(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101559
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】液体、半液体または半固体の食品を加工するための撹拌機、撹拌機を備えた機械、および加工方法
(51)【国際特許分類】
B01F 27/07 20220101AFI20240722BHJP
A47J 43/042 20060101ALI20240722BHJP
B01F 27/112 20220101ALI20240722BHJP
B01F 27/051 20220101ALI20240722BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20240722BHJP
B01F 35/92 20220101ALI20240722BHJP
B01F 27/70 20220101ALI20240722BHJP
B01F 27/191 20220101ALI20240722BHJP
B01F 101/13 20220101ALN20240722BHJP
B01F 101/06 20220101ALN20240722BHJP
B01F 101/07 20220101ALN20240722BHJP
B01F 101/08 20220101ALN20240722BHJP
【FI】
B01F27/07
A47J43/042
B01F27/112
B01F27/051
B01F35/71
B01F35/92
B01F27/70
B01F27/191
B01F101:13
B01F101:06
B01F101:07
B01F101:08
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024004399
(22)【出願日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】102023000000537
(32)【優先日】2023-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】518089540
【氏名又は名称】エイエルアイ グループ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ カルピジャーニ
【氏名又は名称原語表記】ALI GROUP S.r.l.CARPIGIANI
【住所又は居所原語表記】Via Gobetti 2/A,20063 CERNUSCO SUL NAVIGLIO (MILANO),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリコ タッシ
【テーマコード(参考)】
4B053
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA12
4B053BB03
4B053BE04
4B053BL20
4G037AA11
4G037CA20
4G037DA21
4G037EA03
4G078AA13
4G078AA26
4G078AB09
4G078BA01
4G078BA09
4G078DA01
4G078DB10
4G078EA03
4G078EA10
(57)【要約】
【課題】当該業界において特に強く感じられている必要性は、液体または半液体の混合物およびクリーム状のデザートを非常に効果的に処理でき且つ両方のケースにおいて特に高い製品品質を生み出すことができる単一の撹拌機を有することができることである。
【解決手段】液体、半液体または半固体の製品のための撹拌機(3)であって、少なくとも、中心シャフト(4)と、中心シャフト(4)に接続された複数の放射状支持体(5)と、液体または半液体の製品を加工するための第1の動作構成(C1)を規定するように、各々が1つの放射状支持体(5)に接続されるように構成された複数の混合およびセンタリング要素(6)と、半固体の製品を加工するための第2の動作構成(C2)を規定するように、各々が1つの混合およびセンタリング要素(6)に接続されるように構成された複数の羽根(7)と、を組み合わせて備える撹拌機(3)が説明される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体、半液体または半固体の製品のための撹拌機(3)であって、少なくとも、
-中心シャフト(4)と、
-前記中心シャフト(4)に接続された複数の放射状支持体(5)と、
-液体または半液体の製品を加工するための第1の動作構成(C1)を規定するように、各々が1つの放射状支持体(5)に接続されるように構成された複数の混合およびセンタリング要素(6)と、
