランプや、ブラインドスポットモニタ、障害物警告表示用インジケータのような各種のインジケータを点灯するためのランプが格納されたアウターミラーが知られている。
例えば特許文献1では、サイドターンシグナルランプとデイタイムランニングランプとが隔壁を設けてアウターミラーに格納されている。また特許文献2では、足元ランプ又はサイドターンシグナルランプと障害物警告表示用インジケータ又はブラインドスポットモニタとが共通の導光体を用いて構成されている。
【0003】
アウターミラーに格納されるランプは、多くの場合、ハウジングとレンズとにより画成された内部空間に発光部や導光体を収容して密封した状態で装着されている。例えば特許文献1では、灯具ボディと前面レンズとで画成された灯室空間内に多機能ランプが収容されている。特許文献3では、ベースハウジングとインナーハウジングの前方部位を覆蓋するレンズ部とで囲まれた空間にターンランプの光源や導光体が収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-164908号公報(特許第4413764号)
【特許文献2】特開2015-27844号公報
【特許文献3】特開2008-226755号公報(特許第4733064号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の複数のランプを格納したアウターミラーでは、複数のランプを限られた空間に収容配置しなければならず、しかも各ランプの光が他のランプの点灯領域から漏れて出射されることで各点灯領域の視認性が低下することがあるため、内部における遮光構造を複雑に設けなければならず、部品点数が多く構造が複雑化し易いなどの課題があった。
【0006】
そこで本発明は、カバー部及びバイザボデーに設けられた複数の点灯領域を点灯可能で、使用時の点灯領域の視認性を向上しつつ構造を簡素化できるアウターミラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、バイザボデーと、バイザボデーの一方の面を覆うカバー部と、バイザボデーとカバー部との間に配置された第1ランプ及び第2ランプと、を備え、第1ランプはカバー部に設けられた第1点灯領域から光を出射し、第2ランプはバイザボデーに設けられた第2点灯領域から光を出射するアウターミラーであって、カバー部とバイザボデーとの間の空間を第1点灯領域側とバイザボデー側とに仕切るシェードを備え、シェードより第1点灯領域側に、第1ランプの第1発光部と、第1発光部の光を第1点灯領域まで導光して出射する第1導光体と、が配置され、シェードよりバイザボデー側に、第2ランプの第2発光部と、第2発光部の光を第2点灯領域まで導光して出射する第2導光体と、が配置されていることを特徴としている。
【0008】
上記他の構成のアウターミラーでは、シェードが第1点灯領域より大きく設けられ、シェードにより第1点灯領域全体が内側から離間して覆われていてもよい。またシェードは第2点灯領域より大きく設けられ、シェードにより第2点灯領域全体が内側から離間して覆われていてもよい。さらに第1導光体と第2導光体とシェードとが一体に並設されていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアウターミラーによれば、カバー部とバイザボデーとの間の空間をシェードにより仕切り、シェードより第1点灯領域側に第1ランプの第1発光部と第1導光体とを配置するとともに、シェードよりバイザボデー側に第2ランプの第2発光部と第2導光体とを配置している。このようにシェードをシンプルな形状にしてカバー部とバイザボデーとの間の空間を仕切り、このシェードの一方側と他方側に第1ランプの各部と第2ランプの各部とを分けて配置することで、複数のランプを格納したアウターミラーの内部構造を簡素化できる。しかも、シェードよりカバー部の第1点灯領域側に第1点灯領域から光を出射する第1ランプを配置し、シェードよりバイザボデー側にバイザボデーの第2点灯領域から光を出射する第2ランプを配置するため、カバー部の第1点灯領域側とバイザボデーの第2点灯領域側とを容易に且つ十分に遮光することができ、第1ランプ及び第2ランプの一方の光が内部で他方に漏れて他方の点灯領域から視認されたり、光が混合したりすることがなく、視認性を向上できる。
従って本発明によれば、カバー部及びバイザボデーに設けられた複数の点灯領域を点灯可能で、使用時の点灯領域の視認性を向上しつつ構造を簡素化することができる。
【0010】
本発明において、シェードが第1点灯領域より大きく設けられ、このシェードにより第1点灯領域全体が内側から離間して覆われていれば、第1点灯領域を第2ランプの光から確実に遮光できるため、カバー部とバイザボデーとの間の空間に第1ランプ及び第2ランプを容易に配置することができる。
