(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101510
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240722BHJP
B60L 53/53 20190101ALI20240722BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20240722BHJP
B60L 53/64 20190101ALI20240722BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/00 303C
B60L53/53
B60L53/67
B60L53/64
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070136
(22)【出願日】2023-04-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-17
(31)【優先権主張番号】18/098,062
(32)【優先日】2023-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505326623
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
【住所又は居所原語表記】31-1 Xingbang Road, Guishan Industrial Zone, Taoyuan City 33370, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李聖華
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス・ロハス セルジョ
(72)【発明者】
【氏名】林佑錫
(72)【発明者】
【氏名】許祐棋
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA11
5G503CC02
5G503DA04
5G503DA07
5G503DA17
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5H125AA01
5H125AC23
5H125BE02
5H125CD10
5H125DD02
5H125EE61
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パワー損失を低減し、電力供給コストを削減し、高パワーの急速充電機能を実現する受電システムを提供する。
【解決手段】インバータと、複数の充電装置4と、第1の双方向蓄電モジュー5と、第2の双方向蓄電モジュール6と、スマートコントローラ7とを含む充電システム1であって、充電装置は、DC/DC電気コンバータ40と充電器41を含む。第1の双方向蓄電モジュールは、第1の双方向DC/DC電気コンバータ51と第1の電池50を含み、インバータによって供給される電気エネルギーを受信して変換し、第1の電池を充電する。第2の双方向蓄電モジュール6は、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61と第2の電池60を含み、DC/DC電気コンバータによって出力される電気エネルギーを受信して変換し、第2の電池を充電する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源入力部と、インバータと、直流バスと、少なくとも1つの充電装置と、第1の双方向蓄電モジュールと、第2の双方向蓄電モジュールと、スマート コントローラとを含む充電システムであって、
前記電源入力部は、電力網に電気的に接続され、交流入力電源を出力し、
前記インバータは、前記交流入力電源を直流電源に変換し、
前記直流バスは、前記インバータに電気的に接続され、
前記少なくとも1つの充電装置は、DC/DC電気コンバータと充電器を含み、
前記第1の双方向蓄電モジュールは、第1の電池と第1の双方向DC/DC電気コンバータを含み、前記第1の双方向DC/DC電気コンバータは、前記直流バスを介して前記インバータによって供給される前記直流電源を受信して変換し、前記第1の電池を充電し、または前記第1の電池の第1の貯蔵電気エネルギーを変換し、前記直流バスを介して少なくとも1つのDC/DC電気コンバータに送信し、
前記第2の双方向蓄電モジュールは、第2の電池と第2の双方向DC/DC電気コンバータを含み、前記第2の双方向DC/DC電気コンバータは、前記少なくとも1つの充電装置と前記第2の電池との間に電気的に接続され、前記DC/DC電気コンバータによって出力される電気エネルギーを受信して変換し、前記第2の電池を充電し、または前記第2の電池の第2の貯蔵電気エネルギーを変換し、対応する前記DC/DC電気コンバータを介して対応する前記充電器に供給し、
前記スマート コントローラは、前記電源入力部、前記第1の双方向蓄電モジュール、及び前記第2の双方向蓄電モジュールに電気的に接続されている、充電システム。
【請求項2】
前記スマート コントローラは、前記電力網が正常に動作していることを検出し、前記第2の電池の貯蔵電力量が第1の電力量しきい値よりも大きいことを検出し、充電要求情報により、前記充電器に接続された負荷を高パワーで充電する必要があることを示す場合、前記スマート コントローラは、前記第2の双方向DC/DC電気コンバータを制御して、前記第2の電池の第2の貯蔵電気エネルギーを最も高いパワーで変換する、請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記スマート コントローラは、前記電力網が正常に動作していることを検出し、前記第2の電池の貯蔵電力量が第1の電力量しきい値よりも低く、第2の電力量しきい値よりも大きいことを検出すると、前記スマート コントローラは、電気料金情報に基づいて前記第2の双方向DC/DC電気コンバータの動作を制御する、請求項1に記載の充電システム。
