(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101503
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】空気清浄機能付きドア
(51)【国際特許分類】
E06B 7/28 20060101AFI20240722BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20240722BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240722BHJP
F24F 8/158 20210101ALI20240722BHJP
【FI】
E06B7/28 Z
E06B7/28 H
F24F8/22
F24F8/80 100
F24F8/80 212
F24F8/80 232
F24F8/158
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023015676
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】511116432
【氏名又は名称】株式会社バンブーケミカル研究所
(71)【出願人】
【識別番号】595170317
【氏名又は名称】西岡 守
(71)【出願人】
【識別番号】309013392
【氏名又は名称】有限会社 岩田木工
(71)【出願人】
【識別番号】512189451
【氏名又は名称】株式会社岡部機械工業
(72)【発明者】
【氏名】鶴羽 正幸
(57)【要約】 (修正有)
【課題】室内の空気を清浄化する機能を有するドアに関し、従来室内の入り口で開閉する扉だけの機能に加え、新型コロナウイルス等の感染力の強い菌に対して不活性化、一般の菌の除菌、及び空気の消臭、空気中の微小粉塵などの浄化をする効果を有するドアを提供する。
【解決手段】ドア外枠1と、ドア表板と、ドア裏板と、仕切部材4と、空洞部で構成されるドア本体を有し、ドア表板の一部に取り付けられた吸気口7と、空洞部内には、竹炭粉部18と、高性能フィルター8と、深紫外LED9と、送風ファン10が取り付けられ、ドア表板の一部に排気口を持つ。ドア本体には、蝶番12と、ドアノブが取り付けられている。ドア本体内部には制御部14,蓄電池15と、ON-OFFスイッチ16、電池部カバー17をもつ。制御部14で制御されてドア内の空気循環を繰り返しながらウイルスの不活性化、除菌、及び空気の清浄化が行われる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表板と、裏板の間の中間層が空洞で周囲を外枠で囲われた2層構造のドア本体部と、ドアの片面又は両面に設けた周囲の空気を取り入れる吸気口と、ドアの空洞部に取り入れた空気を消臭する竹炭粉、及び清浄にするフィルターと、ドア空洞内の内壁に取り付けられ通過する空気を不活性化又は除菌するLEDと、ドアの片面又は両面に設けて周囲に空気を排気する排気口と、同じく空洞内に取り付けられて吸気口から取り込んだ空気を排気口までの空気の流れを作る送風ファンと、前記LEDと送風ファンの電源となる蓄電池と、ON,OFFスイッチと配線を含む電気制御部とから構成されることを特徴とする空気清浄機能付きドア
【請求項2】
前記LEDと送風ファンの電源となる蓄電池は、充電ができない一次電池、又は充電ができる二次電池であることを特徴とする空気清浄機能付きドア
【請求項3】
ドア空洞部の内壁に取り付けられて空間内を通過する空気に照射するLEDは波長の短い深紫外線を発するLEDであることを特徴とする請求項1、及び請求項2に記載の空気清浄機能付きドア
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院、及び食品や精密機器工場、事務所、公共施設、一般家庭などの部屋の入口に設置される開閉式のドアに関するものである。従来のただ単に部屋の入口で入室や出室のために開閉する扉だけの機能に加えて、部屋の空気中の新型コロナウイルス等の不活性化、除菌、及び空気の消臭と微粉塵の捕集による空気清浄の効果を有する機能をもつ空気清浄機能付きドアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ドアは部屋の入口に設置されて開閉することで部屋の外部と仕切る機能を持つ建築部材であり、もちろん、ウイルスを不活性化、又は一般的な菌を除菌できる機能は全く有していない。