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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010151
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】改善された水中採取システム
(51)【国際特許分類】
   A01K 79/00 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
A01K79/00 H
A01K79/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187819
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2020528272の分割
【原出願日】2018-11-22
(31)【優先権主張番号】20171870
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(31)【優先権主張番号】18152728.4
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18172075.6
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】517169609
【氏名又は名称】ノルウィージャン イノベーション テクノロジー グループ アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トフテン,リチャード ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】モラナ,ハンス クリスチアン
(72)【発明者】
【氏名】コッベルトヴェト,ロルフ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】採取システムおよび特定の海洋生物種を制御して選択的に捕獲するための方法を提供する。
【解決手段】動物プランクトンまたは中深海魚を採取するための採取システム24であって、-海中に降下されけん引される水中装置23と、-該水中装置と水上船とを流体連通させる流体連通部21とを有し、前記水中装置が、動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる流体を取り込むことができる1以上の流入口が設けられたハウジングを有すること、該ハウジングが、1以上の分岐管を有すること、前記水中装置が、動物プランクトンを光照射領域へと群泳させるための1以上の光源26、27をさらに有すること、前記1以上の流入口が、前記1以上の分岐管への流入口であり、該1以上の分岐管が、前記流体連通部に収束すること、および、前記1以上の光源が、前記1以上の流入口の内部にあること、を特徴とする採取システム。
【選択図】図11C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物プランクトンまたは中深海魚を採取するための採取システムであって、
-海中に降下されけん引される水中装置と、
-該水中装置と水上船とを流体連通させる流体連通部とを有し、
前記水中装置が、動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる流体を取り込むことができる1以上の流入口が設けられたハウジングを有すること、
該ハウジングが、1以上の分岐管を有すること、
前記水中装置が、動物プランクトンを光照射領域へと群泳させるための1以上の光源をさらに有すること、
前記1以上の流入口が、前記1以上の分岐管への流入口であり、該1以上の分岐管が、前記流体連通部に収束すること、および
前記1以上の光源が、前記1以上の流入口の内部にあること、
を特徴とする採取システム。
【請求項2】
前記1以上の光源が、前記1以上の流入口の内側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の採取システム。
【請求項3】
前記1以上の光源がLEDであり、前記1以上の流入口に固定されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項4】
前記1以上の光源が、前記1以上の流入口の開口から所定の距離の範囲内にあることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項5】
前記1以上の流入口が、該1以上の流入口に入る動物プランクトンまたは中深海魚の大きさを選別するための篩分手段を備えていることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項6】
前記1以上の光源が、470nmなどの400~550nmの範囲などにある所定の波長を発することを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項7】
動物プランクトンまたは中深海魚を音響的に識別するための手段をさらに有する、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項8】
