IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友ゴム工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-重荷重用タイヤ 図1
  • 特開-重荷重用タイヤ 図2
  • 特開-重荷重用タイヤ 図3
  • 特開-重荷重用タイヤ 図4
  • 特開-重荷重用タイヤ 図5
  • 特開-重荷重用タイヤ 図6
  • 特開-重荷重用タイヤ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101707
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】重荷重用タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 9/18 20060101AFI20240723BHJP
   B60C 3/04 20060101ALI20240723BHJP
   B60C 9/22 20060101ALI20240723BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20240723BHJP
   B60C 11/12 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B60C9/18 N
B60C3/04 B
B60C9/18 K
B60C9/18 G
B60C9/22 G
B60C9/22 C
B60C11/03 300B
B60C11/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005778
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井藤 佳恵
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA32
3D131AA39
3D131BB03
3D131BB11
3D131BC11
3D131BC12
3D131BC18
3D131BC34
3D131BC35
3D131DA34
3D131DA43
3D131DA44
3D131DA52
3D131DA55
3D131DA57
3D131EA02U
3D131EB11V
3D131EB11W
3D131EB11X
3D131EB13W
3D131EB13X
3D131EB15W
3D131EB15X
3D131EB22X
3D131EB23V
3D131EB23W
3D131EB23X
3D131EB24V
3D131EB24W
3D131EB24X
3D131EB31V
3D131EB31W
3D131EB31X
3D131EB42X
3D131EB43X
3D131EB46X
3D131EB48X
3D131EB81V
3D131EB81W
3D131EB81X
3D131EB83V
3D131EB83W
3D131EB83X
3D131EB86W
3D131EB86X
3D131EB89W
3D131EB89X
3D131EB94W
3D131EB94X
3D131EC12V
3D131EC12W
3D131EC12X
(57)【要約】
【課題】偏摩耗しにくく、良好な氷上性能及び雪上性能が確保された、重荷重用タイヤ2の提供。
【解決手段】このタイヤ2は、70%以下の偏平比の呼びを有する。このタイヤ2は、トレッド4と、トレッド4の径方向内側に位置する補強部20とを備える。トレッド4は、複数の周方向太溝24と、この周方向太溝24で区画された複数の陸部26を有する。各陸部26は、その表面に少なくとも1本の横溝62と、少なくとも1本のサイプ68とを備える。補強部20は、少なくとも3枚のベルト38と、少なくとも1枚のバンド40とを含む。バンド40は、中央領域40Aと2つの端部領域40Bとからなる。中央領域40Aにおけるバンドコード48の密度は、端部領域40Bにおけるバンドコードの密度よりも高い。中央領域40Aの両端部40Aeは、ショルダー周方向太溝24sの軸方向内側に位置し、かつ端部領域40Bの軸方向外側端部40Beは、ショルダー周方向太溝24sの軸方向外側に位置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
70%以下の偏平比の呼びを有するタイヤであって、
トレッドと、前記トレッドの径方向内側に位置する補強部とを備え、
前記トレッドに、複数の周方向太溝で区画された複数の陸部が構成され、
複数の前記周方向太溝のうち軸方向において外側に位置する周方向太溝が、ショルダー周方向太溝であり、
複数の前記陸部のうち前記ショルダー周方向太溝の軸方向外側に位置する陸部が、ショルダー陸部であり、
各陸部は、その表面に少なくとも1本の横溝と、少なくとも1本のサイプとを備え、
前記補強部が、並列した多数のベルトコードを含む、少なくとも3枚のベルトと、らせん状に巻かれたバンドコードを含む、少なくとも1枚のバンドとを含み、
前記バンドは、軸方向外側に位置する2つの端部領域と、2つの端部領域に挟まれた中央領域とからなり、前記中央領域におけるバンドコードの密度が、前記端部領域におけるバンドコードの密度よりも高く、
前記中央領域の両端部は、前記ショルダー周方向太溝の軸方向内側に位置し、かつ、前記端部領域の軸方向外側端部は、前記ショルダー周方向太溝の軸方向外側に位置するように配置されている、
重荷重用タイヤ。
【請求項2】
前記中央領域の幅は、前記トレッド面の幅の20%以上である、請求項1に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項3】
前記トレッドは、軸方向において、前記ショルダー周方向太溝の内側に位置するミドル周方向太溝を有し、
前記中央領域の両端部は、前記ミドル周方向太溝の軸方向外側に位置する、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項4】
前記中央領域におけるバンドコードの密度が、前記端部領域におけるバンドコードの密度の1.2倍以上2.0倍以下である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項5】
トレッド中心からトレッド端までの距離に対する、トレッド中心からショルダー周方向太溝までの距離の割合は、0.45以上0.70以下である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項6】
前記ショルダー周方向太溝の溝底半径は、2.5mm以上である、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項7】
前記ショルダー周方向太溝に、前記ショルダー陸部と前記ショルダー陸部の軸方向内側に位置する陸部とを連結するタイバーが設けられ、
前記タイバーにサイプが形成されている、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【請求項8】
