IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 信越化学工業株式会社の特許一覧

特開2024-101834硬化性マレイミド樹脂組成物、接着剤、プライマー、チップコード剤及び半導体装置
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101834
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】硬化性マレイミド樹脂組成物、接着剤、プライマー、チップコード剤及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   C08F 22/40 20060101AFI20240723BHJP
   C08G 73/12 20060101ALI20240723BHJP
   C08L 79/04 20060101ALI20240723BHJP
   C09D 179/04 20060101ALI20240723BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20240723BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20240723BHJP
   C09J 179/04 20060101ALI20240723BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
C08F22/40
C08G73/12
C08L79/04
C09D179/04
C09D7/63
C09D5/00 D
C09J179/04
C09J11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005989
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 吉弘
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 真之
【テーマコード(参考)】
4J002
4J038
4J040
4J043
4J100
【Fターム(参考)】
4J002CM021
4J002EU116
4J002EU186
4J002GH00
4J002GJ01
4J002GQ05
4J002HA05
4J038DJ001
4J038JA66
4J038JB31
4J038JB34
4J038KA06
4J038KA08
4J038NA12
4J038PA07
4J038PA19
4J038PB09
4J038PC02
4J040EH021
4J040HB41
4J040HC23
4J040HC25
4J040JB02
4J040KA12
4J040KA19
4J040KA23
4J040KA28
4J040KA35
4J040KA36
4J040LA06
4J040MA02
4J040NA20
4J043PA15
4J043PB03
4J043QB15
4J043QB26
4J043QB31
4J043RA35
4J043SA06
4J043SA47
4J043SB01
4J043TA22
4J043TA71
4J043TB01
4J043UA151
4J043UA152
4J043UA632
4J043UA672
4J043UB021
4J043UB022
4J043UB131
4J043UB132
4J043VA031
4J043VA032
4J043VA041
4J043VA062
4J043XA19
4J043XB03
4J043XB05
4J043XB07
4J043XB27
4J043YA06
4J043ZA02
4J043ZA06
4J043ZA23
4J043ZB01
4J043ZB03
4J043ZB47
4J100AM55P
4J100BA02P
4J100BC43P
4J100BC45P
4J100BC67P
4J100DA01
4J100JA01
4J100JA03
4J100JA46
(57)【要約】
【課題】NMP等の非プロトン性極性溶媒を使用せずに、通常のポリイミドの硬化温度である250℃より低温で硬化することができ、特に銅への接着性に優れた硬化物を与える硬化性マレイミド樹脂組成物等の提供。
【解決手段】
(A)ビスフェノール構造を有し、数平均分子量が5,000~50,000であるマレイミド化合物、
(B)反応開始剤、及び
(C)ジアミノトリアジン環を有するイミダゾール
を含む硬化性マレイミド樹脂組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記式(1)又は(2)で示され、数平均分子量が5,000~50,000であるマレイミド化合物、
(B)反応開始剤、及び
(C)ジアミノトリアジン環を有するイミダゾール
を含む硬化性マレイミド樹脂組成物。

【化1】
(式(1)中、X1は独立して下記式
【化2】
から選ばれる2価の基であり、lは1~40の数である。)

【化3】
(式(2)中、X2は独立して下記式
【化4】
から選ばれる2価の基であり、mは1~50の数であり、nは1~50の数であり、A1及びA2はそれぞれ独立して、下記式(3)又は下記式(4)
【化5】
【化6】
(式(3)及び式(4)中、X3は下記式
【化7】
から選ばれる2価の基であり、式(3)中、R1は独立して、水素原子、塩素原子又は非置換もしくは置換の炭素数1~6の脂肪族炭化水素基である。)
で示される基である。)
【請求項2】
