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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101853
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】基板処理システムおよび洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
H01L21/304 643Z
H01L21/304 647Z
H01L21/304 648K
H01L21/304 648G
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006016
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】火口 友美
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB45
5F157AB49
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157BB22
5F157BB79
5F157BD25
5F157BD33
5F157BE12
5F157CC41
5F157CF02
5F157CF04
5F157CF14
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF48
5F157CF60
5F157CF74
5F157CF99
5F157DC86
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】配管を洗浄する洗浄液を置換するための純水の使用量を削減することが可能な基板処理システムおよび洗浄方法を提供する。
【解決手段】基板処理システム900は、基板処理装置100と、液供給装置300と、第1供給ライン910と、第2供給ライン920とを備える。基板処理装置100は、処理液配管150を含む。液供給装置300は、洗浄液を処理液配管150に供給する。液供給装置300は、純水を電気分解して洗浄液であるオゾン水および水素水を生成する電気分解部310と、オゾン水を収容するオゾン水タンク320と、水素水を収容する水素水タンク330とを含む。第1供給ライン910は、オゾン水タンク320から処理液配管150にオゾン水を供給する。第2供給ライン920は、水素水タンク330から処理液配管150に水素水を供給する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理液が流通する処理液配管、および、前記処理液により前記基板を処理する基板処理ユニットを含む基板処理装置と、
前記処理液配管を洗浄する洗浄液を前記処理液配管に供給する液供給装置と、
第1供給ラインと、
第2供給ラインと
を備え、
前記液供給装置は、
純水を電気分解して前記洗浄液であるオゾン水および水素水を生成する電気分解部と、
前記オゾン水を収容するオゾン水タンクと、
前記水素水を収容する水素水タンクと
を含み、
前記第1供給ラインは、前記オゾン水タンクと前記処理液配管とを接続するとともに、前記オゾン水タンクから前記処理液配管に前記オゾン水を供給し、
前記第2供給ラインは、前記水素水タンクと前記処理液配管とを接続するとともに、前記水素水タンクから前記処理液配管に前記水素水を供給し、
前記液供給装置は、前記処理液配管の洗浄時に、前記オゾン水および前記水素水の一方を前記処理液配管に供給した後、前記オゾン水および前記水素水の他方を前記処理液配管に供給する、基板処理システム。
【請求項2】
前記液供給装置内で前記第1供給ラインおよび前記第2供給ラインに配置され、前記オゾン水および前記水素水を収容する共通タンクを備え、
前記液供給装置は、前記処理液配管の洗浄時に、
前記共通タンクに収容された前記オゾン水および前記水素水の一方を前記処理液配管に供給した後、
前記共通タンク内を前記オゾン水および前記水素水の一方から他方に置換し、
その後、前記共通タンクに収容された前記オゾン水および前記水素水の他方を前記処理液配管に供給する、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記基板処理装置から前記共通タンクに前記洗浄液を戻す戻りラインを備える、請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記第1供給ラインに配置され、前記オゾン水を収容する下流側オゾン水タンクと、
前記第2供給ラインに配置され、前記水素水を収容する下流側水素水タンクと
を備える、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記基板処理装置から前記下流側オゾン水タンクに前記オゾン水を戻すオゾン水戻りラインと、
前記基板処理装置から前記下流側水素水タンクに前記水素水を戻す水素水戻りラインと
を備える、請求項4に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記水素水タンクおよび前記第2供給ラインの少なくとも一方に配置され、前記水素水中に泡を発生させる泡発生装置を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記液供給装置は、前記処理液配管の洗浄時に、前記オゾン水を前記処理液配管に供給した後、前記水素水を前記処理液配管に供給する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記第1供給ラインと前記第2供給ラインとが合流する合流部を備え、
前記第1供給ラインおよび前記第2供給ラインの各々は、前記合流部と前記処理液配管とを接続する共通ラインを有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記オゾン水タンク内の前記オゾン水の濃度を測定する第1濃度計と、
前記水素水タンク内の前記水素水の濃度を測定する第2濃度計と、
前記オゾン水タンクに純水を供給する第1純水ラインと、
前記水素水タンクに純水を供給する第2純水ラインと
を備え、
前記液供給装置は、
前記第1濃度計の測定結果に基づいて、前記オゾン水タンクに前記純水を供給し、
前記第2濃度計の測定結果に基づいて、前記水素水タンクに前記純水を供給する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板処理システム。
【請求項10】
基板を処理する処理液が流通する処理液配管の洗浄方法であって、
純水を電気分解して洗浄液であるオゾン水および水素水を生成する生成工程と、
前記オゾン水および前記水素水により前記処理液配管を洗浄する洗浄工程と
を含み、
前記洗浄工程において、前記オゾン水および前記水素水の一方を前記処理液配管に供給した後、前記オゾン水および前記水素水の他方を前記処理液配管に供給する、洗浄方法。
【請求項11】
前記生成工程において、生成した前記オゾン水をオゾン水タンクに収容するとともに、生成した前記水素水を水素水タンクに収容し、
前記洗浄方法は、前記洗浄工程に先立って、前記オゾン水タンクの前記オゾン水および前記水素水タンクの前記水素水の一方を共通タンクに収容する収容工程をさらに含み、
前記洗浄工程において、
前記共通タンクに収容された前記オゾン水および前記水素水の一方を前記処理液配管に供給した後、
前記共通タンク内を前記オゾン水および前記水素水の一方から他方に置換し、
その後、前記共通タンクに収容された前記オゾン水および前記水素水の他方を前記処理液配管に供給する、請求項10に記載の洗浄方法。
【請求項12】
前記洗浄工程において、前記処理液配管を通過した前記洗浄液を前記共通タンクに戻す、請求項11に記載の洗浄方法。
【請求項13】
前記生成工程において、生成した前記オゾン水をオゾン水タンクに収容するとともに、生成した前記水素水を水素水タンクに収容し、
前記洗浄方法は、前記洗浄工程に先立って、
前記オゾン水タンクの前記オゾン水を、前記オゾン水タンクの下流側に配置される下流側オゾン水タンクに収容する第1収容工程と、
前記水素水タンクの前記水素水を、前記水素水タンクの下流側に配置される下流側水素水タンクに収容する第2収容工程と
をさらに含む、請求項10に記載の洗浄方法。
【請求項14】
前記洗浄工程において、前記処理液配管を通過した前記オゾン水を前記下流側オゾン水タンクに戻すとともに、前記処理液配管を通過した前記水素水を前記下流側水素水タンクに戻す、請求項13に記載の洗浄方法。
【請求項15】
前記水素水を前記処理液配管に供給する前に、前記水素水中に泡を発生させる、請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項16】
前記洗浄工程において、前記オゾン水を前記処理液配管に供給した後、前記水素水を前記処理液配管に供給する、請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項17】
前記生成工程において、生成した前記オゾン水をオゾン水タンクに収容するとともに、生成した前記水素水を水素水タンクに収容し、
前記洗浄方法は、前記洗浄工程に先立って、
前記オゾン水タンク内の前記オゾン水の濃度に基づいて、前記オゾン水タンクに純水を供給する第1純水供給工程と、
前記水素水タンク内の前記水素水の濃度に基づいて、前記水素水タンクに純水を供給する第2純水供給工程と
をさらに含む、請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理システムおよび洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の製造に好適に用いられる。基板処理装置は、薬液等の処理液を用いて基板を処理する。基板処理装置は、基板を処理する処理液が流通する処理液配管を備える。この処理液配管を洗浄する洗浄液を処理液配管に供給する液供給装置と、基板処理装置とを備える基板処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、アンモニア水または塩酸を用いて基板処理装置の配管を洗浄する基板処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-191897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の基板処理システムでは、配管を洗浄する際に、アンモニア水または塩酸等を含有する洗浄液を配管に流通した後、配管内の洗浄液を純水で置換する。このため、洗浄液を置換するために、多くの純水が必要であった。特に、例えば酸性の処理液が流通する配管を、アルカリ性の洗浄液で洗浄する場合、配管内に洗浄液が残留することを抑制するために、より多くの純水が必要であった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配管を洗浄する洗浄液を置換するための純水の使用量を削減することが可能な基板処理システムおよび洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、基板処理システムは、基板処理装置と、液供給装置と、第1供給ラインと、第2供給ラインとを備える。前記基板処理装置は、処理液配管および基板処理ユニットを含む。前記処理液配管には、基板を処理する処理液が流通する。前記基板処理ユニットは、前記処理液により前記基板を処理する。前記液供給装置は、前記処理液配管を洗浄する洗浄液を前記処理液配管に供給する。前記液供給装置は、純水を電気分解して前記洗浄液であるオゾン水および水素水を生成する電気分解部と、前記オゾン水を収容するオゾン水タンクと、前記水素水を収容する水素水タンクとを含む。前記第1供給ラインは、前記オゾン水タンクと前記処理液配管とを接続する。前記第1供給ラインは、前記オゾン水タンクから前記処理液配管に前記オゾン水を供給する。前記第2供給ラインは、前記水素水タンクと前記処理液配管とを接続する。前記第2供給ラインは、前記水素水タンクから前記処理液配管に前記水素水を供給する。前記液供給装置は、前記処理液配管の洗浄時に、前記オゾン水および前記水素水の一方を前記処理液配管に供給した後、前記オゾン水および前記水素水の他方を前記処理液配管に供給する。