スタッドレスタイヤである、請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重荷重用タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
スタッドレスタイヤは、高い氷上性能と、高い雪上性能とが要求されるタイヤである。
スタッドレスタイヤの氷上性能を向上させるために、スタッドレスタイヤのトレッド部に複数のサイプを形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
サイプを追加すると、トレッド部におけるエッジ効果が高まり、氷上性能が向上することが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-143891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、スタッドレスタイヤのトレッド部にサイプを追加すると、サイプが追加されたトレッド部(ブロック)の剛性が低下し、その結果、トレッド面の摩耗量が場所によって大きく異なるようになり、耐偏摩耗性が悪化することがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、偏摩耗しにくく、良好な氷上性能及び雪上性能が確保された、重荷重用タイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に係る重荷重用タイヤは、70%以下の偏平比の呼びを有するタイヤである。このタイヤは、トレッドと、上記トレッドの径方向内側に位置する補強部とを備える。上記トレッドには、複数の周方向太溝で区画された複数の陸部が構成されている。複数の上記周方向太溝のうち軸方向において外側に位置する周方向太溝は、ショルダー周方向太溝である。複数の上記陸部のうち上記ショルダー周方向太溝の軸方向外側に位置する陸部は、ショルダー陸部である。これら各陸部は、その表面に少なくとも1本の横溝と、少なくとも1本のサイプとを備える。上記補強部は、並列した多数のベルトコードを含む少なくとも3枚のベルトと、らせん状に巻かれたバンドコードを含む少なくとも1枚のバンドとを含む。上記バンドは、軸方向外側に位置する2つの端部領域と、2つの端部領域に挟まれた中央領域とからなる。上記中央領域におけるバンドコードの密度は、上記端部領域におけるバンドコードの密度よりも高い。上記中央領域の両端部は、上記ショルダー周方向太溝の軸方向内側に位置し、かつ、上記端部領域の軸方向外側端部は、上記ショルダー周方向太溝の軸方向外側に位置するように配置されている。
【0006】
上記重荷重用タイヤは、バンドを含む補強部をトレッドの径方向内側に備える。このバンドは、バンドコードの密度が相対的に低い、軸方向外側に位置する2つの端部領域と、2つの端部領域に挟まれた、バンドコードの密度が端部領域よりも高い中央領域とからなる。このバンドは、中央領域の両端部が上記ショルダー周方向太溝の軸方向内側に位置し、かつ端部領域の軸方向外側端部が上記ショルダー周方向太溝の軸方向外側に位置するように配置されている。そのため、このタイヤは、ショルダー部が外径成長しやすく、クラウン部が外径成長しにくい構成を有している。
タイヤはトレッドラジアスを有するため、通常、クラウン部の接地圧がショルダー部の接地圧よりも大きくなる。しかしながら、この重荷重用タイヤは、ショルダー部が外径成長しやすく、クラウン部が外径成長しにくいため、ショルダー部の接地圧とクラウン部の接地圧との差が小さい。そのため、ショルダー部とクラウン部とで摩耗量に差が生じにくく、耐偏摩耗性が良好である。
【0007】
また、スタッドレスタイヤは、ショルダー部の接地圧がクラウン部の接地圧よりも小さくなると、氷上性能が低下し、滑り易くなってしまう。これに対して、上記の重荷重用タイヤは、上述した通り、ショルダー部の接地圧とクラウン部の接地圧との差が小さいため、氷上性能も良好である。
更に、上記の重荷重用タイヤは、接地時におけるショルダー部の外径成長量がクラウン部の外径成長量よりも大きいため、無負荷時のショルダー周方向太溝の溝幅と負荷時のショルダー周方向太溝の溝幅との差が大きくなる。そのため、上記の重荷重用タイヤは、接地時(負荷時)にショルダー周方向太溝による雪をつかむ力が増加し、雪上性能も良好になる。
【0008】
(2)上記(1)の重荷重用タイヤは、好ましくは、上記前記中央領域の幅が、上記トレッド面の幅の20%以上である。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)の重荷重用タイヤは、好ましくは、上記トレッドが、軸方向において、上記ショルダー周方向太溝の内側に位置するミドル周方向太溝を有し、上記中央領域の両端部が、上記ミドル周方向太溝の軸方向外側に位置する。
【0010】
(4)上記(1)~(3)のいずれかの重荷重用タイヤは、好ましくは、上記中央領域におけるバンドコードの密度が、上記端部領域におけるバンドコードの密度の1.2倍以上2.0倍以下である。
【0011】
(5)上記(1)~(4)のいずれかの重荷重用タイヤは、好ましくは、トレッド中心からトレッド端までの距離に対する、トレッド中心からショルダー周方向太溝までの距離の割合が、0.45以上0.70以下である。
【0012】
(6)上記(1)~(5)のいずれかの重荷重用タイヤは、好ましくは、前記ショルダー周方向太溝の溝底半径が、2.5mm以上である。
【0013】
(7)上記(1)~(6)のいずれかの重荷重用タイヤは、好ましくは、前記ショルダー周方向太溝に、前記ショルダー陸部と前記ショルダー陸部の軸方向内側に位置する陸部とを連結するタイバーが設けられている。より好ましくは、このタイバーにはサイプが形成されている。
【0014】
(8)上記(1)~(7)のいずれかの重荷重用タイヤは、好ましくは、スタッドレスタイヤである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、耐偏摩耗性が良好で、かつ良好な氷上性能及び雪上性能が確保された、重荷重用タイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用タイヤの一部を示す断面図である。
図2図2は、図1のタイヤの一部を示す断面図である。
図3図3は、補強部の構成を説明する概略図である。
図4図4は、図1のタイヤのトレッド面の一部を示す展開図である。
図5図5は、図4のタイヤのトレッド面のセンター陸部及びミドル陸部を示す拡大図である。
図6図6は、図4のタイヤのトレッド面の一方のショルダー陸部を示す拡大図である。
図7図7(a)は、図4のA-A線端面図である。図7(b)は、図4のB-B線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
【0018】
本発明において、タイヤを正規リムに組み込み、タイヤの内圧が正規内圧に調整され、このタイヤに荷重がかけられていない状態は、正規状態と称される。
【0019】
本発明においては、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。
