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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010166
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】意思決定支援のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240116BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023188577
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2020539767の分割
【原出願日】2019-02-06
(31)【優先権主張番号】62/628,895
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ・エレナ・コンスタンティン
(72)【発明者】
【氏名】スコット・エム・ベリヴォー
(72)【発明者】
【氏名】ナレシュ・シー・バヴァラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー・ブラックウェル
(72)【発明者】
【氏名】エリック・コーエン
(72)【発明者】
【氏名】バサブ・ダッターレイ
(72)【発明者】
【氏名】アナ・リー・デイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・ドレーガー
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥロ・ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・マイケル・グレイ
(72)【発明者】
【氏名】ハリ・ハンパプラム
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル・デイヴィッド・ハインツマン
(72)【発明者】
【氏名】ローレン・フルービー・ジェプソン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ローレンス・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】アプルヴ・ウラス・カマス
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン・イェール・ケーラー
(72)【発明者】
【氏名】フィル・メイヨー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ワイル・マクブライド
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ロバート・メンシンガー
(72)【発明者】
【氏名】三上 純孝
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・アッティラ・パル
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ポリタリディス
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・トーマス・プパ
(72)【発明者】
【氏名】イーライ・レイマン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・シー・シンプソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・シー・ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ジャスティン・ウェイドバック
(72)【発明者】
【氏名】スブライ・ギリシュ・パイ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ティー・ヴォーゲル
(57)【要約】
【課題】糖尿病などの生理学状態の管理に関してユーザにガイダンスを提供するシステムおよび方法が提供される。
【解決手段】決定は、患者のグルコース濃度レベルに基づくことができる。グルコース濃度レベルは、状態を決定するために記憶されたモデルに提供され得る。ガイダンスは、決定された状態に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
患者のグルコース濃度レベルを検出するように構成されたグルコース濃度センサと、
前記グルコース濃度センサから前記患者のグルコース濃度レベルを受信するように構成された通信回路と、
記憶されたモデルを含むメモリ回路と、
プロセッサであって、
前記患者のグルコース濃度レベルを受信し、
記憶された命令を実行して、前記患者のグルコース濃度レベルを前記記憶されたモデルに適用して状態を決定し、
前記決定した状態に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定する、ように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【請求項2】
前記プロセッサがまた、時間的パターンに少なくとも部分的に基づいて、前記ガイダンスメッセージを決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記モデルが生理学モデルを含み、状態を決定することが、生理学状態を決定することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、さらに、
行動状態を決定し、
前記行動状態に少なくとも部分的に基づいて前記ガイダンスメッセージを決定する、ように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサが、さらに、前記決定した状態に少なくとも部分的に基づいて治療推奨を提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムが、モバイル装置を含み、前記モバイル装置が、前記メモリ回路と、前記プロセッサとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記モバイル装置が、前記通信回路を含み、前記グルコース濃度センサが、前記通信回路と通信するように構成されたグルコース濃度センサ通信回路を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記モバイル装置通信回路が、第1の無線送受信機を含み、前記グルコース濃度センサ通信回路が、第2の無線送受信機を含み、前記モバイル装置通信回路および前記グルコース濃度センサ通信回路が、無線通信プロトコルを使用して通信する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記モバイル装置が、ガイダンスメッセージを提供するように構成されたユーザインターフェースを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記モバイル装置が、前記ユーザインターフェースを介してユーザ入力を受信するように構成されており、前記プロセッサが、前記ユーザ入力を受信し、前記モデルに前記ユーザ入力および前記患者のグルコース濃度レベルの双方を適用して前記状態を決定するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
さらに、インスリン送達システムを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記インスリン送達システムが、インスリンポンプを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記インスリン送達システムが、インスリンペンを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
患者に前記ガイダンスメッセージを提供するように構成されたユーザインターフェースを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
生理的グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法であって、
グルコース濃度レベルを示すデータを受信することと、
前記データをモデルに適用することによって状態を決定することと、
前記状態および時間的パターンに少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定することと、を備える、方法。
【請求項16】
前記時間的パターンが、患者行動の学習されたパターンを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記時間的パターンが、カレンダーを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
ガイダンスメッセージを決定することが、前記カレンダーにおける到来イベントに少なくとも部分的に基づいている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ガイダンスメッセージを決定することが、前記カレンダーにおける前記到来イベントに少なくとも部分的に基づいて計算されたインスリン感度の予想された変化に少なくとも部分的に基づいている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記モデルが生理学モデルを含み、状態を決定することが、生理学状態を決定することを含み、ガイダンスメッセージを決定することが、望ましくない生理学状態への遷移が発生する可能性が高い前記時間的パターンおよび前記生理学モデルから決定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
ガイダンスメッセージを決定することが、前記望ましくない生理学状態への前記遷移を回避するための介入を決定することと、前記時間的パターンに少なくとも部分的に基づいて、前記遷移を防ぐための介入を可能にするための前記ガイダンスメッセージの配信のための時間を決定することとを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
さらに、前記時間的パターンを使用して、前記ガイダンスメッセージの配信のための配信時間を決定することを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
配信時間を決定することが、ホストが前記時間的パターンに少なくとも部分的に基づいて利用可能である可能性が高い場合、配信時間を選択することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
配信時間を決定することが、患者利用不可能な今後の期間を特定することと、前記患者利用不可能な期間の前に前記ガイダンスメッセージの配信のための時間を選択することとを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
ガイダンスメッセージを決定することが、前記時間的パターンに少なくとも部分的に基づいて、患者利用不可能な期間を特定することを含み、前記ガイダンスメッセージが、前記患者利用不可能な期間中にグルコース濃度の安定性を促進するために計算される、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
さらに、
関与状態を決定することと、
前記関与状態に少なくとも部分的に基づいてメッセージング頻度を決定することと、
前記メッセージング頻度に少なくとも部分的に基づいて前記ガイダンスメッセージを配信する時間を決定することと、を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
さらに、
前記関与状態が、変化した関与状態に変化したことを決定することと、
前記変化した関与状態に少なくとも部分的に基づいて新たなメッセージング頻度を決定することと、
第2のガイダンスメッセージを決定することと、
前記新たなメッセージング頻度に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のガイダンスを配信する第2の時間を決定することと、を備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記状態が、ホスト病期を記述する疾病状態である、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
さらに、
第2のグルコース濃度レベルを示す第2のデータを受信することと、
前記第2のデータを前記モデルに適用することによって少なくとも部分的に第2のホスト病期を記述する第2の疾病状態を決定することと、
前記第2の疾病状態に少なくとも部分的に基づいて第2のガイダンスメッセージを決定することと、を備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
状態を決定することが、生理学状態を決定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項31】
生理学状態を決定することが、インスリン状態、エネルギ吸収状態、およびエネルギ消費状態を決定することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
さらに、行動入力を受信することを備え、状態を決定することが、前記データおよび前記行動入力の双方を前記モデルに適用することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項33】
行動入力を受信することが、患者活動情報を受信することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
生理的グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法であって、
グルコース濃度を示すデータを受信することと、
前記データを使用して生理学状態を決定することと、
行動状態を決定することと、
前記生理学状態および前記行動状態に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定することと、
ユーザインターフェースを使用して前記ガイダンスメッセージを配信することと、を備える、方法。
【請求項35】
さらに、前記グルコース濃度に影響を与える適時の介入を可能にするガイダンスを配信する時間を決定することを備える、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
さらに、前記行動状態および前記生理学状態に少なくとも部分的に基づいて、ガイダンスにおける関心のレベルを決定することを備える、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
治療ガイダンスにおける関心のレベルを決定することが、以前のガイダンスのユーザ要求に少なくとも部分的に基づいている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
行動状態を決定することが、行動入力を受信することと、行動状態モデルに前記行動入力を適用することとを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
行動状態を決定することが、スケジューリングされたイベントのユーザカレンダーを確認することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
生理学状態を決定することが、生理学状態モデルに前記データを適用することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記生理学状態モデルが、グルコース濃度レベルを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記生理学状態モデルが、さらに、インスリン状態、エネルギ吸収状態、およびエネルギ消費状態のうちの1つ以上を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
さらに、測定状態を決定することを備え、前記測定状態が、前記グルコース濃度を示す前記データの精度または正確度を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項44】
ガイダンスメッセージを決定することが、低確率生理学状態遷移が発生する可能性が高いことを決定することを含み、前記ガイダンスメッセージが、前記低確率生理学状態遷移の事前の通知を提供する、請求項34に記載の方法。
【請求項45】
前記低確率生理学状態遷移が、低グルコース濃度レベルまたは高グルコース濃度レベルへの遷移を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
ガイダンスメッセージを決定することが、前記低確率生理学状態遷移が不便である時に発生する可能性が高いことを決定することを含み、前記ガイダンスメッセージが、前記低確率生理学状態遷移を回避するための介入を可能にするように前記予想された低確率生理学状態遷移の事前の警告を提供する、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記低確率生理学状態遷移が不便である時間に起こる可能性が高いことを決定することが、行動状態モデルに行動入力を適用することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
さらに、追加の生理学パラメータを受信することを備え、前記生理学状態が、前記データと前記追加の生理学パラメータとの双方を使用して決定される、請求項34に記載の方法。
【請求項49】
前記追加の生理学的パラメータが、体温、心拍数、または呼吸速度を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
さらに、学習期間中に、生理学状態または前記行動状態のうちの少なくとも一方を記述する学習データを受信することを備え、前記生理学状態または前記行動状態のうちの少なくとも一方が、前記学習データを使用した前記学習期間後に決定される、請求項34に記載の方法。
【請求項51】
糖尿病の治療管理のために患者にパーソナライズされた有用な計算されたガイダンスメッセージを決定および提供する方法であって、
リアルタイムグルコース濃度レベルを含む、患者に関するデータを受信することと、
前記データを状態モデルに適用することによって患者状態を決定することと、
前記決定された状態に少なくとも部分的に基づいて治療推奨を提供することと、を備える、方法。
【請求項52】
前記患者状態が、インスリンオンボード状態、インスリン感度状態、および食品消費状態を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記状態モデルが、確率的状態モデルである、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記状態モデルが、遡及的データから学習された状態遷移確率を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
さらに、前記治療推奨の配信後に受信したデータを使用して、前記状態モデルを洗練することを備える、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
ユーザに意思決定支援機能を提供する方法であって、
モデルをコンピューティング環境のメモリにロードすることと、
前記ユーザのグルコース濃度値を示すデータを受信することと、
少なくとも前記モデルおよび前記グルコース濃度値を示す前記データを使用して計算された洞察を、前記コンピューティング環境のユーザインターフェースに表示させることと、を備える、方法。
【請求項57】
前記表示させることが、ユーザ要求によって開始される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記ユーザ要求が計画された活動のデータ入力に関連付けられ、前記計算された洞察が1つ以上の前記モデルによって計算されたユーザの行動を示し、前記グルコース濃度値に関連付けられた所望の結果をもたらす、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記所望の結果が所定の目標範囲内のグルコース濃度値である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記所望の結果が、所定の目標範囲内の変化率を有するグルコース濃度値である、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記計画された活動が食事であり、前記計算された洞察が、前記グルコース濃度値に対する前記食事の計算されたまたは予測された効果である、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
表示される前記計算された洞察が、対話型推奨および前記対話型推奨の決定に使用される少なくとも1つの因子を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記計算された洞察を表示させることが、所定の条件に一致するイベントの発生によって開始される、請求項56に記載の方法。
【請求項64】
前記計算された洞察を表示させることが、計算された条件に一致するイベントの発生によって開始され、前記計算された条件が、前記モデル、もしくは前記グルコース濃度値を示す前記データ、またはそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて計算される、請求項56に記載の方法。
【請求項65】
治療調整が、前記治療調整前に存在していたよりも多くのリスクに前記ユーザをさらす場合、前記治療調整後の一定期間だけ追加の感度を有するように警告および/または警報を調整する、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
さらに、潜在的な治療決定前よりも頻繁なCGMアプリのインスタンス化をトリガーする期間が前記潜在的な治療決定に続いて存在する場合を検出することと、決定支援のメッセージング頻度を増加させることとを備える、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記メッセージングが前記ユーザまたは前記ユーザのフォロワに対するものである、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
さらに、前記受信したデータを使用して、認識されたパターンに関連付けられた傾向の発生を検出することを備える、請求項56に記載の方法。
【請求項69】
さらに、外部データソースからデータを受信することを備える、請求項56に記載の方法。
【請求項70】
前記外部データソースがインスリンペンまたはポンプであり、前記計算された洞察がインスリンオンボードに関する情報を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記外部データソースがインスリンペンまたはポンプであり、前記計算された洞察が2つの値によって表され、一方が、ユーザの運動が計画されている場合の使用を示し、他方が、ユーザの運動が計画されていない場合の使用を示す、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記外部データソースが加速度計であり、前記計算された洞察が、グルコース濃度値に対する運動の効果に関する情報を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記外部データソースが、カメラまたはGPS受信機であり、前記計算された洞察が、グルコース濃度値に対する食事サイズおよび組成の効果に関する情報を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
前記外部データソースがユーザインターフェースであり、前記ユーザインターフェースがユーザの目標に関するデータを受信するように構成され、前記計算された洞察が目標範囲内の時間のパーセンテージおよび前記目標範囲の表示を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
さらに、前記ユーザに関連付けられた連続グルコース濃度モニタリングシステムの測定モデルをコンピューティング環境のメモリにロードすることを備え、前記計算された洞察が、前記測定モデルにさらに基づいている、請求項56に記載の方法。
【請求項76】
前記計算された洞察が、グルコース濃度変動性またはグルコース濃度変動の可能性および/または重症度に少なくとも部分的に基づくアルゴリズムを使用して計算される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記表示させることが、周期的に実行される計算に基づいている、請求項56に記載の方法。
【請求項78】
実質的に同時に発生する一連の食事時間に基づいて前記周期が決定される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
一連の類似の血糖反応に基づいて前記周期が決定される、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記類似の血糖反応がスパイクである、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
一連の類似の投薬戦略に基づいて前記周期が決定される、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
グルコース濃度レベルが潜在的な治療決定に続く目標ゾーンから離れた指定されたパーセンテージまたは量にわたってドリフトした一連の信頼できない結果に基づいて前記周期が決定される、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
前記計算された洞察の表示が、前記ユーザの以前のデータに基づく確率コーンの表示を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項84】
前記計算された洞察の表示が、集団データに基づく確率コーンの表示を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項85】
前記ユーザと共通する1つ以上の人口統計学的特徴を有する人から前記集団データが抜粋される、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記計算された洞察の表示が、一方が平日に測定されたデータを使用して決定され且つ他方が週末に測定されたデータを使用して決定された、2つの別個の傾向インジケータの表示を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項87】
前記洞察が前記コンピューティング環境によって計算される、請求項56に記載の方法。
【請求項88】
前記洞察が接続されたサーバによって計算される、請求項56に記載の方法。
【請求項89】
前記モデルが、生理学モデルおよび行動モデルを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項90】
前記行動モデルが懸念要因のレベルを決定するように構成され、前記懸念要因のレベルが、生理学状態に関する懸念、治療決定の結果、および/または潜在的な将来の状態からなる群から選択される、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
糖尿病に関連するアプリケーションをチェックする頻度を検出することによって、またはSMBG値が入力されている頻度を検出することによって、前記生理学状態に関する懸念が決定される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記行動モデルが関与因子のレベルを決定するように構成され、前記関与因子のレベルが、反応時間、治療活動のレベル、および/または支援の種類からなる群から選択される、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記コンピューティング環境がモバイル装置であり、前記方法が、さらに、第2のコンピュータシステムによって前記生理学モデルを学習することを備え、前記モデルをコンピューティング環境のメモリにロードすることが、前記学習された生理学モデルを前記モバイル装置にロードすることを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
さらに、第2のコンピュータシステムによって行動モデルを学習することを備え、前記モデルをコンピューティング環境のメモリにロードすることが、前記学習された行動モデルを前記モバイル装置にロードすることを含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記モバイル装置が、前記第2のコンピュータシステムへのアクセスを必要とせずに前記計算された洞察を決定する、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
システムであって、
ホストグルコース濃度を検出するように構成されたグルコース濃度センサと、
前記グルコース濃度センサから前記ホストグルコース濃度を受信するように構成された通信回路と、
記憶されたモデルを含むメモリ回路と、
プロセッサであって、
前記グルコース濃度センサによって検知されたホストグルコース濃度データを受信し、
前記ホストグルコース濃度データに関連するホスト状態変化を決定し、
前記ホスト状態変化に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定し、
ユーザインターフェースを介して前記ガイダンスメッセージを配信するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【請求項97】
前記プロセッサが、さらに、前記ホスト状態変化が非定型性であると決定するように構成され、前記ガイダンスメッセージを前記決定することが、前記状態変化の前記非定型性に少なくとも部分的に基づいている、請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
前記ホスト状態変化を決定することが、低確率状態遷移が発生したまたは発生する可能性が高いことをモデルから決定することを備え、前記ガイダンスメッセージを前記決定することが、前記低確率状態遷移が発生したまたは発生する可能性が高いという前記決定に少なくとも部分的に基づいている、請求項96に記載のシステム。
【請求項99】
前記ホスト状態変化を決定することが、望ましくないホスト状態への起こりそうな遷移を特定することを備え、前記ホストが前記望ましくないホスト状態への前記遷移を回避するために介入することができるように、前記ガイダンスメッセージが決定されて一度に配信される、請求項96に記載のシステム。
【請求項100】
前記システムが、モバイル装置を含み、前記モバイル装置が、前記メモリ回路と、前記プロセッサとを含む、請求項96に記載のシステム。
【請求項101】
前記モバイル装置が、前記通信回路を含み、前記グルコース濃度センサが、前記通信回路と通信するように構成されたグルコース濃度センサ通信回路を含む、請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
前記モバイル装置通信回路が、第1の無線送受信機を含み、前記グルコース濃度センサ通信回路が、第2の無線送受信機を含み、前記モバイル装置通信回路および前記グルコース濃度センサ通信回路が、無線通信プロトコルを使用して通信する、請求項101に記載のシステム。
【請求項103】
さらに、インスリン送達システムを備える、請求項96に記載のシステム。
【請求項104】
前記状態変化が、第1のホスト病期を記述する第1の疾病状態から第2のホスト病期を示す第2の疾病状態であり、前記プロセッサが、さらに、前記第2の病期に少なくとも部分的に基づいて第2のガイダンスメッセージを決定するように構成される、請求項96に記載のシステム。
【請求項105】
生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法であって、
グルコース濃度を示すデータを受信することと、
前記データをモデルに適用することによって患者状態を決定することと、
前記患者状態が非定型性であるかどうかを決定することと、
前記患者状態の前記非定型性に基づいてガイダンスメッセージを決定することと、
ユーザインターフェースを介して前記ガイダンスメッセージを配信することと、を備える、方法。
【請求項106】
前記患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、所与の条件のセットについて前記患者状態が非定型性であるかどうかを決定することを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、低尤度状態遷移が発生したかどうかを決定することを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
ガイダンスメッセージを決定することが、低尤度状態遷移が発生すると予測されるかどうかを決定することを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項109】
患者状態を決定することが、生理学状態および行動状態を決定することと、前記決定された行動状態について前記生理学状態が非定型性であるかどうかを決定することとを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項110】
前記患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、血中グルコース濃度が通常は管理された範囲であるとき、時間または状況によって管理された血中グルコース濃度範囲から逸脱する血中グルコース濃度レベルを特定することを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項111】
前記患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、血中グルコース濃度が通常は管理された範囲内にあるとき、時間または状況によって高または低血糖濃度状態につながる血糖濃度傾向を特定することを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項112】
前記患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、血中グルコース濃度が通常はよく管理されているとき、一度にまたは状況によって低血中グルコース濃度状態へのシフトを予測することを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項113】
生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法であって、
グルコース濃度を示すデータを受信することと、
前記データをモデルに適用することによって患者状態を決定することと、
前記モデルから低確率状態遷移が発生したまたは発生する可能性が高いと決定することと、
前記低確率状態遷移が発生したまたは発生する可能性が高いという前記決定に基づいて、ユーザインターフェースを介してガイダンスメッセージを配信することとを備える、方法。
【請求項114】
前記方法が、低確率状態遷移が発生する可能性が高いと決定することを含み、前記ガイダンスメッセージが前記低確率状態遷移の事前通知を提供する、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記低確率生理学状態遷移が、低グルコース濃度レベルまたは高グルコース濃度レベルへの遷移を含む、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
ガイダンスメッセージを決定することが、前記低確率状態遷移が不便なときに発生する可能性が高いと決定することを含む、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
前記低確率状態遷移が不便なときに発生する可能性が高いと決定することが、スケジューリングされたイベントのユーザカレンダーへの参照を含む、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記低確率状態遷移が不便なときに発生する可能性が高いと決定することが、行動状態モデルへの参照を含む、請求項116に記載の方法。
【請求項119】
前記ガイダンスメッセージを配信することが、前記低確率状態遷移を防止するために前記患者または介護者が行動を起こす可能性が高い期間を決定することと、前記決定された期間中に前記ガイダンスメッセージを配信することとを含む、請求項113に記載の方法。
【請求項120】
前記患者が前記低確率状態遷移を防止するために行動を起こす可能性が高い期間を決定することが、スケジューリングされたイベントのカレンダーを参照することを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記患者または介護者が前記低確率状態遷移を防ぐための行動を起こす可能性が高い期間を決定することが、前記モデルを使用することを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項122】
前記モデルを使用することが、ユーザ活動のパターンまたはユーザの位置情報を使用して前記患者または介護者が利用可能である可能性が高い期間を決定することを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項123】
生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法であって、
グルコース濃度を示すデータを受信することと、
1つ以上の行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することと、
前記データおよび前記1つ以上の行動、環境、またはコンテキスト入力をモデルに適用することによって望ましくない患者状態への遷移の可能性を特定することと、
望ましくない患者状態への前記遷移の可能性に基づいてガイダンスメッセージを決定することと、
前記ガイダンスメッセージを配信することであって、前記患者が望ましくない患者状態への前記遷移を回避するために介入することができるようなときに前記ガイダンスメッセージが決定されて配信されることと、を備える、方法。
【請求項124】
行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、加速度計データを受信することを含む、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、スケジューリングされたイベントについての情報をカレンダーから受信することを含む、請求項123に記載の方法。
【請求項126】
行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、ユーザインターフェースを介してユーザから入力を受信することを含む、請求項123に記載の方法。
【請求項127】
行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、運動の完了、開始、または予想についてのユーザからの情報を受信することを含む、請求項123に記載の方法。
【請求項128】
行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、ユーザが運転していることを検出することを含む、請求項123に記載の方法。
【請求項129】
1つ以上の行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、位置情報を受信することを含む、請求項123に記載の方法。
【請求項130】
1つ以上の行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、周囲温度または周囲圧力を受信することを含む、請求項123に記載の方法。
【請求項131】
さらに、体温、心拍数、または呼吸数を受信することを備える、請求項123に記載の方法。
【請求項132】
さらに、受信した情報の1つ以上のパターンに基づいて前記モデルを学習することを備える、請求項123に記載の方法。
【請求項133】
前記モデルを学習することが、時間の関数としてのインスリン感度のパターンを学習することを含む、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
前記モデルを学習することが、身体運動の期間の後に経過した時間の関数としてインスリン感度のパターンを学習することを含む、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
さらに、ユーザクエリを決定することと、ユーザに前記ユーザクエリを提供することとを備え、前記行動、環境、またはコンテキスト入力が前記ユーザクエリに応じて受信される、請求項123に記載の方法。
【請求項136】
グルコース濃度を示すデータを受信することが、連続グルコース濃度モニタリングシステムからデータを受信することを含む、請求項123に記載の方法。
【請求項137】
システムであって、
ホストグルコース濃度を検出するように構成されたグルコース濃度センサと、
前記グルコース濃度センサから前記ホストグルコース濃度を受信するように構成された通信回路と、
記憶されたモデルを含むメモリ回路と、
プロセッサであって、
ホストに関連付けられたデータにアクセスし、
前記データを使用して前記ホストの状態を決定し、
前記決定された状態に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定し、
前記ガイダンスメッセージを提供する時間を選択し、
前記選択された時間にユーザインターフェースを介して前記ガイダンスメッセージを提供するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【請求項138】
前記ホストが望ましくない生理学状態に遷移する前に介入を可能にするように前記時間が計算される、請求項137に記載のシステム。
【請求項139】
前記ガイダンスメッセージを決定することが、前記ホストのパーソナライズされた行動モデルに少なくとも部分的に基づいており、糖尿病の治療管理において前記ホストにとって有用であるように前記時間が計算される、請求項137に記載のシステム。
【請求項140】
前記状態を決定することが、患者の生理学モデルおよび患者の行動モデルに少なくとも部分的に基づいている、請求項137に記載のシステム。
【請求項141】
生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法であって、
患者に関連付けられた第1のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することと、
モデルおよび前記第1のリアルタイムデータを少なくとも部分的に使用して前記患者の状態を決定することと、
パーソナライズされたガイダンスメッセージを決定することであって、前記ガイダンスメッセージが、前記決定された状態に少なくとも部分的に基づいていることと、
望ましくない生理学状態への遷移前に介入を可能にするように計算された時間に、ユーザインターフェースを介して前記決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することと、を備える、方法。
【請求項142】
ガイダンスメッセージを決定することが、前記ガイダンスメッセージを前記決定するタイミングまたは前記決定された状態に関連する時間にさらに基づいている、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記モデルが、介入に参加する前記患者の利便性または利用可能性を示す状態を含む、請求項141に記載の方法。
【請求項144】
前記ガイダンスメッセージが、前記望ましくない生理学状態への予測される遷移に少なくとも部分的に基づいている、請求項141に記載の方法。
【請求項145】
前記ガイダンスメッセージが、現在の状態から予想された状態への予想された遷移が低確率遷移であるという決定に少なくとも部分的に基づいている、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記モデルが患者の生理学モデルを含み、前記患者の状態を決定することが、少なくとも前記第1のリアルタイムデータを前記患者の生理学モデルに適用することに基づいている、請求項141に記載の方法。
【請求項147】
前記モデルが行動モデルをさらに含む、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記行動モデルが前記患者の機械学習特性に基づいており、前記機械学習特性が行動またはコンテキストパターンに基づいている、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記行動モデルが、前記患者によって実行される可能性が高いと決定された1つ以上のステップのセットに基づいている、請求項147に記載の方法。
【請求項150】
前記行動モデルが、前記患者によって達成可能である可能性が高いと決定された1つ以上の目的のセットに基づいている、請求項147に記載の方法。
【請求項151】
前記行動モデルがパターンである、請求項147に記載の方法。
【請求項152】
前記患者の生理学モデルが生理学パターンに基づいており、前記行動モデルが行動パターンに基づいている、請求項147に記載の方法。
【請求項153】
前記第1のリアルタイムデータが予想される行動パターンからの逸脱を示す、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記行動モデルが、食事時間に関連付けられた食事を過大補正する傾向を示し、前記第1のリアルタイムデータが、食事時間が差し迫っていることを示し、前記ガイダンスメッセージが、前記食事時間の過大補正の減少に対応する、請求項153に記載の方法。
【請求項155】
前記行動パターンが、行動の長期パターンに基づく長期行動パターンと、現在の行動に関連する短期行動パターンとを含む、請求項153に記載の方法。
【請求項156】
前記行動モデルが前記長期行動パターンに基づいており、さらに前記短期行動パターンに基づいている、請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記短期行動パターンが、モバイル装置との関与、加速度計データ、グルコース濃度のチェックの頻度、カレンダーデータ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上に基づいている、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
状態を決定することが、さらに測定モデルに基づいている、請求項147に記載の方法。
【請求項159】
前記測定モデルが、前記患者に関連する連続グルコース濃度モニタリングシステムに基づいている、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
さらに、ガイダンスメッセージを前記決定した後にグルコース濃度データを測定することと、前記測定された後続データを使用して1つ以上の前記モデルを改善することとを備える、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記決定に続いて測定された前記グルコース濃度データが、測定モデルもしくは前記行動モデルもしくは前記患者の生理学モデル、またはそれらの組み合わせにフィードバックされる、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記モデルが、生理学パターン、コンテキストパターン、行動パターン、またはこれらの組み合わせからなる群から選択されるパターンを含む、請求項141に記載の方法。
【請求項163】
前記生理学パターンが生理学モデルに基づいている、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記モデルが、生理学パターン、コンテキストパターン、または行動パターンからなる群から選択されるパターンの組み合わせに基づいている、請求項141に記載の方法。
【請求項165】
前記ガイダンスメッセージを前記決定することが、さらに、前記状態および前記第1のリアルタイムデータに基づいて複数のガイダンスメッセージを決定することと、前記状態および前記第1のリアルタイムデータにさらに基づいて、前記決定された複数のガイダンスメッセージのうちの1つを選択することとを備える、請求項141に記載の方法。
【請求項166】
前記選択が、さらにランク付けスキーム、優先順位付けスキームに基づいているか、または前記複数のガイダンスメッセージと1つ以上の関連する閾値との比較に基づいている、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
さらに、前記状態および前記第1のリアルタイムデータに基づいて前記患者の予想される糖尿病反応を決定することを備え、前記ガイダンスメッセージが、さらに前記予想される糖尿病反応に基づいて前記患者にパーソナライズされ、前記患者には、前記予想される糖尿病反応を所望の糖尿病反応に向けて移動するように計算された実行可能なメッセージが提供される、請求項141に記載の方法。
【請求項168】
前記所望の糖尿病反応が前記状態および前記第1のリアルタイムデータに関連し、前記所望の糖尿病反応が、改善された糖尿病反応、潜在的な改善された糖尿病反応、理想的な反応、または最適化された反応からなる群から選択される、請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記ガイダンスメッセージが前記予想される糖尿病反応と所望の糖尿病反応との間の機能的関係に基づいている、請求項168に記載の方法。
【請求項170】
前記機能的関係が、前記予想される糖尿病反応に関連するグルコース濃度レベルと前記所望の糖尿病反応に関連するグルコース濃度レベルとの差である、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
前記所望の糖尿病反応に関連する前記グルコース濃度レベルが、目標グルコース濃度レベルまたは目標グルコース濃度範囲である、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
前記機能的関係が、前記予想される糖尿病反応が前記所望の糖尿病反応に関連する所定の条件に一致するかどうかに基づいている、請求項169に記載の方法。
【請求項173】
前記所定の条件が、目標グルコース濃度レベル、目標グルコース濃度範囲、グルコース濃度信号署名、またはグルコース濃度レベルに関連する変化率である、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
前記ガイダンスメッセージが、さらに、前記機能的関係に関連する1つ以上の理由を含み、それによって前記患者に前記ガイダンスメッセージが提供される理由について通知されることができる、請求項169に記載の方法。
【請求項175】
前記ガイダンスメッセージが、実行可能なプロンプトを含む、請求項141に記載の方法。
【請求項176】
前記ガイダンスメッセージが、前記患者のグルコース濃度レベルを目標レベルまたは目標範囲に向かって移動させるように計算される実行可能なプロンプトを含む、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記ガイダンスメッセージが前記患者に関連する現在の行動の肯定を含む、請求項141に記載の方法。
【請求項178】
前記第1のリアルタイムデータが、スマートフォンによって測定、受信、または決定される、請求項141に記載の方法。
【請求項179】
前記第1のリアルタイムデータが、ウェアラブルデバイスによって測定、受信、または決定される、請求項141に記載の方法。
【請求項180】
前記第1のリアルタイムデータが、スマートフォンと組み合わせたウェアラブルデバイスによって測定、受信、または決定される、請求項141に記載の方法。
【請求項181】
前記第1のリアルタイムデータが、外部装置によって測定、受信、または決定される、請求項141に記載の方法。
【請求項182】
前記外部装置が加速度計である、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記第1のリアルタイムデータが、時刻、加速度計によって測定された特性または署名信号、またはGPS回路によって決定された場所である、請求項141に記載の方法。
【請求項184】
前記第1のリアルタイムデータが状態の変化である、請求項141に記載の方法。
【請求項185】
前記状態の変化が、クロック、加速度計、またはGPS回路によって検出される、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記第1のリアルタイムデータが、意思決定支援プロンプトのユーザ要求である、請求項141に記載の方法。
【請求項187】
前記第1のリアルタイムデータが、連続グルコース濃度モニタリングシステムから受信される、請求項141に記載の方法。
【請求項188】
さらに、第2のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することを備え、前記第2のリアルタイムデータが、前記患者の前記状態を決定する際に使用される、請求項141に記載の方法。
【請求項189】
前記決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することが、患者のグルコース濃度レベルの管理に有用であると計算されたときに発生する、請求項141に記載の方法。
