IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンナイ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コンロバーナ装置 図1
  • 特開-コンロバーナ装置 図2
  • 特開-コンロバーナ装置 図3
  • 特開-コンロバーナ装置 図4
  • 特開-コンロバーナ装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101648
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】コンロバーナ装置
(51)【国際特許分類】
   F23K 5/00 20060101AFI20240723BHJP
   F24C 3/12 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F23K5/00 301D
F24C3/12 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005668
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】脇田 章義
【テーマコード(参考)】
3K068
【Fターム(参考)】
3K068AA01
3K068BB14
3K068DA14
(57)【要約】
【課題】始端位置から終端位置に戻しバネ61に抗して押し操作自在な操作部材6と、コンロバーナへのガス供給路に直列に介設された電磁安全弁3及び元弁4とを備えるコンロバーナ装置であって、操作部材6の終端位置への押し操作で操作ロッド63を介して、電磁安全弁3の弁体32が開弁位置に押動されるようにしたものにおいて、操作部材6の押圧操作力を軽減して操作感を向上できるようにする。
【解決手段】操作部材6を始端位置から押し操作したときにオンされるスイッチを設ける。元弁4は、このスイッチがオンすることで開弁する電気駆動式の弁で構成される。好ましくは、元弁4を、モータ45で駆動される電動弁であって、流量調節機能を有するとする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロバーナと、始端位置から終端位置に戻しバネに抗して押し操作自在な操作部材と、コンロバーナへのガス供給路に直列に介設された電磁安全弁及び元弁とを備えるコンロバーナ装置であって、操作部材の始端位置から終端位置に向かう方向をX軸プラス方向、その反対方向をX軸マイナス方向として、電磁安全弁は、弁座と、弁座に対しX軸プラス方向に対向する弁体と、弁体を弁座に着座する閉弁位置に付勢する弁バネと、弁体にX軸プラス方向にのびる弁軸を介して連結される吸着片と、吸着片に対しX軸プラス方向に対向する電磁石とを有し、操作部材の終端位置への押し操作で操作部材に追従して動く操作ロッドを介して、吸着片が電磁石に当接する開弁位置に弁体が押動され、終端位置での操作部材の押圧解除で操作部材がX軸マイナス方向に移動して、操作ロッドのX軸プラス方向の端が弁座からX軸マイナス方向に離れた位置に変位するようにしたものにおいて、
操作部材を始端位置から押し操作したときにオンされるスイッチが設けられ、元弁は、このスイッチがオンすることで開弁する電気駆動式の弁で構成されることを特徴とするコンロバーナ装置。
【請求項2】
前記元弁を構成する前記電気駆動式の弁は、モータで駆動される電動弁であって、流量調節機能を有することを特徴とする請求項1記載のコンロバーナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロバーナと、始端位置から終端位置に戻しバネに抗して押し操作自在な操作部材と、コンロバーナへのガス供給路に直列に介設された電磁安全弁及び元弁とを備えるコンロバーナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコンロバーナ装置において、操作部材の始端位置から終端位置に向かう方向をX軸プラス方向、その反対方向をX軸マイナス方向として、電磁安全弁は、弁座と、弁座に対しX軸プラス方向に対向する弁体と、弁体を弁座に着座する閉弁位置に付勢する弁バネと、弁体にX軸プラス方向にのびる弁軸を介して連結される吸着片と、吸着片に対しX軸プラス方向に対向する電磁石とを有している(例えば、特許文献1参照)。