(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101793
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】合流支援装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240723BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240723BHJP
B60W 30/09 20120101ALI20240723BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20240723BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 H
B60W30/09
B60W50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005929
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英明
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA33
3D241BA55
3D241BB46
3D241BC01
3D241BC02
3D241CE02
3D241CE03
3D241CE04
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】車両の合流をより適切に支援することができる合流支援装置を得る。
【解決手段】本発明の一実施の形態に係る合流支援装置は、第1の車両が合流を予定している合流地点の位置についての合流地点情報を含む第1の要求信号を受信可能な受信部と、第1の要求信号に含まれる合流地点情報に基づいて、合流地点に到達するまでに自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができるかどうかを判断可能な処理部と、処理部が、自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができないと判断した場合に、自車両の後方を走行する第2の車両に対して、第1の要求信号に含まれる合流地点情報を含む第2の要求信号を送信可能な送信部とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の車両が合流を予定している合流地点の位置についての合流地点情報を含む第1の要求信号を受信可能な受信部と、
前記第1の要求信号に含まれる前記合流地点情報に基づいて、前記合流地点に到達するまでに自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができるかどうかを判断可能な処理部と、
前記処理部が、前記自車両の速度を前記所定の速度以下の速度にすることができないと判断した場合に、前記自車両の後方を走行する第2の車両に対して、前記第1の要求信号に含まれる前記合流地点情報を含む第2の要求信号を送信可能な送信部と
を備えた合流支援装置。
【請求項2】
前記第1の要求信号は、前記第1の車両から送信された
請求項1に記載の合流支援装置。
【請求項3】
前記第1の要求信号は、前記自車両の前方を走行する第3の車両から送信された
請求項1に記載の合流支援装置。
【請求項4】
前記処理部は、ドライバによる制動操作が行われたかどうかを検出可能であり、
前記送信部は、前記処理部が、前記合流地点に到達するまでに前記自車両の速度を前記所定の速度以下の速度にすることができると判断し、ドライバによる制動操作を検出しなかった場合に、前記第2の車両に対して、前記第2の要求信号を送信可能である。
請求項1に記載の合流支援装置。
【請求項5】
前記送信部は、前記処理部が、前記合流地点に到達するまでに前記自車両の速度を前記所定の速度以下の速度にすることができると判断し、ドライバによる制動操作を検出した場合に、前記第1の車両に対して応答信号を送信可能である
請求項4に記載の合流支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の合流を支援する合流支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、しばしば、多くの車両が走行している走行路に合流する。例えば、特許文献1には、このような車両の合流を支援する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、車両が、多くの車両が走行している走行路に合流する際は、車両の合流を適切に支援することが望まれており、より適切な支援が期待されている。
【0005】
車両の合流をより適切に支援することができる合流支援装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態に係る合流支援装置は、受信部と、処理部と、送信部とを備えている。受信部は、第1の車両が合流を予定している合流地点の位置についての合流地点情報を含む第1の要求信号を受信可能なものである。処理部は、第1の要求信号に含まれる合流地点情報に基づいて、合流地点に到達するまでに自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができるかどうかを判断可能なものである。送信部は、処理部が、自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができないと判断した場合に、自車両の後方を走行する第2の車両対して、第1の要求信号に含まれる合流地点情報を含む第2の要求信号を送信可能なものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施の形態に係る合流支援装置によれば、車両の合流をより適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の一実施の形態に係る合流支援システムの一構成例を表す構成図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した合流支援装置の一構成例を表すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した合流支援システムの一動作例を表す説明図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した合流支援システムにおける合流支援処理の一例を表すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、
図1に示した合流支援システムの一動作例を表す他の説明図である。
【
図6】
図6は、
図1に示した合流支援システムの他の一動作例を表す説明図である。
【
図7】
図7は、
図1に示した合流支援システムにおける合流支援処理の他の一例を表すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、
図1に示した合流支援システムの他の一動作例を表す説明図である。
【
図9A】
図9Aは、
図1に示した合流支援システムにおける合流支援処理の他の一例を表すシーケンス図である。
【
図9B】
図9Bは、
図1に示した合流支援システムにおける合流支援処理の他の一例を表す他のシーケンス図である。
【
図10A】
図10Aは、合流しようとしている車両における合流支援処理の一例を表すフローチャートである。
【
図10B】
図10Bは、合流しようとしている車両における合流支援処理の一例を表す他のフローチャートである。
【
図11A】
図11Aは、走行路を走行している車両における合流支援処理の一例を表すフローチャートである。
【
図11B】
図11Bは、走行路を走行している車両における合流支援処理の一例を表す他のフローチャートである。
【
図12】
図12は、変形例に係る合流支援システムにおける合流支援処理の一例を表すシーケンス図である。
【
図13A】
図13Aは、変形例に係る合流支援システムにおける合流支援処理の他の一例を表すシーケンス図である。
【
図13B】
図13Bは、変形例に係る合流支援システムにおける合流支援処理の他の一例を表す他のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
<実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る合流支援装置が設けられた合流支援システム1の一構成例を表すものである。合流支援システム1は、複数の車両10を有している。なお、
図1では、2台の車両10(車両10A,10B)を図示している。車両10は、自動車などの車両である。車両10のそれぞれは、合流支援装置9を有している。
【0011】
