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特開2024-10160ガイガーミュラー放射線センサの監視および試験のための電子信号を提供するための方法、システムおよび装置
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  • 特開-ガイガーミュラー放射線センサの監視および試験のための電子信号を提供するための方法、システムおよび装置 図1
  • 特開-ガイガーミュラー放射線センサの監視および試験のための電子信号を提供するための方法、システムおよび装置 図2
  • 特開-ガイガーミュラー放射線センサの監視および試験のための電子信号を提供するための方法、システムおよび装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010160
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】ガイガーミュラー放射線センサの監視および試験のための電子信号を提供するための方法、システムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/18 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
G01T1/18 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188226
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2022000276の分割
【原出願日】2016-05-25
(31)【優先権主張番号】14/750,169
(32)【優先日】2015-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508177046
【氏名又は名称】ジーイー-ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GE-HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ドローバ,グレゴリー・エス
(72)【発明者】
【氏名】ミーク,オスカー・エル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】試験信号に対する放射線センサの応答を検出し、放射線センサが正しく動作しているかどうかを判定する。
【解決手段】放射線センサの動作を遠隔監視するための方法、システムおよび/または装置は、領域内の放射線の存在を検出するように構成され、ガイガーミュラー管を含む放射線センサ110と、前記放射線センサ110を試験するために使用され、前記放射線センサ110に送信される高周波試験信号を生成するように構成された試験信号発生器と、前記試験信号に対する前記放射線センサの応答を検出し、前記放射線センサが正しく動作しているかどうかを判定するように構成された試験信号検出器とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線センサ(110)の動作を遠隔監視するためのシステム(100)であって、
領域内の放射線の存在を検出するように構成され、ガイガーミュラー管(115)を含む放射線センサ(110)と、
前記放射線センサ(110)を試験するために使用され、前記放射線センサ(110)に送信される高周波試験信号を生成するように構成された試験信号発生器(210)と、
前記試験信号に対する前記放射線センサ(110)の応答を検出し、前記放射線センサ(110)が正しく動作しているかどうかを判定するように構成された試験信号検出器(220)と
を含む、システム(100)。
【請求項2】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答が前記高周波試験信号の振幅および周波数に対応する場合、前記放射線センサ(110)が正しく動作していることを示す動作信号を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答が前記高周波試験信号の振幅および周波数に対応しない場合、前記放射線センサ(110)が誤動作していることを示す動作信号を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅が前記高周波試験信号の振幅より低い場合、前記ガイガーミュラー管(115)がガス漏れしていることを示す動作信号を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅が前記高周波試験信号の振幅より高いまたは低い場合、前記ガイガーミュラー管(115)のアノードまたはカソードが損傷していることを示す動作信号を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)からの応答を検出しない場合、前記システム(100)の電気配線への損傷が生じていることを示す動作信号を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記高周波試験信号の周波数が、20KHz以上である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記試験信号発生器(210)および試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)に接続される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記試験信号発生器(210)および試験信号検出器(220)が、ディスプレイ(133)を含む監視モニタ(130)に接続される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項10】
放射線センサ(110)の動作を遠隔監視する方法であって、
放射線の存在を検出するように構成され、ガイガーミュラー管(115)を含む放射線センサ(110)を試験するために高周波試験信号を生成することと、
前記高周波試験信号を送信することと、
前記試験信号に対する前記放射線センサ(110)の応答を検出することと、
前記試験信号に対する前記放射線センサ(110)の前記応答に基づいて、前記放射線センサ(110)が正しく動作しているかどうかを判定することと
を含む、方法。
【請求項11】
前記放射線センサ(110)の前記応答が前記高周波試験信号の振幅および周波数に対応する場合、前記放射線センサ(110)が正しく動作していることを示す動作信号を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記放射線センサ(110)の前記応答が前記高周波試験信号の振幅および周波数に対応しない場合、前記放射線センサ(110)が誤動作していることを示す動作信号を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅が前記高周波試験信号の振幅より低い場合、前記ガイガーミュラー管(115)がガス漏れしていることを示す動作信号を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅が前記高周波試験信号の振幅より高いまたは低い場合、前記ガイガーミュラー管(115)のアノードまたはカソードが損傷していることを示す動作信号を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記試験信号検出器(220)が前記放射線センサ(110)からの応答を検出しない場合、前記システム(100)の電気配線への損傷が生じていることを示す動作信号を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記生成することが、前記高周波試験信号の周波数が20KHz以上であることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
放射線センサ(110)の動作を監視するための装置であって、
前記放射線センサ(110)を試験するために使用され、前記放射線センサ(110)に送信される高周波試験信号を生成するように構成された試験信号発生器(210)と、
前記試験信号に対する前記放射線センサ(110)の応答を検出し、前記放射線センサ(110)が正しく動作しているかどうかを判定するように構成された試験信号検出器(220)と
を含む、装置。