【請求項190】
前記状態が患者の病期を記述する疾病状態である、請求項141に記載の方法。
【請求項191】
さらに、
第2のグルコース濃度レベルを示す第2のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することと、
前記第2のデータを前記モデルに適用することによって少なくとも部分的に第2の患者病期を記述する第2の疾病状態を決定することと、
前記第2の疾病状態に少なくとも部分的に基づいて第2のガイダンスメッセージを決定することと、を備える、請求項190に記載の方法。
【請求項192】
前記状態が関与状態であり、さらに、
前記関与状態に少なくとも部分的に基づいてメッセージング頻度を決定することと、
前記メッセージング頻度に少なくとも部分的に基づいて前記パーソナライズされたガイダンスメッセージを提供する時間を決定することと、を備える、請求項141に記載の方法。
【請求項193】
さらに、学習期間中に、学習データを受信することを備え、前記学習データに少なくとも部分的に基づいて前記患者の前記状態を決定する、請求項141に記載の方法。
【請求項194】
糖尿病の治療管理において患者にパーソナライズされた有用な計算されたガイダンスメッセージを決定および配信する方法であって、
前記患者のパーソナライズされた行動モデルを学習することと、
リアルタイムデータを受信することと、
前記患者に提供されるべきパーソナライズされたガイダンスメッセージを決定することであって、前記決定が、前記パーソナライズされたガイダンスメッセージの前記決定の時間および前記患者の前記パーソナライズされた行動モデルに少なくとも部分的に基づいていることと、
前記学習されたパーソナライズされた行動モデルを使用して前記パーソナライズされたガイダンスメッセージを提供する配信時間を決定することであって、前記配信時間が前記患者の糖尿病の前記治療管理において前記患者に有用であるように計算されることと、を備える、方法。
【請求項195】
患者のパーソナライズされた行動モデルを学習することが、前記患者の第1の特性を機械学習することを含む、請求項194に記載の方法。
【請求項196】
前記第1の特性が、生理学パターン、コンテキストパターン、もしくは行動パターン、またはこれらのパターンの組み合わせからなる群から選択されるパターンである、請求項195に記載の方法。
【請求項197】
さらに、前記配信時間に前記パーソナライズされたガイダンスメッセージを配信することを備える、請求項194に記載の方法。
【請求項198】
糖尿病の治療管理において患者にパーソナライズされた有用な計算されたガイダンスメッセージを決定および提供する方法であって、
前記患者に関連する第1のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することと、
モデルを使用して、患者の生理学モデル、行動モデル、および測定モデルに基づいて、前記患者の状態を決定することであって、前記状態が、前記患者の生理学モデルおよび前記行動モデルおよび前記リアルタイムデータによって決定されることと、
ガイダンスメッセージを決定することであって、前記ガイダンスメッセージが、少なくとも前記決定された状態に基づいて前記患者にパーソナライズされ、それによって前記決定された状態および複数のモデルの使用が、前記ガイダンスメッセージのパーソナライズを可能にすることと、
前記提供が前記患者の糖尿病の前記治療管理にとって有用であるように計算されたときに発生するように、ユーザインターフェースを介して前記決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することと、を備える、方法。
【請求項199】
第1のリアルタイムデータを受信することが、グルコース濃度値である、請求項198に記載の方法。
【請求項200】
第1のリアルタイムデータを受信することが時刻である、請求項198に記載の方法。
【請求項201】
前記患者の生理学モデルが、グルコース濃度状態、インスリンオンボード状態、およびインスリン感度状態、エネルギ吸収状態、またはエネルギ運動状態のうちの1つ以上を含む状態モデルである、請求項198に記載の方法。
【請求項202】
さらに、前記入力データのセットから前記モデルを学習することを備える、請求項198に記載の方法。
【請求項203】
前記入力データのセットが、クロック時間、時刻、グルコース濃度レベル、インスリンオンボード、患者の活動、患者の健康、曜日、月日、通日、場所、消費された食品、または消費された飲料のうちの1つ以上を含む、請求項202に記載の方法。
【請求項204】
さらに、前記パーソナライズされたガイダンスメッセージを配信した後に予想される状態からの偏差を決定することと、追加の入力情報に基づいて前記モデルを適応させることとを備える、請求項202に記載の方法。
【請求項205】
前記入力データのセットが、ユーザインターフェースを介して受信した情報を含む、請求項202に記載の方法。
【請求項206】
前記決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することが、ユーザインターフェースに前記パーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することを含む、請求項198に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開発は、一般に、医療機器を使用して治療の意思決定支援を提供するシステムおよび方法を含む、分析物センサなどの医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、身体によるインスリンの産生または使用に関連する代謝状態である。インスリンは、身体がグルコースをエネルギとして使用したり、またはグルコースを脂肪として貯蔵したりすることを可能にするホルモンである。
【0003】
人が炭水化物を含む食事を食べると、その食品は、人の血液中にグルコースを生成する消化器系によって処理される。血糖は、エネルギとして使用されたりまたは脂肪として貯蔵されたりすることができる。身体は、通常、血糖値を、身体機能をサポートするのに十分なエネルギを提供し、グルコース値が高すぎる場合や低すぎる場合に発生する可能性のある問題を回避する範囲に維持する。血糖値の調整は、細胞への血糖の移動を調整するインスリンの生成および使用に依存する。
【0004】
身体が十分なインスリンを生成しない場合、または存在するインスリンを身体が効果的に使用することができない場合、血糖値は、正常範囲を超えて上昇する可能性がある。通常の血糖値よりも高い状態は、「高血糖」と称される。慢性高血糖症は、心血管疾患、白内障などの眼の問題、神経の損傷(神経障害)、腎臓の損傷など、多くの健康上の問題を引き起こす可能性がある。高血糖はまた、糖尿病性ケトアシドーシス-身体がグルコースを使用することができないときに生成される血中グルコースおよびケトンの存在によって身体が過度に酸性になる状態-などの急性の問題を引き起こす可能性がある。血糖値が正常よりも低い状態は、「低血糖」と称される。重度の低血糖は、急性発作を引き起こし、発作や死亡を引き起こす可能性がある。
【0005】
糖尿病患者は、インスリンを受け取って血糖値を管理することができる。インスリンは、例えば、針を用いた手動注射によって受け取ることができる。ウェアラブルインスリンポンプも利用可能である。食事と運動も血糖値に影響を与える。
【0006】
糖尿病の状態は、「1型」および「2型」と称されることもある。1型糖尿病患者は、通常、インスリンが存在するときにインスリンを使用することができるが、膵臓のインスリン産生ベータ細胞に問題があるため、身体は十分な量のインスリンを産生することができない。2型糖尿病患者は、インスリンを産生することができるが、インスリンに対する感度が低下しているため、患者は「インスリン抵抗性」になっている。その結果、インスリンが体内に存在していても、血糖値を効果的に調整するために患者の身体によってインスリンが十分に使用されない。
【0007】
この背景技術は、以下の発明の概要および発明を実施するための形態のための簡潔な文脈を導入するために提供される。この背景技術は、特許請求の範囲に記載される主題の範囲を決定するのを補助するよう意図されることも、特許請求の範囲に記載される主題を上記の不利点または問題のうちのいずれかまたは全てを解決する実装に限定するものと見なされることもない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この文書では、特に、患者または介護者の意思決定支援ガイダンスの配信または決定時間を決定するシステムと方法について説明する。
【0009】
主題(例えば、方法またはシステム)の例(例えば、「例1」)は、患者に関連する第1のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することと、少なくとも部分的にモデルと第1のリアルタイムデータとを患者が使用している状態を決定することと、決定された状態に少なくとも部分的に基づくガイダンスメッセージを決定することと、望ましくない生理学状態に遷移する前に介入を可能にするために計算された時間にユーザインターフェースを介して決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することとを含むことができる。
【0010】
例2では、例1の主題は、ガイダンスメッセージを決定することが、さらに、ガイダンスメッセージを決定するタイミングまたは決定された状態に関連する時間に基づくように構成されることができる。
【0011】
例3では、例1または例2の主題は、モデルが、介入に参加する患者の利便性または利用可能性を示す状態を含むように構成されることができる。
【0012】
例4では、例1-3の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、ガイダンスメッセージが望ましくない生理学状態への予想される遷移に少なくとも部分的に基づくように構成されることができる。
【0013】
例5では、例1-4の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、ガイダンスメッセージが、現在の状態から予想された状態への予想された遷移が低確率遷移であるという決定に少なくとも部分的に基づくように構成されることができる。
【0014】
例6では、例1-5の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、モデルが患者の生理学モデルを含み、患者状態を決定することが、患者の生理学モデルに第1のリアルタイムデータを適用することに少なくとも基づくように構成されることができる。
【0015】
例7では、例1-6の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、モデルが行動モデルを含むように構成されることができる。
【0016】
例8では、例1-7の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、行動モデルが患者の機械学習特性に基づいており、機械学習特性が行動またはコンテキストパターンに基づくように構成されることができる。
【0017】
例9では、例1-8の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、行動モデルが、患者によって実行される可能性が高いと判定された1つ以上のステップのセットに基づくように構成されることができる。
【0018】
例10では、例1-9の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、行動モデルが、患者によって達成可能である可能性が高いと判定された1つ以上の目的のセットに基づくように構成されることができる。
【0019】
例11では、例1-10の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、モデルがパターンである行動モデルを含むように構成されることができる。
【0020】
例12では、例1-11の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、モデルが、生理学パターンに基づく患者の生理学モデルおよび行動パターンに基づく行動モデルを含むように構成されることができる。
【0021】
例13では、例1-12の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、第1のリアルタイムデータが予想される行動パターンからの逸脱を示すように構成されることができる。
【0022】
例14では、例1-13の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、行動モデルが食事時間に関連する食事における過大補正を行う傾向を示し、第1のリアルタイムデータが、食事時間が差し迫っていることを示し、ガイダンスメッセージが、食事時間の過小補正に対応するように構成されることができる。
【0023】
例15では、例1-14の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、モデルが、現在の行動に関連する長期行動パターンおよび短期行動パターンに基づく長期の行動パターンを含む行動パターンを含むように構成されることができる。
【0024】
例16では、例15の主題は、行動モデルが長期行動パターンに基づき、さらに短期行動パターンに基づくように構成されることができる。
【0025】
例17では、例16の主題は、短期行動パターンが、モバイル装置との関与、加速度計データ、グルコース濃度をチェックする頻度、カレンダーデータ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上に基づくように構成されることができる。
【0026】
例18では、例1-17の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、状態が測定モデルに部分的に基づくように構成されることができる。
【0027】
例19では、例18の主題は、測定モデルが患者に関連する連続グルコース濃度モニタリングシステムに基づくように構成されることができる。
【0028】
例20では、例1-19の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、さらに、ガイダンスメッセージの提供に続いてグルコース濃度データを測定することと、測定された後続データを使用して1つ以上のモデルを改善することとを含むことができる。
【0029】
例21では、例1-19の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、提供の後に測定されたグルコース濃度データが、測定モデルもしくは行動モデルもしくは患者の生理学モデル、またはそれらの組み合わせにフィードバックされるように構成されることができる。
【0030】
例22では、例1-21の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、モデルが、生理学パターン、コンテキストパターン、もしくは行動パターン、またはこれらのパターンの組み合わせからなる群から選択されるパターンを含むように構成されることができる。
【0031】
例23では、例1-22の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、生理学パターンが生理学モデルに基づくように構成されることができる。
【0032】
例24では、例1-23の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、モデルが、生理学パターン、コンテキストパターン、または行動パターンからなる群から選択されるパターンの組み合わせに基づくように構成されることができる。
【0033】
例25では、例1-24の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、ガイダンスメッセージを決定することが、状態および第1のリアルタイムデータに基づいて複数のガイダンスメッセージを決定することと、状態および第1のリアルタイムデータにさらに基づいてさらに決定された複数のガイダンスメッセージのうちの1つを選択することとを含むように構成されることができる。
【0034】
例26では、例25の主題は、選択が、さらに、ランク付けスキーム、優先順位付けスキームに基づくか、または複数のガイダンスメッセージと1つ以上の関連する閾値との比較に基づくように構成されることができる。
【0035】
例27では、例1-26の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、さらに、状態および第1のリアルタイムデータに基づいて患者の予想される糖尿病反応を決定することを含むことができ、ガイダンスメッセージは、予想される糖尿病反応にさらに基づいて患者に対してパーソナライズされ、予想される糖尿病反応を所望の糖尿病反応に向けて移動するように計算された実行可能なメッセージが患者に提供される。
【0036】
例28では、主題例27は、所望の糖尿病反応が状態および第1のリアルタイムデータに関連し、所望の糖尿病反応が、改善された糖尿病反応、潜在的な改善された糖尿病反応、理想的な反応、または最適化された反応からなる群から選択されるように構成されることができる。
【0037】
例29では、例1-28の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、ガイダンスメッセージが予想される糖尿病反応と所望の糖尿病反応との間の機能的関係に基づくように構成されることができる。
【0038】
例30において、例29の主題は、機能的関係が、予想される糖尿病反応に関連するグルコース濃度レベルと、所望の糖尿病反応に関連するグルコース濃度レベルとの差であるように構成されることができる。
【0039】
例31では、例30の主題は、所望の糖尿病反応に関連するグルコース濃度レベルが、目標グルコース濃度レベルまたは目標グルコース濃度範囲であるように構成されることができる。
【0040】
例32では、例29-31の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、機能的関係が、予想される糖尿病反応が所望の糖尿病反応に関連する所定の条件と一致するかどうかに基づくように構成されることができる。
【0041】
例33では、例32の主題は、所定の条件が、目標グルコース濃度レベル、目標グルコース濃度範囲、グルコース濃度信号署名、グルコース濃度レベルに関連する変化率、または、それらの組み合わせであるように構成されることができる。
【0042】
例34では、例1-33の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、ガイダンスメッセージが、さらに、機能的関係に関連する1つ以上の理由を含み、それによって患者にガイダンスメッセージが提供される理由について通知されることができるように構成されることができる。
【0043】
例35では、例1-34の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、ガイダンスメッセージが実行可能なプロンプトを含むように構成されることができる。
【0044】
例36では、例34の主題は、ガイダンスメッセージが、患者のグルコース濃度レベルを目標レベルまたは目標範囲に向かって移動させるように計算される実行可能なプロンプトを含むように構成されることができる。
【0045】
例37では、例1-36の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、ガイダンスメッセージが患者に関連する現在の行動の肯定を含むように構成されることができる。
【0046】
例38では、例1-37の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、第1のリアルタイムデータが、スマートフォンによって測定、受信、または決定されるように構成されることができる。
【0047】
例39では、例1-38の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、第1のリアルタイムデータが、ウェアラブルデバイスによって測定、受信、または決定されるように構成されることができる。
【0048】
例40では、例1-39の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、第1のリアルタイムデータが、スマートフォンと組み合わせたウェアラブルデバイスによって測定、受信、または決定されるように構成されることができる。
【0049】
例41では、例1-40の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、第1のリアルタイムデータが、外部装置によって測定、受信、または決定されるように構成されることができる。
【0050】
例42では、例41の主題は、外部装置が加速度計であるように構成されることができる。
【0051】
例43では、例1-42の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、第1のリアルタイムデータが、時刻、加速度計によって測定された特性または署名信号、またはGPS回路によって決定された場所を含むように構成されることができる。
【0052】
例44では、例1-43の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、第1のリアルタイムデータが状態の変化を含むように構成されることができる。
【0053】
例45では、例1-44の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、状態の変化が、クロック、加速度計、またはGPS回路によって検出されるように構成されることができる。
【0054】
例46では、例1-45の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、第1のリアルタイムデータが意思決定支援プロンプトのユーザ要求を含むように構成されることができる。
【0055】
例47では、例1-46のいずれか1つまたはいずれかの組み合わせの主題は、第1のリアルタイムデータが連続グルコース濃度モニタリングシステムから受信したデータを含むように構成されることができる。
【0056】
例48では、例1-47の任意の1つまたは任意の組み合わせの主題は、さらに、第2のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することを含むことができ、第2のリアルタイムデータは、患者がいる状態を決定する際に使用される。
【0057】
例49では、例1-48のいずれか1つまたはいずれかの組み合わせの主題は、決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージが、患者のグルコース濃度レベルの管理に有用であるように計算されたときに発生するように構成されることができる。
【0058】
例50は、患者のグルコース濃度レベルを検出するように構成されたグルコース濃度センサと、グルコース濃度センサから患者のグルコース濃度レベルを受信するように構成された通信回路と、記憶されたモデルを含むメモリ回路と、患者のグルコース濃度レベルを受信し、記憶された命令を実行して、患者のグルコース濃度レベルを記憶されたモデルに適用して状態を決定し、決定された状態に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定するように構成されたプロセッサとを備えるシステムである。
【0059】
例51では、例50の主題は、必要に応じて、プロセッサがまた、時間的パターンに少なくとも部分的に基づいて、前記ガイダンスメッセージを決定するように構成されることを含む。
【0060】
例52では、例50-51の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モデルが生理学モデルを含み、状態を決定することが、生理学状態を決定することを含む。
【0061】
例53では、例52の主題は、必要に応じて、プロセッサが、さらに、行動状態を決定し、行動状態に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定するように構成されることを含む。
【0062】
例54では、例50-53の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、プロセッサが、さらに、決定された状態に少なくとも部分的に基づいて治療推奨を提供するように構成されることを含む。
【0063】
例55では、例50-54の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、システムがモバイル装置を含み、モバイル装置が、メモリ回路と、プロセッサとを含むことを含む。
【0064】
例56では、例55の主題は、必要に応じて、モバイル装置が通信回路を含み、グルコース濃度センサが、通信回路と通信するように構成されたグルコース濃度センサ通信回路を含むこと含む。
【0065】
例57では、例56の主題は、必要に応じて、モバイル装置通信回路が第1の無線送受信機を含み、グルコース濃度センサ通信回路が第2の無線送受信機を含み、モバイル装置通信回路およびグルコース濃度センサ通信回路が、無線通信プロトコルを使用して通信することを含む。
【0066】
例58では、例55-57の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モバイル装置がガイダンスメッセージを提供するように構成されたユーザインターフェースを含むことを含む。
【0067】
例59では、例58の主題は、必要に応じて、モバイル装置がユーザインターフェースを介してユーザ入力を受信するように構成され、プロセッサが、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力および患者のグルコース濃度レベルの双方をモデルに適用して状態を決定するように構成されることを含む。
【0068】
例60では、例55-59の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、インスリン送達システムを含む。
【0069】
例61では、例60の主題は、必要に応じて、インスリン送達システムがインスリンポンプを含むことを含む。
【0070】
例62では、例60-61の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、インスリン送達システムがインスリンペンを含むことを含む。
【0071】
例63では、例50-62の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、患者にガイダンスメッセージを提供するように構成されたユーザインターフェースを含む。
【0072】
例64は、グルコース濃度レベルを示すデータを受信することと、データをモデルに適用することによって状態を決定することと、状態および時間的パターンに少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定することとを備える、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法である。
【0073】
例65では、例64の主題は、必要に応じて、時間的パターンが患者の行動の学習パターンを含むことを含む。
【0074】
例66では、例64-65の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、時間的パターンがカレンダーを含むことを含む。
【0075】
例67では、例66の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、カレンダーにおける到来イベントに少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0076】
例68では、例67の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、カレンダーにおける到来イベントに少なくとも部分的に基づいて計算されたインスリン感度の予想される変化に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0077】
例69では、例64-68の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モデルが生理学モデルを含み、状態を決定することが、生理学状態を決定することを含み、ガイダンスメッセージを決定することが、望ましくない生理学状態への遷移が発生する可能性が高いという時間的パターンおよび生理学パターンから決定することを含むことを含む。
【0078】
例70では、例69の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、望ましくない生理学状態への遷移を回避するための介入を決定することと、時間的パターンに少なくとも部分的に基づいて、遷移を防ぐための介入を可能にするためのガイダンスメッセージの配信時間を決定することとを含むことを含む。
【0079】
例71では、例64-70の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、時間的パターンを使用してガイダンスメッセージを配信するための配信時間を決定することを含む。
【0080】
例72では、例71の主題は、必要に応じて、配信時間を決定することが、ホストが時間的パターンに少なくとも部分的に基づいて利用可能である可能性が高いときに配信時間を選択することを含むことを含む。
【0081】
例73では、例71-72の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、配信時間を決定することが、患者が利用不可能な到来期間を特定することと、患者が利用不可能な期間の前にガイダンスメッセージを配信する時間を選択することとを含むことを含む。
【0082】
例74では、例64-73の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、時間的パターンに少なくとも部分的に基づいて患者が利用不可能な期間を特定することを含み、ガイダンスメッセージが、利用不可能な期間中のグルコース濃度の安定性を促進するように計算されることを含む。
【0083】
例75では、例64-74の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、関与状態を決定することと、関与状態に少なくとも部分的に基づいてメッセージング頻度を決定することと、メッセージング頻度に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを配信するための時間を決定することとを含む。
【0084】
例76では、例75の主題は、必要に応じて、変化した関与状態に関与状態が変化したことを決定することと、変化した関与状態に少なくとも部分的に基づいて新たなメッセージング頻度を決定することと、第2のガイダンスメッセージを決定することと、新たなメッセージング頻度に少なくとも部分的に基づいて第2のガイダンスを配信するための第2の時間を決定することとを含む。
【0085】
例77では、例64-76の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、状態がホスト病期を記述する疾患状態であることを含む。
【0086】
例78では、例77の主題は、必要に応じて、第2のグルコース濃度レベルを示す第2のデータを受信することと、第2のデータをモデルに適用することによって少なくとも部分的に第2のホスト病期を記述する第2の疾病状態を決定することと、第2の疾病状態に少なくとも部分的に基づいて第2のガイダンスメッセージを決定することとを含む。
【0087】
例79では、例64-78の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、状態を決定することが生理学状態を決定することを含むことを含む。
【0088】
例80では、例79の主題は、必要に応じて、生理学状態を決定することが、インスリン状態、エネルギ吸収状態、およびエネルギ消費状態を決定することを含むことを含む。
【0089】
例81では、例64-80の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動入力を受信することを含み、状態を決定することが、データおよび行動入力の双方をモデルに適用することを含むことを含む。
【0090】
例82では、例81の主題は、必要に応じて、行動入力を受信することが患者活動情報を受信することを含むことを含む。
【0091】
例83は、グルコース濃度を示すデータを受信することと、データを使用して生理学状態を決定することと、行動状態を決定することと、生理学状態および行動状態に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定することと、ユーザインターフェースを使用してガイダンスメッセージを配信することとを備える、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法である。
【0092】
例84では、例83の主題は、必要に応じて、グルコース濃度に影響を与える適時の介入を可能にするガイダンスを配信する時間を決定することを含む。
【0093】
例85では、例83-84の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動状態および生理学状態に少なくとも部分的に基づいて、ガイダンスにおける関心のレベルを決定することを含む。
【0094】
例86では、例85の主題は、必要に応じて、治療ガイダンスにおける関心のレベルを決定することが、以前のガイダンスのユーザ要求に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0095】
例87では、例83-86の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動状態を決定することが、行動入力を受信することと、行動入力を行動状態モデルに適用することとを含むことを含む。
【0096】
例88では、例83-87の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動状態を決定することが、スケジューリングされたイベントのユーザカレンダーを確認することを含むことを含む。
【0097】
例89では、例83-88の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、生理学状態を決定することが、データを生理学状態モデルに適用することを含むことを含む。
【0098】
例90では、例89の主題は、必要に応じて、生理学状態モデルがグルコース濃度レベルを含むことを含む。
【0099】
例91では、例90の主題は、必要に応じて、生理学状態モデルが、さらに、インスリン状態、エネルギ吸収状態、およびエネルギ消費状態のうちの1つ以上を含むことを含む。
【0100】
例92では、例83-91の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、測定状態を決定することを含み、測定状態が、グルコース濃度を示すデータの精度または正確度を含む。
【0101】
例93では、例83-92の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、低確率生理学状態遷移が発生する可能性が高いことを決定することを含み、ガイダンスメッセージが、低確率生理学状態遷移の事前の通知を提供する。
【0102】
例94では、例93の主題は、必要に応じて、低確率生理学状態遷移が、低グルコース濃度レベルまたは高グルコース濃度レベルへの遷移を含むことを含む。
【0103】
例95では、例93-94の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、低確率生理学状態遷移が不便である時に発生する可能性が高いことを決定することを含み、ガイダンスメッセージが、低確率生理学状態遷移を回避するための介入を可能にするように予想された低確率生理学状態遷移の事前の警告を提供する。
【0104】
例96では、例95の主題は、必要に応じて、不便なときに低確率生理学状態遷移が発生する可能性が高いことを決定することが、行動入力を行動状態モデルに適用することを含むことを含む。
【0105】
例97では、例83-96の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、追加の生理学パラメータを受信することを含み、生理学状態が、データおよび追加の生理学パラメータの双方を使用して決定される。
【0106】
例98では、例97の主題は、必要に応じて、追加の生理学パラメータが、体温、心拍数、または呼吸数を含むことを含む。
【0107】
例99では、例83-98の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、学習期間中に、生理学状態または行動状態のうちの少なくとも1つを記述する学習データを受信することを含み、生理学状態または行動状態のうちの少なくとも1つが、学習データを使用して学習期間後に決定される。
【0108】
例100は、患者に関連するデータであって、リアルタイムグルコース濃度レベルを含むデータを受信することと、データを状態モデルに適用することによって患者状態を決定することと、決定された状態に少なくとも部分的に基づいて治療推奨を提供することとを備える、糖尿病の治療管理のために患者にパーソナライズされた有用な計算されたガイダンスメッセージを決定および提供する方法である。
【0109】
例101では、例100の主題は、必要に応じて、患者状態が、インスリンオンボード状態、インスリン感度状態、および食品消費状態を含むことを含む。
【0110】
例102では、例100-101の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、状態モデルが確率的状態モデルであることを含む。
【0111】
例103では、例102の主題は、必要に応じて、状態モデルが、遡及的データから学習される状態遷移確率を含むことを含む。
【0112】
例104では、例100-103の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、治療推奨の配信後に受信したデータを使用して状態モデルを洗練することを含む。
【0113】
例105は、モデルをコンピューティング環境のメモリにロードすることと、ユーザのグルコース濃度値を示すデータを受信することと、計算された洞察をコンピューティング環境のユーザインターフェースに表示させることとを備え、洞察が少なくともモデルとグルコース濃度値を示すデータとを使用して計算される、ユーザに意思決定支援機能を提供する方法である。
【0114】
例106では、例105の主題は、必要に応じて、表示させることが、ユーザ要求によって開始されることを含む。
【0115】
例107では、例106の主題は、必要に応じて、ユーザ要求が計画された活動のデータ入力に関連付けられ、計算された洞察が1つ以上のモデルによって計算されたユーザの行動を示し、グルコース濃度値に関連付けられた所望の結果をもたらすことを含む。
【0116】
例108では、例107の主題は、必要に応じて、所望の結果が所定の目標範囲内のグルコース濃度値であることを含む。
【0117】
例109では、例107-108の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、所望の結果が所定の目標範囲内の変化率を有するグルコース濃度値であることを含む。
【0118】
例110では、例107-109の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、計画された活動が食事であり、計算された洞察が、グルコース濃度値に対する食事の計算されたまたは予測された効果であることを含む。
【0119】
例111では、例107-110の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、表示される計算された洞察が、対話型推奨および対話型推奨の決定に使用される少なくとも1つの因子を含むことを含む。
【0120】
例112では、例105-111の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、計算された洞察を表示させることが、所定の条件に一致するイベントの発生によって開始されることを含む。
【0121】
例113では、例105-112の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、計算された洞察を表示させることが、計算された条件に一致するイベントの発生によって開始され、計算された条件が、モデル、もしくはグルコース濃度値を示すデータ、またはそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて計算されることを含む。
【0122】
例114では、例113の主題は、必要に応じて、治療調整が、治療調整前に存在していたよりも多くのリスクにユーザをさらす場合、治療調整後の一定期間だけ追加の感度を有するように警告および/または警報を調整することを含む。
【0123】
例115では、例113-114の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、潜在的な治療決定前よりも頻繁なCGMアプリのインスタンス化をトリガーする期間が潜在的な治療決定に続いて存在する場合を検出することと、決定支援のメッセージング頻度を増加させることとを含む。
【0124】
例116では、例113-115の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、メッセージングがユーザまたはユーザのフォロワに対するものであることを含む。
【0125】
例117では、例105-116の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、受信したデータを使用して、認識されたパターンに関連付けられた傾向の発生を検出することを含む。
【0126】
例118では、例105-117の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、外部データソースからデータを受信することを含む。
【0127】
例119では、例118の主題は、必要に応じて、外部データソースがインスリンペンまたはポンプであり、計算された洞察がインスリンオンボードに関する情報を含むことを含む。
【0128】
例120では、例119の主題は、必要に応じて、外部データソースがインスリンペンまたはポンプであり、計算された洞察が2つの値によって表され、一方が、ユーザの運動が計画されている場合の使用を示し、他方が、ユーザの運動が計画されていない場合の使用を示すことを含む。
【0129】
例121では、例119-120の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、外部データソースが加速度計であり、計算された洞察がグルコース濃度値に対する運動の影響に関する情報を含むことを含む。
【0130】
例122では、例119-121の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、外部データソースがカメラまたはGPS受信機であり、計算された洞察が食事のサイズと組成がグルコース濃度値に及ぼす影響に関する情報を含むことを含む。
【0131】
例123では、例119-122の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、外部データソースがユーザインターフェースであり、ユーザインターフェースがユーザの目標に関するデータを受信するように構成され、計算された洞察が目標範囲内の時間のパーセンテージおよび目標範囲の表示を含むことを含む。
【0132】
例124では、例105-123の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ユーザに関連付けられた連続グルコース濃度モニタリングシステムの測定モデルをコンピューティング環境のメモリにロードすることを含み、計算された洞察が、測定モデルにさらに基づいている。
【0133】
例125では、例124の主題は、必要に応じて、計算された洞察が、グルコース濃度変動性またはグルコース濃度変動の可能性および/または重症度に少なくとも部分的に基づくアルゴリズムを使用して計算されることを含む。
【0134】
例126では、例105-125の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、表示させることが、周期的に実行される計算に基づくことを含む。
【0135】
例127では、例126の主題は、必要に応じて、実質的に同時に発生する一連の食事時間に基づいて周期が決定されることを含む。
【0136】
例128では、例126-127の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、一連の類似の血糖反応に基づいて周期が決定されることを含む。
【0137】
例129では、例128の主題は、必要に応じて、類似の血糖反応がスパイクであることを含む。
【0138】
例130では、例126-129の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、一連の類似の投薬戦略に基づいて周期が決定されることを含む。
【0139】
例131では、例126-130の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、グルコース濃度レベルが潜在的な治療決定に続く目標ゾーンから離れた指定されたパーセンテージまたは量にわたってドリフトした一連の信頼できない結果に基づいて周期が決定されることを含む。
【0140】
例132では、例105-131の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、計算された洞察の表示が、ユーザの以前のデータに基づく確率コーンの表示を含むことを含む。
【0141】
例133では、例105-132の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、計算された洞察の表示が、集団データに基づく確率コーンの表示を含むことを含む。
【0142】
例134では、例133の主題は、必要に応じて、ユーザと共通する1つ以上の人口統計学的特徴を有する人から集団データが抜粋されることを含む。
【0143】
例135では、例105-134の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、計算された洞察の表示が、一方が平日に測定されたデータを使用して決定され且つ他方が週末に測定されたデータを使用して決定された、2つの別個の傾向インジケータの表示を含むことを含む。
【0144】
例136では、例105-135の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、洞察がコンピューティング環境によって計算されることを含む。
【0145】
例137では、例105-136の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、洞察が、接続されたサーバによって計算されることを含む。
【0146】
例138では、例105-137の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モデルが生理学モデルおよび行動モデルを含むことを含む。
【0147】
例139では、例138の主題は、必要に応じて、行動モデルが懸念要因のレベルを決定するように構成され、懸念要因のレベルが、生理学状態に関する懸念、治療決定の結果、および/または潜在的な将来の状態からなる群から選択されることを含む。
【0148】
例140では、例139の主題は、必要に応じて、糖尿病に関連するアプリケーションをチェックする頻度を検出することによって、またはSMBG値が入力されている頻度を検出することによって、生理学状態に関する懸念が決定されることを含む。
【0149】
例141では、例139-140の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動モデルが関与因子のレベルを決定するように構成され、関与因子のレベルが、反応時間、治療活動のレベル、および/または支援の種類からなる群から選択されることを含む。
【0150】
例142では、例139-141の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、コンピューティング環境がモバイル装置であり、方法が、さらに、第2のコンピュータシステムによって生理学モデルを学習することを備え、モデルをコンピューティング環境のメモリにロードすることが、学習された生理学モデルをモバイル装置にロードすることを含むことを含む。
【0151】
例143では、例142の主題は、必要に応じて、第2のコンピュータシステムによって行動モデルを学習することを含み、モデルをコンピューティング環境のメモリにロードすることは、学習された行動モデルをモバイル装置にロードすることを含む。
【0152】
例144では、例142-143の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モバイル装置が、第2のコンピュータシステムへのアクセスを必要とせずに計算された洞察を決定することを含む。
【0153】
例145は、ホストグルコース濃度を検出するように構成されたグルコース濃度センサと、グルコース濃度センサからホストグルコース濃度を受信するように構成された通信回路と、記憶されたモデルを含むメモリ回路と、グルコース濃度センサによって検知されたホストグルコース濃度データを受信し、ホストグルコース濃度データに関連するホスト状態変化を決定し、ホスト状態変化に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定し、ユーザインターフェースを介してガイダンスメッセージを配信するように構成されたプロセッサと、を備えるシステムである。
【0154】
例146では、例145の主題は、必要に応じて、プロセッサが、さらに、ホスト状態変化が非定型性であると決定するように構成され、ガイダンスメッセージを決定することが、状態変化の非定型性に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0155】
例147では、例145-146の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ホスト状態変化を決定することが、低確率状態遷移が発生したまたは発生する可能性が高いことをモデルから決定することを備え、ガイダンスメッセージを決定することが、低確率状態遷移が発生したまたは発生する可能性が高いという決定に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0156】
例148では、例145-147の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ホスト状態変化を決定することが、望ましくないホスト状態への起こりそうな遷移を特定することを備え、ホストが望ましくないホスト状態への遷移を回避するために介入することができるように、ガイダンスメッセージが決定されて一度に配信されることを含む。
【0157】
例149では、例145-148の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、システムがモバイル装置を含み、モバイル装置がメモリ回路と、プロセッサとを含むことを含む。
【0158】
例150では、例149の主題は、必要に応じて、モバイル装置が通信回路を含み、グルコース濃度センサが、通信回路と通信するように構成されたグルコース濃度センサ通信回路を含むことを含む。
【0159】
例151では、例149-150の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モバイル装置通信回路が第1の無線送受信機を含み、グルコース濃度センサ通信回路が第2の無線送受信機を含み、モバイル装置通信回路およびグルコース濃度センサ通信回路が、無線通信プロトコルを使用して通信することを含む。
【0160】
例152では、例145-151の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、インスリン送達システムを含む。
【0161】
例153では、例145-152の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、状態変化が、第1のホスト病期を記述する第1の疾病状態から第2のホスト病期を示す第2の疾病状態であり、プロセッサが、さらに、第2の病期に少なくとも部分的に基づいて第2のガイダンスメッセージを決定するように構成されることを含む。
【0162】
例154は、グルコース濃度を示すデータを受信することと、データをモデルに適用することによって患者状態を決定することと、患者状態が非定型性であるかどうかを決定することと、患者状態の非定型性に基づいてガイダンスメッセージを決定することと、ユーザインターフェースを介してガイダンスメッセージを配信することとを備える、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法である。
【0163】
