(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010157
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】ユーザの健康状態を評価するためのシステムおよび前記システムの作動方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/16 20060101AFI20240116BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20240116BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240116BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20240116BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A61B5/16 110
A61B5/107 300
A61B5/16 130
A61B5/11 200
A61B5/113
A61B5/00 102A
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188076
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2019562366の分割
【原出願日】2018-05-02
(31)【優先権主張番号】201721016237
(32)【優先日】2017-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】519396463
【氏名又は名称】マドナニ,アカーシュ
【氏名又は名称原語表記】MADNANI,Akash
【住所又は居所原語表記】605/E, Next to Pioneer Nursing Home, Near Play House School, Byramji, Town Nagpur 440013 India
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(72)【発明者】
【氏名】マドナニ,アカーシュ
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ,ヴィヴェーク
(72)【発明者】
【氏名】シェイク,ジャブド
(72)【発明者】
【氏名】シュクラ,プラタップ
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラ,マニッシュ
(72)【発明者】
【氏名】アザド,エリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】メシュラム,スワプニル
(72)【発明者】
【氏名】ハッサーニ,ウメーシュ
(72)【発明者】
【氏名】シブナニ,アナーディ
(72)【発明者】
【氏名】パグハダル,アニル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】該システムはウェアラブルデバイスと電子デバイスを備える。ウェアラブルデバイスは胴に装着可能である。ウェアラブルデバイスは呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターン、周囲環境等のパラメータを検知するように構成された検知システムを備える。検知されたデータはウェアラブルデバイスの第1処理ユニットから電子デバイスの第2処理ユニットにデータ処理のため無線送信される。ユーザ又はグループの精神的健康状態および身体的健康状態を計算するため、データが、調整され入力されたデータと比較される。データはクラウドストレージに記憶され、そこで、第3アプリケーションモジュールが精神的健康状態および身体的健康状態の履歴データを処理し、精神的健康状態および身体的健康状態を向上させる示唆を与えるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの健康状態を評価するためのシステムであって、
前記ユーザに装着されるウェアラブルデバイスと、
前記ウェアラブルデバイスと無線通信を行う電子デバイスと、
クラウドストレージ内に構成された第3アプリケーションモジュールと、を備え、
前記ウェアラブルデバイスは、
検知システムであって、前記ユーザの呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターンおよび周囲環境を検知してユーザデータを生成し、第1処理ユニットに前記ユーザデータを送信するように構成された検知システムと、
第1処理モジュールを有する前記第1処理ユニットと、を備え、
前記電子デバイスは、
前記第1処理モジュールから前記ユーザデータを受信するように構成された第2処理ユニットと、
第2処理モジュールと、を備え、
前記第2処理ユニットは、
受信した前記ユーザデータを処理し、
前記ユーザの名前、性別、年齢、体重に関する調整され入力された比較用データと比較して前記ユーザの精神的健康状態および身体的健康状態を評価するために、前記ユーザデータを前記第2処理モジュールに送信し、
前記精神的健康状態および前記身体的健康状態は、前記第2処理モジュールを介してリアルタイムで前記ユーザに通知され、
前記ユーザデータ、並びに、前記精神的健康状態および前記身体的健康状態は、周期的に前記クラウドストレージに記憶され、
検知された前記呼吸パターン、活動、睡眠パターン、姿勢および周囲環境も前記クラウドストレージに記憶され、
前記第3アプリケーションモジュールは、
