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特開2024-101833会計システム、入力装置、決済装置及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101833
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】会計システム、入力装置、決済装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240723BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20240723BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/12 321R
G06Q20/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005988
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 元宏
(72)【発明者】
【氏名】河原 高行
(72)【発明者】
【氏名】平松 直剛
【テーマコード(参考)】
3E142
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142DA04
3E142DA07
3E142DA08
3E142EA02
3E142EA04
3E142FA42
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA04
3E142GA41
3E142JA01
5L020AA42
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済できる会計システムを提供する。
【解決手段】入力装置は、取引に係るデータの入力終了指示を検出する。入力装置は、入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、複数台の決済装置のそれぞれに送信する。入力装置は、取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する。決済装置は、入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する。決済装置は、取引の決済が可能な状態で入力装置から入力終了の通知を受けると、決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する。
【選択図】 図4


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力デバイスを介して取引に係るデータを入力する入力装置と、取引を決済する複数台の決済装置とを通信回線で接続し、
前記入力装置は、
取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段と、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記複数台の決済装置のそれぞれに送信する第1送信手段と、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、前記複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する第1通知手段と、
を具備し、
前記決済装置は、
前記入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する決済側記憶手段と、
前記取引の決済が可能な状態で前記入力装置から前記入力終了の通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する決済手段と、
を具備する会計システム。
【請求項2】
前記決済装置は、
前記入力装置から前記入力終了の通知を受けると、前記取引の決済が可能か否かを前記入力装置に応答する決済応答手段、
をさらに具備し、
前記入力装置は、
前記入力終了を通知した前記決済装置から決済不可能の応答を受けると、前記入力終了を通知していない他の決済装置に入力終了を通知する第2通知手段、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項3】
前記入力装置は、
前記入力終了を通知した前記決済装置から決済可能の応答を受けると、前記入力終了を通知していない他の決済装置に決済終了を通知する第3通知手段、
をさらに具備し、
前記決済装置は、
前記入力装置から前記決済終了の通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータを削除する決済側削除手段、
をさらに具備する請求項2記載の会計システム。
【請求項4】
前記入力装置は、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを基に取引の明細情報を表示する明細表示手段、
をさらに具備し、
前記決済装置は、
前記取引の決済が可能な状態で前記入力装置から前記入力終了の通知を受けると、当該取引の決済金額を表示する金額表示手段、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項5】
前記複数台の決済装置のうち一台は親機として機能し、残りは子機として機能し、
前記入力装置の終了検出手段は、
第1の操作子に対する操作入力を入力終了指示として検出する第1手段と、
第2の操作子に対する操作入力を入力終了指示として検出する第2手段と、
を含み、
前記入力装置の第1通知手段は、
前記終了検出手段の前記第1手段により前記入力終了指示を検出した場合には親機として機能する決済装置に入力終了を通知し、前記第2手段により前記入力終了指示を検出した場合には子機として機能する決済装置に入力終了を通知する、
請求項1記載の会計システム。
【請求項6】
前記入力装置は、
取引の決済に必要な代金支払い方法の選択入力を受け付ける選択手段、
をさらに具備し、
前記入力装置の第1通知手段は、
いずれか一台の決済装置に前記選択手段により選択入力を受け付けた代金支払い方法を識別する支払い方法識別データとともに入力終了を通知し、
前記決済装置の決済手段は、
前記入力終了の通知とともに受信した前記支払い方法識別データで識別される代金支払い方法で取引を決済する、
請求項1記載の会計システム。
【請求項7】
前記決済装置は、
前記入力装置から前記入力終了の通知を受けると、前記取引の決済が可能か否かを前記入力装置に応答する決済応答手段、
をさらに具備し、
該決済応答手段は、
前記入力終了の通知とともに受信した前記支払い方法識別データで識別される代金支払い方法が当該決済装置では適用外の支払い方法であった場合には、前記取引の決済が不可能であることを前記入力装置に応答する、
請求項6記載の会計システム。
【請求項8】
前記入力装置の第1送信手段は、
前記入力デバイスを介して取引に係るデータが入力される毎に、その入力された取引に係るデータを前記複数台の決済装置のそれぞれに送信する、
請求項1乃至7のうちいずれか一記載の会計システム。
【請求項9】
取引に係るデータを入力するための入力デバイスと、
取引を決済する複数台の決済装置とデータ通信を行うための通信デバイスと、
取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段と、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記複数台の決済装置のそれぞれに送信する第1送信手段と、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、前記複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する第1通知手段と、
を具備する入力装置。
【請求項10】
入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に複数台の決済装置のそれぞれに送信する入力装置とデータ通信を行う通信デバイスと、
前記入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する決済側記憶手段と、
前記取引の決済が可能な状態で前記入力装置から前記入力終了指示を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する決済手段と、
を具備する決済装置。
【請求項11】
取引に係るデータを入力するための入力デバイスと、取引を決済する複数台の決済装置とデータ通信を行うための通信デバイスと、を備えた入力装置のコンピュータを、
取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記複数台の決済装置のそれぞれに送信する第1送信手段、及び、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、前記複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する第1通知手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に複数台の決済装置のそれぞれに送信する入力装置とデータ通信を行う通信デバイスを備えた決済装置のコンピュータを、
前記入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する決済側記憶手段、及び、
前記取引の決済が可能な状態で前記入力装置から前記入力終了指示を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する決済手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、会計システム、及びこのシステムの入力装置及び決済装置、さらには入力装置及び決済装置それぞれのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、量販店向けの会計システムとして、店員と客とが操作を分担する分担方式の会計システムが知られている。この種の会計システムは、取引毎にその取引で売買される商品のデータ入力を受け付ける入力装置と、この入力装置で入力された商品のデータを基に取引の決済処理を実行する決済装置とを分離する。そして、店員が入力装置を操作し、客が決済装置を操作するように配置する。
【0003】
分担方式の会計システムは、商品のデータ入力操作を店員が行うため、客が全ての操作を自身で行うセルフ方式の会計システムよりもデータ入力に要する時間が短縮される。その一方で、客が決済装置を操作するため、操作に不慣れな客が決済に手間取ることが想定される。そこで一般に、分担方式の会計システムは、1台の入力装置に対して複数台の決済装置が割り当てられている。
【0004】
従来のこの種の会計システムは、店員が入力装置に対して客との取引で売買される商品のデータ入力を全て終えると、入力装置において決済情報が生成される。決済情報は、売買された商品の商品コード、商品名、単価、数量、金額等の明細情報と、合計点数、合計金額等の合計情報と、を含む。そして決済情報は、いずれかの空いている決済装置に送信されるので、店員は、客をその決済装置へと案内する。決済情報を受信した決済装置は決済処理が可能となるので、客は、決済装置を操作して、現金、クレジットカード、電子マネー等で代金を支払う。かくして分担方式の会計システムは、店員と客が操作を分担して取引を決済する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-242839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済できる会計システム、及びこのシステムの入力装置及び決済装置、さらには入力装置及び決済装置それぞれのプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、会計システムは、入力デバイスを介して取引に係るデータを入力する入力装置と、取引を決済する複数台の決済装置とを通信回線で接続する。
入力装置は、終了検出手段と、第1送信手段と、第1通知手段とを備える。終了検出手段は、取引に係るデータの入力終了指示を検出する。第1送信手段は、入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、複数台の決済装置のそれぞれに送信する。第1通知手段は、終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する。
決済装置は、決済側記憶手段と、決済手段とを備える。決済側記憶手段は、入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する。決済手段は、取引の決済が可能な状態で入力装置から入力終了の通知を受けると、決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る会計システムの概略構成を示す模式図である。
図2図2は、会計システムに組み込まれる入力装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、会計システムに組み込まれる決済装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、明細レコードのデータ構成を示す模式図である。
図6図6は、第1の実施形態において、入力装置が有するデータテーブルの構成を示す模式図である。
図7図7は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、決済装置が有するフラグメモリの構成を示す模式図である。
図9図9は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図10図10は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図11図11は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図12図12は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図13図13は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図14図14は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図15図15は、入力装置のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
図16図16は、入力装置のタッチパネルに表示される支払い画面の一例である。
図17図17は、決済装置のタッチパネルに表示される待機画面の一例である。
図18図18は、決済装置のタッチパネルに表示される会計画面の一例である。
図19図19は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第1のパターンを説明する図である。
図20図20は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第2のパターンを説明する図である。
図21図21は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第3のパターンを説明する図である。
図22図22は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第4のパターンを説明する図である。
図23図23は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第5のパターンを説明する図である。
図24図24は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第6のパターンを説明する図である。
図25図25は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第7のパターンを説明する図である。
図26図26は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第8のパターンを説明する図である。
図27図27は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第9のパターンを説明する図である。
図28図28は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第10のパターンを説明する図である。
図29図29は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第11のパターンを説明する図である。
図30図30は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第12のパターンを説明する図である。
図31図31は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第13のパターンを説明する図である。
図32図32は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第14のパターンを説明する図である。
図33図33は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第15のパターンを説明する図である。
図34図34は、入力装置の操作に対して決済装置から出力される応答信号の第16のパターンを説明する図である。
図35図35は、第2の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図36図36は、第2の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図37図37は、第2の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図38図38は、第2の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図39図39は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図40図40は、入力装置のタッチパネルに表示される修正画面の一例である。
図41図41は、入力装置のタッチパネルに表示される修正画面の一例である。
図42図42は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図43図43は、入力装置のタッチパネルに表示される修正画面の一例である。
図44図44は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図45図45は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図46図46は、第3の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図47図47は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図48図48は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図49図49は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図50図50は、第3の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図51図51は、第3の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図52図52は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図53図53は、入力装置のタッチパネルに表示される決済装置選択画面の一例である。
図54図54は、入力装置のタッチパネルに表示される第2明細画面の一例である。
図55図55は、第4の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図56図56は、第4実施形態における明細レコードのデータ構成を示す模式図である。
図57図57は、第4の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図58図58は、第4の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図59図59は、第4の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図60図60は、第4の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図61図61は、第4の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図62図62は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図63図63は、入力装置のタッチパネルに表示される支払い完了画面の一例である。
図64図64は、決済装置から出力されるレシートの一発行例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済できる会計システムの実施形態を、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態の順で説明する。はじめに、各実施形態において共通となる会計システムの概略構成、入力装置及び決済装置のハードウェア構成について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0010】
図1は、会計システム1の概略構成を示す模式図である。会計システム1は、入力装置11と、決済装置12と、サーバ13と、これらを接続するネットワーク14と、を含む。ネットワーク14の種類は特に限定されないが、一般的には有線又は無線のLAN(local area network)が適用される。
【0011】
入力装置11は、取引毎にその取引で売買される商品のデータ入力を受け付けるように構成された装置である。決済装置12は、入力装置11で入力された商品のデータを基に取引の決済処理を行うように構成された装置である。入力装置11は、原則、チェッカと呼ばれる役割を担った店員2が、その操作者となる。決済装置12は、原則、店舗で商品を購入する消費者、いわゆる客3が、その操作者となる。なお、入力装置11の操作者を客3としてもよい。すなわち客3が入力装置11と決済装置12の両方を操作してもよい。同様に、決済装置12の操作者を店員2としてもよい。すなわち店員2が入力装置11と決済装置12の両方を操作してもよい。
入力装置11は、図1においては、作業テーブル4に取り付けられている。作業テーブル4は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル4が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、客3のための通路、いわゆるチェックアウトレーンが形成される。
【0012】
入力装置11及び決済装置12は、店舗のチェックアウトレーン毎に配置される。1つのチェックアウトレーンに対し、入力装置11は1台配置され、決済装置12は2台以上の複数台配置される。そして、同じチェックアウトレーンに配置された入力装置11と決済装置12との間で、ネットワーク14を通じて種々のデータ信号が授受される。データ信号は、サーバ13を介して授受されてもよいし、サーバ13を介さずに授受されてもよい。
【0013】
