特開 2024-101830 嵌合コネクタ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024101830

(43)【公開日】2024-07-30

(54)【発明の名称】嵌合コネクタ

(51)【国際特許分類】

   H01R 13/64 20060101AFI20240723BHJP

【ＦＩ】

H01R13/64

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023005985

(22)【出願日】2023-01-18

(71)【出願人】

【識別番号】000006895

【氏名又は名称】矢崎総業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001771

【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所

(72)【発明者】

【氏名】大野 紘明

(72)【発明者】

【氏名】田中 泰弘

(72)【発明者】

【氏名】毛利 行潤

(72)【発明者】

【氏名】鈴木 徹

(72)【発明者】

【氏名】林 淳平

【テーマコード（参考）】

5E021

【Ｆターム（参考）】

5E021FA03

5E021FA08

5E021FA16

5E021FB07

5E021FB20

5E021FC38

5E021FC40

5E021JA05

5E021KA08

(57)【要約】

【課題】好適なインターロック構造を有すること。
【解決手段】第１コネクタ１０は、一対の筒状の第１嵌合部２１の外周壁に電気接続面４１を第１嵌合部の外周面２１ａから飛び出させぬよう埋設した第１嵌合部毎の通電部材４０を備え、第２コネクタ１１０は、一対の第２嵌合部１２１の外周壁の間で第２ハウジング１２０に収容された２つの嵌合検知端子１４０と、完全嵌合位置か半嵌合位置かを電気信号に基づき判定する外部判定回路６００に嵌合検知端子を電気接続させる嵌合検知端子毎の電線１５１と、を備え、嵌合検知端子は、第２嵌合部の筒内に配置されたバネ接点部１４１を第２嵌合部毎に有し、一対の嵌合検知端子は、半嵌合位置の場合、筒内のそれぞれのバネ接点部を電気接続面に接触させず、完全嵌合位置の場合、筒内のそれぞれのバネ接点部を電気接続面に接触させ且つ電気接続させること。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

完全嵌合位置で相互間の通電品質を確保する一方、半嵌合位置で相互間の通電品質が安定し得ない第１コネクタと第２コネクタを備え、
前記第１コネクタは、一対の筒状の第１嵌合部を有する第１ハウジングと、前記第１嵌合部の筒内に収容される第１端子接続部を有する前記第１嵌合部毎の第１端子金具と、前記第１嵌合部の外周壁に電気接続面を前記第１嵌合部の外周面から飛び出させぬよう埋設した前記第１嵌合部毎の通電部材と、を備え、
前記第２コネクタは、筒内に嵌入させた前記第１嵌合部を前記完全嵌合位置で嵌合接続させる筒状の第２嵌合部を前記第１嵌合部毎に有する第２ハウジングと、前記第２嵌合部の筒内に収容され且つ前記完全嵌合位置で前記第１端子接続部に嵌合接続させる第２端子接続部を有する前記第２嵌合部毎の第２端子金具と、一対の前記第２嵌合部の外周壁の間で前記第２ハウジングに収容された２つの嵌合検知端子と、前記完全嵌合位置か前記半嵌合位置かを電気信号に基づき判定する外部判定回路に前記嵌合検知端子を電気接続させる前記嵌合検知端子毎の電線と、を備え、
前記嵌合検知端子は、前記第２嵌合部の貫通孔を介して前記第２嵌合部の筒内に配置されたバネ接点部を前記第２嵌合部毎に有し、
一対の前記嵌合検知端子は、前記半嵌合位置の場合、前記第２嵌合部の筒内のそれぞれの前記バネ接点部を当該筒内に入り込んだ前記通電部材の前記電気接続面に接触させず、前記完全嵌合位置の場合、前記第２嵌合部の筒内のそれぞれの前記バネ接点部を当該筒内に入り込んだ前記通電部材の前記電気接続面に接触させ且つ電気接続させることを特徴とした嵌合コネクタ。

【請求項2】

前記第１嵌合部は、円筒状に形成され、
前記通電部材は、前記第１嵌合部の前記外周面に前記電気接続面を沿わせた円弧状に形成されることを特徴とした請求項１に記載の嵌合コネクタ。