前記クラウドストレージに記憶された前記ユーザの前記精神的健康状態および前記身体的健康状態の履歴データと、他のユーザについて同様に評価され記憶された前記他のユーザの精神的健康状態および身体的健康状態の履歴データとを処理して、パターンを特定し、
特定した前記パターンに基づいて、前記ユーザの前記精神的健康状態および前記身体的健康状態を向上させるための示唆を提供することを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記検知システムは、光センサ、ノイズセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、力検知抵抗器センサおよびひずみゲージを備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記呼吸パターンは、力検知抵抗器センサ、ひずみゲージおよび加速度計によって検知されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ウェアラブルデバイスは、前記ユーザの胴に装着されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2処理モジュールは、前記呼吸パターンを分析して前記ユーザの前記精神的健康状態を決定することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ウェアラブルデバイスは寝る前に夜間モードに設定され、
前記夜間モード中、前記周囲環境に関して温度、光および雑音のデータが収集され、
収集された前記温度、光および雑音のデータを含む前記ユーザデータが前記第1処理ユニットに送信されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
各ユーザについて、真っ直ぐ立っている姿勢および真っ直ぐ座っている姿勢とすることで、前記姿勢が調整されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記活動および前記睡眠パターンは、加速度計、磁力計およびジャイロスコープによって検知されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項9】
前記周囲環境は、光センサ、ノイズセンサおよび温度センサによって検知されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項10】
前記姿勢は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計およびひずみゲージによって検知されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項11】
複数の前記ユーザのグループをクラウドで生成可能であり、
複数の前記ユーザの前記精神的健康状態および前記身体的健康状態の履歴データを集約した集約データを、前記第2処理モジュールを介して前記電子デバイスに表示可能であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記電子デバイスのGPSを用いて、前記ユーザの地理的位置が特定され、前記ユーザの前記精神的健康状態および前記身体的健康状態は前記地理的位置と関連付けて評価されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ユーザの健康状態を評価するためのシステムの作動方法であって、
前記システムは、
検知システムおよび第1処理モジュールを備え、前記ユーザに装着されるウェアラブルデバイスと、
第2処理モジュールを備え、前記ウェアラブルデバイスと無線通信を行う電子デバイスと、
クラウドストレージ内に構成された第3アプリケーションモジュールと、を備え、
前記検知システムが、前記ユーザの呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターンおよび周囲環境を検知してユーザデータを生成するステップと、
前記検知システムから前記第1処理モジュールに前記ユーザデータを送信するステップと、
前記第1処理モジュールから前記第2処理モジュールに前記ユーザデータを送信するステップと、
前記第2処理モジュールが、前記ユーザの名前、性別、年齢、体重に関する調整され入力された比較用データと、前記ユーザデータとを比較して前記ユーザの精神的健康状態および身体的健康状態を評価し、前記第2処理モジュールを介して前記精神的健康状態および前記身体的健康状態をリアルタイムに前記ユーザに通知するステップと、
前記クラウドストレージが、前記精神的健康状態および前記身体的健康状態を周期的に記憶するステップと、
前記第3アプリケーションモジュールが、前記クラウドストレージに記憶された前記ユーザの前記精神的健康状態および前記身体的健康状態の履歴データと、他のユーザについて同様に評価され記憶された前記他のユーザの前記精神的健康状態および前記身体的健康状態の履歴のデータとを処理してパターンを特定し、特定した前記パターンに基づいて、前記ユーザの前記精神的健康状態および前記身体的健康状態を向上させるための示唆を提供するステップと、
を含むことを特徴とする作動方法。
【請求項14】
前記電子デバイスのGPSを用いて前記ユーザの地理的位置を特定するステップと、
前記第2処理モジュールが、前記精神的健康状態および前記身体的健康状態を前記地理的位置と関連付けて評価するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、例えば呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターン、周囲環境、仕事のパフォーマンス、健康状態等の人間のパフォーマンスを観察し、精神的健康状態および身体的健康状態を向上させるシステムおよび方法に関する。
【0002】