-半固体の製品を加工するための第2の動作構成(C2)を規定するように、各々が1つの混合およびセンタリング要素(6)に接続されるように構成された複数の羽根(7)と、を組み合わせて備える撹拌機(3)。
【請求項2】
各放射状支持体(5)は少なくとも1つの複数の突起(5A、5B、5C)を有する、請求項1に記載の撹拌機(3)。
【請求項3】
各混合およびセンタリング要素(6)は複数のキャビティ(6A、6B、6C)を有し、各キャビティ(6A、6B、6C)は、前記混合およびセンタリング要素(6)を前記複数の放射状支持体(5)の1つに接続するように、前記複数の突起(5A、5B、5C)の1つを受け入れるように構成されている、請求項2に記載の撹拌機(3)。
【請求項4】
前記複数の突起(5A、5C、5B)の第1の突起(5A)は下部側方突起であり、前記複数の突起(5A、5B、5C)の第2の突起(5B)は上部側方突起であり、前記複数の突起(5A、5B、5C)の第3の突起(5C)は中央突起であり、前記複数のキャビティ(6A、6C、6B)の第1のキャビティ(6A)は、前記下部側方突起(5A)に結合されるように構成された下部キャビティであり、前記複数のキャビティ(6A、6B、6C)の第2のキャビティ(6B)は、前記上部側方突起(5B)に結合されるように構成された上部キャビティであり、前記複数のキャビティ(6A、6B、6C)の第3のキャビティ(6C)は、前記中央突起(5C)に結合されるように構成された中央キャビティである、請求項2または3に記載の撹拌機(3)。
【請求項5】
各混合およびセンタリング要素(6)は細長いシート(8)を有し、各羽根(7)は前記混合およびセンタリング羽根(7)を前記放射状支持体(5)に結合するために前記細長いシート(8)に差し込まれるように構成された少なくとも1つの突出部(9)を備える、請求項2または4に記載の撹拌機(3)。
【請求項6】
各混合およびセンタリング要素(6)は細長いシート(8)を有し、各羽根(7)は前記混合およびセンタリング羽根(7)を前記放射状支持体(5)に結合するために前記細長いシート(8)に差し込まれるように構成された複数の突出部(9A、9B)を備える、請求項5に記載の撹拌機(3)。
【請求項7】
各放射状支持体(5)は受入スロット(11)を備え、各羽根(7)は前記受入スロット(11)に挿入されて、これに結合されるように構成された結合ピン(10)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の撹拌機(3)。
【請求項8】
前記結合ピン(10)は、前記放射状支持体(5)の前記受入スロット(11)の壁に結合されるように構成された溝(12)を備える、請求項7に記載の撹拌機(3)。
【請求項9】
前記中心シャフト(4)および放射状支持体(5)は第1の金属材料から作られ、前記混合およびセンタリング要素(6)および羽根(7)は、前記第1の金属材料とは異なり且つ金属ではない第2の材料から作られている、請求項1から8のいずれか一項に記載の撹拌機(3)。
【請求項10】
前記撹拌機(3)は、前記中心シャフト(4)に一体的に接続されたリング(13)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の撹拌機(3)。
【請求項11】
前記複数の羽根(7)の少なくともいくつかは、実質的に平行な平面内に位置する、請求項1から10のいずれか一項に記載の撹拌機(3)。
【請求項12】
前記中心シャフト(4)は主の展開方向(A)に沿って延在し、前記複数の放射状支持体(5)は前記主の展開方向(A)に対して異なる位置で前記中心シャフト(4)に接続されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の撹拌機(3)。
【請求項13】
液体または半液体の食品を加工するための機械(1)であって、
-加工対象の製品を収容するための少なくとも1つの容器(2)と、
-前記容器(2)内に配置された、請求項1から12のいずれか一項に記載の撹拌機(3)と、
-前記容器(2)の壁を加熱するために前記容器(2)に動作可能に接続された熱システム(110)と、を備える機械(1)。
【請求項14】
加工対象の前記製品を抽出することを可能にするように、加工対象の前記製品を収容する前記容器(2)に接続されたディスペンサ(113)をさらに備える、請求項13に記載の機械(1)。
【請求項15】
追加の容器(111)と、前記追加の容器(111)内に配置された追加の撹拌機(112)とを備える、請求項13または14に記載の機械(1)。
【請求項16】
請求項1から12のいずれか一項に記載の撹拌機(3)を用いて液体、半液体または半固体の製品を加工するための方法であって、