(A)成分100質量部に対して、(B)成分の配合量が0.05~10質量部であり、(C)成分の配合量が0.05~5質量部である請求項1に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物。
【請求項3】
さらに(D)有機溶剤を含む請求項1に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物からなる接着剤。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物からなるプライマー。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物からなるチップコート剤。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を有する半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性マレイミド樹脂組成物、接着剤、プライマー、チップコード剤及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体モジュールは、効率的な電力変換が求められる分野に広く適用されている。例えば、産業機器、電気自動車、家電製品などのパワーエレクトロニクス分野に適用領域が拡大している。これらのパワー半導体モジュールには、スイッチング素子とダイオードが内蔵されており、素子にはSi(シリコーン)半導体やSiC(シリコーンカーバイド)半導体が用いられている。
【0003】
従来、半導体素子を保護するために硬化性のエポキシ樹脂やシアネート樹脂を使用した樹脂組成物が広く使用されている(特許文献1、2)が、高温で半導体装置を稼働させる場合、半導体素子、基材及び封止材の線膨張係数がそれぞれ異なることから、ヒートサイクルなどを受けると半導体デバイス周辺にストレスがかかり、封止材の剥離が発生し易くなるという問題があった。
さらに、封止材で使用される硬化樹脂成分は防湿性が低く、硬化物が高硬度であるため、半導体素子の封止工程で接着しないことがあり、また、後の工程でも剥離するということが多く見られ、パッケージとしての信頼性の低下を招くという問題があった。
【0004】
これらの問題を解決するために、半導体素子やリードフレームにプライマー層を設ける方法が知られている(特許文献3、4)。このプライマー層としては主に、ポリイミド樹脂が使用されている。ポリイミド樹脂は、耐熱性、難燃性、機械特性、電気絶縁性などに優れるため、半導体の層間絶縁膜又は表面保護膜用のワニスとして広く使用されている。例えば、ポリイミド樹脂をワニス状態で半導体素子等に直接、あるいは絶縁膜を介して塗布した後、硬化させてポリイミド樹脂からなる保護膜を形成し、更にエポキシ樹脂等の成形材料で封止することが開示されている(特許文献5、6)。
【0005】
このポリイミドのワニスは、一般的にポリイミドをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解して製造される。NMPは非プロトン性極性溶媒として、昔から多くの場所で使用されてきたが、高沸点であることや毒性を有することから、特にヨーロッパを中心に規制が厳しくなってきている。また、ポリイミドは250℃以上と非常に高温での硬化が必要であり、ポリイミド自体も吸湿の影響を受けやすいなど課題があることからその代替材料が望まれている。
【0006】
これらの問題点を解決するために、比較的低温で硬化可能な熱硬化性環状イミド樹脂組成物をプライマーとして使用することが提案されている(特許文献7)。近年ではリードフレームの材料としてメッキ無しの銅が使用されることが多く、特許文献7に記載の発明では、銅への接着力を担保するために、窒素雰囲気下での硬化や半減期温度の低い有機過酸化物を反応開始剤として使用することが提案されている。しかしながら、半導体素子又はリードフレーム用のプライマーとして、さらなる接着力向上が必要であることがことがわかってきた。
【0007】
一方、マレイミド化合物とトリアジン骨格を有する特定の化合物とを含む樹脂組成物が報告されている(特許文献8)。これは主に基板用途を想定した樹脂組成物であり、金属の接着力に優れると言及されているが、長期信頼性に課題があることが分かってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015-48434号公報
【特許文献2】特開2015-93971号公報
【特許文献3】特開2019-176085号公報
【特許文献4】特開2022-148684号公報
【特許文献5】特開2007-8977号公報
【特許文献6】特開2010-70645号公報
【特許文献7】特開2021-25031号公報
【特許文献8】国際公開2020/111065号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、NMP等の非プロトン性極性溶媒を使用せずに、通常のポリイミドの硬化温度である250℃より低温や光で硬化することができ、特に銅への接着性に優れた硬化物を与える硬化性マレイミド樹脂組成物、該組成物を用いた接着剤、基板材料、プライマー、チップコート剤及び該組成物の硬化物を有する半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記硬化性マレイミド樹脂組成物が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明は、下記硬化性マレイミド樹脂組成物等を提供するものである。
[1]
(A)下記式(1)又は(2)で示され、数平均分子量が5,000~50,000であるマレイミド化合物
(B)反応開始剤、及び
(C)ジアミノトリアジン環を有するイミダゾール