使用される略語
FSR:力検知抵抗器
PCB:プリント回路基板
GPS:グローバルポジショニングシステム
BMI:ボディマス指数
BPM:1分当たりの呼吸数
【背景技術】
【0003】
現在、ストレスや関連する苦痛に苦しむ人々の割合が増加している。人々にストレスを与える多くの隠れた小さい要因がある。その要因には、個人の健康状態およびパフォーマンスに影響する呼吸、睡眠の質、活動、姿勢、周囲環境が含まれる。近年の調査において、世界的にストレスは主要なリスク要因としてランク付けされている。ストレスが原因で、人々は、最終的には、病気にかかったり、作業効率、パフォーマンス、集中力が低下してしまったりする場合がある。また、企業従業員のほぼ95%がストレスにさらされ、そのためパフォーマンスが妨げられていることが観察されている。学生でさえも、膨大な勉強や試験のためにストレスの影響を受けている。
【0004】
近年の研究で、8時間の労働において平均的な従業員の生産性はおよそ3時間のみであるということが知られてきている。従業員の生産性は組織の価値に比例するので、このことは同様に組織に悪影響を与える。従業員は、例えば時間管理システム、人事管理システム、会計システム等の様々なシステムや方法を実施して、組織内の資源を維持、追跡し、従業員のパフォーマンスを向上させようとしている。しかし、従業員のパフォーマンスの統計や物理的存在の追跡は、問題の解決にはなっていない。従業員の精神および身体の状態を把握し、克服することが、効率を向上させるのにより有効である。
【0005】
米国特許出願第20016742号公報には、ストレステスト中に収集された心拍変動データを処理することでストレスレベルを測定し観察する方法が開示されている。心拍変動データにはコヒーレンス特性が含まれてもよく、ネットワークを介して所定位置に心拍変動データを送信し、エンドユーザに数値スコアを提供してもよい。このように、この方法は、心拍に基づいてのみ人間のストレスを予測し観察しようとするものであり、ストレスレベルのわずかな変化を予測するのには有効でなく、ユーザがユーザの警戒レベルを判断するのにも有効でない。
【0006】
M.Moore-Edeらの米国特許第5,433,223号公報には、警戒度の変化に何らかの関係がある様々な要因の数学的計算に基づいて、所定時点における個人の推定警戒レベルを予測する方法が開示されている。まず、個人のベースライン警戒カーブ(BAC)が5つの入力に基づいて決定され、安定した環境で示される最適な警戒カーブを提示する。次に、BACは、警戒修正刺激によって修正され、修正ベースライン警戒カーブとなる。このように、この方法は、認知パフォーマンスではなく、個人の警戒レベルを予測する手段である。
【0007】
したがって、人々の日常的なルーティンを追跡し、人々のストレスやパフォーマンス不足の理由の背後にあるリアルタイムデータを収集し、上記の問題を多少なりとも解決するシステムおよび方法が必要である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法であって、該システムがユーザの精神的健康状態および身体的健康状態のリアルタイム追跡を行うものを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法であって、該システムが、特定時間においてユーザが精神的健康および身体的健康を欠く場合の背後にある問題を特定するものを提供することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法であって、評価されたパラメータが、特定された入力、調整されたパラメータと相関関係を有しない場合に、該システムがユーザに警告を送ることができるものを提供することである。
【0012】
本発明の別のもう1つの目的は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法であって、該システムが、ユーザが呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターンおよび周辺環境を確認するのに役立つものを提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法であって、装置が、グループと同様個人の作業効率の向上のため企業に対して、そして同様に個人に対して、データを処理し提供することができるものを提供することである。
【0014】
本発明のさらなるもう1つの目的は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法であって、ユーザの作業効率がウェアラブルデバイスを介して収集され、必要な修正措置をとるため組織の人事部によって評価のために処理されることが可能であるものを提供することである。
【0015】
本発明のさらなるもう1つの目的は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法であって、該システムがユーザをリアルタイムで支援し観察することできるものを提供することである。
【0016】
本発明のさらなるもう1つの目的は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法であって、ユーザの人格を他への適合性と同様分析することができるものを提供することである。
【0017】
本発明によれば、人間のパフォーマンスを観察するシステムが提供される。該システムはウェアラブルデバイス、電子デバイスおよびクラウドストレージを備える。
【0018】
ウェアラブルデバイスは、呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターンおよび周囲環境等のパラメータを検知し、第1処理モジュールを備える第1処理ユニットにデータを送信するように構成された検知システムを備える。ウェアラブルデバイスはユーザの胴に装着される。