図1では、第1のチェックアウトレーンに1台の入力装置11(11-1)と2台の決済装置12(12-1,12-2)とを配置し、第2のチェックアウトレーンに1台の入力装置11(11-2)と2台の決済装置12(12-3,12-4)とを配置した例を示している。図示しないが、他のチェックアウトレーンにおいても1台の入力装置11と2台以上の決済装置12とが配置されている。第1のチェックアウトレーンに配置された2台の決済装置12(12-1,12-2)は、いずれも同一のチェックアウトレーンに配置された入力装置11(11-1)で処理された取引の決済処理を実行することができる。第2のチェックアウトレーンに配置された2台の決済装置12(12-3,12-4)は、いずれも同一のチェックアウトレーンに配置された入力装置11(11-2)で処理された取引の決済処理を実行することができる。
【0014】
なお、1つのチェックアウトレーンに配置された少なくとも1台の決済装置12が、隣接するチェックアウトレーンに配置された入力装置11で処理された取引の決済処理を実行可能としてもよい。例えば、図1において、決済装置12(12-2)は、入力装置11(11-1)だけでなく入力装置11(11-2)で処理された取引の決済処理を実行できるようにする。同様に、決済装置12(12-3)は、入力装置11(11-2)だけでなく入力装置11(11-1)で処理された取引の決済処理を実行できるようにする。こうすることにより、1台の入力装置11で処理された取引の決済処理が可能な決済装置12の台数を、決済装置12を増設することなく増やすことができる。
【0015】
1つのチェックアウトレーンに配置される複数台の決済装置12のうち1台は親機に設定され、他は子機に設定される。例えば図1において、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-3)が親機に設定されているものと仮定すると、決済装置12(12-2)及び決済装置12(12-4)は子機に設定される。因みに、子機の決済装置12(12-2)は、親機の決済装置12(12-1)状態を監視している。そして、決済装置12(12-1)が通信障害、あるいは故障等によりダウンすると、決済装置12(12-2)は、自らが親機となることを宣言する機能を有している。この宣言を受けて、入力装置11(11-1)は、決済装置12(12-2)を親機に設定する。同様に、子機の決済装置12(12-4)は、親機の決済装置12(12-3)状態を監視している。そして、決済装置12(12-3)がダウンすると、決済装置12(12-4)は、自らが親機となることを宣言する機能を有している。この宣言を受けて、入力装置11(11-2)は、決済装置12(12-4)を親機に設定する。以下の説明において、決済装置12を親機と子機とで区別する場合には、親機の決済装置を親機121と表し、子機の決済装置を子機122と表す。
【0016】
サーバ13は、商品マスタファイル131及び売上マスタファイル132を備える。商品マスタファイル131及び売上マスタファイル132は、サーバ13が内蔵する記憶装置に保存されていてもよいし、サーバ13の外部に接続された記憶装置に保存されていてもよい。
【0017】
商品マスタファイル131は、店舗で販売される商品毎に作成された商品レコードを格納するデータファイルである。商品レコードは、商品コード、商品名、単価、属性等の商品データを記述したデータレコードである。
【0018】
商品コードは、各商品を識別するために商品毎に設定された固有のコードである。通常、各商品には、商品コードを表すバーコード、若しくは二次元コードが付されている。あるいは、商品コードを記憶したRFID(Radio Frequency Identification)タグが付されていてもよい。入力装置11は、商品に付されたバーコード、2次元コード又はRFIDタグを読取装置で読み取ることで、取引で売買される商品の商品コードを入力することができる。
【0019】
商品名及び単価は、商品コードで識別される商品の名称及び1点当たりの価格である。属性は、例えば商品の税に関する情報である。税に関する情報としては、税率、税種(外税、内税、非課税)等がある。
【0020】
売上マスタファイル132は、店舗で販売される商品毎に作成された売上レコードを格納するデータファイルである。売上レコードは、前述した商品コード、商品名及び単価に加えて、売上点数、売上金額等の売上データを記述したデータレコードである。売上点数は、対応する商品コードで識別される商品の販売数量の合計である。売上金額は、対応する商品コードで識別される商品の販売金額の合計である。
【0021】
図2は、入力装置11のハードウェア構成を示すブロック図である。入力装置11は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24、通信ユニット25、キーボード26、スキャナ27、タッチパネル28、客用ディスプレイ29及びシステム伝送路30等を備える。システム伝送路30は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路30は、プロセッサ21と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0022】
入力装置11は、プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信ユニット25とをシステム伝送路30で接続することにより、コンピュータを構成する。そして入力装置11は、そのコンピュータに、システム伝送路30を介してキーボード26、スキャナ27、タッチパネル28、客用ディスプレイ29等のデバイスを接続する。
【0023】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、入力装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0024】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0025】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス23となり得る。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0026】
時計24は、日付と時刻を計時する。プロセッサ21は、時計24によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。通信ユニット25は、ネットワーク14を介して接続されたサーバ13及び複数台の決済装置12との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。キーボード26は、客が購入する商品、いわゆる買上商品に係るデータの入力等に必要な種々のキーを配置した入力デバイスである。スキャナ27は、バーコード、二次元コード等のコードシンボルを読み取って入力する入力デバイスである。タッチパネル28は、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル28は、入力装置11のオペレータである店員に対して情報の表示を行い、その店員による操作入力を受け付ける。客用ディスプレイ29は、入力装置11において買上商品のデータが入力されている客3に対して情報の表示を行う。
【0027】
このようなハードウェア構成を有する入力装置11としては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。なお、入力装置11に接続されるデバイスは、キーボード26、スキャナ27、タッチパネル28及び客用ディスプレイ29に限定されるものではない。入力装置11の用途において必要なデバイスを追加したり、一部のデバイスを省略したりしてもよい。
【0028】
図3は、決済装置12のハードウェア構成を示すブロック図である。決済装置12は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、通信ユニット35、釣銭機インターフェース36、スキャナ37、タッチパネル38、プリンタ39、端末インターフェース40及びシステム伝送路41等を備える。システム伝送路41は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路41は、プロセッサ31と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0029】
決済装置12は、プロセッサ31と、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34及び通信ユニット35とをシステム伝送路41で接続することにより、コンピュータを構成する。そして決済装置12は、そのコンピュータに、システム伝送路41を介して釣銭機インターフェース36、スキャナ37、タッチパネル38、プリンタ39、端末インターフェース40等のデバイスインターフェース又はデバイスを接続する。
【0030】
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済装置12としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPUである。
【0031】
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0032】
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0033】
時計34は、日付と時刻を計時する。プロセッサ31は、時計34によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。通信ユニット35は、ネットワーク14を介して接続されたサーバ13又は入力装置11との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース36は、図示しない自動釣銭機とのインターフェースを構成する。釣銭機インターフェース36は、自動釣銭機から当該自動釣銭機に投入された貨幣の金額データを入力する。釣銭機インターフェース36は、決済装置12から自動釣銭機へと釣銭データを出力する。釣銭データを入力した自動釣銭機は、その釣銭データ相当の貨幣を釣銭として自動的に払い出す。
【0034】
スキャナ37は、バーコード、二次元コード等のコードシンボルを読み取るための入力デバイスである。タッチパネル38は、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル38は、決済装置12のオペレータである客3に対して情報の表示を行い、その客3による操作入力を受け付ける。プリンタ39は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。
【0035】
端末インターフェース40は、キャッシュレス決済端末5とのインターフェースを構成する。キャッシュレス決済端末5は、クレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済等のキャッシュレス決済に対応した情報端末である。端末インターフェース40は、複数種類のキャッシュレス決済方法の中から選択されたキャッシュレス決済方法の識別データをキャッシュレス決済端末5に出力する。キャッシュレス決済端末5においては、識別データで識別されるキャッシュレス決済方法で取引の決済が処理されるので、端末インターフェース40は、キャッシュレス決済端末5から処理結果を入力する。
【0036】
因みに、端末インターフェース40にキャッシュレス決済端末5を接続することによって、決済装置12は、現金決済だけでなくキャッシュレス決済にも対応した機器となる。換言すれば、端末インターフェース40にキャッシュレス決済端末5を接続していない決済装置12は、現金決済のみに対応した機器となる。
【0037】
このようなハードウェア構成を有する決済装置12としては、例えば既存のセルフ方式のPOS端末、いわゆるセルフレジを利用することが可能である。なお、決済装置12に接続されるデバイスは、スキャナ37、タッチパネル38及びプリンタ39に限定されるものではない。決済装置12の用途において必要なデバイスを追加したり、一部のデバイスを省略したりしてもよい。
【0038】
[第1の実施形態]
次に、第1の実施形態について、図4乃至図34を用いて説明する。
図4は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、選択手段55、第1通知手段56、第2通知手段57、第3通知手段58、決済先報知手段59及び入力側削除手段510としての機能を有する。なお、プロセッサ21が有する機能は、これらに限定されるものではない。
【0039】
入力側記憶手段51は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータを入力側記憶部63で記憶する機能である。入力側記憶部63は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23の記憶領域の一部である。取引に係るデータは、例えば客との取引で売買される商品の商品コード、数量、値引額、割引率等である。入力側記憶手段51は、キーボード26、スキャナ27及びタッチパネル28の入力デバイス61を介して取引に係るデータを入力すると、その入力されたデータを基に1取引として売り上げる商品の明細レコードRaを商品毎に作成する。明細レコードRaは、図5に示すように、一連のレコード番号と関連付けて、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目のデータを記述したレコードである。金額は、単価に数量を乗算して算出された金額である。すなわち明細レコードRaは、商品コード、数量等の取引に係るデータを記述したレコードであると言える。入力側記憶手段51は、明細レコードRaを入力側記憶部63の第1取引ファイル631に記憶する。
【0040】
明細表示手段52は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータを基に取引の明細情報を表示デバイス62で表示する機能である。表示デバイス62は、タッチパネル28と客用ディスプレイ29の双方又はいずれか一方が該当する。明細表示手段52は、表示デバイス62の画面を明細画面SAa(図14を参照)とし、その明細画面SAaに、第1取引ファイル631に記憶された明細レコードRaの商品名、数量、単価、値割引額、金額等の明細情報を表示する。明細画面SAaの詳細な説明については後述する。
【0041】
終了検出手段53は、取引に係るデータの入力終了指示を検出する機能である。終了検出手段53は、入力デバイス61の第1の操作子に対する操作入力を入力終了指示として検出する第1手段531と、入力デバイス61の第2の操作子に対する操作入力を入力終了指示として検出する第2手段532とを含む。第1の操作子及び第2の操作子については後述する。
【0042】
第1送信手段54は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータを、終了検出手段53により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、通信ユニット25を介して複数台の決済装置12のそれぞれに送信する機能である。複数台の決済装置12は、当該入力装置11で買上商品のデータが入力された客3が決済を行い得る決済装置12である。通常は、当該入力装置11と同じチェックアウトレーンに設置された決済装置12である。隣接するチェックアウトレーンに設置された決済装置12を含んでもよい。以下では、入力装置11から取引に係るデータが送信される複数台の決済装置12を、同一グループの決済装置120と称する。第1送信手段54は、入力デバイス61を介して取引に係るデータが入力される毎に、その入力された取引に係るデータを同一グループの決済装置120にそれぞれに送信する。
【0043】
選択手段55は、取引の決済に必要な代金支払い方法の選択入力を受け付ける機能である。選択手段55は、例えば現金支払い、クレジットカード支払い、電子マネー支払い等の種々の代金支払い方法の中から、入力デバイス61に対する操作入力により指定された代金支払い方法を選択する。
【0044】
第1通知手段56は、終了検出手段53により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、同一グループの決済装置120のうちいずれか一台の決済装置12に、通信ユニット25を介して入力終了を通知する機能である。第1通知手段56は、データテーブル64を参照して、入力終了の通知先を決定する。
【0045】
データテーブル64は、図6に示すように、同一グループの決済装置120を個々に識別するための決済装置IDと関連付けて、親機フラグFaを記憶する。親機フラグFaは、対応する決済装置IDで識別される決済装置12が親機121であるか子機122であるかを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、親機121を示す親機フラグFaを“1”とし、子機122を示す親機フラグFaを“0”とする。
【0046】
第1通知手段56は、終了検出手段53の第1手段531により入力終了指示を検出した場合には、データテーブル64を参照して、親機121に設定された決済装置12、すなわち親機フラグFaが“1”の決済装置IDで識別される決済装置12に入力終了を通知する信号を出力する。第1通知手段56は、終了検出手段53の第2手段532により入力終了指示を検出した場合には、データテーブル64を参照して、子機122に設定された決済装置12、すなわち親機フラグFaが“0”の決済装置IDで識別される決済装置12に入力終了を通知する信号を出力する。第1通知手段56は、選択手段55により選択入力を受け付けた代金支払い方法を識別する支払い方法識別データとともに入力終了を通知する信号を出力する。
【0047】
第2通知手段57は、第1通知手段56により入力終了を通知した決済装置12から決済不可能の応答信号を受信すると、入力終了を通知していない他の決済装置12に、通信ユニット25を介して入力終了を通知する機能である。例えば入力終了を通知した決済装置12が親機121であり、この親機121から決済不可能の応答を受けた場合、第2通知手段57は、データテーブル64を参照して、子機122に設定された決済装置12、すなわち親機フラグFaが“0”の決済装置IDで識別される決済装置12に入力終了を通知する信号を出力する。例えば入力終了を通知した決済装置12が子機122であり、この子機122から決済不可能の応答を受けた場合、第2通知手段57は、データテーブル64を参照して、親機121に設定された決済装置12、すなわち親機フラグFaが“1”の決済装置IDで識別される決済装置12に入力終了を通知する信号を出力する。
【0048】
第3通知手段58は、第1通知手段56により入力終了を通知した決済装置12から決済可能の応答を受けると、入力終了を通知していない他の決済装置12に、通信ユニット25を介して決済終了を通知する機能である。例えば入力終了を通知した決済装置12が親機121であり、この親機121から決済可能の応答を受けた場合、第3通知手段58は、データテーブル64を参照して、子機122に設定された決済装置12、すなわち親機フラグFaが“0”の決済装置IDで識別される決済装置12に決済終了を通知する信号を出力する。例えば入力終了を通知した決済装置12が子機122であり、この子機122から決済可能の応答を受けた場合、第3通知手段58は、データテーブル64を参照して、親機121に設定された決済装置12、すなわち親機フラグFaが“1”の決済装置IDで識別される決済装置12に決済終了を通知する信号を出力する。
【0049】
決済先報知手段59は、第1通知手段56により入力終了を通知した決済装置12から決済可能の応答を受けると、その決済装置12を決済先として報知する機能である。例えば親機121に設定された決済装置12から決済可能の応答を受けた場合には、決済先報知手段59は、親機121を決済先として報知する。例えば子機122に設定された決済装置12から決済可能の応答を受けた場合には、決済先報知手段59は、子機122を決済先として報知する。決済先報知手段59は、店員2に対する表示デバイス62であるタッチパネル28に、送信先の決済装置12を特定可能な情報を表示することで店員2に決済先を報知する。決済先報知手段59は、客3に対する表示デバイス62である客用ディスプレイ29に、送信先の決済装置12を特定可能な情報を表示することで客3に決済先を報知してもよい。あるいは決済先報知手段59は、タッチパネル28と客用ディスプレイ29の双方に送信先の決済装置12を特定可能な情報を表示することで、店員2と客3の両者に決済先を報知してもよい。
【0050】
入力側削除手段510は、第1通知手段56により入力終了を通知した決済装置12から決済可能の応答信号を受信すると、入力側記憶部63で記憶した取引に係るデータを削除する機能である。入力側削除手段510は、決済装置12から決済可能の応答を受けると、入力側記憶部63の第1取引ファイル631に記憶した明細レコードRaを全て削除する。すなわち第1取引ファイル631をクリアする。第1取引ファイル631がクリアされることにより、入力装置11は、次の客との取引に係るデータの入力が可能となる。
【0051】
上述した入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、選択手段55、第1通知手段56、第2通知手段57、第3通知手段58、決済先報知手段59及び入力側削除手段510としての機能は、プロセッサ21が入力装置11用のプログラム、いわゆる入力プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0052】
入力プログラムは、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。入力プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に入力プログラムを記録して、あるいはネットワーク14を介した通信により入力プログラムを配信して、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0053】
図7は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、決済側記憶手段71、金額表示手段72、決済応答手段73、決済手段74及び決済側削除手段75としての機能を有する。なお、プロセッサ31が有する機能は、これらに限定されるものではない。
【0054】
決済側記憶手段71は、入力装置11から送信され、通信ユニット35を介して受信した取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部81で記憶する機能である。決済側記憶部81は、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33の記憶領域の一部である。決済側記憶手段71は、受信した取引に係るデータを基に、1取引として売り上げる商品の明細レコードRaを商品毎に作成する。明細レコードRaは、図5に示すように、一連のレコード番号と関連付けて、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目のデータを記述したレコードである。すなわち明細レコードRaは、商品コード、数量等の取引に係るデータを記述したレコードであると言える。決済側記憶手段71は、明細レコードRaを決済側記憶部81の第2取引ファイル811で記憶する。
【0055】
金額表示手段72は、取引の決済が可能な状態で入力装置11から入力終了の通知を受けると、当該取引の決済金額をタッチパネル38に表示する機能である。取引の決済金額は、第2取引ファイル811で記憶した明細レコードRaの金額と値割引額とから算出される金額である。
【0056】
決済応答手段73は、入力装置11から入力終了の通知を受けると、取引の決済が可能か否かを入力装置11に応答する機能である。決済応答手段73は、フラグメモリ82を参照して、取引の決済が可能か否かを判定する。そして決済応答手段73は、取引の決済が可能であると判定した場合には、通信ユニット35を介して入力装置11に肯定応答(OK)の信号を送信する。決済応答手段73は、取引の決済が不可能であると判定した場合には、通信ユニット35を介して入力装置11に否定応答(NG)の信号を送信する。
