(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101566
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】ヘッドマウント装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240722BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240722BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240722BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20240722BHJP
G02C 5/02 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G09F9/00 357
G09F9/00 350Z
H04N5/64 511A
G02C11/00
G02C5/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005550
(22)【出願日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】202310090628.4
(32)【優先日】2023-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】510283557
【氏名又は名称】富泰華工業(深▲セン▼)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66,Chung Shan Road,Tu-Cheng New Taipei,236(TW)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】唐 海平
(72)【発明者】
【氏名】銭 正清
【テーマコード(参考)】
2H006
5E555
5G435
【Fターム(参考)】
2H006CA00
5E555AA64
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC08
5E555BE17
5E555CA42
5E555CB65
5E555CC05
5E555DA08
5E555DA09
5E555DB53
5E555DC21
5E555EA11
5E555EA22
5E555FA00
5G435DD03
5G435EE14
5G435EE16
5G435GG02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】レンズを回転させることで、仮想映像と目の視線との重なりを維持するヘッドマウント装置を提供する。
【解決手段】ヘッドマウント装置100において、本体フレーム1は、ユーザー200のヘッド201に装着するために使用され、レンズホルダ2は、本体フレームに回動可能に設けられ、レンズ3が設けられている。レンズは、仮想映像31を表示するために使用される。モニタ4は、本体フレーム1またはレンズホルダ2に設置され、ユーザーのヘッドの状態を監視する。レンズホルダはまた、ユーザーの目202に対するレンズの角度を変更し、観察範囲内での仮想映像の位置を調整するために、レンズを動かして移動させるように回動させて、仮想映像をユーザーの目の視線2022と重なり合うように維持させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーのヘッドに装着するための本体フレームと、
前記本体フレームに回動自在に設けられたレンズホルダと、
前記レンズホルダに設けられ、仮想映像を表示するために用いられるレンズと、
前記本体フレーム又は前記レンズホルダに設けられ、ユーザーのヘッドの状態を監視するためのモニタと、を備え、
前記仮想映像は観察範囲より小さく、前記観察範囲はユーザーの目が回動することにより見える範囲であり、
前記モニタによって監視されるユーザーのヘッドの状態に応じて、前記レンズホルダはユーザーの目に対する前記レンズの角度を変えるように回動して前記レンズを動かして移動させ、これにより、前記観察範囲内における前記仮想映像の位置を調整する
ことを特徴とするヘッドマウント装置。
【請求項2】
前記ユーザーのヘッドの状態は、ユーザーの目の視線位置を含み、前記モニタは、前記レンズホルダに設けられ、ユーザーの目の視線位置を追跡するための眼動追跡器を含み、
前記眼動追跡器がユーザーの目の視線が前記観察範囲内で前記仮想映像がカバーしていない位置に落ちると追跡した場合、前記レンズホルダは回動して前記仮想映像の前記観察範囲内での位置を変更し、
前記眼動追跡器がユーザーの目の視線が前記観察範囲内で前記仮想映像がカバーする位置に落ちると追跡した場合、前記レンズホルダは前記仮想映像の前記観察範囲内での位置が固定するように、前記本体フレームに対して固定される
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウント装置。
【請求項3】
前記ヘッドマウント装置は、分析制御モジュールと駆動モジュールとをさらに含み、前記分析制御モジュール及び前記駆動モジュールは、前記本体フレーム又は前記レンズホルダに設けられ、
前記分析制御モジュールは、前記眼動追跡器と前記駆動モジュールとにそれぞれ電気的に接続され、前記眼動追跡器が監視するユーザーの目の視線位置信号を受信して分析し、
前記分析制御モジュールは、ユーザーの目の視線が前記観察範囲内の前記仮想映像がカバーしていない位置に落ちると判断した場合、前記駆動モジュールを制御して前記レンズホルダを前記本体フレームに対して回動させ、
前記分析制御モジュールは、ユーザーの目の視線が前記観察範囲内の前記仮想映像がカバーする位置に落ちると判断した場合、前記レンズホルダが前記本体フレームに対して固定されることを維持するように前記駆動モジュールを制御する
ことを特徴とする請求項2に記載のヘッドマウント装置。
