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  • 特開-手摺除菌装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101504
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】手摺除菌装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
E04F11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023015677
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】511116432
【氏名又は名称】株式会社バンブーケミカル研究所
(72)【発明者】
【氏名】鶴羽 正幸
(72)【発明者】
【氏名】曽我井 天信
(72)【発明者】
【氏名】窪田 和海
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301GG00
2E301JJ05
2E301KK01
2E301LL01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】固定の手摺の表面に付着している感染力の強いウイルスや、一般の大腸菌(O-157)等の菌に対して、手摺に沿って走行中にウイルスや、一般の菌を除菌、不活化できる装置を提供する。
【解決手段】固定で一定の円形または非円形の断面をもち、長手方向に延びた手摺、複数の手摺支持部、手摺表面に当接して転動する複数のローラー、手摺の表面に接して移動するための駆動ローラー4、駆動ローラー4を駆動するためのモーター5及び減速機6、手摺の表面に付着している菌を除菌するためのLED7、電池部8、起動停止用スイッチ、位置検出センサー10、制御部11、各部の全体を囲う本体ケース、本体ケースと手摺の隙間を微小にするスクレーパー、位置検出部14、落下防止機構から構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特許請求の範囲
固定で一定の円形または非円形の断面をもち、長手方向に延びた手摺と、複数の手摺支持部とからなる手摺において、手摺表面に当接して転動する複数のローラーと、手摺の表面に接して移動するための駆動ローラーと、前記駆動ローラーを駆動するためのモーター及び減速機と、手摺の表面に付着している菌を除菌するためのLEDと、電池部と、起動停止用スイッチと、位置検出センサーと、制御部と、前記の各部の全体を囲う本体ケースと、本体ケースと手摺の隙間を微小にするスクレーパー、及び位置検出部とからなる手摺除菌装置
【請求項2】
前記LEDは、発光波長が250nm~300nmをもつ深紫外LEDであることを特徴とする請求項1に記載の手摺除菌装置
【請求項3】
駆動輪とは別に補助輪を搭載することにより手摺から滑り落ちることを防止し、また、補助輪3aと3bの間に間隔調節機構を設けることで様々な径、形状に対応することを可能とすることを特徴とする請求項1に記載の手摺除菌装置
【請求項4】
間隔調整機構3cが容易に分解可能であり、間隔調整機構のねじを緩めた状態で手摺へ乗せてねじを締めることで手摺への後付けを可能とする特徴を有する請求項1に記載の手摺除菌装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共施設、病院、介護施設、駅、ホテル、一般家庭の廊下や階段の横に設置されている手摺に関するもので、人が手で握りながら移動して、転倒を防止したりする機能を有するものである。本発明は、上記の従来の手摺に対して、手摺の表面に付着している可能性のある菌やウイルスを除菌、不活性化できる機能を付加した手摺除菌装置に関するものである。特に昨今の新型コロナウイルスなどの感染力の強い菌に対して、確実にしかも積極的に除菌、不活性化でき、安心して手摺を使用できるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、手摺は建物の廊下や階段の横に固定して設置されており、これまでは新型コロナウイルス等の感染防止には、除菌シートなどで定期的に人によってふき取るしか方法はなかった。この手摺の除菌ためのふき取り作業は、手摺の長さが長い場合や回数が多い場合において、相当な労力を要する作業であった。当方で調査した従来技術では、固定の手摺に対して人手を介さずに除菌を可能にする手摺除菌装置の前例は無かった。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-66150(P2018-66150A)号公報