を含む硬化性マレイミド樹脂組成物。

【化1】
(式(1)中、X1は独立して下記式
【化2】
から選ばれる2価の基であり、lは1~40の数である。)

【化3】
(式(2)中、X2は独立して下記式
【化4】
から選ばれる2価の基であり、mは1~50の数であり、nは1~50の数であり、A1及びA2はそれぞれ独立して、下記式(3)又は下記式(4)
【化5】
【化6】
(式(3)及び式(4)中、X3は下記式
【化7】
から選ばれる2価の基であり、式(3)中、R1は独立して、水素原子、塩素原子又は非置換もしくは置換の炭素数1~6の脂肪族炭化水素基である。)
で示される基である。)
[2]
(A)成分100質量部に対して、(B)成分の配合量が0.05~10質量部であり、(C)成分の配合量が0.05~5質量部である[1]に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物。
[3]
さらに(D)有機溶剤を含む[1]又は[2]に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物。
[4]
[1]~[3]のいずれか1項に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物からなる接着剤。
[5]
[1]~[3]のいずれか1項に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物からなるプライマー。
[6]
[1]~[3]のいずれか1項に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物からなるチップコート剤。
[7]
[1]~[3]のいずれか1項に記載の硬化性マレイミド樹脂組成物の硬化物を有する半導体装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の硬化性マレイミド樹脂組成物は、NMP等の非プロトン性極性溶媒を使用せずに、低温(例えば250℃未満の温度)で硬化することができ、特に銅への接着性に優れた硬化物を与える。したがって、本発明の硬化性マレイミド樹脂組成物は、該組成物を用いた接着剤、プライマー、チップコート剤及び該組成物の硬化物を有する半導体装置として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
【0014】
(A)特定のマレイミド化合物
(A)成分は、下記式(1)又は(2)で示され、数平均分子量が5,000~50,000のマレイミド化合物である。
【0015】
【化8】

式(1)中、X1は独立して下記式から選ばれる2価の基である。
【化9】

式(1)中のX1としては、原料の入手のしやすさの観点から、-CH2-、-C(CH32-が好ましい。
式(1)中、lは1~40の数であり、好ましくは5~30の数である。
【0016】
【化10】
式(2)中、X2は独立して下記式から選ばれる2価の基である。

【化11】

式(2)中のX2としては、原料の入手のしやすさの観点から、-CH2-、-C(CH32-が好ましい。
式(2)中、mは1~50の数であり、好ましくは1~40の数である。
式(2)中、nは1~50の数であり、好ましくは1~40の数である。
式(2)中、A1及びA2はそれぞれ独立して、下記式(3)又は下記式(4)で示される基である。
【化12】
【化13】

式(3)及び式(4)中、X3は下記式から選ばれる2価の基である。
【化14】

式(3)及び式(4)中のX1としては、原料の入手のしやすさの観点から、-CH2-、-C(CH32-が好ましい。
式(3)中、R1は独立して、水素原子、塩素原子又は非置換もしくは置換の炭素数1~6の脂肪族炭化水素基である。
式(3)中のR1で示される非置換もしくは置換の炭素数1~6の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これらの基の水素原子の一部又は全部が、F、Cl、Br等のハロゲン原子等で置換された基、例えば、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。R1としては、原料の入手のしやすさの観点から、水素原子又は非置換もしくは置換の炭素数1~3の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
【0017】
また、式(2)で示されるマレイミド化合物において、A1とA2とは互いに異なる基であることが好ましい。例えば、式(2)において、A1が前記式(3)で示される基の場合、A2が前記式(4)で示される基であり、また例えば、A1が前記式(4)で示される基の場合、A2が前記式(3)で示される基であることが好ましい。
また、式(2)で示されるマレイミド化合物の繰り返し単位数mの単位及び繰り返しnの単位の結合様式は、ランダム型でもブロック型でもよいが、硬化物の機械強度の観点からブロック型が好ましい。
【0018】
(A)成分は、式(1)又は(2)で示されるように、分子中にビスフェノール構造を有することで、NMPを使用せずに製造でき、NMP以外の溶剤にも可溶な溶剤可溶性に優れるものである。また、ビスフェノール構造を有するマレイミド化合物は原料の入手のしやすさなどの観点からも好適である。(A)成分が有するビスフェノール構造としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールAFなどが挙げられ、特に限定されるものではないが、ビスフェノールAが好ましい。また、式(1)又は(2)で示されるマレイミド化合物は、l、m及びnがそれぞれ上記範囲であることにより、未硬化時の溶媒への溶解性及びフィルム化能と、得られる硬化物の強靭性及び耐熱性とのバランスが良いものとなる。