動物プランクトンまたは中深海魚を視覚的に識別するための手段をさらに有する、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項9】
前記1以上の流入口が前記1以上の分岐管への流入口であり、該1以上の分岐管が前記流体連通部に収束することを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項10】
1以上の浮力調節要素をさらに有する、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項11】
前記水中装置が、該水中装置の浮力を調整するために、前記1以上の浮力調節要素を有することを特徴とする、請求項10に記載の採取システム。
【請求項12】
前記1以上の浮力調節要素が取り外し可能な要素であることを特徴とする、請求項10または11に記載の採取システム。
【請求項13】
前記浮力調節要素が浮きであることを特徴とする、請求項10~12のいずれかに記載の採取システム。
【請求項14】
前記1以上の浮力調節要素が、前記水中装置の外面に配置されていることを特徴とする、請求項10~13のいずれかに記載の採取システム。
【請求項15】
前記1以上の浮力調節要素が、前記水中装置に連結された状態で、該水中装置から所定の距離離れた位置に配置されていることを特徴とする、請求項10~14のいずれかに記載の採取システム。
【請求項16】
動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる前記流体を、前記1以上の流入口から前記水上船へと移送するためのポンプ手段をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項17】
前記ポンプ手段が、前記水中装置上に配置されていることを特徴とする、請求項16に記載の採取システム。
【請求項18】
前記ポンプ手段が、前記水中装置から所定の距離離れた位置に配置されていることを特徴とする、請求項16または17に記載の採取システム。
【請求項19】
前記ポンプ手段が、機械的作用により、動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる前記流体を移送する1以上のポンプであることを特徴とする、請求項16~18のいずれかに記載の採取システム。
【請求項20】
前記1以上のポンプが海中ポンプであることを特徴とする、請求項19に記載の採取システム。
【請求項21】
前記1以上のポンプが遠心ポンプであることを特徴とする、請求項19に記載の採取システム。
【請求項22】
前記ポンプ手段が、前記水上船に配置されていることを特徴とする、請求項16~21のいずれかに記載の採取システム。
【請求項23】
前記ポンプ手段が、海岸に配置されていることを特徴とする、請求項16~21のいずれかに記載の採取システム。
【請求項24】
前記ポンプ手段が、前記流体連通部に固定されていることを特徴とする、請求項16~23のいずれかに記載の採取システム。
【請求項25】
前記ポンプ手段が、音減衰要素を有することを特徴とする、請求項16~24のいずれかに記載の採取システム。
【請求項26】
前記水中装置に電力および光ファイバーを供給するためのアンビリカルケーブルまたはアンビリカルをさらに有する、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項27】
前記ポンプ手段が、前記アンビリカルケーブルに固定されていることを特徴とする、請求項26に記載の採取システム。
【請求項28】
前記水中装置を包囲する保護フレームをさらに有する、先行する請求項のいずれかに記載の採取システム。
【請求項29】
前記ポンプ手段が、前記水中装置を包囲する前記保護フレーム上に配置されていることを特徴とする、請求項28に記載の採取システム。
【請求項30】
動作中に前記水中装置より下の領域を照射する光源などの、前記1以上の流入口の開口より下に配置される光源をさらに有する、請求項4~29のいずれかに記載の採取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物プランクトンまたは中深海魚を採取するための採取システム、および動物プランクトンまたは中深海魚を採取する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トローリングなどの伝統的な漁法による大量漁獲は、水生生物の生息場所や生態系に不可逆的なダメージを与えてきた。
【0003】
網目の小さな網を用いる漁法による動物プランクトンや中深海魚の捕獲は、それ以外の生物種を意図せずとも混獲してしまうため、海洋生物に対して重大な影響を与えるという点で問題であった。
【0004】
したがって、動物プランクトンまたは中深海魚を捕獲するための改善された採取システム、特に混獲を抑制できるより効率的でより確実な採取システムがあれば有利であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した先行技術の欠点および問題点を完全にまたは部分的に克服することを目的とする。より具体的には、本発明の目的は、採取システムおよび特定の海洋生物種を制御して選択的に捕獲するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、上記の目的およびその他の目的は、本発明の第1の態様において、動物プランクトンまたは中深海魚を採取するための採取システムを提供することにより達成されるものである。当該採取システムは、海中に降下されけん引される水中装置を有し、該水中装置が、動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる流体を取り込むことができる1以上の流入口が設けられたハウジングを有すること、該ハウジングが、1以上の分岐管を有すること、および前記水中装置が、動物プランクトンを光照射領域へと群泳させるための1以上の光源をさらに有すること、を特徴とする。
