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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101783
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/10 20060101AFI20240723BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240723BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H01F30/10 S
H01F30/10 F
H01F30/10 E
H01F30/10 M
H01F30/10 T
H01F27/28 152
H01F27/29 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005913
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】ニデックモビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】林 和輝
(72)【発明者】
【氏名】後藤 健太
(72)【発明者】
【氏名】西川 聡
(72)【発明者】
【氏名】藤本 明宏
【テーマコード(参考)】
5E043
【Fターム(参考)】
5E043EA01
5E043EA05
5E043EA06
5E043EB01
(57)【要約】
【課題】放熱性を向上させた電子機器を実現する。
【解決手段】電子機器(1)は、1次コイル(3)と、2次コイル(4)と、コア(2)と、ボビン(33,44)と、を備えている。第1バスバー(41)は、第1グランド端子(411)を有している。第2バスバー(42)は、第2グランド端子(421)を有している。第1グランド端子(411)及び第2グランド端子(421)は、上面視において互いに重ならないように、ボビン(33,44)から略同一方向に突出して配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次コイルと、
第1バスバーと、第2バスバーと、前記第1バスバー及び前記第2バスバーを収容するボビンと、を有する2次コイルと、
前記1次コイルと前記2次コイルとを磁気結合するコアと、
を備え、
前記第1バスバーは、グランドに接続される第1グランド端子を有し、
前記第2バスバーは、グランドに接続される第2グランド端子を有し、
前記第1グランド端子及び前記第2グランド端子は、上面視において互いに重ならないように、前記ボビンから略同一方向に突出して配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1グランド端子と前記第2グランド端子とは、前記電子機器の高さ方向において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器は、電子装置の支持基台に取り付けられるものであって、
前記2次コイルは、前記支持基台に設けられた支持部材に支持され、
前記第1グランド端子は、第1ネジ孔を有し、前記第1ネジ孔に挿通された第1ネジにより、前記支持部材に締結され、
前記第2グランド端子は、第2ネジ孔を有し、前記第2ネジ孔に挿通された第2ネジにより前記支持部材に締結されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記ボビンは、ネジ孔が設けられたカラーを有し、
前記カラーは、前記ボビンにおける前記第1ネジ孔及び前記第2ネジ孔とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電子機器は、前記支持基台の上面に設けられた載置面に接続されるものであって、
前記第1バスバーは、第1出力端子を有し、
前記第2バスバーは、第2出力端子を有し、
前記第1出力端子及び前記第2出力端子は、それぞれ超音波溶接により前記載置面に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1次側コイルが収納されるケースの円筒部に、一対の2次側コイルの各グランド端子を嵌合させて位置決めするガイド部が一体に形成されたトランスについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-185725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のトランスでは、一対の2次側コイルの各グランド端子が積層されて配置されている。このため、特許文献1のトランスには、2次側コイルの放熱性が悪いという課題がある。
【0005】
