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特開2024-101863回転成形体及び照明装置付き回転成形体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101863
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】回転成形体及び照明装置付き回転成形体
(51)【国際特許分類】
   F21V 3/02 20060101AFI20240723BHJP
   F21S 8/00 20060101ALI20240723BHJP
   F21S 9/03 20060101ALI20240723BHJP
   E01F 9/608 20160101ALI20240723BHJP
   E01F 9/615 20160101ALI20240723BHJP
   E01F 15/14 20060101ALI20240723BHJP
   E01F 15/04 20060101ALI20240723BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20240723BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240723BHJP
【FI】
F21V3/02 400
F21S8/00 300
F21S9/03
F21V3/02 600
E01F9/608
E01F9/615
E01F15/14
E01F15/04 Z
G09F13/04 S
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006034
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】506117840
【氏名又は名称】スイコー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 芸
【テーマコード(参考)】
2D064
2D101
5C096
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064AA22
2D064BA05
2D064CA03
2D064DA17
2D064EA04
2D064EA07
2D064EB05
2D064EB15
2D064GA03
2D101CA13
2D101EA01
2D101FA11
2D101GA30
5C096AA24
5C096BA01
5C096BB02
5C096CC06
5C096DB18
5C096FA01
5C096FA02
5C096FA05
(57)【要約】
【課題】異なる機能を有する複数の部位を備えた製品を少ない部品点数で製造することができ、製造しやすい回転成形体を提供する。
【解決手段】中空状の胴体部2を備え、胴体部2の内側空間に空間部3を有する樹脂製の回転成形体1である。胴体部2は、厚み寸法の異なる厚肉部20と薄肉部21とを有する。厚肉部20は、薄肉部21よりも厚み寸法が大きく形成される。厚肉部20と薄肉部21とは、一体に形成される。厚肉部20と薄肉部21とが異なる機能を有する部位として形成することができ、胴体部2の機能性を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状の胴体部を備え、前記胴体部の内側空間に空間部を有する樹脂製の回転成形体であって、
前記胴体部は、厚み寸法の異なる厚肉部と薄肉部とを有し、
前記厚肉部は、前記薄肉部よりも厚み寸法が大きく形成され、
前記厚肉部と前記薄肉部とは、一体に形成される、
回転成形体。
【請求項2】
前記胴体部は、前記薄肉部と対応する位置に凹段部を有する、
請求項1に記載の回転成形体。
【請求項3】
前記薄肉部は、透光性を有する、
請求項1に記載の回転成形体。
【請求項4】
前記胴体部は、前記厚肉部及び前記薄肉部の少なくとも一方で絵柄が形成される、
請求項1に記載の回転成形体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の回転成形体と、照明装置と、を備え、
前記照明装置の光源は、前記回転成形体の前記胴体部の前記空間部に収容される、
照明装置付き回転成形体。
【請求項6】
前記回転成形体が、照明カバー、ポール、標識、看板、遊具、置物及び椅子の群から選択される少なくとも一つである、