一方、シェードが第2点灯領域より大きく設けられ、このシェードにより第2点灯領域全体が内側から離間して覆われていても、第2点灯領域を第1ランプの光から確実に遮光できるため、カバー部とバイザボデーとの間の空間に第1ランプ及び第2ランプを容易に配置することができる。
【0011】
本発明において、第1導光体と第2導光体とがシェードを介して並べて配置されていれば、第1導光体と第2導光体とを遮光し易く、第1ランプと第2ランプとの間で光が漏れることが防止される。特に第1導光体と第2導光体とシェードとが一体に並設されていれば、第1導光体と第2導光体とを確実に遮光でき、第1ランプと第2ランプとの間での光の漏れが確実に防止される。しかも部品点数を少なくできるため、カバー部とバイザボデーとの間の空間に第1ランプ及び第2ランプを容易に装着することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るアウターミラーを示すもので、(a)は運転席側からの斜視図、(b)は車外側からの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るアウターミラーの部分横断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るアウターミラーの部分縦断面図であり、
図2のA-A線における断面を示す。
【
図4】本発明の実施形態に係るアウターミラー内に配置されるサイドターンシグナルランプ、ブラインドスポットモニタ、シェード等を一体に組み立てたアッセンブリを分解して示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。各図中、車両前方をF、車両後方をR、車両上方をU、下方をD、車幅方向外側をWout、車幅方向内側をWinで示している。本実施形態は、第1ランプとしてのサイドターンシグナルランプと、第2ランプとしてのブラインドスポットモニタとが格納されたアウターミラーの例である。
【0014】
図1(a)(b)は本実施形態に係るアウターミラーを示す。
本実施形態のアウターミラー10は、バイザボデー11と、バイザボデー11の一方の面を覆うカバー部12と、バイザボデー11の他方の面に装着されたミラー部材13と、カバー部12のアンダーカバー12bに装着されてカバー部12の第1点灯領域21から車外側に向けて光を出射するサイドターンシグナルランプ20と、サイドターンシグナルランプ20とともにカバー部12のアンダーカバー12bに装着され、バイザボデー11に車内側に向けて設けられた第2点灯領域31を点灯するブラインドスポットモニタ30と、を備えている。ここで車外側とは、車両の走行時の配置状態で、車両前方F、車幅方向外側Wout及び車両後方Rの斜め外側となる方向であり、車内側とは車幅方向内側Win及び車両後方Rの斜め内側となる方向である。
【0015】
図2及び
図3に示すように、バイザボデー11は、車両のドアに突出して設けられた図示しない装着部に装着され、一方の面及び他方の面はそれぞれ立体形状に設けられている。ミラー部材13の周囲には、ミラー面より車両後方Rに向けて突出してミラー部材13の周縁を囲むリム11aが設けられている。リム11aの車室側から視認される位置には、ブラインドスポットモニタ30の開口からなる第2点灯領域31がサイドターンシグナルランプ20の第1点灯領域21と同じ高さに設けられている。
【0016】
カバー部12は、内部空間を形成するようにバイザボデー11の一方の面側を覆うもので、外面が各種の意匠形状を呈する。本実施形態のカバー部12は、アッパーカバー12aとアンダーカバー12bとを有し、アンダーカバー12bにサイドターンシグナルランプ20の開口からなる第1点灯領域21が設けられている。
【0017】
カバー部12とバイザボデー11との間の内部空間には、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30とがシェード40とともに配置されている。本実施形態では、
図4に示すように、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30とシェード40とが一体に組み立てられたアッセンブリとして配置されている。
【0018】
シェード40は、光を透過しない遮光性の材料により形成され、カバー部12の第1点灯領域21に沿う湾曲した板形状を有する。本実施形態のシェード40は、後述するサイドターンシグナルランプ20及びブラインドスポットモニタ30の各導光体23,33と2色成形された樹脂層からなる。