本開示は、放熱性を向上させた電子機器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の態様1に係る電子機器は、1次コイルと、第1バスバーと、第2バスバーと、前記第1バスバー及び前記第2バスバーを収容するボビンと、を有する2次コイルと、前記1次コイルと前記2次コイルとを磁気結合するコアと、を備えている。前記第1バスバーは、グランドに接続される第1グランド端子を有している。前記第2バスバーは、グランドに接続される第2グランド端子を有している。前記第1グランド端子及び前記第2グランド端子は、平面視にて互いに重ならないように、前記ボビンから略同一方向に突出して配置されている。
【0007】
上記構成によれば、第1バスバーの第1グランド端子及び第2バスバーの第2グランド端子が、上面視において互いに重ならないように、ボビンから略同一方向に突出して配置されているので、第1グランド端子及び第2グランド端子が上下方向に積層された従来の構成よりも、第1グランド端子及び第2グランド端子と、2次コイルを支持する支持部材との接触面積が増加する。これにより、第1バスバー及び第2バスバーの放熱面積を大きくでき、電子機器の放熱性を向上させることができる。
【0008】
本開示の態様2に係る電子機器では、前記第1グランド端子と前記第2グランド端子とは、前記電子機器の高さ方向において異なる位置に配置されている。
【0009】
上記構成によれば、従来のように第1グランド端子及び第2グランド端子が積層された構成ではないため、第2グランド端子を第1グランド端子側に屈曲させて、第1グランド端子及び第2グランド端子のトランスの高さ方向の位置を調整する必要がない。従って、第2バスバーを屈曲させる工程を省略できるので、電子機器の製造性を向上できる。
【0010】
本開示の態様3に係る電子機器では、前記電子機器は、電子装置の支持基台に取り付けられるものであって、前記2次コイルは、前記支持基台に設けられた支持部材に支持され、前記第1グランド端子は、第1ネジ孔を有し、前記第1ネジ孔に挿通された第1ネジにより、前記支持部材に締結され、前記第2グランド端子は、第2ネジ孔を有し、前記第2ネジ孔に挿通された第2ネジにより前記支持部材に締結される。
【0011】
上記構成によれば、第1ネジ孔及び第2ネジ孔にそれぞれネジを挿通させることによって、電子機器の電子装置への固定強度を向上させることができる。
【0012】
本開示の態様4に係る電子機器では、前記ボビンは、ネジ孔が設けられたカラーを有している。前記カラーは、前記ボビンにおける前記第1ネジ孔及び前記第2ネジ孔とは反対側に配置されている。
【0013】
上記構成によれば、ボビンにおける第1ネジ孔及び第2ネジ孔とは反対側に設けられたカラーのネジ孔にネジを挿通させて、2次コイルを電子装置に締結することで、電子機器の電子装置への固定強度を十分確保できる。
【0014】
本開示の態様5に係る電子機器では、前記電子機器は、前記支持基台の上面に設けられた載置面に接続されるものである。前記第1バスバーは、第1出力端子を有している。前記第2バスバーは、第2出力端子を有している。前記第1出力端子及び前記第2出力端子は、それぞれ超音波溶接により前記載置面に接続されている。
【0015】
上記構成によれば、第1出力端子及び第2出力端子がそれぞれ超音波溶接によって支持基台の載置面に接続されているので、ネジにより締結することなく、簡易な構成で電子機器の電子装置への固定強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一態様によれば、放熱性を向上させた電子機器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の実施形態に係るトランスを備えたDC/DCコンバータの構成を示す斜視図である。
図2】実施形態に係るトランスの全体構成を示す斜視図である。
図3】実施形態に係るトランスの構成を示す分解斜視図である。
図4】実施形態に係るトランスの構成を示す上面図である。
図5】実施形態に係るトランスの側面図である。
図6】実施形態に係るトランスの2次コイルのグランド端子の取付け構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施形態について、図1図6を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るトランス1を備えたDC/DCコンバータ100の構成を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、トランス1は、DC/DCコンバータ100の支持基台110の上面に取り付けられる。DC/DCコンバータ100は、電子装置の一例である。支持基台110の上面には、トランス1と、トランス1以外の周辺機器120とが設けられている。トランス1は、電磁誘導作用を利用して電圧の高さを変換する機器であり、電子機器の一例である。なお、トランス1は、DC/DCコンバータ100に限らず、他にも、インバータ等の電子装置に設けられていてもよい。