-請求項1から12のいずれか一項に記載の撹拌機を準備するステップと、
-加工容器(2)を準備するステップと、選択的に、
-前記製品が液体または半液体の製品である場合、第1の動作構成(C1)を規定するように、各混合およびセンタリング要素(6)を放射状支持体(5)に結合するステップと、
-前記製品が半固体の製品である場合、
-各羽根(7)を混合およびセンタリング要素(6)に結合するステップと、
-第2の動作構成(C2)を規定するように、互いに結合された羽根(7)と混合およびセンタリング要素(6)とで構成された各アセンブリを放射状支持体(5)に結合するステップと、
-前記第1の動作構成(C1)または前記第2の動作構成(C2)に従って前記撹拌機(3)を前記容器(2)内に取り付けるステップと、
-前記製品を加工するために前記中心シャフト(4)を回転させて、同時に前記容器(2)の壁を熱処理、好ましくは加熱するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、(液体および/または半液体および/または半固体の)食品、特にパン製菓業界向けの製品、クリーム、デザート混合物などを加工および処理するための撹拌機および機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、これらの機械は、加工対象の製品を収容するための容器と、容器内に取り付けられ且つ製品を混合するために使用される撹拌機と、容器の前面底部に取り付けられた少なくとも1つの分配タップと、を備える。
【0003】
この種の機械では、撹拌対象の製品が液体または半液体の稠度を有する場合、特に撹拌用に設計されたシャフトおよび羽根を備えた第1の撹拌機が使用される。
【0004】
これらの羽根は通常、プラスチック材料で作られた接触要素を有し、接触要素は容器に対して撹拌機をセンタリングすることを可能にし、同時に撹拌機が回転する際の摩擦を軽減することを可能にする。
【0005】
一方、撹拌対象の製品がクリーム状、特にデザート製品である場合、表面積がより大きい、したがって、非常にクリーム状である製品を混合するのにより適した羽根を備えた第2の撹拌機が通常使用される。
【0006】
したがって、当該業界において特に強く感じられている必要性は、液体または半液体の混合物およびクリーム状のデザートを非常に効果的に処理でき且つ両方のケースにおいて特に高い製品品質を生み出すことができる単一の撹拌機を有することができることである。
【発明の概要】
【0007】
この技術革新の目的は、上記の必要性を満たすこと、すなわち、液体または半液体の混合物だけでなく、クリームまたはデザート製品などのより稠度が高い製品も非常に効果的に混合できる撹拌機を提供することである。
【0008】
この技術革新の他の目的は、最適な洗浄を保証するために素早く且つ容易に取り外せる撹拌機を提供することである。
【0009】
この技術革新のさらなる目的は、食品が液体、半液体または半固体であっても、特に効率的な態様で食品を扱うことを可能にする機械を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
説明は添付図面を参照するが、添付図面も単に非限定的な例として提供される。
【
図1】この技術革新による機械の概略側面図を示す。
【
図2】第1の動作構成における
図1の機械の一部を形成する撹拌機の斜視図を示す。
【
図3】第1の動作構成における
図1の機械の一部を形成する撹拌機の斜視図を示す。
【
図4】組み立てられた構成における
図2および
図3の撹拌機の詳細の斜視図を示す。
【
図5】分解された構成における
図2および
図3の撹拌機の詳細の斜視図を示す。
【
図6】組み立てられた構成における
図2および
図3の撹拌機の詳細の側面図を示す。
【
図7】分解された構成における
図2および
図3の撹拌機の詳細の側面図を示す。
【
図8】第2の動作構成における
図1の機械の一部を形成する撹拌機の斜視図を示す。
【
図9】第2の動作構成における
図1の機械の一部を形成する撹拌機の斜視図を示す。
【
図10】
図2から9の撹拌機の詳細の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照すると、参照番号1は、食品、好ましくは液体、または半液体、または半固体の食品を加工するための、特に前述の食品を製造(または処理)および分配するための機械全体を示す。
【0012】
例えば、前述の食品は、クリーム、デザート、アイスクリームまたはデザート製品用の混合物、ジャムまたは他の同様の食品であり得る。
【0013】
本開示によれば、食品を製造および分配するための機械1は、加工対象の製品を収容するための少なくとも1つの容器2を備える。
【0014】
