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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101735
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】容器口部の接続具及び装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 23/00 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
B65D23/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005835
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】504193653
【氏名又は名称】株式会社ジーコム
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内河 敬明
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA09
3E062AB01
3E062AC02
3E062AC03
3E062AC06
3E062BB06
3E062BB10
3E062KA05
3E062KB02
3E062KC01
(57)【要約】
【課題】 弾性体が容器口部の口径に応じて弾性変形することによって、異なる口径の容器口部に接続することができる容器口部の接続具を提供する。
【解決手段】 容器口部の接続具は、雄ネジを外周に有して且つ容器口部が内部に配置される内筒体と、内筒体よりも下方で且つ容器口部の外部に配置される弾性体と、雄ネジと螺合する雌ネジを内周に有し、内筒体及び前記弾性体が内部に配置される外筒体と、を備え、外筒体は、雌ネジよりも下方に、下方へ行くにつれて内径が小さくなる縮径部を備え、弾性体は、上下方向へ延びる縦弾性部と、縦弾性部の下端に連結されて且つ周方向へ延びる横弾性部と、を備える。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ネジを外周に有し、容器口部が内部に配置される内筒体と、
前記内筒体よりも下方で且つ前記容器口部の外部に配置される弾性体と、
前記雄ネジと螺合する雌ネジを内周に有し、前記内筒体及び前記弾性体が内部に配置される外筒体と、を備え、
前記外筒体は、前記雌ネジよりも下方に、下方へ行くにつれて内径が小さくなる縮径部を備え、
前記弾性体は、
上下方向へ延びる縦弾性部と、
前記縦弾性部の下端に連結されて且つ周方向へ延びる横弾性部と、を備える、容器口部の接続具。
【請求項2】
前記縦弾性部の上端は、前記内筒体の下端に連結される、請求項1に記載の容器口部の接続具。
【請求項3】
前記縦弾性部は、周方向で離れる第1縦弾性部及び第2縦弾性部を含み、
前記横弾性部は、
前記第1縦弾性部の下端に連結されて且つ前記第2縦弾性部へ向けて周方向へ延びる第1横弾性部と、
前記第2縦弾性部の下端に連結されて且つ前記第1縦弾性部へ向けて周方向へ延びる第2横弾性部と、を含み、
前記弾性体は、前記第1横弾性部の上端と前記第2横弾性部の上端とを接続する接続弾性部をさらに備える、請求項1又は2に記載の容器口部の接続具。
【請求項4】
前記接続弾性部は、
前記第1横弾性部の上端から上方へ延びる第3縦弾性部と、
前記第2横弾性部の上端から上方へ延びる第4縦弾性部と、
周方向へ延び、前記第3縦弾性部と前記第4縦弾性部とを接続する第3横弾性部と、を備え、
前記第3縦弾性部、前記第4縦弾性部及び前記第3横弾性部で形成される隙間の上下方向の寸法は、当該隙間の周方向の寸法よりも、大きい、請求項3に記載の容器口部の接続具。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の接続具を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、容器口部の接続具及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、接続具は、異なる口径の容器口部にそれぞれ接続可能に構成されている(例えば、特許文献1)。ところで、特許文献1に係る接続具は、異なる口径に対応した大きさであるそれぞれの接続機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-27602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、弾性体が容器口部の口径に応じて弾性変形することによって、異なる口径の容器口部に接続することができる容器口部の接続具及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