【請求項3】

前記嵌合検知端子は、前記電線を物理的且つ電気的に接続させ、かつ、前記電線を前記第２ハウジングの外に引き出させる電線接続部を有することを特徴とした請求項１又は２に記載の嵌合コネクタ。

【請求項4】

前記第１コネクタは、前記第１端子接続部が雌端子形状の雌端子金具を前記第１端子金具とする雌コネクタであり、
前記第２コネクタは、前記第２端子接続部が雄端子形状の雄端子金具を前記第２端子金具とする雄コネクタであることを特徴とした請求項１又は２に記載の嵌合コネクタ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、嵌合コネクタに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、嵌合コネクタにおいては、雌コネクタと雄コネクタとが完全嵌合状態であるのか半嵌合状態であるのかを判定するべく、その判定を担うインターロック機能を持たせたものが存在する。例えば、下記の特許文献１には、雌コネクタと雄コネクタにそれぞれインターロックコネクタを設け、雄コネクタのインターロックコネクタの導通部が雌コネクタのインターロックコネクタの一対の弾性接触片で挟持されたときに相互間に流れる電気信号を検知して嵌合検知を行うという技術が開示されている。また、下記の特許文献２から６には、雌コネクタと雄コネクタの嵌合時に一方のコネクタの端子金具を他方のコネクタの導通ピンに接続させるなどして嵌合検知を行うという技術が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２０－０７２０６４号公報

【特許文献2】特開２０１９－００３８０７号公報

【特許文献3】特開２０１３－１６１５７６号公報

【特許文献4】特開２０１３－１４０８２１号公報

【特許文献5】特開２０１２－１２８９６７号公報

【特許文献6】特開２０１１－０４８９８３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、従来の嵌合コネクタは、そのインターロック構造に関して改善の余地がある。

【0005】

そこで、本発明は、好適なインターロック構造を有する嵌合コネクタを提供することを、その目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明は、完全嵌合位置で相互間の通電品質を確保する一方、半嵌合位置で相互間の通電品質が安定し得ない第１コネクタと第２コネクタを備え、前記第１コネクタは、一対の筒状の第１嵌合部を有する第１ハウジングと、前記第１嵌合部の筒内に収容される第１端子接続部を有する前記第１嵌合部毎の第１端子金具と、前記第１嵌合部の外周壁に電気接続面を前記第１嵌合部の外周面から飛び出させぬよう埋設した前記第１嵌合部毎の通電部材と、を備え、前記第２コネクタは、筒内に嵌入させた前記第１嵌合部を前記完全嵌合位置で嵌合接続させる筒状の第２嵌合部を前記第１嵌合部毎に有する第２ハウジングと、前記第２嵌合部の筒内に収容され且つ前記完全嵌合位置で前記第１端子接続部に嵌合接続させる第２端子接続部を有する前記第２嵌合部毎の第２端子金具と、一対の前記第２嵌合部の外周壁の間で前記第２ハウジングに収容された２つの嵌合検知端子と、前記完全嵌合位置か前記半嵌合位置かを電気信号に基づき判定する外部判定回路に前記嵌合検知端子を電気接続させる前記嵌合検知端子毎の電線と、を備え、前記嵌合検知端子は、前記第２嵌合部の貫通孔を介して前記第２嵌合部の筒内に配置されたバネ接点部を前記第２嵌合部毎に有し、一対の前記嵌合検知端子は、前記半嵌合位置の場合、前記第２嵌合部の筒内のそれぞれの前記バネ接点部を当該筒内に入り込んだ前記通電部材の前記電気接続面に接触させず、前記完全嵌合位置の場合、前記第２嵌合部の筒内のそれぞれの前記バネ接点部を当該筒内に入り込んだ前記通電部材の前記電気接続面に接触させ且つ電気接続させることを特徴としている。