正規リムにタイヤを組んだ状態で測定できない、タイヤの子午線断面における各部の寸法及び角度は、回転軸を含む平面に沿ってタイヤを切断することにより得られる、タイヤの切断面において、測定される。この測定では、左右のビード間の距離が、正規リムに組んだタイヤにおけるビード間の距離に一致するように、タイヤはセットされる。なお、正規リムにタイヤを組んだ状態で確認できないタイヤの構成は、前述の切断面において確認される。
【0020】
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
【0021】
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
【0022】
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
【0023】
本発明において、「偏平比の呼び」は、JIS D4202「自動車用タイヤ-呼び方及び諸元」に規定された「タイヤの呼び」に含まれる「偏平比の呼び」である。
【0024】
本発明において、タイヤのトレッド部とは、路面と接地する、タイヤの部位である。ビード部とは、リムに嵌め合わされる、タイヤの部位である。サイド部とは、トレッド部とビード部との間を架け渡す、タイヤの部位である。タイヤは、部位として、トレッド部、一対のビード部及び一対のサイド部を備える。
【0025】
本発明において、並列したコードを含むタイヤの要素、5cm幅あたりに含まれるコードの断面数(コードの本数)は、この要素に含まれるコードの密度(単位は、エンズ/5cmである。)として表される。コードの密度は、特に言及がない限り、コードの長さ方向に対して垂直な面で切断することにより得られる要素の断面において得られる。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用タイヤ2(以下、単に「タイヤ2」とも称する。)の一部を示す。このタイヤ2は、トラック、バス等の車両に装着される。このタイヤ2は、スタッドレスタイヤである。
このタイヤ2の偏平比の呼びは70%以下である。言い換えれば、このタイヤ2は、70%以下の偏平比の呼びを有する。このタイヤ2は低偏平タイヤである。
【0027】
図1は、タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面(以下、子午線断面)の一部を示す。図1において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表す。
【0028】
タイヤ2はリムRに組まれる。リムRは正規リムである。タイヤ2の内部には空気が充填され、タイヤ2の内圧が調整される。リムRに組まれたタイヤ2は、タイヤ-リム組立体とも称される。タイヤ-リム組立体は、リムRと、このリムRに組まれたタイヤ2とを備える。
【0029】
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のチェーファー8、一対のビード10、カーカス12、一対のスチール補強層16及びインナーライナー18及び補強部20を備える。
【0030】
トレッド4は、トレッド面22において路面と接地する。言い換えれば、トレッド4は路面と接地するトレッド面22を備える。図1において符号PCは、トレッド面22と赤道面との交点である。交点PCはタイヤ2の赤道である。赤道PCはタイヤ2の径方向外端である。
【0031】
図1において、符号PEはトレッド面22の端である。両矢印WTで示される長さは、トレッド面22の幅である。トレッド面22の幅WTは、トレッド面22の第一の端PEから第二の端PEまでの軸方向距離である。
【0032】
図示されないが、トレッド4は、ベース部と、このベース部の径方向外側に位置するキャップ部とを備えることができる。
この場合、ベース部、及びキャップ部は、いずれも架橋ゴムで構成される。キャップ部は耐摩耗性、低温特性及びグリップ性能が考慮された架橋ゴムで構成される。
【0033】
トレッド4には、複数の周方向溝が刻まれる。
これら複数の周方向溝は、周方向太溝と、周方向細溝とに分けられる。このタイヤ2において、溝幅がトレッド面22の幅WTの1%以上である周方向溝が、周方向太溝である。また、タイヤ2において、溝幅がトレッド面22の幅WTの1%未満である周方向溝が、周方向細溝である。
このトレッド4には、複数の周方向太溝24で区画された複数の陸部26が構成される。このタイヤ2では、4本の周方向太溝24が刻まれて5本の陸部26が構成され、更に、2本の周方向細溝27が刻まれる。
【0034】
4本の周方向太溝24は、軸方向に並列され、周方向に連続してのびる。これら周方向太溝24のうち、軸方向において外側に位置する周方向太溝24がショルダー周方向太溝24sである。ショルダー周方向太溝24sの軸方向内側に位置する周方向太溝24がミドル周方向太溝24mである。このタイヤ2の4本の周方向太溝24は、一対のミドル周方向太溝24mと一対のショルダー周方向太溝24sとで構成される。
2本の周方向細溝27は、ショルダー陸部26sに刻まれる。これらの周方向細溝27は、ショルダー周方向細溝27sである。
【0035】
このタイヤ2では、氷上性能及び雪上性能を確保する観点から、ミドル周方向太溝24mの溝幅はトレッド面22の幅WTの2%以上10%以下が好ましい。ミドル周方向太溝24mの溝深さは13mm以上25mm以下が好ましい。ショルダー周方向太溝24sの溝幅はトレッド面22の幅WTの2%以上10%以下が好ましい。ショルダー周方向太溝24sの溝深さは13mm以上25mm以下が好ましい。
本発明において、周方向溝の溝幅はトレッド面における周方向溝の開口幅により表される。周方向溝の溝深さは、周方向溝の開口縁を結ぶ線分から周方向溝の底までの距離により表される。
【0036】
5本の陸部26は、軸方向に並列され、周方向に連続してのびる。これら陸部26のうち、軸方向において外側に位置する陸部26がショルダー陸部26sである。ショルダー陸部26sは、ショルダー周方向太溝24sの軸方向外側に位置する陸部26である。ショルダー陸部26sは、トレッド面22の端PEを含む。
ショルダー陸部26sの軸方向内側に位置する陸部26はミドル陸部26mである。ミドル陸部26mの軸方向内側に位置する陸部26はセンター陸部26cである。このタイヤ2の5本の陸部26は、センター陸部26cと、一対のミドル陸部26mと、一対のショルダー陸部26sとで構成される。
【0037】
このタイヤ2では、センター陸部26cの幅はトレッド面22の幅WTの10%以上18%以下である。ミドル陸部26mの幅はトレッド面22の幅WTの10%以上18%以下である。ショルダー陸部26sの幅はトレッド面22の幅WTの13%以上28%以下である。
本発明において、陸部26の幅は、トレッド面22の一部をなす陸部26の頂面の軸方向幅により表される。
【0038】
このタイヤ2では、トレッド4に構成される陸部26のうち、軸方向において中央に位置する陸部26、すなわちセンター陸部26cが赤道面上に位置する。このタイヤ2は、陸部26が赤道面上に位置するように構成されたトレッド4を備える。周方向太溝24が赤道面上に位置するように、このトレッド4が構成されてもよい。
【0039】
それぞれのサイドウォール6はトレッド4の端に連なる。サイドウォール6は、トレッド4の端から径方向内向きにのびる。サイドウォール6はトレッド4の径方向内側に位置する。サイドウォール6は耐カット性が考慮された架橋ゴムからなる。