合流支援システム1では、例えば、車両10Aは、複数の車両が走行している走行路に合流する場合に、車車間通信により、要求信号REQ(要求信号REQ1)を送信する。要求信号REQ1は、例えば、車両10Aが合流を予定している地点(合流地点P)の位置についてのデータを含む。車両10Aが合流しようとしている走行路を走行している車両10B(例えば車両10B1)は、その要求信号REQ1に基づいて、その合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを確認する。車両10B1は、その合流地点Pに到達するまでに十分に減速できる場合には、車両10Aに対して応答信号ACKを送信するとともに、車両10Aが合流できるように、その合流地点Pに到達するまでに減速する。車両10B1は、その合流地点Pに到達するまでに十分に減速できない場合には、車両10B1の後方を走行する他の車両10B(例えば車両10B2)に、合流地点Pの位置についてのデータを含む要求信号REQ(要求信号REQ2)を送信する。車両10B2は、その要求信号REQ2に基づいて、その合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを確認する。車両10B2は、その合流地点Pに到達するまでに十分に減速できる場合には、車両10Aに対して応答信号ACKを送信するとともに、車両10Aが合流できるように、その合流地点Pに到達するまでに減速する。合流支援システム1では、このように、車両10Aが要求信号REQ1を直接送信することができる車両10B1だけでなく、車両10Aが要求信号REQ1を直接送信することができないような遠い車両10Bに対して要求信号REQ2を送信することにより、車両10Aの合流を適切に支援することができるようになっている。
【0012】
図2は、合流支援装置9の一構成例を表すものである。合流支援装置9は、ナビゲーション部11と、撮像部14と、通信部15と、ユーザインタフェース16と、処理部20とを備えている。
【0013】
ナビゲーション部11は、車両10が走行すべき目的地までのルート(予定走行ルート)を決定するとともに、運転者に情報を提供することにより、決定したルートに沿って車両10を誘導するように構成される。ナビゲーション部11は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部12と、ナビゲーション処理部13とを有している。GNSS受信部12は、GPS(Global Positioning System)などのGNSSを用いて、地上での車両10の位置を取得するように構成される。ナビゲーション処理部13は、道路地図についてのデータを含む地図データベースを用いて、車両10の予定走行ルートを決定する。ナビゲーション処理部13は、例えば、地図データベースを記憶する記憶部を有し、記憶部に記憶された地図データベースを用いて予定走行ルートを決定してもよいし、例えば地図データベースが記憶されたネットワークサーバと通信を行う通信部を有し、このネットワークサーバから取得したデータに基づいて予定走行ルートを決定してもよい。ナビゲーション部11は、例えば、ドライバがユーザインタフェース16を操作することにより入力した目的地についての情報に基づいて目的地までの予定走行ルートを決定し、決定したルートについての情報を、このユーザインタフェース16を用いて運転者に提供する。また、ナビゲーション部11は、地図データベースに基づいて、車両10の前方の合流地点Pの位置、車両10の位置、車両10が走行しているレーンについてのデータを処理部20に供給するようになっている。
【0014】
撮像部14は、車両10の前方を撮像することにより撮像画像を生成するように構成される。撮像部14は、例えば、単眼カメラやステレオカメラを用いて構成される。撮像部14は、撮像画像を処理部20に供給するようになっている。
【0015】
通信部15は、車両10の周囲の車両と車車間通信を行うように構成される。具体的には、通信部15は、例えば、V2X(Vehicle to Everything)通信などの無線通信を用いて、車両10の周囲の車両と通信を行うようになっている。
【0016】
ユーザインタフェース16は、例えば、表示パネル、タッチパネル、各種ボタンなどを有し、車両10の乗員の操作を受け付けるとともに、乗員へ情報を通知するように構成される。
【0017】
処理部20は、車両10の合流を支援する処理を実行するように構成される。処理部20は、例えば、1または複数のプロセッサや、1または複数のメモリなどを含んで構成され、プログラムを実行することにより、車両10の合流を支援する合流支援処理を行う。処理部20は、通信処理部21と、判断部22と、協力車両決定部23と、合流終了確認部24と、通知処理部25と、外部環境検出部26と、運転モード設定部27と、走行制御部28とを有している。
【0018】
通信処理部21は、通信部15が送信する信号の送信処理、および通信部15が受信した信号の受信処理を行うように構成される。
【0019】
判断部22は、要求信号REQに応答すべきかどうかを判断し、その要求信号REQに応答すべきである場合には、要求信号REQに含まれる合流地点Pの位置についてのデータに基づいて、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断するように構成される。具体的には、車両10Bの判断部22は、ナビゲーション部11から供給されたデータに基づいて、車両10Bの位置が合流地点Pよりも手前であり、車両10Bが走行しているレーンが、合流されるべきレーンであるかどうかを判断することにより、その要求信号REQに応答すべきかどうかを判断する。そして、車両10Bの判断部22は、その要求信号REQに応答すべきである場合には、要求信号REQに含まれる合流地点Pの位置についてのデータに基づいて、車両10Bの位置から合流地点Pまでの距離を算出し、車両10Bの速度および合流地点Pまでの距離に基づいて、合流地点Pに到達するまでに車両10Bの速度を所定の速度以下にまで減速できるかどうかを判断するようになっている。
【0020】
協力車両決定部23は、合流に協力してもらえる協力相手となる車両を決定するように構成される。具体的には、車両10Aの協力車両決定部23は、通信部15が、例えば1つの車両10Bから送信された1つの応答信号ACKを受信した場合には、その車両10Bを、合流の協力相手として決定する。また、車両10Aの協力車両決定部23は、通信部15が、例えば複数の車両10Bから送信された複数の応答信号ACKを受信した場合には、その複数の車両10Bのうちの1台を、合流の協力相手として選択するようになっている。
【0021】
合流終了確認部24は、車両10Aの合流が終了した場合に、合流支援処理の終了確認を行うように構成される。具体的には、車両10Aの合流終了確認部24は、例えば、ナビゲーション部11から供給されたデータや、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。また、車両10Bの合流終了確認部24は、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが車両10Bの前方に合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行うようになっている。なおこれに限定されるものではなく、例えば、車両10Aの通信部15が、車両10B2に対して、車両10Aが合流した旨のデータを送信し、車両10B2の通信部15は、車両10Aに対して、車両10B2の前方に車両10Aが合流した旨のデータを送信し、合流終了確認部24が、これらの通信結果に基づいて合流支援処理の終了確認を行うようにしてもよい。
【0022】
通知処理部25は、ユーザインタフェース16を用いて、車両10の乗員に情報を通知するように構成される。
【0023】
外部環境検出部26は、撮像部14から供給された撮像画像に基づいて、車両10の周囲の環境を検出するように構成される。
【0024】
運転モード設定部27は、例えばドライバの操作に基づいて、自動運転モードおよびマニュアル運転モードのうちの1つを設定するように構成される。自動運転モードは、車両10が、自動で走行するモードであり、マニュアル運転モードは、車両10が、ドライバの運転操作に基づいて走行するモードである。
【0025】
走行制御部28は、車両10のモータやエンジンなどの動力源、操舵装置、制動装置などの動作を制御することにより、車両10の走行制御を行うように構成される。走行制御部28は、車両10が自動運転モードで走行している場合には、自動運転制御の処理結果に基づいて、車両10の走行を制御する。また、走行制御部28は、車両10がマニュアル運転モードで走行している場合には、ドライバの運転操作に基づいて、車両10の走行を制御するようになっている。
【0026】
ここで、通信部15は、本開示の一実施の形態における「受信部」および「送信部」の一具体例に対応する。処理部20は、本開示の一実施の形態における「処理部」の一具体例に対応する。合流地点Pは、本開示の一実施の形態における「合流地点」の一具体例に対応する。車両10Aは、本開示の一実施の形態における「第1の車両」の一具体例に対応する。要求信号REQは、本開示の一実施の形態における「第1の要求信号」および「第2の要求信号」の一具体例に対応する。応答信号ACKは、本開示の一実施の形態における「応答信号」の一具体例に対応する。
【0027】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の合流支援システム1の動作および作用について説明する。
【0028】
(全体動作概要)
まず、