【0019】
(A)成分のマレイミド化合物の数平均分子量は5,000~50,000であり、7,000~40,000であることが好ましく、10,000~20,000であることがより好ましい。数平均分子量がこの範囲内であると、(A)成分のマレイミド化合物が溶剤に対して安定的に溶解し、特に硬化前のフィルム化能も良好なものになる。
なお、本明細書中で言及する数平均分子量とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした数平均分子量を指すこととする。
[GPCの測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流量:0.35mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK-GEL Hタイプ(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:5μL(濃度0.2質量%のTHF溶液)
【0020】
(A)成分のマレイミド化合物は下記式(5)を満たすものが好ましい。
芳香族原子数/水素原子を除く全原子数>0.5 (5)
式(5)を満たす化合物は化合物内に多くの芳香族環を有することを示している。(A)成分のマレイミド化合物として、好ましくは芳香族原子数/水素原子を除く全原子数>0.55を満たす化合物である。
【0021】
芳香族原子数とは、(A)成分中の芳香族部分構造を構成する原子の数である。ここで芳香族部分構造として、ベンゼン環、ピリジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環等が挙げられる。芳香族原子数に、芳香族部分構造を構成する原子に結合する水素原子、及びアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等の置換基の原子の数は含まない。また、水素原子を除く全原子数とは、(A)成分中の水素原子以外の原子の数であり、炭素原子の他、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等を含む。芳香族原子数/水素原子を除く全原子数の値が1に近いほど、芳香族の割合が高いことを意味する。
【0022】
(A)成分は式(5)を満たし、分子中に多くの芳香族環、特にベンゼン環を有することで低吸湿性、フィルムの強度、耐電圧性など多くの機械物性を向上させることができる。
【0023】
(A)成分の式(1)又は(2)で表されるマレイミド化合物は、例えば、特開2021-017485号公報に記載の方法により製造することができる。
(A)成分のマレイミド化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の硬化性マレイミド樹脂組成物中(ただし、後記の(D)有機溶剤を含む場合は、(D)有機溶剤を除く硬化性マレイミド樹脂組成物中)、(A)成分は70~99.9質量%含有することが好ましく、80~99.5質量%含有することがより好ましく、85~99.0質量%含有することが更に好ましい。
【0024】
(B)反応開始剤
(B)成分である反応開始剤は、(A)成分であるマレイミド化合物の架橋反応や(A)成分中のマレイミド基と反応しうる反応基との反応を開始、促進するために配合するものである。
(B)成分としては架橋反応を促進するものであれば特に制限されるものではないが、生産性向上のために短時間で硬化させやすい熱ラジカル重合開始剤及び/又は光重合開始剤が好ましい。本発明の硬化性マレイミド樹脂組成物は、(B)成分に熱ラジカル重合開始剤を使用する場合、比較的低温(例えば250℃未満の温度)で硬化し、(B)成分に光重合開始剤を使用する場合、光照射により硬化する。なお、(B)成分に後記の(C)ジアミノトリアジン環を有するイミダゾールは含まない。
【0025】
熱ラジカル重合開始剤としては、代表的なものとして有機過酸化物が挙げられ、ジクミルパーオキシド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-アミルパーオキシベンゾエート、ジベンゾイルパーオキシド、ジウラロイルパーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、1,6-ビス(t-ブチルペルオキシカルボニルオキシ)ヘキサン等挙げられる。
【0026】
光重合開始剤としては、光によって反応を開始させるものであれば特に限定はしない。光重合開始剤としては、例えば、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルフォリノプロパノン-1、2,4-ジエチルチオキサントン、2-エチルアントラキノン、及びフェナントレンキノン等の芳香族ケトン;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-フェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2,4-ジ(p-メトキシフェニル)-5-フェニルイミダゾール二量体、及び2-(2,4-ジメトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;9-フェニルアクリジン、及び1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド、及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等のビスアシルホスフィンオキサイド;1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物;ベンゾフェノン化合物等が挙げられる。
