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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101514
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】床板ブロックおよび橋梁
(51)【国際特許分類】
   E01D 1/00 20060101AFI20240722BHJP
   E01D 19/12 20060101ALI20240722BHJP
   E01D 21/00 20060101ALI20240722BHJP
   E01F 15/14 20060101ALI20240722BHJP
   E01F 9/547 20160101ALI20240722BHJP
【FI】
E01D1/00 C
E01D19/12
E01D21/00 B
E01F15/14
E01F9/547
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094496
(22)【出願日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2023005165
(32)【優先日】2023-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592136635
【氏名又は名称】株式会社オーイケ
(74)【代理人】
【識別番号】100102934
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 彰
(72)【発明者】
【氏名】大池 秀実
(72)【発明者】
【氏名】大池 悦二
【テーマコード(参考)】
2D059
2D064
2D101
【Fターム(参考)】
2D059AA14
2D059AA19
2D059CC03
2D059DD16
2D059GG56
2D064AA13
2D064AA22
2D064BA15
2D064EB21
2D101DA02
2D101EA01
2D101FA01
(57)【要約】
【課題】橋梁をさらに効率的に施工あるいは製造できる橋台ブロックを提供する。
【解決手段】橋台100の支承部に乗せられることにより橋梁1を構成するプレキャストされた床板ブロック31であって、床板部32の長手方向に沿った一方の端に、床板部とともに一体で成型された地覆部20であって、内側の長さが床板部の長手方向の長さより短い地覆部を有する床板ブロック31を提供する。地覆部の内側の両端は、床板部の両端より内側に入った位置にあり、橋梁1と道路4との接続領域を有効活用できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋台の支承部に乗せられることにより橋梁を構成するプレキャストされた床板ブロックであって、
床板部の長手方向に沿った一方の端に、前記床板部とともに一体で成型された地覆部であって、上面の少なくとも内側の長さが前記床板部の長手方向の長さより短い地覆部を有する床板ブロック。
【請求項2】
請求項1において、
前記地覆部の前記内側の両端が、前記床板部の両端より内側に入った位置にある、床板ブロック。
【請求項3】
請求項2において、
前記地覆部の外側の両端が、前記床板部の両端より内側に入った位置にある、床板ブロック。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記地覆部の外側の長さが前記内側の長さより長く、長手方向の両端に斜めにカットされた面を含む、床板ブロック。
【請求項5】
請求項4において、
前記斜めにカットされた面は、上方に向くように傾斜した面を含む、床板ブロック。
【請求項6】
橋台の支承部に乗せられることにより橋梁を構成するプレキャストされた床板ブロックであって、
床板部の長手方向に沿った一方の端に、前記床板部とともに一体で成型された地覆部を有し、
前記地覆部の上面の少なくとも内側の端が前記床板部の長手方向の端より後退した位置にある、床板ブロック。
【請求項7】
請求項1または6において、
前記地覆部の両端の少なくとも一方の面は、上方を向くように傾斜した面を含む、床板ブロック。
【請求項8】
橋台の支承部に乗せられることにより橋梁を構成するプレキャストされた床板ブロックであって、
床板部の長手方向に沿った一方の端に、前記床板部とともに一体で成型された地覆部を有し、
前記地覆部の両端の少なくとも一方の面の少なくとも内側の上端が、前記床板部の長手方向の端より後退した位置にある、床板ブロック。
【請求項9】
請求項8において、
前記地覆部の前記両端の少なくとも一方の面は、上方を向くように傾斜した面を含む、床板ブロック。
【請求項10】
請求項1、6および8のいずれかにおいて、
前記地覆部の両端の少なくとも一方の面は、上方を向くように傾斜した面を含み、
前記上方を向くように傾斜した面の一部に車のライトを反射する領域を含む、床板ブロック。
