(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101750
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005853
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】淺野 幸平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EA05
2C088EA10
(57)【要約】
【課題】駆動手段を駆動させるドライバを搭載した基板を小型化できる遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、LED素子28と、LED素子28に接続されるドライバ141a,141bと、ドライバ141a,141bを制御してLED素子28の発光を制御するサブ制御基板100を備えている。1つのLED素子28には、ドライバ141a,141bに設けられた複数の接続端子OUT0~OUT23が接続されている。そして、サブ制御基板100は、ドライバ141a,141bを制御して、複数の接続端子OUT0~OUT23から1つのLED素子28に電力を供給して発光させる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段と、
前記駆動手段に接続される接続端子を複数有するドライバと、
前記ドライバを制御して前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と、
を備え、
1つの前記駆動手段に複数の前記接続端子が接続され、
前記制御手段は、
前記ドライバを制御して、複数の前記接続端子と1つの前記駆動手段の間で電力を伝送させ前記駆動手段を駆動させる、遊技機。
【請求項2】
複数の前記接続端子は、
電力の伝送を開始し前記駆動手段を駆動させる開始指示が前記制御手段から前記ドライバに入力された時点から、実際に電力の伝送を開始する開始タイミングまでの遅延時間が異なっており、
1つの前記ドライバに設けられた複数の前記接続端子は、
前記遅延時間が同一の組み合わせ、及び前記遅延時間の差が他の前記接続端子に比べて小さい組み合わせのうち、少なくとも一方の組み合わせの複数の前記接続端子が同一の前記駆動手段に接続される、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記ドライバとして、複数の第1接続端子を有する第1ドライバと、複数の第2接続端子を有する第2ドライバと、を備え、
複数の前記第1接続端子は、
電力の伝送を開始し前記駆動手段を駆動させる開始指示が前記制御手段から前記第1ドライバに入力された時点から、実際に電力の伝送を開始する開始タイミングまでの遅延時間が異なっており、
複数の前記第2接続端子は、
電力の伝送を開始し前記駆動手段を駆動させる開始指示が前記制御手段から前記第2ドライバに入力された時点から、実際に電力の伝送を開始する開始タイミングまでの遅延時間が異なっており、
複数の前記第1接続端子及び複数の前記第2接続端子は、
前記遅延時間が同一の組み合わせ、及び前記遅延時間の差が他の接続端子に比べて小さい組み合わせのうち、少なくとも一方の組み合わせの前記第1接続端子と前記第2接続端子が同一の前記駆動手段に接続される、請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
複数の前記駆動手段を有し、
1つの前記ドライバに設けられる複数の前記接続端子は、
複数のグループに分かれており、
1つの前記グループに含まれる複数の前記接続端子は、
電力の伝送を開始し前記駆動手段を駆動させる開始指示が前記制御手段から前記ドライバに入力された時点から、実際に電力の伝送を開始する開始タイミングまでの遅延時間が互いに同一であり、
複数の前記駆動手段の各々は、
互いに異なる前記グループに含まれる複数の前記接続端子が接続される、請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
複数の前記グループの各々は、
前記遅延時間が互いに異なっており、前記遅延時間の差が小さい組み合わせの複数の前記グループにそれぞれ含まれる複数の前記接続端子が同一の前記駆動手段に接続される、請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記ドライバとして、複数の第1接続端子を備える第1ドライバと、複数の第2接続端子を備える第2ドライバと、を備え、
複数の前記第1接続端子の前記グループ、及び複数の前記第2接続端子の前記グループは、
前記遅延時間が同一の組み合わせの前記グループの前記第1接続端子と前記第2接続端子が同一の前記駆動手段に接続される、請求項4に記載の遊技機。
【請求項7】
前記制御手段は、
複数の前記ドライバに接続され、
複数の前記ドライバの各々は、
互いを識別するためのスレーブアドレスが設定され、
前記制御手段は、
前記スレーブアドレスを指定して前記開始指示を送信する前記ドライバを選択し、
前記第1ドライバの前記スレーブアドレスは、
前記第2ドライバの前記スレーブアドレスと同一である、請求項3又は請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記駆動手段は、
発光手段であり、
1つの前記発光手段に接続される複数の前記接続端子の数は、
前記遊技機の演出に応じて設定された最大輝度で前記発光手段を発光させた場合に、前記発光手段に流れる最大電流値と、前記接続端子の許容電流値に基づいて設定され、
複数の前記接続端子は、
抵抗素子を介さずに前記発光手段と接続される、請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項9】
前記駆動手段は、
発光手段であり、
透過性を有する板状をなし、前記発光手段から発光された光を側面から入射し光演出を行うパネルと、
前記発光手段及び前記ドライバを実装される基板と、
を備え、
前記基板は、
前記パネルの側方に配置される、請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項10】
透過性を有する遊技盤を備え、
前記パネルは、
前記遊技盤と平行な状態で配置され、
前記基板は、
前記遊技機において遊技者から視認が困難な位置に配置される、請求項9に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライバ回路で複数の駆動手段を駆動させる遊技機がある(例えば、特許文献1など)。特許文献1の遊技機は、1つのLEDドライバに複数のLEDが接続されており、ドライバ回路によって装飾基板に搭載されたLEDなどを点灯させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-190045号公報(段落0082、
図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のLEDドライバは、複数の出力端子を備えている。複数の出力端子の各々には、2つのLEDと、抵抗素子が直列に接続されている。高輝度のLEDなどの消費電流値が大きい発光手段を出力端子に接続する場合、特許文献1のように出力端子とLEDの間に抵抗素子を接続して過電流を抑制しドライバの回路を保護する必要がある。しかしながら、回路を保護する抵抗素子の数が増加するほど、部品の実装領域が大きくなり、基板が大型化することで、基板を搭載するスペースを遊技機に確保しなければならないことが問題となる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために創出されたものであって、駆動手段を駆動させるドライバを搭載した基板を小型化できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、本発明の遊技機は、駆動手段と、前記駆動手段に接続される接続端子を複数有するドライバと、前記ドライバを制御して前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と、を備え、1つの前記駆動手段に複数の前記接続端子が接続され、前記制御手段は、前記ドライバを制御して、複数の前記接続端子と1つの前記駆動手段の間で電力を伝送させ前記駆動手段を駆動させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機では、ドライバに複数の接続端子が設けられ、1つの駆動手段に複数の接続端子が接続される。制御手段は、駆動手段を駆動する場合、複数の接続端子と1つの駆動手段との間で電力を伝送させる。これにより、駆動手段に電力を供給する際の負荷を、複数の接続端子で分散することができる。接続端子と駆動手段との間等に接続する過電流保護用の抵抗素子の数を減らす、又はなくすことができる。その結果、駆動手段を駆動するための回路の実装領域を小さくし、ドライバを搭載した基板を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【
図2】パチンコ遊技機の断面を模式的に示す模式図である。
【
図3】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板及び周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板及び周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】
図5の状態において後枠部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図7の状態においてLED基板の基板部分のみを取り外し、LEDを残した状態を示す斜視図である。
【
図10】LED基板を後方且つ下方から見た状態であり、後枠部材、後パネル、保持部材、スペーサを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図11】
図10において前パネルを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図14】接続端子の出力タイミングを示すタイミングチャートと、接続端子のグループを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。尚、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と正対して遊技を行う遊技状態の遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、
