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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101689
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】猫用爪研ぎ
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/02 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A01K15/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005747
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】509238915
【氏名又は名称】有限会社 エイムクリエイツ
(74)【代理人】
【識別番号】100148862
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179811
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】久保 貴史
(57)【要約】
【課題】凹凸のある複数の爪研ぎ部材を重ねた場合でも箱部材内に安定して設置可能な猫用爪研ぎを提供する。
【解決手段】本発明に係る猫用爪研ぎは、上面が開口した直方体形状の箱部材と、前記箱部材内に着脱自在に設置可能な第一の爪研ぎ部材と、前記第一の爪研ぎ部材の上面に着脱自在に嵌合させて設置可能な第二の爪研ぎ部材とを有し、前記箱部材内に前記第一の爪研ぎ部材を設置した状態において、前記第一の爪研ぎ部材の上面における最低部の高さH21が前記箱部材の高さH10より低く、前記箱部材内に設置された前記第一の爪研ぎ部材の上面に前記第二の爪研ぎ部材を嵌合させて設置した状態において、前記第二の爪研ぎ部材の下面における最低部の高さH33が前記箱部材の高さH10より低い。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した直方体形状の箱部材(10)と、
前記箱部材(10)内に着脱自在に設置可能な第一の爪研ぎ部材(20)と、
前記第一の爪研ぎ部材(20)の上面に着脱自在に嵌合させて設置可能な第二の爪研ぎ部材(30)と
を有し、
前記箱部材(10)内に前記第一の爪研ぎ部材(20)を設置した状態において、前記第一の爪研ぎ部材(20)の上面における最低部(21)の高さH21が前記箱部材(10)の高さH10より低く、
前記箱部材(10)内に設置された前記第一の爪研ぎ部材(20)の上面に前記第二の爪研ぎ部材(30)を嵌合させて設置した状態において、前記第二の爪研ぎ部材(30)の下面における最低部(33)の高さH33が前記箱部材(10)の高さH10より低い
猫用爪研ぎ(1)。
【請求項2】
下記式(E21)及び式(E33):
0.3×H10≦H21≦0.9×H10 (E21
0.3×H10≦H33≦0.9×H10 (E33
を満たす
請求項1に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項3】
前記箱部材(10)内に前記第一の爪研ぎ部材(20)を設置した状態において、前記第一の爪研ぎ部材(20)の上面における最高部(22)の高さH22が前記箱部材(10)の高さH10より高い
請求項1又は2に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項4】
下記式(E22):
1.1×H10≦H22≦1.7×H10 (E22
を満たす
請求項3に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項5】
前記箱部材(10)内に設置された前記第一の爪研ぎ部材(20)の上面に前記第二の爪研ぎ部材(30)を嵌合させて設置した状態において、前記第二の爪研ぎ部材(30)の上面における最高部(34)の高さH34が前記箱部材(10)の高さH10より高い
請求項1又は2に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項6】
下記式(E34):
1.5×H10≦H34≦2.5×H10 (E34
を満たす
請求項5に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項7】
前記第二の爪研ぎ部材(30)は、前記箱部材(10)内に着脱自在に設置可能であり、
前記箱部材(10)内に前記第二の爪研ぎ部材(30)を設置した状態において、前記第二の爪研ぎ部材(30)の上面における最低部(31)の高さH31が前記箱部材(10)の高さH10より低く、
