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特開2024-101561問合せ応答システム、問合せ応答装置、問合せ応答方法及び問合せ応答プログラム、並びにプログラム生成システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101561
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】問合せ応答システム、問合せ応答装置、問合せ応答方法及び問合せ応答プログラム、並びにプログラム生成システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240722BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005019
(22)【出願日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2023005511
(32)【優先日】2023-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514161372
【氏名又は名称】アップセルテクノロジィーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154634
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 みさ子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良太
(57)【要約】
【課題】業務の効率を向上させ得る。
【解決手段】本発明問合せ応答装置では、のユーザの質問に対して返答可能なAI応答部と、販売対象に関する問合せを行う問合せフォームを介してユーザの電話番号及び連絡情報が供給されると、予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に架電し、前記AI応答部へのアクセスを促す自動架電部と、
前記問合せフォームに入力された電話番号及び連絡情報の少なくとも一方に対して前記AI応答部のアドレス情報を送信するアドレス送信部とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問合せフォームを介して入力されたユーザの電話番号を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に自動架電処理を実行する自動架電部と、
ユーザからの返答に応じてユーザの要求に応じたリプライ処理を行うAI(artificial intelligence)応答部と
を備えることを特徴とする問合せ応答装置。
【請求項2】
前記問い合わせフォームは、
複数の企業を選択して同時に問い合わせを行う一括問い合わせフォームであり、
前記ユーザ情報取得部は、
前記問い合わせフォームを提供する紹介サイト公開装置を介して前記ユーザ情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の問い合わせ応答装置。
【請求項3】
前期AI応答部は、
前期ユーザの返答が、時間を指定したアポイントメント要求である場合、予め登録されている予約時刻表を確認し、アポイントメント可能な場合にはアポイントを確定してユーザに伝え、確定されたアポイントを前記予約時刻表に登録する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の問い合わせ応答装置。
【請求項4】
前記自動架電部は、
前記ユーザ情報に基づいて、
複数の前記コールワークフローから一のコールワークフローを選択して前記自動架電処理を実行する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の問い合わせ応答装置。
【請求項5】
前記AI応答部は、
自動応答音声に対するユーザの選択に応じて、オペレータによる返答が可能なオペレータ端末に通話を接続させるオペレータ接続部
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の問合せ応答装置。
【請求項6】
前記AI応答部は、
ユーザとの会話に応じて、オペレータによる返答が可能なオペレータ端末に通話を接続させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の問合せ応答装置。
【請求項7】
前記AI応答部は、
音声応答可能なAIオペレータ又はチャット形式のチャットボットである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の問合せ応答装置。
【請求項8】
素材を組み合わせることにより、フローチャート形式でコールワークフローを作成させる際、前記素材のうち、合成音声を設定する合成音声設定素材に接続されたテキストボックス内にテキストを入力させるコールワークフロー作成部と、
前記テキストボックス内のテキストに基づいて合成音声データを生成する音声データ生成部と、
前記合成音声設定素材に対応付けられたプログラムの対応箇所に前記音声データを挿入し、前記素材の組み合わせに従ってプログラムを生成するプログラム生成部と
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の問合せ応答装置。
【請求項9】
コンピュータに対し、
問合せフォームを介して入力されたユーザの電話番号及び連絡情報を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に自動架電処理を実行する自動架電ステップと、
ユーザからの返答に応じてユーザの要求に応じたリプライ処理を行うAI(artificial intelligence)応答ステップと
を実行させることを特徴とする問合せ応答プログラム。
【請求項10】
問合せフォームを介して入力されたユーザの電話番号及び連絡情報を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に自動架電処理を実行する自動架電ステップと、
ユーザからの返答に応じてユーザの要求に応じたリプライ処理を行うAI(artificial intelligence)応答ステップと を有することを特徴とする問合せ応答方法。
【請求項11】
問合せフォームを介して入力されたユーザの電話番号及び連絡情報を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に自動架電処理を実行する自動架電部と、
ユーザからの返答に応じてユーザの要求に応じたリプライ処理を行うAI(artificial intelligence)応答部と