【0057】
フラグメモリ82は、図8に示すように接続フラグFbと状態フラグFcとを記憶する。接続フラグFbは、端末インターフェース40にキャッシュレス決済端末5が接続されているか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、キャッシュレス決済端末5が接続されているときの接続フラグFbを“1”とし、キャッシュレス決済端末5が接続されていないときの接続フラグFbを“0”とする。
【0058】
状態フラグFcは、当該決済装置12が待機中であるか決済中であるかを識別するための1ビットデータである。待機中の決済装置12が入力装置11から入力終了を通知する信号を出力すると、当該決済装置12は決済中となる。取引の決済中のとき、決済装置12は、次の取引の決済が不可能な状態となる。決済中の決済装置12において決済処理が終了すると、当該決済装置12は待機中となる。待機中のとき、決済装置12は、次の取引の決済が可能な状態となる。すなわち、待機中の決済装置12は、取引の決済が可能な状態の決済装置であると言える。決済中の決済装置12は、取引の決済が不可能な状態の決済装置であると言える。本実施形態では、待機中のときの状態フラグFcを“0”とし、決済中のときの状態フラグFcを“1”とする。
【0059】
決済応答手段73は、入力装置11から入力終了を通知する信号を受信すると、状態フラグFcを確認する。状態フラグFcが“1”、すなわち決済中の状態にあるときには、決済応答手段73は、入力装置11に否定応答(NG)の信号を送信することで、取引の決済が不可能である旨を応答する。状態フラグFcが“0”、すなわち待機中の状態にあるときには、決済応答手段73は、接続フラグFbを確認する。接続フラグFbが“1”、すなわち当該決済装置12にキャッシュレス決済端末5が接続されている場合には、決済応答手段73は、入力装置11に肯定応答(OK)の信号を送信することで、取引の決済が可能である旨を応答する。接続フラグFbが“0”、すなわち当該決済装置12にキャッシュレス決済端末5が接続されていない場合には、決済応答手段73は、入力終了を通知する信号に含まれている支払い方法識別データで識別される代金支払い方法を確認する。代金支払い方法が現金支払いの場合には、決済応答手段73は、入力装置11に肯定応答(OK)の信号を送信することで、取引の決済が可能である旨を応答する。代金支払い方法がクレジットカード支払いまたは電子マネー支払い等のキャッシュレス支払いの場合には、決済応答手段73は、入力装置11に否定応答(NG)の信号を送信することで、取引の決済が不可能である旨を応答する。前述した金額表示手段72は、決済応答手段73が取引の決済が可能であることを入力装置11に応答した際に、取引の決済金額をタッチパネル38に表示する。
【0060】
決済手段74は、取引の決済が可能な状態で入力装置11から入力終了を通知する信号を受信すると、決済側記憶部81で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する機能である。決済手段74は、取引の決済が可能な状態で入力装置11から入力終了を通知する信号を受信すると、第2取引ファイル811に記憶したデータを第3取引ファイル812に複写して、第2取引ファイル811をクリアする。そして決済手段74は、第3取引ファイル812に記憶したデータを基に、取引を決済する。第2取引ファイル811がクリアされることにより、決済装置12は、次の客との取引に係るデータの受け入れが可能となる。
【0061】
決済手段74は、入力終了を通知する信号とともに受信した支払い方法識別データで識別される代金支払い方法で取引を決済する。例えば支払い方法識別データで識別される代金支払い方法が現金支払いの場合には、決済手段74は、釣銭機インターフェース36に接続された自動釣銭機を介して現金による取引の決済処理を実行する。支払い方法識別データで識別される代金支払い方法がクレジットカード支払いの場合には、決済手段74は、端末インターフェース40に接続されたキャッシュレス決済端末5を介してクレジットカードによる取引の決済処理を実行する。支払い方法識別データで識別される代金支払い方法が電子マネー支払いの場合には、決済手段74は、端末インターフェース40に接続されたキャッシュレス決済端末5を介して電子マネーによる取引の決済処理を実行する。なお、現金、クレジットカード及び電子マネーによる取引の決済処理はいずれも周知の処理であるので、詳細な説明は省略する。
【0062】
決済側削除手段75は、入力装置11から決済終了の通知を受けると、決済側記憶部81で記憶した取引に係るデータを削除する機能である。決済終了の通知を受けるということは、同一グループの他の決済装置12に対して入力終了を通知する信号が出力され、その決済装置12から決済可能を応答する信号を入力装置11が受信したことを意味する。したがって、決済側記憶部81で記憶した取引に係るデータは無用となる。決済側削除手段75は、入力装置11から決済終了を通知する信号を受信すると、決済側記憶部81の第2取引ファイル811で記憶していた明細レコードRaを全て削除する。すなわち、第2取引ファイル811をクリアする。前述したように、第2取引ファイル811がクリアされることにより、決済装置12は、次の客との取引に係るデータの受け入れが可能となる。
【0063】
上述した決済側記憶手段71、金額表示手段72、決済応答手段73、決済手段74及び決済側削除手段75としての機能は、プロセッサ21が決済装置用のプログラム、いわゆる決済プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0064】
決済プログラムは、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。決済プログラムをメインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に決済プログラムを記録して、あるいはネットワーク14を介した通信により決済プログラムを配信して、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0065】
次に、図9乃至図13の流れ図、及び、図14乃至図18の画面例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される主要な情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0066】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を図9乃至図11の流れ図を用いて説明する。
【0067】
客3は、売場に陳列されている商品の中から購入する商品を買物籠等に入れ、チェックアウトレーンに向かう。客3がチェックアウトレーンに来ると、チェッカとしての役割を担う店員2は、入力装置11に対して入力開始の宣言操作を行う。この操作を受けて、プロセッサ21は、図9乃至図11の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0068】
先ずプロセッサ21は、ACT101としてタッチパネル28の画面を明細画面SAa(図14を参照)とする。
図14は、明細画面SAaの一表示例である。明細画面SAaは、カレントエリアAAaと、明細エリアAAbと、合計エリアAAcとに区分される。カレントエリアAAaには、一取引の買上商品として入力された最新の商品の商品名、数量及び金額が表示される。明細エリアAAbには、一連のレコード番号順に、一取引の買上商品として入力された商品の商品名、数量、単価、値割引額及び金額がリスト形式で表示される。合計エリアAAcには、買上商品の合計数量と合計金額とが表示される。
【0069】
また明細画面SAaは、小計ボタンBAa、値引ボタンBAb及び割引ボタンBAcのソフトウェアキーを含む。小計ボタンBAaは、一取引における買上商品の入力が終了したことを指令するための操作子である。値引ボタンBAbは、一取引の買上商品として入力された最新の商品の値引を指令するための操作子である。割引ボタンBAcは、一取引の買上商品として入力された最新の商品の割引を指令するための操作子である。因みに、オペレータが値引ボタンBAbを入力するとともにキーボード26のテンキーで値引額を入力することにより、商品の価格が値引される。同様に、オペレータが割引ボタンBAcを入力するとともにキーボード26のテンキーで割引率を入力することにより、商品の価格が割引される。
【0070】
なお、ACT101において、プロセッサ21は、客用ディスプレイ29の画面を客用明細画面とする。客用明細画面は、明細画面SAaからソフトウェアキーを除いたものである。
【0071】
タッチパネル28に明細画面SAaが表示されたことを確認した店員2は、スキャナ27を操作して客3が購入する商品に付されたバーコードを読み取る。スキャナ27でバーコードが読み取られることによって、買上商品の商品コードが入力装置11に入力される。一方、生鮮食品などの一部の商品にはバーコードが付されていないことがある。商品にバーコードが付されていない場合、店員2は、タッチパネル28にバーコード無商品のリストを表示させる。そして店員は、そのリストの中から客が購入する商品を選択する。このような操作により、バーコードのない買上商品の商品コードが入力装置11に入力される。
【0072】
図9の説明に戻る。
明細画面SAaを表示したプロセッサ21は、ACT102として商品コードが入力されるのを待ち受ける。商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT102からACT103へと進む。プロセッサ21は、ACT103としてマルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に入力イベントを送信する。入力イベントは、スキャナ27又はタッチパネル28から入力された商品コードを含む。
【0073】
またプロセッサ21は、ACT104として明細レコードRaを作成する。すなわちプロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力された商品コードを含む商品レコードを取得する。そしてプロセッサ21は、その商品レコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。なお、数量は“1”である。値割引額は“0”である。金額は、単価である。
【0074】
プロセッサ21は、ACT105として明細レコードRaを第1取引ファイル631に記憶する。プロセッサ21は、ACT106として明細画面SAaを更新する。すなわちプロセッサ21は、明細レコードRaの商品名、数量及び金額を明細画面SAaのカレントエリアAAaに表示する。このとき、カレントエリアAAaに、当該明細レコードRaのレコード番号rよりも1つ前のレコード番号(r-1)の明細レコードRaに係るデータが表示されていた場合には、プロセッサ21は、その明細レコードRaのレコード番号(r-1)、商品名、数量、単価、値割引額及び金額を明細エリアAAbに表示する。またプロセッサ21は、第1取引ファイル631に記憶した全ての明細レコードRaの合計数量及び合計金額を合計エリアAAcに表示する。プロセッサ21は、客用明細画面も同様に更新する。
【0075】
明細画面SAaを更新したプロセッサ21は、ACT107へと進む。プロセッサ21は、ACT107として商品コードが入力されたか否かを確認する。商品コードが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT107からACT108へと進む。プロセッサ21は、ACT108として数量又は値割引のデータが入力されたか否かを確認する。数量又は値割引のデータが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT108からACT109へと進む。プロセッサ21は、ACT109として小計ボタンBAaが入力されたか否かを確認する。小計ボタンBAaが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT109からACT107へと戻る。このように、明細画面SAaを更新したプロセッサ21は、ACT107乃至ACT109として商品コード、数量又は値割引のデータ及び小計ボタンBAaの待ち受け状態となる。
【0076】
ACT107乃至ACT109の待ち受け状態において、商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT107からACT103へと戻る。そしてプロセッサ21は、ACT103乃至ACT106の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ21は、マルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に入力イベントを送信する。プロセッサ21は、明細レコードRaを作成し、その明細レコードRaを第1取引ファイル631に記憶する。プロセッサ21は、第1取引ファイル631に記憶した明細レコードRaのデータを基に明細画面SAaを更新する。その後、プロセッサ21は、ACT107乃至ACT109の待ち受け状態となる。
【0077】
ACT107乃至ACT109の待ち受け状態において、キーボード26のテンキーと乗算キーとによって数量が入力された場合、あるいは値引ボタンBAb又は割引ボタンBAcとテンキーとにより値引額又は割引率が入力された場合には、プロセッサ21は、ACT108からACT110へと進む。プロセッサ21は、ACT110としてマルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に入力イベントを送信する。入力イベントは、キーボード26から入力された数量、値引額又は割引率を含む。
【0078】
プロセッサ21は、ACT111として第1取引ファイル631に記憶したレコード番号rの明細レコードRaを更新する。具体的には、数量が入力された場合には、プロセッサ21は、明細レコードRaの数量を入力された値とし、金額を単価と数量との積とする。値引額が入力された場合には、プロセッサ21は、明細レコードRaに値引額を記述し、金額から値引額を減じる。割引率が入力された場合には、プロセッサ21は、明細レコードRaの単価と割引率とから割引額を算出して記述し、金額から割引額を減じる。そしてプロセッサ21は、ACT112として明細レコードRaを更新した後の第1取引ファイル631のデータにより、明細画面SAaのカレントエリアAAaと合計エリアAAcの表示を更新する。プロセッサ21は、客用明細画面も同様に更新する。その後、プロセッサ21は、ACT107乃至ACT109の待ち受け状態に戻る。
【0079】
ACT107乃至ACT109の待ち受け状態において、小計ボタンBAaが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT109から図10のACT121へと進む。プロセッサ21は、ACT121としてタッチパネル28の画面を支払い方法選択画面SAb(図15を参照)とする。このとき、客用ディスプレイ29は、客用登録画面のままである。
【0080】
図15は、支払い方法選択画面SAbの一表示例である。支払い方法選択画面SAbは、合計点数及び合計金額が表示される合計エリアAAdを含む。また支払い方法選択画面SAbは、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe、電子マネーボタンBAf及び戻るボタンBAgのソフトウェアキーを含む。現金ボタンBAdは、現金支払いを選択するための操作子である。クレジットボタンBAeは、クレジットカード支払いを選択するための操作子である。電子マネーボタンBAfは、電子マネー支払いを選択するための操作子である。戻るボタンBAgは、明細画面SAaに戻ることを指令するための操作子である。
【0081】
客3が現金支払いを希望する場合、店員2は現金ボタンBAdを入力する。客3がクレジットカード支払いを希望する場合、店員2はクレジットボタンBAeを入力する。客3が電子マネー支払いを希望する場合、店員2は電子マネーボタンBAfを入力する。なお、本実施形態では、代金支払い方法を現金支払い、クレジットカード支払い及び電子マネー支払いの3種類に限定するが、代金支払い方法はこれら3種類に限定されないのは言うまでもない。例えば、コード決済等のキャッシュレスによる決済方法を含めてもよい。
【0082】
支払い方法選択画面SAbを表示したプロセッサ21は、ACT122としていずれか1つの支払い方法が選択されるのを待ち受ける。なお、図示しないが、ACT122の待ち受け状態において戻るボタンBAgが入力された場合には、プロセッサ21は、タッチパネル28の画面を直前の明細画面SAaに戻す。そしてプロセッサ21は、ACT107乃至ACT109の待ち受け状態となる。
【0083】
ACT122の待ち受け状態において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの入力によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ21は、ACT123へと進む。プロセッサ21は、ACT123として支払い種別を取得する。支払い種別は、選択入力を受け付けた代金支払い方法を識別する支払い方法識別データである。例えば、現金ボタンBAdが入力された場合、プロセッサ21は、支払い方法識別データとして支払い種別「現金」を取得する。クレジットボタンBAeが入力された場合、プロセッサ21は、支払い方法識別データとして支払い種別「クレジット」を取得する。電子マネーボタンBAfが入力された場合、プロセッサ21は、支払い方法識別データとして支払い種別「電子マネー」を取得する。支払い種別を取得したプロセッサ21は、ACT124としてタッチパネル28の画面を支払い画面SAc(図16を参照)とする。
【0084】
図16は、支払い画面SAcの一表示例である。支払い画面SAcは、合計点数及び合計金額が表示される合計エリアAAeを含む。また支払い画面SAcは、小計値引ボタンBAh、小計割引ボタンBAi、入力完了ボタンBAj、ビジィボタンBAk及び明細に戻るボタンBAmのソフトウェアキーを含む。小計値引ボタンBAhは、合計金額の値引を指令するための操作子である。小計割引ボタンBAiは、合計金額の割引を指令するための操作子である。因みに、小計値引ボタンBAhを入力するとともにキーボード26のテンキーで値引額を入力することにより、合計金額が値引される。同様に、小計割引ボタンBAiを入力するとともにキーボード26のテンキーで割引率を入力することにより、合計金額が割引される。
【0085】
入力完了ボタンBAj及びビジィボタンBAkは、いずれも取引に係るデータの入力終了を指示するための操作子である。同一グループの決済装置120のうち親機121に対して入力終了を指示する場合には、店員2は、入力完了ボタンBAjを単独で入力する。子機122に対して入力終了を指示する場合には、店員2は、ビジィボタンBAkを入力してから入力完了ボタンBAjを入力する。ここに、入力完了ボタンBAjは、第1の操作子として機能する。ビジィボタンBAkは、第2の操作子として機能する。
【0086】
なお、ACT124において、プロセッサ21は、客用ディスプレイ29の画面を客用支払い画面とする。客用支払い画面は、支払い画面SAcからソフトウェアキーを除いたものである。
【0087】
タッチパネル28に支払い画面SAcが表示されたことを確認した店員2は、親機121が空いているか否かを確認する。親機121が空いている場合、店員2は、入力完了ボタンBAjを入力する。例えば、前の客が親機121で決済中であったり、決済は終えているようだが、釣銭を財布にしまうために親機121の傍でもたもたしている客がいたりした場合には、店員2は、ビジィボタンBAkを入力してから入力完了ボタンBAjを入力する。
【0088】
図10の説明に戻る。
支払い画面SAcを表示したプロセッサ21は、ACT125へと進む。プロセッサ21は、ACT125としてビジィフラグFdを“0”にリセットする。そしてプロセッサ21は、ACT126としてビジィボタンBAkが入力されたか否かを確認する。ビジィボタンBAkが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT126からACT127へと進む。プロセッサ21は、ACT127として入力完了ボタンBAjが入力されたか否かを確認する。入力完了ボタンBAjが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT127からACT126へと戻る。このようにプロセッサ21は、ACT126及びACT127としてビジィボタンBAkが入力されるか入力完了ボタンBAjが入力されるのを待ち受ける。
【0089】
ACT126及びACT127の待ち受け状態において、ビジィボタンBAkが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT126からACT128へと進む。プロセッサ21は、ACT128としてビジィフラグFdを“1”にセットする。その後、プロセッサ21は、ACT127へと進む。プロセッサ21は、入力完了ボタンBAjが入力されるのを待ち受ける。
【0090】
ACT126及びACT127の待ち受け状態において、入力完了ボタンBAjが入力されると、プロセッサ21は、ACT127からACT129へと進む。プロセッサ21は、ACT129として取引番号を発番する。例えば入力装置11は、取引番号をカウントするためのカウンタを備えている。プロセッサ21は、このカウンタをカウントアップして新規の取引番号を発番する。
【0091】
取引番号を発番したプロセッサ21は、ACT130へと進む。プロセッサ21は、ACT130として加算カウンタnを“0”に初期化する。次いでプロセッサ21は、ACT131としてビジィフラグFdを調べる。ビジィフラグFdが“0”の場合、すなわち入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、プロセッサ21は、ACT131からACT132へと進む。プロセッサ21は、ACT132として完了イベントの送信先を親機121に決定する。
【0092】
これに対し、ビジィフラグFdが“1”の場合、すなわちビジィボタンBAkが入力されてから入力完了ボタンBAjが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT131からACT133へと進む。プロセッサ21は、ACT133として加算カウンタnを“1”だけカウントアップする。またプロセッサ21は、ACT134として完了イベントの送信先を子機122に決定する。
【0093】
このように、ACT132において完了イベントの送信先が親機121に決定されるか、ACT134において完了イベントの送信先が子機122に決定されると、プロセッサ21は、図11のACT141へと進む。プロセッサ21は、ACT141として加算カウンタnを“1”だけカウントアップする。したがって、完了イベントの送信先が親機121に決定された場合には、加算カウンタnは“1”となる。完了イベントの送信先が子機122に決定された場合には、加算カウンタnは“2”となる。
【0094】
加算カウンタnをカウントアップしたプロセッサ21は、ACT142へと進む。プロセッサ21は、ACT142としてユニキャスト通信により同一グループの決済装置120のうち送信先に決定された決済装置12に完了イベントを送信する。すなわちACT132において送信先が親機121に決定された場合には、プロセッサ21は、親機フラグFaが“1”に設定された決済装置IDで特定される決済装置12に完了イベントを送信する。ACT134において送信先が子機122に決定された場合には、プロセッサ21は、親機フラグFaが“0”に設定された決済装置IDで特定される決済装置12に完了イベントを送信する。完了イベントには、ACT123において取得した支払い種別と、ACT129において発番した取引番号とが含まれる。
【0095】
