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特開2024-101509ロボットの制御システム、ロボットの制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101509
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】ロボットの制御システム、ロボットの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240722BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067473
(22)【出願日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】P 2023005419
(32)【優先日】2023-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS27
3C707CS08
3C707CT05
3C707DS03
3C707DS05
3C707ES04
3C707ES06
3C707FS01
3C707FT02
3C707FT07
3C707FT11
3C707KS03
3C707KS07
3C707KS08
3C707KS09
3C707KS10
3C707KT01
3C707KT05
3C707KV08
3C707KV09
3C707KV11
3C707KV18
3C707KX03
3C707LV06
3C707NS02
3C707NS19
3C707NS26
3C707WA16
3C707WK05
3C707WK06
(57)【要約】
【課題】把持部による荷物の位置や種類の確認、把持、及び把持後の保持や移動を含む一連の作業を迅速かつ確実に行う。
【解決手段】把持部20をソフトマテリアル102で被覆することで、複数の吸着パッド24による吸着時に、ソフトマテリアル102が荷物100に密着するため、吸着するときの補助の保持力として利用される。荷物100は、非梱包、平面性が少ない、高温又は低温、匂い等があると、センサ群12Gの何れかにおいて、通常の検出範囲を逸脱する(逸脱値センサ12)。逸脱値センサに分類されたセンサ12の検出情報に基づいて、荷物100の種類を特定し、種類-把持形態テーブル144Tに基づいて把持形態を設定し、設定された把持形態に基づいて、把持を制御することで、それぞれの作用効果をもたらす。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに取り付けられ、対象物を把持する複数の把持部と、
前記ロボットの動作を制御するための外部情報を取得する第1機能、及び、前記対象物から対象物情報を取得する第2機能を備えたセンサ群と、
前記外部情報及び前記対象物情報に基づいて、前記ロボットを所定の位置へ移動させ、かつ、前記把持部を制御して、前記対象物を前記把持部により把持する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記センサ群の第2機能により特別な対象物を選別した場合に、前記特別な対象物に対して予め定めた把持形態に基づいて、前記特別な対象物を把持する、
ロボットの制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記センサ群の第2機能により前記対象物に対峙して情報を検出する際に、予め定めた検出値の許容範囲を逸脱した場合に、前記特別な対象物を選別し、
前記検出値が許容範囲を逸脱したセンサの検出情報に基づいて、前記特別な対象物の種類を特定する、請求項1記載のロボットの制御システム。
【請求項3】
前記特別な対象物の種類と、当該特別な対象物の把持形態とが関連付けられた種類-把持形態テーブルが予め記憶された記憶部をさらに有し、
制御部は、前記種類-把持形態テーブルに基づいて決定される、前記特別な対象物に対する把持形態によって、前記特別な対象物を把持する、請求項1記載のロボットの制御システム。
【請求項4】
コンピュータを請求項1~請求項3の何れか1項記載の制御部として動作させる、ロボットの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの制御システム、ロボットの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場の生産ラインにおいては作業を自動で行うための人型ロボットが使用されている。特許文献1には、人型ロボットの姿勢制御について記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、弾性体アクチュエータで駆動されて複数の関節を有するロボットアームであって、ロボットアームの手先部に配設され支持面と接触することによりロボットアームを支持する手先支持部材と、手先支持部材と支持面との接触する力を制御すると同時にロボットアームの手先部の位置及び姿勢を制御する制御部により制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-093506号公報