を有することを特徴とする問合せ応答システム。
【請求項12】
前記コールワークフロー作成部は、
テキストを送信するアクション素材に対応付けられたテキストボックス内にテキストを入力させ、
前記プログラム生成部は、
前記テキストを送信するアクション素材に対応付けられたプログラムの対応箇所に前記テキストを挿入し、前記素材の組み合わせに従ってプログラムを生成する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプログラム生成システム。
【請求項13】
ユーザの質問に対して返答可能なAI(artificial intelligence)応答部と、
問合せフォームを介してユーザの電話番号及び連絡情報が供給されると、予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に架電し、
前記AI応答部へのアクセスを促す自動架電部と、
前記問合せフォームに入力された電話番号及び連絡情報の少なくとも一方に対して前記AI応答部のアドレス情報を送信するアドレス送信部と
を有することを特徴とする問い合わせ応答装置。
【請求項14】
コンピュータに対し、
アクションを表すアクション素材と順番を決定する順番決定素材と組み合わせることにより、フローチャート形式でコールワークフローを作成させる際、合成音声を設定するアクション素材に対応付けられたテキストボックス内にテキストを入力させるコールワークフロー作成ステップと、
前記テキストボックス内のテキストに基づいて合成音声データを生成する音声データ生成ステップと、
前記合成音声を設定するアクション素材に対応付けられたプログラムの対応箇所に前記音声データを挿入し、前記素材の組み合わせに従ってプログラムを生成するプログラム生成ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばWEBサイトにおける問合せフォームを用いた営業活動において使用される問合せ応答システム、問合せ応答装置、問合せ応答方法及び問合せ応答プログラム、並びにプログラム生成システム及びプログラムに適用して好適なものである
【背景技術】
【0002】
近年、電話応答における業務の省力化を図るため、自動で架電する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。この自動架電システムでは、テレビの機能を利用して、テレレ日番組で紹介した商品を効率よく購入させる技術について記載されている。
【0003】
一方、商品やサービスを紹介する一般的なWEBサイトでは、問合せフォームが設けられることが多い。商品やサービスの提供者は、問合せフォームが送信されると、メールや電話で応答することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-183447号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでかかる構成の問合せフォームに対する応答では、オペレータがすべて返答することになり、応答に要する作業が煩雑であり、効率が良くないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、業務の効率を向上させ得る問合せ応答システム、問合せ応答装置、問合せ応答方法及び問合せ応答プログラム、並びにプログラム生成システム及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため、本発明の問合せ応答装置では、
ユーザの質問に対して返答可能なAI(artificial intelligence)応答部と、
問合せフォームを介してユーザの電話番号及び連絡情報が供給されると、予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に架電し、前記AI応答部へのアクセスを促す自動架電部と、
前記問合せフォームに入力された電話番号及び連絡情報の少なくとも一方に対して前記AI応答部のアドレス情報を送信するアドレス送信部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また本発明の問合せ応答プログラムでは、コンピュータに対し、
問合せフォームを介してユーザの電話番号及び連絡情報が供給されると、予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に架電し、ユーザの質問に対して返答可能なAI(artificial intelligence)応答部へのアクセスを促す自動架電ステップと、
前記問合せフォームに入力された電話番号及び連絡情報の少なくとも一方に対して前記AI応答部のアドレス情報を送信するアドレス送信ステップとを実行させることを特徴とする。
【0009】
本発明の問合せ応答方法では、問合せフォームを介してユーザの電話番号及び連絡情報が供給されると、予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に架電し、ユーザの質問に対して返答可能なAI(artificial intelligence)応答部へのアクセスを促す自動架電ステップと、
前記問合せフォームに入力された電話番号及び連絡情報の少なくとも一方に対して前記AI応答部のアドレス情報を送信するアドレス送信ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の問合せ応答システムでは、ユーザの質問に対して返答可能なAI応答装置と、
販売対象に関する問合せフォームを介してユーザの電話番号及び連絡情報が供給されると、前記電話番号に架電し、前記AI応答部へのアクセスを促す自動架電部と、
前記問合せフォームに入力された電話番号及び連絡情報の少なくとも一方に対してユーザの質問に対して返答可能なAI応答部のアドレス情報を送信するアドレス送信部とを有する自動架電装置とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラム生成システムでは、アクションを表すアクション素材と順番を決定する順番決定素材と組み合わせることにより、フローチャート形式でコールワークフローを作成させる際、合成音声を設定するアクション素材に対応付けられたテキストボックス内にテキストを入力させるコールワークフロー作成装置と、
前記テキストボックス内のテキストに基づいて合成音声データを生成する音声データ生成部と、
前記合成音声を設定するアクション素材に対応付けられたプログラムの対応箇所に前記音声データを挿入し、前記素材の組み合わせに従ってプログラムを生成するプログラム生成装置とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムでは、コンピュータに対し、