請求項5に記載の照明装置付き回転成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転成形体及び照明装置付き回転成形体に関するものである。より詳細には、回転成形により得られる成形体及び照明装置を備えた回転成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、地面などの施工面に立設固定されるボラードが記載されている。このボラードは、施工面に立設される芯材と、芯材の外周面を覆うクッション材とを備えている。ボラードの下部外面には、下部光源が設けられており、ボラードの上部外面には、夜間におけるボラードの視認性を高めるための上部光源が設けられている。また、ボラードの上端部には、下部光源及び上部光源に供給する電力を発電するための太陽光発電パネルが設けられており、太陽光発電パネルの直下には、太陽光発電パネルが発電した電力を蓄えるためのバッテリが設けられている。ボラードの上部に設けられたバッテリとボラードの下部に設けられた下部光源は、芯材の中空部の内部に通された電力供給ケーブルによって電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2013-30443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、多くの部品を組み合わせることにより、ボラードが形成されており、組み立てに手間がかかって、製造しにくい、という問題があった。
【0005】
本開示は、複数の機能を有する製品を少ない部品点数で製造することができ、製造しやすい回転成形体及び照明装置付き回転成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る回転成形体は、中空状の胴体部を備え、前記胴体部の内側空間に空間部を有する樹脂製の回転成形体である。前記胴体部は、厚み寸法の異なる厚肉部と薄肉部とを有する。前記厚肉部は、前記薄肉部よりも厚み寸法が大きく形成される。前記厚肉部と前記薄肉部とは、一体に形成される。
【0007】
本開示の一態様に係る照明装置付き回転成形体は、前記回転成形体と、照明装置と、を備える。前記照明装置の光源は、前記回転成形体の前記胴体部の前記空間部に収容される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、厚肉部と薄肉部とが異なる機能を有する部位として形成することができ、胴体部の機能性を向上させることができる。従って、複数の機能性を有する製品を少ない部品点数で製造しやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る照明装置付き回転成形体を示す斜視図である。
図2図2Aは、同上の平面図である。図2Bは、同上の正面図である。図2Cは、同上の側面図である。
図3図3は、図2AのA-Aの位置における回転成形体を示す断面図である。
図4図4Aは、同上の回転成形体の一部を示す断面図である。図4Bは、同上の他の回転成形体の一部を示す断面図である。
図5図5は、図2AのA-A断面を示す断面図である。
図6図6Aは、同上の一部を拡大した断面図である。図6Bは、同上の一部を拡大した断面図である。
図7図7A~Cは、同上の回転成形体の他例を示す斜視図である。
図8図8A~Cは、同上の回転成形体の他例を示す斜視図である。
図9図9A~Cは、同上の回転成形体の他例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る回転成形体1及び照明装置付き回転成形体10について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(実施形態)
(1)概要
本実施形態に係る回転成形体1は、回転成形法で成形される樹脂成形品である。回転成形体1は、中空状の胴体部2を備える。胴体部2は内側空間に空間部3を有する。また胴体部2は、厚み寸法の異なる厚肉部20と薄肉部21とを有する。ここで、厚み方向とは、中空状の胴体部2を平面視した場合(上から見た場合)の直径方向と同等である。厚肉部20は薄肉部21よりも厚み寸法が大きい(厚い)。逆に言うと、薄肉部21は厚肉部20よりも厚み寸法が小さい(薄い)。
【0012】
そして、本実施形態の回転成形体1は、厚肉部20と薄肉部21とが、一体に形成される。ここで、「一体に形成される」とは、複数の部品を接着などして組み立てることは含まない。すなわち、厚肉部20と薄肉部21とは、回転成形法により一体的に成形された部分であり、継ぎ目なく、連続的に形成された部分である。
【0013】
本実施形態の回転成形体1は、厚肉部20と薄肉部21とが、一体に形成されるため、別々の機能を有する部材を組み合わせて胴体部2を形成する必要がなく、異なる機能を有する部位を有する回転成形体1を少ない部品点数で製造することができる。例えば、回転成形体1の形状、強度、耐久性、遮光性を保持するための厚肉部20と、光を取り出すために薄く形成された薄肉部21とを、別々の部品を組み立てて形成する必要がない。従って、照明装置付きの製品を少ない部品点数で製造することができ、製造しやすい。
【0014】
(2)詳細
図1及び図2A~Cは、本実施形態に係る照明装置付き回転成形体10を示している。この照明装置付き回転成形体10は、照明装置付き車両進入防止ポール(ボラード)である。以下、照明装置付き車両進入防止ポールについて説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。照明装置付き回転成形体10は、図5に示すように、回転成形体1と照明装置4とを備えている。