【0027】
反応開始剤は、(A)成分100質量部に対して0.05~10質量部配合することが好ましく、0.1~5質量部配合することがより好ましい。また、組成物中に後述するその他の熱硬化性樹脂を配合する場合は、(A)成分及びその他の熱硬化性樹脂成分の総和100質量部に対して0.05~10質量部、特に0.1~5質量部の範囲内で配合することが好ましい。上記(A)成分100質量部に対して0.05~10質量部の範囲を外れると、成形時に硬化が非常に遅くなったり速くなったりするおそれがあるため好ましくない。また、得られた硬化物の耐熱性及び耐湿性のバランスも悪くなるおそれがある。
また、反応開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
(C)ジアミノトリアジン環を有するイミダゾール
本発明ではさらに(C)成分としてジアミノトリアジン環を有するイミダゾールを配合する。ジアミノトリアジン環が特に銅を始めとする金属への接着力を向上させるのに効果的である。また、イミダゾールを有することからマレイミドの重合も促進し、耐熱性付与にも効果的である。(C)成分としてはジアミノトリアジン環を有するイミダゾールであれば特に限定されない。
【0029】
具体的には、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名2MZ-A、四国化成工業(株)製)、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名C11Z-A、四国化成工業(株)製)、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名2E4MZ-A、四国化成工業(株)製)、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物(商品名2MA-OK、四国化成工業(株)製)などが挙げられる。
(C)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して0.05~5質量部が好ましく、0.1~2質量部がより好ましい。(A)成分100質量部に対する(C)成分の配合量が0.05質量部未満だと接着力向上効果が得られなく、5質量部超だと分散性が悪く外観不良になったり、信頼性低下につながったりすることがある。
【0030】
(D)有機溶剤
本発明の組成物にはさらに、(D)成分として有機溶剤を含有することができる。(A)成分が溶解し得る有機溶剤であれば、その種類を限定するものではないが、環境負荷の観点からN-メチル-2-ピロリドン(NMP)はその対象から外れる。この際、「前記(D)成分が前記(A)成分を溶解し得る」というのは、(D)成分に対して(A)成分を25質量%加えた際、25℃にて(A)成分の溶け残りが目視で確認されないことをいうものとする。
(D)成分として、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロパノール(IPA)、キシレン、トルエン、アニソール等の一般的な有機溶剤を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物を銅基板用のプライマーとして用いる場合、(D)成分の有機溶剤としては、シクロヘキサノン、キシレン及びアニソール等が好ましい。
上述の(A)成分の溶解性の観点から、(D)成分の有機溶剤としては、アニソール、キシレン、トルエン、シクロヘキサノン等の有機溶剤が好ましい。一方、高沸点であることや毒性を有するといった観点から、前述のNMPを始めとするジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロトン性極性溶媒は使用しないことが好ましい。非プロトン性極性溶媒にしか溶解しないポリイミド化合物を含有する従来の組成物と異なり、本発明の組成物は、これらの非プロトン性極性溶媒を使用しなくてもよいという利点がある。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して100~800質量部が好ましく、150~700質量部がより好ましい。
【0031】
<その他の添加剤>
本発明の硬化性マレイミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種の添加剤を配合することができる。例えば、樹脂特性を改善するために、アクリル樹脂などの硬化性樹脂、オルガノポリシロキサン、シリコーンオイル、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、光安定剤、重合禁止剤、難燃剤、顔料、染料、接着助剤等を配合してもよい。また、電気特性を改善するために、イオントラップ剤等を配合してもよい。さらに、誘電特性を改善するために、含フッ素材料等を配合してもよい。熱膨張係数(CTE)の調整のために、シリカなどの無機充填材を加えてもよい。
【0032】
本発明の硬化性マレイミド樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分並びに(D)成分及びその他の添加剤を混合することにより製造することができる。
本発明の硬化性マレイミド樹脂組成物は、接着剤、プライマー、チップコート剤、半導体装置用コーティング材として用いることができる。使用方法、及び使用形態には特に制限はない。