【請求項11】
請求項10において、
前記反射する領域に、反射材が埋設または取り付けられている、床板ブロック。
【請求項12】
請求項10において、
前記反射する領域の角度が前記上方を向くように傾斜した面と異なる、床板ブロック。
【請求項13】
請求項1、6および8のいずれかにおいて、
前記地覆部の内側の面の少なくとも一部に、車のライトを反射する領域を含む、床板ブロック。
【請求項14】
請求項1、6および8のいずれかにおいて、
前記地覆部の上面の少なくとも一部に、車のライトを反射する部材が取り付けられている、床板ブロック。
【請求項15】
橋台と、前記橋台の支承部に乗せられた床板ブロックとを有する橋梁であって、
前記床板ブロックは床板部の長手方向に沿った一方の端に、上面の少なくとも内側の長さが前記床板部の長手方向の長さより短い地覆部が設けられている、橋梁。
【請求項16】
請求項15において、
前記地覆部の前記内側の両端が、前記床板部の両端より内側に入った位置にある、橋梁。
【請求項17】
請求項16において、
前記地覆部の外側の両端が、前記床板部の両端より内側に入った位置にある、橋梁。
【請求項18】
請求項16または17において、
前記地覆部の外側の長さが前記内側の長さより長く、長手方向の両端に斜めにカットされた面を含む、橋梁。
【請求項19】
橋台と、前記橋台の支承部に乗せられた床板ブロックにより構成された床板部とを有する橋梁であって、
床板部の長手方向に沿った一方の端に地覆部を有し、
前記地覆部の上面の少なくとも内側の端が前記床板部の長手方向の端より後退した位置にある、橋梁。
【請求項20】
請求項15または19において、
前記地覆部の両端の少なくとも一方の面は、上方を向くように傾斜した面を含む、橋梁。
【請求項21】
橋台と、前記橋台の支承部に乗せられた床板ブロックにより構成された床板部とを有する橋梁であって、
床板部の長手方向に沿った一方の端に地覆部を有し、
前記地覆部の両端の少なくとも一方の面の少なくとも内側の上端が、前記床板部の長手方向の端より後退した位置にある、橋梁。
【請求項22】
請求項21において、
前記地覆部の前記両端の少なくとも一方の面は、上方を向くように傾斜した面を含む、橋梁。
【請求項23】
請求項15または21において、
前記地覆部の両端の少なくとも一方の面は、上方を向くように傾斜した面を含み、
前記上方を向くように傾斜した面の一部に車のライトを反射する領域を含む、橋梁。
【請求項24】
請求項15、19および21のいずれかにおいて、
前記地覆部の内側の面の少なくとも一部に、車のライトを反射する領域を含む、橋梁。
【請求項25】
請求項15、19および21のいずれかにおいて、
前記地覆部の上面の少なくとも一部に、車のライトを反射する部材が取り付けられている、橋梁。
【請求項26】
請求項15、19および21のいずれかにおいて、
前記橋台は幅方向に並べられた、プレキャストされた複数の橋台ブロックを含み、
前記地覆部を備えた前記床板ブロックの間に、前記地覆部を持たないプレキャストされた床板ブロックが配置されている、橋梁。
【請求項27】
請求項15、19および21のいずれかにおいて、
前記地覆部の上に設けられたハンドレールを有する、橋梁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁を構成する床板ブロックおよびそれを用いた橋梁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プレキャストコンクリート床板の接合および橋梁の構築を容易かつ効率的に行うために、トラス筋の上部がコンクリート板から突出されたプレキャストコンクリート板の短辺方向の両側に、地覆を一体形成することが記載されている。
【0003】
特許文献2には、建築限界を確保しつつ防護柵用支柱の歩道側への張り出しを抑え、歩道における円滑な通行を実現するとともに、衝撃吸収力を十分に確保することができる防護柵用支柱、及び防護柵を提供することを目的とする技術が開示されている。この文献において、防護柵用支柱は、主に前側フランジ、後側フランジ、及び連結片から構成されており、地覆コンクリートにアンカーボルトで固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-252015号公報
【特許文献1】特開2020-84645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
円滑に通行できる橋梁をさらに効率的に施工あるいは製造できる構造および方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、橋台の支承部に乗せられることにより橋梁を構成するプレキャストされた床板ブロックである。この床板ブロックは、床板を構成する床板部と、その床板部の長手方向に沿った一方の端に、床板部とともに一体で成型された地覆部を有する。地覆部は、上面の少なくとも内側の長さが床板部の長手方向の長さより短い。地覆部の上面の少なくとも内側の端が床板部の長手方向の端より後退した位置にあってもよい。地覆部の両端の少なくとも一方の面の少なくとも内側の上端が、床板部の長手方向の端より後退した位置にあってもよい。