【0015】
(2-1)回転成形体
回転成形体1は樹脂製である。樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が使用されるが、これに限定されるものではない。回転成形体1は、回転成形法により形成される成形品である。回転成形法は、ブロー成形や射出成形に比べて、大型の中空製品が得やすい。また回転成形法は、ブロー成形や射出成形に比べて、ネジ、ボルト、ナット、補強部材などのパーツをインサート成形しやすい。また回転成形法により得られる成形品は、コーナー部分や稜線部分が厚肉になりやすく、コーナー部分や稜線部分の強度が向上しやすい。
【0016】
回転成形法により成形品を得るには、まず、金型内に必要量の原料を投入する。原料は、加熱工程で溶融しやすいように、0.1mm以上2.0mm以下程度の直径の粉末を使用するのが好ましい。次に、金型をバーナー等で加熱しながら回転させることで、投入した原料を溶融しながら金型の内面に付着させる。金型は、一軸又は二軸で回転させることができ、回転中に揺動させてもよい。次に、冷却により、金型の内面に付着した溶融樹脂を固化させる。この後、固化した樹脂成形品を脱型することにより、樹脂成形品が得られる。
【0017】
図3に示すように、回転成形体1は、中空状の胴体部2を有している。本実施形態では、胴体部2は上下方向を軸方向とし、軸方向と直交する方向が直径方向として形成されている。胴体部2は断面が円形の円筒状に形成されているが、これに限らず、胴体部2は断面が多角形の角筒状や球状に形成してもよい。胴体部2の内側空間は、照明装置4が収容可能な空間部3として形成されている。
【0018】
胴体部2は、厚肉部20と薄肉部21とを有している。厚肉部20と薄肉部21とは、それぞれ、胴体部2の周方向の全長にわたって形成されている。厚肉部20と薄肉部21とは、厚み寸法が異なる。厚肉部20の厚み寸法Dは、薄肉部21の厚み寸法dよりも大きい(厚い)。逆に言うと、薄肉部21の厚み寸法dは厚肉部20の厚み寸法Dよりも小さい(薄い)。厚肉部20の厚み寸法Dは、特に限定されないが、3mm以上30mm以下に形成することができ、好ましくは、5mm以上15mm以下に形成することができる。薄肉部21の厚み寸法dは、厚肉部20の厚み寸法Dよりも小さければ、特に限定されないが、1mm以上15mm以下に形成することができ、好ましくは、2mm以上10mm以下に形成することができる。
【0019】
厚肉部20と薄肉部21とは、胴体部2の内面側が面一に形成されているが、胴体部2の外面側においては、厚肉部20と薄肉部21との境界部分は段状に形成されている。胴体部2の外面には、凹段部22が形成されている。凹段部22は、薄肉部21に対応する位置に設けられている。つまり、薄肉部21は、凹段部22の深さ分だけ厚肉部20よりも厚み寸法が小さく形成されている。凹段部22は、切削加工により胴体部2の周方向の全長にわたって形成されている。なお、凹段部22は、胴体部2に部分的に形成してもよい。
【0020】
このような胴体部2を形成するにあたっては、まず、一定の厚み寸法を有する成形体を回転成形により形成する。ここで、一定の厚み寸法は、厚肉部20の厚み寸法Dに相当する。次に、一定の厚み寸法を有する成形体に対して切削加工を施して、成形体を外面から厚み方向に向かって切削することにより、凹段部22を形成する。そして、切削加工が施されなかった部分は、厚み寸法Dを有する厚肉部20として形成され、切削加工が施されて、凹段部22の深さ寸法分だけ厚みが薄くなった部分は、厚み寸法dを有する薄肉部21として形成される。このようにして、厚肉部20と薄肉部21とは、別々の部品を接合することなく、一体的に連続して形成することができる。なお、凹段部22は、切削加工で形成することもできるし、回転成形体1を成形する際の回転成形でも形成することができる。
【0021】
図4Aは、胴体部2の一部の断面図を示している。この場合、胴体部2は、厚み方向で積層される外側層23と内側層24とを備えている。外側層23は、胴体部2の外面(空間部3と反対側を向く面)を構成し、内側層24は胴体部2の内面(空間部3を向く面)を構成している。また厚肉部20は、外側層23と内側層24とが積層された部位で構成され、薄肉部21は、外側層23がない部分で構成され、内側層24のみで構成されている。複数の薄肉部21がある場合は、各薄肉部21の大きさ(長さ寸法、幅寸法及び厚み)は異なっていてもよい。薄肉部21の大きさは、凹段部22の大きさ(長さ寸法、幅寸法及び深さ)によって、調整することができる。
【0022】
