(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101804
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】埋設配管の掘り起こし方法及び排土体牽引用操作体管理システム
(51)【国際特許分類】
E02F 5/02 20060101AFI20240723BHJP
E02F 5/00 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
E02F5/02 N
E02F5/00 A
E02F5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005946
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】内橋 令樹
(72)【発明者】
【氏名】菅野 雅彦
(57)【要約】
【課題】水底の土砂の拡散を抑えて水底から埋設配管を掘り起こし、海洋環境への負荷を抑制することができる埋設配管の掘り起こし方法を提供する。
【解決手段】埋設配管の掘り起こし方法S5は、水底に埋設された埋設配管の上方で排土体を埋設配管に沿って移動させることで、埋設配管の上方に堆積している土砂を除去する除去作業を行う除去工程S6と、除去工程後に埋設配管をその延在方向に沿って順次上方に移動させて水底から掘り起こす掘り起こし工程S7と、を行う。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底に埋設された埋設配管の上方で排土体を前記埋設配管に沿って移動させることで、前記埋設配管の上方に堆積している土砂を除去する除去作業を行う除去工程と、
前記除去工程後に前記埋設配管をその延在方向に沿って順次上方に移動させて前記水底から掘り起こす掘り起こし工程と、
を行う、埋設配管の掘り起こし方法。
【請求項2】
前記排土体は、
平面視で、前記排土体の移動方向に直交する幅方向の中央に配置された先端部と、
前記先端部から前記幅方向の両側にそれぞれ広がり、かつ前記移動方向に対して後方に傾斜する一対の傾斜部と、
を備え、
前記除去工程では、前記先端部から前記幅方向の両側に前記土砂をかき分けて前記除去作業を行う、請求項1に記載の埋設配管の掘り起こし方法。
【請求項3】
前記排土体は、前記先端部から下方に向かって突出する突出部を備え、
前記除去工程では、前記突出部が前記水底に形成する凹部の底部が、前記一対の傾斜部が前記水底に形成する凹部の底部よりも下方に位置するように前記除去作業を行う、請求項2に記載の埋設配管の掘り起こし方法。
【請求項4】
前記突出部は、前記先端部に着脱可能に取付けられている、請求項3に記載の埋設配管の掘り起こし方法。
【請求項5】
水底に埋設された埋設配管に沿う移動に伴って前記埋設配管の上方に堆積している土砂を除去する排土体と、
前記排土体を牽引して移動操作する操作体と、
前記操作体に対する前記排土体の相対位置である相対位置情報を取得する相対位置情報取得部と、
前記埋設配管に対する前記操作体の位置である操作体位置情報を取得する操作体位置取得部と、
前記操作体位置情報及び前記相対位置情報に基づいて、前記埋設配管に対する前記排土体の位置である排土体位置情報を生成する排土体位置認識部と、
前記排土体位置情報及び前記操作体位置情報に基づいて、前記排土体を前記埋設配管に沿って移動させるための操作情報を生成する操作情報生成部と、
を備える、排土体牽引用操作体管理システム。
【請求項6】
前記排土体は、前記埋設配管を検出する配管検出部を備え、
前記操作情報生成部は、前記配管検出部の検出情報に基づいて、前記埋設配管に直交する鉛直面内における前記排土体と前記埋設配管との位置関係を示す鉛直面内情報を生成する、請求項5に記載の排土体牽引用操作体管理システム。
【請求項7】
前記配管検出部は、前記鉛直面内における水底面の形状を検出し、
前記操作情報生成部は、前記鉛直面内情報と、前記配管検出部により検出された前記鉛直面内における前記水底面の形状情報とに基づいて、前記鉛直面内における前記水底面の形状、前記埋設配管、及び、前記排土体の位置関係を視認可能に表示する、請求項6に記載の排土体牽引用操作体管理システム。
【請求項8】
前記排土体は、前記水底における前記排土体の向きを検出する姿勢検出部を備え、
前記操作情報生成部は、前記姿勢検出部の検出情報に基づいて、前記水底における前記排土体の向きを補正するための補正情報を生成する、請求項5から7のいずれか一項に記載の排土体牽引用操作体管理システム。
【請求項9】