【特許文献2】WO2011/001569公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の人型ロボットによる倉庫内でのピッキング作業において、例えば、荷物が陳列されている棚から当該荷物(シャンプーや、コンディショナー、化粧品、歯磨き粉、カップラーメン、菓子袋等の形状や重さ、硬さ、壊れやすさが違うもの)をピックアップし、所定の包装体(箱等)に収容してパッキングするような場面において、現状では人の手に頼っている。
【0006】
また、ロボットの把持部の構造をフィンガータイプとして対応しようとしても、指や腕の動きが遅いため、生産性が低い。さらに、荷物を収容するトート等の多くは、ロボットハンドを入れるスペースが狭く、ロボットハンドの機能を十分に発揮できない環境が存在する場合がある。
【0007】
なお、把持部の把持の形態としては、掴み、吸着、吸引等、荷物を移動させる手段の全てを含むものとする。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、把持部による荷物の位置や種類の確認、把持、及び把持後の保持や移動を含む一連の作業を迅速かつ確実に行うことができるロボットの制御システム、ロボットの制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
態様1に係るロボットの制御システムは、ロボットに取り付けられ、対象物を把持する複数の把持部と、前記ロボットの動作を制御するための外部情報を取得する第1機能、及び、前記対象物から対象物情報を取得する第2機能を備えたセンサ群と、前記外部情報及び前記対象物情報に基づいて、前記ロボットを所定の位置へ移動させ、かつ、前記把持部を制御して、前記対象物を前記把持部により把持する制御部とを有し、前記制御部は、前記センサ群の第2機能により特別な対象物を選別した場合に、前記特別な対象物に対して予め定めた把持形態に基づいて、前記特別な対象物を把持する、ことを特徴としている。
【0010】
態様1の発明によれば、制御部は、センサ群の第2機能により特別な対象物を選別した場合に、特別な対象物に対して予め定めた把持形態に基づいて、特別な対象物を把持する。
【0011】
これにより、把持部による荷物の位置や種類の確認、把持、及び把持後の保持や移動を含む一連の作業を迅速かつ確実に行うことができる。
【0012】
態様2に係るロボットの制御システムは、態様1において、前記制御部は、前記センサ群の第2機能により前記対象物に対峙して情報を検出する際に、予め定めた検出値の許容範囲を逸脱した場合に、前記特別な対象物を選別し、前記検出値が許容範囲を逸脱したセンサの検出情報に基づいて、前記特別な対象物の種類を特定する、ことを特徴としている。
【0013】
態様2によれば、検出範囲を逸脱するということは、例えば、通常の対象物よりも高温、低温、匂いがつよい等、通常の対象物ではないと判断できるため、当該検出値が許容範囲を逸脱したセンサの検出情報に基づいて、前記特別な対象物の種類を特定することができる。
【0014】
態様3に係るロボットの制御システムは、態様2において、前記特別な対象物の種類と、当該特別な対象物の把持形態とが関連付けられた種類-把持形態テーブルが予め記憶された記憶部をさらに有し、制御部は、前記種類-把持形態テーブルに基づいて決定される、前記特別な対象物に対する把持形態によって、前記特別な対象物を把持する、ことを特徴としている。
【0015】
態様3によれば、対象物の種類を特定することで、種類-把持形態テーブルを用いて、容易に把持形態を決めることができる。
【0016】
態様4に係るロボットの制御プログラムは、前記態様1~態様3の何れか1つに係る態様の制御部として動作させることを特徴としている。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、把持部による荷物の位置や種類の確認、把持、及び把持後の保持や移動を含む一連の作業を迅速かつ確実に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施の形態に係る人型ロボットの正面図である。
図2】本実施の形態に係る人型ロボットの側面図である。
図3】(A)は本実施の形態に係るサイズの異なる把持部(Lサイズ、Mサイズ、Sサイズ)の掌側の正面図、(B)は把持部に取り付けた吸着パッドの斜視図である。
図4】(A)は把持部(Lサイズ)の斜視図、(B)は図4(A)のIVB-IVB線断面図である。
図5】人型ロボットの機能構成の一例を概略的に示す図である。
図6】情報処理装置によって実行される処理ルーチンの一例を概略的に示す図である。
図7図4の人型ロボットの全体の動作に連動し、把持部によって荷物を把持する際の把持制御の手順を示すフローチャートである。
図8】(A)は情報処理装置の情報蓄積部に記憶された荷物の種類-把持形態テーブル及び関連情報を示す図表、(B)は荷物の種類の一例である生鮮食料品の平面図である。
図9】本実施の形態の変形例1に係る把持部(人型)の外観を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は斜視図である。