【請求項18】
ガイガーミュラー管を含む前記放射線センサ(110)に前記試験信号発生器(210)および前記試験信号検出器(220)を接続する第1のケーブルと、
ディスプレイ(133)を含む監視モニタ(130)に前記試験信号発生器(210)および前記試験信号検出器(220)を接続する第2のケーブルと
を含み、
前記高周波試験信号が、前記第1のケーブルを介して前記試験信号発生器(210)から前記放射線センサ(110)に送信される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記試験信号発生器(210)および前記試験信号検出器(220)が、前記監視モニタ(130)に取り付けられる、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記試験信号発生器(210)および前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)に取り付けられる、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガイガーミュラー管ベースの放射線センサの監視および/または試験のための電子信号を提供するための方法、システムおよび/または装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商用原子力発電所の政府規制では、安全装置が適切に機能していることを保証するために、原子力発電所に設置された、または原子力発電所内に配置された安全装置の定期的な監視が必要である。監視が必要となる安全装置は、ガイガーミュラー(GM)管ベースのセンサなど、放射線を検出するためのセンサを含む場合がある。
【0003】
GM管を使用する既存の放射線センサは、GM管の間接および/もしくは遠隔操作試験ならびに/または性能試験が不可能である。代わりに、GM管ベースのセンサは、GM管の近傍に放射線源を置き、放射線源に対するGM管ベースのセンサの応答を解析することによって、人員が手動で検査する必要がある。この試験方法は、人員を不必要な放射線にさらすため、望ましくない場合がある。さらに、GM管ベースの放射線センサは、原子力発電所内の放射性シームラインなどの場所へのアクセスにおいて、物理的にアクセスできない、不便な、および/または物理的に危険な場所に恒久的にまたは他の方法で配置され得る。これらのタイプの状況では、放射線センサを試験するために放射線センサにアクセスすることは困難および/または不便となり得る。また、従来の試験方法では、放射線センサの放射線モニタ(たとえば、ディスプレイパネル)を制御設備に配置することができ、放射線センサの場所には配置することができないので、試験を完了するために追加の人員が必要となる場合がある。したがって、単一の放射線センサを試験するために2人以上の従業員が必要となり、それによって試験コストが増加し、従業員の生産性が低下することがある。さらに、放射線センサの監視は手動で行われるので、放射線センサの試験は、連続的ではなく、定期的にのみ行われ得る。放射線センサの定期的な試験のみでは、放射線センサの誤動作が直ちに検出されない可能性があるため、誤動作している放射線センサを修理および/または交換するのに時間がかかる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/051818 A1号
【発明の概要】
【0005】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、放射線センサの動作を遠隔監視するためのシステムに関する。
【0006】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、放射線センサの動作を遠隔監視するためのシステムは、領域内の放射線の存在を検出するように構成され、ガイガーミュラー管を含む放射線センサと、放射線センサを試験するために使用され、放射線センサに送信される高周波試験信号を生成するように構成された試験信号発生器と、試験信号に対する放射線センサの応答を検出し、放射線センサが正しく動作しているかどうかを判定するように構成された試験信号検出器とを含むことができる。
【0007】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号検出器は、放射線センサの応答が高周波試験信号の振幅および周波数に対応する場合、放射線センサが正しく動作していることを示す動作信号を出力するように構成されてもよい。
【0008】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号検出器は、放射線センサの応答が高周波試験信号の振幅および周波数に対応しない場合、放射線センサが誤動作していることを示す動作信号を出力するように構成されてもよい。
【0009】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号検出器は、放射線センサの応答の振幅が高周波試験信号の振幅より低い場合、ガイガーミュラー管がガス漏れしていることを示す動作信号を出力するように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号検出器は、放射線センサの応答の振幅が高周波試験信号の振幅より高いまたは低い場合、ガイガーミュラー管のアノードまたはカソードが損傷していることを示す動作信号を出力するように構成されてもよい。
【0011】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号検出器は、放射線センサからの応答を検出しない場合、システムの電気配線への損傷が生じていることを示す動作信号を出力するように構成されてもよい。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態では、高周波試験信号の周波数は、20KHz以上であってもよい。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号発生器および試験信号検出器は、放射線センサに接続されてもよい。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号発生器および試験信号検出器は、ディスプレイを含む監視モニタに接続されてもよい。
【0015】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、放射線センサの動作を遠隔監視する方法に関する。
【0016】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、放射線センサの動作を遠隔監視する方法は、放射線の存在を検出するように構成され、ガイガーミュラー管を含む放射線センサを試験するために高周波試験信号を生成することと、高周波試験信号を送信することと、試験信号に対する放射線センサの応答を検出することと、試験信号に対する放射線センサの応答に基づいて、放射線センサが正しく動作しているかどうかを判定することとを含むことができる。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態では、放射線センサの応答が高周波試験信号の振幅および周波数に対応する場合、放射線センサが正しく動作していることを示す動作信号を出力してもよい。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態では、放射線センサの応答が高周波試験信号の振幅および周波数に対応しない場合、放射線センサが誤動作していることを示す動作信号を出力してもよい。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態では、放射線センサの応答の振幅が高周波試験信号の振幅より低い場合、ガイガーミュラー管がガス漏れしていることを示す動作信号を出力してもよい。
【0020】
いくつかの例示的な実施形態では、放射線センサの応答の振幅が高周波試験信号の振幅より高いまたは低い場合、ガイガーミュラー管のアノードまたはカソードが損傷していることを示す動作信号を出力してもよい。
【0021】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号検出器が放射線センサからの応答を検出しない場合、システムの電気配線への損傷が生じていることを示す動作信号を出力してもよい。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態では、生成することは、高周波試験信号の周波数が20KHz以上であることを含んでもよい。