前記第一の爪研ぎ部材(20)は、前記箱部材(10)内に設置した前記第二の爪研ぎ部材(30)の上面に嵌合させて設置可能であり、
前記箱部材(10)内に設置した前記第二の爪研ぎ部材(30)の上面に前記第一の爪研ぎ部材(20)を嵌合させて設置した状態において、前記第一の爪研ぎ部材(20)の下面における最低部(23)の高さH23が前記箱部材(10)の高さH10より低い
請求項1に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項8】
下記式(E31)及び式(E23):
0.3×H10≦H31≦0.9×H10 (E31
0.3×H10≦H23≦0.9×H10 (E23
を満たす
請求項7に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項9】
前記箱部材(10)内に前記第二の爪研ぎ部材(30)を設置した状態において、前記第二の爪研ぎ部材(30)の上面における最高部(32)の高さH32が前記箱部材(10)の高さH10より高い
請求項7又は8に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項10】
下記式(E32):
1.1×H10≦H32≦1.7×H10 (E32
を満たす
請求項9に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項11】
前記箱部材(10)内に設置した前記第二の爪研ぎ部材(30)の上面に前記第一の爪研ぎ部材(20)を嵌合させて設置した状態において、前記第一の爪研ぎ部材(20)の上面における最高部(24)の高さH24が前記箱部材(10)の高さH10より高い
請求項7又は8に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項12】
下記式(E24):
1.5×H10≦H24≦2.5×H10 (E24
を満たす
請求項11に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【請求項13】
上面が開口した直方体形状の箱部材(10)と、
前記箱部材(10)内に着脱自在に設置可能な第一の爪研ぎ部材(20)と
を有し、
前記箱部材(10)内に前記第一の爪研ぎ部材(20)を設置した状態において、前記第一の爪研ぎ部材(20)の上面における、最低部(21)の高さH21が前記箱部材(10)の高さH10より低く、最高部(22)の高さH22が前記箱部材(10)の高さH10より高い
猫用爪研ぎ(1)。
【請求項14】
下記式(E21)及び式(E22):
0.3×H10≦H21≦0.9×H10 (E21
1.1×H10≦H22≦1.7×H10 (E22
を満たす
請求項13に記載の猫用爪研ぎ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猫が爪を研ぐための猫用爪研ぎに関する。
【背景技術】
【0002】
猫には、カーペット、段ボール、木などに爪をたてて爪研ぎをする習性がある。その理由としては、古い爪をはがして鋭くするため、ニオイをつけて自分の場所であることを示すため、ストレス解消のためなどと言われている。そのため、放っておくと家のカーペット、柱、壁、家具など様々な場所で猫が爪研ぎをしてしまい、家中が傷だらけになってしまう。そこで、専用の猫用爪研ぎを猫に与えることが有効である。
【0003】
猫が爪研ぎをする爪研ぎ部材としては、一般に段ボールブロックなどを平板状にしたものが用いられているが、それは基本的には消耗品であって、爪研ぎ部材として使えるのは表面のみ又は表面と裏面の2面のみであることから、コストが高くなるという問題があった。そこで、爪研ぎ部材を複数枚積層させて、コストを下げる工夫がなされている。特許文献1には、猫の爪研ぎ器において、その研磨体本体を、交替用の板状研磨体複数枚を積層して構成したことを特徴とする猫の爪研ぎ器が記載されている。
【0004】
一方、猫が爪研ぎしながら遊んだりリラックスしたりするように、爪研ぎ部材の形状にも工夫がなされている。特許文献2には、猫が爪を研ぐことのできる猫の爪研ぎ用具であって、横に積層されたダンボール素材を含み、猫が上に載って横になることのできるベッドの形状をした本体部を有し、本体部の少なくとも上面が爪研ぎ面となっており、本体部の端部に、猫が頭を載せることのできる枕状に膨出した膨出部が設けられていること、を特徴とする猫の爪研ぎ用具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-45070号公報