【0007】
ある実施形態では、前記基板処理システムは、共通タンクを備える。前記共通タンクは、前記液供給装置内で前記第1供給ラインおよび前記第2供給ラインに配置される。前記共通タンクは、前記オゾン水および前記水素水を収容する。前記液供給装置は、前記処理液配管の洗浄時に、前記共通タンクに収容された前記オゾン水および前記水素水の一方を前記処理液配管に供給した後、前記共通タンク内を前記オゾン水および前記水素水の一方から他方に置換し、その後、前記共通タンクに収容された前記オゾン水および前記水素水の他方を前記処理液配管に供給する。
【0008】
ある実施形態では、前記基板処理システムは、前記基板処理装置から前記共通タンクに前記洗浄液を戻す戻りラインを備える。
【0009】
ある実施形態では、前記基板処理システムは、下流側オゾン水タンクと、下流側水素水タンクとを備える。前記下流側オゾン水タンクは、前記第1供給ラインに配置され、前記オゾン水を収容する。前記下流側水素水タンクは、前記第2供給ラインに配置され、前記水素水を収容する。
【0010】
ある実施形態では、前記基板処理システムは、オゾン水戻りラインと、水素水戻りラインとを備える。前記オゾン水戻りラインは、前記基板処理装置から前記下流側オゾン水タンクに前記オゾン水を戻す。前記水素水戻りラインは、前記基板処理装置から前記下流側水素水タンクに前記水素水を戻す。
【0011】
ある実施形態では、前記基板処理システムは、前記水素水タンクおよび前記第2供給ラインの少なくとも一方に配置され、前記水素水中に泡を発生させる泡発生装置を備える。
【0012】
ある実施形態では、前記液供給装置は、前記処理液配管の洗浄時に、前記オゾン水を前記処理液配管に供給した後、前記水素水を前記処理液配管に供給する。
【0013】
ある実施形態では、前記基板処理システムは、前記第1供給ラインと前記第2供給ラインとが合流する合流部を備える。前記第1供給ラインおよび前記第2供給ラインの各々は、前記合流部と前記処理液配管とを接続する共通ラインを有する。
【0014】
ある実施形態では、前記基板処理システムは、第1濃度計と、第2濃度計と、第1純水ラインと、第2純水ラインとを備える。前記第1濃度計は、前記オゾン水タンク内の前記オゾン水の濃度を測定する。前記第2濃度計は、前記水素水タンク内の前記水素水の濃度を測定する。前記第1純水ラインは、前記オゾン水タンクに純水を供給する。前記第2純水ラインは、前記水素水タンクに純水を供給する。前記液供給装置は、前記第1濃度計の測定結果に基づいて、前記オゾン水タンクに前記純水を供給する。前記液供給装置は、前記第2濃度計の測定結果に基づいて、前記水素水タンクに前記純水を供給する。
【0015】
本発明の別の局面によれば、洗浄方法は、基板を処理する処理液が流通する処理液配管の洗浄方法である。前記洗浄方法は、純水を電気分解して洗浄液であるオゾン水および水素水を生成する生成工程と、前記オゾン水および前記水素水により前記処理液配管を洗浄する洗浄工程とを含む。前記洗浄工程において、前記オゾン水および前記水素水の一方を前記処理液配管に供給した後、前記オゾン水および前記水素水の他方を前記処理液配管に供給する。
【0016】
ある実施形態では、前記生成工程において、生成した前記オゾン水をオゾン水タンクに収容するとともに、生成した前記水素水を水素水タンクに収容する。前記洗浄方法は、前記洗浄工程に先立って、前記オゾン水タンクの前記オゾン水および前記水素水タンクの前記水素水の一方を共通タンクに収容する収容工程をさらに含む。前記洗浄工程において、前記共通タンクに収容された前記オゾン水および前記水素水の一方を前記処理液配管に供給した後、前記共通タンク内を前記オゾン水および前記水素水の一方から他方に置換し、その後、前記共通タンクに収容された前記オゾン水および前記水素水の他方を前記処理液配管に供給する。
【0017】
ある実施形態では、前記洗浄工程において、前記処理液配管を通過した前記洗浄液を前記共通タンクに戻す。
【0018】
ある実施形態では、前記生成工程において、生成した前記オゾン水をオゾン水タンクに収容するとともに、生成した前記水素水を水素水タンクに収容する。前記洗浄方法は、前記洗浄工程に先立って、前記オゾン水タンクの前記オゾン水を、前記オゾン水タンクの下流側に配置される下流側オゾン水タンクに収容する第1収容工程と、前記水素水タンクの前記水素水を、前記水素水タンクの下流側に配置される下流側水素水タンクに収容する第2収容工程とをさらに含む。
【0019】
ある実施形態では、前記洗浄工程において、前記処理液配管を通過した前記オゾン水を前記下流側オゾン水タンクに戻すとともに、前記処理液配管を通過した前記水素水を前記下流側水素水タンクに戻す。
【0020】
ある実施形態では、前記水素水を前記処理液配管に供給する前に、前記水素水中に泡を発生させる。
【0021】
ある実施形態では、前記洗浄工程において、前記オゾン水を前記処理液配管に供給した後、前記水素水を前記処理液配管に供給する。
【0022】
ある実施形態では、前記生成工程において、生成した前記オゾン水をオゾン水タンクに収容するとともに、生成した前記水素水を水素水タンクに収容する。前記洗浄方法は、前記洗浄工程に先立って、前記オゾン水タンク内の前記オゾン水の濃度に基づいて、前記オゾン水タンクに純水を供給する第1純水供給工程と、前記水素水タンク内の前記水素水の濃度に基づいて、前記水素水タンクに純水を供給する第2純水供給工程とをさらに含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、配管を洗浄する洗浄液を置換するための純水の使用量を削減することが可能な基板処理システムおよび洗浄方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態の基板処理システムの模式的な平面図である。
図2】基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
図3】基板処理装置の配管構成を説明するための模式図である。
図4】液供給装置の配管構成を説明するための模式図である。
図5】第1実施形態の基板処理システムのブロック図である。
図6】第1実施形態の基板処理システムの処理液配管の洗浄方法を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態の液供給装置の配管構成を説明するための模式図である。
図8】第2実施形態の基板処理システムの処理液配管の洗浄方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理システムの実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。本実施形態では、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0026】
(第1実施形態)
図1図6を参照して、本発明の第1実施形態による基板処理システム900について説明する。図1は、第1実施形態の基板処理システム900の模式的な平面図である。
【0027】
図1に示すように、基板処理システム900は、基板Wを処理する。基板処理システム900は、基板処理装置100と、液供給装置300とを備える。液供給装置300は、後述する処理液配管150を洗浄する洗浄液を、基板処理装置100に供給する。
【0028】
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去、および、洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0029】
基板Wは、半導体基板として用いられる。基板Wは、半導体ウエハを含む。例えば、基板Wは略円板状である。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する。
【0030】
基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10と、処理液キャビネット110と、処理液ボックス120と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。
【0031】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理ユニット10との間で基板Wを搬送する。基板処理ユニット10の各々は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。処理液は、例えば、薬液、リンス液、除去液および/または撥水剤を含む。処理液キャビネット110は、処理液を収容する。なお、処理液キャビネット110は、ガスを収容してもよい。
【0032】
具体的には、複数の基板処理ユニット10は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(図1では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理ユニット10(図1では3つの基板処理ユニット10)を含む。処理液ボックス120は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。処理液キャビネット110内の液体は、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。また、処理液キャビネット110内のガスは、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。
【0033】
典型的には、処理液キャビネット110は、処理液を調製するための調製槽(タンク)を有する。処理液キャビネット110は、1種類の処理液のための調製槽を有してもよく、複数種類の処理液のための調製槽を有してもよい。また、処理液キャビネット110は、処理液を流通するためのポンプ、ノズルおよび/またはフィルタを有する。
【0034】
制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101により、基板処理ユニット10は基板Wを処理する。
【0035】
制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、プロセッサを有する。制御部102は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
【0036】
記憶部104は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0037】
記憶部104は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部104はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0038】
なお、第1実施形態では、後述するように、制御装置101は、基板処理システム900全体を制御する。つまり、制御装置101は、液供給装置300の各種動作を制御する。制御装置101により、基板処理装置100の処理液配管150を洗浄する。処理液配管150については、後述する。
【0039】
次に、図2を参照して、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10を説明する。図2は、基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。
【0040】
基板処理ユニット10は、チャンバー12と、基板保持部20とを備える。チャンバー12は、基板Wを収容する。基板保持部20は、基板Wを保持する。
【0041】