【0023】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、放射線センサの動作を監視するための装置に関する。
【0024】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、放射線センサの動作を監視するための装置は、放射線センサを試験するために使用され、放射線センサに送信される高周波試験信号を生成するように構成された試験信号発生器と、試験信号に対する放射線センサの応答を検出し、放射線センサが正しく動作しているかどうかを判定するように構成された試験信号検出器とを含むことができる。
【0025】
いくつかの例示的な実施形態では、装置は、ガイガーミュラー管を含む放射線センサに試験信号発生器および試験信号検出器を接続する第1のケーブルと、ディスプレイを含む監視モニタに試験信号発生器および試験信号検出器を接続する第2のケーブルとを含んでもよく、高周波試験信号は、第1のケーブルを介して試験信号発生器から放射線センサに送信されてもよい。
【0026】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号発生器および試験信号検出器は、監視モニタに取り付けられてもよい。
【0027】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号発生器および試験信号検出器は、放射線センサに取り付けられてもよい。
【0028】
本明細書における非限定的な例示的な実施形態の様々な特徴および利点は、添付の図面と併せて詳細な説明を検討することにより、より明らかになるであろう。添付の図面は、単に説明のために提供されるものであり、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、別途明示されない限り、縮尺通りに描かれているとはみなされない。明確にするために、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】例示的な実施形態による、放射線センサの動作を遠隔監視するためのシステムを示す図である。
図2】例示的な実施形態による、図1のシステムによって用いられ得る放射線センサの動作を遠隔監視するための装置の構成要素を示す図である。
図3】例示的な実施形態による、放射線センサの動作を遠隔監視するためのルーチンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、いくつかの例示的な実施形態が示される添付の図面を参照して、様々な例示的な実施形態をより完全に説明する。
【0031】
詳細な例示的な実施形態が、本明細書に開示されている。しかし、本明細書に開示される特定の構造および機能の詳細は、例示的な実施形態を説明するための典型に過ぎない。しかし、実施形態は、多くの代替的な形態で実現させることができ、本明細書に説明される例示的な実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0032】
第1の、第2の、などの用語が、様々な要素を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、単に、1つの要素を別の要素から区別するために使用されているだけである。たとえば、本発明の例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素は、第2の要素と呼ぶことが可能であり、同様に、第2の要素は、第1の要素と呼ぶことが可能である。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のいずれかおよび1つもしくは複数のすべての組み合わせを含む。
【0033】
ある要素が別の要素に対して「接続される」、または「結合される」と言及される場合には、他の要素に対して直接的に接続され、または結合されてもよいし、あるいは介在する要素が存在してもよいことが理解されるであろう。一方で、ある要素が別の要素に対して「直接接続される」、または「直接結合される」と言及される場合には、介在する要素は存在しなくてもよい。要素間の関係を記述するために使用される他の単語も、同様なやり方(たとえば、「間に」対「直接間に」、「隣接する」対「直接隣接する」など)で解釈するべきである。
【0034】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明の例示的な実施形態を限定するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、特に明示しない限り、複数形も含むことが意図される。「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。
【0035】
また、いくつかの代替の実施態様では、記載された機能/作用は、図に記載された順序から外れることがあることにも留意すべきである。たとえば、連続して示される2つの図形は、実際には実質的に同時に実行されてもよく、または関係する機能/作用に応じて逆の順序で実行されてもよい。
【0036】
例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、以下の説明において具体的な詳細が提供される。しかし、これらの具体的な詳細なしで例示的な実施形態を実施できることは、当業者には理解されるであろう。たとえば、例示的な実施形態を不必要な詳細で不明瞭にしないために、システムをブロック図で示すことができる。他の例では、例示的な実施形態を不明瞭にすることを避けるために、周知のプロセス、構造および技術を不必要な詳細なしに示すことができる。
【0037】
また、例示的な実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、またはブロック図として描かれるプロセスとして記載されてもよいことに留意されたい。フローチャートは動作を順次的なプロセスとして記載し得るが、動作の多くは並列に、同時にまたは一斉に実行可能である。さらに、動作の順序は、再配置されてもよい。プロセスは、その動作が完了したときに終了されてもよいが、図に含まれていない追加のステップを有している可能性がある。プロセスは、方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応することができる。プロセスが関数に対応する場合、その終了は呼び出し関数または主要な関数への関数の戻りに対応し得る。
【0038】
さらに、本明細書で開示するように、「メモリ」という用語は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、および/または情報を記憶するための他の機械可読媒体を含めて、データを記憶するための1つまたは複数のデバイスを表すことができる。「記憶媒体」という用語は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスおよび/または情報を記憶するための他の機械可読媒体を含めて、データを記憶するための1つまたは複数のデバイスを表すことができる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、ポータブルもしくは固定記憶装置、光記憶装置、無線チャネル、ならびに命令(1つまたは複数)および/またはデータを記憶、包含もしくは担持することができる様々な他の媒体を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0039】
さらに、例示的な実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組み合わせによって実装されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたはマイクロコードで実装される場合は、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体などの機械またはコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。プロセッサ(1つまたは複数)は、必要なタスクを実行することができる。
【0040】