【0019】
電子デバイスはウェアラブルデバイスと無線通信を行う。電子デバイスは、第1処理モジュールからデータを受信するように構成された第2処理ユニットを備える。第2処理ユニットはデータを処理し、電子デバイスの第2処理モジュールにデータを送信し、調整され入力されたデータと比較して、精神的健康状態および身体的健康状態を計算する。第2処理モジュールを介してリアルタイムでユーザに通知される。該データおよび精神的健康状態および身体的健康状態の計算された状態は周期的にクラウドストレージに記憶され、呼吸パターン、睡眠パターン、姿勢、活動および周囲環境のデータもクラウドストレージに記憶される。
【0020】
第3アプリケーションモジュールがクラウドストレージに構成され、第3アプリケーションモジュールは、ユーザの精神的健康状態および身体的健康状態の履歴データと他のユーザのデータとを処理してパターンを特定することで、精神的健康状態および身体的健康状態を向上させるための示唆を提供する。
【0021】
検知システムは、光センサ、ノイズセンサ、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、力検知抵抗器センサおよびひずみゲージを備える。呼吸パターンは力検知抵抗器センサ、ひずみゲージおよび加速度計によって検知される。第2処理モジュールはユーザの呼吸パターンを分析して精神状態を決定する。ユーザの活動は加速度計、ジャイロスコープおよび磁力計によって検知され、処理されたデータはユーザの身体的健康状態および精神的健康状態を評価するために用いられる。真っ直ぐ立っている姿勢および真っ直ぐ座っている姿勢とすることで、姿勢が調整される。姿勢は加速度計、ジャイロスコープ、磁力計およびひずみゲージによって検知される。電気デバイスのGPSを用いて、ユーザのパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態を位置の観点で評価するために、データに対応するユーザの地理的位置が記憶される。
【0022】
ウェアラブルデバイスは寝る前に夜間モードに設定され、夜間モード中、温度、光および雑音のデータが収集され、該データが第1処理ユニットに送信される。周囲環境は光センサ、ノイズセンサおよび温度センサによって検知される。
【0023】
ユーザのグループはクラウドで生成可能であり、集約データは第2処理モジュールを介して電気デバイス(例えば携帯電話、コンピュータ、タブレット等)に表示可能である。
【0024】
本発明の別の態様において、人間のパフォーマンスを観察する方法が提供される。該方法は、呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターンおよび周囲環境等のパラメータを検知システムによって検知するステップを含む。
【0025】
その後、検知システムからウェアラブルデバイスの第1処理モジュールにユーザのデータを送信する。
【0026】
さらに、第1処理モジュールから電子デバイスの第2処理モジュールにユーザのデータを送信する。
【0027】
その後、受信したデータを分析し、名前、性別、年齢、体重等の調整され入力されたデータと比較して、電子デバイスの第2処理モジュールによってユーザのパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態を評価し、第2処理モジュールを介してリアルタイムにユーザに通知する。
【0028】
さらに、評価されたパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態のデータをクラウドストレージに記憶する。
【0029】
評価されたパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態の履歴データと他のユーザのデータとを処理してパターンを特定することで、ユーザの生活様式を向上させるための精神的健康状態および身体的健康状態についての示唆を提供する。
【0030】
ユーザのパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態を位置の観点で評価するために、データに対応するユーザの地理的位置を記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の利点および特徴は、添付の図面と共に以下の詳細な説明および請求項を参照することでより理解される。図面において、同様の構成は同様の符号で示される。
【
図1】本発明の人間のパフォーマンスを観察するシステムのブロック図を示す。
【
図2】
図1に示すウェアラブルデバイスの背面斜視図を示す。
【
図3】
図1に示すウェアラブルデバイスの正面斜視図を示す。
【
図4】本発明のユーザの衣類又は枕に配置される設備を有するウェアラブルデバイスを示す。
【
図6】振動モードでのウェアラブルデバイスの配置を示す。
【
図7】
図7a、7bおよび7cは、睡眠中にユーザに又はユーザの近くにウェアラブルデバイスを配置可能な様々な位置を示す。
【
図8】
図8a、8bおよび8cは、調整のためウェアラブルデバイスによって測定される様々な姿勢を示す。
【
図10】呼吸パターンの波形によって決定されるユーザの精神状態を示す。
【
図11】ユーザの呼吸パターンを検知するためのFSR、ひずみゲージおよび加速度計の動作のフローチャートを示す。
【
図12】ユーザの姿勢および活動を特定する動作のフローチャートを示す。
【
図13】夜間のユーザ周辺の睡眠および周囲環境を特定する動作のフローチャートを示す。
【
図14】ユーザの呼吸パターンを特定する動作のフローチャートを示す。
【
図15】
図15a、15bおよび15cはシステムの動作の図例を示す。
【