前記操作情報生成部は、前記鉛直面内情報に基づいた前記排土体と前記埋設配管との距離が、予め定められた距離閾値を超えたときに、前記水底から前記排土体を上方に引抜いて、前記水底に前記排土体を配置し直す案内を視認可能に表示する、請求項6又は7に記載の排土体牽引用操作体管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋設配管の掘り起こし方法及び排土体牽引用操作体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海底(水底)から埋設配管を掘り起こす埋設配管の掘り起こし方法では、グラブやサンドポンプを用いて浚渫を行っていた(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】[online]、[令和4年10月11日検索]、全国浚渫業協会、インターネット<URL:https://www.zen-shun.com/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%96%E5%BC%8F%E6%B5%9A%E6%B8%AB%E5%B7%A5%E4%BA%8B%E3%81%A8%E3%81%AF/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1の埋設配管の掘り起こし方法では、海底における土砂の汚濁の巻上げや拡散が激しく、海洋環境への負荷が大きいという問題があった。埋設配管上の土砂が比較的多い場合、この問題は特に顕著になる。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、水底の土砂の拡散を抑えて水底から埋設配管を掘り起こし、海洋環境への負荷を抑制することができる埋設配管の掘り起こし方法及び排土体牽引用操作体管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1は、水底に埋設された埋設配管の上方で排土体を前記埋設配管に沿って移動させることで、前記埋設配管の上方に堆積している土砂を除去する除去作業を行う除去工程と、前記除去工程後に前記埋設配管をその延在方向に沿って順次上方に移動させて前記水底から掘り起こす掘り起こし工程と、を行う、埋設配管の掘り起こし方法である。
【0007】
この発明では、予め除去工程において、水底に埋設された埋設配管の上方で排土体を埋設配管に沿って移動させる。埋設配管上に堆積した土砂を予め除去することができるため、埋設配管を掘り起こす際に水中で拡散する土砂の量を減らすことがきる。従って、除去工程後に行う掘り起こし工程において、埋設配管をその延在方向に沿って順次上方に移動させて水底から掘り起こしたときに、水底の土砂の拡散を抑えて水底から埋設配管を掘り起こし、海洋環境への負荷を抑制することができる。
【0008】
(2)本発明の態様2は、前記排土体は、平面視で、前記排土体の移動方向に直交する幅方向の中央に配置された先端部と、前記先端部から前記幅方向の両側にそれぞれ広がり、かつ前記移動方向に対して後方に傾斜する一対の傾斜部と、を備え、前記除去工程では、前記先端部から前記幅方向の両側に前記土砂をかき分けて前記除去作業を行う、(1)に記載の埋設配管の掘り起こし方法であってもよい。
この発明では、除去工程において、例えば水底上で、排土体の先端部が一対の傾斜部よりも先端側になるように排土体を移動させる。このため、水底の土砂を、一対の傾斜部により幅方向の両側にかき分けて除去することができる。
【0009】
(3)本発明の態様3は、前記排土体は、前記先端部から下方に向かって突出する突出部を備え、前記除去工程では、前記突出部が前記水底に形成する凹部の底部が、前記一対の傾斜部が前記水底に形成する凹部の底部よりも下方に位置するように前記除去作業を行う、(2)に記載の埋設配管の掘り起こし方法であってもよい。
この発明では、除去工程において、先端部に対する突出部側が下方となるように、水底上に排土体を置く。そして、突出部が水底に形成する凹部の底部が、一対の傾斜部が水底に形成する凹部の底部よりも下方に位置するように除去作業を行う。このため、例えば、除去工程において、平面視における突出部の位置を埋設配管の位置に合わせることで、突出部により埋設配管の周囲の土砂をより確実に除去することができる。
【0010】
(4)本発明の態様4は、前記突出部は、前記先端部に着脱可能に取付けられている、(3)に記載の埋設配管の掘り起こし方法であってもよい。
この発明では、必要に応じて、先端部に突出部を取付けたり、先端部から突出部を取外したりすることができる。また例えば、互いに異なる複数種類の形状の突出部を用意しておくことで、必要に応じて先端部に取付けられる突出部の形状を変えることができる。これにより、突出部の形状を、埋設配管の埋設状態や地盤状態に応じた適切な形状にすることができ、埋設配管の上方に堆積している土砂を適切に除去できる。
【0011】
(5)本発明の態様5は、水底に埋設された埋設配管に沿う移動に伴って前記埋設配管の上方に堆積している土砂を除去する排土体と、前記排土体を牽引して移動操作する操作体と、前記操作体に対する前記排土体の相対位置である相対位置情報を取得する相対位置情報取得部と、前記埋設配管に対する前記操作体の位置である操作体位置情報を取得する操作体位置取得部と、前記操作体位置情報及び前記相対位置情報に基づいて、前記埋設配管に対する前記排土体の位置である排土体位置情報を生成する排土体位置認識部と、前記排土体位置情報及び前記操作体位置情報に基づいて、前記排土体を前記埋設配管に沿って移動させるための操作情報を生成する操作情報生成部と、を備える、排土体牽引用操作体管理システムである。