例155では、例154の主題は、必要に応じて、患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、所与の条件のセットについて患者状態が非定型性であるかどうかを決定することを含むことを含む。
【0164】
例156では、例154-155の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、低尤度状態遷移が発生したかどうかを決定することを含むことを含む。
【0165】
例157では、例154-156の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、低尤度状態遷移が発生すると予測されるかどうかを決定することを含む。
【0166】
例158では、例154-157の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、患者状態を決定することが、生理学状態および行動状態を決定することと、決定された行動状態について生理学状態が非定型性であるかどうかを決定することとを含む。
【0167】
例159では、例154-158の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、血中グルコース濃度が通常は管理された範囲であるとき、時間または状況によって管理された血中グルコース濃度範囲から逸脱する血中グルコース濃度レベルを特定することを含むことを含む。
【0168】
例160では、例154-159の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、血中グルコース濃度が通常は管理された範囲内にあるとき、時間または状況によって高または低血糖濃度状態につながる血糖濃度傾向を特定することを含むことを含む。
【0169】
例161では、例154-160の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、患者状態が非定型性であるかどうかを決定することが、血中グルコース濃度が通常はよく管理されているとき、一度にまたは状況によって低血中グルコース濃度状態へのシフトを予測することを含むことを含む。
【0170】
例162は、グルコース濃度を示すデータを受信することと、データをモデルに適用することによって患者状態を決定することと、低確率状態遷移が発生したまたは発生する可能性が高いことをモデルから決定することと、低確率状態遷移が発生したまたは発生する可能性が高いという決定に基づいて、ユーザインターフェースを介してガイダンスメッセージを配信することとを備える、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法である。
【0171】
例163では、例162の主題は、必要に応じて、方法が、低確率状態遷移が発生する可能性が高いと決定することを含み、ガイダンスメッセージが低確率状態遷移の事前通知を提供することを含む。
【0172】
例164では、例162-163の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、低確率生理学状態遷移が低グルコース濃度レベルまたは高グルコース濃度レベルへの遷移を含むことを含む。
【0173】
例165では、例162-164の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、低確率状態遷移が不便なときに発生する可能性が高いと決定することを含むことを含む。
【0174】
例166では、例165の主題は、必要に応じて、低確率状態遷移が不便なときに発生する可能性が高いと決定することが、スケジューリングされたイベントのユーザカレンダーへの参照を含む。
【0175】
例167では、例165-166の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、低確率状態遷移が不便なときに発生する可能性が高いと決定することが、行動状態モデルへの参照を含む。
【0176】
例168では、例162-167の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを配信することが、低確率状態遷移を防止するために患者または介護者が行動を起こす可能性が高い期間を決定することと、決定された期間中にガイダンスメッセージを配信することとを含むことを含む。
【0177】
例169では、例168の主題は、必要に応じて、患者が低確率状態遷移を防止するために行動を起こす可能性が高い期間を決定することが、スケジューリングされたイベントのカレンダーを参照することを含む。
【0178】
例170では、例168-169の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、患者または介護者が低確率状態遷移を防ぐための行動を起こす可能性が高い期間を決定することが、モデルを使用することを含むことを含む。
【0179】
例171では、例168-170の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モデルを使用することが、ユーザ活動のパターンまたはユーザの位置情報を使用して患者または介護者が利用可能である可能性が高い期間を決定することを含むことを含む。
【0180】
例172は、グルコース濃度を示すデータを受信することと、1つ以上の行動、環境またはコンテキスト入力を受信することと、データおよび1つ以上の行動、環境、またはコンテキスト入力をモデルに適用することによって望ましくない患者状態への遷移の可能性を特定することと、望ましくない患者状態への遷移の可能性に基づいてガイダンスメッセージを決定することとを備え、ガイダンスメッセージが、患者が介入して望ましくない患者状態への遷移を回避することができるように決定されて一度に配信される、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法である。
【0181】
例173では、例172の主題は、必要に応じて、行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、加速度計データを受信することを含むことを含む。
【0182】
例174では、例172-173の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、スケジューリングされたイベントについての情報をカレンダーから受信することを含むことを含む。
【0183】
例175では、例172-174の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、ユーザインターフェースを介してユーザから入力を受信することを含むことを含む。
【0184】
例176では、例172-175の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、運動の完了、開始、または予想についてのユーザからの情報を受信することを含むことを含む。
【0185】
例177では、例172-176の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、ユーザが運転していることを検出することを含むことを含む。
【0186】
例178では、例172-177の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、1つ以上の行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、位置情報を受信することを含むことを含む。
【0187】
例179では、例172-178の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、1つ以上の行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することが、周囲温度または周囲圧力を受信することを含むことを含む。
【0188】
例180では、例172-179の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、体温、心拍数、または呼吸数を受信することを含む。
【0189】
例181では、例180の主題は、必要に応じて、受信した情報の1つ以上のパターンに基づいてモデルを学習することを含む。
【0190】
例182では、例181の主題は、必要に応じて、モデルを学習することが、時間の関数としてのインスリン感度のパターンを学習することを含むことを含む。
【0191】
例183では、例182の主題は、必要に応じて、モデルを学習することが、身体運動の期間の後に経過した時間の関数としてインスリン感度のパターンを学習することを含むことを含む。
【0192】
例184では、例172-183の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ユーザクエリを決定することと、ユーザにユーザクエリを提供することとを含み、行動、環境、またはコンテキスト入力がユーザクエリに応じて受信される。
【0193】
例185では、例172-184の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、グルコース濃度を示すデータを受信することが、連続グルコース濃度モニタリングシステムからデータを受信することを含むことを含む。
【0194】
例186は、ホストグルコース濃度を検出するように構成されたグルコース濃度センサと、グルコース濃度センサからホストグルコース濃度を受信するように構成された通信回路と、記憶されたモデルを含むメモリ回路と、ホストに関連付けられたデータにアクセスし、データを使用してホストの状態を決定し、決定された状態に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定し、ガイダンスメッセージを提供する時間を選択し、選択された時間にユーザインターフェースを介してガイダンスメッセージを提供するように構成されたプロセッサと、を備える、システムである。
【0195】
例187では、例186の主題は、必要に応じて、ホストが望ましくない生理学状態に遷移する前に介入を可能にするように時間が計算されることを含む。
【0196】
例188では、例186-187の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、ホストのパーソナライズされた行動モデルに少なくとも部分的に基づいており、糖尿病の治療管理においてホストにとって有用であるように時間が計算されることを含む。
【0197】
例189では、例186-188の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、状態を決定することが、患者の生理学モデルおよび患者の行動モデルに少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0198】
例190は、患者に関連する第1のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することと、患者が少なくとも部分的にモデルおよび第1のリアルタイムデータを使用している状態を決定することと、パーソナライズされたガイダンスメッセージを決定することであって、ガイダンスメッセージが、決定された状態に少なくとも部分的に基づいていることと、望ましくない生理学状態への遷移前の介入を可能にするために計算された時間に、ユーザインターフェースを介して決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することとを備える、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを配信する方法である。
【0199】
例191では、例190の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、ガイダンスメッセージを決定するタイミングまたは決定された状態に関連する時間にさらに基づくことを含む。
【0200】
例192では、例190-191の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モデルが、介入に参加する患者の利便性または利用可能性を示す状態を含むことを含む。
【0201】
例193では、例190-192の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージが、望ましくない生理学状態への予測される遷移に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0202】
例194では、例193の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージが、現在の状態から予想された状態への予想された遷移が低確率遷移であるという決定に少なくとも部分的に基づくことを含む。
【0203】
例195では、例190-194の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モデルが患者の生理学モデルを含み、患者の状態を決定することが、少なくとも第1のリアルタイムデータを患者の生理学モデルに適用することに基づくことを含む。
【0204】
例196では、例195の主題は、必要に応じて、モデルが行動モデルをさらに含むことを含む。
【0205】
例197では、例196の主題は、必要に応じて、行動モデルが患者の機械学習特性に基づいており、機械学習特性が行動またはコンテキストパターンに基づくことを含む。
【0206】
例198では、例196-197の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動モデルが、患者によって実行される可能性が高いと決定された1つ以上のステップのセットに基づくことを含む。
【0207】
例199では、例196-198の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動モデルが、患者によって達成可能である可能性が高いと決定された1つ以上の目的のセットに基づくことを含む。
【0208】
例200では、例196-199の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、行動モデルがパターンであることを含む。
【0209】
例201では、例196-200の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、患者の生理学モデルが生理学パターンに基づいており、行動モデルが行動パターンに基づいていることを含む。
【0210】
例202では、例201の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータが予想される行動パターンからの逸脱を示すことを含む。
【0211】
例203では、例202の主題は、必要に応じて、行動モデルが、食事時間に関連付けられた食事を過大補正する傾向を示し、第1のリアルタイムデータが、食事時間が差し迫っていることを示し、ガイダンスメッセージが、食事時の過大補正の減少に対応することを含む。
【0212】
例204では、例203の主題は、必要に応じて、行動パターンが、行動の長期パターンに基づく長期行動パターンと、現在の行動に関連する短期行動パターンとを含むことを含む。
【0213】
例205では、例204の主題は、必要に応じて、行動モデルが長期行動パターンに基づいており、さらに短期行動パターンに基づいていることを含む。
【0214】
例206では、例205の主題は、必要に応じて、短期行動パターンが、モバイル装置との関与、加速度計データ、グルコース濃度のチェックの頻度、カレンダーデータ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上に基づくことを含む。
【0215】
例207では、例190-206の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、状態を決定することが、さらに測定モデルに基づくことを含む。
【0216】
例208では、例207の主題は、必要に応じて、測定モデルが、患者に関連する連続グルコース濃度モニタリングシステムに基づくことを含む。
【0217】
例209では、例208の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定した後にグルコース濃度データを測定することと、測定された後続データを使用して1つ以上のモデルを改善することとを含む。
【0218】
例210では、例209の主題は、必要に応じて、決定に続いて測定されたグルコース濃度データが、測定モデルもしくは行動モデルもしくは患者の生理学モデル、またはそれらの組み合わせにフィードバックされることを含む。
【0219】
例211では、例190-210の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モデルが、生理学パターン、コンテキストパターン、行動パターン、またはこれらの組み合わせからなる群から選択されるパターンを含むことを含む。
【0220】
例212では、例211の主題は、必要に応じて、生理学パターンが生理学モデルに基づくことを含む。
【0221】
例213では、例190-212の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、モデルが、生理学パターン、コンテキストパターン、または行動パターンからなる群から選択されるパターンの組み合わせに基づくことを含む。
【0222】
例214では、例190-213の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージを決定することが、さらに、状態および第1のリアルタイムデータに基づいて複数のガイダンスメッセージを決定することと、状態および第1のリアルタイムデータにさらに基づいて、決定された複数のガイダンスメッセージのうちの1つを選択することとを備えることを含む。
【0223】
例215では、例214の主題は、必要に応じて、選択が、さらにランク付けスキーム、優先順位付けスキームに基づくか、または複数のガイダンスメッセージと1つ以上の関連する閾値との比較に基づくことを含む。
【0224】
例216では、例190-215の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、状態および第1のリアルタイムデータに基づいて患者の予想される糖尿病反応を決定することを含み、ガイダンスメッセージが、さらに予想される糖尿病反応に基づいて患者にパーソナライズされ、患者には、予想される糖尿病反応を所望の糖尿病反応に向けて移動するように計算された実行可能なメッセージが提供される。
【0225】
例217では、例216の主題は、必要に応じて、所望の糖尿病反応が状態および第1のリアルタイムデータに関連し、所望の糖尿病反応が、改善された糖尿病反応、潜在的な改善された糖尿病反応、理想的な反応、または最適化された反応からなる群から選択されることを含む。
【0226】
例218では、例217の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージが予想される糖尿病反応と所望の糖尿病反応との間の機能的関係に基づくことを含む。
【0227】
例219では、例218の主題は、必要に応じて、機能的関係が、予想される糖尿病反応に関連するグルコース濃度レベルと所望の糖尿病反応に関連するグルコース濃度レベルとの差であることを含む。
【0228】
例220では、例219の主題は、必要に応じて、所望の糖尿病反応に関連するグルコース濃度レベルが、目標グルコース濃度レベルまたは目標グルコース濃度範囲であることを含む。
【0229】
例221では、例220の主題は、必要に応じて、機能的関係が、予想される糖尿病反応が所望の糖尿病反応に関連する所定の条件に一致するかどうかに基づくことを含む。
【0230】
例222では、例221の主題は、必要に応じて、所定の条件が、目標グルコース濃度レベル、目標グルコース濃度範囲、グルコース濃度信号署名、またはグルコース濃度レベルに関連する変化率であることを含む。
【0231】
例223では、例217-222の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージが、さらに、機能的関係に関連する1つ以上の理由を含み、それによって患者にガイダンスメッセージが提供される理由について通知されることができることを含む。
【0232】
例224では、例190-223の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージが実行可能なプロンプトを含むことを含む。
【0233】
例225では、例224の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージが、患者のグルコース濃度レベルを目標レベルまたは目標範囲に向かって移動させるように計算される実行可能なプロンプトを含むことを含む。
【0234】
例226では、例190-225の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、ガイダンスメッセージが患者に関連する現在の行動の肯定を含むことを含む。
【0235】
例227では、例190-226の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータが、スマートフォンによって測定、受信、または決定されることを含む。
【0236】
例228では、例190-227の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータが、ウェアラブルデバイスによって測定、受信、または決定されることを含む。
【0237】
例229では、例190-228の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータが、スマートフォンと組み合わせたウェアラブルデバイスによって測定、受信、または決定されることを含む。
【0238】
例230では、例190-229の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータが、外部装置によって測定、受信、または決定されることを含む。
【0239】
例231では、例230の主題は、必要に応じて、外部装置が加速度計であることを含む。
【0240】
例232では、例190-231の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータが、時刻、加速度計によって測定された特性または署名信号、またはGPS回路によって決定された場所であることを含む。
【0241】
例233では、例190-232の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータが状態の変化であることを含む。
【0242】
例234では、例233の主題は、必要に応じて、状態の変化が、クロック、加速度計、またはGPS回路によって検出されることを含む。
【0243】
例235では、例190-234の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータが、意思決定支援プロンプトのユーザ要求であることを含む。
【0244】
例236では、例190-235の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータが、連続グルコース濃度モニタリングシステムから受信されることを含む。
【0245】
例237では、例190-236の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、第2のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することを含み、第2のリアルタイムデータが、患者の状態を決定する際に使用される。
【0246】
例238では、例190-237の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することが、患者のグルコース濃度レベルの管理に有用であると計算されたときに発生することを含む。
【0247】
例239では、例190-238の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、状態が患者の病期を記述する疾病状態であることを含む。
【0248】
例240では、例239の主題は、必要に応じて、第2のグルコース濃度レベルを示す第2のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することと、第2のデータをモデルに適用することによって第2の患者の病期を少なくとも部分的に記述する第2の疾病状態を決定することと、第2の疾病状態に少なくとも部分的に基づいて第2のガイダンスメッセージを決定することとを含む。
【0249】
例241では、例190-240の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、状態が関与状態であり、さらに、関与状態に少なくとも部分的に基づいてメッセージング頻度を決定することと、メッセージング頻度に少なくとも部分的に基づいて、パーソナライズされたガイダンスメッセージを提供するための時間を決定することとを備えることを含む。
【0250】
例242では、例190-241の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、学習期間中に、学習データを受信することを含み、学習データに少なくとも部分的に基づいて患者の状態を決定する。
【0251】
例243は、患者のパーソナライズされた行動モデルを学習することと、リアルタイムデータを受信することと、患者に提供されるパーソナライズされたガイダンスメッセージを決定することであって、パーソナライズされたガイダンスメッセージの決定の時間および患者のパーソナライズされた行動モデルに少なくとも部分的に基づいて決定することと、学習されたパーソナライズされた行動モデルを使用してパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供するための配信時間を決定することとを備え、配信時間が患者の糖尿病の治療管理において患者に有用であるように計算される、糖尿病の治療管理において患者にとってパーソナライズされて有用な計算されたガイダンスメッセージを決定および配信する方法である。
【0252】
例244では、例243の主題は、必要に応じて、患者のパーソナライズされた行動モデルを学習することが、患者の第1の特性を機械学習することを含むことを含む。
【0253】
例245では、例244の主題は、必要に応じて、第1の特性が、生理学パターン、コンテキストパターン、もしくは行動パターン、またはこれらのパターンの組み合わせからなる群から選択されるパターンであることを含む。
【0254】
例246では、例245の主題は、必要に応じて、配信時間にパーソナライズされたガイダンスメッセージを配信することを含む。
【0255】
例247は、患者に関連する第1のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することと、モデルを使用して、患者の生理学モデル、行動モデル、および測定モデルに基づいて、患者の状態を決定することであって、状態が患者の生理学モデルおよび行動モデルおよびリアルタイムデータによって決定されることと、ガイダンスメッセージを決定することであって、ガイダンスメッセージが、少なくとも決定された状態に基づいて患者にパーソナライズされ、それによって決定された状態および複数のモデルの使用が、ガイダンスメッセージのパーソナライズを可能にすることと、提供が糖尿病の治療管理において患者にとって有用であると計算されたときに行われるように、ユーザインターフェースを介して、決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することとを備える、糖尿病の治療管理において患者にパーソナライズされて有用な計算ガイダンスメッセージを決定および提供する方法である。
【0256】
例248では、例247の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータを受信することが、グルコース濃度値であることを含む。
【0257】
例249では、例248の主題は、必要に応じて、第1のリアルタイムデータを受信することが、時刻であることを含む。
【0258】
例250では、例248-249の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、患者の生理学モデルが、グルコース濃度状態、インスリンオンボード状態、およびインスリン感度状態、エネルギ吸収状態、またはエネルギ消費状態のうちの1つ以上を含む状態モデルであることを含む。
【0259】
例251では、例248-250の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、入力データのセットからモデルを学習することを含む。
【0260】
例252では、例251の主題は、必要に応じて、入力データのセットが、クロック時間、時刻、グルコース濃度レベル、インスリンオンボード、患者の活動、患者の健康、曜日、月日、通日、場所、消費された食品、または消費された飲料のうちの1つ以上を含むことを含む。
【0261】
例253では、例251-252の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、パーソナライズされたガイダンスメッセージを配信した後の予想される状態からの逸脱を決定することと、追加の入力情報に基づいてモデルを適応させることとを含む。
【0262】
例254では、例253の主題は、必要に応じて、入力データのセットが、ユーザインターフェースを介して受信された情報を含むことを含む。
【0263】
例255では、例247-254の任意の1つ以上の主題は、必要に応じて、決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することが、ユーザインターフェースにおいてパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することを含むことを含む。
【0264】
この概要は、本特許出願の主題の概観を提供することを意図している。本開示の排他的または網羅的な説明を提供することは意図されていない。詳細な説明は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するために含まれている。本開示の他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解し、そのそれぞれが限定的な意味で解釈されるべきではない、その一部を形成する図面を見れば当業者にとって明らかである。
【0265】
必ずしも一定の縮尺で描かれていない図面において、同様の符号は、異なる図において同様の構成要素を説明する場合がある。異なる文字の接尾辞を有する同様の符号は、同様の構成要素の異なるインスタンスを表す場合がある。図面は、一般に、限定ではなく例として、本文書において記載される様々な実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0266】
図1】患者にガイダンスを配信する例示的なシステムを示している。
図2A図1に示すモデルの図である。
図2B】モデルに入力を適用することによって決定されることができる例示的なモデル入力および例示的な状態のより詳細な図を提供する図である。
図3A】患者に関連する例示的なタイムラインの図である。
図3B】介護者および子供の患者の例示的なスケジュールの図である。
図3C】患者の覚醒/睡眠状態の図である。
図3D】他の状態に基づいて、患者が介入に参加するための利用可能性(または利便性)を決定する図である。
図4】決定ステップまたはモジュールを介した出力の様々なカテゴリに結合された入力の様々なカテゴリの図である。
図5A】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図5B】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図6】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図7】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図8】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図9】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図10】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図11】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図12】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図13】ユーザガイダンスを決定する例示的な方法を示すフローチャートである。
図14】非鮮明な入力を定量化可能な基準に変換する方法を示すフローチャートである。
図15】食事ボーラスの意思決定支援の決定における、システムモデル内の1つの種類の相関パラメータ、例えば、食品感度の使用を示している。
図16a】意思決定支援アプリケーション/機能において使用できる様々な入力を示している。
図16b】意思決定支援アプリケーション/機能において使用できる様々な入力を示している。
図16c】意思決定支援アプリケーション/機能において使用できる様々な入力を示している。
図16d】意思決定支援アプリケーション/機能において使用できる様々な入力を示している。
図16e】意思決定支援アプリケーション/機能において使用できる様々な入力を示している。
図16f】意思決定支援アプリケーション/機能において使用できる様々な入力を示している。
図17】入力データの様々な物理ソースを示している。
図18A】食事データを取得する従来とは異なる方法を示している。
図18B】食事データを取得する従来とは異なる方法を示している。
図19】例えば、状態定義および決定のための、意思決定支援のための入力として使用することができる信号署名情報を取得するためのフローチャートである。
図20】例えば、状態の定義および決定のための、意思決定支援への入力として役立つことができる胃排出期間を示すチャートである。
図21】モード、例えば、CGMの動作モードを示すチャートであり、モードも、例えば、状態の定義および決定のための、意思決定支援への入力として使用することができる。
図22A】閾値レベルを調整するユーザ入力を示している。
図22B】閾値レベルを調整するユーザ入力を示している。
図23】本明細書に記載される方法が実装されることができる例示的なシステムの図である。
図24】本明細書において記載される技術(例えば、方法論)のいずれか1つ以上が実行することができる例示的なマシンのブロック図である。
図25A】ユーザがグラフ上の炭水化物含有量および脂肪含有量を選択することができる例示的なユーザインターフェースの図である。
図25B】ユーザがグラフ上の炭水化物含有量および脂肪含有量を選択することができる例示的なユーザインターフェースの図である。
図26】警報が構成されることができる例示的なユーザインターフェースを示している。
図27A】選択された炭水化物摂取量の予測データを示すユーザインターフェースの図である。
図27B】選択された炭水化物摂取量の予測データを示すユーザインターフェースの図である。
図28】モバイル装置のユーザインターフェース上で配信される例示的なガイダンスの図である。
図29】モバイル装置のユーザインターフェース上で配信される例示的なガイダンスの図である。
図30】モバイル装置のユーザインターフェース上で配信される例示的なガイダンスの図である。
図31A】適時意思決定支援ガイダンスなしの例示的なグルコース食後傾向の図である。
図31B】適時意思決定支援ガイダンスありの例示的なグルコース食後傾向の図である。
図32A】意思決定支援ガイダンスなしの例示的な食後インスリン傾向分布パターンの図である。
図32B】意思決定支援ガイダンスありの例示的な食後インスリン傾向分布パターンの図である。
図33】低血糖イベントに対処するための介入を含む例示的なグルコース傾向の図である。
図34】装置の例示的なユーザインターフェースを示している。
図35】装置の例示的なユーザインターフェースを示している。
図36】装置の例示的なユーザインターフェースを示している。
図37】装置の例示的なユーザインターフェースを示している。
図38図1に示したモデルの他の図である。
図39】ホストの病期の変化に応じて変化するために意思決定支援システムによって実行されることができるプロセスフローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0267】
糖尿病の管理は、多くの要因の合流が患者の血糖値と血糖値の傾向に影響を与える可能性があるため、患者、臨床医、介護者に複雑な課題をもたらす可能性がある。本発明者らは、とりわけ、集中的なインスリンユーザが、患者または介護者にとって有用であると計算されるときに決定または配信されるリアルタイムガイダンスから利益を得ることができることを認識した。そのようなガイダンスのタイミングの決定は、タイミングを決定するためにデータとパターンを処理する技術システムによってサポートされることができる。例えば、センサ、データモデル、および患者インターフェース装置などの技術ツールを使用することにより、システムは、患者または介護者が、ガイダンスを受信してそれに基づいて行動するように利用可能である可能性が高いか、またはそうでなければガイダンスが有用であることがわかるとき、時間ウィンドウ内であるように計算される時間を決定することができる。いくつかの例では、システムは、ユーザの好みまたは行動の特性またはパターンを学習し、好み、特性またはパターンを使用してガイダンスのタイミングを決定することができる。ユーザにとって有用であるように計算された時間にガイダンスを配信することにより、生理学的グルコースレベルの管理が改善されることができる。
【0268】
概観
ガイダンスと、ユーザ(例えば、患者、介護者、または臨床医)にとって有用であるように計算されたガイダンスを配信する時間を決定するシステムは、グルコースレベルが管理されるために例えば途切れない睡眠を得るように、または安心して睡眠中に高低を避けるように、または睡眠前のガイダンスに基づいて行動することによって睡眠を改善することを知ったり、または対処する必要のある潜在的な問題があるときを知ったりするように、ユーザがよりよく眠るように支援することができる。システムは、代替的にまたは追加的に、例えば意思決定支援システムからのガイダンスにより、患者が食事に至るまで行ったことにかかわらず、患者が何を食べても食事後も範囲内にとどまるか、または食事後も範囲内にとどまることができる、または治療が安全で効果的であることを知って安心しているという自信を持つことで、ユーザがよりよく食べることを支援することができる。システムは、代替的にまたは追加的に、例えば、ユーザが糖尿病の問題(例えば、グルコースレベル)に注意を払う必要があるとき、または管理された状態でグルコースレベルを維持しながら日中の予期しないイベントに適応する必要があるとき、または事前に潜在的または可能性のあるエクスカーションを認識して、過大補正または過食(例えば、炭水化物の過剰摂取)することなくエクスカーションに反応または応答することができる時間を知ることによって、ユーザのより良い生活(例えば、生活の質の向上)を支援することができる。
【0269】
いくつかの例では、配信されたガイダンスは、夜間の血糖コントロール(例えば、低血糖イベントまたは高血糖エクスカーションの発生率の低下)、食事中および食事後の血糖コントロール(例えば、履歴情報および傾向を使用して血糖コントロールを高める)、高血糖補正(例えば、過大補正から低血糖イベントを回避しながら目標ゾーンの時間を増やす)、低血糖治療(例えば、「リバウンド」高血糖を回避しながら低血糖に対処する)、運動、およびその他の健康要因などの様々な課題に対処することにより、患者、介護者、または医療提供者がライフスタイルまたは臨床/患者の転帰を改善するのに役立つことができる。システムは、患者の生理機能と行動を学習し、患者が基礎インスリン要件、インスリンと炭水化物の比率、補正係数、または運動によるインスリン感度の変化などの最適なまたは望ましい治療パラメータを特定するのに役立つガイダンスを計算する治療最適化ツールを提供することができる。意思決定支援ツールは、例えば、低血糖症または高血糖症のイベントまたは傾向を予測し、発生または潜在的な低血糖症または高血糖症のイベントまたは傾向に対処し、血糖、生理学、または行動がリアルタイムで反応する方法をモニタリングするための治療推奨を提供することにより、リアルタイムで患者が問題に反応するのを支援することができる。この種の計算されたガイダンスおよびサポートは、患者、介護者、または医療専門家の認知的負担を軽減することができる。
【0270】
連続グルコースモニタリングなどの生理学センサは、患者、介護者、または医療専門家がグルコースレベルを管理するために使用できる有用なデータを提供することができるが、グルコース管理のための効果的な戦略を開発するには、データに重要な処理が必要な場合がある。膨大な量のデータ、およびデータの種類、傾向、イベント、結果間の相関関係の認識は、人間の処理能力をはるかに超える可能性がある。これは、治療または生理学状態への反応に関する決定がリアルタイムで行われている場合に特に影響がある。リアルタイムまたは最近のデータと履歴データおよびパターンとの統合は、治療に関するリアルタイムの決定を行う際に有用なガイダンスを提供することができる。技術ツールは、この情報を処理して、特定の時間に特定の状態または特定の状況にある特定の患者に役立つように計算された意思決定支援ガイダンスを提供することができる。技術ツールはまた、1日を通して繰り返し計算を行い、いつガイダンスを遅らせるかまたは配信するかを決定することにより、人間の意思決定者の認知的負担を軽減することもできる。
【0271】
意思決定支援システムは、睡眠前のガイダンスを開発して、睡眠中にグルコースレベルが制御される可能性を高めるのに特に役立つことができる。例えば、システムは、アルゴリズムまたはモデルを使用して、高血糖または低血糖のイベントが可能であるかもしくは可能性が高いかどうかを決定し、ガイダンスを作成することができ、これは、例えば、インスリン送達、食品(例えば、速い炭水化物、遅い炭水化物、またはタンパク質と組み合わせた炭水化物)の摂取などの睡眠前の行動アイテム、または警報を設定して特定の時間にステータスを確認したり、ガイダンスを確認したりすることができる。システムは、アルゴリズムまたはモデルを使用してコンテキスト依存の警告を提供することもできる。例えば、システムは、人間の入力またはセンサ入力または行動パターンから、ユーザが寝ているかまたは寝ようとしていることを認識し、警告または警告を配信する時間を計算する際に睡眠活動を考慮に入れることができる。いくつかの例では、システムは、警告またはガイダンスの配信を遅延させて(例えば、リスク条件が満たされるか、介入時間ウィンドウが開くまで)、患者または介護者を不必要に起こさないようにすることができる。いくつかの例では、システムは、より破壊的な介入が利用不可能な可能性を高めるために、ガイダンス(および患者または時間提供者を起こすことがある警告)を配信する時間を計算することができる。例えば、システムは、例えば、注射またはポンプを介した適時のインスリンの送達を有する高血糖イベントを回避するために、またはポンプを介してインスリンの送達を低減することにより低血糖イベントを回避し、後で患者を覚醒させて食品または飲料を介して炭水化物を送達することを回避するために、照会が望ましい(例えば、圧迫の低さのチェック、または発熱または血糖または他の生理学的センサのチェック)か、または基礎的またはボーラスの調整が必要であると決定することができる。
【0272】
ガイダンスとガイダンスのタイミングを計算するように構成された意思決定支援システムはまた、例えば、潜在的な結果に関するガイダンス、決定が必要になる場合がある場合の通知、または治療的介入または行動上の決定(例えば、運動、休息、または摂食)の潜在的な影響に関するガイダンスを提供することにより、新たな治療法や新たな環境への移行、または時間の経過に伴う疾患の進行(例えば、膵臓機能の変化または膵臓の部分的機能の「ハネムーン」期間の退色、II型糖尿病患者の治療ルーチンの変更など)にも役立つことができる。
【0273】
意思決定支援システムは、食事行動に関連するパターンやその他の情報(例えば、1日あたりの食事の回数、食事とスナック全体の食事サイズの分布、低血糖エクスカーションの治療のサイズ、または低血糖イベントの繰り返し治療の回数)、インスリン投与量情報(例えば、ボーラスおよび基礎投与量パターン、ポンプ設定または注射パターン、1日あたりのボーラス数、傾向調整の量、食前ボーラスパターン、補正前後の行動ボーラス、1日あたりの補正ボーラスの数、行動パターン(炭水化物カウントの存在と正確さ、高血糖に反応した活動または無反応の発生率、または補正ボーラスの必要性、補正の状態、閾値または必要性(例えば、グルコースレベル、傾向とレベルの組み合わせ、食品またはその他の要因)、インスリンオンボードの認識、インスリンのタイミング、食事前の「前ボーラス」パターンとその期間、インスリン送達または治療的介入のエラー、運動タイミング、運動時間、および運動強度、活動への生理学的反応)、生理学的要因(インスリンや炭水化物やその他の食品に反応するパターン、低グルコース後に高血糖状態に「リバウンド」する傾向、インスリン感度またはグルコースレベルに対する病気または投薬の影響)、ガイダンスへの応答性(警告または警報を確認する時間、警告または警報に応答する行動(例えば、食事、睡眠または運動)、および血糖結果(例えば、1つ以上のグルコース濃度の閾値を下回る時間の割合(例えば、70mg/dL未満、50mg/dL未満)、1つ以上のグルコース濃度閾値を超える時間の割合(例えば、180mg/DLを超える、250mg/DLを超える)、および1つ以上の閾値を下回るまたは上回るイベントの数)、病期および/または治療の種類(例えば、I型ハネムーン期間、II型前糖尿病ステージ、II型経口投薬ステージ、II型基礎インスリンステージ)など、様々な情報ソースを使用してガイダンスを決定することができる。追加の例示的な入力が以下に説明される。
【0274】
意思決定支援システムは、グルコース送達装置(例えば、ポンプまたはスマートペン)および他の分析システムなどの他のシステムと通信または相互作用することができる。
【0275】
本明細書に開示される例示的な実施形態は、グルコースの濃度または別の分析物の濃度または存在を示す物質の濃度を測定するグルコースセンサの使用に関する。いくつかの実施形態では、グルコースセンサは、連続装置、例えば、皮下、経皮、経皮、非侵襲性の眼内および/または血管内(例えば、静脈内)装置である。いくつかの実施形態では、装置は、複数の間欠的な血液サンプルを分析することができる。グルコースセンサは、酵素的、化学的、物理的、電気化学的、光学的、光化学的、蛍光ベース、分光光度法、分光法(例えば、光吸収分光法、ラマン分光法など)、偏光測定、熱量測定、イオン泳動、放射分析などを含むグルコース測定の任意の方法を使用することができる。
【0276】
グルコースセンサは、侵襲性、低侵襲性、非侵襲性のセンシング技術を含む、あらゆる既知の検出方法を使用して、ホスト内の分析物の濃度を示すデータストリームを提供することができる。データストリームは、通常、センサを使用することができる患者や医療従事者(HCP、例えば医師、医師、看護師、介護者)などのユーザに分析物の有用な値を提供するために使用される生のデータ信号である。
【0277】
説明および例の多くは、ホストにおけるグルコースの濃度を測定することができるグルコースセンサを対象としているが、実施形態のシステムおよび方法は、任意の測定可能な分析物に適用することができる。以下に記載されるいくつかの例示的な実施形態は、埋め込み可能なグルコースセンサを利用する。しかしながら、本明細書に記載する装置および方法は、分析物の濃度を検出し、分析物の濃度を表す出力信号を提供することができる任意の装置に適用できることを理解されたい。
【0278】
いくつかの実施形態では、分析物センサは、米国特許第6,001,067号明細書および米国特許出願公開第2011-0027127号明細書を参照して説明されるような、埋め込み型グルコースセンサである。いくつかの実施形態では、分析物センサは、米国特許出願公開第2006-0020187号明細書を参照して説明されるような、経皮グルコースセンサである。さらに他の実施形態では、分析物センサは、米国特許出願公開第2009-0137887号明細書を参照して説明されるような、二重電極分析物センサである。さらに他の実施形態では、センサは、米国特許出願公開第2007-0027385号明細書に記載されるように、ホスト血管内または体外に埋め込まれるように構成されている。これらの特許および刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0279】
ライフスタイル因子を使用した意思決定支援のシステムおよび方法は、2016年2月1日に出願された米国仮特許出願第62/289,825号の利益を主張する「ライフスタイル因子を使用した意思決定支援のシステムおよび方法」と題された米国特許出願第15/417,008号に記載されており、双方とも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0280】
例示的なシステムの概要
一度に、またはそのようなガイダンスの適時の行動を促進する状況でガイダンスを配信すると、効果的な糖尿病管理を促進し、血糖値の管理の負担を軽減することができる。これは、少なくとも部分的にはガイダンスの関連性、または患者や介護者がそれを受け取って行動するための利用可能性や関心に起因する可能性がある。様々な例において、リアルタイムデータ、モデルまたは他のパターン情報、患者入力、および他のセンサならびにユーザ固有の情報のソースは、ガイダンスを決定および配信するための時間を決定するために使用されることができる。
【0281】
例示的な意思決定支援システムは、生理学センサ、履歴情報、患者や介護者に関するその他の情報など、様々なデータソースを含むデータを考慮して、患者や介護者などのユーザにとって有用であるように計算されたガイダンス時間を決定することができる。時間は、例えば、タイミング要因またはパターンに基づいて、または以前に観察されたパターンから認識されることができる状況の発生に基づいて計算されることができる。状況は、例えば、生理学的、行動的/コンテキスト的、またはその双方とすることができる。いくつかの例では、既知のパターンおよび関連するグルコース制御傾向を参照して、既知のパターンと同様の状況の再発を考慮して、ガイダンスの決定またはタイミングをユーザにとって有用であるように計算することができる。
【0282】
いくつかの例では、例示的なリアルタイム意思決定支援システムおよび方法は、リアルタイムで、すなわち、望ましくないグルコースレベルまたは傾向を回避するために患者がグルコース管理に介入することができる時間、および患者にとって有用であるように計算された時間に、患者にガイダンスを提供することができる。そのようなリアルタイムのガイダンスの配信のタイミングは、ガイダンスがユーザにとってリアルタイム介入が可能または便利であるように計算された時間に配信されることができるように、例えば、カレンダー、生理学センサ、またはGPSや無線接続などのコンテキストセンサからの情報を使用して決定されることができる。
【0283】
例示的なリアルタイム意思決定支援システムは、連続グルコースモニタ(「CGM」、以下にさらに説明される)など、患者に関するリアルタイム情報のソースを含むことができる。連続グルコースモニタは、1分に1回または5分に1回などの定期的な間隔で、または要求に応じて、患者のグルコースレベルに関する情報(「CGMデータ」)を提供することができる。情報は、CGMによってプッシュされることができるか、外部装置、例えばスマートフォンまたはセンサ上に保持されるかまたはスイープされる他のハンドヘルド装置によって引き出されることができる。
【0284】
例示的なリアルタイム意思決定支援システムはまた、CGMデータと、インスリン送達、カロリー消費、活動、健康または病気の状態、状態、環境、患者の行動、または健康に関するその他の検知またはユーザ入力された情報などの情報を受信する処理システムも含むことができる。CGMデータと他のデータを組み合わせて処理し、患者への配信に関するガイダンスを作成することができる。ガイダンスは、インスリン送達のタイミング、消費カロリー、消費カロリーの種類、食品もしくは飲料の種類もしくは量または組み合わせの吸収時間または消化時間に関する情報、運動タイミングおよび運動後の酸素またはカロリー消費、およびインスリン送達もしくは送達の変更または運動もしくは食事の変更などの介入に参加する患者の利用可能性または利便性などのタイミング要因に基づいて作成されることができる。
【0285】
モデル
いくつかの例では、CGMデータおよびその他の情報を処理するためにモデルを構築することができる。モデルは、例えば、状態モデルとすることができる。モデルに1つ以上の入力を適用することによって1つ以上の状態を決定することができる。状態は、前に定義されることができるか、またはデータの分析から学習されることができるか、またはその双方である。いくつかの例では、意思決定支援システムは、(1)生理学状態モデル、および(2)行動モデルまたはコンテキストモデルの少なくとも2つのモデルの出力の組み合わせによって駆動されることができる。いくつかの例では、意思決定支援は、例えば、1)生理学モデルと別個の行動およびコンテキストモデル、または2)生理学、行動/コンテキストモデル、および測定モデル(以下にさらに説明される)の少なくとも3つのモデルによって駆動されることができる。多数のモデルとサブモデルを有する他の変形も可能である。
