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  • 特開-スタンプ作成システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101840
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】スタンプ作成システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240723BHJP
   G06Q 50/00 20240101ALI20240723BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005998
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】板橋 綾香
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 裕美
(72)【発明者】
【氏名】関根 里奈
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)で使用可能なオリジナルスタンプを、手間をかけず簡単に作成するスタンプ作成システムを提供する。
【解決手段】撮影システム及びサーバを備えるスタンプ作成システムにおいて、撮影システム1は、ユーザを撮影し、撮影画像を生成する撮影部と、撮影画像から人物画像を切り抜き、人物画像を用いて、人物画像内のユーザの表情又はポーズを変化させた複数のスタンプ用画像を生成する画像処理部及び複数のスタンプ用画像を保存するサーバから、複数のスタンプ用画像をダウンロードするウェブサイトのURL情報を受信するURL情報受信部を備える演算処理装置と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)で使用可能なスタンプを作成するスタンプ作成システムであって、
ユーザを撮影し、撮影画像を生成する撮影部と、
前記撮影画像から人物画像を切り抜き、前記人物画像を用いて、前記人物画像内の前記ユーザの表情又はポーズを変化させた複数のスタンプ用画像を生成する画像処理部と、
前記複数のスタンプ用画像を保存するサーバから、前記複数のスタンプ用画像をダウンロードするウェブサイトのURL情報を受信するURL情報受信部と、
を備えるスタンプ作成システム。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記複数のスタンプ用画像にテキスト又はイラストを合成する、請求項1に記載のスタンプ作成システム。
【請求項3】
前記複数のスタンプ用画像を前記サーバへ送信する画像送信部をさらに備え、
前記URL情報受信部は、前記画像送信部による前記複数のスタンプ用画像の送信後、前記サーバから前記URL情報を受信する、請求項1に記載のスタンプ作成システム。
【請求項4】
前記画像送信部から前記複数のスタンプ用画像を受信して保存し、前記複数のスタンプ用画像に対応する前記URL情報を生成するサーバをさらに備え、
前記サーバは、前記URL情報を用いてアクセスしてきたユーザ端末に対し、前記URL情報に対応する前記複数のスタンプ用画像を送信する、請求項3に記載のスタンプ作成システム。
【請求項5】
前記複数のスタンプ用画像及び前記URL情報を用紙にプリントして出力するプリンタをさらに備える、請求項1に記載のスタンプ作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタンプ作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ソーシャル・ネットワーク・サービス(以下、SNSと示す)が普及し、一対一のユーザ間や、所定のグループにおける多人数のユーザ間で、簡単なメッセージ伝達が可能となっている。SNSのアプリケーションとしては、例えば、LINE(登録商標)、Facebook(登録商標)メッセンジャー、Slack(登録商標)などが知られている。
【0003】
メッセージの伝達には、テキストだけでなく、スタンプが使用されることが多い。例えば、アプリインストール後のデフォルト状態で利用できる無料スタンプ、企業やブランドが制作し、有料で販売されているスタンプ、広告主が条件付きで提供しているプロモーションスタンプ等が使用可能である。
【0004】