図1,2を参照して、合流支援システム1における合流支援装置9の動作を説明する。複数の車両が走行している走行路に合流しようとしている車両10Aは、車両10Aの前方の合流地点Pの位置についてのデータを含む要求信号REQ(要求信号REQ1)を送信する。車両10Aが合流しようとしている走行路を走行している車両10B(例えば車両10B1)は、要求信号REQ1に含まれる合流地点Pの位置についてのデータに基づいて、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断する。車両10B1は、その合流地点Pに到達するまでに十分に減速できる場合には、車両10Aに対して応答信号ACKを送信するとともに、車両10Aが合流できるように、その合流地点Pに到達するまでに減速する。車両10B1は、その合流地点Pに到達するまでに十分に減速できない場合には、車両10B1の後方を走行する他の車両10B(例えば車両10B2)に、合流地点Pの位置についてのデータを含む要求信号REQ(要求信号REQ2)を送信する。車両10B2は、要求信号REQ2に含まれる合流地点Pの位置についてのデータに基づいて、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断する。車両10B2は、その合流地点Pに到達するまでに十分に減速できる場合には、車両10Aに対して応答信号ACKを送信するとともに、車両10Aが合流できるように、その合流地点Pに到達するまでに減速する。
【0029】
(詳細動作)
以下に、いくつか例を挙げて、合流支援システム1の動作について詳細に説明する。なお、この例では、走行路の中央より左を通行する、いわゆる左側通行の例で説明するが、これに限定されるものではなく、走行路の中央より右を通行する、いわゆる右側通行の例に適用してもよい。
【0030】
(ケースC1)
まず、車両10Aから送信された要求信号REQ1を受信した車両10B1,10B2が、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できる場合について説明する。
【0031】
図3は、ケースC1における合流支援システム1の一動作例を表すものである。この例では、走行路100が南北方向に延伸し、走行路110が東西方向に延伸する。走行路100は、この例では、片側2レーンからなる、合計4レーンの走行路である。
図3において、走行路100における左側の2つのレーン(レーンL1,L2)では、複数の車両10が南から北に向かって走行している。走行路110は、走行路100の西側にあり、走行路100に突き当たる。走行路110は、この例では、片側1レーンからなる、合計2レーンの走行路である。走行路110では、西から東に向かって走行してきた車両10Aが、走行路100のレーンL1に合流しようとしている。レーンL1には、複数の車両10が走行しているので、車両10Aは、タイミングを見計らって、走行路100のレーンL1に合流しようとする。走行路100のレーンL1には、車両10B1,10B2が、車両10Aが合流を予定している地点(合流地点P)に向かって走行している。この例では、車両10B1,10B2は、自動運転モードで走行している。
【0032】
この例では、レーンL1には、複数の車両10が走行しており、車両10Aは、なかなかレーンL1に合流できない。このような場合において、車両10Aは、所定の時間(例えば数十秒)にわたりレーンL1に合流できない場合には、要求信号REQ1を送信する。これにより、合流支援システム1における合流支援処理が開始される。
【0033】
図4は、ケースC1における合流支援処理の一例を表すものである。
【0034】
車両10Aの通信処理部21は、要求信号REQ1を生成する(ステップS101)。具体的には、車両10Aの通信処理部21は、ナビゲーション部11から供給された、車両10Aの前方の合流地点Pの位置についてのデータ、および車両10Aの識別子データを含む要求信号REQ1を生成する。
【0035】
そして、車両10Aの通信部15は、この要求信号REQ1を送信する(ステップS102)。車両10Aの通信部15は、ブロードキャストにより、
図3に示した通信範囲R1における、車両10B1,10B2を含む複数の車両10に対して、この要求信号REQ1を送信する。
図3では、通信範囲R1を、車両10Aを中心とした円を用いて示している。通信範囲R1における複数の車両10のそれぞれの通信部15は、この要求信号REQ1を受信する。
【0036】
通信範囲R1における複数の車両10のそれぞれにおいて、判断部22は、ナビゲーション部11から供給されたデータに基づいて、車両10の位置が合流地点Pよりも手前であり、車両10が走行しているレーンが、合流されるべきレーンであるかどうかを判断することにより、その要求信号REQ1に応答すべきかどうかを判断する。
【0037】
車両10B1の判断部22は、要求信号REQ1に応答すべきと判断する(ステップS103)。すなわち、車両10B1は、合流地点Pに向かって、一番左側のレーンL1を走行している。このレーンL1は、車両10Aが走行路100に合流する際に進入するレーンである。よって、車両10B1の判断部22は、要求信号REQ1に応答すべきと判断する。同様に、車両10B2の判断部22は、要求信号REQ1に応答すべきと判断する(ステップS104)。なお、例えば、レーンL1を走行している、合流地点Pを過ぎ去った車両10の判断部22や、レーンL2を走行している車両10の判断部22は、要求信号REQ1に応答すべきではないと判断する。
【0038】
次に、車両10B1の判断部22は、要求信号REQ1に含まれる合流地点Pの位置についてのデータに基づいて、車両10B1の位置から合流地点Pまでの距離を算出し、車両10B1の速度および合流地点Pまでの距離に基づいて、車両10B1が合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断する。同様に、車両10B2の判断部22は、車両10B2が合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断する。この例では、車両10B1の判断部22は、車両10B1が合流地点Pに到達するまでに十分に減速できると判断し(ステップS105)、車両10B2の判断部22は、車両10B2が合流地点Pに到達するまでに十分に減速できると判断する(ステップS106)。
【0039】
次に、車両10B1の通信処理部21は、ステップS102において受信した要求信号REQ1に対する応答信号ACKを生成する(ステップS107)。この例では、この応答信号ACKは、車両10B1の位置についてのデータを含む。また、応答信号ACKは、さらに、車両10B1の車種や車両の色についてのデータを含んでもよい。同様に、車両10B2の通信処理部21は、ステップS102において受信した要求信号REQに対する応答信号ACKを生成する(ステップS108)。この例では、この応答信号ACKは、車両10B2の位置についてのデータを含む。また、応答信号ACKは、さらに、車両10B2の車種や車両の色についてのデータを含んでもよい。そして、車両10B1,10B2の通信部15は、要求信号REQ1に含まれる車両10Aの識別子データを用いて、車両10Aに対して、応答信号ACKをそれぞれ送信する(ステップS109,S110)。車両10Aの通信部15は、これら2つの応答信号ACKを受信する。
【0040】
次に、車両10Aの協力車両決定部23は、2つの応答信号ACKに基づいて、この例では、車両10B1,10B2のうちの1つである車両10B2を、合流の協力相手として選択する(ステップS111)。例えば、協力車両決定部23は、車両10B1,10B2から送信された2つの応答信号ACKに含まれる、車両10B1,10B2の位置についてのデータに基づいて、車両10B1,10B2のうち、車両10Aから遠い車両10B2を、協力相手として選択することができる。なお、これに限定されるものではなく、例えば、協力車両決定部23は、2つの応答信号ACKのうちの、先に受信した応答信号ACKを送信した車両10Bを、協力相手として選択してもよい。
【0041】
次に、車両10Aの通知処理部25は、ユーザインタフェース16を用いて、車両10Aの乗員に、車両10Aが走行路100に間もなく合流できることを通知する(ステップS112)。例えば、応答信号ACKが、その応答信号ACKを送信した車両10B2の車種や車両の色についてのデータを含む場合には、通知処理部25は、ユーザインタフェース16を用いて、車両10Aの乗員に、車両10B2の車種や車両の色についての情報を通知してもよい。この場合には、車両10Aのドライバは、合流の協力相手である車両が、どのような車両であるかを把握することができるので、例えば、協力相手の車両を明確に把握しながら合流するための運転操作を行うことができるため、容易に合流することができる。
【0042】
次に、車両10Aは、合流の協力相手ではない車両10B1に対して、この要求中止信号を送信する(ステップS113)。具体的には、車両10Aの通信処理部21は、要求中止信号を生成し、通信部15は、合流の協力相手ではない車両10B1に対してこの要求中止信号を送信する。車両10B1の通信部15は、この要求中止信号を受信し、合流支援処理を中止する(ステップS114)。これにより、車両10B1は、減速することなく、走行を続けることができる。
【0043】
一方、合流の協力相手である車両10B2の走行制御部28は、車両10B2が合流地点Pに到達するまでに十分に減速するように、車両10B2の走行を制御する(ステップS115)。
【0044】
車両10Aの外部環境検出部26は、撮像部14から供給された撮像画像に基づいて、車両10Aの周囲を確認することにより、車両10Aが安全に合流できることを確認する(ステップS116)。具体的には、外部環境検出部26は、例えば、車両10B2が十分に減速して合流地点Pに近づいており、走行路110を横断する横断者がいないことを確認することにより、車両10Aが安全に合流できることを確認する。
【0045】
そして、車両10Aは、走行路100に合流する(ステップS117)。
