(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101499
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】建物診断支援システム、建物修繕見積作成支援システム及び定額大規模修繕方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20240722BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005512
(22)【出願日】2023-01-17
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】522208575
【氏名又は名称】株式会社アローペイント
(74)【代理人】
【識別番号】100192348
【弁理士】
【氏名又は名称】茅島 真吾
(72)【発明者】
【氏名】染谷 正行
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC27
5L050CC27
(57)【要約】
【課題】画一的で定型的な建物診断支援システムを提供する。
【解決手段】作業員用端末装置と、前記作業員用端末装置と通信する管理サーバ装置と、を備え、前記管理サーバ装置は、記憶手段と、画像送信手段と、画像受信手段と、建物保存状態情報受信手段と、建物診断報告書生成手段と、図面読取手段と、見積演算手段と、を備え、前記作業員用端末装置は、撮影手段と、建物画像送信手段と、建物保存状態情報送信手段と、表示手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物診断支援システムであって、
前記建物診断システムは、作業員用端末装置と、前記作業員用端末装置と通信する管理サーバ装置と、を備え、
前記管理サーバ装置は、記憶手段と、画像送信手段と、画像受信手段と、建物保存状態情報受信手段と、建物診断報告書生成手段と、を備え、
前記作業員用端末装置は、撮影手段と、建物画像送信手段と、建物保存状態情報送信手段と、表示手段を備え、
前記記憶手段は、1以上の、建物診断用画像と、物件情報と、報告書生成用コメントと、建物保存状態情報と、建物診断報告書と、を記憶するための手段であり、
前記画像送信手段は、前記建物診断用画像を作業員用端末装置に送信する手段であり、
前記画像受信手段は、前記作業員用端末装置によって撮影された画像を受信する手段であり、
前記建物保存状態情報受信手段は、前記作業員用端末装置に入力された建物保存状態情報を受信するための手段であり、
前記建物診断報告書生成手段は、前記建物保存状態情報に紐づけられた前記報告書生成用コメントに基づいて生成する手段であり、
前記建物保存状態情報送信手段は、前記建物診断用画像に紐づけられた前記建物保存状態情報を送信する手段である、
建物診断支援システム。
【請求項2】
前記管理サーバ装置は、さらに図面読取手段と、見積演算手段を備え、
前記図面読取手段は、建物外観図面を管理サーバ装置の記憶部に記録する手段であり、
前記見積演算手段は、前記図面読取手段で読み込んだ前記建物外観図面情報に基づいて修繕費用を演算する手段である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
建物診断支援プログラムであって、
作業員用端末装置を、
建物画像送信手段と、建物保存状態情報送信手段として作動させ、
管理サーバ装置を、
記憶手段と、画像送信手段と、画像受信手段と、建物保存状態情報受信手段と、建物診断報告書生成手段として作動させ、
前記記憶手段は、1以上の、建物診断用画像と、物件情報と、報告書生成用コメントと、建物保存状態情報と、建物診断報告書と、を記憶するための手段であり、
前記画像送信手段は、前記建物診断用画像を作業員用端末装置に送信する手段であり、
前記画像受信手段は、前記作業員用端末装置によって撮影された画像を受信する手段であり、
前記建物保存状態情報受信手段は、前記作業員用端末装置に入力された建物保存状態情報を受信するための手段であり、
前記建物診断報告書生成手段は、前記建物保存状態情報に紐づけられた前記報告書生成用コメントに基づいて生成する手段であり、
前記建物保存状態情報送信手段は、前記建物診断用画像に紐づけられた前記建物保存状態情報を送信する手段である、
建物診断支援プログラム。
【請求項4】
前記建物診断支援プログラムは、さらに前記管理サーバ装置を、
図面読取手段と、見積演算手段として動作させ、
前記図面読取手段は、建物外観図面を管理サーバ装置の記憶部に記録する手段であり、
前記見積演算手段は、前記図面読取手段で読み込んだ前記建物外観図面情報に基づいて修繕費用を演算する手段である、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