図16】本発明の人間のパフォーマンスを観察する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の特徴を示す実施形態を詳細に説明する。「備える」、「有する」、「包含する」、「含む」といった語およびこのような他の表現は、これらの語のいずれかに後続する項目がそのような項目の網羅的な列挙であることを意味するのではない、つまり、列挙された項目のみに限定することを意味するのではないという点で、意味的に同じであり、無制限であることを意図する。
【0033】
本発明は、人間のパフォーマンスを観察するシステムおよび方法を提供するためのものである。該システムはウェアラブルデバイスを有し、ウェアラブルデバイスはユーザの精神的および身体的健康状態のリアルタイム追跡を行う。詳細には、該システムは、特定時間におけるユーザのストレスの背後にある理由を分析する。さらに、該システムは、これらのパラメータが入力された又は調整されたパラメータと合致しない場合にユーザに警告を送ることができる。該システムは、ユーザが呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターンおよび周囲環境を確認するのに役立つ。該システムは、グループと同様個人の作業効率の向上のため企業に対して、そして同様に個人に対して、データを処理し提供することができる。必要な修正措置をとるため、組織の人事部によって評価のために収集されたデータを処理することで、ユーザの作業効率が算出される。さらに、該システムは、リアルタイムでユーザを支援し観察することができる。また、該システムは、ユーザの人格を他への適合性と同様分析することができる。
【0034】
「第1」、「第2」といった語および同様の表現は、本明細書において、順序、量、又は重要性を示すものではなく、ある要素を他の要素と区別するために用いられる。「ある」といった語は、本明細書において、量の限定を示すものではなく、それが示す項目が少なくとも1つあることを示す。
【0035】
開示される実施形態は本発明の単なる例示であり、様々な形態で実施されてもよい。
【0036】
図1を参照すると、本発明の人間のパフォーマンスを観察するシステム100が示されている。システム100は、ウェアラブルデバイス200、電子デバイス300およびクラウドストレージ400を備える。ウェアラブルデバイス200は、ユーザの胴のいずれの位置に装着されてもよい。ウェアラブルデバイス200はユーザの下着に固定されてもよい。詳細には、ユーザが男性の場合、
図7aに示すように、腰の近くにウェアラブルデバイス200を装着してもよく、ユーザが女性の場合、都合に合わせて、
図7bに示すように、腰のあたりの衣類に、又は、ブラジャーの胸部の近くの胴に該デバイスを装着してもよい。また、
図7cに示すように、睡眠中はユーザが自身の頭を置いている枕にウェアラブルデバイス200を取り付ける必要がある。当業者にとって、ウェアラブルデバイス200を胴の他の部分に装着又は取り付けることは自明であるかもしれない。
【0037】
図2、3および4を参照すると、ウェアラブルデバイス200はケーシング210を備える。ケーシング210は、ウェアラブルデバイス200を外部影響およびそれ故の内部部品への損傷から保護するのに役立つ。さらに、ウェアラブルデバイス200はクリップの形状に構成され、ユーザの衣類、詳細には下着、例えばブリーフ、ブラジャー、パンティ、又は他の同様の下着に留めることができる。ウェアラブルデバイス200は、
図7a、7bおよび7cに示すようにユーザの衣類にウェアラブルデバイス200を保持させる又は引っ掛けるための空洞220を有する。詳細には、空洞220は、ウェアラブルデバイス200がユーザの体からの入力を収集するため検知を行うことが可能なように、ウェアラブルデバイス200をユーザの衣類に引っ掛ける又は保持させるためのものである。さらに、ウェアラブルデバイス200が検知および他の関連する動作を行うよう作動させるために、アクチュエータ230がウェアラブルデバイス200に設けられている。詳細には、アクチュエータ230は、ユーザの体の方に向けてしっかりと取り付けられ、ユーザの体がウェアラブルデバイス200に与える力又は圧力を検知する。例えば電池のような電源240がウェアラブルデバイス200内に配置される。電源は取り外し可能で再充電可能な電源240であってもよい。電源240は、ウェアラブルデバイス200の全ての要素にそれらが機能するために電力を提供する。
図4および5はウェアラブルデバイス200が留められた布を示す。
【0038】
さらに、ウェアラブルデバイス200は、検知システム(符号なし)、振動モータ250(
図6に示す)および第1処理ユニット(図示せず)を備える。検知システムは、例えばユーザの呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターンおよび睡眠中のユーザ周辺の周囲環境等の様々なパラメータを検知するのに役立つ。これにより、ユーザのパフォーマンスに影響する要因を特定することで、ユーザのパフォーマンスの判断の正確性が向上する。詳細には、検知システムは、例えばひずみゲージ260および加速度計262と共にFSR(力検知抵抗器)センサ、ジャイロスコープ264、磁力計266、光センサ268、ノイズセンサ270、温度センサ272等のセンサを備える。
図1に示すように、検知ユニットのこれらのセンサはPCB280に配置される。
【0039】
また、ユーザの精神的健康状態および身体的健康状態を判断する最も重要な要因は、ユーザの呼吸パターンである。呼吸パターンが測定されて、例えば注意深い状態、落ち着いている状態、ストレスを感じている状態、落ち込んでいる状態等の様々な状態に分類される。当業者にとって、呼吸パターンを他の何らかの自明な状態として測定することが自明であるかもしれない。本実施形態では、