【0020】
図2は、トランス1の全体構成を示す斜視図である。図3は、トランス1の構成を示す分解斜視図である。図2及び図3に示すように、トランス1は、コア2と、1次コイル3と、2次コイル4と、を備えている。以下、説明の便宜上、図2及び図3の矢印に示されるように、トランス1の上下方向、左右方向、及び前後方向を定義する。
【0021】
コア2は、第1コア21と、第2コア22とを有して構成される。コア2は、圧粉磁心、フェライトコア、積層鋼板等の磁性体から形成されている。コア2は、第1コア21と第2コア22とが接合することで、閉じた磁気回路を形成する。
【0022】
第1コア21は、I字型の形状を有し、2次コイル4のボビン44の上方に配置されている。第2コア22は、E字型の形状を有し、第1コア21の下方に配置されている。第2コア22は、本体部220、壁部221、壁部222、及び柱部223を有している。
【0023】
壁部221は、本体部220の左側の端部から上方へ突出している。壁部222は、本体部220の右側の端部から上方へ突出している。柱部223は、楕円柱状の形状を有し、本体部220の中央部から上方へ突出している。
【0024】
柱部223の周囲には、1次コイル3及び2次コイル4が配置される。即ち、1次コイル3の1次巻線部31と、2次コイル4の第1バスバー41及び第2バスバー42とは、コア2の柱部223の周囲に巻回される。このようにして、コア2は、1次巻線部31と、第1バスバー41及び第2バスバー42とを磁気結合させる。
【0025】
第1コア21と第2コア22とは、壁部221及び壁部222の外側の面に取り付けられたテープ224によって固定されている。
【0026】
1次コイル3は、1次巻線部31と、入力端子32と、ボビン33とを有している。1次巻線部31は、銅等の導電性部材からなる電線が、円環状に巻回されたものである。一対の入力端子32は、1次巻線部31の両端部から引き出されている。これら一対の入力端子32は、トランス1の側面から突出し、トランス1の側面に水平に並ぶように配置されている。
【0027】
一対の入力端子32は、第1コア21の壁部221から外部に導出され、図示しない外部機器と電気的に接続される。外部機器から入力端子32を介してトランス1に電力が供給されると、1次コイル3の1次巻線部31に電流が流れる。
【0028】
ボビン33は、絶縁性を有する合成樹脂から形成されている。ボビン33の下面には、1次巻線部31が接着剤により貼り付けられている。ボビン33は、貫通孔331aが設けられた円筒状の突出部331を有している。突出部331は、2次コイル4の第1バスバー41及び第2バスバー42の中央部、絶縁部材43の孔43a、ボビン44の孔44aに挿通される。
【0029】
2次コイル4は、第1バスバー41と、第2バスバー42と、絶縁部材43と、ボビン44とを有して構成される。図1に示すように、2次コイル4は、支持基台110の上面に設けられ支持部材101に支持される。
【0030】
図3に示すように、第1バスバー41は、銅等から形成された円環状の導電性部材である。第1バスバー41は、ボビン44の下方に配置され、2次巻線部410と、第1グランド端子411と、第1出力端子412とを有している。
【0031】
2次巻線部410は、コア2の柱部223の周囲に1ターン巻回されている。第1グランド端子411は、第1バスバー41の一端部に設けられている。第1出力端子412は、第1バスバー41の他端部に設けられている。
【0032】
第2バスバー42は、銅等から形成された円環状の導電性部材である。第2バスバー42は、絶縁部材43を介して、第1バスバー41の下側に対向して配置されている。第2バスバー42は、2次巻線部420と、第2グランド端子421と、第2出力端子422とを有している。
【0033】
2次巻線部420は、コア2の柱部223の周囲に1ターン巻回されている。第2グランド端子421は、第2バスバー42の一端部に設けられている。第2出力端子422は、第2バスバー42の他端部に設けられている。
【0034】
ここで、図4は、トランス1の構成を示す上面図である。図2図4に示すように、第1グランド端子411及び第2グランド端子421は、上面視において互いに重ならないように、ボビン44から略同一方向に突出して配置されている。
【0035】
具体的には、第1グランド端子411は、2次巻線部410の一端部に設けられ、ボビン44から前方に突出している。第2グランド端子421は、2次巻線部420の一端部に設けられ、ボビン44から前方に突出している。
【0036】