図1及び
図2に示すように、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方(手前側)とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。また、遊技状態の遊技者とは、例えば、パチンコ遊技機1の前に設置された椅子に座り、後述するハンドル4を右手で操作している遊技者の状態をいう。
【0010】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1は、パチンコ遊技機1の正面図である。
図2は、パチンコ遊技機1の断面を模式的に示している。尚、
図2は、後述する後枠部材132(
図6)などの一部の部材の図示を省略している。
図1及び
図2に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠16a、中枠16b、外枠16cによって構成される。前面枠16aは、外枠16cの一端(例えば、左端)に回動可能に軸支されており、中枠16b及び外枠16cに対して前方側に回動可能となっている。また、中枠16bは、前面枠16aと同様に、外枠16cの一端(例えば、左端)に回動可能に軸支されており、外枠16cに対して前方側に回動可能となっている。中枠16bの裏側には、後述する箱部材18が取り付けられている。
【0011】
前面枠16aは、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bとを備えている。ハンドル4は、前面枠16aのうち右下に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(
図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0012】
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠16aのうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(
図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(
図3)及び賞球払出装置400(
図3)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠16aのうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0013】
演出ボタン9は、例えば、プッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9は、打球供給皿24の上方を覆おうカバーに設けられている。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(
図4)が内蔵されている。パチンコ遊技機1は、演出ボタン9に対する操作入力に応じた演出を行う。
【0014】
また、前面枠16aのうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠16aのうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。遊技者は、演出レバー6を握って操作することで、演出レバー6を回動させたり、前後に移動させたりできる。パチンコ遊技機1は、演出レバー6に対する操作入力に応じた演出を行う。また、前面枠16aのうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。また、スピーカ8は、前面枠16aのうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられている。これらの左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、スピーカ8は、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
【0015】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。遊技盤2は、例えば、中枠16bの前面部分に設けられ、つまり、遊技状態の遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。また、遊技盤2の後方には、前パネル26と後パネル27とが設けられている。箱部材18は、中央部分を後方側に向けて膨出した箱形形状をなし、正面から見た場合に上下方向に長い長方形形状をなしている。箱部材18は、前後方向において所定の厚みを有しており、前面を開口させた有底の凹部18bを形成された箱形形状をなしている。遊技盤2、前パネル26、及び後パネル27は、例えば、凹部18bの前面の開口を塞ぐ大きさで形成されている。尚、箱部材18の周囲には、遊技球を貯留し、遊技によって所定の払出条件が成立するとその遊技球を払い出す球受け払出機構(図示略)が設けられている。演出表示装置7は、箱部材18の底部に配置されている。演出表示装置7は、例えば、箱部材18の底部の全体を覆う大きさで形成されている。例えば、遊技盤2、前パネル26、後パネル27、及び演出表示装置7は、前方から見た場合に、上下方向に長い略同一面積の長方形形状をなしている。換言すれば、箱部材18は、この長方形形状の穴が形成されている。
【0016】
遊技盤2は、固定入賞装置10と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置40と、ゲート12と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、誘導部材17とを備える。遊技盤2は、例えば、透明の樹脂等により形成されており、後方に配置された前パネル26、後パネル27、演出表示装置7等を前面から視認可能となっている。尚、
図1は、図面が煩雑となるのを避けるため、透明の遊技盤2を白く塗りつぶして図示している。また、遊技盤2は、その一部又は全部が不透明の部材でも良い。
【0017】
遊技盤2の複数箇所には、盤ランプ2a(
図4)が設けられている。また、遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示略)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、遊技者から見て演出表示装置7の画面の左方に位置する左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に位置する右遊技領域3bとを有する。また、演出表示装置7の画面は、透明の遊技盤2、前パネル26、後パネル27を通じて視認可能となっている。また、演出表示装置7の画面のサイズは、例えば、
図2に示すように、箱部材18の前面側の開口と同等、あるいはそれ以上の大きさで形成されている。このため遊技者が、パチンコ遊技機1の前方から遊技盤2を見た場合、透明の遊技盤2の全体に映像が写しだされる。さらに、前パネル26、後パネル27による光演出を重ねる、又は、切り替えることができる。前パネル26及び後パネル27の詳細については、後述する。尚、上記した演出表示装置7の画面サイズは、一例であり、演出表示装置7は、遊技盤2を前方から見た場合に、中央のみ(箱部材18の底部の一部のみ)に画面を有する構成でも良い。また、遊技盤2、前パネル26、後パネル27に、演出表示装置7の画面を露出させる貫通孔等を形成しても良い。
【0018】
また、固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。ゲート12は、右遊技領域3bに配置されており、右遊技領域3bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20の可動部材は、例えば、左右方向へ変位可能に構成されており、普通可変入賞装置20の第2始動口(図示略)を開閉する。第1大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置40は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口を開閉する第1開閉部材を備えており、第2大入賞装置40は、第2大入賞口を開閉する第2開閉部材を備える。第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(図示略)及び非特定領域(図示略)が形成されている。また、第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口に入賞した遊技球を特定領域又は非特定領域に振り分ける振分部材(図示略)と、この振分部材を駆動する振分部材ソレノイド42d(
図3)とが設けられている。
【0019】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器と、第2特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器と、普通図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器とを備える。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器及び第2特別図柄表示器に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0020】
本実施例では、表示器類50の第1及び第2特別図柄表示器は、複数(例えば、8個)のLEDを点灯又は消灯させ特別図柄を表示する。また、普通図柄表示器は、複数(例えば、2個)のLEDを点灯又は消灯させ普通図柄を表示する。遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材が開閉し、第2始動口が開閉する。
【0021】