コードセグメントは、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、あるいは命令、データ構造、またはプログラム文の任意の組み合わせを表してもよい。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリコンテンツを渡すことおよび/または受信することにより、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合されることが可能である。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信などを含む任意の適切な技術を介して渡され、転送され、または送信されてもよい。
【0041】
例示的な実施形態は、適切なコンピューティング環境で実装されるものとして説明される。必須ではないが、例示的な実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプロセッサまたはCPUによって実行される、プログラムモジュールまたは機能プロセスなどのコンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキストで説明される。一般に、プログラムモジュールまたは機能プロセスは、特定のタスクを実行する、または特定のデータタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。本明細書で説明されるプログラムモジュールおよび機能プロセスは、既存の通信ネットワーク内で既存のハードウェアを使用して実装することができる。たとえば、本明細書で説明されるプログラムモジュールおよび機能プロセスは、既存のネットワーク要素または制御ノードで既存のハードウェアを使用して実装することができる。このような既存のハードウェアは、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータなどを含むことができる。
【0042】
別様に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般的に使用される辞書で定義される用語を含む用語は、関係のある技術分野の脈絡におけるそれらの意味と合致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で特に定義されない限り、理念化された意味、または過度に形式的な意味で解釈されることはないことがさらに理解されよう。
【0043】
図1は、例示的な実施形態による、放射線センサの動作を遠隔監視するためのシステムを示す。放射線センサ遠隔監視システム100は、GM管115を含む放射線センサ110と、GM管監視デバイス120と、監視モニタ130と、信号ケーブル140および150とを含むことができる。
【0044】
様々な例示的な実施形態によれば、GM管115は、放射線センサと共に使用されてもよいし、放射線センサに内蔵されてもよいし、または放射線センサに接続されてもよい。GM管115は、大気圧より低い圧力となり得るガス混合物で充填され得るエンクロージャを含むことができる。ガス混合物は、アルゴンなどの「計数」ガスと、臭素または他のハロゲンガスなどの「クエンチング」ガスとを含み得る。GM管エンクロージャは、ステンレス鋼のような導電性材料で作られてもよく、またはその内部表面が導電性材料で被覆された任意の材料を含んでもよい。エンクロージャの導電性材料および/またはエンクロージャ自体は、カソード電極として作用することができる。エンクロージャは、密封され、アノード電極として作用することができる小径の集電中心導体線から絶縁され得る中空の薄壁であってもよい。集電中心導体線は、ステンレス鋼のような導電性材料から作ることができる。集電中心導体線は、カソード電極の内側に同軸に配置されてもよい。GM管115は、円筒形のエンクロージャの両端にガラス絶縁体を追加で含んでもよい。
【0045】
様々な実施形態では、GM管115内に強い電場を生成するために、カソード電極とアノード電極との間に高電圧電位を印加することができる。電離放射線がGM管115に当たると、すなわち、放射線源からの放射性粒子がGM管115のエンクロージャに入ると、エンクロージャ内のガス混合物のある特定の分子が入射放射線によって直接イオン化され、正に帯電した「イオン対」を生成し得る。これは、一次イオン化事象と呼ばれる。さらに、一次イオン化事象からの正に帯電したイオン対が、負に帯電したアノードに向かってエンクロージャ内の強い電場によって加速されるときに二次イオン対の雪崩が生成され得、一次イオン化事象のイオン対の移動がエンクロージャの全容積内の追加のガス分子をイオン化する。収集されたイオン対のイオン電荷は、出力電気パルスを生成し得る。したがって、GM管115は、一次イオン化事象を引き起こす放射線によって検出器内に形成されたイオン対の数にかかわらず、均一な振幅で数ボルト以上の電気パルスを出力することができる。
【0046】
イオン化事象の間、GM管115のガス混合物中の計数ガスの分子とクエンチガスの分子との間に衝突が生じる。衝突は、計数ガスの分子からクエンチガスの分子に正電荷を移動させる。その結果、正電荷移動衝突により、カソード電極に最終的に到達するすべての正イオンはクエンチガスの分子となる。正に帯電したクエンチガスの分子がカソード電極に到達すると、クエンチガスの分子はカソードからの電子によって中和される。クエンチガスの分子の電荷を中和した後の電子の過剰エネルギーは、カソードの表面から自由電子を遊離させることに優先して、より複雑なクエンチガスの分子を解離させることによって消費される。結果的に、クエンチガスの分子の解離の頻度はさらなるイオン化を開始するための電子放出の生成よりずっと大きいので、GM管内の放電が完了する。イオン化事象の後、すなわち放射線の検出後にクエンチガスの分子の解離が生じるので、GM管115はクエンチガスを失い、これによりGM管115の「計数」寿命が制限される。市販のGM管は、一般に、10~15年の寿命を有する。
【0047】
クエンチガスの分子の解離によるGM管115の漸進的な減弱および最終的な故障に加えて、GM管は、密封されたGM管エンクロージャからのガス混合物の漏れ、またはGMカソードの不動態化の喪失のような他の要因のために故障、機能不全および/または誤作動を起こす可能性がある。
【0048】
たとえば、GM管115は、GM管の製造中および/またはGM管ベースの放射線センサの製造中に機械的応力を受けることがある。GM管への機械的応力は、GM管115のいずれかの端部のガラス-金属シールに微小亀裂の発生を引き起こす可能性がある。ガラス-金属シールに微小亀裂が発生すると、計数ガスおよびクエンチガスがGM管エンクロージャ内で非常にゆっくりと漏れることになり、エンクロージャ容積に異種ガスの分子(たとえば、空気)が導入される可能性がある。GM管エンクロージャの容積からの計数ガスおよびクエンチガスの非常に遅い消失は、「デッドタイム」の長さを大幅に増加させるGM管内の条件を一時的に確立し、最終的にGM管および/または放射線センサの完全な故障につながることになる。さらに、デッドタイムが大幅に増加すると、高い放射線レベルで発生する密集したイオン化事象の一部が遮蔽され、GM管が非線形に応答することになる。
【0049】
デッドタイムは、雪崩放電に発展するイオン化事象の開始と、GM管内のイオン化が次の通常の大きさの雪崩放電を引き起こす後続のイオン化事象のためにGM管内の電場を十分に回復することができる程度まで放散された時間との間の時間の間隔を記述するために使用される用語である。後続のイオン化事象が前のイオン化事象のデッドタイム中に生じた場合、すなわち、別の放射性粒子がデッドタイム中にGM管に当たった場合、電場は十分に回復せず、結果として生じる放電は元の放電より強度が小さくなる。その結果、デッドタイム中の後続のイオン化事象からの出力パルスの振幅は、正電荷を計数ガスの分子からクエンチガスの分子に移動させることによって放電を終了させるのに必要な正イオンが少なくなるので、減少する。後続のイオン化事象によってデッドタイム中に生成される出力電気パルスは、元の出力電気パルスと比較して振幅が小さく、実際の放射線検出シグネチャから偽陽性シグネチャを除外するために使用される従来の放射線センサによって使用される検出閾値レベルを通過するのに十分なほど大きくない振幅を有することがある。
【0050】