また、LINE(登録商標)では、家族やペットの写真、自分で描いたキャラクターのイラストなどを用いてオリジナルのスタンプを作成し、登録することができる。しかし、オリジナルスタンプは、8個、16個、24個、32個又は40個を1セットとして登録するため、スタンプ作成のために8枚以上の画像が必要となり、画像の準備に手間がかかっていた。また、準備した画像の画質にバラつきがあると統一感がなくなるため、1枚ずつ補正する必要があった。また、スタンプにしたい部分を画像から切り抜く作業はユーザ自身で行うため、手間がかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-74811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、手間をかけず簡単にオリジナルスタンプを作成できるスタンプ作成システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスタンプ作成システムは、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)で使用可能なスタンプを作成するスタンプ作成システムであって、ユーザを撮影し、撮影画像を生成する撮影部と、前記撮影画像から人物画像を切り抜き、前記人物画像を用いて、前記人物画像内の前記ユーザの表情又はポーズを変化させた複数のスタンプ用画像を生成する画像処理部と、前記複数のスタンプ用画像を保存するサーバから、前記複数のスタンプ用画像をダウンロードするウェブサイトのURL情報を受信するURL情報受信部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、手間をかけず簡単にオリジナルスタンプを作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るスタンプ作成システムの概略構成図である。
図2】撮影システムの概略構成図である。
図3】(a)~(e)は各種選択画面の例を示す図である。
図4】撮影画像及び自動生成されるスタンプ用画像の例を示す図である。
図5】演算制御装置10の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るスタンプ作成システムは、撮影システム1及びサーバ2を備え、ユーザを撮影し、撮影画像を用いて、LINE(登録商標)等のソーシャル・ネットワーク・サービス(以下、SNSと示す)におけるメッセージ伝達で使用可能なスタンプを作成するものである。
【0012】
図2に示すように、撮影システム1は、演算装置装置10、撮影部11、タッチパネル(指示受付部及び表示部)12、プリンタ13、照明部14、サーバ2との通信機能を有する通信部15等を備えた、ボックス型の撮影装置である。演算制御装置10は、撮影システム1の各部を制御する。
【0013】
撮影システム1には、ユーザPが支払う貨幣の受け入れ、釣銭の払い出しや、電子マネーでの支払いを受け付ける課金部がさらに設けられていてもよい。また、撮影システム1には、撮影空間1Aへのユーザの入室を検知するセンサが設けられていてもよい。撮影空間1AにおけるユーザPの背中側の壁面1Bは、クロマキー合成に適した色、例えば青色や黄緑色になっていることが好ましい。
【0014】
撮影部11は、例えばデジタルカメラであり、レンズ、シャッタ、CMOSセンサ、A/D変換器等を有する。撮影部11は、ユーザPを撮影し、生成した撮影画像を演算制御装置10へ出力する。
【0015】
タッチパネル12は、演算制御装置10から受信した各種選択画面を表示する。例えば、ユーザPが撮影空間に入ると、タッチパネル12は、図3(a)に示すようなメニュー選択画面を表示する。
【0016】
ユーザPが、メニュー選択画面からSNSスタンプ作成を選択すると、タッチパネル12は、図3(b)に示すような、スタンプを作成したい雰囲気を選択するモード選択画面を表示する。例えば、ユーザPは、スタンプを作成したい雰囲気に対応する4種類のモードから1つを選択する。
【0017】
モード(雰囲気)が選択されると、タッチパネル12は、図3(c)に示すような、編集を自動(おまかせ)で行うか、又はユーザ自身で行うかを選択する編集選択画面を表示する。ここで、編集は、選択した雰囲気に合わせたテンプレートからテキストやイラスト等を選び、合成する処理をいう。
【0018】
次に、タッチパネル12は、図3(d)に示すような、スタンプ作成個数選択画面を表示する。SNSによっては、オリジナルスタンプの登録個数が、8個、16個、24個、・・・の8個単位のように規定されており、ユーザPは、作成・登録したい個数を選択する。
【0019】