【0286】
生理学モデル
いくつかの例では、患者の生理学状態は、生理学モデルに1つ以上の入力を適用することによって決定されることができる。1つ以上の生理学状態を使用して、患者のガイダンス、ガイダンスのタイミング、またはその双方を決定することができる。例えば、1つ以上の入力(以下に詳細に説明される、例えば、図2B、および図14図16ならびにその説明を参照)は、モデルまたは複数のモデルに適用されて、患者の生理学状態を決定することができる。生理学状態は、例えば、グルコース濃度レベル(例えば、血糖値または間質液などの他の体液中のグルコース濃度)、グルコース濃度レベルの低下または上昇(すなわち、グルコース傾向)、またはグルコース濃度レベルの下降または上昇の速度(例えば、勾配または高レベルの導関数)として含むことができる。決定された生理学状態はまた、活動レベル(例えば、加速度計、心拍数センサ、または呼吸センサから検出された運動)、代謝ドライブ(例えば、グルコース消費率)、およびインスリン抵抗性(例えば、ストレスホルモン分泌、病気、または高血糖レベルに応じた)、インスリン感度(以下に詳細に説明される)、インスリンオンボード、作用するインスリン時間、インスリン作用時間、炭水化物とインスリンの比率とすることができるか、それらを含むことができる。他の生理学状態も可能である。
行動モデルまたはコンテキストモデル
【0287】
行動モデルまたはコンテキストモデルは、関連することができ、いくつかの例では、単一のモデルに結合されることができる。行動モデルは、ユーザの決定に関連することができるが、コンテキストモデルは、ユーザの環境(場所など)に関連することができる。いくつかの例では、行動モデルは、コンテキスト的態様を含むことができる(例えば、ユーザの場所は、通常はユーザの選択の結果であるため、場所は、行動のサブセットと見なされることができる)。他の例では、行動およびコンテキスト上の要因を説明するために、2つの別個のモデルが提供されてもよい。
【0288】
いくつかの例では、行動モデルに入力を適用することにより、行動またはコンテキストの状態を決定することができる。行動またはコンテキストの状態は、ガイダンス、ガイダンスのタイミング、またはその双方を決定するために使用されることができる。行動またはコンテキストの状態(例えば、利用不可能、または低血糖症を心配)は、行動またはコンテキストモデルに入力を適用することによって決定されることができる。行動モデルへの入力は、決定された生理学状態を含むことができる。行動モデルまたはコンテキストモデルへの他の入力には、ユーザ指定の入力、リアルタイムパラメータ(例えば、クロック値)、測定データまたは検知データ、カレンダー情報、記憶されたパターン情報(例えば、時間に相関する入力または状態)、または他のモデルからの出力を含むことができる。行動またはコンテキストへのユーザ提供の入力は、いくつかの例では、ホストの治療過程および/または病期の兆候を含むことができる。追加の入力を以下に説明し、図2Bおよび図14図16に示す。いくつかの例では、行動モデルは、コンテキストの態様を含んでもよい。他の例では、コンテキストの態様は、他のモデルを形成してもよい。
【0289】
測定モデル
測定モデルは、CGMデータまたはCGMモデルからの情報、ユーザインターフェースを介して受信した(例えば、指刺センサからの)またはスマートメーター(例えば、値を送信または送信するための通信機能で構成された)からの血糖値計データ、測定された血糖投与情報(例えば、投与情報を追跡および通信するように構成されたインスリン「スマート」ペンから受信された投与量情報)、ポンプから受信したインスリン投与量情報、またはユーザインターフェースを介してユーザが入力したインスリンデータ(例えば、針またはポンプを介して注入されたインスリンの量)など、1つ以上の測定入力の信頼性を少なくとも部分的に評価または確認することができる。測定モードから得られた測定状態は、他のモデルへの入力として提供されてもよい。
【0290】
ガイダンスおよびタイミングの決定
意思決定支援エンジンは、1つ以上のモデルの状態に少なくとも部分的に基づいて、ユーザ(親または臨床医などの患者または介護者)のガイダンスと、ガイダンスの決定または配信のタイミングを決定し、モバイル装置などのユーザインターフェースを介してユーザにガイダンスを提供することができる。意思決定支援エンジンは、ユーザが血糖値の傾向に影響を与える(例えば、高または低グルコース濃度の傾向またはレベルを回避する)ために使用できる最近の情報(例えば、最近のCGMデータ)に基づいて、「リアルタイム」のガイダンスを提供することができる。
【0291】
状態およびガイダンスを決定するための機械学習の使用
いくつかの例では、可能な状態を特定するために、機械学習法が先験的に使用されることができる。換言すれば、可能な状態の領域は、データのセットから推定されることができる。例えば、「活動後状態」は、運動後の特定の期間(例えば、8時間)までのインスリン感度の増加の状態として特定されることができる。次に、リアルタイムで、システムは、リアルタイムの運動データ(例えば、活動データ、心拍数、または呼吸)を使用して、ユーザがそのような状態に入っていることを確認し、インスリン感度の増加に起因して、ユーザが通常よりも少ないインスリンを摂取するようにガイダンスを提供することができる。機械学習を使用して、その状態にあるときに適用できる一貫したインスリン感度モデルにつながる入力変数のセットを特定することもできる。他の例では、機械学習技術を使用して、患者が特定の時間帯(例えば午後3時から5時まで)に常に警告を無視することを決定することができ、したがって、システムは、それらの時間帯に重要でない警告をオフにして、期間の直前(午後3時直前など)のガイダンスとしてのリスクレポートをトリガーするか、またはユーザに事前警告を配信して、警告が無視される傾向がある期間についてユーザに準備させることができる。
【0292】
例示的なシステム
図1は、センサ入力およびモデルを使用してガイダンスおよびガイダンスのタイミングを決定するための例示的なシステム100を示している。システムは、生理学入力、例えば、グルコース濃度レベルの管理に関連する入力を処理して、ガイダンスの決定または送達のために患者または他のユーザにとって有用であるように計算される時間を決定することができる。
【0293】
システム100は、患者に関する情報(例えば、受信したリアルタイムセンサデータ)を処理し、センサ情報をパターン、例えば、時間的、生理学、または行動的パターン、またはそれらの組み合わせと組み合わせて、ガイダンスとして提供されるか、またはガイダンスを作成するために処理されることができる出力を生成する決定支援エンジン104を含むことができる。
意思決定支援エンジン104は、ユーザインターフェース108を介してガイダンスとして患者102に提供されることができるか、ガイダンスを決定するために使用されることができるか、またはガイダンスのタイミングを決定するために使用されることができる様々な出力を生成することができる。ガイダンスは、例えば、糖尿病治療ガイダンスを含むことができる。
【0294】
例示的な入力
意思決定支援エンジンの例示的な実装
患者に関する情報を意思決定支援エンジン104に提供するために、1つ以上のセンサ106を患者に関連付けることができる。センサ106は、例えば、上述したようなグルコースセンサなどの分析物センサを含むことができる。センサ106は、経皮センサ、コンタクトレンズセンサもしくは皮膚センサなどの体液センサ、または間質液もしくは血液の質を測定するように構成された埋め込み型センサとすることができる。例えば、センサ106は、上述したように、皮下、経皮、経皮、非侵襲性の眼内および/または血管内グルコースセンサとすることができる。いくつかの例では、センサは、DexcomTM、AbbotTM(例えば、LibreTMセンサ)、またはMedtronicTM(例えば、EnliteTMセンサ)から利用可能な連続グルコースモニタリングセンサなど、患者102に接続されたウェアラブルまたは埋め込み可能なセンサとすることができる。心拍数センサ、呼吸センサ、他の種類の分析物センサ、モーションセンサ(例えば、加速度計)、姿勢センサ(例えば、3軸加速度計)、または音響センサ(例えば、周囲の音や体内の音をキャプチャするための)など、他の種類のセンサもまた、患者に関連付けられることができる。センサ106は、例えば、時計、眼鏡、コンタクトレンズ、パッチリストバンド、アンクルバンド、または他の着用可能なアイテム上に着用可能とすることができ、またはハンドヘルド装置(例えば、スマートフォン)に組み込まれることができるか、または連続グルコースモニタセンサなどの他のセンサに組み込まれることができる。いくつかの例では、センサ106は、例えば、グルコースレベル、心拍数、呼吸(例えば、インピーダンスを使用して)、活動(例えば、加速度計を使用して)、姿勢(例えば、加速度計を使用して)、電気皮膚反応、組織液レベル(例えば、インピーダンスまたは圧力を使用して)を検出することができるマルチセンサパッチを含むことができる。いくつかの例では、センサのアレイまたはネットワークを患者に関連付けることができる。1つ以上のセンサ106は、有線または無線(例えば、Bluetooth(登録商標)、Zigbee、Z-Wave、NFC)通信を介して、例えば、スマートフォンなどのモバイル装置とすることができるローカル装置108と通信することができる。システムは、様々なセンサからの信号(例えば、マルチセンサパッチ上のセンサから、またはネットワーク化されたセンサやセンサのグループから)の信号の接合分布を学習することができる。システムは、信号の接合分布の履歴データまたは知識(例えば、センサ信号が互いにどのように関連するか、またはともに移動するか)を使用して、A)(例えば、以下にさらに説明するように、モデルまたはアルゴリズムまたは計算を使用して)欠落しているセンサデータポイントを決定または代入することができ、またはB)将来の血糖濃度レベルを予測することができ、またはC)センサの障害またはリアルタイムおよび履歴情報で記録された接合信号に基づいてCGMセンサのパフォーマンスの問題を検出することができ、またはD)センサ情報に基づいて摂取された炭水化物、脂肪、タンパク質または他の物質の数、またはそれらの任意の組み合わせを推定することができる。
【0295】
意思決定支援エンジン104は、検知された情報120を受信することができる。検知された情報120は、例えば、CGMセンサからのCGMデータ、(例えば、加速度計からの)活動データ、心拍数、または本明細書に記載された他の生理機能のいずれかなどの生理機能データを含むことができる。検知された情報は、1つ以上のセンサ106、ローカル装置108、または他のセンサ装置によって検知されることができる。検知された情報はまた、位置情報(例えば、GPS)または接続情報(例えば、Wi-Fi)などの非生理学データとすることができる。
【0296】
意思決定支援エンジン104への入力はまた、インスリンデータ122を含むことができる。インスリンデータは、例えば、ポンプなどのインスリン送達装置から取得されるか、またはインスリン送達を追跡してインスリン送達情報をシステムに、例えば、意思決定支援エンジンに情報を中継することができるスマート装置への無線通信を介して通信するように構成されたスマートペンから受信されることができる。インスリンデータはまた、スマートフォンまたは他のコンピュータ装置上のユーザインターフェースを介して、例えば患者または介護者などのユーザから受信されることができる。
【0297】
意思決定支援エンジン104はまた、検知された情報(例えば、加速度計または生理学センサを使用して検出された睡眠)、学習された情報(例えば、時間的パターン)、または、ユーザインターフェースを介してユーザから提供された情報(例えば、食事やスケジュール情報)を含むことができる食事情報、睡眠情報、またはカレンダー情報など、他の情報124を受信することができる。意思決定支援エンジン104によって受信されることができる追加の入力は、図2A図2B、および図14図16を参照して説明される。例示的なシステム構成要素の追加の詳細は、図23図24を参照して説明される。食事や炭水化物の情報は、CGMとペアリングされる装置(例えば、スマートモバイル装置)のユーザインターフェースを介して受信されることができるか、または異なるアプリケーションもしくは他の装置から受信されることができる(例えば、炭水化物情報は、ヘルスアプリまたはポンプに関連付けられたアプリもしくは装置から引き出されることができる)。
【0298】
意思決定支援エンジンの例示的な実装
意思決定支援エンジンは、1つ以上のモデル110を含むことができる。1つ以上のモデル110は、例えば、状態モデルを含むことができる。一例では、「仮想患者」モデルは、既知の要因から形成された、または集団データから導出されたテンプレートモデルに基づく、または患者に関する情報から学習された、またはそれらの組み合わせに関する、患者に関する既知の情報を含むことができる。モデルは、例えば、生理学情報および行動情報を反映することができる。生理学情報は、例えば、グルコースまたはインスリン感度、身体活動またはストレスへの反応、病気、疲労または休息、成長率(例えば子供における)、または基礎代謝などの要因を含むことができる。行動情報は、例えば、食品や飲料の摂取、運動、インスリンの投与、カレンダーの予定で説明されているようなスケジュール、ガイダンスへの関心などの要因を含むことができる。状態モデルでは、これらのような要因は、状態として表すことができ、これは、離散的(例えば、高、中、低)または連続的(例えば、関数によって決定)とすることができる。1つ以上のモデル110は、例えば、生理学パターン、コンテキストパターン、もしくは行動パターン、またはこれらのパターンの組み合わせを含むことができるパターンを含むことができる。生理学パターンは、例えば、生理学モデルに基づくことができる。
【0299】
いくつかの例では、2つ以上のモデルが連携してガイダンスを決定することができる。例えば、生理学モデル112および行動モデル114は、相互作用して、患者の生理学および患者の行動の双方を説明するグルコース管理ガイダンスを決定することができる。いくつかの例では、1つのモデルの出力が他のモデルへの入力になる場合がある。様々な構成において、モデル112、114は独立していてもよく、またはモデルは、モデル仮想患者モデル110のサブモデルであってもよい。いくつかの例では、モデルはまた、例えば、連続グルコースモニタリングモデルとすることができる測定モデル116と相互作用することができる。測定モデルは、センサ精度、較正係数、挿入後の時間、較正後の時間(較正を使用するシステムの場合)、センサステータス(例えば、センサまたはセンサの故障)、通信ステータス(例えば、信号損失)などの要因を含むことができる。
【0300】
様々な例において、意思決定支援エンジン104は、リモートリソース109、ローカル装置108、またはそれらの組み合わせ(例えば、「ハイブリッド構成」)に常駐することができる。意思決定支援エンジン104は、セルラーネットワーク、Wi-Fiネットワーク、インターネット、またはそれらの組み合わせなどのネットワークによって、1つ以上のリモートリソース109(例えば、クラウドサーバ)に常駐することができるか、またはそれらに接続されることができる。クラウドサーバ109は、センサ106から受信した情報を収集して記憶することができる。クラウドサーバはまた、ユーザカレンダー情報、例えば患者または患者介護者のカレンダーから受信した情報などの他の情報を収集することもできる。いくつかの例では、意思決定支援エンジン104は、患者の近くの装置、例えばローカル装置118に常駐することができる。いくつかの例では、意思決定支援エンジン104は、ローカル装置に常駐することができるが、リモートシステムから支援または定期的な更新を受信することができる。ハイブリッド構成の例では、意思決定支援エンジン104をローカル装置118とリモートシステムとの間に分散させることができる。例えば、初期処理をローカル装置(例えば、スマートフォン)において実行し、より複雑な処理要求を、より高い処理能力を有することができるリモートリソースにルーティングすることができる。ハイブリッド構成は、過度に複雑な処理タスクによるローカル装置の過負荷を回避することにより、ローカル装置108のパフォーマンスを維持または改善することができる。ハイブリッド構成はまた、一部のタスクがローカル装置108によるネットワークアクセスなしで迅速に実行されることができるため、システムのパフォーマンスを向上させることができるが、リモートリソース109のより大きな処理能力を活用することで、さらに複雑なタスクも可能である。
【0301】
実際問題として、多数の患者からの要求でリモートリソース109に過負荷をかけないようにすることも望ましい場合がある。一例では、ローカル装置は、定期的に(例えば、リアルタイムで、またはスケジュールにしたがって、または接続が利用可能なとき、またはそれらの任意の組み合わせで)リモートリソース109にデータを送信することができ、リモートリソースは、1時間に1回または1日に1回など、定期的に特定のユーザについてのデータを評価することができる。リモートリソース109は、例えば、受信したデータ、または受信したデータで増強されるか、またはそれを含むデータセットを調べて、問題または潜在的な洞察を探すことができる。リモートリソース109は、例えば、新たなデータを反映または考慮するためにモデルを更新することができる。様々な例において、リモートリソースは、更新(例えば、リモートリソース109によってプッシュされるか、またはローカル装置108によって要求されるように)をローカル装置に送信して、新たなデータまたは拡張されたデータセットから学習された問題、洞察、またはモデル更新に対処することができる。
【0302】
意思決定支援エンジンによるガイダンスのタイミングの例示的な決定
意思決定支援エンジンは、様々な入力を処理し、例えば、入力を1つ以上のモデルに適用し、ユーザにとって有用であるように計算されるガイダンスの時間を決定することができる。様々な例において、ガイダンスのタイミングは、ユーザが、ユーザの睡眠体験、食事体験、または生活の質を改善することを可能にするように計算されることができる。例えば、システムは、潜在的に問題のあるパターンを特定し、ガイダンスを配信する時間を決定することができ、この場合、ガイダンス配信時間は、睡眠の中断を回避するため、またはユーザに食事の選択やタイミングに柔軟性を提供しながら血糖コントロールを維持するため、または、潜在的な問題(例えば、高グルコース変動または低グルコースレベル)の十分な事前通知を提供して、ユーザが自分の行動を適応させるか、問題に適時に対応するために計算される。
【0303】
一例では、システムは、ユーザが眠っている可能性が高いとき(例えば、午前2時)に問題が発生する可能性が高いと決定し、ユーザが、利用可能性が高いとき(例えば、午後9時)にガイダンスを配信する時間を計算することにより、健康なまたは途切れない睡眠を促進することができる。システムは、睡眠前のスナックを食べるなどの行動を推奨して、夜間のユーザを目覚めさせる必要性を回避するために、夜間の低さを回避することができる。一例では、システムは、グルコース値を受信し、患者の学習モデルに基づいて、ユーザ(介護者または患者)が寝ている可能性が高いときに患者が低血糖イベントを有している可能性が高いと決定し、ガイダンスと、患者や介護者の睡眠を妨げないようにガイダンスを提供する時間を決定することができる。
【0304】
他の例では、システムは、夜間の血中グルコース濃度レベルまたは傾向のパターンおよび行動または治療を変更するための配信ガイダンスを決定することができる。例えば、システムは、グルコース濃度レベルまたは傾向が条件を満たす(例えば、指定された値以上(例えば、130mg/DLまたは指定された量の変化(例えば、睡眠中または睡眠に関連する指定された期間(例えば、午前12時から5時)に30mg/dLまたは40mg/dLを超える増加))ように、システムが夜間に上昇するグルコースレベルのパターンを検出した場合、基本投与増加を推奨することができる。他の例では、システムは、指定された量または速度を減少させるグルコース濃度レベルのパターンをシステムが検出したときにまたはそうでなければ条件を満たした場合、基本投与減少を推奨することができる。
【0305】
他の例では、システムは、血糖コントロールを維持するのに役立つと計算されたガイダンスを提供する一方で、何をいつ食べるかについての決定に柔軟性をユーザに提供することにより、食事時の決定をサポートすることができる。一例では、システムは、食事時間の前にグルコースレベルが高くなる傾向があると決定し、食事時間に到着したときに食事を遅らせる必要を回避するために食事前の補正ボーラスに関するガイダンスを配信する時間を決定することができる。例えば、システムは、ユーザが食事の前に指定された時間量を「事前ボーラス」する必要があると決定し(例えば、食事を開始する20分前にインスリンを送達する)、システムは、計画された時間、または学習したパターンと一致する時間に食事を開始できるように、ボーラスを送達するためのガイダンスを送達する時間を決定することができる。いくつかの例では、事前ボーラスウィンドウの長さ(インスリンボーラスの投与から摂食の開始までの時間)がシステムによって決定されることができ、計算された事前ボーラスウィンドウに対応する時間をユーザに与えるためにガイダンスのタイミングが計算されることができる。例えば、システムは、患者が次の食事を食べる前に高グルコースレベルに影響を与えるために、30分の事前ボーラスが必要であると決定することができる。一例では、システムは、予定された食事の30分前にガイダンスを配信して、ユーザに事前ボーラスを配信するように促すことができる。他の例では、システムは、ユーザが事前ボーラスに対応するための追加の時間を提供することができ、例えば、システムは、食事の30分前に事前ボーラスを配信する必要性の30分前の通知を可能にするために食事の60分前に事前ボーラスガイダンスが配信されると決定することができる。
【0306】
他の食事時間の例では、システムは、食事中または食事後にガイダンスを配信する時間を計算することができる。例えば、システムは、インスリンが通常よりも速く上昇していると決定し、追加の用量のインスリンを送達するためのガイダンスが与えられるべきであると決定することができる。一例では、システムは、グルコース制御を最適化するためのガイダンスを配信する時間を計算することができる。例えば、システムは、追加のインスリンを送達するために食事中にガイダンスが与えられるべきであると決定することができる。他の例では、システムは、食事の中断を回避するようにガイダンスを配信する時間を計算することができる。これは、例えば、ユーザカレンダーを参照することによって、または行動のパターン(例えば、平均食事時間)に基づいて、生理学センサ(例えば、活動センサ)を使用することによって、または位置情報を使用する(例えば、ユーザがレストランを出たことを検出する)ことによって達成されることができる。
【0307】
いくつかの例では、システムは、ユーザが自分の行動を適応させたり、問題にタイムリーに対応したりすることができるように、潜在的な問題(例えば、高グルコース変動または低グルコースレベル)の十分な事前通知を提供するためのガイダンスを配信する時間を計算することにより、患者または介護者の生活の質を改善するように設計されることができる。例えば、システムは、エクスカーション(例えば、高グルコース傾向)が発生する可能性が高いと決定し、起こりそうなエクスカーションに対抗するために、ユーザが補正措置を講じること(例えば、補正ボーラスを提供すること、または運動)を行うことを可能にするガイダンスを配信する時間を決定することができる。いくつかの例では、システムは、ユーザが他の活動に集中してガイダンスの配信を予測することができるように、ガイダンスを配信するための時間を計算および/または予測可能にすることができる。例えば、システムは、日中2時間ごとにガイダンスを配信することができる。いくつかの例では、システムは、配信ガイダンスまでの繰り返しスケジュールを決定することができる。いくつかの例では、システムは、グルコース管理に対するユーザの注意力の必要性に関するガイダンスを配信することができる。例えば、システムは、ユーザ介入の必要性の確率を計算し(例えば、指定された範囲から外れる血中グルコース濃度レベルのリスクを決定する)、条件が満たされるとき(例えば、確率が閾値を超えている)をユーザに通知することができる。いくつかの例では、システムは、定期的にユーザに介入が必要ないことを通知することができる(例えば、「よく見える:血糖値は適切に制御されている」)。
【0308】
いくつかの例では、システムは、さらなるガイダンスについてシステムをチェックするタイミングについてのガイダンスを配信することができる。例えば、システムは、食事内容や予想されるまたは実際の(現在または過去の)食事時間などの食事情報を受信し、例えば「30分後にさらなるガイダンスを確認する」など、指定された時間内にさらにガイダンスを確認し直すようにユーザにアドバイスすることができる。他の例では、システムは、例えば「軽食を食べ、食べてから10分後に確認し直す」など、睡眠前のガイダンスを配信し、睡眠前の活動が完了した後にユーザに確認するように要求することができる。
【0309】
いくつかの例では、ガイダンスのタイミングは、ユーザが食事中に中断されることを望むかどうかの好み、またはユーザが中断されることを望む条件、またはユーザが中断されることを好むかもしくは中断されないことを好む期間など、ユーザ定義の好みに部分的に基づいて計算されることができる。
【0310】
いくつかの例では、ガイダンスのタイミングは、リアルタイムデータと過去の活動から学習したパターンに基づいて、現在のユーザ活動に関連して提供されることができる。例えば、ガイダンスを配信するのに役立つ時間を決定するために、システムは、リアルタイムの生理学データ(CGMデータなど)を既知の生理学および行動パターン(例えば、モデル)と統合して、ガイダンスの性質とガイダンスのタイミングの双方を決定することができる。システムは、例えば、特定の食事後のグルコース反応を学習することができる。リアルタイムデータが、ユーザが同じ食事または類似の食事を食べようとしていることを示唆している場合(例えば、GPS情報またはレストランへのWi-Fi接続から決定される)、洞察は、過去の活動から学習されたパターンに基づいて配信されることができる。他の例では、リアルタイムデータは、ユーザが睡眠しようとしていること、または会議が近付いていることを示唆することができ、そのようなデータは、ガイダンスを配信する時間を決定するために使用されることができ、例えば、リアルタイム情報は、今後の活動(例えば、睡眠や会議)の中断を回避するために、意思決定支援がすぐにまたはそうでない場合よりも早く行われるべきであることを示すことができる。
【0311】
いくつかの例では、ガイダンスの決定のタイミングは、状態を決定するためのデータの必要性と適時のアクションの必要性および患者への不必要または過度の中断を回避する必要性のバランスをとることができる。一般に、時間が経過するにつれて、パターンに対するカーブフィットを取得したり、モデルに対して適用したりするために、より多くのデータが利用可能であり、これにより、状態、確率、または適切なガイダンスに関するより正確な結論を導き出すことができる。例えば、食事の4時間後には、食事に対する身体の反応に関するデータのほとんどがわかる。しかしながら、1時間後、完全な反応はまだ不明であるが、一般に、ユーザがどれだけの量を食べたか、または送達されたインスリンが消費された食事に適切であるかどうかを識別することができる。2時間半後、これらの決定は、さらに正確に行うことができる。いくつかの場合には、ユーザは、補正ボーラスを投与することができ、または、例えば、患者が思ったほど多くを摂取していなかったため、ユーザは、より多くを食べるように指示され、現在では低グルコースレベルに向かう傾向の危険にさらされる可能性がある。食品摂取またはインスリン投与に関するこの追加情報も、システムによって処理されることができる。この例では、ガイダンスを配信するタイミングは、食事後に利用可能になる情報に基づいて決定されることができる。これは、食品消費情報、インスリン情報、グルコースレベル情報、他の生理学情報(例えば、活動)、および既知の生理学パターン(例えば、生理学モデルから)のうちの1つ以上を含むことができる。タイミングはまた、データから学習できるユーザ設定(例えば、警告の頻度またはタイミングに関する設定、例えば、頻繁に警告する/あまり頻繁に警告しない、または早く/遅く警告する、または所定のもしくは学習されたスケジュールにしたがって警告する)に基づくこともでき、これは、データ(例えば、状態として)から学習されるかまたはユーザ入力として入力されることができる。
【0312】
上述した食後の例に戻ると、ユーザが食事をする時間と警告がトリガーされる時間との間のどこかで、いつ警告をトリガーするかを決定することができる。この決定は、警告が遅延した場合、例えばシステムがガイダンスまたはガイダンスの配信を決定するのを待つ場合、ガイダンス、またはガイダンスが決定される可能性のある基礎となる状態は、時間の経過とともに精度が高くなる可能性が高いという事実を考慮に入れることができる。しかしながら、システムの待機時間が長すぎる場合は、データが蓄積するのをシステムが待っている間に、ガイダンスを配信し、治療を施すための最適なまたは望ましい機会の時間枠が過ぎていることがあり、例えば、望ましくないグルコース傾向またはインスリン感度レベルが発生することがある。グルコースレベルが正常範囲を超えて上昇すると、患者の身体は、インスリン抵抗性になる傾向があり、これは、インスリンを使用してグルコースレベルを正常範囲に戻すことをより困難にすることがあり、したがって、より多くの用量のインスリンが必要になることがある。より多くの用量のインスリンは、インスリン抵抗性(および高グルコースレベル)が最終的に克服されるときに、患者が低グルコースレベルに向かう傾向のリスクを増大させることがある。一方、グルコースレベルが低すぎる傾向にある場合、グルコースの投与が遅すぎるか、または患者による過剰反応(例えば、あまりにも多くの速い炭水化物の投与)または患者の身体(例えば、身体によるグリコーゲン放出)につながることがあり、これは、その後、高グルコースレベルにつながることがある(ソモギ効果と称されることもある)。より極端な場合、急性リスクが発生する可能性があり、グルカゴンの投与などの代替オプションが必要になる場合がある。重症の場合、患者が非常に低いグルコースレベルで認知能力や意識を失う可能性があるため、患者が後のガイダンスを実行したり、ガイダンスに参加したりする能力が低下することがある。
【0313】
ガイダンスのタイミングを決定する際に、ユーザの利便性も考慮される場合がある。例えば、ユーザが2時間以内に会議に参加することがわかっている場合、決定された状態またはガイダンスが通常受け入れられるよりも正確ではない(例えば、データの蓄積とリスク回避の最適なバランスが達成されていない)場合であっても、システムは、会議中にユーザの邪魔にならないようにするために、または介入が実行できるときにガイダンスが配信されるのを確実にするために、会議の前に警告を提供することができる。いくつかの例では、ユーザが警告に応答する必要がない状況に陥っている場合、システムは、例えば、カレンダーと相関または相互作用することができる、1回限りのユーザ入力、またはユーザ制御の設定の調整を介して、警告やガイダンスが多少正確ではない場合であっても、警告を早期に受信するオプションを提供することができる。例えば、システムがユーザのカレンダーを知っているかまたはユーザのカレンダーにアクセスできる場合、システムは、それ自体でそのようなプロンプトとオプションを提供することができる(「毎週火曜日の午後の会議の前に早期警告を希望するか」)。他の例では、システムは、(例えば、以下にさらに説明するように、ユーザが要求した洞察の形態で)ユーザから要求を受信することができる。
【0314】
いくつかの例では、状態モデルを使用して、緊急性と不便さの要因のバランスをとることができる。例えば、状態は、リスクレベル、または望ましくない状態に遷移する確率(例えば、40mg/Dl未満または180mg/DLを超える血糖値に傾向するリスクまたは確率)を含むことができ、システムは、可能な場合は不便な通知時間を回避しながら、指定されたパラメータ内でリスクレベルまたは確率を維持するように、ガイダンスの決定または配信を制御することができる。
【0315】
システムはまた、ユーザの睡眠スケジュールを考慮に入れてもよい。例えば、ユーザが食事を有する4時間以内にベッドに行くことが知られているが、食事に対する血糖反応がまだ知られていない場合、システムは、それらの状況を改善するために、または望ましくない状態またはグルコースレベルに向かう傾向のリスクを回避するために、寝る前に何かをするためのガイダンスを提供することができる。例えば、システムは、睡眠前のガイダンスを配信して、補正ボーラスを管理したり、基本的な調整を行ったりして、持続的な高グルコースレベルまたは高グルコースレベルへの傾向を回避したり、夜間介入のためのユーザの覚醒を回避したりすることができる。他の例では、システムは、低グルコースレベルのリスクを軽減するために、寝る前にスナックを食べるようにガイダンスを配信することができる。
【0316】
例示的な出力-ガイダンスの形式
意思決定支援エンジン104からのガイダンス出力は、例えば、テキスト(例えば、「予期しない低グルコースレベルをモニタリングする」)、音(例えば、トーンまたは会話)、または予測もしくは実際のインスリングラフなどのグラフィックスまたはアニメーション、または運動、食品消費、インスリン送達、またはそれらの組み合わせなど、想定または完了した行動からの可能な結果の範囲を示す確率コーンを含むことができる。確率コーンは、時間の経過に伴う潜在的な結果の範囲を示すことができ、結果の範囲は時間とともに拡大する。すなわち、より広い範囲のオプションが可能になる(または統計的条件を満たすことができる)。ガイダンスは、警告、推奨事項、またはその他の有用な情報を含むことができる。
【0317】
いくつかの例では、ガイダンス推奨画面は、ガイダンスの決定に含まれる要因を示すことができ、ユーザが各要因に適用される仮定または重み付けを調整することを可能にする。例えば、インタラクティブな推奨は、次の15分間に4単位のインスリンを送達するアクションと、決定に使用される一連の要因とを含むことができる(パスタには40gの炭水化物があり、昼食後の患者の活動レベルは、通常は中程度であり、現在のグルコースレベルは、正常であるが低下している)。これらの要因は、仮定を変更する必要がある場合、ユーザによって調整されることができる。いくつかの例では、CGMインスリンおよび食事/炭水化物データを後処理して、考えられる最良のインスリン制御を決定することができる。いくつかの例では、システムは、発生中または発生したまたは発生する可能性のある保留中の変更を反映するために、時間制限付きのバイアスを意図的に導入することができる。例えば、システムは、インスリンを投与した直後に、意図的に血糖値を低くスキューさせ、限られた時間だけ過大補正の可能性を減らすことができる。
【0318】
様々な例またはガイダンスでは、意思決定支援要求は、テキスト、メール、アプリ通知、電話、またはその他のコミュニケーション手段を使用することができる。いくつかの例では、最良のモードは、コンテキストに基づいてユーザまたはシステムによって選択されることができる。例えば、システムは、患者が運転している間は音声を使用し、会議中はメッセージを見ることができる。いくつかの例では、ガイダンスおよび意思決定支援リクエストは、自動音声認識と自然言語理解とを使用して音声対応にすることができる
【0319】
様々な種類のガイダンスの洞察が可能である。例えば、ガイダンス出力は、例えば、イベント駆動型洞察126、ユーザ要求洞察128、または定期的洞察130を含むことができる。イベント駆動型洞察126は、例えば、実行可能なガイダンスを配信するための有用な時間など、決定ポイントを識別する基礎となるアルゴリズムによって駆動される時間、コンテキスト、または生理学イベント駆動型洞察を含むことができる。ユーザ要求洞察128は、例えば、特定の時間における特定の治療決定についてのガイダンス、例えば、食事前のインスリン送達、または会議、身体活動、または睡眠などのイベントを見越したユーザ要求を含むことができ、意思決定支援エンジン104は、要求に応答してガイダンスを提供することができる。そのようなガイダンスは、例えば、推奨される基礎インスリンまたはボーラスインスリンの投与量またはスキーム、または運動量、または特定の時間または時間範囲にモニタリングまたは介入する計画を含むことができる。定期的(非リアルタイム)洞察130は、数日にわたるパターン、食事、または治療の決定を要約することができる。例えば、定期的洞察は、日、週、月、または四半期などの期間の終わりの遡及的要約、ワークアウト後の要約、一定期間後の要約(例えば、時間数、または朝もしくは午後もしくは夜)、またはその変形を含むことができる。
【0320】
イベント駆動型洞察126、ユーザ要求洞察128、および定期的洞察130の例について、以下にさらに詳細に説明する。
【0321】
イベント駆動型洞察
時間、コンテキスト、またはイベント駆動型洞察は、決定された状態または状態遷移、物理イベント、場所、タイミングパターン(カレンダーなど)、またはそれらの任意の組み合わせによって駆動されることができる。例えば、洞察は、例えば、食事後または運動中の急速に低下するグルコースレベル、または急速に上昇するグルコースレベル(例えば、食事や軽食後、またはストレスの多いイベント)を含むことができる血糖イベントのパターンなど、生理学イベントによって少なくとも部分的にトリガーされることができる。
【0322】
洞察は、現在発生しているイベントまたはパターンに特定の関連性を持つパーソナライズされたガイダンスメッセージの形式をとることができる。パーソナライズされたガイダンスメッセージは、患者について学習された情報に基づくことができ、それは、患者の1つ以上のモデルによって具体化または反映されることができる。一例では、システムは、低血糖および高血糖イベントに先行するパターンを検出し、行動を起こすのに十分な時間でユーザに警告することができる。他の例では、治療調整は、コンテキスト駆動警報を設定することができる:例えば、夜間の低グルコースレベルのリスクを増加させると決定されることができる、基礎率の増加などの治療調整が行われる場合、次の2週間など、指定した期間の夜間に低グルコース警告をより敏感にすることができ、または、夜間の低グルコースレベルの可能性をユーザに知らせる個人的なガイダンスメッセージを、毎晩またはより頻繁にもしくは調整前よりも幅広い条件の下で配信することができる。他の例では、治療決定または治療イベント(例えば、食事前にインスリンを投与するのを忘れる、例えば「事前ボーラス」を見逃した)は、ガイダンスメッセージを介して通信されることができる決定またはイベントに続く時間ウィンドウの間に、またはガイダンスメッセージがより広い条件のセット(例えば、イベント駆動型のガイダンスを提供するためのより低い閾値)の下で配信されることができるウィンドウの間に、警戒の強化(例えば、CGMデータのチェックまたは治療を提供する潜在的な必要性の認識)を正当化する可能性があると決定されることができる。いくつかの例では、イベント駆動型警告は、累積的な血糖リスクまたは血糖暴露に基づいて設定されることができ、例えば、食品またはカロリーまたは炭水化物の消費が追跡されることができ、インスリン/血糖不均衡が検出されることができ、これは、個人的なガイダンス(「食品や飲料の消費量が予測を超えている可能性がある」)を介して通信されることができるか、または個人的なガイダンスメッセージの基礎(「飲食パターンに応じて、さらにインスリンが必要になることがある」)を形成することができる。いくつかの例では、個人的なガイダンスメッセージは、リスクと報酬によって層別化された選択の範囲を提供することができる。
【0323】
いくつかの例では、意思決定支援エンジンは、ボーラス推奨(食事ボーラスまたは補正)を決定し、推奨を決定する時間を決定することができる。ボーラスの決定およびガイダンスの配信のタイミングは、ガイダンスの必要性と、患者/ユーザへの中断を回避することへの関心およびボーラス情報を正確に決定するための十分なデータの必要性とのバランスをとるように計算されることができる。一例では、手動入力および学習または計画された入力(例えば、食事情報)がボーラス計算機に供給されてもよい。ボーラス計算機は、一般的なものとすることができるか、またはパーソナライズされ、例えば、ユーザの現在の糖尿病状態に指定されることができる。ボーラス計算機は、推奨用量を出力することができ、システムは、ユーザが推奨用量を投与した後にグルコースレベルを観察することができる。履歴データに基づいて、特定の状況での典型的な血糖反応がわかることができ、これにより、リアルタイムデータと履歴データまたは履歴データから派生したパターンとを比較することを可能にする。例えば、ユーザが60gの炭水化物を摂取し、特定の量のインスリンを摂取した場合、結果として生じるグルコースレベルと時間後に発生する傾向は、履歴データまたはパターンからわかることができる(例えば、食事後30分に120mg/dLグルコースレベル、ゆっくりと上昇する(例えば、5分ごとに2mg/DL))。特定の場合、ユーザは、特定の食事または炭水化物の量(例えば60炭水化物)を摂取したことを示すが、グルコース値は、以前のプロファイルとは異なるレベルまたは傾向を生み出し(例えば、160mg/dLグルコースレベルおよび定常的に上昇(例えば、5分ごとに10mg/dL))、システムは、ユーザに問い合わせて、補正された食事情報を取得するか、またはグルコース信号と現在のガイダンスまたは問い合わせに基づいてユーザが実際に摂取した炭水化物数を決定することができる(「何か他のものを食べたか?」または「鶏肉を食べなかったか?」)。システムはまた、吸収率(例えば、大量の糖分のある食品や精製糖などの速い炭水化物とパスタなどの遅い炭水化物)や、タンパク質や脂肪など、タンパク質や脂肪とともに消費される炭水化物の吸収速度を遅くするなど、グルコースの傾向に影響を与える可能性のある他の食品の存在も考慮することができる。
【0324】
状態モデルを使用する例では、患者の状態は、最初は第1の状態(例えば、60の炭水化物を食べる)であり、システムは、その後、患者が実際に異なる状態(例えば90の炭水化物を食べる)であると決定することができる。他の例では、患者の状態は、最初は第1の状態(炭水化物60を食べる)である可能性があるため、それに応じて投与するが、患者の状態は、Xの炭水化物カウントエラー(例えば、炭水化物30グラム)の状態であると後で決定され、この場合、システムは、低または高を回避するために、補正ボーラスなどの意思決定支援ガイダンスを提供することができる。
【0325】
いくつかの例では、補正ボーラスに関するガイダンスを配信する時間は、生理学モデル、行動モデル、またはその双方を使用して決定されてもよい。例えば、補正ボーラスの送達のための許容可能な時間の範囲は、生理学モデルを使用して決定されることができ、送達ガイダンスまたは補正ボーラスのための都合のよい時間の範囲は、クラスまたは会議の間、または会議またはクラスの終わり近くにガイダンスが配信されるようにタイミングを合わせることができるように、例えば学習パターン情報を使用する行動モデルを使用して、または、会議のスケジュールまたはクラスのスケジュールを示すカレンダーを使用して決定されることができる。
【0326】
ユーザ要求洞察
ユーザ要求洞察は、例えば、「この食事の前にどれくらいのインスリンをボーラス投与すべきか?」または「自転車に乗る前に軽食を取るべきか?」などの差し迫った糖尿病の決定に対する決定サポートのためのユーザからの入力(例えば、スマートフォンアプリを通じて)の受信を含むことができる。一例では、個人的なガイダンス応答は、インタラクティブな推奨事項(例えば、「4単位のインスリンを送達する」)を含むことができ、また、必要に応じて、決定に使用される要因のセットを含むことができる(例えば、「パスタの一部は40gの炭水化物を有し、昼食後の活動レベルは、通常は中程度であり、現在の血糖値は、正常であるが低下している」)。いくつかの例では、仮定を変更する必要がある場合、(例えば、異なる用量に到達するために)ユーザによって要因を調整することができる。
【0327】
いくつかの例では、以前のユーザ要求洞察は、モデルへの入力として使用されることができ、モデルは、ユーザが洞察を要求する可能性が高い状況を学習または適応することができる。この情報は、システムが、ユーザがガイダンスを必要とする可能性が高い状況と時間にパーソナライズされたガイダンスを提供することができるように、例えば要求を予測してガイダンスを積極的にユーザへ提供することができるように、モデルと意思決定支援エンジンに統合されることができる。例えば、ユーザが週1回自転車に乗る前に(例えば、学習された行動パターンから決定される)、または特定のレストランで食事をする間に(例えば、患者のカレンダーから決定される)、または物理的なワークアウトを完了した後に(活動センサ、関連するスマートウォッチ、またはカレンダーから決定される)、ユーザが頻繁にガイダンスを要求する場合、システムは、特定の時間にパーソナライズされたガイダンスが必要であると決定し、現在の状況または典型的なパターンに関連するガイダンスを配信することができる。ユーザ要求洞察力はまた、ユーザの要求に暗黙情報に基づいて、モデルを教育するために使用されることができる。例えば、ユーザが運動前に意思決定支援を求める場合、システムは、ユーザが特定の時間に運動する傾向があることを収集することができ、特に、一連の関連するユーザ要求が一定期間にわたって取得された場合、運動のタイミングパターン(月曜日、水曜日、金曜日の朝に実行されるなど)を明らかにすることができる。
【0328】
いくつかの例において、システムは、将来の活動(例えば、運動、運転、食事、または睡眠)の意思決定支援のユーザ要求を受信することができ、システムは、ガイダンスとして提案された治療調整または準備ステップを提供することができる。例えば、ガイダンスは、基礎インスリンの変更、ボーラスインスリンの計算、および推奨されるスナックの量を含むことができる(例えば、運動を始める前に基礎量をx量だけ変更するか、寝る前に15グラムの炭水化物を摂取する)。いくつかの例では、システム(例えば、モデル)は、ガイダンスの結果から学習し、個人に固有の調整を行うことができ、例えば、システムは、どれだけの運動がグルコースを変化させるかを学習することができる。いくつかの例では、基礎率や特定の食事や時間帯のインスリンと炭水化物の比率などの患者固有の情報が、臨床医によって電子カルテ(EMR)システムに入力され、モデルを通知または教育するかまたはガイダンスの患者の要求に対する応答の開発を支援するために、システムによって取得されて使用されることができる。
【0329】
一例では、システムは、睡眠前ガイダンスのユーザ要求を受信することができる。要求は、例えば、意思決定支援スマートフォンアプリを介して受信することができる。システムは、スナックを食べる、インスリンの投与量を送達する、目覚まし時計を設定する、または連続グルコースモニタの警告設定を設定するなど、ユーザが寝る前に実行または考慮する必要がある1つ以上のアクションに関するガイダンスを提供することができる。システムはまた、リスクの説明またはガイダンスの理由も提供することができる。例えば、システムは、運動セッションに起因する「遅くて低い」グルコースレベルのリスク、またはシステムが所与の食事または一連の状況に対して大きすぎると推定した、報告されたインスリン投与量に起因する低グルコースレベルのリスク、または傾向分析に基づく低または高グルコースレベルのリスクをユーザに通知することができる。いくつかの例では、システムは、「真夜中頃に低グルコースレベルが発生する可能性がある」などの問題が発生する可能性がある時間または時間範囲をユーザに通知することができる。いくつかの例では、システムは、ユーザが後でガイダンスを再確認する(例えば、スマートフォンの意思決定支援アプリで最新のガイダンスを確認する)ことを提案することができ、これは、例えば、追加情報(例えば、追加のCGM傾向データ)が、ガイダンスの決定、ガイダンスの信頼性の向上、または予期されるイベントの決定に特に役立つことができるとシステムが決定した場合に発生することができる。
【0330】
一例では、ユーザは、今後の食事の写真を提供するか、またはレストランのメニューをスキャンすることができ、システムは、血中グルコースまたはインスリン投与の推奨に対する推定効果についてのガイダンスを提供することができる。例えば、モバイル装置(例えば、スマートフォン)アプリケーションは、メニューをスキャンし、食事アイテムを推定された血糖の影響に変換するように構成されることができる。一例では、ユーザは、スマート装置カメラをメニュー上に配置するように促されてもよく、メニューアイテムのグルコース情報は、例えば、ユーザが画面上で見たメニューアイテムの隣に、ユーザインターフェース上に提示されてもよい。これは、例えば、テキスト認識および特定のタイプの食事または施設のグルコース値のルックアップテーブルを使用して達成することができる。いくつかの例では、「健康的」または「不健康」と見なされる食事を強調表示したり、テキストや記号で示したり、ユーザインターフェースで識別したり、例えば、メニューが増強の対象である拡張現実(AR)を使用したりすることができる。いくつかの例では、予測される血糖の影響または変動(例えば「72g炭水化物」または「BG>200」)または必要なインスリンボーラス(例えば、6単位)が提示されてもよい。いくつかの例では、予測傾向グラフ、または血糖負荷などの要約メトリックが提示されてもよい。いくつかの例では、予測されるエクスカーションは、グルコースへの影響が患者にパーソナライズされるように、履歴データから学習するか、患者をプロファイリングし、必要に応じてそのような情報を生理学モデルに組み込むことによってパーソナライズされることができる。他の例では、提案されたワークアウト(例えば、30分間の中程度のランニング、または5セットのデッドリフト、または1時間の水泳)が入力として提供される(例えば、スマートフォンアプリに入力される)と、グルコースプロファイルなどの期待される結果は、(例えば、ワークアウトをモデルへの入力として適用することにより)予測され、ユーザインターフェースに表示されることができる。結果は、例えば、潜在的な範囲の血糖反応についての情報をユーザに提供するために確率コーンとして提供されてもよい。
【0331】
いくつかの例では、ガイダンスは、例えば、ユーザが計画通りに運動すると想定する1つのボーラス数と、運動が完了していないと想定する第2のボーラス数である、意思決定ツリーを反映する2つの数を含むことができるボーラス推奨を含むことができる。いくつかの例では、ガイダンスは、インスリンオンボードの量を含むことができ、これは、事前定義されたアルゴリズムによって決定されるとして(例えば、集団ベースのデータまたは理論データに基づく)、またはモデル(この場合、インスリンオンボードは患者固有とすることができる)によって決定されるとして、身体における活動であると決定されたインスリンの量とすることができる。インスリンオンボードのガイダンスは、ユーザの要求に応じて、またはインスリンオンボードが低グルコースレベルを引き起こす可能性が高いという決定、またはインスリンオンボードの量がグルコースレベルを制御するには不十分である可能性がある(すなわち、高いグルコースレベルが発生する可能性がある)という決定などのイベントに応じて、提供されることができる。いくつかの例では、ガイダンスは、事前定義された血糖範囲(例えば、70-150mg/dL範囲)またはグルコースレベルが定義された範囲の時間割合(例えば、70-150mg/dL範囲の80%)など、事前定義されたまたはユーザ定義の目標を反映することができる。例えば、ガイダンスは、ユーザを目標に向かって動かすために提案された変更(例えば、午後の運動またはインスリン投与量の変更)を含むことができる。
【0332】
他の例では、ユーザからの入力により、耐糖能試験または他のタイプの自己評価を開始することができ、例えば、よく特徴付けされた食事が食べられ、グルコース反応が追跡される。試験または評価の結果は、ガイダンスメッセージ(例えば、「血中グルコースは、範囲内にとどまった」または「血中グルコース、はすぐに急上昇した-より長い事前ボーラス時間を考慮する」)を介して伝達されることができる。
【0333】
定期的洞察
定期的洞察もガイダンスとして提供されることができる。例えば、週次更新などの定期的なスケジュールにしたがって、または比較分析、平均、グラフ、確率ゾーン、または糖尿病管理に関するその他の情報を提供するために10低炭水化物朝食対10高炭水化物朝食など、信頼性の高い要約を提供するために十分なデータが利用可能であると決定されたときにガイダンスを提供できる。一例において、食事または食品は、大きさおよび時間経過(「スパイク対スロー」)に関して同様の血糖反応を伴うタイプによってグループ化されることができる。他の例では、食事または食品は、どの食事が補正ボーラスを必要とするかなど、同様のインスリン投与戦略によってグループ化されてもよい。他の例では、意思決定支援エンジンは、教育(「低炭水化物朝食のアイデア」)または医療レビュー(例えば、管理戦略についての医師への問い合わせ)を促進する方法で、信頼性の低い結果をもたらす決定のタイプを要約することができる。意思決定支援エンジンは、成功や懸念を含む医師の診察を見越して、そのような情報(例えば、問題のある食事)の要約をまとめることができる。
【0334】
いくつかの例では、意思決定支援エンジンは、スケジュールベースの傾向情報を提供することができる。例えば、個人のスケジュールは、週末と平日で異なる場合がある。このスケジュールの違いは、患者のグルコースレベル、またはグルコースレベルの管理における患者の関心または利用可能性、または通知のための患者の目標または閾値に反映されることができる。いくつかの例では、定期的洞察は、スケジュールに基づいて区別する方法で提示されることができ、例えば、週末の傾向と平日の傾向は、別個に提示されることができる。ガイダンスはまた、人のスケジュールの異なる部分に対する別個の治療または行動の提案を含むことができ、例えば、スケジュールの知識に基づいて異なる基礎パターンが提案されることができる。様々な例において、スケジュールは、ユーザインターフェースを介したユーザ入力(例えば、スマートフォン上の質問に答える)、またはそれらの組み合わせに基づいて、患者または介護者のカレンダーによって通知されるモデルによって学習される。