容器2は側壁および底部内壁を備える。
【0015】
好ましくは、容器2は円筒容器である。
【0016】
さらにより好ましくは、容器2は水平軸を有する。
【0017】
本開示によれば、食品を製造および分配するための機械1は、容器2内に取り付けられた少なくとも1つの撹拌機3を備える。
【0018】
撹拌機3は本発明の対象である。
【0019】
撹拌機3は回転軸A周りに回転する中心シャフト4を備える。
【0020】
撹拌機3は中心シャフト4に接続された複数の放射状支持体5をさらに備える。
【0021】
好ましくは、複数の放射状支持体5は金属材料から作られる。
【0022】
好ましくは、複数の放射状支持体5は中心シャフト4に取り外しできないように接続される。
【0023】
さらにより好ましくは、複数の放射状支持体5は中心シャフト4に溶接される。
【0024】
撹拌機3は、各々が1つの放射状支持体5に接続されるように構成された複数の混合およびセンタリング要素6をさらに備える。
【0025】
別の態様によれば、撹拌機3はまた、各々が1つの混合およびセンタリング要素6に(取り外し可能に)接続されるように構成された複数の混合およびセンタリング羽根7を備える。
【0026】
この発明による撹拌機3は、第1の構成C1(
図8および
図9)および第2の構成(
図2および
図3)という2つの異なる構成に組み立て可能である。
【0027】
第1の構成C1(
図8および
図9)では、混合およびセンタリング要素6は各々、1つの放射状支持体5に接続されていることに留意されたい。
【0028】
これらの条件下では、撹拌機3は、中心シャフト4、混合及びセンタリング要素6および放射状支持体5のみからなる。
【0029】
第1の構成C1は、主に液体または半液体の製品、すなわち主成分が液体である製品、特に任意のアイスクリームまたはデザート製品用の混合物を混合するのに適していることに留意されたい。
【0030】
このような製品は基本的に、最終製品の製造のために使用される混合物からなる。
【0031】
第2の構成C2(
図2および
図3)では、羽根7が混合およびセンタリング要素6に(以下により詳細に説明される態様で)接続されることに留意されたい。
【0032】
次に、羽根7と混合およびセンタリング要素6とからなる各アセンブリは、混合およびセンタリング要素6を放射状支持体5に結合することによって、放射状支持体5に結合される。
【0033】
第2の構成C2(
図2および
図3)では、撹拌機3は、中心シャフト4、混合およびセンタリング要素6、羽根7および放射状支持体5のみからなる。
【0034】
第2の構成C2は、非限定的な例として、クリーム、デザート、アイシング、ゼリー、スプレッドクリーム(spreadable cream)、ジャム、ムース、ワッフル、ナメラカ(namelaka)、トッピング、ブラマンジェ、フルーツピューレ、フルーツクリーム、クレームアングレーズ、フルーツソースなど、主に稠度が高い(半固体の)製品を混合するのに適していることに留意されたい。
【0035】
別の態様によれば、各放射状支持体5は、少なくとも1つの複数の突起5A、5B、5Cを有する。
【0036】
さらに別の態様によれば、各混合およびセンタリング要素6は、複数のキャビティ6A、6B、6Cを有する。
【0037】
各キャビティ6A、6B、6Cは、その中に突起5A、5B、5Cの1つを受け入れるように構成される。
【0038】
さらに別の態様によれば、複数の突起5A、5B、5Cの第1の突起5Aは下部側方突起であり、複数の突起5A、5B、5Cの第2の突起5Bは上部側方突起であり、複数の突起5A、5B、5Cの第3の突起5Cは中央突起である。
【0039】
別の態様によれば、複数のキャビティ6A、6B、6Cの第1のキャビティ6Aは、下部側方突起5Aに結合されるように構成された下部キャビティであり、複数のキャビティ6A、6B、6Cの第2のキャビティ6Bは、上部側方突起5Bに結合されるように構成された上部キャビティであり、複数のキャビティ6A、6B、6Cの第3のキャビティ6Cは、中央突起5Cに結合されるように構成された中央キャビティである。
【0040】
さらに別の態様によれば、各混合およびセンタリング要素6は細長いシート8を有し、各羽根7は、混合およびセンタリング羽根7を混合およびセンタリング要素6に結合するためにシート8に差し込まれるように構成された少なくとも1つの突出部9を備える。
【0041】
好ましくは、シート8は平行六面体の形状である。
【0042】
別の態様によれば、突出部9は平行六面体の形状である。
【0043】
好ましくは、突出部9は(シート8への挿入を容易にするために)両側に丸みを帯びたエッジを有する。
【0044】
突出部9はシート8にスライドさせて挿入されることに留意されたい。
