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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101535
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】三次元の理学療法装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/04 20060101AFI20240722BHJP
   C01B 32/158 20170101ALI20240722BHJP
【FI】
A61N1/04
C01B32/158
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197021
(22)【出願日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】202310095427.3
(32)【優先日】2023-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】509312592
【氏名又は名称】北京富納特創新科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲ハン▼ 立
(72)【発明者】
【氏名】潛 力
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲ユイ▼權
【テーマコード(参考)】
4C053
4G146
【Fターム(参考)】
4C053BB05
4C053BB22
4C053BB23
4C053BB24
4G146AA11
4G146AB06
4G146AB07
4G146AC03
4G146AD23
4G146BA04
4G146CB02
(57)【要約】
【課題】本発明は、三次元の理学療法装置を提供する。
【解決手段】三次元の理学療法装置は、フレキシブルパッチ及びコントローラーを含む。前記コントローラーは、前記フレキシブルパッチを制御することに用いられる。前記フレキシブルパッチは、可撓性層、可撓性多孔層、複数の機能層及びフレキシブル多層回路基板を含み、前記可撓性層及び前記可撓性多孔層は、積層して設置され、複数の前記機能層は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、前記フレキシブル多層回路基板は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、複数の層の電極を有する。複数の前記機能層は、それぞれ前記フレキシブル多層回路基板の電極と電気的に接続され、上下方向に隣接する前記機能層が前記フレキシブル多層回路基板の異なる電極と電気的に接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルパッチ及びコントローラーを含む三次元の理学療法装置において、前記コントローラーは、前記フレキシブルパッチを制御することに用いられ、
前記フレキシブルパッチは、可撓性層、可撓性多孔層、複数の機能層及びフレキシブル多層回路基板を含み、前記可撓性層及び前記可撓性多孔層は、積層して設置され、複数の前記機能層は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、前記フレキシブル多層回路基板は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、複数の層の電極を有して、
複数の前記機能層は、それぞれ前記フレキシブル多層回路基板の電極と電気的に接続され、上下方向に隣接する前記機能層が前記フレキシブル多層回路基板の異なる電極と電気的に接続されることを特徴とする三次元の理学療法装置。
【請求項2】
前記フレキシブルパッチには、第一区域が定義され、
前記フレキシブルパッチの第一区域には、Kグループの主機能層対が設けられ、Kグループの前記主機能層対は、前記フレキシブルパッチの第一区域に上から下に順番に配置され、Kが1以上の整数であり、各グループの前記主機能層対にはL個の前記主機能層対が含まれ、L個の前記主機能層対は、上から下に順番に配置され、Lが2以上の整数であり、各前記主機能層対における一方の主機能層と他方の主機能層とは、前記第一区域の左側と右側とに分布されることを特徴とする、請求項1に記載の三次元の理学療法装置。
【請求項3】
前記フレキシブルパッチには、第二区域が定義され、
前記フレキシブルパッチの第二区域には、M個の副機能層が設けられ、M個の前記副機能層は、前記フレキシブルパッチの第二区域に上から下に順番に配置され、MがL以下の整数であることを特徴とする、請求項2に記載の三次元の理学療法装置。
【請求項4】
Kグループの前記主機能層対は、上から下に、順に1、2、3、4…Kの番号が付けられ、L個の前記主機能層対は、上から下に順に1、2、3、4…Lの番号が付けられ、M個の前記副機能層は、上から下に、順に1、2、3、4…Mの番号が付けられ、番号が同じである前記主機能層及び前記副機能層は、前記フレキシブル多層回路基板の同層の電極に電気的に接続されることを特徴とする、請求項3に記載の三次元の理学療法装置。
【請求項5】
前記フレキシブル多層回路基板における電極は、カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤであることを特徴とする、請求項1に記載の三次元の理学療法装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元の理学療法装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人々の物質的な生活水準の継続的な改善に伴い、健康に対する人々の要求もますます高くなっている。従って、理学療法の製品が非常によく売れている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、“Spinning continuous carbon nanotube yarns”、Nature、2002年、第419巻、p.801
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第101239712号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第101284662号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第101314464号明細書
【特許文献4】中国特許出願公開第1483667号明細書