容器口部の接続具は、雄ネジを外周に有し、容器口部が内部に配置される内筒体と、前記内筒体よりも下方で且つ前記容器口部の外部に配置される弾性体と、前記雄ネジと螺合する雌ネジを内周に有し、前記内筒体及び前記弾性体が内部に配置される外筒体と、を備え、前記外筒体は、前記雌ネジよりも下方に、下方へ行くにつれて内径が小さくなる縮径部を備え、前記弾性体は、上下方向へ延びる縦弾性部と、前記縦弾性部の下端に連結されて且つ周方向へ延びる横弾性部と、を備える。
【0006】
装置は、前記の接続具を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る接続具の正面図
図2】同実施形態に係る接続具の分解斜視図
図3】同実施形態に係る本体の正面図
図4】同実施形態に係る接続具の縦断面図であって、容器口部に接続される前の状態を示す図
図5】同実施形態に係る本体の正面図であって、弾性変形の説明図
図6】同実施形態に係る接続具の縦断面図であって、容器口部に接続された後の状態を示す図
図7】同実施形態に係る本体の正面図であって、復元の説明図
図8】同実施形態に係る接続具の縦断面図であって、図4図7の容器口部よりも大径の容器口部に接続された状態を示す図
図9】同実施形態に係る接続具の縦断面図であって、図4図7の容器口部よりも小径の容器口部に接続された状態を示す図
図10】他の実施形態に係る接続具の分解斜視図
図11】同実施形態に係る接続具の部品の正面図
図12】同実施形態に係る接続具の縦断面図であって、容器口部に接続される前の状態を示す図
図13】同実施形態に係る接続具の縦断面図であって、容器口部に接続された状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
また、以下の説明において、特に説明のない方向は、接続具が円筒状の容器口部に接続された状態における方向とする。そして、周方向とは、容器口部の周方向であり、径方向とは、円筒状の容器口部の直径方向であり、上下方向とは、容器口部の軸方向である。
【0011】
以下、装置及び接続具における一実施形態について、図1図9を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、装置及び接続具の構成等の理解を助けるために例示するものであり、装置及び接続具の構成を限定するものではない。
【0012】
図1及び図2に示すように、例えば、装置1は、装置本体2と、装置本体2に固定され、容器X1の容器口部X2に接続される接続具3とを備えていてもい。なお、装置1及び装置本体2の構成は、特に限定されない。
【0013】
例えば、装置本体2は、ファンを備えており、装置1は、容器X1の内部の香成分を空気中に拡散する拡散装置(例えば、アロマディフューザ)である、という構成でもよい。また、例えば、装置本体2は、手動ポンプを備えており、装置1は、容器X1の内部の内容物(例えば、液体、ジェル状体)を外部へ注出する注出装置(例えば、ドリンクディスペンサ、ソープディスペンサ)である、という構成でもよい。
【0014】
容器口部X2は、例えば、本実施形態のように、内容物を外部へ出すために、上方が外部へ開放される口部本体X3と、口部本体X3の外周に形成される雄ネジ部X4と、雄ネジ部X4よりも下方に配置され、口部本体X3から径方向の外方へ突出する環状のリング部X5とを備えていてもよい。なお、容器口部X2は、雄ネジ部X4及びリング部X5の少なくとも一方を備えていない、という構成でもよい。
【0015】
なお、容器X1の材質は、特に限定されない。容器X1は、例えば、ガラスで形成されたガラス壜でもよく、また、例えば、樹脂(例えば、ペット、プラスチック)で形成された樹脂容器でもよく、また、例えば、金属(例えば、アルミ、スチール)で形成された金属容器でもよい。
【0016】