シェード40は第1点灯領域21より大きく設けられ、第1点灯領域21と離間した位置に対向するように、概略第1点灯領域21に沿って配置され、シェード40により第1点灯領域21全体が内側から覆われている。同時に、このシェード40は第2点灯領域31よりも大きく設けられているので、第2点灯領域31と離間した位置に配置されることで、シェード40により第2点灯領域31全体が内側から覆われる。本実施形態では、シェード40の後端がバイザボデー11のリム11a内に配置されることで、カバー部12の第1点灯領域21とリム11aの第2点灯領域31との間を確実に遮光している。
【0019】
シェード40の上下の縁部には、カバー部12の第1点灯領域21近傍に固定可能な固定片41が設けられている。この固定片41により、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30とシェード40との全体がカバー部12のアンダーカバー12bに支持されている。
【0020】
シェード40の第1点灯領域21側に装着されたサイドターンシグナルランプ20は、第1発光部22と、第1発光部22の光を第1点灯領域21まで導光して出射する第1導光体23と、を有する。
シェード40のバイザボデー11側に装着されたブラインドスポットモニタ30は、第2発光部32と、第2発光部32の光を第2点灯領域31まで導光して出射する第2導光体33と、を有する。
【0021】
サイドターンシグナルランプ20の第1発光部22とブラインドスポットモニタ30の第2発光部32は、両者に共通に使用される1枚の共通基板24に設けられていて、共通基板24の第1点灯領域21側にサイドターンシグナルランプ20用のLEDからなる第1光源25が実装され、共通基板24のバイザボデー側にブラインドスポットモニタ30用のLEDからなる第2光源35が実装されている。共通基板24には第1光源25及び第2光源35を点灯するための回路が設けられ、背面側には接続用の端子24aが設けられている。
【0022】
第1発光部22及び第2発光部32は、後述する第1導光体23及び第2導光体33の第1入射部23a及び第2入射部33aとともにハウジング42に収容されて液密にシールされている。ハウジング42については後述する。
【0023】
サイドターンシグナルランプ20の第1導光体23は、カバー部12のアンダーカバー12bに沿う湾曲形状の概略棒状に形成されている。第1導光体23の長手方向の一端側に第1発光部22からの光が入射する第1入射部23aが設けられるとともに、凸形状の側面全体が、外部に露出した状態でカバー部12のアンダーカバー12bの第1点灯領域21に配置され、第1入射部23aからの光を外部に出射する第1出射部23bを構成している。
【0024】
ブラインドスポットモニタ30の第2導光体33は、第1導光体23に沿って湾曲形状の概略棒状に形成されている。長手方向の一端側に第2発光部32からの光が入射する第2入射部33aが設けられるとともに、他端側の先端には外部に露出した状態でバイザボデー11のリム11aの第2点灯領域31に配置され、第2入射部33aからの光を外部に出射する第2出射部33bを構成している。
【0025】
第1導光体23及び第2導光体33は透明樹脂により形成されており、遮光性のシェード40を介して並べて配置されている。本実施形態では、第1導光体23及び第2導光体33が遮光性の樹脂により形成されたシェード40と一体に並設されていて、第1導光体23と第2導光体33とシェード40とが透明樹脂と遮光性の樹脂との2色成形により形成されている。
第1入射部23a及び第2入射部33aは、先端が凹形状に形成され、第1光源25又は第2光源35と対向する第1入射面23c及び第2入射面33cと、第1入射面23c及び第2入射面33cの周囲を囲む突出部23dと、が設けられている。突出部23dは共通基板24を囲んで収容可能な大きさを有する。突出部23dに共通基板24を収容した状態でシェード40の端部が共通基板24に当接していてもよい。
【0026】
第1導光体23及び第2導光体33の第1入射部23a及び第2入射部33aは、
図2及び
図4に示すように、第1発光部22及び第2発光部32とともにハウジング42に収容されて液密にシールされている。
ハウジング42は、共通基板24を安定して配置するベース部42aと、ベース部42aから第1導光体23及び第2導光体33の第1入射部23a及び第2入射部33aの側周囲を囲むように突出した環状壁42bと、を有する。
【0027】