【0040】
それぞれのチェーファー8はサイドウォール6の径方向内側に位置する。チェーファー8は、リムRと接触する。チェーファー8は、耐摩耗性が考慮された架橋ゴムからなる。
【0041】
それぞれのビード10はチェーファー8の軸方向内側に位置する。ビード10はサイドウォール6の径方向内側に位置する。ビード10は、コア28と、エイペックス30とを備える。
コア28は周方向にのびる。コア28は、巻き回されたスチール製のワイヤを含む。コア28は略六角形の断面形状を有する。
エイペックス30はコア28の径方向外側に位置する。エイペックス30は内側エイペックス30uと外側エイペックス30sとを備える。内側エイペックス30uはコア28から径方向外向きにのびる。外側エイペックス30sは内側エイペックス30uよりも径方向外側に位置する。内側エイペックス30uは硬質な架橋ゴムからなる。外側エイペックス30sは内側エイペックス30uよりも軟質な架橋ゴムからなる。
【0042】
カーカス12は、トレッド4、一対のサイドウォール6、及び一対のチェーファー8の内側に位置する。カーカス12は一対のビード10のうちの第一のビード10と第二のビード10との間を架け渡す。
【0043】
カーカス12は少なくとも1枚のカーカスプライ32を備える。このタイヤ2のカーカス12は1枚のカーカスプライ32からなる。カーカスプライ32は、それぞれのコア28の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される。カーカスプライ32は、第一のコア28と第二のコア28との間を架け渡すプライ本体32aと、このプライ本体32aに連なりそれぞれのコア28の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される一対の折り返し部32bとを有する。
【0044】
図示されないが、カーカスプライ32は並列された多数のカーカスコードを含む。これらカーカスコードはトッピングゴムで覆われる。それぞれのカーカスコードは赤道面と交差する。このタイヤ2では、カーカスコードが赤道面に対してなす角度(以下、カーカスコードの交差角度)は70°以上90°以下である。このカーカス12はラジアル構造を有する。このタイヤ2のカーカスコードはスチールコードである。
【0045】
それぞれのスチール補強層16はビード部に位置する。スチール補強層16は、カーカスプライ32に沿ってコア28の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される。図示されないが、スチール補強層16は並列した多数のフィラーコードを含む。これらフィラーコードはトッピングゴムで覆われる。フィラーコードとしてスチールコードが用いられる。
【0046】
インナーライナー18はカーカス12の内側に位置する。インナーライナー18は、架橋ゴムからなるインスレーション(図示されず)を介してカーカス12の内面に接合される。インナーライナー18はタイヤ2の内面を構成する。インナーライナー18は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー18はタイヤ2の内圧を保持する。
【0047】
図2は、図1に示されたタイヤ2の断面の一部を示す。この図2は、このタイヤ2のトレッド部を示す。
補強部20はトレッド4の径方向内側に位置する。径方向において、補強部20はトレッド4とカーカス12との間に位置する。補強部20はベルト34とバンド40とを備える。
【0048】
ベルト34は4枚のベルトプライ38を備える。これらベルトプライ38は径方向に並ぶ。各ベルトプライ38は、両端38eが赤道面を挟んで相対するように配置される。各ベルトプライ38は赤道面と交差する。各ベルトプライ38の端38eは赤道面の両側に位置する。
4枚のベルトプライ38は、第一ベルトプライ38A、第二ベルトプライ38B、第三ベルトプライ38C及び第四ベルトプライ38Dである。
4枚のベルトプライ38のうち径方向において内側に位置するベルトプライ38が第一ベルトプライ38Aである。第二ベルトプライ38Bは第一ベルトプライ38Aの径方向外側に位置する。第三ベルトプライ38Cは第二ベルトプライ38Bの径方向外側に位置する。第四ベルトプライ38Dは第三ベルトプライ38Cの径方向外側に位置する。第四ベルトプライ38Dが、4枚のベルトプライ38のうち径方向において外側に位置するベルトプライ38である。
本発明の実施形態のタイヤ2において、ベルトプライ38の枚数は3枚以上であればよい。
【0049】
図1、2に示されるように、第一ベルトプライ38Aの端38Ae、第二ベルトプライ38Bの端38Be、及び第三ベルトプライ38Cの端38Ceは、ショルダー周方向太溝24sの軸方向外側に位置する。一方、第四ベルトプライ38Dの端38Deは、ショルダー周方向太溝24sの軸方向内側に位置する。損傷防止の観点から、第四ベルトプライ38Dの端38Deが径方向においてショルダー周方向太溝24sと重複しないように、この第四ベルトプライ38Dは配置される。
【0050】
このタイヤ2では、第二ベルトプライ38Bが最も広い幅を有し、第四ベルトプライ38Dが最も狭い幅を有する。第一ベルトプライ38Aの端38Ae及び第三ベルトプライ38Cの端38Ceは、軸方向において、第二ベルトプライ38Bの端38Beと第四ベルトプライ38Dの端38Deとの間に位置する。
各ベルトプライ38の幅は、ベルトプライ38の第一の端38eから第二の端38eまでの軸方向距離である。
【0051】
バンド40は、両端40eが赤道面を挟んで相対するように配置されるフルバンドである。バンド40は赤道面と交差する。バンド40の端40eは赤道面の両側に位置する。
バンド40の端40eは、軸方向において、ショルダー周方向太溝24sよりも外側に位置する。
【0052】
バンド40は、軸方向外側に位置する2つの端部領域40Bと、2つの端部領域40Bに挟まれた中央領域40Aとからなる。中央領域40Aは、端部領域40Bの軸方向内側に位置する。
図2に示されるように、このタイヤ2では、中央領域40Aの両端部40Aeは、ショルダー周方向太溝24sの軸方向内側に位置する。中央領域40Aの両端部40Aeは、径方向においてショルダー周方向太溝24sと重複しない。
また、端部領域40Bの軸方向外側端部40Beは、ショルダー周方向太溝24sの軸方向外側に位置する。端部領域40Bの軸方向外側端部40Beは、径方向においてショルダー周方向太溝24sと重複しない。
端部領域40Bの軸方向外側端部40Beは、バンド40の端40eでもある。
【0053】
このタイヤ2では、中央領域40Aにおけるバンドコード48の密度が、端部領域40Bにおけるバンドコード48の密度よりも高くなっている。具体的には、タイヤ2では、中央領域40Aの方が端部領域40Bよりも、5cm幅あたりに含まれるバンドコード48の断面数が多くなっている。
【0054】
従って、このタイヤ2では、クラウン部の方がショルダー部に比べてバンド40によって強く拘束されている。