【特許文献5】中国特許出願公開第1982209号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、市販の理学療法の製品は通常、電極で刺激に用いられる機能層と接続しており、各電極は絶縁される必要がある。スペースの制約により、電極の数量は大幅に制限され、刺激に使用される機能層の数量も制限される。そして、人体への刺激領域が小さく、人体体験が悪く、刺激の正確な位置決めを達成することが困難である。
【0006】
これによって、上記技術問題を解決するために、三次元の理学療法装置を提供することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
三次元の理学療法装置は、フレキシブルパッチ及びコントローラーを含む。前記コントローラーは、前記フレキシブルパッチを制御することに用いられる。前記フレキシブルパッチは、可撓性層、可撓性多孔層、複数の機能層及びフレキシブル多層回路基板を含み、前記可撓性層及び前記可撓性多孔層は、積層して設置され、複数の前記機能層は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、前記フレキシブル多層回路基板は、前記可撓性層と前記可撓性多孔層との間に設置され、複数の層の電極を有する。複数の前記機能層は、それぞれ前記フレキシブル多層回路基板の電極と電気的に接続され、上下方向に隣接する前記機能層が前記フレキシブル多層回路基板の異なる電極と電気的に接続される。
【0008】
前記フレキシブルパッチには、第一区域が定義される。前記フレキシブルパッチの第一区域には、Kグループの主機能層対が設けられ、Kグループの前記主機能層対は、前記フレキシブルパッチの第一区域に上から下に順番に配置され、Kが1以上の整数であり、各グループの前記主機能層対にはL個の前記主機能層対が含まれ、L個の前記主機能層対は、上から下に順番に配置され、Lが2以上の整数であり、各前記主機能層対における一方の主機能層と他方の主機能層とは、前記第一区域の左側と右側とに分布される。
【0009】
前記フレキシブルパッチには、第二区域が定義される。前記フレキシブルパッチの第二区域には、M個の副機能層が設けられ、M個の前記副機能層は、前記フレキシブルパッチの第二区域に上から下に順番に配置され、MがL以下の整数である。
【0010】
Kグループの前記主機能層対は、上から下に、順に1、2、3、4…Kの番号が付けられ、L個の前記主機能層対は、上から下に順に1、2、3、4…Lの番号が付けられ、M個の前記副機能層は、上から下に、順に1、2、3、4…Mの番号が付けられ、番号が同じである前記主機能層及び前記副機能層は、前記フレキシブル多層回路基板の同層の電極に電気的に接続される。
【0011】
前記フレキシブル多層回路基板における電極は、カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤである。
【発明の効果】
【0012】
従来技術と比べて、本発明の一態様から提供される三次元の理学療法装置は、フレキシブルパッチがフレキシブル多層回路基板を採用して、フレキシブル多層回路基板に複数の層の電極が設置されるので、より多い機能層を設置することができる。このようにして、人体の広い領域で刺激と理学療法を実行することができ、より良い人体体験が得られ、コントローラーを介して刺激の正確な位置決めも実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一実施例による三次元の理学療法装置の構造を示す図である。
図2】本発明の第一実施例による三次元の理学療法装置の内部構造を示す図である。
図3】本発明の第一実施例による三次元の理学療法装置における各々の機能層とフレキシブル多層回路基板との電気接続関係を示す図である。
図4】本発明の実施例によるドローン構造カーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
図5】本発明の実施例によるドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブセグメントの構造を示す図である。
図6】本発明の実施例による綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
図7】本発明の実施例によるプレシッド構造カーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
図8】本発明の実施例による交差して設置された複数のカーボンナノチューブワイヤを含む機能層の構造を示す図である。
図9】本発明の実施例による編まれた複数のカーボンナノチューブワイヤを含む機能層の構造を示す図である。
図10】本発明の実施例による一本の巻き付けられたカーボンナノチューブワイヤを含む機能層の構造を示す図である。
図11】本発明の実施例による非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
図12】本発明の実施例によるねじれ状のカーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
図13】本発明の第一実施例による三次元の理学療法装置が身なりに応用されることを示す図である。
図14】本発明の第二実施例による三次元の理学療法装置の内部構造を示す図である。
図15】本発明の実施例による三次元の理学療法装置の作動方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面及び具体的な実施形例を参照して、本発明の一態様による三次元の理学療法装置及びその作動方法をさらに詳細に説明する。
【0015】
図1を参照すると、本発明の第一実施例は、三次元の理学療法装置10を提供する。三次元の理学療法装置10は、フレキシブルパッチ100、コントローラー112及び連接線114を含む。フレキシブルパッチ100は、連接線114を介してコントローラー112と可動的に連接され、コントローラー112は、フレキシブルパッチ100を制御することに用いられる。
【0016】
図1とともに、図2を参照すると、フレキシブルパッチ100は、可撓性層102、可撓性多孔層106、複数の機能層104及びフレキシブル多層回路基板(図示せず)を含む。可撓性層102及び可撓性多孔層106が積層して設置される(明確に表示するため、図2において、可撓性層102及び可撓性多孔層106が別々に示される)。可撓性層102及び可撓性多孔層106は、それぞれ目及び口に対応する開口部を備える。複数の機能層104及びフレキシブル多層回路基板は、可撓性層102と可撓性多孔層106との間に設置される。フレキシブル多層回路基板は、少なくとも2つの層を含み、各層には電極パターンが設けられ、複数の電極を有し、複数の電極は互いに電気的に接続される。複数の機能層104は、それぞれフレキシブル多層回路基板の電極と電気的に接続され、上下方向(人体の頭に対応する位置から、足に対応する位置までの方向)に隣接する機能層同士がフレキシブル多層回路基板の異なる層の電極と電気的に接続さればよい。具体的な接続関係は、以下の実施例を参照することで理解できる。