そして、操作部材の終端位置への押し操作で操作部材に追従して動く操作ロッドを介して、吸着片が電磁石に当接する開弁位置に弁体が押動され、この状態で電磁石に通電することにより弁体が開弁位置に吸着保持されるようにしている。また、終端位置での操作部材の押圧解除で操作部材がX軸マイナス方向に移動して、操作ロッドのX軸プラス方向の端が弁座からX軸マイナス方向に離れた位置に変位し、電磁石への通電を停止したときに、弁体が操作ロッドに干渉することなく弁バネの付勢力で閉弁位置に復帰するようにしている。
【0003】
更に、このものでは、終端位置での押圧解除で操作部材がX軸マイナス方向に移動したときに、操作部材を始端位置と終端位置との間の中間位置で係止するプッシュプッシュ機構を設け、操作部材を中間位置から再度押し操作して押圧解除したときに中間位置での係止が解除されて、操作部材が始端位置に復帰するようにしている。また、元弁を、操作ロッドに固定した弁体を有するものとしている。そして、操作部材が始端位置に存するときは、元弁の弁体が元弁用の弁バネの付勢力で元弁用の弁座に着座して、元弁が閉弁され、操作部材を始端位置から押し操作したときに、元弁の弁体が弁座から離れて元弁が開弁し、操作部材が中間位置に存するときも元弁が開弁状態に維持されるようにしている。
【0004】
上記従来例のものでは、電磁安全弁の弁体と元弁の弁体とが夫々電磁安全弁用の弁バネと元弁用の弁バネとで閉じ方向、即ち、X軸マイナス方向に付勢されている。そのため、点火時は、操作部材を始端位置からX軸プラス方向に戻しバネの付勢力と電磁安全弁用の弁バネの付勢力との合力に元弁用の弁バネの付勢力を加えた値よりも強い力で押し操作することが必要になり、操作感が重くて悪くなる。特に、高齢者等の指の力が弱くなった人では、操作部材を終端位置まで押しきれず、電磁安全弁の開弁ミスで点火できないこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-92340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、操作部材の押圧操作力を軽減して操作感を向上し、指の力が弱い人でも点火できるようにしたコンロバーナ装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、コンロバーナと、始端位置から終端位置に戻しバネに抗して押し操作自在な操作部材と、コンロバーナへのガス供給路に直列に介設された電磁安全弁及び元弁とを備えるコンロバーナ装置であって、操作部材の始端位置から終端位置に向かう方向をX軸プラス方向、その反対方向をX軸マイナス方向として、電磁安全弁は、弁座と、弁座に対しX軸プラス方向に対向する弁体と、弁体を弁座に着座する閉弁位置に付勢する弁バネと、弁体にX軸プラス方向にのびる弁軸を介して連結される吸着片と、吸着片に対しX軸プラス方向に対向する電磁石とを有し、操作部材の終端位置への押し操作で操作部材に追従して動く操作ロッドを介して、吸着片が電磁石に当接する開弁位置に弁体が押動され、終端位置での操作部材の押圧解除で操作部材がX軸マイナス方向に移動して、操作ロッドのX軸プラス方向の端が弁座からX軸マイナス方向に離れた位置に変位するようにしたものにおいて、操作部材を始端位置から押し操作したときにオンされるスイッチが設けられ、元弁は、このスイッチがオンすることで開弁する電気駆動式の弁で構成されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、元弁を電気駆動式の弁で構成するため、操作部材を始端位置からX軸プラス方向に押し操作する際に、従来例の如く元弁用の弁バネの付勢力が抵抗力として作用しない。従って、操作部材の押圧操作力が軽減されて、操作感が向上する。更に、指の力が弱い人でも、操作部材を容易に終端位置まで押し操作でき、電磁安全弁の開弁ミスで点火できなくなることを回避できる。