アクションを表すアクション素材と順番を決定する順番決定素材と組み合わせることにより、フローチャート形式でコールワークフローを作成させる際、合成音声を設定するアクション素材に対応付けられたテキストボックス内にテキストを入力させるコールワークフロー作成ステップと、
前記テキストボックス内のテキストに基づいて合成音声データを生成する音声データ生成ステップと、
前記合成音声を設定するアクション素材に対応付けられたプログラムの対応箇所に前記音声データを挿入し、前記素材の組み合わせに従ってプログラムを生成するプログラム生成ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、業務の効率を向上させ得る問合せ応答システム、問合せ応答装置、問合せ応答方法及び問合せ応答プログラム、並びにプログラム生成システム及びプログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施の形態における問合せ応答システムの構成を示す略線図である。
図2】サーバの構成を示すブロック図である。
図3】オペレータ端末の構成を示すブロック図である。
図4】問合せフォーム画面を示す略線図である。
図5】AIオペレータ画面を示す略線図である。
図6】第1の実施の形態におけるCWF作成画面を示す略線図である。
図7】第2の実施の形態における問合せ応答システムの構成を示す略線図である。
図8】第2の実施の形態におけるCWF作成画面を示す略線図である。
図9】CWFプログラム生成処理の説明に供するフローチャートである。
図10】第3の実施の形態における問合せ応答システムの構成を示す略線図である。
図11】第4の実施の形態における問合せ応答システムの構成を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0016】
<第1の実施の形態>
図1に示す101は、全体として問合せ応答システムを示している。問合せ応答システム101では、サーバ2とオペレータ端末3とが、無線又は有線によるインターネットなどの電気通信回路を介して接続されている。サーバ2は会社内に設置された社内サーバであっても良く、外部に設置されたいわゆるクラウドサーバであっても良く、社内サーバ及びクラウドサーバを適宜組み合わせても良い。以下、サーバ2がクラウドサーバの場合について説明する。
【0017】
図1(A)に示すように、問合せ応答システム101では、ユーザ端末4から供給された問合せフォームに対し、サーバ2から自動的に電話を掛ける自動架電を行いAI(artificial intelligence)応答への案内をすると共に、ショートメールなどによりユーザ端末4に対してAI応答のアドレス情報を送信する。
【0018】
図1(B)に示すように、問合せ応答システム101では、ユーザ端末4からアドレス情報に対するアクセスがあると、AI応答により応答を行う。サーバ2は、AI応答の結果、オペレータへの転送が必要な場合には、接続をオペレータ端末3に転送する。この結果、ユーザはオペレータとの会話による問合せを行うことができる。
【0019】
図2に示すように、サーバ2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)から構成される制御部21がサーバ2の全体を統括的に制御し、予めROMに記憶された問合せ応答プログラムに従って問合せ応答処理を実行するようになされている。記憶部25には、問合せデータベース(以下、DBと略す)が記憶されている。
【0020】
図3に示すように、オペレータ端末3は、CPU、ROM及びRAMから構成される制御部31がオペレータ端末3の全体を統括的に制御し、予めROMに記憶されたコール管理プログラムに従って問合せ応答処理を実行するようになされている。
【0021】
例えばオペレータは、オペレータ端末3の操作部36を使用して操作入力を行う。オペレータ端末3は、サーバ2によって、ユーザ端末4に接続されると、表示部34の画像情報に従って操作部36を使用したクリックや接触、押下などにより操作入力を行いながら架電を実行する。架電時における音声の入出力は、音声入出力38によって実行され、音声データはオペレータ端末3を介して入力及び出力される。
【0022】
図示しないが、ユーザ端末4は、オペレータ端末3と同様の構成を有しており、CPU、ROM及びRAMから構成される制御部41がユーザ端末4の全体を統括的に制御するようになされている。
【0023】
具体的に、図4に示すように、ユーザ端末4の表示部44には、WEBサイト内に表示される問合せフォーム画面151が表示されている。問合せフォーム画面151には、入力欄152~157として、必須入力項目である氏名入力欄152、会社名入力欄153、電話番号入力欄154及びメール送信先入力欄155と、任意入力項目である住所入力欄156及びお問合わせ内容入力欄157と表示されている。
【0024】
なおメール送信先入力欄155には、ショートメールの可否を入力するショートメール可否欄155Aと、メールアドレス入力欄155Bが表示され、ショートメール可否欄155Aにチェック、またはメールアドレス入力欄155Bのいずれか一方の入力が必須となる。
【0025】
ユーザが入力欄に入力し、送信ボタン158が操作されたことを認識すると、ユーザ端末4の制御部41は、入力欄に入力されたデータをサーバ2に対して送信する。サーバ2の制御部21は、必須入力項目のすべてが入力されていない場合には、再入力を促す再入力要求画面(図示しない)をユーザ端末4の表示部44に表示させる一方、必須入力項目のすべてが入力されている場合には、問合せを受け付けた旨を表示する受付完了画面(図示しない)を表示部44に表示させる。
【0026】
問合せを受け付けると、サーバ2の制御部21は、問合せID(Identification)を発行し、問合せIDに対応付けた状態で、送信された入力欄152~157の情報を記憶部25の問合せDBに登録する。
【0027】
さらに制御部21の自動架電部21Aは、電話番号入力欄154に入力された電話番号に対して、予め設定されたコールワークフロープログラム(詳しくは後述する)に従って自動的に電話を掛ける自動架電処理を行う。
【0028】
例えば、ユーザがユーザ端末4に架電された通話に出ると、自動架電部21Aは、「お問合せありがとうございます。××〇△でございます。入力されたメール送信先にAIオペレータへのアドレスを送信しました。まずはAIオペレータへご相談ください。」などの自動音声を出力し電話を切断する。ついでサーバ2のアドレス送信部21Bは、AI応答部21Cに接続するためのアドレス情報の記載されたアドレス情報メールをメール送信先(電話番号のショートメールまたはメールアドレス)へ送信する。