【特許文献2】実用新案登録第3234979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された猫用爪研ぎでは、複数枚の爪研ぎ部材を接着テープで固定させているが、表面にある爪研ぎ部材の爪研ぎ面を裏返したり、別の爪研ぎ部材を表面に配置させたりするときには、その接着テープを剥がさなければならず、面倒であった。また、その接着テープで再度しっかり固定させることは難しいことから、新しい接着テープを準備する必要があった。また、特許文献2に記載されたような凹凸のある猫用爪研ぎでは、複数の爪研ぎ部材を重ねること自体を想定しておらず、無理して重ねた状態では安定性が悪かった。
【0007】
そこで、本発明は、凹凸のある複数の爪研ぎ部材を重ねた場合でも箱部材内に安定して設置可能な猫用爪研ぎを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る猫用爪研ぎは、
上面が開口した直方体形状の箱部材と、
前記箱部材内に着脱自在に設置可能な第一の爪研ぎ部材と、
前記第一の爪研ぎ部材の上面に着脱自在に嵌合させて設置可能な第二の爪研ぎ部材と
を有し、
前記箱部材内に前記第一の爪研ぎ部材を設置した状態において、前記第一の爪研ぎ部材の上面における最低部の高さH21が前記箱部材の高さH10より低く、
前記箱部材内に設置された前記第一の爪研ぎ部材の上面に前記第二の爪研ぎ部材を嵌合させて設置した状態において、前記第二の爪研ぎ部材の下面における最低部の高さH33が前記箱部材の高さH10より低い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、凹凸のある複数の爪研ぎ部材を重ねた場合でも箱部材内に安定して設置可能な猫用爪研ぎを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎの構造を示す模式的斜視図であり、(a)は、箱部材の底面上に第一の爪研ぎ部材を設置した使用状態の構造を示し、(b)は、その第一の爪研ぎ部材の上面に第二の爪研ぎ部材を嵌合させて設置した使用状態の構造を示す。
図2】本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎの構造を示す模式的斜視図であり、(a)は、箱部材の底面上に第二の爪研ぎ部材を設置した使用状態の構造を示し、(b)は、その第二の爪研ぎ部材の上面に第一の爪研ぎ部材を嵌合させて設置した使用状態の構造を示す。
図3】本発明の他の一実施形態に係る猫用爪研ぎの構造を示す模式的斜視図であり、(a)は、箱部材の底面上に第一の爪研ぎ部材を設置した使用状態の構造を示し、(b)は、その第一の爪研ぎ部材の上面に第二の爪研ぎ部材を嵌合させて設置した使用状態の構造を示す。
図4】本発明の他の一実施形態に係る猫用爪研ぎの構造を示す模式的斜視図であり、(a)は、箱部材の底面上に第一の爪研ぎ部材を設置した使用状態の構造を示し、(b)は、その第一の爪研ぎ部材の上面に第二の爪研ぎ部材を嵌合させて設置した使用状態の構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎの構造を図1及び図2に示す。図1(a)及び(b)並びに図2(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎ1の異なる使用状態を示す。図1(a)に示す猫用爪研ぎ1は、上面が開口した直方体形状の箱部材10内に第一の爪研ぎ部材20を設置したものである。すなわち、図1(a)に示す猫用爪研ぎ1は、上面が開口した直方体形状の箱部材10と、箱部材10内に着脱自在に設置可能な第一の爪研ぎ部材20とを有している。第一の爪研ぎ部材20の下面は平面形状をなしているが、上面は中央部が凹となる逆カマボコ形状の凹凸を有している。このような猫用爪研ぎ1であれば、凹凸のある第一の爪研ぎ部材20を箱部材10内に安定して設置することができ、猫が第一の爪研ぎ部材20の上面に乗っかって、爪研ぎしながら遊んだりリラックスしたりすることができる。
【0012】
このとき、図1(a)に示すように、箱部材10内に第一の爪研ぎ部材20を設置した状態において、第一の爪研ぎ部材20の上面における最低部21の高さH21が箱部材10の高さH10より低い。こうすることで、第一の爪研ぎ部材20の上面より高い位置に箱部材10の側面が存在するようになるため、そこに凹凸のある第二の爪研ぎ部材30を安定して設置することが可能となる。箱部材10内に設置した第一の爪研ぎ部材20の上面における最低部21の高さH21は、下記式(E21):
0.3×H10≦H21≦0.9×H10 (E21
を満たすことが好ましい。より具体的な例としては、H21を、0.5×H10、0.6×H10、0.7×H10、又は0.8×H10とすることができる。