【0009】
また、本発明において、元弁を構成する上記電気駆動式の弁は、モータで駆動される電動弁であって、流量調節機能を有することが望ましい。これによれば、自動調理等での火力調節のために流量調節弁を別途設ける必要がなく、コスト的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態のコンロバーナ装置のガス回路を示す図。
図2】実施形態のコンロバーナ装置に設けられる電磁安全弁及び元弁の配置部の切断側面図。
図3図2に示した電磁安全弁の操作部材による動作を示す要部の切断側面図。
図4】実施形態のコンロバーナ装置に設けられる操作部材の操作でオンオフするマイクロスイッチの作動を示す説明図。
図5】実施形態のコンロバーナ装置に設けられる元弁の拡大切断側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照して、1はコンロバーナである。コンロバーナ1へのガス供給路2には、電磁安全弁3と元弁4とが介設されている。図2を参照して、電磁安全弁3と元弁4は、ガス供給路2の上流側部分を接続する流入口51とガス供給路2の下流側部分を接続する流出口52とを有するバルブケーシング5に組み込まれている。バルブケーシング5の一端に取付けたガイドブロック53には、始端位置(図示の位置)から終端位置に戻しバネ61に抗して押し操作自在な操作部材6が支持されている。以下、操作部材6の始端位置から終端位置に向かう方向をX軸プラス方向、その反対方向をX軸マイナス方向として、具体的に説明する。
【0012】
電磁安全弁3は、弁座31と、弁座31に対しX軸プラス方向に対向する弁体32と、弁体32を弁座31に着座する閉弁位置に付勢する弁バネ33と、弁体32にX軸プラス方向にのびる弁軸32aを介して連結される吸着片34と、吸着片34に対しX軸プラス方向に対向する電磁石35とを有する。
【0013】
操作部材6は、操作部材6の下面に形成したハート形のカム溝621とカム溝621に係合するガイドブロック53に取付けたピン622とから成るハートカム式のプッシュプッシュ機構62により、終端位置での押圧解除後の戻しバネ61による始端位置への復動が始端位置の手前の中間位置で一旦係止され、中間位置で再度押し操作してから押圧解除したときに始端位置に復帰する。また、操作部材6に対しX軸プラス方向に対向する操作ロッド63がバルブケーシング5内にX軸方向に進退自在に挿入されている。操作ロッド63は、操作部材6に追従してX軸方向に移動するように、バネ631でX軸マイナス方向に付勢されて操作部材6に当接している。尚、プッシュプッシュ機構62は公知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0014】
操作部材6を始端位置からX軸プラス方向に押し操作すると、操作部材6に押されて操作ロッド63がX軸プラス方向に移動し、電磁安全弁3の弁体32に操作ロッド63が当接して、弁体32が弁バネ33の付勢力に抗してX軸プラス方向に押動される。そして、図3(a)に示す如く、操作部材6を終端位置まで押し操作したときに、吸着片34が電磁石35に当接する開弁位置に弁体32が押動される。この状態で電磁石35に通電することにより、弁体32が開弁位置に吸着保持される。また、操作部材6を終端位置での押圧解除で図3(b)に示す如く中間位置に戻すと、操作ロッド63のX軸プラス方向の端が電磁安全弁3の弁座31からX軸マイナス方向に離れた位置に変位する。従って、電磁石35への通電を停止したときに、弁体32が操作ロッド63に干渉することなく弁バネ33の付勢力で閉弁位置に復帰する。
【0015】
図4を参照して、ガイドブロック53には、操作部材6の始端位置からの押し操作でオンするマイクロスイッチ7が設けられている。マイクロスイッチ7は、第1と第2の2つのスイッチ部71,72を有している。操作部材6が始端位置に存するときは、図4(a)に示す如く、第1と第2の両スイッチ部71,72がオフしているが、操作部材6が中間位置に存するときは、図4(b)に示す如く、操作部材6に設けた第1のカム部64に押されて第1スイッチ部71がオンし、操作部材6が終端位置に存するときは、図4(c)に示す如く、操作部材6に設けた第2のカム部64に押されて、第1スイッチ部71に加えて第2スイッチ部72がオンする。