第1導光体23と第2導光体33とシェード40とが一体化した状態で、ハウジング42が端部に装着されて、第1入射部23a及び第2入射部33aの側周囲と環状壁42bとの間に環状のシール部材43が配置されることで、第1発光部22及び第2発光部32が第1入射部23a及び第2入射部33aとともに液密にシールされている。
【0028】
このような構成を有するアウターミラー10は、車両走行中、ウィンカ操作によりサイドターンシグナルランプ20を点滅させると、第1光源25から発した光が第1導光体23により導光されて、カバー部12に設けられた第1点灯領域21において第1出射部23bから直接外部に光が出射される。その際、第1光源25からの光が漏れてブラインドスポットモニタ30が点灯することはない。
【0029】
また車両走行中、ウィンカ操作の際、車幅方向外側Woutの後方から他の車両が接近していると、ブラインドスポットモニタ30が点灯し、第2光源35から発した光が第2導光体33により導光され、バイザボデー11のリム11aに設けられた第2点灯領域31において第2出射部33bから直接外部に光が出射される。その際、第2光源35からの光が漏れてサイドターンシグナルランプ20が点灯することはない。
【0030】
以上のような本実施形態のアウターミラー10によれば、サイドターンシグナルランプ20と、ブラインドスポットモニタ30の第1発光部22及び第2発光部32と、第1導光体23及び第2導光体33の第1入射部23a及び第2入射部33aと、がハウジング42に収容されて液密にシールされているので、第1発光部22及び第2発光部32が外気に接することがなく十分に防水できる。また第1発光部22及び第2発光部32と第1導光体23及び第2導光体33の第1入射部23a及び第2入射部33aとの間に外気が侵入することがなく、水滴や塵埃等により第1発光部22及び第2発光部32から第1導光体23及び第2導光体33に入射する光が減衰することを防止できる。
【0031】
そのため、レンズ等の透光部材を用いた密閉空間内にサイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30を収容する必要がなく、構成を簡素化できる。さらに、使用時に密閉空間内に侵入した水分や塵埃等により透光部材や導光経路が曇ることがなく、第1点灯領域21及び第2点灯領域31から安定して十分な光量の光を出射することができる。
従って本実施形態のアウターミラー10によれば、カバー部12又はバイザボデー11の第1点灯領域21及び第2点灯領域31を点灯可能で、使用時の第1点灯領域21及び第2点灯領域31の視認性が安定して向上し、構造を簡素化することが可能である。
【0032】
しかも、第1発光部22及び第2発光部32と第1導光体23及び第2導光体33の第1入射部23a及び第2入射部33aとが液密にシールされることで、第1導光体23及び第2導光体33の各出射部23b,33bを外部に露出した状態で第1点灯領域21及び第2点灯領域31に配置できるため、第1発光部22及び第2発光部32からの光を直接外部へ出射できる。そのため、レンズ等の透光部材により光が減衰されることがなく、外部に出射される光量を増加させて、第1点灯領域21及び第2点灯領域31が点灯した際の視認性をより向上することができる。
【0033】
また本実施形態のアウターミラー10によれば、ハウジング42が第1導光体23及び第2導光体33の第1及び第2入射部23a,33aの側周囲を囲む環状壁42bを有し、第1及び第2入射部23a,33aの側周囲と環状壁42bとの間がシール部材43によりシールされているので、第1発光部22及び第2発光部32及び第1導光体23及び第2導光体33の第1入射部23a及び第2入射部33aのシール構造を簡単な構成で実現することができる。
【0034】
さらに本実施形態のアウターミラー10によれば、カバー部12とバイザボデー11との間の空間をシェード40により仕切り、シェード40より第1点灯領域21側にサイドターンシグナルランプ20の第1発光部22と第1導光体23とを配置するとともに、シェード40よりバイザボデー11側にブラインドスポットモニタ30の第2発光部32と第2導光体33とを配置している。
そのため、シェード40をシンプルな形状にしてカバー部12とバイザボデー11との間の空間を仕切ることができる。さらに、このシェード40の一方側と他方側とに、サイドターンシグナルランプ20の各部とブラインドスポットモニタ30の各部とを分けて配置することで、複数のランプを格納したアウターミラー10の内部構造を簡素化できる。