【0017】
連接線114の一端はフレキシブル多層回路基板と電気的に接続され、連接線114の他端はコントローラー112と電気的に接続される。即ち、複数の機能層104はコントローラー112と電気的に接続され、コントローラー112を通じてフレキシブルパッチ100を制御する。
【0018】
具体的には、連接線114の一端とフレキシブル多層回路基板との電気的接続は、磁気接続方式を採用することが好ましい。フレキシブルパッチ100をいつでも交換できるので、磁気接続方式はコストが低い。もちろん、コストを考慮しなければ、連接線114の一端とフレキシブル多層回路基板との間の電気的接続はUSBによってなされてもよい。連接線114の他端とコントローラー112との間の電気的接続は、USBによってなされることが好ましい。
【0019】
可撓性層102の材料は、人体に直接に取り付けることができる不織布、正絹層、一般的な可撓性布、多孔質可撓性紙、又はシリカゲルなどの可撓性材料である。可撓性層102の厚さは、実際の応用に応じて設定することができる。本実施例において、可撓性層102の厚さは、10マイクロメートル~100マイクロメートルである。可撓性層102は、多孔質構造又は非多孔質構造であってもよい。
【0020】
可撓性多孔層106の材料は、人体に直接に取り付けることができる不織布、正絹層、一般的な可撓性布、多孔質可撓性紙、又はシリカゲルなどの可撓性多孔質材料である。可撓性多孔層106の材料は、可撓性層102の材料と同じでも、異なってもよい。可撓性多孔層106は、多孔質材料であり、複数の微孔を備える。使用する時に、可撓性多孔層106は、人体に直接に取り付け、薬液が複数の微孔から出来て、人体に作用する。可撓性多孔層106の厚さが実際のニーズに応じて設置することができる。本実施例において、可撓性多孔層106の厚さが10マイクロメートル~100マイクロメートルである。
【0021】
フレキシブルパッチ100には、第一区域及び第二区域を定義する。フレキシブルパッチ100の第一区域には、Kグループの主機能層対が設けられ、Kグループの主機能層対は、フレキシブルパッチ100の第一区域に上から下に順番に配置され、且つKグループの主機能層対は上から下に、順に1、2、3、4…Kの番号が付けられる(Kは1以上の整数である)。各グループの主機能層対にはL個の主機能層対が含まれ、L個の主機能層対には上から下に1、2、3、4…Lの番号が付けられる。Lは2以上の整数である。各主機能層対における一方の主機能層104aと他方の主機能層104aとは、第一区域の左側と右側とに対称的に分布され、左側に分布された主機能層104aと右側に分布された主機能層104aは、フレキシブルパッチ100の垂直中心線に対して、対称であることが好ましい。もちろん、主機能層対のうちの一方の主機能層104aと他方の主機能層104aとが中心線に対して対称でなくてもよい。
【0022】
各グループの主機能層対のうちの番号が同じである主機能層対は、フレキシブル多層回路基板の同層の電極に電気的に接続される。即ち、番号が同じである主機能層対のうちの複数の主機能層は、フレキシブル多層回路基板の同層の電極に接続される。各グループの主機能層対は、L個の主機能層対を有する時、フレキシブル多層回路基板にはL層の電極を設ける必要がある。
【0023】
フレキシブルパッチ100の第二区域には、M個の副機能層104bが設けられ、M個の副機能層104bは、第二区域に上から下に配置され、1、2、3、4…Mの番号が付けられる。副機能層104bの数量は、各グループの主機能層対における主機能層対の数量以下であるべきであり、即ち、MはL以下の整数である。
【0024】
M個の副機能層104bは、フレキシブル多層回路基板の異なる層の電極とそれぞれ電気的に接続される。好ましくは、番号が主機能層対の番号と同じである副機能層104b及び主機能層対は、フレキシブル多層回路基板の同一層の電極と電気的に接続される。即ち、番号が同じである主機能層と副機能層は、フレキシブル多層回路基板の同一層の電極と電気的に接続される。
【0025】
もちろん、主機能層対のグループの数量Kと、各グループの主機能層対のうちの主機能層対の数量Lは、実際の応用に応じて設定することができ、副機能層の数量Mは、各グループの主機能層対の数量L以下としてもよく、フレキシブル多層回路基板が適宜設計すればよい。
【0026】
三次元の理学療法装置10が作動する時、コントローラー112を介して、隣接する機能層と電気的に接続されたフレキシブル多層回路基板の両層の電極の間に電圧を印加する。これによって、番号が隣接する二つの主機能層対、二つの主機能層対におけるフレキシブルパッチ100の同一側に位置する二つの主機能層104aの間の人体の皮膚、フレキシブル多層回路基板及びコントローラー112が回路を形成し、回路に電流が流れ、電流が二つの主機能層対におけるフレキシブルパッチ100の同一側に位置する二つの主機能層104aの間のユーザーの皮膚を刺激する。同時に、番号が隣接する二つの副機能層104b、二つの副機能層104bの間の人体の皮膚、フレキシブル多層回路基板及びコントローラー112が回路を形成し、回路に電流が流れ、電流が二つの副機能層104bの間のユーザーの皮膚を刺激する。
【0027】
従って、刺激が必要な実際の皮膚領域に応じて、対応するフレキシブル多層回路基板の特定の2層の電極の間に電圧を印加することを選択することができ、この機能はコントローラー112を通じて実現することができる。即ち、人体の特定の領域を、コントローラー112を通じて選択的に刺激することができる。
【0028】
具体的には、番号が隣接する2つの主機能層104aが隣接して、コントローラー112を通じて、番号が隣接する主機能層104aの間に電圧を印加すると、皮膚を刺激する電流が発生する。このように、番号が隣接する2つの機能層の間に電圧を順次又は選択的に印加することによって、ユーザーの異なる位置の皮膚を順次又は選択的に刺激するという目的を達成することができる。
【0029】
同じ番号が付けられた主機能層対における二つの主機能層は、フレキシブル多層回路基板の同じ層の電極と電気的に接続されるので、コントローラー112を介してフレキシブルパッチ100に電圧を印加すると、人体の複数の領域の皮膚を同時に刺激できる。