図2および5に示すように、FSRセンサ、ひずみゲージ260および加速度計262を用いて、呼吸パターンが検知される。これらのセンサが共に用いられることで、呼吸パターンのデータの正確性が向上する。
【0040】
詳細には、
図11は、ユーザの呼吸パターンを検知するためのFSR、ひずみゲージ260および加速度計の動作のフローチャートを示す。ウェアラブルデバイス200はユーザの胴に装着される必要がある。その後、FSR、ひずみゲージ260および加速度計が、FSR、ひずみゲージ260および加速度計の値の変化を測定することによってユーザが吸ったり吐いたりしている間胴の動きを測定することで、ユーザの呼吸を検知する。センサから検知されたデータは、ウェアラブルデバイス200の第1処理ユニットに送信される。センサから受信されたデータは、第1処理ユニットの第1処理モジュールにおいて、フィルタリングされてノイズおよび外部減衰が取り除かれ、アナログ形式からデジタル形式に変換される。ウェアラブルデバイスからのフィルタリングされたデータは、電子デバイス300に無線送信される。ウェアラブルデバイス200からの電子デバイス300の第2処理ユニットで受信されたデータは、そこで処理される。
【0041】
図14を参照すると、本発明のユーザの呼吸パターンを特定する動作のフローチャートが示されている。FSR、ひずみゲージ260および加速度計が、FSR、ひずみゲージ260および加速度計の値の変化を測定することによってユーザが吸ったり吐いたりしている間胴の動きを測定することで、ユーザの呼吸を検知する。センサの値は、吸う位置、吐く位置、静止位置が検知されるとき、初期値から変化する。さらに、処理されたデータはウェアラブルデバイス200から電子デバイス300の第2処理ユニットによって受信される。データは、第2処理ユニットにおいて16進法から10進法に変換される。10進法のデータは、呼吸パターンの波形を洗練させるために第2処理モジュールで再度フィルタリングされる。さらに、呼吸パターンの波形は、データを調整し1分当たりの呼吸数(bpm)の値を生成するために、第2処理ユニットの数学的モデルに通される。第2処理ユニットにおいて、データが継続して測定され、記憶され、精神状態と関連付けられる。データは第2処理ユニットにおいて、調整されたデータおよび入力されたデータと比較される。データはまた、
図15a、15bおよび15cに示すように、クラウドストレージ400の第3処理ユニットに送信される。
【0042】
FSRセンサは、より小さい力の範囲に線形応答を与えるように構成されている。センサのデータが与えられる負荷に比例していない場合、ひずみゲージ260はより大きい力の範囲に応答する。また、ひずみゲージ260は与えられた負荷に対して線形応答を有する。さらに、ひずみゲージ260は、FSRセンサよりも正確にひずみゲージ260に与えられる力における力および変化を捉えるように構成されている。このように、FSRセンサと共にひずみゲージ260を用いることで、より大きな負荷におけるデータの正確性がより向上し、より良い結果が得られる。
【0043】
詳細には、本実施形態では、吸ったり吐いたりする過程において又は静止中、ユーザの体の動きによって与えられる圧力および力を検知するために、ひずみゲージ260と共にFSRセンサが用いられる。また、ひずみゲージ260は、吸ったり吐いたりする過程においてウェアラブルデバイス200に与えられる力および圧力を検知するように構成され、呼吸パターンの正確性を向上させる。さらに、加速度計262は、ウェアラブルデバイス200の線形運動を検知し観察するために構成されている。
【0044】
さらに、本実施形態では、ユーザの姿勢が手動で調整され、参照データとしてシステム100に入力される。各ユーザにとって、姿勢は、真っ直ぐ立った姿勢および真っ直ぐ座った姿勢に調整されてもよい。当業者にとって、他の状態に調整された姿勢も自明であるかもしれない。詳細には、姿勢は、加速度計262、ジャイロスコープ264、磁力計266およびひずみゲージ260によって検知される。調整されたデータは、ウェアラブルデバイス200の使用開始前にユーザによって設定される。詳細には、
図12は、ユーザの姿勢および活動を特定する動作のフローチャートを示す。ユーザの運動、回転および活動後、加速度計262、ジャイロスコープ264、磁力計266およびひずみゲージ260の値の変化が、第1処理モジュールで内部送信される。例えば加速度計262、ジャイロスコープ264、磁力計266およびひずみゲージ260等のセンサからの検知されたデータは、デジタル信号の形式で受け取られ、第1処理ユニットで処理される。さらに、ウェアラブルデバイスの第1処理ユニットからのデータが電子デバイスの第2処理ユニットに無線送信される。
【0045】
さらに、データが、第2処理ユニットにおいて、以前に調整され入力されたデータ、例えばユーザの座っている、立っている、前かがみになっている、歩いている等のデータと比較される。ユーザは、リアルタイムでウェアラブルデバイスおよび第2アプリケーションモジュールを介して姿勢および活動状況について通知され、警告される。第2処理ユニットは、第2処理モジュールを介してユーザの活動状況について助言を与える。データは、第2処理ユニットに記憶された調整されたデータと比較され、第2処理ユニットから第3アプリケーションモジュールに送信される。第3アプリケーションモジュールはクラウドストレージ400に構成され、さらに精神的健康状態および身体的健康状態の履歴データを処理して、ユーザの精神的健康状態および身体的健康状態を向上させるための示唆を与える。
【0046】
さらに、本実施形態では、ユーザによるエネルギー又はカロリーの使用を判断するために、ユーザの活動がシステム100において観察される。例えば歩く、立つ、走る等の活動が、加速度計262、磁力計266およびジャイロスコープ264を用いて観察される。また、ユーザの睡眠パターンが、ユーザが日常的に得ている睡眠の質に気付くために、観察される。