【0007】
本発明の目的は、中深海でトローリングを行う必要がなく、したがって漁網を使用せずに行える、動物プランクトンまたは中深海魚の環境に優しい採取方法を提供することである。
【0008】
本発明によれば、この目的は、1以上の光源を使用して目的の生物種を群泳させることにより達成される。この方法により、動物プランクトンまたは中深海魚を、これらの採取が可能である水域などの所望の領域内に集めることができる。
【0009】
1以上の光源を使用して光照射領域を定めることにより、該領域で動物プランクトンまたは中深海魚が群泳し、照射により作られた仮想網内に集められる。
【0010】
けん引されているときの当該水中装置を水中船と称する場合がある。
【0011】
本発明の採取システムは、前記水中装置と水上船とを流体連通させる流体連通部をさらに有する。
【0012】
動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる流体は、前記水中装置のハウジングに入り、前記流体連通部を通って水面方向に向かって水面へと移送される。
【0013】
前記流体連通部は、前記水中装置に取り付けられ、前記1以上の流入口と流体連通している(すなわち、流体が連続体として流れる方向に沿って移動できる)可撓性ホースであってもよい。このホースは、前記水中装置を前記水上船または海岸に固定して、これらに流体連通させることができるものであってもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、本発明の採取システムは、動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる前記流体を前記1以上の流入口から前記水上船の方向に向かって移動させて前記水上船へと移送させるためのポンプ手段をさらに有する。
【0015】
いくつかのさらなる実施形態において、前記1以上の光源は、前記1以上の流入口の内部に配置されている。
【0016】
前記1以上の光源が前記1以上の流入口の内部、したがって内側に配置されていることの大きな利点は、前記1以上の光源が、ポンプ手段の吸引力に従って流体が移動する方向と交差する光路を形成することにより、動物プランクトンまたは中深海魚のより効率的な採取が可能になるということである。
【0017】
動物プランクトンまたは中深海魚は、この光の方向へと導かれて前記1以上の流入口に入ると、ポンプ手段の吸引により、逆向きに泳いで該1以上の流入口から出ることができなくなる。したがって、前記1以上の光源を前記1以上の流入口の内部、例えば内側などに配置することによって、動物プランクトンまたは中深海魚がより効率的に採取される。
【0018】
したがって、前記1以上の流入口の内部にある前記1以上の光源は、該1以上の流入口の内側の、該1以上の流入口の開口から所定の距離離れた位置に配置されていてもよい。
【0019】
前記1以上の流入口の開口から「所定の距離」は、前記動物プランクトンまたは中深海魚が引き返すことができない位置を超える距離であってもよい。
【0020】
「引き返すことができない位置」は、前記ポンプ手段の吸引作用によって、前記動物プランクトンまたは中深海魚が逆向きに泳いで前記流入口の外に出ることができなくなる位置であり、ポンプ手段により決定される位置である。
【0021】
前記1以上の流入口は、前記1以上の光源からの光照射を増強かつ/または最適化するように構成されたものであってもよい。
【0022】
前記1以上の流入口は、光照射を最適化するとともに、前記水上船または海岸の方向へと向かう、動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる前記流体の流れを最適化できるように、それぞれ異なる形状を有していてもよい。
【0023】
前記1以上の流入口は、該流入口の最小径の方向に向かって流れが徐々に増大する円錐形の流入用漏斗体であるという特徴を有していてもよい。
【0024】
前記円錐形の流入用漏斗体を用いることで、前記ポンプ手段の吸引力は、該流入口の開口から離れるにつれてスムーズに増加し、前記漏斗体のくびれ部で最大速度になる。
【0025】
前記1以上の流入口は、前記漏斗体の広口面または広口領域内に側面開口部がさらに設けられた円錐形の流入用漏斗体であるという特徴を有していてもよく、この側面開口部は、前記1以上の光源を収容するように構成されている。
【0026】
使用時には、前記1以上の光源が特定の水域に光を投射し、そこに動物プランクトンまたは中深海魚が群泳して集まってくるため、より効率的に採取することができる。
【0027】
この構成において、前記1以上の光源は、ポンプ手段の吸引力に従って流体が移動する方向と交差する光路を形成するため、動物プランクトンまたは中深海魚をより効率的に採取することができる。