【0012】
この発明では、排土体位置認識部は、操作体位置情報及び相対位置情報に基づいて(例えば、操作体位置情報と相対位置情報との差等に基づいて)、埋設配管に対する排土体の位置である排土体位置情報を生成する。そして、操作情報生成部は、排土体位置情報及び操作体位置情報に基づいて、排土体を埋設配管に沿って移動させるための操作情報を生成することができる。そして、例えば、操作体の操作者又は排土体牽引用操作体管理システムは、操作情報に基づいて操作体を操作し、排土体を埋設配管に沿って移動させることができる。
また、排土体は、水底に埋設された埋設配管に沿う移動に伴って埋設配管の上方に堆積している土砂を除去し、操作体は排土体を牽引して移動操作する。例えば、水底から埋設配管を掘り起こす前に、排土体及び操作体により埋設配管上に堆積した土砂を予め除去することができるため、埋設配管を掘り起こす際に水中で拡散する土砂の量を減らすことがきる。従って、埋設配管を水底から掘り起こしたときに水底の土砂の拡散を抑え、海洋環境への負荷を抑制することができる。
【0013】
(6)本発明の態様6は、前記排土体は、前記埋設配管を検出する配管検出部を備え、前記操作情報生成手段は、前記配管検出部の検出情報に基づいて、前記埋設配管に直交する鉛直面内における前記排土体と前記埋設配管との位置関係を示す鉛直面内情報を生成する、(5)に記載の排土体牽引用操作体管理システムであってもよい。
この発明では、排土体位置認識部が生成する排土体位置情報でも、埋設配管に対する排土体の位置関係が分かる。しかし、操作情報生成部が生成した鉛直面内情報により、鉛直面内における排土体と埋設配管との位置関係を、より正確かつ直接的に求めることができる。
【0014】
(7)本発明の態様7は、前記配管検出部は、前記鉛直面内における水底面の形状を検出し、前記操作情報生成手段は、前記鉛直面内情報と、前記配管検出部により検出された前記鉛直面内における前記水底面の形状情報とに基づいて、前記鉛直面内における前記水底面の形状、前記埋設配管、及び、前記排土体の位置関係を視認可能に表示する、(6)に記載の排土体牽引用操作体管理システムであってもよい。
この発明では、例えば、操作体に設置された表示部に、鉛直面内における水底面の形状、埋設配管、及び、排土体の位置関係を表示する。この表示を操作者が視認することにより、これら水底面の形状等を、操作者が容易に認識することができる。
【0015】
(8)本発明の態様8は、前記排土体は、前記水底における前記排土体の向きを検出する姿勢検出部を備え、前記操作情報生成手段は、前記姿勢検出部の検出情報に基づいて、前記水底における前記排土体の向きを補正するための補正情報を生成する、(5)から(7)のいずれか一に記載の排土体牽引用操作体管理システムであってもよい。
この発明では、例えば操作者又は排土体牽引用操作体管理システムは、操作情報生成部が生成した補正情報に基づいて操作体を操作することで、水底における排土体の向きを補正することができる。
【0016】
(9)本発明の態様9は、前記操作情報生成部は、前記鉛直面内情報に基づいた前記排土体と前記埋設配管との距離が、予め定められた距離閾値を超えたときに、前記水底から前記排土体を上方に引抜いて、前記水底に前記排土体を配置し直す案内を視認可能に表示する、(5)から(8)のいずれか一に記載の排土体牽引用操作体管理システムであってもよい。
この発明では、例えば、操作者が案内を視認をすることにより、鉛直面内情報に基づいた排土体と埋設配管との距離が距離閾値を超えたことを認識することができる。そして、例えば、操作者が操作体を操作することで、水底から排土体を上方に引抜いて、水底に排土体を配置し直すことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の埋設配管の掘り起こし方法及び排土体牽引用操作体管理システムでは、水底の土砂の拡散を抑えて水底から埋設配管を掘り起こすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態の排土体牽引用操作体管理システムの概要構成を示す斜視図である。
【
図3】同排土体牽引用操作体管理システムの排土体の正面図である。
【
図7】同排土体牽引用操作体管理システムの表示部の概要を示す正面図である。
【
図8】本発明の一実施形態の埋設配管の掘り起こし方法を示すフローチャートである。
【
図9】同埋設配管の掘り起こし方法の除去工程を説明する断面図である。
【
図11】同埋設配管の掘り起こし方法の掘り起こし工程を説明する断面図である。
【
図12】同掘り起こし工程を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る埋設配管の掘り起こし方法及び排土体牽引用操作体管理システムの一実施形態を、
図1から