【0016】
第1と第2の各スイッチ部71,72のオンオフ信号は、制御手段たる図外のコントローラに入力される。コントローラは、操作部材6の始端位置からの押し操作で、操作部材6が中間位置に到達して第1スイッチ部71がオンしたときに、電磁安全弁3の電磁石35への通電を開始し、操作部材6が終端位置に到達して第2スイッチ部72がオンしたときに、コンロバーナ1に付設した点火電極でのスパークを行い、コンロバーナ1に点火する。点火後、操作部材6を中間位置に戻すことで第2スイッチ部72がオフしたときは、点火電極でのスパークを終了するが、第1スイッチ部71がオンしてから所定の待ち時間が経過するまでは電磁安全弁3の電磁石35への通電を継続して、電磁安全弁3を開弁保持する。この待ち時間の間に、コンロバーナ1に付設した火炎検知用の熱電対の起電力が所定レベル以上に上昇すれば、コントローラは、以後、コンロバーナ1の失火で熱電対の起電力が所定レベルを下回るまで電磁石35への通電を継続する。操作部材6を始端位置に戻すことで、第1スイッチ部71がオフしたときは、電磁石35への通電を停止して電磁安全弁3を閉弁させると共に、元弁4を閉弁させる。
【0017】
元弁4は、操作部材6の始端位置からの押し操作でマイクロスイッチ7がオンしたとき、正確には、マイクロスイッチ7の第1スイッチ部71がオンしたときに開弁する電気駆動式の弁で構成されている。尚、この電気駆動式の弁を、ソレノイドで駆動される電磁弁で構成することも可能であるが、本実施形態では、付勢手段44により開き方向に付勢され、ステッピングモータ等から成るモータ45により連動機構46を介して駆動される直動部材47により付勢手段44の付勢力に抗して閉弁状態に切換えられる流量調節機構を有する電動弁で構成している。
【0018】
図5を参照して、より具体的に説明すれば、元弁4は、弁座41と、弁座41に接近する閉じ方向(図5の右方)と弁座41から離隔する開き方向(図5の左方)とに移動自在な主弁体42と、主弁体42に対し開き方向に対向する、直動部材47に当接する副弁体43とを備えている。主弁体42は、弁座41に開設した弁孔41aに挿入可能なニードル部42aと、弁座41に着座可能な弾性材料製の閉塞部42bと、閉塞部42bが弁座41に着座した状態でも主弁体42の上流側から下流側にガスを流すオリフィス孔42cと、副弁体43が着座可能で、オリフィス孔42cが開口する副弁座42dとを有している。副弁体43には、副弁座42dに着座した状態でのシール性を向上するため、副弁座42dに対向する弾性材料製のパッキン43aが取付けられている。
【0019】
付勢手段44は、主弁体42を開き方向に付勢する第1の付勢手段44aと、主弁体42に対し副弁体43を第1の付勢手段44aよりも強い力で開き方向に付勢する第2の付勢手段44bとで構成されている。また、主弁体42に対する副弁体43の開き方向への移動を定位置で制止するストッパ手段48を備えている。このストッパ手段48は、副弁体43を囲う主弁体42の筒部42eに形成した窓孔48aと、副弁体43の外周面に突設した、窓孔48aに遊びを持って挿入される爪部48bとで構成されている。そして、窓孔48aの開き方向の端縁に爪部48bが係合したところで、副弁体43が主弁体42に対しそれ以上開き方向に移動しないようにしている。
【0020】
連動機構46は、モータ45の出力軸45aに連結される雄ねじ46aと、雄ねじ46aが螺合する、回り止めされた摺動子46bとから成る送りねじ機構で構成されている。摺動子46bは、連動機構46の配置部をガスシールするダイヤフラム47aに当接しており、このダイヤフラム47aに直動部材47を連結している。
【0021】