この場合、タイヤ2のクラウン部は、バンド40による強い拘束力によって、内圧による外径の成長が抑制される。一方、タイヤ2のショルダー部は、バンド40による拘束力が弱い。そのため、タイヤ2のショルダー部は、内圧によって外径が成長しやすくなっている。
本発明においては、タイヤのトレッド部における、ショルダー周方向太溝からショルダー陸部までをショルダー部ともいい、ショルダー部に挟まれた軸方向内側部分をクラウン部ともいう。
【0055】
タイヤはトレッドラジアスを有するため、通常、クラウン部の接地圧はショルダー部の接地圧よりも大きくなる。一方、本発明の実施形態に係るタイヤ2は、ショルダー部が外径成長しやすく、クラウン部が外径成長しにくいため、ショルダー部の接地圧とクラウン部の接地圧との差が小さくなりやすい。すなわち、タイヤ2は、トレッド面全体の接地圧が均一化されやすい。
タイヤは、トレッド面の接地圧が均一に近いほど、トレッド面の摩耗量の偏りが生じにくい。従って、トレッド面の接地圧が均一に近いタイヤ2は、耐偏摩耗性が良好である。また、トレッド面の接地圧が均一に近いタイヤ2は、氷上性能も良好である。
更に、このタイヤ2は、ショルダー部の拘束力が弱いため、無負荷時と負荷時のショルダー周方向太溝の幅の差が大きくなる。そのため、タイヤ2は、接地時(負荷時)にショルダー周方向太溝による雪をつかむ力が増加し、雪上性能も良好である。
【0056】
このタイヤ2は、下記の観点からも、ショルダー部が弱く拘束されていることが好ましい。
タイヤ2において、バンド40が中央領域40Aのみで構成されており、バンド40がタイヤ2のショルダー部に存在していない場合、クラウン部とショルダー部との剛性差が大きくなる。そうすると、ショルダー周方向太溝24sの部分が屈曲しやすくなる。ショルダー周方向太溝24sの部分が屈曲しやすくなることは、ショルダー部に歪がたまりやすくなることを意味し、ショルダー部にたまった歪は、TGC(トレッドグルーブクラック)の発生原因や耐久性の低下要因となる。
このような観点からは、上述した通り、タイヤ2のショルダー部は、バンドが存在しないよりも、バンドによって、弱く拘束されていることが好ましい。
【0057】
図2において、両矢印HWTは、トレッドの中心(赤道面)からトレッド面22の端PEまでの軸方向距離である。両矢印HWTで示される長さは、トレッド面22の幅の半分である。両矢印WSは、トレッドの中心(赤道面)からショルダー周方向太溝24sまでの軸方向距離、詳細には、トレッドの中心からショルダー周方向太溝24sの溝底24sbの中心Pbまでの軸方向距離である。
符号WFで示される長さはバンド40の幅である。バンド40の幅WFは、バンド40の第一端40eから第二端40eまでの軸方向距離である。符号WFAで示される長さはバンド40の中央領域の幅である。中央領域40Aの幅WFAは、中央領域40Aの第一端40Aeから第二端40Aeまでの軸方向距離である。
【0058】
このタイヤ2において、中央領域40Aの幅WFAは、トレッド面22の幅WTの20%以上であることが好ましい。中央領域40Aの幅WFAがこれよりも狭い場合、クラウン部を拘束する力が弱く、クラウン部の外径成長を十分に抑制できないことがある。
【0059】
このタイヤ2では、中央領域40Aの両端部40Aeは、ミドル周方向太溝24mの軸方向外側に位置することが好ましい。この場合、中央領域40Aの両端部40Aeは、ミドル周方向太溝24mとショルダー周方向太溝24sとの間に位置する。中央領域40Aの両端部40Aeは、径方向において、ミドル周方向太溝24mとも重ならない。
バンド40の中央領域40Aがショルダー周方向太溝24sの軸方向外側に位置する場合、ショルダー部も強く拘束され、ショルター部の成長も抑制される。その結果、ショルダー部の接地圧を高めて、トレッド面全体の接地圧を均一化することが難しくなる。
【0060】
また、中央領域40Aの端部40Ae(中央領域40Aと端部領域40Bとの境界)が、径方向においてショルダー周方向太溝24s、又はミドル周方向太溝24mと重複する位置にあると、周方向太溝24の直下の剛性差が大きくなり、周方向太溝24の溝底部分が屈曲しやすくなる。周方向太溝24の溝底部分が屈曲しやすくなることは、ショルダー部に歪がたまりやすくなることを意味し、ショルダー部にたまった歪は、TGCの発生原因や耐久性の低下要因となる。
また、ショルダー周方向太溝24sの部分が屈曲しやすくなると、ショルダー陸部26sも動きやすくなり、その結果、ショルダー陸部の軸方向内側部分が摩耗しやすくなる。
【0061】
また、中央領域40Aがミドル周方向太溝24mの軸方向内側に位置する場合、クラウン部を拘束する力が弱く、クラウン部の外径成長を十分に抑制できないことがある。
【0062】
このタイヤ2では、トレッドの中心からトレッド面22の端PEまでの軸方向距離に対する、トレッドの中心からショルダー周方向太溝24sまでの軸方向距離の割合(WS/HWT)は、0.45以上が好ましく、0.70以下が好ましい。
上記の割合が0.70を超えると、ショルダー陸部26sの幅が小さくなり、ショルダー陸部26sの剛性が低下して、タイヤ2における良好な耐偏摩耗性の確保が難しくなる場合がある。また、ショルダー陸部26sの幅が狭いため、ショルダー陸部26sの接地圧が局所的に大きくなり、その結果、トレッド面全体の接地圧が均一化されず、良好な氷上性能の確保が難しくなる。
一方、上記の割合が0.45未満では、バンド40の中央領域の幅WFAが小さくなる。そのため、バンド40によるタイヤ2の補強効果が乏しくなる。
【0063】
タイヤ2は、ショルダー周方向太溝24sの溝底半径Rb(図7(a)参照)が2.5mm以上であることが好ましい。
ショルダー周方向太溝24sは、当該溝24sの開閉によって、溝底24sbに歪がたまりやすくなる。これに対して、ショルダー周方向太溝24sの溝底半径Rbを2.5mm以上とすれば、溝底24sbに歪がたまりにくくなり、ショルダー周方向太溝24sの溝底24sbに、TGCが発生しにくくなる。
ショルダー周方向太溝24sの溝底半径Rbの上限は、ショルダー周方向太溝24sの溝底の幅を考慮して決定すればよい。
【0064】
図3は、補強部20の構成を示す。図3において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の周方向である。図3の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の径方向である。紙面の表側が径方向外側であり、裏側が径方向内側である。
【0065】
図3に示されるように、ベルト34を構成する各ベルトプライ38は並列した多数のベルトコード44を含む。図3では、説明の便宜のため、ベルトコード44は実線で表されるが、ベルトコード44はトッピングゴム46で覆われる。
このタイヤ2のベルトコード44は金属製のコードである。具体的には、ベルトコード44はスチールコードである。各ベルトプライ38におけるベルトコード44の密度(単位幅あたりのコードの断面数)は、15エンズ/5cm以上30エンズ/5cm以下である。
【0066】
各ベルトプライ38においてベルトコード44は、周方向に対して傾斜する。
第二ベルトプライ38Bに含まれるベルトコード44の傾斜の向き(以下、第二ベルトコード44Bの傾斜方向)は、第一ベルトプライ38Aに含まれるベルトコード44の傾斜の向き(以下、第一ベルトコード44Aの傾斜方向)と同じである。