しかもシェード40よりカバー部12の第1点灯領域21側に、第1点灯領域21から光を出射するサイドターンシグナルランプ20を配置し、シェード40よりバイザボデー11側に、バイザボデー11の第2点灯領域31から光を出射するブラインドスポットモニタ30を配置するため、カバー部12の第1点灯領域21側とバイザボデー11の第2点灯領域31側とを容易に且つ十分に遮光することができ、サイドターンシグナルランプ20及びブラインドスポットモニタ30のうちの一方の光が内部で他方に漏れて、他方の点灯領域から視認されたり、光が混合したりすることがなく、視認性が向上する。その結果、本実施形態によれば、カバー部12及びバイザボデー11に設けられた第1及び第2点灯領域21、31を点灯可能なアウターミラー10において、各点灯領域21,31の視認性を向上しつつ構造を簡素化することが可能である。
【0035】
また本実施形態のアウターミラー10によれば、シェード40が第1点灯領域21より大きく設けられ、このシェード40により第1点灯領域21全体が内側から離間して覆われているので、第1点灯領域21をブラインドスポットモニタ30の光から確実に遮光できる。同時に、このシェード40が第2点灯領域31よりも大きく設けられ、シェード40により第2点灯領域31と離間した位置に配置されることで、シェード40により第2点灯領域31全体が内側から離間して覆われているので、第2点灯領域31をサイドターンシグナルランプ20の光から確実に遮光することができる。
そのためカバー部12とバイザボデー11との間の空間にサイドターンシグナルランプ20及びブラインドスポットモニタ30が容易に配置されることができる。
【0036】
さらに本実施形態のアウターミラー10によれば、第1導光体23と第2導光体33とがシェード40を介して並べて配置されているので、第1導光体23と第2導光体33とを遮光し易く、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30との間で光が漏れることを防止できる。本実施形態では、第1導光体23と第2導光体33とシェード40とが一体に並設されているので、第1導光体23と第2導光体33とを確実に遮光でき、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30との間での光の漏れが確実に防止される。しかも部品点数を少なくできるため、カバー部12とバイザボデー11との間の空間にサイドターンシグナルランプ20及びブラインドスポットモニタ30を装着し易い。
【0037】
なお、上記実施形態は本発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば、上記では第1ランプ及び第2ランプとして、サイドターンシグナルランプ20とブラインドスポットモニタ30を格納した例について説明したが、特に限定されるものではない。例えば足元ランプ、デイタイムランニングランプ、障害物警告表示用インジケータなどであってもよい。さらにアウターミラー10に格納されるランプは1種類であってもよく、3種類以上であってもよい。例えばサイドターンシグナルランプ20のみが格納されたアウターミラー10であっても、本発明を適用することは可能である。
上記実施形態では、サイドターンシグナルランプ20及びブラインドスポットモニタ30の各導光体23,33とシェード40とが一体に2色成形された例について説明したが、それぞれ別部材に設けられて一体に接合されていてもよい。
さらに上記実施形態では、第1点灯領域21に配置されたサイドターンシグナルランプ20の第1出射部23bや第2点灯領域31に配置されたブラインドスポットモニタ30の第2出射部33bが、外部に直接露出した状態で配置される例について説明したが、何れか一方、又は双方の出射部23b,33bがレンズ等の透光部材により覆われていても本発明を適用することが可能である。
また上記実施形態では、シェード40がアンダーカバー12bに支持された例について説明したが、シェード40がバイザボデー11に支持されていてもよく、シェード40の支持位置は特に限定されない。さらにシェード40をカバー部12やバイザボデー11と一体に形成することも可能である。
【符号の説明】
【0038】
10 アウターミラー
11 バイザボデー
11a リム
12 カバー部
12a アッパーカバー
12b アンダーカバー
13 ミラー部材
20 サイドターンシグナルランプ
21 第1点灯領域
22 第1発光部
23 第1導光体
23a 第1入射部
23b 第1出射部
23c 第1入射面
23d 突出部
24 共通基板
24a 端子
25 第1光源
30 ブラインドスポットモニタ
31 第2点灯領域
32 第2発光部
33 第2導光体
33a 第2入射部
33b 第2出射部
33c 第2入射面
35 第2光源
40 シェード
41 固定片
42 ハウジング
42a ベース部
42b 環状壁
43 シール部材