チャンバー12は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー12は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー12には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー12内に収容され、チャンバー12内で処理される。チャンバー12には、基板保持部20および後述する処理液供給部30のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
【0042】
基板保持部20は、基板Wを保持する。基板保持部20は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの下面(裏面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。基板保持部20は、基板Wを保持したまま基板Wを回転させる。
【0043】
例えば、基板保持部20は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部20は、基板Wを下面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部20は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部20は、非デバイス形成面である基板Wの下面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部20は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
【0044】
例えば、基板保持部20は、スピンベース21と、チャック部材22と、シャフト23と、電動モーター24と、ハウジング25とを含む。チャック部材22は、スピンベース21に設けられる。チャック部材22は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース21には、複数のチャック部材22が設けられる。
【0045】
シャフト23は、中空軸である。シャフト23は、回転軸Axに沿って鉛直方向に延びている。シャフト23の上端には、スピンベース21が結合されている。基板Wは、スピンベース21の上方に載置される。
【0046】
スピンベース21は、円板状であり、基板Wを水平に支持する。シャフト23は、スピンベース21の中央部から下方に延びる。電動モーター24は、シャフト23に回転力を与える。電動モーター24は、シャフト23を回転方向に回転させることにより、回転軸Axを中心に基板Wおよびスピンベース21を回転させる。ハウジング25は、シャフト23および電動モーター24を取り囲んでいる。
【0047】
基板処理装置100は、処理液供給部30をさらに備える。処理液供給部30は、基板Wに処理液を供給する。典型的には、処理液供給部30は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。
【0048】
処理液は、いわゆる薬液を含んでもよい。薬液は、例えば、フッ酸を含む。例えば、フッ酸は、40℃以上70℃以下に加熱されてもよく、50℃以上60℃以下に加熱されてもよい。ただし、フッ酸は、加熱されなくてもよい。また、薬液は、水または燐酸を含んでもよい。
【0049】
さらに、薬液は、過酸化水素水を含んでもよい。また、薬液は、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)または王水(濃塩酸と濃硝酸との混合物)を含んでもよい。
【0050】
処理液供給部30は、配管32と、ノズル34と、バルブ36とを含む。ノズル34は基板Wの上面Waに処理液を吐出する。ノズル34は、例えば、基板Wの中央部に処理液を吐出してもよいし、基板Wの中央部と周縁部との間の領域に処理液を吐出してもよい。ノズル34は、吐出口を有し、吐出口から処理液を吐出する。ノズル34は、配管32に接続される。配管32には、供給源から処理液が供給される。バルブ36は、配管32内の流路を開閉する。ノズル34は、基板Wに対して移動可能に構成されていることが好ましい。ノズル34は、制御部102によって制御される移動機構にしたがって水平方向および/または鉛直方向に移動できる。なお、本明細書において、図面が過度に複雑になることを避けるために移動機構を省略していることに留意されたい。
【0051】
バルブ36は、配管32の開度を調節して、配管32に供給される処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ36は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0052】
基板処理装置100は、カップ80をさらに備える。カップ80は、基板Wから飛散した処理液を回収する。カップ80は昇降する。例えば、カップ80は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ80は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する処理液を回収する。また、カップ80は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
【0053】
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、基板保持部20、処理液供給部30および/またはカップ80を制御する。一例では、制御部102は、電動モーター24およびバルブ36を制御する。
【0054】
本実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。また、基板処理装置100は、絶縁層(例えば、レジスト層)の除去に好適に用いられる。
【0055】
なお、図2に示した基板処理ユニット10において、処理液供給部30は、1種類の処理液を基板Wに供給可能であるが、処理液供給部30は、複数種類の処理液を基板Wに供給可能であってもよい。例えば、処理液供給部30は、配管32、ノズル34およびバルブ36をそれぞれ複数含んでもよい。
【0056】
次に、図3および図4を参照して、基板処理システム900の配管構成を説明する。まず、図3を参照して、基板処理装置100の配管構成を説明する。図3は、基板処理装置100の配管構成を説明するための模式図である。なお、図1および図2から理解されるように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10を有しており、基板Wは複数種の処理液で処理され得ることが好ましい。ただし、ここでは、説明が過度に複雑になることを避ける目的で、1つの基板処理ユニット10に対して1種類の処理液が供給される態様を説明する。
【0057】
図3に示すように、基板処理装置100は、調製槽112と、ヒータ113と、ポンプ114と、フィルタ115と、バルブ116とを備える。
【0058】
調製槽112は、処理液を貯留する。処理液は、基板処理ユニット10に供給され、基板Wを処理する。典型的には、処理液は、薬液である。処理液は、特に限定されるものではないが、例えば、酸性薬液である。ただし、処理液は、アルカリ性薬液であってもよい。処理液は、調製槽112において調製される。典型的には、調製槽112は、処理液キャビネット110に配置される。
【0059】
配管32は、調製槽112と基板処理ユニット10とを連絡する。配管32には、ヒータ113、ポンプ114、フィルタ115、バルブ116およびバルブ36が取り付けられる。ヒータ113、ポンプ114、フィルタ115、バルブ116およびバルブ36は、処理液供給部30を構成する。なお、図3では、バルブ36は1つだけ描かれているが、バルブ36は、ノズル34毎に設けられる。このため、1つのフィルタ115に対して複数のバルブ36が配置されている。
【0060】
処理液キャビネット110は、筐体111を有する。典型的には、筐体111内に、調製槽112、ヒータ113、ポンプ114、フィルタ115およびバルブ116が収容される。
【0061】
処理液ボックス120は、筐体121を有する。典型的には、バルブ36は、筐体121に収容される。
【0062】
配管32は、処理液キャビネット110から処理液ボックス120を通過して基板処理ユニット10まで延びる。処理液は、調製槽112において調製された後、調製槽112から配管32を通って基板処理ユニット10まで流れる。例えば、配管32は、樹脂から形成される。
【0063】
ヒータ113は、配管32を通過する液を加熱する。第1実施形態では、ヒータ113は、配管32を通過する処理液を所定温度に加熱する。
【0064】
ポンプ114は、調製槽112の処理液をノズル34に向けて送る。
【0065】
フィルタ115は、配管32に取り付けられる。フィルタ115は、配管32に対して着脱可能である。フィルタ115が配管32に取り付けられた場合、処理液は、フィルタ115を流れる。一方で、フィルタ115は、配管32から取り外しできる。このため、フィルタ115が劣化すると、フィルタ115は交換される。
【0066】
フィルタ115は、配管32内を流れる処理液をろ過する。フィルタ115は、配管32に配置される。フィルタ115は、例えば、多孔質形状を有する。フィルタ115は、処理液の液体成分を通過させる。一方、フィルタ115は、処理液に含有されるパーティクルを捕捉する。なお、パーティクルは、例えば、固体である。パーティクルは、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂または金属からなる。
【0067】
バルブ116は、フィルタ115の下流側で配管32に配置される。バルブ116は、配管32内の流路を開閉する。詳細には、バルブ116は、配管32のうち調製槽112と処理液ボックス120とを接続する部分の流路を開閉する。バルブ116は、配管32の開度を調節して、配管32を通過する処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ116は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0068】
配管32は、第1配管32a、第1分岐部32b、第2配管32c、第2分岐部32dおよび第3配管32eを有する。第1配管32a、第2配管32cおよび第3配管32eは、調製槽112から基板処理ユニット10に向かってこの順に配置される。第1配管32aは、調製槽112に接続される。第1分岐部32bは、第1配管32aと第2配管32cとの間に配置される。第2配管32cは、処理液キャビネット110から処理液ボックス120まで延びる。第2分岐部32dは、第2配管32cと第3配管32eとの間に配置される。第3配管32eは、処理液ボックス120から基板処理ユニット10まで延びる。
【0069】
ヒータ113、ポンプ114およびフィルタ115は、第1配管32aに配置されれる。バルブ116は、第2配管32cに配置される。バルブ36は、第3配管32eに配置される。
【0070】
また、基板処理装置100は、戻り配管41、バルブ117、戻り配管42およびバルブ118をさらに備える。
【0071】
戻り配管41は、第1分岐部32bと調製槽112とを接続する。戻り配管41は、配管32からの処理液を調製槽112に戻す。
【0072】
バルブ117は、戻り配管41に配置される。バルブ117は、戻り配管41内の流路を開閉する。バルブ117は、戻り配管41の開度を調節して、戻り配管41を通過する処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ117は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0073】
戻り配管42は、第2分岐部32dと調製槽112とを接続する。戻り配管42は、配管32からの処理液を調製槽112に戻す。
【0074】