【請求項4】
前記電気料金情報により、現在の電気料金が予め設定された電気料金よりも高いことを示す場合、前記スマート コントローラは、前記第2の双方向DC/DC電気コンバータが動作しないように制御し、前記電気料金情報により、現在の電気料金が前記予め設定された電気料金以下であることを示す場合、前記スマート コントローラは、第2の双方向DC/DC電気コンバータが動作するように制御し、前記DC/DC電気コンバータによって出力される電気エネルギーを変換して、前記第2の電池を充電する、請求項3に記載の充電システム。
【請求項5】
前記スマート コントローラは、前記電力網が正常に動作していないことを検出すると、前記スマート コントローラは、前記第1の双方向DC/DC電気コンバータを制御して、前記第1の電池の前記第1の貯蔵電気エネルギーを変換し、
前記スマート コントローラはさらに、前記第2の電池の貯蔵電力量が第2の電力量しきい値よりも低いか否かを検出し、前記第2の電池の前記貯蔵電力量が前記第2の電力量しきい値以上である場合、前記スマート コントローラは、前記第2の双方向DC/DC電気コンバータを制御して、前記第2の電池の前記第2の貯蔵電気エネルギーを変換し、前記第2の電池の前記貯蔵電力量が前記第2の電力量しきい値よりも低い場合、前記スマート コントローラは、前記第2の双方向DC/DC電気コンバータの動作を停止するように制御する、請求項1に記載の充電システム。
【請求項6】
前記スマート コントローラは、前記第2の電池の貯蔵電力量が第2の電力量しきい値よりも低いことを検出すると、前記スマート コントローラは、前記第2の双方向DC/DC電気コンバータを制御して、前記第1の双方向DC/DC電気コンバータによって供給される電気エネルギーを変換し、前記第2の電池を充電し、
前記第2の電池の前記貯蔵電力量が前記第2の電力量しきい値以上になると、前記スマート コントローラは、前記第2の双方向DC/DC電気コンバータの動作を停止するように制御する、請求項1に記載の充電システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの充電装置は複数であり、前記充電システムは、各前記充電装置の前記DC/DC電気コンバータと前記第2の双方向蓄電モジュールの前記第2の双方向DC/DC電気コンバータとの間に電気的に接続された分配機をさらに含み、
前記分配機は、前記スマート コントローラによって制御されて、全ての前記DC/DC電気コンバータから1つの前記DC/DC電気コンバータを選択して、前記第2の双方向DC/DC電気コンバータと導通し、第2の電池の充電または放電経路を提供する、請求項1に記載の充電システム。
【請求項8】
前記第1の電池の容量は前記第2の電池の容量以上である、請求項1に記載の充電システム。
【請求項9】
前記第1の電池はエネルギー型であり、前記第2の電池はパワー型である、請求項1に記載の充電システム。
【請求項10】
前記第2の双方向DC/DC電気コンバータは、非分離回路で構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項11】
前記スマート コントローラは、前記電力網が正常に動作しているか否か、前記第1の電池の電力量、前記第2の電池の電力量、電気料金情報、及び負荷の充電要求情報に応じて、前記第1の双方向DC/DC電気コンバータ及び前記第2の双方向DC/DC電気コンバータの動作を制御する、請求項1に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システムに関し、特に、パワー損失を低減し、電力供給コストを削減し、高パワーの急速充電を提供することができる充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車やオートバイは、長い間ガソリンを主な動力源としているが、近年、環境保護意識の普及と限られた資源に関する多くの議論により、人々は次世代の移動手段について考え始めており、現在徐々に形作られている移動手段は電気自動車であり、電気自動車の開発を通じて、環境保護と限られた資源の問題を解決することが期待されている。
【0003】
現在、市場に出回っている電気自動車の製造技術は日々成熟しており、今後、電気自動車が主流になることは必至であり、電気自動車の動力源を提供する充電システム(充電ステーション)も徐々に広く設置されている。
【0004】
しかし、現在の充電システムによって供給される充電電気エネルギーは、電気自動車に供給される前に複数のパワー段のコンバータを通過する必要があるため、充電システムに多くのパワー損失が発生する。さらに、電気エネルギーのコストが高い場合、前記充電システムのパワー損失は、充電システムの追加の電力供給コストにつながる。また、現在の充電システムの最大充電パワーは、接続された電力網によって制限されるため、高パワーの急速充電機能を効果的に提供することができない。
【0005】