接続具3は、例えば、本実施形態のように、容器口部X2が内部に配置される本体4と、本体4が内部に配置される外筒体5とを備えていてもよい。本体4及び外筒体5の材質は、特に限定されず、例えば、樹脂(例えば、ペット、プラスチック)であってもよい。
【0017】
本体4は、例えば、本実施形態のように、容器口部X2が内部に配置される内筒体6と、内筒体6よりも下方で且つ容器口部X2の外部に配置される弾性体7とを備えていてもよい。即ち、本実施形態においては、弾性体7は、内筒体6に固定されて内筒体6と一体になっており、内筒体6と分離不能である。
【0018】
内筒体6は、例えば、本実施形態のように、上方部に、装置本体2に着脱可能となる着脱部61を備えていてもよい。これにより、接続具3は、装置本体2に着脱可能となっている。なお、斯かる構成に限られず、例えば、内筒体6は、装置本体2に固定されて一体となっており、接続具3は、装置本体2と分離不能である、という構成でもよい。
【0019】
着脱部61の構成は、特に限定されない。着脱部61と装置本体2との固定構造は、例えば、本実施形態のように、ネジ構造でもよく、また、例えば、バヨネット構造でもよい。なお、特に限定されないが、内筒体6は、例えば、本実施形態のように、上方部に、容器X1の内部の液体を含浸させる含浸材(スポンジ)を収容する収容部62を備えていてもよい。
【0020】
また、例えば、本実施形態のように、内筒体6は、下方部の外周に、雄ネジ63を備えており、外筒体5は、上方部の内周に、雄ネジ63と螺合する雌ネジ51を備えている、という構成でもよい。これにより、外筒体5の雌ネジ51と内筒体6の雄ネジ63とが螺合することによって、外筒体5は、内筒体6に着脱可能となっている。
【0021】
外筒体5は、例えば、本実施形態のように、雌ネジ51よりも下方に配置される縮径部52を備えていてもよい。例えば、本実施形態のように、縮径部52の内径は、下方へ行くにつれて、小さくなり(図4及び図6参照)、且つ、縮径部52の外径は、下方へ行くにつれて、小さくなる、という構成でもよい。なお、斯かる構成に限られず、縮径部52の外径は、上下方向に亘って、同じ、という構成でもよい。
【0022】
外筒体5及び内筒体6は、操作されるために、それぞれ外周に凹凸状の操作部53,64を備えていてもよい。これにより、外筒体5の雌ネジ51と内筒体6の雄ネジ63とを螺合させるときに、操作部53,64を握ることによって、手が外筒体5及び内筒体6に対して滑ることを抑制することができる。
【0023】
図2及び図3に示すように、弾性体7は、例えば、周方向に複数並べられていてもよい。本実施形態においては、弾性体7の個数は、四つ(図2及び図3は、三つを図示している)としているが、斯かる構成に限られず、例えば、弾性体7の個数は、一つ~三つ又は五つ以上としてもよい。
【0024】
図3に示すように、弾性体7は、例えば、上下方向へ延びて互いに周方向で離れる第1縦弾性部71及び第2縦弾性部72と、第1縦弾性部71の下端に連結されて且つ第2縦弾性部72へ向けて周方向へ延びる第1横弾性部73と、第2縦弾性部72の下端に連結されて且つ第1縦弾性部71へ向けて周方向へ延びる第2横弾性部74とを備えていてもよい。
【0025】
なお、例えば、本実施形態のように、第1及び第2縦弾性部71,72の上端は、内筒体6の下端に連結されていてもよい。これにより、弾性体7は、内筒体6に固定されて内筒体6と一体になっており、内筒体6と分離不能である。
【0026】
また、弾性体7は、例えば、本実施形態のように、弾性を有し、第1横弾性部73の上端と第2横弾性部74の上端とを接続する接続弾性部75を備えていてもよい。接続弾性部75は、例えば、本実施形態のように、第1横弾性部73の上端から上方へ延びる第3縦弾性部76と、第2横弾性部74の上端から上方へ延びる第4縦弾性部77と、周方向へ延び、第3縦弾性部76と第4縦弾性部77とを接続する第3横弾性部78とを備えていてもよい。
【0027】
これにより、第3縦弾性部76の下端は、第1横弾性部73の上端に連結され、第3縦弾性部76の上端は、第3横弾性部78の下端に連結されている。また、第4縦弾性部77の下端は、第2横弾性部74の上端に連結され、第4縦弾性部77の上端は、第3横弾性部78の下端に連結されている。
【0028】