完了イベントを送信したプロセッサ21は、ACT143へと進む。プロセッサ21は、ACT143として決済装置12からの応答信号を待ち受ける。取引の決済が可能な決済装置12が完了イベントを受信すると、当該決済装置12から肯定応答(OK)の信号が送信される。取引の決済が不可能な決済装置12が完了イベントを受信すると、当該決済装置12から否定応答(NG)の信号が送信される。
【0096】
応答信号を受信すると、プロセッサ21は、ACT143からACT144へと進む。プロセッサ21は、ACT144として応答信号が肯定応答(OK)の信号なのか否定応答(NG)の信号なのかを判別する。否定応答(NG)の信号を受信したプロセッサ21は、ACT144からACT145へと進む。プロセッサ21は、ACT145として加算カウンタnが同一グループ内の決済装置12の台数Nを超えたか否かを確認する。加算カウンタnが“1”、すなわち親機121に完了イベントを送信したがその親機121から否定応答(NG)の信号が返ってきた場合には、プロセッサ21は、ACT145からACT146へと進む。プロセッサ21は、ACT146として完了イベントの送信先を子機122に決定する。そしてプロセッサ21は、ACT141へと戻り、ACT141以降の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ21は、加算カウンタnをさらに“1”だけカウントアップする。またプロセッサ21は、子機122、すなわち親機フラグFaが“0”に設定された決済装置IDで特定される決済装置12に完了イベントを送信して、応答信号を待ち受ける。
【0097】
これに対し、ACT145において加算カウンタnが“2”、すなわち子機122に完了イベントを送信したがその子機122から否定応答(NG)の信号が返ってきた場合には、プロセッサ21は、ACT145からACT147へと進む。プロセッサ21は、ACT147として完了イベントの送信エラーを報知するための画面をタッチパネル28に表示する。この画面には、再送ボタンが表示されているので、送信エラーを確認した店員は再送ボタンを入力する。
【0098】
送信エラーを報知したプロセッサ21は、ACT147からACT148へと進む。プロセッサ21は、ACT148として再送が指令されるのを待ち受ける。再送ボタンが入力されると、プロセッサ21は、ACT148から図10のACT130へと戻り、ACT130以降の処理を前述したのと同様に実行する。したがってこの場合には、ACT130において加算カウンタnが“0”になるので、完了イベントは親機121に送信される。
【0099】
ACT144において、肯定応答(OK)の信号を受信した場合には、プロセッサ21は、ACT144からACT149へと進む。プロセッサ21は、ACT149として完了イベントの送信先である決済装置12を報知する。例えばプロセッサ21は、送信先である決済装置12を示す情報をタッチパネル28に表示する。この表示を確認した店員2は、客3に対し、送信先である決済装置12で決済を行うように指示することとなる。なおプロセッサ21は、客用ディスプレイ29に表示されている客用支払い画面の一部に、送信先である決済装置12を示す情報を表示してもよい。そうすることにより、客3は、決済を行い得る決済装置12がどれであるかを知ることができる。
【0100】
送信先の決済装置12を報知したプロセッサ21は、ACT150へと進む。プロセッサ21は、ACT150としてユニキャスト通信により同一グループの決済装置120のうち送信先以外の決済装置12に削除イベントを送信する。すなわち送信先の決済装置12が親機121の場合には、プロセッサ21は、子機122、すなわち親機フラグFaが“0”に設定された決済装置IDで特定される決済装置12に削除イベントを送信する。送信先の決済装置12が子機122の場合には、プロセッサ21は、親機121、すなわち親機フラグFaが“1”に設定された決済装置IDで特定される決済装置12に削除イベントを送信する。
【0101】
削除イベントを送信したプロセッサ21は、ACT151へと進む。プロセッサ21は、ACT151として第1取引ファイル631をクリアする。このクリアにより、第1取引ファイル631に記憶していた明細レコードRaはすべて削除される。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0102】
ここにプロセッサ21は、ACT104及びACT105の処理により、入力側記憶手段51としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT106の処理により、明細表示手段52としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT126及びACT127の処理により、終了検出手段53としての機能を実現する。
【0103】
またプロセッサ21は、ACT103及びACT110の処理により、第1送信手段54としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT121乃至ACT123の処理により、選択手段55としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT130乃至ACT134、ACT141及びACT142の処理により、第1通知手段56としての機能を実現する。
【0104】
またプロセッサ21は、ACT144乃至ACT146、ACT141及びACT142の処理により、第2通知手段57としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT150の処理により、第3通知手段58としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT149の処理により、決済先報知手段59としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT151の処理により、入力側削除手段510としての機能を実現する。
【0105】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を図12及び図13の流れ図を用いて説明する。
状態フラグFcが“0”、すなわち待機中にある決済装置12のプロセッサ31は、図12及び図13の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ず、プロセッサ31は、ACT201としてタッチパネル38の画面を待機画面SBa(図17を参照)とする。
【0106】
図17は、待機画面SBaの一表示例である。待機画面SBaは、オペレータに待機中であることを知らせる画面である。決済装置12のオペレータは、原則、客3である。したがって、待機画面SBaは、客3が勝手に操作しないような画像を表示した画面であればよい。例えば「いらっしゃいませ」、「お待ちください」等のテキストを表示した画面であってもよいし、店舗のロゴ等のイラストを表示した画面であってもよい。
【0107】
待機画面SBaを表示したプロセッサ31は、ACT202として入力装置11から送信される入力イベントを待ち受ける。この待ち受け状態において、通信ユニット35を介して入力イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT202からACT203へと進む。プロセッサ31は、ACT203として商品コードを含む入力イベントを受信したか否かを確認する。
【0108】
前述したように、入力イベントには、商品コードを含む入力イベントと、数量、値引額又は割引率を含む入力イベントがある。ACT203において、商品コードを含む入力イベントを受信したことを確認したプロセッサ31は、ACT204へと進む。プロセッサ31は、ACT204として明細レコードRaを作成する。すなわちプロセッサ31は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力イベントに含まれる商品コードを含む商品レコードを取得する。そしてプロセッサ31は、その商品レコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。なお、数量は“1”である。値割引額は“0”である。金額は、単価である。
【0109】
明細レコードRaを作成したプロセッサ31は、ACT205へと進む。プロセッサ31は、ACT205としてその明細レコードRaを第2取引ファイル811に記憶する。
【0110】
一方、受信した入力イベントが商品コードを含まない入力イベントの場合、プロセッサ31は、ACT203からACT206へと進む。プロセッサ31は、ACT206として数量、値引額又は割引率を含む入力イベントを受信したか否かを確認する。数量、値引額又は割引率を含む入力イベントを受信した場合、プロセッサ31は、ACT206からACT207へと進む。プロセッサ31は、ACT207として第2取引ファイル811に記憶したレコード番号rの明細レコードRaを更新する。具体的には、数量を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaの数量を入力イベントに含まれる値とし、金額を単価と数量との積とする。値引額を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaに値引額を記述し、金額から値引額を減じる。割引率を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaの単価と割引率とから割引額を算出して記述し、金額から割引額を減じる。
【0111】
こうして、ACT205又はACT207の処理を終えると、プロセッサ31は、ACT208へと進む。プロセッサ31は、ACT208として次の入力イベントを受信したか否かを確認する。入力イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT208からACT209へと進む。プロセッサ31は、ACT209として完了イベントを受信したか否かを確認する。完了イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT209からACT210へと進む。プロセッサ31は、ACT210として削除イベントを受信したか否かを確認する。削除イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT208へと戻る。このようにプロセッサ31は、ACT208乃至ACT210として入力イベント、完了イベント又は削除イベントを待ち受ける。
【0112】
ACT208乃至ACT210の待ち受け状態において、入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT208からACT203へと戻る。そしてプロセッサ31は、ACT203以降の処理を前述したのと同様に実行する。すなわち、商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaを作成し、その明細レコードRaを第2取引ファイル811に記憶する。数量、割引額又は割引率を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、レコード番号rの明細レコードRa、すなわち直前のACT205の処理で第2取引ファイル811に記憶した明細レコードRaを更新する。そしてプロセッサ31は、再びACT208乃至ACT210の待ち受け状態となる。
【0113】
ACT208乃至ACT210の待ち受け状態において、削除イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT210からACT211へと進む。プロセッサ31は、ACT211として第2取引ファイル811をクリアする。このクリアにより、第2取引ファイル811に記憶していた明細レコードRaはすべて削除される。第2取引ファイル811をクリアしたプロセッサ31は、決済プログラムに従った情報処理を終了する。その後、プロセッサ31は、再び、ACT201としてタッチパネル38の画面を待機画面SBaとする。
【0114】
ACT208乃至ACT210の待ち受け状態において、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT209から図13のACT221へと進む。プロセッサ31は、ACT221としてフラグメモリ82の状態フラグFcを調べる。状態フラグFcが“0”、すなわち当該決済装置12が待機中の場合、プロセッサ31は、ACT221からACT222へと進む。プロセッサ31は、ACT222として完了イベントに含まれている支払い種別を取得する。
【0115】
支払い種別を取得したプロセッサ31は、ACT223へと進む。プロセッサ31は、ACT223としてその支払い種別がキャッシュレスの支払い方法を示す支払い種別であるか否かを確認する。キャッシュレスの支払い方法を示す支払い種別は、「クレジット」または「電子マネー」である。支払い種別「現金」は、キャッシュレスの支払い種別ではない。
【0116】
支払い種別がキャッシュレスの支払い方法でない場合、すなわち「現金」の場合には、プロセッサ31は、ACT223からACT225へと進む。一方、支払い種別がキャッシュレスの支払い方法である場合、すなわち「クレジット」または「電子マネー」の場合には、プロセッサ31は、ACT223からACT224へと進む。プロセッサ31は、ACT224としてフラグメモリ82の接続フラグFbを調べる。接続フラグFbが“1”、すなわち当該決済装置12にキャッシュレス決済端末5が接続されている場合には、プロセッサ31は、ACT224からACT225へと進む。
【0117】
このように、支払い種別が「現金」の場合、あるいは支払い種別が「クレジット」または「電子マネー」であり、接続フラグFbが“1”の場合には、プロセッサ31は、ACT225へと進む。プロセッサ31は、ACT225として入力装置11に肯定応答(OK)を送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により、決済装置12から完了イベント送信元の入力装置11に対して肯定応答(OK)の信号が送信される。
【0118】
肯定応答(OK)の送信を制御したプロセッサ31は、ACT226へと進む。プロセッサ31は、ACT226としてフラグメモリ82の状態フラグFcを“0”から“1”に変更する。すなわちプロセッサ31は、当該決済装置12が決済中であることを示す情報を記憶する。また、プロセッサ31は、ACT227として第2取引ファイル811のデータを第3取引ファイル812に複写する。そしてプロセッサ31は、ACT228として第2取引ファイル811をクリアする。このクリアにより、第2取引ファイル811に記憶していた明細レコードRaはすべて削除される。
【0119】
第2取引ファイル811をクリアしたプロセッサ31は、ACT229へと進む。プロセッサ31は、ACT229としてタッチパネル38の画面を支払い種別に対応した会計画面SBb(図18を参照)とする。
【0120】
図18は、支払い種別が「現金」であった場合の会計画面SBbの一表示例である。会計画面SBbは、合計点数及び合計金額が表示される合計エリアABaを含む。また会計画面SBbは、変更ボタンBBa及び店員呼出ボタンBBbのソフトウェアキーを含む。会計画面SBbは、決済装置12のオペレータに対して会計の方法を知らせる画面である。決済装置12のオペレータは、原則、客3である。したがって、例えば「現金支払いが選択されています。代金を投入してください」というテキストが会計画面SBbに表示される。このテキストを確認した客3は、自動釣銭機に代金相当の現金を投入する。
【0121】
なお、店員を呼び出したい客3は、店員呼出ボタンBBbを入力する。店員呼出ボタンBBbが入力されると、決済装置12から入力装置11に店員呼出信号が出力されて、入力装置11のタッチパネル28に客から呼び出しがあることを店員に知らせる画像が表示される。
【0122】
また、支払い方法を変更したい客3は、変更ボタンBBaを入力する。変更ボタンBBaが入力されることにより、タッチパネル38に支払い方法選択画面が表示されるので、客3は、希望する支払い方法を選択する。ただし、キャッシュレス決済端末5が接続されていない決済装置12においては、クレジットカード、電子マネー等のキャッシュレスの支払方法を選択することはできない。
【0123】
会計画面SBbを表示したプロセッサ31は、ACT230として代金の支払いが完了するのを待ち受ける。例えば支払い種別が「現金」であり、自動釣銭機に代金相当の現金が投入された場合には、プロセッサ31は、代金の支払いが完了したと判断する。例えば支払い種別が「クレジット」または「電子マネー」の場合には、プロセッサ31は、キャッシュレス決済端末5から決済完了の信号を待ち受ける。決済完了の信号を受信すると、プロセッサ31は、代金の支払いが完了したと判断する。
【0124】
代金の支払いが完了すると、プロセッサ31は、ACT230からACT231へと進む。プロセッサ31は、ACT231としてプリンタ39を動作させて、取引レシートを発行する。取引レシートには、第3取引ファイル812に記憶された明細レコードRaのデータ、つまりは買上商品の商品名、数量、単価、金額等が印字される。また、買上商品の合計金額、支払い金額、釣銭額、完了イベントに含まれていた取引番号等も印字される。
【0125】
取引レシートを発行したプロセッサ31は、ACT232へと進む。プロセッサ31は、ACT232として第3取引ファイル812に記憶した明細レコードRaに基づいて、買上商品の売上処理を行う。この売上処理により、売上マスタファイル132に記憶される買上商品の売上点数及び売上金額が更新される。
【0126】
買上商品の売上処理を終えたプロセッサ31は、ACT233へと進む。プロセッサ31は、ACT233として第3取引ファイル812をクリアする。このクリアにより、第3取引ファイル812に記憶されていた明細レコードRaが削除される。
【0127】
第3取引ファイル812をクリアしたプロセッサ31は、ACT234へと進む。プロセッサ31は、ACT234として状態フラグFcを“1”から“0”に変更する。すなわちプロセッサ31は、当該決済装置12が待機中であることを示す情報を記憶する。以上で、プロセッサ31は、決済プログラムに従った情報処理を終了する。その後、プロセッサ31は、再び、ACT201としてタッチパネル38の画面を待機画面SBaとする。
【0128】
一方、ACT221において状態フラグFcが“1”である場合、すなわち決済中の状態にある決済装置12が完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT221からACT235へと進む。プロセッサ31は、ACT235として入力装置11に否定応答(NG)を送信するように通信ユニット35を制御する。
【0129】
同様に、ACT224において接続フラグFbが“1”である場合、すなわちキャッシュレス決済端末5を接続していない決済装置12がキャッシュレスの支払い種別を含む完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT224からACT235へと進む。プロセッサ31は、ACT235として入力装置11に否定応答(NG)を送信するように通信ユニット35を制御する。
【0130】
この制御により、決済装置12から完了イベント送信元の入力装置11に対して否定応答(NG)の信号が送信される。否定応答(NG)の送信を制御したプロセッサ31は、図12のACT208と戻る。プロセッサ31は、入力イベント、完了イベント又は削除イベントの待ち受け状態に戻る。
【0131】
ここにプロセッサ31は、ACT203乃至ACT205処理により、決済側記憶手段71としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT229の処理により、金額表示手段72としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT221乃至ACT225及びACT235の処理により、決済応答手段73としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT230乃至ACT232の処理により決済手段74としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT211の処理により決済側削除手段75としての機能を実現する。
【0132】
以上で、入力装置11のプロセッサ21及び決済装置12のプロセッサ31が実行する主要な情報処理の説明を終了する。次に、この情報処理に基づく会計システム1の動作について説明する。
【0133】
店員2が入力装置11の入力デバイス61を操作して取引に係るデータを入力すると、入力装置11においては、明細レコードRaが作成されて、第1取引ファイル631に記憶される。そして、第1取引ファイル631に記憶された明細レコードRaのデータに基づいて明細画面SAaがタッチパネル28に表示される。なお、このとき、客用ディスプレイ29には、明細画面SAaのカレントエリアAAa及び合計エリアAAcに表示されている情報が表示される。したがって客3は、買上商品の商品名、単価、合計金額等を容易に知り得る。
【0134】
また、入力装置11においては、取引に係るデータが入力される毎に、その取引に係るデータを含む入力イベントが同一グループの決済装置120に送信される。これにより、決済装置120においても、明細レコードRaが作成されて、第2取引ファイル811に記憶される。ただし、タッチパネル38の画面は、待機画面SBaである。タッチパネル38に明細画面SAaが表示されることはない。したがって、入力装置11を介してデータ入力が行われている客の買上商品の情報を、決済装置12の画面から他の客に見られるようなことはない。
【0135】
取引に係るデータの入力を終えて、店員2が小計ボタンBAaを入力すると、タッチパネル28の画面が支払い方法選択画面SAbとなる。そこで店員2は、客に支払い方法を確認し、客が希望する支払い方法を選択操作する。例えば客3が現金支払いを希望した場合には、店員2は、現金ボタンBAdを入力する。例えば客3がクレジットカード支払いを希望した場合には、店員2は、クレジットボタンBAeを入力する。例えば客3が電子マネー支払いを希望した場合には、店員2は、電子マネーボタンBAfを入力する。
【0136】
現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfが入力されると、タッチパネル28の画面が支払い画面SAcとなるので、店員2は、親機121の前に別の客がいないか確認する。親機121の前に別の客がいない場合、店員2は、入力完了ボタンBAjを単独で入力する。親機121の前に別の客がいる場合には、店員2は、ビジィボタンBAkを入力してから入力完了ボタンBAjを入力する。
【0137】
入力完了ボタンBAjが入力されることにより、入力装置11から同一グループの決済装置120のうちいずれか1台の決済装置12に完了イベントが送信される。具体的には、入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、親機121に完了イベントが送信される。ビジィボタンBAkとともに入力完了ボタンBAjが入力された場合には、子機122に完了イベントが送信される。完了イベントには、支払い方法選択画面SAbで選択された支払い方法の識別データである支払い種別が含まれている。
【0138】
完了イベントを受信した決済装置12においては、その完了イベントに含まれる支払い種別と、接続フラグFb及び状態フラグFcの値とにより、肯定応答(OK)を送信するか否定応答(NG)を送信するかが決定される。そこで次に、決済装置12が肯定応答(OK)を送信する場合と否定応答(NG)を送信する場合とについて、図19乃至図34を用いて詳細に説明する。図19乃至図34は、入力装置11(11-1)の支払い方法選択画面Sab及び支払画面SAcに対する操作入力のパターン別に、同一グループの決済装置120、すなわち決済装置12(12-1)と決済装置12(12-2)から送信される応答信号を説明するための図である。
【0139】
