(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101578
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、コンピュータ装置、およびコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20240723BHJP
A63F 13/216 20140101ALI20240723BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240723BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
A63F13/216
A63F13/79 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005533
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC60
5L050CC60
(57)【要約】
【課題】簡易な処理により、ユーザの位置をフレンドユーザに共有しつつも、ユーザのプライバシーを保護することのできるコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明は、ユーザの端末装置に、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、取得ステップでは、端末装置の位置情報を取得し、共有ステップでは、関係ユーザに対して、ユーザの位置情報を共有し、共有ステップでは、端末装置の所定範囲内における、関係端末装置の存在の有無、端末装置の所定範囲内における、関係ユーザのうちから所定規則に基づいて選択された特定ユーザの特定端末装置の存在の有無、および端末装置の所定範囲内において、関係端末装置のうちのいずれの関係端末装置が存在するか、の少なくともいずれか1つ、に応じて正確度を変化させ、正確度は、関係ユーザに対してユーザの位置情報を正確に共有する度合いである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置に、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
取得ステップでは、ユーザの位置情報、および、前記ユーザと所定関係のある関係ユーザの位置情報に関する情報、を取得し、
共有ステップでは、前記関係ユーザに対して、前記ユーザの位置情報を共有し、
前記共有ステップでは、
(1)前記ユーザの所定範囲内における、前記関係ユーザの存在の有無、
(2)前記ユーザの前記所定範囲内における、前記関係ユーザのうちから所定規則に基づいて選択された特定ユーザの存在の有無、および、
(3)前記ユーザの前記所定範囲内において、前記関係ユーザのうちのいずれの関係ユーザが存在するか、
の少なくともいずれか1つ、に応じて正確度を変化させ、
前記正確度は、前記関係ユーザに対して前記ユーザの位置情報を正確に共有する度合いである、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記共有ステップでは、前記ユーザの前記所定範囲内に、前記関係ユーザが存在しない場合に、前記正確度を低下させる、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記共有ステップでは、前記ユーザの前記所定範囲内に、前記特定ユーザが存在する場合に、前記正確度を低下させる、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記共有ステップでは、前記ユーザの前記所定範囲内に、前記関係ユーザが存在する場合に、前記正確度を向上させる、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記共有ステップでは、前記ユーザが所定エリア内に存在する場合に、前記正確度を低下させる、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記共有ステップでは、前記ユーザおよび前記関係ユーザが前記所定エリア内に存在する場合に、前記ユーザに対して、所定の通知を出力する、
請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記共有ステップでは、ユーザ情報についての特定条件が満たされた場合に、所定情報を生成し、
前記所定情報は、前記ユーザの位置情報を含む前記ユーザの状況を前記関係ユーザまたは前記特定ユーザに共有するための情報である、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザ同士が自身の位置情報を共有し合うことができる位置情報共有アプリケーションが知られている(例えば、非特許文献1参照)。この位置情報共有アプリケーションによれば、ユーザは、そのユーザと所定関係を持った(例えば、フレンド関係が設定された)他ユーザ(フレンドユーザ)の居場所をリアルタイムで把握することができる。
【0003】
ユーザはこのアプリケーションを、自身の子どもの安全確認に用いたり、近くにいるフレンドユーザを見つけたり、その地点でのフレンドユーザの滞在時間(あるいは、滞在していた時間)を把握したり、フレンドユーザの携帯端末の残量時間を把握したりするために用いることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“[位置情報アプリ]ゼンリー(Zenly)とは?使い方や機能などをご紹介”、[online]、[令和4年11月8日検索]、インターネット<URL:https://live.doneru.jp/zenly/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
もっとも、従来の位置情報共有アプリケーションは、便利な反面、トラブルのきっかけとなることがある。そのため、各ユーザは、ユーザ間でトラブルに発展するような使い方をしないことに留意する必要がある。
【0006】
また、従来の位置情報共有アプリケーションを用いることで、自身の位置情報を知られたくないフレンドユーザにも位置情報が共有されるため、ユーザのプライバシーが侵害される可能性もある。ユーザがこのような問題点を解決しようとした場合には、自身の位置情報をどこまで(あるいは、誰に)共有するかを個別に設定する必要がある。
【0007】
しかしながら、前述のような一つ1つのリスクに対してユーザに対応させることは、ユーザに煩雑な作業を要求することにもなりかねず、ユーザの負担が大きい。
【0008】
その一方で、ユーザは、どのフレンドユーザといるかを他のフレンドユーザに共有することで、フレンドユーザに会いやすくなる、あるいは良好なコミュニティを形成することができるなど、位置情報共有アプリケーションならではのメリットもある。
【0009】
本発明は、簡易な処理により、ユーザの位置をフレンドユーザに共有しつつも、ユーザのプライバシーを保護することのできるコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、
コンピュータ装置に、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
取得ステップでは、ユーザの位置情報、および、前記ユーザと所定関係のある関係ユーザの位置情報に関する情報、を取得し、
共有ステップでは、前記関係ユーザに対して、前記ユーザの位置情報を共有し、
前記共有ステップでは、
(1)前記ユーザの所定範囲内における、前記関係ユーザの存在の有無、
(2)前記ユーザの前記所定範囲内における、前記関係ユーザのうちから所定規則に基づいて選択された特定ユーザの存在の有無、および、
(3)前記ユーザの前記所定範囲内において、前記関係ユーザのうちのいずれの関係ユーザが存在するか、
の少なくともいずれか1つ、に応じて正確度を変化させ、
前記正確度は、前記関係ユーザに対して前記ユーザの位置情報を正確に共有する度合いである、
コンピュータプログラムである。
【0011】
また、第1の発明において、
前記共有ステップでは、前記ユーザの前記所定範囲内に、前記関係ユーザが存在しない場合に、前記正確度を低下させる、
ことができる。
【0012】
また、第1の発明において、
前記共有ステップでは、前記ユーザの前記所定範囲内に、前記特定ユーザが存在する場合に、前記正確度を低下させる、
ことができる。
【0013】
また、第1の発明において、
前記共有ステップでは、前記ユーザの前記所定範囲内に、前記関係ユーザが存在する場合に、前記正確度を向上させる、
ことができる。
【0014】
また、第1の発明において、
前記共有ステップでは、前記ユーザが所定エリア内に存在する場合に、前記正確度を低下させる、
ことができる。
【0015】
また、第1の発明において、
前記共有ステップでは、前記ユーザおよび前記関係ユーザが前記所定エリア内に存在する場合に、前記ユーザに対して、所定の通知を出力する、
ことができる。
【0016】
また、第1の発明において、
前記共有ステップでは、ユーザ情報についての特定条件が満たされた場合に、所定情報を生成し、
前記所定情報は、前記ユーザの位置情報を含む前記ユーザの状況を前記関係ユーザまたは前記特定ユーザに共有するための情報である、
ことができる。
【0017】
第2の発明は、
第1の発明のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置である。
【0018】
第3の発明は、
第1の発明のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータシステムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡易な処理により、ユーザの位置をフレンドユーザに共有しつつも、ユーザのプライバシーを保護することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態における、位置情報共有システムの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態における、位置情報共有システムで実行される宝探しゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態における、正確度グループおよび通知先の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における、共有処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
本発明の実施形態にかかる位置情報共有システム1Aについて、
図1~
図4を参照して説明する。位置情報共有システム1Aは、