図12を参照しながら説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態の排土体牽引用操作体管理システム(以下では、単に管理システムとも言う)1は、海底(水底)100よりも下方の地盤101中に埋設された埋設配管105に対して、後述する排土体10を埋設配管105に沿って移動させるための操作情報を生成するために用いられる。
例えば、埋設配管105は、海底面(水底面)100aに沿って地盤101中に埋設されている。ここで言う海底面100aは、海底100における地盤101に接する面を意味する。
【0020】
図1に示すように、管理システム1は、例えば、排土体10と、クレーン船(操作体)35と、相対位置情報取得部45と、操作体位置取得部50と、排土体位置認識部55と、操作情報生成部60と、表示部65と、を備える。
図3から
図5に示すように、排土体10は、海底面100a上を移動方向Xに走行することで海底100の土砂を排出(排土)する。排土体10は、先端部11と、一対の傾斜部12A,12Bと、補強部材13と、突出部14と、配管検出部15、姿勢検出部16と、を備える。
【0021】
傾斜部12A,12Bは、排土体10を上方から見た平面視において、移動方向Xに向けて凸となる。一対の傾斜部12A,12Bは、移動方向Xに直交する幅方向Yに対称である。本実施形態では、傾斜部12Aの構成と傾斜部12Bの構成とは、互いに同一又は面対称である。このため、傾斜部12Aの構成を、符号の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「A」を付加することで示す。傾斜部12Bのうち傾斜部12Aに対応する構成を、傾斜部12Aの符号と同一の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「B」を付加することで示す。これにより、重複する説明を省略する。例えば、傾斜部12Aの後述する本体19Aと傾斜部12Aの本体19Bとは、互いに面対称である。
【0022】
例えば、傾斜部12Aは、本体19Aと、フランジ20Aと、を有する。
本体19Aは、軸線19aA方向に延びる軸状部材である。本体19Aにおける軸線19aAに直交する断面は、円弧状である。フランジ20Aは、本体19Aの軸線19aA方向の第1端部(軸線19aA方向の2つの端部のうち、本体19B側の端部)における、円弧の周方向の端部に設けられている。フランジ20Aは、前記端部から、円弧の外側に向かって突出している。フランジ20Aには、貫通孔20aAが形成されている。
本体19A及びフランジ20Aは、鋼板等により形成されている。
傾斜部12Bは、傾斜部12Aの本体19A、フランジ20Aと同様に構成された本体19B、フランジ(不図示)を有する。本体19Bの軸線19aB方向の第1端部は、本体19Aの第1端部に接合されている。本体19Aの軸線19aAと本体19Bの軸線19aBとは、互いに平行でなく交差している。
本体19Aの軸線19aA方向の第1端部及び本体19Bの軸線19aB方向の第1端部は、先端部11を構成する。本体19A,19Bは、前記平面視において、軸線19aA,軸線19aBが鈍角をなす側とは反対側に向かって開口している(前記鈍角をなす側に向かってL字状に屈曲している)。
【0023】
図4に示す排土体10の平面視で、クレーン船35による排土体10の移動方向は、Xである。先端部11は、排土体10における幅方向Yの中央に配置されている。傾斜部12A,12Bは、先端部11から幅方向Yの両側にそれぞれ広がり、かつ移動方向Xに対して後方(排土体10が移動する向きとは反対の向き)に傾斜している。
【0024】
補強部材13は、棒状に形成されている。補強部材13は、本体19Aにおける軸線19aA方向の第1端部とは反対側の第2端部、及び本体19Bにおける軸線19aB方向の第1端部とは反対側の第2端部にそれぞれ接続されている。補強部材13は、幅方向Yに延びている。補強部材13は、磁性の無いオーステナイト系ステンレス鋼で形成されることが好ましい。
図3から
図5に示すように、突出部14は、先端部11から下方(軸線19aA方向及び軸線19aB方向にそれぞれ交差する向き)に向かって突出している。突出部14は、本体22と、フランジ23と、を有する。
図3に示すように、移動方向Xから見た正面視で本体22は、下方に向かって凸となる三角状である。すなわち、本体22の下端部は、下方に向かって尖っている。
【0025】
図5に示すように、本体22の切断線A2-A2による断面形状は、直線状である。本体22は、傾斜部12Aの本体19Aの下端部(周方向の端部)に滑らかに連なっている。同様にして、本体22は、傾斜部12Bの本体19Bの下端部に滑らかに連なっている。
フランジ23は、本体22の上端部に設けられている。フランジ23には、貫通孔23aが形成されている。
【0026】
フランジ23は、傾斜部12A,12Bのフランジ20Aに、フランジ20Aの下方から接触している。傾斜部12A,12Bのフランジ20Aの貫通孔20aA、及び突出部14のフランジ23の貫通孔23aには、ボルト25の軸部がそれぞれ通されている。ボルト25の頭部は、傾斜部12A,12Bのフランジ20Aに係止している。ボルト25の軸部には、ナット26が嵌め合っている。ボルト25の頭部及びナット26は、傾斜部12A,12Bのフランジ20A及び突出部14のフランジ23を挟み込んでいる。