また、遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定が実行され、第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示する。第1特別図柄表示器は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材が開閉し、第1大入賞口が開閉する。表示器類50の第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器によって表示される。以下、第1特別図柄表示器の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0022】
また、遊技球が普通可変入賞装置20の第2始動口に入賞すると大当たり判定が実行され、表示器類50の第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第2大入賞装置40が作動して第2開閉部材が開閉し、第2大入賞口が開閉する。第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が普通可変入賞装置20の第2始動口に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器によって表示される。以下、第2特別図柄表示器の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。また、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、最初のラウンドから最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、開閉する大入賞口(第1大入賞口及び第2大入賞口の一方又は両方)、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。
【0023】
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常確率と、通常確率よりも高い高確率とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中に第2大入賞装置40の第2大入賞口に入賞した遊技球が、前述した特定領域を通過(V入賞)すると、大当たり遊技が終了した後の遊技状態が高確率状態に移行する。つまり、本実施例のパチンコ遊技機1は、いわゆるV確機と呼ばれる機種である。
【0024】
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。誘導部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。誘導部材17は、発射装置90(
図3)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像及び静止画像を表示する。演出表示装置7は、演出画像として、演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施例では、演出図柄は、例えば、1~9の算用数字を表した図柄である。本実施例では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0025】
本実施例の各演出図柄の主な変動パターンは、例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。演出表示装置7は、例えば、液晶表示装置である。尚、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。
【0026】
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄及び他の画像などから成る画像を変動演出パターンという。変動演出パターンは、特図の変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。演出表示装置7には、第1演出保留表示領域51Bと、第2演出保留表示領域52Bとが設定されている。遊技者は、第1演出保留表示領域51Bに表示される演出保留画像を見ることにより、第1特図保留数を知ることができるとともに、第2演出保留表示領域52Bに表示される演出保留画像を見ることにより、第2特図保留数を知ることができる。
【0027】
[前パネル26及び後パネル27について]
図2に示すように、中枠16bの上部には、LED基板22が取り付けられている。LED基板22の下面には、複数のLED素子28と、複数のLED素子29が実装されている。LED素子28は、前パネル26の上方の端面(上方の縁部)に沿って左右方向に並んで配置されている。LED素子29は、後パネル27の上方の端面(上方の縁部)に沿って左右方向に並んで配置されている。前パネル26及び後パネル27の各々は、例えば、透過性を有する板状をなし、LED素子28,29から発光された光を側面から入射し光演出を行うパネル(導光板)、所謂、イルミパネルである。前パネル26及び後パネル27は、LED素子28,29から入射された光に応じて、例えば、文字や図柄などの表示情報を前面に表示させることが可能となっている。
【0028】
前パネル26及び後パネル27の構成は、上記した構成に限らない。例えば、前パネル26及び後パネル27は、上方の端面(上方の縁部)から入射した光を前面側に反射させる傾斜面(反射部)を備えても良い。また、中枠16bは、LED素子28,29からの入射光を前パネル26及び後パネル27側に誘導しながら板厚方向に集光して該前パネル26及び後パネル27の端面に向けて出射する集光レンズ等を備えても良い。LED基板22、前パネル26、後パネル27を中枠16bに取り付ける構造については後述する。
【0029】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について
図3及び
図4を参照しつつ説明する。パチンコ遊技機1は、主制御基板60(
図3)と、払出制御基板73(
図3)と、サブ制御基板100(
図4)と、画像制御基板300(
図4)とを備えている。これらの主制御基板60、サブ制御基板100等は、例えば、箱部材18の後面に基板カバー18aによって固定されている(
図2)。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラムの他に、大当たり判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル、大当たり種別判定テーブルなどの各種のテーブルTA1が記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
【0030】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。RAM64には、遊技球が第1始動口11(
図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。表示器類50の第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などはRAM64に記憶される。同様に、RAM64には、遊技球が普通可変入賞装置20の第2始動口に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。また、RAM64には、遊技球がゲート12(
図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。表示器類50の普通図柄表示器が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数はRAM64に記憶される。
【0031】
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板などとの間でデータの送信又は受信を行う。また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120(
図4)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ42aと、特定領域センサ42bと、非特定領域センサ42cと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド40aと、振分部材ソレノイド42dとが電気的に接続されている。
【0032】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、普通可変入賞装置20の第2始動口の直下に設けられており、遊技球が第2始動口に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(
図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞装置30の第1大入賞口の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ42aは、第2大入賞装置40の第2大入賞口の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ42bは、第2大入賞装置40の第2大入賞口の内部の特定領域内に設けられており、遊技球が特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ42cは、第2大入賞装置40の第2大入賞口の内部の非特定領域に設けられており、遊技球が非特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(
図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0033】
また、
図4に示すように、サブ制御基板100には、アウト口センサ19aが電気的に接続されている。アウト口センサ19aは、アウト口19(
図1)の直下に設けられており、遊技球がアウト口19に入球したことを示す信号をサブ制御基板100へ出力する。これにより、サブ制御基板100(演出制御用マイコン101)は、アウト口センサ19aから出力される信号に基づいて、アウト口19に入球して消費された遊技球の数を計測できる。
【0034】