【0045】
基本的に、シート8は、その少なくとも一端で開いており、突出部9がスライド可能に挿入されることを可能にし、それにより、羽根7と混合およびセンタリング要素6とが互いに結合される。
【0046】
羽根7と混合およびセンタリング要素6とが結合されると、それらは羽根7と混合およびセンタリング要素6とからなる前述のアセンブリを規定し、撹拌機3の第2の動作構成を規定するように当該アセンブリを放射状支持体5に結合することができる。
【0047】
別の態様によれば、各羽根7は、混合およびセンタリング羽根を放射状支持要素5に結合するためにシート8に挿入されるように構成された複数の突出部9を備える。
【0048】
より好ましくは、添付図面に示されるように、各羽根7は、複数の突出部9のうちの第1の突出部9Aと、複数の突出部9のうちの第2の突出部9Bとを備える。
【0049】
第1および第2の突出部9A、9Bのシート8への挿入は、上述したようにスライドにより実行される。
【0050】
別の態様によれば、混合およびセンタリング要素6には凹部15も設けられる。凹部15は、使用時に容器2の表面に当接する混合およびセンタリング要素のエッジ部分16が必要な弾性コンプライアンスを有することを保証するように形作られる。
【0051】
基本的に、凹部の存在のおかげで、混合およびセンタリング要素6は、X方向に沿って弾性的に準拠している。
【0052】
このように、混合およびセンタリング要素6は、X方向に沿って実質的にばねと同様に機能する。すなわち、弾性変形でき、弾性エネルギーを蓄積でき、その後元の位置に戻ることが可能である。
【0053】
これにより、撹拌機3を容器2によって規定される内部円筒空間の中心に完璧に配置することができる。
【0054】
混合およびセンタリング要素6は二重の機能を有することに留意されたい。すなわち、撹拌機3が第1の構成C1にあるとき、それは放射状支持体5と連動して混合およびセンタリング要素として機能する。
【0055】
混合およびセンタリング要素6はまた、容器2の壁に対して撹拌機3をセンタリングすることを可能にする。実際には、中心シャフト4が非常に長いので、混合およびセンタリング要素6は容器3の壁と接触しており、中心シャフト4の軸を容器2の軸と実質的に位置合わせすることを可能にする。
【0056】
特に、混合およびセンタリング要素6のエッジ16は容器2の壁と接触している。
【0057】
羽根7は、好ましくは、容器2に沿って長手方向に配置され、シャフト4の回転中に動作するときに少なくとも部分的に重なるように方向付けられることにも留意されたい。言い換えれば、1つの羽根7の回転によってカバーされるゾーンは、それに隣接する別の羽根7の回転によってカバーされるゾーンと少なくとも部分的に交差する。
【0058】
さらに別の態様によれば、各放射状支持体5は受入スロット11を備え、各羽根7は受入スロット11に挿入されてそれに結合されるように構成された結合ピン10を備える。
【0059】
好ましくは、結合ピン10は円筒形状である。
【0060】
別の態様によれば、結合ピン10は、放射状支持体5の受入スロット11の壁に結合されるように構成された(放射状)溝12を備える。
【0061】
さらに別の態様によれば、中心シャフト4および放射状支持体5は第1の金属材料から作られ、混合およびセンタリング要素6と羽根7とは第1の材料とは異なり且つ金属ではない(好ましくはプラスチック材料である)第2の材料から作られる。
【0062】
第2の材料がABS、ポリエチレンなどのプラスチック材料であるという事実は、有利なことに、容器2の壁の磨耗を排除することを可能にすることに留意されたい。
【0063】
実際には、容器2の壁は金属材料で作られている。
【0064】
さらに別の態様によれば、撹拌機3は、中心シャフト4に接続されたリング13を備える。
【0065】
好ましくは、リング13は、容器2の底壁との接触点を規定する。
【0066】
さらに別の態様によれば、複数の羽根7の少なくともいくつかは、実質的に平行な平面内に位置する。
【0067】
より好ましくは、複数の羽根7は、対をなして平行な平面内に位置する。
【0068】
さらに別の態様によれば、中心シャフト4は主の展開方向Aに沿って延在し、複数の放射状支持体5は主の展開方向Aに対して異なる位置で中心シャフト4に接続される。
【0069】
本開示の一態様によれば、機械1は、撹拌機3(より正確には、中心シャフト4)を回転軸A周りに回転させるように撹拌機3の中心シャフト4に接続されたモータ102を備える。
【0070】
より正確には、中心シャフト4は、モータ102に結合されるように構成された、非円形形状を有する部分14を備える。
【0071】