【0013】
また、図1(a)に示すように、箱部材10内に第一の爪研ぎ部材20を設置した状態において、第一の爪研ぎ部材20の上面における最高部22の高さH22が箱部材10の高さH10より高いことが好ましい。こうすることで、箱部材10より上方で第一の爪研ぎ部材20を掴むことができるため、箱部材10に第一の爪研ぎ部材20を設置しやすくなり、また箱部材10から第一の爪研ぎ部材20を取り外しやすくなる。箱部材10内に設置した第一の爪研ぎ部材20の上面における最高部22の高さH22は、下記式(E22):
1.1×H10≦H22≦1.7×H10 (E22
を満たすことが好ましい。より具体的な例としては、H22を、1.2×H10、1.3×H10、1.4×H10、又は1.5×H10とすることができる。
【0014】
箱部材10は、一般的に紙製である。箱部材10の大きさは、猫用爪研ぎ1を利用する猫の大きさを考慮して適宜設定すればよく、例えば、箱部材10の底面の一辺は250~500mmから選択することができ、箱部材10の高さH10は20~100mmから選択することができる。より具体的な例としては、箱部材10の底面を290mm×450mmとし、箱部材10の高さH10を50mmとすることができる。
【0015】
第一の爪研ぎ部材20の材質としては、カーペット、段ボール、木などが挙げられるが、段ボールが好ましい。段ボール製の爪研ぎ部材としては、段ボールが複数積層された段ボールブロックが挙げられる。段ボールブロックであれば、製造も容易であり、上面が開口した箱部材10の内部に、簡単にはめ込むことができる。
【0016】
図1(b)に示す猫用爪研ぎ1は、第二の爪研ぎ部材30を、図1(a)に示す猫用爪研ぎ1における第一の爪研ぎ部材20の上面に嵌合させて設置したものである。すなわち、図1(b)に示す猫用爪研ぎ1は、箱部材10内に設置された第一の爪研ぎ部材20の上面に嵌合させて設置可能な第二の爪研ぎ部材30をさらに有している。第二の爪研ぎ部材30の上面は平面形状をなしているが、下面は中央部が凸となるカマボコ形状の凹凸を有している。このような猫用爪研ぎ1であれば、猫が異なる形状の第二の爪研ぎ部材30の上面に乗っかって、爪研ぎしながら遊んだりリラックスしたりすることができる。
【0017】
このとき、図1(b)に示すように、箱部材10内に設置された第一の爪研ぎ部材20の上面に第二の爪研ぎ部材30を嵌合させて設置した状態において、第二の爪研ぎ部材30の下面における最低部33の高さH33が箱部材10の高さH10より低い。こうすることで、凹凸のある第一の爪研ぎ部材20及び第二の爪研ぎ部材30をこの順に重ねた場合でも、第一の爪研ぎ部材20の上面より高い位置に存在する箱部材10の側面により第二の爪研ぎ部材30が支えられるため、箱部材10内に安定して設置することができる。第一の爪研ぎ部材20の上面に嵌合させて設置した第二の爪研ぎ部材30の下面における最低部33の高さH33は、下記式(E33):
0.3×H10≦H33≦0.9×H10 (E33
を満たすことが好ましい。より具体的な例としては、H33を、0.5×H10、0.6×H10、0.7×H10、又は0.8×H10とすることができる。
【0018】
また、図1(b)に示すように、箱部材10内に設置された第一の爪研ぎ部材20の上面に第二の爪研ぎ部材30を嵌合させて設置した状態において、第二の爪研ぎ部材30の上面における最高部34の高さH34が箱部材10の高さH10より高いことが好ましい。こうすることで、箱部材10より上方で第二の爪研ぎ部材30を掴むことができるため、箱部材10に第二の爪研ぎ部材30を設置しやすくなり、また箱部材10から第二の爪研ぎ部材30を取り外しやすくなる。第一の爪研ぎ部材20の上面に嵌合させて設置した第二の爪研ぎ部材30の上面における最高部34の高さH34は、下記式(E34):
1.5×H10≦H34≦2.5×H10 (E34
を満たすことが好ましい。より具体的な例としては、H34を、1.7×H10、2.0×H10、又は2.3×H10とすることができる。
【0019】
なお、本発明で言う「嵌合」した状態とは、図1(b)に示すように、第二の爪研ぎ部材30の下面の凹凸形状が、第一の爪研ぎ部材20の上面の凹凸形状に隙間なく沿うように重なり合う状態を含むが、その一部に隙間が残存する状態をも含む。ただし、少なくとも、第一の爪研ぎ部材20の上面に第二の爪研ぎ部材30を設置した状態において、第二の爪研ぎ部材30の下面における最低部33の高さH33が、第一の爪研ぎ部材20の上面における最高部22の高さH22より低いことが必要である。
【0020】