定額大規模修繕方法であって、
作業員用端末装置で建物画像を撮影するステップと、
作業員用端末装置から前記建物画像及び建物保存状態情報を管理サーバ装置に送信するステップと、
前記建物保存状態情報に紐づいた長期修繕計画情報を管理サーバ装置に入力するステップと
管理サーバ装置に建物図面を読み込み、前記建物図面及び前記長期修繕計画情報に基づいて修繕費用を見積演算するステップと、
前記修繕費用1/180を乗じて得られる数値を管理サーバ装置に記憶するステップとを実行する
定額大規模修繕方法。
【請求項6】
大規模修繕事業の営業支援方法であって
作業員用端末装置で建物画像を撮影するステップと、
作業員用端末装置から前記建物画像及び建物保存状態情報を管理サーバ装置に送信するステップと、
前記建物保存状態情報に紐づいた長期修繕計画情報を管理サーバ装置に入力するステップと
管理サーバ装置に建物図面を読み込み、前記建物図面及び前記長期修繕計画情報に基づいて修繕費用を見積演算するステップと、
前記管理サーバ装置から顧客端末装置に前記建物保存状態情報を送信するステップと、
前記管理サーバ装置の記憶部に、修繕概要情報及び修繕研修情報を入力するステップと、
前記修繕概要情報に基づいて顧客に説明を実行するステップと、
前記修繕研修情報に基づいて顧客に研修を実行するステップと、を実行する
大規模修繕事業の営業支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要な修繕を適切な時期に実施し、安価で定額支払いが可能な大規模修繕システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、不動産投資を目的とした賃貸マンションやテナントビルの所有者が増加傾向にあるが、当該建物は躯体の安定や美観維持のため、15年~20年に1度の頻度で大規模修繕工事が必要となる。このため当該建物の所有者は、修繕のために一定の金額を積み立てておくか、大規模修繕時に金融機関などから借り入れを行うなどの対応をしなければならない。
【0003】
しかし、大規模修繕にかかる費用は、経年劣化の度合いによって大きく変動することや修繕に必要な部材の仕入れ価格の上昇などにより、想定していた金額よりも高額な費用を要する場合もある。月ごとに定額ずつ資金を積み立てることが望ましいが、そのためには、建物の保存状態を正確に把握する必要性が生じる。
【0004】
建物劣化の進行は、箇所によって差が大きく、例えば、日当たりの良い場所や風雨にさらされる箇所の劣化の進行は早いものの、日陰部分や使用頻度が少ない箇所の劣化の進行は遅い。したがって建物に対して一括で建物修繕を行うと、劣化の進行の早い箇所に対しては、追加で修繕が必要となる一方で、劣化の進行の遅い箇所に対しては無駄な修繕コストをかけてしまうことになる。これらのことから、建物を効率よくメンテナンスするためには、建物を従来よりも詳細に区分し管理する必要がある。
【0005】
しかし、詳細な区分で管理する場合、点検箇所が多岐に亘ることから、点検の作業実施者の経験・技能などに基づいた主観的な判断によって、建物の保存状態を把握せざるを得ず、画一的かつ定型的な点検が難しいといった課題がある。
【0006】
上記課題の解決し、画一的かつ定型的な点検を実施するため、ナビゲーション部の制御による点検技術も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1によれば、不動産物件の点検作業が円滑且つ正確に行われるようにナビゲートすると共にメンテナンス規定を生成する技術が開示されている。
【0009】
しかし、点検作業の内容をナビゲーションする技術は開示されているものの、画一的かつ定型的な点検を可能とする技術は開示されていない。
【0010】
上記の点に鑑みて、本発明によって解決しようとする問題点は、画一的かつ定型的な点検を実施可能な建物診断支援システムを提供し、効率の良い建物メンテナンスが可能な定額大規模修繕システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様に係る建物診断支援システムは、
作業員用端末装置と、前記作業員用端末装置と通信する管理サーバ装置と、を備え、
前記管理サーバ装置は、記憶手段と、画像送信手段と、画像受信手段と、建物保存状態情報受信手段と、建物診断報告書生成手段と、を備え、
前記作業員用端末装置は、撮影手段と、建物画像送信手段と、建物保存状態情報送信手段と、表示手段と、を備え、
前記記憶手段は、1以上の、建物診断用画像と、物件情報と、報告書生成用コメントと、建物保存状態情報と、建物診断報告書と、を記憶するための手段であり、