図10】情報処理装置として機能するコンピュータハードウェアの一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
図1は本実施の形態に係る人型ロボットの正面図である。図1に示すように、本実施の形態に係る人型ロボット1は、上半身部2、脚部3、および上半身部2を脚部3に対して回動可能に連結する連結部4を備え、例えば工場の生産ライン等に配置されて、ピッキング対象物である荷物100等が陳列されている棚を含むライン上、又は床上の対象物(落下物等)に対して作業を行うものである。なお、作業は、棚から荷物100を把持するピッキング以外に、把持した荷物100を所定の筐体(ダンボール等)に収容するパッキングを含む。
【0022】
上半身部2は3本の腕部15、16、17を有する。腕部15、16、17は上半身部2の左右及び正面に回動自在に取り付けられている。また、腕部15、16、17の先端には荷物100を把持するための把持部20S、20L、20M(総称する場合、把持部20という。詳細後述)が取り付けられている。なお、腕部は3本に限定されるものではなく、1本、2本、又は4本以上であってもよいが、本実施の形態では、3サイズの把持部20(S、M、L)を装備している。
【0023】
脚部3は2つの車輪7、8がその下部に取り付けられており、人型ロボット1が配置される床の上を移動可能とされている。
【0024】
連結部4は、上半身部2と脚部3を回動可能に連結する。このため、上半身部2は、脚部3に対して前傾および後傾が可能となっている。このため、本実施の形態に係る人型ロボット1は、図2に示すように、脚部3に対して上半身部2を前傾させて、棚に置かれた荷物や、床に置かれていた荷物100、及び作業中に床に落ちたりした荷物100を拾うことが可能である。
【0025】
なお、脚部3は、上半身部2が脚部3に対して前傾または後傾したり、人型ロボット1が移動したりした際に、人型ロボット1が転倒しないようにするためのバランス機能を有する。
【0026】
また、連結部4は、図1に示すように上半身部2と脚部3との距離を変更可能な機能を有する。このため、生産ラインにおける作業台の高さに合うように、脚部3に対する上半身部2の上下方向の位置を矢印Aに示すように調整することができる。
【0027】
また、本実施の形態に係る人型ロボット1は、人型ロボット1内に実装された制御システム10(図5参照)によりその駆動が制御される。
【0028】
(把持部20の構造)
図3(A)に示される如く、腕部15の先端にはSサイズの把持部20Sが取り付けられ、腕部16の先端にはLサイズの把持部20Lが取り付けられ、腕部17の先端にはMサイズの把持部20Mが取り付けられている。把持部20は、腕部15、16、17に対して、回転自在に取り付けられている。
【0029】
把持部20Sは、矩形状の本体部20Aを備え、本体部20Aの先端面(荷物である荷物100と対峙する面)には、複数(本実施の形態では、8個)の吸着パッド24が取り付けられている。この把持部20Sの吸着パッド24は、把持部20Mの吸着パッド24及び把持部20Lの吸着パッド24に比べて小径である。なお、全て同一の径寸法であってもよい。
【0030】
把持部20Mは、把持部20Sよりも大きい、矩形状の本体部20Bを備え、本体部20Bの先端面(荷物である荷物100と対峙する面)には、複数(本実施の形態では、8個)の吸着パッド24が取り付けられている。この把持部20Mの吸着パッド24は、把持部20Sの吸着パッド24に比べて大径、かつ把持部20Lの吸着パッド24に比べて小径である。なお、全て同一の径寸法であってもよい。
【0031】
把持部20Lは、矩形状の本体部20Cを備え、本体部20Cの先端面(荷物である荷物100と対峙する面)には、複数(本実施の形態では、16個)の吸着パッド24が取り付けられている。この把持部20Lの吸着パッド24は、把持部20Mの吸着パッド24及び把持部20Sの吸着パッド24に比べて大径である。なお、全て同一の径寸法であってもよい。
【0032】
図3(B)に示される如く、吸着パッド24は、荷物100を把持するときに対峙させるゴム製のパッド部24Aと、パッド部24Aと荷物100との密着により形成される密閉空間のエアーを吸引する空気流路を形成するニップル24Bとで構成されている。
【0033】
すなわち、本実施の形態の吸着パッド24は、エアー吸着構造であり、ニップル24Bに設けられた孔24Cから、密閉空間内の空気を吸引して真空(ほぼ真空を含む)することで、吸着力を持つ。なお、吸着パッド24は、エアー吸着構造に限らず、単純にパッド部24Aの変形による密閉空間の容積を変化させて吸着させる構造であってもよい。
【0034】
ここで、把持部20は、不定形の粘液状液で、外力や重力により、様々な形に変形することができることがソフトマテリアル102によって被覆されている。ソフトマテリアル102は、把持部20の動作に応じて変形し、把持部20に対して、所定の肉厚で被覆状態を維持するようになっている。
【0035】