第二の爪研ぎ部材30の材質としては、カーペット、段ボール、木などが挙げられるが、段ボールが好ましい。段ボール製の爪研ぎ部材としては、段ボールが複数積層された段ボールブロックが挙げられる。段ボールブロックであれば、製造も容易であり、後述する図2(a)の使用状態において、上面が開口した箱部材10の内部に、簡単にはめ込むことができる。また、第一の爪研ぎ部材20と同じ材質(例えば、段ボールブロック)であれば、1つの段ボールブロックを切断して2つに分割することで、互いに嵌合させることが可能な第一の爪研ぎ部材20及び第二の爪研ぎ部材30を容易に製造することができる。
【0021】
図2(a)に示す猫用爪研ぎ1は、図1(b)に示す猫用爪研ぎ1で使用した第二の爪研ぎ部材30の上下をひっくり返した状態で、上面が開口した直方体形状の箱部材10内に設置したものである。すなわち、第二の爪研ぎ部材30は、箱部材10内に着脱自在に設置可能なものであることが好ましい。このような猫用爪研ぎ1であれば、凹凸のある第二の爪研ぎ部材30を箱部材10内に安定して設置することができ、猫が異なる形状の第二の爪研ぎ部材30の上面に乗っかって、爪研ぎしながら遊んだりリラックスしたりすることができる。
【0022】
このとき、図2(a)に示すように、箱部材10内に第二の爪研ぎ部材30を設置した状態において、第二の爪研ぎ部材30の上面における最低部31の高さH31が箱部材10の高さH10より低い。こうすることで、第二の爪研ぎ部材30の上面より高い位置に箱部材10の側面が存在するようになるため、そこに凹凸のある第一の爪研ぎ部材20を安定して設置することが可能となる。箱部材10内に設置した第二の爪研ぎ部材30の上面における最低部31の高さH31は、下記式(E31):
0.3×H10≦H31≦0.9×H10 (E31
を満たすことが好ましい。より具体的な例としては、H31を、0.5×H10、0.6×H10、0.7×H10、又は0.8×H10とすることができる。
【0023】
また、図2(a)に示すように、箱部材10内に第二の爪研ぎ部材30を設置した状態において、第二の爪研ぎ部材30の上面における最高部32の高さH32が箱部材10の高さH10より高いことが好ましい。こうすることで、箱部材10より上方で第二の爪研ぎ部材30を掴むことができるため、箱部材10に第二の爪研ぎ部材30を設置しやすくなり、また箱部材10から第二の爪研ぎ部材30を取り外しやすくなる。箱部材10内に設置した第二の爪研ぎ部材30の上面における最高部32の高さH32は、下記式(E32):
1.1×H10≦H32≦1.7×H10 (E32
を満たすことが好ましい。より具体的な例としては、H32を、1.2×H10、1.3×H10、1.4×H10、又は1.5×H10とすることができる。
【0024】
図2(b)に示す猫用爪研ぎ1は、図1(a)及び(b)に示す猫用爪研ぎ1で使用した第一の爪研ぎ部材20の上下をひっくり返した状態で、図2(a)に示す猫用爪研ぎ1における第二の爪研ぎ部材30の上面に嵌合させて設置したものである。すなわち、図2(b)に示す猫用爪研ぎ1において、第一の爪研ぎ部材20は、箱部材10内に設置した第二の爪研ぎ部材30の上面に嵌合させて設置可能であることが好ましい。このような猫用爪研ぎ1であれば、猫が異なる形状の第一の爪研ぎ部材20の上面に乗っかって、爪研ぎしながら遊んだりリラックスしたりすることができる。
【0025】
このとき、図2(b)に示すように、箱部材10内に設置された第二の爪研ぎ部材30の上面に第一の爪研ぎ部材20を嵌合させて設置した状態において、第一の爪研ぎ部材20の下面における最低部23の高さH23が箱部材10の高さH10より低い。こうすることで、凹凸のある第二の爪研ぎ部材30及び第一の爪研ぎ部材20をこの順に重ねた場合でも、第二の爪研ぎ部材30の上面より高い位置に存在する箱部材10の側面により第一の爪研ぎ部材20が支えられるため、箱部材10内に安定して設置することができる。第二の爪研ぎ部材30の上面に嵌合させて設置した第一の爪研ぎ部材20の下面における最低部23の高さH23は、下記式(E23):
0.3×H10≦H23≦0.9×H10 (E23
を満たすことが好ましい。より具体的な例としては、H23を、0.5×H10、0.6×H10、0.7×H10、又は0.8×H10とすることができる。
【0026】
また、図2(b)に示すように、箱部材10内に設置された第二の爪研ぎ部材30の上面に第一の爪研ぎ部材20を嵌合させて設置した状態において、第一の爪研ぎ部材20の上面における最高部24の高さH24が箱部材10の高さH10より高いことが好ましい。こうすることで、箱部材10より上方で第一の爪研ぎ部材20を掴むことができるため、箱部材10に第一の爪研ぎ部材20を設置しやすくなり、また箱部材10から第一の爪研ぎ部材20を取り外しやすくなる。第二の爪研ぎ部材30の上面に嵌合させて設置した第一の爪研ぎ部材20の上面における最高部24の高さH24は、下記式(E24):