バルブ118は、戻り配管42に配置される。バルブ118は、戻り配管42内の流路を開閉する。バルブ118は、戻り配管42の開度を調節して、戻り配管42を通過する処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ118は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0075】
また、基板処理装置100は、処理液補給部50をさらに備える。処理液補給部50は、調製槽112に処理液を補給する。
【0076】
処理液補給部50は、配管52と、バルブ54とを含む。配管52には、供給源から処理液が供給される。バルブ54は、配管52内の流路を開閉する。
【0077】
バルブ54は、配管52の開度を調節して、配管52に供給される処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ54は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0078】
配管52は、第1配管52a、合流部52bおよび第2配管52cを有する。第1配管52a、合流部52bおよび第2配管52cは、供給源から調製槽112に向かってこの順に配置される。第1配管52aは、供給源に接続される。合流部52bは、第1配管52aと第2配管52cとの間に配置される。第2配管52cは、合流部52bから調製槽112まで延びる。バルブ54は、第2配管52cに配置される。
【0079】
第1実施形態では、配管32、戻り配管41、戻り配管42および配管52によって、基板Wを処理する処理液が流通する処理液配管150が構成されている。
【0080】
次に、図4を参照して、液供給装置300の配管構成を説明する。図4は、液供給装置300の配管構成を説明するための模式図である。
【0081】
図4に示すように、液供給装置300は、電気分解部310と、オゾン水タンク320と、水素水タンク330とを備える。電気分解部310は、純水を電気分解してオゾン水および水素水を生成する。オゾン水および水素水は、基板処理装置100の処理液配管150を洗浄する洗浄液である。オゾン水は、例えば、金属不純物および有機物を除去する。水素水は、例えば、微粒子を除去する。水素水は、例えば、金属不純物および有機物よりも小さい微粒子を除去することができる。また、水素水は、処理液配管150に対する帯電防止効果および防錆効果を有する。
【0082】
電気分解部310は、陽極と、陰極と、イオン交換膜等の隔膜とを有する。陽極と陰極との間に電圧を印加することによって、陽極側でオゾン水が生成され、陰極側で水素水が生成される。電気分解部310としては、公知の電気分解装置を用いることができる。
【0083】
オゾン水タンク320は、電気分解部310で生成されたオゾン水を収容する。水素水タンク330は、電気分解部310で生成された水素水を収容する。
【0084】
基板処理システム900は、第1供給ライン910と、第2供給ライン920とを備える。第1供給ライン910は、オゾン水タンク320と基板処理装置100の処理液配管150とを接続する。第1供給ライン910は、オゾン水タンク320から処理液配管150にオゾン水を供給する。第2供給ライン920は、水素水タンク330と処理液配管150とを接続する。第2供給ライン920は、水素水タンク330から処理液配管150に水素水を供給する。第1供給ライン910および第2供給ライン920の各々は、例えば、少なくとも配管を含む。第1供給ライン910および第2供給ライン920の各々は、例えば、配管、ヒータ、ポンプ、バルブ、フィルタおよびタンク等によって構成される。第1供給ライン910および第2供給ライン920の構成については、後述する。
【0085】
引き続き図4を参照して、液供給装置300の配管構成についてさらに説明する。
【0086】
液供給装置300は、配管311およびバルブ312を備える。配管311は、電気分解部310に接続される。配管311には、供給源から純水が供給される。配管311は、電気分解部310に純水を供給する。
【0087】
バルブ312は、配管311に配置される。バルブ312は、配管311内の流路を開閉する。バルブ312は、配管311の開度を調節して、配管311に供給される純水の流量を調整する。具体的には、バルブ312は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0088】
液供給装置300は、配管329および配管339を備える。配管329は、電気分解部310とオゾン水タンク320とを接続する。配管329は、電気分解部310で生成されたオゾン水をオゾン水タンク320に供給する。配管339は、電気分解部310と水素水タンク330とを接続する。配管339は、電気分解部310で生成された水素水を水素水タンク330に供給する。
【0089】
液供給装置300は、配管321およびバルブ322を備える。配管321は、オゾン水タンク320に接続される。配管321には、供給源から純水が供給される。配管321は、オゾン水タンク320に純水を供給する。
【0090】
バルブ322は、配管321に配置される。バルブ322は、配管321内の流路を開閉する。バルブ322は、配管321の開度を調節して、配管321に供給される純水の流量を調整する。なお、バルブ322は、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0091】
第1実施形態では、配管321およびバルブ322によって、オゾン水タンク320に純水を供給する第1純水ライン940が構成されている。
【0092】
液供給装置300は、配管331およびバルブ332を備える。配管331は、水素水タンク330に接続される。配管331には、供給源から純水が供給される。配管331は、水素水タンク330に純水を供給する。
【0093】
バルブ332は、配管331に配置される。バルブ332は、配管331内の流路を開閉する。バルブ332は、配管331の開度を調節して、配管331に供給される純水の流量を調整する。なお、バルブ332は、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0094】
第1実施形態では、配管331およびバルブ332によって、水素水タンク330に純水を供給する第2純水ライン950が構成されている。
【0095】
液供給装置300は、配管323、流量計324、バルブ325および第1濃度計326を備える。配管323は、オゾン水タンク320に接続される。配管323は、オゾン水を後述する共通タンク340に供給するための流路を構成する。流量計324は、配管323内を通過するオゾン水の流量を計測する。
【0096】
バルブ325は、配管323に配置される。バルブ325は、配管323内の流路を開閉する。バルブ325は、配管323の開度を調節して、配管323を通過するオゾン水の流量を調整する。なお、バルブ325は、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0097】
第1濃度計326は、オゾン水タンク320に配置される。第1濃度計326は、オゾン水タンク320内のオゾン水の濃度を測定する。第1濃度計326は、特に限定されるものではないが、例えば、オゾン水のpHを測定するpH測定器を含んでもよいし、オゾン水の酸素濃度を測定する酸素測定器を含んでもよい。
【0098】
オゾン水タンク320内のオゾン水の濃度は、所定の濃度に調整される。オゾン水タンク320内のオゾン水の濃度は、電気分解部310から配管329に供給されるオゾン水の濃度よりも低い。なお、液供給装置300は、第1濃度計326の測定結果に基づいて、オゾン水タンク320に純水を供給する。
【0099】
液供給装置300は、配管333、流量計334、バルブ335、第2濃度計336および泡発生装置337を備える。配管333は、水素水タンク330に接続される。配管333は、水素水を後述する共通タンク340に供給するための流路を構成する。流量計334は、配管333内を通過する水素水の流量を計測する。
【0100】
バルブ335は、配管333に配置される。バルブ335は、配管333内の流路を開閉する。バルブ335は、配管333の開度を調節して、配管333を通過する水素水の流量を調整する。なお、バルブ335は、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0101】
第2濃度計336は、水素水タンク330に配置される。第2濃度計336は、水素水タンク330内の水素水の濃度を測定する。第2濃度計336は、特に限定されるものではないが、例えば、水素水のpHを測定するpH測定器を含んでもよいし、水素水の水素濃度を測定する水素測定器を含んでもよい。
【0102】
水素水タンク330内の水素水の濃度は、所定の濃度に調整される。水素水タンク330内の水素水の濃度は、電気分解部310から配管339に供給される水素水の濃度よりも低い。なお、液供給装置300は、第2濃度計336の測定結果に基づいて、水素水タンク330に純水を供給する。
【0103】
泡発生装置337は、水素水タンク330の水素水中に泡を発生させる。泡発生装置337は、特に限定されるものではないが、例えば、超音波発生装置を含む。超音波発生装置は、例えば、超音波振動子を有する。泡発生装置337が駆動すると、水素水中にマイクロメートルオーダーの気泡が発生する。
【0104】
第1実施形態では、液供給装置300は、共通タンク340を備える。共通タンク340は、オゾン水および水素水を収容する。ただし、共通タンク340には、オゾン水および水素水を同時に収容しない。具体的には、例えば、共通タンク340がオゾン水を収容しているときには、水素水は共通タンク340に供給されない。また、共通タンク340が水素水を収容しているときには、オゾン水は共通タンク340に供給されない。つまり、共通タンク340は、オゾン水および水素水のうちオゾン水のみを基板処理装置100に供給したり、オゾン水および水素水のうち水素水のみを基板処理装置100に供給したりする。
【0105】
また、共通タンク340は、オゾン水タンク320に比べて、2倍以上の容積を有する。共通タンク340は、オゾン水タンク320に比べて、5倍以上の容積を有することが好ましく、10倍以上の容積を有することがさらに好ましい。
【0106】
同様に、共通タンク340は、水素水タンク330に比べて、2倍以上の容積を有する。共通タンク340は、水素水タンク330に比べて、5倍以上の容積を有することが好ましく、10倍以上の容積を有することがさらに好ましい。
【0107】
液供給装置300は、配管341およびバルブ342を備える。配管341は、共通タンク340に接続される。配管341には、供給源から純水が供給される。配管341は、共通タンク340に純水を供給する。
【0108】
バルブ342は、配管341に配置される。バルブ342は、配管341内の流路を開閉する。バルブ342は、配管341の開度を調節して、配管341に供給される純水の流量を調整する。なお、バルブ342は、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0109】
第1実施形態では、配管341には、配管323および配管333が接続される。つまり、オゾン水は、配管323と配管341の一部とを介して共通タンク340に供給される。同様に、水素水は、配管333と配管341の一部とを介して共通タンク340に供給される。従って、配管323を共通タンク340に直接接続したり、配管333を共通タンク340に直接接続したりする場合に比べて、配管の全長を短くできるとともに、共通タンク340周辺の構造が複雑になることを抑制できる。なお、配管323は、配管341を介さず、共通タンク340に直接接続されてもよい。また、配管333は、配管341を介さず、共通タンク340に直接接続されてもよい。
【0110】
液供給装置300は、濃度計346および泡発生装置347を備える。濃度計346は、共通タンク340に配置される。濃度計346は、共通タンク340内のオゾン水の濃度および水素水の濃度を測定する。濃度計346は、特に限定されるものではないが、例えば、オゾン水および水素水のpHを測定するpH測定器を含んでもよい。また、濃度計346は、例えば、オゾン水の酸素濃度を測定する酸素測定器と、水素水のpHを測定するpH測定器とを含んでもよい。