従来例として、部屋の中の床に置いて使用される空気清浄器は市販されて、特にウイルスの感染が拡大している時にあっては、空気飛沫に含まれるウイルスの不活化と空気の清浄化の意識が高まり、広く普及して来ている。しかし、この場合は部屋の空間内で空気清浄器を置くスペースが必要であり、できれば、床置き式の空気清浄器でなく、置き場所を取らないで室内空間の空気清浄ができれば理想的で最良である。また、本発明の空気清浄機能付きドアは、開き戸に加えて、引き戸にも応用して使用できる。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-145448号公報
【特許文献2】特開2020-116430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、本発明の目的は空気清浄機のファンの容量を大きくせずにパーティション内部の空気の清浄を確実になし得る空気清浄機付きパーティションを用いた空調ルームを得るにある。その構成としては、パーティションによって囲んだ空間内の空気をパーティションの側面から吸い込み内部の空気清浄機を介して上部のエアー吹出口から天井にむかって吐出し、この吹き出し空気により上記パーティションの上面と天井間にエアーカーテンを形成せしめ循環流を利用して内部の汚染空気を外部にもらすことなく清浄する空気清浄機付きパーティションを用いた空調ルーム。上記エアー吹出口からの空気は斜め方向に天井の中心部に向かって吐出される。本特許文献1の場合は、部屋の入口などに取り付けられる扉ではなく、部屋の空間を仕切るパーテーションによる室内空間の床置きの空気清浄器からの空気の流れを作る空気清浄であり、本発明の扉用の空気清浄とおのずと差異がある。このパーテーションによる空気清浄は、床置きの空気清浄機と、室内の空気の流れを制御するパーテーションが必要になり、室内空間の限られたスペースを占拠してしまう問題がある。
また、特許文献2の場合、人の手を介さず除菌対象部材を自動的に滅菌・除菌する安価で簡単に使用できる装置であるとともに、人体への安全性を考慮した除菌装置を提供することである。その解決方法としては、除菌対象部材に紫外線を照射して除菌を行う紫外線除菌装置であって、除菌用の紫外線を発生するLED紫外線光源と、前記紫外線除菌装置への人の接近・離隔に伴い信号を発生する検出器と、前記紫外線光源の点灯・消灯を制御する制御部と、を備え、前記検出器の出力に応じて前記制御部により前記紫外線光源を制御する。この特許文献2の場合は、紫外線を照射して除菌を行う対象部分がドアのノブ部のみで限定的であり、本出願発明の様にドアによって部屋全体の空間の空気清浄を行うものではない。
【0005】
本発明の目的は、この様なことに鑑みてなされたものであり、一般的な2層構造をもつドアの空洞内に吸気口から取り込まれた室内の空気が、竹炭粉部とフィルターを通過した空気飛沫に付着している可能性のある感染力の強いウイルスに対して、同じく空洞内に内蔵されている深紫外LEDの箇所を通過中の空気に照射して完全かつ効果的に不活性化と除菌を行う。この清浄化された空気を、同じく空洞部に設けられた送風ファンによって排気口から室内空間に排気するという空気の循環を繰り返すことで、順次に室内空間の空気が清浄化できる空気清浄機能付きドアを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また本発明の空気清浄機能付きドアは、例えば新型コロナウイルスの様な感染し易い菌に対して、室内空間内の空気飛沫に含まれる可能性のあるウイルスや、一般の菌に対して、ウイルスを確実にドアの空洞空間内に設けた深紫外LEDの照射によって、ウイルスの不活化と、除菌を行うことができるドアを提供する。また、ドアの空洞部に取り込まれた空気は、竹炭粉部とフィルターを通過することで、空気の消臭と微粉塵を捕集して、清浄な空気を室内に排気することで室内の空気清浄が可能となる。