以上のようにして、突出部14が先端部11に取付けられている。
一方で、ボルト25の軸部からナット26を取外すと、突出部14が先端部11から取外される。以上のように、突出部14は、先端部11に着脱可能に取付けられている。
【0027】
なお、排土体10における傾斜部12A,12B及び突出部14の寸法は、地盤101の土砂101aの種類、埋設配管105が埋設される深さ等に応じて、適宜設定される。
【0028】
配管検出部15は、埋設配管105、及び埋設配管105に直交する鉛直面S1(
図2参照)内における海底面100aの形状(形状情報)を検出し、その結果を検出情報とする。
図4に示すように、例えば、配管検出部15は、複数(本実施形態では2)の超音波スキャナ28A,28Bを有する。超音波スキャナ28A,28Bは、補強部材13に、幅方向Yに互いに間隔を空けて配置されている。超音波スキャナ28A,28Bは、無線通信により、検出情報を操作情報生成部60に送信する。
姿勢検出部16は、海底100における排土体10の向き(海底面100aに対する姿勢)を検出する。例えば、姿勢検出部16は、複数(本実施形態では2)の加速度センサ30A,30Bを有する。加速度センサ30A,30Bは、補強部材13に、幅方向Yに互いに間隔を空けて配置されている。加速度センサ30A,30Bは、無線通信により、検出結果を操作情報生成部60に送信する。
【0029】
本実施形態では、姿勢検出部16は、配管検出部15よりも、幅方向Yの内側に位置している。しかし、傾斜部12A,12B及び補強部材13において、姿勢検出部16及び配管検出部15が配置される位置は、限定されない。
【0030】
排土体10には、主索条32A,32B、及び補助索条33A,33Bが接続されている。具体的には、主索条32A,32Bの第1端部は、傾斜部12A,12Bの本体19A,19Bにおける幅方向Yの外側の部分に接続されている。主索条32A,32Bの第1端部は、傾斜部12A,12Bにおける移動方向Xの後側の端に接続されている。
補助索条33A,33Bの第1端部は、傾斜部12A,12Bの本体19A,19Bにおける幅方向Yの外側の端に接続されている。補助索条33A,33Bの第1端部は、傾斜部12A,12Bにおける移動方向Xの前側の端に接続されている。主索条32A,32Bの第1端部は、補助索条33A,33Bの第1端部よりも幅方向Yの内側に位置している。
主索条32A,32B及び補助索条33A,33Bは、ワイヤーやロープ等である。
主索条32A,32B及び補助索条33A,33Bは、排土体10の先端部11側に延びている。主索条32A,32Bにおける第1端部とは反対側の第2端部、及び補助索条33A,33Bにおける第1端部とは反対側の第2端部は、縛る等して結合部にまとめられている。
【0031】
以上のように構成された排土体10は、
図9に示すように、海底100の地盤101上に配置される。この際に、海底100の地盤101に、排土体10の傾斜部12A,12Bの下部及び突出部14が刺さる。
【0032】
なお、
図6に示す排土体10aのように、排土体10の突出部14に代えて、突出部14aを備えてもよい。突出部14aの本体22aの下端部は、水平面に沿って平坦である。突出部14aは、突出部14と同様に、先端部11に着脱可能に取付けられている。
このように、互いに異なる複数種類の形状の突出部14,14aを用意しておくことで、必要に応じて先端部11に取付けられる突出部14,14aの形状を変えることができる。
なお、排土体の形状は、埋設配管105の上方に堆積している土砂を除去できる形状であれば、限定されない。
【0033】
図1に示すように、クレーン船35は、船本体36と、操舵室37と、クレーン38と、を有する。
船本体36は、図示しない推進器としてのスクリュー、舵、駆動源等を有している。スクリュー及び舵は、水中に配置されている。駆動源によりスクリューを回転させることで、船本体36を前進させることができる。駆動源により舵の向きを変えることで、クレーン船35を、右や左に曲がるように進めることができる。
【0034】
操舵室37は、船本体36の前方の部分に配置されている。クレーン船35の操作者は、操舵室37内で駆動源等を操作する。
クレーン38は、船本体36の後方の部分に配置されている。クレーン38に巻き回された操作索条39の端部は、主索条32A,32B及び補助索条33A,33Bの結合部に接続されている。
【0035】
以上のように構成されたクレーン船35は、操作索条39、主索条32A,32B及び補助索条33A,33Bを介して排土体10を牽引する。すなわち、クレーン船35は、排土体10を牽引して移動操作する。
排土体10は、海底100に埋設された埋設配管105に沿う移動に伴って埋設配管105の上方に堆積している土砂101a(
図2参照)を除去する。土砂101aは、地盤101等から形成される。
【0036】