【0111】
共通タンク340内のオゾン水の濃度および水素水の濃度は、所定の濃度に調整される。共通タンク340内のオゾン水の濃度は、オゾン水タンク320内のオゾン水の濃度よりも低い。また、共通タンク340内の水素水の濃度は、水素水タンク330内の水素水の濃度よりも低い。なお、液供給装置300は、濃度計346の測定結果に基づいて、共通タンク340に純水を供給する。
【0112】
泡発生装置347は、共通タンク340の液中に泡を発生させる。泡発生装置347は、特に限定されるものではないが、例えば、超音波発生装置を含む。超音波発生装置は、例えば、超音波振動子を有する。泡発生装置347が駆動すると、液中にマイクロメートルオーダーの気泡が発生する。
【0113】
液供給装置300は、廃タンク350、配管351およびバルブ352を備える。廃タンク350は、共通タンク340から排出された液を収容する。
【0114】
配管351は、共通タンク340と廃タンク350とを接続する。配管351は、共通タンク340内の液を廃タンク350に排出する。
【0115】
バルブ352は、配管351に配置される。バルブ352は、配管351内の流路を開閉する。バルブ352は、配管351の開度を調節して、配管351を通過する液の流量を調整する。なお、バルブ352は、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0116】
液供給装置300は、配管361、ヒータ363、ポンプ364、バルブ365およびフィルタ366を備える。配管361は、液供給装置300から基板処理装置100にオゾン水および水素水を供給する。具体的には、配管361は、共通タンク340と処理液配管150とを接続する。第1実施形態では、配管361は、配管52の合流部52bに接続される。配管361には、ヒータ363、ポンプ364、バルブ365およびフィルタ366が取り付けられる。
【0117】
ヒータ363は、配管361を通過する液を加熱する。第1実施形態では、ヒータ363は、配管361を通過するオゾン水および水素水を所定温度に加熱する。
【0118】
ポンプ364は、共通タンク340のオゾン水および水素水を基板処理装置100に向けて送る。
【0119】
バルブ365は、配管361に配置される。バルブ365は、配管361内の流路を開閉する。バルブ365は、配管361の開度を調節して、配管361を通過するオゾン水および水素水の流量を調整する。なお、バルブ365は、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0120】
フィルタ366は、配管361に取り付けられる。フィルタ366は、配管361に対して着脱可能である。フィルタ366が配管361に取り付けられた場合、オゾン水および水素水は、フィルタ366を流れる。一方で、フィルタ366は、配管361から取り外しできる。このため、フィルタ366が劣化すると、フィルタ366は交換される。なお、フィルタ366は、フィルタ115と同様に構成されていてもよい。
【0121】
第1実施形態では、配管323、流量計324、バルブ325、配管341、共通タンク340、配管361、ヒータ363、ポンプ364、バルブ365およびフィルタ366によって、オゾン水タンク320から処理液配管150にオゾン水を供給する第1供給ライン910が構成されている。また、配管333、流量計334、バルブ335、配管341、共通タンク340、配管361、ヒータ363、ポンプ364、バルブ365およびフィルタ366によって、水素水タンク330から処理液配管150に水素水を供給する第2供給ライン920が構成されている。
【0122】
第1実施形態では、第1供給ライン910と第2供給ライン920とは、共通タンク340で合流している。つまり、基板処理システム900は、第1供給ライン910と第2供給ライン920とが合流する共通タンク340を備える。そして、第1供給ライン910および第2供給ライン920の各々は、共通タンク340と処理液配管150とを接続する共通ライン990を有する。第1実施形態では、共通ライン990は、配管361、ヒータ363、ポンプ364、バルブ365およびフィルタ366によって構成されている。なお、共通タンク340は、本発明の「合流部」の一例である。
【0123】
また、第1実施形態では、図3に示すように、基板処理システム900は、基板処理装置100から共通タンク340に洗浄液を戻す戻りライン930を備える。第1実施形態では、戻りライン930は、回収タンク931、配管932、バルブ933およびポンプ934によって構成される。
【0124】
回収タンク931は、処理液配管150の洗浄に用いられたオゾン水および水素水を収容する。
【0125】
配管932は、基板処理ユニット10と液供給装置300とを接続する。配管932は、回収タンク931が回収したオゾン水および水素水を、共通タンク340に戻す。回収タンク931は、配管932に配置される。具体的には、配管932は、基板処理ユニット10と回収タンク931とを接続する部分932aと、回収タンク931と液供給装置300とを接続する部分932bとを有する。
【0126】
バルブ933は、配管932に配置される。バルブ933は、配管932内の流路を開閉する。バルブ933は、配管932の開度を調節して、配管932を通過する液の流量を調整する。なお、バルブ933は、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0127】
ポンプ934は、配管932に配置される。第1実施形態では、ポンプ934は、配管932の部分932bに配置される。ポンプ934は、回収タンク931内の液を液供給装置300に向けて送る。
【0128】
また、基板処理システム900は、排液配管935およびバルブ936を備える。
【0129】
排液配管935は、基板処理ユニット10に接続される。排液配管935は、処理液配管150の洗浄に用いられたオゾン水および水素水、および、基板処理ユニット10で基板Wの処理に用いられた処理液等を排液する。なお、排液配管935は、例えば、配管932の部分932aから分岐するように設けられていてもよい。
【0130】
バルブ936は、排液配管935に配置される。バルブ936は、排液配管935内の流路を開閉する。バルブ936は、排液配管935の開度を調節して、排液配管935を通過する液の流量を調整する。なお、バルブ936は、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0131】
第1実施形態では、図4に示すように、液供給装置300は、処理液配管150の洗浄時に、オゾン水および水素水の一方を処理液配管150に供給した後、オゾン水および水素水の他方を処理液配管150に供給する。
【0132】
具体的には、制御部102は、共通タンク340に収容されたオゾン水および水素水の一方を処理液配管150に供給する。その後、制御部102は、共通タンク340内をオゾン水および水素水の一方から他方に置換した後、共通タンク340に収容されたオゾン水および水素水の他方を処理液配管150に供給する。
【0133】
さらに具体的には、制御部102は、バルブ325およびバルブ335の一方を開くことによって、共通タンク340にオゾン水および水素水の一方を溜める。その状態で、制御部102は、バルブ365を開くことによって、オゾン水および水素水の一方を基板処理装置100の処理液配管150に供給する。
【0134】
そして、制御部102は、バルブ325およびバルブ335の一方と、バルブ365とを閉じる。制御部102は、バルブ352を開いて共通タンク340内の液を廃タンク350に排出する。その後、制御部102は、バルブ352を閉じる。
【0135】
制御部102は、バルブ325およびバルブ335の他方を開くことによって、共通タンク340にオゾン水および水素水の他方を溜める。その状態で、制御部102は、バルブ365を開くことによって、オゾン水および水素水の他方を基板処理装置100の処理液配管150に供給する。
【0136】
第1実施形態では、制御部102は、処理液配管150の洗浄時に、オゾン水を処理液配管150に供給した後、水素水を処理液配管150に供給する。
【0137】
第1実施形態では、上記のように、液供給装置300は、処理液配管150の洗浄時に、オゾン水および水素水の一方を処理液配管150に供給した後、オゾン水および水素水の他方を処理液配管150に供給する。ここで、オゾン水および水素水は水ベースの液であるため、洗浄液としてアンモニア水、SC1または塩酸等の薬液を用いる場合とは異なり、洗浄液を純水に置換しなくてもよい。従って、例えば、洗浄液を置換するための純水の使用量をゼロにできる。また、洗浄液を置換するための時間を無くすことができる。
【0138】
また、オゾン水および水素水を洗浄液として用いることによって、洗浄液としてアンモニア水、SC1または塩酸等の薬液を用いる場合に比べて、薬液の使用量を削減できる。第1実施形態では、処理液配管150を洗浄する際の薬液の使用量をゼロにできる。
【0139】
また、上記のように、基板処理システム900にオゾン水および水素水を収容する共通タンク340を設ける。従って、共通タンク340を設けない場合に比べて、大量のオゾン水および水素水を準備することができる。処理液配管150のように洗浄する面積(例えば、内径×長さ)が比較的大きい場合、洗浄液が大量に必要になる。よって、共通タンク340を設けることによって、処理液配管150を十分な量の洗浄液によって洗浄することができる。
【0140】
また、液供給装置300は、共通タンク340に収容されたオゾン水および水素水の一方を処理液配管150に供給した後、共通タンク340内をオゾン水および水素水の一方から他方に置換し、その後、共通タンク340に収容されたオゾン水および水素水の他方を処理液配管150に供給する。従って、オゾン水タンク320および水素水タンク330の下流側に、オゾン水用のタンクおよび水素水用のタンクを別々に設ける必要がない。よって、部品点数が増加することを抑制できるとともに、液供給装置300が大型化することを抑制できる。
【0141】
また、上記のように、基板処理システム900は、基板処理装置100から共通タンク340に洗浄液を戻す戻りライン930を備える。従って、洗浄液を繰り返し使用することができるので、純水の使用量をさらに削減できる。
【0142】
また、上記のように、基板処理システム900に、水素水中に泡を発生させる泡発生装置337および347を設ける。従って、水素水による化学的作用と、泡による物理的作用とによって洗浄できるので、洗浄力を向上させることができる。
【0143】
また、上記のように、液供給装置300は、処理液配管150の洗浄時に、オゾン水を処理液配管150に供給した後、水素水を処理液配管150に供給する。従って、オゾン水によって金属不純物および有機物等の比較的大きな対象物を除去した後、微粒子等の比較的小さな対象物を除去できる。つまり、対象物を効果的に除去できる。
【0144】
また、上記のように、第1供給ライン910および第2供給ライン920の各々は、共通タンク340と処理液配管150とを接続する共通ライン990を有する。従って、共通タンク340の下流側に、オゾン水用のラインおよび水素水用のラインを別々に設ける必要がない。よって、部品点数が増加することをより抑制できるとともに、液供給装置300が大型化することをより抑制できる。
【0145】
また、上記のように、液供給装置300は、第1濃度計326の測定結果に基づいて、オゾン水タンク320に純水を供給し、第2濃度計336の測定結果に基づいて、水素水タンク330に純水を供給する。従って、オゾン水タンク320のオゾン水の濃度、および、水素水タンク330の水素水の濃度を、所定の濃度に容易に調整できる。
【0146】