図4Bは、他の胴体部2の一部の断面図を示している。この場合、胴体部2は、厚み方向で積層される外側層23と内側層24と中間層25とを備えている。外側層23は、胴体部2の外面(空間部3と反対側を向く面)を構成し、内側層24は胴体部2の内面(空間部3を向く面)を構成している。中間層25は、外側層23と内側層24との間に設けられている。また厚肉部20は、外側層23と内側層24と中間層25とが積層された部位で構成され、薄肉部21は、外側層23がない部分で構成され、内側層24のみあるいは内側層24と中間層25とで構成されている。複数の薄肉部21がある場合は、各薄肉部21の大きさ(長さ寸法、幅寸法及び厚み)は異なっていてもよい。薄肉部21の大きさは、凹段部22の大きさ(長さ寸法、幅寸法及び深さ)によって、調整することができる。例えば、凹段部22は、外側層23から中間層25を貫通し、内側層24にまで至るように形成することができる。また凹段部22は、外側層23から中間層25にまで至るように形成し、内側層24にまで達しないように形成することができる。
【0023】
胴体部2は、上厚肉部201と下厚肉部202との二つの厚肉部20を有する。上厚肉部201は、薄肉部21の上側に位置し、上厚肉部201の下端と薄肉部21の上端とが一体に形成されている。下厚肉部202は、薄肉部21の下側に位置し、下厚肉部202の上端と薄肉部21の下端とが一体に形成されている。上厚肉部201には、二つの突起部203が設けられている。突起部203は、上厚肉部201の内面側に突出して形成されており、二つの突起部203は左右方向に対向して設けられている。各突起部203に対応する位置において、上厚肉部201の外面には、凹所204が形成されている。凹所204は円形に形成され、上厚肉部201の外面から凹んで形成されている。凹所204は、切削加工で形成することもできるし、回転成形体1を成形する際の回転成形でも形成することができる。
【0024】
薄肉部21は透光性を有する。薄肉部21の透光性の程度は、特に限定されず、空間部3に配置された光源40が点灯しているか否かが視認できる程度の透光性であればよい。薄肉部21が厚肉部20と同じ樹脂で形成されている場合、薄肉部21は厚肉部20よりも薄く形成されているため、薄肉部21は厚肉部20よりも透光性が大きくなる。薄肉部21は透明又は半透明に形成することができる。厚肉部20は、薄肉部21よりも透光性が小さく、例えば、遮光性を有する。
【0025】
薄肉部21は透光性を有するため、空間部3に照明装置4の光源40を配置した場合に、光源40から発せられた光は、薄肉部21を通して胴体部2の外部に放射され、回転成形体1自体が明るく光ったり、回転成形体1の周囲が明るく照らされたりする。
【0026】
胴体部2は、顔料等で着色されていてもよいし、着色されていなくてもよい。また胴体部2には、印刷等により柄や模様が形成されていてもよい。例えば、胴体部2の厚肉部20には石材調の柄や模様を形成し、薄肉部21には柄や模様を形成せずに、樹脂自身の色(例えば、乳白色)で半透明の薄肉部21に形成することができる。また薄肉部21は、着色されていてもよい。
【0027】
回転成形体1は、さらに底部5を有する。底部5は、胴体部2の下面開口を塞ぐように形成されている。底部5は、胴体部2を形成する回転成形法により、胴体部2と一緒に形成される。従って、底部5は胴体部2と一体に形成されている。底部5の厚み寸法は薄肉部21の厚み寸法dよりも大きく形成されており、例えば、底部5の厚み寸法は、厚肉部20の厚み寸法Dと同じに形成することができる。これにより、底部5の強度は薄肉部21よりも大きくなり、厚肉部20と同程度の強度を有することになり、薄肉部21に比べて、変形が生じにくく、耐久性に優れる。
【0028】
底部5は、中央凸部52と外周部53とを有する。中央凸部52は、平面視で円形に形成され、底部5の中央部に位置している。外周部53は中央凸部52の周囲を囲うようにして、中央凸部52と一体に形成されている。また外周部53の先端部(中央凸部52と反対側の端部)は、胴体部2の下端(下厚肉部202の下端)と全周にわたって一体に形成されている。中央凸部52は外周部53よりも上側に位置している。すなわち、中央凸部52は外周部53から見て空間部3に突出するように形成されている。そして、回転成形体1を底面視する(下方から見る)と、底部5の中央部には、中央凸部52と対応する位置に円形の底凹部54が形成されている。なお、底凹部54は、切削加工で形成することもできるし、回転成形体1を成形する際の回転成形でも形成することができる。
【0029】
回転成形体1は、さらに上面部7を有する。上面部7は、胴体部2の上面開口の一部を塞ぐように形成されている。上面部7は、胴体部2を形成する回転成形法により、胴体部2と一緒に形成される。従って、上面部7は胴体部2と一体に形成されている。上面部7の厚み寸法は薄肉部21の厚み寸法dよりも大きく形成されており、例えば、上面部7の厚み寸法は、厚肉部20の厚み寸法Dと同じに形成することができる。これにより、上面部7の強度は薄肉部21よりも大きくなり、厚肉部20と同程度の強度を有することになり、薄肉部21に比べて、変形が生じにくく、耐久性に優れる。
【0030】