前記画像送信手段は、前記建物診断用画像を作業員用端末装置に送信する手段であり、
前記画像受信手段は、前記作業員用端末装置によって撮影された画像を受信する手段であり、
前記建物保存状態情報受信手段は、前記作業員用端末装置に入力された建物保存状態情報を受信するための手段であり、
前記建物診断報告書生成手段は、前記建物保存状態情報に紐づけられた前記報告書生成用コメントに基づいて生成する手段であり、
前記建物保存状態情報送信手段は、前記建物診断用画像に紐づけられた前記建物保存状態情報を送信する手段であること、を特徴とする。
【0012】
本発明のシステムによれば、画一的かつ定型的な点検が実施可能となる。
【0013】
発明の好ましい形態では、前記管理サーバ装置は、さらに図面読取手段と、見積演算手段を備え、
前記図面読取手段は、建物外観図面を管理サーバ装置の記憶部に記録する手段であり、
前記見積演算手段は、前記図面読取手段で読み込んだ前記建物外観図面情報に基づいて修繕費用を演算する手段である。
【0014】
本発明のシステムによれば、建物の長期修繕計画にかかる費用が半自動的に算出可能となる。
【0015】
本発明の第2の態様に係る建物診断支援プログラムは、
作業員用端末装置を、
建物画像送信手段と、建物保存状態情報送信手段と、表示手段として作動させ、
管理サーバ装置を、
記憶手段と、画像送信手段と、画像受信手段と、建物保存状態情報受信手段と、建物診断報告書生成手段として作動させ、
前記記憶手段は、1以上の、建物診断用画像と、物件情報と、報告書生成用コメントと、建物保存状態情報と、建物診断報告書と、を記憶するための手段であり、
前記画像送信手段は、前記建物診断用画像を作業員用端末装置に送信する手段であり、
前記画像受信手段は、前記作業員用端末装置によって撮影された画像を受信する手段であり、
前記建物保存状態情報受信手段は、前記作業員用端末装置に入力された建物保存状態情報を受信するための手段であり、
前記建物診断報告書生成手段は、前記建物保存状態情報に紐づけられた前記報告書生成用コメントに基づいて生成する手段であり、
前記建物保存状態情報送信手段は、前記建物診断用画像に紐づけられた前記建物保存状態情報を送信する手段である。
【0016】
本発明のプログラムによれば、画一的かつ定型的な点検が実施可能となる。
【0017】
発明の好ましい形態では、さらに前記管理サーバ装置を、
図面読取手段と、見積演算手段として動作させ、
前記図面読取手段は、建物外観図面を管理サーバ装置の記憶部に記録する手だんであり、
前記見積演算手段は、前記図面読取手段で読み込んだ前記建物外観図面情報に基づいて修繕費用を演算する手段である。
【0018】
本発明のプログラムによれば、建物の長期修繕計画にかかる費用が半自動的に算出可能となる。
【0019】
本発明の第3の態様に係る定額大規模修繕方法は、
作業員用端末装置で建物画像を撮影するステップと、
作業員用端末装置から前記建物画像及び建物保存状態情報を管理サーバ装置に送信するステップと、
前記建物保存状態情報に紐づいた長期修繕計画情報を管理サーバ装置に入力するステップと、
管理サーバ装置に建物図面を読み込み、前記建物図面及び前記長期修繕計画情報に基づいて修繕費用を見積演算するステップと、
前記修繕費用1/180を乗じて得られる数値を管理サーバ装置に記憶するステップと、を実行する。
【0020】
本発明の方法によれば、長期修繕計画に基づく効率的なメンテナンスに対して月々支払う金額が算出可能となる。
【0021】
本発明の第4の態様に係る大規模修繕事業の営業支援方法は、
作業員用端末装置で建物画像を撮影するステップと、
作業員用端末装置から前記建物画像及び建物保存状態情報を管理サーバ装置に送信するステップと、
前記建物保存状態情報に紐づいた長期修繕計画情報を管理サーバ装置に入力するステップと
管理サーバ装置に建物図面を読み込み、前記建物図面及び前記長期修繕計画情報に基づいて修繕費用を見積演算するステップと、
前記管理サーバ装置から顧客端末装置に前記建物保存状態情報を送信するステップと、
前記管理サーバ装置の記憶部に、修繕概要情報及び修繕研修情報を入力するステップと、
前記修繕概要情報に基づいて顧客に説明を実行するステップと、
前記修繕研修情報に基づいて顧客に研修を実行するステップと、を実行する。
【0022】
本発明の方法によれば、長期修繕計画に基づく効率的なメンテナンスに対して月々支払う金額が算出可能となるとともに、新規顧客の獲得が容易となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のシステム、プログラム、方法によれば、作業員の経験・技能に頼ることなく、画一的かつ定型的な点検が実施可能となり、点検結果と図面からの測量を紐づけることで簡便に費用を算出することができる。