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、各縦弾性部71,72,76,77は、上下方向へ直線状に延びる長尺な板状(即ち、帯状)に形成され、各横弾性部73,74,78は、周方向へ直線状に延びる長尺な板状(即ち、帯状)に形成されている、という構成でもよい。これにより、各縦弾性部71,72,76,77及び各横弾性部73,74,78は、弾性を有し、弾性変形可能である。
【0029】
また、接続弾性部75は、第3縦弾性部76、第4縦弾性部77及び第3横弾性部78で、隙間8を形成することになる。そして、例えば、本実施形態のように、隙間8の上下方向の寸法(具体的には、寸法の最大値)W1は、隙間8の周方向の寸法(具体的には、寸法の最大値)W2よりも、大きくなっていてもよい。
【0030】
なお、図3において、破線L1~L8は、各弾性部71~78の境界(端縁)を示している。第1破線L1は、第1縦弾性部71と内筒体6との境界であり、第2破線L2は、第2縦弾性部72と内筒体6との境界であり、第3破線L3は、第1縦弾性部71と第1横弾性部73との境界であり、第4破線L4は、第2縦弾性部72と第2横弾性部74との境界である。
【0031】
また、第5破線L5は、第1横弾性部73と第3縦弾性部76(接続弾性部75)との境界であり、第6破線L6は、第2横弾性部74と第4縦弾性部77(接続弾性部75)との境界であり、第7破線L7は、第3縦弾性部76と第3横弾性部78との境界であり、第8破線L8は、第4縦弾性部77と第3横弾性部78との境界である。
【0032】
本実施形態に係る装置1及び接続具3の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る接続具3が容器X1に接続される方法について、図4図9を参照しながら説明する。なお、以下の方法は、接続具3が容器X1に接続される方法の理解を助けるために例示するものであり、当該方法を限定するものではない。
【0033】
図4に示すように、外筒体5の内部に、容器口部X2が配置され、その後、本体4の内筒体6の内部に、容器口部X2が配置される。このとき、弾性体7は、容器口部X2の外部で、且つ、外筒体5の内部に配置されている。即ち、弾性体7は、容器口部X2と外筒体5との間に配置されている。
【0034】
そして、外筒体5の雌ネジ51と内筒体6の雄ネジ63とが締める方向へネジ回しされることによって、図5に示すように、外筒体5は、内筒体6に対して上方へ移動する。そして、外筒体5の縮径部52が、弾性体7に対して上方へ移動することに伴って、縮径部52が弾性体7に接して力を加えるため、弾性体7は、弾性変形する。
【0035】
具体的には、第1及び第2横弾性部73,74は、縮径部52によって、径方向内方へ移動し且つ曲率半径が小さい円弧状となるように、弾性変形し、それに伴って、第3横弾性部78は、径方向外方へ移動する。なお、第1及び第2縦弾性部71,72が内筒体6に連結されていることに対して、第1及び第2横弾性部73,74が、第1及び第2縦弾性部71,72に連結されているため、第1及び第2横弾性部73,74は、第1及び第2縦弾性部71,72よりも、弾性変形し易い。
【0036】
また、第1及び第2横弾性部73,74の基端が、弾性変形し難い第1及び第2縦弾性部71,72に連結されていることに対して、第1及び第2横弾性部73,74の先端は、接続弾性部75に連結されている。これにより、接続弾性部75が弾性変形することによって、第1及び第2横弾性部73,74の先端同士が近づくように、弾性体7は、弾性変形する。
【0037】
しかも、接続弾性部75の隙間8の上下方向の寸法W1(図3参照)が、当該隙間8の周方向の寸法W2(図3参照)よりも、大きくなっているため、第1及び第2横弾性部73,74の先端同士が近づくように、弾性体7は、弾性変形し易い。これにより、例えば、小さな力で、外筒体5の雌ネジ51と内筒体6の雄ネジ63とを締めることができる。
【0038】
そして、図6に示すように、弾性体7は、容器口部X2の外周に、押し付けられる(加圧して接触する)。具体的には、弾性体7の第1~第4縦弾性部71,72,76,77及び第1~第2横弾性部73,74(図5及び図7参照)は、容器口部X2のリング部X5に押し付けられる。これにより、容器口部X2は、接続具3に接続される。
【0039】