第三ベルトプライ38Cに含まれるベルトコード44の傾斜の向き(以下、第三ベルトコード44Cの傾斜方向)は、第二ベルトコード44Bの傾斜方向と逆である。
第四ベルトプライ38Dに含まれるベルトコード44の傾斜の向き(以下、第四ベルトコード44Dの傾斜方向)は、第三ベルトコード44Cの傾斜方向と同じである。
このタイヤ2では、第二ベルトコード44Bの傾斜方向と第三ベルトコード44Cの傾斜方向とが互いに逆向きになるようにベルト34は構成される。第二ベルトプライ38Bに含まれるベルトコード44と第三ベルトプライ38Cに含まれるベルトコード44とは互いに交差する関係にある。
このタイヤ2では、第一ベルトコード44Aの傾斜方向が第二ベルトコード44Bの傾斜方向と逆であってもよい。第四ベルトコード44Dの傾斜方向が第三ベルトコード44Cの傾斜方向と逆であってもよい。
【0067】
図3において、角度θ1は、第一ベルトコード44Aが赤道面に対してなす角度(以下、第一ベルトコード44Aの傾斜角度θ1)である。角度θ2は、第二ベルトコード44Bが赤道面に対してなす角度(以下、第二ベルトコード44Bの傾斜角度θ2)である。角度θ3は、第三ベルトコード44Cが赤道面に対してなす角度(以下、第三ベルトコード44Cの傾斜角度θ3)である。角度θ4は、第四ベルトコード44Dが赤道面に対してなす角度(以下、第四ベルトコード44Dの傾斜角度θ4)である。
【0068】
このタイヤ2では、第一ベルトコード44Aの傾斜角度θ1、第二ベルトコード44Bの傾斜角度θ2、第三ベルトコード44Cの傾斜角度θ3及び第四ベルトコード44Dの傾斜角度θ4は、10°以上が好ましく、60°以下が好ましい。
トレッド部の動きが効果的に拘束され、安定した形状の接地面が得られる観点から、第一ベルトコード44Aの傾斜角度θ1は40°以上がより好ましく、60°以下がより好ましい。第二ベルトコード44Bの傾斜角度θ2は13°以上がより好ましく、30°以下がより好ましい。第二ベルトコード44Bの傾斜角度θ2は20°以下がさらに好ましい。第三ベルトコード44Cの傾斜角度θ3は13°以上がより好ましく、30°以下がより好ましい。第三ベルトコード44Cの傾斜角度θ3は20°以下がさらに好ましい。第四ベルトコード44Dの傾斜角度θ4は、15°以上がより好ましく、50°以下がより好ましい。第四ベルトコード44Dの傾斜角度θ4は25°以下がさらに好ましい。
【0069】
図3に示されるように、バンド40は、らせん状に巻かれたバンドコード48を含む。図3では、説明の便宜のためバンドコード48は実線で表されるが、バンドコード48はトッピングゴム50で覆われる。
【0070】
このタイヤ2では、バンドコード48は金属製のコードである。具体的には、バンドコード48はスチールコードである。このバンドコード48は有機繊維からなるコード(以下、有機繊維コード)であってもよい。この場合、有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、及びアラミド繊維が例示される。トレッド部の動きが効果的に拘束され、安定した形状の接地面が得られる観点から、バンドコード48としては金属製のコードが好ましい。
【0071】
前述したように、バンド40はらせん状に巻かれたバンドコード48を含む。バンド40はジョイントレス構造を有する。バンド40において、バンドコード48が周方向に対してなす角度は、好ましくは5°以下、より好ましくは2°以下である。バンドコード48は実質的に周方向にのびる。ここで、中央領域40Aと端部領域40Bとは連続して同一のバンドコードが巻かれていてもよいし、中央領域40Aと端部領域40Bとで異なるバンドコードが巻かれていてもよい。
【0072】
バンド40におけるバンドコード48の密度は、中央領域40Aにおけるバンドコード48の密度(以下、バンド中央密度ともいう)の方が、端部領域40Bにおけるバンドコード48の密度(以下、バンド端部密度ともいう)よりも高い。
タイヤ2においてバンドコード48の密度は、子午線断面に含まれるバンド40の断面において、バンド40の5cm幅あたりに含まれるバンドコード48の断面数により表される。
タイヤ2では、端部領域40Bにおけるバンドコード48の単位幅あたりの断面数は、8エンズ/5cm以上が好ましく、20エンズ/5cm以下が好ましい。
一方、中央領域40Aにおけるバンドコード48の密度は、端部領域40Bにおけるバンドコード48の密度よりも高ければよい。
【0073】
このタイヤ2において、上記バンド中央密度は、上記バンド端部密度の、1.2倍以上であることが好ましく、2.0倍以下であることが好ましい。
バンド端部密度に対するバンド中央密度が1.2倍未満の場合は、バンド40によるクラウン部の拘束力と、バンド40によるショルダー部の拘束力の差が小さく、トレッド面の接地圧を均一化させる効果が乏しい。
【0074】
一方、バンド端部密度に対するバンド中央密度が2.0倍を超える場合は、バンド40の中央領域40Aと、端部領域40Bとの剛性差が大きく、周方向太溝24、特にショルダー周方向太溝24sの部分で屈曲しやすくなる。周方向太溝24の部分が屈曲しやすくなると、既に説明した通り、歪がたまりやすくなり、たまった歪は、TGCの発生原因や耐久性の低下要因となる。
また、ショルダー周方向太溝24sの部分が屈曲しやすくなると、ショルダー陸部26sも動きやすくなり、その結果、ショルダー陸部の軸方向内側部分が摩耗しやすくなる。
補強部20は、複数枚のバンドを備えていてもよい。
【0075】
図4は、図1に示されたタイヤ2のトレッド面の一部を示す。この図4は、トレッド面の一部の展開図である。図5は、図4に示されたトレッド面を構成するセンター陸部及びミドル陸部を示す拡大図である。図6は、図4に示されたトレッド面を構成する一方のショルダー陸部を示す拡大図である。
【0076】
タイヤ2のトレッド4には、図4図6に示されるように、周方向太溝24としてショルダー周方向太溝24sとミドル周方向太溝24mが形成されている。トレッド4は、これらの周方向太溝24によって、ショルダー陸部26sとミドル陸部26sとセンター陸部26cとに区分けされている。
ショルダー周方向太溝24s、及びミドル周方向太溝24mは、いずれもジグザグ周方向太溝である。
【0077】
図4及び図5に示されるように、ミドル陸部26s及びセンター陸部26のそれぞれには、複数の横溝62が形成されている。詳細には、ミドル陸部26mには、複数のミドル横溝62mが等間隔で設けられている。センター陸部26cには、複数のセンター横溝62cが等間隔で設けられている。
ミドル陸部26s及びセンター陸部26cのそれぞれには、横溝62によって、複数のブロック64が形成されている。ミドル陸部26sに形成されたブロック64は、ミドルブロック64mであり、センター陸部26cに形成されたブロック64は、センターブロック64cである。
【0078】