図5に示す如く、主弁体42の閉塞部42bが弁座41に着座すると共に、副弁体43が主弁体42の副弁座42dに着座してオリフィス孔42cを閉塞する状態が、元弁4の閉弁状態であって、コンロバーナ1へのガス供給が停止される。この閉弁状態からモータ45により連動機構46を介して直動部材47を開き方向に移動させると、副弁体43が第2の付勢手段44bの付勢力により直動部材47に追従して開き方向に移動する。主弁体42に対する副弁体43の開き方向への移動がストッパ手段48で制止されるまでは、主弁体42の開き方向への移動が第2の付勢手段44bの付勢力によって阻止されて、主弁体42の閉塞部42bが弁座41に着座した状態に維持されると共に、副弁体43が副弁座42dから離隔して、オリフィス孔42cが開放され、元弁4は、コンロバーナ1の火力をオリフィス孔42cで規定される最小火力とする最小火力状態になる。主弁体42に対する副弁体43の開き方向への移動がストッパ手段48で制止された後、副弁体43を更に開き方向に移動させれば、主弁体42が第1の付勢手段44aの付勢力により副弁体43に追従して開き方向に移動し、主弁体42の閉塞部42bが弁座41から離隔して、コンロバーナ1の火力が次第に増加する。
【0022】
操作部材6の始端位置からの押し操作でマイクロスイッチ7の第1スイッチ部71がオンしたときは、モータ45を駆動して、元弁4をコンロバーナ1の火力が点火に適した火力になる開度まで開く。点火後は、図示省略した火力調節子の操作に応じて元弁4の開度を可変し、また、自動調理時は、コンロバーナ1で加熱する被加熱物の温度に応じて元弁4の開度を可変する。
【0023】
操作部材6を始端位置から押し操作する際には、操作部材6用の戻しバネ61の付勢力と、電磁安全弁用の弁バネ33の付勢力と、操作ロッド63用のバネ631の付勢力とが抵抗力として作用する。ここで、上記従来例の元弁用の弁バネの付勢力は、元弁の閉弁時におけるシール性を確保する上でかなり強くする必要がある。そのため、元弁用の弁バネの付勢力が操作部材6の始端位置からの押し操作に対する抵抗力として働く上記従来例のものでは、操作部材6をかなり強い力で押し操作することが必要になる。その結果、操作感が悪くなり、更には、高齢者等の指の力が弱くなった人では、操作部材6を終端位置まで押しきれず、電磁安全弁3の開弁ミスで点火できないこともある。
【0024】
これに対し、本実施形態によれば、元弁4を電気駆動式の弁で構成するため、操作部材6を始端位置からX軸プラス方向に押し操作する際に、元弁用の弁バネの付勢力が抵抗力として作用しない。そして、操作部材6を押し操作する際に抵抗力として働く操作ロッド63用のバネ631の付勢力は、操作部材6に追従して操作ロッド63が動けば十分であって、かなり弱くすることができる。そのため、本実施形態によれば、操作部材6の押圧操作力が軽減されて、操作感が向上する。更に、指の力が弱い人でも、操作部材6を容易に終端位置まで押し操作でき、電磁安全弁3の開弁ミスで点火できなくなることを回避できる。
【0025】
また、本実施形態では、元弁4を上記の如く流量調節機能を有する電動弁で構成している。そのため、自動調理等での火力調節のために流量調節弁を別途設ける必要がなく、コスト的に有利である。
【0026】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、操作部材6を終端位置での押圧解除で始端位置に戻るようにしてもよい。この場合は、操作部材6を始端位置から押し操作したときにオンされるスイッチとして押す度にオン、オフに切換るタクトスイッチを用い、操作部材6の1回目の押し操作でタクトスイッチがオンしたときに電気駆動式の元弁4が開弁し、操作部材6の2回目の押し操作でタクトスイッチがオフしたときに元弁4が開弁するように構成する。また、上記実施形態では、操作部材6と操作ロッド63とが別部材であるが、操作部材6と操作ロッド63とを一体化することも可能である。この場合、操作ロッド63用のバネ631は廃止できる。更に、元弁4の下流側に手動操作式の流量調節弁を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0027】
1…コンロバーナ、2…ガス供給路。3…電磁安全弁、31…弁座、32…弁体、32a…弁軸、33…弁バネ、34…吸着片、35…電磁石、4…元弁、45…モータ、6…操作部材、61…戻しバネ、7…マイクロスイッチ(スイッチ)。
図1
図2
図3
図4
図5