【請求項4】
ユーザーのヘッドの状態は、前記ユーザーのヘッドの回動角度を含み、
前記モニタは、慣性測定ユニットを含み、
前記慣性測定ユニットは、前記本体フレームに設けられて、前記ユーザーのヘッドの回動角度を監視するために用いられ、
前記慣性測定ユニットは、前記ユーザーのヘッドが前記ヘッドの初期位置よりも所定の角度を超えて回動することを監視した場合、前記レンズホルダは回動して、前記観察範囲内での前記仮想映像の位置を変え、
前記慣性測定ユニットは、前記ユーザーのヘッドが前記ヘッドの初期位置よりも回動角度が所定の角度を超えていないことを監視した場合、前記レンズホルダは前記本体フレームに対して固定され、前記仮想映像の前記観察範囲内での位置は固定される
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウント装置。
【請求項5】
前記ヘッドマウント装置は、分析制御モジュールと駆動モジュールとをさらに含み、前記分析制御モジュール及び前記駆動モジュールは、前記本体フレーム又は前記レンズホルダに設けられ、
前記分析制御モジュールは、前記眼動追跡器及び前記駆動モジュールにそれぞれ電気的に接続されて、前記眼動追跡器が監視するユーザーのヘッドの回動角度信号を受信して分析し、
前記分析制御モジュールは、前記ユーザーのヘッドの回動角度が前記所定の角度を超えていると判断すると、前記駆動モジュールを制御して前記レンズホルダを前記本体フレームに対して回動させ、
前記分析制御モジュールは、前記ユーザーのヘッドの回動角度が前記所定の角度を超えていないと判断すると、前記レンズホルダが前記本体フレームに対して固定されることを維持するように前記駆動モジュールを制御する
ことを特徴とする請求項4に記載のヘッドマウント装置。
【請求項6】
前記ヘッドマウント装置は、回転軸をさらに備え、前記レンズホルダは、前記回転軸を介して前記本体フレームに回動可能に連結され、
前記レンズホルダは、前記本体フレームに対して回動して、ユーザーの目に対する前記レンズの角度を変化させる
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のヘッドマウント装置。
【請求項7】
前記レンズホルダの数は1つであり、前記レンズホルダには2つの前記レンズが設けられ、2つの前記レンズはそれぞれユーザーの2つの目に前記仮想映像を表示するために用いられ、
前記レンズホルダが回動する際に、2つの前記レンズの角度はそれぞれ対応するユーザーの目が変化する角度と等しくなる
ことを特徴とする請求項6に記載のヘッドマウント装置。
【請求項8】
前記ヘッドマウント装置は、スライドレールとスライダとをさらに備え、前記本体フレームと前記レンズホルダの中の一方には第1の弧面が設けられ、他方には前記スライダが設けられており、前記スライドレールは、前記第1の弧面に沿って設けられ、前記スライダは、前記スライドレールに摺動可能に設けられ、これにより、前記レンズホルダは前記本体フレームに対して摺動して、前記レンズのユーザーの目に対する角度を変える
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のヘッドマウント装置。
【請求項9】
前記本体フレームは、ユーザーのヘッドにリング状に装着されるヘッドリングを含み、前記レンズホルダは、前記ヘッドリングに対して回動可能である
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のヘッドマウント装置。
【請求項10】
前記本体フレームは、前記ヘッドリングに設けられた固定パッドをさらに含み、前記固定パッドには、第2の弧面が設けられており、前記第2の弧面は、ユーザーのヘッドに対して前記ヘッドリングを固定するためにユーザーの額に貼り付けられ、前記レンズホルダは、前記固定パッドに回転自在に設けられている
ことを特徴とする請求項9に記載のヘッドマウント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、仮想映像デバイスの技術分野に関し、具体的には、ヘッドマウント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想映像デバイスは仮想映像を提供することができる。ユーザーは仮想映像デバイスのレンズを通して仮想映像デバイスが提供する仮想映像を見ることができる。目は外界を観察するときに、目は回転することによって大きな観察範囲を持つことができる。一方、仮想映像の画面が観察範囲より小さいので、目はすべての仮想映像を見ることができる。これと同時に観察範囲内に仮想映像にカバーされていない画面が現れる。一方、ヘッドは幾つかの状態では、目が回り、仮想映像でカバーされていない領域に目の視線が入り、これにより、仮想映像の画面が見えなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本願では、レンズを回転させることで、仮想映像と目の視線との重なりを維持できるようにするヘッドマウント装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の1つの実施形態は、ヘッドマウント装置を提供する。前述のヘッドマウント装置は、本体フレーム、レンズホルダ、レンズ及びモニタを含む。本体フレームは、ユーザーのヘッドに装着するために使用される。レンズホルダは本体フレームに回動可能に設けられている。レンズはレンズホルダに設けられている。レンズは仮想映像を表示するために使用される。仮想映像は観察範囲よりも小さい。観察範囲は、ユーザーの目が回動することによって見える範囲である。モニタは、本体フレームまたはレンズホルダに設置されている。モニタは、ユーザーのヘッドの状態を監視するために使用される。モニタによって、ユーザーのヘッドの状態を監視する。レンズホルダは、ユーザーの目に対するレンズの角度を変更し、観察範囲内での仮想映像の位置を調整するために、レンズを動かして移動させるように回動することができる。
【0005】