図1のとおり、サーバ装置2とユーザ端末装置3とを備える。なお、位置情報共有システム1Aおよび後述の処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。位置情報共有システム1Aおよび処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更をすることができる。
【0022】
<宝探しゲームの説明>
位置情報共有システム1Aにより、複数のユーザ同士の間でマッチングが実行され、マッチングされたユーザ同士で宝探しゲームを実行することができる。この宝探しゲームは、現実空間をもとにして構築された2次元あるいは3次元の仮想空間(以下では、「ゲーム空間」という)にて実行される、いわゆる位置情報ゲームである。
【0023】
以下では、実施形態の中心となるユーザを「ユーザA」と表記し、ユーザAのフレンドユーザである他のユーザを、「ユーザB」、「ユーザC」、「ユーザD」と表記する。ここで、ユーザAとユーザBとの間、ユーザAとユーザCとの間、ユーザAとユーザDとの間にはそれぞれフレンド関係が設定されているが、ユーザBとユーザCとの間、ユーザBとユーザDとの間、ユーザCとユーザDとの間には、フレンド関係は設定されていない。また、ユーザA、ユーザB、ユーザC、およびユーザDをまとめて説明する場合には、単に「ユーザ」という場合がある。
【0024】
位置情報共有システム1Aにより構築されるゲーム空間は、
図2のとおり、現実空間の街並みとリンクする仮想空間である。ユーザAが自身のユーザ端末装置3を携帯して現実空間を徒歩(あるいは、電車、自転車、バスなどの移動手段)などで移動することで、ユーザAの分身であるプレイヤキャラクタPCが、現実空間に対応するゲーム空間のマップM上を移動する。
【0025】
また、このゲーム空間には、所定ポイント(例えば、2km×2kmのエリア)ごとに、敵キャラクタECが配置される。この敵キャラクタECは、サーバ装置2によって制御され、所定のアクション(移動、攻撃)を実行する。
【0026】
そして、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタECとの間のゲーム空間上の距離が所定距離(例えば、100m)以内になると、プレイヤキャラクタPCと敵キャラクタECとの対戦が開始される。ユーザAのプレイヤキャラクタPCは、ユーザAのフレンドユーザの操作キャラクタ(具体的には、後述の特定フレンドであるユーザBの操作キャラクタOC)と協力して、敵キャラクタECを討伐することができる。
【0027】
また、ゲーム空間には、所定のアイテム(例えば、装備、キャラクタ、または、キャラクタなどを抽選するための抽選券)が格納された宝箱TCが配置されている。本実施形態の宝探しゲームでは、ユーザは、現実空間を歩き回りつつ、敵キャラクタECと対戦しながら、あるいは敵キャラクタECとの対戦を回避しながら、ゲーム空間に配置された宝箱TCを探す。
【0028】
そして、宝箱TCを発見したユーザAは、特定フレンドなどと協力して謎解きを行うことで、宝箱TCを開けることができる。
【0029】
なお、
図2の例では、マップM上で宝箱TCがユーザに視認されうる状態となっているが、プレイヤキャラクタPCが例えば半径50m以内に近づくまでユーザは宝箱TCを視認することができないようになっていてもよい。
【0030】
また、ユーザAは、ゲーム空間上の任意の位置に仮想自宅HMを設定することができる。すなわち、ユーザAは、ゲーム空間上での現実空間の自宅に相当する位置、あるいは、ゲーム空間上での現実空間の自宅とは全く無関係な位置(例えば、ユーザAの会社、学校などに相当する位置)に仮想自宅HMを設定することができる。
【0031】
また、位置情報共有システム1Aにより、ユーザ自身の操作に基づいて、他のユーザをフレンド関係が設定されたユーザ(所定関係のある関係ユーザの一例)として設定することができる。
【0032】
例えば、位置情報共有システム1Aにより、ユーザAからユーザBへフレンド申請をすることができる。そして、ユーザBがユーザAからのフレンド申請を承認することで、ユーザAとユーザBとが互いにフレンドユーザに設定される。また、逆に、ユーザBがユーザAにフレンド申請をして、ユーザAがそのフレンド申請を承認することでも、ユーザAとユーザBとの間でフレンド関係が設定されうる。
【0033】
そして、本実施形態の宝探しゲームは、フレンドユーザ同士で実行される。ユーザAが宝探しゲームを実行するにあたって、まず、ユーザAを含めたフレンドユーザ同士でのマッチングが実行される。このマッチングには、ユーザA自身がホストユーザとなってマッチングルームを構築し、一緒にゲームを実行するフレンドユーザ(ゲストユーザ)を募集する場合と、ユーザAはゲストユーザとなって、例えばユーザB(ホストユーザ)が構築したマッチングルームに入室する場合とがある。
【0034】
マッチングされたユーザ同士は、互いに特定フレンドに設定される。例えば、ユーザAとユーザBとがマッチングされた場合には、ユーザAにとっては、ユーザBが特定フレンドとなり、ユーザBにとっては、ユーザAが特定フレンドとなる(以下では、ユーザBを「特定フレンドB」と表記する場合もある)。なお、所定時間(例えば、10分間)が経過してもフレンドユーザとマッチングされなかった場合には、ユーザAは1人で宝探しゲームを実行することもできる。
【0035】
本実施形態では、宝探しゲームを実行中に、ユーザAがどのフレンドユーザと一緒にいるか(フレンドユーザであるユーザB、ユーザC、ユーザDのうち、何人のフレンドユーザが近くにいるか、あるいは、どのフレンドユーザが近くにいるか)、ユーザが1人でいるか、によって、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザC、ユーザD)に共有される位置情報の正確度および正確度グループが異なる。
【0036】
なお、
図3における「正確度」とは、例えば、ユーザAのフレンドユーザであるユーザB、ユーザCおよびユーザDに対して、ユーザAの位置情報を正確に共有する度合いである。正確度が高い場合には、ユーザB、ユーザCおよびユーザDに対して、ユーザAの位置情報が正確に共有される。また、「正確度グループ」は、ユーザAの位置情報の通知先および正確度を分類したグループである。
【0037】
また、正確度は、位置を特定する粒度である。本明細書において、位置情報が「正確」な状態であるとは、取得されたユーザの位置情報のうち一番詳細な情報が、そのままそのユーザの位置情報としてフレンドユーザに通知されることをいう。位置情報が「正確」な状態である場合には、ユーザ端末装置3の位置を中心とする直径1mの円でマップMに表示(例えば、ユーザが1m移動するごとに円の位置情報が更新される)されることもできる。
【0038】
また、位置情報の「正確度が高い」状態とは、取得された位置情報になんらかの加工(例えば、ユーザの位置情報が10mずれた位置に設定されること)が施され、位置情報が「正確」な状態よりも曖昧になっていることを意味する。
【0039】
また、位置情報の「正確度が低い」状態とは、取得された位置情報になんらかの加工(例えば、ユーザの位置情報が500mずれた位置に設定されること)が施され、「正確度が高い」状態よりも位置情報がさらに曖昧になっていることを意味する。
【0040】
また、「非共有」とは、取得された位置情報が他のユーザに全く共有されないことを意味する。
【0041】
このように、ユーザの位置情報の正確度は、正確な状態>正確度が高い状態>正確度が低い状態>非共有の順で正確となる。
【0042】
また、本実施形態において、「ユーザAの近くにフレンドユーザがいる」とは、例えば、「ユーザAを中心として半径50m以内にフレンドユーザがいる」ことを意味する。また、本実施形態で用いられている文言である「近く(半径50m以内)」は、所定範囲の一例である。
【0043】
宝探しゲームを実行しているユーザAの近くに特定フレンドBがいない場合(ユーザAが1人でいる場合)であっても、特定フレンドBには、ユーザAの位置情報が、正確な状態(例えば、取得されたユーザAの位置情報がそのままユーザAの位置情報として通知される状態、ユーザAのその地点での滞在時間が正確に把握されるようになっている状態、ユーザAの位置情報が反映されるタイミングにずれがない状態など)で共有される。
【0044】
一方、ユーザAの近くに特定フレンドBがいない場合には、ユーザAの特定フレンドとなっていないユーザCおよびユーザDには、ユーザAの位置情報は共有されない(非共有)。
【0045】
ユーザAが特定フレンドBと合流した(ユーザAが特定フレンドBの近くにいる)ときは、特定フレンドBに加えて、特定フレンドとはなっていないユーザCおよびユーザDにも位置情報が共有される。ただし、この場合のフレンドユーザに共有されるユーザAの位置情報は、特定フレンドBに共有される位置情報よりも正確度が低い(例えば、ユーザAが実際にいる場所から500m離れた場所が通知される)。
【0046】
これにより、ユーザAは、フレンドユーザ(ユーザCおよびユーザD)に提示されるユーザAの位置情報の近辺で、複数人で、宝探しゲームをプレイしていることをフレンドユーザ(ユーザCおよびユーザD)に知らせることができる。
【0047】
なお、ユーザAの近くに特定フレンドBがいる場合に、ユーザAはゲーム内で恩恵を受けることができる。恩恵は、例えば、ユーザAのプレイヤキャラクタPCのパラメータ(例えば、体力値、攻撃力)が調整されること、プレイヤキャラクタPCのスキル(例えば、プレイヤキャラクタPCと操作キャラクタOCとの特別技)が開放されること、宝箱TCを開けやすくなる(例えば、謎解きの回数が減る、制限時間が長くなる)こと、などである。
【0048】
また、本実施形態の宝探しゲームにおいては、ユーザAは、ゲーム空間上の任意の位置(例えば、ゲーム空間上で仮想自宅が設定された位置、ゲーム空間上での現実空間の自宅あるいは会社に相当する位置など)に帳ME(所定エリアの一例)を設定することができる。
【0049】
そして、ユーザAが帳ME内にいる場合には、
図3のとおり、ユーザAの位置情報は、特定フレンドとなっていないユーザCおよびユーザDのみならず、特定フレンドBにも共有されない。
【0050】
帳ME内では、ユーザAのプレイヤキャラクタPCのパラメータが調整される、あるいは、プレイヤキャラクタPCのスキルが開放されるなど、ゲーム上の恩恵を受けることができる。
【0051】
なお、帳MEは、ユーザによって指定された位置から半径2kmのエリアに設定される。
図2の例では、帳MEは、仮想自宅HMを中心として半径2kmのエリアに設定されている。この際に、ユーザが設定することにより、帳MEの中心が例えば最大200mの範囲で揺らぐ(例えば、上下左右に動く)ように設定することもできる。
【0052】
また、ユーザAは、ユーザ端末装置3に表示された、ゲーム空間のマップM上に配置された、宝箱TC、敵キャラクタEC、フレンドユーザをマーキングすることができる。その際に、ユーザAは、「マップ上の☆の場所に、宝箱があったよ!」などのメッセージとともに、マップMに宝箱TCなどをマーキングすることができてもよい。
【0053】