次に、図1図5を参照して、第1実施形態の基板処理システム900を説明する。図5は、第1実施形態の基板処理システム900のブロック図である。なお、第1実施形態では、制御装置101が基板処理装置100および液供給装置300の両方を制御する例について説明する。なお、第1実施形態では、制御装置101は、基板処理システム900全体を制御する。
【0147】
図5に示すように、制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30、ヒータ113、ポンプ114および各種バルブを制御する。具体的には、制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30、ヒータ113、ポンプ114および各種バルブに制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30、ヒータ113、ポンプ114および各種バルブを制御する。
【0148】
さらに具体的には、制御部102は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
【0149】
制御部102は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、複数の基板処理ユニット10のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wを基板処理ユニット10から受け取って、基板Wを搬出する。
【0150】
制御部102は、基板保持部20を制御して、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部102は、基板保持部20を制御して、基板保持部20の回転数を変更することができる。具体的には、制御部102は、基板保持部20の電動モーター24の回転数を変更することによって、基板Wの回転数を変更できる。
【0151】
制御部102は、バルブ36、バルブ54、バルブ116~118を制御して、バルブ36、バルブ54、バルブ116~118の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ36を開状態または閉状態にすることによって、第3配管32e内の液を通過させたり、通過させなかったりすることができる。同様に、制御部102は、バルブ54、バルブ116~118を開状態または閉状態にすることによって、配管52、第2配管32c、戻り配管41および戻り配管42内の液を通過させたり、通過させなかったりすることができる。
【0152】
制御部102は、ヒータ113を制御して、第1配管32aを通過する液を加熱する。
【0153】
制御部102は、ポンプ114を制御して、調製槽112内の液を下流側に送り出す。具体的には、制御部102は、ポンプ114を駆動することによって、調製槽112内の液をノズル34に向けて送り出す。
【0154】
上述したように、記憶部104は、複数のレシピデータを記憶してもよい。複数のレシピは、処理液配管150を洗浄する処理内容および処理手順を規定してもよい。
【0155】
第1実施形態では、上述したように、制御装置101は、液供給装置300の各種動作を制御する。制御装置101は、電気分解部310、バルブ312、322、325、332、335、342、352、365、ヒータ363、ポンプ364、泡発生装置337および347を制御する。具体的には、制御装置101は、電気分解部310、バルブ312、322、325、332、335、342、352、365、ヒータ363、ポンプ364、泡発生装置337および347に制御信号を送信することによって、これらを制御する。
【0156】
さらに具体的には、制御部102は、電気分解部310を制御して、純水を電気分解してオゾン水および水素水を生成する。生成されたオゾン水および水素水は、オゾン水タンク320および水素水タンク330にそれぞれ供給される。
【0157】
制御部102は、バルブ312、322、325、332、335、342、352および365を制御して、バルブ312、322、325、332、335、342、352および365の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ312を開状態または閉状態にすることによって、配管311内の液を通過させたり、通過させなかったりすることができる。同様に、制御部102は、バルブ322、325、332、335、342、352および365を開状態または閉状態にすることによって、配管321、323、331、333、341、351および361内の液を通過させたり、通過させなかったりすることができる。
【0158】
制御部102は、ヒータ363を制御して、配管361を通過する液を加熱する。
【0159】
制御部102は、ポンプ364を制御して、共通タンク340内の液を下流側に送り出す。具体的には、制御部102は、ポンプ364を駆動することによって、共通タンク340内の液を基板処理装置100に向けて送り出す。
【0160】
制御部102は、泡発生装置337および347を制御して、水素水タンク330および共通タンク340内に泡を発生させる。
【0161】
また、制御部102には、流量計324、334、第1濃度計326、第2濃度計336および濃度計346の測定結果が送られる。
【0162】
また、第1実施形態では、制御装置101は、バルブ933、936およびポンプ934を制御する。具体的には、制御装置101は、バルブ933、936およびポンプ934に制御信号を送信することによって、バルブ933、936およびポンプ934を制御する。
【0163】
さらに具体的には、制御部102は、バルブ933および936を制御して、バルブ933および936の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ933および936を開状態または閉状態にすることによって、配管932および排液配管935内の液を通過させたり、通過させなかったりすることができる。
【0164】
制御部102は、ポンプ934を制御して、回収タンク931内の液を下流側に送り出す。具体的には、制御部102は、ポンプ934を駆動することによって、回収タンク931内の液を液供給装置300に向けて送り出す。
【0165】
次に、図6を参照して、第1実施形態の基板処理システム900の処理液配管150の洗浄方法について説明する。図6は、第1実施形態の基板処理システム900の処理液配管150の洗浄方法を示すフローチャートである。基板処理システム900の処理液配管150の洗浄方法は、ステップS101~ステップS106を含む。ステップS101~ステップS106は、制御部102によって実行される。なお、ステップS101は、本発明の「生成工程」の一例である。ステップS102は、本発明の「第1純水供給工程」の一例である。ステップS103は、本発明の「第2純水供給工程」の一例である。ステップS105は、本発明の「収容工程」の一例である。ステップS106は、本発明の「洗浄工程」の一例である。
【0166】
ここでは、初期状態において、全てのバルブが閉状態になっていることとする。また、処理液配管150の洗浄は、例えば、基板処理装置100を最初に設置する際、基板処理装置100を組み立てる際、または、基板処理装置100をメンテナンスする際等に実行される。従って、基板処理ユニット10には、基板Wは配置されていない。
【0167】
図6に示すように、ステップS101において、制御部102は、純水を電気分解して洗浄液であるオゾン水および水素水を生成する。具体的には、制御部102は、バルブ312を閉状態から開状態に切り替えることによって、電気分解部310に純水を供給する。制御部102の制御により、電気分解部310は、純水を電気分解してオゾン水および水素水を生成する。生成されたオゾン水は、配管329を通過してオゾン水タンク320に収容される。同様に、生成された水素水は、配管339を通過して水素水タンク330に収容される。
【0168】
次に、ステップS102において、制御部102は、オゾン水タンク320に純水を供給する。具体的には、制御部102は、オゾン水タンク320内のオゾン水の濃度に基づいて、バルブ322を制御してオゾン水タンク320に純水を供給する。このとき、オゾン水タンク320内のオゾン水は、電気分解部310から配管329に供給されるオゾン水の濃度よりも低い濃度に調整される。
【0169】
次に、ステップS103において、制御部102は、水素水タンク330に純水を供給する。具体的には、制御部102は、水素水タンク330内の水素水の濃度に基づいて、バルブ332を制御して水素水タンク330に純水を供給する。このとき、水素水タンク330内の水素水は、電気分解部310から配管339に供給される水素水の濃度よりも低い濃度に調整される。
【0170】
次に、ステップS104において、制御部102は、水素水タンク330の水素水中に泡を発生させる。具体的には、制御部102の制御により、泡発生装置337は、水素水タンク330の水素水中に泡を発生させる。
【0171】
次に、ステップS105において、制御部102は、オゾン水および水素水の一方を共通タンク340に収容する。第1実施形態では、制御部102は、オゾン水を共通タンク340に収容する。具体的には、制御部102は、バルブ325を閉状態から開状態に切り替えることによって、オゾン水タンク320から共通タンク340にオゾン水を供給する。
【0172】
次に、ステップS106において、制御部102は、オゾン水および水素水により処理液配管150を洗浄する。具体的には、制御部102は、オゾン水および水素水の一方を処理液配管150に供給した後、オゾン水および水素水の他方を処理液配管150に供給する。第1実施形態では、制御部102は、オゾン水を処理液配管150に供給した後、水素水を処理液配管150に供給する。
【0173】
より具体的には、制御部102は、共通タンク340にオゾン水が収容されている状態で、バルブ365を閉状態から開状態に切り替えることによって、共通タンク340から処理液配管150にオゾン水を供給する。
【0174】
このとき、制御部102は、処理液配管150のうち、洗浄の対象の配管に洗浄液が流通できるように、基板処理装置100を制御する。例えば、洗浄の対象が配管32である場合、制御部102は、バルブ54、バルブ116およびバルブ36を閉状態から開状態に切り替える。従って、共通タンク340から処理液配管150にオゾン水が供給されると、オゾン水は、配管52および配管32を通過して、ノズル34から排出される。
【0175】
なお、このとき、洗浄の対象の配管内にオゾン水を流通し続けてもよいし、配管内でオゾン水の流通を所定時間停止してもよい。洗浄の対象の配管内でオゾン水の流通を所定時間停止することによって、オゾン水の使用量を削減することが可能である。
【0176】
また、制御部102は、ノズル34から排出されたオゾン水を共通タンク340に戻す。言い換えると、制御部102は、処理液配管150を通過したオゾン水を共通タンク340に戻す。具体的には、制御部102は、バルブ933を閉状態から開状態に切り替えるとともに、ポンプ934を駆動する。これにより、戻りライン930を介して、オゾン水が共通タンク340に戻される。なお、オゾン水を共通タンク340に戻さずに排液する場合は、制御部102は、例えば、バルブ933を閉状態にし、バルブ936を閉状態から開状態に切り替える。これにより、処理液配管150を通過したオゾン水は、排液配管935を介して排液される。
【0177】
その後、制御部102は、共通タンク340内をオゾン水から水素水に置換する。つまり、処理液配管150に対するオゾン水の洗浄が終わると、共通タンク340内のオゾン水が水素水に置換される。
【0178】
具体的には、制御部102は、バルブ325およびバルブ365を開状態から閉状態に切り替え、バルブ352を閉状態から開状態に切り替えることによって、共通タンク340内のオゾン水を排液する。そして、制御部102は、バルブ335を閉状態から開状態に切り替えることによって、共通タンク340に水素水を供給する。
【0179】
このとき、第1実施形態では、制御部102は、共通タンク340の水素水中に泡を発生させる。具体的には、制御部102の制御により、泡発生装置347は、水素水タンク330の水素水中に泡を発生させる。