【0028】
別のいくつかの実施形態において、前記1以上の流入口は鐘形の流入用漏斗体であるという特徴を有していてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、前記1以上の流入口の内面は、コーティングまたは表面処理など、前記1以上の光源からの光照射を増強する処理が施されている。
【0030】
いくつかの実施形態において、前記1以上の光源はそれぞれ発光ダイオード(LED)である。これらのLEDは、接着などによって前記1以上の流入口に固定されていてもよい。
【0031】
これらのLEDは、接着などによってLEDハウジングに固定されていてもよい。また、LEDが収容されている前記ハウジングは、接着などによって前記1以上の流入口に固定されていてもよい。前記LEDハウジングは、LEDを冷却するものであってもよい。
【0032】
前記1以上の光源は、前記流入口領域に光を照射するために設けられた1つの発光ダイオード(LED)であってもよく、このLEDは、例えば感熱接着剤により、LEDハウジングに固定され、さらに前記1以上の流入口に固定されていてもよい。
【0033】
LEDが収容されている前記ハウジングは、防水シーリングなどのシーリングが施されていてもよく、該シーリングにより、使用時に前記LEDと周辺の水とが接触するのを防ぐことができる。
【0034】
前記LEDハウジングは、複数のLEDを収容していてもよい。例えば、紫外(UV)/可視(Vis)/近赤外(NIR)領域、すなわち、200nm~1100nmの範囲の所望の光を照射するために、それぞれ異なる所定の波長および/または所定の相補的な波長を照射するLEDを組み合わせて使用してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、前記LEDハウジングは、照射する色を変化させることができる1以上のLEDを収容していてもよい。前記1以上のLEDによる照射を調整して、所望の照射波長または所望の照射スペクトルを選択してもよい。
【0036】
前記1以上のLEDおよび対応するLEDハウジングを交換して、別の特定波長に反応する他の生物種を維持または採取してもよい。
【0037】
LEDによる照射を、海岸または前記水上船に配置される制御装置によって調整してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、前記1以上の光源は、前記1以上の流入口の開口から所定の距離の範囲内にある。
【0039】
前記1以上の光源は、前記1以上の流入口の開口から所定の距離の範囲内に配置されていてもよく、例えば、前記動物プランクトンまたは中深海魚が引き返すことができない位置を越える位置に配置されていてもよい。
【0040】
「引き返すことができない位置」は、前記ポンプ手段の吸引によって、前記動物プランクトンまたは中深海魚が逆向きに泳いで前記流入口の外に出ることができなくなる位置であり、ポンプ手段により決定される位置である。
【0041】
いくつかのさらなる実施形態において、前記1以上の流入口は、該1以上の流入口に入る動物プランクトンまたは中深海魚の大きさを選別するための篩分手段を備えている。
【0042】
前記篩分手段は、前記水中装置のハウジングへと入ることができる動物プランクトンまたは中深海魚の大きさを決める一定の間隔を有するグリッド、メッシュ、ネット、金網のいずれであってもよい。
【0043】
動物プランクトンまたは中深海魚の大きさを選別するためのグリッドなどの篩分手段は、円錐形の流入用漏斗体などの形状をした前記流入口の大きい方の端部に取り付けられていてもよい。
【0044】
この場合、前記篩分手段が最大の吸引力が発生する場所から離れた位置にあることで、より大きな物体で前記流入口および前記流体連通部が塞がれるという可能性が低くなるという利点がある。
【0045】
前記円錐形の流入用漏斗体の最小径からこの端部までの距離は、20~60mmであってもよく、例えば40mmなどであってもよい。また、この距離は、前記流入口の前面に細片が貼り付いて流入口を塞ぐことがないように調整してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、前記1以上の光源は、200~1100nmの範囲、例えば、470~490nmなどの400~800nmの範囲の所定の波長を発する。
【0047】
別の所定の波長を使用して、異なる生物種に選択的に対応することも可能である。
【0048】
いくつかの実施形態において、400~800nmの可視領域に照射スペクトルを有する白色光を光源として使用してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、前記水中装置には、外面に1以上の光源がさらに配置されており、これら1以上の光源は、動物プランクトンまたは中深海魚を該水中装置から離れた位置にある所定の光照射水域へと群泳させるためのものである。
【0050】
いくつかの実施形態において、本発明の採取システムは、動物プランクトンまたは中深海魚を音響的に識別するための手段をさらに有する。
【0051】
例えば、本発明の採取システムは、目的の生物種を高精度に識別するために1以上の音波探知機を有していてもよい。
【0052】
いくつかのさらなる実施形態において、本発明の採取システムは、動物プランクトンまたは中深海魚を視覚的に識別するための手段をさらに有する。