【0029】
この結果、ユーザのメール送信先には、「下記アドレスに接続してください。」などのメッセージとともにアドレス情報が記載されたアドレス情報メールが送信される。ユーザ端末4の制御431は、ユーザの操作に応じてアドレス情報メールを表示部44に表示させる。このアドレス情報メールに記載されたアドレス情報にはリンクが貼り付けられており、制御部41は、ユーザのアドレス情報に対する操作に応じてサーバ2に画像供給要求信号を送信する。
【0030】
サーバ2の制御部21は、画像要求信号に応じて、オペレータ画像データを送信する。この結果、図5に示すように、ユーザ端末4の表示部44にはAIオペレータ画面161が表示される。
【0031】
AIオペレータ画面161では、AIオペレータ162と、質問ボタン表示欄163と、音声入力結果欄164とが表示されている。ユーザは、質問ボタン163Aを操作することによって、または音声入力によってAIオペレータ162に質問を行うことができる。
【0032】
例えばユーザが音声により質問を行うと、音声データがサーバ2に供給される。サーバ2のAI応答部21Cは、音声データをテキスト化し、テキストデータをユーザ端末4に送信する。この結果、AIオペレータ画面161の音声入力結果欄164には、音声入力の結果がテキストデータとして表示される。
【0033】
ユーザが音声入力をストップすると、AI応答部21Cは、回答データをユーザ端末4に送信する。回答は、音声及び画像表示の一方または両方で行われる。AI応答部21Cの判断により、予め準備された図や説明文などを表示することが可能である。入力された質問及び回答データは、問合せDBに登録される。
【0034】
また、AI応答部21Cは、ユーザの質問に対して適切な回答データを準備できないときや、同じ質問が複数回に亘って繰り返された場合には、人間のオペレータが対応するコールセンターに接続することができる。
【0035】
このとき、AI応答部21Cは、接続されたオペレータ端末3に対して、問合せDBに登録されている情報を供給する。この結果、オペレータ端末3の表示部34には、AIオペレータ162とのやり取りが質問履歴として表示される。
【0036】
これにより、オペレータにこれまでの質問履歴を視認させることができ、再度ユーザに質問をさせる必要がなく、スムーズな応答が可能となる。
【0037】
従来のAIチャットボットなどによるAI応答では、文字入力に慣れていないユーザには親しみが薄く、また顧客候補となる問合せのユーザに関する情報を得ることができなかった。また、単にAI応答の案内をメール送信するだけでは、メールを見過ごされがちであり、ユーザの反応が悪かった。
【0038】
本発明の問合せ応答システム101では、問合せフォームからの問合わせに対して、自動架電による電話及びメール送信の両方を行ってAIオペレータ162による応答を行う。これにより、自動架電によってメール送信がなされたことを案内できるため、親しみ度を向上させつつ興味を失う前にメールの存在を知らせることができ、メール送信に対する反応を高めることができる。また、AIオペレータ162により音声による会話のような応答を実現することが可能であり、文字入力が苦手なユーザにも親しみやすい。
【0039】
すなわち、自動架電による電話と音声会話によるAIオペレータを併用することにより、AIオペレータに対する接続率を向上させ得るため、オペレータに接続する通話数を減らしつつ、問合せ対応に対するユーザの満足度を向上させることができる。
【0040】
<コールワークフロープログラムの作成>
次に、自動架電処理に使用されるコールワークフロープログラムの作成について説明する。
【0041】
コールワークフロー(以下、CWFと略す)はオペレータ端末3を介してオペレータによって作成される。サーバ2のCWF作成部21Dは、作成されたCWFに従って、CWFプログラムを作成する。
【0042】
オペレータのオペレータ端末3に対する操作入力に応じて、オペレータ端末3の制御部31は、サーバ2にCWF作成画像要求信号を送信する。サーバ2のCWF作成部21Dは、オペレータ端末3に対し、CWF作成画像を送信する。この結果、オペレータ端末3の表示部34には、CWF作成画面181が表示される。
【0043】
図6には、CWF作成画面181を示している。CWF作成画面181の左側には、候補素材表示欄182には、CWFに使用される候補となる複数の候補素材182Aが表示されている。
【0044】
ユーザが候補素材表示欄182の候補素材182Aを操作して選択すると、右側のCWF作成欄190に選択された候補素材が選択済みの選択素材183~189として表示される。
【0045】
選択素材183は、通話の開始を指示する開始アクションであり、このアクション(動作)によって通話が開始される。選択素材184は、矢印マークであり、次へ進むことを指示する次進行マークである。
【0046】
選択素材185は、TTS(Text to Speech)の設定を指示するTTS設定アクションであり、メインの動作(アクション)を表すTTS設定アクション185Aと、合成音声のテキストが入力されるTTSテキストボックス185Bと、TTS設定アクション185A及びTTSテキストボックス185Bとをつなぐ接続バー185Cとからなる。TTSテキストボックス185Bに入力されたテキストは音声に変換され、合成音声データが生成される。
【0047】
選択素材187は、メール送信の設定を指示するメール送信アクションであり、メインの動作及びメール送信先を指定するメール送信設定アクション187Aと、メールで送信される文章が入力されるメール文章ボックス187Bと、メール送信設定アクション187A及びメール文章ボックス187Bをつなぐ接続バー187Cとからなり、メール送信設定アクション187Aに対してメール文章ボックス187Bが対応付けられていることが明示されている。メール文章ボックス187Bに入力された文章はメールに記載される。
【0048】
選択素材189は、通話の終了を指示する終了アクションであり、このアクションによって通話が切断される。
【0049】
候補素材182Aには、アクションを実行するためのプログラムがそれぞれ対応付けられている。TTSテキストボックス185Bに入力されたテキストは、音声データとしてTTS設定アクション185Aに対応付けられたプログラム内の対応箇所に挿入される。またメール文章ボックス187Bに入力された文章はメール送信設定アクション187Aに対応付けられたプログラム内の対応箇所にテキストデータとしてCWFプログラム内に挿入される。
【0050】