例えば、操作体位置取得部50、排土体位置認識部55、操作情報生成部60、及び表示部65は、クレーン船35の操舵室37内に配置される。
相対位置情報取得部45は、クレーン船35に対する排土体10の相対位置である相対位置情報を取得する。例えば、相対位置情報取得部45には、公知のUSBL(Ultra-Short Baseline Location)ポジショニングシステムが用いられる。例えば、相対位置情報取得部45の発信機は、排土体10に取付けられる。相対位置情報取得部45の本体は操舵室37内に配置され、発信機との間で無線通信する。
【0037】
操作体位置取得部50は、埋設配管105に対するクレーン船35の位置である操作体位置情報を取得する。例えば、操作体位置取得部50は、GNSS(Global Navigation Satellite System)により取得されるクレーン船35の経緯度情報と、埋設配管105の経路情報に基づいて、埋設配管105に対するクレーン船35の位置である操作体位置情報を取得する。
この場合、操作体位置取得部50には、公知のナビゲーションシステムを用いることができる。ナビゲーションシステムが備えるマップ情報には、埋設配管105の経路情報が含まれる。埋設配管105の経路情報は、例えば、埋設配管105の経路に沿って離散的に設定された複数のノードのノード番号と各ノードの経緯度情報とが関連付けられたデータベースである。埋設配管105の経路情報は、実際の埋設配管105の埋設位置を予め計測して得てもよいし、埋設配管105を埋設した時の施工情報から得てもよい。
【0038】
排土体位置認識部55は、操作体位置情報及び相対位置情報に基づいて、埋設配管105に対する排土体10の位置である排土体位置情報を生成する。例えば、排土体位置情報は、操作体位置情報と相対位置情報との差等から求められる。
図7に示すように、例えば、表示部65は液晶ディスプレイである。
【0039】
操作情報生成部60は、無線通信により、超音波スキャナ28A,28B及び加速度センサ30A,30Bからの検出結果(検出情報)を受信する。操作情報生成部60は、排土体位置情報及び操作体位置情報に基づいて、排土体10を埋設配管105に沿って移動させるための操作情報を生成する。例えば、操作情報には、クレーン船35の速力や操舵角、操作索条39の張力等の情報が含まれる。操作情報生成部60は、配管検出部15の検出情報に基づいて、鉛直面S1内における排土体10と埋設配管105との位置関係を示す鉛直面内情報を生成する。
操作情報生成部60は、鉛直面内情報と、配管検出部15により検出された鉛直面S1内における海底面100aの形状情報とに基づいて、鉛直面S1内における海底面100aの形状、埋設配管105、及び、排土体10の位置関係を、表示部65に視認可能に表示する。操作情報生成部60は、姿勢検出部16の検出情報に基づいて、海底100における排土体10の向きを補正するための補正情報を生成する。例えば、補正情報には、クレーン船35を左右のどちら側にどれ位の角度曲げて、どれくらいの速度で進むか、クレーン船35の速力や操舵角、操作索条39の張力等の情報が含まれる。
【0040】
なお、操作情報生成部60は、鉛直面内情報に基づいた排土体10と埋設配管105との距離が、予め定められた距離閾値を超えたときに、以下のように処理してもよい。すなわち、操作情報生成部60は、海底100から排土体10を上方に引抜いて、海底100に排土体10を配置し直す案内を、表示部65に視認可能に表示する。
【0041】
次に、本実施形態の埋設配管の掘り起こし方法(以下では、単に掘り起こし方法とも言う)について説明する。
埋設配管105の位置は、埋設配管105を埋設したときの情報、公知の方法で埋設配管105の位置を測定すること等により、予め知られているとする。
図8は、掘り起こし方法S5を示すフローチャートである。掘り起こし方法S5では、除去工程S6と、掘り起こし工程S7と、を行う。
まず、除去工程S6では、埋設配管105の上方で排土体10を埋設配管105に沿って移動させることで、埋設配管105の上方に堆積している土砂101aを除去する除去作業を行う。
【0042】
具体的には、操作者はクレーン船35のクレーン38で排土体10を操作し、
図9及び
図10に示すように、海底100の地盤101における埋設配管105上に排土体10を配置する。この際に、埋設配管105の延在方向が、排土体10の移動方向Xに沿うように排土体10を配置する。排土体10において、先端部11よりも突出部14が下方に位置するとともに、排土体10が先端部11側に牽引されるように、排土体10を配置する。
スクリューを回転させてクレーン船35を前進させると、
図9に示すように、突出部14が海底100の地盤101に形成する凹部101bの底部が、傾斜部12A,12Bが海底100の地盤101に形成する凹部101cの底部よりも下方に位置するように、除去作業が行われる。除去工程S6では、排土体10の先端部11から幅方向Yの両側に土砂101aをかき分けて、除去作業が行われる。
海底100における排土体10で土砂101aがかき分けられた部分では、