【0053】
例えば、本発明の採取システムは、目的の生物種を高精度に識別するために1以上のカメラを有していてもよい。
【0054】
前記1以上のカメラは、前記水中装置の前面または下に配置されるパンチルトカメラまたは広角度カメラであってもよい。
【0055】
動物プランクトンまたは中深海魚を音響的かつ視覚的に識別するための手段は、前記水中装置上に、または前記流体連通部に沿って配置されていてもよい。
【0056】
前記水中装置のハウジングは1以上の分岐管を有し、前記1以上の流入口は該1以上の分岐管への流入口であり、該1以上の分岐管は前記流体連通部に収束する。
【0057】
前記水中装置の中心は枝分かれした分岐管である。
【0058】
例えば、前記ハウジングは、カムロック式接続部によって連結されている3つの分岐管を有していてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、前記1以上の分岐管は、三又槍形状(すなわち、3つの分岐管が並行して連結され、3本歯フォーク形状または三又槍形状を形成)をなしている。
【0060】
前記1以上の流入口は、前記1以上の分岐管に設けられている。
【0061】
例えば、前記三又槍形状の分岐管は、中央の管に3つの流入口、その両側にある2つの管にそれぞれ2つの流入口が設けられた、合計7つの流入口を有するものであってよい。
【0062】
前記三又槍形状の分岐管は、動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる前記流体を効率的に吸引するのに最適な形状であることが証明されている。
【0063】
前記分岐管の各部分のサイズ比率は、流体が前記水中装置の各部分を最適な速度で通過できるよう最適化してもよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、前記1以上の流入口の直径は、25~85mmなどの10~100mmの範囲、例えば28mmまたは46mmであってもよい。
【0065】
前記流入口の直径は、前記ポンプ手段の容量および前記1以上の流入口の数により変化し得るものであり、上記の範囲外であってもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、本発明の採取システムは、1以上の浮力調節要素をさらに有する。
【0067】
前記水中装置は、所望の水平位置で動作する。前記1以上の浮力調節要素は、前記水中装置を中立的に浮揚させるために用いてもよい。
【0068】
別のいくつかの実施形態において、前記水中装置は、該水中装置の浮力を調整するために、前記1以上の浮力調節要素を有する。
【0069】
前記1以上の浮力調節要素は、前記水中装置の外面に配置されていてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、前記1以上の浮力調節要素は、前記水中装置の内面に配置され、該内面に固定されていてもよい。
【0071】
前記1以上の浮力調節要素は、取り外し可能な要素であってもよい。
【0072】
前記1以上の浮力調節要素は交換可能であってもよく、したがって、前記水中装置から分離可能であってもよい。
【0073】
前記1以上の浮力調節要素は浮きであってもよい。
【0074】
前記浮力調節要素としては、高浮力性を備えるエチレン酢酸ビニルまたはエチレン酢酸ビニルをベースとした材料を含有するものであってもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、前記1以上の浮力調節要素は、前記水中装置に連結された状態で、例えば機械的に連結された状態で、該水中装置から所定の距離離れた位置に配置されている。
【0076】
前記水中装置および前記1以上の浮力要素との機械的連結は、前記流体連通部を介して達成されていてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、前記浮力調節要素は、前記水中装置の表面の、前記水中装置から所定の距離離れた位置に配置されていてもよい。
【0078】
前記所定の距離は、使用時に前記水中装置が所定の水平位置に保たれるよう、該水中装置と前記流体連通部を浮揚させておく必要性から決定される距離である。
【0079】
したがって、前記流体連通部に浮きを配置することで、前記流体連通部自体の負の浮力が補われる。前記流体連通部に浮きが配置されていない場合は、前記水中装置の採取位置の水平位が保たれない可能性がある。
【0080】
いくつかの実施形態において、前記ポンプ手段は、前記水中装置上に配置されている。例えば、前記ポンプ手段は、前記水中装置を包囲する保護フレーム上に配置されていてもよい。
【0081】
別のいくつかの実施形態において、前記ポンプ手段は、前記水中装置から所定の距離離れた位置に配置されている。
【0082】
例えば、前記ポンプ手段は、機械的作用によって、動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる前記流体を移送する1以上のポンプであってもよい。
【0083】
前記1以上のポンプは遠心ポンプであってもよい。
【0084】
前記1以上のポンプは、海面下で動作する海中ポンプであってよい。
【0085】
別のいくつかの実施形態において、前記ポンプ手段は、前記水上船に配置されている。