【0030】
フレキシブル多層回路基板の層電極は、Kグループの主機能層対と電気的に接続されると同時に、M個の副機能層104bと電気的に接続される。この接続方法により、M層の副機能層104bと電気的に接続するために層電極を追加する必要がなくなり、フレキシブル多層回路基板の層数が削除され、即ち、フレキシブル多層回路基板の厚さが低減されかつフレキシブル多層回路基板のコストが削減される。
【0031】
フレキシブル多層回路基板を使用して、フレキシブル多層回路基板には多層電極を有して、各層の電極が複数の機能層に接続されるので、隣接する機能層に対応する層電極に通電すると、三次元の理学療法装置10は、人体の複数の箇所の皮膚を同時に刺激することができる。さらに、連接線114の直径を細くすることができる。理解できることは、連接線114の直径が小さければ小さいほど靱性が優れ、ユーザーの体験感も良い。
【0032】
フレキシブル多層回路基板の電極はカーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤであり、カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤは特定のパターンが形成される。カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤの具体的な構造については、以下の関連説明を参照してください。カーボンナノチューブフィルムやカーボンナノチューブワイヤは靱性が優れるので、フレキシブル多層回路基板の柔軟性には全く影響を与えない。カーボンナノチューブフィルムは、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムであることが好ましい。
【0033】
機能層104は、カーボンナノチューブ層又は/及びグラフェン層である。機能層の面積はニーズに応じて調整することができる。
【0034】
各機能層は、カーボンナノチューブ層である。カーボンナノチューブ層は、均一に分布した複数のカーボンナノチューブを含み、カーボンナノチューブは、分子間力で緊密に結合する。カーボンナノチューブ層は、カーボンナノチューブのみを含む純粋なカーボンナノチューブ層である。カーボンナノチューブ層の厚さは、50ナノメートル~100マイクロメートルであることが好ましい。カーボンナノチューブ層におけるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブの中の一種又は多種である。カーボンナノチューブは、純粋なカーボンナノチューブチューブであってもよい。純粋なカーボンナノチューブは、カーボンナノチューブの表面にアモルファスカーボン及び官能基などの不純物を含まない。単層カーボンナノチューブの直径は、0.5ナノメートル~50ナノメートルであり、二層カーボンナノチューブの直径は、1.0ナノメートル~50ナノメートルであり、多層カーボンナノチューブの直径は、1.5ナノメートル~50ナノメートルである。カーボンナノチューブ層は、配向して配置されている複数のカーボンナノチューブ又は配向せず、ランダムに配置されている複数のカーボンナノチューブを含む。配向して配置されることは、複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列していることを指す。
【0035】
好ましくは、カーボンナノチューブ層は自立構造である。ここで、「自立構造」とは、支持体材を利用せず、自体の所定の形状を保持でき、カーボンナノチューブ層を独立して利用することができるという形態のことである。即ち、「自立構造」とは、カーボンナノチューブ層を対向する両側から支持して、カーボンナノチューブ層の構造を変化させずに、カーボンナノチューブ層を懸架させることができることを意味する。自立構造のカーボンナノチューブ層は、複数のカーボンナノチューブを含み、複数のカーボンナノチューブが分子間力によって互いに引き付けられ、ネットワーク構造を形成し、カーボンナノチューブ層を所定の形状を有させ、一体構造を有する自立構造であるカーボンナノチューブ層を形成するようになる。例えば、カーボンナノチューブスラリー層の自立構造ではないカーボンナノチューブ層と比べて、自立構造のカーボンナノチューブ層は、より優れた可撓性を有する。実験によって、カーボンナノチューブスラリーを機能層104として、フレキシブルパッチ100の内部に塗布されると、カーボンナノチューブスラリーが乾燥した後、カーボンナノチューブスラリーが塗布されたので、フレキシブルパッチ100の可撓性が下がることが分かる。もちろん、カーボンナノチューブスラリー層も本発明の機能層104としてもよい。カーボンナノチューブスラリー層が機能層104とする時、三次元の理学療法装置10も作動することができる。
【0036】
具体的には、カーボンナノチューブ層は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルム又は少なくとも一本のカーボンナノチューブラインを含む。カーボンナノチューブ層が複数のカーボンナノチューブフィルムを含む場合、複数のカーボンナノチューブフィルムが積層して設置される。カーボンナノチューブフィルムに、複数のカーボンナノチューブが配向して又は配向せずに配置されている。複数のカーボンナノチューブの配列方式により、カーボンナノチューブフィルムは非配向型のカーボンナノチューブフィルム及び配向型のカーボンナノチューブフィルムの二種に分類される。非配向型のカーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、ランダムに配列される。ランダムに配列されることは、複数のカーボンナノチューブの配列方向が不規則であることである。配向型のカーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、配列方向が規則的である。具体的には、非配向型のカーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは絡み合って、非配向型のカーボンナノチューブフィルムからなるカーボンナノチューブ層は、等方性を有する。配向型のカーボンナノチューブフィルムでは、複数のカーボンナノチューブが一つの方向又は複数の方向に沿って、配向に配列している。カーボンナノチューブフィルムは、ドローン構造カーボンナノチューブフィルム、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム又は綿毛構造カーボンナノチューブフィルムである。
【0037】