【0007】
この床板ブロックは工場で一体成型されているので、現場での地覆部と床板部との間の打ち継ぎがない。このため、地覆部を構成するための鉄筋がさびたり、打ち継ぎ部の強度が低下することを考慮する必要がなく、現場において短時間で橋梁を施工でき、また、地覆部のサイズの自由度が高くなる。このため、上面の少なくとも内側の長さを床板部の長手方向の長さより短くしたり、上面の少なくとも内側の端を床板部の長手方向の端より後退した位置にしたり、地覆部の両端の面の少なくとも内側の上端を、床板部の長手方向の端より後退した位置にすることができる。
【0008】
一例は、地覆部の内側の両端が床板部の両端より内側に入った位置にあるものである。地覆部の内側の長さを床板部の長さより短くすることにより、橋梁の出入り口において車両と地覆部との干渉を防止できる。したがって、橋梁にアクセスする道路と橋梁との間のデッドスペースを少なくすることができ、橋梁の両端および/またはその近傍の道路との接続領域を有効活用できる。
【0009】
地覆部の外側の両端が、床板部の両端より内側に入った位置にあってもよく、地覆部の外側の長さが内側の長さより長く、長手方向の両端に斜めにカットされた面を含んでもよい。地覆部の両端の少なくとも一方の面は、上方を向くように傾斜した面を含んでもよい。上方を向くように傾斜した面の一部に車のライトを反射する領域を含んでもよい。反射する領域には、反射材が埋設または取り付けられていてもよい。反射する領域の角度は地覆の両端の上方を向くように傾斜した面と異なってもよい。さらに、地覆部の内側の面の少なくとも一部に、車のライトを反射する領域を含んでもよい。地覆部の上面の少なくとも一部に、車のライトを反射する部材が取り付けられていてもよい。地覆部の両端の識別性または視認性を向上できる。
【0010】
本発明の他の態様の1つは、橋台と、橋台の支承部に乗せられた床板ブロックとを有する橋梁である。床板ブロックの床板部の長手方向に沿った一方の端に、上面の少なくとも内側の長さが床板部の長手方向の長さより短い地覆部が設けられている。地覆部の上面の少なくとも内側の端が床板部の長手方向の端より後退した位置にあってもよく、地覆部の両端の少なくとも一方の面の少なくとも内側の上端が、床板部の長手方向の端より後退した位置にあってもよい。地覆部の内側の両端が、床板部の両端より内側に入った位置にあってもよい。地覆部の外側の両端は、床板部の両端と同じ位置であってもよく、床板部の両端より内側に入った位置であってもよい。地覆部の外側の長さが内側の長さより長い場合は、地覆部が長手方向の両端に斜めにカットされた面を含んでもよい。
【0011】
地覆部の両端の少なくとも一方の面は、上方を向くように傾斜した面を含んでもよい。上方を向くように傾斜した面の一部に車のライトを反射する領域を含んでもよい。橋台は幅方向に並べられた、プレキャストされた複数の橋台ブロックを含み、地覆部を備えた床板ブロックの間に、地覆を持たないプレキャストされた床板ブロックが配置されていてもよい。橋梁は、地覆部の上に設けられたハンドレールを有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】施工された橋梁の概要を示す図。
図2】橋梁を施工する様子を示す図。
図3】施工された橋梁の一例を示す図。
図4】施工された橋梁の他の例を示す図。
図5】橋台ブロックと床板ブロックとを接続する様子を示す図。
図6】橋台ブロックと床板ブロックとを連結する様子を示す図。
図7】橋台ブロックと床板ブロックにて橋梁を施工する様子を示す図。
図8】橋梁を上から見た状態を示す図。
図9】橋梁の上部構造の端面および断面図。
図10】床板ブロックをプレハブする型枠を示す図。
図11】床板ブロックの平面、底面、正面、背面、側面および断面を示す図。
図12】橋梁の上部構造の他の例を示す図。
図13】床板ブロックの異なる例の平面、底面、正面および背面を示す図。
図14】橋梁の上部構造の他の例を示す図。
図15】橋梁の上部構造の他の例を示す図。
図16】施工された橋梁の他の例の概要を示す図。
図17】橋梁を上から見た様子を示す図。
図18】橋梁の上部構造を上から見た状態を示す図。
図19】橋梁の上部構造の端面および断面図。
図20】地覆部の端部のいくつかの例を示す断面図。
図21】橋梁の上部構造の異なる例を上から見た状態を示す図。