【0086】
いくつかの実施形態において、前記ポンプ手段は、海中ポンプと、前記水上船または海岸に配置されるさらなるポンプとを含む。
【0087】
例えば、前記ポンプ手段は海岸に配置されていてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、前記ポンプ手段は、前記流体連通部に固定されている。
【0089】
いくつかのさらなる実施形態において、前記ポンプ手段は音減衰要素を有し、該音減衰要素により、汲み上げ過程で生じる、前記動物プランクトンまたは中深海魚を動揺させる可能性のある音を減衰させることができる。
【0090】
いくつかの実施形態において、本発明の採取システムは、前記水中装置に電力および光ファイバーを供給するためのアンビリカルケーブルまたはアンビリカルをさらに有する。
【0091】
いくつかの実施形態において、前記ポンプ手段は、アンビリカルケーブルに固定されている。
【0092】
前記アンビリカルケーブルおよび前記流体連通部を組み合わせて一体化した構成としてもよい。例えば、前記アンビリカルケーブルは、前記流体連通部内に収容されていてもよい。
【0093】
本発明における第1の態様および実施形態ならびに別の態様および実施形態をそれぞれ、任意のその他の態様および実施形態と組み合わせてもよい。本発明におけるこれらの態様および実施形態ならびにその他の態様および実施形態は、以下に記載の実施形態から明らかであり、以下に記載の実施形態を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
これより、本発明の採取システムおよび採取方法を、添付の図面に関してより詳細に説明する。添付の図面は、本発明の実施の一例を示しており、添付の請求項の範囲に含まれるその他の可能な実施形態を制限するものではない。
【0095】
図1図1A、1B、1C、1Dおよび1Eは、本発明のいくつかの実施形態における採取システムの概略図である。
図2図2Aおよび2Bは、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の側面図および正面図である。図2Cは、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の斜視図である。
図3図3は、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の立体分解図である。
図4図4は、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の分岐管を示す。
図5図5Aおよび5Bは、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の分岐管を示す。
図6図6Aおよび6Bは、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の流入口を示す。
図7図7は、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の、光源が設けられた流入口を示す。
図8図8Aおよび8Bは、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の、光源が設けられた流入口を示す。
図9図9Aおよび9Bは、本発明のいくつかの実施形態における海中ポンプを概略的に示した側面図および斜視図である。
図10図10は、本発明のいくつかの実施形態における、動物プランクトンまたは中深海魚を汲み上げるためのポンプ手段を示す。
図11図11Aは、水中装置を包囲して保護する構造体上にポンプ手段が配置された採取システムの概略図である。図11Bは、水中装置を包囲して保護する構造体上にポンプ手段が配置された採取システムを上から見た概略図である。図11Cは、水中装置を包囲して保護する構造体上にポンプ手段が配置された採取システムを下から見た概略図である。
図12図12Aは、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の断面図である。図12Bは、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の下面図である。
図13図13は、本発明のいくつかの態様における方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0096】
図1Aは、水中装置1が、海中ポンプ2と、水中装置1および海中ポンプ2を配置するための手段3とに連結されている採取システム11を示している。
【0097】
図1Bは、採取システム11とは別の構成を有する採取システム12を示している。採取システム12においては、ポンプ手段6が海岸または水上船に配置された状態で、水中装置4が該水中装置を配置するための手段5に連結されている。
【0098】
図1Cに示すように、採取システムはまた別の構成を有していてもよく、採取システム13においては、水中装置7が、海中ポンプ8と、水中装置7および海中ポンプ8を配置するための手段9とに連結されている。手段9は、動物プランクトンまたは中深海魚を採取する操作が最適化されるように、海岸または水上船に配置されたポンプ手段10にさらに連結されている。
【0099】
