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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101858
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】フェンス用継手
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
E04H17/16 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006025
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】矢野 凌佑
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142HH01
2E142HH12
2E142HH22
2E142HH23
(57)【要約】
【課題】パネルの支柱への取り付け及び取り外し作業をパネルの片側から容易に行うことができ、かつ、胴縁の形状にかかわらずパネルを支柱に取り付けることのできるフェンス用継手を提供する。
【解決手段】縦線材と横線材とが格子状に溶接されることによって形成されると共に、折り曲げた前記縦線材の端部の外側に前記横線材を溶接することによって形成された胴縁を備えるパネルを、支柱に固定するためのフェンス用継手において、前記支柱に取り付けられる継手本体と、前記胴縁の外側に当接する留め金具とを備え、前記継手本体は、前記支柱と当接する固定部と、前記固定部に対して横方向に延出する側片部とを備え、前記側片部は、前記胴縁の外側に当接すると共に前記留め金具を固定するねじ部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦線材と横線材とが格子状に溶接されることによって形成されると共に、折り曲げた前記縦線材の端部の外側に前記横線材を溶接することによって形成された胴縁を備えるパネルを、支柱に固定するためのフェンス用継手において、
前記支柱に取り付けられる継手本体と、前記胴縁の外側に当接する留め金具とを備え、
前記継手本体は、前記支柱と当接する固定部と、前記固定部に対して横方向に延出する側片部とを備え、
前記側片部は、前記胴縁の外側に当接すると共に前記留め金具を固定するねじ部を備えることを特徴とするフェンス用継手。
【請求項2】
請求項1に記載するフェンス用継手において、
前記留め金具は、高さ方向に弧状に湾曲し、高さ方向に伸びる長孔を備えることを特徴とするフェンス用継手。
【請求項3】
請求項1に記載するフェンス用継手において、
前記留め金具は、高さ方向の端部に前記横線材を保持するフックを備えることを特徴とするフェンス用継手。
【請求項4】
請求項1に記載するフェンス用継手において、
前記固定部は、前記継手本体の長手方向に弧状に湾曲することを特徴とするフェンス用継手。
【請求項5】
請求項1に記載するフェンス用継手において、
前記固定部と前記側片部は、接続部を介して連続し、
前記側片部は、前記固定部に対して奥行方向奥側に位置することを特徴とするフェンス用継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷地境界部に沿って構築されるフェンスに用いられるフェンス用継手であって、特に、メッシュフェンス用パネルを支柱に固定するためのフェンス用継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、敷地境界部に沿って構築されるメッシュフェンスは、鉄線からなる縦線材と横線材とを格子状に溶接したものからなるパネルを、フェンス用継手を介して、間隔を空けて地面に立設される複数の支柱の間にかけ渡すことにより構成される。
【0003】
例えば、特許文献1には、パネルの上下端部に設けられた胴縁に、継手の挿入部を挿入してパネルを支柱に固定する構造について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-143511号公報
【0005】
ここで、従来のフェンス用継手の一例を、図面を参照しながら説明する。以下、この従来のフェンス用継手を従来継手という。
【0006】
図8は、従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す正面図、図9は、従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す平面図、図10は、従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す側面図である。
【0007】
図8から図10において、パネル11は、縦線材12と横線材13とを格子状に配設しそれぞれの交点が溶接されたものからなる。パネル11の胴縁14は、リング状に折り曲げられた縦線材12の上端の外側に横線材13を溶接することによって形成されている。なお、図示の胴縁は、上胴縁を示す。
【0008】
パネル11は、丸パイプからなる支柱16に従来継手15を介して固定される。従来継手15は、胴縁14内に挿入される挿入部17と、支柱16に固定される固定部18とを備える。挿入部17には、挿入部17の一部をプレスにより打ち抜くことによって、後述するねじ23の螺合部19が形成され、固定部18には、ボルト孔21が形成されている。
【0009】