宝探しゲームのマルチプレイが終了すると、ユーザAとユーザBとの間に関連づけられている特別フレンドの設定が解除され、両者の関係は、通常のフレンドユーザに戻る。以上のような流れにより、宝探しゲームが実行される。
【0054】
なお、ユーザAが宝探しゲームを実行しているときであって、ユーザAのプレイヤキャラクタPCが敵キャラクタECと戦うとき、あるいは、ユーザAが宝箱TCに近づいたときなどに、ユーザAは、所定操作(例えば、ボタンの押下)を行って、特定フレンドB、および/または、特定フレンドではないユーザCおよびユーザD、に狼煙信号を送信することができる。
【0055】
ユーザAは、例えば、ユーザAのプレイヤキャラクタPCの体力値あるいは行動スタミナ(宝箱TCを開ける際の謎解きを実行する際に消費されるパラメータ)が0(ゼロ)になったときに、狼煙信号を送信することができるようになる。
【0056】
あるいは、そのような条件が課されることなく、ユーザAのプレイヤキャラクタPCと敵キャラクタECとの対戦が始まったときなどに、ユーザAは狼煙信号を送信することができてもよい。この際に、ユーザAは、自身が指定したフレンドユーザ(例えば、特定フレンドとなっていないユーザCおよびユーザD)にのみ狼煙信号を送信することができてもよい。
【0057】
ユーザAの近くにいるフレンドユーザ(例えば、特定フレンドとなっていないユーザCおよびユーザD)が狼煙信号を受信すると、狼煙信号を受信したフレンドユーザに、ユーザAの位置情報が共有される。
【0058】
このとき、ユーザAは、実行中の宝探しゲームにおいて、狼煙信号を受信したフレンドユーザ(例えば、特定フレンドとなっていないユーザCおよびユーザC)を特定フレンドに追加することもできる。
【0059】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記宝探しゲームが実行されるユーザ端末装置3のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0060】
なお、ユーザ端末装置3には、そのユーザ端末装置3に対応づけてゲーム用のユーザアカウント(ユーザID)が付与される。このユーザアカウントはユーザアカウント情報(ユーザの識別情報)として管理される。
【0061】
また、ユーザ(ユーザアカウント情報)は、ユーザIDで管理される(特定される)。ユーザアカウント情報はフレンドユーザ(他のユーザのユーザID)に共有されることで、フレンドユーザのユーザ端末装置3の液晶画面340にユーザアカウント情報が表示される。これにより、ユーザ同士で、ユーザアカウント情報が共有され、位置情報が共有される。
【0062】
ユーザ端末装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、そのユーザ端末装置3からユーザIDが送信される。送信されたユーザIDは、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2とユーザ端末装置3との通信が可能となる。
【0063】
<サーバ装置のハードウェア構成>
サーバ装置2は、
図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0064】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス29を介してゲームサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0065】
制御部20は、CPU、メモリ(RAM)、各種入出力インターフェースなどで構成されており、サーバ装置2の動作を制御する。詳細は後述する。
【0066】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0067】
記憶部21には、例えば、本発明のコンピュータプログラム、ならびに、ユーザ端末装置3にてプレイされる宝探しゲームを実行するためのゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0068】
また、記憶部21には、ゲームDB、地図情報DB、およびユーザDBが記憶される。
【0069】
ゲームDBは、例えば、敵キャラクタEC、宝箱TC、イベントなどの情報である。
【0070】
地図情報DBは、現実空間に基づいて生成されたゲーム空間に関する情報である。この地図情報DBには、例えば、マップMに表示するための施設情報、線路情報、道路情報、正確度グループ、正確度などが含まれる。
【0071】
また、ユーザDBは、例えば、ユーザID、仮想自宅HMなどの各ユーザの設定情報、各ユーザの位置情報などに関する情報である。
【0072】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とユーザ端末装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。
【0073】
<サーバ装置2の制御部20の機能の説明>
サーバ装置2の制御部20は、本発明のコンピュータプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0074】
<関連づけステップの説明>
制御部20は、関連づけ手段として機能することで関連づけステップを実行する。以下では、関連づけ手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0075】
制御部20は、ユーザ端末装置3から送信された、ユーザ間でフレンド関係を設定するための申請信号を受信する。そして、制御部20は、その申請信号を、指定されたユーザのユーザ端末装置3に送信する。
【0076】
また、制御部20は、ユーザ端末装置3から送信された、フレンド申請に応じるための承認信号を受信する。そして、制御部20は、その承認信号を、指定されたユーザ(申請信号を送信したユーザ)のユーザ端末装置3に送信する。
【0077】
これにより、制御部20は、申請信号を送信したユーザと承認信号を送信したユーザとの間にフレンド関係を設定する。そして、制御部20は、フレンド関係が設定されている旨の情報を、各ユーザに関連づけて記憶部21に記録させる。
【0078】
また、制御部20は、後述のマッチングステップにおいてユーザ同士がマッチングされた場合には、それらのユーザ同士を特定フレンドに設定する。そして、制御部20は、ユーザ同士が特例フレンドに設定されている旨の情報を、記憶部21に記憶させる。
【0079】
そして、宝探しゲームが終了してマッチングが解除された以降に、制御部20は、設定されている特定フレンドを解除する。具体的には、制御部20は、ユーザ同士が特定フレンドに設定されている旨の情報を、記憶部21から消去させる。
【0080】
<マッチングステップの説明>
制御部20は、マッチング手段として機能することでマッチングステップを実行する。以下では、マッチング手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0081】
制御部20は、ユーザの操作に基づいて、フレンドユーザのいずれかとマッチングを要求することができる。
【0082】
制御部20は、例えば、ユーザAのマッチング要求に応じて、ユーザB、ユーザC、およびユーザDのうちのいずれかのフレンドユーザがマッチングに応じた場合には、それらのユーザ同士でマッチングを行う。そして、ユーザAとユーザBとがマッチングされた場合には、前記の関連づけステップにより、ユーザAおよびユーザBは、互いに特定フレンドに設定される。
【0083】
また、制御部20は、宝探しゲームが終了したときに、マッチングされているユーザ同士のマッチング状態を解除する。また、前記の関連づけステップにより、ユーザAとユーザBとの間の特定フレンドの関係が解除される。
【0084】
<取得ステップの説明>
制御部20は、取得手段として機能することで取得ステップを実行する。以下では、取得手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0085】
制御部20は、それぞれのユーザ端末装置3から、それぞれのユーザ(ユーザ端末装置3)の位置情報(ユーザの位置情報に関する情報の一例)を取得する。なお、ここでの「ユーザの位置情報」は、各ユーザの位置情報にかかる正確度が変更されていない情報(正確な位置情報)である。
【0086】
また、制御部20は、
図2に示すとおり、それぞれのユーザの操作に基づいて設定された、それぞれのユーザの仮想自宅HM、および、帳MEの位置情報を取得する。
【0087】
<共有ステップの説明>
制御部20は、共有手段として機能することで共有ステップを実行する。以下では、共有手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0088】
制御部20は、ユーザAのユーザ端末装置3から受信したユーザAの仮想自宅HMに関する位置情報を、ユーザAとフレンドユーザであるユーザB、ユーザCおよびユーザDに共有する。なお、制御部20は、ユーザAの仮想自宅HMの位置情報を他のユーザに共有するにあたって、ユーザAの指示に基づいて、例えば、仮想自宅HMから50m離れた位置をユーザAの仮想自宅HMとして表示することもできる。
【0089】
また、制御部20は、ユーザAのユーザ端末装置3から受信したユーザAの位置情報を、ユーザAとフレンドユーザであるユーザB、ユーザCおよびユーザDに共有する。
【0090】
本実施形態において、制御部20は、以下の(1)~(5)の条件に応じて、ユーザB、ユーザCおよびユーザDに対する、ユーザAの位置情報の正確度を変化させる。
【0091】
(1)ユーザA(ユーザAのユーザ端末装置3。以下、同じ)が緊急事態情報を送信したか否か
【0092】
(2)ユーザAが帳ME内にいるか否か
【0093】
(3)ユーザAの近くに、ユーザAのフレンドユーザ(ユーザBのユーザ端末装置3、ユーザCのユーザ端末装置3、および、ユーザDのユーザ端末装置3。以下、同じ)が存在しているか否か
【0094】
(4)ユーザAの近くに、ユーザAの特定フレンドBが存在しているか否か
【0095】
(5)ユーザAの近くに、ユーザAのフレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)のうちのいずれのフレンドユーザが存在するか(例えば、どのフレンドユーザがユーザAの近くにいるか、ユーザAの近くにフレンドユーザが何人いるか)
【0096】
すなわち、本実施形態では、
図3、
図4のとおり、ユーザAが置かれている状況によって、ユーザB、ユーザCおよびユーザDに共有されるユーザAの位置情報の正確度が設定(変更)される。以下、詳細に説明する。
【0097】
まず、(1)においてユーザAが緊急事態情報を送信した場合には、ユーザAの位置情報の正確度グループは1に設定される。ユーザAの位置情報の正確度グループが1の場合には、正確な状態(例えば、取得されたユーザAの位置情報が一番詳細なまま、ユーザAの位置情報として通知される状態、ユーザAのその地点での滞在時間が正確に把握されるようになっている状態、ユーザAの位置情報が反映されるタイミングにずれがない状態など)でユーザAの位置情報が特定フレンドBおよび近くにいるフレンドユーザに通知される。