図19乃至図22は、キャッシュレス決済端末5を接続した決済装置12(12-1)が親機121に設定され、キャッシュレス決済端末5を接続していない決済装置12(12-2)が子機122に設定された例である。そして図19は、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-2)がいずれも待機中の場合である。図20は、決済装置12(12-1)が決済中であり、決済装置12(12-2)が待機中の場合である。図21は、決済装置12(12-1)が待機中であり、決済装置12(12-2)が決済中の場合である。図22は、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-2)がいずれも決済中の場合である。
【0140】
図19の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0141】
一方、図19の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。ただし、決済装置12(12-2)は、キャッシュレス決済端末5を接続していないので、クレジットカード又は電子マネーのキャッシュレス支払いに対応していない。したがって、支払い種別[現金]を含む完了イベントを受信した場合には、決済装置12(12-2)は、肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返すが、支払い種別[クレジット]又は支払い種別[電子マネー]を含む完了イベントを受信した場合には、決済装置12(12-2)は、否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0142】
図20の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0143】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-2)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。ただし、決済装置12(12-2)は、キャッシュレス決済端末5を接続していないので、クレジットカード又は電子マネーのキャッシュレス支払いに対応していない。したがって決済装置12(12-2)は、支払い種別[現金]を含む完了イベントを受信した場合には、肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返すが、支払い種別[クレジット]又は支払い種別[電子マネー]を含む完了イベントを受信した場合には、否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0144】
一方、図20の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。ただし、決済装置12(12-2)は、キャッシュレス決済端末5を接続していないので、クレジットカード又は電子マネーのキャッシュレス支払いに対応していない。したがって決済装置12(12-2)は、支払い種別[現金]を含む完了イベントを受信した場合には、肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返すが、支払い種別[クレジット]又は支払い種別[電子マネー]を含む完了イベントを受信した場合には、否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0145】
図21の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0146】
一方、図21の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0147】
図22の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0148】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-2)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-2)も、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0149】
一方、図22の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0150】
なお、図19乃至図23の例において、入力装置11(11-1)は、子機122から否定応答(NG)の信号を受信すると、送信エラーを報知する。そして、この報知に対して再送が指令されると、入力装置11(11-1)は、親機121又は子機122に対して完了イベントを再送する。
【0151】
図23乃至図26は、キャッシュレス決済端末5を接続した決済装置12(12-1)が子機122に設定され、キャッシュレス決済端末5を接続していない決済装置12(12-2)が親機121に設定された例である。そして図23は、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-2)がいずれも待機中の場合である。図24は、決済装置12(12-1)が決済中であり、決済装置12(12-2)が待機中の場合である。図25は、決済装置12(12-1)が待機中であり、決済装置12(12-2)が決済中の場合である。図26は、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-2)がいずれも決済中の場合である。
【0152】
図23の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。ただし、決済装置12(12-2)は、キャッシュレス決済端末5を接続していないので、クレジットカード又は電子マネーのキャッシュレス支払いに対応していない。したがって決済装置12(12-2)は、支払い種別[現金]を含む完了イベントを受信した場合には、肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返すが、支払い種別[クレジット]又は支払い種別[電子マネー]を含む完了イベントを受信した場合には、否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0153】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-1)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、支払種別[クレジット]又は支払い種別[電子マネー]を含む完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0154】
一方、図23の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0155】
図24の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。ただし、決済装置12(12-2)は、キャッシュレス決済端末5を接続していないので、クレジットカード又は電子マネーのキャッシュレス支払いに対応していない。したがって決済装置12(12-2)は、支払い種別[現金]を含む完了イベントを受信した場合には、肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返すが、支払い種別[クレジット]又は支払い種別[電子マネー]を含む完了イベントを受信した場合には、否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0156】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-1)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-1)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0157】
一方、図24の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0158】
図25の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0159】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-1)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0160】
一方、図25の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0161】
図26の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0162】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-1)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-1)も、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0163】
一方、図26の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0164】
なお、図24乃至図26の例においても、入力装置11(11-1)は、子機122から否定応答(NG)の信号を受信すると、送信エラーを報知する。そして、この報知に対して再送が指令されると、入力装置11(11-1)は、親機121又は子機122に対して完了イベントを再送する。
【0165】
図27乃至図30は、決済装置12(12-1)だけでなく、決済装置12(12-2)もキャッシュレス決済端末5を接続し、決済装置12(12-1)が親機121に設定され、決済装置12(12-2)が子機122に設定された例である。図27は、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-2)がいずれも待機中の場合である。図28は、決済装置12(12-1)が決済中であり、決済装置12(12-2)が待機中の場合である。図29は、決済装置12(12-1)が待機中であり、決済装置12(12-2)が決済中の場合である。図30は、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-2)がいずれも決済中の場合である。
【0166】
図27の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0167】
一方、図27の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-2)も、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0168】
図28の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0169】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-2)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-2)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0170】
一方、図28の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-2)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0171】
図29の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0172】
一方、図29の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0173】
図30の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0174】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-2)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-2)も、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0175】
一方、図30の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0176】
なお、図27乃至図30の例においても、入力装置11(11-1)は、子機122から否定応答(NG)の信号を受信すると、送信エラーを報知する。そして、この報知に対して再送が指令されると、入力装置11(11-1)は、親機121又は子機122に対して完了イベントを再送する。
【0177】
図31乃至図34は、決済装置12(12-1)だけでなく、決済装置12(12-2)もキャッシュレス決済端末5を接続し、決済装置12(12-1)が子機122に設定され、決済装置12(12-2)が親機121に設定された例である。図31は、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-2)がいずれも待機中の場合である。図32は、決済装置12(12-1)が決済中であり、決済装置12(12-2)が待機中の場合である。図33は、決済装置12(12-1)が待機中であり、決済装置12(12-2)が決済中の場合である。図34は、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-2)がいずれも決済中の場合である。
【0178】
図31の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-2)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0179】
一方、図31の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)も、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0180】
図32の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、待機中であるので決済処理が可能である。よって決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0181】
一方、図32の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、決済中であるので決済処理が不可能である。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0182】
図33の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0183】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-1)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0184】
一方、図33の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、待機中であるので決済処理が可能である。また、決済装置12(12-1)は、キャッシュレス決済端末5を接続しているので、現金のみならずクレジットカード又は電子マネーの支払いにも対応している。よって決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して肯定応答(OK)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0185】
図34の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfに続いて入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントは親機121の決済装置12(12-2)に送信される。このとき決済装置12(12-2)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-2)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0186】
否定応答(NG)の信号を受信した入力装置11(11-1)においては、完了イベントの送信先が子機122に変更される。そして子機122の決済装置12(12-1)に完了イベントが送信される。このとき決済装置12(12-1)も、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0187】
一方、図34の例において、現金ボタンBAd、クレジットボタンBAe又は電子マネーボタンBAfの後にビジィボタンBAkが入力され、続いて入力完了ボタンBAjが入力された場合には、完了イベントは子機122の決済装置12(12-1)に送信される。このとき決済装置12(12-1)は、決済中であるので決済処理が不可能である。したがって、決済装置12(12-1)は、完了イベントに対して否定応答(NG)の信号を入力装置11(11-1)に返す。
【0188】
なお、図31乃至図34の例においても、入力装置11(11-1)は、子機122から否定応答(NG)の信号を受信すると、送信エラーを報知する。そして、この報知に対して再送が指令されると、入力装置11(11-1)は、親機121又は子機122に対して完了イベントを再送する。
【0189】
以上詳述したように、第1の実施形態によれば、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。
【0190】
しかも、例えば親機121が決済中であり決済処理が不可能な場合でも、子機122が待機中であり決済処理が可能な場合には、客3は、子機122で取引を決済できる。その際においても、入力装置11が決済情報を生成して子機122に送信する必要はない。
【0191】
また、例えば親機121で決済処理が実行されるために削除イベントを受信した子機122においては、第2取引ファイル811に記憶していた明細レコードRaが破棄される。したがって子機122は、直ちに次の客の決済に備えることができる。
【0192】
また、入力装置11は、入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、完了イベントを親機121に送信するが、入力完了ボタンBAjとともにビジィボタンBAkが入力された場合には完了イベントを子機122に送信する。そこで、例えば会計は終えたものの親機121の前で財布にお金をしまうのに時間がかかっている客3がいるような場合には、店員2は、ビジィボタンBAkを入力してから入力完了ボタンBAjが入力する。そうすると、完了イベントが子機122に送信され、親機121に送信されることはない。したがって、もたもたしている客がいる親機121に完了イベントが送信されてしまい、次の客の決済金額が親機121のタッチパネル38に表示されることはない。
【0193】
また、店員2は、客3が希望する代金の支払い方法を入力装置11に入力する。そうすると、完了イベントが送信された決済装置12においては、その代金支払い方法による決済処理が実行される。したがって、客3が決済装置12において代金の支払い方法を指定する面倒も解消される。
【0194】
その上、客3が希望する代金の支払い方法での決済処理が不可能な決済装置12からは入力装置11に対して否定応答が返信される。したがって、客3が希望する代金の支払い方法での決済処理が不可能な決済装置12に、店員2が客3を案内してしまう不具合もない。
【0195】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図35乃至図44を用いて説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態の会計システム1において、入力装置11に入力された1取引の買上商品のデータを、入力完了ボタンBAjの入力である入力終了指示が行われる前に、遡って修正する機能を追加したものである。よって、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0196】
図35は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、選択手段55、第1通知手段56、第2通知手段57、第3通知手段58、決済先報知手段59及び入力側削除手段510に加えて、修正受付手段511、入力側修正手段512及び第2送信手段513としての機能を有する。
【0197】
修正受付手段511は、明細表示手段52によりタッチパネル28の明細画面SAaに表示されている明細情報の修正を受け付ける機能である。明細画面SAaの明細エリアAAbには、一連のレコード番号順に、一取引の買上商品として入力された商品の商品名、数量、単価、値割引額及び金額がリスト形式で表示されている。修正受付手段511は、明細エリアAAbに商品名、数量、単価等が表示されている明細レコードRaの削除、若しくは数量、単価、値引額、割引率の変更等を受け付ける。
【0198】
入力側修正手段512は、第1送信手段54により同一グループの決済装置120のそれぞれに送信した取引に係るデータを、終了検出手段53により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に修正する機能である。複数台の決済装置12に送信された取引に係るデータは、明細レコードRaとして第1取引ファイル631に記憶されている。入力側修正手段512は、入力デバイス61からの入力に応じて、第1取引ファイル631に記憶されている明細レコードRaを修正する。例えば入力側修正手段512は、明細レコードRaを削除する。例えば入力側修正手段512は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0199】
第2送信手段513は、入力側修正手段512により修正された取引に係るデータを、終了検出手段53により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、同一グループの決済装置120のそれぞれに送信する機能である。
【0200】
図36は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、決済側記憶手段71、金額表示手段72、決済応答手段73、決済手段74及び決済側削除手段75に加えて、決済側修正手段76としての機能を有する。
【0201】
決済側修正手段76は、第2送信手段513により入力装置11から送信されてくる取引に係るデータで、決済側記憶部81に記憶している取引に係るデータを修正する機能である。決済側記憶部81の第2取引ファイル811には、第1送信手段54により入力装置11から送信された取引に係るデータを基に決済装置12で作成された明細レコードRaが記憶されている。決済側修正手段76は、第2取引ファイル811に記憶した明細レコードRaを、第2送信手段513により入力装置11から送信されてくる取引に係るデータで修正する。例えば決済側修正手段76は、明細レコードRaを削除する。例えば決済側修正手段76は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0202】
次に、図37及び図38の流れ図、及び、図39乃至図44の画面例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される情報処理のうち、第2の実施形態に関係する情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0203】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図37の流れ図を用いて説明する。図37の流れ図は、第1の実施形態においては図9の流れ図に相当する。そこで、図9と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0204】