また、本発明のシステムから、長期修繕計画に基づく効率的なメンテナンスに対する月々支払う金額が算出可能となり、新規顧客の獲得が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】本発明の建物診断支援システムの手順を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の建物診断見積作成支援システムの手順を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の定額大規模修繕システムの手順を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の定額大規模修繕営業支援システムの手順を示すフローチャートである。
【
図7】建物診断用画像及び建物保存状態情報の入力画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の例示によって示す実施形態は本発明の一例であり、本発明は以下の実施形態に限定するものではなく、様々構成を採用することができる。
【0026】
図1に、本発明の実施形態にかかる建物診断支援システム及び建物診断見積作成支援システムを示し説明する。
【0027】
建物診断支援システムは、管理サーバ装置1と作業員用端末装置2を備える。管理サーバ装置1は、ネットワークNWを介して1以上の作業員用端末装置2と接続される。ネットワークNWとしてはインターネット等が想定される。1以上の顧客用端末装置3を準備し、ネットワークNWを介して接続してもよい。
管理サーバ装置1としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子を使用した補助記憶装置、通信手段を含む種々の入出力装置等を備えた、サーバ装置等の一般的なコンピュータ装置を利用することができる。
【0028】
また、作業員用端末装置2としては、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段や、種々の入出力装置等を備えた、一般的なコンピュータ装置を利用することができる。本実施形態では、例えばスマートフォン、PC(Personal Computer)、タブレット端末等のような任意のコンピュータ装置を用いることを想定する。
【0029】
管理サーバ装置1は、画像送信手段11、画像受信手段12、建物保存状態情報受信手段13、建物診断報告書生成手段14、図面読取手段15、及び見積演算手段16を備える。また本発明のシステムは、記憶手段DB100を備える。
【0030】
記憶手段DB100は、少なくとも、建物診断用画像101、物件情報102、報告書生成用コメント103、建物保存状態情報104、建物診断報告書105が記憶されている。ここで物件情報102とは、住所、建物名称、所有者、建物図面、建物画像などである。建物診断結果、修繕情報も紐づけられて記憶される。
【0031】
作業員用端末装置2は、撮影手段21、建物画像送信手段22、建物保存状態情報送信手段23、表示手段24を備える。表示手段24は、管理サーバ装置1から送信された情報を受信し、表示する手段である。
【0032】
画像送信手段11は、建物診断用画像101を作業員用端末装置2へ送信する手段である。
【0033】
画像受信手段12は、作業員用端末装置2から送信された建物画像を受信する手段である。
【0034】
建物保存状態情報受信手段13は、作業員用端末装置2から送信された建物保存状態情報104を受信する手段である。
図7に示す通り、建物保存状態情報104は、点検箇所ごとに分類され、部位ごとに建物の劣化状況を表した情報で、修繕の必要度合いに応じてランク付けされる。本実施例ではS/A/B/C/Dの5段階で評価されているが、5段階以外の評価方法(3段階や7段階なども可)で評価することも可能である。前記評価と紐づけられた建物診断用画像101が予め記憶手段DB100に保存されており、撮影された建物画像と比較することで容易に評価することが可能で、作業員用端末装置2から前記評価情報を選択し、入力する。
【0035】
(点検箇所の分類について)
点検箇所は、
外壁東、外壁西、外壁南、外壁北、駐輪場、エントランス、共用部廊下、共用部階段、バルコニー、屋上、塔屋に分類される。
【0036】
(点検箇所の部位について)
前記分類はさらに以下の部位に分けて管理される。
外壁東、外壁西、外壁南、外壁北の部位は、壁、目地、軒、タイル、鉄部及び塩ビ部(桶等)に分けられ、
駐輪場の部位は、鉄部に分けられ、
エントランスの部位は、壁、目地、軒、土間及び壁(タイル)に分けられ、
共用部廊下及び共用部階段の部位は、壁、目地、軒、腰壁、側溝、ドレン、タイル及び鉄部に分けられ、