【特許文献2】特許第6412231号(P6412231)号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、LED等の照明に起因して発生する熱を効率的に外部に放熱するとともに、耐久性にも優れた照明機能を有する手すりを提供する。
その構成として、手すり棒4は、断面形状が凹溝5を有する棒状に形成され、凹溝5には、凹状の補強ステー50が嵌合される。補強ステー50には、凹状の放熱手段70が取り付けられるが、放熱手段70の側板70bは、補強ステー50の側板50bと離間し、側板5bと側板70bとの間に、手すり棒4の外気と直接つながる空気対流層としての空間部71が形成される。これにより、側板70bは、外気に直接解放された放熱手段70の放熱部として機能し、照明手段80から発生した熱は、放熱手段70の側板70bから空間部71へと効率よく放熱される。
本特許文献1は、LEDの照明に使用されて、放熱性の対策がされた手すりであり、手摺の表面に付着した菌やウイルスを除菌、不活性化できる機能を備えていない。
また、特許文献2では、液漏れの恐れなく手摺の殺菌を可能にし、利用者に殺菌処理を認識させることで手摺を掴むことを促す、乗客コンベアの手摺ベルト殺菌装置を提供する。その解決策として、乗客コンベアの手摺ベルト殺菌装置は、乗客コンベアのスカートガードの内部に設けられ、前記スカートガードの内部を走行する手摺ベルトの表面を殺菌する殺菌部と、前記殺菌部による殺菌に基づく情報を報知する報知部と、前記乗客コンベアの運行速度情報を取得し、運行速度ごとに前記殺菌部による殺菌および前記報知部による報知を制御する制御部と、前記殺菌部による殺菌に基づく時間を取得するタイマーと、を具備し、前記制御部は、前記タイマーが取得した前記時間を前記報知部により報知させる。特許文献2は、移動する乗客コンベアの手摺を除菌する殺菌部と、情報を報知する報知部と制御部とタイマーを具備しているが、対象の手摺は、乗客コンベアの移動する手摺であり、建物の廊下の横壁に沿って設置された手摺や、階段でよく見かける固定の手摺でなく、特許文献2は固定式の手摺とおのずと違いがある。
【0005】
本発明の目的は、このようなことに鑑みてなされたものであり、固定の手摺の表面に付着している感染力の強いウイルスや、一般の大腸菌(O-157)等の菌に対して、手摺に沿って走行中にウイルスや、一般の菌を除菌、不活化できる装置を提供するものである。即ち、固定の手摺に沿って手摺上を走行する装置内に内蔵されたモーターと減速機で駆動されて、機器内部に収納されたLEDの照射光を手摺表面に照射させながら走行することで、手摺表面に付着している可能性のあるウイルスや一般の菌を除菌、不活性化できる機能をもつ手摺除菌装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また本発明の手摺除菌装置は、例えば新型コロナウイルスの様な感染し易い菌に対して、手摺に着いている感染力の強い菌を除去するだけでなく、更に不特定多数によって付着された一般の菌を確実に手摺装置内に内蔵された深紫外LEDの照射によって殺菌、又は不活性化させる機能を有する手摺除菌装置を提供する。
実施例として、本発明は固定で一定の円形または非円形の断面をもち、長手方向に延びた手摺1と、複数の手摺支持部2と、手摺表面に当接して転動する複数のローラー3a,3b、それらの間隔を調節するための間隔調節機構3c、手摺の表面に接して移動するための駆動ローラー4と、前記駆動ローラー4を駆動するためのモーター5及び減速機6と、手摺の表面に付着している菌を除菌するためのLED7と、電池部8と、起動停止用スイッチ9と、位置検出センサー10と、制御部11と、前記の各部の全体を囲う本体ケース12と、本体ケースと手摺の隙間を微小にするスクレーパー13と、位置検出部14と手摺からの落下を防止するための落下防止機構15から構成される手摺除菌装置である。
本発明の動作として、建物の横壁や階段の横に複数の手摺支持部2で支持された一定の断面形状をもつ手摺1に対して、本体ケース12の内部に手摺部分の表面に複数の手摺の長手方向に自由に転動するローラー3a,3bを持ち、他の同じく手摺の長手方向に表面上を駆動されて街道する駆動ローラー4をもつ。前記駆動ローラー4は連結されたモーター5と減速機6の回転駆動によって駆動力が与えられて手摺表面上を回動しながら移動する。