【発明の効果】

【0007】

本発明に係る嵌合コネクタは、一対の通電部材と一対の嵌合検知端子と一対の電線によって、第１コネクタと第２コネクタが完全嵌合位置にあるのか半嵌合位置にあるのかを外部判定回路に検知させることができる。つまり、この嵌合コネクタは、一対の通電部材と一対の嵌合検知端子と一対の電線を最低限の構成部品にして、第１コネクタと第２コネクタが完全嵌合位置にあるのか半嵌合位置にあるのかを外部判定回路に検知させることができる。このため、本発明に係る嵌合コネクタは、端子金具やハウジングを要するインターロックコネクタを用いる必要がないので、必要最低限の部品点数で接触点の数量を抑えたインターロック構造を構築することができる。従って、本発明に係る嵌合コネクタは、信頼性の高い好適なインターロック構造を有することができる。また、本発明に係る嵌合コネクタは、第１コネクタと第２コネクタが完全嵌合位置のときに、一方の通電部材と一対の嵌合検知端子と一対の電線と外部判定回路による第１閉回路と、他方の通電部材と一対の嵌合検知端子と一対の電線と外部判定回路による第２閉回路と、が形成される。このため、この嵌合コネクタは、例えば、嵌合検知端子の２つのバネ接点部の内の一方のバネ力が万が一にでも低下して、その一方のバネ接点部と一方の通電部材との間の接触状態が安定しなくなったとしても、他方の通電部材側の閉回路で第１コネクタと第２コネクタが完全嵌合位置にあることを検知することができる。従って、本発明に係る嵌合コネクタは、安定性と耐久性が高い好適なインターロック構造を有することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】図１は、実施形態の嵌合コネクタを雌コネクタと雄コネクタとに分けて示す斜視図である。

【図2】図２は、実施形態の嵌合コネクタを雄コネクタ側から見た平面図である。

【図3】図３は、実施形態の嵌合コネクタを側方から見た平面図である。

【図4】図４は、図３のＸ－Ｘ線断面の部分拡大図である。

【図5】図５は、雌コネクタを示す平面図である。

【図6】図６は、雄コネクタを示す平面図である。

【図7】図７は、雄コネクタの分解斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下に、本発明に係る嵌合コネクタの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。

【0010】

［実施形態］
本発明に係る嵌合コネクタの実施形態の１つを図１から図７に基づいて説明する。

【0011】

図１から図４に示す符号１は、本実施形態の嵌合コネクタを示す。この嵌合コネクタ１は、完全嵌合位置で相互間の通電品質を確保する一方、半嵌合位置で相互間の通電品質が安定し得ない第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０を備える（図１から図４）。第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が完全嵌合位置のときとは、その相互間の通電状態を保ち得る嵌合位置のことである。一方、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が半嵌合位置のときとは、その相互間で通電状態とならない嵌合位置、又は、その相互間の通電状態を保ち得ない嵌合位置のことである。例えば、この嵌合コネクタ１においては、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０の内の何れか一方が電気自動車等におけるインバータのケース５００に取り付けられる（図１）。

【0012】

第１コネクタ１０は、一対の筒状の第１嵌合部２１を有する第１ハウジング２０と、その第１嵌合部２１の筒内に収容される第１端子接続部３１を有する第１嵌合部２１毎の第１端子金具３０と、を備える（図１、図３及び図５）。一方、第２コネクタ１１０は、筒内に嵌入させた第１嵌合部２１を完全嵌合位置で嵌合接続させる筒状の第２嵌合部１２１を第１嵌合部２１毎に有する第２ハウジング１２０と、その第２嵌合部１２１の筒内に収容され且つ完全嵌合位置で第１端子接続部３１に嵌合接続させる第２端子接続部１３１を有する第２嵌合部１２１毎の第２端子金具１３０と、を備える（図１から図３、図６及び図７）。

【0013】

この第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０は、その内の一方が雌コネクタとして構成され、かつ、その内の他方が雌コネクタとして構成される。この第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０は、第１嵌合部２１と第２嵌合部１２１が完全嵌合位置のときに、それぞれの筒内の第１端子接続部３１と第２端子接続部１３１を嵌合接続させ、この第１端子接続部３１と第２端子接続部１３１を物理的且つ電気的に接続させる。

【0014】

ここで示す第１コネクタ１０は、第１端子接続部３１が雌端子形状の雌端子金具を第１端子金具３０とする雌コネクタである。そして、ここで示す第２コネクタ１１０は、第２端子接続部１３１が雄端子形状の雄端子金具を第２端子金具１３０とする雄コネクタである。本実施形態では、第１端子接続部３１が円筒の雌端子形状に形成され、円筒状の第１嵌合部２１の筒内で第１端子接続部３１が同心上に配置されている。また、本実施形態では、第２端子接続部１３１が円柱の雄端子形状に形成され、円筒状の第２嵌合部１２１の筒内で内周面に対して第２端子接続部１３１が隙間を空けて同心上に配置されている。第１嵌合部２１は、その第２嵌合部１２１の内周面と第２端子接続部１３１の外周面との間の円筒状の隙間に嵌入される。