実施例として、ドア外枠1と、ドア表板2と、ドア裏板3と、仕切部材4と、空洞部5で構成されるドア本体6を有し、前記ドア表板2、又はドア裏板3の一部に取り付けられた吸気口7と、前記空洞部5内には、竹炭粉部18と、高性能フィルター8と、深紫外LED9と、送風ファン10が取り付けられ、前記ドア表板2、又はドア裏板3の一部に排気口11を持つ。また、前記ドア本体6には、蝶番12と、ドアノブ13が取り付けられている。また、前記ドア本体6内部には制御部14と,蓄電池15と、ON-OFFスイッチ16、電池部カバー17をもつ。この空気清浄機能付きドアを使用する手順は、まず人が、ドアの側端面に設けたON-OFFスイッチ16をONにすると、送風ファン10が送風を開始し、深紫外LED9が照射を開始し、吸気口7から室内の空気を空洞部5に取り込み、竹炭粉部18と高性能フィルター8を空気が通過して空気が消臭、清浄化され、空気は次に深紫外LED9で照射されてウイルスの不活化と除菌が行われ、空気は排気口11から排気される。上記の様に室内の空気のドア内部への取り込み、ド内部の空洞部で空気清浄、浄化された空気の室内への排気の空気の循環が繰り返されることで、室内の空気の消臭、清浄化とウイルス不活化、並びに除菌の効果が益々高められる。また、深紫外LED9からの照射光が、直接、人体の皮膚や目に当たると安全性が保証できないと言われているため、深紫外LED9は、ドアの空洞内に密閉状態で内蔵されて、照射光が全く外に漏れない様に対策がされており、人体の目や皮膚に対して安全な構造となっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、例えば感染力の強い新型コロナウイルスに対して99.9%までウイルスを不活性化又は一般の菌を除菌することが可能な短波長の深紫外LED9を一定時間、空洞部5の中で空気に照射させることで、空気が不活性化又は殺菌される。このドア内部の空洞部に室内の空気を取り込み、深紫外LED9でウイルスの不活化と除菌、又竹炭粉部18と高性能フィルター8によって、空気の消臭と、空気中の微小な粉塵も捕集することで、空気の清浄化を促進することができる。
本発明の空気清浄機能付きドアは、病院、及び食品や精密機器工場、事務所、公共施設、一般家庭などのドアにおいて使用され、感染力の強いウイルスの不活化、除菌、及び消臭と空気清浄が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態による空気清浄機能付きドアの正面図
【
図2】本発明の実施形態による空気清浄機能付きドアの正面断面図
【
図3】本発明の実施形態による空気清浄機能付きドアの右側面断面図
【
図4】本発明の実施形態による空気清浄機能付きドアの左側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下
図1~
図4を用いて、本発明の実施形態による殺菌用LEDの照射による空気清浄機能付きドアを説明する。尚、以下の全ての図面においては、理解を容易にする為、各構成要素の寸法や比率などは、適宜 異ならせて図示している。
【0015】
図1~
図4に示すように、本実施形態は、ドア外枠1と、ドア表板2と、ドア裏板3と、仕切部材4と、空洞部5で構成されるドア本体6と、前記ドア表板2ドアの一部に取り付けられた吸気口7と、前記空洞部5内には、竹炭粉部18と、高性能フィルター8と、深紫外LED9と、送風ファン10が取り付けられ、前記ドア表板2の一部に持つ排気口11から空気清浄された空気が排気される。また、前記ドア本体6には、開閉するドアの支点となる蝶番12と、ドアノブ13と、前記ドア本体6内部に制御部14と,電池15と、ON-OFFスイッチ16、電池部カバー17が取り付けられている。
【0016】
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は産業上では日常生活において、病院、及び食品や精密機器工場、事務所、公共施設、一般家庭などに設置される空気清浄機能付き開閉ドアにより、コロナウイルス等の感染力の強い菌に対して、確実に機器の内部に部屋の空気を取り込んで不活性化、除菌、及び消臭、空気清浄ができるドアとして利用できる。もちろん、ON-OFFスイッチの切換えで、ウイルス不活化、除菌の機能を停止して、一般のドアとしても使用ができる。また、本発明では電源を蓄電池としているが、商用電源から配線して使用もできる。
【符合の説明】
ドア外枠1、ドア表板2、ドア裏板3、仕切部材4、空洞部5、ドア本体6と、吸気口7、高性能フィルター8、深紫外LED9、送風ファン10、排気口11、蝶番12、ドアノブ13、制御部14,電池15、ON-OFFスイッチ16
電池部カバー17、竹炭粉部18