図3に戻り、電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド40aは、第2大入賞装置40の第2開閉部材を開閉駆動する。振分部材ソレノイド42dは、第2大入賞装置40の内部に設けられた振分部材を駆動する。
【0035】
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示略)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
【0036】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
【0037】
また、主制御基板60には、払出制御基板73、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93と、発射口センサ94を備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示略)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(
図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。発射口センサ94は、誘導部材17(
図1)に設けられている。発射口センサ94は、誘導部材17から遊技領域3へ遊技球が入球されたこと、即ち、発射装置90によって発射された遊技球が遊技領域3内に入ったことを示す信号を主制御基板60へ出力する。これにより、主制御基板60は、発射口センサ94から出力される信号に基づいて、発射装置90により発射され遊技領域3内で消費された遊技球の数を計測できる。
【0038】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。また、電源基板70は、サブ制御基板100に対して電力を供給する(
図3、
図4の「B」)。電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64やサブ制御基板100のRTC124などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。バックアップ電源回路71としては、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0039】
また、主制御基板60は、サブ制御基板100(
図4)に対して各種コマンドを送信する(
図3、
図4の「A」)。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0040】
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他に、変動演出パターン選択テーブルなどの各種のテーブルTA4が記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。
【0041】
RAM120は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。また、RAM120は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が普通可変入賞装置20の第2始動口に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信又は受信を行う。
【0042】
図4に示すように、サブ制御基板100には、画像制御基板300が電気的に接続されている。画像制御基板300には、画像制御用CPU302と、VDP(Video Display Processor)301と、制御用ROM303と、制御用RAM304と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)305と、VRAM(Video Random Access Memory)306とが実装されている。画像制御用CPU302は、変動演出パターン、ボタン演出画像及び予告演出画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM303には、画像制御用CPU302が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM304は、画像制御用CPU302がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM305には、演出表示装置7が画像を表示するための画像データ(演出画像などの画像データ)が記憶されている。VDP301は、例えば、画像制御用CPU302によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM305から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM306内の展開領域に展開する。そして、VDP301は、VRAM306内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM306内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP301は、VRAM306内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0043】
また、サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、盤ランプ2a、演出ボタンランプ9cが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータに基づいてランプ制御基板79を制御する。そして、ランプ制御基板79は、演出制御用マイコン101の制御に基づいて各ランプの発光制御を行う。
【0044】
また、サブ制御基板100には、LED基板22を介してLED素子28,29が電気的に接続されている。LED素子28,29は、例えば、LED基板22に実装されている(
図12)。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いてLED素子28,29の発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータに基づいてLED基板22を制御する。そして、LED基板22は、演出制御用マイコン101の制御に基づいてLED素子28,29の発光制御を行う。これにより、上記した前パネル26及び後パネル27による光演出(文字や図柄の表示など)を実行することができる。演出制御用マイコン101は、例えば、遊技状態(演出の内容)に応じてLED素子28,29の点灯状態を変更し、光演出を実行する。
【0045】
また、サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示略)と、音声データROM(図示略)と、音声合成回路(図示略)と、アンプ(図示略)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0046】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー検出スイッチ6j、操作ボタン検出スイッチ6kが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出レバー検出スイッチ6jは、演出レバー6が押込操作された、あるいは回動操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。操作ボタン検出スイッチ6kは、打球供給皿24に設けられた操作ボタン(図示略)を操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。また、サブ制御基板100には、演出レバー駆動モータ6dが電気的に接続されている。演出レバー駆動モータ6dは、演出レバー6を振動、回動、スライド移動等させる部材である。演出制御用マイコン101は、演出に合わせて演出レバー6を回動等させる。
【0047】
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときにはその電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。尚、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。
【0048】
[前パネル26及び後パネル27の取付構造]
次に、前パネル26及び後パネル27の取付構造について説明する。
図5は、中枠16bを上方且つ前方から見た斜視図である。
図6は、中枠16bの背面図である。
図5及び
図6に示すように、遊技盤2の前面には、前枠部材131が取り付けられ、後面には、後枠部材132が取り付けられている。前枠部材131は、遊技盤2の前面において外周を覆う枠形状の部材であり、誘導部材17等が取り付けられている。尚、
図5は、遊技釘等の一部の部材の図示を省略している。後枠部材132は、遊技盤2の後面において外周を覆う枠形状の部材である。前パネル26、後パネル27、LED基板22は、後枠部材132によって保持されている。
【0049】
図7は、
図5の状態において後枠部材132を取り外した状態を示す斜視図である。
図8は、
図7の状態においてLED基板22の基板部分のみを取り外し、LED素子28,29を残した状態を示している。
図9は、
図8の一部拡大図である。
図10は、LED基板22を後方且つ下方から見た状態であり、後枠部材132、後パネル27、後述する保持部材136、スペーサ135を取り外した状態を示す斜視図である。
図11は、
図10において前パネル26を取り外した状態を示す斜視図である。
【0050】
図7~
図11に示すように、中枠16bの上部であって、後枠部材132の内側には、LED基板22が取り付けられている。LED基板22は、例えば、左右方向及び前後方向に基板平面が沿った状態で後枠部材132によって保持されている。LED素子28,29は、LED基板22の下面に実装されている。LED基板22には、例えば、数十個のLED素子28と、数個のLED素子29が実装されている。前パネル26及び後パネル27は、例えば、遊技盤2の後面の全体を覆う大きさの板状をなしている。前パネル26及び後パネル27の前後方向の厚みは、例えば、数mmである。