図1Dは、水中装置16上にポンプ手段、すなわち、海中ポンプ15が配置された採取システム14を示している。水中装置16には、水中装置16を配置するための手段17が連結されている。例えば、このポンプ手段は水中装置16を包囲する保護するフレーム上に配置されていてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、水中装置16を配置するための手段17は、海中ポンプ15を介して該水中装置に連結されていてもよい。図1Eは、水中装置が可撓性ホースで水上船に連結されている採取システムの概略図である。この可撓性ホースは、水上船に配置された巻上機により配置される。このホースには、使用時に水中装置が適切な位置に配置されるよう、浮きが取り付けられている。
【0101】
海中ポンプは、動物プランクトンまたは中深海魚を水上船へと汲み上げるために用いられる。この海中ポンプは、ケーブルグリップでホースに固定されている。電力は、アンビリカル巻上機によって配置されるアンビリカルを介して水中装置へと供給される。海中ポンプへの電力供給は、アンビリカルを通じて水中装置から延びるケーブルを介して行われる。別のいくつかの実施形態において、海中ポンプへの電力供給は、直接アンビリカルケーブルを介して行われていてもよい。
【0102】
図2A、2Bおよび2Cは、水中装置におけるホースへの流出口と、水中装置の外面に配置された浮力要素が示されている水中装置の図である。
【0103】
図3は、水中装置の立体分解図を示している。この図において、分岐管(2)、LEDを備えた分岐管、浮き(27)、ジャンクションボックス(28)、外部カメラ(25)、群泳用の外部LED(26)、後方翼部(15)、および水中装置の外面を構成する複数のプレートが示されている。
【0104】
図4は、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の三又槍形状の分岐管を示している。
【0105】
図5Aおよび5Bは、本発明のいくつかの実施形態における水中装置の三又槍形状の分岐管への流入口の位置を示している。
【0106】
図6Aおよび6Bは、それぞれ円錐形の流入用漏斗体および鐘形の流入用漏斗体を示している。
【0107】
図7、8Aおよび8Bは、流入用漏斗体の広口面または広口領域内の側面開口部に光源が配置された、水中装置の流入口を示している。
【0108】
図9Aおよび9Bは、本発明のいくつかの実施形態における海中ポンプを概略的に示した側面図および斜視図である。
【0109】
図10は、本発明のいくつかの実施形態において動物プランクトンまたは中深海魚を汲み上げるためのポンプ手段として使用可能な水上ポンプを示している。
【0110】
図11A、11Bおよび11Cは、水中装置を包囲して保護する構造体上にポンプ手段が配置された、本発明の採取システムの概略図である。
【0111】
図11A、11Bおよび11Cは、水中装置23を包囲して保護する構造体18上にポンプ手段(すなわち海中ポンプ19)が配置された採取システム24の概略図である。
【0112】
いくつかの実施形態において、構造体18は、水中装置23の浮揚性と保護という点で優れた機能的特徴を有するかご状フレームまたはかご状構造体である。例えば、採取システム24は、水中装置23、かご体18およびポンプ手段19を中立的に浮揚させるために、かご状構造体18または水中採取システム24に取り付けられたさらなる浮力調節要素を有していてもよい。
【0113】
一般に、ポンプ手段が配置されたかご状構造体18の存在は、採取システム24の保護と取扱という点で有利であり、また水中装置23を所望の水平位置で動作させるのに必要な浮力調節が可能になるという利点を有する。水中装置23の位置を確認するために、かご状構造体18に位置センサーが配置されていてもよい。
【0114】
図11A、11Bおよび11Cに示すように、採取システム24は、ショックアブソーバー、バンパーまたはクッションなどの、小規模な衝突が発生した際の衝撃を吸収する要素22を有していてもよい。
【0115】
ショックアブソーバー22は、水中装置23を包囲するかご状構造体18の一部をなす環状の構造体に配置されていてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態において、ショックアブソーバー22は、浮きなどの浮力調節要素であってもよい。
【0117】
いくつかの実施形態において、ポンプ手段19の周囲に、音および振動を減衰させる要素、例えば、ゴム製要素などが配置されていてもよい。このような要素を配置することにより、汲み上げ過程で生じる、動物プランクトンまたは中深海魚を動揺させる可能性のある音および振動を減衰させることができる。
【0118】
図11A、11Bおよび11Cのかご状構造体18を有する採取システム24には、水中装置に電力および光ファイバーを供給するためのアンビリカルケーブルまたはアンビリカル20も示されている。
【0119】
アンビリカル20がケース18の環状の構造体に巻き付いた状態であることは好都合かもしれない。
【0120】
図11A、11Bおよび11Cには、流体連通部または可撓性ホース21が示されている。
【0121】
可撓性ホース21とアンビリカル20がからみ合わないように、互いに向かい合って、かご状構造体18の両側に配置されていてもよく、そのような配置にすることで結果として中立的に浮揚させることができるため、好都合である。
【0122】
