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▶ リテルフューズ、インコーポレイテッドの特許一覧

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  • 特開-診断特徴を有する電流センサ 図1
  • 特開-診断特徴を有する電流センサ 図2
  • 特開-診断特徴を有する電流センサ 図3
  • 特開-診断特徴を有する電流センサ 図4
  • 特開-診断特徴を有する電流センサ 図5
  • 特開-診断特徴を有する電流センサ 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101562
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】診断特徴を有する電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20240722BHJP
   G01R 35/00 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
G01R19/00 N
G01R35/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024005055
(22)【出願日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】63/439,442
(32)【優先日】2023-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボリス ゴルボヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ギレルモ ザトーレ
(72)【発明者】
【氏名】セサール マルティネス
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AA04
2G035AA11
2G035AB01
2G035AB11
2G035AC02
2G035AC16
2G035AD18
2G035AD22
2G035AD28
2G035AD56
2G035AD59
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電流センサがなお動作可能であり較正されているかどうかを定期的に確認できる電流センサを提供する。
【解決手段】電流センサアセンブリ100は、バスバー104に結合された電流センサ102を備えてよく、電流センサがコイル108を有し、バスバーに流れる電流が、電流センサによって検出可能な第1磁場Vsenseを発生させ、コイルが第2磁場Vdiagを発生させるように動作可能であり、コイル108をバスバー104に流れる電流Isenseの方向に対して概して直交/直角に直角に配向することにより、第1磁場に重ね合わされた第2磁場の一部分を電流センサが受信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバーに結合された電流センサを備え、前記電流センサがコイルを有し、前記バスバーに流れる電流が、前記電流センサによって検出可能な第1磁場を発生させ、前記コイルが第2磁場を発生させるように動作可能であり、前記コイルを配向することにより、前記第1磁場に重ね合わされた前記第2磁場の一部分を前記電流センサが受信する、装置。
【請求項2】
前記コイルが、前記バスバーに流れる前記電流の方向に対して直角に配向されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電流センサとともに動作可能なコントローラをさらに備え、前記コントローラが
前記第1磁場および前記第2磁場の合計を受信すること、
前記第1磁場および前記第2磁場の前記合計を、電圧Vsense+Vdiagに変換すること、ここでディスクリミネータが、Vsenseを除去してVdiagのみを保持する
を行うように動作可能である、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記電流センサに対する前記コイルの不変位置を前提とし、電圧閾値レベルを選択することにより、前記コントローラは、前記電流センサが正確に動作しているかどうかを判定するようにさらに動作可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
バスバー、および
前記バスバーに結合された電流センサ、前記電流センサがコイルを有し、前記バスバーに流れる電流が、前記電流センサによって検出可能な第1磁場を発生させ、前記コイルが第2磁場を発生させるように動作可能であり、前記コイルを配向することにより、前記第1磁場に重ね合わされた前記第2磁場の一部分を前記電流センサが受信する
を備える、電流検知デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、回路保護デバイスの分野に関し、より詳細には、現場フィードバックのための診断特徴を有する電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
電流センサは、短絡保護デバイスを含む過電流保護デバイスにおいて使用されることが多い。これらのデバイスは、電気自動車(electric vehicle:EV)など、重大な用途において安全要素として使用される。多くの場合、電流センサは工場で較正または補正される。しかしながら、電流センサがなお動作可能であり較正されているかどうかを定期的に確認するための有効な現場解決手段が、先行技術の手法にはない。
【0003】
先行技術の上記および他の欠陥に対して、本開示が提供される。
【発明の概要】
【0004】
本概要は、選択された概念を簡略化された形態で導入するために提供されており、これらの概念は、以下で詳細な説明においてさらに記載される。本概要は、特許請求される主題の重要な特徴または不可欠な特徴を特定することを意図しておらず、本概要は、特許請求される主題の範囲の決定を補助するものとしても意図していない。
【0005】
本開示による1つの手法において、装置は、バスバーに結合された電流センサを備えてよく、前記電流センサがコイルを有し、前記バスバーに流れる電流が、前記電流センサによって検出可能な第1磁場を発生させ、前記コイルが第2磁場を発生させるように動作可能であり、前記コイルを配向することにより、前記第1磁場に重ね合わされた前記第2磁場の一部分を前記電流センサが受信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付図面は、その原理の実際的な用途のためにこれまでに考案された、開示される実施形態の例示的な手法を示す。
【0007】
図1】本開示の実施形態による電流センサアセンブリを示す。
【0008】
図2】本開示の実施形態による電流センサの回路図を示す。
【0009】