すなわちサーバ2のCWF作成部21Dは、オペレータ端末3から作成されたCWFデータが供給されると、テキストボックス(TTSテキストボックス185B)に入力されたテキストに従って合成音声データを生成する。また選択素材183~189に対応付けられたプログラムを順番に並べ、テキストボックス(メール文章ボックス187B)内に入力されたテキストデータ及び生成した音声データを対応箇所にそれぞれ挿入することにより、CWFプログラムを生成し、記憶部25に記憶させる。
【0051】
そしてサーバ2の自動架電部21Aは、作成されたCWFプログラムに従って、問合せフォームに対する自動架電処理を実行する。
【0052】
このように、オペレータは、フローチャートを作成する感覚でCWFプログラムを簡単に作成することが可能である。
【0053】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について図7図8を用いて説明する。第2の実施の形態ではCWFプログラムの作成は、問合せ応答システムだけではなく、通常のコールセンターのCWFに適用する点が第1の実施の形態と相違している。なお、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同一箇所に同一符号を付した符号を附し、同一箇所についての説明を省略する。
【0054】
図7に示すように、問合せ応答システム201では、オペレータ端末3によって生成されたCWFに基づいてサーバ2がCWFプログラムを生成する。サーバ2は、ユーザ端末4からの架電に対してCWFプログラムに従って自動音声による応答の後、オペレータ端末3に転送するようになされている。
【0055】
図8には、CWF作成画面200を示している。このCWF作成画面200では、通話開始後に自動音声による音声を流すTTS設定アクション(選択素材185)として、番号による選択を促すメッセージが入力されている。
【0056】
TTSテキストボックス185Bxにおいて、「/〇〇/ゆっくり//」とあるのは、2つのシングルスラッシュ間の文章を「ゆっくり」発声するという意味の指示であり、ダブルスラッシュで終了を表している。従って、TTSテキストボックス185Bxでは、「お電話ありがとうございます。」を速く発声し、「××○△でございます。」をゆっくり発声することを指示している。
【0057】
定型文である「/お電話ありがとうございます。/速く//段落/××〇△でございます。/ゆっくり//」の部分はTTSテキストボックス185Bxの選択と共にテンプレートとして表示される。通常の速度にしたい場合、オペレータは「/ゆっくり//」を削除すれば良く、早くしたい場合には「ゆっくり」を「速く」に変更すれば良い。このように、予め高頻度で使用される定型文内にテンプレートとして速度の変更手順が記載されているため、オペレータは特段何も勉強しなくても、自動音声の合成音声をテキスト入力することができる。
【0058】
このCWF作成画面200では、候補素材から選択されて作成欄に表示された選択素材となると、必要な次進行素材が自動的に表示される。例えば、開始アクションが選択されると、選択素材183と共に矢印で表された選択素材184(次進行マーク)が自動的に表示される。
【0059】
従って、オペレータは、次の選択素材185に対して矢印の先端を接続させれば良い。すなわち、オペレータは、候補素材を選択し、矢印の先端を移動させて接続、必要に応じて流す音声に対応するテキストを入力するだけの作業をするだけでCWFが作成される。
【0060】
その後の選択素材202は、番号入力を受け付ける番号入力アクションであり、選択可能な番号(1~2)が表示されており、番号に対して各一つ、合計2つの次進行マークが付され、2つに分岐する。
【0061】
選択素材202において番号として1が選択されると、コールセンターaa12に接続されるルートに進み、番号として2が選択されると、コールセンターaa13に接続されるルートに進む。コールセンターaa12及びaa13は、同一会社のコールセンターであるが、担当が相違するため、問合せ内容に応じていずれかに転送される。
【0062】
番号1を選択する1選択欄202Aの後には、選択素材203として空いているオペレータの有無を確認する空き確認アクションがOKの場合には、オペレータ端末3に転送される転送アクションである選択素材204へと続く。
【0063】
一方、NGの場合には、エラー処理設定アクションである選択素材205と、終了アクションである選択素材206へと続く。
【0064】
ここで、オペレータが候補素材182Aから空き確認アクション(選択素材202)を選択すると、選択素材203と共に、転送アクション(選択素材204)とエラー設定アクション(選択素材205)と、終了アクション(選択素材206)が、次進行マーク(選択素材184)とセットになって表示される。
【0065】
すなわち、必ず決まった素材が続く場合には、一つの候補素材を選択すると複数の選択素材がCWF作成欄190xに表示される。
【0066】
選択素材205には、予めエラー時の定型文が入力されており、オペレータはテキストを入力しなくても良い。このエラー時の定型文は、複数準備された中から選択することが可能である。
【0067】
選択素材202において番号として2が選択された場合も同様であり、選択素材207として空いているオペレータの有無を確認する空き確認アクションがOKの場合には、コールセンターaa13へ転送される選択素材208へと続き、NGの場合には、エラー処理設定アクションである選択素材209と、終了アクションである選択素材210へと続く。
【0068】
なお番号入力アクション(選択アクション202)にでは、番号の選択にボイスチャットを使用することができる。ボイスチャットでは、音声認識によって番号を聞き取るのものである。すなわち、対応するプログラムでは、音声の入力を待ち受け、音声が入力されると、音声データをサーバ2へ送信する。サーバ2によって「1」又は「2」を表すトーン音、若しくは「いち」又は「に」を表す音声が検出されると、対応する番号が選択されたと認識し、選択された番号の次のステップへ進むことが記載されている。
【0069】
このように、作成されたCWF画面200に対して、オペレータがCWF決定ボタン(図示しない)を操作すると、作成されたCWFを表すCWFデータは、サーバ2へ送信される。
【0070】
サーバ2のCWF作成部21Dは、オペレータ端末3から作成されたCWFデータが供給されると、選択素材183~210に対応付けられたプログラムを順番に並べ、TTSテキストボックス185Bxx内に入力されたテキストを表す合成音声データを生成し、生成された音声データをプログラム内の対応箇所に挿入する。CWF作成部21Dは、生成したCWFプログラムを記憶部25に記憶させる。
【0071】
次に、CWF作成プログラムに従って実行されるCWF作成処理手順について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0072】