また、第1出力端子412及び第2出力端子422は、上面視において互いに重ならないように、ボビン44から前方に突出して配置されている。具体的には、第1出力端子412は、2次巻線部410の他端部に設けられ、ボビン44から前方に突出している。第2出力端子422は、2次巻線部420の他端部に設けられ、ボビン44から前方に突出している。
【0037】
第1出力端子412は、2次巻線部410の他端部から下方に屈曲した第1屈曲部412aと、第1屈曲部412aから前方に延出した第1延出部412bとを有している。第1延出部412bは、第1グランド端子411の下側に位置している。
【0038】
第1出力端子412は、第1バスバー41の第1グランド端子411とは反対側の端部に設けられている。第1出力端子412は、第1グランド端子411よりも下側に位置している。第1出力端子412の第1延出部412bは、支持基台110の上面に設けられた載置面102に超音波溶接によって接続されている。
【0039】
第2出力端子422は、2次巻線部420の他端部から下方に屈曲した第2屈曲部422aと、第2屈曲部422aから前方に延出した第2延出部422bとを有している。第2延出部422bは、第2グランド端子421の下側に位置している。
【0040】
第2出力端子422は、第2バスバー42の第2グランド端子421とは反対側の端部に設けられている。第2出力端子422は、第2グランド端子421よりも下側に位置している。第2出力端子422の第2延出部422bは、載置面102に超音波溶接によって接続されている。
【0041】
ここで、図5は、トランス1の側面図である。図5に示すように、第1グランド端子411と第2グランド端子421とは、トランス1の高さ方向、即ち上下方向において異なる位置に配置されている。具体的には、第2グランド端子421は、第1グランド端子411よりも下側に配置されている。
【0042】
図6は、第1グランド端子411及び第2グランド端子421の取付け構造を示す拡大断面図である。図6に示すように、第1グランド端子411には、第1ネジ111が挿通される第1ネジ孔411aが設けられている。第1グランド端子411は、第1ネジ111により支持部材101に締結されている。支持部材101は、支持基台110の上面に設けられ、支持基台110を介してグランドに接続されている。
【0043】
第2グランド端子421には、第2ネジ112が挿通される第2ネジ孔421aが設けられている。第2グランド端子421は、第2ネジ112により支持部材101に締結されている。このように、第1グランド端子411及び第2グランド端子421は、支持部材101に接続され、センタータップ端子となる。
【0044】
トランス1の動作時には、2次コイル4に大電流が流れることによって、第1バスバー41及び第2バスバー42が発熱する。第1バスバー41及び第2バスバー42で発生した熱は、第1グランド端子411及び第2グランド端子421を支持する支持部材101を介して、支持基台110へ放熱される。
【0045】
なお、第1ネジ孔411a及び第2ネジ孔421aの大きさは、固定強度を確保可能な最小限の大きさに設定されていることが好ましい。第1ネジ孔411a及び第2ネジ孔421aの大きさを極力小さくすることで、第1グランド端子411及び第2グランド端子421の放熱面積を大きくすることができ、トランス1の放熱性を高めることができる。
【0046】
図3に示すように、絶縁部材43は、孔43aを有する円環状の絶縁性部材から形成される。絶縁部材43は、第1バスバー41と第2バスバー42との間に配置されている。絶縁部材43は、第1バスバー41の下面と、第2バスバー42の上面との間を絶縁している。
【0047】
ボビン44は、孔44aを有している。ボビン44は、第1コア21とボビン33との間に配置されている。ボビン44の孔44a、第1バスバー41及び第2バスバー42の中央部、及び絶縁部材43の孔43aに、1次コイル3のボビン33の突出部331が挿入され、ボビン33の突出部331の周囲に、第1バスバー41、第2バスバー42、及び絶縁部材43が配置される。なお、孔44a、孔43a、及び突出部331の貫通孔331aは、それぞれの中心軸が同軸になるように配置される。
【0048】
ボビン44は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の絶縁性及び高耐熱性を有する合成樹脂で形成されている。なお、ボビン44は、ボビン33と同一の材料から形成されていることが好ましい。
【0049】
ボビン44は、上述の合成樹脂と、当該合成樹脂に第1バスバー41、第2バスバー42、及び絶縁部材43とが一体化するようにインサート成形される。ボビン44の孔44aには、ボビン33の突出部331が挿入され、ボビン33とボビン44とが一体化されている。これにより、ボビン33とボビン44とが構成する収容空間に、第1バスバー41、第2バスバー42、及び絶縁部材43が収容されることになる。
【0050】