【0051】
遊技盤2、前パネル26及び後パネル27は、互いの平面を平行にし、且つ、前後方向及び左右方向に平面を沿わせた状態で配置されている。遊技盤2と前パネル26との間であって、遊技盤2及び前パネル26の上端部には、スペーサ134が設けられている。遊技盤2と前パネル26は、前後方向の間にスペーサ134を挟んだ状態で、前後方向の間に所定の隙間を設けて取り付けられている。同様に、前パネル26と後パネル27の間であって、前パネル26及び後パネル27の上端部には、スペーサ135が設けられている。前パネル26と後パネル27は、前後方向の間にスペーサ135を挟んだ状態で、前後方向の間に所定の隙間を設けて取り付けられている。また、後パネル27の上端部且つ後面には、保持部材136が取り付けられている。保持部材136は、後パネル27の後面に取り付けられた状態で後枠部材132によって保持される。
【0052】
スペーサ134,135、及び保持部材136は、上下方向の幅が短く左右方向に長い部材である。スペーサ134,135、及び保持部材136は、上下方向の幅が小さく、且つ遊技盤2等の上端部に取り付けられている。このため、スペーサ134,135、及び保持部材136は、遊技者から視認が困難な位置(遊技者から見え難い位置)に取り付けられている。
【0053】
複数のLED素子28は、前パネル26の上端面26a(
図9)に沿って、左右方向に並んで配置されている。また、複数のLED素子29は、後パネル27の上端面27a(
図9)に沿って、左右方向に並んで配置されている。LED基板22は、前後方向に沿った長さL1(
図7)が短く左右方向に沿った長さL2(
図7)が長い略長方形の板状をなしている。例えば、前後方向に沿ったLED基板22の長さL1は、略2cmである。また、例えば、左右方向に沿ったLED基板22の長さL2は、略30cmである。
【0054】
LED基板22は、例えば、前後方向において、前パネル26の前端から後パネル27の後端までの範囲で配置されている。換言すれば、LED基板22の前後方向の長さL1は、前パネル26の前端から前後方向に沿って後パネル27の後端までの距離となっている。また、LED基板22の左右方向の長さL2は、中枠16bの左右方向の長さに収まる長さとなっている。より具体的には、長さL2は、左右方向に沿った遊技盤2の上端の長さよりも短くなっている(
図7)。
【0055】
本実施例のLED素子28,29は、このような中枠16bの上部に設置範囲が限られたLED基板22に実装する必要がある。このため、LED素子28,29の実装領域は、限定された範囲となる。さらに、遊技盤2、前パネル26、後パネル27が透過性を有する部材で光演出を実現する部材である。このため、LED基板22は、このような光演出を阻害しない位置に配置されることが好ましい。また、透過性を有する遊技盤2等を介してLED基板22が遊技者から見え難い方が、意匠性(見た目)の観点から好ましい。一方で、前パネル26及び後パネル27の光の受光量を増加する、あるいは、光の伝送効率を向上させる観点では、LED素子28,29は、前パネル26や後パネル27の上端面26a,27aに接するあるいは近接する位置であることが好ましい。このような本実施例のLED基板22は、様々な条件で限定されたスペースに配置する必要があり、可能な限り小型化することが好ましい。
【0056】
また、遊技盤2の背面全体を覆う大きさの前パネル26や後パネル27では、光演出の内容によっては、上端面26a,27aから入射した光を前パネル26や後パネル27の逆側の端部(本実施例では下端部)まで到達させる必要が生じる。例えば、透過性を有する遊技盤2の全体を活かして、遊技者から見た遊技盤2の全体(上下、左右の端から端まで)を活かしたより趣向性の高い演出を行おうとすると、前パネル26及び後パネル27の全体に光が到達することが好ましい。このような光演出を実行しようとすると、LED素子28,29の輝度を高くする必要が生じる。高輝度のLED素子28,29を用いて高い輝度で発光させた場合、LED素子28,29に接続される接続ラインの電流値(突入電流や点灯時の電流値など)が増大する、即ち、後述するドライバ141の接続端子に付与される負荷が増大する。しかしながら、上記したように、LED基板22の実装領域は限られており、過電流等を抑制するための抵抗素子を実装することが困難となる。そこで、本実施例のLED基板22では、1つのLED素子28又はLED素子29に対し、LED素子28,29を駆動するドライバ141の接続端子を複数接続することで、1つの接続端子あたりの負荷を分散している。
【0057】
[LED素子28,29の接続構成]
次に、LED基板22におけるLED素子28,29の接続構成について説明する。尚、LED素子29の接続構成は、LED素子28と同様の接続構成となっている。このため、以下の説明では、主にLED素子28の接続構成について説明し、LED素子29の接続構成についての説明を適宜省略する。
図12は、LED基板22の回路図であって、LED素子28の接続構成を示している。
図12に示すように、LED基板22は、複数のLED素子28と、複数のドライバ141とを備えている。尚、
図12は、図面が煩雑となるのを避けるため、数十個のLED素子28のうち、4つのLED素子28a~28dのみを図示している。4つのLED素子28a~28dは同一構成となっている。このため、以下の説明では、主にLED素子28aについて説明し、他のLED素子28b~28dについての説明を適宜省略する。また、4つのLED素子28a~28dを総称する場合は、「LED素子28」のようにアルファベットを付加せずに記載する。同様に、
図12は、複数のドライバ141のうち、2つのドライバ141a,141bのみを図示している。2つのドライバ141a,141bは同一構成となっている。このため、以下の説明では、主にドライバ141aについて説明し、ドライバ141bについての説明を適宜省略する。また、2つのドライバ141a、141bを総称する場合は、「ドライバ141」のようにアルファベットを付加せずに記載する。
【0058】
LED素子28aは、例えば、LED143とツェナーダイオード144の組み合わせを2組備えている。各組のツェナーダイオード144は、各組のLED143とそれぞれ並列に接続され、且つ、LED143と極性を逆にして接続されており、LED143の保護回路として機能する。2つのLED143は、直列に接続されている。
【0059】
ドライバ141aは、例えば、クロック入力端子SCL_IN、データ入力端子SDA_IN、クロック出力端子SCL_OUT、データ出力端子SDA_OUT、24個の接続端子OUT0~OUT23、5つのアドレス設定端子A0~A5、入力端子REXT0~REXT2、グランド端子GNDを備えている。クロック入力端子SCL_INは、例えば、サブ制御基板100からクロック信号(シリアルクロック)を入力する端子である。クロック出力端子SCL_OUTは、例えば、クロック信号を他の基板等に出力する端子である。データ入力端子SDA_INは、サブ制御基板100からデータ(シリアルデータ)を入力する端子である。データ出力端子SDA_OUTは、データを他の基板等に出力する端子である。
【0060】
アドレス設定端子A0~A5は、例えば、図示を省略した電源又はグランドに接続され、自身のアドレスを識別するためのアドレス設定を入力する端子である。ドライバ141aは、6つのアドレス設定端子A0~A5に入力される6ビット(最上位ビットがA0、最下位ビットがA5)の信号によって固有のスレーブアドレスが設定される。このスレーブアドレスは、本開示のスレーブアドレスの一例である。入力端子REXTは、図示を省略した抵抗を介してグランドに接続されている。グランド端子GNDは、グランドに接続され接地電位を供給する。尚、
図12に記載したドライバ141aの接続端子の構成や数は、一例である。ドライバ141aは、リセット端子RESET等の他の種類の端子を備えても良い。また、ドライバ141aは、接続端子を1個備える構成でも良く、24個以外の複数個備える構成でも良い。また、スレーブアドレスの設定方法は、上記したアドレス設定端子A0~A5に電源やグランドを接続する方法に限らない。例えば、サブ制御基板100側からアドレスを設定するための入力(6ビットのローレベルやハイレベルの信号)を供給しても良い。この場合、サブ制御基板100によって、スレーブアドレスを適宜変更しても良い。
【0061】
例えば、ドライバ141aは、6つのアドレス設定端子A0~A5のうち、アドレス設定端子A0が電源に接続されハイレベル(例えば、+5V)の信号を入力され、残りのアドレス設定端子A1~A5がグランドに接続されローレベル(例えば、0V)の信号を入力される。この場合、ドライバ141aは、自身のスレーブアドレスを「100000B」と判定する。
【0062】
ドライバ141aとサブ制御基板100は、例えば、I2C(Inter Integrated Circuit)通信方式によって通信可能に接続されている。具体的には、サブ制御基板100のシリアルポートが接続されているクロック信号ラインに、ドライバ141aのクロック入力端子SCL_INが接続されている。また、サブ制御基板100のシリアルポートが接続されているデータ信号ラインに、ドライバ141aのデータ入力端子SDA_INが接続されている。そして、ドライバ141aは、クロック入力端子SCL_INに入力されるクロックパルスに合わせてデータ入力端子SDA_INに入力される信号を受信し、受信した信号が示すスレーブアドレスが自身のスレーブアドレスと一致するか否かを判定する。例えば、送信先アドレスが「100000B」に設定されたデータが送信された場合には、ドライバ141aは、当該送信先アドレスが自身に設定されたスレーブアドレスと一致すると判定し、その後にクロック入力端子SCL_INに入力されるクロックパルスに合わせてデータ入力端子SDA_INに入力されるデータを取得し、当該データにしたがって接続端子OUT0~OUT23による電力供給を実行する。これにより、サブ制御基板100からドライバ141aへ、LED素子28a~28dを点灯させる開始指示を送信することができる。尚、