【0047】
検知システム100の検知されたデータは、さらに、第1処理ユニットに送信される。第1処理ユニットはウェアラブルデバイス200に構成されている。第1処理ユニットは、第1処理モジュール(図示せず)を用いてウェアラブルデバイス200の検知システムから受信した検知されたデータを処理するのに役立つ。詳細には、第1処理ユニットは、検知システムからの受信データからノイズと外部減衰を取り除く。FSRセンサ、ひずみゲージ260および加速度計262は、さらに、アクチュエータから受信した圧力および運動信号を電気信号に変換する。この電気信号は、ノイズ低減のためRCフィルタの組み合わせを用いてフィルタリングされ、第1処理ユニットのマイクロプロセッサのアナログ・デジタル変換器に渡される。さらに、フィルタリングされたデータがアナログ形式からデジタル形式に変換されて、ウェアラブルデバイス200の第1処理モジュールに送信される。マイクロプロセッサにおいて内部信号処理が行われ、電子デバイスの第2処理ユニットのアルゴリズムにデータを転送するための内部通信プロトコルに転送される。さらに、ウェアラブルデバイス200の第1処理ユニットからの処理されたデータは、リアルタイムで電子デバイス300の第2処理ユニットに送信される。電子デバイス300は、ウェアラブルデバイス200からのデータを同期させることができる、携帯電話、スマートフォン、コンピュータ、タブレット、又は任意の他の同様のデバイスであってもよい。
【0048】
電子デバイス300は、該デバイスからのデータを分析し表示するため第2処理モジュールを備えてもよい。本実施形態では、第2処理モジュールは、電子デバイス300内に動作可能に構成されたソフトウェアアプリケーションである。詳細には、ウェアラブルデバイス200は、ブルートゥース(登録商標)、近距離無線通信、又はWi-Fi通信プロトコルを介して電子デバイス300と無線通信を行う。
【0049】
さらに、第1処理ユニットからの受信されたデータが処理され、第2処理ユニットにおいて調整され入力されたデータと比較し、精神的健康状態および身体的健康状態を計算し、これにより、第2処理モジュールを介してリアルタイムでユーザに通知が送られる。ユーザは、システム100に、例えば名前、年齢、性別、身長、体重、様々な姿勢(例えば、
図8a、8bおよび8cに示すように、前かがみになっている、真っ直ぐ立っている、真っ直ぐ座っている等の様々な状態に調整されるような姿勢)等のデータを入力する必要がある。当業者にとって、ストレス要因の正確な計算のためユーザの生活様式に影響をもたらす可能性のあるユーザの様々な姿勢において他の調整されたデータを提供することが自明であるかもしれない。
【0050】
また、電子デバイス300からの処理され計算されたデータは周期的にクラウドストレージ400に記憶される。詳細には、呼吸パターン、姿勢、活動、睡眠パターンおよび周囲環境のデータがクラウドストレージ400に記憶される。さらに、第3アプリケーションモジュールはクラウドストレージ400に構成されている。第3アプリケーションモジュールが、例えば呼吸パターン、睡眠パターン、姿勢、活動および周囲環境のデータ等のパラメータの履歴データを処理し、ユーザの精神的健康状態および身体的健康状態を特定する。また、他のユーザのデータが、パターンを特定するため、そして精神的健康状態および身体的健康状態を向上させる示唆を与えてユーザの生活様式を向上させるために使用される。第3アプリケーションモジュールは第2処理モジュールと双方向通信を確立する。該通信は第2処理モジュールからの出力データを第3アプリケーションモジュールに送信するために確立される。第3アプリケーションモジュールは第2処理モジュールからの出力データを比較して分析し、第2処理モジュールに戻し、電子デバイス300に表示できる。第3アプリケーションモジュールは、ストレスの履歴データを処理して、スマート学習アプリケーションによってストレスを低減するための示唆を与えるデータを提供することができる。電子デバイス300とクラウドストレージ400はインターネットを介して通信することができる。
【0051】
また、第3アプリケーションモジュールはウェアラブルデバイス200を装着している様々なユーザからの出力データを受信し集約することができ、電子デバイス300又は任意の同様の端末に表示できる。また、第3アプリケーションモジュールは人工知能を有し、ストレス要因を比較して分析し、ユーザの精神状態を判断することができる。また、クラウドストレージ400の第3処理ユニットでデータの微調整がなされる。ユーザについての長期的な報告が生成される。
【0052】
また、ユーザの精神状態は
図10に示す呼吸パターンの波形によって決定される。ウェアラブルデバイス200は寝る前に夜モードに切り替えられる。夜モード中、光、雑音および温度が光センサ、ノイズセンサおよび温度センサをそれぞれ用いて検知される。また、データは処理ユニットに送信され、処理ユニットはさらにデータを処理して分析し、該デバイスと同期中、第1処理モジュールと通信する。詳細には、
図13に、夜間のユーザ周辺の睡眠および周囲環境を特定する動作のフローチャートを示す。例えば加速度計、ジャイロスコープおよび磁力計等のセンサがユーザの睡眠の向き、動きを検知するためにウェアラブルデバイスに提供され、温度センサ、光センサおよびノイズセンサが周囲環境を検知するために提供される。センサは検知したデータをさらに処理するため第1処理ユニットに内部送信する。検知され処理されたデータはウェアラブルデバイス200から電子デバイス300の第2処理ユニットに無線送信される。第2処理ユニットで受信されたデータは分析され、入力され調整されたデータと比較されて、睡眠のパターンおよび質を判断する。