図22】床板ブロックの異なる例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に、本発明の一例である橋梁(橋、橋構造体)の概要を示す。図2に、橋梁1を製造(施工)する様子を示す。橋梁1は、河川2などの障害となるものの上を横断する構造体であり、河川2の護岸5の両側3に配置された橋台100と、両側の橋台100に支持され、河川2を跨ぐように配置された床板ブロック(床版ブロック)30および31とを含む。床板ブロック31の一例は地覆(地覆部)20を備えており、橋梁1は、地覆部20に設置された防護柵(ハンドレール、欄干)40を含む。橋台100は、一体型で工場プレハブ(プレキャスト)され、強度の高い上部(上部構造)11を備えた複数の橋台ブロック10を設置することにより施工される。また、床板(床版、スラブ板)30および31も、工場プレハブ(プレキャスト)されており、両側の床板ブロック31は地覆20も含めてプレキャストされている。したがって、橋梁1は、これらのプレキャストされたコンクリート製のブロック(部品)10、30および31を現場において組み立てることにより、短期間で施工することができ、施工に要する労力も軽減できる。
【0014】
橋梁1の一例は、スパン(橋台ブロック間の距離)が3mを超え、概ね10m程度以下、さらに好適には、スパンが8m以下の現場で、輪荷重が、例えば、8トン以上の道路4を設置するなどの目的で施工される橋梁1に適している。さらに、河川2などに既存の護岸構造物5がある場所において、護岸構造物5を概ね保存した状態で、河川2を堰き止めたり、流れを変えることなく、最短のスパンで橋梁1を施工する場合に適している。なお、上記の数値は例示であり、これに限定されるものではない。
【0015】
図2に示すように、橋台100を組み立てる橋台ブロック10は、前側(内側)19aに設けられた床板(床版)ブロック30および31を支持する支承部15と、支承部15から立ち上がった、後方19bのパラペット部16とを含む上部(上部構造、床板支持部、床板支持構造)11を有する。橋台ブロック10は、さらに、この上部11と、上部11を支持する竪壁部12と、竪壁部12を支持するように前方19aおよび後方19bに延びたフーチング部13とを有し、これらが一体でプレキャストされた逆T字型のコンクリート製の橋台ブロックである。本護岸の擁壁5の背面を、橋台ブロック10が搬入および設置できる程度に掘削し、橋台ブロック10を設置(施工)する。その後、橋台ブロック10の上に、床板ブロック30および/または地覆20がプレハブされた地覆付きの床板ブロック31を乗せる(搭載する)ことで、床板部32を備えた橋梁1を施工できる。橋台ブロックを現場打ちで施工する場合、型枠を組み外すためのスペースがさらに要求されるが、プレキャストされた本例の橋台ブロック10にはそのようなスペースは要さない。床板ブロックの一例は、床板部のみからなるブロック31であり、他の例は、地覆部20と床板部32とが一体になった床板ブロック31である。以下では、床板ブロック31を参照して説明するが、橋台100との接続方法は共通する。
【0016】
例えば、掘削した領域9に、基礎砕石およびベースコンクリートを含む基礎コンクリート層7を施工し、その上に、高さ調整用のグラウトを介して橋台ブロック10を設置してもよい。この方法により、擁壁5を崩さずに橋台ブロック10を施工でき、橋台ブロック10はプレキャストされているので養生期間も基本的に不要であり、短期間で橋梁1を施工できる。
【0017】
さらに、一対の橋台100を組み立てる橋台ブロック10のそれぞれの支承部15の支承面15aにインサート61が埋設されており、インサート61にアンカーバー80をねじ込み、それらを床板31に設けられた貫通孔33に挿入することにより橋台100と床板31とを現場で簡単に組み合わせて橋梁1を施工できる。アンカーバー80を現場で支承面15aに埋設してもよいが、施工に手間がかかり、さらに、床板ブロック(床板)31を乗せて支持するための支承面15aを損傷することとなり、耐久性が低下する。あらかじめ支承面15aにインサート(埋設金物)61を埋設しておき、それにアンカーバー80を取り付けることにより、橋台100に埋設された状態でアンカーバー(アンカーピン)80を設置できる。
【0018】
図3に、橋梁1を上から見た様子を示している。この橋梁1は、護岸5の両側に設けられた道路4および4aを接続する橋として設けられている。橋台100の支承部15に乗せられることにより橋梁1を構成するプレキャストされた床板ブロック31は、床板部32の長手方向Xに沿った一方の端に、床板部32とともに一体で成型された地覆部20を含む。床板ブロック31の外側の辺となる地覆部20の外側22に対して内側21の長さ(さらに具体的には、地覆部20の上面25の内側21の長さ)21wは床板部32の長手方向Xの長さ32wより短く、地覆部20の内側の両端(両上端)21aが、床板部の両端32aより内側に入った位置にある。したがって、橋梁1と道路4または4aとを接続する部分は、地覆部20が通行の障害となりにくい。このため、破線110で示すように、道路4との接続部分の床板部32の領域(接続領域)を車両や人の通行に使用できる。したがって、橋梁1の幅1wのほぼ全体を車両などの通行のために有効利用できる。
【0019】