なお、吸着パッド24のパッド部24Aは、図4(A)及び(B)に示される如く、ソフトマテリアル102から突出し、直接、荷物100に接触可能な構造となっている。
【0036】
ソフトマテリアル102は、物性的に言えば、変形の速度が大きいと流動的に振舞うのに対し、変形の速度が小さいと弾性的に振舞う粘弾性を有する部材ということができ、一例として、シリコン(樹脂、ゴム)やスライムのような素材が代表的である。
【0037】
本実施の形態において、把持部20をソフトマテリアル102によって覆う理由は、荷物100を吸着パッド24で吸着する場合に、当該吸着力の補助するために、吸着点間を粘液状かつ粘弾性のソフトマテリアル102の粘着力を利用することになる。
【0038】
言い換えれば、ソフトマテリアル102は、吸着パッド24による点に近い接触を面接触に置き換える役目を有する。
【0039】
図5は、本実施の形態に係る人型ロボットの制御システムの一例の概略図である。制御システム10は、人型ロボット1に搭載されるセンサ群12Gと、情報処理装置14とを備えている。なお、センサ群12Gとは、異なる検出機能を持つ複数種類のセンサ12の総称を言う。
【0040】
センサ群12Gは、例えば、人型ロボット1の顔に相当する領域に集中的に配置され、人型ロボット1の周辺にある、人型ロボット1が作業する荷物100と腕部15、16、17との距離および角度を少なくとも表す情報を逐次取得する。なお、各センサ12は、人型ロボット1の顔に相当する領域に限らず、各々の検出機能に基づいて、例えば、人型ロボット1の全身の適材適所に配置するようにしてもよい。
【0041】
センサ12の各々の検出機能としては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々な機能が適用し得る。
【0042】
また他には、センサ群12Gに属するセンサ12の検出機能としては、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。
【0043】
なお、センサ群12Gに属するセンサ12は、上記の情報のほかに、画像、距離、振動、熱、匂い、色、音、超音波、紫外線、又は赤外線等を検知する。センサ群12Gに属するセンサ12が検知する情報から判定する第1機能としては、人型ロボット1の動作を制御する機能であり、例えば、人型ロボット1の重心移動、人型ロボット1が設置される床の材質の検知、外気温度の検知、外気湿度の検知、床の上下横斜め傾き角度の検知、水分量の検知等(本発明の外部情報に相当)が挙げられる。
【0044】
また、本実施の形態のセンサ群12Gは、第1機能(人型ロボット1の動作制御)に加え、第2機能として、本発明の対象物である荷物100の種類を識別する機能を有する。第2機能(荷物100の識別)は、例えば、カメラ機能があれば、撮影した画像情報(本発明の対象物情報に相当)に基づき、撮影された荷物100が何であるかシャンプー、コンディショナー、化粧品、歯磨き粉等のケア商品なのか、又は、カップラーメン、菓子袋等の食品なのかを識別することができる。また、第2機能の他の例として、匂い検出機能や温度検出機能があれば、生鮮食料品110から発せられる匂いや温度(本発明の対象物情報に相当)で、生鮮食料品である可能性が高いことが予測することができる。
【0045】
各センサ12は、これらの検知を例えばナノ秒毎に実施する。
【0046】
情報処理装置14は、情報取得部140と、制御部142と、情報蓄積部144とを備えている。
【0047】
情報取得部140は、センサ群12Gに属するセンサ12によって検知された荷物100の情報を取得する。
【0048】
制御部142は、情報取得部140がセンサ群12Gに属するセンサ12から取得した情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、連結部4の回動動作、上下方向の移動動作および腕部5、6の動作等を制御する。
【0049】
また、本実施の形態では、センサ群12Gの第2機能は、荷物100の識別に加え、荷物100を把持するための適正な把持部20(把持部20S又は把持部20M又は把持部20L)による把持の仕方(掴む、吸着、及び吸引等)を決める場合がある。この把持部20による把持の仕方を決めるためには、センサ群12Gの一部又は全部のセンサ12を選択的に適用している。
【0050】
言い換えれば、把持部20で把持するときの荷物100の把持の仕方を判別する専用のセンサを持たない把持部20となっている(センサレス把持部)。
【0051】
情報処理装置14は、センサ群12Gからの情報により、荷物100の位置を特定し、把持するときの強度、及び吸着力等を演算し、腕部15、16、17及び把持部20の微小な動きをコントロールし、様々な荷物100を対象とした作業(ピッキング作業、パッキング作業等)に対応するようになっている。
【0052】
このとき、センサ群12Gは、把持の仕方(掴む、吸着、及び吸引等)が特別な荷物100を識別する役目を有する。
【0053】
特別な荷物100とは、外観(形状)や重さだけでは、把持部20の選択等が不確かな荷物100の総称である。特別な荷物100の例としては、食品トレイ上の生鮮食料品、非梱包の伝統工芸品や美術品、貴金属、ガラス製品、動植物等、把持によって変形、破損、損傷し易い物が挙げられる。