上記実施形態では、ユーザーの目は、レンズを通して仮想映像を見る。目は回動によって見える観察範囲が仮想映像よりも大きい。本体フレームはヘッドに対して固定されており、レンズホルダは本体フレームに対して回動することによりヘッドに対して回動して、レンズの目に対する角度を変えることで仮想映像の目に対する位置を変えるように、レンズを動かして移動させる。レンズは仮想映像と目の間にあるため、レンズを小幅に調整することで仮想映像の位置を大幅に変えることができる。これと同時に、モニタによって監視されたヘッドの状態情報に基づいて、観察範囲における目の視線の相対位置を判断し、且つ仮想映像の観察範囲内における相対位置と比較して、レンズの目に対する角度を調整し、仮想映像と目の視線との重なり合いを迅速に実現する。
【0006】
本願の幾つかの実施例では、ユーザーのヘッドの状態は、ユーザーの目の視線位置を含み、前記モニタは、前記レンズホルダに設けられ、ユーザーの目の視線位置を追跡するための眼動追跡器を含み、
前記眼動追跡器がユーザーの目の視線が前記観察範囲内で前記仮想映像がカバーしていない位置に落ちると追跡した場合、前記レンズホルダは回動して前記仮想映像の前記観察範囲内での位置を変更し、
前記眼動追跡器がユーザーの目の視線が前記観察範囲内で前記仮想映像がカバーする位置に落ちると追跡した場合、前記レンズホルダは前記仮想映像の前記観察範囲内での位置が固定するように、前記本体フレームに対して固定される。
【0007】
上述した実施例では、眼の視線位置はヘッドの状態の1つであり、眼動追跡器は眼に向けるようにレンズホルダに設けられて、眼の視線位置を監視する。目の視線位置を監視することにより、観察範囲と直接比較して目の視線の観察範囲内での相対位置を得る。これにより、仮想映像の位置が視線位置と重なり合わないときに、仮想映像が視線の所在位置に移動するようにレンズの角度を調整したり、仮想映像と視線との位置が重なり合うときに、レンズの角度を固定して、仮想映像を視線の所在位置に合わせるように維持したりすることができる。
【0008】
本願の幾つかの実施例では、前記ヘッドマウント装置は、分析制御モジュールと駆動モジュールとをさらに含み、前記分析制御モジュール及び前記駆動モジュールは、前記本体フレーム又は前記レンズホルダに設けられ、
前記分析制御モジュールは、前記眼動追跡器と前記駆動モジュールとにそれぞれ電気的に接続され、前記眼動追跡器が監視するユーザーの目の視線位置信号を受信して分析し、
前記分析制御モジュールは、ユーザーの目の視線が前記観察範囲内の前記仮想映像がカバーしていない位置に落ちると判断した場合、前記駆動モジュールを制御して前記レンズホルダを前記本体フレームに対して回動させ、
前記分析制御モジュールは、ユーザーの目の視線が前記観察範囲内の前記仮想映像がカバーする位置に落ちると判断した場合、前記レンズホルダが前記本体フレームに対して固定されることを維持するように前記駆動モジュールを制御する。
【0009】
上記実施例では、眼動追跡器は、目の視線位置を監視し且つそれを信号に変換して分析制御モジュールに伝送する。分析制御モジュールは、この信号を分析して視線の観察範囲内での位置を判断することができる。このように、目の視線位置と仮想映像とのずれ及びずれの位置を得ることができる。その後、分析制御モジュールは、駆動モジュールがレンズホルダに対してどのような駆動動作を実行するかを制御し、レンズホルダを回動させるか、レンズホルダを固定したままにして、仮想映像と目の視線との重ね合わせ較正を自動的に完了する。
【0010】
本願の幾つかの実施例では、ユーザーのヘッドの状態は、前記ユーザーのヘッドの回動角度を含み、
前記モニタは、慣性測定ユニットを含み、
前記慣性測定ユニットは、前記本体フレームに設けられて、前記ユーザーのヘッドの回動角度を監視するために用いられ、
前記慣性測定ユニットは、前記ユーザーのヘッドが前記ヘッドの初期位置よりも所定の角度を超えて回動することを監視した場合、前記レンズホルダは回動して、前記観察範囲内での前記仮想映像の位置を変え、
前記慣性測定ユニットは、前記ユーザーのヘッドが前記ヘッドの初期位置よりも回動角度が所定の角度を超えていないことを監視した場合、前記レンズホルダは前記本体フレームに対して固定され、前記仮想映像の前記観察範囲内での位置は固定される。
【0011】
上記実施例では、ヘッドの回動角度はヘッドの状態の1つである。慣性測定ユニットは本体フレーム1に設けられ、本体フレームはヘッドに対して固定されているので、慣性測定ユニットはヘッドの3軸姿勢角及び加速度を測定して、さらにヘッドの回動角度を得ることができる。一方、ヘッドが回動する際に、目もそれに伴って回動するので、ヘッドの回動角度を監視することによって目の視線位置の判断を実現することができ、観察範囲と間接的に比較して目の視線の観察範囲内での相対位置を得ることができる。これにより、仮想映像と視線との位置が重なり合わないときに、仮想映像が視線の所在位置に移動するようにレンズの角度を調整することができる。または、仮想映像と視線との位置が重なり合うときに、レンズの角度を固定して、仮想映像の位置と視線の所在位置との重なりを維持ようにすることができる。
【0012】
本願の幾つかの実施例では、前記ヘッドマウント装置は、分析制御モジュールと駆動モジュールとをさらに含み、前記分析制御モジュール及び前記駆動モジュールは、前記本体フレーム又は前記レンズホルダに設けられ、
前記分析制御モジュールは、前記眼動追跡器及び前記駆動モジュールにそれぞれ電気的に接続されて、前記眼動追跡器が監視するユーザーのヘッドの回動角度信号を受信して分析し、
前記分析制御モジュールは、前記ユーザーのヘッドの回動角度が前記所定の角度を超えていると判断すると、前記駆動モジュールを制御して前記レンズホルダを前記本体フレームに対して回動させ、
前記分析制御モジュールは、前記ユーザーのヘッドの回動角度が前記所定の角度を超えていないと判断すると、前記レンズホルダが前記本体フレームに対して固定されることを維持するように前記駆動モジュールを制御する。
【0013】