図4及び図6に示されるように、ショルダー陸部26sは、周方向溝としてのショルダー周方向細溝27sを有している。ショルダー周方向細溝27sは、直線状の周方向溝である。ショルダー陸部26sは、ショルダー周方向細溝27sによって、内側ショルダー陸部26suと、外側ショルダー陸部26ssとに区分けされている。内側ショルダー陸部26suは、ショルダー周方向細溝27sの軸方向内側に設けられている。外側ショルダー陸部26ssは、ショルダー周方向細溝27sの軸方向外側に設けられている。
【0079】
ショルダー周方向細溝27sの溝幅は、トレッド面22の幅WTの1%未満であればよい。ショルダー周方向細溝27sの溝幅は、例えば、トレッド面22の幅WTの1%未満で、かつショルダー周方向太溝24sの溝幅の0.10倍以上0.15倍以下である。
ショルダー周方向細溝27sの溝深さは、例えば、5mm以上13mm以下である。
【0080】
内側ショルダー陸部26suは、横溝62として、複数の内側ショルダー横溝62suが等間隔で設けられている。内側ショルダー陸部26suには、内側ショルダー横溝62suによって、複数のブロック64が形成されている。内側ショルダー陸部26suに形成されたブロック64は、内側ショルダーブロック64suである。
【0081】
外側ショルダー陸部26ssは、横溝62として、複数の外側ショルダー横溝62ssが設けられている。複数の外側ショルダー横溝62ssは、第1外側ショルダー横溝62ss1と、この第1外側ショルダー横溝62ss1よりも溝幅の狭い第2外側ショルダー横溝62ss2とで構成される。第1外側ショルダー横溝62ss1と第2外側ショルダー横溝62ss2とは、周方向において交互に設けられている。これらの横溝62ss1、62ss2のそれぞれは、周方向において等間隔に設けられている。外側ショルダー陸部26ssには、外側ショルダー横溝62ssによって、複数のブロック64が形成されている。外側ショルダー陸部26ssに形成されたブロック64は、外側ショルダーブロック64ssである。
【0082】
横溝62の深さは、各周方向太溝24の深さよりも浅い。
内側ショルダー横溝62su、及び外側ショルダー横溝62ssの深さは、それぞれショルダー周方向太溝24sの深さの40%以上が好ましく、90%以下好ましい。内側ショルダー横溝62suの深さと、外側ショルダー横溝62ssの深さとは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
ミドル横溝62mの深さは、ミドル周方向太溝24mの深さの40%以上が好ましく、90%以下好ましい。
センター横溝62cの深さは、ミドル周方向太溝24mの深さの40%以上が好ましく、90%以下好ましい。
【0083】
横溝62のうち、内側ショルダー横溝62su、ミドル横溝62m、及びセンター横溝62cは、タイヤ2の軸方向に対して傾くように形成されている。これらの横溝の軸方向に対する傾斜角度θ5は、それぞれ独立して、例えば、3°以上15°以下である。
一方、外側ショルダー横溝62ssは、タイヤ2の軸方向にのびるように形成されている。
タイヤ2において、周方向に沿った、内側ショルダー横溝62suの間隔、外側ショルダー横溝62ssの間隔、ミドル横溝62mの間隔、及びミドル横溝62cの間隔は、ほぼ同じになるように設計されている。これらの横溝の間隔は必ずしも同じである必要はなく、ショルダー陸部26s(内側ショルダー陸部26su及び外側ショルダー陸部26ss)とミドル陸部26sとセンター陸部26cとのそれぞれで異なっていてもよい。
【0084】
横溝62の形成位置は、内側ショルダー横溝62suの形成位置とセンター横溝62cの形成位置、及び、外側ショルダー横溝62ssの形成位置とミドル横溝62mの形成位置、とが一致している。一方、センター横溝62cの形成位置は、ミドル横溝62mの形成位置及び外側ショルダー横溝62ssの形成位置とずれている。また、内側ショルダー横溝62suの形成位置は、外側ショルダー横溝62ssの形成位置及びミドル横溝62mの形成位置とずれている。
ここで、横溝62の形成位置が一致しているとは、タイヤ軸方向において、一方の横溝62と他方の横溝62との少なくとも一部が重複していることを意味する。また、横溝62の形成位置がずれているとは、タイヤ軸方向において、一方の横溝62と他方の横溝62とが全く重複していないことを意味する。
【0085】
トレッド4に設けられた内側ショルダーブロック64su、ミドルブロック64m、及びセンターブロック64cのそれぞれは、2本の細横溝66を有する。各細横溝66は、横溝62とほぼ略平行に設けられている。細横溝66は、横溝62に比べて、深さが浅く、溝幅の狭い溝である。
細横溝66の深さは、例えば、横溝62の深さの5%以上30%以下である。
【0086】
更に、各細横溝66の溝底には、ジグザグ状のサイプ68が設けられている。サイプ68は、細横溝66よりも更に溝幅の狭い切り込みである。
サイプ68の深さは、例えば、横溝62の深さの30%以上95%以下である。また、細横溝66の深さとサイプ68の深さとの合計深さは、例えば、横溝62の深さの40%以上120%以下である。
タイヤ2は、トレッド4(ブロック64)に、細横溝66及びサイプ68が設けられている。これによって、氷上性能及び雪上性能の更なる向上が達成されている。
【0087】
トレッド4に設けられた外側ショルダーブロック64ssは、細横溝67を有する。細横溝67は、トレッド面22の端PEからタイヤ軸方向内側にのび、かつ外側ショルダーブロック64ss内で終端する溝である。細横溝67は、第1外側ショルダー横溝62ss1に比べて、深さが浅く、溝幅の狭い溝である。細横溝67の深さは、例えば、第1外側ショルダー横溝62ss1の深さの5%以上30%以下である。
細横溝67が設けられることにより、外側ショルダーブロック64ssは、欠けが発生しにくくなり、かつワンダリング性能が向上する。
【0088】
細横溝67は、外側ショルダーブロック64ss内でタイヤ周方向に屈曲して終端している。外側ショルダーブロック64ssには、細横溝67が一対設けられ、一方の細横溝67a及び他方の細横溝67bは、互いに逆向きに屈曲して終端している。細横溝67の形状はこのような形状に限定されないが、外側ショルダーブロック64ssのタイヤ軸方向外側の剛性を小さくしてワンダリング性能を高め、かつ、細横溝67の内端を起点としたブロックの割れを抑制できる点から、このような形状が好ましい。
【0089】
更に、細横溝67の溝底には、直線状のサイプ69が設けられている。サイプ69は、細横溝67よりも更に溝幅の狭い切り込みである。
サイプ69の深さは、例えば、外側ショルダー横溝62ssの深さの30%以上95%以下である。また、細横溝67の深さとサイプ69の深さとの合計深さは、例えば、外側ショルダー横溝62ssの深さの40%以上120%以下である。
タイヤ2は、トレッド4(ブロック64)に、細横溝67及びサイプ69が設けられている。これによって、氷上性能及び雪上性能の更なる向上が達成されている。
【0090】
タイヤ2は、溝幅の異なる複数の横溝(サイプを含む)が形成されている。
このタイヤ2において、ブロック64を区分けする横溝は、溝幅が少なくとも3.0mm以上である。
一方、タイヤ2において、サイプは、1.5mm以下の溝幅を有する横溝である。
そして、タイヤ2において、1.5mmを超え、3.0mm未満の溝幅を有する横溝は細横溝と称される。
【0091】