また、左側の道路4aに示すように、床板部32の端32aを道路4aの一部として使用することも可能となる。このため、道路4および4aを護岸5に近づけて施工することができ、護岸5に近い道路4または4aであっても橋梁1により容易に接続できる。ガードレール49は、護岸5に設けてもよい。
【0020】
図4に、参考として、床板部132の両端132aまで地覆部120の内側121の両端121aが延びた床板ブロック131を用いた橋梁101を示している。破線119に示すように、床板部132の両端まで延びた地覆部120により車両などが通行する領域が限定される。したがって橋梁1と同じ幅1wの橋梁101であっても、道路4との接続部分の通行スペースが限られることにより、橋梁の幅1wの中で実質的に車両の通行に利用できる幅101wは限定されることになる。また、図3の道路4aのように、床板部132の一部を道路に利用することも不可能であり、護岸5からある程度の距離を離して道路4を施工する必要がある。
【0021】
地覆部20の幅(長手方向Xに直交する方向の長さ)および高さ(床板部32から突き出た長さ)は200~400mmであってもよく、300~350mmであってもよい。地覆部20の断面は正方形であってもよく、高さ方向が長い長方形であってもよく、幅方向が長い長方形であってもよい。床板部32の端32aから地覆部20の内側21の端21aまでの距離(片側)は、地覆部20の幅の1~4倍程度であってもよく、1.5~3.5倍程度であってもよく、2~3倍程度であってもよい。地覆部20と床板部32とが工場において一体で成型された(プレキャストされた)床板ブロック31においては、現場で地覆部20を施工する場合よりも耐久性および強度の点で優れており、地覆部20の幅を縮小できる。したがって、この点でも、車両などの通行に活用できる幅の広い橋梁1を提供できる。
【0022】
図5ないし図7に床板ブロック31の一方の端を拡大して例示している。床板ブロック(床板)31には、その長手方向の両側に接続または連結用の貫通孔33が設けられており、それらにアンカーバー80を挿入することにより床板31が橋台100に取り付けられ、橋梁1が組み立てられる。アンカーバー80の一例は、主体となるアンカーピン(鉄筋)81と、その上部(上半部)を覆う弾性カバー(柱体、樹脂体、弾性体部材)82とを含み、アンカーピン81の下側(下半部)はインサート61にねじ込むためのねじ部83が設けられているものである。アンカーバー80の弾性カバー82を貫通孔33に挿入した状態で貫通孔33をコンクリートなどの硬質の充填材39により充填する。これにより、貫通孔33の内部に、弾性カバー82の弾性によりアンカーバー80の周囲にアンカーバー80が移動可能な空間89が設けられる。地覆20が設けられた床板31においても同様に橋台100に取り付けできる。弾性カバー82が設けられたアンカーバー80の代わりに、鉄筋81を挿入し、その周りにウレタンあるいはブチルゴムなどの弾性体を詰め込んでもよい。
【0023】
この橋梁1においては、両側の橋台100の支承面15aに床板(床版)31が乗せられた状態で支持される。すなわち、アンカーバー80の周囲に移動可能な領域89が設けられており、床板31は支承面15aの上に前後(左右)に移動できる状態で搭載され(乗せられ)る。一方、アンカーバー80は貫通孔33に挿入され、その内部に収まるので、床板31の落下も防止できる。したがって、橋梁1は、簡易な構成で、単純梁と、落下防止とを兼ねた構造を備えている。
【0024】
長さが数mから10m程度の橋梁の場合、橋台の上に床板(床版、スラブ板)31を設置する際に、アンカーバー(鉄筋)により橋台と床板とを取付けることが検討されてもよい。アンカーバーは、橋台の施工の際に所定の位置にあらかじめアンカーバーの鉄筋部を埋め込んでもよい。または、橋台が完成した後に橋台の支承部を削孔してその孔にアンカーバーを取り付けてもよく、その後、アンカーバー周辺の孔をコンクリートで埋めてもよい。その後、孔の開いた床板を橋台の上に乗せ、隙間をコンクリートで埋めるという手順が採用されてもよい。
【0025】
この方法の問題点の1つは、アンカーバーの位置決め精度が難しいことである。アンカーバーを固まっていない生コンに設置すると、突き出た部分(鉄筋)が重いのでアンカーバーが傾きやすく、また沈みやすい。したがって、所定の位置に、所定の形状でアンカーバーを設置するためにはアンカーフレームなどを準備する必要があり、大規模な工事となってしまう。また、床板の孔は断面欠損を小さくするために極力小さくしたいにも関わらず施工上の都合で床板の孔を大きくせざるを得ない。橋台が完成した後に支承部を削孔すると断面欠損が大きくなり、車両から衝撃荷重が常に加わる支承部の強度が低下してしまう。さらに、床板に設けた孔の許容範囲にアンカーバーが収まって固定されたとしても、床板の両端が橋台に固定されることになり、単純梁として構造計算に沿った強度を得ることが難しくなるという問題もある。
【0026】