図12において、クロック入力端子SCL_IN、データ入力端子SDA_IN、クロック出力端子SCL_OUT、データ出力端子SDA_OUTは、それぞれ1つずつ図示されている。しかしながら、これらの端子は、例えば、2つずつ設けられ、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)の作動信号(クロック、データ)を入力する構成となっている。これにより、高ノイズ耐性、高速、長距離伝送が可能となっている。また、上記したクロック入力端子SCL_IN等は、LVDSを用いないシングルの端子でも良い。
【0063】
例えば、サブ制御基板100は、I2C通信方式によってドライバ141aと通信する場合、先ずドライバ141aのスレーブアドレスを示すアドレス情報をシリアルデータとして送信する。そして、そのアドレス情報と一致するスレーブアドレスが割り付けられたドライバ141aから、返答の信号を受信すると、そのドライバ141aに対して、接続端子OUT0~OUT23を介して電力を伝送させるための駆動データ(本開示の開始指示の一例)をシリアルデータとして送信する。即ち、LED素子28a~28dを点灯させるための開始指示をドライバ141aに対して送信する。ドライバ141aは、サブ制御基板100から入力した駆動データに基づいて、接続端子OUT0~OUT23を介した電力供給を行う。
【0064】
図13は、ドライバ141aのブロック図を示している。
図13に示すように、ドライバ141aは、定電流出力部151、定電流回路152、PWMコントローラ153、発振器154、設定用レジスタ155、入力部156を備えている。定電流出力部151は、上記した接続端子OUT0~OUT23の各々と、定電流回路152に接続されている。定電流回路152は、入力端子REXT0~2と、図示を省略した抵抗素子を介してグランドに接続され、定電流出力部151の定電流化を図る。定電流出力部151は、例えば、PWMコントローラ153から入力されるパルス信号のデューティ比に応じて各接続端子OUT0~OUT23の出力を変更する。本実施例のドライバ141aは、24個の接続端子OUT0~OUT23の各々について、定電流シンクを出力するシンクドライバである。
図12に示すように、各LED素子28a~28dは、一端を接続端子OUT0~OUT23の何れかに接続され、他端を電源VCCに接続されている。電源VCCは、例えば、+12Vである。ドライバ141aは、PWMコントローラ153のパルス信号のデューティ比に応じて、接続端子OUT0~OUT23の各々で引き込む電流の電流値を変更する。これにより、LED素子28に印加される電圧値、即ち、輝度が変更される。PWMコントローラ153は、発振器154から基準となるパルス信号を入力するとともに、設定用レジスタ155に設定された設定値に応じて定電流出力部151に出力するパルス信号のデューティ比を変更する。これにより、LED素子28の輝度が、設定用レジスタ155の設定値に応じて変更される。
【0065】
入力部156は、アドレス設定端子A0~A5、クロック入力端子SCL_IN、データ入力端子SDA_INに接続されており、上記した自装置に設定されたスレーブアドレスと、データ入力端子SDA_INから入力したスレーブアドレスの一致等を判断する。また、入力部156は、クロック出力端子SCL_OUT、データ出力端子SDA_OUTに接続されており、クロック入力端子SCL_IN、データ入力端子SDA_INから入力したデータやクロックのタイミング等を補正して、クロック出力端子SCL_OUT、データ出力端子SDA_OUTから出力する。そして、入力部156は、設定用レジスタ155に接続されており、データ入力端子SDA_INから入力したデータに基づいて設定用レジスタ155の設定値を変更する。これにより、サブ制御基板100は、ドライバ141のスレーブアドレスを指定し、設定用レジスタ155の設定値を出力することで、任意のドライバ141の設定値、即ち、そのドライバ141に接続されたLED素子28,29の各々の輝度を変更可能となっている。例えば、ドライバ141は、設定用レジスタ155の設定値に基づいて256段階に出力(輝度)を変更可能となっている。
【0066】
また、もう一方のドライバ141bは、ドライバ141aと同様に、クロック入力端子SCL_INや24個の接続端子OUT0~OUT23を備え、サブ制御基板100やLED素子28a~28d等に接続されている。また、ドライバ141bは、ドライバ141aと同一のスレーブアドレスが設定されている。また、ドライバ141bは、ドライバ141aと同様に、サブ制御基板100からのデータに基づいて電流の引き込み量、即ち、LED素子28の輝度を変更可能となっている。尚、上記したドライバ141の構成は、一例である。例えば、ドライバ141は、定電流シンクを出力するシンクドライバに限らず、電流を出力するソースドライバでも良い。また、ドライバ141は、サブ制御基板100から輝度を変更できない構成(輝度が固定された構成)でも良い。
【0067】
上記したように、LED基板22の実装領域は限られており、過電流等を抑制するための抵抗素子を実装することが困難となる。そこで、本実施例のLED基板22では、
図12に示すように、1つのLED素子28に対し、複数の接続端子OUT0~OUT23を接続することで、1つの接続端子当たりの負荷を分散している。これにより、
図12に示すように、LED素子28の接続端子OUT0~OUT23側や電源VCC側に、過電流等を抑制するための抵抗素子(抵抗やトランジスタなど)を接続する必要がなくなる。
【0068】
また、
図12に示すように、ドライバ141aの6つの接続端子OUT0~OUT5は、LED素子28aを介して電源VCCに接続されている。また、ドライバ141aの6つの接続端子OUT6~OUT11は、LED素子28bを介して電源VCCに接続されている。また、ドライバ141aの6つの接続端子OUT12~OUT17は、LED素子28cを介して電源VCCに接続されている。そして、ドライバ141aの6つの接続端子OUT18~OUT23は、LED素子28dを介して電源VCCに接続されている。
【0069】
また、ドライバ141bの接続端子OUT0~OUT23は、ドライバ141aと同様に接続され、並列に接続されている。ドライバ141bの6つの接続端子OUT0~OUT5は、LED素子28aを介して電源VCCに接続されている。また、ドライバ141bの6つの接続端子OUT6~OUT11は、LED素子28bを介して電源VCCに接続されている。また、ドライバ141bの6つの接続端子OUT12~OUT17は、LED素子28cを介して電源VCCに接続されている。そして、ドライバ141bの6つの接続端子OUT18~OUT23は、LED素子28dを介して電源VCCに接続されている。
【0070】
図14は、接続端子OUT0~OUT23の出力タイミングTM(本願の開始タイミングの一例)を示すタイミングチャートと、接続端子OUT0~OUT23のグループを示している。
図14に示すように、本実施例のドライバ141は、24個の接続端子OUT0~OUT23の出力タイミングTM、即ち、オンするタイミングが3つの出力端子ごとに異なっている。ここでいうオンするタイミングとは、例えば、接続端子OUT0~OUT23の引き込みを開始して、所望の定電流で電流の引き込みを開始しLED素子28を点灯させるタイミングである。従って、複数の接続端子OUT0~OUT23は、電力の伝送を開始しLED素子28を駆動させる開始指示がサブ制御基板100からドライバ141に入力された時点から、実際に電力の伝送を開始する出力タイミングTMまでの遅延時間T1が異なっている。
【0071】
図14の下の図に示すように、例えば、接続端子OUT0~OUT23は、この順番に、3つの出力端子ごとに、グループGP0~GP7までの8個のグループが設定されている。各グループGP0~GP7の各々は、グループ内に属する出力端子の出力タイミングTMが同一となっている。例えば、グループGP0に属する接続端子OUT0~OUT2は、出力タイミングTMが同一となっている。また、グループGP1に属する接続端子OUT3~OUT5は、出力タイミングTMが同一となっている。また、
図14のタイミングチャートに示すように、グループGP1の接続端子OUT3~OUT5の出力タイミングTM(
図14中のONのタイミング)は、グループGP0の接続端子OUT0~OUT2の出力タイミングTMに比べ所定の遅延時間T1だけ遅れている。従って、仮に、PG0,1から同時に出力する指示をサブ制御基板100からドライバ141に出しても、この遅延時間T1だけ遅れて出力される。遅延時間T1は、例えば、数μs又は数nsである。同様に、グループGP2の接続端子OUT6~OUT8の出力タイミングTMは、例えば、グループGP1の出力タイミングTMよりも遅延時間T1だけ遅れている。また、グループGP3の接続端子OUT9~OUT11の出力タイミングTMは、例えば、グループGP2の出力タイミングよりも遅延時間T1だけ遅れている。このように本実施例の接続端子OUT0~OUT23は、数字の大きいグループになればなるほど(グループGP0~GP7の順に)、仮に、同時に出力する指示を出しても遅れてオンする。尚、上記した出力タイミングTMとグループGP0~GP7の関係は一例である。例えば、グループGP0とグループGP1の出力タイミングTMが同一でも良い。また、グループGP0とグループGP1の遅延時間T1が、グループGP0とグループGP2の遅延時間T1より長くとも良い。また、ドライバ141は、グループGP7、GP6、GP5、・・・GP0の順に遅らせて出力しても良い。
【0072】
図12に示すように、LED素子28aには、ドライバ141aのグループGP0の3つの接続端子OUT0~OUT2が接続されている。即ち、遅延時間T1が同一の接続端子OUT0~OUT3が同一のLED素子28aに接続されている。また、LED素子28aには、ドライバ141aのグループGP1の3つの接続端子OUT3~OUT5が接続されている。上記したように出力タイミングTMは、グループGP0~GP7の順にグループの数字が大きくなるほど遅くなっていく。従って、グループGP0,GP1の組み合わせは、遅延時間T1の差が他の接続端子OUT6~OUT23(グループGP2~GP7)に比べて小さい組み合わせである。同様に、
図12に示すように、遅延時間T1が同一のグループGP2の接続端子OUT6~OUT8と、グループGP2と遅延時間T1の差が相対的に小さいグループGP3の接続端子OUT9~OUT11が、同一のLED素子28bに接続されている。このように、ドライバ141aは、遅延時間T1が同一及び遅延時間T1の差が小さい組み合わせの接続端子OUT0~OUT23が、同じLED素子28に接続されている。また、複数のグループGP0~GP7の各々は、遅延時間T1が互いに異なっており、遅延時間T1の差が小さい組み合わせの複数のグループ(例えば、GP0とGP1)にそれぞれ含まれる接続端子OUT0~OUT5が同一のLED素子28aに接続されている。