【0098】
例えば、ユーザ情報についての特定条件が満たされた場合(例えば、ユーザAがSOSボタンを操作した場合、ユーザAの心拍数などの生体情報に異常が生じた場合)に、ユーザAは、ユーザDがユーザAの近くにいる場合にはユーザD、および、特定フレンドB、に対して送信するための緊急事態情報(所定情報の一例)を送信することができる。この緊急事態情報を受信したユーザBおよびユーザDは、緊急事態情報を送信したユーザAがSOSボタンを操作した、転倒した、などの異常状態にあることを、ユーザAの位置情報とともに検知することができる。
【0099】
ここで、例えば、ユーザ端末装置3が備える加速度センサ、角速度センサなどによって、あらかじめ定められた値の衝撃がユーザ端末装置3に加えられたことが検出された場合に、ユーザ端末装置3がユーザの転倒を検知することができてもよい。あるいは、ユーザ端末装置3に衝撃が加わったことが検知されたのちに、例えば30秒間、ユーザ端末装置3の挙動・動作が検出されなかった場合(例えば、ユーザ端末装置3が移動していない場合、ユーザの生体情報に異常が検知された場合)に、ユーザ端末装置3がユーザの転倒を検知することができてもよい。
【0100】
なお、サーバ装置2は、例えばユーザDがユーザAの後をつけて歩いている情報を各ユーザの位置情報から検知し、ユーザAにユーザDにより危害を与えられる可能性があることを判断することができてもよい。この場合には、ユーザAにその旨(誰かがユーザAと同じ方向に継続的に歩いていること、あるいは、誰かがユーザAの後をつけて歩いていること)が通知され、ユーザAは緊急事態情報をユーザAのフレンドユーザに送信することができる。この際に、サーバ装置2は、この「誰か」がユーザDであることをユーザAのユーザ端末装置3に送信してもよく、このユーザDに対してはユーザAが送信する緊急事態情報を受信しないようにすることもできる。
【0101】
また、ユーザAが緊急事態情報を送信することができないとき、位置情報および/または生体情報を取得することができる装置からユーザAおよびユーザDが走っている(あるいは、ユーザAが逃げている)と判定されたとき、道路情報および/または地図情報などからユーザAの周囲に人がいないと想定される場所で生体情報を取得することができる装置によりユーザAが転倒している、あるいは、ユーザAが暴れている(あるいは、ユーザAが襲われている)と判定されたときには、ユーザAの操作の有無にかかわらず、緊急事態情報が送信されてもよい。
【0102】
また、所定情報としては、前記のような緊急事態情報に限られず、ユーザAのユーザ端末装置3の位置情報を含むユーザAの状況(例えば、ユーザAの脈拍数、心拍数、心電図、体温、血糖値などの生体情報に異常があること、あるいは、ユーザAが転倒したこと、などが検知されたことに基づいて、ユーザAが事故または体調不良などの状況にあることが特定(あるいは推定)されたこと)をユーザB、ユーザCおよびユーザDに共有するための情報であれば、いかなる情報であってもよい。
【0103】
また、ユーザの生体情報は、ユーザ端末装置3あるいは別のウェアラブル端末などによって取得されることもできる。
【0104】
また、(1)に該当せず、かつ、(2)においてユーザAが帳ME内にいる場合には、ユーザAの位置情報の正確度グループは2に設定される。ユーザAの位置情報の正確度グループが2の場合には、ユーザAのフレンドユーザ(ユーザB、ユーザC、ユーザD)のいずれにも、ユーザAの位置情報は共有されない。
【0105】
具体的には、例えば、ユーザA(ユーザAのプレイヤキャラクタ)が、自身が設定した帳ME内に進入した場合には、特定フレンドBのユーザ端末装置3においてユーザAの位置情報の表示が消去される(ユーザCおよびユーザDのユーザ端末装置3には、当初からユーザAの位置情報が共有されていない)。これにより、ユーザAは自身のプライバシーを守ることができる。
【0106】
また、(1)、(2)に該当せず、かつ、(3)においてユーザAが1人で行動している場合(ユーザAの近くにフレンドユーザがいない場合)には、ユーザAの位置情報の正確度グループは3に設定される。この場合には、ユーザAの位置情報が、正確な状態で特定フレンドBに通知されるが、ユーザCおよびユーザDには共有されない。
【0107】
また、(1)、(2)に該当せず、かつ、(4)においてユーザAが特定フレンドBと行動している場合には、ユーザAの位置情報の正確度グループは4に設定される。この場合には、ユーザAの位置情報が、正確な状態で特定フレンドBに共有されるとともに、正確度が低い状態でユーザCおよびユーザDに通知される。
【0108】
なお、正確度が低い状態とは、例えば、ユーザAの位置情報が500mのずれで通知される状態、ユーザAの位置情報が反映されるタイミングが5分ほどずれた状態などである。さらにこの際に、カーナビゲーションなどのようにマップMの縮尺情報(位置を特定する粒度)が「広域」に設定されてもよい。この場合には、道路情報などが簡易に表示されるとともに、ユーザAの位置情報の正確度(粒度)が低くなるため、フレンドユーザは、ユーザAの位置情報を特定しにくくなる。
【0109】
また、(1)、(2)に該当せず、かつ、(5)においてユーザAの近くに特定フレンドではないフレンドユーザ(例えば、ユーザC)がいる場合には、ユーザAの位置情報の正確度グループは5に設定される。ユーザAの位置情報の正確度グループが5の場合には、ユーザAの位置情報が、正確な状態で特定フレンドBに共有されるとともに、正確度が高い状態でユーザDに通知される。
【0110】
なお、正確度が高い状態とは、例えば、ユーザAの位置情報が10m以内のずれで通知されている状態、ユーザAのその地点での滞在時間がほぼ正確に把握されるようになっている状態、ユーザAの位置情報が反映されるタイミングにずれが少なくなるようになっている状態などである。さらにこの際に、マップMの縮尺情報が「詳細」に設定されてもよい。この場合には、道路情報などが詳細に表示されるとともに、ユーザAの位置情報の正確度が高くなるため、フレンドユーザは、ユーザAの位置情報を特定しやすくなる。
【0111】
このように(5)が満たされる場合には、ユーザDは、ユーザAがいずれのフレンドユーザといるかはわからないが、ユーザAの正確な位置情報を知ることができる。これにより、ユーザDは、ユーザAが犯罪等に巻き込まれないようにユーザAの動きを注視することができる。
【0112】
以上のとおり、
図3におけるユーザの位置情報の正確度は、正確な状態>正確度が高い状態>正確度が低い状態>非共有の順で正確となる。
【0113】
そして、(1)または(2)に該当する場合を除いて、特定フレンドBにはユーザAの正確な位置情報が共有されるが、特定フレンドではないフレンドユーザ(ユーザC、ユーザD)には、ユーザAの置かれている状況によってユーザAの位置情報の正確度が変化する。
【0114】
このような構成により、ユーザAは、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)のうち特定フレンドとなっているユーザBとともに宝探しゲームをプレイしており、ユーザB以外のフレンドユーザ(ユーザCおよびユーザD)に自分の正確な居場所を知られることなく宝探しゲームを楽しむことができる。
【0115】
なお、ユーザAの近くに特定フレンドBおよび特定フレンドではないユーザCの双方がいる場合には、ユーザDには正確度が高い状態のユーザAの位置情報が共有される(すなわち、ユーザDには、正確度グループは4ではなく5が適用される)。
【0116】
また、制御部20は、ユーザAが存在する帳ME内にフレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)が存在する場合に、アラート(通知の一例)を鳴らすための情報を生成する。この情報を受信したユーザAのユーザ端末装置3では、「近くにフレンドユーザがいます」などの情報(テキストまたは音声)が出力される。
【0117】
制御部20は、ユーザA以外の他のユーザ(ユーザB、ユーザC、ユーザD)に対しても、前記と同じ処理を実行する。
【0118】
<進行ステップの説明>
制御部20は、ゲーム進行管理手段として機能することで進行ステップを実行する。以下では、ゲーム進行管理手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0119】
制御部20は、ユーザ端末装置3から送信される各ユーザの位置情報、各ユーザによるボタン操作信号などに応じて、ゲームを進行させる。具体的には、制御部20は、ゲーム空間、マップM、ユーザA(ユーザAのプレイヤキャラクタPC)の位置情報、ユーザB(ユーザBの操作キャラクタOC)の位置情報、ユーザCおよびユーザDの位置情報、敵キャラクタECの位置情報、宝箱TCの位置情報、プレイヤキャラクタPCの体力値、操作キャラクタOCの体力値、敵キャラクタECの体力値などを管理し、それに基づいて宝探しゲームを進行させる。これらの情報は、後述の通信ステップにおいて、宝探しゲームを実行している各ユーザ端末装置3へ送信される。
【0120】
<通信ステップの説明>
制御部20は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0121】
制御部20は、ゲーム空間の情報、敵キャラクタECの位置情報、各ユーザの位置情報など宝探しゲームを進行させるうえで必要な情報をユーザ端末装置3との間で送受信を行う。
【0122】
<ユーザ端末装置3のハードウェア構成>
ユーザ端末装置3は、
図1のとおり、スピーカ330、液晶画面340、タッチパッド350、カメラ360が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このユーザ端末装置3において、サーバ装置2から配信されたゲームに関するゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0123】
ユーザ端末装置3は、サーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク4を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0124】
ユーザ端末装置3は、また、他のユーザ端末装置3との間で、近距離無線通信によって互いにデータ通信をすることができる。
【0125】
ユーザ端末装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、操作部35、撮像部36、位置情報検出部37、および無線通信部38を備える。
【0126】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、操作部35、撮像部36、位置情報検出部37、および無線通信部38は、バス39を介して、制御部30に接続される。
【0127】
制御部30は、CPU、メモリ(RAM)、各種入出力インターフェースなどで構成されており、ユーザ端末装置3の動作を制御する。