そこで、上記の欠点を克服するための充電システムをどのように開発するかが、現在最も解決すべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、第1の双方向蓄電モジュールに加えて、第2の双方向蓄電モジュールをさらに含み、第2の双方向蓄電モジュールにより、パワー損失を低減し、電力供給コストを削減し、高パワーの急速充電機能を提供するという利点を実現する、充電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の広範な実施態様では、電源入力部と、インバータと、直流バスと、充電装置と、第1の双方向蓄電モジュールと、第2の双方向蓄電モジュールと、スマート コントローラとを含む充電システムを提供する。前記電源入力部は、電力網に電気的に接続され、交流入力電源を出力する。前記インバータは、交流入力電源を直流電源に変換する。前記直流バスは、インバータに電気的に接続されている。前記充電装置は、DC/DC電気コンバータと充電器を含み、DC/DC電気コンバータはバスバーに電気的に接続され、充電器はDC/DC電気コンバータに電気的に接続されている。前記第1の双方向蓄電モジュールは、第1の電池と第1の双方向DC/DC電気コンバータを含み、第1の双方向DC/DC電気コンバータは、直流バスを介してインバータによって供給される直流電源を受信して変換し、第1の電池を充電し、または第1の電池の第1の貯蔵電気エネルギーを変換し、直流バスを介してDC/DC電気コンバータに送信する。前記第2の双方向蓄電モジュールは、第2の電池と第2の双方向DC/DC電気コンバータを含み、第2の双方向DC/DC電気コンバータは、少なくとも1つの充電装置と第2の電池との間に電気的に接続され、DC/DC電気コンバータによって出力される電気エネルギーを受信して変換し、第2の電池を充電し、または第2の電池の第2の貯蔵電気エネルギーを変換し、対応するDC/DC電気コンバータを介して対応する充電器に供給する。前記スマート コントローラは、電源入力部、第1の双方向蓄電モジュール、及び第2の双方向蓄電モジュールに電気的に接続されている。スマート コントローラは、電力網が正常に動作しているか否か、第1の電池の電力量、第2の電池の電力量、電気料金情報、及び負荷の充電要求情報に応じて、第1の双方向DC/DC電気コンバータ及び第2の双方向DC/DC電気コンバータの動作を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の好ましい実施形態の充電システムのシステムブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴と利点を示すいくつかの典型的な実施形態について、後述の説明において詳細に記述する。本発明は異なる態様において様々な変更を加えることができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に説明するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
【0010】
図1を参照し、本発明の好ましい実施形態の充電システムのシステムブロック図である。
図1に示すように、本発明の充電システム1は、電気自動車の充電ステーションであってもよいが、これに限定されない。充電システム1は、電源入力部2、インバータ3、直流バスDCBUS、少なくとも1つの充電装置4、第1の双方向蓄電モジュール5、第2の双方向蓄電モジュール6、及びスマート コントローラ7を含む。
【0011】
電源入力部2は、交流入力電源を出力する。いくつかの実施形態では、電源入力部2は電力網10に電気的に接続することができ、電力網10が正常に動作している場合、電源入力部2によって出力される交流入力電源は、電力網10から供給される。また、電源入力部2は、パワーレギュレーションシステム(Power Conversion System、PCS)20、変圧設備TR、及びバックアップ電池21をさらに含むことができる。変圧設備TRは、電源入力部2の出力端に電気的に接続され、例えばトランスで構成されることができる。パワーレギュレーションシステム20は、蓄電双方向変流器であり得、バックアップ電池21と変圧設備TRとの間に電気的に接続され、電力網10が正常に動作している場合、パワーレギュレーションシステム20は、変圧設備TRを介して電力網10によって供給される電気エネルギーを受信して変換し、バックアップ電池21を充電することができる。緊急トリップなどの緊急事態など、電力網10が異常である場合、パワーレギュレーションシステム20は、バックアップ電池21の電気エネルギーを変換し、変圧設備TRを介して電源入力部2の出力端に供給することで、電源入力部2は交流入力電源を供給する。
【0012】
インバータ3は、電源入力部2と直流バスDCBUSとの間に電気的に接続され、電源入力部2によって供給される交流入力電源を直流電源に変換する。いくつかの実施形態では、インバータ3は、固体トランス(Solid State Transformer、SST)であってもよいが、これに限定されない。
【0013】
充電装置4の数は1つまたは複数であってもよく、
図1には、複数の充電装置4が示されている。各充電装置4は、直流バスDCBUSに電気的に接続されている。充電装置4は、受信した電気エネルギーを変換し、例えば、インバータ3によって供給される直流電源を変換し、電気自動車などの負荷が充電装置4に接続されると、負荷を充電することができる。また、各充電装置4は、DC/DC電気コンバータ40と充電器41を含む。DC/DC電気コンバータ40は、直流バスDCBUSに電気的に接続され、受信した直流電気エネルギーを別の電圧レベルの直流電気エネルギーに変換して、充電器41に供給する。充電器41は、DC/DC電気コンバータ40に電気的に接続され、負荷に選択的に接続可能であり、DC/DC電気コンバータ40によって出力される直流電気エネルギーを負荷に供給して、負荷を充電する。また、負荷のコントローラ(図示せず)及び充電システム1は、ハンドシェーク通信により、例えばスマート コントローラ7との間で充電要求及び充電システム1の電力供給能力についての合意(協調)に達すると、充電システム1は負荷を充電することができる。