また、外筒体5の雌ネジ51と内筒体6の雄ネジ63とが緩める方向へネジ回しされることによって、図7に示すように、外筒体5は、内筒体6に対して下方へ移動する。そして、外筒体5の縮径部52が、弾性体7に対して下方へ移動することに伴って、縮径部52が、弾性体7から離れていくため、弾性体7は、復元する。
【0040】
具体的には、第1及び第2横弾性部73,74は、径方向外方へ移動し且つ曲率半径が大きい円弧状へ戻るように、復元し、それに伴って、第3横弾性部78は、径方向内方へ移動する。また、第1及び第2横弾性部73,74の先端同士が離れるように、弾性体7は、復元する。
【0041】
このとき、第1及び第2横弾性部73,74の自身の弾性復元力だけでなく、接続弾性部75の弾性復元力が、第1及び第2横弾性部73,74に加えられるため、第1及び第2横弾性部73,74は、確実に復元する。これにより、例えば、接続具3に次の容器口部X2を接続することを容易にすることができる。
【0042】
ところで、図8に示すように、図4図7の容器口部X2よりも大径の容器口部X2に対しても、例えば、弾性体7の第1~第4縦弾性部71,72,76,77(図8においては、第1及び第2縦弾性部71,72は、図示していない)及び第1~第2横弾性部73,74が、容器口部X2のリング部X5に押し付けられることによって、容器口部X2は、接続具3に接続される。
【0043】
また、図9に示すように、図4図7の容器口部X2よりも小径の容器口部X2に対しても、例えば、弾性体7の第1~第4縦弾性部71,72,76,77(図9においては、第1及び第2縦弾性部71,72は、図示していない)が、容器口部X2のリング部X5に押し付けられることによって、容器口部X2は、接続具3に接続される。
【0044】
このように、外筒体5の雌ネジ51と内筒体6の雄ネジ63とが螺合し、縮径部52が弾性体7を弾性変更させることによって、弾性体7は、容器口部X2の口径に応じて弾性変形する。したがって、異なる口径の容器口部X2に接続具3を接続することができる。
【0045】
[1]
以上より、容器口部X2の接続具3は、本実施形態のように、雄ネジ63を外周に有し、容器口部X2が内部に配置される内筒体6と、前記内筒体6よりも下方で且つ前記容器口部X2の外部に配置される弾性体7と、前記雄ネジ63と螺合する雌ネジ51を内周に有し、前記内筒体6及び前記弾性体7が内部に配置される外筒体5と、を備え、前記外筒体5は、前記雌ネジ51よりも下方に、下方へ行くにつれて内径が小さくなる縮径部52を備え、前記弾性体7は、上下方向へ延びる縦弾性部(本実施形態においては、第1及び第2縦弾性部71,72)と、前記縦弾性部71,72の下端に連結されて且つ周方向へ延びる横弾性部(本実施形態においては、第1及び第2横弾性部73,74)と、を備える、という構成が好ましい。
【0046】
斯かる構成によれば、外筒体5の雌ネジ51が、内筒体6の雄ネジ63と螺合することによって、縮径部52が、縦弾性部71,72及び横弾性部73,74を弾性変形させるため、弾性体7は、容器口部X2の外周に押し付けられる。これにより、弾性体7が容器口部X2の口径に応じて弾性変形することによって、異なる口径の容器口部X2に接続具3を接続することができる。
【0047】
[2]
また、上記[1]の容器口部X2の接続具3においては、本実施形態のように、前記縦弾性部(本実施形態においては、第1及び第2縦弾性部71,72)の上端は、前記内筒体6の下端に連結される、という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、縦弾性部71,72の上端が、内筒体6の下端に連結されているため、内筒体6と弾性体7とは、一体となっている。そして、横弾性部73,74が縦弾性部71,72に連結されているため、横弾性部73,74を容易に弾性変形させることができる。
【0049】
[3]
また、上記[1]又は[2]の容器口部X2の接続具3においては、本実施形態のように、前記縦弾性部71,72は、周方向で離れる第1縦弾性部71及び第2縦弾性部72を含み、前記横弾性部73,74は、前記第1縦弾性部71の下端に連結されて且つ前記第2縦弾性部72へ向けて周方向へ延びる第1横弾性部73と、前記第2縦弾性部72の下端に連結されて且つ前記第1縦弾性部71へ向けて周方向へ延びる第2横弾性部74と、を含み、前記弾性体7は、前記第1横弾性部73の上端と前記第2横弾性部74の上端とを接続する接続弾性部75をさらに備える、という構成が好ましい。
【0050】