サーバ2のCWF作成部21Dは、オペレータ端末3からCWFの作成を開始する旨の要求信号を供給すると、CWF作成画像データを供給し、作成されたCWFを表すCWFデータが作成されると、次のステップSS2へ移る。
【0073】
ステップS2において、CWF作成部21Dは、TTS設定欄に入力されたテキストデータに基づいて合成音声データを生成し、次のステップSS3へ移る。
【0074】
ステップS3において、CWF作成部21Dは、CWFデータ及び合成音声データに基づいてCWFプログラムを生成し、ステップS3へ移って処理を終了する。
【0075】
<第1及び第2の実施の形態における動作及び効果>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
【0076】
以上の構成において、本発明の問合せ応答装置(サーバ2)は、ユーザの質問に対して返答可能なAI応答部(AI応答部21C)と、
問合せフォームを介してユーザの電話番号及び連絡情報が供給されると、予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に架電し、前記AI応答部へのアクセスを促す自動架電部(自動架電部21A)と、
前記問合せフォームに入力された電話番号及び連絡情報の少なくとも一方に対して前記AI応答部のアドレス情報を送信するアドレス送信部(アドレス送信部21B)とを備えることを特徴とする。
【0077】
これにより、問合わせ応答装置では、問合せフォームから送信される問合せに応じて自動架電による案内をした上で、AI応答部への接続を促すことができ、問合せフォームを送信した直後にAI応答部への接続を促すことができる。これにより、オペレータの作業負荷を増やすことなくAI応答部への接続率を高めることができ、業務効率を向上させ得る。また、直接WEBサイトに表示する場合には、顧客に関する情報を得られないが、問合せフォームを利用することにより、顧客の情報を取得することができ、今後の営業活動につなげることができる。
【0078】
問合せ応答装置において、前記自動架電部によって通話中に流される自動応答音声に対するユーザの選択に応じて、オペレータによる返答が可能なオペレータ端末(オペレータ端末3)に通話を接続させるオペレータ接続部を有することを特徴とする。
【0079】
これにより、問合わせ応答装置では、問合せフォームを利用したことにより興味が高いユーザに対してすぐに連絡を取り、必要がある場合のみオペレータに接続することができるため、オペレータの作業効率を向上しつつ、オペレータによる適切な対応を行うことができる。
【0080】
問合せ応答装置において、前記AI応答部は、
ユーザとの会話に応じて、オペレータによる返答が可能なオペレータ端末に通話を接続させることを特徴とする。
【0081】
これにより、問合わせ応答装置では、AI応答部で対応できない場合のみオペレータに接続させれば良く、オペレータの作業効率を向上させ得る。また、ユーザはAI応答部を介してオペレータに接続してもらえるため、AI応答部に対する接続率を向上させ得る。
【0082】
問合せ応答装置において、前記AI応答部は、音声応答可能なAIオペレータであることを特徴とする。
【0083】
これにより、問合わせ応答装置では、音声及び画像の両方を使用して応答できるため、テキスト入力の手間を省きつつ画像を使ってユーザの理解を深めることができる。
【0084】
本発明のプログラム生成システムにおいて、アクションを表すアクション素材と順番を決定する順番決定素材と組み合わせることにより、フローチャート形式でコールワークフローを作成させる際、合成音声を設定するアクション素材に対応付けられたテキストボックス内にテキストを入力させるコールワークフロー作成装置(CWF作成部21D及びオペレータ端末3)と、
前記テキストボックス内のテキストに基づいて合成音声データを生成する音声データ生成部(制御部21)と、
前記合成音声を設定するアクション素材に対応付けられたプログラムの対応箇所に前記音声データを挿入し、前記素材の組み合わせに従ってプログラムを生成するプログラム生成装置(CWF作成部21D)とを有することを特徴とする。
【0085】
従来、コールワークフローを作成するためには、システムエンジニアがプログラムを作成する必要があり、作業が煩雑であった。
【0086】
本発明のプログラム生成システムでは、フローチャート形式でコールワークフローを作成し、テキストボックス内にテキストを入力すれば自動で合成音声が生成され、合成音声を使ったコールワークフローのプログラムを生成できる。これにより、プログラムに関する知識のないオペレータが自在にコールワークフローのプログラムを生成できる。オペレータは実際にユーザとやり取りした後、コールワークフローを自分で簡単に修正できるため、コールワークフローの改良を促進して成功率を向上させることができる。
【0087】
プログラム生成システムにおいて、前記コールワークフロー作成部は、
テキストを送信するアクション素材に対応付けられたテキストボックス内にテキストを入力させ、
前記プログラム生成部は、
前記テキストを送信するアクション素材に対応付けられたプログラムの対応箇所に前記テキストを挿入し、前記素材の組み合わせに従ってプログラムを生成することを特徴とする。
【0088】
これにより、プログラム生成システムでは、テキストボックス内にテキストを入力させるだけの処理でテキストを送信するといった煩雑な処理のプログラムを生成することができる。
【0089】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について図10を用いて説明する。第3の実施の形態では、自動架電によってアポイントメントを取る点が第1の実施の形態と相違している。なお、第3の実施の形態における問い合わせシステム401では、第1の実施の形態と対応する箇所に400を加算した符号を附し、同一箇所についての説明を省略する。
【0090】
図10(A)に示すように、問合せ応答システム401では、複数社が提供するサービスを同時に紹介する紹介サイト公開サーバ405が紹介サイトを公開しており、紹介サイトの一部として一括問い合わせフォームを提供している。紹介サイトが提供するサービスに制限はないが、説明の便宜上、紹介サイトが不動産賃貸を紹介する場合について説明する。
【0091】
ユーザは、ユーザ端末404に表示された一括問い合わせフォームにおいて、自己の電話番号及び氏名などのユーザ情報を入力し、単数又は複数の問い合わせしたい企業又はサービスなどの問合せ対象を選択して送信することにより、一括で問い合わせを行うことができる。
【0092】