【0014】
第1の双方向蓄電モジュール5は、直流バスDCBUSを介してインバータ3及び全ての充電装置4のDC/DC電気コンバータ40に電気的に接続され、直流バスDCBUSを介してインバータ3によって供給される直流電源を受信して充電し、または第1の貯蔵電気エネルギーを供給し、直流バスDCBUSを介して充電装置4のDC/DC電気コンバータ40に送信する。いくつかの実施形態では、第1の双方向蓄電モジュール5は、第1の電池50と第1の双方向DC/DC電気コンバータ51を含む。第1の双方向DC/DC電気コンバータ51は、直流バス DC BUS及び第1の電池50に電気的に接続され、直流バス DC BUSを介してインバータ3によって供給される直流電源を受信して変換し、第1の電池50を充電し、または第1の電池50の第1の貯蔵電気エネルギーを変換し、直流バス DC BUSを介して充電装置4のDC/DC電気コンバータ40に送信することができる。
【0015】
第2の双方向蓄電モジュール6は、第1の双方向蓄電モジュール5のように直流バスDCBUSに直接電気的に接続されるのではなく、充電装置4のDC/DC電気コンバータ40に電気的に接続され、DC/DC電気コンバータ40によって出力される直流電気エネルギーによって充電され、または第2の貯蔵電気エネルギーを充電装置4に供給する。いくつかの実施形態では、第2の双方向蓄電モジュール6は、第2の電池60と第2の双方向DC/DC電気コンバータ61を含む。第2の双方向DC/DC電気コンバータ61は、充電装置4と第2の電池60との間に電気的に接続され、DC/DC電気コンバータ40によって出力される直流電気エネルギーを受信して変換し、第2の電池60を充電し、または第2の電池60の第2の貯蔵電気エネルギーを変換し、対応するDC/DC電気コンバータ40を介して対応する充電器41に供給することができる。
【0016】
スマート コントローラ7は、電源入力部2、第1の双方向蓄電モジュール5、及び第2の双方向蓄電モジュール6に電気的に接続され、第1の双方向蓄電モジュール5の第1の双方向DC/DC電気コンバータ51の動作及び第2の双方向蓄電モジュール6の第2の双方向DC/DC電気コンバータ61の動作を制御する。また、スマート コントローラ7は、電力網10が正常に動作しているか否かを検出し、第1の電池50及び第2の電池60の電力量を検出することができる。また、スマート コントローラ7は、電力会社からの電気料金情報を有線または無線で受信することができる。また、充電器41が負荷に接続されると、スマート コントローラ7は、負荷からの充電要求情報を受信することができる。さらに、スマート コントローラ7は、電力網10が正常に動作しているか否か、第1の電池50の電力量、第2の電池60の電力量、電気料金情報、及び充電要求情報に応じて、第1の双方向DC/DC電気コンバータ51及び第2の双方向DC/DC電気コンバータ61の動作を制御する。
【0017】
スマート コントローラ7は、電力網10が正常に動作していることを検出し、第2の電池60の貯蔵電力量が予め設定された第1の電力量しきい値よりも大きい(第2の電池60が満充電であることを表す)ことを検出し、充電要求情報により、充電器41に接続された負荷を高パワーで充電する必要があることを示す場合、スマート コントローラ7は、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61を制御して、第2の電池60の第2の貯蔵電気エネルギーを最も高いパワーで変換し、対応するDC/DC電気コンバータ40を介して対応する充電器41に供給する。このとき、負荷に接続された充電器41が受信する電気エネルギーは、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61によって変換された電気エネルギーであってもよく、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61によって変換された電気エネルギーと充電装置4によって変換された電気エネルギーとの和であってもよい。
【0018】
スマート コントローラ7は、電力網10が正常に動作していることを検出し、第2の電池60の貯蔵電力量が予め設定された第1の電力量しきい値よりも低く、予め設定された第2の電力量しきい値よりも大きいことを検出すると、スマート コントローラ7は、電気料金情報に基づいて第2の双方向DC/DC電気コンバータ61の動作を制御し、電気料金情報により、現在の電気料金が予め設定された電気料金よりも高いことを示す場合、スマート コントローラ7は、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61が動作しないように制御し、すなわち、DC/DC電気コンバータ40によって出力される直流電気エネルギーを変換しないことにより、第2の電池60を充電しない。逆に、電気料金情報により、現在の電気料金が予め設定された電気料金以下であることを示す場合、スマート コントローラ7は、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61が動作するように制御し、DC/DC電気コンバータ40によって出力される直流電気エネルギーを変換して、第2の電池60を充電する。
【0019】