さらに重要なことに、測定可能なデッドタイムが長くなるGM管の故障モードは、放射線センサの手動試験で一般的に使用される放射性試験ソースからの低レベルの放射線に対してほぼ正常な動作を示す。試験ソースからの放射線は、微小亀裂、漏れ、ならびに/またはGM管からの計数ガスおよびクエンチガスの低減により、測定可能なより長いデッドタイム中のまれに発生するイオン化事象および非常に少ないイオン化事象が生じる統計的確率のために非常に低い放射線計数率を引き起こすことがある。本質的に、低レベルの試験ソースによって生じる出力パルスのすべては、検出の閾値レベルを上回り、GM管/放射線センサの誤動作が観察されないようにする。しかし、誤動作しているGM管/放射線センサ周辺でより高い放射線レベルを含む放射線源がある場合、より高いレベルの放射線は、より長いデッドタイムの間隔の間により多くのイオン化事象を生じさせる確率が統計的にはるかに高い。追加のイオン化事象のかなりの部分がより長いデッドタイム期間中に発生するため、放射線センサは、検出の閾値レベル未満の振幅を有する出力パルスを生成し続け、より高い放射線レベルは、実際の放射線レベルより低い応答を示す誤った指示を生じ得る。
【0051】
GM管の故障モードの別の例として、GM管の構築、生産、および/または製造中のGMカソードの不動態化の喪失がある。GM管を構築する前に、中空の薄肉ステンレス鋼円筒カソードの内側は、カソード電極の内側表面上に薄い保護膜を形成する酸化クロムを発生させることによって化学的に不動態化される。内側表面上の保護膜の形成は、エンクロージャと、エンクロージャを満たすガス混合物との間のさらなる化学反応を防止する。保護されていない金属表面は、イオン化事象中に形成されるハロゲンイオンに非常に敏感であり、保護されないままにすると、金属エンクロージャの内部表面上にハロゲン金属化合物を形成する化学反応を引き起こす。GM管金属カソードの内側表面の不動態化は、GM管内側のハロゲンクエンチガスの損失を防止するもう一つの重要な技術である。ハロゲンクエンチガスの損失はまた、GM管内のデッドタイムの長さを測定可能に増加させ、デッドタイム中に発生する密集したイオン化事象を遮蔽し、それによって上で詳述したようにGM管が高い放射線レベルで非線形に応答するようになる。
【0052】
GM管の生産プロセスの一部として、高温溶融したガラスを薄肉金属円筒カソードの両端に配置することで、GM管の生産中に冷却することができる。このステップは、ガス混合物をGM管容積内に密封し、カソードの内側に同軸に配置されたワイヤアノードを絶縁するために行われる。このようにしてGM管に熱を加えると、円筒カソードの内側表面上の受動保護膜が劣化する可能性がある。受動保護膜の損失は、露出した金属表面上の価電子を、金属表面にさらされる他の要素との化学反応に利用可能にする。溶融ガラスが製造中にカソードの両端に配置されたときにあまりにも過度の熱、または長時間にわたり熱を受けるカソードは、受動保護膜を劣化および/または部分的に破壊し、カソードの内側金属表面を保護されないままにする。カソードの保護されていない内側金属表面は、ハロゲン化物イオンと化学的に反応し、クエンチガスをGM管エンクロージャの容積から徐々に枯渇させる。最終的に、クエンチガスの漸進的な枯渇は、長さが増加したデッドタイムを開始させることになり、デッドタイム期間の増加につながる。その結果、クエンチガスの一部が失われると、GM管は低い放射線レベルに対してほぼ正常な(すなわち、適切かつ/または期待される)検出応答を提供するが、GM管がより高い放射線レベルで非線形に応答する原因となる。
【0053】
GMカソードの不動態化の喪失を検出しようとする際に直面する別の課題は、受動保護膜の劣化および/または部分的破壊を受けるGM管が製造直後に正しく応答するという問題である。ハロゲン化物クエンチガスイオンが十分に内部金属円筒カソードと化学反応してハロゲン化物クエンチガスを十分に枯渇させ、GM管のデッドタイム期間の長さを測定可能に増加させる前には、比較的長い時間、たとえば1年以上がかかる。したがって、GM管ベースの放射線センサは、最初に設置または生産されたときに適切な動作状態にあるように見えるが、実際には、放射線センサへの設置後またはスペアパーツとして保管された後の数ヶ月までに、デッドタイムの長さが大きく増加しない故障モードに陥っている可能性がある。
【0054】
再び図1を参照すると、放射線センサ110の動作を遠隔監視するためのシステムはさらに、GM管監視デバイス120を含むことができる。図2に関連してさらに詳細に説明するGM管監視デバイス120は、信号ケーブル140を介して1つまたは複数のGM管および/または放射線センサに接続することができる。GM管監視デバイス120は、第2の信号ケーブル150を介して監視モニタ130および/または放射線モニタ(図示せず)に接続することもできる。信号ケーブルは、同軸ケーブル、データケーブル、ツイストペアケーブル、光ファイバケーブルなどであってもよい。監視デバイス120は、放射線センサ110に信号を送信することができ、送信された信号に応答して、放射線センサ110および/またはGM管115の動作状態を判定するために使用され得る信号を受信することができる。放射線センサ110からの応答信号が監視デバイス120によって受信されると、監視デバイスは応答信号を解析し、放射線センサ110および/またはGM管115の現在の動作状況を判定することができる(すなわち、GM管および放射線センサが正しく動作しているかを判定する、またはGM管もしくは放射線センサの故障モードを判定する)。放射線センサ110および/またはGM管115の現在の動作状況を判定した後、次に監視デバイス120は、表示およびさらなる動作のために動作状況および/または故障モードデータを信号ケーブル150を介して監視モニタ130および/またはコンピューティングシステム(図示せず)に送信することができる。
【0055】
さらに、様々な例示的な実施形態では、監視デバイス120は、通信インターフェースを介して1つまたは複数の他のハードウェアコンピューティングデバイス(たとえば、監視モニタ130および/またはGM管115)と通信することができる物理コンピュータハードウェアデバイスを含むことができる。監視デバイス120はまた、送信機および受信機(または任意選択でトランシーバ)を介して無線で、および/または通信ポートを使
用する有線接続を介して、1つまたは複数の他のハードウェアコンピューティングデバイス(たとえば、サーバ、ワークステーション、ラップトップ、スマートフォン、タブレットなどのようなコンピューティングシステム)に監視デバイスを接続するように構成されたネットワークインターフェースを含むこともできる。監視デバイス120は、有線接続および/または無線接続を使用するネットワークインターフェースを介して、1つまたは複数の他のハードウェアコンピューティングデバイス、および/またはルータ、スイッチ、または他の同様のネットワークデバイスなどのネットワークデバイスとの間でデータを送受信するように構成されてもよい。無線送信機/受信機および/またはトランシーバは、IEEE 802.11-2007規格(802.11)、Bluetooth(登録商標)規格、および/または任意の他の同様の無線規格に準拠して動作するように構成することができる。通信ポートは、シリアル通信プロトコル(たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ファイアワイヤ、シリアルデジタルインターフェース(SDI)、および/または他の同様のシリアル通信プロトコル)などの有線通信プロトコル、パラレル通信プロトコル(たとえば、IEEE 1284、Computer Automated Measurement And Control(CAMAC)、および/または他の同様のパラレル通信プロトコル)、および/またはネットワーク通信プロトコル(たとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、および/または他の同様のネットワーク通信プロトコル)に準拠して動作するように構成されてもよい。監視デバイス120は、放射線センサ110および/またはGM管115の動作に対応する生成された監視データを、ネットワークインターフェースを介して1つまたは複数の他のハードウェアコンピューティングデバイスに送信または通信するように構成することができる。
【0056】
様々な例示的な実施形態では、放射線センサ110の動作を遠隔監視するためのシステムは、監視モニタ130を含むことができる。監視モニタ130はまた、監視モニタ130から受信した1つまたは複数の放射線センサの監視の結果に関する情報を少なくとも表示するように構成され得るディスプレイ133を含むことができる。監視モニタ130はまた、監視モニタ130、監視デバイス120、および/または放射線センサ110を制御するためのユーザ入力制御134(たとえば、押しボタン、キーパッドなど)を含んでもよい。