【0180】
その後、制御部102は、共通タンク340に収容された水素水を処理液配管150に供給する。具体的には、制御部102は、共通タンク340に水素水が収容されている状態で、バルブ365を閉状態から開状態に切り替えることによって、共通タンク340から処理液配管150に水素水を供給する。共通タンク340から処理液配管150に水素水が供給されると、水素水は、配管52および配管32を通過して、ノズル34から排出される。
【0181】
なお、このとき、洗浄の対象の配管内に水素水を流通し続けてもよいし、配管内で水素水の流通を所定時間停止してもよい。洗浄の対象の配管内で水素水の流通を所定時間停止することによって、水素水の使用量を削減することが可能である。
【0182】
また、制御部102は、ノズル34から排出された水素水を共通タンク340に戻す。言い換えると、制御部102は、処理液配管150を通過した水素水を共通タンク340に戻す。具体的には、制御部102は、バルブ933を開状態にするとともに、ポンプ934を駆動する。これにより、戻りライン930を介して、水素水が共通タンク340に戻される。なお、水素水を共通タンク340に戻さずに排液する場合は、制御部102は、例えば、バルブ933を閉状態にし、バルブ936を閉状態から開状態に切り替える。これにより、処理液配管150を通過した水素水は、排液配管935を介して排液される。
【0183】
以上のようにして、処理液配管150がオゾン水および水素水によって洗浄される。なお、第1実施形態では、第1純水供給工程(ステップS102)の後に第2純水供給工程(ステップS103)を行う例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、第2純水供給工程の後に第1純水供給工程を行ってもよいし、第1純水供給工程と第2純水供給工程とを並行して行ってもよい。
【0184】
(第2実施形態)
図7および図8を参照して、本発明の第2実施形態による基板処理システム900について説明する。図7は、第2実施形態の液供給装置300の配管構成を説明するための模式図である。第2実施形態では、第1実施形態の共通タンク340に代えて、下流側オゾン水タンク340aおよび下流側水素水タンク340bを設ける例について説明する。第2実施形態の基板処理装置100の構造は、第1実施形態と同様である。
【0185】
図7に示すように、第2実施形態では、液供給装置300は、下流側オゾン水タンク340aおよび下流側水素水タンク340bを備える。下流側オゾン水タンク340aは、オゾン水を収容する。下流側水素水タンク340bは、水素水を収容する。
【0186】
下流側オゾン水タンク340aは、オゾン水タンク320に比べて、例えば2倍以上の容積を有する。下流側オゾン水タンク340aは、オゾン水タンク320に比べて、5倍以上の容積を有することが好ましく、10倍以上の容積を有することがさらに好ましい。
【0187】
同様に、下流側水素水タンク340bは、水素水タンク330に比べて、例えば2倍以上の容積を有する。下流側水素水タンク340bは、水素水タンク330に比べて、5倍以上の容積を有することが好ましく、10倍以上の容積を有することがさらに好ましい。
【0188】
液供給装置300は、配管341aおよびバルブ342aを備える。配管341aは、下流側オゾン水タンク340aに接続される。配管341aには、供給源から純水が供給される。配管341aは、下流側オゾン水タンク340aに純水を供給する。
【0189】
バルブ342aは、配管341aに配置される。バルブ342aは、配管341a内の流路を開閉する。バルブ342aは、配管341aの開度を調節して、配管341aに供給される純水の流量を調整する。なお、バルブ342aは、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0190】
第2実施形態では、配管323は、配管341aに接続される。つまり、オゾン水は、配管323と配管341aの一部とを介して下流側オゾン水タンク340aに供給される。従って、配管323を下流側オゾン水タンク340aに直接接続する場合に比べて、配管の全長を短くできるとともに、下流側オゾン水タンク340a周辺の構造が複雑になることを抑制できる。なお、配管323は、配管341aを介さず、下流側オゾン水タンク340aに直接接続されてもよい。
【0191】
液供給装置300は、配管341bおよびバルブ342bを備える。配管341bは、下流側水素水タンク340bに接続される。配管341bには、供給源から純水が供給される。配管341bは、下流側水素水タンク340bに純水を供給する。
【0192】
バルブ342bは、配管341bに配置される。バルブ342bは、配管341b内の流路を開閉する。バルブ342bは、配管341bの開度を調節して、配管341bに供給される純水の流量を調整する。なお、バルブ342bは、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0193】
第2実施形態では、配管333は、配管341bに接続される。つまり、水素水は、配管333と配管341bの一部とを介して下流側水素水タンク340bに供給される。従って、配管333を下流側水素水タンク340bに直接接続する場合に比べて、配管の全長を短くできるとともに、下流側水素水タンク340b周辺の構造が複雑になることを抑制できる。なお、配管333は、配管341bを介さず、下流側水素水タンク340bに直接接続されてもよい。
【0194】
液供給装置300は、濃度計346aおよび濃度計346bを備える。濃度計346aは、下流側オゾン水タンク340aに配置される。濃度計346aは、下流側オゾン水タンク340a内のオゾン水の濃度を測定する。濃度計346aは、例えば、第1濃度計326と同様の構造を有する。
【0195】
下流側オゾン水タンク340a内のオゾン水の濃度は、所定の濃度に調整される。下流側オゾン水タンク340a内のオゾン水は、オゾン水タンク320内のオゾン水の濃度よりも低い濃度に調整される。なお、液供給装置300は、濃度計346aの測定結果に基づいて、下流側オゾン水タンク340aに純水を供給する。
【0196】
濃度計346bは、下流側水素水タンク340bに配置される。濃度計346bは、下流側水素水タンク340b内の水素水の濃度を測定する。濃度計346bは、例えば、第2濃度計336と同様の構造を有する。
【0197】
下流側水素水タンク340b内の水素水の濃度は、所定の濃度に調整される。下流側水素水タンク340b内の水素水は、水素水タンク330内の水素水の濃度よりも低い濃度に調整される。なお、液供給装置300は、濃度計346bの測定結果に基づいて、下流側水素水タンク340bに純水を供給する。
【0198】
泡発生装置347は、下流側水素水タンク340bの液中に泡を発生させる。
【0199】
液供給装置300は、配管351aおよびバルブ352aを備える。配管351aは、下流側オゾン水タンク340aと廃タンク350とを接続する。配管351aは、下流側オゾン水タンク340a内の液を廃タンク350に排出する。
【0200】
バルブ352aは、配管351aに配置される。バルブ352aは、配管351a内の流路を開閉する。バルブ352aは、配管351aの開度を調節して、配管351aを通過する液の流量を調整する。なお、バルブ352aは、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0201】
液供給装置300は、配管351bおよびバルブ352bを備える。配管351bは、下流側水素水タンク340bと廃タンク350とを接続する。配管351bは、下流側水素水タンク340b内の液を廃タンク350に排出する。
【0202】
バルブ352bは、配管351bに配置される。バルブ352bは、配管351b内の流路を開閉する。バルブ352bは、配管351bの開度を調節して、配管351bを通過する液の流量を調整する。なお、バルブ352bは、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0203】
第2実施形態では、配管361は、下流側オゾン水タンク340aと処理液配管150とを接続するとともに、下流側水素水タンク340bと処理液配管150とを接続する。
【0204】
具体的には、配管361は、下流側オゾン水タンク340aに接続される部分361aと、下流側水素水タンク340bに接続される部分361bと、合流部361cと、基板処理装置100まで延びる部分361dとを有する。部分361aと部分361bとは、合流部361cで合流する。部分361dは、合流部361cと処理液配管150とを接続する。部分361dには、ヒータ363、ポンプ364、バルブ365およびフィルタ366が取り付けられる。
【0205】
液供給装置300は、バルブ367aおよびバルブ367bを備える。バルブ367aは、配管361の部分361aに配置される。バルブ367aは、部分361a内の流路を開閉する。バルブ367aは、部分361aの開度を調節して、部分361aを通過するオゾン水の流量を調整する。なお、バルブ367aは、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0206】
バルブ367bは、配管361の部分361bに配置される。バルブ367bは、部分361b内の流路を開閉する。バルブ367bは、部分361bの開度を調節して、部分361bを通過する水素水の流量を調整する。なお、バルブ367bは、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0207】
第2実施形態では、配管323、流量計324、バルブ325、配管341a、下流側オゾン水タンク340a、配管361、ヒータ363、ポンプ364、バルブ365およびフィルタ366によって、オゾン水タンク320から処理液配管150にオゾン水を供給する第1供給ライン910が構成されている。また、配管333、流量計334、バルブ335、配管341b、下流側水素水タンク340b、配管361、ヒータ363、ポンプ364、バルブ365およびフィルタ366によって、水素水タンク330から処理液配管150に水素水を供給する第2供給ライン920が構成されている。
【0208】
第2実施形態では、第1供給ライン910と第2供給ライン920とは、合流部361cで合流している。共通ライン990は、第1実施形態と同様、配管361、ヒータ363、ポンプ364、バルブ365およびフィルタ366によって構成されている。
【0209】
また、第2実施形態では、基板処理システム900は、オゾン水戻りライン930aおよび水素水戻りライン930bを備える。オゾン水戻りライン930aは、基板処理装置100から下流側オゾン水タンク340aにオゾン水を戻す。水素水戻りライン930bは、基板処理装置100から下流側水素水タンク340bに水素水を戻す。
【0210】
第2実施形態では、液供給装置300は、バルブ937aおよびバルブ937bを備える。オゾン水戻りライン930aは、回収タンク931、配管932、バルブ933およびポンプ934に加え、バルブ937aによって構成される。水素水戻りライン930bは、回収タンク931、配管932、バルブ933およびポンプ934に加え、バルブ937bによって構成される。
【0211】
具体的には、配管932は、分岐部932c、部分932dおよび部分932eをさらに有する。配管932は、分岐部932cで、部分932dと部分932eとに分岐する。部分932dは、分岐部932cと下流側オゾン水タンク340aとを接続する。部分932eは、分岐部932cと下流側水素水タンク340bとを接続する。
【0212】
バルブ937aは、配管932の部分932dに配置される。バルブ937aは、部分932d内の流路を開閉する。バルブ937aは、部分932dの開度を調節して、部分932dを通過するオゾン水の流量を調整する。例えば、オゾン水による洗浄時にバルブ937aを開状態にすれば、オゾン水を下流側オゾン水タンク340aに戻すことが可能である。なお、バルブ937aは、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0213】