スマート コントローラ7は、緊急トリップなど、電力網10が正常に動作していないことを検出すると、スマート コントローラ7は、第1の双方向DC/DC電気コンバータ51を制御して、第1の電池50の第1の貯蔵電気エネルギーを変換し、直流バスDCBUSを介して充電装置4のDC/DC電気コンバータ40に送信する。スマート コントローラ7はさらに、第2の電池60の貯蔵電力量が予め設定された第2の電力量しきい値よりも低いか否かを検出し、第2の電池60の貯蔵電力量が第2の電力量しきい値以上である場合、スマート コントローラ7は、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61を制御して、第2の電池60の第2の貯蔵電気エネルギーを変換し、対応するDC/DC電気コンバータ40を介して対応する充電器41に供給する。逆に、第2の電池60の貯蔵電力量が第2電力量しきい値よりも低い場合、スマート コントローラ7は、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61の動作を停止するように制御し、第2の電池60の第2の貯蔵電気エネルギーを変換しない。
【0020】
スマート コントローラ7は、第2の電池60の貯蔵電力量が予め設定された第2の電力量しきい値よりも低いことを検出すると、スマート コントローラ7は、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61を制御して、第1の双方向DC/DC電気コンバータ41によって供給される直流電気エネルギーを変換し、第2の電池60を充電し、第2の電池60の貯蔵電力量が第2の電力量しきい値以上になると、スマート コントローラ7は、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61の動作を停止するように制御することで、第2の電池60を充電しない。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数の充電装置4に対応して、充電システム1は、各充電装置4のDC/DC電気コンバータ40と第2の双方向蓄電モジュール6の第2の双方向DC/DC電気コンバータ61との間に電気的に接続された分配機8をさらに含む。分配機8はスイッチアレイ(図示せず)を含み、スイッチアレイ内の各スイッチは、第2の双方向蓄電モジュール6の第2の双方向DC/DC電気コンバータ61と対応するDC/DC電気コンバータ40との間に電気的に接続され、分配機8の各スイッチは、スマート コントローラ7によって制御されてオンまたはオフ動作し、分配機8は、スマート コントローラ7によって制御されて、全てのDC/DC電気コンバータ40から1つのDC/DC電気コンバータ40を選択して、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61と導通し、第2の電池60の充電または放電経路を提供することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、第2の双方向蓄電モジュール6は一度に1つの負荷しか充電できないため、第2の双方向DC/DC電気コンバータ61は、分離回路で構成する必要はなく、すなわち、非分離回路で構成され、分配機8のスイッチアレイによって分離を確保することができる。さらに、第2の電池60を充電するとき、インバータ3によって電力網10からの分離を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2の電池60及び第2の双方向DC/DC電気コンバータ61は、第2の双方向蓄電モジュール6に統合されている。他の実施形態では、第2の電池60及び第2の双方向DC/DC電気コンバータ61をそれぞれ独立して設けることもできる。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1の電池51の容量は、第2の電池61の容量以上であることが好ましい。また、第1の電池51は、貯蔵エネルギーが大きいエネルギー型電池であってもよく、第2の電池61は、充放電時のパワーが高いパワー型電池であってもよい。
【0025】
上記のように、本発明は充電システムを提供する。前記充電システムは、第1の双方向蓄電モジュールに加えて、第2の双方向蓄電モジュールをさらに含み、充電器に接続された負荷を高パワーで充電する必要がある場合、充電システムは、第2の双方向蓄電モジュールの第2の双方向DC/DC電気コンバータにより、第2の電池の第2の貯蔵電気エネルギーを最も高いパワーで変換し、対応するDC/DC電気コンバータを介して対応する充電器に供給する。このように、充電システムは、第2の双方向蓄電モジュールにより高パワーの急速充電機能を提供でき、充電システムの最大充電パワーは、接続された電力網によって制限されることもない。さらに、第2の双方向蓄電モジュールによって供給される電気エネルギーは、インバータを通過せず、DC/DC電気コンバータを介して充電器に直接送信されるため、複数のコンバータに流れることを回避でき、充電システムのパワー損失を低減することができる。
【符号の説明】
【0026】
1:充電システム
2:電源入力部
3:インバータ
DCBUS:直流バス
4:充電装置
5:第1の双方向蓄電モジュール
6:第2の双方向蓄電モジュール
7:スマート コントローラ
20:パワーレギュレーションシステム
TR:変圧設備
21:バックアップ電池
40:DC電気コンバータ
41:充電器
50:第1の電池
51:第1の双方向DC/DC電気コンバータ
60:第2の電池
61:第2の双方向DC/DC電気コンバータ
8:分配機