【0046】
図5は、車両10Aが走行路100に合流している状態を表すものである。この例では、車両10B2は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速している。車両10Aは、減速している車両10B2の前方において、走行路100のレーンL1に合流する。車両10Aが自動運転モードで走行している場合には、車両10Aの走行制御部28は、自動運転制御の処理結果に基づいて、車両10Aが左折するように、車両10Aの走行を制御する。また、車両10Aがマニュアル運転モードで走行している場合には、車両10Aの走行制御部28は、ドライバの運転操作に基づいて、車両10Aが左折するように、車両10Aの走行を制御する。このようにして、車両10Aは、走行路100に合流する。
【0047】
そして、車両10Aの合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS118)。具体的には、車両10Aの合流終了確認部24は、例えばナビゲーション部11から供給されたデータや、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0048】
また、車両10B2の合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS119)。具体的には、車両10B2の合流終了確認部24は、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが車両10B2の前方に合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0049】
(ケースC2)
次に、車両10Aから送信された要求信号REQ1を受信した車両10B1が、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できず、車両10B1から送信された要求信号REQ2を受信した車両10B2が、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できる場合について説明する。
【0050】
図6は、ケースC2における合流支援システム1の一動作例を表すものである。この例においても、車両10Aは、タイミングを見計らって、走行路100のレーンL1に合流しようとしている。走行路100のレーンL1には、車両10B1,10B2が、車両10Aが合流を予定している地点(合流地点P)に向かって走行している。この例では、車両10B1,10B2は、自動運転モードで走行している。
【0051】
図7は、ケースC2における合流支援処理の一例を表すものである。
【0052】
この例においても、車両10Aは、所定の時間(例えば数十秒)にわたりレーンL1に合流できないので、車両10Aの通信処理部21は、要求信号REQ1を生成する(ステップS121)。要求信号REQ1は、車両10Aの前方の合流地点Pの位置についてのデータ、および車両10Aの識別子データを含む。そして、車両10Aの通信部15は、この要求信号REQ1を送信する(ステップS122)。車両10Aは、ブロードキャストにより、
図6に示した通信範囲R1における、車両10B1を含む複数の車両10に対して、この要求信号REQ1を送信する。通信範囲R1における複数の車両10のそれぞれの通信部15は、この要求信号REQ1を受信する。
【0053】
通信範囲R1における複数の車両10のそれぞれにおいて、判断部22は、その要求信号REQ1に応答すべきかどうかを判断する。車両10B1の判断部22は、要求信号REQ1に応答すべきと判断する(ステップS123)。
【0054】
次に、車両10B1の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断する。この例では、車両10B1の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できないと判断する(ステップS124)。
【0055】
次に、車両10B1の通信処理部21は、要求信号REQ2を生成する(ステップS125)。具体的には、車両10B1の通信処理部21は、ステップS122において受信した要求信号REQ1に基づいて、合流地点Pの位置についてのデータ、要求信号REQ1の送信元である車両10Aの識別子データ、および車両10B1の識別子データを含む要求信号REQ2を生成する。そして、車両10B1の通信部15は、この要求信号REQ2を送信する(ステップS126)。すなわち、この例では、車両10B1は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できないので、車両10Aの代わりに要求信号REQ2を送信する。車両10B1の通信部15は、ブロードキャストにより、
図6に示した通信範囲R2における、車両10B2を含む複数の車両10に対して、この要求信号REQ2を送信する。通信範囲R2における複数の車両10のそれぞれの通信部15は、この要求信号REQ2を受信する。
【0056】
通信範囲R2における複数の車両10のそれぞれにおいて、判断部22は、その要求信号REQ2に応答すべきかどうかを判断する。そして、車両10B2の判断部22は、要求信号REQ2に応答すべきと判断する(ステップS127)。
【0057】
次に、車両10B2の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断する。この例では、車両10B2の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できると判断する(ステップS128)。
【0058】
次に、車両10B2の通信処理部21は、ステップS126において受信した要求信号REQ2に対する応答信号ACKを生成する(ステップS129)。この例では、この応答信号ACKは、車両10B2の位置についてのデータを含む。また、応答信号ACKは、さらに、車両10B2の車種や車両の色についてのデータを含んでもよい。そして、車両10B2の通信部15は、要求信号REQ2に含まれる車両10B1の識別子データを用いて、車両10B1に対して、応答信号ACKを送信する(ステップS130)。車両10B1の通信部15は、この応答信号ACKを受信する。また、車両10B2の通信部15は、要求信号REQ2に含まれる車両10Aの識別子データを用いて、車両10Aに対して、応答信号ACKを送信する(ステップS131)。車両10Aの通信部15は、この応答信号ACKを受信する。なお、車両10B2が車両10Aから離れている場合には、車両10Aは、この応答信号ACKを受信できないので、車両10B2は、車両10Aが応答信号ACKを受信するまで、例えばこの応答信号ACKを複数回送信する。
【0059】
次に、車両10Aの通知処理部25は、ユーザインタフェース16を用いて、車両10Aの乗員に、車両10Aが走行路100に間もなく合流できることを通知する(ステップS132)。例えば、応答信号ACKが、その応答信号ACKを送信した車両10B2の車種や車両の色についてのデータを含む場合には、通知処理部25は、ユーザインタフェース16を用いて、車両10Aの乗員に、車両10B2の車種や車両の色についての情報を通知してもよい。
【0060】
合流の協力相手である車両10B2の走行制御部28は、車両10B2が合流地点Pに到達するまでに十分に減速するように、車両10B2の走行を制御する(ステップS133)。
【0061】
車両10Aの外部環境検出部26は、撮像部14から供給された撮像画像に基づいて、車両10Aの周囲を確認することにより、車両10Aが安全に合流できることを確認する(ステップS134)。
【0062】
そして、車両10Aは、走行路100に合流する(ステップS135)。
【0063】
そして、車両10Aの合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS136)。具体的には、車両10Aの合流終了確認部24は、例えばナビゲーション部11から供給されたデータや、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0064】
また、車両10B2の合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS137)。具体的には、車両10B2の合流終了確認部24は、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが車両10B2の前方に合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0065】
ここで、例えば、車両10B1は、本開示の一実施の形態における「自車両」の一具体例に対応する。車両10B2は、本開示の一実施の形態における「第2の車両」の一具体例に対応する。要求信号REQ1は、本開示における「第1の要求信号」の一具体例に対応する。要求信号REQ2は、本開示における「第2の要求信号」の一具体例に対応する。
【0066】
(ケースC3)
次に、車両10Aから送信された要求信号REQ1を受信した車両10B1が、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できず、車両10B1から送信された要求信号REQ2を受信した車両10B2が、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できず、車両10B2から送信された要求信号REQ3を受信した車両10B3が、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できる場合について説明する。