また、本体ケース12の内部には深紫外LED7が内蔵されて、手摺表面と一定の距離を保って取り付けられて、手摺の表面に照射しながら手摺の長手方向に移動しながら、手摺の表面に付着している可能性のあるウイルスや、一般の菌を除菌する。電池部8は前記のモーター5と深紫外LED7のための電気を供給するもので、起動停止用のスイッチ9のオンオフの切り替えによって、制御部11によって電気的に制御され、位置検出センサー10は、走行が手摺の末端まで進んだ際に位置検出部14が末端に触れると位置検出センサー10が手摺の末端であることを検出して、モーター5が制御部11からの指令によって逆回転して、手摺の上を逆に戻る方向に走行して、手摺の表面の除菌を続ける。前記の通りの本手摺除菌装置の往復動作を繰り返すことにより、手摺に付着しているウイルスや菌の除菌が繰り返されて、除菌、不活化の効果を益々高めることができる。また、走行の途中で手摺を使用しているときに人の手が本除菌装置に接近すると、同じく、位置検出センサー10が人の手が本除菌装置に近付いていることを検出して、モーター5が制御部11からの指令によって逆方向に回転して、手摺の上を逆に戻る方向に走行して、手摺の表面の除菌を続ける。前記の通り、人が手摺を使用している間にも本手摺除菌装置は走行することもあるので、人に対する安全対策は、十分に図られる。更に、手摺の除菌を行う回数や走行速度や移動時間は、制御部11の制御によって設定されて、実際に運用される。また、波長が250nm~300nmをもつ深紫外LEDは、人体の目や皮膚に照射光が当たると、損傷などの危険性があり安全性が保証できないため。手摺1と本体ケース12の間の隙間を無くし、手摺に付着しているゴミ類を除去する目的でスクレーパー13が本体ケース12に取り付けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば感染力の強い新型コロナウイルスに対して99.9%まで菌を死滅、又は不活性化させることが可能な短波長の深紫外LEDを手摺上を走行中に一定時間、手摺の表面に照射させることで、手摺の表面が殺菌、又は不活性化される。また、ウイルス以外の一般の菌に対しても、走行中に深紫外LEDの照射によって除菌が行われる。この除菌が実施される時間は、人が制御機器に設定した条件で実施されるので、人の労力は不要である。更に、本装置の走行中に人の手が近付いた時に、位置センサーで検出して、自動的にモーターの回転方向を切り替えて、反対方向に走行し、除菌を続ける。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態による手摺除菌装置の正面外形図
図2】本発明の実施形態による手摺除菌装置の平面外形図
図3】本発明の実施形態による手摺除菌装置の平面断面図
図4】本発明の実施形態による手摺除菌装置の底面外形図
図5】本発明の実施形態による手摺除菌装置の右側面断面図
図6】本発明の実施形態による手摺除菌装置の左側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図1図6を用いて、本発明の実施形態による手摺除菌装置を説明する。
尚、以下の全ての図面においては、理解を容易にする為、各構成要素の寸法や比率などは、適宜 異ならせて図示している。
【0010】
図1図6に示すように、本実施形態は、手摺1と、複数の手摺支持部2と、複数のローラー3a,3b、間隔調節機構3cと、駆動ローラー4と、モーター5及び減速機6と、深紫外LED7と、電池部8と、起動停止用スイッチ9と、位置検出センサー10と、制御部11と、本体ケース12と、スクレーパー13と、位置検出部14と落下防止機構15で構成される。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明の手摺は、産業分野では、建物の廊下や、階段に多く固定式で設置されているもので、人が手でつかんで滑らしながら移動して、転倒を防ぐ目的で利用されるものであり、不特定多数の人が使用するものであり、菌やウイルスが手摺りの表面に付着しやすい。
また、この手摺を除菌のために雑巾で除菌液を付けて清掃することもできるが、回数も多くなり人的労力は多大となる。
【符合の説明】
手摺1と、複数の手摺支持部2と、複数のローラー3a,3b、間隔調節機構3cと、駆動ローラー4と、モーター5及び減速機6と、深紫外LED7と、電池部8と、起動停止用スイッチ9と、位置検出センサー10と、制御部11と、本体ケース12と、スクレーパー13と、位置検出部14、落下防止機構15
図1
図2
図3
図4
図5
図6