本開示の別の態様によれば、機械1は熱処理手段110を備える。
【0072】
好ましくは、熱処理手段110は容器2内の製品を加熱するように構成される。
【0073】
好ましくは、熱処理手段110は容器2内の製品を40℃から85℃の温度に加熱するように構成される。
【0074】
熱処理手段110は、容器2に関連付けられ、その中に収容される製品を熱処理する。
【0075】
一態様によれば、熱処理手段110は(添付図面に概略的に示される)少なくとも1つの熱力学システムを備える。
【0076】
熱力学システムは熱交換流体を内部に循環させるように構成された閉回路を備える。
【0077】
第1の動作構成C1における撹拌機3の構造および機構により、機械1内で加工中の製品が加熱されている間に効果的に混合およびブレンドされることが可能になることに留意されたい。
【0078】
実際には、特に加熱により、加工中の製品が容器2の内壁に付着する箇所で過熱され得る。したがって、何らかの方法で製品が容器2の壁に付着するのを防ぐ必要がある。
【0079】
本開示のさらなる態様によれば、機械1は制御ユニットUを備える。
【0080】
制御ユニットUは、モータ102を駆動する、および/または熱処理手段110を制御するように構成される。
【0081】
一実施形態では、機械1は、制御ユニットUに動作可能に接続され且つユーザとの対話を可能にするように構成されたインタフェース103を備える。
【0082】
好ましくは、機械1は、加工対象の製品を抽出することを可能にするために、加工対象の製品を収容する容器2に接続されたディスペンサ113を備える。
【0083】
ディスペンサ113は、好ましくは、容器2の内部と連通するダクトを開閉するように構成された制御レバーを備える。
【0084】
別の態様によれば、機械1は、追加の容器111と、追加の容器111内に配置された追加の撹拌機112とを備える。
【0085】
好ましくは、追加の容器111は、加工中の製品を冷却するように構成される。
【0086】
この意味において、追加の容器111は、容器111内の製品が追加の撹拌機112によって撹拌されている間に当該製品を冷却することを可能にするように、熱処理手段110に接続されている。
【0087】
好ましくは、熱処理手段110は、追加の容器111内の製品を0℃から-15℃の温度、より好ましくは-3℃から-10℃の温度に冷却するように構成される。
【0088】
有利なことに、追加の容器111は、例えばジェラートまたは冷たいデザート製品であるアイスクリーム製品の製造を可能にすることに留意されたい。
【0089】
この意味において、ベース製品は容器2内で前処理、例えば低温殺菌され、次いでディスペンサ113によって抽出されてホッパ114を通って容器111に供給され、そこで加工される。
【0090】
また、上で説明されたものによる撹拌機3を用いて液体、半液体または半固体の製品を加工するための方法も規定され、当該方法は、
-上で説明されたような撹拌機3を準備するステップと、
-加工容器2を準備するステップと、選択的に、
-製品が液体または半液体の製品である場合、撹拌機3の第1の動作構成C1を規定するように、各混合およびセンタリング要素6を(複数の放射状支持体5の)1つの放射状支持体5に結合するステップと、
-製品が半固体の製品である場合、
-羽根7と混合およびセンタリング要素6とからなるアセンブリを規定するように、各羽根7を混合およびセンタリング要素6に結合するステップと、
-撹拌機3の第2の動作構成C2を規定するように、互いに結合された羽根7と混合およびセンタリング要素6とで構成される各アセンブリを1つの放射状支持体5に結合するステップと、
-第1の動作構成C1または第2の動作構成C2に従って撹拌機3を容器2内に取り付けるステップと、
-容器2内の製品を加工するために中心シャフト4を回転させて、同時に容器2の壁を熱処理、好ましくは加熱するステップと、を含む。
【0091】
有利なことに、本発明によれば、単一の撹拌機3を有することが可能であり、すなわち、加工対象の製品に基づいて撹拌機を極めて容易に且つ柔軟に組み立てることが可能である。
【0092】
これにより、有利なことに、単一の中心シャフト4を使用することが可能であり、加工対象の製品に基づいてシャフトを第1または第2の構成(C1、C2)に構成できる。
【0093】
有利なことに、前述の結合機能のおかげで、放射状支持体5への異なるパーツの取り付けおよび取り外しは非常に容易である。
【0094】
したがって、撹拌機3の洗浄および保守は極めて容易になされる。
【0095】
さらに、混合およびセンタリング要素6のおかげで、中心シャフト4を容器2内で非常に効率的にセンタリングすることができ、撹拌機3の回転による磨耗は大幅に低減される。
【外国語明細書】