プロセッサ21は、第1の実施形態と同様に、ACT101としてタッチパネル28の画面を明細画面SAaとする。そしてプロセッサ21は、ACT102として商品コードが入力されるのを待ち受ける。商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT103乃至ACT106の処理を実行した後、ACT107乃至ACT109の待ち受け状態となる。すなわちプロセッサ21は、商品コード、数量又は値割引のデータ及び小計ボタンBAaの待ち受け状態となる。
【0205】
ここで、第2の実施形態においては、上述した商品コード、数量又は値割引のデータ及び小計ボタンBAaに加えて、ACT301として明細画面SAaの明細エリアAAbに表示されている商品が選択されるのを待ち受ける。
【0206】
図39は、4品目の買上商品の取引に係るデータが入力された後の明細画面SAaの一表示例である。具体的には図39は、単価200円の商品AAAAAの商品コードと、単価300円の商品BBBBBの商品コードと、単価400円の商品CCCCCの商品コードと、単価100円の商品DDDDDの商品コードとが順に入力されたときの明細画面SAaである。このような入力により、カレントエリアAAaには、商品DDDDDの商品名、数量及び金額が表示される。明細エリアAAbには、レコード番号「1」と関連付けて、商品AAAAAの商品名、数量、単価及び金額が表示され、レコード番号「2」と関連付けて、商品BBBBBの商品名、数量、単価及び金額が表示され、レコード番号「3」と関連付けて、商品CCCCCの商品名、数量、単価及び金額が表示される。合計エリアAAcには、合計点数4点と合計金額1,000円とが表示される。
【0207】
このとき、第1取引ファイル631には、ACT104及びACT105の処理により、商品AAAAAの明細レコードRa-Aと、商品BBBBBの明細レコードRa-Bと、商品CCCCCの明細レコードRa-Cと、商品DDDDDの明細レコードRa-Dとが記憶される。また、ACT106の処理により、商品AAAAAの商品コードを含む入力イベントと、商品BBBBBの商品コードを含む入力イベントと、商品CCCCCの商品コードを含む入力イベントと、商品DDDDDの商品コードを含む入力イベントとが、同一グループの決済装置120のそれぞれに送信される。各入力イベントは、商品コードが入力される毎に同一グループの決済装置120のそれぞれに送信される。これらの入力イベントの送信により、同一グループの決済装置120においては、商品AAAAAの明細レコードRa-Aと、商品BBBBBの明細レコードRa-Bと、商品CCCCCの明細レコードRa-Cと、商品DDDDDの明細レコードRa-Dとが、それぞれ第2取引ファイル811に記憶される。
【0208】
図37の説明に戻る。
ACT107乃至ACT109及びACT301の待ち受け状態において、例えば客3が商品BBBBBの返品を申し出た場合を想定する。その場合、入力装置11のオペレータである店員2は、明細エリアAAbの商品BBBBBに係るデータが表示されている行をタッチ操作する。このように、明細エリアAAbの行がタッチ操作されることにより、プロセッサ21は、ACT301において商品選択有と判断する。
【0209】
商品選択有と判断すると、プロセッサ21は、ACT301からACT302へと進む。プロセッサ21は、ACT302としてタッチパネル28に修正画面SAd(図40を参照)を表示する。
【0210】
図40は、修正画面SAdの一表示例である。修正画面SAdは、明細エリアAAbから選択された商品の商品名が表示されるエリアAAfと、明細エリアAAbから選択された商品の数量、単価、値割引額及び金額が表示されるエリアAAgと、操作ガイダンス等が表示されるエリアAAhとが形成されている。また修正画面SAdは、取消ボタンBAn、数量変更ボタンBAo、単価変更ボタンBAp、値引ボタンBAq、割引ボタンBAr、キャンセルボタンBAs及びOKボタンBAtのソフトウェアキーを含む。因みに、修正画面SAdは、明細画面SAaの上に重ねてポップアップ表示されることが好ましい。
【0211】
修正画面SAdを確認した店員2は、取消ボタンBAnを入力する。取消ボタンBAnが入力されると、図41に示すように、エリアAAgに表示されている商品BBBBBの数量、単価、値割引額及び金額に取消線が表示される。また、数量変更ボタンBAo、単価変更ボタンBAp、値引ボタンBAq及び割引ボタンBArはグレイアウトして入力不可となる。ここで、客3が商品BBBBBの返品を取り止めた場合には、店員2は、キャンセルボタンBAsを入力する。商品BBBBBの返品を確定させる場合には、店員2は、OKボタンBAtを入力する。
【0212】
図37の説明に戻る。
修正画面SAdを表示したプロセッサ21は、ACT303としてOKボタンBAtが入力されたか否かを確認する。OKボタンBAtが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT303からACT304へと進む。プロセッサ21は、ACT304としてキャンセルボタンBAsが入力されたか否かを確認する。キャンセルボタンBAsが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT304からACT303に戻る。このように、修正画面SAdを表示したプロセッサ21は、ACT303及びACT304としてOKボタンBAtが入力されるかキャンセルボタンBAsが入力されるのを待ち受ける。
【0213】
ACT303及びACT304の待ち受け状態において、キャンセルボタンBAsが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT304からACT305へと進む。プロセッサ21は、ACT305として修正画面SAdを消去する。しかる後、プロセッサ21は、ACT107乃至ACT109及びACT301の待ち受け状態に戻る。このように、店員2がキャンセルボタンBAsを入力すると、修正画面SCdが消去される。その結果、タッチパネル28の画面は、図39に示す明細画面SAaとなる。
【0214】
一方、ACT303及びACT304の待ち受け状態において、OKボタンBAtが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT303からACT306へと進む。プロセッサ21は、ACT306としてマルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に修正イベントを送信する。修正イベントは、修正画面SAdに対して入力された情報、すなわちこの場合には、商品BBBBBの取消という情報を含む。また、プロセッサ21は、ACT307として明細レコードRaを修正する。すなわちプロセッサ21は、第1取引ファイル631に記憶された商品BBBBBの明細レコードRa-Bを削除する。そしてプロセッサ21は、ACT308として修正画面SAdを消去し、明細画面SAaを更新する。しかる後、プロセッサ21は、ACT107乃至ACT109及びACT301の待ち受け状態に戻る。
【0215】
図42は、商品BBBBBを削除した後に更新された明細画面SAaの表示例である。図42に示すように、明細エリアAAbから商品BBBBBの商品名、数量、単価、値割引額及び金額が消去される。そして、カレントエリアAAaに表示されていた商品DDDDDの商品名、数量、単価、値割引額及び金額が明細エリアAAbに表示される。商品BBBBBの商品名、数量及び金額は、カレントエリアAAaに表示される。そして、カレントエリアAAaの商品名、数量及び金額には、取消線が表示される。この表示により、店員2は、商品BBBBBを取り消したことを確認できる。
【0216】
ACT107乃至ACT109及びACT301の待ち受け状態において、例えば商品BBBBBの数量を“1”から“3”に修正する場合を想定する。その場合も店員2は、明細エリアAAbの商品BBBBBに係るデータが表示されている行をタッチ操作する。このタッチ操作により、プロセッサ21は、ACT302の処理を実行する。この処理により、タッチパネル28に修正画面SAdが表示されるので、店員2は、数量変更ボタンBAoを入力する。数量変更ボタンBAoが入力されると、図43に示すように、エリアAAgの数量が表示されている区画の背景色が他の区画の背景色と異なる。この背景色の違いにより、店員2は、数量の修正を指示したと認識できる。なお、取消ボタンBAn、単価変更ボタンBAp、値引ボタンBAq及び割引ボタンBArはグレイアウトして入力不可となる。数量の修正を指示した店員2は、キーボード26のテンキーを操作して、修正後の数量“3”を入力し、OKボタンBAtを入力する。
【0217】
OKボタンBAtが入力されると、プロセッサ21は、ACT306乃至ACT308の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、同一グループの決済装置120に修正イベントを送信する。修正イベントは、修正画面SAdに対して入力された情報、すなわちこの場合には、商品BBBBBの数量を“1”から“3”に修正するという情報を含む。またプロセッサ21は、明細レコードRaを修正する。すなわちプロセッサ21は、第1取引ファイル631に記憶された商品BBBBBの明細レコードRa-Bにおける数量を“1”から“3”に修正する。またプロセッサ21は、明細レコードRa-Bにおける金額を300円から900円に修正する。そしてプロセッサ21は、明細画面SAaを更新する。
【0218】
図44は、商品BBBBBの数量が“1”から“3”に修正された後の明細画面SAaである。図44に示すように、数量が修正された商品BBBBBの商品名と、修正後の数量と、数量修正後の金額とがカレントエリアAAaに表示される。なお、明細エリアAAbにおいては、商品BBBBBのデータが消去され、商品DDDDDのデータが追加される。
【0219】
ACT107乃至ACT109及びACT301の待ち受け状態において、例えば商品BBBBBの単価を修正する場合には、店員2は、修正画面SAdの単価変更ボタンBApを入力し、テンキーで修正後の単価を入力して、OKボタンBAtを入力する。例えば商品BBBBBの値引額を修正する場合には、店員2は、修正画面SAdの値引ボタンBAqを入力し、テンキーで修正後の値引額を入力して、OKボタンBAtを入力する。例えば商品BBBBBの割引率を修正する場合には、店員2は、修正画面SAdの割引ボタンBArを入力し、テンキーで修正後の割引率を入力して、OKボタンBAtを入力する。
【0220】
これらの操作により、プロセッサ21は、ACT306乃至ACT308の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、同一グループの決済装置120に修正イベントを送信する。またプロセッサ21は、明細レコードRaを修正する。そしてプロセッサ21は、明細画面SAaを更新する。
【0221】
その後、小計ボタンBAaが入力されると、プロセッサ21は、図10のACT121へと進む。そしてプロセッサ21は、第1の実施形態と同様に、ACT121以降の処理を実行する。
【0222】
ここに、プロセッサ21は、ACT301及びACT302の処理により、修正受付手段511としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT307の処理により、入力側修正手段512としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT306の処理により、第2送信手段513としての機能を実現する。
【0223】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図38の流れ図を用いて説明する。図38の流れ図は、第1の実施形態においては図12の流れ図に相当する。そこで、図12と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0224】
プロセッサ31は、第1の実施形態と同様に、ACT201としてタッチパネル38の画面を待機画面SBaとする。そしてプロセッサ31は、ACT202として入力装置11から送信される入力イベントを待ち受ける。この待ち受け状態において、通信ユニット35を介して入力イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT203乃至ACT207の処理を実行する。そしてプロセッサ31は、ACT208乃至ACT210として、入力イベント、完了イベント又は削除イベントを待ち受ける。
【0225】
第2の実施形態では、ACT208乃至ACT210の待ち受け状態において、プロセッサ31はさらに、ACT401として修正イベントを待ち受ける。そして、修正イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT401からACT402へと進む。プロセッサ31は、ACT402として第2取引ファイル811に記憶した明細レコードRaを修正する。具体的には、例えば、商品BBBBBの取消という情報を含む修正イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、第2取引ファイル811から商品BBBBBの明細レコードRa-Bを削除する。例えば、商品BBBBBの数量を修正するという情報を含む修正イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRa-Bの数量と金額を修正する。例えば、商品BBBBBの単価、値引額又は割引率を修正するという情報を含む修正イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRa-Bの単価又は値割引額と金額とを修正する。
【0226】
こうして、明細レコードRaの修正を終了すると、プロセッサ31は、ACT208乃至ACT210及びACT401の待ち受け状態に戻る。この待ち受け状態において、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、図13のACT221へと進む。以後、プロセッサ21は、第1の実施形態と同様に、ACT221以降の処理を実行する。
【0227】
ここに、プロセッサ31は、ACT402の処理により、決済側修正手段76としての機能を実現する。
【0228】
このように、第2の実施形態においても、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。しかも、第2の実施形態の会計システム1によれば、入力装置11に入力された1取引の買上商品のデータを、入力完了ボタンBAjの入力である入力終了指示が行われる前に、遡って修正することができる。
【0229】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について、図45乃至図54を用いて説明する。
第3の実施形態は、第1の実施形態の会計システム1において、入力完了ボタンBAjの入力である入力終了指示が行われた後に、その入力終了が指示された取引を戻して修正する機能を追加したものである。よって、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0230】
図45は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、選択手段55、第1通知手段56、第2通知手段57、第3通知手段58、決済先報知手段59及び入力側削除手段510に加えて、取消検出手段514、指定受付手段515、第4通知手段516、入力側修正手段517、第3送信手段518及び不可報知手段519としての機能を有する。
【0231】
取消検出手段514は、第1通知手段56により入力終了を通知した取引の決済取消指示を検出する機能である。取消検出手段514は、入力デバイス61を介して取引の決済取消を指示する操作入力があると、その操作入力に応じた信号を決済取消指示の信号として検出する。
【0232】
指定受付手段515は、同一グループの決済装置120の中から取引の決済を取り消す決済装置12の指定入力を受け付ける機能である。指定受付手段515は、入力デバイス61を介して取引の決済を取り消す決済装置12の指定入力を受け付ける。
【0233】
第4通知手段516は、取消検出手段514により取引の決済取消指示が検出されると、通信ユニット25を介して、同一グループの決済装置120のそれぞれに決済取消を通知する機能である。第4通知手段516は、同一グループの決済装置120のそれぞれに、指定受付手段515により指定入力を受け付けた決済装置12の識別情報とともに決済取消を通知する信号を出力する。
【0234】
入力側修正手段517は、決済取消の通知に対していずれかの決済装置12から決済取消を許諾する応答(肯定応答:OK)があったことを条件に、入力側記憶部63で記憶した取引に係るデータを修正する機能である。第1取引ファイル631のデータは、入力終了を通知する信号を出力した決済装置12から決済可能を応答する信号を受信すると、第4取引ファイル632に複写される。入力側修正手段517は、入力デバイス61からの入力に応じて、第4取引ファイル632に記憶されている明細レコードRaを修正する。例えば入力側修正手段517は、明細レコードRaを削除する。例えば入力側修正手段517は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0235】
第3送信手段518は、入力側修正手段517により修正された取引に係るデータを、通信ユニット25を介して、同一グループの決済装置120のそれぞれに送信する機能である。第3送信手段518は、取引に係るデータが修正される毎に、その修正された取引に係るデータを同一グループの決済装置120のそれぞれに送信する。
【0236】
不可報知手段519は、決済取消の通知に対して決済装置12から決済取消を許諾する応答がないと、決済取消不可を報知する機能である。不可報知手段519は、例えば表示デバイス62に決済の取消が不可であることを示すテキストまたは画像を表示して報知する。
【0237】
図46は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、決済側記憶手段71、金額表示手段72、決済応答手段73、決済手段74及び決済側削除手段75に加えて、取消応答手段77及び決済側修正手段78としての機能を有する。
【0238】
取消応答手段77は、決済取消の通知を受けた取引の決済が完了していない場合に、通信ユニット35を介して入力装置11に決済取消を許諾する応答を返す機能である。取消応答手段77は、決済取消の通知を受けた取引の決済が完了している場合には、上記応答を返さない。
【0239】
決済側修正手段78は、第3送信手段518により入力装置11から送信されてくる取引に係るデータで、決済側記憶部81に記憶している取引に係るデータを修正する機能である。決済手段74は、取引の決済が可能な状態で入力装置11から入力終了を通知する信号を受信すると、第2取引ファイル811に記憶した明細レコードRaを第3取引ファイル812に複写する。決済側修正手段78は、第3取引ファイル812に複写された明細レコードRaを、第3送信手段518により入力装置11から送信されてくる取引に係るデータで修正する。例えば決済側修正手段78は、明細レコードRaを削除する。例えば決済側修正手段78は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0240】
次に、図47乃至図51の流れ図、及び、図52乃至図54の画面例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される情報処理のうち、第3の実施形態に関係する情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0241】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図47図48及び図49の流れ図を用いて説明する。図47の流れ図は、第1の実施形態においては図11の流れ図に相当する。そこで、図11と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。図48は、第1の実施形態においては図9の流れ図に相当する。そこで、図9と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0242】
図47に示すように、第3の実施形態では、プロセッサ21が、ACT142においてユニキャスト通信により同一グループの決済装置120のうち送信先に決定された決済装置12に完了イベントを送信し、ACT144においてその決済装置12から肯定応答(OK)の信号を受信した後の処理の一部が第1の実施形態と異なる。すなわち、肯定応答(OK)の信号を受信したプロセッサ21は、ACT149として完了イベントの送信先である決済装置12を報知する。またプロセッサ21は、ACT150としてユニキャスト通信により同一グループの決済装置120のうち送信先以外の決済装置12に削除イベントを送信する。さらにプロセッサ21は、ACT501として第1取引ファイル631に記憶されている全ての明細レコードRaを第4取引ファイル632に複写する。その後、プロセッサ21は、ACT151として第1取引ファイル631をクリアして、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0243】
このようにプロセッサ21は、送信先に決定された決済装置12に完了イベントを送信し、その決済装置12から肯定応答(OK)の信号を受信すると、第1取引ファイル631に記憶されている全ての明細レコードRaを第4取引ファイル632に複写し、第1取引ファイル631をクリアする機能を有している。したがって、第4取引ファイル632には、肯定応答(OK)を返した決済装置12で決済される取引の明細レコードRaが記憶される。一方、第1取引ファイル631はクリアされるので、入力装置11においては、次の客との取引に係るデータの入力が可能となる。
【0244】
第1取引ファイル631がクリアされると、プロセッサ21は、図48の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。すなわちプロセッサ21は、ACT101としてタッチパネル28の画面を明細画面SAe(図52を参照)とする。
【0245】
図52は、第3の実施形態における明細画面SAeの一表示例である。明細画面SAeが第1の実施形態における明細画面SAaと異なる点は、決済取消ボタンBAuのソフトウェアキーが追加されている点である。決済装置12へと移動した客3が、自らの取引の決済を完了する前に取引の修正を依頼した場合、店員2は、決済取消ボタンBAuを入力する。この修正は、例えば、商品の数量に間違えがあったり、値引されていなかったりした場合が該当する。あるいは、客3が取引を中止する場合も該当する。
【0246】
図48の説明に戻る。
明細画面SAeを表示したプロセッサ21は、ACT102へと進む。プロセッサ21は、ACT102として商品コードが入力されたか否かを確認する。商品コードが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT102からACT511へと進む。プロセッサ21は、ACT511として決済取消ボタンBAuが入力されたか否かを確認する。決済取消ボタンBAuが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT511からACT102へと戻る。このようにプロセッサ21は、ACT102及びACT511において、商品コードが入力されるか決済取消ボタンBAuが入力されるのを待ち受ける。
【0247】