【0067】
図8は、ケースC3における合流支援システム1の一動作例を表すものである。この例においても、車両10Aは、タイミングを見計らって、走行路100のレーンL1に合流しようとしている。走行路100のレーンL1には、車両10B1,10B2,10B3が、車両10Aが合流を予定している地点(合流地点P)に向かって走行している。この例では、車両10B1~10B3は、自動運転モードで走行している。
【0068】
図9は、ケースC3における合流支援処理の一例を表すものである。
【0069】
この例においても、車両10Aは、所定の時間(例えば数十秒)にわたりレーンL1に合流できないので、車両10Aの通信処理部21は、要求信号REQ1を生成する(ステップS141)。要求信号REQ1は、車両10Aの前方の合流地点Pの位置についてのデータ、および車両10Aの識別子データを含む。そして、車両10Aの通信部15は、この要求信号REQ1を送信する(ステップS142)。車両10Aは、ブロードキャストにより、
図8に示した通信範囲R1における、車両10B1を含む複数の車両10に対して、この要求信号REQ1を送信する。通信範囲R1における複数の車両10のそれぞれの通信部15は、この要求信号REQ1を受信する。
【0070】
通信範囲R1における複数の車両10のそれぞれにおいて、判断部22は、その要求信号REQ1に応答すべきかどうかを判断する。車両10B1の判断部22は、要求信号REQ1に応答すべきと判断する(ステップS143)。
【0071】
次に、車両10B1の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断する。この例では、車両10B1の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できないと判断する(ステップS144)。
【0072】
次に、車両10B1の通信処理部21は、要求信号REQ2を生成する(ステップS145)。具体的には、車両10B1の通信処理部21は、ステップS142において受信した要求信号REQ1に基づいて、合流地点Pの位置についてのデータ、要求信号REQ1の送信元である車両10Aの識別子データ、および車両10B1の識別子データを含む要求信号REQ2を生成する。そして、車両10B1の通信部15は、この要求信号REQ2を送信する(ステップS146)。すなわち、この例では、車両10B1は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できないので、車両10Aの代わりに要求信号REQ2を送信する。車両10B1の通信部15は、ブロードキャストにより、
図8に示した通信範囲R2における、車両10B2を含む複数の車両10に対して、この要求信号REQ2を送信する。通信範囲R2における複数の車両10のそれぞれの通信部15は、この要求信号REQ2を受信する。
【0073】
通信範囲R2における複数の車両10のそれぞれにおいて、判断部22は、その要求信号REQ2に応答すべきかどうかを判断する。そして、車両10B2の判断部22は、要求信号REQ2に応答すべきと判断する(ステップS147)。
【0074】
次に、車両10B2の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断する。この例では、車両10B2の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できないと判断する(ステップS148)。
【0075】
次に、車両10B2の通信処理部21は、要求信号REQ3を生成する(ステップS149)。具体的には、車両10B2の通信処理部21は、ステップS146において受信した要求信号REQ2に基づいて、合流地点Pの位置についてのデータ、および要求信号REQ1の送信元である車両10Aの識別子データ、および車両10B2の識別子データを含む要求信号REQ3を生成する。そして、車両10B2の通信部15は、この要求信号REQ3を送信する(ステップS150)。すなわち、この例では、車両10B2は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できないので、車両10Aの代わりに要求信号REQ3を送信する。車両10B2の通信部15は、ブロードキャストにより、
図8に示した通信範囲R3における、車両10B3を含む複数の車両10に対して、この要求信号REQ3を送信する。通信範囲R3における複数の車両10のそれぞれの通信部15は、この要求信号REQ3を受信する。
【0076】
通信範囲R3における複数の車両10のそれぞれにおいて、判断部22は、その要求信号REQ3に応答すべきかどうかを判断する。そして、車両10B3の判断部22は、要求信号REQ3に応答すべきと判断する(ステップS151)。
【0077】
次に、車両10B3の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを判断する。この例では、車両10B3の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できると判断する(ステップS152)。
【0078】
次に、車両10B2の通信処理部21は、ステップS150において受信した要求信号REQ3に対する応答信号ACKを生成する(ステップS153)。この例では、この応答信号ACKは、車両10B3の位置についてのデータを含む。また、応答信号ACKは、さらに、車両10B3の車種や車両の色についてのデータを含んでもよい。そして、車両10B3の通信部15は、要求信号REQ3に含まれる車両10B2の識別子データを用いて、車両10B2に対して、応答信号ACKを送信する(ステップS154)。車両10B2の通信部15は、この応答信号ACKを受信する。また、車両10B3の通信部15は、要求信号REQ3に含まれる車両10Aの識別子データを用いて、車両10Aに対して、応答信号ACKを送信する(ステップS155)。車両10Aの通信部15は、この応答信号ACKを受信する。なお、車両10B3が車両10Aから離れている場合には、車両10Aは、この応答信号ACKを受信できないので、車両10B3は、車両10Aが応答信号ACKを受信するまで、例えばこの応答信号ACKを複数回送信する。
【0079】
次に、車両10Aの通知処理部25は、ユーザインタフェース16を用いて、車両10Aの乗員に、車両10Aが走行路100に間もなく合流できることを通知する(ステップS156)。例えば、応答信号ACKが、その応答信号ACKを送信した車両10B3の車種や車両の色についてのデータを含む場合には、通知処理部25は、ユーザインタフェース16を用いて、車両10Aの乗員に、車両10B3の車種や車両の色についての情報を通知してもよい。
【0080】
合流の協力相手である車両10B3の走行制御部28は、車両10B3が合流地点Pに到達するまでに十分に減速するように、車両10B3の走行を制御する(ステップS157)。
【0081】
車両10Aの外部環境検出部26は、撮像部14から供給された撮像画像に基づいて、車両10Aの周囲を確認することにより、車両10Aが安全に合流できることを確認する(ステップS158)。
【0082】
そして、車両10Aは、走行路100に合流する(ステップS159)。
【0083】
そして、車両10Aの合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS160)。具体的には、車両10Aの合流終了確認部24は、例えばナビゲーション部11から供給されたデータや、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0084】
また、車両10B3の合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS161)。具体的には、車両10B3の合流終了確認部24は、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが車両10B3の前方に合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0085】
ここで、例えば、車両10B2は、本開示の一実施の形態における「自車両」の一具体例に対応する。車両10B3は、本開示の一実施の形態における「第2の車両」の一具体例に対応する。要求信号REQ2は、本開示における「第1の要求信号」の一具体例に対応する。要求信号REQ3は、本開示における「第2の要求信号」の一具体例に対応する。
【0086】
(車両10Aの詳細動作)
次に、走行路100に合流しようとする車両10Aの動作について、詳細に説明する。
【0087】
図10A,10Bは、車両10Aの一動作例を表すものである。車両10Aは、
図10A,10Bに示した処理を繰り返し実行する。
【0088】
まず、車両10Aの処理部20は、ナビゲーション部11から供給されたデータに基づいて、車両10Aの前方に合流地点Pがあるかどうかを確認する(ステップS201)。車両10Aの前方に合流地点Pが無い場合(ステップS201において“N”)には、この処理は終了する。
【0089】
ステップS201において、車両10Aの前方に合流地点Pがある場合(ステップS201において“Y”)には、処理部20は、方向指示器を動作させる(ステップS202)。具体的には、