【0073】
また、ドライバ141bの接続端子OUT0~OUT23の接続先のLED素子28は、ドライバ141aと同様になっている。また、上記したように、2つのドライバ141a,141bは、同じスレーブアドレスが設定されている。また、
図12に示すように、2つのドライバ141a,141bは、クロック入力端子SCL_INと、データ入力端子SDA_INが並列に接続されている。このため、サブ制御基板100からドライバ141aのスレーブアドレスを指定して出力の指示を出した場合、ドライバ141aが有する接続端子OUT0~OUT23の各々の出力タイミングTMは、ドライバ141bが有する接続端子OUT0~OUT23の各々の出力タイミングTMと同一なる。換言すれば、2つのドライバ141a,141bの接続端子OUT0~OUT23は、遅延時間T1が同一の組み合わせ、及び遅延時間T1の差が他の接続端子に比べて小さい組み合わせの接続端子が同一のLED素子28に接続されている。ドライバ141a,141bは、遅延時間T1が同一の組み合わせのグループ(例えば、GP0)の接続端子OUT0~OUT2が同一のLED素子28aに接続されている。このように遅延時間T1が同一又は遅延時間T1の差が小さい接続端子OUT0~OUT23やグループGP0~GP7を、同じLED素子28に接続することで、出力タイミングTMのずれをなくして、又は少なくして発光時の負荷を適切に分散することができる。
【0074】
上記した接続端子OUT0~OUT23及びグループGP0~GP7の組み合わせは、一例である。例えば、ドライバ141aのグループGP0とグループGP2をLED素子28aに接続しても良い。即ち、遅延時間T1の差が2番目に近いグループを組み合わせても良い。また、接続端子OUT0と接続端子OUT3をLED素子28aに接続し、接続端子OUT1と接続端子OUT4をLED素子28bに接続しても良い。即ち、遅延時間T1が同一の接続端子を同じLED素子28に接続せず、遅延時間T1の差が他の接続端子に比べて小さい組み合わせだけを同じLED素子28に接続しても良い。また、ドライバ141aのグループGP0とドライバ141bのグループGP1をLED素子28aに接続し、ドライバ141aのグループGP1とドライバ141bのグループGP0をLED素子28bに接続しても良い。即ち、遅延時間T1が同一のグループを同じLED素子28に接続せず、遅延時間T1の差が他のグループに比べて小さい組み合わせだけを同じLED素子28に接続しても良い。
【0075】
また、本実施例では、1つのLED素子28に接続される接続端子OUT0~OUT23の数が、演出に必要な輝度と、接続端子OUT0~OUT23の許容電流値に基づいて設定されている。具体的には、1つのLED素子28に接続する接続端子の数が、パチンコ遊技機1の演出に応じて設定された最大輝度でLED素子28を発光させた場合に、LED素子28に流れる最大電流値と、接続端子OUT0~OUT23の1つ当たりの許容電流値に基づいて設定されている。例えば、LED素子28を発光させる演出のうち、輝度が最大となるものを、そのLED素子28の最大輝度とする。また、この最大輝度でLED素子28を発光させた場合に、LED素子28に流れる電流の最大値を最大電流値とする。そして、1つのLED素子28に接続する接続端子OUT0~OUT23の数を接続数Nとした場合、接続端子OUT0~OUT23の1つ当たりの許容電流値を用いて、次式で接続数Nを設定する。
接続数N≧最大電流値/許容電流値
接続数Nは、
図12に示す1つのLED素子28に2つのドライバ141a,141bを接続する構成であれば、2つのドライバ141a,141bの接続端子OUT0~OUT23の合計数である。例えば、
図12に示すLED素子28aの接続数Nは、ドライバ141aの接続端子OUT0~OUT5と、ドライバ141bの接続端子OUT0~OUT5の合計12個である。また、仮に、1つのLED素子28に対して1つのドライバ141のみを接続する場合は、そのドライバ141が有する接続端子OUT0~OUT23のうち、1つのLED素子28に接続される接続端子の数が、接続数Nとなる。同様に、仮に、1つのLED素子28に3つのドライバ141が接続される場合、3つのドライバ141の接続端子OUT0~OUT23の合計数が接続数Nとなる。許容電流値は、接続端子OUT0~OUT23が正常に動作できる電流値のうち、最大の電流値であり、例えば、ドライバ141の製造メーカが設定する定格の電流値である。
【0076】
このように、最大輝度の最大電流値と、許容電流値とを用いることで、接続数Nとして適切な値を設定でき、負荷を分散することができる。また、ドライバ141の故障や接続ラインの断線等の発生を抑制できる。そして、
図12に示すように、LED素子28の接続端子OUT0~OUT23側や電源VCC側に、過電流等を保護するための抵抗素子をなくすことができる。
【0077】
尚、上記した説明では、2つのLED素子28,29のうち、LED素子28について説明したが、LED素子29とドライバの接続構成においても、同様に、上記した接続構成を適用できる。例えば、LED素子29に1つのドライバに設けられた複数の接続端子を接続しても良く、複数のドライバの接続端子を接続しても良い。また、上記した接続数Nの設定方法は、一例である。例えば、接続端子OUT0~OUT23の許容電流値が互いに異なる場合、合計の許容電流値が、最大電流値以上となるまで接続数Nを増加させても良い。
【0078】
因みに、本実施例においてLED基板22は、基板の一例である。前パネル26及び後パネル27は、パネルの一例である。LED素子28,29は、駆動手段、発光手段の一例である。サブ制御基板100は、制御手段の一例である。出力タイミングTMは、開始タイミングの一例である。ドライバ141,141a,141bは、第1ドライバ、第2ドライバの一例である。接続端子OUT0~OUT23は、第1接続端子、第2接続端子の一例である。
【0079】
[実施例の効果]
(1)上記した実施例のLED素子28,29には、複数の接続端子OUT0~OUT23が接続されている。サブ制御基板100は、ドライバ141を制御して、複数の接続端子OUT0~OUT23と1つのLED素子28,29の間で電力を伝送させLED素子28,29を発光させる。これにより、LED素子28,29に電力を供給する際の負荷を、複数の接続端子OUT0~OUT23で分散することができる。例えば、ドライバ141内における接続端子OUT0~OUT23の各々の内部負荷によって、各接続端子に発生する突入電流や最大電流の電流値を小さくすることができる。接続端子OUT0~OUT23とLED素子28,29との間等に接続する過電流保護用の抵抗素子の数を減らす、又はなくすことができる。その結果、LED素子28,29を駆動するための回路の実装領域を小さくし、ドライバ141を搭載したLED基板22を小型化できる。例えば、高輝度のLED素子28を発光させ数百mAの電流がLED素子28に流れる場合に、接続端子OUT0~OUT23の許容電流値が数十mAぐらいであると、接続端子OUT0~OUT23が故障する虞がある。このような接続端子OUT0~OUT23の定格負荷がLEDよりも低いような構成において、本願の1つの駆動手段に複数の接続端子を接続する構成は、極めて有効である。
【0080】
(2)また、複数の接続端子OUT0~OUT23は、電力の伝送を開始しLED素子28,29を発光させる開始指示がサブ制御基板100からドライバ141に入力された時点から、実際に電力の伝送を開始する出力タイミングTMまでの遅延時間T1が異なっている(
図14参照)。1つのドライバ141に設けられた複数の接続端子OUT0~OUT23は、遅延時間T1が同一の組み合わせの接続端子(グループGP0内の接続端子OUT0~OUT2など)、及び遅延時間T1の差が他の接続端子に比べて小さい組み合わせの接続端子(グループGP0,GP1の接続端子OUT0~OUT5など)が同一のLED素子28aに接続されている。これにより、同じLED素子28,29に接続する接続端子OUT0~OUT23の互いの遅延をできるだけ減らすことで、出力タイミングTM(ONタイミング)の差を減らすことができる。その結果、電流を引き込むタイミングをできるだけ同一にすることで、負荷の分散を適切に図ることができる。
【0081】
例えば、遅延時間T1が100μsである場合、グループGP0~GP7の順に、100μsだけ出力タイミングTMが遅れる。その結果、グループGP7は、グループGP0に比べ800μs(=100μs*8グループ)だけ遅れて出力する。そこで、上記したように、遅延時間T1が同一や差が小さい接続端子OUT0~OUT23ごとに接続することで、出力タイミングTMを合わせて適切に負荷を分散できる。
【0082】
(3)また、LED基板22は、複数のドライバ141,141aを備えている。複数のドライバ141,141aの接続端子OUT0~OUT23は、遅延時間T1が同一の組み合わせ、及び遅延時間T1の差が他の接続端子に比べて小さい組み合わせの接続端子OUT0~OUT23が同一のLED素子28に接続されている。これにより、複数のドライバ141を1つのLED素子28に接続し、且つ遅延時間T1のない又は差が小さい接続端子OUT0~OUT23を同一のLED素子28に接続することで、負荷の分散を適切に図ることができる。
【0083】
(4)
図14に示すように、ドライバ141a,141bの各々に設けられる接続端子OUT0~OUT23は、それぞれ複数のグループGP0~GP7に分かれている。1つのグループGP0~GP7に含まれる接続端子OUT0~OUT23は、遅延時間T1が互いに同一となっている。そして、LED素子28,29の各々は、互いに異なるグループGP0~GP7に含まれる接続端子OUT0~OUT23が接続されている。例えば、グループGP0は、LED素子28aに接続され、グループGP2は、LED素子28bに接続されている。これにより、遅延時間T1でグループ化した接続端子OUT0~OUT23ごとに、接続先のLED素子28,29を変更することで、負荷の分散を適切に図ることができる。尚、後述する
図15の別実施例のように、グループGP0~GP7に関わらず、接続先を設定しても良い。