斯かる構成によれば、縮径部52が、第1及び第2横弾性部73,74を弾性変形させることによって、第1及び第2横弾性部73,74の先端同士は、近づき、且つ、接続弾性部75は、弾性変形する。そして、縮径部52が弾性体7から離れることによって、接続弾性部75の弾性復元力が第1及び第2横弾性部73,74に加えられるため、第1及び第2横弾性部73,74の先端同士が離れるように、弾性体7を確実に復元することができる。
【0051】
[4]
また、上記[3]の容器口部X2の接続具3においては、本実施形態のように、前記接続弾性部75は、前記第1横弾性部73の上端から上方へ延びる第3縦弾性部76と、前記第2横弾性部74の上端から上方へ延びる第4縦弾性部77と、周方向へ延び、前記第3縦弾性部76と前記第4縦弾性部77とを接続する第3横弾性部78と、を備え、前記第3縦弾性部76、前記第4縦弾性部77及び前記第3横弾性部78で形成される隙間8の上下方向の寸法W1は、当該隙間8の周方向の寸法W2よりも、大きい、という構成が好ましい。
【0052】
斯かる構成によれば、第3縦弾性部76、第4縦弾性部77及び第3横弾性部78で形成される隙間8の上下方向の寸法W1が、当該隙間8の周方向の寸法W2よりも、大きいため、第1及び第2横弾性部73,74の先端同士が近づくように、弾性体7を弾性変形させ易くすることができる。
【0053】
[5]
また、装置1は、本実施形態のように、上記[1]~[4]の何れか1つの接続具3を備える、という構成が好ましい。
【0054】
斯かる構成によれば、これにより、弾性体7が容器口部X2の口径に応じて弾性変形することによって、接続具3を介して、異なる口径の容器口部X2に装置1を接続することができる。
【0055】
なお、装置1及び接続具3は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、装置1及び接続具3は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0056】
(A)上記実施形態に係る接続具3においては、第1及び第2縦弾性部71,72の上端は、内筒体6の下端に連結されている、即ち、弾性体7は、内筒体6に固定されて内筒体6と分離不能に一体である、という構成である。しかしながら、接続具3は、斯かる構成に限られない。
【0057】
例えば、図10に示すように、弾性体7は、内筒体6から分離していてもよい。特に限定されないが、図10及び図11に係る弾性体7は、第1及び第2縦弾性部71,72と、第1及び第2横弾性部73,74と、第3及び第4縦弾性部76,77と第3横弾性部78とを有する接続弾性部75とを備えている。
【0058】
そして、接続具3は、例えば、図10及び図11に示すように、周方向に並べられる複数の弾性体7を接続する接続体9を備えていてもよい。これにより、接続体9によって、複数の弾性体7を分離不能に一体にすることができる。なお、接続体9は、例えば、弾性を有し、弾性変形可能であってもよい。
【0059】
図10及び図11に係る接続具3においては、図12に示すように、弾性体7の上端が内筒体6の下端から離れている場合には、外筒体5が内筒体6に対して上方へ移動することに伴って、弾性体7は、外筒体5に上方へ押されることによって、外筒体5と共に、内筒体6に対して上方へ移動する。
【0060】
そして、図13に示すように、弾性体7の上端が内筒体6の下端に当たっている場合には、外筒体5が内筒体6に対して上方へ移動することに伴って、外筒体5の縮径部52は、弾性体7に対して上方へ移動する。これにより、縮径部52が弾性体7に接して力を加えるため、弾性体7は、容器口部X2の口径に応じて弾性変形する。したがって、容器口部X2は、接続具3に接続される。
【0061】
(B)また、上記実施形態に係る接続具3においては、第1横弾性部73と第2横弾性部74とは、接続弾性部75によって接続されている、即ち、弾性体7の両端(第1縦弾性部71の上端及び第2縦弾性部72の上端)は、内筒体6に連結されている、という構成である。しかしながら、接続具3は、斯かる構成に限られない。
【0062】
例えば、第1横弾性部73と第2横弾性部74とは、分離されている、という構成でもよい。即ち、弾性体7の一端(例えば、第1縦弾性部71の上端、第2縦弾性部72の上端)は、筒状体6に連結されている一方で、弾性体7の他端(例えば、第1横弾性部73の先端、第2横弾性部74の先端)は、筒状体6から離れている、という構成でもよい。斯かる構成においては、例えば、各弾性体7は、縦弾性部71,72及び横弾性部73,74によって、L字状に形成されていてもよい。