図3,6,8などの例では、車両10Aが自動運転モードで走行している場合には、走行制御部28は、自動運転制御の処理結果に基づいて、車両10Aが左折することを示すように、方向指示器を動作させる。また、車両10Aがマニュアル運転モードで走行している場合には、走行制御部28は、ドライバの運転操作に基づいて、車両10Aが左折することを示すように、方向指示器を動作させる。
【0090】
次に、処理部20は、タイマを動作させる(ステップS203)。
【0091】
そして、車両10Aは、走行路100に合流を試みる。車両10Aが自動運転モードで走行している場合には、外部環境検出部26が、撮像部14から供給された撮像画像に基づいて、車両10Aが走行路100に合流することができるかどうかを確認し、走行制御部28が、自動運転制御の処理結果に基づいて、車両10Aの速度制御および操舵制御を行う。また、車両10Aがマニュアル運転モードで走行している場合には、外部環境検出部26が、撮像部14から供給された撮像画像に基づいて、車両10Aが走行路100に合流することができるかどうかを確認し、走行制御部28が、ドライバの運転操作に基づいて、車両10Aの速度制御および操舵制御を行う。例えば、走行路100に車両10がほとんど走行していない場合には、車両10Aは、走行路100に容易に合流できる。一方、例えば、走行路100に多くの車両10が走行している場合には、車両10Aは、走行路100に合流しにくい。
【0092】
処理部20は、車両10Aが走行路100に合流できたかどうかを確認する(ステップS204)。車両10Aが走行路100に合流できた場合(ステップS204において“Y”)には、この処理は終了する。車両10Aが走行路100に合流できなかった場合(ステップS204において“N”)には、処理部20は、所定の時間(例えば数十秒)が経過したかどうかを確認し(ステップS205)、所定の時間が経過していない場合(ステップS205において“N”)には、所定の時間が経過するまでステップS204,S205の処理を繰り返す。
【0093】
ステップS205において、所定の時間が経過した場合(ステップS205において“Y”)には、処理部20は、タイマをリセットする(ステップS206)。
【0094】
次に、車両10Aは、要求信号REQ1を送信する(ステップS207)。具体的には、車両10Aの通信処理部21は、ナビゲーション部11から供給された、車両10Aの前方の合流地点Pの位置についてのデータ、および車両10Aの識別子データを含む要求信号REQ1を生成する。そして、車両10Aの通信部15は、ブロードキャストにより、この要求信号REQ1を送信する。
【0095】
次に、通信処理部21は、通信部15が応答信号ACKを受信したかどうかを確認する(ステップS208)。この応答信号ACKは、ケースC1(
図3~5)では車両10B1,10B2から送信され、ケースC2(
図6,7)では車両10B2から送信され、ケースC3(
図8,9A,9B)では車両10B3から送信される。応答信号ACKを受信していない場合(ステップS208において“N”)には、通信処理部21は、所定の時間(例えば十秒程度)が経過したかどうかを確認し(ステップS209)、所定の時間が経過していない場合(ステップS209において“N”)には、所定の時間が経過するまでステップS208,S209の処理を繰り返す。所定の時間が経過した場合(ステップS209において“Y”)には、処理はステップS203に戻る。
【0096】
ステップS208において、通信部15が応答信号ACKを受信した場合(ステップS208において“Y”)には、協力車両決定部23は、合流の協力相手を決定する(ステップS210)。具体的には、協力車両決定部23は、通信部15が、例えば1つの車両10Bから送信された1つの応答信号ACKを受信した場合には、その車両10Bを、合流の協力相手として決定する。また、協力車両決定部23は、通信部15が、例えば複数の車両10Bから送信された複数の応答信号ACKを受信した場合には、その複数の車両10Bのうちの1台を、合流の協力相手として選択する。
【0097】
次に、通知処理部25は、ユーザインタフェース16を用いて、車両10Aの乗員に、車両10Aが走行路100に間もなく合流できることを通知する(ステップS211)。
【0098】
次に、通信処理部21は、複数の応答信号ACKを受信したかどうかを確認する(ステップS212)。複数の応答信号ACKを受信していない場合(ステップS212において“N”)には、処理はステップS214に進む。複数の応答信号ACKを受信した場合(ステップS212において“Y”)には、通信処理部21は、要求中止信号を生成し、通信部15は、その複数の応答信号ACKを送信した複数の車両10Bのうちの協力相手以外の車両10Bに対して、この要求中止信号を送信する(ステップS213)。通信部15は、応答信号ACKに含まれる、応答信号ACKを送信した車両10Bの識別子データを用いて、この車両10Bに対して、要求中止信号を送信する。
【0099】
次に、外部環境検出部26は、撮像部14から供給された撮像画像に基づいて、車両10Aの周囲の環境を検出し(ステップS214)、車両10Aが合流できそうかどうかを確認する(ステップS215)。車両10Aが合流できない場合(ステップS215において“N”)には、車両10Aが合流できるようになるまで、ステップS214,S215の処理を繰り返す。
【0100】
車両10Aが合流できそうである場合(ステップS215において“Y”)には、車両10Aは、走行路100に合流する(ステップS216)。具体的には、車両10Aが自動運転モードで走行している場合には、走行制御部28は、自動運転制御の処理結果に基づいて、車両10Aの速度制御および操舵制御を行う。また、車両10Aがマニュアル運転モードで走行している場合には、走行制御部28は、ドライバの運転操作に基づいて、車両10Aの速度制御および操舵制御を行う。このようにして、車両10Aは、走行路100に合流する。
【0101】
次に、合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS217)。具体的には、合流終了確認部24は、例えばナビゲーション部11から供給されたデータや、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0102】
そして、処理部20は、方向指示器の動作を終了させる(ステップS218)。具体的には、車両10Aが自動運転モードで走行している場合には、走行制御部28は、自動運転制御の処理結果に基づいて、方向指示器の動作を終了させる。また、車両10Aがマニュアル運転モードで走行している場合には、走行制御部28は、ドライバの運転操作に基づいて、方向指示器の動作を終了させる。
【0103】
(車両10Bの詳細動作)
次に、車両10Aが合流しようとする走行路100を走行している車両10Bの動作について、詳細に説明する。この車両10Bは、ケースC1(
図3~5)では車両10B1,10B2であり、ケースC2(
図6,7)では車両10B1,10B2であり、ケースC3(
図8,9A,9B)では車両10B1~10B3である。
【0104】
図11A,11Bは、車両10Bの一動作例を表すものである。車両10Bは、
図11A,11Bに示した処理を繰り返し実行する。
【0105】
まず、車両10Bの通信処理部21は、通信部15が要求信号REQを受信したかどうかを確認する(ステップS301)。この要求信号REQは、ケースC1(
図3~5)では車両10Aから送信され、ケースC2(
図6,7)では車両10A,10B1から送信され、ケースC3(
図8,9A,9B)では車両10A,10B1,10B2から送信される。通信部15が要求信号REQを受信していない場合(ステップS301において“N”)には、この処理は終了する。
【0106】
ステップS301において、通信部15が要求信号REQを受信した場合(ステップS301において“Y”)には、判断部22は、この要求信号REQに応答すべきかどうかを南淡する(ステップS302)。具体的には、判断部22は、ナビゲーション部11から供給されたデータに基づいて、車両10Bの位置が合流地点Pよりも手前であり、車両10Bが走行しているレーンが、合流されるべきレーンであるかどうかを判断することにより、その要求信号REQに応答すべきかどうかを判断する。要求信号REQに応答すべきではない場合(ステップS302において“N”)には、この処理は終了する。
【0107】
ステップS302において、要求信号REQに応答すべきである場合には、判断部22は、車両10Bが、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できるかどうかを確認する(ステップS303)。具体的には、判断部22は、要求信号REQに含まれる合流地点Pの位置についてのデータに基づいて、車両10Bの位置から合流地点Pまでの距離を算出し、車両10Bの速度および合流地点Pまでの距離に基づいて、合流地点Pに到達するまでに、車両10Bの速度を所定の速度以下にまで減速できるかどうかを判断する。車両10Bが十分に減速できない場合(ステップS304において“N”)には、処理はステップS316に進む。
【0108】
ステップS304において、車両10Bが十分に減速できる場合(ステップS304において“Y”)には、運転モード設定部27は、車両10Bが自動運転モードで走行しているかどうかを確認する(ステップS305)。車両10Bがマニュアル運転モードで走行している場合(ステップS305において“N”)には、処理はステップS311に進む。