【0015】

この嵌合コネクタ１は、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が完全嵌合位置にあるのか半嵌合位置にあるのかを検知するためのインターロック構造を備える。

【0016】

第１コネクタ１０は、第１嵌合部２１の外周壁に電気接続面４１を第１嵌合部２１の外周面２１ａから飛び出させぬよう埋設した第１嵌合部２１毎の通電部材４０を備える（図１及び図４）。第２コネクタ１１０は、一対の第２嵌合部１２１の外周壁の間で第２ハウジング１２０に収容された２つの嵌合検知端子１４０と、完全嵌合位置か半嵌合位置かを電気信号に基づき判定する外部判定回路６００に嵌合検知端子１４０を電気接続させる嵌合検知端子１４０毎の電線１５１と、を備える（図１、図２、図４、図６及び図７）。嵌合コネクタ１においては、その通電部材４０と一対の嵌合検知端子１４０と一対の電線１５１でインターロック構造を構成している。

【0017】

通電部材４０は、第１嵌合部２１の外周面２１ａに電気接続面４１を沿わせた円弧状に形成される（図１）。そして、一対の通電部材４０は、一対の第１嵌合部２１の対向配置方向で互いに向かい合うように配置されている（図１）。ここで示す通電部材４０は、第１嵌合部２１の外周面２１ａに対して半周以上に亘って延在させている。

【0018】

嵌合検知端子１４０は、第２嵌合部１２１の貫通孔１２１ａを介して第２嵌合部１２１の筒内に配置されたバネ接点部１４１を第２嵌合部１２１毎に有する（図６）。この２つのバネ接点部１４１は、板バネ形状に形成され、その端部同士が平板状の連結部１４２で繋がれている（図７）。ここで示す連結部１４２は、長方形の平板状に形成され、その長手方向を一対の第２嵌合部１２１の外周壁の間で当該一対の第２嵌合部１２１の配列方向に合わせて配置されている。嵌合検知端子１４０においては、この連結部１４２の長手方向の一端と他端にバネ接点部１４１を設け、かつ、その一端と他端から第１コネクタ１０に対する第２コネクタ１１０の嵌合接続方向とは逆向きにバネ接点部１４１を延在させている。尚、以下において特段の言及も無く単に「嵌合接続方向」と記した場合、その嵌合接続方向とは、第１コネクタ１０に対する第２コネクタ１１０の嵌合接続方向のことを示している。

【0019】

また、この嵌合検知端子１４０は、連結部１４２から嵌合接続方向に突出させた嵌合部１４３を有する（図７）。この嵌合検知端子１４０は、その嵌合部１４３を第２ハウジング１２０に嵌入させることによって第２ハウジング１２０に保持させる。ここで示す嵌合部１４３は、連結部１４２における嵌合接続方向側の長辺から板状に突出させている。

【0020】

また、この嵌合検知端子１４０は、電線１５１を物理的且つ電気的に接続させ、かつ、この電線１５１を第２ハウジング１２０の外に引き出させる電線接続部１４４を有する（図４及び図７）。例えば、ここで示す電線接続部１４４は、対になるバレル片を電線１５１に加締め圧着させることで当該電線１５１に対して物理的且つ電気的に接続される加締め圧着部として形成されている。この電線接続部１４４は、電線１５１を第２ハウジング１２０から嵌合接続方向とは逆向きで外部に引き出させる。電線１５１は、その引き出された先で外部判定回路６００に電気接続させる。

【0021】

このインターロック構造において、一対の嵌合検知端子１４０は、半嵌合位置の場合、第２嵌合部１２１の筒内のそれぞれのバネ接点部１４１を当該筒内に入り込んだ通電部材４０の電気接続面４１に接触させない。そして、このインターロック構造においては、その通電部材４０と一対の嵌合検知端子１４０のそれぞれのバネ接点部１４１の非接触状態が第２嵌合部１２１毎に発生している。このため、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が半嵌合位置のときには、一対の通電部材４０と一対の嵌合検知端子１４０と一対の電線１５１と外部判定回路６００とによって閉回路が形成されず、その外部判定回路６００に電気信号が流れない。よって、外部判定回路６００は、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が半嵌合状態にあることを検知することができる。