【0128】
記憶部31は、主にHDD、RAM、ROM、SSDなどで構成される。記憶部31には、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0129】
例えば、記憶部31は、ユーザの位置情報、サーバ装置2から受信したフレンドユーザの位置情報(正確度が変更された位置情報)などのデータを記憶する。
【0130】
また、記憶部31は、サーバ装置2で使用されるユーザID、設定された仮想自宅HMなどの情報を記憶する。
【0131】
ネットワークインターフェース32は、ユーザ端末装置3とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。これにより、ユーザ端末装置3にゲームプログラムおよびゲームデータ、配信用アプリケーションプログラムなどがダウンロードされる。
【0132】
オーディオ処理部33は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部33には、スピーカ330が接続される。ゲーム音声は、スピーカ330から出力される。
【0133】
グラフィック処理部34は、制御部30の指示に従ってゲーム空間などを含む画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部34にて動画形式で描画された画像は、ゲーム画面として液晶画面340に表示される。
【0134】
操作部35には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部35には、入力位置検出装置であるタッチパッド350を介してユーザからの操作信号が入力される。例えば、ユーザはタッチパッド350をタッチすることによって、謎解きのための選択肢を選択したり、アイテムを使用したりすることができる。
【0135】
撮像部36には、光学レンズ、CCDイメージセンサ(CCD)、撮像信号処理部等を備えるカメラ360が接続されており、撮影された画像データを生成する。撮像部36は、生成した画像データを制御部30に送信する。
【0136】
位置情報検出部37は、GPS衛星から電波信号を受信する。電波信号は、ユーザ(ユーザ端末装置3)の現在位置を特定するために用いられる。
【0137】
無線通信部38は、Bluetooth(登録商標)の技術を用いて、ユーザ端末装置3から近くにいる他のユーザ端末装置3と近距離無線通信を行う。
【0138】
<ユーザ端末装置3の制御部30の機能の説明>
制御部30は、サーバ装置2あるいは他の外部装置からダウンロードされたゲームプログラムを実行することで、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。なお、以下には、ユーザAのユーザ端末装置3において実行される処理が記載されているが、ユーザB、ユーザCおよびユーザDのユーザ端末装置3でも同じ処理が実行される。
【0139】
<関連づけステップの説明>
制御部30は、関連づけ手段として機能することで関連づけステップを実行する。以下では、関連づけ手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0140】
制御部30は、ユーザAの操作に基づいて、他のユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)に対してフレンド関係を設定するための申請信号を生成する。この申請信号は、通信手段を介してサーバ装置2へ送信される。
【0141】
また、制御部30は、ユーザAの操作に基づいて、他のユーザ(例えば、ユーザB)から送信された申請信号に対して、フレンド関係の申請に応じるための承認信号を生成する。この承認信号は、通信手段を介してサーバ装置2へ送信される。
【0142】
<取得ステップの説明>
制御部30は、取得手段として機能することで取得ステップを実行する。以下では、取得手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0143】
制御部30は、位置情報検出部37を用いてユーザA(ユーザAのユーザ端末装置3)の現在位置(位置情報)を取得する。制御部30は、例えば、GPS衛星から受信した電波信号の情報(GPS情報)などを用いてユーザAの現在位置(例えば、緯度、経度、高度)を特定する。なお、GPSを利用した現在位置の特定は、一般的であるため、詳細な説明は省略する。
【0144】
また、制御部30は、ユーザAの各フレンドユーザ(ユーザB、ユーザC、ユーザD)が置かれた状況に基づいて当該フレンドユーザについての正確度が変更された位置情報を取得する。
【0145】
例えば、ユーザAは、ユーザCおよびユーザDとは特定フレンドとはなっていないため、ユーザAが知りうるユーザCおよびユーザDの位置情報は正確度が低下している(ユーザAにはユーザCおよびユーザDの位置情報は共有されない)。
【0146】
一方、ユーザAは、ユーザBとは特定フレンドとなっているため、ユーザAが知りうるユーザCおよびユーザDの位置情報と比較すると、ユーザAが知りうるユーザBの位置情報は正確度が高い(ユーザAは、ユーザBの正確な位置情報を知ることができる)。
【0147】
制御部30は、前述のように取得した各ユーザの位置情報をゲーム空間のマップM上に反映させる。
【0148】
また、制御部30は、ユーザAの操作および位置情報検出部37の動作に基づいて、ゲーム空間上の任意の地点にユーザAの仮想自宅HMを設定する。設定された仮想自宅HMの位置情報は、サーバ装置2へと送信される。
【0149】
また、制御部30は、ユーザAの操作および位置情報検出部37の動作に基づいて、ゲーム空間上の任意の地点に帳MEを設定する。設定された帳MEの位置情報は、サーバ装置2へと送信される。
【0150】
<ゲーム実行ステップの説明>
制御部30は、ゲーム実行手段として機能することで実行ステップを実行する。以下では、ゲーム実行手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0151】
制御部30は、
図2のとおり、ユーザ端末装置3の液晶画面340にて、ゲーム空間のマップMを表示させる。
【0152】
また、制御部30は、ユーザAの操作および移動に基づいて、ゲーム空間上でユーザAのプレイヤキャラクタを動作させる。
【0153】
また、制御部30は、サーバ装置2からの情報に基づいて、特定フレンドBの操作キャラクタOC、敵キャラクタECを動作させる。
【0154】
また、制御部30は、ユーザAの操作に基づいて、敵キャラクタECとの対戦、宝箱TCを開けるための謎解きなどの宝探しゲームにかかるゲーム進行を実行する。具体的には、制御部30は、ユーザAによるボタン操作に応じて、敵キャラクタECへの攻撃方法を選択したり、謎解きのための選択肢の選択、あるいは、文字入力をしたりする。また、制御部30は、謎解きを実行することが可能な制限時間を設定してカウントダウンを実行し、制限時間に到達した場合には、謎解きのゲーム進行を中断する。これらの情報は、サーバ装置2へ送信される。
【0155】
なお、謎解きのゲーム進行が中断された場合には、ユーザCおよびユーザDに対する狼煙信号の送信が停止され、ユーザCおよびユーザDへ共有されるユーザAの位置情報の正確度が変更されてもよい。
【0156】
<通信ステップの説明>
制御部30は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0157】
制御部30は、ユーザAの位置情報、ユーザAによるボタン操作信号などをサーバ装置2に送信する。
【0158】
また、制御部30は、ゲーム空間情報、イベント情報、敵キャラクタECの情報、プレイヤキャラクタPCの情報、操作キャラクタOCの情報などをサーバ装置2から受信する。
【0159】
<共有処理の説明>
以下、
図4を参照して、本発明の共有処理について説明する。
【0160】
まず、サーバ装置2の制御部20が、ユーザ端末装置3に対するユーザAの操作に基づいて、ユーザAのフレンドユーザの設定、帳ME、仮想自宅HMなどの設定を行う(ステップS1)。
【0161】
ついで、制御部20が、ユーザ端末装置3に対するユーザAの操作に基づいて、マッチング要求を受けつける(ステップS2)。
【0162】
ついで、制御部20が、ユーザAおよびユーザAのフレンドユーザ(ユーザB、ユーザC、ユーザD)からのマッチング要求に応じて、ユーザ同士のマッチング処理を実行する(ステップS3)。以下では、ユーザAとユーザBとがマッチングされた例が記載されている。
【0163】
ついで、制御部20およびユーザ(ユーザAおよびユーザB)のユーザ端末装置3の制御部30の協働により、ユーザAおよびユーザBに対して、宝探しゲームが提供される(ステップS4)。
【0164】
ついで、制御部20が、ユーザAが設定した帳MEの外にユーザAがいるか否かを判定する(ステップS5)。
【0165】
ユーザAが帳MEの中に存在していると判定された場合(S5:NO)には、制御部20は、ユーザAの位置情報の共有度合いを示す正確度グループを2に設定する(ステップS11)。これにより、制御部20は、ユーザAの位置情報を、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザC、ユーザD)に共有しないようにする。
【0166】
一方、ユーザAが帳MEの外に存在していると判定された場合(S5:YES)には、制御部20は、ユーザAの近くにフレンドユーザが1人もいないか否か、を判定する(ステップS6)。この場合には、例えば、ユーザAの半径10m以内にフレンドユーザがいるか否か、あるいは、ユーザAの操作に基づいて特定フレンドBと一緒にいることが申告されているか否か、に基づいて、ユーザAの近くにフレンドユーザが1人もいないか否かが判定される。
【0167】
ユーザAの近くにフレンドユーザが1人もいない(ユーザAが1人でいる)場合(S6:YES)には、制御部20は、ユーザAの位置情報の正確度グループを3に設定する(ステップS7)。具体的には、制御部20は、ユーザAの位置情報を、正確な状態で特定フレンドBに共有するが、特定フレンドではないユーザCおよびユーザDには共有しない。
【0168】
一方、ユーザAが1人でいない場合(S6:NO)には、制御部20は、ユーザAの近くに特定フレンドBがいるか否かを判定する(ステップS12)。
【0169】
ユーザAの近くに特定フレンドBのみがいる場合には、制御部20は、ユーザAの位置情報の正確度グループを4に設定する(ステップS8)。具体的には、特定フレンドBにはユーザAの位置情報が正確な状態で共有され、ユーザCおよびユーザDには正確度が低い状態でユーザAの位置情報が共有される。
【0170】
一方、ユーザAの近くに、特定フレンドBがいるいないにかかわらず、ユーザCおよびユーザDの少なくともいずれか一方がいる場合(S12:NO)には、制御部20は、ユーザAの位置情報の正確度グループを5に設定する(ステップS13)。具体的には、特定フレンドBにはユーザAの位置情報が正確な状態で共有され、ユーザCおよびユーザDには正確度が高い状態でユーザAの位置情報が共有される。