以下に使用例を例示するが、これらに限定されるものではない。
【0033】
例えば、(A)成分、(B)成分及び(C)成分、さらに(D)成分を含有する硬化性マレイミド樹脂組成物を基材に塗布した後、通常80℃以上、好ましくは100℃以上の温度で0.5~5時間加熱することにより、有機溶剤が除去される。さらに熱硬化型のものであれば、前記基材を130℃以上、好ましくは150℃以上の温度で0.5~10時間加熱することで、光硬化型のものであれば365nmのUV光を照射することで表面が平坦で強固なマレイミド皮膜を形成することができる。一般的にポリイミドの場合は乾燥に150℃以上、熱硬化に220℃以上を必要とするが、本発明の硬化性マレイミド樹脂組成物はこのような高温の条件を必要としない。具体的には有機溶剤の除去は150℃以下、熱硬化(皮膜の形成)は200℃以下で行うことができる。
組成物中の有機溶剤を効率的に除去するとともに、樹脂の反応を効果的に進めるため、場合によっては段階的に硬化温度を上昇させてもよいし、光硬化後に加熱させてもよい。本発明の組成物の硬化により得られる硬化物(皮膜)は、機械特性、耐熱性、比誘電率、誘電正接、耐湿性及び接着性に優れる。したがって、本発明の硬化物は、例えば、半導体素子とリードフレームの接着剤;半導体封止材とリードフレームとの間に使用するプライマー;半導体素子表面のチップコート剤(パッシベーション膜);ダイオード、トランジスタ等の接合部のジャンクション保護膜;VLSIのα線遮蔽膜;層間絶縁膜;プリントサーキットボードのコンフォーマルコーティングとしても利用することができる。
【0034】
塗布方法としては、スピンコーター、スリットコーター、スプレー、ディップコーター、バーコーター等が挙げられるが、特に制限されない。
【0035】
上記硬化物(皮膜)を形成した後、該硬化物(皮膜)に半導体封止用エポキシ樹脂成形材料をモールドすることで半導体封止用エポキシ樹脂成形材料と基材との接着性を向上させることができる。このようにして得られた半導体装置は、吸湿後の半田リフローにおいて半導体封止用エポキシ樹脂成形材料のクラック及び基材からの剥離が見られず、信頼性が高い。
【0036】
この場合、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂;フェノール樹脂;酸無水物等のエポキシ樹脂の硬化剤;及び/又は無機質充填材等を含む公知の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いることができ、市販品を用いることもできる。
【0037】
基材として銅など酸化されやすい金属を使用する場合、硬化性マレイミド樹脂組成物や半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を本硬化させる環境は酸化防止のために窒素雰囲気であることが好ましい。本発明の硬化性マレイミド樹脂組成物も同様に窒素雰囲気での硬化が好ましいが、酸素雰囲気での硬化でも一定のレベルまで接着力を向上させることができる。
【実施例0038】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、実施例及び比較例中において、「室温」は25℃を意味する。
【0039】
実施例及び比較例で使用した各成分を以下に示す。尚、以下において数平均分子量(Mn)は下記測定条件により測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質としたものである。
[GPCの測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流量:0.35mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK-GEL Hタイプ(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:5μL(濃度0.2質量%のTHF溶液)
【0040】
(A)マレイミド化合物
[合成例1]
攪拌機、ディーンスターク管、冷却コンデンサー及び温度計を備えた1Lのガラス製4つ口フラスコに、2,2-ビス[4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物65.06g(0.125モル)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン61.59g(0.150モル)及びアニソール250gを加え、80℃で3時間撹拌することでアミック酸を合成した。その後、そのまま150℃に昇温し、副生した水分を留去しながら2時間撹拌し、両末端ジアミン体を製造した。
得られた両末端ジアミン体溶液入りのフラスコを室温まで冷却してから無水マレイン酸を4.39g(0.055モル)加え、80℃で3時間撹拌することでマレアミック酸を合成した。その後、そのまま150℃に昇温し、副生した水分を留去しながら2時間撹拌し、下記式(A-1)で示される芳香族ビスマレイミド化合物のワニスを得た。芳香族ビスマレイミド化合物の数平均分子量(Mn)は12,000であった。前記ワニスの不揮発成分が17質量%になるようにアニソールを追加した。
【化15】
l≒8(平均値)
(芳香族原子数/構成原子数≒0.70)
【0041】
[合成例2]