このように構成されている従来継手15によりパネル11を支柱16に固定するには、従来継手15の挿入部17をパネル11の胴縁14に挿入し、固定金具22を胴縁14に当てがい、ねじ23を固定金具22を通して挿入部17の螺合部19にねじ込む。
【0010】
このようにして、従来継手15を左右のパネル11の胴縁14に固定したら、ボルト24を一方の従来継手15の固定部18のボルト孔21から支柱16を通して他方の従来継手15の固定部18のボルト孔21に通し、ナット25を締める。これによって、パネル11は、従来継手15により支柱16に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、従来継手15によれば、パネル11を支柱16に固定することはできるが、左右のパネル11に固定された従来継手15をボルト24及びナット25によって支柱16に取り付ける工程は、パネル11の両側からの作業が必要となり、二人以上での作業が求められていた。
【0012】
また、左右に位置する2つのパネル11が一本のボルト24によって固定されているため、メンテナンス等において、一度取り付けたパネル11を取り外す場合には、左右のパネル11の従来継手15を同時に取り外さなければならない。また、このとき、取り外す必要のないパネル11が倒れることのないように支える必要がある。このように、フェンス全体の一部のパネル11のみを取り外す際に、作業工程が煩雑になるという課題があった。
【0013】
また、従来継手15は挿入部17をパネル11の胴縁14に挿入する構造であるため、使用されるパネル11によって胴縁14の形状が異なる場合、それぞれの胴縁14の形状に合わせた複数の種類の従来継手15が必要となり、製造コストの増加や、部品管理が煩雑になるという課題があった。
【0014】
そこで、本発明は上記の事項に鑑みてなされたものであり、パネルの支柱への取り付け及び取り外し作業をパネルの片側から容易に行うことができ、かつ、胴縁の形状にかかわらずパネルを支柱に取り付けることのできるフェンス用継手を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、上記課題を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0016】
本発明に係るフェンス用継手は、縦線材と横線材とが格子状に溶接されることによって形成されると共に、折り曲げた前記縦線材の端部の外側に前記横線材を溶接することによって形成された胴縁を備えるパネルを、支柱に固定するためのフェンス用継手において、前記支柱に取り付けられる継手本体と、前記胴縁の外側に当接する留め金具とを備え、前記継手本体は、前記支柱と当接する固定部と、前記固定部に対して横方向に延出する側片部とを備え、前記側片部は、前記胴縁の外側に当接すると共に前記留め金具を固定するねじ部を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るフェンス用継手において、前記留め金具は、高さ方向に弧状に湾曲し、高さ方向に伸びる長孔を備えると好適である。
【0018】
本発明に係るフェンス用継手において、前記留め金具は、高さ方向の端部に前記横線材を保持するフックを備えると好適である。
【0019】
本発明に係るフェンス用継手において、前記固定部は、前記継手本体の長手方向に弧状に湾曲すると好適である。
【0020】
本発明に係るフェンス用継手において、前記固定部と前記側片部は、接続部を介して連続し、前記側片部は、前記固定部に対して奥行方向奥側に位置すると好適である。
【0021】
上記発明の概要は、本発明に必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、パネルの支柱への取り付け及び取り外し作業をパネルの片側から容易に行うことができ、かつ、胴縁の形状にかかわらずパネルを支柱に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明のフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図
図2】本発明のフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向奥側から見た斜視図
図3図1のA-A断面図
図4】本発明のフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す部分断面図
図5】本発明のフェンス用継手に係る継手本体を示す斜視図
図6】本発明のフェンス用継手に係る留め金具を示す斜視図
図7】本発明のフェンス用継手を用いてパネルを取り付ける工程を示す斜視図
図8】従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す正面図
図9】従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す平面図
図10】従来継手によりパネルを支柱に固定した状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0025】
図1は、本発明のフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向手前側から見た斜視図、図2は、本発明のフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す奥行方向奥側から見た斜視図、図3は、図1のA-A断面図、図4は、本発明のフェンス用継手を用いて構成されるフェンスの一形態を示す部分断面図、図5は、本発明のフェンス用継手に係る継手本体を示す斜視図、図6は、本発明のフェンス用継手に係る留め金具を示す斜視図、図7は、本発明のフェンス用継手を用いてパネルを取り付ける工程を示す斜視図である。なお、本明細書において、奥行方向における手前側及び奥側とは、図1及び図2に示す矢印の方向と向きと定義する。また、本明細書において、フェンスの幅方向とは、図1及び図2に示す矢印の方向と定義する。