ドローン構造カーボンナノチューブフィルムは、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献1を参照)から引き出して得られ、自立構造を有したものである。カーボンナノチューブ層は、一層のドローン構造カーボンナノチューブフィルム又は二層以上のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを含む。単一のドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブの大部分は、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムの表面に平行に、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムを引き出す方向に沿って、且つ、同じ方向に沿って配列されている。複数のカーボンナノチューブは、分子間力で端と端が接続されている。
【0038】
微視的には、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおいて、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブ以外に、同じ方向に沿っておらずランダムな方向を向いたカーボンナノチューブも存在している。ここで、ランダムな方向を向いたカーボンナノチューブは、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブと比べて、割合は小さい。
【0039】
図4及び図5を参照すると、単一のドローン構造カーボンナノチューブフィルムは、複数のカーボンナノチューブセグメント143を含む。複数のカーボンナノチューブセグメント143は、長さ方向に沿って分子間力で端と端が接続されている。それぞれのカーボンナノチューブセグメント143は、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。カーボンナノチューブセグメント143は、任意の幅、厚さ、均一性及び形状を有する。ドローン構造カーボンナノチューブフィルムは、厚さが0.5ナノメートル~100マイクロメートルであり、その幅がドローン構造カーボンナノチューブフィルムを引き出して得た超配列カーボンナノチューブアレイのサイズと関係があり、長さが制限されない。ドローン構造カーボンナノチューブフィルム及びその製造方法は、特許文献1を参照されたい。
【0040】
カーボンナノチューブ層が二層以上のドローン構造カーボンナノチューブフィルムを含む場合、複数のドローン構造カーボンナノチューブフィルムが積層して設置され、又は並列して設置される。隣接するドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、交差角度αを成し、交差角度αが0°~90°である(0°≦α≦90°)。複数のドローン構造カーボンナノチューブフィルムの間又は一枚のドローン構造カーボンナノチューブフィルムにおける隣接するカーボンナノチューブの間に間隔を有するので、カーボンナノチューブ層に複数の微孔が形成され、微孔の直径が10マイクロメートル以下である。
【0041】
綿毛構造カーボンナノチューブフィルム(flocculated carbon nanotube film)は、凝集法によって形成されたカーボンナノチューブフィルムである。綿毛構造カーボンナノチューブフィルムは、相互に絡み合い、均一に配列される複数のカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブの長さは、10マイクロメートル以上であり、200マイクロメートル~900マイクロメートルであることが好ましい。複数のカーボンナノチューブは、分子間力によって、相互に引き付けられ、絡み合い、カーボンナノチューブネット状に形成されている。綿毛構造カーボンナノチューブフィルムは、等方性を有する。綿毛構造カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブが均一に分布され、ランダムに配列され、複数の微孔が形成されている。ここで、微孔の直径が10マイクロメートル以下になる。綿毛構造カーボンナノチューブフィルムの長さ及び幅が制限されない。図6を参照すると、綿毛構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、相互に絡み合って配置されるので、綿毛構造カーボンナノチューブフィルムは柔軟性に優れ、且つ自立構造を有するものであり、任意の形状に湾曲して形成させることができる。綿毛構造カーボンナノチューブフィルム及びその製造方法は、特許文献2を参照されたい。
【0042】
プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム(pressed carbon nanotube film)は、押し器具を利用することにより、所定の圧力をかけてカーボンナノチューブアレイを押し、カーボンナノチューブアレイを圧力で倒すことにより形成された、シート状の自立構造を有するものである。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムは、等方的に配列されているか、所定の方向に沿って配列されているか、または、異なる複数の方向に沿って配列されている複数のカーボンナノチューブを含む。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列方向は、押し器具の形状及びカーボンナノチューブアレイを押す方向により決められている。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの一部が互いに積層しており、且つ分子間力で引き付けられ、緊密に結合するので、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムは柔軟性に優れ、且つ自立構造を有するものであり、任意の形状に湾曲して形成させることができる。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、分子間力によって互いに引き付けられ、緊密に結合して、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムを自立構造にならせる。
【0043】
プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの傾斜の程度は、カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブとカーボンナノチューブアレイが生長した基板の表面とは、角度βを成し、該角度βは0°以上15°以下である。角度βは、カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する、圧力が大きくなるほど、角度βが小さくなる。好ましくは、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブがカーボンナノチューブアレイの生長基板の表面に平行して配列する。カーボンナノチューブアレイを押す方式によって、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが異なる配列方式を有する。同じ方向に沿って、カーボンナノチューブアレイを押す時に、カーボンナノチューブが一つの所定の方向に沿って、選択的な方向に配列されている。図7を参照すると、異なる方向に沿って、カーボンナノチューブアレイを押す時に、カーボンナノチューブが異なる方向に沿って、選択的な方向に配列されている。カーボンナノチューブアレイが成長された基板に垂直な方向に沿って、カーボンナノチューブアレイを押す場合、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムは、等方性を有する。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長さは、50マイクロメートル以上である。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムにおける隣接するカーボンナノチューブの間に間隔を有するので、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルムに複数の微孔が形成される。ここで、微孔の直径が10マイクロメートル以下になる。プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム及びその製造方法は、特許文献3を参照されたい。
【0044】
カーボンナノチューブ層が複数のカーボンナノチューブワイヤを含む場合、複数のカーボンナノチューブワイヤが平行して設置され、並べて設置され、交差して設置され、又は編まれて、二次元のカーボンナノチューブ層を形成することができる。図8は、交差して設置され複数のカーボンナノチューブワイヤ16からなるカーボンナノチューブ層である。図9は、編まれた複数のカーボンナノチューブワイヤ16からなるカーボンナノチューブ層である。また、図10を参照すると、カーボンナノチューブ層が一本のカーボンナノチューブワイヤ16を含む場合、該カーボンナノチューブワイヤ16が巻き付けられ、二次元のカーボンナノチューブ層を形成することができる。カーボンナノチューブワイヤ16は、非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤ又はねじれ状のカーボンナノチューブワイヤである。
【0045】
非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムを、有機溶剤で処理して形成したものである。図11を参照すると、非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、その長手方向に沿って、配列し、端と端が接続された複数のカーボンナノチューブを含む。好ましくは、非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、分子間力によって、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。各々のカーボンナノチューブセグメントに、平行に配列され、分子間力によって緊密に接続された複数のカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブセグメントは、任意の長さ、厚さ、均一性及び形状を有する。非ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤの長さが制限されず、直径が0.5ナノメートル~100マイクロメートルである。
【0046】
ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、機械外力でドローン構造カーボンナノチューブフィルムを処理して形成されたものである。具体的には、ドローン構造カーボンナノチューブフィルムの両端を異なる方向に沿って絞る。図12を参照すると、ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、該カーボンナノチューブワイヤの中心軸を軸に、螺旋状に配列された複数のカーボンナノチューブを含む。ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤは、分子間力で端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。各々のカーボンナノチューブセグメントは、平行に配列され、分子間力によって緊密に接続された複数のカーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブセグメントは、任意の長さ、厚さ、均一性及び形状を有する。ねじれ状のカーボンナノチューブワイヤの長さが制限されず、直径が0.5ナノメートル~100マイクロメートルである。カーボンナノチューブワイヤ及びその製造方法は、特許文献4及び特許文献5を参照されたい。
【0047】
カーボンナノチューブ層は、可撓性層又は/及び可撓性多孔層よりも優れた可撓性を有する。カーボンナノチューブ層を機能層として、フレキシブルパッチに応用される時、フレキシブルパッチの可撓性は、機能層の設置によって低下することはない。カーボンナノチューブ層の強度が強いので、フレキシブルパッチを折り曲げても引っ張っても、カーボンナノチューブ層が破壊されない。
【0048】
各機能層は、更に一層のグラフェン層を含んでもよい。各機能層は、一層のグラフェン層のみを含んでいてもよい。グラフェン層は、積層して設置される多層のグラフェンを含み、或いは、グラフェン層は、単層のグラフェンであってもよい。グラフェンは、複数の6員環炭素原子からなるシート状構造体である。単層のグラフェンの面積が大きい場合、単層のグラフェンは、一層の機能層としてもよい。グラフェン層が複数のグラフェンを含む場合、複数のグラフェンが積層して設置され、グラフェン層が形成され、グラフェン層におけるグラフェンは、分子間力によって互いに接続される。グラフェン層におけるグラフェンの配列方式、互いに積層して設置しても、並列して設置しても、重なり合って設置してもよい。グラフェン層の厚さが100ナノメートル以下である。本実施例において、グラフェン層の厚さは、0.5ナノメートル~100ナノメートルである。グラフェン層の厚さは、単層のグラフェンの厚さ~1ミリメートルである。