【0109】
ステップS305において、車両10Bが自動運転モードで走行している場合(ステップS305において“Y”)には、車両10Bは、応答信号ACKを送信する(ステップS306)。具体的には、通信処理部21は、ナビゲーション部11から供給された、車両10Bの位置についてのデータを含む応答信号ACKを生成する。また、応答信号ACKは、さらに、車両10B1の車種や車両の色についてのデータを含んでもよい。そして、通信部15は、要求信号REQに含まれる、要求信号REQを送信した車両10の識別子データに基づいて、要求信号REQを送信した車両10に対して、この応答信号ACKを送信する。要求信号REQを送信した車両10が、合流しようとしている車両10Aではない場合には、通信部15は、要求信号REQに含まれる車両10の識別子データを用いて、さらに車両10Aに対しても、この応答信号ACKを送信する。
【0110】
次に、通信処理部21は、通信部15が要求中止信号を受信したかどうかを確認する(ステップS307)。通信部15が要求中止信号を受信した場合(ステップS307において“Y”)には、この処理は終了する。この場合には、車両10Bは、合流支援処理を中止するので、減速することなく、走行を続けることができる。
【0111】
通信部15が要求中止信号を受信していない場合(ステップS307において“N”)には、処理部20は、減速を開始すべきかどうかを確認する(ステップS308)。具体的には、処理部20は、ナビゲーション部11から供給されたデータに基づいて、車両10Bが合流地点Pに接近したかどうかを確認することにより、車両10Bが減速を開始すべきかどうかを確認する。まだ減速を開始すべきではない場合(ステップS308において“N”)には、減速を開始すべきと判断されるまで、ステップS308の処理を繰り返す。
【0112】
そして、減速を開始すべきである場合(ステップS308において“Y”)には、車両10Bは、減速する(ステップS309)。具体的には、走行制御部28は、自動運転制御の処理結果に基づいて、車両10Bが合流地点Pに到達するまでに十分に減速するように、車両10Bの走行を制御する。
【0113】
そして、車両10Aは、減速した車両10Bの前方において、走行路100に合流する。
【0114】
そして、合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS310)。具体的には、合流終了確認部24は、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが車両10Bの前方に合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。以上で、この処理は終了する。
【0115】
ステップS305において、車両10Bがマニュアル運転モードで走行している場合(ステップS305において“N”)には、車両10Bはマニュアル運転モードで走行している。通知処理部25は、ユーザインタフェース16を用いて、車両10Bの乗員に対して、走行路100に合流しようとしている車両10Aが前方にいる旨を通知する(ステップS311)。車両10Bのドライバは、この通知に基づいて、車両10Aの合流に協力する場合には、制動操作を行う。
【0116】
次に、走行制御部28は、ドライバの制動操作を検出したかどうかを確認する(ステップS312)。ドライバの制動操作を検出していない場合(ステップS312において“N”)には、処理はステップS316に進む。
【0117】
ステップS312において、走行制御部28がドライバの制動操作を検出した場合(ステップS312において“Y”)には、車両10Bは、応答信号ACKを送信する(ステップS313)。具体的には、通信処理部21は、ナビゲーション部11から供給された、車両10Bの位置についてのデータを含む応答信号ACKを生成する。また、応答信号ACKは、さらに、車両10Bの車種や車両の色についてのデータを含んでもよい。そして、通信部15は、要求信号REQに含まれる、要求信号REQを送信した車両10の識別子データに基づいて、要求信号REQを送信した車両10に対して、この応答信号ACKを送信する。要求信号REQを送信した車両10が、車両10Aではない場合には、通信部15は、要求信号REQに含まれる車両10の識別子データを用いて、さらに車両10Aに対しても、この応答信号ACKを送信する。
【0118】
次に、通信処理部21は、通信部15が要求中止信号を受信したかどうかを確認する(ステップS314)。通信部15が要求中止信号を受信した場合(ステップS314において“Y”)には、この処理は終了する。
【0119】
通信部15が要求中止信号を受信していない場合(ステップS314において“N”)には、車両10Bは減速する(ステップS315)。具体的には、走行制御部28は、ドライバの制動操作に基づいて、車両10Bが減速するように制御する。以上で、この処理は終了する。
【0120】
ステップS304において、車両10Bが十分に減速できない場合(ステップS304において“N”)、および、ステップS312において、走行制御部28がドライバの制動操作を検出していない場合(ステップS312において“N”)には、車両10Bは、要求信号REQを送信する(ステップS316)。具体的には、車両10Bの通信処理部21は、ステップS301において受信した要求信号REQに基づいて、合流地点Pの位置についてのデータ、車両10Aの識別子データ、および自車両である車両10Bの識別子データを含む要求信号REQを生成する。そして、通信部15は、ブロードキャストにより、この要求信号REQを送信する。すなわち、この例では、車両10Bは、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できず、または減速するための制動操作を行っていないので、車両10Bは、車両10Aの合流に協力できないため、車両10Aの代わりに要求信号REQを送信する。
【0121】
次に、処理部20は、応答信号ACKを受信したかどうかを確認する(ステップS317)。応答信号ACKを受信していない場合(ステップS317において“N”)には、処理部20は、所定の時間(例えば十秒程度)が経過したかどうかを確認し(ステップS318)、所定の時間が経過していない場合(ステップS318において“N”)には、所定の時間が経過するまでステップS317,S318の処理を繰り返す。
【0122】
ステップS317において、応答信号ACKを受信した場合(ステップS317において“Y”)、およびステップS318において、所定の時間が経過した場合(ステップS318において“Y”)には、処理は終了する。
【0123】
このように、合流支援装置9では、第1の車両(車両10A)が合流を予定している合流地点Pの位置についての合流地点情報を含む第1の要求信号(要求信号REQ)を受信可能な受信部(通信部15)と、第1の要求信号(要求信号REQ)に含まれる合流地点情報に基づいて、合流地点Pに到達するまでに自車両(車両10B)の速度を所定の速度以下の速度にすることができるかどうかを判断可能な処理部20と、処理部20が、自車両(車両10B)の速度を所定の速度以下の速度にすることができないと判断した場合に、自車両(車両10B)の後方を走行する第2の車両(他の車両10B)に対して、第1の要求信号(要求信号REQ)に含まれる合流地点情報を含む第2の要求信号(他の要求信号REQ)を送信可能な送信部(通信部15)とを設けるようにした。具体的には、例えばケースC2(
図6,7)では、車両10B1は、車両10Aが合流を予定している合流地点Pの位置についての合流地点情報を含む要求信号REQ1を受信し、車両10B1が合流地点Pに到達するまでに十分に減速できない場合に、車両10B1の後方を走行する車両10B2に対して、要求信号REQ2を送信するようにした。また、例えばケースC3(
図8,9A,9B)では、車両10B2は、車両10Aが合流を予定している合流地点Pの位置についての合流地点情報を含む要求信号REQ2を受信し、車両10B2が合流地点Pまでに十分に減速できない場合に、車両10B2の後方を走行する車両10B3に対して、要求信号REQ3を送信するようにした。これにより、合流支援装置9では、このように、車両10Aが要求信号REQ1を直接送信することができないような遠い車両10Bに対して要求信号REQを送信することができる。これにより、車車間通信の通信範囲による制約が緩和され、より多くの車両10Bに要求信号REQを送信することができる。また、合流地点Pから遠い車両10Bは、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できる可能性が高いので、車両10Aの合流の協力相手になることができる可能性が高い。よって、車両10Aの合流を適切に支援することができる。
【0124】
合流支援装置9では、処理部20は、ドライバによる制動操作が行われたかどうかを検出可能であり、送信部(通信部15)は、処理部20が、合流地点Pに到達するまでに自車両(車両10B)の速度を所定の速度以下の速度にすることができると判断し、ドライバによる制動操作を検出しなかった場合に、第2の車両に対して、第2の要求信号を送信可能にした。これにより、合流支援装置9は、車両10Bがマニュアル運転モードで走行している場合には、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できると判断した場合でも、ドライバが実際に制動操作を行わない場合には、他の車両10Bに対して要求信号REQを送信することができる。これにより、車両10Aの合流を適切に支援することができる。