【0054】
特別な荷物100の有無の判定は、センサ群12Gの検出情報が、それぞれのセンサ12で予め定めた通常検出範囲か否か(正常又は異常)によって判定する。
【0055】
すなわち、ダンボール等の箱体や、平面の多い硬質の筐体、かつ、常温で匂いもない荷物であれば、検出値は、予め定めた検出範囲に収まる(正常値センサに分類)。
【0056】
一方、非梱包、平面性が少ない、高温又は低温、匂い等があると、通常の検出範囲を逸脱する場合がある(逸脱値センサに分類)。
【0057】
そこで、センサ群12Gの中から、逸脱値センサに分類されたセンサ12の検出情報に基づいて、荷物100の種類を特定する。
【0058】
特定された荷物100の種類は、予め把持形態と関連付けられており、情報蓄積部144(図5参照)に、種類-把持形態テーブル144T(図8(A)の一部、表1の左欄参照)として記憶されている。
【0059】
把持形態とは、前述した把持の仕方(掴む、吸着、及び吸引)に加え、対象把持数、把持位置等を含む。
【0060】
このため、特別な荷物100は、この種類-把持形態テーブル144Tに基づいて把持形態を設定し、設定された把持形態に基づいて、把持を制御することで、それぞれの作用効果(表1の右欄参照)をもたらす。
【0061】
【表1】
【0062】
本実施の形態では、特別な荷物100の一例として、以下に、生鮮食料品(表1の最上段参照)を例示して、その対応を説明する。
【0063】
(生鮮食料品の把持)
本実施の形態における、把持部20S、把持部20M、及び把持部20Lを用いた把持対象(荷物100)の1形態として、図8(B)に示される如く、生鮮食料品110(鮮魚、精肉等)がある。
【0064】
生鮮食料品110は、一般的に、その主体112(図8では、精肉)が、食品トレイ114に載せられ、上部は透明かつ薄肉厚のフィルム116(ラップ)によって覆われているため、把持部20で把持する場合、主体112の硬さ(柔らかさ、変形しやすさ)、食品トレイ114のもろさ、フィルム116の破れやすさ等を考慮する必要がある。例えば、フィルム116が破損すると、肉汁や、調理済の場合はたれの漏れによって、人型ロボット1自体の電子機器に悪影響を与える場合がある。
【0065】
このため、荷物100の1つである生鮮食料品110は、生鮮食料品110以外の荷物100とは区別して、本来の形状を崩さない等、他の荷物100に比べて、細心の注意を払い、丁寧に取り扱う必要がある。
【0066】
そこで、生鮮食料品110を識別することが可能なセンサ12を、以下の選択条件に基づいて、センサ群12Gの中から決定する。
【0067】
(選択条件1) 生鮮食料品110は、フィルム116を通して、生鮮食料品110特有の匂いが放出される場合がある。
【0068】
(選択条件2) 生鮮食料品110は、鮮度を保つため、冷蔵保存、又は冷凍保存されている場合があり、他の荷物(常温保存)の温度とは異なっている。
【0069】
このため、匂い機能を持つセンサ12と、温度検出機能を持つセンサ12の検出値が、予め定めた検出範囲を逸脱することになり(逸脱値センサ)、この逸脱値センサの検出値に基づいて、荷物100の種類(ここでは、生鮮食料品110)を特定する。
【0070】
匂い検出機能を有するセンサ12である匂い検出センサでは、生鮮食料品110から発せられる匂いで、生鮮食料品である可能性が高いことが予測することができる。
【0071】
赤外線検出機能を有するセンサ12である赤外線検出センサでは、検出結果から、周囲との温度差によって、生鮮食料品である可能性が高いことが予測することができる。
【0072】
この匂い検出センサ及び赤外線検出センサからの検出情報に基づいて、荷物100が生鮮食料品110であると予測した場合は、表1に示す種類-把持形態テーブルに基づき、把持形態(把持の仕方(掴む、吸着、及び吸引)、対象把持数、及び把持位置等を含む)を厳密に設定し、主体112の本来の形状を崩したり、食品トレイ114やフィルム116を破損させることのないような把持制御を実行する。
【0073】
なお、1形態としての生鮮食料品110の識別に、匂い検出機能及び赤外線検出機能を適用したが、これらの機能に限定されるものではなく、他の機能を持つセンサ12と変更、又は追加してもよい。
【0074】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0075】
制御部142は、全体の動作として、以下の各処理を実行する。
(1)棚及び床にある荷物100を拾い上げることが可能なように連結部4を駆動して、上半身部2を前傾または後傾させる。
(2)荷物100をつかむことが可能なように腕部15、16、17および把持部20を駆動する。
(3)生産ラインの作業台の高さに合うように、上半身部2を脚部3に対して上下に駆動する。
(4)人型ロボット1の転倒を防ぐために、バランスを取る。
(5)人型ロボット1がカート等を押し進めることができるように、車輪7、8の駆動を制御する。
【0076】