上記実施例では、慣性測定ユニットは、ヘッドの回動角度を監視し且つそれを信号に変換して分析制御モジュールに伝送する。分析制御モジュールはこの信号を分析して、ヘッドの回動角度の大きさに基づいて眼の回転角度を分析し、それによって目の視線位置を取得し、且つ観察範囲内での視線位置を判断して、さらに、目の視線位置が仮想映像とずれているかどうか及びずれている位置を得る。その後、分析制御モジュールは、駆動モジュールがレンズホルダに対してどのような駆動動作を実行するかを制御し、レンズホルダを回動させるかまたはレンズホルダの固定状態を維持して、仮想映像と目の視線との重ね合わせ較正を自動的に完了する。
【0014】
本願の幾つかの実施例では、前記ヘッドマウント装置は、回転軸をさらに備え、前記レンズホルダは、前記回転軸を介して前記本体フレームに回動可能に連結され、
前記レンズホルダは、前記本体フレームに対して回動して、ユーザーの目に対する前記レンズの角度を変化させる。
【0015】
上記実施例では、レンズホルダは、回転軸回りに回動可能であるので、本体フレームに対して回動可能である。レンズはレンズホルダに対して固定されると、レンズホルダはレンズを動かして本体フレームに対して回動させる。一方では、本体フレームの目に対する位置は固定される。これにより、レンズの目に対する角度は変えられ、観察範囲内における仮想映像の位置を調整して、仮想映像と目の視線位置が重なるようにする。
【0016】
本願の幾つかの実施例では、前記レンズホルダの数は1つであり、前記レンズホルダには2つの前記レンズが設けられ、2つの前記レンズはそれぞれユーザーの2つの目に前記仮想映像を表示するために用いられ、
前記レンズホルダが回動する際に、2つの前記レンズの角度はそれぞれ対応するユーザーの目が変化する角度と等しくなる。
【0017】
上記実施例では、ユーザーの2つの目の回動方向と角度の大きさは同じである。1つのレンズホルダを介して2つのレンズを同時に動かし移動させ、2つのレンズとそれぞれの対応する目との間の角度を同期して変化させ、且つ2つのレンズとそれぞれの対応する目との角度を等しく維持すれば、2つの目の視線位置を同時に仮想映像と重ね合わせることができ、一方の目が仮想映像の画面を見えるが、他方の目が仮想映像の画面を見えない状況は避けられる。
【0018】
本願の幾つかの実施例では、前記ヘッドマウント装置は、スライドレールとスライダとをさらに備え、前記本体フレームと前記レンズホルダの中の一方には第1の弧面が設けられ、他方には前記スライダが設けられており、前記スライドレールは、前記第1の弧面に沿って設けられ、前記スライダは、前記スライドレールに摺動可能に設けられ、これにより、前記レンズホルダは前記本体フレームに対して摺動して、前記レンズのユーザーの目に対する角度を変える。
【0019】
上記実施例では、スライダとスライドレールとの協働によって、レンズホルダは本体フレームに対してスライド可能になり、レンズホルダのスライド方向はスライドレールの延在方向である。スライドレールは、本体フレームにおける第1の弧面に沿って延在する。従って、レンズホルダはスライドと同時に本体フレームに対して回動可能であるが、レンズはレンズホルダに対して固定され、本体フレームの目に対する位置は固定される。これにより、目に対するレンズの角度を変えることができ、観察範囲内における仮想映像の位置を調整して、仮想映像と目の視線との位置が重なるようにする。
【0020】
本願の幾つかの実施例では、前記本体フレームは、ユーザーのヘッドにリング状に装着されるヘッドリングを含み、前記レンズホルダは、前記ヘッドリングに対して回動可能である。
【0021】
上記実施例では、ヘッドリングは、ヘッドに環設され、複数方向においてヘッドによりストッパされて移動できなくなる。このように、ヘッドリングをヘッドに対する位置を固定すると、レンズホルダがヘッドリングに対して回動することで、レンズホルダがヘッドに対して回動できるようになる。これにより、レンズを動かして目に対する角度を変更させて、仮想映像と目の視線との位置を重なり合うようにする。
【0022】
本願の幾つかの実施例では、前記本体フレームは、前記ヘッドリングに設けられた固定パッドをさらに含み、前記固定パッドには、第2の弧面が設けられており、前記第2の弧面は、ユーザーのヘッドに対して前記ヘッドリングを固定するためにユーザーの額に貼り付けられ、前記レンズホルダは、前記固定パッドに回転自在に設けられている。
【0023】
上記実施例において、ヘッドリングには固定パッドが設けられており、ヘッドリングがヘッドに環設されること及び固定パッドの第2の弧面がユーザーの額に当接することの共同作用によって、ヘッドリング、固定パッドとヘッドとの相対位置の安定性は強化される。これにより、レンズホルダが固定パッドに対して回動してレンズを動かして目に対する角度を変えると、レンズと目との間の角度はヘッドリングと固定パッドのヘッドに対する移動の影響を受けず、レンズホルダがレンズを動かして目との角度を安定的に変え、仮想映像と目の視線との位置を安定的に一致させることができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本願の実施形態の技術的態様をより明確に説明するために、以下に実施形態における図面を簡単に説明するが、以下の図面は本願の幾つかの実施形態のみを示しているので、範囲の限定とみなすべきではないことを理解すべきである。
【
図1】本願の一実施例に係るモニタが眼動追跡器である場合のヘッドマウント装置がユーザーのヘッドに装着された時の構造概略図である。
【
図2】
図1のヘッドマウント装置がレンズの回動を制御する時のフローチャートである。
【
図3】本願の一実施例に係るモニタが慣性測定ユニットである場合のヘッドマウント装置がユーザーのヘッドに装着された場合の構造概略図である。
【
図4】
図3のヘッドマウント装置がレンズの回動を制御する時のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本願の実施形態における技術的態様について、本願の実施形態における図面と関連して説明するが、明らかに、説明された実施形態は本願の一部の実施形態にすぎず、すべての実施形態ではない。