攪拌機、ディーンスターク管、冷却コンデンサー及び温度計を備えた1Lのガラス製4つ口フラスコに、2,2-ビス[4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物65.06g(0.125モル)、4,4-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)35.26g(0.115モル)及びアニソール250gを加え、80℃で3時間撹拌することでアミック酸を合成した。その後、そのまま150℃に昇温し、副生した水分を留去しながら2時間撹拌し、コポリマーを合成した。
その後、室温まで冷却したコポリマー溶液入りのフラスコに、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン7.05g(0.015モル)を加え、80℃で3時間撹拌することでアミック酸を合成した。その後、そのまま150℃に昇温し、副生した水分を留去しながら2時間撹拌し、両末端ジアミン体を合成した。
得られた両末端ジアミン体溶液入りのフラスコを室温まで冷却してから無水マレイン酸を1.45g(0.015モル)加え、80℃で3時間撹拌することでマレアミック酸を合成した。その後、そのまま150℃に昇温し、副生した水分を留去しながら2時間撹拌し、下記式(A-2)で示される芳香族ビスマレイミド化合物のワニスを得た。芳香族ビスマレイミド化合物の数平均分子量(Mn)は15,500であった。前記ワニスの不揮発成分が17質量%になるようにアニソールを追加した。
【化16】
m≒8、n≒1(それぞれ平均値)
(芳香族原子数/構成原子数≒0.60)
【0042】
その他のマレイミド化合物
(A-3):下記式で示されるビスマレイミド化合物(商品名:BMI-5000、Mn:8000、Designer Molecules Inc.製)
【化17】
-C3670-はダイマー酸骨格由来の炭化水素基を示す。
n≒8(平均値)
(芳香族原子数/構成原子数≒0.10)
(A-4):4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド(BMI-1000、Mn:410、大和化成工業(株)製)
(芳香族原子数/構成原子数≒0.44)
【0043】
(B)反応開始剤
(B-1):ジクミルパーオキシド(商品名:パーカドックスBC-FF、化薬ヌーリオン(株)製)
(B-2):1,6-ビス(t-ブチルペルオキシカルボニルオキシ)ヘキサン(商品名:カヤレン6-70、化薬ヌーリオン(株)製、1時間半減期温度117℃)
【0044】
(C)ジアミノトリアジン環を有するイミダゾール
(C-1)2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名:2E4MZ-A、四国化成工業(株)製)
(C-2)2-エチル-4-メチルイミダゾール(商品名:2E4MZ、四国化成工業(株)製、比較例用)
(C-3)ジアミノトリアジン骨格を有するシランカップリング剤(商品名:VD-5、四国化成工業(株)、比較例用)
【0045】
比較例用ポリイミド
ポリアミック酸ワニス(KJR-655、信越化学工業(株)製、NMP使用ワニス、不揮発分15質量%)をそのまま使用した。
【0046】
(配合例1~12、実施例1~6、比較例1~14)
表1に示す配合で各成分を混合し、硬化性マレイミド樹脂組成物のワニスを調製した。なお、すべての配合において(A)成分が16.7質量%となるようにアニソールを加えて、(A)成分はすべて溶解させた。
【0047】
<接着力>(吸湿前の接着力試験)
前記配合例1~12で得られた組成物のワニスを20mm×20mmの銅製フレーム基板上にスプレーで塗布し、表2又は3に記載した硬化条件により硬化し、硬化膜(プライマー)を形成した。
その硬化膜上に半導体封止用エポキシ樹脂成形材料KMC-2284(信越化学工業(株)製)を底面積10mm2、高さ3mmの円筒状に圧力6.9MPa、温度175℃の条件で120秒間硬化し成形した。その後、180℃で4時間ポストキュアした試験片に対して、万能ボンドテスター(DAGE SERIES 4000:Nordson DAGE社製)を用いて0.2mm/秒の速度で25℃での吸湿前の接着力を測定した。
【0048】
<吸湿後の接着力試験>
吸湿後の接着力を測定するために、吸湿前の接着力試験と同様に、試験片を作製した。該試験片を、85℃/85%RH雰囲気中に168時間放置後、260℃でIRリフローを3回かけて、万能ボンドテスター(DAGE SERIES 4000:Nordson DAGE社製)を用いて0.2mm/秒の速度で25℃での吸湿後の接着力を測定した。
【0049】
<加熱処理後の接着力試験>
加熱処理後の接着力を測定するために、吸湿前の接着力試験と同様に、試験片を作製した。該試験片を、180℃の雰囲気中に500時間放置後、万能ボンドテスター(DAGE SERIES 4000:Nordson DAGE社製)を用いて0.2mm/秒の速度で25℃での接着力を測定した。
【0050】
これらの測定結果を表2、3に記す。また、硬化条件A~Cの詳細な条件は下記の通りである。
硬化条件A:110℃30分+180℃2時間
硬化条件B:110℃30分+130℃2時間
硬化条件C:150℃1時間+200℃1時間+250℃4時間
なお、比較例1はプライマー(組成物のワニス)を使用しないで接着力を測定した結果である。そのため、硬化条件及び硬化雰囲気の欄は記載していない。
【表1】
【表2】
【表3】
【0051】
以上から、本発明の組成物は、硬化雰囲気によらず、初期、吸湿後及び加熱処理後のいずれの場合も銅に対する接着力が比較例と比べて高く、接着性に優れるものであった。
また、本発明の組成物は、比較例の組成物に比べて、ワニスの経時安定性にも優れるものであった。したがって、本発明の組成物は、プライマー、特に銅基板用のプライマーや半導体封止材とリードフレームとの間に使用するプライマーとして好適に使用できる。