情報処理装置14は、例えば、床にある荷物100を拾う場合、図6に示されているフローチャートを繰り返し実行する。
【0077】
ステップS100において、情報取得部140は、センサ群12Gによって検知された荷物100の情報を取得する。
【0078】
ステップS102において、制御部142は、ステップS100で取得された荷物100の情報とAIとを用いて、連結部4および腕部15、16、17を制御することにより、床にある荷物100を拾い上げる。
【0079】
ステップS104において、制御部142は、拾った荷物100を所定位置へ移動する。
【0080】
本実施の形態によれば、人型ロボット1は、上半身部2、脚部3および上半身部2と脚部3とを回動自在に連結する連結部4を備える。また、センサ群12Gが取得した情報に基づいて連結部4の回動を制御するようにした。このため、人型ロボット1と荷物100との距離や角度を判断することができ、これにより、床にある荷物100を拾い上げるような動作を行うことができる。
【0081】
また、連結部4は上半身部2と脚部3との距離を変更可能であるため、生産ラインにおける作業台の高さに合うように、脚部3に対する上半身部2の上下方向の位置を調整することができる。
【0082】
また、脚部3は、上半身部2が脚部3に対して前傾または後継した際に、人型ロボット1が転倒しないようにするためのバランス機能を有する。このため、生産ラインにある荷物100を押したり引いたりする作業を行った際の人型ロボット1の転倒を防止できる。したがって、転倒による人型ロボット1の故障、あるいは人型ロボット1の周囲にいる人物の怪我等を防止することができる。
【0083】
(荷物100の把持制御)
以下に、制御部142で実行される荷物100の把持制御ついて説明する。
【0084】
図7は、人型ロボット1の全体の動作に連動し、図3及び図4に示す把持部20S、20M、20Lを選択することによって荷物100を把持する際の把持制御の手順を示すフローチャートである。
【0085】
ステップ150では、荷物100を把持する指示があったか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ151へ移行して、把持部20を選択する。なお、この初期の把持部20の選択は、予め固定的に定めておいてもよいし、ランダムでもよい。また、荷物100に関する情報(例えば、内容物等)が事前に把握できれば、当該荷物100の情報から最適と予測される把持部20を選択してもよい。
【0086】
次のステップ152では、人型ロボット1を移動させ(例えば、腕部15、16、17の何れかを動作させ)、対象の荷物100に対峙したか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ154へ移行する。
【0087】
ステップ154では、センサ群12Gに属する各センサ12を用いて、荷物100の情報を検出する(検出情報取得)。
【0088】
次のステップ156では、センサ群12Gによる検出情報を解析して、荷物100に関する情報(荷物100の種類情報(形状、大きさ、硬さ等)、位置情報を詳細に把握し、ステップ157Aへ移行する。
【0089】
ステップ157Aでは、センサ選別を実行する。センサ選別とは、センサ群12Gによる各センサ12の検出情報(検出値)が予め定めた検出範囲内の場合は、正常値センサに分類し、予め定めた検出範囲を逸脱する場合は、逸脱値センサに分類する。
【0090】
次のステップ157Bでは、逸脱センサに分類されたセンサ12があるか否かを判断し、否定判定された場合は、センサ群12Gの全てのセンサ12の検出値が正常値センサであると判断し、通常の把持制御を実行するべく、ステップ158へ移行する。
【0091】
また、ステップ157Bで肯定判定された場合は、逸脱センサに分類されたセンサ12があると判断し、特殊な荷物の把持のための特殊把持制御を実行するべく、ステップ170へ移行する。
【0092】
(通常把持制御)
ステップ157Bで否定判定されて移行する、ステップ158では、荷物100の把持部20のサイズが適正か否かを判断する。このステップ158で不適正サイズと判定(否定判定)されると、ステップ159へ移行して、適正サイズの腕部15、又は16、又は17に変更して、ステップ160へ移行する。
【0093】
ステップ158で適正サイズと判定(肯定判定)されると、ステップ160へ移行する。
【0094】
(特殊把持制御)
ステップ157Bで肯定判定されて移行する、ステップ170では、逸脱値センサに分類されたセンサ12の検出情報から、荷物100の種類を特定する(一例として、図8(Bに示す、生鮮食料品110を特定)。
【0095】
次のステップ172では、情報処理装置14の情報蓄積部144に記憶されている、荷物100の種類-把持形態テーブル144T(表1、図8(A)参照)を読み出し、次いで、ステップ174へ移行して、当該種類-把持形態テーブル144Tに基づき、把持形態を特定し、ステップ160へ移行する。
【0096】
(生鮮食料品110) 荷物100の種類が、生鮮食料品110の場合は、種類-把持形態テーブル144Tから、2以上の把持部20を使用して、左右から挟む把持制御が特定される。これにより、吸着や吸引によって生じる可能性がある、食品トレイ114、フィルム116の破損が防止される。