バルコニーの部位は、壁、腰壁、軒、土間、目地、タイル、塩ビ部(桶等)、鉄部に分けられ、
屋上の部位は、屋上防水平面、屋上防水立上り、屋上防水笠木、屋上防水排水(ドレン)、屋上防水鉄部に分けられ、
塔屋の部位は、塔屋屋根(屋上)、塔屋壁、塔屋目地、塔屋鉄部、塔屋タイルに分けられる。
【0037】
建物診断報告書生成手段14は、建物保存状態情報104を受信後に建物診断報告書105を生成する手段である。記憶手段DB100には、報告書生成用コメント103が各点検箇所の分類・部位ごとに記憶してあり、前記ランクと紐づけられているため、建物画像と建物診断用画像101を比較し、前記ランクが選択されると自動的に報告書のコメントが表示される。作業員用端末装置2から送信された建物保存状態情報104と生成された建物診断報告書105は記憶手段DB100に記憶される。前記ランクに予め点数を紐づけておき、建物診断報告書105に点数表示させることも可能である。
【0038】
図面読取手段15は、建物図面の情報をサーバ管理装置1に読み取る手段で、一般的なスキャナを用いることを想定する。
【0039】
図6に示すように見積演算手段16は、図面読取手段で読み込んだ建物図面の情報を用いて、修繕費用を算出する手段である。基準スケール設定し、建物図面に対し修繕範囲を指定すると指定範囲の面積が自動的に算出され、予め入力されている単位面積当たりの修繕費用と掛け合わされ、簡便に修繕費用が算出できる。
【0040】
次に作業員用端末装置2について説明する。
【0041】
撮影手段21は建物の劣化の進行具合を記録するための手段で、一般的なカメラ、デジタルカメラを想定している。PC、タブレット、スマートホンに内蔵されたカメラを使用してもよい。
【0042】
建物画像送信手段22は、建物画像を管理サーバ装置1に送信するための手段である。
【0043】
建物保存状態情報送信手段23は、管理サーバ装置1に建物保存状態情報104を送信するための手段である。前述した通り、建物保存状態情報104は、ランクを選択することで送信される。
【0044】
次いで、
図2~
図5に本発明の一実施形態に係るシステムの流れを示す。状況に応じて、ステップの順番を変えても良い。
まず、作業員用端末装置2にて建物画像を撮影し、当該建物画像を管理サーバ装置1に送信する。次に管理サーバ装置1から建物診断用画像101が作業員用端末装置2に送信され、表示手段24に表示される。建物診断用画像101と前記建物画像を比較し、建物保存状態情報104を選択、送信すると建物診断報告書105が生成される。記憶手段を備えた作業員用端末装置2であれば、建物診断用画像101を予め保存しておいても良い。さらに、作業員用端末装置2に報告コメント送信手段を実装させることも好適である。
【0045】
その後、建物診断報告書105に基づき、長期修繕計画が生成され、図面読取手段15で読み込んだ建物図面に対し、修繕範囲を指定することで指定範囲の修繕費用を算出する。長期修繕計画に基づき、建物の修繕及びメンテンナンスを行う。
【0046】
建物診断を実施する前に、建物の測量が必要であれば実施しても良い。
【0047】
通常、大規模修繕工事は15年に一度実施されるため、前記修繕費用の1/180が1月あたりの費用となる。建物の状況に応じて乗じる割合は変化させることが可能で、この場合、総費用を修繕対応月数で割った金額を1月あたりの費用とすればよい。例えば10年を修繕対応月数とするならば、総費用を120で割ることになる。
【0048】
図5は、本発明の建物診断見積作成営業支援システムの流れを示したものである。本システムでは、定額大規模修繕工事に加えて建物管理会社などの顧客への営業支援も実施する。
【0049】
修繕事業を顧客に実施してもらうためには、顧客に修繕の必要性や修繕に関する技術内容を理解してもらう必要がある。したがって修繕概要情報及び修繕情報が管理サーバ装置1の記憶手段DB100に記憶され、顧客への説明に使用される。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、建物全般に応用可能である。すなわち、マンション、オフィスビル、病院、ホテル、道路、橋、スポーツ施設、ホテル、商業施設などの修繕に利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 管理サーバ装置
2 作業員用端末装置
3 顧客端末装置
11 画像送信手段
12 画像受信手段
13 建物保存状態情報受信手段
14 建物診断報告書生成手段
15 図面読取手段
16 見積演算手段
100 記憶DB
101 建物診断用画像
102 物件情報
103 報告書生成用コメント
104 建物保存状態情報
105 建物診断報告書
21 撮影手段
22 建物画像送信手段
23 建物保存状態情報送信手段
24 表示手段