【0057】
監視モニタ130はまた、GM管ベースの放射線センサによって検出された放射線に関するデータを解析、解釈および表示することができる放射線モニタ(図示せず)を含んでもよい。監視モニタ130は、高電圧電源(図示せず)およびフェムト電流計(図示せず)を含むことができる。高電圧電源は、GM管115に高電圧(たとえば、300~600VDC)を供給するように構成することができ、GM管115のアノード電極を帯電させ、上述したGM管エンクロージャ内に強い電場を生成する。フェムト電流計は、システム100の閉回路内の電流を検出し、それによってGM管115によって検出されたイオン化事象を検出するように構成することができる。代替的に、放射線モニタは、監視モニタ130から分離していてもよい。監視モニタ130は、監視デバイス120および/または可動性のGM管ベースの放射線センサ110に取り付けられてもよい。加えて、および/または代替的に、監視モニタ130は、制御室、指令室などのような、放射線センサ110とは物理的に別個の場所に配置することができる。
【0058】
様々な例示的な実施形態によれば、コンピューティングシステム(図示せず)は、コンピューティングシステムが他のハードウェアコンピューティングデバイスから1つまたは複数の信号および/またはデータストリームを受信することができるように、通信インターフェースを介して1つまたは複数の他のハードウェアコンピューティングデバイス(たとえば、監視デバイス120、監視モニタ130、1つまたは複数の関連するデータベース(図示せず)、など)と通信することができる物理ハードウェアコンピューティングデバイスである。コンピューティングシステムは、メモリと、1つまたは複数のプロセッサとを含むことができる。コンピューティングシステムは、一連の算術演算または論理演算を順次的かつ自動的に実行するように設計することができ、機械可読媒体にデータを記録/記憶するために備えることができ、1つまたは複数のネットワークデバイスを介してデータを送受信することができる。コンピューティングシステムは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイル端末(たとえば、タブレットパーソナルコンピュータなど)のようなデバイス、および/またはネットワークデバイスへの接続を介してデジタルデータを記録、記憶、および/または転送することができる任意の他の物理的または論理的デバイスを含んでもよい。
【0059】
様々な例示的な実施形態では、コンピューティングシステムは、送信機および受信機(または任意選択でトランシーバ)を介して無線で、および/または通信ポートを使用する有線接続を介して、1つまたは複数の他のハードウェアコンピューティングデバイス(たとえば、監視デバイス120、監視モニタ130、1つまたは複数の関連するデータベース(図示せず)など)にコンピューティングシステムを接続するように構成されたネットワークインターフェースを含むことができる。コンピューティングシステムは、有線接続および/または無線接続を使用するネットワークインターフェースを介して、1つまたは複数の他のハードウェアコンピューティングデバイス、および/またはルータ、スイッチ、または他の同様のネットワークデバイスなどのネットワークデバイスとの間でデータを送受信するように構成されてもよい。無線送信機/受信機および/またはトランシーバは、IEEE 802.11-2007規格(802.11)、Bluetooth(登録商標)規格、および/または任意の他の同様の無線規格に準拠して動作するように構成することができる。通信ポートは、シリアル通信プロトコル(たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ファイアワイヤ、シリアルデジタルインターフェース(SDI)、および/または他の同様のシリアル通信プロトコル)などの有線通信プロトコル、パラレル通信プロトコル(たとえば、IEEE 1284、Computer Automated Measurement And Control(CAMAC)、および/または他の同様のパラレル通信プロトコル)、および/またはネットワーク通信プロトコル(たとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、および/または他の同様のネットワーク通信プロトコル)に準拠して動作するように構成されてもよい。コンピューティングシステムは、1つまたは複数のGM管ベースの放射線センサの現在の状況に関する情報を記憶するように構成することができ、放射線センサのGM管の故障、放射線センサのGM管または放射線センサを放射線モニタおよび/または監視モニタに接続するケーブルの修理および/または交換の必要性を人員に警告し、および/または放射線センサの過去の性能ログなどを提供することができる。
【0060】
図1に示すように、1つの放射線センサ110、1つの監視デバイス120、および1つの監視モニタ130のみが存在する。しかし、様々な例示的な実施形態によれば、任意の数の放射線センサ、監視デバイス、監視モニタ、放射線モニタ、および/またはコンピューティングシステムが存在してもよい。さらに、様々な例示的な実施形態では、放射線センサ110、監視デバイス120、監視モニタ130、放射線モニタおよび/またはコンピューティングシステムは、無線ネットワークデバイスであってもよい。加えて、または代替的に、様々な例示的な実施形態では、放射線センサ110、1つの監視デバイス120、および1つの監視モニタ130ならびに/または放射線モニタを、単一の装置として設けることができる。さらに、様々な例示的な実施形態では、放射線センサ110、監視デバイス120、監視モニタ130および/または放射線モニタの構成要素は、放射線センサ110、監視デバイス120、監視モニタ130および/または放射線モニタ内に存在するものとして説明および図示され得るが、これは必須ではなく、放射線センサ110の動作を遠隔監視するためのシステムの他の構成要素の1つまたは複数に個々の構成要
素を配置および/または含むことができることを理解されたい。
【0061】
図2は、例示的な実施形態による、放射線センサ110、監視デバイス120、および監視モニタ130の構成要素を示す。
【0062】
様々な例示的な実施形態では、監視デバイス120は、GM管115のアノード電極に接続され得る試験信号発生器210と、GM管115のカソード電極に接続され得る試験信号検出器220とを含むことができる。試験信号発生器210は、放射線センサ110を試験するために使用され得る高周波試験信号を生成するように構成され得る。より具体的には、試験信号発生器210は、GM管115のアノード電極に送信される高周波試験信号を生成することができる。試験信号発生器210は関数発生器とすることができ、試験信号検出器220はオシロスコープとすることができる。GM管が適切に動作している場合、試験信号検出器220は、試験信号発生器210によって生成されたものと同じ、または実質的に同様の周波数で試験信号を検出する。高周波試験信号は、GM管115および/または放射線センサ110を連続的に監視するために、試験信号発生器210によって連続的に生成および送信されてもよい。さらに、高周波試験信号は、GM管115を試験するために、定期的な間隔で、または必要に応じて生成および送信されてもよい。典型的には低周波DC信号である、通常動作中に放射線センサの適切に機能するGM管が発生する信号からの高周波試験信号を区別するために、試験信号発生器210は、通常のGM管周波数と区別できるような高い周波数の試験信号を生成するように構成することができる。たとえば、試験信号発生器は、20KHz以上であり得る試験信号を生成することができる。生成される試験信号の周波数は、放射線センサ110で使用されるGM管のサイズに依存してもよい。
【0063】
いくつかの例示的な実施形態では、試験信号検出器220は、試験信号発生器210によって送信され、GM管115を介して送信される高周波試験信号を検出および解析するように構成されてもよい。上述のように、GM管115が正しく動作している場合、試験信号検出器220によって検出された信号は、試験信号発生器210によって生成されたものと同じ、または実質的に同様の周波数になる。しかし、GM管が正しく動作していない場合、試験信号検出器220によって検出された信号は、試験信号発生器210によって生成および送信された試験信号とは異なる特性を有する。たとえば、検出された試験信号の振幅が予想より低い場合、GM管の電気的特性が変化したため、GM管がガス漏れしている可能性がある。検出された試験信号の振幅が正または負に変化した場合(すなわち、試験信号の極性が逆転した場合)、GM管の電極が損傷している可能性がある。放射線センサ110および/または放射線監視システム100の配線および/またはケーブルが損傷している場合、放射線監視システム100の閉システムに開回路が存在するため、試験信号検出器は試験信号を検出しない。