【0335】
上述した様々な洞察の例は、異なるタイプの洞察に変換でき、例えば、イベント駆動型洞察として説明された例は、ユーザ要求洞察として提供されることができ、ユーザ要求洞察は、ガイダンスとしての洞察の配信の条件とタイミングを決定するアルゴリズムまたはモデルの適用によってイベント駆動型洞察として提供されることができる。
【0336】
「リアルタイム」は必ずしも即時を意味するわけではないが、全体的な行動や治療改善の機会を評価するために提示された遡及的情報とは対照的に、最近のデータまたは傾向に基づいて介入が短期的な結果に影響を与えることができる。
入力およびモデルの相互作用
【0337】
図2Aは、図1に示されるモデル110の例示的な構成の図である。図38は、図2Aを示す構成の他の例を示す図である。患者102は、センサ152によって測定されることができる真のグルコースレベル160を制御することに関心を持っている。生理学モデル112、行動モデル114、および測定モデル116は、入力を処理し、出力(例えば、状態)を生成し、それらはガイダンスとして患者に提供されてもよく、または患者102のガイダンスならびにガイダンスを決定または配信する時間を決定するために使用されてもよい。ガイダンスは、ガイダンスモジュール150を介して配信されることができる。
【0338】
センサシステム152は、グルコースレベル、活動、心拍数、呼吸、または体温などの生理学パラメータ、または周囲温度、圧力、または場所などのコンテキストパラメータを測定することができる。センサシステム150は、単一の装置(例えば、時計)、またはマルチセンサ装置(例えば、時計およびウェアラブルセンサ)のグループに統合された複数のセンサを含むことができ、またはセンサは、個々の他の装置に存在することができ、これは、互いに通信する場合と通信しない場合がある。簡単にするために、データ入力を提供するセンサは、単に「センサシステム」と称される。センサシステム152は、真のグルコースレベル160を示すように計算されるグルコースレベルを測定するように構成されることができる連続グルコースモニタ(以下により詳細に提供される)を含むことができる。
【0339】
センサシステム152からのデータは、生理学モデル112または行動モデル114、あるいはその双方への入力として提供されることができる。生理学モデル112はまた、患者102からの入力、測定モデル154(以下に説明される)からの入力、行動モデル112からの入力(活動状態またはストレス状態など)、または薬物送達156に関する情報(例えば、インスリン送達)を受信することもでき、これは、患者から、またはインスリンポンプもしくはインスリンペンなどの送達装置からユーザ入力を介して受信することができる。生理学モデルはまた、他の入力も使用できる。生理学モデルの入力と出力の詳細な説明は、図2Bに関連して以下に提供されており、多数の入力が図14図16に示されて説明されている。生理学モデルは、現在または予測されるグルコースレベルまたは傾向、インスリン対炭水化物比(ICR)、インスリン感度係数(ISF)、基礎率、またはインスリンオンボード(IOB)などの生理学状態情報を出力として提供することができ、これらは全て、真のグルコースレベル160、ならびにガイダンスモジュール150または患者102または介護者または臨床医によってなされたインスリン送達の決定または推奨に影響を及ぼし得る。
【0340】
生理学モデル112または行動モデル114はまた、スマートフォンなどのコンピュータシステムからのカレンダー情報、特定の活動または運動に関するユーザ入力、または消費された食品に関するユーザ入力など、患者から受信した情報を受信することができる。行動モデルはまた、入力として、患者に送達されたガイダンス情報、ならびにセンサデータを受信することができる。行動モデルは、生理学モデルからの出力も受信することができる。行動モデルは、様々な入力を処理して、現在の患者の状態を決定したり、将来の患者の状態を予測したりすることができ、これは、例えば、運動、睡眠、介入の可能性、指導を受けることへの関心、および患者の活動、関心または行動に関するその他の情報を含むことができる。行動モデルはまた、コンテキスト情報を受信するか、または現在または予測されたコンテキスト情報を状態として(例えば、会議中または車で帰宅中に)決定することができ、これは、ガイダンスまたはガイダンスの配信のタイミングを決定するために使用することができる。行動モデルの入力および出力の詳細な説明は、図2Bに関連して以下に提供され、多数の入力が図14図16に示されて説明されている。測定モデル154は、必要に応じて、システムに含めることができる。センサシステム152からのデータは、例えば測定されたグルコースレベルが真のグルコースレベルと一致する可能性を決定するために、センサデータを処理して、データの精度や正確度を評価することができる測定モデル154に提供されることができる。センサシステムは、センサデータポイントの変動性または分散、傾向情報、履歴情報、および行動モデル、生理学モデル、その他のセンサによって提供される情報などの統計的手法を使用して、1つ以上のセンサデータポイントが正確または不正確である可能性が高いかどうかを評価することができる。例えば、連続する血糖データが大きく異なる場合や、正常な生理学パターンを反映しないパターンが明らかになった場合(例えば、連続する5分の増分で90mg/dl、112mg/dl、96mg/dl、121mg/dl)、測定モデルは、センサデータが比較的不正確であると決定することができる。他のセンサデータも評価することができる。センサデータは、推定値の範囲外のデータに基づいて評価されることができる。例えば、7月に周囲温度が-5℃と検出された場合、特に位置情報が利用可能な場合、モデルは、センサの読み取り値が不正確であると結論付けることができる。他の例では、測定モデルの態様を行動モデルの態様と相関させることを含む、活動情報を処理して、起こりそうな実際の活動との相関を決定することができる。例えば、加速度計の情報を処理して、動きが過度にリズミカルである(運動とは対照的に、例えばでこぼこした乗り物など、機械的な動きを示すことができる)か、予想範囲外(例えば、3時間アクティブな比較的座りがちな人)かを評価することができる。測定モデルからの出力(例えば、精度状態情報)は、他の情報と統合して生理学または行動状態を決定するために、行動モデル114または生理学モデル112に提供されてもよい。
【0341】
ガイダンスモジュール150は、例えば、スマートフォンなどのモバイル装置上のユーザインターフェースを介して、ガイダンス情報を患者102に配信することができる。いくつかの例では、ガイダンスモジュール150は、生理学モデル112および行動モデル114によって提供される情報(例えば、状態)に基づいてガイダンスを決定し、患者にとって有用であるように計算されるガイダンスを提供する時間を決定することができる。他の例では、ガイダンスおよび配信時間は、例えば行動モデル114などのモデルによって決定されてもよく、ガイダンスモジュール150は、決定された時間に決定されたガイダンスを提供してもよい。様々な例において、ガイダンスモジュール150は、例えば、モバイル装置108上に常駐してもよく、または患者から離れたまたはローカルであり、モバイル装置108または他の装置上のユーザインターフェースを介して患者にガイダンスを配信することができるコンピュータシステム上に常駐してもよい。
【0342】
例示的なモデル
図2Bは、モデルへの入力を適用することで決定できる、例示的なモデル入力と例示的な状態のより詳細な図を提供する。図2Bの生理学モデル112、行動モデル114、および測定モデル116が、各モデルの例示的な入力および状態とともに示されている。例示的な入力は、左側に、決定された例示的な状態は、右側に示されている。以下の図14図16は、入力のより包括的な説明を提供し、そのいずれも1つ以上のモデルに適用できる。状態は、医師または専門家によって識別されるか、機械学習を介してモデルによって学習されることができる。各状態は、2つ以上(場合によっては複数)の状態値、例えば離散数値、範囲、または定性値(高/中/低または安定/不安定)を有することができる。状態は、モデルへの入力データのソースの1つ以上を適用することによって決定されることができる。3つのモデルが示されているが、当業者は、モデルが1つまたは2つのモデルに統合されることができるか、またはより多数のモデルまたはサブモデルに分解されることができることを理解するであろう。
【0343】
生理学モデル
食品消費は、生理学モデル112への入力として提供されることができる。食品消費情報は、サイズ、含有量(炭水化物、脂肪、タンパク質)、消費の順序、および消費時間など、食事、スナック、および飲料に関する情報を含むことができる。食品の消費量は、ユーザが手動で入力するか、食品の種類と量を認識するように構成されたアプリケーションで写真を提供するか、またはバーコードもしくはメニューをスキャンすることで提供されることができる。様々な例において、食事のサイズは、カロリー、数量(「3つのクッキー」)、メニュー項目(「チーズのあるロイヤル」)、または食品交換(1つの果物、1つの乳製品)として手動で入力できる。いくつかの例では、食事はまた、この時間またはコンテキスト(例えば、自宅での平日の朝食、レストランでの週末のブランチ)に対するユーザの典型的なアイテムまたは組み合わせで入力されることもできる。いくつかの例では、食事情報は、便利なユーザインターフェースを介して受信されてもよい。例えば、図25Aおよび図25Bに示されるように、ユーザインターフェースユーザ2500は、各食事においてユーザがグラフ2502(または他のグラフィカルユーザインターフェース要素)の脂肪と炭水化物(および必要に応じて、さらにタンパク質)の量に触れることにより、ユーザに指示することを可能にすることができる。図25Aは、高炭水化物(78グラム)および低脂肪(1.6グラム)含有量のグラフ2502上の選択された点2504を示している。図25Bは、高炭水化物(78グラム)および低脂肪(1.6グラム)含有量のグラフ2502上の選択された点2506を示している。図25Bは、低炭水化物(3グラム)および比較的高い脂肪(20グラム)含有量のグラフ2502上の選択された点2506を示している。同様の栄養含有量(例えば炭水化物と脂肪の比率)の食事の例がユーザインターフェースに表示されることができる。
【0344】
活動は、生理学モデルへの入力として提供することもできる。活動情報は、例えば、時計、フィットネストラッカー、またはパッチなどのウェアラブル装置上の加速度計センサによって提供されてもよい。
【0345】
年齢、身長、体重、ボディマス指数、体組成(例えば、%体脂肪)などの患者統計、背丈、体格、またはその他の情報もまた、ユーザインターフェースを介して、または電子カルテなどの電子ソースとのインターフェースによって、または例えば、患者データを提供するためにモバイル装置108と通信することができる、Bluetooth(登録商標)対応などの無線体重計またはカメラなどの測定装置から入力として提供されることができる。
【0346】
インスリン送達は、スマートペンの無線接続を介して、またはユーザ入力を介して、またはインスリンポンプから、モデルによって受信されることができる。インスリン送達情報は、インスリン量および送達時間を含むことができる。インスリン作用時間またはインスリン作用の持続時間などの他のパラメータも、入力として受信されることができる。
【0347】
生理学モデル112はまた、スマート装置108などのユーザインターフェースを介してユーザ入力を受信することもできる。そのようなユーザ入力は、精神状態またはストレッサ情報、低血糖に反応してグリコーゲンの肝臓放出を刺激するためのグルカゴンの使用などの治療の実施、推奨される基礎率またはインスリン対炭水化物比(例えば、臨床医から受信)、または記録された活動(例えば、強度、継続時間および完了または開始時間)を含むことができる。
【0348】
入力はまた、心拍数、呼吸、酸素飽和度、または体温を検出する(例えば、病気を検出する)生理学センサなどのセンサから受信することもできる。電磁センサはまた、物体または物体に接触または近接する物体またはツールから放出される低電力RF電磁界を検出し、患者の活動または場所に関する情報を提供することができる。グルコースレベル情報はまた、例えば、CGMデータを提供する連続的グルコースモニタリング(CGM)システムを介して、入力として提供されることができる。入力はまた、顧客がいつ薬を服用するかを追跡するスマートピルディスペンサ、血中ケトンメーター、実験室で測定または推定されたA1C、長期制御の他の測定、またはスマートフォンの触覚機能、または特殊装置などの触覚反応を使用して末梢神経障害を測定するセンサからも受信することができる。
【0349】
測定モデルまたは行動モデルの状態も入力として提供されることができる。
【0350】
時間はまた、時刻やリアルタイムクロックからの時間などの入力として提供されることもできる。
【0351】
いくつかの例では、モデル入力は、例えば、1つ以上の履歴ユーザ入力(例えば、食事日記)、地理位置情報、インスリン投与、CGM機能(血糖値の上昇)、または時刻から推測されることができる。いくつかの例では、モデルは、学習モードで動作することができ、情報のデータベース(履歴またはリアルタイム)が収集される。原因または影響、あるいはその双方がデータベースから推定されることができる。パターンはまた、特定の食事または食事のタイプまたは活動、またはインスリン作用時間またはインスリン作用の持続時間、またはそれらの組み合わせに関連するパターンなど、データベースから推定されることができる。
【0352】
生理学状態
1つ以上の生理学状態は、生理学モデルに入力を適用することによって決定できる。代謝率は、基礎代謝率(例えば、安静時に消費されるエネルギ)、ならびに活動的な代謝、例えば、活動、例えば、運動、活動、または運動によって消費されるエネルギを含むことができる。いくつかの例では、基礎代謝率と活発な代謝を別個の状態として追跡することができる。活動レベルはまた、例えば活動センサまたは他の生理学センサに基づいて決定することもできる。活動レベル状態は、例えば、4つの状態を含むことができる:睡眠、休息、活動、運動。インスリン感度は、履歴データ、リアルタイムデータ、またはそれらの組み合わせを使用して決定することができ、例えば、食品消費、インスリン送達、および結果として生じるグルコースレベルに基づくことができる。インスリンオンボードは、インスリン送達情報、および基礎代謝率(体の動作を維持するためのインスリンの更新)と活動や食品消費によって駆動されるインスリン使用量の双方を考慮できる既知または学習された(例えば、患者データから)インスリン時間作用プロファイルを使用して決定されることができる。食事状態は、例えば、空腹時、食事前、食事中、食事後の反応、または安定状態を含むことができる。食事状態はまた、オンボードの栄養、例えば、消費された食事、スナック、または飲料を含むことができ、例えば、食品の消費情報、食事の時間情報、および食品の種類、量、および順序(例えば、どの食品/飲料が最初に食べられたか)に関連付けられる消化率情報から決定されることができる。健康および病気は、例えば、ユーザ入力(例えば、妊娠情報または既知の病気情報)に基づいて、生理学センサ(例えば、温度)、活動センサ、またはそれらの組み合わせから決定されることができる。例示的な健康状態は、例えば、健康、病気、休息、および疲労を含むことができる。グルコースレベルは、センサ情報(例えば、CGMデータ)から、必要に応じて測定モデルの状態と組み合わせて決定することができる。いくつかの例では、CGMデータが利用不可能であるか、または信頼性が不確かな場合、例えば特定の状況でのグルコースレベルに関する履歴情報に基づいて、例えば、食品消費量、インスリン、および活動の組み合わせが与えられた場合、モデルからグルコースレベル状態を決定することもできる。血糖コントロールの程度(図示せず)も状態として決定することができ、例えば、グルコースレベル、グルコースレベルの変動、またはインスリン投与パターンに基づくことができる。信頼レベルは、1つ以上の状態(例えば、高、中、低、または数値の信頼)に適用できる。
【0353】
いくつかの例では、状態間の遷移は、ガイダンスを決定するための重要な決定ポイント、またはガイダンスを決定または配信する時間とすることができる。例えば、ユーザは、状態間の遷移時に特にガイダンスを必要とする場合がある。例えば、食事後のグルコース反応を待つ間、または運動前に何をすべきかを決定する際にガイダンスが必要になる場合がある。これらの状態遷移、または予測された状態遷移は、システムによって(例えば、モデルを使用して)特定され、ガイダンスを決定または配信する時間を決定するために使用されることができる。これらの状態遷移の例は、アクティブ→休息→運動→睡眠、または健康→病気→休息→疲労、または血糖コントロールの程度の変化(例えば、グルコースレベルの変化、インスリン感度の変化、インスリン投与量の変化)、または妊娠への遷移を含むことができる。いくつかの例では、生理学モデル112は、II型糖尿病患者などの病期状態も含む。II型糖尿病患者の病期状態の例は、前糖尿病段階、経口治療段階、および基礎インスリン治療段階を含むことができる。意思決定支援エンジンによって提供される洞察は、例えば、本明細書で説明するように、異なる病期のホストによって異なる場合がある。
【0354】
運動およびポテンシャルエネルギフローのモデリング
一例では、生理学モデル112は、食事、運動、グルコースおよびインスリン、ならびにコルチゾールおよびアドレナリンなどの他のホルモンの効果を含むことができる、人体におけるエネルギの流れを特徴付けることができる。エネルギ入力は、食事とスナック(時間、サイズ、およびタイプによって特徴付けられる)、および肝臓によるグルコース生成(例えば、身体が早朝にエネルギを放出する「夜明け効果」、または低血糖値に対抗するための肝臓によるエネルギの放出)を含むことができる。エネルギ出力は、運動などの活動によるエネルギ消費、筋肉または肝臓によるグリコーゲン置換、およびインスリンによって駆動されるグルコース取り込みを含むことができる。インスリン時間作用プロファイルは、基礎(例えば、安静)代謝と活動性代謝(例えば、活動/運動による)の別個の影響だけでなく考慮に入れることができる。モデル112は、ユーザ入力、測定(例えば、CGMパターンおよびフィットネストラッカーまたは加速度計)および推論、例えば、データからのパターンおよび関連の学習を使用して、被験者の生理学に合わせられてもよい。
【0355】
高レベルでは、生理学モデルは、エネルギ入力、エネルギ出力を追跡し、1つ以上の生理学状態を決定することができる。生理学モデルのこのエネルギ特性の態様を使用して、将来の血糖状態(例えば、高グルコースレベル、低グルコースレベル、上昇グルコース傾向、下降グルコース傾向)を予測することができる。生理学モデルはまた、行動モデルやガイダンスモジュール(意思決定支援アプリなど)と相互作用して、休息から運動へ、または健康から病気への遷移など、ユーザがコンテキスト固有のガイダンス(アドバイス、警告、警報など)を必要とする時期を決定することもできる。
【0356】
行動モデル
行動モデルは、行動、好み、スケジュール、およびユーザに関するその他の情報を反映することができる。再び図2Bを参照すると、行動モデルへの入力は、活動、ガイダンスへの関心のレベル、または場所に関するユーザインターフェースを介した入力などのユーザ入力を含むことができる。行動モデルへの入力は、コンピュータまたはスマートフォンのカレンダーアプリケーションから受信した利用可能性や活動情報などのカレンダー情報も含むことができる。入力はまた、時計またはフィットネスバンド上の加速度計などの活動センサからの情報などの活動を含むことができる。行動モデルへの入力はまた、位置(例えば、GPS)、時間(例えば、リアルタイムクロックから)、ユーザへの事前のガイダンス、および生理学状態も含む。追加の入力も可能である。
【0357】
行動モデルの状態は、カレンダーまたは推定スケジュールから、または患者または介護者のスケジュールの学習パターンから推定できる介入の利用可能性または利便性(例えば、利用可能/利用不可または便利/不都合)を含むことができる。利用可能性または利便性の状態は、位置情報またはカレンダー情報から推測できる、介護者の患者への近さも含むことができる。
【0358】
行動モデルの状態はまた、リスク許容度(例えば、介入の経験または介護者の介入の可能性に依存する可能性のある、低血糖値への傾向の快適さ)、ガイダンスへの関心、活動状態(例えば、運動中かどうか、カレンダーまたは活動センサから推論されることができる)、睡眠状態(例えば、活動センサ、カレンダー、または他の情報から推論される睡眠または休息または覚醒)、食欲(例えば、食事パターンから推論されることができる)を含むことができる。
【0359】
関与(または関与のレベル)はまた、行動モデルの状態として決定することもできる。例えば、関与要因は、時間、活動、およびサポートの種類(ユーザが要求した、コンテキスト生成、定期的な)の観点から、意思決定支援に対するユーザの応答を含むことができる。関与状態は、例えば、アクションを促す傾向のあるガイダンスのタイプ、ユーザが参加するアクションを含むことができ、これは、時間(例えば、9から5まで歩くことはできない)および活動(例えば、実行中に指を穿刺するような血糖試験はない)と相関関係がある場合がある。関与レベルの状態はまた、ユーザがガイダンスの受信またはフォローに従事している時間を反映することもできる(例えば、短い時間がガイダンスの無視を示唆している場合)。関与状態は、時刻や場所に応じてユーザと対話する適切なモードを学習するなど、活動またはスケジュールに関連付けることができるコミュニケーションのタイプも含むことができる。例えば、ユーザは、会議中の時計や電話のディスプレイメッセージ、車内の音声メッセージ、睡眠中の緊急度に基づく階層型メッセージを取得することができ、緊急メッセージには、音や振動が伴い、緊急度の低いメッセージは、ディスプレイまたは時計において静かに表示される。いくつかの例では、上記で適用された関与レベルのロジックとスキームはまた、介護者(スマート装置のデータフォロワなど)に適用されたり、介入の必要性を通知したり、患者や他の介護者が状況を知っているまたは管理していることを通知したりすることもできる。
【0360】
レベルの懸念状態また、行動モデルによって決定することができる。例えば、システムは、現在の生理学状態、治療決定の結果、または潜在的な将来の状態について懸念を引き起こす可能性のある状況を決定し、そのような状況の有無または可能性に基づいて懸念のレベルを決定することができる。例えば、患者がCGM値またはガイダンスを表示する方法、または情報を表示する装置、情報を表示する方法(時計や電話で、または全画面表示、またはより少ない情報を提供することができる通知画面のみとの対話など)は、懸念のレベルを示すことができる(より多くの情報を求めるか、あまり便利でない情報を探すことがより懸念を示す場合)。CGMデータまたはガイダンスがチェックまたは要求される頻度、またはユーザがチェックを停止する頻度もまた、懸念のレベルを示すことができる(頻度が高いほど、懸念が高いことを示す)。懸念のレベルを決定する際に考慮されることができる他の要因は、自己モニタリングされた血糖測定値(例えば、指プリックセンサの測定値)、意思決定支援の要求、およびそのような要求を取り巻く状況(例えば、レストランの食事と家庭料理)、インスリンの調整が行われたとき(基礎、食事、食後)、低血糖を避けるためのスナックまたは即効性炭水化物の消費、血糖値をモニタリングするか、データの更新に応答する介護者(例えば、データフォロワ)の存在または注意、または警報のパターンを含むことができる。いくつかの例では、懸念レベルまたは警報の好みは、図26に示す例示的なユーザインターフェース2602に示すように、モデルを介して学習されることができるか、実際のデータまたは仮想データに基づくユーザ入力によって設定されることができる。
【0361】
懸念レベルの状態は、ユーザが懸念している期間(例えば、時刻、食事後の期間、運動後の期間、または特定の曜日や月日、または例えば休日や学校のイベントなどのカレンダーのイベントから導出された時間)に基づくことができる。期間は、介護者(データのフォロワなど)にも適用できる。期間に関する懸念のレベルは、例えば、ユーザ入力から導き出されたり、ユーザの行動から学習されたりすることができる。懸念のレベルはまた、ユーザの目標を反映することもでき、例えば、警報と低音に関するユーザの懸念のレベル、または範囲内の時間の最大化に焦点を当てたもの、あるいはその双方である。
【0362】
行動モデルはまた、例えば、インスリン誘導状態(例えば、X単位のインスリンを送達するか、または基礎率を増減する)および炭水化物消費誘導状態(例えば、Xグラムの炭水化物を食べる)を含むことができる誘導状態を含むことができる。
【0363】
いくつかの例では、患者のためのガイダンスメッセージまたは他の情報の生成は、行動モデルの一部として(例えば、モデルからの出力状態として)行われることができる。説明を明確且つ単純にするために、ガイダンス生成について、以下に個別に説明する。
【0364】
測定モデル
測定モデルは、CGMセンサ測定などのセンサ測定に関する情報を提供することができる。測定モデルは、例えば、センサからのデータの正確さの指標を提供することができる。
【0365】
CGM測定モデルは、センサデータから生成されたグルコース値とパターンにコンテキストを追加することができる。モデルは、様々なデータ型を可能にすることができる。例えば、信頼限界は、データ値またはデータセットについて決定されることができる。信頼限界は、ユーザに提示されるか、他のモデルへの入力として提供されることができる。モデルは、例えば、使用日に調整する正確な境界(例えば、新たに埋め込まれたセンサとエージングセンサ、不正確になる可能性がある)、較正スケジュールの順守、高い変化率での遅延の影響(双方とも間質液中のグルコースレベルの動きの生理的遅れに起因する)、およびセンサが定期的に例えば5分ごとにしか測定を行わないことによるセンサの遅れを提供することができる。測定モデルはまた、血糖測定値とCGM測定値の整合性を、血糖測定値、CGM測定値、またはその双方の信頼性の指標としてモニタリングできる。同様の原理は、他のデータソースに適用され、精度、一貫性、または変動性を評価することができる。
【0366】
図2Bを参照すると、測定モデルは、ユーザ入力、センサデータ、および較正情報を入力として受信し、センサ精度(例えば、高、中、低)、センサデータの信頼性、またはセンサステータス(例えば、ウォームアップ/アクティブステータス、挿入からの時間または交換までの時間、またはセンサ接続)を決定することができる。測定モデル入力データの他のソースは、工場での較正またはユーザ介入以外の較正を可能にするように構成されたデータを含むことができる。
【0367】
ガイダンスのタイミングの決定
様々な例において、ガイダンス、およびガイダンスのタイミングは、状態モデルまたは他の入力に基づいて決定されることができる。例えば、ガイダンスは、1つ以上の生理学状態または行動状態、またはそれらの組み合わせから決定されることができる。ガイダンスの決定またはガイダンスの配信のタイミングは、生理学および行動状態から決定することもできる。いくつかの例では、ガイダンスおよびガイダンスのタイミングを決定するために、複数または多数の状態が使用されることができる。様々な例において、ガイダンス、およびガイダンスの配信のタイミングは、行動モデルによって、または行動モデルおよび生理学モデルからの状態などの状態情報を使用するガイダンスモジュールによって行われることができる。
【0368】
学習
いくつかの例では、システムは、システムが生理学または行動データを観察する「学習モード」に入ることができる。例えば、システムは、CGM値、血糖測定値、インスリン投与量、食事、活動、投薬、ストレスレベル、睡眠パターン、ホルモン周期、場所(GPSなどを介して)およびその他の情報を収集して、パターンが推定されることができる情報セットを構築することができる。システムは、例えば、一般的に使用される食事について、基礎用量、インスリン感度、インスリン対炭水化物比、インスリン作用期間、またはボーラスを決定することができる。一例において、炭水化物の摂取およびインスリン投与などの追跡因子を含むことができる、患者の関与と協働して、プロトコルが続いてもよい。結果として得られるグルコースレベルまたは傾向は、特に患者が新たに診断または治療された場合に、患者に対して決定されることができる。インスリン感度などのいくつかの要因は、1日を通して変化するため、いくつかの例では、プロトコルを1日の異なる時間に数回追跡して、所望のパラメータ(インスリン感度など)と時刻との相関関係を取得することができる。炭水化物対グルコース比はまた、例えば、患者のグルコースレベルが炭水化物1グラムあたりどれだけ増加するかを決定し、基礎となる基礎率を説明することによって決定することもできる。
【0369】
一例では、基礎試験の場合、ユーザは、BGが指定された範囲(例えば、80-250の間)である日を選択するように求められ、食事をスキップする計画を立て、食事を管理して、そのため前の食事が高脂肪または非常に高い炭水化物とならないようにし、血糖値に影響を与える可能性のある運動やその他のことを回避することができる。システムは、基礎試験を開始するためにユーザから入力を受信することができる。次に、システムは、最後の食事後の一定期間(例えば、3時間)の血中グルコース濃度レベルを評価することができる。血糖値が一定期間安定している場合、システムは、基礎率が正しいと宣言することができる。BGが増加または減少している期間がある場合、その期間に影響を与える基礎率は、血糖が期間全体で安定するまで、小さな安全な増分で変更されることができる。いくつかの例では、このプロセスは、完全な24時間(またはそれ以上、例えば1週間)が成功した基礎試験でカバーされるまで繰り返されることができる。
【0370】
血糖値が特定の範囲内にある場合、インスリン対炭水化物比試験のために、ユーザは、前回の食事から少なくとも指定された時間量(例えば、4時間)、運動、ストレス、または血糖値に影響を与える可能性のあるその他の影響を受けない時間で、血糖が指定された範囲(例えば、80-250の間)にある時間を選択するように求められ、既知の炭水化物含有量と中程度の血糖指数を有する特定の食事を食べることができる。いくつかの例では、システムは、ユーザに特定の食品を食べるように要求するか、栄養ラベル付きの食品を消費して確認するために写真を撮るようにユーザに要求することができる。炭水化物含有量は、自信を持って確立され、グルコース変動のその他の原因が最小限に抑えられるため、システムは、患者のICRを決定することができる。いくつかの例では、システムが正しいICRに調整できるように、プロセスを複数回実行することができる。これは、例えば、食事の内容が適切にカバーされるまで(すなわち、システムが望ましい範囲で安定したグルコースレベルを生成する適切なインスリン用量を特定するまで)、小さく安全な実行から実行の変更を行うことによって達成されることができる。
【0371】
他の例では、インスリン感度係数(ISF)を推定するために、ユーザは、最後の食事から指定された時間(例えば、4時間)の時間を選択し、運動やグルコースのレベルに影響を与えるその他の行動を避けるように求められることができる。次に、システムは、ユーザに補正ボーラスを摂取するように要求することができる。次に、システムは、グルコース反応をモニタリングし、反応を使用してインスリン感度因子を決定することができる。いくつかの例では、正しいISF値が決定されるまで、このプロセスを2回以上繰り返すことができる。
【0372】
いくつかの例では、ISFおよびICRおよびISFの正確な推定を可能にするために、基礎率が最初に決定される。いくつかの例では、意思決定支援システムは、患者の関与または協力を要求する代わりに、またはそれに加えて、基礎率、ISF、またはICRを決定するための適切な期間を決定することができる。
【0373】
システムは、様々な状態を統合し、状態の相互関係を学習することができる。例えば、システムは、運動の強度と持続時間、グルコースレベル、インスリン投与量を追跡し、運動がグルコース感度にどのように影響するかを学習することができる。決定されたグルコース感度は、ガイダンスとして提供されることができるか、または他の状態を決定するために、またはガイダンスを決定するためのアルゴリズムへの入力として使用されることができる。システムはまた、栄養データベースを参照または構築し、データベースを患者にリンクすることもできる(例えば、患者が特定の食事または食品の種類にどのように反応するかを追跡する)。システムはまた、例えば、インスリン感度の変化またはインスリン使用パターンを予測するために、インスリン感度およびインスリン使用のパターンを追跡することができる。システムはまた、血糖コントロールの最近の履歴を追跡することもでき、これは、将来の制御、またはインスリン感度に影響を与える可能性のあるユーザのストレス反応を予測するために使用されることができる(例えば、身体がストレスに反応してコルチゾールを放出し、身体のインスリン抵抗を構成する)。
【0374】
一例では、システムは、患者がいつ治療決定を行うか、および患者と介護者(例えばスマートフォンのデータフォロワ)が決定の結果をどのように追跡するかを学習することができる。次に、システムは、患者が同様の決定を行う可能性が高い時期、および決定を行うのに役立つ情報を予測し、ガイダンスとしてそのような情報を提供することができる。システムはまた、望ましい結果を予測し、確認通知(例えば、「よくやった!朝食後のピークは140mg/dLであり、現在は安定していて範囲内である」)を提供することができ、または望ましい結果が達成されていないことを認識することができる(「午前7時の3単位ボーラス後も220mg/dLであり、上昇している」)。
【0375】
いくつかの例では、システムは、関心のある状況またはパターン(例えば、食事、運動レジメン、または休日などの一般的な状況)を特定するか、またはユーザからそのような状況もしくはパターンの特定を受信し、より効果的な特定された状況に対するより正確なガイダンスまたはガイダンスのタイミングを作成することができる。例えば、システムは、ユーザ入力を要求することにより、または「実験」を監督して、より大量のデータまたはより正確なデータの収集を可能にすることにより、特定された状況に関する情報を取得することができる。追加のデータは、特定された状況のガイダンスまたはガイダンスのタイミングを改善するために使用されることができる。
【0376】
状態
いくつかの例では、ガイダンスの内容とタイミングは、状態によって決定されることができる。例えば、特定の条件を満たすグルコースレベルまたは傾向などの特定のグルコース状態の発生に応じて、炭水化物を消費するためのガイダンスを配信すると決定することができる。いくつかの例では、状態は、運動やグルコースなどのパラメータの組み合わせに基づくことができる。例えば、「低グルコース運動」状態は、条件を満たすグルコースレベル(例えば、閾値未満のグルコースレベル)および予測されている運動(例えば、パターンまたはカレンダーから)または検出されている運動(例えば、生理学センサまたは加速度計から)に対応することができる。いくつかの例では、モデルは、複数または多数の状態に基づいていてもよい。例えば、モデルは、グルコース状態、運動状態、健康/病気状態、睡眠/覚醒状態のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの例では、システムは、ガイダンスを決定するために、およびいつガイダンスを配信するかを決定するために、複数のモデルを組み合わせるかまたは使用することができる。
【0377】
いくつかの例では、状態遷移は、モデルを使用して検出され、患者へのガイダンスまたは通知を生成するために使用されることができる。いくつかの生理学状態の遷移(例えば、病気/健康)は、数日または数週間の期間にわたって発生する可能性があるが、その他は時間または分単位で発生する可能性がある(例えば、グルコースレベルまたは傾向)。いくつかの例では、状態遷移条件が満たされたときにガイダンスが配信されることができる。例えば、患者が低グルコースレベルに傾向があり、運動状態に遷移するか、すぐに運動する可能性が高いと決定された場合(例えば、パターンを使用して、または公園やジムの場所に基づいて)、ガイダンスは、一部の炭水化物の消費を与えることができる。いくつかの例では、状態遷移の組み合わせがガイダンスをトリガーすることができる(例えば、通常のグルコースから低グルコースへの遷移および座位から活動状態/運動状態への遷移)。
【0378】
状態遷移の確率は、ガイダンス、またはガイダンスを配信するかどうか、いつ配信するかを決定するために使用できる。例えば、望ましくない状態への遷移の確率が検出されたときに、ガイダンスが決定され、配信されてもよい。いくつかの例では、ガイダンスは、例えば、利用可能性状態または懸念レベルの状態が指定された条件を満たす場合など、1つ以上の追加の条件が満たされた場合にのみ決定されて配信されることができる。
【0379】
いくつかの例では、システムは、状態条件の指定された組み合わせが満たされたとき、または状態遷移の指定された組み合わせが発生したとき、または発生する可能性が高いと計算されたときにガイダンスを配信することができる。例えば、グルコース状態と運動状態の双方が指定された条件を満たすときにガイダンスが配信されることができ、例えば、低グルコース状態が存在するか可能性が高く、患者が運動しようとしているとき、または運動を終えたときにガイダンスが配信されることができる。いくつかの例では、システムは、ホストの婚約状態などの状態条件に基づいて洞察またはガイダンスを提供するためのメッセージング頻度を決定する。
【0380】
いくつかの例では、システムは、状況の重大度、懸念のレベル、および関与のレベルに基づいてガイダンスを調整することができる。例えば、ガイダンスを差し控えるか、ガイダンスを配信するかの決定は、特定の時点での行動モデルの懸念状態レベルまたは関与状態レベルに部分的に基づいて決定されてもよい。懸念のレベルまたは関与のレベルが比較的低い場合、ガイダンスの配信は、ユーザがより空いている時間、またはユーザにとってより都合のよい時間まで延期されてもよい。懸念のレベルや関与状態のレベルが高い状況では、不都合な場合でもガイダンスが配信されることができる。例えば、ユーザが会議に参加している場合でも、緊急事態に関するガイダンスは配信されることができるが、比較的日常的な(例えば、懸念/関与が低い)問題に関するガイダンスは、会議後まで延期されることができる。このようにして、低レベルの関与を示す関与状態を有するホストに配信される洞察および/またはガイダンスのメッセージング頻度を減らすことができる。これは、関与の低い状態のホストがガイダンスに圧倒されるのを防ぐことができる。ホストの関与のレベルが変化すると、ガイダンスの頻度も変化することができる。例えば、ホストは、より高いレベルの関与を示す関与状態に到達するなど、関与を高めることにより、初期の低頻度ガイダンスに応答することができる。これが発生した場合、その頻度は高くすることができる。例えば、ガイダンスの配信は、ホストが関与のレベルが低いことを示す関与状態にあるときよりも短い時間で延期されなくてもよい、および/または延期されてもよい。ホストの関与状態が変化して関与のレベルが低くなることを示すと、ガイダンスの配信頻度を減らすことができる。
【0381】
ガイダンスの例
様々な例において、ガイダンスは、少なくとも部分的に時間に基づいて決定される。例えば、ガイダンスの決定は、クロック時間、または時刻(例えば、朝、午後、夕方、夜などのゾーン)に基づくことができる。インスリン感度は、時間の重複するいくつかの機能に基づいて変化する傾向がある。例えば、糖尿病患者は、朝に体から分泌される他のホルモンなどの要因により、朝のインスリン抵抗性が高くなる傾向がある。ガイダンスの決定は、時間的に変化するインスリン感度を説明するために、少なくとも部分的に時刻に基づくことができる。ガイダンスの決定はまた、運動ルーチン、毎日の食習慣、食事スケジュールなど、患者の行動に基づいて時間とともに変化することもできる。他の生理学パラメータ(例えば、ストレス、アルコール消費、熱暴露、スポーツ競技などのアドレナリン誘発イベント)も時間に依存することができる。
【0382】
様々な例において、決定されたガイダンスは、特定の状況(例えば、検出または予測された低血糖イベントまたは高血糖エクスカーション)にどのように対応するかに関するガイダンス、または治療または行動に関するより一般的なガイダンス(例えば、特定の食事(例えば、昼食)についてのインスリンの炭水化物に対する変化率または特定の時間枠で運動をするため(例えば、「朝食後、速く歩くことでインスリン感度を高めることを検討する」)を含むことができる。
【0383】
いくつかの例では、生理学モデルまたは行動モデルから決定された情報を使用して、一般的なパターンへの代替アプローチを提案することができる。例えば、システムは、ユーザが特定の状況、例えば特定の時間または特定の食事の後に過大補正または過小補正する傾向があると決定することができ、システムが補正エラーに関連するパターンを検出するとガイダンスが提供されることができる。いくつかの場合には、システムは、代替療法のアプローチで何が起こるかをシミュレーションしたり、履歴的なアプローチを比較したりすることができる。例えば、過大補正または過小補正が発生した後のガイダンスとして、代替アプローチを提供することができる。他の例では、提案された行動に対して予測傾向を提示することができる。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースを介して、提案されたインスリン投与量またはスナックまたは食事を入力することができ、システムは、予測傾向を表示することができる。図27Aに示される例では、ユーザには、炭水化物量の選択を可能にすることができるスクロールダイヤル2704を含むユーザインターフェース2702が提示されることができ、システムは、選択された量の炭水化物を含むスナックからの可能性のある結果を示す予測傾向2706を提示することができる。他の例では、図27Bに示すように、ユーザは、提案された炭水化物値、提案されたインスリン投与量を入力することができ、システムは、3つの曲線を示すユーザインターフェース2720を提示することができ、1つの曲線2708は、炭水化物が摂取されるがインスリンが投与されない場合のシナリオであり、1つの曲線2710は、インスリンが投与されるが炭水化物が摂取されないシナリオであり、推定グルコース値曲線2712は、グルコースおよびインスリンの双方が投与される場合である。いくつかの例では、図27Aに示されるダイヤルは、図27Bに示されるユーザインターフェース2720上に設けられることができる。予測インスリン傾向は、線として示されているが、他の例では、確率コーンが線の代わりに示されてもよい。
【0384】
いくつかの例では、システムは、夜間の準備レベルのガイダンスを提供して、夜間にユーザが低グルコースレベルになる傾向がなく、夜間の警告を減らし、夜間の低血糖イベントを減らし、夜間にユーザに快適さを提供することができる。状態または状態遷移に関して長い範囲(例えば、6-10時間)または信頼性の高い予測を開発するために、システムは、患者やセンサからより多くの情報を取得するか、追加の処理を実行して、食事をしたりまたはインスリンを送達したりするために中断することなく、ガイダンスが一晩の睡眠を可能にする可能性を高めることができる。夜間の準備機能は、例えば、寝る前に炭水化物を摂取するかまたはインスリンを投与するように、寝る前に行動を起こすためのガイダンスを提供することができる。
【0385】
いくつかの例では、システムは、臨床監督プラットフォームとデータを交換することができる。システムは、センサデータ、患者データ、または処方情報または投薬情報を臨床監督プラットフォームに提供、受信、または交換することができる。いくつかの例では、ガイダンスは、ガイダンスが患者に送達される前に、臨床監督プラットフォームに対して(例えば、人間の臨床医またはアルゴリズムによって)チェックされることができる。いくつかの例では、ガイダンス、および必要に応じて結果として得られる血糖曲線などのデータも、患者への配信後に臨床監督プラットフォームに提供されることができ、インスリンの種類、投与量、タイミングの変更など、臨床医からの調整またはフィードバックを可能にするか、または将来のガイダンスの形成または最適化を可能にする。
【0386】
いくつかの例では、意思決定支援システムは、全体的なガイダンスまたはフィードバックを提供するように構成されることができる糖尿病管理監督者を含むことができる。糖尿病管理監督者は、例えば、全体的に糖尿病管理を定量化することができる。これは、指定された条件、基準、または指定された血糖範囲内の時間の測定(例えば、パーセント)などの基準に対して測定された推定血糖値の制御の有効性の測定基準を含むことができる。
【0387】
治療パラメータ
意思決定支援システムはまた、治療パラメータに関するガイダンスも提供することができる。例えば、システムは、基礎率、ICR、ISF、またはIOBの変更が必要な場合を特定することができる。システムはまた、例えば、必要な変更のタイプまたは量が指定された測定基準(信頼水準など)内で特定できない場合に、試験を要求することもできる。実世界のデータは、治療パラメータの決定に以下の課題をもたらす可能性がある:理論的には、基礎率が正しく、ISFが既知である(または他の治療パラメータと既知の関係があると想定される)場合、ボーラスは、許容可能な精度で決定されることができる。同様に、ICRとISFが正しく、炭水化物の推定値が(少なくとも平均して)正確であると想定されている場合、基礎率は、許容範囲内で微調整されることができる。しかしながら、実際の条件は、不確実性、複雑さ、重複する要素で満たされている可能性があり、全てのパラメータにエラーが存在する可能性があるため、上述した理想的なシナリオはまれであるか、認識が困難になる。この体系的な複雑さに対処するために、意思決定支援システムは、収集されたデータから不適切な特定の基礎率、ICR、ISF、またはインスリンオンボード期間を学習または検出するモデルまたはアルゴリズムを含むことができる。いくつかの例では、パラメータは、数日または数週間のデータから遡及的に決定することができ、決定されたパラメータは、追加のデータが収集されるときに精度について評価することができる。意思決定支援システムは、ガイダンスを生成し、ガイダンスを配信するための時間を計算するために、モデルまたはアルゴリズムと学習されたパラメータまたは過去のデータをリアルタイムまたは最近のデータと組み合わせて使用することもできる。
【0388】
一例では、複数の重複する影響があるノイズの多いデータでは、食事後(すなわち、食品と基礎投与量の減少の影響後)に指定された時間(例えば、4時間)以上の繰り返しの低いまたは高い1つ以上のパターンを特定することにより、不適切な基礎率を特定することができる。同様に、不適切なICRは、繰り返される低/高が、(基礎率が正しいことを示唆する)同じ食事の後に指定された第2の時間(例えば、4時間)よりも長く発生しなかったインシデントにおいて、食事後(食品および基礎インスリンがまだアクティブな間)に指定された時間(例えば、2-4時間)の低または高グルコースレベルの繰り返しを特定することによって特定されることができる。
【0389】
意思決定支援システムは、低または高グルコースレベルが異なる量の炭水化物、補正係数、または初期グルコースレベルで発生するかどうかを考慮することができる。一例において、グルコースレベルが食前の範囲内(例えば、オンボードの補正ボーラスなし)であるが、食事後に範囲外である場合、エラーは、おそらく不適切なICRに起因する可能性がある。いくつかの例では、異なる特性を持つ食事のグルコース傾向を比較して、ICRにおいて検出された不正確さを検証または改善することができる。例えば、低い傾向にあるグルコースレベルのパターンの収集により、炭水化物の数が多いほど、グルコースレベルの傾向が速くなるか、またはグルコースレベルが低くなることが明らかになった場合、ICRが高すぎる可能性が高いと推測されることができる(すなわち、ICRが高いために過大なインスリンが送達され、高ICRの影響が炭水化物の量が増えると増幅され、低グルコース傾向が速くなったり、グルコースレベルが低下したりする)。同様に、傾向が高いグルコースレベルのパターンの収集により、炭水化物数が多いほど、グルコースレベルが速くなるか、または高くなることが明らかになった場合、高グルコースの傾向は、低すぎるICRに起因する可能性が高いと推測されることができる(すなわち、十分なインスリンが送達されないため、グルコースレベルが高くなり、炭水化物の数が増えると影響が増幅される)。
【0390】
インスリン感度因子
他の例では、意思決定支援システムは、インスリン感度に関するガイダンスを提供することができる。例えば、システムは、インスリン感度またはインスリン感度の変化または傾向を追跡および報告することができる。意思決定支援システムはまた、障害検出(以下にさらに説明される)も提供することができ、問題が治療パラメータまたはシステム障害(例えば、インスリン感度の問題をハードウェア障害の問題と区別するため)によって引き起こされるかどうかを決定するのにユーザを支援することができる。インスリン感度に関するガイダンスは、患者がインスリン感度の変化を受けたときに特に有用とすることができる。例えば、「正常な」状態の間、患者の糖尿病は、例えば、基礎率、ICR、ISF、およびインスリン時間作用などの「治療」パラメータを推定および使用することにより、十分に制御されることができる。しかしながら、ストレス、病気、運動活動の変化、ホルモンサイクルなどは、インスリン感度の変化を引き起こすことができ、体内のインスリンの影響を変化させ、また、「治療」パラメータ(ICR、ISFなど)の多くまたは全てに影響を与えることもあり、これは、患者のグルコースレベルに劇的な影響を与える可能性がある。一例では、複数の重複する影響があるノイズの多いデータでは、意思決定支援システムは、検出された基礎エラーまたは検出されたICRエラーがない状態で、補正ボーラス後の指定された時間(例えば、2-4時間)の低または高のインスタンスの発生に基づいて、不適切なISFを特定することができる。例えば、システムは、食事エラーに応答しない補正ボーラスの後で、グルコースレベルが低い(または高い)パターンから誤ったISFを特定することができる。他の例では、補正ボーラスを使用した食事後にグルコースレベルが低い(または高い)場合に、補正ボーラスを使用しない食事後にグルコース変動が存在しない場合、システムは、誤ったISFに起因する可能性が高いと決定することができる。
【0391】
インスリン感度の変化を検出するために、意思決定支援システムは、(遡及的データを使用して)リアルタイムでグルコースパターンの変化を特定できるモデルまたはアルゴリズムを使用することができる。いくつかの例において、意思決定支援システムは、モデルまたはアルゴリズムを使用して、グルコースパターンの異なるタイプの変化(例えば、インスリン感度、インスリン送達の問題、センサの問題など)を区別することができる。インスリン感度の変化については、意思決定支援システムは、全ての「治療」パラメータに対する適切な割合の変化を提案することができる。システムは、インスリン感度がベースラインに戻る時期を特定し、パラメータをベースラインに戻すことを提案することができる。システムは、例えば、ストレスによって引き起こされる正常なISFおよび変化したISFなどの正常な状態と異常な状態、または正常なインスリン注入状態と異常な注入状態とを区別することができる。いくつかの例では、システムは、様々なデータソースを使用して変更を検出し(センサのグルコース測定値、センサの生データ、フィンガースティックデータ、インスリン、炭水化物、ポンプの閉塞警報のパラメータ、輸液セットの最終変更日)、データ内の認識されたパターンに基づいてガイダンスを提供することができる。
【0392】
障害検出
さらに、インスリン送達の問題(例えば、注入部位の問題)やセンサの問題などのシステムの「障害」は、グルコースパターンに予期しない変化を引き起こす可能性がある。意思決定支援システムは、グルコースまたは他のデータのパターンに基づくモデルまたはアルゴリズムを使用して、障害を特定することができる。このような障害状態の開始と終了を特定すると、患者とその医師が適切な措置を講じるのに役立つことができ、グルコースレベルを許容範囲内に保ち、グルコース制御の問題を引き起こしている認識されないシステム障害が発生した場合の血糖変動に対処するために他の要因(ISFなど)の変更を回避することができる。
【0393】
いくつかの例では、意思決定支援システムは、ICR、基礎率、またはISFに確実に起因することがなく、基礎、ICR、またはISFの「試験」を促すことができない、繰り返される低値、高値、または範囲外の値のインスタンスを特定し、パラメータ設定の問題をより正確に推定できるように、重複する影響が少ない追加のデータを提供することができる。
【0394】
インスリンポンプの基礎率の設定
いくつかの例では、意思決定支援システムは、インスリンポンプの基礎率の設定と微調整を支援することができる。基礎率は、1日を通して大幅に異なることがある。例えば、比較的高い基礎率が早朝に必要になる場合があり、低い基礎率が午後に必要になることがある。一部のインスリンポンプは、30分ごとに異なる基礎率を設定できるため、1日あたり48の基礎率パラメータが可能である。これらのパラメータの初期設定は、非常に時間がかかる可能性があり、最初の投与に多くの不確実性があり得る。適切な基礎率がなければ、ICRおよびISFパラメータを推定し、これらのパラメータを遡及的に学習することは非常に困難である。連続した測定値は、異なる基礎率が必要な正確な時間を特定するのに役立つことができるため、CGMデータは、基礎率のパラメータを微調整する際に特に役立つことができる。いくつかの例では、システムは、CGMデータまたは血糖値のパターンを使用して基礎率調整を決定することができる。
【0395】