紹介サイト公開サーバ405は、ユーザ端末404からユーザ情報及び問合せ対象が供給されると、問合せ対象に対応付けられている指定送信先アドレスへユーザ情報を送信する。図では、指定送信先アドレスとして、サービスを提供する企業の予約管理サーバ503が指定されている場合を示しているが、サーバ502又はサーバ502と予約管理サーバ503の両方であってもよい。
【0093】
予約管理サーバ503は、供給されたユーザ情報をサーバ402へ送信する。このとき、予約管理サーバ503は、問合せ対象についての現在の状況(例えば内覧予約や申込みの状況など)を表す現状情報をサーバ402に送信する。サーバ402は、ユーザ情報に含まれる電話番号に対して、自動架電処理を実行する。この結果、ユーザ端末404はサーバ402から電話を受信する。
【0094】
サーバ402の自動架電部21Aは、コールワークフローに従って自動架電処理を実行し、ユーザ端末404に対して音声情報を送信する。この結果、ユーザ端末404から音声出力される。例えば、自動架電部21Aは、音声案内による挨拶を行うとともに、現状情報に従って例えば「▲月▲日より内覧の予約が可能です。内覧予約をしますか?」といった音声案内を行う。
【0095】
ユーザが返答することにより、ユーザ端末404から音声情報が供給されると、サーバ402のAI応答部421Cは、返答に応じたリプライ処理として、ユーザに対して音声出力による音声応答を行う。
【0096】
例えば、ユーザが「うーん、どうしようかな」と迷った返答をすると、AI応答部421Cは、「現在、2人の内覧予約が入っています。早期の内覧予約をおすすめします。」のように、内覧予約をすすめるメッセージを返答する。
【0097】
ユーザが「予約します。」と返答した場合、AI応答部421Cは、「それでは、ご都合の良い日時をご指定ください。」と予約日時を指定させるメッセージを返答する。ユーザが、「今週の日曜日の午後でお願いします。」と返答すると、AI応答部421Cは、日曜日の午後を指定する予約確認要求を予約管理サーバ403へ送信する。
【0098】
予約管理サーバ403の記憶部435(図示しない)には、所属する営業担当者の予約スケジュールが登録されている。予約管理サーバ403の制御部431は、例えば、今週の日曜日の午後について、13:00~15:00に1名だけ予約受付が可能な場合に、13:00~15:00が予約可能であることを表す予約状況情報をサーバ402に送信する。
【0099】
サーバ402のAI応答部421Cは、予約状況情報に基づきユーザに対して、例えば「今週の日曜日、▲月△日の午後だと、13:00~15:00であれば内覧予約が可能です。」と返答する。
【0100】
ユーザが「では、13:00にお願いします。」と返答すると、AI応答部421Cは、13:00の予約登録を要求する予約登録情報を予約管理サーバ403に送信する。予約管理サーバ403の制御部431は、予約管理表に13:00から一枠の予約を登録し、予約登録完了を表す予約完了情報をサーバ402に送信する。
【0101】
サーバ402のAI応答部421Cは、予約完了情報が供給されると、「▲月△日の13:00に予約を完了しました。それでは、XX店にてお待ちしております。ショートメッセージで店舗情報を送信しますのでご確認ください」と音声出力を行い、予約時刻、待ち合わせ場所である店舗の住所や連絡用電話番号などを表す待合情報をショートメッセージで送信する。なお、ユーザ情報にメールアドレスやSNS情報が含まれる場合には、EメールやSNSを用いても良い。
【0102】
また、サーバ402のAI応答部421Cは、ユーザの返答の意味が理解できない、もしくは返答不可能であると判別すると、人間が対応可能なコールセンターに電話を切り替えて接続することができる。これにより、せっかく電話で応答できたユーザに対する予約機会の損失を極力減少することができる。
【0103】
このように、問合せ応答システム401では、一括問合せフォームからユーザ情報が得られると、すぐにサーバ402から自動架電を行ってアポイントメントを取ることができるため、問合せに対して他社に先んじてユーザに接触し、効率よく予約を取得することができる。
【0104】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について図11を用いて説明する。第5の実施の形態では、相手に応じた音声案内を行う点が第3の実施の形態と相違している。なお、第4の実施の形態における問い合わせシステム501では、第3の実施の形態と対応する箇所に100を加算した符号を附し、同一箇所についての説明を省略する。
【0105】
第4の実施の形態における問合せ応答システム501では、サーバ502が予約管理を行い、担当部署の端末である担当端末503からサーバ502にアクセスすることにより、予約状況がいつでも確認可能となる、いわゆるクラウドサービスによって問合せ応答処理が実行される。
【0106】
問合せ応答システム501では、第3の実施の形態と同様、紹介サイト公開サーバ505が紹介サイトを公開しているが、ここでは、紹介サイトとして、求人情報サイトに対して問合せが行われる場合について説明する。
【0107】
求人情報サイトでは、予めユーザごとのアカウントが作成されており、アカウントに学歴や職歴などの履歴情報が登録されている。紹介サイト公開サーバ505の記憶部435(図示しない)には、ユーザのユーザID(IDentification)に対応してユーザの履歴情報や住所、希望勤務地などが登録されたユーザ登録データベースが記憶されている。
【0108】
ユーザがユーザ端末504を介して問合せ対象に対する問合せフォームを送信すると、紹介サイト公開サーバ505は、ユーザIDからユーザ情報を特定し、問合せ対象が登録しているサーバ502に対してユーザ情報を送信する。
【0109】
サーバ502の記憶部525(図示しない)には、条件項目とコールワークフロー(CWF)番号と予約管理表番号とが対応付けられた条件リストが記憶されている。また、予約管理番号に対応して複数の予約管理表が記憶されている。
【0110】
サーバ502は、ユーザ情報が供給されると、ユーザ情報からユーザがどの条件項目に当てはまるかを判別し、当てはまった条件項目に対応する音声案内番号を特定する。そしてサーバ502は、ユーザに対して音声案内番号に対応するコールワークフローに従って自動架電処理を実行する。
【0111】
例えばコールワークフロー1では、A会場での企業説明会の案内及びアポイントメントの取得を行う。取得できたアポイントメントは、コールワークフロー1に対応する予約管理表1に登録される。
【0112】
コールワークフロー2では、B会場での企業説明会の案内及びアポイントメントの取得を行う。取得できたアポイントメントは、コールワークフロー2に対応する予約管理表2に登録される。コールワークフロー3では、ユーザ情報が不足するため、不足している情報に対して質問を行う。
【0113】