続いて、タッチパネル12は、図3(e)に示すような、仕上がり選択画面を表示する。例えば、顔と体のバランスを実物通りとする「リアル」、顔は実写に近く、体のバランスを変えることで全体的にコミカルな印象となる「デフォルメ」、顔・体ともに実写をもとにイラスト化した「イラスト」の3種類の仕上がりから1つを選択する。例えば、デフォルメでは、頭に対して体を小さくする“頭でっかち”のような写真加工が行われる。
【0020】
各種選択を行い、スタンプ作成個数に応じた料金が支払われると、撮影部11がユーザPを撮影する。撮影画像はタッチパネル12に表示される。ユーザPの希望により再撮影を行い、気に入った方の撮影画像を選択できるようにしてもよい。撮影を複数回行い、少なくとも1つの画像を選択するようにしてもよい。
【0021】
演算制御装置10は、選択された撮影画像におけるユーザの表情やポーズを変化させた複数の画像を図3(b)で選択した雰囲気にあわせて自動生成する。例えば、スタンプ作成個数が8個、ユーザが選択した撮影画像が1枚の場合、表情やポーズを変化させた7枚の画像を自動生成する。これにより、スタンプ用の8枚の画像が準備できる。
【0022】
図3(e)に示す仕上がり選択画面での選択項目に応じて、演算制御装置10がスタンプ用の複数の画像を加工する。図3(c)に示す編集選択画面で“おまかせ編集”が選択されている場合、演算制御装置10が、スタンプ用の複数の画像に対してテキストやイラスト等を自動合成する。編集選択画面で“自分で編集”が選択されている場合は、タッチパネル12に編集画面が表示され、ユーザPはスタンプ用の複数の画像に対してテキストやイラスト等を合成する。
【0023】
これにより、図4に示すように、ユーザPが選択した(1枚の)撮影画像から、ユーザPの表情やポーズ、合成されたテキスト等が異なる複数のスタンプ用画像を自動生成することができる。
【0024】
多くのユーザにとって、表情やポーズを毎回変えて、作成するスタンプの数(8個、16個、・・・)の回数の撮影を行うことは困難であるが、本実施形態では、表情やポーズが異なる画像を自動生成するため、ユーザの撮影回数は少なくてよく(1回でもよく)、表情やポーズに悩まなくて済む。また、撮影システム1での滞在時間を短縮でき、利用効率を向上できる。
【0025】
撮影システム1は、生成したスタンプ用画像をサーバ2へ送信する、サーバ2は、スタンプ用画像を保存し、このスタンプ用画像をダウンロードするウェブサイト(ダウンロードサイト)のURL情報を生成し、撮影システム1へ送信する。URL情報は、URLを示す二次元コードを含むことが好ましい。
【0026】
撮影システム1は、サーバ2から受信したURL情報をタッチパネル12に表示する。また、撮影システム1は、作成したスタンプ用画像の一覧とURL情報とを用紙にプリントして出力してもよい。
【0027】
ユーザPは、スマートフォン等のユーザ端末3でURL情報を読み取り、ダウンロードサイトにアクセスして、スタンプ用画像をダウンロードする。ユーザPは、ユーザ端末3を操作してSNSサーバにアクセスし、スタンプ用画像を登録申請する。SNS事業者の審査を通過すると、登録したスタンプがSNSで使用可能になる。
【0028】
このように、本実施形態によれば、手間をかけず簡単にオリジナルスタンプを作成することができる。
【0029】
次に、演算制御装置10の機能について説明する。演算制御装置10は、プロセッサ、メモリ、ストレージ等を備えたコンピュータであり、プロセッサが、ストレージに格納されたスタンプ作成プログラムをメモリに読み出し、実行することで、図5に示すように、選択部101、撮影制御部102、画像処理部103、画像送信部104、URL情報受信部105、プリント制御部106及び照明制御部107の機能が実現される。
【0030】
選択部101は、図3(a)~(e)に示すような各種選択画面を生成して、タッチパネル12に表示し、ユーザPから選択を受け付ける。
【0031】
撮影制御部102は、撮影部11を制御して、ユーザPの撮影処理を実行し、撮影部11から撮影画像を取得する。撮影の際、照明制御部107が、図3(b)に示すモード選択画面で選択された雰囲気に合う照度や色となるように照明部14を制御してもよい。
【0032】
画像処理部103は、クロマキー処理により撮影画像から人物画像を切り抜き(背景領域を透明化し)、公知の技術を用いて、表情及びポーズ(姿勢)の少なくともいずれか一方が異なる複数の画像を生成する。例えば、生成型ディープラーニングの1つであるオートエンコーダを用いることで、表情変化を実現できる。
【0033】