【0084】
(5)また、グループGP0~GP7の各々は、遅延時間T1が互いに異なっており、遅延時間T1の差が小さい組み合わせの複数のグループGP0~GP7にそれぞれ含まれる接続端子OUT0~OUT23が同一のLED素子28,29に接続されている。例えば、グループGP0,GP1の接続端子OUT0~OUT5が、LED素子28aに接続され、グループGP2,PG3の接続端子OUT6~OUT11が、LED素子28bに接続されている。これにより、遅延時間T1の差が小さい接続端子OUT0~OUT23を同一のLED素子28,29に接続することで、負荷の分散を適切に図ることができる。
【0085】
(6)また、ドライバ141a,141bの各々のグループGP0~GP7は、遅延時間T1が同一の組み合わせのグループ(グループGP0同士など)の接続端子が同一のLED素子28,29に接続されている。これにより、複数のドライバ141を用いて、出力タイミングTMが同一の複数の接続端子OUT0~OUT23を、同一のLED素子28,29に接続して負荷の分散を図ることができる。
【0086】
(7)サブ制御基板100は、複数のドライバ141に接続されている。複数のドライバ141の各々は、互いを識別するためのスレーブアドレスが設定されている。サブ制御基板100は、スレーブアドレスを指定して、LED素子28,29を発光させる開始指示を送信するドライバ141を選択する。そして、ドライバ141aのスレーブアドレスは、ドライバ141bのスレーブアドレスと同一となっている。これにより、複数のドライバ141a,141bに対する発光の開始指示を、1つのスレーブアドレスを用いて指示できる。複数のドライバ141a,141bを同時に駆動する制御(同じグループGP0から同時に出力する制御)を、比較的容易な処理で実現できる。また、同一構成のドライバ141に対し、同じスレーブアドレスを設定し、並列に接続することで、負荷の低減(さらなる分散)を図ることができる。
【0087】
(8)また、接続数Nは、パチンコ遊技機1の演出に応じて設定された最大輝度でLED素子28,29を発光させた場合に、LED素子28,29に流れる最大電流値と、接続端子OUT0~OUT23の許容電流値に基づいて設定されている。これにより、接続端子OUT0~OUT23と、LED素子28,29との間の、過電流保護用の抵抗素子をなくすことができ、LED基板22の小型化を図ることができる。また、接続数Nを、最大電流値と、許容電流値で規定することができる。
【0088】
(9)前パネル26及び後パネル27は、透過性を有する板状をなし、LED素子28,29から発光された光を側面から入射し光演出を行う。LED基板22は、LED素子28,29及びドライバ141を実装される。LED基板22は、
図2に示すように、前パネル26及び後パネル27の側方(上端面26a,27aの上)に配置される。このようにイルミパネルに用いる基板を、薄いパネルの側方に配置する場合、設置するスペースが制限される。従って、上記した1つのLED素子28,29に複数の接続端子OUT0~OUT23を接続し、抵抗素子を減らし、LED基板22の小型化を図ることは、イルミパネルの光源として用いる基板において極めて有効である。
【0089】
(10)遊技盤2は、透過性を有している。前パネル26及び後パネル27は、遊技盤2と平行な状態で配置されている(
図2)。LED基板22は、パチンコ遊技機1において遊技者から視認が困難な位置(前パネル26等の上方であって、後枠部材132の内部)に配置されている。透過性を有する遊技盤2等を介してLED基板22が遊技者から見え難い方が、意匠性(見た目)の観点や、光演出を阻害しない観点から好ましい。透過性を有する遊技盤2を用いて、且つ、遊技者から見え難い位置にLED基板22を配置しようとすると、配置する位置が限られてくる。従って、上記条件の場合、LED基板22の配置スペースがかなり限られ、狭いところにLED基板22を配置する必要が生じる。このような構成のパチンコ遊技機1において、上記した1つのLED素子28,29に複数の接続端子OUT0~OUT23を接続し、抵抗素子を減らし、LED基板22の小型化を図ることは、極めて有効である。
【0090】
〈他の実施例〉
(1)上記実施例では、本願の駆動手段として、発光手段であるLED素子28,29を採用したが、これに限らない。例えば、駆動手段として、第1大入賞口ソレノイド30a、第2大入賞口ソレノイド40a、振分部材ソレノイド42dなどのソレノイドを採用しても良く、各種のリレーを採用しても良く、第1始動口センサ11aなどのセンサを採用しても良く、スピーカ8を採用しても良い。即ち、遊技機で用いる手段で、且つ、ドライバなどの制御回路で駆動できる駆動手段であれば、適宜採用できる。この場合にも、1つの駆動手段に、ドライバに設けられた複数の接続端子を接続することで負荷の分散を図ることができる。また、1つのドライバに対して種類の異なる駆動手段(ソレノイドとリレーなど)を接続しても良い。
従って、本願の基板は、LED基板22に限らず、ソレノイド等を駆動する駆動基板でも良い。ソレノイドやリレー等であっても、パチンコ遊技機1の限られたスペースに駆動基板を配置する必要がある。このため、パチンコ遊技機1の構造によっては、駆動基板の実装領域が制限される。上記した1つの駆動手段に複数の接続端子を接続し、抵抗素子の数を減らすことは、発光手段に限らず、他の駆動手段に対しても極めて有効である。
また、発光手段は、LEDに限らず、ハロゲンランプなどの他の発光する素子でも良い。
また、1つのドライバ141に設けられる全ての接続端子OUT0~OUT23は、電力の伝送を開始しLED素子28,29を発光させる開始指示がサブ制御基板100からドライバ141に入力された時点から、実際に電力の伝送を開始する出力タイミングTMまでの遅延時間T1が同一でも良い。
【0091】
(2)上記したパチンコ遊技機1の構成は、一例である。例えば、パチンコ遊技機1は、前パネル26と後パネル27の2つのイルミパネルを備えたが、1枚のイルミパネルを備える構成でも良い。また、パチンコ遊技機1は、イルミパネルを備えない構成でも良い。
また、遊技盤2は、透過性を有しなくとも良い。例えば、遊技盤2の前に前パネル26や後パネル27を配置しても良い。
また、LED基板22を遊技者から見やすい位置に配置しても良い。
【0092】
(3)
図12に示す回路の構成は、一例である。
図15は、別実施例のLED基板22の回路図を示している。
図15に示すように、例えば、LED素子28は、LED143を1つだけ備える構成でも良い。また、2つのドライバ141a,141bに接続するLED素子28の数は、4つに限らず、1つ又は2つ、3つ、5つ以外の複数個でも良い。
図15は、3つのLED素子28a~28cを接続した場合を示している。また、
図15に示すように、接続端子OUT0~OUT23の順に、LED素子28a~28cにそれぞれ接続しても良い。
図15に示す例では、LED素子28aにドライバ141aの接続端子OUT0~OUT15が接続されている。また、LED素子28bにドライバ141aの接続端子OUT16~OUT23、及びドライバ141bの接続端子OUT0~OUT7が接続されている。また、LED素子28cにドライバ141bの接続端子OUT8~OUT23が接続されている。即ち、接続端子の順番に、LED素子28の数で除算した数の端子(
図15の場合であれば16個ずつ)を、各LED素子28に接続しても良い。この場合にも、1つの接続端子当たりの負荷の分散と、遅延時間T1のずれの抑制を図ることができる。
また、上記実施例では、遅延時間T1の異なるグループ(GP0とGP1など)を同じLED素子28に接続したが、遅延時間T1が同一のグループだけを同じLED素子28に接続しても良い。即ち、任意のLED素子28には、出力タイミングTMが同一の接続端子のみが接続される構成としても良い。
また、1つのLED素子28にドライバ141aの複数の接続端子と、ドライバ141bの複数の接続端子を接続したが、ドライバ141aの1つの接続端子と、ドライバ141bの1つの接続端子を接続しても良い。この場合にも、複数の接続端子によって負荷の分散を図ることができる。
また、1つのLED素子28に対して、複数のドライバ141a,141bを接続したが、1つのドライバ(例えば、ドライバ141aだけ)を接続しても良い。この場合にも、複数の接続端子によって負荷の分散を図ることができる。
また、主制御基板60がドライバ141を制御しても良い。
【0093】
(4)本発明の遊技機は、所謂、V確機に限らない。例えば、本発明は、大当たり抽選のときに、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態に移行することが約束された大当たり(いわゆる確変大当たり)であるか、あるいは、確変遊技状態に移行しない大当たり(いわゆる通常大当たり)であるかを抽選するパチンコ遊技機にも適用することができる。また、本発明は、ST(スペシャルタイム)の期間、高確率状態に制御される所謂「ST機」でも良い。このため、例えば、第1種パチンコ機、第2種パチンコ機、1種2種混合機やST機であっても良い。
本発明は、スロットマシン(パチスロ遊技機)などにも適用することができる。
【0094】
上記実施例から導き出される技術的思想を下記に記載する。
(イ)前記パネルは、
前記遊技盤の背面の全体を覆う大きさで形成される、請求項9に記載の遊技機。
【0095】
このような遊技盤の背面全体を覆う大きさのパネルでは、端部から入射した光をパネルの逆側の端部まで到達させようとすると、発光手段の輝度を高める必要がある。このような高輝度の発光手段に対して接続端子を1つだけ接続すると、接続端子に対する負荷が極めて高くなる。このため、このような遊技盤と同等の大きさをもつパネルに対する光源において本願発明の接続端子を複数接続する技術を適用することは、負荷を分散させる点で極めて有効である。
【符号の説明】
【0096】
1 パチンコ遊技機(遊技機)、2 遊技盤、22 LED基板(基板)、26 前パネル(パネル)、27 後パネル(パネル)、28,29 LED素子(駆動手段、発光手段)、100 サブ制御基板(制御手段)、141,141a,141b ドライバ(第1ドライバ、第2ドライバ)、GP0~GP7 グループ、N 接続数、OUT0~OUT23 接続端子(第1接続端子、第2接続端子)、TM 出力タイミング(開始タイミング)、T1 遅延時間。