ACT102及びACT511の待ち受け状態において、商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT102からACT512へと進む。プロセッサ21は、ACT512として明細画面SAeの決済取消ボタンBAuを消去する。しかる後、プロセッサ21は、ACT103へと進む。そしてプロセッサ21は、第1の実施形態で説明したACT103乃至ACT148の処理を同様に実行する。したがって、客3が購入する商品の商品コードが入力されて、第1取引ファイル631に明細レコードRaが記憶されると、第1取引ファイル631がクリアされるまで、決済取消ボタンBAuを入力することはできない。
【0248】
一方、ACT102及びACT511の待ち受け状態、すなわち第1取引ファイル631がクリアされている状態において、決済取消ボタンbaUが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT511からACT513へと進む。プロセッサ21は、タッチパネル28の画面を決済装置選択画面SAf(図53を参照)とする。
【0249】
図53は、決済装置選択画面SAfの一表示例である。決済装置選択画面SAfは、同一グループの決済装置120をそれぞれ割り当てた複数の決済装置選択ボタンBAv,BAwのソフトウェアキーを含む。因みに図53は、入力装置11(11-1)に表示される決済装置選択画面SAfの例である。入力装置11(11-1)に対して同一グループの決済装置120は決済装置12(12-1)と決済装置12(12-2)の2台なので、2つの決済装置選択ボタンBAv,BAwが配置されている。そして、一方の決済装置選択ボタンBAvには決済装置12(12-1)が割り当てられており、他方の決済装置選択ボタンBAwには決済装置12(12-2)が割り当てられている。
【0250】
決済装置選択画面SAfを確認した店員2は、取引の修正を依頼した客3が決済しようとしていた決済装置12の決済装置選択ボタンBAv,BAwを入力する。例えば、決済装置12(12-1)で決済しようとしていた客3が取引の修正を依頼した場合には、店員2は、決済装置選択ボタンBAvを入力する。例えば、決済装置12(12-2)で決済しようとしていた客3が取引の修正を依頼した場合には、店員2は、決済装置選択ボタンBAwを入力する。
【0251】
図48の説明に戻る。
決済装置選択画面SAfを表示したプロセッサ21は、ACT514としていずれかの決済装置選択ボタンBAv,BAwが入力されるのを待ち受ける。そして、いずれかの決済装置選択ボタンBAv,BAwが入力されると、プロセッサ21は、ACT514からACT515へと進む。プロセッサ21は、ACT515として入力された決済装置選択ボタンBAv,BAwに割り当てられた決済装置12の識別情報である決済装置IDを取得する。例えば、決済装置選択ボタンBAvが入力された場合には、プロセッサ21は、決済装置12(12-1)のIDを取得する。例えば、決済装置選択ボタンBAwが入力された場合には、プロセッサ21は、決済装置12(12-2)のIDを取得する。
【0252】
次いで、プロセッサ21は、ACT516としてマルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に決済取消イベントを送信する。決済取消イベントは、ACT515において取得した決済装置IDを含む。
【0253】
決済取消イベントを送信したプロセッサ21は、ACT516からACT517へと進む。プロセッサ21は、ACT517としていずれかの決済装置12から肯定応答(OK)を待ち受ける。この待ち受け状態において、一定時間内に肯定応答(OK)の信号を受信できなかった場合、プロセッサ21は、ACT517からACT518へと進む。プロセッサ21は、ACT518として決済の取消不可を報知する。例えばプロセッサ21は、タッチパネル28に決済の取消が不可であることを示すテキストまたは画像を表示して報知する。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0254】
ACT517において、一定時間内に肯定応答(OK)の信号を受信した場合には、プロセッサ21は、ACT519へと進む。プロセッサ21は、ACT519として第4取引ファイル632に記憶されている全ての明細レコードRaを第1取引ファイル631に複写する。そしてプロセッサ21は、ACT520として第4取引ファイル632をクリアする。その後、プロセッサ21は、ACT521として第1取引ファイル631に複写した明細レコードRaのデータを基に、タッチパネルの画面を第2明細画面SAg(図54を参照)とする。
【0255】
図54は、第2明細画面SAgの一表示例である。第2明細画面SAgは、ACT101において表示される明細画面SAa(図52を参照)と比較して、決済取消ボタンBAuが一括取消ボタンBAxに変更されている。また、小計ボタンBAaが完了ボタンBAyに変更されている。さらに、第2明細画面SAgの明細エリアAAbには、第1取引ファイル631に複写した明細レコードRaの商品名、数量、値割引額、金額が表示され、合計エリアAAcには、同明細レコードRaの合計点数と合計金額が表示されている。また、第2明細画面SAgには、決済装置選択画面SAfによって選択された決済装置12の識別名NAが表示されている。因みに、図52の第2明細画面SAgは、決済装置選択ボタンBAvの入力により決済装置12(12-1)が選択された場合であり、識別名NAとして[決済装置1]が表示されている。
【0256】
第2明細画面SAgを表示したプロセッサ21は、図49のACT531へと進む。プロセッサ21は、ACT531として一括取消ボタンBAxが入力されたか否かを確認する。一括取消ボタンBAxが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT531からACT532へと進む。プロセッサ21は、ACT532として第2明細画面SAgの明細エリアAAbに表示されている商品が選択されたか否かを確認する。商品が選択されていない場合、プロセッサ21は、ACT531に戻る。このようにプロセッサ21は、ACT531及びACT532として一括取消ボタンBAxが入力されるか商品が選択されるのを待ち受ける。
【0257】
客3が取引の中止を求めた場合、店員2は、一括取消ボタンBAxを入力する。客が買上商品の削除、数量、単価、値引額又は割引率の修正を求めた場合、店員2は、該当する買上商品の商品名等が表示されている明細エリアAAbの行をタッチ操作する。
【0258】
ACT531及びACT532の待ち受け状態において、一括取消ボタンBAxが入力されると、プロセッサ21は、ACT531からACT533へと進む。プロセッサ21は、ACT533としてマルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に一括取消イベントを送信する。一括取消イベントには、ACT515の処理で取得した決済装置IDが含まれている。
【0259】
一括取消コマンドを送信したプロセッサ21は、ACT534へと進む。プロセッサ21は、ACT534として第1取引ファイル631をクリアする。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0260】
ACT531及びACT532の待ち受け状態において、商品選択有と判断すると、プロセッサ21は、ACT532からACT535へと進む。プロセッサ21は、ACT535としてタッチパネル28に修正画面SAd(図40を参照)を表示する。修正画面SAdは、第2の実施形態で説明した修正画面SAdと同様である。そして、この修正画面SAdに対する店員2の操作入力に応じたプロセッサ21の情報処理も、第2の実施形態と同様である。
【0261】
すなわち、修正画面SAdを表示したプロセッサ21は、ACT536としてOKボタンBAtが入力されるか、ACT537としてキャンセルボタンBAsが入力されるのを待ち受ける。ACT536及びACT537の待ち受け状態において、キャンセルボタンBAsが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT537からACT538へと進む。プロセッサ21は、ACT538として修正画面SAdを消去する。しかる後、プロセッサ21は、ACT542へと進む。
【0262】
一方、ACT536及びACT537の待ち受け状態において、OKボタンBAtが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT536からACT539へと進む。プロセッサ21は、ACT539としてマルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に修正イベントを送信する。修正イベントは、修正画面SAdに対して入力された情報、を含む。例えば修正画面SAdの取消ボタンBAnが入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の取消という情報を含む。例えば修正画面SAdの数量変更ボタンBAoが入力され、さらに修正後の数量が入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の数量を変更後数量に修正するという情報を含む。修正画面SAdの単価変更ボタンBAp、値引ボタンBAq及び割引ボタンBArが入力された場合も、数量変更ボタンBAoが入力された場合と同様に、選択された商品の単価、割引額又は割引率を修正するという情報を含む。
【0263】
修正イベントを送信したプロセッサ21は、ACT540へと進む。プロセッサ21は、ACT540として第1取引ファイル631に記憶している明細レコードRaを修正する。例えば修正画面SAdの取消ボタンBAnが入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の明細レコードRaを削除する。例えば修正画面SAdの数量変更ボタンBAoが入力され、さらに修正後の数量が入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の明細レコードRaの数量と金額を修正する。修正画面SAdの単価変更ボタンBAp、値引ボタンBAq及び割引ボタンBArが入力された場合も、数量変更ボタンBAoが入力された場合と同様に、選択された商品の明細レコードRaの単価、割引額又は割引率と金額を修正する。そしてプロセッサ21は、ACT541として修正画面SAdを消去し、第2明細画面SAgを更新する。しかる後、プロセッサ21は、ACT542へと進む。
【0264】
このように、ACT538において修正画面SAdを消去するか、ACT541において第2明細画面SAgを更新すると、プロセッサ21は、ACT542へと進む。プロセッサ21は、ACT542として第2明細画面SAgの明細エリアAAbに表示されている商品が選択されたか否かを確認する。商品が選択されていない場合、プロセッサ21は、ACT542からACT543へと進む。プロセッサ21は、ACT543として完了ボタンBAyが入力されたか否かを確認する。完了ボタンBAyが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT543からACT542へと戻る。このようにプロセッサ21は、ACT542及びACT543として商品が選択されるか完了ボタンBAyが入力されるのを待ち受ける。
【0265】
ACT542及びACT543の待ち受け状態において、商品が選択された場合には、プロセッサ21は、ACT542からACT535へと戻る。そしてプロセッサ21は、ACT535乃至ACT541の処理を前述したのと同様に実行する。
【0266】
一方、ACT542及びACT543の待ち受け状態において、完了ボタンBAyが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT543からACT544へと進む。プロセッサ21は、ACT544としてマルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に修正完了イベントを送信する。修正完了イベントには、ACT515において取得した決済装置IDを含む。
【0267】
修正完了イベントを送信したプロセッサ21は、ACT545と進む。プロセッサ21は、ACT545として取引の修正が完了したことを報知する。例えばプロセッサ21は、客用ディスプレイ29に、取引の修正が完了したことを示すメッセージを表示して報知する。この報知を確認した客3は、決済を中断した決済装置12の場所に移動して、決済を行うこととなる。
【0268】
取引の修正が完了したことを報知したプロセッサ21は、ACT546へと進む。プロセッサ21は、ACT546として第1取引ファイル631をクリアする。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0269】
ここに、プロセッサ21は、ACT511の処理により、取消検出手段514としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT513の処理により、指定受付手段515としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT515及びACT516の処理により、第4通知手段516としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT534及びACT540の処理により、入力側修正手段517としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT533及びACT539の処理により、第3送信手段518としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT518の処理により、不可報知手段519としての機能を実現する。
【0270】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図50及び図51の流れ図を用いて説明する。図50及び図51の流れ図によって示される処理手順は、第1の実施形態において、図13のACT229以降の処理手順に相当する。そこで、図13と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0271】
ACT229において、会計画面SBbを表示したプロセッサ31は、ACT230として代金の支払いが完了するのを待ち受ける。この待ち受け状態において、プロセッサ31は、ACT601として決済取消イベントを受信したか否かを確認する。決済取消イベントを受信することなく代金の支払いが完了した場合には、プロセッサ31は、ACT231乃至ACT234の処理を前述したのと同様に実行して、決済プログラムに従った情報処理を終了する。
【0272】
一方、代金の支払いが完了する前に決済取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT601からACT602へと進む。プロセッサ31は、ACT602として決済取消イベントに含まれている決済装置IDが自決済装置12のIDと一致するか確認する。IDが不一致の場合、プロセッサ31は、ACT602からACT230へと戻る。すなわちプロセッサ31は、決済取消イベントを破棄して、代金の支払いが完了するか、決済取消イベントを受信するのを再び待ち受ける。
【0273】
これに対し、IDが一致する場合には、プロセッサ31は、ACT602からACT603へと進む。プロセッサ31は、ACT603として決済取消イベント送信元の入力装置11に対して肯定応答(OK)の信号を送信する。またプロセッサ31は、ACT604として第3取引ファイル812に記憶している全ての明細レコードRaを第2取引ファイル811に複写する。そしてプロセッサ31は、ACT605として第3取引ファイル812をクリアする。
【0274】
その後、プロセッサ31は、ACT606として一括取消イベントを受信したか否かを確認する。一括取消イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT606からACT607へと進む。プロセッサ31は、ACT607として修正イベントを受信したか否かを確認する。修正イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT607から図51のACT608へと進む。プロセッサ31は、ACT608として修正完了イベントを受信したか否かを確認する。修正完了イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、図50のACT606へと戻る。このようにプロセッサ31は、ACT606乃至ACT608において、一括取消イベントを受信するか、修正イベントを受信するか、修正完了イベントを受信するのを待ち受ける。
【0275】
ACT606乃至ACT608の待ち受け状態において、一括取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT606からACT609へと進む。プロセッサ31は、ACT609として一括取消イベントに含まれている決済装置IDが自決済装置12のIDと一致するか確認する。IDが不一致の場合、プロセッサ31は、ACT606乃至ACT608の待ち受け状態に戻る。すなわちプロセッサ31は、一括取消イベントを破棄して、一括取消イベント、修正イベント及び修正完了イベントの待ち受け状態に戻る。
【0276】
これに対し、IDが一致する場合には、プロセッサ31は、ACT609からACT610へと進む。プロセッサ31は、ACT610として第2取引ファイル811をクリアする。以上で、プロセッサ31は、決済プログラムに従った情報処理を終了する。
【0277】
ACT606乃至ACT608の待ち受け状態において、修正イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT607からACT611へと進む。プロセッサ31は、ACT611として修正イベントに含まれている決済装置IDが自決済装置12のIDと一致するか確認する。IDが不一致の場合、プロセッサ31は、ACT606乃至ACT608の待ち受け状態に戻る。すなわちプロセッサ31は、修正イベントを破棄して、一括取消イベント、修正イベント及び修正完了イベントの待ち受け状態に戻る。
【0278】
これに対し、IDが一致する場合には、プロセッサ31は、ACT611からACT612へと進む。プロセッサ31は、ACT612として第2取引ファイル811に記憶されている明細レコードRaのデータを、修正イベントに含まれている情報に基づいて修正する。この修正は、第2の実施形態で説明したACT402の処理と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。明細レコードRaの修正を終えたプロセッサ31は、ACT606へと戻り、再び、一括取消イベント、修正イベント及び修正完了イベントの待ち受け状態となる。
【0279】
ACT606乃至ACT608の待ち受け状態において、修正完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、図51のACT608からACT613へと進む。プロセッサ31は、ACT613として修正完了イベントに含まれている決済装置IDが自決済装置12のIDと一致するか確認する。IDが不一致の場合、プロセッサ31は、ACT606乃至ACT608の待ち受け状態に戻る。すなわちプロセッサ31は、修正完了イベントを破棄して、一括取消イベント、修正イベント及び修正完了イベントの待ち受け状態に戻る。
【0280】
これに対し、IDが一致する場合には、プロセッサ31は、ACT613からACT227へと進む。そしてプロセッサ31は、ACT227乃至ACT234の処理を 第1の実施形態と同様に実行して、決済プログラムに従った情報処理を終了する。
【0281】
ここに、プロセッサ31は、ACT601乃至ACT603の処理により、取消応答手段77としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT610及びACT612の処理により、決済側修正手段78としての機能を実現する。
【0282】
このように、第3の実施形態においても、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。しかも、第3の実施形態の会計システム1によれば、入力完了ボタンBAjの入力である入力終了指示が行われた後に、その入力終了が指示された取引を戻して修正することができる。
【0283】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について、図55乃至図64を用いて説明する。
第4の実施形態は、第1の実施形態の会計システム1において、代金の支払い方法として商品券を追加したものである。よって、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0284】
商品券は、金券商品の一例である。本実施形態では、商品券を、額面金額500円の商品券と、額面金額1000円の商品券の2種類とする。各商品券には、それぞれ商品と同様に一意の商品券コードが割り当てられており、また、その商品券コードを表すバーコードが印刷されている。そして、商品レコードと同一のフォーマットで作成された商品券のデータレコードが商品マスタファイル131に格納されている。商品券のデータレコードは、商品券コードを商品コードとして記述し、商品券名を商品名として記述し、額面金額を単価として記述したものである。
【0285】
図55は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、選択手段55、第1通知手段56、第2通知手段57、第3通知手段58、決済先報知手段59及び入力側削除手段510に加えて、入力側識別手段520及び演算手段521としての機能を有する。
【0286】
入力側識別手段520は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータが、金券商品の取引に係るデータであるのか、金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する機能である。前述したように、商品券には商品券コードを表すバーコードが印刷されている。入力デバイス61のスキャナ27でこのバーコードをスキャニングすることにより、商品券コードが取引に係るデータとして入力される。入力側識別手段520は、取引に係るデータが商品券コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品の取引に係るデータであると識別する。入力側識別手段520は、取引に係るデータが商品コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別する。
【0287】
入力側記憶手段51は、取引に係るデータを入力すると、その入力されたデータを基に1取引として売り上げる商品又は商品券の明細レコードRbを作成する。明細レコードRbは、図56に示すように、一連のレコード番号と関連付けて、商品券コード、商品券名、額面金額、数量、金額、商品券フラグFe等の項目のデータを記述したレコードである。商品券フラグFeは、当該レコードが商品券の明細レコードRbであるか、商品券以外の商品の明細レコードRbであるかを識別する値である。本実施形態では、商品券の明細レコードRbであることを示す商品券フラグFeの値を“1”とし、商品券以外の商品の明細レコードRbであることを示す商品券フラグFeの値を“0”とする。入力側記憶手段51は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータが、入力側識別手段520によって金券商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFeの値を“1”とした明細レコードRb、すなわち商品券の明細レコードRbを作成する。入力側記憶手段51は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータが、入力側識別手段520によって金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFeの値を“0”とした明細レコードRb、すなわち商品券以外の商品の明細レコードRbを作成する。入力側記憶手段51は、商品券又は商品券以外の商品の明細レコードRbを、入力側記憶部63の第1取引ファイル631に記憶する。