【0022】

また、このインターロック構造において、一対の嵌合検知端子１４０は、完全嵌合位置の場合、第２嵌合部１２１の筒内のそれぞれのバネ接点部１４１を当該筒内に入り込んだ通電部材４０の電気接続面４１に接触させ且つ電気接続させる。そして、このインターロック構造においては、その通電部材４０と一対の嵌合検知端子１４０のそれぞれのバネ接点部１４１の接触状態が第２嵌合部１２１毎に発生している。このため、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が完全嵌合位置のときには、一方の通電部材４０と、この一方の通電部材４０にバネ接点部１４１が接触している一対の嵌合検知端子１４０と、一方の嵌合検知端子１４０に対して物理的且つ電気的に接続されている一方の電線１５１と、他方の嵌合検知端子１４０に対して物理的且つ電気的に接続されている他方の電線１５１と、一対の電線１５１に電気接続されている外部判定回路６００と、によって第１閉回路が形成され、その外部判定回路６００に電気信号が流れる。更に、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が完全嵌合位置のときには、他方の通電部材４０と、この他方の通電部材４０にバネ接点部１４１が接触している一対の嵌合検知端子１４０と、一方の嵌合検知端子１４０に対して物理的且つ電気的に接続されている一方の電線１５１と、他方の嵌合検知端子１４０に対して物理的且つ電気的に接続されている他方の電線１５１と、一対の電線１５１に電気接続されている外部判定回路６００と、によって第２閉回路が形成され、その外部判定回路６００に電気信号が流れる。よって、外部判定回路６００は、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が完全嵌合状態にあることを検知することができる。

【0023】

以上示したように、本実施形態の嵌合コネクタ１は、一対の通電部材４０と一対の嵌合検知端子１４０と一対の電線１５１によって、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が完全嵌合位置にあるのか半嵌合位置にあるのかを外部判定回路６００に検知させることができる。つまり、この嵌合コネクタ１は、一対の通電部材４０と一対の嵌合検知端子１４０と一対の電線１５１を最低限の構成部品にして、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が完全嵌合位置にあるのか半嵌合位置にあるのかを外部判定回路６００に検知させることができる。このため、本実施形態の嵌合コネクタ１は、端子金具やハウジングを要するインターロックコネクタを用いる必要がないので、必要最低限の部品点数で接触点の数量を抑えたインターロック構造を構築することができる。従って、本実施形態の嵌合コネクタ１は、信頼性の高い好適なインターロック構造を有することができる。

【0024】

また、本実施形態の嵌合コネクタ１は、第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が完全嵌合位置のときに、一方の通電部材４０と一対の嵌合検知端子１４０と一対の電線１５１と外部判定回路６００による第１閉回路と、他方の通電部材４０と一対の嵌合検知端子１４０と一対の電線１５１と外部判定回路６００による第２閉回路と、が形成される。このため、この嵌合コネクタ１は、例えば、嵌合検知端子１４０の２つのバネ接点部１４１の内の一方のバネ力が万が一にでも低下して、その一方のバネ接点部１４１と一方の通電部材４０との間の接触状態が安定しなくなったとしても、他方の通電部材４０側の閉回路で第１コネクタ１０と第２コネクタ１１０が完全嵌合位置にあることを検知することができる。従って、本実施形態の嵌合コネクタ１は、安定性と耐久性が高い好適なインターロック構造を有することができる。

【符号の説明】

【0025】

１ 嵌合コネクタ
１０ 第１コネクタ
２０ 第１ハウジング
２１ 第１嵌合部
２１ａ 外周面
３０ 第１端子金具
３１ 第１端子接続部
４０ 通電部材
４１ 電気接続面
１１０ 第２コネクタ
１２０ 第２ハウジング
１２１ 第２嵌合部
１２１ａ 貫通孔
１３０ 第２端子金具
１３１ 第２端子接続部
１４０ 嵌合検知端子
１４１ バネ接点部
１４４ 電線接続部
１５１ 電線
６００ 外部判定回路

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】