【0026】
本願の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などが示す方位または位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、単に本願の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、指定された装置または素子が特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作されることを指示したり暗示したりするものではなく、本願に対する制限として理解すべきではない。
【0027】
なお、あるコンポーネントが別のコンポーネントに「固定」されると称する場合、それは直接に別のコンポーネントに固定されてもよいし、中間媒体を介して別のコンポーネントに固定されてもよい。あるコンポーネントが別のコンポーネントに「接続される」と認定される場合、それは別のコンポーネントに直接接続されているか、同時に中間媒体が存在する可能性がある。あるコンポーネントが別のコンポーネントに「設置される」と認定される場合、それは別のコンポーネントに直接設置されているか、同時に中間媒体が存在する可能性がある。
【0028】
特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本願の分野に属する技術者が一般的に理解するものと同じ意味である。本願の明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、本願を制限することを意図するものではない。本明細書で使用される用語「及び/または」は、1つまたは複数の関連する列挙されたアイテムの任意及びすべての組合せを含む。
【0029】
本願の実施形態によるヘッドマウント装置は、本体フレーム、レンズホルダ、レンズ及びモニタを含む。本体フレームは、ユーザーのヘッドに装着するために使用される。レンズホルダは本体フレームに回動可能に設けられている。レンズはレンズホルダに設けられている。レンズは仮想映像を表示するために使用される。仮想映像は観察範囲よりも小さい。観察範囲は、ユーザーの目が回動することによって見える範囲である。モニタは、本体フレームまたはレンズホルダに設置されている。モニタは、ユーザーのヘッドの状態を監視するために使用される。モニタによって、ユーザーのヘッドの状態を監視する。レンズホルダは、ユーザーの目に対するレンズの角度を変更し、観察範囲内の仮想映像の位置を調整するために、回動してレンズを動かすことができる。
【0030】
ユーザーの目は、レンズを通して仮想映像を見る。目は回動によって見える観察範囲が仮想映像よりも大きい。本体フレームはヘッドに対して固定されており、レンズホルダは本体フレームに対して回動することによりヘッドに対して回動して、レンズの目に対する角度を変えることで仮想映像の目に対する位置を変えるように、レンズを動かして移動させる。レンズは仮想映像と目の間にあるため、レンズを小幅に調整することで仮想映像の位置を大幅に変えることができる。これと同時に、モニタによって監視されたヘッドの状態情報に基づいて、観察範囲における目の視線の相対位置を判断し、且つ仮想映像の観察範囲内における相対位置と比較して、レンズの目に対する角度を調整し、仮想映像と目の視線との重なり合いを迅速に実現する。
【0031】
以下、添付図面に基づいて、本願の幾つかの実施形態について詳細に説明する。矛盾しない場合には、以下の実施形態及び実施形態における特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0032】
図1及び
図3に示すように、本願の一実施形態に係るヘッドマウント装置100は、本体フレーム1と、レンズホルダ2と、レンズ3と、モニタ4とを含む。本体フレーム1は、ユーザー200のヘッド201に装着するためのものである。レンズホルダ2は、本体フレーム1に回動可能に設けられている。レンズ3は、レンズホルダ2に設けられている。レンズ3は、仮想映像31を表示するために用いられる。仮想映像31は、観察範囲2021よりも小さい。観察範囲2021は、ユーザー200の目202が回動することによって見える範囲である。モニタ4は、本体フレーム1又はレンズホルダ2に設けられている。モニタ4は、ユーザー200のヘッド201の状態を監視するために用いられる。モニタ4によって、ユーザー200のヘッド201の状態を監視する。レンズホルダ2は、ユーザー200の目202に対するレンズ3の角度を変えて、観察範囲2021内における仮想映像31の位置を調整するように、回動してレンズ3を動かして移動させることができる。
【0033】
ユーザー200の目202は、レンズ3を介して仮想映像31を見る。目202は回動によって見える観察範囲2021は、仮想映像31よりも大きい。本体フレーム1は、ヘッド201に対して固定されている。レンズホルダ2は、本体フレーム1に対して回動することによりヘッド201に対して回動可能である。レンズホルダ2は、レンズ3の目202に対する角度を変えることで仮想映像31の目202に対する位置を変えるように、レンズ3を動かして移動させる。レンズ3は仮想映像31と目202の間にあるため、レンズ3を小幅に調整することで仮想映像31の位置を大幅に変えることができる。これと同時に、モニタ4によって監視されたヘッド201の状態情報に基づいて、観察範囲2021における目202の視線2022の相対位置を判断し、且つ仮想映像31の観察範囲2021内における相対位置と比較して、レンズ3の目202に対する角度を調整し、仮想映像31と目202の視線2022との重なり合いを迅速に実現する。
【0034】
幾つかの実施例では、仮想映像31は、AR仮想映像31、VR仮想映像31、及びMR仮想映像31を含むが、これらに限定されない。幾つかの実施例では、レンズ3が表示する仮想映像31は、レンズ3に対する角度が固定されている。
【0035】