【0288】
演算手段521は、入力側記憶部63の第1取引ファイル631に記憶される取引に係るデータのうち、金券商品以外の商品の取引に係るデータについては当該商品の販売金額を正の値とし、金券商品に係るデータについては当該金券商品の額面金額を負の値として取引の合計金額を算出する機能である。演算手段522は、算出された合計金額を表示デバイス62に表示する。
【0289】
図57は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、決済側記憶手段71、金額表示手段72、決済応答手段73、決済手段74及び決済側削除手段75に加えて、決済側識別手段79及びレシート出力手段710としての機能を有する。
【0290】
決済側識別手段79は、決済側記憶部81で記憶される取引に係るデータが、金券商品の取引に係るデータであるのか、金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する機能である。入力側識別手段520と同様に、決済側識別手段79は、取引に係るデータが商品券コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品の取引に係るデータであると識別する。決済側識別手段79は、取引に係るデータが商品コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別する。
【0291】
決済側記憶部81の第2取引ファイル811には、決済側記憶手段71によって作成された明細レコードが記憶される。この明細レコードは、入力側記憶手段51によって作成され、入力側記憶部63の第1取引ファイル631に記憶される明細レコードRbと同一のフォーマットを有する。決済側記憶手段71は、入力装置11から送信され、通信ユニット35を介して受信した取引に係るデータが、決済側識別手段79によって金券商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFeの値を“1”とした明細レコードRb、すなわち商品券の明細レコードRbを作成する。決済側記憶手段71は、入力装置11から送信され、通信ユニット35を介して受信した取引に係るデータが、決済側識別手段79によって金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFeの値を“0”とした明細レコードRb、すなわち商品券以外の商品の明細レコードRbを作成する。決済側記憶手段71は、商品券又は商品券以外の商品の明細レコードRbを、決済側記憶部81の第2取引ファイル811に記憶する。
【0292】
レシート出力手段710は、決済手段74により決済された取引のレシートとして、金券商品以外の商品の販売金額を合算した合計金額とは別に金券商品の額面金額を表記したレシートを出力する機能である。レシートは、紙媒体に印刷によって出力してもよいし、電子レシートとしてスマートフォン等の情報端末に出力してもよい。
【0293】
次に、図58乃至図61の流れ図、及び、図62及び図63の画面例、並びに図64のレシート例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される情報処理のうち、第4の実施形態に関係する情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例及びレシート例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0294】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図58及び図59の流れ図を用いて説明する。図47の流れ図は、第1の実施形態においては図11の流れ図に相当する。そこで、図11と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。図58は、第1の実施形態においては図9の流れ図に相当する。また、図59は、第1の実施形態においては図10の流れ図に相当する。そこで、図9及び図10と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0295】
図58に示すように、タッチパネル28の画面を明細画面SAaとしたプロセッサ21は、ACT102又はACT107として商品コードが入力されるのを待ち受ける。この待ち受け状態において、買上商品の商品コードが入力されると、プロセッサ21は、第1の実施形態と同様に、ACT103及びACT104の処理を実行する。
【0296】
すなわちプロセッサ21は、ACT103としてマルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に入力イベントを送信する。入力イベントは、スキャナ27又はタッチパネル28から入力された商品コードを含む。またプロセッサ21は、ACT104として明細レコードRbを作成する。プロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力された商品コードを含む商品レコードを取得する。そしてプロセッサ21は、その商品レコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、金額等の項目データからなる明細レコードRbを作成する。
【0297】
一方、ACT102又はACT107の待ち受け状態において、商品券の商品券コードが入力された場合も、プロセッサ21は、ACT103及びACT104の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、ACT103としてマルチキャスト通信により同一グループの決済装置120に入力イベントを送信する。入力イベントは、商品券コードを含む。またプロセッサ21は、ACT104として明細レコードRbを作成する。プロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力された商品券コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ21は、そのデータレコードに記述された商品券名、額面金額等の情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、金額等の項目データからなる明細レコードRbを作成する。明細レコードRbの商品コードは、商品券コードである。商品名は、商品券名である。単価は、額面金額である。数量は“1”である。金額は単価に数量を乗算した値である。
【0298】
ACT104の処理を終えると、プロセッサ21は、ACT701へと進む。プロセッサ21は、ACT701として明細レコードRbが商品の明細レコードであるのか商品券の明細レコードであるのかを識別する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コードである場合、プロセッサ21は、商品券の明細レコードRbと認識する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コード以外のコードである場合、プロセッサ21は、商品券以外の商品の明細レコードRbと認識する。
【0299】
明細レコードRbが商品券以外の商品の明細レコードである場合には、プロセッサ21は、ACT701からACT702へと進む。プロセッサ21は、ACT702として明細レコードRbの商品券フラグFeを“0”に設定する。
【0300】
これに対し、明細レコードRbが商品券の明細レコードである場合には、プロセッサ21は、ACT701からACT703へと進む。プロセッサ21は、ACT703として明細レコードRbの商品券フラグFeを“1”に設定する。またプロセッサ21は、ACT704として明細レコードRbの金額にマイナス符号を付す。
【0301】
ACT702又はACT704の処理を終えると、プロセッサ21は、ACT105へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT105乃至ACT112の処理を、第1の実施形態と同様に実行する。すなわちプロセッサ21は、明細レコードRaを第1取引ファイル631に記憶する。そしてプロセッサ21は、明細画面SAaを更新する。
【0302】
図62は、額面金額が1000円の商品券のバーコードをスキャナ27でスキャニングした後の明細画面SAaである。図示するように、カレントエリアAAaには、商品券の名称、数量及び額面金額が表示される。そして額面金額には、マイナス符号が付されている。
【0303】
ACT106の処理を終えたプロセッサ21は、ACT107乃至ACT109の待ち受け状態となる。この待ち受け状態において、商品又は商品券のバーコードがスキャニングされると、プロセッサ21は、ACT103及びACT104、ACT701乃至ACT704、さらにはACT105及びACT106の処理を前述したのと同様に実行する。
【0304】
ACT107乃至ACT109の待ち受け状態において、小計ボタンBAaが入力されると、プロセッサ21は、ACT109から図59のACT711へと進む。プロセッサ21は、ACT711として合計金額を算出し、正の値であるか否かを確認する。合計金額は、第1取引ファイル631に記憶した全ての明細レコードRbの金額の合計である。商品の明細レコードRbの金額は正の値であるが、商品券の明細レコードRbの金額は、ACT704の処理で負の値としている。したがって、合計金額は必ずしも正の金額とは限らず、0円又は負の金額となる場合もある。
【0305】
合計金額が正の金額であった場合、代金の支払いが生じる。この場合、プロセッサ21は、ACT711からACT121へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT121乃至ACT151の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0306】
これに対し、合計金額が0円又は負の金額となった場合には、商品券によって代金の支払いが完了している。この場合、プロセッサ21は、ACT711からACT712へと進む。プロセッサ31は、ACT712としてタッチパネル28の画面を支払い完了画面SAh(図63を参照)とする。
【0307】
図63は、支払い完了画面SAhの一表示例である。支払い完了画面SAhは、支払い画面SAcから、小計値引ボタンBAh及び小計割引ボタンBAiのソフトウェアキーを除いた画面である。支払い完了画面SAhは、図62の明細画面SAaに示されるように、4品目で合計1000円の商品を購入した客3が額面金額1000円の商品券を提示した場合である。この場合、合計金額が0円なので、代金の支払いはない。しかし、レシートは決済装置12から発行されるので、店員2は、入力完了ボタンBAjを単独で入力する。あるいは店員2は、ビジィボタンBAkと入力完了ボタンBAjとを入力する。
【0308】
支払い完了画面SAhを表示したプロセッサ21は、ACT125へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT125乃至ACT151の処理を第1の実施形態と同様に実行する。したがって、店員2が入力完了ボタンBAjを単独で入力した場合には、プロセッサ21は、親機121に完了イベントを送信する。店員2がビジィボタンBAkと入力完了ボタンBAjとを入力した場合には、プロセッサ21は、子機1221に完了イベントを送信する。
【0309】
ここに、プロセッサ21は、ACT701の処理により、入力側識別手段520としての機能を実現する。またプロセッサ21は、ACT711の処理により演算手段521としての機能を実現する。
【0310】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図60及び図61の流れ図を用いて説明する。図60の流れ図によって示される処理手順は、第1の実施形態において、図12の流れ図に相当する。そこで、図12と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。図61の流れ図によって示される処理手順は、第1の実施形態において、図13の流れ図に相当する。そこで、図13と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0311】
図58を用いて説明したように、決済装置12には、入力装置11から商品コード又は商品券コードを含む入力イベントが送信される。決済装置12のプロセッサ31は、図60のACT203において入力装置11から商品コード又は商品券コードを含む入力イベントを受信すると、ACT203からACT204へと進む。プロセッサ31は、ACT204として明細レコードRbを作成する。
【0312】
すなわち商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から当該商品コードを含む商品レコードを取得する。そしてプロセッサ31は、その商品レコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、金額等の項目データからなる明細レコードRbを作成する。
【0313】
一方、商品券コードを含む入力イベントを受信した場合も、プロセッサ31は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から当該商品券コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ31は、そのデータレコードに記述された商品券名、額面金額等の情報を基に、レコード番号r、商品コード(商品券コード)、商品名(商品券名)、単価(額面金額)、数量、金額等の項目データからなる明細レコードRbを作成する。
【0314】
ACT204の処理を終えると、プロセッサ31は、ACT801へと進む。プロセッサ31は、ACT801として明細レコードRbが商品の明細レコードであるのか商品券の明細レコードであるのかを識別する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コードである場合、プロセッサ31は、商品券の明細レコードRbと認識する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コード以外のコードである場合、プロセッサ31は、商品券以外の商品の明細レコードRbと認識する。
【0315】
明細レコードRbが商品の明細レコードである場合には、プロセッサ31は、ACT801からACT802へと進む。プロセッサ31は、ACT802として明細レコードRbの商品券フラグFeを“0”に設定する。
【0316】
これに対し、明細レコードRbが商品券の明細レコードである場合には、プロセッサ31は、ACT801からACT803へと進む。プロセッサ31は、ACT803として明細レコードRbの商品券フラグFeを“1”に設定する。またプロセッサ31は、ACT804として明細レコードRbの金額にマイナス符号を付す。
【0317】
ACT802又はACT804の処理を終えると、プロセッサ31は、ACT205へと進む。プロセッサ31は、ACT205としてその明細レコードRaを第2取引ファイル811に記憶する。そしてプロセッサ31は、ACT208乃至ACT210の待ち受け状態となる。
【0318】
ACT208乃至ACT210の待ち受け状態において、再び、商品コード又は商品券コードを含む入力イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT203以降の処理を前述したのと同様に実行する。すなわち、商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、商品券フラグFeが“0”の明細レコードRbを作成し、その明細レコードRbを第2取引ファイル811に記憶する。商品券コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、商品券フラグFeが“1”の明細レコードRbを作成し、その明細レコードRbを第2取引ファイル811に記憶する。
【0319】
一方、ACT208乃至ACT210の待ち受け状態において、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT209から図61のACT221へと進む。プロセッサ31は、ACT221としてフラグメモリ82の状態フラグFcを調べる。状態フラグFcが“1”、すなわち当該決済装置12が決済中の場合には、プロセッサ31は、ACT221からACT235へと進む。プロセッサ31は、ACT235として入力装置11に否定応答(NG)を送信するように通信ユニット35を制御する。その後、プロセッサ21は、ACT208乃至ACT210の待ち受け状態に戻る。
【0320】
一方、状態フラグFcが“0”、すなわち当該決済装置12が待機中の状態で、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ21は、ACT221からACT811へと進む。プロセッサ21は、ACT811として合計金額を算出し、正の値であるか否かを確認する。合計金額は、第2取引ファイル811に記憶した全ての明細レコードRbの金額の合計である。商品の明細レコードRbの金額は正の値であるが、商品券の明細レコードRbの金額は負の値である。したがって、合計金額は必ずしも正の金額とは限らず、0円又は負の金額となる場合もある。
【0321】
合計金額が正の金額である場合、プロセッサ31は、ACT811からACT222へと進む。そしてプロセッサ31は、ACT222乃至ACT234の処理を前述したのと同様に実行する。
【0322】
これに対し、合計金額が0又は負の金額である場合には、プロセッサ31は、ACT811からACT231へと進む。すなわち、ACT222乃至ACT230の処理をスキップする。したがって、客3は、代金を支払うことはない。その後、プロセッサ21は、ACT231乃至ACT234の処理を前述したのと同様に実行する。したがって、レシートRS(図64を参照)が発行されるので、客3は、レシートRSを受け取る。
【0323】
図64は、合計金額1000円の買物に対して額面金額が1000円の商品券を提示した客に対して発行されるレシートRSの一例である。図64に示すように、レシートRSには、4品目の買上商品の明細の後にその合計金額1000円が印字され、その後に商品券の額面金額1000円がマイナス符号を付して印字されている。このようなレシートRSにより、客3は、買上商品の代金を商品券で支払ったことを確認することができる。
【0324】
ここに、プロセッサ31は、ACT801の処理により、決済側識別手段79としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT231の処理によりレシート出力手段710としての機能を実現する。
【0325】
このように、第4の実施形態においても、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。しかも、第4の実施形態によれば、代金の支払い方法として店員の介在が必要な商品券等の金券にも対応した会計システム1を提供することができる。
【0326】
[他の実施形態]
前記実施形態では、店員2が入力装置11を操作して代金の支払い方法を選択入力する場合を例示した。他の実施形態としては、既存の会計システムのように、客3が決済装置12を操作して代金の支払い方法の選択入力するようにしてもよい。
【0327】
また、前記実施形態では、入力装置11が取引番号を発番し、完了イベントとともに決済装置3に送信する場合を例示した。他の実施形態としては、完了イベントを受信した決済装置3が取引番号を発番してもよい。この場合、同一のチェックアウトレーンに配置されている複数台の決済装置12においては、例えば取引番号の最上位桁に異なる値を付すことで、各々の決済装置12から発番される取引番号が重複しないようにするとよい。
【0328】
入力装置11において、入力完了を指示する手段として、入力完了ボタンBAjを単独で入力する場合とビジィボタンBAkと入力完了ボタンBAjとを入力する場合を例示した。他の実施形態としては、入力完了ボタンBAjが単独で入力された場合には、親機121に完了イベントを送信し、ビジィボタンBAkが単独で入力された場合には、子機122に完了イベントを送信してもよい。あるいは、ビジィボタンBAkを無くして入力完了ボタンBAjだけとし、いずれかの決済装置12に完了イベントを送信するようにしてもよい。
【0329】
例えば、決済装置12を、1号機12-1,2号機12-2,3号機12-3の3台とする。そして入力装置11は、入力完了ボタンBAjが入力される毎に、1号機12-1,2号機12-2,3号機12-3の順で完了イベントを送信する。その際、決済装置12から否定応答(NG)を受信した場合には、次の決済装置12に完了イベントを送信する。このような構成の会計システムであっても、入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済することができる。
【0330】
また、例えば1号機12-1及び2号機12-2はキャッシュレス決済端末5を接続しているが、3号機12-3はキャッシュレス決済端末5を接続していないと仮定する。その場合には、入力装置11は、客3が現金決済を希望した場合には、1号機12-1,2号機12-2,3号機12-3の順で完了イベントを送信する。客がキャッシュレス決済を希望した場合には、1号機12-1,2号機12-2の順で完了イベントを送信し、,3号機12-3には完了イベントを送信しない。このような構成は、入力装置11が各決済装置12の接続フラグFbを記憶することで実現可能である。このような構成であっても、店員2がキャッシュレス決済を希望する客3を3号機12-3に案内することはない。その上、キャッシュレス決済方法の識別コードを含む完了イベントに対して3号機12-3から否定応答(NG)が返ってくることはないので、効率的である。
【0331】
第4の実施形態において、決済装置12は、合計金額が負の場合にその金額を釣銭として自動釣銭機から払い出すようにしてもよい。そうすることにより、釣銭の払い出しが可能な商品券にも対応することができる。
【0332】
図1においては、1つのチェックアウトレーンに対して2台の決済装置12を配置した会計システム1を例示した。会計システム1は、これに限定されない。例えば1つのチェックアウトレーンに対して3台以上の決済装置12を配置した会計システムであっても、前述した各実施形態を適用できるものである。
【0333】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0334】
1…会計システム、2…店員、3…客、5…キャッシュレス決済端末、11…入力装置、12…決済装置、13…サーバ、14…ネットワーク、21,31…プロセッサ、51…入力側記憶手段、52…明細表示手段、53…終了検出手段、54…第1送信手段、55…選択手段、56…第1通知手段、57…第2通知手段、58…第3通知手段、59…決済先報知手段、63…入力側記憶部、64…データテーブル、71…決済側記憶手段、72…金額表示手段、73…決済応答手段、74…決済手段、75…決済側削除手段、76…決済側修正手段、77…取消応答手段、78…決済側修正手段、79…決済側識別手段、82…フラグメモリ、510…入力側削除手段、511…修正受付手段、512…入力側修正手段、513…第2送信手段、514…取消検出手段、515…指定受付手段、516…第4通知手段、517…入力側修正手段、518…第3送信手段、519…不可報知手段、520…入力側識別手段、521…演算手段、631…第1取引ファイル、632…第4取引ファイル、710…レシート出力手段、811…第2取引ファイル、812…第3取引ファイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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