トレッド4に設けられたショルダー周方向太溝24sには、ショルダー陸部26sとミドル陸部26mとを連結するタイバー72が設けられている。タイバー72は、内側ショルダー陸部26suのブロック64(内側ショルダーブロック64su)と、ミドル陸部26mのブロック64(ミドルブロック64m)とを連結するように設けられている。
詳細には、タイバー72は、内側ショルダーブロック64suのタイヤ走行時に先着側に位置する部分64sufとショルダーブロック64mのタイヤ走行時に後着側に位置する部分64mbとを連結するように、又は、内側ショルダーブロック64suのタイヤ走行時に後着側に位置する部分64subとショルダーブロック64mのタイヤ走行時に先着側に位置する部分64mfとを連結するように、設けられている。
このタイバー72を設けることによって、タイヤ2が路面に接地した時に、ショルダー陸部26sが軸方向内側に、必要以上に倒れ込むことを防止することができる。その結果、ショルダー陸部26sの偏摩耗を抑制することができる。
【0092】
図7(a)は、図4のA-A線端面図である。図7(b)は、図4のB-B線端面図である。
図7(a)は、ショルダー周方向太溝24sの端面図であって、タイバー72が形成されていない部分の端面図である。
図7(a)において、Rbは、ショルダー周方向太溝24sの溝底半径である。図7(a)に示された2つの溝底半径Rbの大きさは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0093】
図7(b)は、ショルダー周方向太溝24sの端面図であって、タイバー72が形成されている部分の端面図である。
図4及び図7(b)に示されるように、タイバー72には、周方向に沿うように直線状のサイプ74が形成されている。サイプ74は、タイバー72に設けられた切り込みである。
タイヤ2は、このようなサイプ74が形成されているため、タイヤ2が路面に接地した際に生じる、ショルダー周方向太溝24sの開こうとする変形を妨げにくい。そのため、路面が雪面である場合に、ショルダー周方向太溝24sは、タイバー72が設けられていても、開いて雪をつかむことができる。
タイヤ2において、サイプ74は、全てのタイバー72に設けられていてもよいし、一部のタイバー72にのみ設けられていてもよい。サイプ74の形成される向きは周方向に一致していてもよいし、周方向に対して15°以下の範囲で傾いていてもよい。
【0094】
図7(b)において、両矢印HTはタイバー72の高さである。タイバー72の高さHTは、ショルダー周方向太溝24sの溝底24sbから、タイバー72の上面までの距離である。タイバー72の高さHTは、ショルダー周方向太溝24sの深さの15%以上が好ましく、50%以下が好ましい。
図7(b)において、両矢印DSはサイプ74の深さである。サイプ74の深さは、タイバー72の高さHTの20%以上が好ましく、90%以下が好ましい。
【0095】
タイヤ2において、タイバー72は、全ての内側ショルダーブロック64suを隣接するミドルブロック64mと連結するように設けられているが、本発明の実施形態に係るタイヤ2においては、必ずしもこのようにタイバーが設けられている必要はない。タイヤ2には、タイバー72と連結された内側ショルダーブロック64suと、タイバー72と連結されない内側ショルダーブロック64suとが混在するように、タイバー72が設けられていてもよい。
【0096】
前述したように、このタイヤ2では、バンド40の端40eはベルト34の端34eの軸方向内側に位置する。ベルト34はバンド40よりも広い。このベルト34は、バンド40の端40eを拘束する。このベルト34は、バンド40に含まれるバンドコード48の張力変動の抑制に貢献する。張力変動によるバンドコード48の破断の発生が防止されるので、バンド40は、トレッド部の拘束機能を安定に発揮できる。この観点から、バンド40の端40eはベルト34の端34eの軸方向内側に位置するのが好ましい。
【0097】
このタイヤ2ではさらに、バンド40が、径方向において第二ベルトプライ38Bと第三ベルトプライ38Cとの間に位置する。
第二ベルトプライ38B及び第三ベルトプライ38Cは、バンド40に作用する力を抑制する。特に、第二ベルトプライ38Bに含まれるベルトコード44と第三ベルトプライ38Cに含まれるベルトコード44とは互いに交差する関係にあるので、バンド40に作用する力が効果的に抑制される。バンド40に含まれるバンドコード48の張力変動が抑制されるので、この張力変動によるバンドコード48の破断の発生が防止される。このタイヤ2のバンド40は、トレッド部の拘束機能を安定に発揮できる。この観点から、このタイヤ2では、バンド40は、径方向において第二ベルトプライ38Bと第三ベルトプライ38Cとの間に位置するのが好ましい。
【0098】
図2に示されるように、軸方向において、バンド40の端44eは第二ベルトプライ38Bの端38Beの内側に位置し、このバンド40の端44eは第三ベルトプライ38Cの端38Ceの内側に位置する。言い換えれば、第二ベルトプライ38Bはバンド40よりも広い。第三ベルトプライ38Cもバンド40よりも広い。このタイヤ2では、バンド40よりも広い第二ベルトプライ38Bと第三ベルトプライ38Cとの間にこのバンド40は挟まれる。バンド40に含まれるバンドコード48の張力変動がより効果的に抑制されるので、バンド40のバンドコード48に破断は生じにくい。このタイヤ2のバンド40は、トレッド部の拘束機能を安定に発揮できる。この観点から、このタイヤ2では、バンド40は径方向において第二ベルトプライ38Bと第二ベルトプライ38Cとの間に位置し、バンド40の端40eは第二ベルトプライ38Bの端38Beの軸方向内側に位置し、このバンド40の端40eは第三ベルトプライ38Cの端38Ceの軸方向内側に位置するのがより好ましい。
【0099】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、耐偏摩耗性が良好で、かつ良好な氷上性能及び雪上性能が確保された、重荷重用タイヤ2を提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上説明された、偏摩耗しにくく、良好な氷上性能及び雪上性能が確保された、重荷重用タイヤを提供する技術は、スタッドレスタイヤに好適に適用される。
【符号の説明】
【0101】
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
20・・・補強部
22・・・トレッド面
24、24m、24s・・・周方向太溝
26、26c、26m、26s、26su、26ss・・・陸部
27、27s・・・周方向細溝
34・・・ベルト
40・・・バンド
40A・・・中央領域
40B・・・端部領域
48・・・バンドコード
38、38A、38B、38C、38D・・・ベルトプライ
44、44A、44B、44C、44D・・・ベルトコード
62、62c、62m、62s・・・横溝
64、64c、64m、64su、64ss・・・ブロック
72・・・タイバー
74・・・サイプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7