本例の橋梁1においては、橋台100をプレハブされた橋台ブロック10で構成することとし、橋台ブロック10の支承面15aの所定の場所にインサート61を埋設しておくことにより、上記の問題を解決している。プレキャストする際に橋台ブロック10にインサート61を埋め込むことにより、精度の高い位置に、支承面15aの強度を低下させずにインサート61を埋設できる。さらに、そのインサート61に現場で、少なくとも下半部にねじ部83が設けられたアンカーバー(アンカーピン)80を設置する(ねじ込む)ことにより、位置がずれたり、傾いたりすることがない状態で、アンカーバー80を支承面15aに埋設する、または埋設された状態とすることができる。このため、アンカーバー80の設置位置や姿勢に対する誤差をほとんど考慮せずに、床板31に、最小限の口径の貫通孔33を設けることができる。
【0027】
床板ブロック31に設けられた貫通孔33に、支承面15aに埋設されたアンカーバー80を挿入してモルタルあるいはコンクリートなどの硬質の充填材で貫通孔33を埋める方法は短期間で橋梁1を施工するために適している。この方法の異なる課題として、貫通孔33を埋めたモルタルあるいはコンクリート39が凹むということがある。すなわち、現場で充填されたモルタルあるいはコンクリート39は、強度は十分にあるとしても密度などの面でプレハブされた床板31と異なる。したがって、橋梁1を通過する車両などに起因する圧力、振動、床板ブロック31の変位の繰り返しなどにより徐々に下側に圧縮され、表面が凹む傾向がある。この現象により貫通孔33を埋めているコンクリート39が凹むと、貫通孔33の上部にごみや排水がたまりやすくなり見栄えが悪くなるという問題とともに、アンカーバー80の周囲が圧迫され、アンカーバー80が動ける空間89が圧縮される可能性がある。
【0028】
このため、床板31を貫通する貫通孔33は、モルタルまたはコンクリート39が注入される上部開口(上部)36を含むその近傍(上部開口付近)に、上側が広く、下側が狭く縮小したテーパー状の封止部38を含む。例えば、貫通孔33は、上部開口36より径が小さな中間部34を含み、図4に示すように、上方の径よりも下方の径が狭くなった封止部38の下に、アンカーバー80が動く空間89が形成されるようになっている。したがって、床板31を貫通する貫通孔33においては、注入されたモルタルまたはコンクリート39は、上から圧力が加わっても、下側が狭いテーパー構造や下側が狭い段差構造の封止部38により下側に移動することはなく、貫通孔33に挿入されたアンカーバー80の周囲に弾性カバー82により形成された空間89がモルタルやコンクリート39により押しつぶされたりすることがない。このため、弾性カバー82によるアンカーバー80が移動する空間89が確保され、ローラー支点としての機能が維持される。
【0029】
さらに、下側が狭くなった封止部38により、封止部38に注入されて固まった硬質のモルタルまたはコンクリートの充填材39は、封止部38よりも下側に移動しにくい。このため、貫通孔33の上部開口36を埋めた充填材39は凹み難く、床板31の表面に、水溜まりや汚れの原因となる凹みが形成されにくい。また、貫通孔33は、最下部に、アンカーバー80を挿入しやすいように下側に開いた下部開口35を備えていてもよい。
【0030】
図8に、橋台ブロック10と、床板ブロック30および31により組み立てられた橋梁1を上方から見た様子を示している。図9(a)に、床板ブロック30および31により組み立てられた橋上部構造41の端部を示し、図9(b)に橋上部構造41を中央の断面で示している。中央の床板ブロック30は、ほぼ平坦な一枚のプレキャスト板で構成され、左右の床板ブロック31は地覆20と床板部32とが一体成型されたものである。
【0031】
例えば、床板ブロック30および31は幅2m、長さ8mであり、両側に配置された3×2個の橋台ブロック10と、合計3枚の床板ブロック30および31により、全体の幅が6mでスパンが8mの橋梁1が施工されている。床板ブロック31は床板部32と地覆部20とが一体で成型されている。地覆部20の上面(天場)25の外側22の上端22aが、内側21の上端21aとともに床板部32の端32aより内側に入った位置(後退した位置)にあり、地覆部20の外側22の下端22bおよび内側の下端21bも床板部32の端32aより後退した位置にある。このため、地覆部20の両端23はほぼ長手方向Xに対して直交した面となっている。また、地覆部20の両端が同様に形成されている。
【0032】
図10に、ハンドレール40を設置するための地覆部20と床板部32とを一体成型されたコンクリート製の床板ブロック31を製造するための型枠29の一例を示している。地覆20と床板部32とを一体で工場プレハブ(プレキャスト)することにより現場での施工期間を短縮できる。さらに、現場での地覆部20と床板部32との間の打ち継ぎがないので鉄筋がさびたり、打ち継ぎ部の強度が低下することを考慮する必要がなく、地覆部20の幅を薄くすることができる。また、地覆部20の長さを床板部32の長さより短くすることにより、橋梁1の出入り口において車両と地覆20との干渉を防止できる。
【0033】