【0026】
本実施形態に係るフェンス用継手1は、図1及び図2に示すように、支柱16に取り付けられ、パネル11を支柱16に固定する。
【0027】
支柱16は、一例として、丸パイプ状の鋼管が用いられ、下端部をモルタル等の基礎に埋没して地面に立設される。また、支柱16は、敷地境界部に沿って離間して複数設置される。なお、支柱16は、丸パイプ状の鋼管に限らず、断面形状が多角形のパイプでもよく、ステンレス合金やアルミニウム合金等の金属を用いたものであっても構わない。また、支柱16の立設方法についても、モルタル等の基礎に埋没するものに限らず、支柱16を土面に直接打設する方法や、コンクリート面等の上にベースプレートを設置して立設する方法等、既知の方法によって立設しても構わない。
【0028】
パネル11は、従来の実施形態と同様に、複数の縦線材12と複数の横線材13とを格子状に配設される。縦線材12及び横線材13は、一例として、鉄線からなり、格子状に配設したそれぞれの交点が溶接により接続される。なお、縦線材12及び横線材13には、錆等による腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0029】
パネル11の胴縁14は、一例として、リング状に折り曲げられた縦線材12の外側に横線材13を溶接することによって形成される。また、胴縁14には、図3に示すように、リング状に折り曲げられた縦線材12の根本部分と縦線材12の先端面との間に隙間Sが形成される。なお、胴縁14として折り曲げられる縦線材12の先端部の形状は、リング状に限らず適宜設定されてもよく、例えば、矩形等の形状であっても構わない。また、図示の胴縁14は、パネル11の上部の胴縁14を示すが、胴縁14は、パネル11の下部に形成されても構わない。
【0030】
フェンス用継手1は、敷地境界部に沿って離間して設置される複数の支柱16にそれぞれボルト26及びナット25によって取り付けられ、パネル11の左右両端部を支柱16に固定することで、必要とする幅方向の長さの一続きのフェンスを構築することができる。
【0031】
ボルト26は、図4に示すように、丸頭部26aと丸頭部26aに近い基部に断面四角形の角根部26bとを備える。
【0032】
フェンス用継手1は、図1及び図2に示すように、支柱16に当接する継手本体2と、継手本体2に取り付けられ胴縁14を挟み込むように保持する留め金具3を備える。なお、図示のフェンス用継手1は、支柱16の上部の胴縁14に取り付けられたものを示すが、フェンス用継手1は、支柱16の下部の胴縁14に取り付けても構わない。
【0033】
継手本体2は、図5に示すように、フェンスの幅方向を長手とする板状の部材であって、支柱16と当接する固定部5と、固定部5から奥行方向奥側に延出する接続部7と、接続部7からフェンスの幅方向外側に延出する側片部6を有する。継手本体2は、一例として鋼板からなり、錆などによる腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0034】
固定部5は、一例として、支柱16の円柱側面に沿って当接するように、継手本体2の長手方向に弧状に湾曲し、略中央部にボルト孔51が形成される。ボルト孔51は、ボルト26の角根部26bの辺よりも僅かに大きな辺からなる矩形の貫通孔であると好適である。このように、フェンス用継手1の固定に角根部26bを有するボルト26を用い、固定部5のボルト孔51を矩形とすることで、ナット25による締め付けの際にボルト26の供回りを防ぐことが出来る。なお、固定部5は、弧状に湾曲した形状に限らず、支柱16の断面形状が多角形等である場合には、支柱16の側面形状に応じて適宜設定して構わない。
【0035】
接続部7は、図4に示すように、固定部5から奥行方向奥側に傾斜して延出するように形成され、固定部5に対する側片部6の奥行方向の位置を決定する。このように接続部7が固定部5から奥行方向奥側に傾斜して延出することにより、パネル11の奥行方向の位置が支柱16の径方向中心と揃うように、パネル11を支柱16に取付けることができる。
【0036】
側片部6は、図5に示すように、接続部7からフェンスの幅方向外側に延出するように形成され、略中央部にねじ部61を備える。なお、側片部6の延出方向は、フェンスの幅方向外側に限らず、フェンスが設置される敷地境界部の形状に合わせて適宜設定して構わず、左右の側片部6がそれぞれ異なる角度に延出しても構わない。
【0037】
ねじ部61は、一例として、図3及び図5に示すように、全ねじを切ったボルトが用いられ、ナットによって側片部6に取り付けられる。ねじ部61は、側片部6から奥行方向手前側に向かって延出するように取り付けられる。ねじ部61は、リング状に形成された胴縁14の径よりも十分に長く設定され、図3に示すように、側片部6と留め金具3によって胴縁14を挟持した状態でナットによる締付けが可能な長さとなるように設定される。なお、ねじ部61は、全ねじを切ったボルトをナットによって固定したものに限らず、側片部6に溶接等によって直接取り付けられるねじであっても構わない。
【0038】