幾つかの実施例では、目202は回動することによってレンズ3の範囲外の領域を見ることができる。観察範囲2021は、目202がレンズ3を通して見える部分よりも大きい。これと同時に、目202がレンズ3を通して見る範囲は、仮想映像31よりも大きい。即ち、目202がレンズ3を通して見る時にも、仮想映像31によってまだ一部の領域がカバーされていない。レンズホルダ2は、観察範囲2021内での仮想映像31の位置を調整するために、レンズ3が目202に対して角度を変えるように回動する。なお、幾つかの実施例では、目202は回動することによってレンズ3の範囲外の領域を見ることができる。観察範囲2021は、目202がレンズ3を通して見える部分よりも大きい。これと同時に、仮想映像31は、目202がレンズ3を通して見る範囲をすべてカバーすることができる。同様に、レンズホルダ2の回動によって、レンズ3は目202に対して角度を変えて、観察範囲2021内での仮想映像31の位置を調整する。
【0036】
図1及び
図3に示すように、幾つかの実施例では、ヘッドマウント装置100は、回転軸5をさらに備える。レンズホルダ2は、回転軸5を介して本体フレーム1に回動可能に連結される。レンズホルダ2は、本体フレーム1に対して回動して、ユーザー200の目202に対するレンズ3の角度を変化させる。レンズホルダ2は、回転軸5回りに回動可能であるので、本体フレーム1に対して回動可能である。レンズ3はレンズホルダ2に対して固定されると、レンズホルダ2はレンズ3を動かして本体フレーム1に対して回動させる。一方では、本体フレーム1の目202に対する位置は固定される。これにより、レンズ3の目202に対する角度は変えられ、観察範囲2021内における仮想映像31の位置を調整して、仮想映像31と目202の視線2022の位置が重なるようにする。
【0037】
幾つかの実施例では、レンズホルダ2は回転軸5に固定的に接続され、駆動モジュールは回転軸5を駆動して回動させることでレンズホルダ2を回動させる。回転軸5は、電動回転軸5である。
【0038】
図1及び
図2に示すように、幾つかの実施例では、ユーザー200のヘッド201の状態は、ユーザー200の目202の視線2022の位置を含む。モニタ4は、眼動追跡器41を含む。眼動追跡器41は、レンズホルダ2に設けられている。眼動追跡器41は、ユーザー200の目202の視線2022の位置を追跡するために用いられる。眼動追跡器41がユーザー200の目202の視線2022が観察範囲2021内の仮想映像31がカバーしていない位置に落ちたと追跡すると、レンズホルダ2は回動して、観察範囲2021内での仮想映像31の位置を変える。眼動追跡器41がユーザー200の目202の視線2022が観察範囲2021内の仮想映像31がカバーする位置に落ちたと追跡すると、レンズホルダ2は本体フレーム1に対して固定され、仮想映像31の観察範囲2021内での位置は固定される。目202の視線2022の位置はヘッド201の状態の1つであり、眼動追跡器41は目202に向けるようにレンズホルダ2に設けられて、目202の視線2022の位置を監視する。目202の視線2022の位置を監視することにより、観察範囲2021と直接比較して目202の視線2022の観察範囲2021内での相対位置を得る。これにより、仮想映像31の位置が視線2022の位置と重なり合わないときに、仮想映像31が視線2022の所在位置に移動するようにレンズ3の角度を調整したり、仮想映像31と視線2022との位置が重なり合うときに、レンズ3の角度を固定して、仮想映像31を視線2022の所在位置に合わせるように維持したりすることができる。幾つかの実施例では、眼動追跡器41は、レンズホルダ2に設けられ且つ目202に向かうカメラをさらに含む。このカメラは、眼球と眼球周辺の特徴変化に基づいて目202の視線2022を追跡したり、虹彩角度変化に基づいて目202の視線2022を追跡したりすることができ、赤外線などの光束を虹彩に能動的に投射することで特徴を抽出して、目202の視線2022を追跡したりすることもできる。
【0039】
図1及び
図2に示すように、幾つかの実施例では、仮想映像31は、観察範囲2021内と観察範囲2021の下限との間に被覆されていない位置を有する。眼動追跡器41は、ユーザー200の目202の視線2022が一定の角度まで下に偏向したことを追跡すると、ユーザー200の目202の視線2022が観察範囲2021内の仮想映像31の下方の領域に入ると判定し、レンズホルダ2はレンズ3の下辺が上辺よりも目202に近づくように回動し、これにより、レンズ3の目202に対する角度を変えて、仮想映像31を目202の視線2022に再び重ね合わせるようにする。通常、ユーザー200は、近く、特に直視より下方に偏った位置を見る。ユーザー200は、頭を下げるよりも、画面を見るために目202を回転させる傾向がある。一方、ユーザー200は、左側、右側、または上側を見る場合には、画面を見るために頭を回転する傾向がある。
【0040】
図1及び
図2に示すように、幾つかの実施例では、ヘッドマウント装置100は、分析制御モジュール(図示せず)と駆動モジュール(図示せず)とをさらに含む。分析制御モジュール及び駆動モジュールは、本体フレーム1又はレンズホルダ2に設けられている。分析制御モジュールは、眼動追跡器41及び駆動モジュールにそれぞれ電気的に接続されている。分析制御モジュールは、眼動追跡器41が監視するユーザー200の目202の視線2022の位置信号を受信して分析することができる。分析制御モジュールは、ユーザー200の目202の視線2022が観察範囲2021内の仮想映像31がカバーしていない位置に落ちたと判断すると、駆動モジュールを制御してレンズホルダ2を本体フレーム1に対して回動させる。分析制御モジュールは、ユーザー200の目202の視線2022が観察範囲2021内の仮想映像31がカバーする位置に落ちたと判断すると、レンズホルダ2が本体フレーム1に対して固定されることを維持するように駆動モジュールを制御する。眼動追跡器41は、目202の視線2022の位置を監視し、且つそれを信号に変換して分析制御モジュールに伝送する。分析制御モジュールは、この信号を分析して視線2022の観察範囲2021内での位置を判断することができる。このように、目202の視線2022の位置と仮想映像31とのずれ及びずれの位置を得ることができる。その後、分析制御モジュールは、駆動モジュールがレンズホルダ2に対してどのような駆動動作を実行するかを制御し、レンズホルダ2を回動させるか又はレンズホルダ2を固定したままにして、仮想映像31と目202の視線2022との重ね合わせ較正を自動的に完了する。幾つかの実施例では、電気通信接続は電気接続または信号接続であり、信号の伝送を実現することができればよいことが理解される。