【0097】
また、他の特殊な種類の荷物100においても、以下に示すように、それぞれ予め把持形態が設定され、それぞれ作用効果をもたらす。
【0098】
(伝統工芸品・美術品) 例えば、番傘等
2以上の把持部を使用し、かつ、粘着力のみで把持することで、吸着による変形や破損を防止することができる。
【0099】
(ガラス製品) 例えば、ワインボトル等
吸着力を強めることで、落下を防止することができる。
【0100】
(動植物) 例えば、花束等
3点支持、かつ吸着、吸引を「無し」とすることで、動植物への負担を軽減することができる。
【0101】
ステップ160では、荷物100の形状に応じた、腕部15の把持部20S、腕部16の把持部20M、腕部17の把持部20Lの角度を設定し、ステップ162へ移行する。ステップ162では、荷物100の把持を実行する。
【0102】
ここで、本実施の形態では、把持部20を、ソフトマテリアル102によって被覆しているため、吸着パッド24の吸着処理の際、ソフトマテリアル102が荷物100に接触し、荷物100の形状に合わせて変形し、密着することができる。なお、特殊把持制御の場合は、荷物100の種類によっては、吸着及び/又は粘着による把持を実行しないこともある。
【0103】
次のステップ164では、荷物100の把持が成功したか否かを判定し、肯定判定された場合は、把持した荷物100を所定の場所へ運び、ステップ150へ移行して、次の荷物100を把持する指示を待つ。
【0104】
また、ステップ164で否定判定された場合は、ステップ166へ移行して、エラー処理(例えば、リトライ又はキャンセル等)を実行し、ステップ150へ戻る。
【0105】
以上、本実施の形態によれば、把持部20をソフトマテリアル102で被覆することで、複数の吸着パッド24による吸着時に、ソフトマテリアル102が荷物100に密着するため、吸着パッド24の、例えば、エアー吸着構造で、荷物100を吸着するときの補助の保持力として利用され、荷物100を確実に保持することができる。
【0106】
すなわち、ソフトマテリアル102は、吸着パッド24による荷物100に対する点に近い接触が、面接触に置き換えられるため、荷物100の保持力を安定させることができ、移動時の振動で脱落するような不具合を未然に防止することができる。
【0107】
また、荷物100が狭いトートに収容されていて、吸着パッド24が思うように位置決めできなくても、ソフトマテリアル102に吸着されて引き出した後、確実に吸着パッド24で吸着させることができる。
【0108】
また、本実施の形態では、センサ群12Gの検出情報に基づいて、正常値センサと逸脱値センサとに分類し、逸脱値センサがある場合は、特殊把持制御を行うことで、対象の荷物100の破損や変形等を防止することができる。
【0109】
なお、本実施の形態では、特殊把持制御を実行する荷物の種類として、生鮮食料品110の他に、伝統工芸品・美術品、ガラス製品、動植物を例に挙げたが(図8(A)参照)、写真等のシート材、スパウトパウチ等の容器に入れられた飲料水、真空パック製品、PTP(プレススルーパッケージ)で包装された粒状飲み薬等、必要に応じて特殊把持制御対象の荷物100としてもよい。
【0110】
また、特殊把持制御の際に、把持部20で直接把持するのではなく、網や籠ですくい上げたり、磁力等を介して把持するようにしてもよい。
【0111】
また、センサ群12Gの中から、検出値が許容範囲を超えるセンサ12の検出値に基づいて、荷物100の種類を特定するようにしたが、把持部20に接触センサを取り付け、所謂ファーストタッチで、荷物100の種類を予測するようにしてもよい。接触センサの場合、例えば、生鮮食料品110等、他の荷物100に比べて、柔らかい荷物を選別でき、他の荷物100よりも丁寧に(変形させないように)把持することに特化することができる。
【0112】
(変形例1)
図9は、本実施の形態の変形例1に係る把持部20Hの構成を示している。変形例1に係る把持部20Hは、各々複数の関節を備えた3本の指部22A、22B、22Cを有する、人の手の形状(図9(B)参照)を模した構造となっている。
【0113】
変形例1では、図9(B)に示される如く、3本指構造としているが、5本指構造であってもよい。
【0114】
把持部20の掌側20Dには、複数の吸着パッド24が取り付けられている。
【0115】
また、3本の指部22A、22B、22Cには、関節部を境界として、各々、複数の吸着パッド24が取り付けられている。吸着パッド24は、全て同一径であってもよいが、指毎、又は関節毎に径寸法の異なる吸着パッド24を取り付け、荷物100の大きさいや硬さ、重さ等に応じて、選択するようにしてもよい。
【0116】
上記構成の把持部20Hにおいても、本実施の形態と同様に、ソフトマテリアル102が被覆されている。このソフトマテリアル102を被覆することで、把持部20Hが荷物100を把持するとき、ソフトマテリアル102が荷物100の形状に合わせて変形して密着し、吸着パッド24の吸着による荷物100の保持を補助することができる。