図2に示すように、地盤101の凹部101cよりも幅方向Yの両側に、浚渫土101dが積み上がる。埋設配管105が、地盤101から上方に露出した状態になる場合がある。
【0043】
図7に示すように、埋設配管105上から排土体10がずれ、鉛直面内情報に基づいた排土体10と埋設配管105との距離が距離閾値を超える場合が考えられる。この場合には、操作情報生成部60は表示部65に、「海底から排土体を上方に引抜いて、海底に排土体を配置し直して下さい」という案内を表示してもよい。操作者がこの案内を視認すると、操作者はクレーン船35を操作して、海底100から排土体10を上方に引抜いて、海底100の埋設配管105上に排土体10を配置し直す。そして、クレーン船35で排土体10を牽引する作業を再び行う。
除去工程S6が終了すると、掘り起こし工程S7に移行する。掘り起こし工程S7は、除去工程S6後に行う工程である。
【0044】
次に、掘り起こし工程S7では、埋設配管105をその延在方向に沿って順次上方に移動させて海底100の地盤101から掘り起こす。掘り起こし工程S7には、排土体10に代えて、例えば
図11及び
図12に示す水底移動体70が用いられる。例えば、水底移動体70は、接地部71と、支持部72と、規制部73と、を備える。
接地部71は、水底移動体70のうち海底100の地盤101に接地する部位である。接地部71は、例えば、板状の部材であり、移動方向Xに延びる。水底移動体70は、一対の接地部71を備える。一対の接地部71は、幅方向Yに互いに間隔を空けて配置されている。
支持部72は、水底移動体70のうち埋設配管105を支持する部位である。例えば、支持部72は円柱状に形成され、幅方向Yに延びている。支持部72は、一対の接地部71にそれぞれ接続されている。水底移動体70は、複数の支持部72を備える。複数の支持部72は、移動方向Xに互いに間隔を空けて配置されている。
【0045】
規制部73は、支持部72による幅方向Yにおける埋設配管105の支持位置の変化を規制する。規制部73は、支持部72に対して一対配置されている。一対の規制部73は、幅方向Yに互いに間隔を空けて配置されている。
主索条32A,32Bの第1端部は、複数の支持部72のうち移動方向Xで最も前方に位置する支持部72における幅方向Yの両端部に接続される。
なお、平面視における水底移動体70の4隅に、加速度センサを配置してもよい。このように構成することで、水底移動体70の向き(海底面100aに対する姿勢)を検出することができる。
【0046】
掘り起こし工程S7では、埋設配管105の一部を地盤101から上方に取り出し、水この一部を、水底移動体70の支持部72上であって一対の規制部73の間に配置する。クレーン船35を前進させると、水底移動体70が埋設配管105の延在方向に沿って移動し、埋設配管105を海底100の地盤101から順次掘り起こす。
掘り起こし工程S7が終了すると、掘り起こし方法S5の全工程が終了し、埋設配管105が海底100から掘り起こされる。
【0047】
なお、掘り起こし工程は、前記の内容に限定されない。例えば、掘り起こし工程では、水底移動体70とともに、グラブ浚渫、サンドポンプ浚渫等を用いてもよい。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の掘り起こし方法S5では、予め除去工程S6において、海底100に埋設された埋設配管105の上方で排土体10を埋設配管105に沿って移動させる。埋設配管105上に堆積した土砂101aを予め除去することができるため、埋設配管105を掘り起こす際に水中で拡散する土砂101aの量を減らすことがきる。従って、除去工程S6後に行う掘り起こし工程S7において、埋設配管105をその延在方向に沿って順次上方に移動させて海底100から掘り起こしたときに、海底100の土砂101aの拡散を抑えて海底100から埋設配管105を掘り起こし、海洋環境への負荷を抑制することができる。
【0049】
除去工程S6では、排土体10の先端部11から幅方向Yの両側に土砂101aをかき分けて、除去作業を行う。除去工程S6において、例えば海底100上で、排土体10の先端部11が傾斜部12A,12Bよりも先端側になるように排土体10を移動させる。これにより、海底100の土砂101aを、傾斜部12A,12Bにより幅方向Yの両側にかき分けて除去することができる。
除去工程S6では、突出部14が海底100の地盤101に形成する凹部101bの底部が、傾斜部12A,12Bが海底100の地盤101に形成する凹部101cの底部よりも下方に位置するように、除去作業を行う。除去工程S6において、先端部11に対する突出部14側が下方となるように、海底100上に排土体10を置く。そして、突出部14が海底100に形成する凹部101bの底部が、傾斜部12A,12Bが海底100に形成する凹部101cの底部よりも下方に位置するように除去作業を行う。このため、例えば、除去工程S6において、平面視における突出部14の位置を埋設配管105の位置に合わせることで、突出部14により埋設配管105の周囲の土砂101aをより確実に除去することができる。