【0053】
また、ユーザは、睡眠の質、睡眠の周囲環境条件、睡眠サイクルの終了等について、処理ユニットの第2アプリケーションモジュールおよびウェアラブルデバイスのそれぞれを介して、通知され警告される。比較され調整されたデータは第2処理ユニットに記憶され、さらにクラウドストレージ400の第3アプリケーションモジュールに送信される。第3アプリケーションモジュールがユーザや他の同様のユーザの幅広いデータセットから複数のデータ点に基づいてアクションを示唆する間、ユーザによって実行するために要求されるリアルタイムアクションが第2アプリケーションモジュールを介して第2処理ユニットによって示唆される。
【0054】
図8a、8bおよび8cに示すように、座っている姿勢、立っている姿勢等のユーザの様々な姿勢が加速度計262、ジャイロスコープ264、磁力計266およびひずみゲージ260によって検知される。また、該装置は、出力データが処理されている間ユーザの位置を判断するためのGPSを備えてもよい。該装置が電子デバイスと同期している間、該データに対応するユーザの地理的位置が電子デバイス内に記憶されてもよい。この情報は、ユーザ又はユーザのグループのパフォーマンスおよびストレスを位置の観点で評価するために用いられてもよい。
【0055】
一実施形態において、ユーザのグループはクラウドストレージ400に生成され、集約されたデータが第2処理モジュールを介して電子デバイス(例えば携帯電話、コンピュータ、タブレット等)に表示されてもよい。このグループは企業又は任意のグループのものであってもよい。
【0056】
別の実施形態において、電子デバイスのGPSは、記憶されているデータに対応するユーザの地理的位置を特定するために用いられてもよい。このデータは、ユーザのパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態を位置の観点で評価するために用いられてもよい。
【0057】
図16を参照すると、本発明の人間のパフォーマンスを観察する方法500が示されている。説明を簡単にするため、方法500をシステム100と関連して説明する。
【0058】
方法500はステップ510から始まる。
【0059】
ステップ520で、例えば呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターンおよび周囲環境等のパラメータを検知システムによって検知する。一実施形態において、該データに対応するユーザの地理的位置が記憶され、ユーザのパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態を位置の観点で評価するために用いられる。
【0060】
ステップ530で、検知システムからウェアラブルデバイスの第1処理モジュールにユーザのデータをリアルタイムで送信する。
【0061】
ステップ540で、第1処理モジュールから電子デバイスの第2処理モジュールにユーザのデータをリアルタイムで送信する。
【0062】
さらに、ステップ550で、受信したデータを分析し、例えば名前、性別、年齢、体重等の調整され入力されたデータと比較して、電子デバイスの第2処理モジュールによってユーザのパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態を評価し、第2処理モジュールを介してリアルタイムでユーザに通知する。
【0063】
ステップ560で、評価されたパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態のデータをクラウドストレージ400に記憶する。
【0064】
ステップ570で、評価されたパフォーマンス、精神的健康状態および身体的健康状態の履歴データと他のユーザのデータとを処理してパターンを特定することで、ユーザの生活様式を向上させるための精神的健康状態および身体的健康状態についての示唆を提供する。
【0065】
該方法はステップ580で終了する。
【0066】
本発明は、人間のパフォーマンスを観察するためのウェアラブルデバイス200を提供することの利点を有する。システム100はユーザの精神的および身体的健康状態のリアルタイム追跡を行う。詳細には、システム100は特定時間におけるユーザのストレスの背後にある問題を特定する。さらに、システム100は、パラメータが入力され調整されたパラメータと合致しない場合、ユーザに警告を送ることができる。システム100は、ユーザが呼吸パターン、活動、姿勢、睡眠パターンおよび周囲環境を確認するのに役立つ。装置は、グループと同様個人の作業効率の向上のため企業に対して、そして同様に個人に対して、データを処理し提供してもよい。ユーザの作業効率は装置を介して収集され、必要な修正措置をとるため、収集されたデータが組織の人事部によって評価のために処理されてもよい。さらに、システム100は、リアルタイムでユーザを支援し観察することができる。また、システム100は、ユーザの人格を他への適合性と同様分析することができる。
【0067】
本発明の特定の実施形態についての上述の説明は例示と説明の目的でなされたものである。該説明は網羅的なもの又は本発明を開示された形態に厳密に限定することを意図しておらず、多くの修正および変形が上記教示の観点で可能であることは自明である。実施形態は本発明の原理およびその実用的応用を最もよく説明するために選択され説明されており、これにより、当業者は、本発明および検討される特定の使用に適するように様々な修正を伴う様々な実施形態を最もよく活用することが可能である。状況により示唆され又は得策となる場合、等価のものの様々な省略および代替が検討されるが、そのような省略および代替は、本発明の請求の主旨および範囲から逸脱することなく、本出願および実施を包含する意図であることが理解される。