様々な身体画像のポーズを予め用意し、撮影したユーザの顔のみを切り出して身体画像と合成することで、ポーズが異なる画像を生成できる。また、撮影画像からユーザの骨格情報を生成し、骨格情報をパーツごとに分割し、予め作成した様々なポーズにユーザの画像を当てはめることでも、ポーズが異なる画像を生成できる。
【0034】
自動生成する表情やポーズは、図3(b)に示すモード選択画面で選択された雰囲気に合わせたものであることが好ましい。
【0035】
画像処理部103は、ユーザが選択した撮影画像の数との合計がスタンプ作成個数となるように、表情やポーズが異なる画像を生成する。ユーザが選択した撮影画像と、表情やポーズを変化させた自動生成画像とが、スタンプ用画像となる。
【0036】
スタンプ作成個数より多くなるように画像を生成し、タッチパネル12に表示して、ユーザからスタンプ作成個数分の画像の選択を受け付けてもよい。
【0037】
図3(e)に示す仕上がり選択画面で「デフォルメ」又は「イラスト」が選択されている場合、画像処理部103は、スタンプ用画像の加工を行う。
【0038】
図3(c)に示す編集選択画面で“おまかせ編集”が選択されている場合、画像処理部103は、スタンプ用画像内のユーザの表情やポーズにあったテキストやイラストを合成する。編集選択画面で“自分で編集”が選択されている場合、画像処理部103は、合成可能なテキストやイラストの一覧を含む編集画面をタッチパネル12に表示させ、ユーザPにより選択されたテキストやイラストを、スタンプ用画像上の指示された位置に合成する。
【0039】
スタンプ用画像に合成するテキストのフォントやイラスト(デコレーションパーツ)は、図3(b)に示すモード選択画面で選択された雰囲気に合わせたものである。
【0040】
画像送信部104、通信部15を介して、編集後のスタンプ用画像をサーバ2へ送信する。
【0041】
URL情報受信部105は、サーバ2から、スタンプ用画像のダウンロードサイトのURL情報を受信する。受信したURL情報はタッチパネル12に表示してもよい。サーバ2は、このURL情報を用いてアクセスしてきたユーザ端末3へ、スタンプ用画像を送信する。
【0042】
プリント制御部106は、作成したスタンプ用画像の一覧とURL情報とを含むプリント用画像を生成し、プリンタ13へ転送してプリント出力させる。
【0043】
このように、本実施形態によれば、撮影画像からの人物画像切り抜き、ポーズや表情の異なる画像の生成、テキスト等のデコレーションを自動で行えるため、ユーザは、手間をかけず簡単に、統一感がある高品質のオリジナルスタンプを作成することができる。
【0044】
画像処理部103は、ユーザPの肌の色を補正する処理を行ってもよい。また、画像処理部103は、撮影画像内のユーザPの口角をあげて笑顔にする補正、笑顔によるほうれい線を消す補正、瞳にキャッチライトを入れる補正等の外見の自動補正を行ってもよい。照明部14を制御して、キャッチライトが入るようにしてもよい。
【0045】
画像処理部103は、アニメーションスタンプ用の画像を生成してもよい。アニメーションスタンプは、4コマ程度の画像がループ再生されるものである。1枚の撮影画像から表情やポーズを変化させた複数の画像を自動生成し、アニメーション化する。
【0046】
撮影システム1は、ユーザPを撮影する際、図3(b)に示すモード選択画面で選択された雰囲気に合うポーズや表情の例をタッチパネル12に表示し、提案してもよい。
【0047】
ユーザ端末3で、ダウンロードサイトからダウンロードしたスタンプ用画像を編集できるようにしてもよい。例えば、表情や姿勢が異なる複数のスタンプ用画像の生成を撮影システム1で行い、テキストの合成や画像の明るさ調整等はユーザ端末3で行うようにしてもよい。
【0048】
撮影システム1の画像送信部104が撮影画像をサーバ2へ送信し、サーバ2が人物画像の切り抜き、表情やポーズが異なるスタンプ用画像の生成、テキストの合成等の画像処理を行ってもよい。サーバ2は、スタンプ用画像を撮影システム1へ送信し、タッチパネル12に表示させる。ユーザの承認が得られると、サーバ2はダウンロードサイトのURL情報を撮影システム1へ送信する。
【0049】
上記実施形態では、人間が被写体となる例について説明したが、ペットや置物を被写体としてもよい。
【0050】
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0051】
1 撮影システム
2 サーバ
3 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5