【0171】
ついで、制御部20が、ユーザAについてSOS状態が検知されたか否か(例えば、SOSボタンなどが操作されたか否か、ユーザAの脈拍数が上昇したか否か)を判定する(ステップS9)。
【0172】
SOS状態が検知された場合(S9:YES)には、制御部20は、ユーザAの位置情報の正確度グループを1に設定する(ステップS10)。これにより、制御部20は、ユーザAの位置情報を、正確な状態で特定フレンドB、および、近くにいるすべてのフレンドユーザ(ユーザCが近くにいる場合にはユーザC)に共有する。その後、本発明の共有処理は終了する。
【0173】
なお、SOS状態が検知された場合に、制御部20は、SOS状態が検知された場所に駆けつけたフレンドユーザに対してゲーム内での特典を関連づける、あるいは、ユーザAについてSOS状態が検知された契機がフレンドユーザにある場合(例えば、ユーザCがユーザAをストーキングしていると推定される場合)には、そのフレンドユーザ(ユーザC)のゲームアカウントを停止することもできる。これにより、本実施形態のようなゲームを利用することで、例えばストーカー被害などを未然に防止することができる。
【0174】
ステップS9に戻って、SOS状態が検知されていない場合(S9:NO)には、本発明の共有処理は終了する。
以上の手順により、本発明の共有処理が実行される。
【0175】
以上をまとめると、本発明は、
サーバ装置2に、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
取得ステップでは、ユーザAの位置情報、および、ユーザAとフレンド関係のあるフレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)の位置情報に関する情報(正確度が変更されていないフレンドユーザの位置情報)、を取得し、
共有ステップでは、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)に対して、ユーザAの位置情報を共有し、
共有ステップでは、
(3)ユーザAの近くに、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)が存在するか否か、
(4)ユーザAの近くに、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)のうちから選択された特定フレンドBが存在するか否か、および、
(5)ユーザAの近くに、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)のうちのいずれのフレンドユーザが存在するか(例えば、どのフレンドユーザがユーザAの近くにいるか、ユーザAの近くにフレンドユーザが何人いるか)、
の少なくともいずれか1つ、に応じて正確度(正確度グループ)を変化させ、
正確度は、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)に対してユーザAの位置情報を正確に共有する度合いである、
コンピュータプログラムである。
【0176】
<効果>
本実施形態の位置情報共有システム1によれば、ユーザAの置かれた状態に応じて、フレンドユーザに対してユーザAの位置情報を共有するための正確度グループが都度変更される。これにより、例えば、ユーザAは、自身の位置情報をどこまで(あるいは、誰に)共有するかをフレンドユーザごとに設定する必要がない。そのため、簡便な手法により、位置情報を知られたくないフレンドユーザに対して、自身の正確な位置情報を共有されないようにすることができる。
【0177】
また、ユーザAのプライバシーを守りつつも、ユーザAがどのフレンドユーザといるかを他のフレンドユーザに共有することができ、ユーザAが例えばストーカー被害に遭うことを抑制することもできる。
【0178】
以上のとおり、本実施形態のコンピュータプログラムによれば、簡易な処理により、ユーザの位置をフレンドユーザに共有しつつも、ユーザのプライバシーを保護することができる。
【0179】
[第2実施形態]
第1実施形態では、宝探しゲーム(位置情報ゲーム)が実行される例が記載されているが、本発明は必ずしもゲームの実行を必要としない。すなわち、第2実施形態にかかる位置情報共有システム1Bでは、宝探しゲームは実行されることなくユーザの位置情報がフレンドユーザに共有される。
【0180】
位置情報共有システム1Bにおいても、第1実施形態と同様、ユーザAの操作に基づいて、仮想自宅HMを設定することができる。
【0181】
また、位置情報共有システム1Bにおいても、ユーザ同士でフレンド関係を設定することができる。
【0182】
そして、ユーザAは、フレンドユーザのうち、特に家族、親友、恋人、同僚などのアカウントを指定して、そのフレンドユーザを特定フレンドに設定することができる。
【0183】
なお、位置情報共有システム1Bにおいて、親モードおよび子モードが設けられていてもよい。この場合には、親(親ユーザ)の操作に基づいて、子ども(子ユーザ)を特定フレンドに設定することができる。
【0184】
位置情報共有システム1Bにおいても、(a)ユーザAの近くに、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)が存在するか否か、(b)ユーザAの近くに、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)のうちからユーザAによって選択された特定フレンドBが存在するか否か、および、(c)ユーザAの近くに、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)のうちのいずれのフレンドユーザが存在するか(例えば、どのフレンドユーザがユーザAの近くにいるか、ユーザAの近くにフレンドユーザが何人いるか)、の少なくともいずれか1つ、に応じて正確度(正確度グループ)が変化する。
【0185】
また、位置情報共有システム1Bにおいても、ユーザAが1人でいる場合(ユーザAの近くにフレンドユーザがいないとき)、および、ユーザAの近くに特定フレンドBがいる場合に、特定フレンドBにはユーザの位置情報が正確な状態で共有される。これにより、例えば、人通りが少ない場所あるいは夜道をユーザAが1人で歩いているときに、ユーザAが設定した特定フレンドB(例えば、家族、親友、恋人など)に対してのみユーザAの正確な位置情報を共有することができる。例えば、特定フレンドBは、ユーザAに会いに行く(例えば、ユーザAを迎えに行く)こともできるし、無事に移動することができるかを見守ることもできる。
【0186】
一方、他のフレンドユーザ(ユーザCおよびユーザD)には、ユーザAの位置情報は共有されない。これにより、例えばユーザAが特定フレンドと行動をともにしているとき(例えば、ユーザAが家族であるユーザBと家にいるとき、あるいは、外出しているとき)にも、ユーザAは、自身のプライバシーを守ることができる。
【0187】
例えば、特定フレンドBがユーザAの家族である場合は、ユーザAは、家族と過ごす時間を他のフレンドユーザに邪魔されないようにすることができる。また、特定フレンドBがユーザAの恋人である場合には、ユーザAは、恋人と過ごす時間を他のフレンドユーザに邪魔されないようにすることができる。また、特定フレンドBがユーザAの同僚である場合には、仕事中に他のフレンドユーザに仕事の場所(訪問先など)が開示されず、ユーザAは、他のフレンドユーザに仕事の邪魔をされないようにすることもできる。
【0188】
また、位置情報共有システム1Bにおいても、ユーザAの近くにフレンドユーザがいる場合には、特定フレンドを含む他のフレンドユーザには、ユーザAの位置情報の正確度が向上する。この場合には、例えば、ユーザAの近くにいるフレンドユーザが、友達、クラスメイト、あるいは同僚などである場合に、ユーザAはその状況を他のフレンドユーザに共有することができる。
【0189】
また、位置情報共有システム1Bにおいても、ユーザAが緊急事態情報を送信することができないとき、ユーザAおよびユーザDが走っている(あるいは、ユーザAが逃げている)と判定されたとき、または、人がいないと想定される場所でユーザAが転倒している、あるいは、ユーザAが暴れている(あるいは、ユーザAが襲われている)と判定されたときには、ユーザAの操作の有無にかかわらず、緊急事態情報が送信されてもよい。
【0190】
また、位置情報共有システム1Bにおいても、現実空間に対応する仮想空間に位置に帳MEを設定することができる。そして、ユーザAが帳ME内にいる場合には、第1実施形態と同様、フレンドユーザ(ユーザB、ユーザCおよびユーザD)にユーザAの位置情報が共有されない。この場合において、ユーザAの帳ME内に、特定フレンドとなっていない、例えばユーザCがいる場合には、ユーザAにアラートが通知される。
【0191】
また、位置情報共有システム1Bでは、例えばユーザAの操作に基づいて、あるいは、(ユーザAの操作に基づくことなく)ユーザAが事故または体調不良などの状況にあることが検知された場合(例えば、ユーザAが転倒したこと、あるいは、脈拍数、心拍数、心電図、体温、血糖値などのユーザAの生体情報に異常があること、などを検知したことに基づいて、ユーザAが事故または体調不良などの状況にあることが特定(あるいは推定)されたこと)に、ユーザAは、すべてのフレンドユーザに狼煙信号を送信することができる。これにより、フレンドユーザ全体に、ユーザAの正確な位置情報を共有することができる。
【0192】
また、位置情報共有システム1Bにおいても、ユーザAは施設、フレンドユーザなどをマーキングすることができる。この場合において、ユーザAは、例えば、保護、監視が必要な対象である子ども、お年寄りなどをマーキングすることもできる。
【0193】
そして、ユーザAが、マーキングしたフレンドユーザについて例えば公開操作(不特定多数のユーザに情報共有を行うための操作)を実行することで、他のユーザにも、ユーザAがマーキングしたフレンドユーザの位置情報を共有することができる。これにより、例えば、ユーザAのフレンドユーザが行方不明(迷子)になった場合に、ユーザA、あるいはマーキングされたフレンドユーザの位置情報が共有される。これにより、ユーザAは、他のユーザに行方不明となっているフレンドユーザの捜索協力を依頼し、早期に行方不明のフレンドユーザを発見することができる。
【0194】
なお、ユーザAがフレンドユーザをマーキングした場合に、そのフレンドユーザにユーザAの位置情報を共有することができてもよい。
【0195】
本実施形態においても、簡易な処理により、ユーザの位置をフレンドユーザに共有しつつも、ユーザのプライバシーを保護することができる。
【0196】
[他の実施形態]
以下に、その他の実施形態の一例を示す。なお、以下でも、ユーザA、特定フレンドBなど、第1実施形態および第2実施形態と同様の表記が用いられる場合がある。
【0197】