【0125】
合流支援装置9では、処理部20は、合流地点Pに到達するまでに自車両(車両10B)の速度を所定の速度以下の速度にすることができると判断し、ドライバによる制動操作を検出した場合に、第1の車両(車両10A)に対して応答信号ACKを送信可能にした。これにより、合流支援装置9は、車両10Bがマニュアル運転モードで走行している場合には、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できると判断し、ドライバが実際に制動操作を行った場合に、車両10Aに対して応答信号ACKを送信することができる。これにより、応答信号ACKを受信した車両10Aは、車両10Bが、車両10Aの合流の協力相手であることを把握することができる。これにより、車両10Aの合流を適切に支援することができる。
【0126】
[効果]
以上のように本実施の形態では、第1の車両が合流を予定している合流地点Pの位置についての合流地点情報を含む第1の要求信号を受信可能な受信部と、第1の要求信号に含まれる合流地点情報に基づいて、合流地点Pに到達するまでに自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができるかどうかを判断可能な処理部と、処理部20が、自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができないと判断した場合に、自車両の後方を走行する第2の車両に対して、第1の要求信号に含まれる合流地点情報を含む第2の要求信号を送信可能な送信部とを設けるようにしたので、車両の合流を適切に支援することができる。
【0127】
本実施の形態では、処理部は、ドライバによる制動操作が行われたかどうかを検出可能であり、送信部は、処理部が、合流地点Pに到達するまでに自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができると判断し、ドライバによる制動操作を検出しなかった場合に、第2の車両に対して、第2の要求信号を送信可能にしたので、車両の合流を適切に支援することができる。
【0128】
本実施の形態では、処理部は、合流地点に到達するまでに自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができると判断し、ドライバによる制動操作を検出した場合に、第1の車両に対して応答信号を送信可能にしたので、車両の合流を適切に支援することができる。
【0129】
[変形例1]
上記実施の形態では、車両10Bは、応答信号ACKを送信するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、応答信号ACKを送信しなくてもよい。以下に、ケースC2,C3を例に挙げて説明する。
【0130】
図12は、本変形例に係る、ケースC2における合流支援処理の一例を表すものである。ステップS121~S128における処理は、上記実施の形態の場合(
図7)と同様である。
【0131】
ステップS128において、車両10B2の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できると判断すると、車両10B2の走行制御部28は、車両10B2が合流地点Pに到達するまでに十分に減速するように、車両10B2の走行を制御する(ステップS133)。
【0132】
車両10Aの外部環境検出部26は、撮像部14から供給された撮像画像に基づいて、車両10Aの周囲を確認することにより、車両10Aが安全に合流できることを確認する(ステップS134)。
【0133】
そして、車両10Aは、走行路100に合流する(ステップS135)。
【0134】
そして、車両10Aの合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS136)。具体的には、車両10Aの合流終了確認部24は、例えばナビゲーション部11から供給されたデータや、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0135】
また、車両10B2の合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS137)。具体的には、車両10B2の合流終了確認部24は、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが車両10B2の前方に合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0136】
図13A,13Bは、本変形例に係る、ケースC3における合流支援処理の一例を表すものである。ステップS141~S152における処理は、上記実施の形態の場合(
図9A,9B)と同様である。
【0137】
ステップS152において、車両10B3の判断部22は、合流地点Pに到達するまでに十分に減速できると判断すると、車両10B3の走行制御部28は、車両10B3が合流地点Pに到達するまでに十分に減速するように、車両10B2の走行を制御する(ステップS157)。
【0138】
車両10Aの外部環境検出部26は、撮像部14から供給された撮像画像に基づいて、車両10Aの周囲を確認することにより、車両10Aが安全に合流できることを確認する(ステップS158)。
【0139】
そして、車両10Aは、走行路100に合流する(ステップS159)。
【0140】
そして、車両10Aの合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS160)。具体的には、車両10Aの合流終了確認部24は、例えばナビゲーション部11から供給されたデータや、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0141】
また、車両10B3の合流終了確認部24は、合流支援処理の終了確認を行う(ステップS161)。具体的には、車両10B3の合流終了確認部24は、撮像部14から供給された撮像データに基づいて、車両10Aが車両10B2の前方に合流したことを確認することにより、合流支援処理の終了確認を行う。
【0142】
[変形例2]
上記実施の形態では、本技術を、自動運転モードおよびマニュアル運転モードを備えた車両に適用したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、本技術を、マニュアル運転モードのみを備えた車両に適用してもよい。
【0143】
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
【0144】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0145】
例えば、
図4,7,9A,9Bに示した合流支援処理は、一例であり、これらの処理のうちの一部が省かれてもよいし、他の処理が追加されてもよい。
【0146】
本明細書中に記載された効果はあくまで例示であり、本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本開示に関して、他の効果が得られてもよい。
【0147】
さらに、本開示は、以下の態様を取り得る。
【0148】
(1)
第1の車両が合流を予定している合流地点の位置についての合流地点情報を含む第1の要求信号を受信可能な受信部と、
前記第1の要求信号に含まれる前記合流地点情報に基づいて、前記合流地点に到達するまでに自車両の速度を所定の速度以下の速度にすることができるかどうかを判断可能な処理部と、
前記処理部が、前記自車両の速度を前記所定の速度以下の速度にすることができないと判断した場合に、前記自車両の後方を走行する第2の車両に対して、前記第1の要求信号に含まれる前記合流地点情報を含む第2の要求信号を送信可能な送信部と
を備えた合流支援装置。
(2)
前記第1の要求信号は、前記第1の車両から送信された
前記(1)に記載の合流支援装置。
(3)
前記第1の要求信号は、前記自車両の前方を走行する第3の車両から送信された
前記(1)に記載の合流支援装置。
(4)
前記処理部は、ドライバによる制動操作が行われたかどうかを検出可能であり、
前記送信部は、前記処理部が、前記合流地点に到達するまでに前記自車両の速度を前記所定の速度以下の速度にすることができると判断し、ドライバによる制動操作を検出しなかった場合に、前記第2の車両に対して、前記第2の要求信号を送信可能である。
前記(1)から(3)のいずれかに記載の合流支援装置。
(5)
前記送信部は、前記処理部が、前記合流地点に到達するまでに前記自車両の速度を前記所定の速度以下の速度にすることができると判断し、ドライバによる制動操作を検出した場合に、前記第1の車両に対して応答信号を送信可能である
前記(4)に記載の合流支援装置。
【符号の説明】
【0149】
1…合流支援システム、9…合流支援装置、10,10A,10B,10B1,10B2,10B3…車両、11…ナビゲーション部、12…GNSS受信部、13…ナビゲーション処理部、14…撮像部、15…通信部、16…ユーザインタフェース、20…処理部、21…通信処理部、22…判断部、23…協力車両決定部、24…合流終了確認部、25…通知処理部、26…外部環境検出部、27…運転モード設定部、28…走行制御部、100,110…走行路、ACK…応答信号、L1,L2…レーン、P…合流地点、REQ,REQ1~REQ3…要求信号、R1~R3…通信範囲。