バルブ937bは、配管932の部分932eに配置される。バルブ937bは、部分932e内の流路を開閉する。バルブ937bは、部分932eの開度を調節して、部分932eを通過する水素水の流量を調整する。例えば、水素水による洗浄時にバルブ937bを開状態にすれば、水素水を下流側水素水タンク340bに戻すことが可能である。なお、バルブ937bは、例えば、バルブ312と同様の構造を有する。
【0214】
第2実施形態では、制御部102は、第1実施形態と同様にして、バルブ342a、342b、352a、352b、367a、367b、937aおよび937bを制御する。
【0215】
第2実施形態では、上記のように、液供給装置300は、オゾン水を収容する下流側オゾン水タンク340aと、水素水を収容する下流側水素水タンク340bとを備える。従って、第1実施形態のように共通タンク340を設ける場合とは異なり、共通タンク340内をオゾン水および水素水の一方から他方に置換する必要がない。よって、オゾン水および水素水の廃棄量を削減できるとともに、処理液配管150の洗浄にかかる時間を短縮できる。
【0216】
また、上記のように、基板処理システム900は、基板処理装置100から下流側オゾン水タンク340aにオゾン水を戻すオゾン水戻りライン930aと、基板処理装置100から下流側水素水タンク340bに水素水を戻す水素水戻りライン930bとを備える。従って、オゾン水および水素水を繰り返し使用することができるので、純水の使用量を削減できる。
【0217】
第2実施形態のその他の構造および効果は、第1実施形態と同様である。
【0218】
次に、図8を参照して、第2実施形態の基板処理システム900の処理液配管150の洗浄方法について説明する。図8は、第2実施形態の基板処理システム900の処理液配管150の洗浄方法を示すフローチャートである。第2実施形態では、基板処理システム900の処理液配管150の洗浄方法は、ステップS101~ステップS104、ステップS105a、ステップS105bおよびステップS106を含む。ステップS101~ステップS104、ステップS105a、ステップS105bおよびステップS106は、制御部102によって実行される。なお、ステップS105aは、本発明の「第1収容工程」の一例である。ステップS105bは、本発明の「第2収容工程」の一例である。
【0219】
図8に示すように、ステップS101~ステップS104は、第1実施形態と同様である。
【0220】
次に、ステップS105aにおいて、制御部102は、オゾン水を下流側オゾン水タンク340aに収容する。具体的には、制御部102は、バルブ325を閉状態から開状態に切り替えることによって、オゾン水タンク320から下流側オゾン水タンク340aにオゾン水を供給する。
【0221】
次に、ステップS105bにおいて、制御部102は、水素水を下流側水素水タンク340bに収容する。具体的には、制御部102は、バルブ335を閉状態から開状態に切り替えることによって、水素水タンク330から下流側水素水タンク340bにオゾン水を供給する。
【0222】
このとき、第2実施形態では、制御部102は、下流側水素水タンク340bの水素水中に泡を発生させる。具体的には、制御部102の制御により、泡発生装置347は、水素水タンク330の水素水中に泡を発生させる。
【0223】
次に、ステップS106において、制御部102は、オゾン水および水素水により処理液配管150を洗浄する。具体的には、制御部102は、オゾン水および水素水の一方を処理液配管150に供給した後、オゾン水および水素水の他方を処理液配管150に供給する。第2実施形態では、制御部102は、オゾン水を処理液配管150に供給した後、水素水を処理液配管150に供給する。
【0224】
具体的には、制御部102は、バルブ367aおよびバルブ365を閉状態から開状態に切り替えることによって、下流側オゾン水タンク340aから処理液配管150にオゾン水を供給する。
【0225】
また、制御部102は、ノズル34から排出されたオゾン水を下流側オゾン水タンク340aに戻す。言い換えると、制御部102は、処理液配管150を通過したオゾン水を下流側オゾン水タンク340aに戻す。具体的には、制御部102は、バルブ933およびバルブ937aを閉状態から開状態に切り替えるとともに、ポンプ934を駆動する。これにより、オゾン水戻りライン930aを介して、オゾン水が下流側オゾン水タンク340aに戻される。なお、オゾン水を下流側オゾン水タンク340aに戻さずに排液する場合は、制御部102は、例えば、バルブ933およびバルブ937aを閉状態にし、バルブ936を閉状態から開状態に切り替える。これにより、処理液配管150を通過したオゾン水は、排液配管935を介して排液される。
【0226】
そして、制御部102は、処理液配管150に対するオゾン水の洗浄を開始してから所定時間経過すると、バルブ367a、バルブ365およびバルブ937aを開状態から閉状態に切り替える。
【0227】
その後、制御部102は、バルブ367bおよびバルブ365を閉状態から開状態に切り替えることによって、下流側水素水タンク340bから処理液配管150に水素水を供給する。
【0228】
また、制御部102は、ノズル34から排出された水素水を下流側水素水タンク340bに戻す。言い換えると、制御部102は、処理液配管150を通過した水素水を下流側水素水タンク340bに戻す。具体的には、制御部102は、バルブ933およびバルブ937bを開状態にするとともに、ポンプ934を駆動する。これにより、水素水戻りライン930bを介して、水素水が下流側水素水タンク340bに戻される。なお、水素水を下流側水素水タンク340bに戻さずに排液する場合は、制御部102は、例えば、バルブ933およびバルブ937bを閉状態にし、バルブ936を閉状態から開状態に切り替える。これにより、処理液配管150を通過した水素水は、排液配管935を介して排液される。
【0229】
以上のようにして、処理液配管150がオゾン水および水素水によって洗浄される。なお、第2実施形態では、第1収容工程(ステップS105a)の後に第2収容工程(ステップS105b)を行う例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、第2収容工程の後に第1収容工程を行ってもよいし、第1収容工程と第2収容工程とを並行して行ってもよい。
【0230】
第2実施形態のその他の洗浄方法は、第1実施形態と同様である。
【0231】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0232】
例えば、第1実施形態および第2実施形態では、処理液配管150の洗浄を、基板処理装置100の制御部102が実行する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、液供給装置300が制御部を備え、液供給装置300の制御部によって処理液配管150の洗浄が実行されてもよい。また、液供給装置300の制御部と基板処理装置100の制御部102とによって、処理液配管150の洗浄が実行されてもよい。
【0233】
また、第1実施形態および第2実施形態では、処理液配管150を通過した洗浄液を、戻りライン930等を介して液供給装置300に戻す例について示したが、本発明はこれに限らない。基板処理装置100から液供給装置300に洗浄液を戻さなくてもよい。
【0234】
また、第1実施形態および第2実施形態では、配管32を洗浄する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、配管52、戻り配管41または戻り配管42を洗浄してもよい。この場合、洗浄の対象の配管に洗浄液が流通するように各バルブを閉状態または開状態にすればよい。
【0235】
また、第1実施形態および第2実施形態では、液供給装置300内で洗浄液が循環しない例について示したが、本発明はこれに限らず、液供給装置300内で洗浄液が循環するように構成してもよい。例えば、第1実施形態の液供給装置300において、配管323から分岐してオゾン水タンク320にオゾン水を戻す配管を設けてもよい。また、配管333から分岐して水素水タンク330に水素水を戻す配管を設けてもよい。また、配管361から分岐して共通タンク340に洗浄液を戻す配管を設けてもよい。
【0236】
また、第1実施形態および第2実施形態では、処理液配管150にオゾン水および水素水を流通することによって、処理液配管150の洗浄が終了する例について示した。つまり、処理液配管150内の洗浄液(オゾン水および水素水)を純水で置換しない例について示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。処理液配管150内の洗浄液を純水で置換してもよい。この場合にも、本実施形態では、洗浄液として水ベースのオゾン水および水素水を用いるため、洗浄液としてアンモニア水、SC1または塩酸等の薬液を用いる場合に比べて、洗浄液を置換する際に用いる純水の使用量を削減できる。
【0237】
また、第1実施形態および第2実施形態では、処理液配管150にオゾン水を供給した後、水素水を供給する例について示したが、本発明はこれに限らず、処理液配管150に水素水を供給した後、オゾン水を供給してもよい。
【0238】
また、第1実施形態および第2実施形態では、泡発生装置337および泡発生装置347を設ける例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、泡発生装置337および泡発生装置347の一方のみを設けてもよい。また、泡発生装置337および泡発生装置347の両方を設けなくてもよい。
【0239】
また、第1実施形態および第2実施形態では、泡発生装置337および泡発生装置347が、タンク内の水素水中に泡を発生させる例について示したが、本発明はこれに限らない。泡発生装置337および泡発生装置347は、例えば、配管内の水素水中に泡を発生させてもよい。
【0240】
また、第1実施形態では、オゾン水タンク320および水素水タンク330の下流側に共通タンク340を設ける例について示した。また、第2実施形態では、オゾン水タンク320および水素水タンク330の下流側に、下流側オゾン水タンク340aおよび下流側水素水タンク340bをそれぞれ設ける例について示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。オゾン水タンク320および水素水タンク330の下流側に、タンクを設けなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0241】
本発明は、基板処理システムおよび洗浄方法に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0242】
10 :基板処理ユニット
100 :基板処理装置
150 :処理液配管
300 :液供給装置
310 :電気分解部
320 :オゾン水タンク
326 :第1濃度計
330 :水素水タンク
336 :第2濃度計
337、347 :泡発生装置
340 :共通タンク(合流部)
340a :下流側オゾン水タンク
340b :下流側水素水タンク
361c :合流部
900 :基板処理システム
910 :第1供給ライン
920 :第2供給ライン
930 :戻りライン
930a :オゾン水戻りライン
930b :水素水戻りライン
940 :第1純水ライン
950 :第2純水ライン
990 :共通ライン
S101 :ステップ(生成工程)
S102 :ステップ(第1純水供給工程)
S103 :ステップ(第2純水供給工程)
S105 :ステップ(収容工程)
S105a :ステップ(第1収容工程)
S105b :ステップ(第2収容工程)
S106 :ステップ(洗浄工程)
W :基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8