様々な例において、意思決定支援システムは、CGMデータを他のデータと組み合わせて、ボーラス率を決定または精緻化することができる。例えば、意思決定支援システムは、夜間、または他の要因がセンサまたは行動データから決定されたグルコースレベルに影響を与えていない期間にCGMセンサから受信した推定グルコースレベルを評価して、1つ以上の基礎率の調整に関するガイダンスを決定することができる。基礎率調整の問題は、食事や身体活動によって複雑にならないため、夜間の決定は、より正確であるか、より簡単に決定されることができる。いくつかの例では、意思決定支援システムは、グルコースレベルに影響を与える可能性のある変数の数を制限する(例えば、運動、ストレス、および炭水化物の消費を制限または調整する)検査プロトコルを介して患者を導き、基礎率の正確な決定を可能にする。
【0396】
複数回の毎日の注射
いくつかの例では、意思決定支援システムは、毎日複数回のインスリン注射のガイダンスを決定することができる。身体のインスリン必要量は、日中に大きく変動する可能性がある。例えば、肝臓のグルコースの分泌(例えば、膵臓によるグルカゴン分泌)に影響を与えるホルモンの分泌、およびインスリン抵抗性を増加させる(インスリン感度を低下させる)ホルモンの分泌は、インスリン必要量の変動を引き起こすことがある。例えば、夜明け現象と称されるパターンは、朝のインスリン値を上昇させる傾向がある。これは、例えば、血糖値を上昇させる成長ホルモンやその他のホルモンの分泌、食事の問題、または夜間の低血糖に対する身体の反応(ソモギ効果)によって引き起こされることができる。これらの影響は、どの患者にも存在することができるが、インスリンを注入することができる1日の回数には限りがあり、送達できる用量のサイズには実際的な下限があるため、インスリンの1日複数回の注射(MDI)を使用する患者では特に困難な問題が生じる可能性がある。
【0397】
意思決定支援システムは、インスリン注射のサイズ、タイプ、およびタイミングに関するガイダンスを(患者または臨床医に)提供することができる。毎日複数回のインスリン注射(MDI)を使用する患者は、1日以上の長時間または中間作用型インスリン注射を使用して、バックグラウンドでインスリンを24時間提供することができる。中間または長時間作用型インスリンのタイミングと投与量は、インスリンの種類および用量の大きさに応じて変化する可能性のあるインスリンの作用(インスリンが作用を開始する速さ)、ピーク、および作用時間によって異なる。長時間作用型インスリン(インスリングラルギンやインスリン測定値など)は、比較的変動のないインスリンの流れと一貫した吸収パターンを提供することができる。中間作用型インスリンは、ピークおよび中間の作用持続時間を提供することができ、インスリン要求のパターンに対処するのに役立つことができる。例えば、NPHインスリンは、24時間までバックグラウンドインスリンを提供できる中間作用型インスリンであるが、注射後4から8時間でははるかに効果的であり(すなわち、より多くのインスリンが血流に存在する)、注射後16から24時間では効果が低い。
【0398】
NPHなどの中間作用型インスリンは、夜明け現象に対抗するのに役立つことができる。NPHの送達のタイミングを調整して、そのピーク時の動作をピーク時の基礎的なニーズに一致させることが重要である。さらに、中間作用型インスリンを使用する場合は、特定の時間に食事をするか、食事のスケジュールに合わせて、特定の時間(例えば、インスリン作用がピークに達するとき)の低値を回避することが重要であり得る。一部のインスリンは、日によって吸収速度が異なる場合や、予測できないピークが発生することがあるため、グルコースレベルの管理は、さらに複雑になる可能性がある。
【0399】
様々な形の長時間作用型インスリンまたは中間作用型インスリンを組み合わせて、身体の基礎インスリン分泌パターンをシミュレートすることができる(糖尿病が存在しない場合など)。例えば、身体の基礎的要件によりよく一致するように低用量で、夜間にNPHと毎日1回グラルギンまたはデテミルを組み合わせることが有用であり得る。しかしながら、中間型または長時間作用型インスリンまたはその組み合わせによって提供されるインスリンのカバレッジは、多くの場合、身体の基礎インスリンニーズに適切に適合しないため、インスリン送達と食事の微調整と慎重なタイミングが重要であり得る。日々の変動に対応することも重要であり得る。
【0400】
意思決定支援システムは、認識されたパターン(例えば、夜明け現象)に対処するためのインスリン投与とタイミングを決定する際のガイダンスを提供することができる。システムはまた、日々の変動に対応する際のガイダンスも提供することができる。例えば、意思決定支援システムは、遡及的データから、複数回の毎日の注射レジメンが人の基礎インスリンニーズを適切に満たしていないことを示唆する1つ以上のパターンを検出することができる。この情報は、患者に提供されてもよく、投与量またはレジメンの変更を勧める臨床医に提供されてもよく、インスリンの異なるタイプまたはブランドを処方してもよい。いくつかの例では、意思決定支援システムは、患者と臨床医との間のコミュニケーションツールとして動作し、臨床医がインスリンとグルコースのパターンをよりよく理解することを可能にすることができる(例えば、システムは、朝食が遅い傾向がある週末の朝に患者が低いと感じるガイダンスを提供することができる)。
【0401】
いくつかの例では、意思決定支援システムは、中間および長時間作用型インスリン吸収率と基礎インスリン必要量との間のミスマッチを特定するためのツールを提供することができる。例えば、ミスマッチは、高または低グルコースレベルのパターンから決定されることができる。いくつかの例では、意思決定支援システムは、ノイズの多いデータからパターンを識別することができるように、運動や摂食などの他の要因を考慮に入れることができる。いくつかの例では、意思決定支援システムは、基礎的ニーズの不適切なカバレッジによって引き起こされる低血糖症または高血糖症などの繰り返し発生するイベントを特定し、可能な解決策に関するガイダンスを提供することができる(例えば、特定の時間帯に食事をするか、投与量または注射タイミングの変更を検討する)。
【0402】
いくつかの例では、意思決定支援システムは、夜明け現象やソモギ現象などの特定の関心のある現象を特定することができる。いくつかの例では、意思決定支援システムは、補正を提案するか、医師への問い合わせを提案することができる。例えば、ソモギ現象は、基礎インスリン投与量を下げることで対処することができ、夜明け現象は、朝にピークを迎えるNPHインスリンを使用するか、午前中に速効型インスリンを使用することで対処することができる。
【0403】
いくつかの例では、意思決定支援システムは、MDI療法の任意の組み合わせによって基礎的ニーズが適切に満たされていない場合を特定することができる。いくつかの例では、意思決定支援システムは、基礎療法の成功の指標を提供することができる。意思決定支援システムは、例えば、睡眠中に安定した血糖値が達成されているかどうかを評価することができる(例えば、患者が食事をしなかった、速効型インスリンを摂取した、または睡眠の少し前に運動した場合など、複雑な要因が存在しない場合を想定すると、例えば、30mg/dl以下の変化)。
【0404】
意思決定支援システムはまた、1回の基礎注射では不十分な場合(グルコースレベルと注射の時間に基づいて)を決定し、追加の注射(例えば、インスリン作用の「2波」パターンを実現するために基礎インスリンを1日2回注射する)または他のタイプのインスリンの導入(例えば、中間作用型インスリンを追加する)を検討する(例えば、臨床医に問い合わせる)ように、ガイダンスを決定することができる。意思決定支援システムには、基礎試験機能(例えば、スマート装置で動作可能なアプリケーション)を含むことができ、基礎試験が必要であるかまたは推奨されるべき時期を特定することができる。基礎試験は、例えば、基礎的な基礎的必要性を明らかにするために、相対的な非活動期間および断食または非常に予測可能または制御された食事の期間を含むことができる。いくつかの例では、システムはまた、例えば、基礎注射の組み合わせ、または食事と組み合わせた注射、または運動など、行動によって基礎要件をどのように一致させることができるかに関するガイダンスを決定することもできる。
【0405】
将来の血糖値の予測
いくつかの例では、意思決定支援システムは、指定された期間(例えば、30分、数時間、または6時間)の血糖値を事前に予測することができる。血糖値の予測は、例えば、食事情報(例えば、消費量、消費時間、炭水化物および脂肪またはタンパク質含有量、吸収率(速い、中程度、遅い炭水化物)、食品推定値の信頼性)、ボーラス情報(時間、インスリン作用、およびボーラスタイプ(通常またはデュアル波)、基礎率、運動、CGMデータ、血糖値(例えば、フィンガースティックデータ)、アルコール消費量、ストレス要因(例えば、行動またはカレンダーに基づく)、または時刻に基づくことができる。
【0406】
意思決定支援システムは、血糖値をリアルタイムで予測して、潜在的な低血糖または高血糖のイベントが発生する前に事前に通知することができる。予測されたグルコースレベルは、例えば、ユーザへの警告または警報を生成するために使用されてもよい。予測されたグルコースレベルはまた、高血糖イベントが発生する前、または患者が高グルコースレベルのためにインスリン抵抗性になる前に、補正ボーラスを提供するための早期ガイダンスを提供するためにも使用することができる。
【0407】
意思決定支援システムはまた、予測グルコースレベルを遡及的または仮説的に決定して、治療パラメータまたはモデルパラメータを評価することができる(モデルパラメータが安定していることを確認する)。いくつかの例では、システムは、予測値を実際の値と比較して、モデルパラメータを評価することができる。
【0408】
いくつかの例では、システムは、モデルへの信頼度が高い場合(例えば、モデルパラメータが検証または精度について評価されている場合)、モデルを使用して、シナリオと予測結果を試験し、インスリン対炭水化物比やインスリン感度係数などの治療パラメータの調整を患者または臨床医が検討すべきかどうかを評価することができる。例えば、システムは、モデルに対して様々な「試験」を実行することができ、これは、患者が実際に実行するのに負担または時間のかかる作業であり(食品、活動、またはインスリンの送達を厳密に制御する必要があるため)、ガイダンスまたはガイダンスのタイミングを決定し、または患者が実際に実行する1つ以上の試験を選択するために試験の結果を使用することができる(例えば、ガイダンス「インスリンと炭水化物の比率は正しくない可能性がある:次の食事に試験を行ってください」または「基礎率が正しくない可能性がある:できるだけ早く空腹時基礎試験を行ってください」を配信する)。一例では、食事が摂取されなかった場合、システムは(モデルにしたがって)何が起こるかを決定することができる。予測血糖値が上がると、より高い基礎率が必要になる場合があり、予測血糖値が下がる場合は、より低い基礎率が必要になる場合がある。他の例では、基礎率が正しいと想定されている場合、システムは、食事が摂取された場合に何が起こるかを決定することができる:予測された血糖値が食事後の指定された時間(例えば、4時間)後に目標のグルコースレベルに戻った場合、ICRは正しいと見なすことができる。そうでない場合、ICRは、調整を必要とすることができる(例えば、基礎となる基礎率が正しいと想定される場合、食事後4時間を超える高グルコースレベルは、ICRが低すぎることを示唆している)。他の例では、システムは、基礎率が正しいと仮定して、指定された量(例えば、1単位)のインスリンが与えられた場合に何が起こるかを決定することができ、システムは、この情報を使用してインスリン感度因子の更新を提案することができる。他の例では、システムは、通常の吸収食および正しい基礎率を想定することができ、システムは、予測されるグルコースレベルが安定値にいつ到達するかを決定し、これを使用して、インスリンオンボードの持続時間を決定することができる。いくつかの例では、意思決定支援システムは、モデルを使用して、繰り返される低または高グルコースレベルを予測することができる(例えば、経時的に観察されるパターンに基づいて、時間を使用する)。いくつかの例では、意思決定支援システムは、モデルを使用して、ソモギ現象または夜明け現象を特定することができる。
【0409】
ボーラスの決定
意思決定支援システムは、インスリンボーラスの送達のためのガイダンスを開発することができる。例えば、システムはまた、モデルまたは曲線ベースの補正ボーラス計算機を含むことができる。システムは、食事の内容やインスリン投与量および期間などの要素に基づいて、例えば、ピーク時間、炭水化物に依存するピークの高さ、および曲線の「幅」などの曲線推定パラメータを含む、個人固有の食事後の曲線を推定することができる。いくつかの例では、意思決定支援システムは、最初に学習期間を経て、曲線を推定するためのデータを収集することができる。意思決定支援システムは、リアルタイムで曲線推定を使用して、食事曲線推定からの逸脱を予測することができる。予測された曲線からの逸脱は、低血糖イベントを予測して回避するために、または潜在的な高血糖の変動を予測して治療するために使用することができる。いくつかの例では、2つ以上の推定曲線を組み合わせて、食事の重複を説明することができる。運動やその他の要因によって引き起こされた逸脱を考慮に入れて補正することもできる。いくつかの例では、同様のアプローチを血糖予測モデルに適用することができ、ガイダンスは、曲線からの逸脱ではなく、モデルからの逸脱に基づいている。例えば、モデルによって期待される出力からの逸脱は、入力パラメータ(例えば、食事のサイズ)が正しくなかったこと、および適切な補正(例えば、食事のサイズの再推定または補正ボーラスの送達)が必要であることを示すことができる。検出された逸脱は、ガイダンスとして提供されてもよく、または追加的にまたは代替的に、改善ステップ(例えば、食事サイズの再推定または補正ボーラスの送達)がガイダンスとして提案されてもよい。
【0410】
運動
運動は、血糖値にすぐに(例えば、ほぼすぐに)影響を与える可能性があり、運動が完了してから最大48時間は血糖値に影響を与える可能性がある。意思決定支援システムは、運動前、運動中、または運動後に何をすべきかについての推奨を提供することができる。例えば、意思決定支援システムは、運動の効果を説明するための治療パラメータに関するガイダンスを提供することができる。意思決定支援システムは、運動の推奨事項を遡及的に学習および改善することもできる。一例では、システムは、実行される運動のタイプ、運動の強度、および運動の継続時間を含むことができる運動計画をユーザ(例えば、患者)から受信することができ、システムは、受信した運動計画に基づいてガイダンスを作成して配信することができる。一例では、システムは、患者が特定のサイズのスナックを必要とするであろうというガイダンスを提供することができる。運動が少なくとも1時間前に事前に計画されている(例えば、意思決定支援システムに伝達されている)場合、システムは、運動の影響を説明するための一時的な基礎率を提案することができる。システムはまた、運動が1時間以上続く(または行われる)場合、一時的な基礎変化の可能性を提案することができる。運動は、血中グルコースを増加させる(例えば、グリコーゲンの放出を引き起こすアドレナリン分泌のため)か、または(活動のため)血中グルコースを減少させる可能性があるため、システムは、運動のタイプ(例えば、競争対トレーニング)を考慮することができる。いくつかの例では、CGMまたは他のセンサを使用して運動の効果をモニタリングし、時間の経過とともにガイダンスと結果を改善するために、治療戦略の変更を「ケース」ごとに学習することができる(例えば、激しい朝のランニングと午後のゆったりとしたサイクリング)。
【0411】
いくつかの例では、システムは、様々な種類の運動、強度、持続時間、および開始時間に最適な一時的な基礎パーセンテージを特定し、この知識を反映するガイダンスを配信することができる。システムはまた、様々な種類の運動、強度、持続時間、および開始時間に最適な食事内容(例えば、炭水化物の量と種類、または脂肪含有量)を特定することもできる。いくつかの例では、システムはまた、ボーラス計算機に入力するためのパーセント活動調整を決定することができる。
【0412】
例示的なタイムライン
図3Aは、患者に関連する例示的なタイムライン300の図である。患者は、ある期間活動を行った後、食事が続き、インスリンが送達されたと想定される。食事の後、患者は一定期間利用可能であり、続いて会議があり、次に他の利用可能期間があり、その後他の会議が続く。意思決定支援エンジンは、ガイダンスをいつ配信するか、どのガイダンスを配信するかを決定する際に、患者のスケジュールを考慮に入れることができる。例えば、患者のカレンダーへのアクセスを通じて、またはデータからの患者の時間的パターンの学習を通じて、意思決定支援エンジンは、食事後および会議前に利用可能な期間を認識し、それに応じてこの利用可能期間中にガイダンスを配信することができる。ガイダンスは、今度の会議と会議の長さを考慮に入れて、会議中の中断を回避するために計算されるガイダンスを決定することもできる。例えば、意思決定支援エンジンは、会議中に発生する低グルコースレベルのリスクを管理しながら、インスリンを制御するのに十分な大きさの補正ボーラスを提案することができる。他の例では、意思決定支援エンジンは、会議を通じてグルコースレベルを維持するために、会議前のスナックを提案することができる。いくつかの例では、意思決定支援エンジンは、インスリンを管理するよりも会議中に小さなスナックを消費する方が簡単であることが(例えば、ユーザ指定の設定を通じて)わかっている場合(例えば、患者が針またはペンを使用してインスリンを注射する場合)、グルコースレベルを低くドリフトさせることを許可する側にエラーを起こすことがある。一方、スナックを消費するよりもインスリンを投与する方が簡単であることがわかっている場合(例えば、ユーザがポンプを介してインスリンを受ける場合)、ガイダンスは、高グルコース傾向の側でエラーと決定されることがある。
【0413】
図3Bは、介護者(例えば、親)(上図)および小児患者(下図)の例示的なスケジュールの図である。一例では、意思決定支援エンジンは、カレンダー情報、ユーザ入力、センサ情報(例えば、GPS)、または学習パターンから、介護者の利用可能期間、および介護者がいないか利用不可能な期間を認識することができる。意思決定支援エンジンは、介護者が対応できない場合に、安定したグルコースレベルの可能性を高めるためのガイダンスを決定することができる。意思決定支援エンジンはまた、介護者の利用可能性に基づいてガイダンスを配信する時間を決定することもでき、例えば、バスケットボールゲームの早い段階での利用可能期間中のガイダンスを提供し、または(可能な場合)ゲームの終わりにおける利用可能期間までのガイダンスを延期することができる。
【0414】
図3Cは、患者の覚醒/睡眠状態の図である。意思決定支援エンジンは、例えば、活動または時計の他のセンサ、フィットネストラッカー、またはその他のウェアラブルまたは患者認識装置を使用して決定することができるように、患者が起きているとき、例えば、睡眠前、または夜間の覚醒時間中にガイダンスを配信する時間を決定することができる。
【0415】
図3Dは、他の状態に基づいて、患者が介入に参加するための利用可能性(または利便性)を決定する図である。最初は、患者は寝ており、利用不可能である。睡眠が終了すると、患者は、通勤が始まるまで(スケジュール情報、GPS、または車両内の無線接続を介した接続によって決定されるように)利用可能である。通勤が終了すると、患者は、会議が始まるまで利用可能である。会議が終了すると、患者は、再び利用可能になる。
ガイダンスのタイミングの決定
【0416】
図4は、ガイダンス決定の概略図である。ガイダンス決定モジュール402は、入力404を受信し、ガイダンスに関する1つ以上の出力404を決定することができる。決定モジュール402は、入力404が適用されるモデルまたはパターンを含むことができる。いくつかの例では、決定モジュールは、行動モデルを含むか、またはその一部であってもよい。入力は、他のアプリケーション、または生理学や行動モデルなどのモデルからの状態出力によって決定されることができる。
【0417】
ユーザの利用可能性は、入力として受信することができる。利用可能性は、例えば、カレンダー、学習されたパターンまたは既知のパターン、ユーザ入力、または推論によって決定されるスケジュールの利用可能性を含むことができる。利用可能性は、実際の利用可能性やアクセス可能性(通信接続や接続の種類など)、またはユーザの利便性を含むことができ、これらは、例えばユーザ活動から決定または推測されることができる。利用可能性の次の期間までの時間も入力として受信することができ、例えば、既知の、推測された、またはユーザ提供のスケジュールまたは決定された利用可能性のパターンから決定することができる。利用可能性が比較的低いか一貫していない場合は、利用可能性の期間中にガイダンスを決定して配信することに有利に働くことができる。他の利用可能なウィンドウが間もなく開かれるため、次の利用可能性期間までの短い待機は、現在の利用可能なウィンドウ中のガイダンスを配信しないことに有利に働くことができる。ガイダンスが現在のウィンドウで配信されない場合、ガイダンスを配信するために長い待機が必要になるか、またはシステムが不都合なときにユーザに割り込むことから、利用可能な次の期間までの長い待機は、現在のウィンドウ中のガイダンスの配信に有利に働くことができる。
【0418】
行動の緊急性も入力として受信することができる。行動の緊急性は、例えば、患者の生理学状態またはガイダンスの性質、またはその双方に依存することができる。例えば、特にユーザがその傾向に気付かない可能性がある状況では、ユーザが低血糖値に向かって急速に傾向を示している場合、行動の緊急性が高くなる可能性がある。ユーザがゆっくりと低血糖値に向かう傾向がある場合、またはユーザが中程度の速度で高血糖値に向かう傾向がある場合、行動の緊急性は中程度になる可能性がある。行動が望まれる場合、行動の緊急性は比較的低いかもしれないが、患者への生理学リスクは低い。他の例では、低血糖値を回避するために炭水化物の摂取が必要な場合は、行動の緊急性が高いと決定され、インスリンの注射が必要な場合は、中程度であると決定され、生理的状態を確認したり、センサを較正(例えば、グルコースセンサの較正)したりするために試験(例えば、フィンガープリック血糖試験、または温度もしくは心拍数)が必要な場合は、低くすることができる。行動の緊急性が高いと、短期間のガイダンスの配信に有利に働くことができるのに対して、低い緊急性は、例えばユーザによるガイダンスの疲労や過度の中断を回避するために、将来の利用可能性の期間まで待機することに有利に働くことができる。
【0419】
有効な行動期間の期間の長さも入力として受信することができる。一例では、炭水化物の摂取が短期間(例えば、5分期間または10分期間)内に必要であると決定することができる。他の例では、中程度の期間(例えば、20分の期間)内にインスリンの注射が必要であると決定することができる。いくつかの例では、周期はファジィ入力とすることができ、例えば、周期の正確な長さは正確でなくてもよい。いくつかの例では、行動ウィンドウの一般的なサイズは、治療またはセンサ入力行動の行動ウィンドウの変動を反映したものとして理解できる。
【0420】
懸念のレベルも入力として受信することができる。患者または介護者の懸念のレベルは、患者/介護者によって異なり、特定の状況によって異なることができる。懸念のレベルは、例えば、患者提供の情報を使用して決定されるか、データから学習されるか、またはモデル(例えば、行動モデル)から受信されることができる。特定のユーザによる、または特定の状況(生理学状態の組み合わせなど)に関する高レベルの懸念は、より短期間の決定およびガイダンスの配信に有利に働く可能性があるが、低レベルの懸念は、ガイダンスの遅延決定および配信に有利になる可能性がある。関与を入力として受信することもできる。上述したように、関与のレベルは、例えばセンサデータ(例えば、血糖値)のチェックの頻度もしくは一貫性、または関与の方法(例えば、通知のみの表示対完全なデータ表示、または時計対スマートフォン対コンピュータ)を含む、警告またはガイダンスに対するユーザの応答性から決定することができる。いくつかの例では、特定のユーザによる高レベルの関与(懸念、利用可能性、または注意力の提案)は、より短期的な決定とガイダンスの配信に有利に働くことができるが、低レベルの関与は、ガイダンスの遅延決定と配信に有利に働くことができる。換言すれば、ある程度、利用可能性または懸念のレベルは、関与から推測される可能性がある。例えば、低レベルの関与は、例えば、ユーザを圧倒することを回避するために、より低い頻度のガイダンスをもたらすことができる。他の例では、特定のユーザによる、または特定の状況に関する懸念のレベルが低いと、例えば、ユーザが関与の欠如による潜在的な問題に気付いていない可能性があると決定されることができるため、より短期間のガイダンスの決定および配信に有利に働くことができるのに対して、懸念のレベルが高いと、例えば、ユーザが潜在的な問題に既に気付いていて、問題のモニタリングまたは解決に非常に関与しているため、ガイダンスの決定および配信の延期に有利に働くことができる。
【0421】
2つ以上の入力を一緒に使用して、ガイダンスを決定する時間、ガイダンスを配信する時間、ガイダンスの形式、またはそれらの組み合わせを決定することができる。ガイダンスを決定する時間とガイダンスを配信する時間とは関連することができ、例えば、ガイダンスは、決定されたガイダンスが最新のリアルタイムデータを確実に反映するように、ガイダンスを配信する時間の少し前に決定されることができる。一例では、ガイダンスを決定するための時間は、例えば、有効な行動期間の長さまたは次の利用可能期間までの時間が比較的長い場合は延期され、ガイダンスまたはガイダンスが決定される状態の精度を改善するために追加データの収集が可能になる。いくつかの例では、比較的短い利用可能性のウィンドウが開いているか近付いている場合、ウィンドウが閉じる前にガイダンス(およびガイダンスが作用する時間)の配信を可能にするために生理学状態の正確な解釈を得るために追加のデータが通常は望まれる場合であっても、ガイダンスは、早期に決定されることができる。他の例では、利用可能性の次のウィンドウまでの期間が比較的短い場合、ガイダンスを延期することができる。いくつかの例では、決定モジュールは、因子に重みを適用して、ガイダンスを決定するかどうかまたはいつ決定するかを決定する。いくつかの例では、決定モジュールは、予測される将来の状態を決定するか、他のモジュールまたはモデル(例えば、生理学モデル)と相互作用して、予測される将来の状態を決定し、生理学リスクに対して様々な入力のバランスをとる。いくつかの例では、決定モジュールは、将来の回数の入力を受信するか、予測される将来の状態を決定し、ガイダンスを決定または配信するための許容可能なまたは最適な時間または時間の範囲を決定する。例えば、モジュールは、現時点(例えば午後4時)ではガイダンスは不要であると決定することができるが、そのガイダンスは、将来(例えば午後6時-6時30分)に配信されるべきであると決定することができる。いくつかの例では、モジュールは、新たな情報が利用可能になると、例えば、生理学状態の変化に応じて行動の緊急性が変化するとき、または関与のレベルの変化として、または利用可能性のスケジュールまたはパターンの変化として、決定を再評価することができる。
【0422】
図5A
図5Aは、生理学グルコース濃度管理ガイダンスなどのガイダンスを配信する例示的な方法500を示すフローチャートである。この方法は、インスリン送達、炭水化物摂取、または糖尿病患者のグルコースレベルを管理するための身体運動などの治療の送達を容易にするためのガイダンスを提供することができる。
【0423】
ステップ502では、患者に関連するリアルタイムデータが測定、決定、または受信される。リアルタイムデータは、例えば、グルコースセンサからの測定値、例えば、断続的にグルコースレベルを測定し且つネットワーク接続を介してグルコースレベル情報を提供する連続グルコースモニタリングシステムから受信されたリアルタイムデータとすることができる。一例では、ユーザは、例えば、食事検出、ユーザ入力、または他のパターン検出によって、特定の食事(例えば、60gの炭水化物)を食べたばかりであると決定される。他の例では、カレンダーエントリのパターン認識によって決定されるように、ユーザが毎週の実行を実行しようとしていると決定される。他の例では、リアルタイムデータはまた、時間、予想される行動パターンからの逸脱、状態の変化(例えば、モデルを使用して決定された生理学状態の変化)、食事時間が差し迫っていることの表示、時刻、加速度計によって測定された特性信号または署名信号、GPS回路によって決定された位置、またはユーザインターフェースを介して受信した意思決定支援の要求とすることができる。様々な例では、第1のリアルタイムデータは、スマートフォンによって測定、受信、または決定され、腕時計などのウェアラブル装置によって決定され、またはスマートフォンと組み合わせたウェアラブル装置によって決定されることができる。いくつかの例では、第1のリアルタイムデータは、コンピュータなどの外部装置によって測定、受信、または決定されることができる。
【0424】
504では、患者の状態が決定される。状態は、モデルとリアルタイムデータを使用して、例えばリアルタイムデータをモデルに適用することによって決定されることができる。
【0425】
モデルは、例えば、介入に参加する患者の利便性または利用可能性を示す状態を含むことができる。例えば、患者に関連する、または介護者に関連するカレンダーからの情報(例えば、利用可能性)は、モデルに適用されてもよい。いくつかの例では、センサ情報(例えば、活動レベルを示す加速度計情報)またはパターン情報(例えば、覚醒/睡眠サイクルまたは運動期間または通過期間、例えば運転を示す)をモデルに適用することができる。インスリンの投与、炭水化物の消費、または身体活動への参加などの介入を実行することの利用可能性または利便性を示す状態は、リアルタイムデータをモデルに適用することによって決定されることができる。いくつかの例では、モデルは、患者の生理学モデルを含むことができ、患者の状態の決定は、少なくとも第1のリアルタイムデータを患者の生理学モデルに適用することに基づくことができる。いくつかの例では、状態はインスリン感度である。一例では、運動が検出され、インスリン感度は、運動に対するユーザの血糖反応の既知のパターンに基づいて決定される。
【0426】
モデルは、追加的にまたは代替的に行動モデルを含んでもよい。行動モデルは、例えば、患者の1つ以上の機械学習特性に基づくことができる。1つ以上の機械学習特性は、行動パターンまたはコンテキストパターンに基づくことができる。いくつかの例では、行動モデルは、患者によって実行される可能性が高いと決定された1つ以上のステップのセット、または患者によって達成される可能性が高いと決定された1つ以上の目的、またはその双方に基づくことができる。
【0427】
いくつかの例では、行動モデルは、パターンを含むことができる。例示的な構成では、患者の生理学モデルは、生理学パターンに基づき、行動モデルは、行動パターンに基づいている。いくつかの例では、第1のリアルタイムデータは、予想される行動パターンからの逸脱を示すことができる。例えば、第1のリアルタイムデータは、食事時間のずれ、インスリン投与の欠落、早期、または遅延、身体活動の変化(例えば、運動不足または非定型運動)、または早いまたは遅い覚醒を示すことができる。いくつかの例では、行動モデルは、食事時間に関連付けられた食事で過大補正する傾向を示すことがあり、第1のリアルタイムデータは、食事時間が差し迫っていることを示し、ガイダンスメッセージは、食事時に過小補正の減少(例えば、より少量のインスリン用量または基礎およびボーラス用量の異なる組み合わせ)に対応することができる。
【0428】
いくつかの例では、行動パターンは、長期行動パターンに基づく長期行動パターンと、現在の行動に関連する短期行動パターンとを含むことができる。行動モデルは、長期行動パターンと短期行動パターンとの双方に基づいてもよい。いくつかの例では、短期行動パターンは、モバイル装置との関与、加速度計データ、グルコース濃度のチェック頻度、カレンダーデータ、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択された1つ以上に基づくことができる。
【0429】
いくつかの例では、状態の決定はまた、測定モデルに基づくこともできる。例えば、測定モデルは、患者に関連する連続グルコース濃度モニタリングシステムに基づくことができる。測定モデルは、例えば、グルコース測定に関する精度または他の状態を含むことができる。いくつかの例では、方法500はまた、ガイダンスメッセージを提供した後にグルコース濃度データを測定することと、測定された後続データを使用して1つ以上のモデルを改善することと、を含むことができる。例えば、提供に続いて測定されたグルコース濃度データは、測定モデルまたは行動モデルまたは患者の生理学モデル、またはそれらの組み合わせにフィードバックされてもよい。
【0430】
506では、パーソナライズされたガイダンスメッセージが、決定された状態に少なくとも部分的に基づいて決定されることができる。パーソナライズされたガイダンスは、例えば、特定の量(例えば、1単位)のインスリンを投与するための指示、または特定の量の炭水化物(例えば、5グラムの炭水化物)を含む食品を摂取するための指示などの治療推奨とすることができる。いくつかの例では、ガイダンスメッセージは、高グルコースレベルまたは低グルコースレベルなどの望ましくない生理学状態への予測される遷移に少なくとも部分的に基づくことができる。ガイダンスメッセージを決定することは、さらに、ガイダンスメッセージまたは決定された状態に関連する時間を決定するタイミングに基づくことができる。例えば、パーソナライズされたガイダンスメッセージは、カレンダー、または今後のイベントのパターンまたはモデルから得られたタイミング情報に基づくことができる。ステップ504で決定されたガイダンスメッセージは、グルコース投与情報または炭水化物消費情報、または「次の2時間の会議の前にインスリンの投与を検討する」または「通勤中に血糖値が低下する可能性を回避するために、通勤前に炭水化物を消費する」など、次のイベントの準備またはユーザへの通知情報を提供することができる。いくつかの例では、ガイダンスメッセージは、現在の状態から予測された状態への予測された遷移が低確率遷移であるという決定に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、状態遷移確率は、既知であるか、データから学習されることができ、リアルタイムおよびその他のデータは、低確率遷移の条件が存在することを示すことができる。この決定は、患者へのガイダンスの基礎を形成することができ、例えば、決定ガイダンスエンジンが、患者が気付いていない可能性のあるリスクに関する警告を提供する可能性がある状況において特に有用とすることができる。
【0431】
いくつかの例では、システムは、運動セッションが欠落した状態、または一連の運動セッションが欠落した状態、またはより短いまたはより少ない運動セッションへの傾向を検出する。患者の肉体的運動は、代謝ドライブを増加させる傾向があり、グルコース消費を増加させる可能性がある。運動セッションの欠落または減少は、代謝ドライブの低下とカロリーの必要性の低下、またはインスリンの低代謝ドライブを補うための必要性の増加をもたらす可能性がある。
【0432】
意思決定ガイダンスエンジンはまた、要因の合流点、例えば、通常よりも高い活動と通常よりも少ない食品消費、またはストレス誘発物質またはその欠如、旅行、睡眠障害、病気/健康、または非定型食事時間などの他のパターンも認識することができ、低確率(与えられた通常の状態)状態遷移(例えば、通常の高すぎるまたは低血糖値から)が発生する可能性があることを決定することができる。そのような決定は、「今夜、非定型の低血糖値を経験する可能性がある」、「今朝、非定型の高血糖値を経験する可能性がある」、「今日のインスリンの必要量が通常よりも高い可能性がある」などのガイダンスの決定につながる可能性がある。ガイダンスは、ガイダンスの推論に関する詳細を提供することができ(例えば、「・・・いくつかのワークアウトに失敗したため」)、または単に生理学結果についてユーザに通知することができる。
【0433】
508では、ガイダンスメッセージは、モバイル装置の画面またはスピーカ、車両上のスピーカまたはディスプレイなどのユーザインターフェースを介して、患者または介護者などのユーザに提供されることができる。いくつかの例では、ガイダンスメッセージの配信の方法または時間は、例えば、患者の仕事、睡眠、食事、または通勤スケジュールを説明するために、時間(例えば、クロック時間または時刻)によって部分的に決定されることができる。一例では、ガイダンスメッセージを提供することは、ユーザにとって有用であるように計算されたときに推奨治療を表示することを含むことができる。一例では、ガイダンスメッセージは、会議などの予定されたイベントの前に提供されることができる。例えば、ユーザが3時間の会議に参加することがわかっている場合、より正確な推奨事項が作成または決定可能になるのを待つのではなく、会議の前に治療推奨事項を提示することができる。他の例では、ガイダンスメッセージを提供することは、ユーザにとって有用であるように計算されたときにメッセージを提供することを含むことができる。例えば、ユーザが通常のランニングに出かけようとしているとき、ユーザが低血糖値に向かう傾向があるときとは対照的に、ランニングが始まる前に、治療またはモニタリングの推奨を伴うガイダンスメッセージが提供されることができる。
【0434】
図5B
図5Bは、患者にとって有用であるように計算されたときに、糖尿病の治療管理において患者にパーソナライズされて有用である計算ガイダンスメッセージを決定および提供する例示的な方法501のフローチャート図である。図5Aを参照して説明される例は、図5Bの方法にも適用されることができる。
【0435】
501では、方法は、患者に関連する第1のリアルタイムデータを測定、決定、または受信することを含むことができる。第1のリアルタイムデータは、例えば、ユーザインターフェースを介して(例えばスマートフォンアプリを介して)受信したグルコース濃度値、時刻、食事情報、アドバイスの要求、活動情報(例えばフィットネストラッカーまたは時計から)、または、ユーザインターフェースを介してもしくはペンやポンプなどのスマート装置から受信することができるインスリン送達情報とすることができる。
【0436】
503では、方法は、モデルを使用して、患者の状態を決定することを含むことができる。例えば、決定は、患者の生理学モデル、行動モデル、および測定モデルに基づくことができる。状態は、リアルタイムデータを患者の生理学モデルおよび行動モデルに適用することによって決定されることができる。患者の生理学モデルは、例えば、グルコース濃度状態、インスリンオンボード状態、インスリン感度状態、エネルギ吸収状態、またはエネルギ運動状態のうちの1つ以上を含む状態モデルとすることができる。特定の状態は、利用可能な入力の特徴(例えば、時刻、グルコースレベル、以前の活動など)によって決定されることができる。
【0437】
505では、方法は、ガイダンスメッセージを決定することを含むことができる。ガイダンスメッセージは、少なくとも決定された状態に基づいて、患者に合わせてパーソナライズされてもよい。
【0438】
507では、方法は、提供がそれらの糖尿病の治療管理において患者に有用であるように計算されたときに発生するように、ユーザインターフェースを介して、決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することを含むことができる。決定されたパーソナライズされたガイダンスメッセージを提供することは、パーソナライズされたガイダンスメッセージをユーザインターフェース上に提供することを含むことができる。
【0439】
方法はまた、入力データのセットからモデルを学習することを含むことができる。入力データのセットは、クロック時間、時刻、グルコース濃度レベル、インスリンオンボード、患者の活動、患者の健康、曜日、月日、通日、場所、消費された食品、または消費された飲料、およびユーザインターフェースを介して受信した情報を含むことができる。例えば、図2Bおよび図14図16に関して説明された情報を含む、他の入力データも可能である。
【0440】
モデルの学習は、リアルタイムデータの受信前または受信後に行うことができる。例えば、方法は、さらに、パーソナライズされたガイダンスメッセージを配信した後の予想される状態からの逸脱を決定することと、追加の入力情報に基づいてモデルを適合させることとを含むことができる。
【0441】
図6
図6は、糖尿病の治療管理において患者にパーソナライズされ、有用な計算されたガイダンスメッセージを決定および提供する例示的な方法600を示すフローチャートである。ステップ602では、方法600は、患者に関するデータを受信することを含むことができ、データは、リアルタイムのグルコース濃度レベルを含む。リアルタイムのグルコース濃度レベルは、例えば、連続グルコースモニタリングシステムなどのグルコースセンサから受信されることができる。
【0442】
604では、データを状態モデルに適用することにより、患者の状態を決定することができる。患者の状態は、例えば、上述した生理学状態のいずれかなどの生理学状態とすることができる。例えば、状態は、インスリンオンボード状態、インスリン感度状態、インスリン作用時間状態、またはそれらの組み合わせなどのインスリン状態を含むことができる。状態モデルはまた、行動またはコンテキストの状態または測定状態も含むことができる。状態モデルは、例えば、確率的状態モデルとすることができる。状態モデルは、遡及的データから学習される状態遷移確率を含むことができる。いくつかの例では、モデルは、多数のソースを含み、遡及的データまたはリアルタイムでキャプチャされたデータを使用して通知される。モデルはまた、状態遷移確率、または状態遷移の組み合わせなどの確率も含むことができる。いくつかの例では、状態または状態の数は、患者の状態を決定するために、CGMデータおよび他の入力データに基づいて決定されることができる。換言すれば、システムは、モデルを逆方向に処理して、現在のXのCGM値を提供する可能性が最も高いパラメータの組み合わせを決定することができる。このパラメータ(例えば、状態)の組み合わせは、「患者の状態」と見なすことができる。
【0443】
606では、決定された状態に基づく治療推奨が提供されることができる。治療推奨は、例えば、インスリンの送達、炭水化物の消費、タンパク質、脂肪、または他の栄養または他の食品または飲料に関するガイダンスを含むことができる。治療推奨は、例えば、視覚的ユーザインターフェース(例えば、スクリーン)、スピーカ、または他の通信メカニズムを介して配信される電子通信を介して、患者または介護者に配信されてもよい。方法は、治療推奨の送達後に受信されたデータを使用して状態モデルを洗練することをさらに含むことができる。例えば、生理学データや状態変化をモデルに入力すると、モデルは、実際のデータから学習し、入力条件と実際の出力に基づいてモデルを調整することができる。システムはまた、以前のガイダンスの生理学結果を考慮して、特定の状態の決定を改善するか、またはガイダンスの決定を改善することができる。
【0444】
図7
図7は、糖尿病の治療管理において患者にパーソナライズされ、有用とすることができるように計算されたガイダンスメッセージを決定および配信する方法700のフローチャート図である。
【0445】
方法は、702において、患者のパーソナライズされた行動モデルを学習することを含むことができる。学習は、例えば、既存のデータセット、リアルタイムでキャプチャされたデータ、またはそれらの組み合わせに基づくことができる。モデルを学習することは、患者の生理学機能と患者の行動の双方を学習することを含むことができ、それらは双方とも状態として特徴付けることができる。患者のパーソナライズされた行動モデルを学習することは、生理学パターン、コンテキストパターン、または行動パターン、またはこれらのパターンの組み合わせなど、患者の1つ以上の特性を機械学習することを含むことができる。
【0446】
方法はまた、704において、リアルタイムデータを受信することを含むことができる。リアルタイムデータは、CGMセンサデータ、場所、ネットワーク接続、または生理学センサデータなど、本明細書に記載されている例のいずれかを含むことができる。
【0447】
方法はまた、706において、患者に提供されるパーソナライズされたガイダンスメッセージを決定することを含むことができる。パーソナライズされたガイダンスメッセージの決定は、少なくとも部分的に、パーソナライズされたガイダンスメッセージの決定の時間および患者のパーソナライズされた行動モデルに基づくことができる。方法はまた、708において、学習されたパーソナライズされた行動モデルを使用してパーソナライズされた案内メッセージを提供するための配信時間を決定することを含むことができ、配信時間は、ユーザの糖尿病の治療管理に患者に有用であるように計算される。方法はまた、配信時にパーソナライズされたガイダンスメッセージを配信することを含むことができる。
【0448】
図8
図8は、ユーザに意思決定支援機能を提供する例示的な方法800のフローチャート図である。方法は、802において、モデルをコンピューティング環境のメモリにロードすることを含むことができる。方法はまた、804において、ユーザのグルコース濃度値を示すデータを受信することを含むことができる。方法はまた、806において、コンピューティング環境のユーザインターフェース上に計算された洞察を表示させることを含むことができる。洞察は、例えば、少なくともモデルおよびグルコース濃度値を示すデータを使用して計算されることができる。いくつかの例では、ユーザ要求は、計算された洞察の表示をトリガーすることができる。ユーザ要求は、例えば、計画された活動のデータ入力に関連付けられることができる。計算された洞察は、グルコース濃度レベル(またはその変化率)を目標範囲内または特定のレベル以上もしくは以下に維持しながら、グルコース濃度値に関連付けられた所望の結果をもたらすためにモデルのうちの1つ以上によって計算されたユーザ行為を示すことができる。計画された活動は、例えば食事とすることができ、計算された洞察は、食事後に、グルコース濃度値に対する食事の計算または予測された効果、またはグルコース濃度レベルを管理するための戦略(例えば、インスリン送達または活動またはその双方)とすることができる。いくつかの例では、計算された洞察は、インタラクティブな推奨事項と、インタラクティブな推奨事項を決定する際に使用される少なくとも1つの因子を含むことができる。
【0449】
いくつかの例では、洞察を表示させることは、血糖値もしくは傾向、またはGPSシステムによって決定されるような宛先における到達、またはパターンから推測されたもしくはカレンダー情報を使用して決定されたイベントなど、所定の条件と一致するイベントの発生によって開始されることができる。
【0450】
いくつかの例では、ガイダンスを表示させることは、計算された条件に一致するイベントの発生によって開始されてもよい。計算された条件は、少なくとも部分的にモデル、またはグルコース濃度値を示すデータ、またはそれらの組み合わせに基づいて計算することができる。例えば、治療調整が治療調整前に存在していたよりも多くのリスクをユーザにさらした場合、警告および/または警報は、治療調整後の一定期間だけ追加の感度を有するように調整されることができる。他の例では、潜在的な治療決定の前よりもCGMアプリのより頻繁なインスタンス化をトリガーする潜在的な治療決定に続く期間が存在するときを検出すると、意思決定支援アプリケーションのメッセージング頻度が増加することができる。
【0451】
図9
図9は、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを送達する方法900のフローチャート図である。ステップ902では、方法は、グルコース濃度レベルを示すデータを受信することを含むことができる。ステップ904では、方法は、データをモデルに適用することによって状態を決定することを含むことができる。ステップ906では、方法は、状態および時間的パターンに基づいてガイダンスメッセージを決定することを含むことができる。時間的パターンは、例えば、学習された時間的パターンまたはユーザ定義のスケジュール(例えば、患者または介護者のカレンダー)を含むことができる。パターンは、時間に相関する1つ以上の状態のパターン、または時間またはイベントに相関する典型的な血中グルコース濃度レベル、範囲、またはパターンを含むことができる。
【0452】
図10
図10は、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを送達する方法1000のフローチャート図である。方法1000は、ステップ1002において、グルコース濃度を示すデータを受信することを含むことができる。ステップ1004では、方法は、データをモデルに適用することによって患者の状態を決定することを含むことができる。
【0453】
ステップ1006では、方法は、患者の状態が非定型性であるかどうかを判定することを含むことができる。患者状態が非定型性であるかどうかを決定することは、所与の条件セットについて患者状態が非定型性であるかどうかを決定すること、低尤度状態遷移が発生したかどうかを決定すること、低尤度状態遷移が発生すると予測されるかどうかを決定することを含むことができる。一例では、患者の状態を決定することは、生理学状態および行動状態を決定することと、生理学状態が決定された行動状態に関して非定型であるかどうかを決定することとを含む。さらなる例では、患者の状態が非定型性であるかどうかを決定することは、血中グルコース濃度が通常は制御された範囲内にあるときまたは状況で、制御された血中グルコース濃度範囲から逸脱した血中グルコース濃度レベルを特定することと、血中グルコース濃度が通常は制御された範囲内にあるときまたは状況で、高または低血中グルコース濃度状態につながる血中グルコース濃度傾向を特定することとを含み、または血中グルコース濃度が通常は制御されているときまたは状況で、低血中グルコース濃度状態へのシフトを予測することを含む。
【0454】
ステップ1008では、方法は、患者状態の非定型性に基づいてガイダンスメッセージを決定することを含むことができ、ステップ1010では、ユーザインターフェースを介してガイダンスメッセージを配信することを含むことができる。
【0455】
図11
図11は、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを送達する方法1100のフローチャート図である。方法は、グルコース濃度を示すデータを受信することと、データをモデルに適用することによって患者の状態を決定することと、低確率状態遷移が発生したか発生する可能性が高いことをモデルから決定することと、低確率の状態遷移が発生したかまたは発生する可能性が高いという決定に基づいてガイダンスメッセージを、ユーザインターフェースを介して配信することとを含むことができる。例えば、パターンは、一般的な条件下では、特定の状態への遷移が低確率であるように認識されることができるが、特定の条件下では、リアルタイムデータまたはユーザ入力によって示されるように、パターンは、遷移が実際に起こる可能性があると認識される。例えば、方法は、その時点でグルコースレベルが通常制御されているときに、非定型状態である可能性が高いことをユーザに警告することを含むことができる。例えば、ユーザは、運動後に予想される低グルコースレベルについて警告を受けることができる。運動は、運動が完了してから数時間後に、低グルコースレベルにつながる可能性がある(例えば、インスリン感度の増加またはグリコーゲン貯蔵の回復が原因である)。ユーザは、そのような「遅くて低い」の可能性または可能性について警告を受けることができる。睡眠中または不都合な時間に低く発生すると計算された場合、警告が配信または優先されることができる。いくつかの例では、警告は、患者または介護者の覚醒を回避するために、患者が睡眠状態になると予想される前など、ユーザにとって有用であるように計算されたときに配信されてもよい。
【0456】
図12
図12は、生理学グルコース濃度管理ガイダンスを送達する方法1200を示すフローチャートである。方法は、1202において、グルコース濃度を示すデータを受信することと、1204において、1つ以上の行動、環境、またはコンテキスト入力を受信することと、1206において、データおよび1つ以上の行動、環境、またはコンテキスト入力をモデルに適用することによって望ましくない患者状態への遷移の可能性を特定することと、1208において、望ましくない患者状態への起こりそうな遷移に基づいてガイダンスメッセージを決定することと、1210において、ガイダンスメッセージを配信することとを含むことができ、ガイダンスメッセージは、患者が介入して望ましくない患者状態への遷移を回避できるように決定されて一度に配信される。
【0457】
図13
図13は、生理学グルコース濃度管理を送達する方法1300のフローチャート図である。方法は、1302において、グルコース濃度を示すデータを受信することと、1304において、データを使用して生理学状態を決定することと、1306において、行動状態を決定することと、1308において、生理学状態および行動状態に基づいてガイダンスメッセージを決定することと、1310において、ユーザインターフェースを使用してガイダンスメッセージを配信することとを含むことができる。
【0458】
例示的な入力および出力-図14図16
図14のフローチャート650は、非鮮明な入力を定量化する方法を示している。特に、非鮮明な入力を受信すると(ステップ219)、それを定量化する1つの方法は、「鮮明な」同等物を決定するために入力に対して自然言語処理のステップを実行している(ステップ221)。例えば、ユーザがオレンジジュースを1杯消費したことを定性的に示した場合、自然言語処理によりオレンジジュース1杯に含まれる炭水化物数が決定され、入力が非鮮明から鮮明に変換される。この点で、履歴パターンデータを使用することもできる。同様のそのような自然言語処理を使用して、「マクドナルドでクォーターパウンダーを食べた」などの入力の鮮明な栄養含有量を決定することができる。ソーシャルネットワークおよびソーシャルメディアはまた、非鮮明な入力にコンテキストを与えるために、またはさもなければ非鮮明な入力に関連する値を引き締めるために使用されることができる(ステップ223)。また、ビッグデータを使用して(ステップ225)、鮮明でない入力にコンテキストと鮮明な値を与えることができる。例えば、集団データは、特定のユーザが特定のフレーズまたはパラメータの表示によって、例えばコホートデータの分析によって何を意味するかを決定するために使用されることができ、同じことが他の技術のいずれかとともに使用されて意思決定支援に影響を与えるために使用することができる定量化可能な基準となる入力のバージョンを鮮明にすることができる(ステップ227)。