【0064】
したがって、少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、試験信号検出器220は、検出された信号が周波数値の許容可能なおよび/または所望の範囲内にあるかどうかを判定し、判定の結果を監視モニタ130および/またはコンピューティングシステムに出力し、周波数値の許容可能なおよび/または所望の範囲は、生成された試験信号の周波数に基づく。たとえば、周波数値の許容可能な範囲は、生成された試験信号の周波数の所望の偏差(たとえば、+/-10%)内とすることができる。周波数値の許容可能なおよび/または所望の範囲は、利用可能な様々なGM管モデルの実験的研究に従って判定してもよく、または特定のGM管モデルに対して構成してもよい。周波数値の許容可能なおよび/または所望の範囲は、偏差のパーセンテージとして、または許容可能なおよび/または所望の最小および最大周波数の絶対値として表すことができる。さらに、試験信号検出器220は、検出された信号が許容可能なおよび/または所望の閾値を上回っているかどうかを判定するように構成されてもよく、閾値は、GM管が検出された試験信号の周波数と閾
値との比較に基づいて適切に機能しているか否かを試験信号検出器220が判定することができるように設定される。たとえば、閾値は、生成された試験信号の周波数の-10%の値に設定されてもよく、検出された試験信号が閾値より大きい場合、試験信号検出器は、GM管が適切に機能していると判定する。許容可能なおよび/または所望の閾値は、利用可能な様々なGM管モデルの実験的研究に基づいて判定される設計パラメータであってもよく、または特定のGM管モデルに対して判定されてもよい。
【0065】
さらに、試験信号検出器220は、GM管がガス漏れしているかどうかを判定し、次に判定の結果を監視モニタ130および/またはコンピューティングシステムに出力するために、高周波試験信号の電圧を検出するように構成されてもよい。試験信号検出器220は、検出された信号が電圧値の許容可能なおよび/または所望の範囲内にあるかどうかを検出するように構成することができ、電圧値の許容可能なおよび/または所望の範囲は、生成された試験信号の電圧に基づく。たとえば、電圧値の許容可能な範囲は、生成された試験信号の電圧の所望の偏差(たとえば、+/-10%)内とすることができる。電圧値の許容可能なおよび/または所望の範囲は、利用可能な様々なGM管モデルの実験的研究に従って判定してもよく、または特定のGM管モデルに対して構成してもよい。電圧値の許容可能なおよび/または所望の範囲は、偏差のパーセンテージとして、または許容可能なおよび/または所望の最小および最大周波数の絶対値として表すことができる。さらに、試験信号検出器220は、検出された信号が許容可能なおよび/または所望の閾値電圧値を上回っているかどうかを判定するように構成されてもよく、閾値は、GM管が検出された試験信号の電圧と閾値との比較に基づいてガス漏れしているか否かを試験信号検出器220が判定することができるように設定される。たとえば、閾値は、生成された試験信号の電圧の-10%の値に設定されてもよく、検出された試験信号が閾値より大きい場合、試験信号検出器は、GM管がガス漏れしていないと判定する。許容可能なおよび/または所望の閾値は、利用可能な様々なGM管モデルの実験的研究に基づいて判定される設計パラメータであってもよく、または特定のGM管モデルに対して判定されてもよい。
【0066】
試験信号検出器220はまた、検出された試験信号の極性と生成された試験信号の極性とを比較することによってGM管の電極が損傷しているかどうかを検出し、次に判定の結果を監視モニタ130および/またはコンピューティングシステムに出力するように構成することができる。たとえば、生成された試験信号の極性が正であり、検出された試験信号の極性が負である場合、試験信号検出器は、GM管の電極が損傷していると判定し、結果を監視モニタ130および/またはコンピューティングシステムに出力する。
【0067】
試験信号検出器220はまた、放射線センサ110および/または放射線監視システム100の配線および/またはケーブルが損傷しているかどうかを検出するように構成することができる。たとえば、試験信号検出器220は、試験信号発生器が試験信号を生成して送信したことの指示など、GM管の試験が開始されたという指示を受信するように構成され、試験信号検出器の試験信号が試験の開始後に許容可能なおよび/または所望の時間内に検出されたかどうかを判定するようにさらに構成されてもよい。試験信号が許容可能なおよび/または所望の時間内に検出されない場合、試験信号検出器は、放射線センサ110および/または放射線監視システム100の配線および/またはケーブルが損傷していると判定し、結果を監視モニタ130および/またはコンピューティングシステムに出力するように構成することができる。たとえば、試験信号を検出するための許容可能な時間は、1秒以下に設定されてもよい。許容可能なおよび/または所望の時間は、利用可能な様々なGM管モデルの電気的特性の実験的研究に基づいて判定される設計パラメータであってもよく、または特定のGM管モデルに対して判定されてもよい。
【0068】
上記の試験信号検出器の判定は、説明のためにのみ提供されるものであり、試験信号検出器220は、これに限定されない。試験信号検出器220は、同様に追加のタイプの故障モードを監視および/または試験するように構成されてもよい。
【0069】
試験信号検出器220が放射線センサ110の現在の動作状況および/または故障モードのタイプを判定すると、試験信号検出器220は、判定の結果を監視モニタ130に出力することができる。
【0070】
様々な例示的な実施形態では、監視モニタ130は、放射線(またはパルス)検出器回路230と、高電圧電源240とを含むことができる。放射線検出器回路230は、イオン化事象に続いてGM管115によって生成される出力パルスの数を判定することによって、GM管115によって検出される放射線のレベルを判定する、すなわち放射線を「カウントする」ように構成することができる。放射線検出器回路230は、構成可能な検出閾値レベルより大きい振幅を有する出力パルスのみをカウントするように構成されてもよい。
【0071】
上述したように、監視モニタ130はまた、GM管115内の強い電場を少なくとも部分的に生成する高電圧電源240を含むことができる。
【0072】
図3は、例示的な実施形態による、放射線センサの動作を遠隔監視するためのルーチンを示す。ルーチンは、監視デバイス120を使用して、放射線センサ110のような放射線センサの動作状況を遠隔監視するために使用することができる。ルーチンの動作は、図1図2のシステムおよび装置によって実行されるものとして説明されるが、いずれの監視システムも、以下に説明するように図3の監視ルーチンを動作させることができることに留意されたい。
【0073】
図3を参照すると、動作S310に示すように、試験信号発生器210は、所望の高周波試験信号を生成することができる。動作S320において、高周波試験信号は、放射線センサ110に送信され得る。動作S330において、試験信号検出器220は、試験信号に対する放射線センサの応答を検出することができる。動作S340において、試験信号検出器220は、試験信号に対する放射線センサの応答に基づいて、放射線センサが正しく動作しているかどうかを判定することができる。
【0074】
動作S350に示すように、遠隔監視ルーチンは、終了する。
【0075】
理解されるように、例示的な実施形態による方法、システムおよび/または装置の技術的効果は、ガイガーミュラー管ベースの放射線センサ、特に物理的に不便なおよび/またはアクセスできない場所に配置されたガイガーミュラー管ベースの放射線センサの遠隔監視、試験および/または監視を可能にする。様々な例示的な実施形態はまた、人員を不必要な放射線量にさらすことなく、ガイガーミュラー管ベースの放射線センサを監視する能力を提供することができる。様々な例示的な実施形態は、特にガイガーミュラー管ベースの放射線センサの連続的な監視を用いることにより、ガイガーミュラー管ベースの放射線センサのより良好な平均修復時間(MTTR)を提供するために放射線センサの最適でない動作および/または故障をより迅速に検出することができる。様々な例示的な実施形態はさらに、ガイガーミュラー管ベースの放射線センサを監視するための安価な動作を提供することができる。