1.5×H10≦H24≦2.5×H10 (E24
を満たすことが好ましい。より具体的な例としては、H24を、1.7×H10、2.0×H10、又は2.3×H10とすることができる。
【0027】
以上のような本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎであれば、凹凸のある複数の爪研ぎ部材を重ねた場合でも、単に箱部材内に嵌め込むだけで安定して設置可能であるため、接着テープなどの固定部材を使う必要がない。また、爪研ぎ部材を単独で用いたり、複数の爪研ぎ部材を重ねたりして爪研ぎ面を入れ替えることで、消耗品である爪研ぎ部材を長持ちさせることができる。さらに、爪研ぎ部材の上面の形状を変化させることができるため、猫は様々な形状の爪研ぎ部材の上面に乗っかって、爪研ぎしながら遊んだりリラックスしたりすることができる。
【0028】
本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎ1で用いる第一の爪研ぎ部材20及び第二の爪研ぎ部材30の表面形状(特に嵌合部の凹凸形状)は、特に制限がなく、他の実施形態として、図3(a)及び(b)に示すように滑らかな段差を有する形状とする実施形態や、図4(a)及び(b)に示すようにジグザグな形状とする実施形態が挙げられる。ただし、第一の爪研ぎ部材20は、箱部材10内に設置されることから、一方の表面が平面形状をなしていることが好ましい。また、図示しないが、図3(a)及び(b)並びに図4(a)及び(b)に示す猫用爪研ぎ1においても、前述のように、第二の爪研ぎ部材30の上下をひっくり返した状態で、箱部材10内に着脱自在に設置可能なものであることが好ましく、さらにその上面に第一の爪研ぎ部材20を嵌合させて設置可能であることが好ましい。その場合、第二の爪研ぎ部材30は、箱部材10内に設置されることから、一方の表面が平面形状をなしていることが好ましい。
【0029】
本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎ1に組み合わせる爪研ぎ部材の数は、2つに限定されず、3つ以上でも構わない。ただし、3つ以上の爪研ぎ部材を組み合わせる場合、一番下に設置される爪研ぎ部材は、前述の第一の爪研ぎ部材10の条件を満たすことが好ましく、それ以外の爪研ぎ部材は、前述の第二の爪研ぎ部材20の条件を満たすことが好ましい。
【0030】
また、本発明を、箱部材10と第一の爪研ぎ部材20とを有する猫用爪研ぎ1と理解することもできる。特に、第一の爪研ぎ部材20の上面における最低部21の高さH21が箱部材10の高さH10より低いことで、第一の爪研ぎ部材20の上面より高い位置に箱部材10の側面が存在するようになるため、そこに別の爪研ぎ部材を安定して設置することが可能となり、かつ第一の爪研ぎ部材20の上面における最高部22の高さH22が箱部材10の高さH10より高いことで、箱部材10より上方で第一の爪研ぎ部材20を掴むことができるため、箱部材10に第一の爪研ぎ部材20を設置しやすくなり、また箱部材10から第一の爪研ぎ部材20を取り外しやすくなる。
【符号の説明】
【0031】
1 猫用爪研ぎ
10 箱部材
20 第一の爪研ぎ部材
21 箱部材内に設置した第一の爪研ぎ部材の上面における最低部
22 箱部材内に設置した第一の爪研ぎ部材の上面における最高部
23 第二の爪研ぎ部材上に設置した第一の爪研ぎ部材の下面における最低部
24 第二の爪研ぎ部材上に設置した第一の爪研ぎ部材の上面における最高部
30 第二の爪研ぎ部材
31 箱部材内に設置した第二の爪研ぎ部材の上面における最低部
32 箱部材内に設置した第二の爪研ぎ部材の上面における最高部
33 第一の爪研ぎ部材上に設置した第二の爪研ぎ部材の下面における最低部
34 第一の爪研ぎ部材上に設置した第二の爪研ぎ部材の上面における最高部
10 箱部材の高さ
21 箱部材内に設置した第一の爪研ぎ部材の上面における最低部の高さ
22 箱部材内に設置した第一の爪研ぎ部材の上面における最高部の高さ
23 第二の爪研ぎ部材上に設置した第一の爪研ぎ部材の下面における最低部の高さ
24 第二の爪研ぎ部材上に設置した第一の爪研ぎ部材の上面における最高部の高さ
31 箱部材内に設置した第二の爪研ぎ部材の上面における最低部の高さ
32 箱部材内に設置した第二の爪研ぎ部材の上面における最高部の高さ
33 第一の爪研ぎ部材上に設置した第二の爪研ぎ部材の下面における最低部の高さ
34 第一の爪研ぎ部材上に設置した第二の爪研ぎ部材の上面における最高部の高さ
図1
図2
図3
図4