上面部7は、上面凹部70と貫通孔71とを有する。上面凹部70は、平面視で円形に形成され、上面部7の中央部に凹んで形成されている。貫通孔71は上面凹部70の底面部72の中央部に形成されている。貫通孔71は平面視で円形に形成され、上面部7の底面部72を厚み方向(上下方向)で貫通するように形成されている。上面部7の外周部は、胴体部2の上端(上厚肉部201の上端)と全周にわたって一体に形成されている。上面凹部70の底面部72は、上面部7の外周部よりも下側に位置している。すなわち、底面部72は上面部7の外周部から見て空間部3に突出するように形成されている。また底面部72には複数の突起部73が形成されている。各突起部73は底面部72から下方に向かって突出し、空間部3に配置されている。また複数の突起部73は、平面視で貫通孔71を開口縁部に沿って、貫通孔71を囲うように並んで形成されている。なお、上面凹部70及び貫通孔71は、切削加工で形成することもできるし、回転成形体1を成形する際の回転成形でも形成することができる。
【0031】
上記のように形成される回転成形体1は、胴体部2の厚肉部20と薄肉部21とが回転成形により一体に形成されている。また回転成形体1は、胴体部2と底部5と上面部7とが回転成形体1により一体に形成されている。従って、本実施形態の回転成形体1では、別部品を接合したときような継ぎ目がなく、空間部3への塵や埃、水などの異物の侵入を低減することができる。
【0032】
(2-2)照明装置付き回転成形体
本実施形態に係る照明装置付き回転成形体10は、上記の回転成形体1と照明装置4とを備える。図5に示すように、照明装置4は、光源40を備える。光源40は給電により発光するものであり、例えば、発光ダイオードを用いたLED電球などを使用することができる。照明装置4は、ソケット41を備える。ソケット41は光源40と電気的及び機械的に接続される。照明装置4は、基台42を備える。基台42はステンレス鋼などの金属で形成されるものであり、一対の脚部422と、一対の脚部422の間に架け渡された設置台421とを備える。ソケット41は設置台421の上に固定されている。照明装置4は、プレート43を備える。プレート43はステンレス鋼などの金属で円盤状に形成されている。プレート43の上面には基台42の一対の脚部422が接合され、基台42がプレート43に固定されている。プレート43は、中央凸部52の上面に配置され、ボルトなどで形成される複数の固定具80で中央凸部52に固定されている。このようにして照明装置4の光源40は空間部3に設置される。また光源40は、ソケット41、基台42及びプレート43を介して中央凸部52に設置される。従って、中央凸部52は、照明装置4の光源40を設置するための台座部50として形成されている。
【0033】
照明装置4は、電源44を備える。電源44は、光源40に給電して点灯させるものである。電源44は、太陽電池パネル441を備える。太陽電池パネル441は、太陽光等の光により発電するものである。電源44は、制御基板442を備える。制御基板442は、太陽電池パネル441で発生した電気をバッテリ443に蓄電するための回路や、光源40の点灯及び消灯を制御するための回路などを有する。電源44は、バッテリ443を備える。バッテリ443は、太陽電池パネル441で発生した電気を蓄電する。電源44は、配線444を備える。配線444は、バッテリ443から光源40に給電したり、制御基板442から制御信号を送信したりするための電線である。
【0034】
電源44は、太陽電池パネル441で生じた電気が制御基板442を介してバッテリ443に供給され、バッテリ443にて蓄電される。バッテリ443に貯められている電気は、制御基板442及び配線444を通じてソケット41に供給され、ソケット41から光源40に給電されて光源40が点灯する。
【0035】
図5に示すように、電源44の制御基板442は、上面凹部70の底面部72上に配置される。このとき、制御基板442で貫通孔71が閉塞される。また制御基板442と底面部72との間にパッキン等の防水部材を設けることができる。制御基板442は、ボルト等の固定具81で固定される。固定具81は、制御基板442及び底面部72を上下方向に貫通して配置され、突起部73に埋設されたナット等の締結具82に締結される。このようにして制御基板442は、回転成形体1の上面凹部70に固定される。
【0036】
太陽電池パネル441は、制御基板442の上面に設けられている。太陽電池パネル441は、上面凹部70の上面開口よりも下側に位置している。またバッテリ443は、制御基板442の下面に設けられている。バッテリ443は、貫通孔71及び空間部3に配置されている。なお、バッテリ443は、空間部3に配置されていてもよい。配線444は、一端が制御基板442に接続され、他端がソケット41に接続されている。また配線444は、空間部3に配置されている。
【0037】
本実施形態の照明装置付き回転成形体10は、保護板12を備える。保護板12は、主に、太陽電池パネル441を風雨から保護するためのものである。保護板12は、透明な板材で形成され、例えば、ポリカーボネート製やアクリル樹脂製の円盤を使用することができる。保護板12は、上面部7上に配置され、ビス等の固定具83で上面部7に固定される。保護板12は、上面凹部70の上面開口を覆って配置される。