【0049】
各々の機能層は、積層して設置されるグラフェン層とカーボンナノチューブ層からなるグラフェン-カーボンナノチューブ複合材料層を含む。グラフェン層とカーボンナノチューブ層からなるグラフェン-カーボンナノチューブ複合材料において、グラフェン層とカーボンナノチューブ層が積層して設置される。グラフェン層とカーボンナノチューブ層が分子間力によって結合される。
【0050】
グラフェン-カーボンナノチューブ複合材料層は、多層のグラフェン及び複数のカーボンナノチューブが互いに混合して形成された複合構造である。グラフェン-カーボンナノチューブ複合材料層が多層のグラフェン及び複数のカーボンナノチューブを含む時に、多層のグラフェン及び複数のカーボンナノチューブが均一的に混合して、分子間力によって結合される。グラフェン-カーボンナノチューブ複合材料層は、多層のグラフェン及び複数のカーボンナノチューブを溶剤に分散して形成された混合溶液を基板に塗布することによって、形成される。
【0051】
グラフェン層又は/及びグラフェン-カーボンナノチューブ複合材料層は、可撓性層又は/及び可撓性多孔層よりも優れた可撓性を有する。グラフェン層又は/及びグラフェン-カーボンナノチューブ複合材料層を機能層として、フレキシブルパッチに応用される時、フレキシブルパッチの可撓性は、機能層の設置によって低下することない。グラフェン層又は/及びグラフェン-カーボンナノチューブ複合材料層の強度が強いので、フレキシブルパッチを折り曲げても引っ張っても、グラフェン層又は/及びグラフェン-カーボンナノチューブ複合材料層が破壊されない。
【0052】
図2及び図3を参照すると、本実施形態では、フレキシブルパッチ100の第一区域には2つのグループの主機能層対が設けられ、2つのグループの主機能層対は上から下に順番に配置され、各グループの主機能層対は、4つの主機能層対が含まれる。4つの主機能層対は上から下に順に配置され、順に1、2、3、4の番号が付けられる。各主機能層対における一方の主機能層104aと他方の主機能層104aとは、第一区域の左側と右側とに対称的に分布される。フレキシブルパッチ100の第二区域には4つの副機能層104bが設けられ、4つの副機能層104bは上から下に順番に配置され、順に1、2、3、4の番号が付けられる。番号が同じである主機能層104aと副機能層104bとは、フレキシブル多層回路基板の同層の電極に電気的に接続される。具体的には、番号が1である主機能層104aと副機能層104bとは、フレキシブル多層回路基板の第一層の電極に接続され、番号が2である主機能層104aと副機能層104bとは、フレキシブル多層回路基板の第二層の電極に接続され、番号が3である主機能層104aと副機能層104bとは、フレキシブル多層回路基板の第三層の電極に接続され、番号が4である主機能層104aと副機能層104bとは、フレキシブル多層回路基板の第四層の電極に接続される。本実施例では、フレキシブル多層回路基板の層数は少なくとも4層であることが理解される。
【0053】
本実施形態では、コントローラー112により、フレキシブル多層回路基板の第一層の電極と第二層の電極との間、第二層の電極と第三層の電極との間、第三層の電極と第四層の電極との間に順番に循環して通電が行われると、同じ側に位置する番号が1と2である2つの主機能層104aの間の皮膚が刺激され、同時に番号が1と2である2つの副機能層104bの間の皮膚が刺激される。次に、同じ側に位置する番号が2と3である2つの主機能層104aの間の皮膚が刺激され、同時に、番号が2と3である2つの副機能層104bの間の皮膚が刺激される。その後、同じ側に位置する番号が3と4である2つの主機能層104aの間の皮膚が刺激され、同時に、番号が3と4である2つの副機能層104bの間の皮膚が刺激され、順番に循環する。もちろん、コントローラー112を介して、人体の特定の区域を選択して、刺激することもできる。刺激の周波数、強度及び位置は、コントローラー112を通じて選択することができる。
【0054】
図13を参照すると、肩と首の理学療法装置として使用するために、フレキシブルパッチ100は、タイトなベストの背部に配置され、コントローラー112は、衣類の内部に配置される。他の実施例では、コントローラーは、衣類の外部に配置されてもよいことが理解される。フレキシブルパッチ100は、衣類又は他の身なりに直接作製してもよい。
【0055】
図14を参照すると、本発明の第二実施形態は、三次元の理学療法装置20を提供する。三次元の理学療法装置20は、フレキシブルパッチ200、コントローラー212及び連接線(図示せず)を含む。フレキシブルパッチ200は、連接線を介して、コントローラー212と可動的に接続され、コントローラー212は、フレキシブルパッチ200の作動を制御することに用いられる。
【0056】
本実施例から提供される三次元の理学療法装置20の構成は、第一実施例から提供された三次元の理学療法装置10の構成と基本的に同じであるが、その異なることは、フレキシブルパッチ200における機能層の設置、フレキシブル多層回路基板の構成及び、機能層とフレキシブル多層回路基板との電気的な接続関係である。
【0057】
フレキシブルパッチ200の第一区域には三つのグループの主機能層対が設けられ、三つのグループの主機能層対は上から下に順番に配置され、各グループの主機能層対は、三つの主機能層対が含まれる。三つの主機能層対には上から下に順に配置され、順に1、2、3の番号が付けられる。各主機能層対における一方の主機能層204aと他方の主機能層204aとは、第一区域の左側と右側とに対称的に分布される。フレキシブルパッチ200の第二区域には三つの副機能層204bが設けられ、三つの副機能層204bは上から下に順番に配置され、順に1、2、3の番号が付けられる。番号が同じである主機能層204aと副機能層204bは、フレキシブル多層回路基板の同層の電極に電気的に接続される。具体的には、番号が1である主機能層204aと副機能層204bは、フレキシブル多層回路基板の第一層の電極に接続され、番号が2である主機能層204aと副機能層204bは、フレキシブル多層回路基板の第二層の電極に接続され、番号が3である主機能層204aと副機能層204bは、フレキシブル多層回路基板の第三層の電極に接続される。本実施例では、フレキシブル多層回路板の層数は少なくとも3層であることが理解される。
【0058】