留め金具3は、図6に示すように、フェンスの高さ方向を長手とする板状の部材であって、留め金具3の長手方向に弧状に湾曲する押さえ部31と、押さえ部31の上端部に、半円状に湾曲するフック33が形成される。留め金具3は、一例として鋼板からなり、錆などによる腐食を防ぐために、亜鉛メッキや、ポリエステル樹脂をベース塗料とする静電粉体塗装等が施されると好適である。
【0039】
押さえ部31は、図3に示すように、継手本体2への取付け状態において、胴縁14の外側に位置する横線材13と当接する。押さえ部31は、胴縁14を形成するリング状に折り曲げられた縦線材12の曲率半径に対応するように湾曲されると好適である。また、押さえ部31は、略中央部に留め金具3の長手方向に延びる長孔32を備える。
【0040】
長孔32は、短手方向の大きさがねじ部61のねじ径よりも大きく、図3に示すように、継手本体2への取付け状態において、ねじ部61を通し、留め金具3が高さ方向に移動自在になるように形成される。
【0041】
フック33は、図3に示すように、押さえ部31の湾曲方向と同じ方向に湾曲する半円状に形成され、横線材13に引掛けることを可能とする。なお、フック33は、図6に示すように、押さえ部31の端部を屈曲して形成してもよく、押さえ部31とは別の部品であって、押さえ部31に溶接等によって取り付けても構わない。
【0042】
次に、このようなフェンス用継手1を用いて、パネル11を支柱16に取り付ける方法について説明を行う。
【0043】
先ず、図7に示すように、支柱16に継手本体2の固定部5を当接させ、ボルト26を継手本体2のボルト孔51から支柱16を通し、ボルト26にワッシャーを通した後ナット25を締め付ける。これによって、継手本体2は支柱16に固定される。
【0044】
次に、パネル11の胴縁14を継手本体2の側片部6にあてがう。この時、胴縁14の縦線材12及び横線材13の間にねじ部61が通るようにパネル11の位置を調整する。なお、ねじ部61は、リング状に形成された胴縁14の径よりも十分に長く設定されているため、ねじ部61に胴縁14の横線材13を引掛けて、パネル11を仮置きすることができ、作業中に作業者がパネル11から手を放しても落下するおそれがない。
【0045】
次に、胴縁14を貫通し奥行方向手前側に突出しているねじ部61に留め金具3の長孔32を通し、胴縁14の横線材13に留め金具3のフック33を引掛ける。留め金具3の長孔32は、フェンスの高さ方向に延びる長孔に形成されているため、容易にフック33を横線材13に引掛けるように、留め金具3の高さ方向の位置を調整することができる。
【0046】
次に、ねじ部61にワッシャーを通し、ナット62を締め付けて留め金具3を固定する。このとき、ねじ部61は、側片部6にナットによって固定されているため、ナット62の締付けによって供回りすることがない。また、留め金具3は、フック33によって横線材13に引掛けられているため、ナット62の締め付け作業の際、留め金具3から手を放しても落下するおそれがない。また、胴縁14の下部には隙間Sが形成されているため、ナット62を締め付けて留め金具3を固定する際、胴縁14は隙間Sが狭くなるように変形する。このため、胴縁14の弾性力によってナット62の緩み止め効果を得ることができる。
【0047】
このように、本実施形態のフェンス用継手1によれば、ナット62の締付けの際にねじ部61の軸回りの回転をパネル11の反対側から押さえる必要が無いため、パネル11の片側からの作業のみでパネル11の取り付け及び取り外しをすることができる。また、パネル11をねじ部61に仮置きした状態で作業をすることができるため、作業者は一人でパネル11の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0048】
また、本実施形態のフェンス用継手1によれば、胴縁14の外側から胴縁14を挟持してパネル11を保持するため、胴縁14の形状にかかわらず一種類のフェンス用継手1によってパネル11の固定を行うことが出来る。また、左右のパネル11は独立して取り外すことが可能であるため、フェンス全体の一部のパネル11の交換等、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0049】
なお、本実施形態において、フェンス用継手1は、固定部5に対して両側に側片部6を備え、支柱16の左右にパネル11を取り付ける場合について説明を行ったが、フェンス用継手1の形状はこれに限らず、固定部5に対して片側のみに側片部6を備え、支柱16の左右いずれか一方にパネル11を取り付けるように形成されても構わない。また、側片部6の形状は、上下の一部を屈曲させて胴縁14の外側に位置する横線材13に引掛けることができるような形状としてもよく、若しくは、胴縁14の外側に位置する横線材13に沿うように高さ方向に弧状に湾曲させた形状であっても構わない。このような側片部6の形状によれば、胴縁14を側片部6にあてがい、パネル11を留め金具3及びナット62を用いて固定する際に、パネル11を安定させた状態で作業を行うことができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0050】
1 フェンス用継手
2 継手本体
3 止め金具
5 固定部
6 側片部
7 接続部
11 パネル
12 縦線材
13 横線材
14 胴縁
15 従来継手
16 支柱
17 挿入部
18 固定部
19 螺合部
21 ボルト孔
22 固定金具
23 ねじ
24 ボルト
25 ナット
26 ボルト
26a 丸頭部
26b 角根部
31 押さえ部
32 長孔
33 フック
51 ボルト孔
61 ねじ部
62 ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10