【0038】
本実施形態の照明装置付き回転成形体10は、固定部材6を備える。固定部材6は、照明装置付き回転成形体10を設置場所に固定するためのものである。固定部材6は、回転成形体1の中央凸部52に設けられている。従って、中央凸部52は固定部材6を設置するための設置部51として構成されている。すなわち、本実施形態では、中央凸部52が、照明装置設置用の台座部50と、固定部材設置用の設置部51と、で兼用されている。従って、部品点数を増やすことなく、照明装置4と固定部材6との設置を行うことができる。固定部材6は、ナットなどの締結具が使用される。固定部材6は、中央凸部52に設けた固定孔521に嵌め込まれて設けられている。固定孔521は、平面視における中央凸部52の中央部を厚み方向(上下方向)に貫通して形成されている。
【0039】
本実施形態の照明装置付き回転成形体10は、固定ピン9を備える。固定ピン9は、設置場所に設置された照明装置付き回転成形体10が、不用意に移動したり回転したりするのを防ぐためのものである。固定ピン9は、丸棒状のピン部90と、ピン部90の上端に設けられる係止部91と、係止部91に設けられたリング状の把持部92と、を備える。係止部91は釣鐘状に形成され、ピン部90よりも大きな直径を有する。把持部92は、固定ピン9を取り扱う際に手で持つ部分である。
【0040】
照明装置付き回転成形体10には、固定ピン9を差し込むための差し込み孔11が設けられている。差し込み孔11は、中央凸部52とプレート43とを上下方向で貫通するように形成されている。固定ピン9のピン部90は、差し込み孔11に上方から差し込むことができる。差し込み孔11にピン部90を差し込んだ状態で、係止部91は差し込み孔11の開口縁部に引っ掛かり、固定ピン9がさらに下方へと差し込み孔11に差し込まれるのを抑制する。差し込み孔11に差し込まれた状態のピン部90は、底凹部54を通じて底部5の外周部53よりも下側に突出する。また、差し込み孔11に差し込まれた状態のピン部90は、把持部92を持って差し込み孔11から引き抜くことができる。すなわち、ピン部90は差し込み孔11に対して抜き差し自在に形成されている。
【0041】
照明装置付き回転成形体10には、接続具84が設けられている。接続具84は、突起部203に埋設されている。接続具84はナットなどの締結具により形成されている。接続具84は、他部材を接続する際に使用される。他部材とは、例えば、チェーンなどであって、チェーンに設けたボルトなどを接続具84に締結することにより、照明装置付き回転成形体10にチェーンが取り付けられる。なお、接続具84及び締結具82は、回転成形体1の製造時にインサート成形することにより、埋設することができる。
【0042】
(2-3)照明装置付き回転成形体の設置方法
照明装置付き回転成形体10は、設置場所の地面Gなどに設置される。設置場所には、設置具13が設けられている。設置具13は、アンカーボルトなどのボルトであって、設置具13の下部は、設置場所の地面Gの下に埋設されている。設置具13の上部は、設置場所の地面Gの上に突出している。設置具13の上部には、雄めじが形成されている。また、設置場所には、設置具13の近くに、ピン固定孔14が設けられている。ピン固定孔14は、固定ピン9のピン部90が差し込まれて固定される孔である。ピン固定孔14の深さ寸法は、ピン部90の長さ寸法よりも大きい。またピン固定孔14の上端は、地面Gに開口している。
【0043】
そして、図6Aに示すように、照明装置付き回転成形体10の固定部材6と設置具13とを結合することにより、照明装置付き回転成形体10を設置することができる。固定部材6と設置具13とを結合するにあたっては、矢印イのように、固定部材6を通る回転成形体1の軸を中心として、照明装置付き回転成形体10全体を回転させる。これにより、固定部材6の雌ねじと設置具13の雄ねじとを締結することができる。
【0044】
照明装置付き回転成形体10は、底部5の下面(外周部53の下面)が地面Gに接触するようにして配置される。また固定部材6に締結された設置具13の上端は、プレート43に設けた貫通孔431を通ってプレート43上に突出する。貫通孔431は、固定部材6と対向する位置に設けられ、プレート43を上下方向で貫通している。
【0045】
設置後の照明装置付き回転成形体10は、固定ピン9により、回転するのが抑制される。すなわち、固定部材6と設置具13とを締結した状態で、照明装置付き回転成形体10の差し込み孔11をピン固定孔14に位置合わせする。これにより、ピン固定孔14の上端開口の上方に差し込み孔11を対向させて配置する。次に、図6Bに矢印ロで示すように、固定ピン9を差し込み孔11に上方から近づけて、ピン部90を差し込み孔11に差し込む。ピン部90は、差し込み孔11及び底凹部54を通過して外周部53よりも下方に突出し、ピン固定孔14に差し込まれる。そして、照明装置付き回転成形体10は、ピン部90がピン固定孔14に引っ掛かることにより、回転しないように固定される。従って、照明装置付き回転成形体10が不用意に回転して固定部材6と設置具13との締結が外れるのを抑制することができる。