本実施例では、コントローラー212により、フレキシブル多層回路基板の第一層の電極と第二層の電極との間、第二層の電極と第三層の電極との間に順番に循環して通電が行われると、同じ側に位置する番号が1と2である2つの主機能層204aの間の皮膚が刺激され、同時に番号が1と2である2つの副機能層204bの間の皮膚が刺激される。次に、同じ側に位置する番号が2と3である2つの主機能層204aの間の皮膚が刺激され、同時に、番号が2と3である2つの副機能層204bの間の皮膚が刺激される。もちろん、コントローラー212を介して、人体の特定の区域を選択して刺激してもよい。刺激の周波数、強度及び位置は、コントローラー212を通じて選択することができる。
【0059】
機能層にとって、主機能層又は副機能層のみを設置してもよい。
【0060】
図15を参照すると、本発明は、さらに三次元の理学療法装置の作動方法を提供する。三次元の理学療法装置の作動方法は、以下のステップを含む。
【0061】
ステップ一:三次元の理学療法装置を提供する。
【0062】
ステップ二:三次元の理学療法装置のフレキシブルパッチを人体の皮膚に取り付ける。
【0063】
ステップ三:コントローラーを介して、フレキシブルパッチに電圧を印加して、電流を流し、人体の皮膚を刺激する。
【0064】
ステップ一において、三次元の理学療法装置は、上記の実施例から提供する三次元の理学療法装置である。
【0065】
ステップ二において、三次元の理学療法装置のフレキシブルパッチに人体の皮膚に取り付ける前に、薬液又は他の人体に役立つ液体を人体の皮膚に塗布して、或いは、薬液又は他の人体に役立つ液体にフレキシブルパッチを浸漬する。
【0066】
ステップ三において、コントローラーには、フレキシブルパッチを制御することに用いられる。コントローラーは、電流の大きさ、電流の周波数、入力電流の位置などを制御でき、フレキシブルパッチの内部の機能層を制御して、異なる機能を実現するようになる。
【0067】
三次元の理学療法装置が作動する時、隣接する機能層と電気的に接続されたフレキシブル多層回路基板の両層の電極の間に電圧を印加すると、番号が隣接する二つの主機能層対、二つの主機能層対におけるフレキシブルパッチ100の同一側に位置する二つの主機能層104aの間のユーザーの皮膚、フレキシブル多層回路基板及びコントローラー112が回路を形成し、回路に電流が流れ、電流が二つの主機能層対におけるフレキシブルパッチ100の同一側に位置する二つの主機能層104aの間のユーザーの皮膚を刺激する。同時に、番号が隣接する二つの副機能層104bの間のユーザーの皮膚、フレキシブル多層回路基板及びコントローラー112が回路を形成し、回路に電流が流れ、電流が二つの副機能層104bの間のユーザーの皮膚(額のある位置)を刺激する。
【0068】
番号が隣接する2つの機能層の間に電圧を順次又は選択的に印加することによって、ユーザーの異なる位置の皮膚を順次又は選択的に刺激するという目的を達成することができる。番号が隣接する2つの機能層の間に、しばらく電圧を印加した後、しばらく電圧を印加しないで、次に他の機能層の間に電圧を印加する。循環時間は、電圧を印加する時間及び電圧を印加しない時間の合計である。電圧を印加する電圧がニーズに応じて設置することができる。好ましくは、電圧を印加する時、番号が隣接する二つの機能層の間の電圧が20V~36Vであり、電圧の周波数が50Khz~100Khzである。従って、順次又は選択的に番号が隣接する二つの機能層の間に電圧を印加すれば、順次又は選択的にユーザーの異なる位置の皮膚を刺激することができる。
【0069】
第一実施例の三次元の理学療法装置10を例として説明する。図2を参照すると、フレキシブルパッチ100における複数の機能層の番号が図2に示す。電源を入れると、コントローラーを介して、番号が1及び2である機能層、番号が2及び3である機能層、番号が3及び4である機能層に、順番に循環して電圧を印加する。これによって、番号が1及び2である機能層の間の皮膚、番号が2及び3である機能層の間の皮膚、番号が3及び4である機能層の間の皮膚を順番に循環して刺激する。本実施例において、0.2sを一つのサイクルとして、0.1s間電源オンして、0.1s間電源オフして、このように循環する。隣接する機能層の間の合計通電時間が1sであり、合計停留時間が1sである。電源オンする0.1s間で、その電圧が20V~36Vで調節して、周波数が90Khzである。もちろん、コントローラーを介して、ある位置の皮膚を選択的に刺激してもよい。
【0070】
本発明の一態様から提供される三次元の理学療法装置は、以下の利点を有する。第一に、手で支えることなく、ユーザーの手を解放して、人間の顔に直接に取り付けることができる。第二に、コントローラーの制御することによって、選択的に人体の皮膚を刺激し、刺激を必要とする位置をより正確に選択でき、人体の非対称性を引き起こすことがない。第三に、フレキシブル多層回路基板を採用して、電極の自由配線を実現することができ、同一平面では電気的に接続できなかった電極が、多層回路基板を介して位置に影響されずに電気的な接続を実現できる。さらに、フレキシブル多層回路基板を使用することで、より多くの機能層を設置することができる。第四に、フレキシブル多層回路基板における電極は、カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤが使用され、カーボンナノチューブフィルム又はカーボンナノチューブワイヤの強度が強く、靱性に優れるので、フレキシブルパッチを折り曲げても引っ張っても洗浄しても、フレキシブル多層回路基板に損傷を与えることがない。従って、フレキシブルパッチの寿命が長くなる。第五に、フレキシブル多層回路基板の層電極は、Kグループの主機能層対に電気的に接続されると同時に、M個の副機能層にも電気的に接続される。このような接続方法により、M個の副機能層と電気的に接続するために層電極を追加する必要がなく、フレキシブル多層回路基板の層数が低減され、即ち、フレキシブル多層回路基板の厚さとコストが削減される。
【0071】
また、当業者であれば、本発明の精神の範囲内で他の変更を行うことができる。もちろん、本発明の精神に従ってなされたこれらの変更は、いずれも本発明の保護請求する範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0072】
10、20 三次元の理学療法装置
100、200 フレキシブルパッチ
102、202 可撓性層
104a、204a 主機能層
104b、204b 副機能層
106、206 可撓性多孔層
112、212 コントローラー
114 連接線
143 カーボンナノチューブセグメント
145 カーボンナノチューブ
16 カーボンナノチューブワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15