【0041】
幾つかの実施例では、分析制御モジュールは、SoCチップを含むが、これらに限定されない。
【0042】
図3及び
図4に示すように、幾つかの実施例では、ユーザー200のヘッド201の状態は、ユーザー200のヘッド201の回動角度を含む。モニタ4は、慣性測定ユニット42を含む。慣性測定ユニット42は、本体フレーム1に設けられている。慣性測定ユニット42は、ユーザー200のヘッド201の回動角度を監視するために用いられる。慣性測定ユニット42は、ユーザー200のヘッド201がヘッド201の初期位置よりも所定の角度を超えて回動することを監視した場合、レンズホルダ2は回動して、観察範囲2021内での仮想映像31の位置を変える。慣性測定ユニット42は、ユーザー200のヘッド201がヘッド201の初期位置よりも回動角度が所定の角度を超えていないことを監視した場合、レンズホルダ2は本体フレーム1に対して固定され、仮想映像31の観察範囲2021内での位置は固定される。ヘッド201の回動角度はヘッド201の状態の1つである。慣性測定ユニット42は本体フレーム1に設けられ、本体フレーム1はヘッド201に対して固定されているので、慣性測定ユニット42はヘッド201の3軸姿勢角及び加速度を測定して、さらにヘッド201の回動角度を得ることができる。一方、ヘッド201が回動する際に、目202もそれに伴って回動するので、ヘッド201の回動角度を監視することによって目202の視線2022の位置の判断を実現することができ、観察範囲2021と間接的に比較して目202の視線2022の観察範囲2021内での相対位置を得ることができる。これにより、仮想映像31と視線2022との位置が重なり合わないときに、仮想映像31が視線2022の所在位置に移動するようにレンズ3の角度を調整することができる。または、仮想映像31と視線2022との位置が重なり合うときに、レンズ3の角度を固定して、仮想映像31の位置と視線2022の所在位置との重なりを維持ようにすることができる。幾つかの実施例では、慣性測定ユニット42はIMUである。IMUは、3つの単軸の加速度計と3つの単軸のジャイロスコープとを含み、3次元空間におけるヘッド201の角速度と加速度を測定し、且つそれによってヘッド201の回動角度を算出する。
【0043】
図3及び
図4に示すように、幾つかの実施例では、仮想映像31は、観察範囲2021内と観察範囲2021の下限との間に被覆されていない位置を有する。慣性測定ユニット42は、ヘッド201が一定の角度まで下方向に回動するのを監視した後、ユーザー200の目202の視線2022が観察範囲2021内の仮想映像31の下の領域に落ちると判定し、レンズホルダ2は、レンズ3の下辺が上辺よりも目202に近づくように回動し、これにより、レンズ3の目202に対する角度は変化し、仮想映像31が目202の視線2022と再び重なるようになる。通常、ユーザー200は、左側、右側、上側または下側を見る時に、ヘッド201の回動が目202の回動に合わせて目標位置を見る。例えば、ユーザーが頭を下げて地面を見る時に、目202は15°程度の下傾がある。この場合、レンズホルダ2を通じてレンズ3を動かして移動させることで、仮想映像31をダウンシフトさせて、頭を下げる際の目202の15°程度の下傾偏差を解消することができる。また、ユーザー200が前方を直視する時に、目202は5°程度の下傾を有し、レンズホルダ2を介してレンズ3を動かして仮想映像31をダウンシフトさせて、正面視時の目202の5°程度の下傾偏差を解消することができる。
【0044】
図3及び
図4に示すように、幾つかの実施例では、分析制御モジュールは、慣性測定ユニット42及び駆動モジュールにそれぞれ電気的に接続されている。分析制御モジュールは、慣性測定ユニット42によって監視されたユーザー200のヘッド201の回動角度信号を受信して解析することができる。分析制御モジュールは、ユーザー200のヘッド201の回動角度が所定の角度を超えていると判断すると、駆動モジュールを制御してレンズホルダ2を本体フレーム1に対して回動させる。分析制御モジュールは、ユーザー200のヘッド201の回動角度が所定の角度を超えていないと判断すると、レンズホルダ2が本体フレーム1に対して固定されることを維持するように駆動モジュールを制御する。慣性測定ユニット42は、ヘッド201の回動角度を監視し、且つそれを信号に変換して分析制御モジュールに伝送する。分析制御モジュールはこの信号を分析して、ヘッド201の回動角度の大きさに基づいて目202の回転角度を分析し、それによって目202の視線2022の位置を取得し、且つ観察範囲2021内での視線2022の位置を判断して、さらに、目202の視線2022の位置が仮想映像31とずれているかどうか及びずれている位置を得る。その後、分析制御モジュールは、駆動モジュールがレンズホルダ2に対してどのような駆動動作を実行するかを制御し、レンズホルダ2を回動させるかまたはレンズホルダ2の固定状態を維持して、仮想映像31と目202の視線2022との重ね合わせ較正を自動的に完了する。
【0045】
なお、他の実施例では、ヘッド201の状態には、耳に聞こえた音なども含まれている。耳に音が聞こえた後、ユーザー200は、目202を回動させるように音が発生する位置へ見る。従って、レンズホルダ2は回動し、且つレンズ3を動かしてレンズ3のユーザー200の目202に対する角度を変更して、仮想映像31の観察範囲2021内での位置を調整する。
【0046】
図1及び