図11に、床板ブロック(床版ブロック)31を取り出して示している。図11(a)は平面図、図11(b)は底面図、図11(c)は正面図、図11(d)は背面図、図11(e)は右側面図、図11(f)は断面図であり、左側面は右側面と対称となる。本例では、貫通孔33が両端に2つずつ設けられているが、1つずつであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0034】
図12に、異なる形状の地覆部20を備えた床板ブロック31を用いた橋梁1の上部構造41を上から見た様子を示している。床板ブロック31は、床板部32と一体化された地覆部20を含み、地覆部20の内側21の長さは床板部32の長さよりも短い。地覆部20の外側22の長さは、内側21の長さより大きく、長手方向Xの両端の面23は内側に斜めにカットされた面となっている。すなわち、地覆部20の上面25の内側の端(上端)21aが床板部32の端32aより内側に後退した位置にあり、下端21bも内側に後退した位置にある。一方、地覆部20の上面25の外側の端(上端)22aと、下端22bとは床板部32の端32aと同じ位置にある。したがって、地覆部20の端の面23は、内側に向いて傾いた面となっている。地覆部20の内側21の長さを短くして、内側の端21aおよび21bを後退させることにより、上記の床板ブロック31を用いた橋梁1と同様に、道路4との接続部分(接続領域)を有効に活用できる。また、地覆部20の外側22の長さを長くして両端の面23の角度を緩くすることにより見栄えがよく、車両などの通行に障害が起きにくい印象を与えることができる。地覆部20の外側22の両端22aは、床板部32の両端32aと同じ位置にあってもよく、内側に入っていてもよい。すなわち、地覆部20の端の面23は、床板部32の端32aから内側に斜めに延びていてもよく、床板部32の端32aから後退した位置から、内側に斜めに延びていてもよい。
【0035】
図13に、上記の床板ブロック31を取り出して示している。図13(a)は平面図、図13(b)は底面図、図13(c)は正面図、図13(d)は背面図であり、右側面、左側面および断面図は、図11に示した床板ブロックと共通する。
【0036】
図14および図15に、さらに異なる例の床板ブロック31を用いた橋梁1の上部構造41を上から見た様子を示している。床板部32に対する地覆部20の大きさは、それぞれの図に斜線で示すように、床板部32の大きさにより変わってもよく、これらに限定されるものではない。いずれの床板ブロック31においても、その内側21の長さが床板部32の長さより短く、さらに、端部23が内側に位置するようになっている。このため、端部23は隅切りの役目を果たし、車や人が入りやすい橋梁1を施工できる。
【0037】
図16に、さらに異なる床板ブロック31を用いて施工された橋梁1を示している。図17に橋梁1を上から見た様子を示している。この床板ブロック31も複数の橋台ブロック10により構成された橋台100の支承部15に乗せられることにより橋梁1の床板部32を構成するプレキャストされた床板ブロック31である。床板ブロック31は、床板部32の長手方向に沿った一方の端に、床板部32とともに一体で成型された地覆部20を含む。地覆部20の上面25の少なくとも内側21の長さ21wは床板部32の長手方向の長さ32wより短くなっている。また、地覆部20の上面25の少なくとも内側21の端21aは床板部32の長手方向の端32aより後退した位置(内側に入った位置)にある。さらに、地覆部20の両端の少なくとも一方の面23の少なくとも内側21の上端21aは、床板部32の長手方向の端32aより後退した位置にある。
【0038】
この床板ブロック31は、さらに、地覆部20の両端の少なくとも一方の面23が、上方を向くように傾斜した面となっている。すなわち、地覆部20の両端の面23は、内側21の上端21aおよび外側22の上端22aが、下側の端21bおよび22bよりも内側に後退しており、上方に向いた斜めの面となっている。下側の端21bおよび22bは、床板部32の端32aと同じ位置であってもよく、内側に後退した位置であってもよい。この斜めの面23は、上端21aおよび22aに対して、床板部32の端32aに近い下側の端21bおよび22bが低くなっている。したがって、地覆部20の両端の面23は、橋梁1に曲がって出入りする車のタイヤと干渉しにくい。このため、上述した床板ブロック31と同様に、車両が進行方向を変えながら出入りしやすい橋梁1を施工できる。
【0039】
さらに、本例の床板ブロック31においては、地覆部20の両端の上方を向くように傾斜した面23の一部に車のライトを反射する領域50が形成されている。斜め上方に向いた面23に反射領域50を設けることにより、橋梁1に侵入する車のライトを斜め上方に反射することができ、夜間でも地覆部20の両端の位置を識別(視認)しやすくなる。反射する領域50は反射性の塗料などにより形成されていてもよい。反射領域50には、床板ブロック31をプレキャストする際に反射材51が埋設されていてもよい。反射領域50には、床板ブロック31をプレキャストした後に、または、橋梁1の施工時に反射材51を取り付けてもよい。