【0046】
上記のようにして設置された照明装置付き回転成形体10は、照明装置付き車両進入防止ポールとして使用される。また、光源40から発生する光は、薄肉部21を通して空間部3の外部に放射される。従って、照明装置付き回転成形体10が目立ちやすくなり、また照明装置付き回転成形体10の周辺を明るく照らすことができ、防犯効果が向上する。また照明装置付き回転成形体10は、通常は、設置場所に固定されて使用されるが、災害時等には、取り外して設置場所以外の場所で使用することができる。照明装置付き回転成形体10を設置場所から取り外すにあたっては、把持部92を持って固定ピン9を引き上げて、ピン部90をピン固定孔14及び差し込み孔11から引き抜く。この後、照明装置付き回転成形体10を矢印イとは逆向きに回転させる。これにより、固定部材6と設置具13との締結を外し、照明装置付き回転成形体10を移動可能とすることができる。従来の車両進入防止ポールは、鉄などの金属製や石材などで形成されており、非常に重く、搬送しにくい。一方、本実施形態の照明装置付き回転成形体10は、樹脂製であるため、重量が小さくなり、搬送しやすい。
【0047】
(変形例)
実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0048】
実施形態では、回転成形体として車両進入防止ポールを説明し、照明装置付き回転成形体として照明装置付き車両進入防止ポールを説明したが、これに限定されない。例えば、回転成形体としては、照明カバー、標識、看板、遊具、置物(オブジェ)、椅子などを例示することができる。また、回転成形体が照明カバーの場合、照明装置付き回転成形体は外灯などの照明器具となる。同様に、回転成形体が標識、看板、遊具及び椅子の場合、照明装置付き回転成形体は、それぞれ、照明装置付き標識、照明装置付き看板、照明装置付き遊具及び照明装置付き椅子となる。
【0049】
実施形態では、実施形態では、光源40として、LED電球を使用したが、これに限られない。光源40としては、白熱電球や電球型蛍光灯などを使用することができる。また、光源40の電源44として、太陽電池パネルを使用したが、これに限定されない。光源40の電源44としては、蓄電池や商用電源を使用することができ、太陽電池パネルは使用しなくてもよい。
【0050】
実施形態では、回転成形体1を形成する樹脂として、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を使用したが、これに限られない。回転成形体1を形成する樹脂としては、回転成形により成形可能な樹脂であれば使用することができる。回転成形体1を形成する樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂として、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、側鎖分岐低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと1-ブテン、1-オクテン等のα-オレフィンとの共重合体などのポリオレフィン、ポリスチレン、高衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。これらの中で、ポリオレフィン及びポリカーボネートが好ましく、ポリエチレン及びポリカーボネートがより好ましい。
【0051】
また、回転成形体1を形成する樹脂は、1種類だけでなく、2種類以上を組み合わせて使用することができる。例えば、厚肉部20を種類の異なる複数の樹脂で複層(多層)に形成し、薄肉部21を単層あるいは種類の異なる複数の樹脂で複層(多層)に形成するようにしてもよい。この場合、厚肉部20を構成する層のうちの少なくとも1層と同じ樹脂で、薄肉部21を形成することができ、より具体的には、例えば、厚肉部20を内層と外層の2層で形成し、薄肉部21を厚肉部20の内層と一体に形成された1層のみで形成することができる。
【0052】
実施形態では、凹段部22を胴体部2の外面に形成したが、胴体部2の内面に凹段部22を形成してもよい。この場合、厚肉部20と薄肉部21とは、胴体部2の外面側において、面一に形成される。
【0053】
また、厚肉部20及び薄肉部21は、それぞれ、回転成形体1に複数個設けてもよい。
【0054】
図7Aに示す回転成形体1は、胴体部2の下側の約1/3と底部(図示省略)とが厚肉部20として形成され、胴体部2の上側の約2/3と上面部7とが薄肉部21として形成されている。図7Bに示す回転成形体1は、胴体部2の下側の約2/3と底部(図示省略)とが薄肉部21として形成され、胴体部2の上側の約1/3と上面部7とが厚肉部20として形成されている。図7Cに示す回転成形体1は、胴体部2のほぼ全体が厚肉部20として形成されるが、胴体部2の複数の部分が薄肉部21として形成されている。複数の薄肉部21は、花柄などの絵柄を構成している。