【0117】
例えば、非常に柔らかく壊れやすいものは、吸着パッド24を使わずに、指部22A、22B、22Cの動きにより掴むことができるが、この掴み動作の補助として、ソフトマテリアル102の密着が効果的に作用する。言い換えれば、ソフトマテリアル102の密着力分、掴む力を調整することにより、柔らかい荷物100の破損等を防止することかできる。
【0118】
また、本実施の形態(変形例1を含む)では、人型ロボット1を例に挙げ、第1の所定位置まで人型ロボット1が移動して荷物100を把持し、第2の所定位置まで搬送するという、汎用的な作業として説明したが、本実施の形態の把持部20(20S、20M、20L)は、例えば、以下に示す特定作業1~特定作業4で、その効果を有効に発揮することができる。また、本実施の形態の把持部20は、以下の特定作業1~特定作業4に限らず、荷物100を把持する工程を含む全ての作業に適用可能である。
【0119】
(特定作業1) 第1の所定位置で荷物100を把持し、第2の所定位置まで搬送し、第2の所定値で、荷物100を予め定めた収容部(ダンボール等)に梱包する作業。
【0120】
(特定作業2) 固定された位置に、ベルトコンベア等で搬送されてくる荷物100を把持して拾い上げ、その場で、収容部(ダンボール等)に梱包する作業。
【0121】
(特定作業3) 他の人型ロボット1が把持して搬送してきた荷物100を受け取って、その場で、収容部(ダンボール等)に梱包する作業。
【0122】
(特定作業4) 納品された収容部(ダンボール等)を開梱し、荷物100を取り出して、所定の(予め付与された識別符号に基づいて)管理棚まで搬送して、保管する作業。
【0123】
図10は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施の形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施の形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施の形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0124】
本実施の形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0125】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0126】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0127】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0128】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0129】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0130】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0131】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本発明の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0132】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0133】
本実施の形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0134】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0135】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0136】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0137】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0138】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0139】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0140】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0141】
1 人型ロボット、2 上半身部、3 脚部、4 連結部、7、8 車輪、10 制御システム、12 センサ、14 情報処理装置、15、16、17 腕部、20 把持部、20A 掌側、22A、22B、22C 指部、24 吸着パッド、24A パッド部、24B ニップル部、100 荷物、102 ソフトマテリアル、110 生鮮食料品、112 主体、114 食品トレイ、116 フィルム、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10