なお、本実施形態では、上記収容空間を構成するボビンは、別体である2つのボビン33及びボビン44が一体化されたものであるとしたが、これに限定されない。上記収容空間を構成するボビンが1つのボビンであっても構わない。
【0051】
図1及び図4に示すように、ボビン44における第1ネジ孔411a及び第2ネジ孔421aとは反対側の端部には、カラー441が設けられている。カラー441には、ネジ113が挿通されるネジ孔441aが設けられている。ボビン44は、支持基台110の載置面102にネジ113により締結される。
【0052】
以上説明した本実施形態のトランス1によれば、図2及び図4に示すように、第1バスバー41の第1グランド端子411及び第2バスバー42の第2グランド端子421が、上面視において互いに重ならないように、ボビン44から略同一方向に突出して配置されている。
【0053】
このため、第1グランド端子及び第2グランド端子が上下方向に積層された従来の構成よりも、第1グランド端子411及び第2グランド端子421と支持部材101との接触面積が増加するので、第1バスバー41及び第2バスバー42の放熱面積を大きくでき、トランス1の放熱性を向上できる。
【0054】
このように、トランス1の放熱性を向上できるので、第1グランド端子411及び第2グランド端子421の高さ方向、即ち図5の上下方向の厚さを低減させることが可能となる。これにより、第1グランド端子411及び第2グランド端子421の断面積を減少させて、トランス1の小型化を図ることができる。
【0055】
また、第1バスバー41の第1グランド端子411と、第2バスバー42の第2グランド端子421とが、異なる高さに配置されているため、第2グランド端子421を第1グランド端子411側に屈曲させて、第2グランド端子421を第1グランド端子411に積層させる必要がない。従って、第2バスバー42を屈曲させる工程を省略できるので、トランス1の製造性を向上できる。
【0056】
また、第1グランド端子411に第1ネジ孔411aが設けられ、第2グランド端子421に第2ネジ孔421aが設けられているので、第1ネジ111及び第2ネジ112により、2次コイル4の第1バスバー41をDC/DCコンバータ100の支持部材101に確実に固定できる。
【0057】
更に、図1及び図4に示すように、ボビン44のカラー441のネジ孔441aにネジ113を挿通させることにより、ボビン44をDC/DCコンバータ100の載置面102に固定できる。これにより、トランス1のDC/DCコンバータ100への固定強度を十分確保できる。
【0058】
このように、カラー441のネジ孔441aと、第1グランド端子411の第1ネジ孔411aと、第2グランド端子421の第2ネジ孔421aとの3箇所にて、トランス1とDC/DCコンバータ100とをネジ締結することで、固定強度を十分確保できるので、従来のように複数個所にカラーを設ける必要がない。従って、複数のカラーを設ける場合よりも、ネジ締結のスペースを小さくできるので、トランス1を小型にすることができる。
【0059】
また、第1出力端子412及び第2出力端子422がそれぞれ超音波溶接によって、載置面102に接続されているので、ネジにより締結することなく、簡易な構成でトランス1のDC/DCコンバータ100への固定強度を高めることができる。
【0060】
〔その他の実施形態〕
上記した実施形態では、電子機器の一例として、トランス1に本開示を適用したが、これに限らず、例えば、チョークコイル等の電子機器に、本開示を適用してもよい。
【0061】
上記した実施形態のトランス1では、コア2は、E字型の第2コア22と、I型の第1コア21とを組み合わせた構成であるとしたが、これに限らず、例えば2つのE字型のコアを組み合わせた構成であってもよい。
【0062】
また、第1グランド端子411及び第2グランド端子421の突出方向の長さ、即ち図4の前後方向の長さを長くすることにより、第1バスバー41及び第2バスバー42における放熱面積を大きくして、トランス1の放熱性を向上させるようにしてもよい。
【0063】
上記した実施形態では、2次巻線部410及び2次巻線部420は、コア2の柱部223の周囲に1ターン巻回されているものとしたが、これに限らず、複数ターン巻回するようにしてもよい。
【0064】
本開示は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 トランス
2 コア
3 1次コイル
4 2次コイル
21 第1コア
22 第2コア
41 第1バスバー
42 第2バスバー
100 DC/DCコンバータ
101 支持部材
102 載置面
110 支持基台
111 第1ネジ
112 第2ネジ
113 ネジ
411 第1グランド端子
411a 第1ネジ孔
412 第1出力端子
421 第2グランド端子
421a 第2ネジ孔
422 第2出力端子
441 カラー
441a ネジ孔

図1
図2
図3
図4
図5
図6