【0055】
図8Aに示す回転成形体1は、角筒状の胴体部2の下側の約1/3と底部(図示省略)とが厚肉部20として形成され、胴体部2の上側の約2/3と上面部7とが薄肉部21として形成されている。図8Bに示す回転成形体1は、角筒状の胴体部2のほぼ全体が厚肉部20として形成されるが、胴体部2の複数の部分が薄肉部21として形成されている。複数の薄肉部21は、胴体部2の周方向に延びる線状に形成され、上下に並んで設けられている。図8Cに示す回転成形体1は、角筒状の胴体部2のほぼ全体が厚肉部20として形成されるが、胴体部2の複数の部分が薄肉部21として形成されている。複数の薄肉部21は、花柄などの絵柄を構成している。
【0056】
図9Aに示す回転成形体1は、球状の胴体部2と、胴体部2の下側に設けられた載置台15とを有している。そして、胴体部2の全体が薄肉部21として形成され、載置台15の全体が厚肉部20として形成されている。図8Bに示す回転成形体1は、球状の胴体部2のほぼ全体及び載置台15が厚肉部20として形成されるが、胴体部2の複数の部分が薄肉部21として形成されている。複数の薄肉部21は、胴体部2の周方向に延びる線状に形成され、上下に並んで設けられている。図8Cに示す回転成形体1は、球状の胴体部2のほぼ全体及び載置台15が厚肉部20として形成されるが、胴体部2の複数の部分が薄肉部21として形成されている。複数の薄肉部21は、花柄などの絵柄を構成している。
【0057】
上記絵柄は、薄肉部21で形成しているが、これに限らず、厚肉部20で絵柄を構成してもよい。
【0058】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様は、中空状の胴体部(2)を備え、胴体部(2)の内側空間に空間部(3)を有する樹脂製の回転成形体(1)である。胴体部(2)は、厚み寸法の異なる厚肉部(20)と薄肉部(21)とを有する。厚肉部(20)は、薄肉部(21)よりも厚み寸法が大きく形成される。厚肉部(20)と薄肉部(21)とは、一体に形成される。
【0059】
この態様によれば、厚肉部(20)と薄肉部(21)とが異なる機能を有する部位として形成することができ、胴体部(2)の機能性を向上させることができる。従って、異なる機能を有する複数の部位を備えた製品を少ない部品点数で製造することができ、製造しやすい、という利点がある。
【0060】
第2の態様は、第1の態様に係る回転成形体(1)であって、胴体部(2)は、薄肉部(21)と対応する位置に切削加工による凹段部(22)を有する。
【0061】
この態様によれば、薄肉部(21)を切削加工により容易に形成することができる、という利点がある。
【0062】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る回転成形体(1)であって、薄肉部(21)は、透光性を有する。
【0063】
この態様によれば、光が薄肉部(21)を通して空間部(3)に入射したり出射したりすることができ、空間部(3)に照明装置(4)が配置された場合に、薄肉部(21)を通じて空間部(3)の外部に取り出すことができる。従って、照明装置付きの製品を少ない部品点数で製造することができ、製造しやすい、という利点がある。
【0064】
第4の態様は、第1~3のいずれか1つ態様に係る回転成形体(1)であって、胴体部(2)は、厚肉部(20)及び薄肉部(21)の少なくとも一方で絵柄が形成される。
【0065】
この態様によれば、回転成形体(1)のデザイン性を向上させることができる、という利点がある。
【0066】
第5の態様は、第1~4のいずれか1つの態様に係る回転成形体(1)と、照明装置(4)と、を備える照明装置付き回転成形体(10)である。照明装置(4)の光源(40)は、回転成形体(1)の胴体部(2)の空間部(3)に収容される。
【0067】
この態様によれば、空間部(3)に配置された光源(40)から発生する光が、薄肉部(21)を通じて空間部(3)の外部に取り出すことができる。従って、照明装置付きの製品を少ない部品点数で製造することができ、製造しやすい、という利点がある。
【0068】
第6の態様は、第5の態様に係る照明装置付き回転成形体(10)であって、回転成形体(1)が、照明カバー、ポール、標識、看板、遊具、置物及び椅子の群から選択される少なくとも一つである。
【0069】
この態様によれば、照明装置付きの各種製品を少ない部品点数で製造することができ、製造しやすい、という利点がある。
【符号の説明】
【0070】
1 回転成形体
2 胴体部
20 厚肉部
21 薄肉部
22 凹段部
3 空間部
4 照明装置
40 光源
10 照明装置付き回転成形体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9