【0050】
突出部14は、先端部11に着脱可能に取付けられている。従って、必要に応じて、先端部11に突出部14を取付けたり、先端部11から突出部14を取外したりすることができる。また、互いに異なる複数種類の形状の突出部14を用意しておくことで、必要に応じて先端部11に取付けられる突出部14の形状を変えることができる。
【0051】
また、本実施形態の管理システム1では、排土体位置認識部55は、操作体位置情報及び相対位置情報に基づいて(例えば、操作体位置情報と相対位置情報との差等に基づいて)、埋設配管105に対する排土体10の位置である排土体位置情報を生成する。そして、操作情報生成部60は、排土体位置情報及び操作体位置情報に基づいて、排土体10を埋設配管105に沿って移動させるための操作情報を生成することができる。そして、操作者又は管理システム1は、操作情報に基づいてクレーン船35を操作し、排土体10を埋設配管105に沿って移動させることができる。
また、排土体10は、海底100に埋設された埋設配管105に沿う移動に伴って埋設配管105の上方に堆積している土砂101aを除去し、クレーン船35は排土体10を牽引して移動操作する。例えば、海底100から埋設配管105を掘り起こす前に、排土体10及びクレーン船35により埋設配管105上に堆積した土砂101aを予め除去することができるため、埋設配管105を掘り起こす際に水中で拡散する土砂101aの量を減らすことがきる。従って、埋設配管105を海底100から掘り起こしたときに海底100の土砂101aの拡散を抑え、海洋環境への負荷を抑制することができる。
【0052】
操作情報生成部60は、配管検出部15の検出情報に基づいて、鉛直面S1内における排土体10と埋設配管105との位置関係を示す鉛直面内情報を生成する。排土体位置認識部55が生成する排土体位置情報でも、埋設配管105に対する排土体10の位置関係が分かる。しかし、操作情報生成部60が生成した鉛直面内情報により、鉛直面S1内における排土体10と埋設配管105との位置関係を、より正確かつ直接的に求めることができる。
操作情報生成部60は、鉛直面内情報と、配管検出部15により検出された鉛直面S1内における海底面100aの形状情報とに基づいて、鉛直面S1内における海底面100aの形状、埋設配管105、及び、排土体10の位置関係を視認可能に表示する。従って、例えば表示部65に、鉛直面S1内における海底面100aの形状、埋設配管105、及び、排土体10の位置関係を表示する。この表示を操作者が視認することにより、これら海底面100aの形状等を、操作者が容易に認識することができる。
【0053】
操作情報生成部60は、姿勢検出部16の検出情報に基づいて、海底100における排土体10の向きを補正するための補正情報を生成する。例えば操作者又は管理システム1は、操作情報生成部60が生成した補正情報に基づいてクレーン船35を操作することで、海底100における排土体10の向きを補正することができる。具体的には、操作者又は管理システム1は、補正情報に基づいてクレーン船35を右や左に曲げて排土体10の向きを補正することで、排土体10が埋設配管105を通るようにすることができる。
操作情報生成部60は、排土体10と埋設配管105との距離が距離閾値を超えたときに、海底100から排土体10を上方に引抜いて、海底100に排土体10を配置し直す案内を視認可能に表示する。このため、操作者が案内を視認することにより、鉛直面内情報に基づいた排土体10と埋設配管105との距離が距離閾値を超えたことを認識することができる。そして、例えば、操作者がクレーン船35を操作することで、海底100から排土体10を上方に引抜いて、海底100に排土体10を配置し直すことができる。
【0054】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、突出部14は、先端部11に固定されていてもよい。配管検出部15は、海底面100aの形状を検出しなくてもよい。
排土体10は、補強部材13、突出部14、配管検出部15、及び姿勢検出部16を備えなくてもよい。
【0055】
操作体はクレーン船35であるとしたが、操作体は排土体10を牽引して移動操作できるタグボート等の移動体であればよく、例えば水中を移動する水中移動体であってもよく、水面上を移動する移動体に限定されない。
水底が海底100であるとしたが、水底はこれに限定されず、水底は湖底等でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 管理システム(排土体牽引用操作体管理システム)
10,10a 排土体
11 先端部
12A,12B 傾斜部
14,14a 突出部
15 配管検出部
16 姿勢検出部
35 クレーン船(操作体)
45 相対位置情報取得部
50 操作体位置取得部
55 排土体位置認識部
60 操作情報生成部
100 海底(水底)
100a 海底面(水底面)
101a 土砂
101b,101c 凹部
105 埋設配管
S5 掘り起こし方法(埋設配管の掘り起こし方法)
S6 除去工程
S7 掘り起こし工程