【0076】
例示的な実施形態は、原子力安全関連システムに関連して説明することができるが、例示的な実施形態はまた、放射線検出センサおよび/またはガイガーミュラー管が使用または必要とされ得るあらゆる産業に適用することができることに留意されたい。そのような産業には、原子力工学、法工学、機械工学、電気工学、土木工学、システム工学、航空工学、航海工学、宇宙航行工学、医学、科学研究ならびに/または放射性物質または場所および/もしくは潜在的な放射性物質または場所に関する対象物の使用、設計、構築、試験、および/もしくは保守を扱うあらゆる他の同様の分野が含まれ得る。
【0077】
本明細書は、当業者が同じことを実施することができるように開示された主題の実施例を用いており、任意のデバイスまたはシステムを製作し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0078】
100 放射線センサ遠隔監視システム
110 放射線センサ
115 ガイガーミュラー(GM)管
120 GM管監視デバイス
130 監視モニタ
131 高電圧電源
132 フェムト電流計
133 ディスプレイ
134 ユーザ入力制御
140 信号ケーブル
150 信号ケーブル
210 試験信号発生器
220 試験信号検出器
230 放射線(パルス)検出器回路
240 高電圧電源
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線センサ(110)の動作を遠隔監視するためのシステム(100)であって、
領域内の放射線の存在を検出するように構成され、ガイガーミュラー管(115)を含む放射線センサ(110)と、
前記放射線センサ(110)を試験するために使用され、前記放射線センサ(110)に送信される高周波試験信号を生成するように構成された試験信号発生器(210)と、
前記試験信号に対する前記放射線センサ(110)の応答を検出し、当該応答の振幅及び周波数が、前記高周波試験信号の振幅及び周波数と同じであることに基づいて前記放射線センサ(110)が正しく動作しているかどうかを判定するように構成された試験信号検出器(220)と
を含む、システム(100)。
【請求項2】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅及び周波数が、前記高周波試験信号の振幅および周波数と同じである場合、前記放射線センサ(110)が正しく動作していることを示す判定の結果を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅及び周波数が、前記高周波試験信号の振幅および周波数と同じでない場合、前記放射線センサ(110)が誤動作していることを示す判定の結果を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅が前記高周波試験信号の振幅より低い場合、前記ガイガーミュラー管(115)がガス漏れしていることを示す判定の結果を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅が前記高周波試験信号の振幅より高いまたは低い場合、前記ガイガーミュラー管(115)のアノードまたはカソードが損傷していることを示す判定の結果を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)からの応答を検出しない場合、前記システム(100)の電気配線への損傷が生じていることを示す判定の結果を出力するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記高周波試験信号の周波数が、20KHz以上である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記試験信号発生器(210)および試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)に接続される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記試験信号発生器(210)および試験信号検出器(220)が、ディスプレイ(133)を含む監視モニタ(130)に接続される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項10】
放射線センサ(110)の動作を遠隔監視する方法であって、
領域内の放射線の存在を検出するように構成され、ガイガーミュラー管(115)を含む放射線センサ(110)を試験するための試験信号発生器(210)によって、高周波試験信号を生成することと、
前記高周波試験信号を送信することと、
前記高周波試験信号に対する前記放射線センサ(110)の応答を検出することと、
試験信号検出器(220)によって、記放射線センサ(110)の前記応答の振幅及び周波数が、前記高周波試験信号の振幅と周波数と同じであることに基づいて、前記放射線センサ(110)が正しく動作しているかどうかを判定することと
を含む、方法。
【請求項11】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅及び周波数が、前記高周波試験信号の振幅および周波数と同じある場合、前記放射線センサ(110)が正しく動作していることを示す判定の結果を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅及び周波数が、前記高周波試験信号の振幅および周波数と同じでない場合、前記放射線センサ(110)が誤動作していることを示す判定の結果を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅が前記高周波試験信号の振幅より低い場合、前記ガイガーミュラー管(115)がガス漏れしていることを示す判定の結果を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)の前記応答の振幅が前記高周波試験信号の振幅より高いまたは低い場合、前記ガイガーミュラー管(115)のアノードまたはカソードが損傷していることを示す判定の結果を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)からの応答を検出しない場合、前記放射線センサ(110)を含むシステム(100)の電気配線への損傷が生じていることを示す判定の結果を出力すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記生成することが、前記高周波試験信号の周波数が20KHz以上であることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
ガイガーミュラー管(115)を含む放射線センサ(110)の動作を監視するための装置であって、
前記放射線センサ(110)を試験するために使用され、前記放射線センサ(110)に送信される高周波試験信号を生成するように構成された試験信号発生器(210)と、
前記試験信号に対する前記放射線センサ(110)の応答を検出し、当該応答の振幅及び周波数が、前記高周波試験信号の振幅及び周波数と同じであることに基づいて、前記放射線センサ(110)が正しく動作しているかどうかを判定するように構成された試験信号検出器(220)と
を含む、装置。
【請求項18】
ガイガーミュラー管を含む前記放射線センサ(110)に前記試験信号発生器(210)および前記試験信号検出器(220)を接続する第1のケーブルと、
ディスプレイ(133)を含む監視モニタ(130)に前記試験信号発生器(210)および前記試験信号検出器(220)を接続する第2のケーブルと
を含み、
前記高周波試験信号が、前記第1のケーブルを介して前記試験信号発生器(210)から前記放射線センサ(110)に送信される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記試験信号発生器(210)および前記試験信号検出器(220)が、監視モニタ(130)に取り付けられる、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記試験信号発生器(210)および前記試験信号検出器(220)が、前記放射線センサ(110)に取り付けられる、請求項17に記載の装置。