水中装置23を内包するかご状構造体18は、別の巻上機により動作するさらなる連結部またはロープによって配置されていてもよい。
【0123】
その場合、かご状構造体18は、自体の配置に関わるさらなる連結部またはロープを固定するための適切な固定手段を備えていてもよい。
【0124】
図11Cに示すように、水中装置23には、水中装置23より下の領域を照射する光源27などのさらなる光源が、前記流入口の開口より下に配置されていてもよい。
【0125】
水中装置23より下の領域には、採取過程を確認できるように、カメラ25および26がさらに配置されていてもよい。
【0126】
図11Cに示すように、開放流入口には、詰まりが生じないように、篩分手段、すなわちグリッドが備えられていなくてもよい。
【0127】
図12Aおよび12Bは、本発明における別のいくつかの実施形態における水中装置の断面図および下面図である。
【0128】
図12Aおよび12Bは、水中装置29に、水中装置29の底面の大部分を占める広い開放流入口30が1つだけ設けられていることを特徴とする採取システム28を示している。
【0129】
開放流入口30は円錐形であってよく、開口サイズは分岐管に向かって小さくなる。開口部30には、開口部の周囲および/または内部に1つの光源が配置されていてもよく、あるいは複数の光源が配置されていてもよい。
【0130】
円錐形の開放流入口30は、動物プランクトンもしくは中深海魚を誘引するために使用する可視領域または目的の波長範囲の光を高反射する材料でコーティングされていてもよく、該材料で作られていてもよい。
【0131】
その場合、開放流入口30には、青色光などを発する環状の光源などの1以上の光源が配置されていてもよく、該光源が該流入口の周辺の領域および/または該流入口の内部の領域を照射することにより、該流入口内の動物プランクトンまたは中深海魚を、分岐管の方向へと誘導することができる。
【0132】
図13は、本発明のいくつかの態様における方法を示したフローチャートである。
【0133】
本発明における動物プランクトンまたは中深海魚を採取する方法は、
-(S1)海中に前記水中装置を降下する工程;
-(S2)動物プランクトンまたは中深海魚を光照射領域へと群泳させる工程;および
-(S3)前記動物プランクトンまたは前記中深海魚が含まれる流体を前記水上船または海岸へと汲み上げる工程
を含む。
【0134】
降下した水中装置を、識別を実施した所望の領域へと移動させてもよい。この水中装置をより深いところにある所望の採取領域へとさらに降下させたり、あるいは別の所望の領域にけん引したりして、該装置を移動させてもよい。
【0135】
群泳させるために使用する特定の光の照射は、異なる生物種が群泳するように調整することが可能であり、また群泳が改善するように調整することも可能である。
【0136】
前記水中装置の周辺の領域を音響的または視覚的に調査することにより、採取する生物種の識別を行ってもよい。
【0137】
音響的な調査は、音波探知機または音響測深機により行うことが可能である。
【0138】
動物プランクトンまたは中深海魚の識別および調査は、少量のサンプルを前記水上船または海岸へと汲み上げることにより行うことも可能である。
【0139】
また、混獲の制御も、ポンプで汲み上げた少量のサンプルを視覚的に調査することにより可能であり、また前記1以上の流入口に入る動物プランクトンまたは中深海魚の大きさを選別するための篩分手段、例えば、一定の間隔を有するメッシュ、ネットまたは金網などを用いることによっても可能である。
【0140】
動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる流体は、前記水上船または海岸に汲み上げられた後、処理される。
【0141】
本発明について、特定の実施形態と関連させて説明してきたが、本発明は提示した例によって限定されるものではない。本発明の範囲は添付の請求項によって規定される。請求項における「有している、含んでいる、備えている」または「有する、含む、備える」という用語は、記載外の考えられる構成要素または工程を除外しない。また、「a」または「an」などと記載されていても、複数であることを除外するものではない。図中に記載の構成要素に関して請求項で使用される参照符号も、本発明の範囲を限定するものではない。さらに、別々の請求項に記載される個々の特徴を有利に組み合わせてもよく、このように複数の特徴が別々の請求項に記載されていても、これらの特徴を組み合わせることが可能で有利であることは除外されない。


図1A-C】
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物プランクトンまたは中深海魚を採取するための採取システムであって、
-海中に降下されけん引される水中装置と、
-該水中装置と水上船とを流体連通させる流体連通部とを有し、
前記水中装置が、動物プランクトンまたは中深海魚が含まれる流体を取り込むことができる1以上の流入口が設けられたハウジングを有すること、
該ハウジングが、1以上の分岐管を有すること、
前記水中装置が、動物プランクトンを光照射領域へと群泳させるための1以上の光源をさらに有すること、
前記1以上の流入口が、前記1以上の分岐管への流入口であり、該1以上の分岐管が、前記流体連通部に収束すること、および
前記1以上の光源が、前記1以上の流入口の内部にあること、
を特徴とする採取システム。