図3に示すように、幾つかの実施例では、レンズホルダ2の数は1つであり、レンズホルダ2は2つのレンズ3を備え、2つのレンズ3はそれぞれユーザー200の2つの目202に仮想映像31を表示するために使用される。レンズホルダ2が回動する際に、2つのレンズ3の角度はそれぞれ対応するユーザー200の目202が変化する角度と等しくなる。ユーザー200の2つの目202の回動方向と角度の大きさは同じである。1つのレンズホルダ2を介して2つのレンズ3を同時に動かし移動させ、2つのレンズ3とそれぞれの対応する目202との間の角度を同期して変化させ、且つ2つのレンズ3とそれぞれの対応する目202との角度を等しく維持すれば、2つの目202の視線2022の位置を同時に仮想映像31と重ね合わせることができ、一方の目202が仮想映像31の画面を見えるが、他方の目202が仮想映像31の画面を見えない状況は避けられる。幾つかの実施例では、ユーザー200は直立して直視し、ヘッドマウント装置100を装着する場合、垂直方向において、回転軸5は目202及びレンズ3よりも高い。
【0047】
幾つかの実施例では、ヘッドマウント装置100は、スライドレール(図示せず)とスライダ(図示せず)とをさらに備える。本体フレーム1とレンズホルダ2の中の一方には第1の弧面121が設けられ、他方にはスライダが設けられている。スライドレールは第1の弧面121に沿って設けられ、スライダはスライドレールに摺動可能に設けられる。これにより、レンズホルダ2は本体フレーム1に対して摺動して、レンズ3のユーザー200の目202に対する角度を変える。スライダとスライドレールとの協働によって、レンズホルダ2は本体フレーム1に対してスライド可能になり、レンズホルダ2のスライド方向はスライドレールの延在方向である。スライドレールは、本体フレーム1における第1の弧面121に沿って延在する。従って、レンズホルダ2はスライドと同時に本体フレーム1に対して回動可能であるが、レンズ3はレンズホルダ2に対して固定され、本体フレーム1の目202に対する位置は固定される。これにより、目202に対するレンズ3の角度を変えることができ、観察範囲2021内における仮想映像31の位置を調整して、仮想映像31と目202の視線2022との位置が重なるようにする。
【0048】
図1及び
図3を参照すると、幾つかの実施例では、本体フレーム1は、ユーザー200のヘッド201にリング状に装着されるヘッドリング11を含む。レンズホルダ2はヘッドリング11に対して回動可能である。ヘッドリング11は、ヘッド201に環設され、複数方向においてヘッド201によりストッパされて移動できなくなる。このように、ヘッドリング11をヘッド201に対する位置を固定すると、レンズホルダ2がヘッドリング11に対して回動することで、レンズホルダ2がヘッド201に対して回動できるようになる。これにより、レンズ3を動かして目202に対する角度を変更させて、仮想映像31と目202の視線2022との位置を重なり合うようにする。
【0049】
図1及び
図3に示すように、幾つかの実施例では、本体フレーム1は、ヘッドリング11に設けられた固定パッド12をさらに含む。固定パッド12は、ユーザー200のヘッド201に対してヘッドリング11を固定するためにユーザー200の額に貼り付けるための第2の弧面122を備える。レンズホルダ2は、固定パッド12に回転自在に設けられている。ヘッドリング11には固定パッド12が設けられており、ヘッドリング11がヘッド201に環設されること及び固定パッド12の第2の弧面122がユーザー200の額に当接することの共同作用によって、ヘッドリング11、固定パッド12とヘッド201との相対位置の安定性は強化される。これにより、レンズホルダ2が固定パッド12に対して回動してレンズ3を動かして目202に対する角度を変えると、レンズ3と目202との間の角度はヘッドリング11と固定パッド12のヘッド201に対する移動の影響を受けず、レンズホルダ2がレンズ3を動かして目202との角度を安定的に変え、仮想映像31と目202の視線2022との位置を安定的に一致させることができるようにする。
【0050】
本願では、ユーザー200の目202はレンズ3を介して仮想映像31を見ており、目202は回動によって見える観察範囲2021は仮想映像31よりも大きい。本体フレーム1はヘッド201に対して固定されており、レンズホルダ2は本体フレーム1に対して回動することによりヘッド201に対して回動可能であり、レンズ3の目202に対する角度が変化するようにレンズ3を動かして移動させることで、仮想映像31の目202に対する位置を変えることができる。レンズ3は仮想映像31と目202との間にあるため、レンズ3を小幅に調整することで仮想映像31の位置を大幅に変えることができる。これと同時に、モニタ4によって監視されるヘッド201の状態情報に基づいて、観察範囲2021内における目202の視線2022の相対位置を判断し、且つ観察範囲2021内における仮想映像31の相対位置と比較して、レンズ3の目202に対する角度を調整し、仮想映像31と目202の視線2022との重なり合いを迅速に実現する。
【0051】
以上の実施形態は、本願の技術的態様を説明するためにのみ使用され、本願発明を制限するものではない。上述の好ましい実施形態を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は、本願の技術的態様に対して修正するかまたは同等に置き換えることで得られたものは、いずれも本願発明の精神と範囲内に属される。
【0052】
本願の背景技術部分に開示された情報は、本願の全体的な背景に対する理解を容易にするだけを目的としており、当該情報が当業者に公知の先行技術を構成していることを承認または何らかの形で示唆するものではない。
【符号の説明】
【0053】
100 ヘッドマウント装置
1 本体フレーム
11 ヘッドリング
12 固定パッド
121 第1の弧面
122 第2の弧面
2 レンズホルダ
3 レンズ
31 仮想映像
4 モニタ
41 眼動追跡器
42 慣性測定ユニット
5 回転軸
200 ユーザー
201 ヘッド
202 目
2021 観察範囲
2022 視線