【0459】
入力の特定の態様およびその他の態様については、以下の「入力」セクションで説明する。
【0460】
しかしながら、入力の一般的な議論の前に、図15を参照すると、特定のタイプの関係が示され、特定の関係は、食品感度233dと食事ボーラス235aとの間の関係231によって示される。入力233a-233e(そのような入力のサンプリングのみが示されている)と様々な結果または特定の出力235a-235e(やはり、そのような出力のサンプリングのみが示されている)との間の他の関係も、本原理にかかるシステムおよび方法を使用して決定されることができる。処理ステップ237は、相関パラメータ、例えば食品感度233dが、処理ステップ237内のリアルタイム入力(図示せず)と共にどのように使用され、食事ボーラス235aの治療推奨をもたらすかを示すために示されている。これらの入力と出力の特定の例については、以下の「例」セクションで説明する。
【0461】
相関パラメータとライフスタイル/状況パラメータの特定、およびその後の処理ステップは、様々な方法で実行することができる。例えば、ステップは、ソーシャルネットワーク、ユーザ入力データ、センサデータ、ユーザ装置からのデータ、集団またはビッグデータなど、様々な場所からの因子を含むことができる。処理および特定は、例えば、互いに強い関係を有するパラメータまたは変数である強いコネクタを特定するために、ベイズ分析などを含むことができる。複数のパラメータが使用される場合、同じものは、同じイベントに関連する複数のパラメータ、例えば、運動の強度と持続時間の双方を含むことができる。処理および特定は、複数のステップ、例えば、その患者の「内部データ」を処理する第1のステップと、例えば事前にパッケージ化されたサブルーチンやケースベースの推論を使用して「ビッグ」データを用いてクラウドにおいて処理を実行する後続ステップとを含むことができる。例えば、ケースベースの推論を使用して、他の同様の状況でユーザに何が起こったか、または他の同様の状況で他の同様のユーザに何が起こったかを決定することができる。スマート装置がさらに計算能力を高めるようになると、機械学習の多くがそのような装置で発生することができる。しかしながら、現在の処理の多くは、クラウドで行われることができ、そのような処理は、大量の機械学習をもたらすことができる。換言すれば、システムは、1つの要素または「影響因子」Xが患者にどのように影響するか、例えば、同化運動がインスリン感度にどのように影響するかを学習する。この例では、ボーラスによってポンプ動作が開始されたが、運動の影響を考慮せず、ユーザが実行した場合、本原理にかかるシステムおよび方法は、この一連のイベントを検出し、ユーザに「低下を期待する」または「今すぐ何かを食べる必要がある」などの推奨事項を提供することができる。
【0462】
上記のように、この方法の最後のステップは、特定された相関パラメータまたは相関状態、およびリアルタイム入力に基づいて、入力または出力インターフェースを変更することである。リアルタイム入力は、ライフスタイルまたは行動または状況パラメータ、例えば、時刻、クロックまたはカレンダーアプリケーションまたはユーザ入力によって決定されたときに行われようとしているイベント、グルコース値などを含むことができる。換言すれば、マシン/ヒューマンインターフェースは、意思決定支援アプリケーション/機能によって、上記ステップの結果に基づいて、例えば、スマート装置、スマートフォン、スマートウォッチ上で、および/またはこれらの装置のいずれかの入力ユーザインターフェースまたは出力ユーザインターフェースの一部として変更される。例えば、出力ユーザインターフェース、すなわち、出力のタイプ、フォーマット、およびコンテンツは、その後、ライフスタイル/状況コンテキスト、ならびにパラメータ化されたモデルおよび/またはユーザ定義機能に依存することができる。特定のユーザ定義機能、例えばライフスタイルの目標は、全ての実装で使用する必要はないが、特定の治療推奨を導くために有利に使用することができることに留意されたい。
【0463】
マシンのヒューマンインターフェースの変更では、入力が分類または「ファジィ化」されるのと同様に、出力もカテゴリまたは「ファジィ化」で提供されることができ、そのようなものは、出力が単にディスプレイのユーザインターフェースにおいて提供される場合に特に当てはまる。例えば、セラピーの推奨事項が、ユーザがオレンジジュースの大きなグラスを1杯持っている、または中程度のリンゴを食べることを示唆している場合、ユーザは、そのような推奨事項が特定の量の炭水化物を食べる推奨事項よりも役立つとわかるかもしれない。もちろん、出力にポンプまたはペンへの出力が含まれている場合、そのような「ファジィ化」は不要であり、できるだけ高い精度が一般に望まれる。
【0464】
図15-出力
例示的な出力は、図15に示されるとおりであり、例えば、食事ボーラス235aのタイプ、量、およびタイミングの推奨、補正ボーラス235bのタイプ、量、およびタイミングの推奨、食事235cのタイプ、量、およびタイミングの推奨、例えばユーザにとって効果的であると決定された時間に警告または警報を提供するユーザインターフェース235dの変化、または例えば、睡眠、食事、運動、運転、活動前などに行われる決定である事前イベントまたは状況決定235eである。他の例示的な出力には、基礎率設定への永続的または一時的な変更、救助炭水化物の推奨などを含む。特定の出力、および意思決定支援アプリケーション/機能に応じて同じものが変更される方法については、以下の「出力」セクションで説明する。
【0465】
ユーザ定義機能をサポートする方法で意思決定支援アプリケーション/機能を提供することに関して、様々なコアメソッドを上述したが、コアメソッドは、相互に排他的である必要はないことを理解されたい。例えば、コアメソッドの様々な組み合わせが、所与の実装で採用されてもよい。さらに、複数の方法を並行して実行して、最適な治療法を決定し、最も安全なオプションを選択することができる。すなわち、定義された状態、センサデータ、ユーザ入力、および他の利用可能な情報を使用して最適な糖尿病治療決定を計算するために、上述したような様々なアルゴリズムを使用することができる。複数の方法を並行して実行して、最適な治療決定を計算することができ、次に、最も保守的または最も安全な解決策をユーザに提供することができる。例えば、センサノイズのときに、フィルタリングされた値または生のセンサ値のいずれかを使用して、現在のグルコース推定値を計算し、続いて推奨されるインスリンボーラスを計算することができる。双方のセンサ値に基づいて並行して用量を計算することができ、より保守的な用量を推奨することができる。他の例は、CGMアルゴリズムで計算された傾向に基づいて、または最新のグルコース値のペアの2点差としてグルコース変化率の推定値を使用することであり、より保守的な用量を提供する変化率が使用される。
【0466】
いくつかの例示的な入力およびそのような入力に関する表記を表に示す。他の入力も使用することができること、および入力に関して与えられた表記は必ずしも限定的ではないことが理解されよう。例えば、入力は、特定のコンテキストを有するものとして示されることができるが、場合によっては、コンテキストは、特定のカテゴリと重複していると考えることができる。バリエーションの他の例として、特定の入力は、ユーザが入力したものとして特定されてもよいが、場合によっては、センサなどによって決定されてもよい。例えば、食事データは、ユーザ入力によって決定されることができるが、GPSによっても、パターンデータから、またはカメラなどのアプリから決定されることができる。前述のように、意思決定支援アプリケーション/機能は、機械学習を組み込んでおり、長期にわたって治療プロンプトの正確性と適切性を高める。例えば、ユーザによって入力された「少量の食事」、「中程度の食事」などの食事データは、ユーザが何を「少量の食事」などと考えているかを長期にわたって意思決定支援アプリケーション/機能が良好に理解できるように、システムによって「学習」されることができる。時間的パターンは、システムおよび方法によって分析されて、例えば、食事および運動の態様を決定することができるが、ユーザは、食事や運動に対応するものを含め、追跡したいイベントを特定して定量化することもできる。
【0467】
代替的な一実装では、アルゴリズムは、「平均的な」食事を1つだけ定義することができるが、ある程度の自動調整により、ユーザにとって何が大きいか、または小さいかを定義することができる。この実装では、「平均的な」食事は、集団または個々のユーザに対して定義することができる。この実装は、食事のサイズを1つだけ定義する必要があり、食事ごとに変更する必要がないため、実装するのに便利とすることができる。むしろ、食事が「平均的」、「軽い」、または「重い/大きい」であるかどうかを評価するために、患者、HCP、または自動的に乗数が適用される。次に、アルゴリズムは、評価にしたがって、提案されたインスリン量を自動的に増減することができる。例えば、例示的な「乗数」は、大量の食事が「平均的な」食事の効果の1.5倍であること、または少量の食事が「平均的な」食事の効果の0.5倍であることとすることができる。そのような実装は、特にユーザが炭水化物のカウントに慣れていない場合に、ユーザが実装するのに特に便利とすることができる。そのようなアイデアを拡張して他のアプリケーションに行使することが理解される。
【0468】
複数のタイプのデータが所定のアルゴリズムの入力として使用される場合、複数のタイプは関連している可能性があり、例えば、病気、運動、食事、睡眠などの変数の、例えばタイプ、タイミング、および強度とすることができ、例えば、運動の期間と強度とすることができる。
【0469】
表では、入力は、リアルタイムデータと非リアルタイムデータの2つのカテゴリに分かれている。図17も参照すると、これらの入力カテゴリ246は、以下のようなサブカテゴリに分割される:センサからのデータ(248および252)、ユーザが入力したデータ、または例えば適切なAPIなどの他のアプリからのデータ、導出データ、および他のデータとすることができるユーザデータ254。一部のサブカテゴリは、リアルタイムデータと非リアルタイムデータの双方に表示される。いずれの場合でも、入力246は、次いで、専用受信機またはスマートフォンとすることができるユーザ装置256に、より具体的には、そこに配置された意思決定支援アプリケーション260に供給される。導出データ262は、ユーザ装置256に格納されることができ、ディスプレイ258は、ユーザにプロンプトを表示するため、ならびにユーザ入力データを受信するために、ユーザインターフェースを備えることができる。導出データ262は、ユーザ装置256内のプロセッサによって導出されてもよく、データの導出は、意思決定支援アプリケーション/機能内で発生してもよく、またはその外部で発生してもよい。
【0470】
図16-入力
図16に示されているデータのタイプを再び参照すると、サブサブカテゴリは、特定のタイプのデータを記述するか、それ自体がカテゴリである。例えば、リアルタイムデータのサブサブカテゴリは、「生理学センサ」であり、これらは、例えば、CGM、SMBGセンサ、体温センサ、皮膚伝導性センサ、ホルモンセンサ、心拍数センサなどの異なる種類にさらに分割されることができる。生理学センサに加えて、他のセンサデータは、大気圧、加速度計、GPS、CGMシステム自体のセンサ測定態様、温度センサなどの非生理学センサを含む。そのような入力は、例えば、Apple Watch(登録商標)、Fitbit(登録商標)、または他のウェアラブルから入手可能なものなど、ウェアラブル装置/センサから提供されてもよい。入力を提供する他の装置は、スマートフォンを含む他のモバイル装置を含むことができる。
【0471】
加速度計やGPSなどのセンサは、ユーザが実行した運動や活動に関するデータを提供するために便利に使用することができる。場合によっては、GPSまたは他のセンサを使用して、他のタイプの活動データを決定することもでき、例えば、ユーザが運転している場合は、ユーザへの出力が、例えば、スマートウォッチとスマートフォンのどちらに表示されることができるかを通知することができる。
【0472】
加速度計の特定の場合において、それは、グルコース制御に関連する睡眠パターンまたは睡眠の質を検出するために有利に使用されることができる。そのようなものは、一般に、位置に関連するデータを提供することができるが、重要なのは、活動の検出だけでなく、継続時間と強度にも関連することである。有利に使用することができる1つの潜在的なタイプの加速度計は、3軸加速度計である。
【0473】
場合によっては、意思決定支援アプリケーション/機能は、月経周期の開始(または他のマーカー)に関するデータを入力することを可能にすることができる。このようにして、ユーザは、周期に関する月の様々な時間での血糖値の挙動を数か月にわたって追跡することができる。もちろん、そのようなアルゴリズムおよびデータは、妊娠の努力を支援するために、または避妊にリズム法を使用している場合は、それ自体で使用することもできる。
【0474】
ホルモンセンサは、入力されたデータの他のソースを提供することができ、一例では、月経周期に関連するデータのソースとすることもできる。他のホルモンセンサは、コルチゾンおよび/またはエピネフリンを検知するものを含むことができる。特に患者のパラメータ化されたシステムモデルに関して、「エネルギ入力」対「エネルギ出力」の測定値を提供するために、ホルモンセンサなどを使用することもできる。
【0475】
リアルタイムデータの入力の他のサブカテゴリは、目標、解決する問題、治療への欲求を含むユーザ入力データ、ストレス、感情、または気分に関する入力データ、疼痛レベルデータ、睡眠レベルデータ、フォロワ装置からのデータ、ポンプデータ、食事データ、運動データ、外部血糖値計からの血糖データなどを含む。ユーザ入力データは、グルコース値のユーザ推定値を含むことができるため、ユーザが知覚したグルコース値と実際のグルコース値をより適切に相関させるのに役立つ方法で意思決定支援を行うことができる。例えば、意思決定支援アプリケーション/機能を有効にして、ユーザが高血糖の様々なレベルをどのように感じているかを決定して特定するのをよりよく支援することができる。ユーザ入力データはまた、年齢、性別などのユーザの集団統計データも含むことができる。そのようなデータは、例えば、ユーザの運転免許証をスワイプすることによって便利に取得されることができる。
【0476】
ユーザ入力データが運動を含む場合、本原理にかかるシステムおよび方法は、ユーザが特定のワークアウトまたはイベントを保存して、ワークアウト後の血糖変動のパターンを分析して潜在的に発見できるようにして、意思決定支援アプリケーション/機能によって適切な自動または手動の治療法の変更を行うことができる。例えば、ユーザは、「Cardio1」、「Cardio2」、「GetSwoll1」、「GetSwoll2」などのワークアウトを保存することができる。運動の他の段階は、強度、例えば、軽い、中程度、強い、持続時間、例えば、5分、10分、15分、20分、25分、30分、1時間などに関するものを含むことができる。
【0477】
目標データは、グルコース制御に関する優先順位の表示、例えば、低血糖回避と高血糖回避を含むことができる。ユーザが目標を選択する際に選択できる事前にプログラムされたプロファイルとして、異なる制御タイプを提供することができる。例えば、ユーザは、異なる治療スタイルおよび目標に適合するように、低最小化制御、超最小化制御、頻繁対不定期の補正ボーラスなどの目標を選択することができる。
【0478】
同様に、ユーザのフィードバックも意思決定支援への重要な入力を構成することができる。すなわち、意思決定支援アプリケーション/機能は、ユーザのフィードバックに基づいて変更でき、例えば、最近の血糖コントロールについて何を変更したいかについて定期的にユーザに問い合わせ、「夜間低血糖の回数を減らしたい」または「頻繁に補正ボーラスを与える必要がないことを望む」などのオプションを提供することができる。フィードバックは、ユーザの煩わしさを最小限に抑えるために便利な方法で求められることができる。例えば、フィードバックは、スライダーバーまたはユーザの選択に便利な他のユーザインターフェース要素によって提供されることができる。スライダーバーは、例えば、相互作用がどのくらい望まれているかを示すために他のユーザ入力用に提供することもできる。
【0479】
上記のように、意思決定支援アプリケーション/機能は、ボーラス計算機の一部として有利に使用されることができる。したがって、ユーザ入力はまた、そのようなボーラス計算機へのユーザ入力を含むことができる。例えば、意思決定支援アプリケーション/機能は、例えば、+/-0%、+/-10%、+/-20%など、ユーザに所定の用量調整を提供するユーザインターフェースを用いて提供されることができる。提示される用量調整は、それ自体がCGM傾向に依存することができ、例えば、負または低下するグルコース傾向の場合、負の用量調整が提供されることができる。選択された調整は、他の傾向調整の有無にかかわらず計算されたボーラス投与量に適用される。あるいは、調整がファジィになることができる。さらに他の実装では、ユーザは、境界内で調整をカスタマイズするように選択することができる。時間の経過とともに、データにより、意思決定支援アプリケーション/機能は、このユーザ入力データ(およびその他の入力)に基づいて最適な調整を決定し、プロバイダの承認(またはプロバイダの承認/確認なし)で、調整オプションがユーザに提示されて再決定されることができる。
【0480】
関連する実装では、パーセンテージではなく、変化率データを使用して、固定量で計算されたボーラス値を増加/減少することができる。このようにして、患者は、自分のインスリン感度/補正係数を使用して、食事ボーラスからその量のグルコース変化をカバーするのに十分なインスリンを追加または減算する。この実装では、最初は、ボーラス計算を変更せずに残しておくことができ、意思決定支援アプリケーション/機能は、ケースベースの学習プロセスの一部として、変化率に基づいてインスリンの追加または減算が必要な量を学習することができる。例えば、インスリン感度を更新するのではなく、グルコースが上昇または下降している場合、システムは、グルコースが目標からどれだけ離れているかを学習し、それを説明すべきグルコースの量であると考えてもよい。この場合、新たなインスリン感度は学習されないが、代わりに、運動のない朝食のインスリン感度に特有の、ライフスタイル要因などのケースの他の記述子に基づいて、最良のインスリン感度推定が使用される。変化率に基づいてインスリンボーラスを調整する量と、時間や運動などに対するインスリン感度の変化との双方を学習することが望ましくあり得るため、本原理にかかるシステムおよび方法は、有利には、2つの問題を有利に分離し、変化率が比較的安定している場合にインスリン感度更新のみを行うことができる。変化率に基づいてユーザがインスリンをどの程度調整する必要があるかを学習すると、例えば、ユーザが食事ボーラスを摂取し且つ傾向矢印が90度上にあるときに、ユーザの食後グルコースが常に約30mg/dL付近の高すぎるパターンを示すそのようなデータをHCPにプッシュすることができ、HCPは、インスリンの量を加算または減算することを承認するように要求されることができる。機械学習を使用して、まさに患者ごとに異なることができる場合にパーセンテージまたは固定量を使用した変化率に基づいてインスリンボーラスを変更する方が良いかどうかを決定することもできる。変化率データの使用に関する追加の詳細は、以下の例で提供される。
【0481】
様々な入力の説明に戻ると、入力は、ユーザのフォロワに関するデータ、または他の関連ユーザに関するデータを含むことができる。この入力されたデータは、例えば個人またはグループの目標を達成するための社会的グループ分けに関するデータを含むことができ、さらに自然言語処理を使用して、グループまたはそのメンバーの客観的且つ定量化可能な欲求および目標を導き出すことができる。入力は、さらに、例えば「娘について何が起こっていると思うか?」などのクエリに対する応答として、フォロワからの入力を含むことができる。
【0482】
ユーザが入力するリアルタイムデータの他のソースは、食事データを含む。ユーザは、ファジィまたは分類された方法で、または鮮明な入力として食事データを入力することができる。機械学習は、ユーザがどのように食事を分類するかを客観的な意味で学習するために使用することができる。例えば、意思決定支援アプリケーション/機能に入力されたものに関して、ユーザが食事を「少量」とする場合、システムは、ユーザが「少量」の食事と考えるものをより定量的または客観的な方法で学習することができる。同じことが他のサイズとして入力され、呼ばれる食事にも当てはまる。同じことが、ユーザが入力した食事の構成に関するデータにも当てはまる。換言すれば、システムは、ユーザが食事構成のステートメントを意思決定支援アプリケーション/機能に入力したときにユーザが何を意味するかを学習することができる。例えば、ユーザが食事を「高炭水化物」とする場合、システムは、グルコース反応と、提供されたインスリン(利用可能な場合)に関するデータとから、食事データと組み合わせてユーザが「高炭水化物」と見なすものを学習することができる。
【0483】
リアルタイムデータの入力の他のサブカテゴリは、他のアプリケーションまたは「アプリ」からのデータ、例えば一般に適切なAPIからのデータを含む。そのようなアプリは、意思決定支援アプリケーション/機能を提供するコンピューティング環境に常駐することができ、またはそれと有線または無線で通信することもできる。そのようなアプリは、カレンダーアプリ、GPSアプリ、CGMアプリ、履歴データやその他の情報を保持するアプリ、SMBGアプリ、温度モニタプリ、Healthkit(登録商標)、例えばテキストメッセージングアプリなどのフォロワからのデータ、ボーラス計算アプリ、時刻を提供する時計アプリ、ユーザプロンプトを最適な時間に提供できるようにするために経過時間を示すアプリ、クラウドデータまたは「ビッグ」データへのアクセスを提供するアプリ、カメラアプリ、ポンプアプリケーション、ペンアプリケーション、ボーラス計算アプリケーションなどを含む。特定の例として、テキストメッセージまたは電子メールアプリは、例えばディナーパーティーなどのイベントを指すことができる。適切なAPIを介して、テキストメッセージまたは電子メールアプリは、カレンダーデータの入力ソースとして機能することができる。特定の例では、「CGMにイベントを追加する」オプションが存在することができ、またはCGM(または同等の意思決定支援アプリケーション/機能)は、カレンダーイベントが追加されるたびにイベントデータを自動的にプルすることができる。そのような機能は、ユーザがカレンダーイベントとCGMイベントを同時に作成することを可能にするため、イベントデータを収集し、イベントがグルコースの傾向にどのように影響するかを簡単に確認する方法を提供する。
【0484】
例えば、ボーラス計算機の意思決定支援は、一般に、食事データの入力を必要とする。一実装では、カメラアプリケーションは、プレートの上で食事の写真を撮るようにユーザに促すことができる(図18Aを参照)。ユーザは、電話のカメラを使用して写真を撮ることができ、ブラケットを画面上のユーザインターフェースの一部として提供して、ユーザに写真の撮り方を案内することができる。次に、アプリは、プレートのサイズに関連して食事のサイズを測定し、食事を、例えば、小、中、または大のように示すことができる。次に、アプリは、食事のサイズに基づいて推奨用量を提示することができる。さらに強化された実装では、アプリは、写真認識技術を使用して、プレートに何があるかを決定、推定、または推測し、結果として生じる食事の構成に関する推定を提供することができる。バリエーションは理解される。例えば、代替の実装では、ユーザプロンプトは、プレート上の食事の写真の上で異なる円(または他の形状)のサイズをスワイプするようにユーザに指示することができる(図18Bを参照)。次に、アプリは、ユーザにプレート上の食事のサイズに最適な円のサイズを見つけるように求めることができる。
【0485】
アプリから提供できる他のリアルタイムデータは、最近のボーラス、基礎率などを含むポンプまたは関連データを含む。他の例として、プロンプトは、CGM入力および他のコンテキスト情報と併せて、推定インスリンオンボードに基づいて提供されてもよい。インスリンオンボードとは、患者に投与されたが、身体がグルコースを組織に輸送するために身体で使用されていないインスリンの量を表す用語である。食事ボーラス摂取後、推定インスリンオンボードは、まだ元の用量の半分であるが、測定されたグルコースが既に80に低下している場合は、継続的なインスリン活性が予想され、さらにグルコースを下げて低血糖レベルになるため、警告が提供されることができる。
【0486】
より詳細には、あまりにも多くのインスリンを投与した患者は、低血糖のリスクと死に至る可能性がある。現在、患者の体内にあるインスリンの量を測定するリアルタイムの測定方法はない。インスリンスタッキングは、インスリンを使用する患者が短期間に複数のボーラスのインスリンを投与すると発生する。前の投与からのインスリンは、その完全な効果を発揮していない可能性があり、したがって、患者は、その後の投与で自分自身に過大なインスリンを与え、患者に低血糖の重大な危険をもたらす可能性がある。連続直接インスリンセンサを使用して、患者の体内にあるインスリンの量を測定することができる。この検出器は、ポンプまたは人工膵臓を遮断するための警告またはフェイルセーフとして使用することができる。各患者は、一般に、異なるインスリン感度を有しているため(ただし、この感度は、ここで説明する意思決定支援アプリケーション/機能を使用して学習することができる)、警告設定には一般に複数の閾値が必要である。
【0487】
この実装の第2の態様は、直接インスリンセンサを使用して、患者のインスリン量をモニタリングすることを含む。インスリンの量は、患者に安全な用量のインスリンを推奨するフィードバックを与えるために使用することができる。インスリン情報はまた、計算機またはポンプに直接送信され、インスリン投与計算で使用されて、投与するインスリンの適切な量をより正確に推定することもできる。これは、ボーラス計算機で使用されている現在のインスリンオンボード推定の代わりに使用することができる。
【0488】
この実施の第3の態様は、患者のインスリン感度を測定するための直接インスリンセンサの使用を説明している。インスリン感度は、患者によって、さらには同じ患者でも時間の経過によって異なる可能性がある。したがって、本原理にかかるシステムおよび方法は、直接インスリン検出器を使用して、患者の体内のインスリンの量を測定することができる。患者内のグルコースとインスリン濃度の情報をアルゴリズムに組み合わせることで、インスリン感度を計算することができる。次に、インスリン感度に含まれる情報を使用して、糖尿病を管理するために、例えば、患者に与えられるインスリンの量を増減して、それらのグルコースレベルを最もよく制御するために、インスリン増感剤、インスリン分泌促進薬、またはインスリンを使用すべきかどうかを決定することができる。
【0489】
図16の入力のチャートに戻ると、非リアルタイムでも使用することができるリアルタイムデータの他の例として、アプリやその他のセンサからのGPSデータを外出中のユーザに使用することができ、例えば、大学のユーザのために、潜在的なフォロワや友人を決定する。
【0490】
カレンダーアプリを使用して、ユーザに関するデータを提供できる。複数の異なるソースからのデータを決定する例として、運動が予定の表記内にある場合、または運動のパターンが、ユーザが毎日または毎週同じ時間に運動することを示唆している場合、運動データは、カレンダーデータから決定できる。
【0491】
入力の他の例として、安全ルールを使用して、様々なレベルの積極性に意思決定支援を提供できる。例えば、ユーザが詳細な食事情報を提供しない場合、ユーザのグルコースレベルを目標範囲に上げるようユーザに促す意思決定支援アプリケーション/機能は、目標の中央ではなく目標範囲の上限を目指すことができる。同様に、ユーザが非常に大量の炭水化物を示す食事データを提供する場合、全体的な炭水化物量が増加するにつれて炭水化物カウントのエラーがより悪い影響を与えることが知られているため、意思決定支援アプリケーション/機能において目標範囲の上限を再び目指すことができる。
【0492】
入力の他の例として、装置の診断は、装置の信号品質と信頼性を含む入力として機能するだけでなく、それに基づいてリスク層別化を決定することもできる。例えば、食事または補正ボーラスまたは他の意思決定支援プロンプトは、少なくとも部分的に信頼区間によって通知されてもよく、信頼区間は、少なくとも部分的に装置信号品質および/または検出された障害によって通知されてもよい。
【0493】
クラウドまたはビッグデータも使用することができる。クラウドまたはビッグデータの使用例として、HCPは、インスリン抵抗性またはインスリン感度の初期値を決定することを望むことができる。HCPは、体重、年齢、性別などの集団統計データを入力することができる。次に、アプリは、データベースを検索し、対象のユーザに最も類似しているユーザを見つけ、平均の設定を最初の候補として使用することができる。クラウドまたはビッグデータは、同様に集計数に基づいて、初期リスク層別化のためにさらに使用されることができる。
【0494】
上記のように、CGMアプリは、意思決定支援アプリケーション/機能への入力を提供することができる。例えば、いくつかの実装において、ファジィロジックを使用して、例えば、40-400の範囲外のグルコースレベルを処理することが好ましくあり得る。入力として機能し且つCGMアプリから利用できるさらに他のデータは、目標グルコースレベルまたは範囲を含むことができる。
【0495】
さらに他のタイプの入力には、導出データを含む。いくつかの場合にはリアルタイムデータも構成することができる導出データは、分析物の変化率または加速率、インスリン、睡眠、食事、および/または運動などの様々なタイプの感度、(以下により詳細に説明される)リスク層別内の階層、グルコース変動、ユーザのストレス/感情/気分データ、装置との相互作用に対するユーザの要望、センサの精度/信頼度/信号品質、パターンデータなどを含む。そのような感度は、上で定義したようにライフスタイルの要因を構成することがよくある。ホルモンレベルは関連する因子であることが知られているため、上記のホルモンレベルの検出は、インスリン感度の検出および定量化にさらに役立つことができる。
【0496】
インスリン感度は、睡眠、エネルギ摂取量対エネルギ出力量、食品摂取量などに基づくことができる。インスリン感度は、例えば概日リズムによって急速に変化する可能性がある。インスリン感度は、イベント駆動型、ストレス駆動型であり、病気、活動などの要因によっても駆動されることが知られている。ユーザがCGMモニタを採用している場合、インスリン感度に影響を与えるイベントを検出することができ、インスリン感度の測定は、グルコースへの炭水化物の摂取量とインスリンの基礎/ボーラス量の知識から決定することもできる。インスリン感度の定型的および非定型的な範囲も決定することができる。インスリン感度は、例えば、毎日同じ時間に基礎率を測定し、食事、運動、ストレスなどを含む様々なイベントに関してグルコース値がどのように変化するかを確認し、さらに同じ試験を基礎率の様々な変化によって実行することにより、測定されることができる。インスリン感度はまた、コルチゾールやエピネフリンを含む様々なホルモンのレベルを試験することによっても検出できる。
【0497】
食事感度に対応する導出データは、例えば、糖感度、夕食感度などを決定することによってさらに細かくすることができる。他のそのような摂動または相互作用感度も導出可能であると理解されよう。
【0498】
「インスリンと炭水化物」の比率も、導出データを構成することができ、同じことが一般に遡及分析を使用して決定および最適化される。同じことを使用して、インスリンから炭水化物への様々なレベルの影響をグラフで示すことにより、ユーザに意思決定支援教育を提供できる。特に、インスリン送達の知識があれば、意思決定支援アプリケーション/機能、または関連するまたは接続されたモジュールは、例えば、遡及的なグルコース傾向ラインを変更することにより、グルコースレベルに対する様々なインスリンと炭水化物の比率の使用の効果をユーザに表示することができる。意思決定支援アプリケーション/機能内で、最適なインスリンと炭水化物の比率設定を自動的に決定することができ、さらに、インスリンと炭水化物の設定が時間帯、活動レベルなどによってどのように変化するかを決定することができる。
【0499】
場合によっては、導出データは、分析する期間または決定するパターンの分析を必要とする。例えば、インスリン感度またはインスリン抵抗性の決定は、持続時間にわたって取られたデータの分析を必要とすることができる。特定の実装において、インスリン抵抗性は、女性の糖尿病患者の月経周期を通して変化することができる。意思決定支援アプリケーション/機能は、例えばインスリン消費とグルコース値の組み込みを含む、インスリン抵抗性の結果として生じるサイクルを使用して、ユーザに提供する予測インスリン抵抗性警告を決定できる。例えば、患者には、1日の初めに、履歴的に自分たちのサイクルで血糖値が上昇または低下する傾向があることのリマインダを受け取ることができる。そのようなプロンプトは、患者が自分の血糖値がどのように振る舞うと期待できるかについてより良心的になるのに役立つ。
【0500】
インスリン感度の初期値またはシード値の場合、患者のデータベース、特に体重、年齢、性別、糖尿病の長さなどが類似している患者のデータベースから集団データを使用することができる。そのようなものは、デフォルト値に使用することができ、ユーザに関する追加情報が時間の経過とともに判明するにつれて自動調整されることができる。
【0501】
食事データはまた、食品パターンや食品ライブラリなどから得られるのと同じように、導出データの形式であってもよい。食事データを導出する他の方法では、遡及分析を使用して、他のデータを使用して、所定の食事の炭水化物含有量を推定することができる。そのような他のデータは、例えば、送達されたインスリン、グルコースレベル、運動、健康、食事時間などを含むことができる。そのようなデータを収集することにより、意思決定支援アプリケーション/機能は、ユーザの典型的な食事とその食事に対する典型的なグルコースの反応を決定する一方で、他の要因がグルコースに及ぼす影響を軽減することができる。そのような機能は、ボーラス計算機の精度の向上、システムが異常なグルコース反応に気付いた場合の警告を最適化する機能、ユーザの食事パターンと様々な食事がグルコースに及ぼす影響を理解するための支援、インスリンと炭水化物の比率のより正確な計算など、いくつかの利点を有する。
【0502】
導出データは、さらに、例えば、ユーザが炭水化物計数において誤りを犯しがちかどうか、およびどれだけ、例えば過大評価または過小評価する傾向があるかなどのユーザ推定データを含むことができる。
【0503】
導出データはまた、認識されたパターンについて決定されたデータも含むことができ、パターンは、経時的な履歴データの分析によって認識される。例示的な認識されたパターンは、毎晩の低血糖症、食後の高値、運動後の低値などのパターンを含む。
【0504】
そのようなパターンを決定する、またはパターンにはないグルコースイベントの発生を検出する1つの方法は、特定の特性によって定義される特定のイベントを「ビニング」することである。すなわち、特定の糖尿病の課題、例えば、リバウンド低血糖を示す所定の基準を満たすグルコーストレースの部分が検出され、次に、それに応じて「ビニング」されたこれらのイベントにおいてパターンを探すことができる。
【0505】
図19以降
より詳細に、そして図19のフローチャートを参照すると、グルコースセンサデータの署名またはフィンガープリントは、いくつかの所定の基準に基づいて、個々の患者内で特定または区別されることができる(ステップ262)。そのような基準は、時間ベースの基準を含むことができ、および/または特定の制約内で検出された特定のインシデントを含むことができる。本システムでは、本原理によれば、ビンは異なる基準によって区別されてもよい。個々の特定のパターンについてより多くのビンを学習できる監督された学習アルゴリズムを使用することができる。例えば、ビンは、インスリンデータ、グルコースデータの変化率(またはその加速/減速)、例えば少量の食事の前に発生するイベント、グルコース情報に対する個人の反応性など、以前に特定され且つデータを特徴付けるために使用されるデータのパターンに基づくことができる。
【0506】
次のステップは、例えば、減衰曲線、波形署名などに基づいて、インシデントを特徴付けることができることである(ステップ264)。例示的なインシデントは、例えばインスリンデータに基づく食事ボーラス指標を含むことができ、これは、小、中、および大の食事ビンに分類されることができる。そのようなものは、インスリンデータと相関があることができる。異なる食事の種類も特徴付けられ、その後、異なる食事組成にサブビン化されることができる。これらは、変化率/加速/減速と相関があることができる。インシデントはまた、食事前のイベントとの相関に基づいて特徴付けることもでき、そのようなものは、上記のデータのパターンに対応している。インシデントは、さらに、行動パターン、例えば、ユーザが自分のグルコースデータを確認する頻度または警報に応答する頻度に基づくことができ、そのようなものは、上記の応答性データと相関があることができる。他のビンも使用することができることが理解されよう。
【0507】
次に、特徴付けられたインシデントをビンに入れることができる(ステップ266)。その後、インシデントごとに同期することで、ビンを特定の患者の生理機能に合わせて調整することができる。次に、ビンを正規化することができる。すなわち、ビン内のインシデントの正規分布を定義することができる(ステップ268)。
【0508】
次いで、正規化されたビン情報は、例えば、ステップAにかかる状態の決定または定義において、意思決定支援アプリケーション/機能への入力として積極的に使用されることができる(ステップ268)。一例として、正規化されたビン情報は、ボーラス計算機への入力とすることができる。正規化されたビン情報はまた、ユーザが食事の前にボーラス計算を要求したとき、またはシステムが時間もしくは他の要因に基づいて食事の前にボーラス計算を要求したときなど、ユーザが積極的に決定または要求した他の要求に応答するためにも使用することができる。ビニング技術を使用して、患者が行動入力に基づいてデータに合わせる時期を決定することができ、これにより、ボーラス推奨が一般により保守的である場合、ユーザが夜間などのグルコース情報に集中していない場合とは対照的に、より積極的な推奨が可能になることができる。
【0509】
図16に戻ると、非リアルタイムデータでは、入力は、以前のSMBGデータ、技術に関するユーザの知識、目標データ、解決すべき問題、特定の治療への要望、目標グルコースレベル、年齢や性別などの集団統計データ、心臓の健康状態、コレステロール値、採用する数学的計算のタイプ(通常はデフォルトで、またはHCPによって入力される)、病気または妊娠または月経に関するデータ、服用した薬物に関するデータ、喫煙履歴などのユーザ入力データを含むことができる。非リアルタイムデータはまた、履歴パターン、胃内容排出時間などを含む導出データも含むことができる。他の非リアルタイムデータは、フォロワに関するデータ、例えば、コミュニケーションのトーン、言語などを含むことができる。これらは、ユーザの効果を高めるために出力を変更する際に使用することができる。
【0510】
胃内容排出時間に関して、糖尿病人口の25%(1型および2型)が何らかの形態の胃内容排出遅延を経験することが指摘されている。同じグループの7-12%は、胃内容排出遅延の増加を被っている。胃内容排出遅延の人口は、糖尿病人口内で非常に大きな割合で増加しており、現在、一般人口内の医療専門家にとって懸念事項になっている。
【0511】
現在のボーラスウィザードは、胃内容排出を考慮していないため、特定のリスクが存在する。例えば、胃内容排出が閉ループ膵臓システムに組み込まれていない場合、個人は、補正が繰り返されてインスリン送達が減少するグルコース変動のリスクを負う。これは、時間の経過に伴う逐次近似波形に似たカオス的なインスリン送達をもたらす。インスリンポンプ用のボーラス計算機で同じものが使用されていない場合、投与した食事のサイズとほぼ相関する低血糖イベントが発生する可能性があるため、結果として人を危険にさらすことになる。それらはまた、インスリンの反応性がシステム内で低減且つ低下しているときにその効果が有効になるため、食事のサイズに同様に大まかに相関がある高血糖イベントを被る可能性がある。
【0512】
時間が経つにつれて、そのような変動は、時間の経過とともに胃の機能を低下させる可能性があるさらなる損傷に現れることができる。さらに、その人は、末梢神経障害のリスクを高める。
【0513】
胃排出遅延は、栄養素の実際の吸収が発生し、迷走神経の神経障害、胃内の神経損傷、胃内の筋肉損傷などの要因によって引き起こされる可能性がある小腸に、処理および準備された栄養素と食品を移動するプロセスを押し出す。胃内容排出研究は、胃麻痺の予後をもたらす可能性がある遅延の程度を定量化するために、GI医師によって使用されている。
【0514】
インスリン依存性糖尿病患者に与えられる一般的な指示は、食事の0から30分前に投与(ボーラス)することである。この指示の合理的な理由は、消費された食品が吸収段階に入る時間に対応するようにインスリンの効果を計時することである。このタイミングは、胃内容排出が問題にならない場合には正確である(1型および2型の人口の75%)。しかしながら、人口のバランスにおいて、インスリンの送達時間は不正確である。速効型インスリンは、ボーラス投与後約90から120分で最大効果に到達する。これは、ボーラス投与、体内での伝播、細胞表面のAおよびB受容体への付着からの遅延である。その時、細胞は糖を処理してそうすることができる。しかしながら、胃排出遅延のある個人の場合、システムへの処理済食品の送達はまだ行われていない。これらの個人の場合、食事の約90から120分後(食事の30分前にボーラスを投与した場合)、低血糖イベントを被る。このイベントは、一般に、固形食品よりも腸やシステムに早く入るオレンジジュースなどの液体によって対処される。
【0515】
インスリン反応は、食品が処理されてシステムに入っているときに、胃排出遅延の上昇したケースのピークの終わりで低下している。これは、補正ボーラスを投与する必要がある高血糖イベントをもたらす。したがって、食後のボーラスの送達のための時間遅延を提供するために、胃内容排出時間を入力として使用することができる。この遅延は、ボーラス計算機または閉ループ人工膵臓システムに適用することができる。胃排出時間はまた、食事後の変更された基礎率の時間遅延を提供するための入力としても使用することができる。この遅延は、インスリンポンプまたは閉ループ人工膵臓システムに適用することができる。
【0516】
個人の胃内容排出遅延を決定する1つの方法は以下のとおりである。CGMユーザがボーラスと食事を入力すると、次の4時間のデータがCGM内で分析される。傾向に従う個人に発生する再現可能なイベントがある場合、胃排出遅延が推測されることができる。次に、推測された遅延は、上述したようにボーラスおよび/または補正された基礎率に適用されることができる。
【0517】
図20に示す例を参照すると、期間(a)は、ボーラスと食品の進入を示している。それらはまた、互いにオフセットされている。期間(b)は、食品処理が行われるべき期間を示しているが、この例示的な患者では、食品処理が遅延している。期間(c)は、食品がボーラスと整列するため、食品が正常に処理される時期を示している。時間(d)は、実際の食品処理が胃遅延で発生する時期を示している。BG低下の傾きは、胃排出遅延の速度と一般的な遅延を示している。この遅延はまた、(c)と(d)の開始の間の差分とそれらの継続時間を決定することにより、BG値信号内にも表される。血糖信号内の一般的なノイズ内でこの信号を分離するために、インスリン感度は、個人の血糖データから計算される。
【0518】
再び図16を参照すると、非リアルタイムデータは、さらに、メモリまたは他のストレージに格納され、そこから取り出される、格納されたデータを含むことができる。格納されたデータは、決定されたパターンおよびパターンもしくは他のグルコースイベントを決定するために使用されるデータの双方の履歴データを含むことができる。格納されたデータは、以前のユーザイベントを含むことができる。例えば、HCPが以前にパターンにコメントしたことがある場合、パターンが繰り返されると、HCPコメントがユーザインターフェースに再表示されることができる。
【0519】
入力は「ファジィ」とすることができ、例えば、特定のカテゴリに分類され、例えば、少/中/多食事、または「通常よりも少ない」/通常/「通常よりも多い」など、そのカテゴリ自体が入力として使用されることができ、あるいは入力は鮮明とすることができる。したがって、表には、例示的な分類された入力またはファジィ入力、ならびに例示的な鮮明な入力も示されている。この表はまた、例えば、ライフスタイルの態様、状況の態様、臨床の態様、または装置の態様のいずれについても同じ懸念があるかどうかなど、入力のコンテキストのタイプに関する解釈も示している。場合によっては、入力は、複数のカテゴリを占めてもよい。
【0520】
入力の使用方法と集計方法は異なることができる。一実装では、関数が決定されることができるか、またはユーザシステムモデルが作成されることができ、入力は関数またはモデルで直接使用される。他の例では、階層的アプローチでは、意思決定支援アプリケーション/機能は、層別化アプローチで様々なソースから取得した情報を使用するように設計することができる。ベアボーンシステムは、CGMデータを使用し、追加のデータが受信されると、意思決定支援のために同じデータが使用されることができる。一般に、情報量が増えると、推定と決定の信頼性が向上する。同様に、ユーザまたは使用条件は、バケットまたはリスクの層に分類されることができる。情報が利用可能になるたびに、システムは、安全を確保するために階層を上または下に移動することができる。
【0521】
さらに、上記から理解されることができるように、入力の組み合わせ自体が追加の入力をもたらすことができる。例えば、代替の経験的アプローチは、履歴レベルまたは予測の成功に基づいて攻撃性を制御することとすることができる。例えば、意思決定支援における積極性は、例えば、時刻、曜日、イベントのタイプなどの状況が履歴的に変動または不十分に予測されたグルコースレベルをもたらした場合に低減される可能性がある。例えば、ユーザは、平日は非常に一貫性のある昼食を、週末は一貫性のない昼食を消費することがあり、一貫性とは、タイミング、食事のサイズ、食事の内容を指す。一貫性がないと、週末の昼食前ボーラスの結果が予測できなくなる可能性がある。意思決定支援アプリケーション/機能は、この不十分な予測可能性を検出し、それに応じて積極性を調整することができる。
【0522】
図21を参照すると、CGMアプリまたは意思決定支援アプリケーション/機能の動作モードは、様々な方法で分類できる入力として機能することができる。例えば、動作モードは、装置の自己較正や工場での較正などの較正モードを指すことができる。動作モードはまた、スケジューリングされた送信またはスケジューリングされていない送信などの送信モード(表示装置へのデータの送信)を指すこともできる。記載されたこれらのモードは全て例示であり、他の動作モードも可能であることに留意されたい。動作モードはまた、治療的、非治療的、補助的、非補助的などの意思決定支援モードを指すこともできる。図からわかるように、モードが動作上順次であると考えることができる場合であっても、意思決定支援アプリケーション/機能は、1つのモードから隣接モードに、または1つのモードから非隣接モードにジャンプすることができる。例は、スケジューリングされた送信の場合であり、モード1では30秒ごとに送信が行われ、モード2では1分ごとに送信され、モード3では5分ごとに送信される。多くの場合、そのようなモードは、特徴的な時間の変化だけでマークされるのではなく、例えば周期的から非周期的などの機能の変化によってマークされる。
【0523】
信号は、Apple WatchやMicrosoft Bandなどのスマートウォッチ内のセンサから収集され、例えば低血糖の検出など、入力された特定のデータを補強することができる。信号は、心拍数、交感神経/副交感神経バランス(心拍数から推定)、発汗、動きなどを含むことができる。信号は、CGM信号に加えて使用することができる。補助信号を処理するために使用されるアルゴリズムは、トレーニングを支援するためにCGMを使用して、患者自身のデータでトレーニングすることができる。これらの外側の制限は、オフラインまたはクラウドで最適化することができる。次に、検出基準を患者のスマートフォンおよび/またはスマートウォッチに送信することができる。例えば、CGMが低血糖を検出できない場合があり得るが、低血糖の可能性を示す補助信号によって補強すると、患者は、低血糖の疑いがあることを警告され、それによって結果を回避することが可能にされる。あるいは、補助信号の処理に使用されるアルゴリズムがトレーニングされた後、CGMを使用せずにスマートウォッチ信号を使用して低血糖を検出することができる。この使用例では、アルゴリズムの調整を使用して、感度/特異性を最適化することができる。
【0524】
検出された認知能力も入力として使用することができる。より詳細には、認知能力および運動機能は、多数の多様な入力および効果によって影響を受ける可能性があることに留意されたい。例えば、糖尿病を患う個人は、低血糖症の機能としての認知および/または運動機能の低下を被ることがある。低血糖インシデントが起こり、血糖値が下がると、個人は、集中力および/または理解力の低下を被る。さらに、身体が砂糖不足に反応するため、筋肉が緊張して不規則に作用し始めることがある。
【0525】
スマートフォンやタブレットなどの入力装置の静電容量機能を使用すると、ユーザは、情報を表示して決定を行い、画面のインジケータを押して装置の相互作用を実行することができる。ユーザがそのような装置のアプリケーションに慣れると、対話間の遅延が減少する一方で、意思決定能力が向上する。さらに、慣れ親しんだ一般的なタスクを実行するために、一連の使い慣れたシーケンスを開発する。
【0526】
しかしながら、個人が薬物相互作用、アルコール、または低/高血糖を被っている場合、これらの慣れたタスクは、あまりなじみがなくなる。これは、通常は直感的で集中力を必要としないユーザインターフェースの観察と理解にユーザがより多くの時間を費やす必要がある状況をもたらす。ユーザインターフェース画面で費やされた時間は、個人の過去の基準と比較して長くなる。上記の影響のいずれかが原因でユーザの運動機能が低下した場合、ボタン、スライダ、オンスクリーンキーボードなどのオンスクリーンインジケータを押す能力が不均一になり、ユーザの通常の指標から逸脱する可能性がある。そのような状況では、コントロールの中心点に対する最初のプレス位置が、ユーザの通常のプレス位置からずれている可能性がある。さらに、プレス/リフト動作がボタンへのインタラクションである場合、モータ制御が不十分な状況では、プレスの後に「ドラッグ」モーションが続き、インタラクションのリフト位置が変化することがある。時間とユーザインタラクション画面でのユーザインタラクションのメトリックを累積することにより、例えば、コントロールの中心点に関連するコントロールのプレスXY位置、指を離す前のXY距離の移動、押された状態の継続時間など、ユーザの対話のプロファイルを維持することができる。そして、このデータをユーザの血糖測定値と相関させて、一般的な集団の行動や、性別、年齢などに基づくサブ集団を決定することができる。この情報をさらに使用して、個人が属する集団グループに関連して、個人の認知能力/運動機能能力がどこにあるかを判定することができる。特定の個人の障害の程度も決定され、入力として使用されることができる。換言すれば、意思決定支援アプリケーション/機能は、この情報に基づいて、例えば、ステップAにかかる状態の定義において同じ情報を使用することにより、意思決定および/または行動を行うことができる。そのような決定および行動は、支援を通知または要求するために他の個人に警告されることができる。また、そのような状況で、自動車の運転やその他の潜在的に危険な行動を禁止するためにも使用されることができる。
【0527】
関連する実装では、認知能力が低下した場合に、ガイドとなる「ウィザード」構成要素がインスタンス化されることがある。この場合、「設定を変更しようとしているが、実行してもよいか?」などの検証をさらに発生させることができ、「血糖値が上がるまで待ってからセンサを交換」などの安全ガイダンスなどを発生させることができる。
【0528】
他の実装では、モータ機能の低下が検出されると、ボタンとユーザインターフェース構成要素を拡大することができるか、または、より大きなプレス領域を利用することができる。また、ボタンの「ドラッグ」動作を「プレス」動作として解釈し、個人を支援してもよい。
【0529】
このようにして、低血糖症/高血糖症に罹患した患者を支援し、そのフォロワに状態を通知することができる。それはさらに、アルコールで障害のある人たちが安全でないまたは適時でない行動をとろうとしないようにすることができる。さらに、それは、薬物相互作用または薬物反応が発生しているかどうかを事例的に特定することができる。さらに、それは、そのようなイベントに対する経時的な反応を生じさせるために、そのようなデータを経時的に追跡することができる。それは、類似した人々の集団に関連する人の状態を決定するのに役立つデータを生成することができる。
【0530】