【0063】
(C)また、上記実施形態に係る接続具3においては、接続弾性部75は、第3及び第4縦弾性部76,77と第3横弾性部78とを備えている、という構成である。しかしながら、接続具3は、斯かる構成に限られない。例えば、接続弾性部75は、周方向へ延びて且つ第1横弾性部73の上端と前記第2横弾性部74の上端とを接続する第3横弾性部78のみから成る、という構成でもよい。
【0064】
(D)また、上記実施形態に係る接続具3においては、第3縦弾性部76、第4縦弾性部77及び第3横弾性部78は、それぞれ直線状に延びている、即ち、接続弾性部75は、一部が開放された角環状に、形成されている、という構成である。しかしながら、接続具3は、斯かる構成に限られない。例えば、第3縦弾性部76、第4縦弾性部77及び第3横弾性部78は、それぞれ円弧状に延びている、即ち、接続弾性部75は、一部が開放された円環状に、形成されている、という構成でもよい。
【0065】
(E)また、上記実施形態に係る接続具3においては、第3縦弾性部76、第4縦弾性部77及び第3横弾性部78で形成される隙間8の上下方向の寸法W1は、当該隙間8の周方向の寸法W2よりも、大きい、という構成である。しかしながら、接続具3は、斯かる構成に限られない。
【0066】
例えば、第3縦弾性部76、第4縦弾性部77及び第3横弾性部78で形成される隙間8の上下方向の寸法W1は、当該隙間8の周方向の寸法W2よりも、小さい、という構成でもよい。また、例えば、第3縦弾性部76、第4縦弾性部77及び第3横弾性部78で形成される隙間8の上下方向の寸法W1は、当該隙間8の周方向の寸法W2と、同じ、という構成でもよい。
【0067】
(F)また、上記実施形態に係る接続具3においては、弾性体7が、リング部X5に押し付けられることによって、接続具3は、容器口部X2に接続されている、という構成である。しかしながら、接続具3は、斯かる構成に限られない。
【0068】
例えば、弾性体7が、雄ネジ部X4に押し付けられることによって、接続具3は、容器口部X2に接続されている、という構成でもよい。また、例えば、弾性体7が、口部本体X3の外周面に押し付けられることによって、接続具3は、容器口部X2に接続されている、という構成でもよい。要するに、弾性体7は、容器口部X2に押し付けられることによって、容器口部X2に接続されている、という構成であればよい。
【0069】
(G)また、上記実施形態に係る接続具3においては、縦弾性部71,72,76,77及び横弾性部73,74の両方、又は、縦弾性部71,72,76,77のみが、容器口部X2に押し付けられることによって、接続具3は、容器口部X2に接続されている、という構成である。しかしながら、接続具3は、斯かる構成に限られない。
【0070】
例えば、横弾性部73,74のみが、容器口部X2に押し付けられることによって、接続具3は、容器口部X2に接続されている、という構成でもよい。要するに、弾性体7の少なくとも一部が、容器口部X2に押し付けられることによって、接続具3は、容器口部X2に接続されている、という構成であればよい。
【0071】
(H)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0072】
1…装置、2…装置本体、3…接続具、4…本体、5…外筒体、6…内筒体、7…弾性体、8…隙間、9…接続体、51…雌ネジ、52…縮径部、53…操作部、61…着脱部、62…収容部、63…雄ネジ、64…操作部、71…第1縦弾性部、72…第2縦弾性部、73…第1横弾性部、74…第2横弾性部、75…接続弾性部、76…第3縦弾性部、77…第4縦弾性部、78…第3横弾性部、X1…容器、X2…容器口部、X3…口部本体、X4…雄ネジ部、X5…リング部
図1
図2
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図8
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図10
図11
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図13