第1実施形態では、サーバ装置によって正確度が変更された各ユーザの位置情報が他のユーザのユーザ端末装置に提供される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。ユーザの位置情報の正確度は、ユーザ端末装置で変更されてもよい。すなわち、この場合には、例えば、ユーザAの正確な位置情報がサーバ装置を介してフレンドユーザ(ユーザBなど)のユーザ端末装置に提供されるが、ユーザBのユーザ端末装置では、正確度が低下した状態でユーザAの位置情報が提供される。
【0198】
また、それには限られず、サーバ装置が取得ステップで取得する各ユーザの位置情報は、正確な位置情報ではなく、各ユーザ端末装置で正確度が変更された(例えば、位置情報が曖昧となった)位置情報であってもよい。
【0199】
また、前記実施形態では、サーバ装置単体で本実施形態のステップが実行される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、サーバ装置およびユーザ端末装置の協働(例えば、取得ステップはサーバ装置で実行され、共有ステップはユーザ端末装置で実行される)により、あるいは、ユーザ端末装置単体で、本発明が実施されてもよい。
【0200】
また、前記実施形態では、例えばユーザAが1人でいる場合に、ユーザAの特定フレンドBには、正確な状態でユーザAの位置情報が共有され、特定フレンドではないユーザCおよびユーザDには、ユーザAの位置情報が共有されない例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えばユーザAが1人でいる場合に、特定フレンドBには正確度が高い状態でユーザAの位置情報が共有され、ユーザCおよびユーザDには、正確度が低い状態でユーザAの位置情報が共有されてもよい。
【0201】
また、前記実施形態に限られず、本発明がゲーム進行を必要とする場合において、ユーザが宝箱を発見しても、特定フレンドが近くにいない場合には、サーバ装置の制御部は、ユーザが宝箱を開放するための謎解きを実行することができないように制御してもよい。また、サーバ装置の制御部は、狼煙信号が送信されてから所定時間内(例えば30分以内)に、特定フレンドがユーザの近くに移動すること、あるいは、特定フレンドが謎解きを実行することを、特定フレンドに促すことができてもよい。
【0202】
前記実施形態では、ユーザ端末装置にGPSなどが備えられている例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ユーザ端末装置と連動させてある携帯端末装置(ウェアラブル端末など)がユーザの位置情報を取得し、その位置情報をユーザ端末装置あるいはサーバ装置に送信してもよい。さらには、Wi-Fi(登録商標)、ビーコン、IMES(Indoor MEssaging System)、基地局など、既知の技術によりユーザの位置情報が特定されてもよく、また、これらを組み合わせて屋内でのユーザの位置情報が特定されてもよい。
【0203】
また、無線通信部などが利用されて、ユーザ端末装置同士が近くにあるか否かがBluetooth(登録商標)にて検出されてもよい。また、Wi-Fi(登録商標)のアクセスポイントが同じであるユーザ端末装置が複数ある場合に、それらのユーザ同士が近くに存在していると判定されてもよい。
【0204】
また、前記実施形態に限られず、親ユーザのペアレンタルコントロールの一環として、子ユーザとの特定フレンド関係が構築されてもよい。
【0205】
前記実施形態では、ユーザAは徒歩により現実空間を移動する例が記載されているが、本発明はこれには限られない。ユーザAのユーザ端末装置が所定の速度(例えば、時速40km)以上で移動していると推定される情報が得られた場合には、特定フレンドBにユーザAの位置情報を共有してアラートを通知することもできる。これにより、例えば親ユーザが、子ユーザが電車などの公共交通機関の乗り物に正しく乗車できたことを検知したり、子ユーザが想定される速度より速く移動しており、車などにより他人による連れ去りが発生していることを検知したりすることができる。
【0206】
それには限られず、例えば、子ユーザの位置情報の変化量が小さい場合に、親ユーザに対してアラートが通知されるようになっていてもよい。子ユーザの位置情報の変化量が小さい場合とは、例えば子ユーザが所定地点から5分以上動かなくなった場合である。これにより、子ユーザが怪我あるいは病気で倒れていたり、どこかの屋内に閉じ込められたりしていることを検知することができる。
【0207】
なお、前記の例では保護対象が子どもである例が記載されていたが、保護対象はお年寄りであってもよい。また、ユーザは、親ユーザ(または子ユーザ)の特定フレンドを子ユーザ(または親ユーザ)に設定することもできる。すなわち、親ユーザおよび子ユーザは、ユーザの属性(例えば、親子関係)に基づいて関係性が設定される場合に限られず、アカウントにより関係性が設定される(管理される)ことができる。
【0208】
また、前記実施形態に限られず、親ユーザは、帳MEではなく、子ユーザの行動許可エリア(公園、学校、塾などの施設の行動場所、あるいは、家から施設までの移動ルート)を設定することができてもよい。この場合において、子ユーザが行動許可エリア(例えば、公園)にいる場合には、子ユーザの位置情報は親ユーザには共有されないが、子ユーザが行動許可エリアから出た場合に、子ユーザの位置情報を親ユーザに共有してアラートを通知することができる。これにより、親ユーザは、子ユーザが行動許可エリアから出たことを察知することができる。なお、親ユーザは、複数の帳MEを設定することができてもよい。
【0209】
また、前記に限られず、子ユーザは、行動許可エリアにどのフレンドユーザといるか、何人のフレンドユーザといるか、などの情報を親ユーザに共有することができてもよい。
【0210】
また、親ユーザが、子ユーザの位置情報、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の投稿情報、写真、動画などを加工/削除することができる権利を持っていてもよい。これにより、親ユーザの操作に基づいて、親ユーザおよび子ユーザが暮らす自宅などの位置情報が、第三者に共有されることがないようにすることができる。
【0211】
この場合において、SNSにより入力された子ユーザの位置情報および投稿内容が親ユーザに共有されて、親ユーザが、親ユーザのユーザ端末装置において共有されている子ユーザの位置情報と、子ユーザからSNSを介して共有された位置情報とを比較することができてもよい。その比較結果に基づいて、親ユーザは、例えば、子ユーザによるSNSへの投稿の可否を判断することができてもよい。これにより、子ユーザが現在いる位置情報が不特定多数の人に共有されることを制限する(抑止する)ことができる。
【0212】
また、親ユーザの判断を必要とすることなく、サーバ装置の制御部が、2つの位置情報(親ユーザのユーザ端末装置において共有されている子ユーザの位置情報、および、子ユーザからSNSを介して共有された位置情報)を比較してSNSへの投稿を許可することもできる。
【0213】
また、この場合において、親ユーザが承認操作を実行することにより、子ユーザの位置情報、SNSへの投稿情報、公開する時間、公開する相手先を設定することができてもよい。例えば、不特定多数の人に投稿情報が全公開されるのではなく、フレンドにのみ公開されるようにしてもよく、また、親ユーザの操作に基づいて、投稿から1時間後に公開されるように設定することもできる。
【0214】
また、ユーザは、自身の顔をユーザ端末装置が備えるカメラによる撮影、あるいは、ユーザの生体状態(例えば、汗、唾液のほか、ユーザ端末装置と連動させたウェアラブル装置にて計測される心拍数、血圧、睡眠スコアなど)から、ユーザのストレス度合いをチェックすることができてもよい。この場合において、ユーザのストレス度合いが高い場合には、特定フレンドにその旨(ユーザのストレス度合いが高いこと)の情報(狼煙信号の一例)が送信されてもよい。
【0215】
また、前記実施形態に限られず、ユーザは、フレンドユーザのうちから必ず特定フレンドを設定する必要があってもよい。この場合において、ユーザは、特定フレンドとして、そのフレンドユーザが同じ位置情報共有システムにかかるアプリケーションを自身のユーザ端末装置にインストールしていることを条件として、ユーザの家族、同居人などを指定することができる。
【0216】
また、前記実施形態に限られず、ユーザAのユーザ端末装置に電波が届かなくなった場合(例えば、ユーザAが山奥などの地に位置する場合、ユーザAのユーザ端末装置の電源が切れた場合、あるいは、ユーザAのユーザ端末装置が故障した場合)に、電波が届かなくなる直前まで存在していた位置の位置情報を特定フレンドBに共有してアラートを通知することができてもよい。これにより、ユーザAのユーザ端末装置の電源が切られた、あるいは、ユーザAのユーザ端末装置が故障したなどのトラブルが発生した場合に、トラブルが発生した位置を特定することができ、ユーザAの発見を早めることができる。
【0217】
さらに、サーバ装置が、ユーザAの位置情報を取得することができなくなった場合(例えば、ユーザAのユーザ端末装置に電波が届かなくなった場合、ユーザAのユーザ端末装置の電源が切れた場合)に、その直前までユーザAの近くに存在していたフレンドユーザ(例えば、ユーザAとすれ違ったユーザC)のユーザ端末装置から、直近のユーザAの位置情報を取得することができてもよい。これにより、ユーザAの足取りを把握しやすくすることができ、仮にユーザAが遭難などのトラブルに見舞われた場合に、ユーザAの発見を早めることができる。
【0218】
また、ユーザ端末装置において高度を検出することができる場合には、ユーザ同士が建物の同じ階、または別の階にいるか否かが判定されてもよい。この場合には、平面視のマップ上ではユーザ同士が近くにいると判定されるが、各ユーザがいる階が異なる場合には、ユーザ同士が離れていると判定される(近くにいると判定されない)。また、ユーザの操作に基づいて、ユーザ自身が建物の何階にいるかを登録することができてもよい。この場合において、前記と同様、Wi-Fi(登録商標)、ビーコンなどによりユーザ自身が建物の何階にいるかが特定されてもよい。
【0219】
また、前記実施形態の位置情報ゲームに限られず、例えば、ユーザが自身の位置情報を特定するための装置のみをもって外出し、帰宅した以降に自身のコンピュータなどに位置情報の履歴を取り込むことで進行するゲームであってもよい。
【0220】
また、前記実施形態では、宝探しゲームは、フレンドユーザ間でのマッチングにより実行されることが記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、フレンド関係が設定されていないユーザ間でマッチングがなされてもよい。そして、マッチングがなされたこと、あるいは、マッチングされたステージをクリアしたことを契機として、各ユーザは、フレンド申請をすることができるようになってもよい。
【0221】