図3】本開示の実施形態による電流センサの電流および磁場を時間の関数として示す。
図4】本開示の実施形態による電流センサの電流および磁場を時間の関数として示す。
【0010】
図5】本開示の実施形態による診断フローチャートを示す。
図6】本開示の実施形態による診断フローチャートを示す。
【0011】
図面は必ずしも原寸に比例していない。図面は単なる表示であり、本開示の特定のパラメータを表現することは意図されていない。図面は、本開示の典型的な実施形態を示すことを意図しており、従って、範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の参照符号は同様の要素を表す。
【0012】
さらに、一部の図における特定の要素は、説明を分かりやすくするために省略されてもよいし、原寸に比例せずに示されてもよい。さらに、明確にするために、一部の参照符号は、特定の図面において省略されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本開示によるセンサ、デバイス、および方法を、添付図面を参照しながらより完全に以下で説明する。センサ、デバイス、および方法は、多くの異なる形態で実現されてよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分および完全であるように、かつシステムの範囲および方法を当業者に十分に伝達するように提供される。
【0014】
本明細書において説明するように、本開示の実施形態は、電流センサが依然として機能しており、較正を維持していることを現場で検証することを実現する。センサの状態(すなわち作動/非作動)および較正の損失は、上位の制御システムに報告されてよく、この制御システムが適切な措置を取ることができる。
【0015】
図1は、本開示の実施形態による電流センサアセンブリ100(以下「アセンブリ」)を示す。非限定的であるが、アセンブリ100は、ホールまたはTMRセンサ(図示せず)とともに使用されてよい。アセンブリ100は、バスバー104に結合された電流センサ102を含んでよく、電流センサ102は、磁場Bdiagを発生させるように動作可能なコイル108を含む。バスバー104は、銅または他の導電性材料から作られてよい。代替的な実施形態において、電流センサ102はPCBに結合されてよく、この場合、アセンブリ100の主な導体はPCBトレースであってよく、診断コイルは、多層のPCB上にトレースによって構築されることが可能である。
【0016】
使用中、バスバー104に流れる電流Isenseは、磁場Bsenseを発生させ、これが電流センサ102によって検出される。磁場を表す値は、コントローラ105に送達されてよく、コントローラ105は電流センサ102とともに動作可能である。コイル108を正確に配向することにより、電流センサ102は、Bsense磁場に重ね合わされたこの磁場の一部分を受信することになる。示してあるように、コイル108は、バスバー104に流れる電流Isenseの方向に対して概して直交/直角に配向されてよい。
【0017】
図2に示してあるように、電流センサ102は、コントローラ105とともにBsense+Bdiagの合計を受信し、それを電圧Vsense+Vdiagに変換する。いくつかの実施形態において、ディスクリミネータ(DIS)112がVsenseを除去し、Vdiagのみを保持する。電流センサ102に対するコイル108の一定の不変位置を前提とし、適切な閾値レベルVREFを設定することにより、電流センサ102が正確に動作しているかどうかを比較によって判定することが可能である。
【0018】
図3は、電流(I)および磁場(B)の経時的な関係を示す。より具体的には、電流Idiagは、一定の持続時間を有するパルス状電流とすることができる。この場合、Vsenseの時間はIdiagを基準にして決まるので、DISはVsenseからVdiagを分離することができる。診断は、センス電流がなくても(例えば、駐車車両、初期化シーケンスの一部分)またはセンス電流があっても(例えば、走行車両)、実行されることが可能である。
【0019】
図4において、電流Idiagは、一定の周波数を有する周期的な電流(すなわち正弦)とすることができる。この場合、Vsenseの周波数はIdiagを基準にして決まるので、DISはVsenseからVdiagを分離することができる。やはり、診断は、センス電流がなくても(例えば、駐車車両、初期化シーケンスの一部分)またはセンス電流があっても(例えば、走行車両)、実行されることが可能である。
【0020】
図5から図6は、電流センサを基準にして診断コイルの相対的な位置が定まると、製造プロセスの最後(「初期(ラインの最後)」(Init(EoLine)))に診断が実行されてよいことを示す。Vsense_refおよびIsense_refが記録される。通常モードで診断が実行されるたびに、記録された値とVsenseを比較することにより(例えば、Isense、Tなどの他の要因に応じて何らかの修正を加えた後に)、較正状態を確認することが可能である。
【0021】
便宜上および明確にするため、「上」、「下」、「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」、「横方向」、および「縦方向」などの用語を本明細書において使用して、コンポーネントおよびそれらの構成部分の相対的な配置および配向を、図に現れる通りに説明する。専門用語は、具体的に述べられた単語、その派生語、および同様の重要性の単語を含む。
【0022】
本明細書において使用されるとき、単数形で述べられ、前に「a」または「an」という単語が付く要素または動作は、複数の要素または動作を含むと理解されるべきである。ただし、そのような除外が明示的に述べられた場合を除く。さらに、本開示の「一実施形態」に言及することは、限定を意図したものではない。追加の実施形態も、述べられた特徴を組み込んでいてよい。
【0023】
さらに、「実質的」または「実質的に」という用語、並びに「おおよその」または「おおよそ」という用語は、いくつかの実施形態において交換可能に使用することができ、当業者によって容認可能な任意の相対的な尺度を使用して説明されることが可能である。例えば、これらの用語は、基準パラメータとの比較としての役割を果たして、意図する機能を提供することが可能な逸脱を示すことができる。非限定的であるが、基準パラメータからの逸脱は、例えば1%未満、3%未満、5%未満、10%未満、15%未満、および20%未満などの量とすることができる。
【0024】
本開示の特定の実施形態が本明細書に説明されているが、本開示が、当技術分野が許容する限りの広い範囲にあり、かつ本明細書も同様に読まれ得るため、本開示はこれらに限定されない。従って、上記の説明は限定と解釈されるべきではない。むしろ、上記の説明は、特定の実施形態の例証に過ぎない。当業者は、本明細書に添付の請求項の範囲および主旨内で他の修正を想起するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】