また、いずれの条件項目にも当てはまらない場合、ユーザ情報に基づく宛先、又は紹介サイトを介してお断り用のテキストメールを送信する。
【0114】
このように、問合せ応答システム501では、自動フィルタリング機能により、ユーザに応じた音声案内で自動架電処理を実行することができる。
【0115】
<第3及び第4の実施の形態における動作及び効果>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
【0116】
以上の構成によれば、問合せ応答装置(サーバ402)は、問合せフォームを介して入力されたユーザの電話番号を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得部(外部インターフェース423)と、
予め作成されたコールワークフローに従って前記電話番号に自動架電処理を実行する自動架電部(自動架電部421A)と、
ユーザからの返答に応じてユーザの要求に応じたリプライ処理を行うAI(artificial intelligence)応答部(AI応答部421C)とを備えることを特徴とする。
【0117】
これにより、ウェブサイトなどからインターネット経由で得られた問合せに対し、即座に電話をかけることができるため、問い合わせしてくれたユーザに対してアクセスする機会の損失を最小限に抑えることができる。
【0118】
また問合せ装置において、前記問い合わせフォームは、
複数の企業を選択して同時に問い合わせを行う一括問い合わせフォームであり、
前記ユーザ情報取得部は、
前記問い合わせフォームを提供する紹介サイト公開装置を介して前記ユーザ情報を取得することを特徴とする。
【0119】
これにより、他社に先駆けていち早くユーザに電話してアクセスすることができる。
【0120】
問合せ装置において、前期AI応答部は、
前期ユーザの返答が、時間を指定したアポイントメント要求である場合、予め登録されている予約時刻表を確認し、アポイントメント可能な場合にはアポイントを確定してユーザに伝え、確定されたアポイントを前記予約時刻表に登録することを特徴とする。
【0121】
これにより、自動でアポイントメントを取得できるため、問合せの確認及び電話を行う人手が不要となる。
【0122】
問合せ装置において、前記自動架電部は、
前記ユーザ情報に基づいて、
複数の前記コールワークフローから一のコールワークフローを選択して前記自動架電処理を実行することを特徴とする。
【0123】
これにより、ユーザの条件に合わせて自動フィルタリングをした上で、ユーザに合ったコールワークフローを用いて自動架電処理を実行できる。
【0124】
<他の実施の形態>
上述実施形態では、サーバ2が自動架電装置、AI応答装置、メール転送装置として動作する場合について述べたが、本発明はこの限りではない。例えば、AI装置は別構成のサーバであり、サーバが自動架電及びメール転送を行うようにしても良い。
【0125】
上述実施形態では、AI応答部21Cに接続するためのアドレス情報をショートメールまたはメールアドレスに対してメール送信する場合について述べたが、本発明はこの限りではない。例えば、SNS(Social Networking Service)のメッセージ機能や、チャットアプリなどに送信するようにしても良い。また、問合せフォーム画面151におけるショートメール可否欄155Aは必須ではなく、例えば「携帯電話番号又はメールアドレス」とすることも可能である。問合せフォーム151の項目に制限はなく、営業活動に必要となる情報に応じて入力項目(必須、任意ともに)を自由に選択することが可能である。要は、通話可能な電話番号と、テキストデータを送信可能な送信アドレスとが最低限入力されていれば良い。
【0126】
上述実施形態では、AI応答部21Cが音声及び画像を使って応答するAIオペレータであるようにした場合について述べたが、本発明はこの限りではない。例えば、テキスト入力によってチャット形式で応答するチャットボットでもよい。
【0127】
上述実施形態では、テキストボックス(TTSテキストボックス185B)とアクション素材(TTS設定アクション185A)とを接続させて表示した場合につて述べたが、本発明はこの限りではない。例えば、アクション素材に対してプルダウンや別ウインドウ、サブウインドウなどでテキストボックスを表示するようにしても良い。
上述実施形態では、自動架電部21AがAI応答部21Cへの接続を促す案内メッセージのみを流すようにした場合について述べたが、本発明はこの限りではない。例えば、自動架電部によって通話中に流される自動応答音声に対するユーザの選択に応じて、オペレータによる返答が可能なオペレータ端末に通話を接続させるようにしてもよい。これによい、AI応答部を介さなくてもオペレータに接続できるルートを作ることができる。
【0128】
上述第4の実施形態では、複数のコールワークフローを有するようにしたが、本発明はこれに限られない。例えば、特定の条件(学校名、学歴、会社名)に当てはまった人にだけ自動架電処理を実行しても良い。また逆に、特定の条件に当てはまった人だけコールセンターから電話をし、それ以外は選択されたコールワークフローによる自動架電処理を行うようにしても良い。
【0129】
上述実施形態では、記憶部としての記憶部25と、記憶制御部としての制御部21と、通話状況送信部としての制御部21及び外部インターフェース23とによってコール管理装置としてのサーバ2を構成したが、本発明はこれに限られない。その他種々の構成による記憶部と、記憶制御部と、通話状況送信部とによって本発明のコール管理装置を構成することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、例えばWEBサイトにおける問合せフォームを用いた営業活動に適用することができる。
【符号の説明】
【0131】
2 :サーバ
3 :オペレータ端末
4 :ユーザ端末
21 :制御部
21A :自動架電部
21B :アドレス送信部
21C :AI応答部
21D :CWF作成部
23 :外部インターフェース
25 :記憶部
101 :問合せ応答システム
151 :問合せフォーム画面
152 :氏名入力欄
153 :会社名入力欄
154 :電話番号入力欄
155 :メール送信先入力欄
155A :ショートメール可否欄
155B :メールアドレス入力欄
156 :住所入力欄
157 :問合わせ内容入力欄
158 :送信ボタン
161 :AIオペレータ画面
162 :AIオペレータ
163 :質問ボタン表示欄
163A :質問ボタン
164 :音声入力結果欄
181 :CWF作成画面
182 :候補素材表示欄
182A :候補素材
183 :選択素材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11