また、位置情報共有システムにより、ユーザの現在地からフレンドユーザまでの距離、ルートを検索することができてもよい。なお、ユーザの現在地からフレンドユーザまでの距離は、直線距離であってもよいし、また、地図データから取得したルート上の距離であってもよい。
【0222】
また、ユーザがマイクで取得した音声、あるいは、ユーザがカメラで撮影した画像・動画、であって位置情報が含まれる情報(位置情報の一例)が、位置情報共有システムを介して、フレンドユーザに共有されてもよい。
【0223】
また、位置情報共有システムにより、ユーザとフレンドユーザとが近くにいる場合には例えば通話アイコンが表示され、ユーザの操作に基づいて、近くにいるフレンドユーザと通話することができてもよい。さらにこの場合には、例えば、あらかじめ位置情報共有システムと連動させてある通話アプリケーションを介して、ユーザ同士で通話をすることができてもよい。
【0224】
また、ユーザが存在するエリアごとに、ユーザについての行動範囲ランキングが表示されてもよい。この場合には、例えば、そのエリアで一番行動範囲が広いユーザがランキングで表示される。
【0225】
また、ユーザの指定により、ユーザの現在地から少し外れた大まかな位置にユーザの位置情報を表示させること、または、ユーザの現在地を任意の位置に固定することができてもよい。すなわち、正確度は、位置情報の正確さ(位置情報の補正による偽造を含む)、位置情報を特定する粒度(広域、詳細)、位置情報を更新する(位置情報を反映させる)タイミング、位置情報を更新するか否か(表示するか否か)などのパラメータを含む。
【0226】
前記実施形態において、「所定関係」は「フレンド関係」である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、「所定関係がある」とは、例えば、ユーザと同じアプリケーションをインストールしていること、同じ目的地を登録していること、同じ組織に所属していること、などアカウント同士が対応づけられていることであってもよい。
【0227】
また、前記実施形態に限られず、各ユーザに属性(例えば、性別、職業、国籍、水属性などのゲームに設定されている属性)が設定されており、その属性に基づいてユーザのグループが設定されてもよい。この場合には、ユーザが同じグループに所属するフレンドユーザの近くに行くと、ユーザの位置情報の正確度が変更されてもよい。また、この場合において、近くにいる同じグループのユーザの人数によって、ユーザの位置情報の正確度が変更されてもよい。また、グループのユーザが所定距離以内に位置している場合は、1つのグループアイコンとして、それらのユーザの位置情報が地図上に表示されてもよい。
【0228】
また、前記実施形態に限られず、ユーザが、DAO(Decentralized Autonomous Organization/分散型自律組織)に関するグループに所属することができてもよい。この場合において、ユーザは同一のDaoに参加するメンバーをフレンドユーザ(あるいは特定フレンド)に設定して、ユーザの位置情報を共有することができてもよい。
【0229】
また、この場合において、同一のDAOに参加するフレンドユーザに、ロール(役割・権限)の種類、ユーザが所有するNFT(Non-Fungible Token/非代替性トークン)の数、および/または、ユーザが所有するNFTと他のユーザが所有するNFTとの差数量に応じて、ユーザの位置情報の正確度が変更されてもよい。
【0230】
さらには、特定のNFTを所有しているホルダーが同一グループとして設定され、ユーザがそのグループのホルダーをフレンド(あるいは特定フレンド)に設定して、ユーザの位置情報を共有することができてもよい。
【0231】
また、この場合において、同一グループに所属するフレンドユーザに、ユーザが所有するNFTの数、種類および価値の少なくともいずれか1つの差に応じて、ユーザの位置情報の正確度が変更されてもよい。
【0232】
また、NFTの種類として、ユーザの位置情報を共有することができるNFTと、ユーザの位置情報を共有することができないNFTと、が用意されていてもよい。
【0233】
また、ユーザは、端末装置(例えば、ペットタグ)を犬などのペットに装着することで、その端末装置に対応づけられたアカウントをフレンドユーザに設定することもできてもよい。この場合には、例えばユーザAがペットと散歩しているとき(一緒に外出しているとき)などに、ユーザAは、ユーザB、ユーザCおよびユーザDにユーザAの位置情報を共有することができる。
【0234】
また、ユーザは、ペットと暮らす家および/またはペットとの散歩のエリアを、帳MEとして設定することができてもよく、また、ペットの行動許可エリア(公園、ドッグラン、ペットホテルなどの施設の行動場所)を設定することができてもよい。この場合において、ペットが行動許可エリア(例えば、公園)にいる場合には、ペットの位置情報はユーザには共有されないが、ペットが行動許可エリアから出た場合に、ユーザ端末装置がペットの位置情報をユーザに共有してアラートを通知することができる。これにより、ユーザは、ペットが行動許可エリアから出たことを察知することができる。なお、ユーザは、複数の帳MEを設定することができてもよい。
さらに、ペットが行方不明になった場合にも、ユーザAは、ペットタグに基づいて他のフレンドユーザにペットの位置情報を共有することで、捜索協力を依頼することができる。
【0235】
また、ユーザ自身とユーザが指定した特定フレンドの位置情報とを1つにまとめ(グルーピング化し)、グループを構成するユーザの位置情報が、1つのグループアイコンとして表示されるようにすることもできる。この場合には、グループ内のいずれかのユーザがグループから遠くに(例えば、100m)離れた場合(グループから外れた場合)に、外れたユーザのために、外れる前に属していたグループを示すグループアイコンとは別のグループアイコンが形成されてもよい。また、この場合において、グループを構成するユーザに、外れたユーザがいることが通知されてもよい。
【0236】
その他の例として、
コンピュータ装置に、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
取得ステップでは、ユーザ(例えば、お年寄り)の生体情報および位置情報であるユーザ情報、を取得し、
共有ステップでは、
前記生体情報の変化量に応じて、前記ユーザ情報を前記ユーザと所定関係のある関係ユーザ(例えば、家族、施設関係者、病院)に共有するか否かを決定するとともに、
前記ユーザ情報を前記関係ユーザに共有すると決定した場合には、前記生体情報の変化量に応じて、前記関係ユーザに対する前記ユーザ情報の共有度合いを決定する、
コンピュータプログラムがある。
【0237】
この場合には、例えば、ユーザの生体情報(例えば、心拍数)が変化して異常値となった場合(例えば、心拍数が90から150に変化した場合)に、ユーザの生体情報に異常が生じたものとして、関係ユーザにユーザ情報が共有される。そして、この際に、ユーザの生体情報の変化量に応じてユーザ情報の共有度合いが変わる(例えば、緊急性が低い異常であれば、ユーザ情報として、ユーザの体調に異変があったことを示すスコアあるいはメッセージが出力され、緊急性が高い異常であれば、ユーザ情報として、位置情報および緊急コールが表示される)。
【0238】
これにより、例えば、関係ユーザが、ユーザの身体に不調があった、あるいは、ユーザが転倒して意識を失っている、などの状況を早期に把握し、ユーザの救助に向かうことができるようになる。
【0239】
なお、前記の例でユーザ情報を1つのウェアラブル端末などで取得する場合において、ユーザがウェアラブル端末を外したためにユーザの生体情報が検知されなったことを契機として、ユーザ情報が関係ユーザに共有されることがありうる。これを回避するために、1つの端末装置だけでユーザ情報を検知するのではなく、複数の端末装置、あるいは家具に設置されるセンサなどの総合的な情報によって、ユーザ情報が検知されてもよい。
【0240】
その他の例として、
コンピュータ装置に、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
取得ステップでは、ユーザの位置情報を取得し、
記憶ステップでは、記憶部に前記ユーザの位置情報を時間情報とともに記憶させ、
前記時間情報は、前記ユーザの位置情報を取得した時刻にかかる情報であり、
関連づけステップでは、前記ユーザと他ユーザとを関連づけ、
共有ステップでは、所定条件(例えば、ユーザがボタンを操作したこと、心拍数、血圧などユーザの生体情報の変化量が大きくなったこと、ユーザが使用するユーザ端末装置の電源が切れたこと、他ユーザが要求したこと)が満たされた場合に、前記ユーザの位置情報を時系列で前記他ユーザに共有する、
コンピュータプログラムがある。
【0241】
この場合には、ユーザがケガをした場合、ユーザの足取りがわからなくなった場合などに、例えばフレンドユーザである他ユーザにユーザが移動した経路を時系列で共有することができる。これにより、他ユーザは、ユーザの現在の居場所を特定しやすくなる。また、ユーザの操作に基づいて、前記共有ステップの機能をオン/オフすることができてもよい。
【0242】
なお、この場合において、例えば、ユーザが撮影した画像などの情報にユーザの位置情報が関連づけられており、撮影画像が撮影された地点がどこであるかを把握することができるようになっていてもよい。
【0243】
その他の例として、
コンピュータ装置に、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
取得ステップでは、ユーザ(例えば、お客)の位置情報を取得し、
関連づけステップでは、前記ユーザと他ユーザ(例えば、店員)とを関連づけ、
共有ステップでは、所定条件(例えば、ユーザがボタンを操作したこと、他ユーザが要求したこと)が満たされた場合に、前記ユーザの位置情報を前記他ユーザに共有し、
生成ステップでは、前記ユーザの位置情報が前記他ユーザに共有されたことを契機として、前記ユーザと前記他ユーザとの間で送受信される情報(例えば、お店までの経路)を生成する、
コンピュータプログラムがある。
【0244】
この場合には、例えば、ユーザが地図を見てもお店にたどり着けないような場合などに、ユーザは、登録されたお店の店員と連絡を取り合って、お店までの経路を教えてもらうことができる。
【0245】
以上のとおり、位置情報の共有の正確度をユーザの状況に応じて変更することにより、ユーザのプライバシーを保護するとともに、ユーザの緊急時などにはユーザの位置情報を他ユーザに共有することでユーザの安全を確保することができる。
【0246】
また、前記実施形態においては、ユーザ装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。ユーザ装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続されるパーソナルコンピュータ、タブレット端末であってもよい。
【符号の説明】
【0247】
1A 位置情報共有システム
1B 位置情報共有システム
2 サーバ装置
3 ユーザ端末装置
4 通信ネットワーク