【0040】
さらに、本例の床板ブロック31においては、地覆部20の内側を向いた面(内面)26の一部に、断続的に、または連続して、複数のライトを反射する領域50が設けられている。内面26の反射領域50にも反射性の塗料が塗布されていてもよく、反射材51が埋設または取り付けられていてもよい。
【0041】
図18に、橋台ブロック10と、床板ブロック30および31により組み立てられた橋梁1の異なる例を上方から見た様子を示している。図19(a)に、床板ブロック30および31により組み立てられた橋上部構造41の端部を示し、図19(b)に地覆部20の構造を断面で示している。本例においても、中央の床板ブロック30は、ほぼ平坦な一枚のプレキャスト板で構成され、左右の床板ブロック31は地覆20と床板部32とが一体成型されたものである。床板ブロック31は床板部32と地覆部20とが一体で成型されており、地覆部20の上面(天場)25の内側21および外側22の上端21aおよび22aが、下側の端21bおよび22bより内側に入り、地覆部20の両端に上方に傾斜した面23が形成されている。さらに、地覆部20の下側の端21bおよび22bが床板部32の端32aより後退した位置にあり、地覆部20の両端の上方に向いた面23は床板部32の両端32aから内側に後退した位置にあり、さらに車両のタイヤとの干渉が発生しにくいようになっている。
【0042】
また、上方に向くように傾斜した面23には、車のライトを反射する領域50が設けられており、反射する領域50の角度は傾斜した面23に対して角度を急にしたり緩くして角度を変えることにより車のライトを運転者に視認しやすく反射できるようにしている。
【0043】
図20に、地覆部20の端(両端)の上方に向いて傾斜した面23のいくつかの例を示している。図20(a)は、傾斜した面23の上方に、地覆部20の上面25から繋がるように反射する面(領域)50が形成されており、反射面50に反射材51が埋設されている。反射材51の一例はダイヤモンドカットされた面を含む埋設物である。反射する面50は、傾斜した面23と同じ角度であってもよく、車のライトを運転者に向けてよりよく反射しやすい角度に設定されていてもよい。
【0044】
図20(b)は、傾斜した面23の中央付近に反射する面50が形成されており、反射材51が埋設されている。図20(c)は、傾斜した面23の中央付近に反射材51が接着剤などにより取り付けられることにより、反射する面50が形成されている。図20(d)は、傾斜した面23の代わりに、地覆部20の上面25に、上方に向いて傾斜した反射面52aが設けられた反射部材52を装着した例である。
【0045】
図21に、橋台ブロック10と、床板ブロック30および31により組み立てられた橋梁1のさらに異なる例を上方から見た様子を示している。床板ブロック31は地覆部20を備えており、地覆部20の上面25の一部に断続的に反射材52が取り付けられている。反射材52は四方に斜め上方に向いた反射面52aを備えており、車のライトからの光を運転者に視認しやすいように反射できる。したがって、夜間であっても、地覆部20が認識しやすい橋梁1を提供できる。
【0046】
図22に、さらに異なる床板ブロック31の端部32の近傍を拡大して示している。この床板ブロック31も床板部32を構成するプレキャストされたコンクリート製のブロックである。床板ブロック31は、床板部32の長手方向に沿った一方の端に、床板部32とともに一体で成型された地覆部20を含む。地覆部20の上面25の内側の上端21aおよび下端21b、および外側の上端22aおよび下端22bは床板部32の長手方向の端32aより後退した位置(内側に入った位置)にあり、地覆部20の両端に上方に向いて傾斜した面23aと、その内側で内側および上側に向いて傾斜した面23bとを含む。それぞれの上側を向いて傾斜した面23aおよび23bの一部に反射材(反射板)51を埋め込むことにより反射領域50が設けられている。この床板ブロック31を用いて橋梁1を施工することが可能であり、地覆部20の両端が上向きおよび内向きに斜めになり、その両端に上向き、および内向きに反射板51が埋め込まれている。このため、地覆部20の両端が夜間でも車のライトで認識しやすく、さらに、曲がりながら橋梁1に侵入するときに車のタイヤと干渉しにくい橋梁1を提供できる。
【0047】
以上に説明したように、本発明のプレキャストされた床板ブロック31を用いることにより、地覆部(地覆)20を備え、耐久性の高い橋梁1を短期間で、低コストで施工し、提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
1 橋梁、 10 橋台ブロック、 20 地覆部
30、31 床板(床板ブロック)、 32 床板部
図1
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