意思決定支援の提供に使用することができる他のタイプのデータは、糖尿病サブタイプである。特に、糖尿病は、現在2つの異なるカテゴリに分類されている。I型糖尿病患者は、インスリンを産生することができず、したがって、その外部供給源に依存している。II型糖尿病患者は、最適でないインスリン産生能力を有しており、生理学インスリン産生異常を相殺するために、一般に注射されたインスリンに依存している。これらの様々なサブタイプも理解することができ、一般に遺伝子変異に対応する。遺伝的突然変異#1は、被験者の需要に表面化した弁解の異常をもたらす個体の遺伝的配列内のマーカーを含む。この異常により、インスリンが細胞表面のAおよびB受容体に付着する能力が低下する。阻害の効果または付着の減少は、インスリンがその効果を発揮することを困難にする。これにより、インスリンが細胞表面に付着するのに長い時間がかかり、既知の量のインスリンの影響が減少する。さらに、血糖値に測定可能な影響を与えるために、インスリンが適切な細胞集団に付着するには、より長い時間が必要である。これはインスリン抵抗性と称される。遺伝的変異#2は、遺伝的変異#1の反対であり、個体に表面的な弁解の逸脱をもたらし、通常よりも簡単にインスリンの付着を可能にし、より迅速な細胞応答およびインスリンに応答するより大きな細胞集団をもたらす。患者を糖尿病のサブタイプで分類することにより、追加のパーソナライズおよび治療プロンプトの調整/調節が提供されることができる。
【0531】
意思決定支援アプリケーション/機能で使用することができる他のタイプのユーザが入力する入力は、警告のバティックを減らすための警告閾値でのユーザ入力である。ユーザ入力閾値は、ユーザが警告を設定するために必要なクリック数を減らすことができる。この実装では、図22Aおよび図22Bを参照すると、ユーザは、ユーザインターフェース上で、グラフ上の実際の閾値線に触れ、それをユーザが望む警告閾値までドラッグすることができる。ポップアップ値は、閾値の現在の正確な値をユーザに通知する。ユーザが指を離すと、閾値が正しいかどうかを尋ねるポップアップが表示される。この機能は、偶発的なタッチとドラッグを軽減する。バリエーションとして、グラフは、ユーザが毎日の傾向を追跡し、毎日の活動に対応する警告を設定できるグラフにすることもできる。
【0532】
上記の説明には、様々なタイプの入力が含まれている。入力のその他の例と、それを意思決定支援で使用する方法について、具体的な例に関連して以下に説明する。変数が他の追加のデータを収集するために結び付けられる例も提供され、例えば、GPSが非常に速い動きを示している場合、ユーザが運転していると推測され、この情報が意思決定支援に使用されることができる。さらに、入力を決定する他の例、およびより詳細にライフスタイル情報を収集するためのスマートフォンの使用は、本出願の譲受人が所有し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「連続グルコースモニタリングにおけるスマートフォン機能を活用するシステムおよび方法」と題された同時係属中の2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/801,445号に開示されている。
【0533】
システムの詳細
図23は、いくつかの例示的な実装形態にかかる、例示的なシステム100の要素をさらに詳細に示している。システム100は、センサ電子機器12および連続分析物センサ10を含む連続分析物センサシステム8を含むことができる。システム100は、薬物送達ポンプ2およびグルコース計4などの他の装置および/またはセンサを含むことができる。連続分析物センサ10は、センサ電子機器12に物理的に接続されてもよく、連続分析物センサ10と一体(例えば、取り外し不可能に取り付けられる)であっても、取り外し可能に取り付けられてもよい。センサ電子機器12、薬物送達ポンプ2、および/またはグルコース計4は、ディスプレイ装置14、16、18、および/または20などの1つ以上の装置と結合することができる。
【0534】
いくつかの例示的な実装では、システム100は、ホスト(患者とも称される)に関連付けられたセンサシステム8およびディスプレイ装置14-20などの他の装置から、ネットワーク406を介して(例えば、有線、無線、またはそれらの組み合わせを介して)提供される分析物データ(および/または他の患者関連データ)を分析して、特定の時間枠にわたって測定された分析物に関して統計などの高レベル情報を提供するレポートを生成するように構成されたクラウドベースの分析物プロセッサ490を含むことができる。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月7日に出願され、「クラウドベースの分析物データの処理」と題された米国特許出願公開第2013/0325352号明細書に見ることができる。いくつかの実装では、工場較正アルゴリズムの1つ以上のステップをクラウドで実行することができる。
【0535】
いくつかの例示的な実装では、センサ電子機器12は、連続分析物センサ10によって生成されたデータの測定および処理に関連する電子回路を含むことができる。この生成された連続分析物センサデータはまた、連続分析物センサデータの処理と較正に使用することができるアルゴリズムを含むことができるが、これらのアルゴリズムは、他の方法で同様に提供されてもよい。センサ電子機器12は、連続グルコースセンサなどの連続分析物センサを介して分析物のレベルの測定を提供するハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを含むことができる。センサ電子機器12の例示的な実装については、図24に関して以下にさらに説明する。
【0536】
一実装では、本明細書で説明される工場較正アルゴリズムは、センサ電子機器によって行われてもよい。
【0537】
上述したように、センサ電子機器12は、ディスプレイ装置14、16、18、および/または20などの1つ以上の装置と(例えば、無線などで)結合することができる。ディスプレイ装置14、16、18、および/または20は、ディスプレイ装置14、16、18、および/または20における表示のためにセンサ電子機器12によって送信されるセンサ情報などの情報(および/または警告)を提示するように構成されることができる。
【0538】
ディスプレイ装置は、比較的小さいキーフォブのようなディスプレイ装置14、比較的大きいハンドヘルドディスプレイ装置16、携帯電話18(例えば、スマートフォン、タブレットなど)、コンピュータ20、および/または少なくとも情報を提示するように構成された他のユーザ機器(例えば、薬物送達情報、離散した自己モニタリンググルコース測定値、心拍数モニタ、カロリー摂取量モニタなど)を含むことができる。
【0539】
一実装では、本明細書で説明される工場較正アルゴリズムは、少なくとも部分的にディスプレイ装置によって行われてもよい。
【0540】
いくつかの例示的な実装では、比較的小さいキーフォブのようなディスプレイ装置14は、腕時計、ベルト、ネックレス、ペンダント、宝石、接着パッチ、ポケットベル、キーフォブ、プラスチックカード(例えば、クレジットカード)、識別(ID)カード、および/または同様なものを備えてもよい。この小さなディスプレイ装置14は、比較的小さなディスプレイ(例えば、大きなディスプレイ装置16よりも小さい)を含むことができ、数値、および矢印、またはカラーコードなどの特定のタイプの表示可能なセンサ情報を表示するように構成されることができる。
【0541】
いくつかの例示的な実装では、比較的大きいハンドヘルドディスプレイ装置16は、ハンドヘルド受信機装置、パームトップコンピュータ、および/または同様のものを備えることができる。この大きいディスプレイ装置は、比較的大きいディスプレイ(例えば、小さいディスプレイ装置14よりも大きい)を含むことができ、センサシステム8によって出力される現在および過去のセンサデータを含む連続センサデータのグラフィック表現などの情報を表示するように構成されることができる。
【0542】
いくつかの例示的な実装では、連続分析物センサ10は、分析物を検出および/または測定するためのセンサを備え、連続分析物センサ10は、非侵襲的装置、皮下装置、経皮装置、および/または血管内装置として分析物を連続的に検出および/または測定するように構成されることができる。いくつかの例示的な実装では、連続分析物センサ10は、複数の間欠的な血液サンプルを分析することができるが、他の分析物も同様に使用されることができる。
【0543】
いくつかの例示的な実装では、連続分析物センサ10は、酵素、化学、物理、電気化学、分光測光、偏光、測色、イオン導入、放射測定、免疫化学などの1つ以上の測定技術を使用して血液または間質液中のグルコースを測定するように構成されたグルコースセンサを備えることができる。連続分析物センサ10がグルコースセンサを含む実装では、グルコースセンサは、グルコースの濃度を測定することができる任意の装置を備えてもよく、侵襲的、最小侵襲的、および非侵襲的検知技術を含む、様々な技術を使用してグルコースを測定して(例えば、蛍光モニタリング)、ホスト内のグルコース濃度を示すデータストリームなどのデータを提供してもよい。データストリームは、ユーザ、患者、または介護者(例えば、親、親戚、保護者、教師、医師、看護師、またはホストの健康に関心のある任意の他の個人)などのホストにグルコースの値を提供するために使用される較正済みデータストリームに変換されることができるセンサデータ(生のおよび/またはフィルタリングされた)とすることができる。さらに、連続分析物センサ10は、以下のタイプのセンサの少なくとも1つとして埋め込まれてもよい:埋め込み型グルコースセンサ、ホストの血管内にまたは体外に埋め込まれる経皮グルコースセンサ、皮下センサ、詰め替え可能な皮下センサ、血管内センサ。
【0544】
本明細書の開示は、グルコースセンサを備える連続分析物センサ10を含むいくつかの実装に言及しているが、連続分析物センサ10は、他のタイプの分析物センサも同様に備えてもよい。さらに、いくつかの実装は、埋め込み型グルコースセンサとしてのグルコースセンサに言及しているが、グルコースの濃度を検出し、グルコース濃度を表す出力信号を提供することができる他のタイプの装置も同様に使用されてもよい。さらにまた、本明細書の説明は、測定、処理されるなどの分析物としてグルコースに言及しているが、例えば、ケトン体(例えば、アセトン、アセト酢酸およびベータヒドロキシ酪酸、乳酸塩など)、グルカゴン、アセチル-CoA、トリグリセリド、脂肪酸、クエン酸サイクルの中間体、コリン、インスリン、コルチゾール、テストステロンなどを含む他の分析物も同様に使用されてもよい。
【0545】
図24は、いくつかの例示的な実装形態にかかるセンサ電子機器12の例を示している。センサ電子機器12は、センサデータなどのセンサ情報を処理し、例えばプロセッサモジュールを介して、変換されたセンサデータおよび表示可能なセンサ情報を生成するように構成された、センサ電子機器を含むことができる。例えば、プロセッサモジュールは、センサデータを以下の1つ以上に変換することができる:フィルタリングされたセンサデータ(例えば、1つ以上のフィルタリングされた分析物濃度値)、生センサデータ、較正済みセンサデータ(例えば、1つ以上の較正済み分析物濃度値)、変化率情報、傾向情報、加速/減速率情報、センサ診断情報、位置情報、警報/警告情報、較正アルゴリズム、センサデータの平滑化および/またはフィルタリングアルゴリズム、および/または同様なものによって決定されることができるような較正情報。
【0546】
いくつかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、工場較正に関係するデータ処理を含むデータ処理の全てではないにしてもかなりの部分を達成するように構成されている。プロセッサモジュール214は、センサ電子機器12と一体であってもよく、および/または装置14、16、18、および/または20および/またはクラウド490のうちの1つ以上など、遠隔に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、複数のより小さなサブ構成要素またはサブモジュールを備えることができる。例えば、プロセッサモジュール214は、警告モジュール(図示せず)または予測モジュール(図示せず)、またはデータを効率的に処理するために利用されることができる任意の他の適切なモジュールを含むことができる。プロセッサモジュール214が複数のサブモジュールから構成される場合、サブモジュールは、センサ電子機器12または他の関連する装置(例えば、14、16、18、20および/または490)内を含むプロセッサモジュール214内に配置されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、少なくとも部分的にクラウドベースの分析物プロセッサ490内またはネットワーク406内の他の場所に配置されてもよい。
【0547】
いくつかの例示的な実装態様では、プロセッサモジュール214は、センサデータを較正するように構成されてもよく、データ格納メモリ220は、較正済みセンサデータポイントを変換済みセンサデータとして格納してもよい。さらに、プロセッサモジュール214は、いくつかの例示的な実装態様においては、装置14、16、18、および/または20などのディスプレイ装置から較正情報を無線で受信し、センサ12からのセンサデータの較正を可能にするように構成されてもよい。さらにまた、プロセッサモジュール214は、センサデータ(例えば、較正済みのおよび/またはフィルタリング済みのデータおよび/または他のセンサ情報)に対して追加のアルゴリズム処理を実行するように構成されてもよく、データ格納メモリ220は、変換済みセンサデータおよび/またはアルゴリズムに関連するセンサ診断情報を格納するように構成されてもよい。プロセッサモジュール214は、較正から決定された較正情報を格納および使用するようにさらに構成されてもよい。
【0548】
いくつかの例示的な実装態様では、センサ電子機器12は、ユーザインターフェース222に結合された特定用途向け集積回路(ASIC)205を備えてもよい。ASIC205は、ポテンシオスタット210、センサ電子機器12から装置14、16、18、および/または20などの1つ以上の装置にデータを送信するための遠隔測定モジュール232、および/または信号処理およびデータ格納のための他の構成要素(例えば、プロセッサモジュール214およびデータ格納メモリ220)をさらに含んでもよい。図24は、ASIC205を示しているが、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、センサ電子機器12によって行われる処理の一部(全てではないにしても)を提供するように構成された1つ以上のマイクロプロセッサ、アナログ回路、デジタル回路、またはそれらの組み合わせを含む他のタイプの回路も同様に使用してもよい。
【0549】
図24に示す例では、センサデータ用の第1の入力ポート211を介して、ポテンシオスタット210は、グルコースセンサなどの連続分析物センサ10に結合されて分析物からセンサデータを生成する。ポテンシオスタット210はまた、データ線212を介して、連続分析物センサ10に電圧を提供し、ホスト(センサのアナログ部分とも称される)内の分析物濃度を示す値(例えば、電流など)の測定のためにセンサをバイアスすることができる。ポテンシオスタット210は、連続分析物センサ10での作用電極の数に応じて、1つ以上のチャネルを有することができる。
【0550】
いくつかの例示的な実装態様では、ポテンシオスタット210は、センサ10からの電流値を電圧値に変換する抵抗器を含んでもよく、いくつかの例示的な実装態様では、電流-周波数変換器(図示せず)が、例えば、電荷カウント装置を使用してセンサ10からの測定電流値を連続的に統合するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装態様では、アナログ-デジタル変換器(図示せず)が、センサ10からのアナログ信号をいわゆる「カウント」にデジタル化して、プロセッサモジュール214による処理を可能にしてもよい。結果として得られるカウントは、ポテンシオスタット210によって測定された電流に直接関係してもよく、これは、ホスト内のグルコースレベルなどの分析物レベルに直接関係することができる。
【0551】
遠隔測定モジュール232は、プロセッサモジュール214に動作可能に接続されてもよく、センサ電子機器12とディスプレイ装置、プロセッサ、ネットワークアクセス装置などの1つ以上の他の装置との間の無線通信を可能にするハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアを提供してもよい。遠隔測定モジュール232で実装できる様々な無線技術としては、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low-Energy、ANT、ANT+、ZigBee、IEEE802.11、IEEE802.16、セルラー無線アクセス技術、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、ページングネットワーク通信、磁気誘導、衛星データ通信、スペクトル拡散通信、周波数ホッピング通信、近距離無線通信、および/または同様なものが挙げられる。いくつかの例示的な実装態様では、遠隔測定モジュール232は、Bluetooth(登録商標)チップを備えるが、Bluetooth(登録商標)技術は、遠隔測定モジュール232とプロセッサモジュール214との組み合わせで実装されてもよい。
【0552】
プロセッサモジュール214は、センサ電子機器12によって行われる処理を制御してもよい。例えば、プロセッサモジュール214は、センサからのデータ(例えば、カウント)を処理し、データをフィルタリングし、データを較正し、フェイルセーフチェックを実行し、および/またはそのようなことをするように構成されてもよい。
【0553】
いくつかの例示的な実装では、プロセッサモジュール214は、例えば無限インパルス応答(IIR)または有限インパルス応答(FIR)フィルタなどのデジタルフィルタを備えることができる。このデジタルフィルタは、センサ10から受信した生データストリームを平滑化することができる。一般に、デジタルフィルタは、所定の時間間隔(サンプルレートとも称される)でサンプリングされたデータをフィルタ処理するようにプログラムされている。いくつかの例示的な実装では、ポテンシオスタット210が分析物(例えば、グルコースなど)を離散時間間隔で測定するように構成されている場合など、これらの時間間隔は、デジタルフィルタのサンプリングレートを決定する。いくつかの例示的な実装では、ポテンシオスタット210は、例えば、電流-周波数変換器を使用して、分析物を連続的に測定するように構成されることができる。これらの電流-周波数変換器の実装において、プロセッサモジュール214は、所定の時間間隔(取得時間)で、電流-周波数変換器の積分器からのデジタル値を要求するようにプログラムされることができる。積分器からプロセッサモジュール214によって取得されたこれらのデジタル値は、現在の測定の連続性により、取得時間にわたって平均化されてもよい。したがって、取得時間は、デジタルフィルタのサンプリングレートによって決定されることができる。
【0554】
プロセッサモジュール214は、ディスプレイ装置14、16、18、および/または20などの装置に送信するためのデータパッケージを生成するように構成されたデータ生成器(図示せず)をさらに含んでもよい。さらにまた、プロセッサモジュール214は、遠隔測定モジュール232を介してこれらの外部ソースに送信するためのデータパケットを生成してもよい。いくつかの例示的な実装では、データパッケージは、前述のように、各ディスプレイ装置に対してカスタマイズ可能であり、および/またはタイムスタンプ、表示可能なセンサ情報、変換されたセンサデータ、センサおよび/またはセンサ電子機器12の識別子コード、生データ、フィルタリングされたデータ、較正されたデータ、変化率情報、傾向情報、エラー検出または訂正などの使用可能なデータを含むことができる。
【0555】
プロセッサモジュール214はまた、プログラムメモリ216および他のメモリ218を含んでもよい。プロセッサモジュール214は、通信ポート238などの通信インターフェース、およびバッテリ234などの電源に結合されてもよい。さらに、バッテリ234は、バッテリ充電器および/またはレギュレータ236にさらに結合され、センサ電子機器12に電力を提供し、および/またはバッテリ234を充電してもよい。
【0556】
プログラムメモリ216は、結合センサ10の識別子(例えば、センサ識別子(ID))などのデータを格納するための、およびASIC205を構成して本明細書で説明される1つ以上の動作/機能を実行するためのコード(プログラムコードとも称される)を格納するための、準静的メモリとして実装されてもよい。例えば、プログラムコードは、データストリームまたはカウントを処理し、フィルタリングし、較正方法を実行し、フェイルセーフチェックを実行するなどのようにプロセッサモジュール214を構成してもよい。
【0557】
メモリ218は、情報を格納するためにも使用されてもよい。例えば、メモリ218を含むプロセッサモジュール214は、システムのキャッシュメモリとして使用されてもよく、そこでは、センサから受信された最近のセンサデータのために一時的な記憶が提供される。いくつかの例示的な実装態様では、メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM、スタティックRAM、非スタティックRAM、易消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、書き換え可能なROM、フラッシュメモリなどのメモリストレージ構成要素を備えてもよい。
【0558】
データ格納メモリ220は、プロセッサモジュール214に結合されてもよく、様々なセンサ情報を格納するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装態様では、データ格納メモリ220は、1日分以上の連続分析物センサデータを格納する。例えば、データ格納メモリは、センサ10から受信した連続分析物センサデータの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、および/または30日(またはそれ以上)を格納することができる。格納されたセンサ情報は、以下のうちの1つ以上を含んでもよい:タイムスタンプ、生センサデータ(1つ以上の生分析物濃度値)、較正済みデータ、フィルタリング済みデータ、変換済みセンサデータ、および/またはその他の表示可能なセンサ情報、較正情報(例えば、基準BG値および/または工場較正からのような以前の較正情報)、センサ診断情報など。
【0559】
ユーザインターフェース222は、1つ以上のボタン224、液晶ディスプレイ(LCD)226、バイブレータ228、オーディオトランスデューサ(例えば、スピーカ)230、バックライト(図示せず)、および/または同様なものを含んでもよい。ユーザインターフェース222を構成する構成要素は、ユーザ(例えば、ホスト)と対話するための制御を提供してもよい。1つ以上のボタン224は、例えば、トグル、メニュー選択、オプション選択、ステータス選択、画面上の質問に対するはい/いいえ応答、「オフにする」機能(例えば、警報用)、「確認済み」機能(例えば、警報用)、リセット、および/または同様のものを可能にすることができる。LCD226は、例えば、視覚データ出力をユーザに提供することができる。オーディオトランスデューサ230(例えば、スピーカ)は、現在および/または予測された高血糖状態および低血糖状態などの特定の警告のトリガーに応答して可聴信号を提供することができる。いくつかの例示的な実装では、可聴信号は、トーン、ボリューム、デューティサイクル、パターン、持続時間などによって区別されることができる。いくつかの例示的な実装では、可聴信号は、センサ電子機器12の1つ以上のボタン224を押すことにより、および/またはディスプレイ装置(例えば、キーフォブ、携帯電話など)上のボタンまたは選択を使用してセンサ電子機器12に信号を送ることにより、消音(例えば、確認またはオフ)されるように構成されることができる。
【0560】
音響および振動警報が図24に関して説明されているが、他の警報機構も同様に使用されてもよい。例えば、いくつかの例示的な実装では、1つ以上の警報条件に応答して患者を「突き出す」または物理的に接触させるように構成された突き出し機構を含む触覚警報が提供される。
【0561】
バッテリ234は、プロセッサモジュール214(および場合によってはセンサ電子機器12の他の構成要素)に動作可能に接続され、センサ電子機器12に必要な電力を提供してもよい。いくつかの例示的な実装では、バッテリは、二酸化マンガンリチウムバッテリであるが、任意の適切なサイズと電力のバッテリを使用することができる(例えば、AAA、ニッケルカドミウム、亜鉛炭素、アルカリ、リチウム、ニッケル金属水素化物、リチウムイオン、亜鉛-空気、酸化亜鉛-水銀、銀-亜鉛、または密封された)。いくつかの例示的な実装では、バッテリは充電式である。いくつかの例示的な実装では、複数のバッテリを使用してシステムに電力を供給することができる。さらに他の実装態様では、例えば、誘導結合を介して受信機に経皮的に電力を供給することができる。
【0562】
バッテリ充電器および/またはレギュレータ236は、内部および/または外部充電器からエネルギを受け取るように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装では、バッテリレギュレータ(またはバランサ)236は、他のセルまたはバッテリを過充電することなくセンサ電子機器12内の全てのセルまたはバッテリを完全に充電できるように、過大充電電流を放出することによって再充電プロセスを調整する。いくつかの例示的な実装態様では、バッテリ234(または複数のバッテリ)は、誘導および/または無線充電パッドを介して充電されるように構成されるが、他の充電および/または電力機構も使用されてもよい。
【0563】
外部コネクタ(複数可)とも称される1つ以上の通信ポート238を提供して、他の装置との通信を可能にしてもよい。例えば、PC通信(com)ポートを提供して、センサ電子機器12とは別のまたは一体化したシステムとの通信を可能することができる。通信ポートは、例えば、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバスまたは「USB」)通信ポートを備え、他のコンピュータシステム(例えば、PC、携帯情報端末または「PDA」、サーバなど)との通信を可能にしてもよい。いくつかの例示的な実装では、センサ電子機器12は、患者および/またはHCPによる遡及的分析のために、履歴データをPCまたは他のコンピューティング装置に送信することができる。データ送信の他の例として、工場情報もまた、センサまたはクラウドデータソースからアルゴリズムに送信されてもよい。
【0564】
1つ以上の通信ポート238は、較正データを受信できる第2の入力ポート237と、較正されたデータまたは較正される予定のデータを受信機またはモバイル装置に送信するのに使用できる出力ポート239と、をさらに含んでもよい。図24は、これらの態様を概略的に示している。ポートは、物理的に分離されてもよいが、代替の実装態様では、単一の通信ポートが第2の入力ポートと出力ポートとの両方の機能を提供し得ることが理解されよう。
【0565】
いくつかの連続分析物センサシステムでは、センサエレクトロニクスの皮膚上の部分を簡素化して、皮膚上エレクトロニクスの複雑さやサイズを最小限に抑えて、例えば、センサデータの表示に必要な較正およびその他のアルゴリズムを実行するように構成された表示デバイスに生の、較正済みの、および/またはフィルタリング済みのデータを提供してもよい。しかしながら、センサ電子機器12は(例えば、プロセッサモジュール214を介して)、変換済みセンサデータおよび/または表示可能なセンサ情報を生成するために使用される予測アルゴリズムを実行するように実装されてもよい。予測アルゴリズムは、例えば、基準の臨床的受容性および/またはセンサデータを評価し、包含基準に基づいて最適な較正のための較正データを評価し、その較正の品質を評価し、測定分析物値に対応する推定分析物値を経時的に比較し、推定分析物値の変動を分析し、センサおよび/またはセンサデータの安定性を評価し、信号アーチファクト(ノイズ)を検出し、信号アーチファクトを置換し、センサデータの変化率および/またはトレンドを決定し、動的且つインテリジェントな分析物値推定を実行し、センサおよび/またはセンサデータに対する診断を実行し、動作モードを設定し、データの異常について評価し、および/または同様なことを実行する。
【0566】
他のデータ格納装置およびプログラムメモリが図Z2に示されているが、様々な構成も同様に使用されることができる。例えば、1つ以上のメモリを使用して、センサ電子機器12でのデータ処理および格納要件をサポートする格納空間を提供することができる。
【0567】
好ましい実施形態では、分析物センサは、米国特許第6,001,067号明細書および米国特許出願公開第2005-0027463号明細書を参照して説明されるような、埋め込み型グルコースセンサである。他の好ましい実施形態では、分析物センサは、米国特許出願公開第2006-0020187号明細書を参照して説明されるような、経皮グルコースセンサである。さらに他の実施形態では、センサは、米国特許出願公開第2007-0027385号明細書、米国特許出願公開第2008-0119703号明細書(現在放棄されている)、米国特許出願公開第2008-0108942号明細書(現在放棄されている)および米国特許第7,828,728号明細書に記載されているように、ホスト血管または体外に埋め込まれるように構成されている。1つの代替実施形態では、連続グルコースセンサは、例えば、Say等の米国特許第6,565,509号明細書に記載されているような経皮センサを含む。他の代替実施形態では、連続グルコースセンサは、例えば、Bonnecaze等の米国特許第6,579,690号明細書またはSay等の米国特許第6,484,046号明細書を参照して説明されるような、皮下センサを含む。他の代替実施形態では、連続グルコースセンサは、例えば、Colvin等の米国特許第6,512,939号明細書を参照して説明されるような、詰め替え可能な皮下センサ皮下センサを含む。他の代替実施形態では、連続グルコースセンサは、例えば、Schulman等の米国特許第6,477,395号明細書を参照して説明されるような、血管内センサを含む。他の代替実施形態では、連続グルコースセンサは、Mastrototaro等の米国特許第6,424,847号明細書を参照して説明されるような、血管内センサを含む。
【0568】
図28は、血糖降下を補正するために2単位のインスリンを摂取するためのガイダンス2804を含む例示的なユーザインターフェース2802の図である。
【0569】
図29は、いくつかの炭水化物を摂取するためのガイダンス2804を含む例示的なユーザインターフェース2902の図である。
【0570】
図30は、例えばグルコース濃度レベルの傾向のシフトから決定されることができる、摂取された炭水化物が機能しているという通知を示す例示的なユーザインターフェースの図である。
【0571】
図31Aは、朝食後のグルコースエクスカーションの図である。図31Aの例示的なグラフ3100は、モバイル装置、タブレット、または他のコンピューティング装置のユーザインターフェース3150上に提示されることができる。グラフは、y軸に推定グルコースレベル(例えば、mg/dLで)およびx軸に時間(例えば、時間またはスケジューリングされた朝食/昼食/夕食のような他の時間区分)を含むことができる。グラフ3100は、低グルコース閾値3102、高グルコース閾値3104、および傾向線3108を形成する、連続グルコースモニタなどのグルコースセンサから受信された複数の推定グルコースレベル3106を含むことができる。グラフはまた、例えば、高閾値3104と低閾値3102との間の正中線とすることができる目標3110を含むことができる。図31Aでは、連続グルコースレベル3106によって定義される傾向線3108が高グルコース閾値3104を超えて移動したことがわかり、これは、例えば、朝食でのインスリンボーラスが不十分な結果とすることができる。図32Aは、傾向3202および平均3204の分布を示すグラフ3200上の(複数日からの)複数の傾向線の図である。図31Aの例示的なグラフ3200は、装置のユーザインターフェース3201として提示されることができる。数日(または数週間または数か月)にわたる高血糖の変動のパターンは、患者のA1Cレベルを上昇させる可能性がある。A1C試験は、血液検査であり、その結果は、一定期間(例えば、2から3か月)の平均血糖値を反映する。A1C試験では、実際に糖化(糖でコーティング)されているヘモグロビン(赤血球のタンパク質)の割合を測定する。
【0572】
図31Bは、朝食後のグルコースエクスカーションの図である。図31Bの例示的なグラフ3101は、モバイル装置、タブレット、または他のコンピューティング装置のユーザインターフェース3151上に提示されることができる。グラフ3101は、図31Aに示される低グルコース閾値3102、高グルコース閾値3104、および目標3010を含むことができる。図31Bでは、連続グルコースレベル3107によって定義された傾向線3109が高グルコース閾値3104を上回ったが、インスリンの補正投与の適時送達(例えば、例示的なガイダンスによって示されているように推定血中グルコース濃度レベルが202mg/dL)は、傾向線3111の後の部分を高閾値3104未満に戻している。図32Bは、傾向3203および平均3205の分布を示すグラフ3201上の(複数日からの)複数の傾向線の図である。図32Bのユーザインターフェース3251に示されているグラフを、図32Aのユーザインターフェース3250に示されているグラフと比較することにより、長時間(例えば、高閾値3104と低閾値3102とによって定義される範囲内に)血糖値が制御されており、これは、より低い(より良好な)A1C試験の結果をもたらし、患者のより良好な結果と相関がある。
【0573】
図33は、低血糖イベントに対処するための介入を含む例示的なグルコース傾向の図である。グラフ3300は、ユーザインターフェース3301上に示されることができる。コメント(例えば、実施可能な低警告、ポジティブトリートメント表示)は、図解と説明の目的で提供されており、必要に応じて、ユーザインターフェースから省略したり、ユーザインターフェースに含めたりすることができる。ユーザインターフェース3301は、低グルコース濃度閾値(例えば、70mg/dL)3302、高グルコース濃度閾値(例えば、200mg/dL)3304、およびタイムライン(例えば、x軸上)に対してグラフ化された目標3310を示すことができる。第1の傾向部分3306は、血糖が低閾値3302未満である低血糖イベント3312に進行する傾向を示している。第1の傾向部分3306の後、2つの傾向シナリオ3114、3116が、分岐した傾向線によって示されている。第1のシナリオは、不安定な傾向3114から明らかであり、患者は、炭水化物を消費して低血糖イベントを治療し、低血糖を解決するが、グルコースの傾向は、高血糖エクスカーション3118に「リバウンド」しており、これは、速い炭水化物の過度の消費、または体内でグリコーゲンを放出して低血糖を治療することによって引き起こされるソモギ効果によって引き起こされることができる。第1のシナリオ傾向3114を続けると、高血糖エクスカーション3118は、インスリンによって処理され(ガイダンスは、必要に応じてUIに表示できるが、図33には示されていない)、これは、他の高血糖イベントにリバウンドする他の低血糖イベント3120につながる。
【0574】
第2のシナリオは、より安定した傾向3116によって表される。一例では、意思決定支援システムは、予測される低グルコースレベルが差し迫っていることを計算する(またはモデルから決定する)。システムは、ガイダンス3350とガイダンスを配信する時間3352とを計算する。ガイダンス3350は、例えば、(図33に示される装置3352のユーザインターフェース3351に示されるように)ある量(例えば、30グラム)の炭水化物を食べるようにという指示を含むことができる。ガイダンスの決定(例えば、計算)は、例えば、インスリンオンボード(IOB)の量、傾向(例えば、血中グルコースの変化率または血中グルコースの2次または3次微分)、患者のインスリン感度、または患者の炭水化物感度を考慮に入れることができ、これらは全て、システムによって計算されるか、モデルから決定されるか、またはユーザから受信されることができる。いくつかの例では、ガイダンスは、炭水化物を消費する時間または時間ウィンドウ(図示せず)を指定することができ(例えば、「次の5分」)、ガイダンスはまた、遅い(例えば、複雑な澱粉または炭水化物と脂肪/タンパク質のブレンド)、速い炭水化物(例えば、グルコースタブレットまたはメープルシロップまたはその他の高糖食品)、またはその他の食品を指定または区別することもできる(図示せず)。いくつかの例では、炭水化物の適時の摂取により、低血糖イベントを回避することができる。図示された例では、低血糖イベントは、依然として発生しているが、(ガイダンスの適時の配信により)既にオンボードの炭水化物が血流に入り、低血糖イベントを解決している。追加のガイダンス(「炭水化物機能」)ガイダンスは、患者にそれ以上の行動(例えば、追加の炭水化物の消費)が不要であることを保証するために、低血糖イベント中に配信されることができる。図33に示されているように、ガイダンスとその行動の適時の配信は、リバウンドして振動する低血糖イベントおよび高血糖エクスカーションを回避することができる。
【0575】
図34図37は、装置の例示的なユーザインターフェースを示している。図34は、推定血糖値(205mg/Dl)3402と傾向(数値205の周りの上向き矢印)3404、インスリンオンボード3406、最後の空腹時インスリン投与の時間3416および量3418、高閾値3410、低閾値3412、および傾向線3414を示す傾向チャート3408のフィールドを示すユーザインターフェース3401を示している。ボーラス計算機ボタン3420を押すと、図35に示すボーラス計算機画面が表示されることができる。ボーラス計算機インターフェース3501は、炭水化物量3502、グルコース濃度レベル3504、インスリンオンボード3406、および傾向3508を含むことができる。ボーラス計算機アプリケーションは、この情報を使用して、推奨されるインスリン投与量3510を決定することができる。一例では、ボーラス計算機インターフェース3501は、パーセンテージ(例えば、70%または150%)がユーザによって入力されることができる追加のフィールドを含むことができ、インスリンは、ユーザがそれらの判定を使用して、運動、病気、ストレス、またはその他の要因の影響を説明する調整を行うことを可能にする推奨インスリンのパーセンテージとして計算される。いくつかの例では、インターフェース3501はまた、ユーザが炭水化物およびインスリンの双方のバランスをとったり認識したりするのに便利なように、インスリンオンボードに加えて「炭水化物オンボード」を表示することもできる。インターフェース3501においてグルコース値3512を選択すると、図36に示すグルコースインターフェース3601が表示されることができ、これにより、ユーザは、血糖値フィールド3602にグルコース値を入力することができ、補正因子3604、目標グルコース濃度レベル3606、および補正用量3608を表示または編集することができる。インターフェース3601はまた、CGMセンサのグルコース測定値3610を示すことができ、これは、血中グルコース(例えば、フィンガースティック)測定値との比較に有用であり得る。図34に示されるユーザインターフェース3401上の最終作用投与量フィールド3418の一部を選択すると、最終投与量インターフェース3701が表示されることができ、これにより、ユーザは、最終投与量フィールド3702または最終投与時間フィールド3704に値を入力することができ、必要に応じて、インスリン作用時間3706またはインスリンオンボード量3708を表示または編集することができる。
【0576】
いくつかの例では、システム100または本明細書で説明される他の任意の適切なシステムなどのガイダンスおよびガイダンスのタイミングを決定するための意思決定支援システムは、ホストの病期に基づいてその動作を変更するように構成される。例えば、意思決定支援システムが1型糖尿病のホストによって使用されている場合、意思決定支援システムは、ホストがまだ、ホストの膵臓がインスリンをほとんどまたは全く産生しないより進行した病期よりもいくらかのインスリンをなおも産生する「ハネムーン」の期間であることをホストの疾病状態が示す場合とは異なる応答をするように構成されることができる。
【0577】
他の例では、意思決定支援システムは、ガイダンス、ガイダンスのタイミング、およびII型糖尿病の病期に対する他の要因に基づくように構成されることができる。II型糖尿病は、ホストの意思決定支援のニーズが異なる明確な段階を有する。II型糖尿病の様々な病期は、前糖尿病段階、経口投薬段階、経口投薬および基礎インスリン段階、複数回の毎日注射(MDI)段階など、様々な治療コースによって特徴付けられることができる。
【0578】
ホストの病期がこれらの異なる段階を示す場合、ホストの意思決定支援のニーズは異なることがあり、したがって、意思決定支援システムは、異なる挙動をすることができる。例えば、ホストが前糖尿病段階にある場合、インスリンを処理するホストの能力が損なわれる可能性があるが、ホストは、食事と運動の管理を伴う一連の治療によって許容可能な血糖濃度の結果を得ることができる。したがって、ホストの病期が前糖尿病期を示す場合、意思決定支援システムは、食事の記憶および管理、ならびに運動および身体活動に関連する機能を強調するように構成されることができる。例えば、意思決定支援システムは、ユーザの食事の栄養含有量(例えば、炭水化物カウント)に関連して本明細書に記載されているガイダンスを提供するように構成されることができる。意思決定支援システムはまた、例えば、本明細書に記載されるように食事療法または運動の変更を行うようにホストに助言するガイダンスなど、運動に関連するガイダンスを提供するように構成されてもよい。
【0579】
ホストの病期が経口投薬段階を示す場合、意思決定支援システムの焦点は、ホストの投薬治療へのコンプライアンスを強調するようにシフトすることができる。例えば、意思決定支援システムは、ホストに自分の薬を服用することを思い出させるガイダンスおよび/または洞察を提供することができる。ガイダンスおよび/または洞察は、いくつかの例では、ホストに、例えば、ユーザが予定通りに薬を服用するよう動機付けするために、薬を服用することの利点の説明を提供する。いくつかの例では、意思決定支援システムは、ホストが経口薬を受けるようにスケジューリングされている時間に対応するようにガイダンスまたは洞察のタイミングを構成する。このようにして、ガイダンスまたは洞察は、ホストが薬を服用すべきときにホストの経口薬を服用するようにというリマインダを含むことができる。本明細書で説明されるいくつかの例では、メッセージング頻度(例えば、ガイダンスおよび/または洞察の頻度)は、ホストまたは他のユーザの関与段階などの要因に基づいて変更される。ガイダンスおよび/または洞察の頻度が限られている場合、意思決定支援システムは、病期に基づいてガイダンスおよび/または洞察に優先順位を付けることができる。例えば、経口薬段階では、意思決定支援システムは、ホストに食事や運動に関するガイダンスおよび/または洞察を提供することができるが、ガイダンスや洞察の優先順位を調整して、例えば薬を服用するときなどの服薬コンプライアンスに関する洞察を含めることができる。
【0580】
ホストの病期が基礎またはMDI治療などのインスリン使用を示す場合、意思決定支援システムは、基礎またはボーラスインスリン用量の滴定を強調するためのガイダンス、洞察、および/またはタイミングを設定することができる。例えば、意思決定支援システムは、血中グルコースパターンの検出および表示に関連するメッセージまたはガイダンスのメッセージング頻度を増加させることができる。ホストがMDI治療を受けている場合、意思決定支援システムは、例えば、本明細書で説明されるように、ボーラス計算および食事計画に関連するガイダンスおよび/または洞察を提供することができる。
【0581】
いくつかの例では、意思決定支援システムは、ホストの病期が変化するにつれて、その洞察、ガイダンス、および/またはタイミングを変更することができる。図39は、ホストの病期の変化に応じて変化するために意思決定支援システムによって実行されることができるプロセスフロー3900の一例を示すフローチャートである。ステップ3902では、意思決定支援システムは、ホストの疾病状態の指標を受信する。これは、いくつかの異なる方法の1つ以上で発生する可能性がある。いくつかの例では、ユーザ装置256(図17)、ディスプレイ装置14-20(図23)、または他の適切な装置が、セットアップウィザード機能を含むユーザインターフェースを提供する。実行されると、セットアップウィザードは、ユーザインターフェースを介してホストまたは他のユーザにプロンプトを表示し、II型糖尿病または他の状態に関連する可能性があるホストの疾病状態に関するデータを提供することができる。例えば、ホストまたは他のユーザは、ホストが受けている治療を示してもよい(例えば、食事および運動、経口薬、基礎インスリンおよび経口薬、基礎インスリンおよびMDIなど)。
【0582】
いくつかの例では、意思決定支援システムは、ホストを記述する他の様々な入力を考慮して、ホストの疾病状態を決定する。再び図2Bを参照すると、生理学モデル112は、例えば、図2Bに示される入力を使用して、ホストの疾病状態を生成するために使用されることができる。
【0583】
ステップ3904では、意思決定支援システムは、本明細書に記載されるように、ホストの疾病状態が前糖尿病期またはII型糖尿病の他の病期などの第1の病期を示すかどうかを決定する。そうである場合、意思決定支援システムは、例えば、本明細書で説明されるように、ステップ3906において第1の病期のために構成される。第1の病期が示されない場合、意思決定支援システムは、ステップ3908において、第2の病期が示されるかどうかを決定する。そうである場合、意思決定支援システムは、例えば、本明細書で説明されるように、ステップ3910において第2の病期のために構成される。プロセスフロー3900は、いくつかの病期(図36において「N」として示される)にわたって継続することができる。例えば、意思決定支援システムは、ステップ3908において、N番目の病期が示されているかどうかを決定する。そうである場合、意思決定支援システムは、ステップ3912において第Nの病期のために構成される。ステップ3906、3910、3912などで指示された病期の決定支援を構成した後、意思決定支援システムは、生成された構成で動作し、動作3902においてホストの病期の次の指示を待機することができる。
【0584】
これらの非限定的な例のそれぞれは、独立することができ、または様々な順列または他の例の1つ以上との組み合わせで組み合わせることができる。
【0585】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例として、本発明を実施することができる特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも称される。そのような例は、図示または説明されたものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らはまた、図示または説明された要素のみが提供される例も想定している。さらに、本発明者らはまた、特定の例(またはその1つ以上の態様)に関して、または本明細書に示されまたは説明された他の例(またはその1つ以上の態様)のそれぞれに関して、示されまたは説明された要素(またはその1つ以上の態様)の任意の組み合わせまたは順列を使用する例も想定している。
【0586】
この文書と、参照により組み込まれている任意の文書との間に一貫性のない使用法がある場合、この文書の使用法が優先される。
【0587】
この文書では、「a」または「an」という用語は、特許文書で一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の他のインスタンスまたは使用法とは関係なく、1つ以上を含むように使用される。この文書では、「または」という用語は、他に指定されていない限り、「AまたはB」が、非排他的を指すように、または「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AとB」を含むように使用される。この文書では、「含む(including)」および「ここで(in which)」という用語は、「備える(comprising)」および「ここで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の同等語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は制限のないものであり、すなわち、請求項におけるそのような用語の後に列挙されたものに加えて要素を含むシステム、装置、物品、組成物、製剤、またはプロセスは、その請求項の範囲内にあるとなおも見なされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらのオブジェクトに数値的要件を課すことを意図するものではない。
【0588】
「平行」、「垂直」、「円形」、「四角」などの幾何学的用語は、文脈で他の指示がない限り、絶対的な数学的精度を必要とすることを意図するものではない。代わりに、そのような幾何学的用語は、製造または同等の機能によるバリエーションを許容する。例えば、要素が「丸い」または「略丸い」と記述されている場合、正確に円形ではない構成要素(例えば、僅かに長方形または多辺の多角形であるもの)もこの説明に含まれる。
【0589】
本明細書で説明される方法の例は、少なくとも部分的に機械またはコンピュータで実装されることができる。いくつかの例は、上記の例で説明した方法を実行するように電子装置を構成するように動作可能な命令によって符号化されたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含むことができる。そのような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コードなどのコードを含むことができる。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成することができる。さらに、一例では、コードは、実行中または他の時間中に、1つ以上の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に有形に格納されることができる。これらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、これらに限定されるものではないが、ハードディスク、着脱可能な磁気ディスク、着脱可能な光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などを含むことができる。
【0590】
上記の説明は、例示を意図したものであり、限定を意図したものではない。例えば、上述した例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。上記の説明を検討すると、当業者などによって、他の実施形態を使用することができる。要約は、読者が技術的開示の性質をすばやく確認できるように、米国特許規則1.72(b)に準拠するために提供されている。それは、特許請求の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないことを理解して提出される。また、上記の詳細な説明では、開示を簡素化するために、様々な特徴をグループ化することができる。これは、請求項に記載されていない開示された機能がいかなる請求項にも不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない場合がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、例または実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立し、そのような実施形態は、様々な組み合わせまたは置換において互いに組み合わせることができることが想定される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定されるべきである。
【符号の説明】
【0591】
100 システム
102 患者
104 意思決定支援エンジン
106 センサ
108 ローカル装置
109 リモートリソース
110 1つ以上のモデル
112 生理学モデル
114 行動モデル
116 測定モデル
120 検知された情報
122 インスリンデータ
124 他の情報
126 イベント駆動型洞察
128 ユーザ要求洞察
130 定期的洞察
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16a
図16b
図16c
図16d
図16e
図16f
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24
図25A
図25B
図26
図27A
図27B
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32A
図32B
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
【手続補正書】
【提出日】2023-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
患者のグルコース濃度レベルを検出するように構成されたグルコース濃度センサと、
前記グルコース濃度センサから前記患者のグルコース濃度レベルを受信するように構成された通信回路と、
記憶されたモデルを含むメモリ回路と、
プロセッサであって、
前記患者のグルコース濃度レベルを受信し、
記憶された命令を実行して、前記患者のグルコース濃度レベルを前記記憶されたモデルに適用して状態を決定し、
前記決定した状態に少なくとも部分的に基づいてガイダンスメッセージを決定する、ように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【外国語明細書】