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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101866
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】鉄道車両用内装構造および鉄道車両
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/00 20060101AFI20240723BHJP
   B61D 37/00 20060101ALI20240723BHJP
   B60N 3/02 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
B61D37/00 Z
B60N3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006038
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】山口 陽子
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 エミリ
(72)【発明者】
【氏名】塩野 太郎
(72)【発明者】
【氏名】小牧 一郎
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088CA06
3B088DA06
(57)【要約】
【課題】車室に内装部材を設置する鉄道車両用内装構造であって、乗客の邪魔にならないように車室内で傘や杖を保持すること。
【解決手段】鉄道車両1の車室2には、例えば、乗客が握るスタンションポールが設置されている。そのスタンションポール6には、ブラケット10の一端が接続している。ブラケット10には、傘や杖を掛けるための上凹面71aが設けられている。上凹面71aは、ブラケット10の表面に対して凹んで設けられ、上方に開口している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の車室に設置される内装部材を有し、前記内装部材が、前記車室の内壁から内向きに突き出して立設される仕切りと、乗客が握る握り棒と、前記握り棒に一端が接続するブラケットとの少なくとも1つを含む鉄道車両用内装構造であって、
前記仕切りと、前記握り棒と、前記ブラケットとの少なくとも1つに、上方に開口する第1凹部が表面に対して凹んで一体に設けられている、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項2】
請求項1に記載する鉄道車両用内装構造において、
前記第1凹部が設けられた前記ブラケットの他端は、前記車室の内壁または前記仕切りに接続している、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項3】
請求項2に記載する鉄道車両用内装構造において、
前記ブラケットは、
前記握り棒に一端が接続し、前記第1凹部が設けられた第1ブラケットと、
前記第1ブラケットより下側の位置に配置される第2ブラケットと、
を有し、
前記第2ブラケットは、前記第1ブラケットの前記第1凹部に対応する位置に、第2凹部が側方に開口して設けられている、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項4】
請求項3に記載する鉄道車両用内装構造において、
前記ブラケットは、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間に介在する中間部を有し、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットと前記中間部とが一体成形されている、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項5】
請求項3に記載する鉄道車両用内装構造において、
前記第1ブラケットは、傘あるいは杖を前記第1凹部に掛けた場合に、前記傘あるいは前記杖の下端部を前記車室の床に接触させない高さに配置され、
前記第2ブラケットは、前記第1凹部に掛けられた前記傘あるいは前記杖を前記第2凹部で係止可能な高さに設置されている、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項6】
請求項5に記載する鉄道車両用内装構造において、
前記ブラケットの一端が接続する握り棒は、幼児の手が届く高さに設置されている、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項7】
請求項3から請求項6の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造において、
前記ブラケットの一端が接続する握り棒は、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の領域が鉛直方向に沿って直線状に設けられている、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項8】
請求項3から請求項6の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造において、
前記ブラケットの一端が接続する握り棒は、前記第1ブラケットより上方に位置する第1ポール部と、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の配置される第2ポール部とを含み、
前記第2ポール部は、軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積が、前記第1ポール部を軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積より小さい、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項9】
請求項1から請求項6の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造において、
前記ブラケットは、前記第1凹部に接続する第3凹部が側方に開口して設けられている、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項10】
請求項1から請求項6の何れか一つに記載する鉄道車両用内装構造において、
前記第1凹部が形成される前記仕切りは、ロングシートの端部に設置される袖仕切りと、クロスシートと出入口との間を仕切る間仕切りとの少なくとも一方である、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項11】
請求項1に記載する鉄道車両用内装構造において、
前記第1凹部が形成される前記握り棒は、前記車室の内壁に固定される握り棒と、座席に接続する握り棒との少なくとも一方である、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項12】
車室の上下方向に設置される握り棒と、
一端が前記握り棒に接続するブラケットと、
を有し、
前記握り棒は、前記ブラケットより上側の第1ポール部と前記ブラケットより下側の第2ポール部とで形状が異なる、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項13】
車室の上下方向に設置される握り棒と、
一端が前記握り棒に接続する第1ブラケットと、
前記第1ブラケットより下側の位置に設置され、一端が前記握り棒に接続する第2ブラケットと、
を有し、
前記握り棒は、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の領域が鉛直方向に沿って直線状に設けられている、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【請求項14】
請求項1から請求項6、請求項11、請求項12、請求項13の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造を有することを特徴とする鉄道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示する技術は、鉄道車両用内装構造および鉄道車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鉄道車両の車室には、ロングシートが車室の内側壁に沿って配設され、ロングシートの両端にスタンションポールが上下方向に沿って設置されている。スタンションポールは、傘や買い物袋などを引っ掛けるためのフックを備えるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-37440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記鉄道車両用内装構造では、フックがスタンションポールの表面から側方に突き出している。このようなフックは、乗客がスタンションポールを握る際に邪魔になったり、乗客の服に引っかかったりして、邪魔になることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書において開示する鉄道車両用内装構造の一態様は、(1)鉄道車両の車室に設置される内装部材を有し、前記内装部材が、前記車室の内壁から内向きに突き出して立設される仕切りと、乗客が握る握り棒と、前記握り棒に一端が接続するブラケットとの少なくとも1つを含む鉄道車両用内装構造であって、前記仕切りと、前記握り棒と、前記ブラケットとの少なくとも1つに、上方に開口する第1凹部が表面に対して凹んで一体に設けられている。
【0006】
上記構成の鉄道車両用内装構造では、車室に設置される仕切り、握り棒、ブラケットの少なくとも1つに設けられた第1凹部に、傘や杖が掛けられる。第1凹部は、車室に設置される仕切り、握り棒、ブラケットの少なくとも1つに対して上方に開口して設けられている。そのため、傘や杖は、車両走行時に振動や慣性力が作用しても、第1凹部の内壁に接触して移動を制限され、第1凹部から脱落しにくい。第1凹部は、車室に設置される仕切り、握り棒、ブラケットの少なくとも1つに、表面に対して凹んで一体に設けられている。そのため、第1凹部が乗客の体に当たったり、乗客の服に引っかかったりしにくい。よって、上記構成によれば、車室に内装部材を設置する鉄道車両用内装構造であって、乗客の邪魔にならないように車室内で傘や杖を保持することができる。
【0007】
(2)(1)に記載する鉄道車両用内装構造において、前記第1凹部が設けられた前記ブラケットの他端は、前記車室の内壁または前記仕切りに接続している、ことが好ましい。
【0008】
上記構成の鉄道車両用内装構造によれば、握り棒を支持するブラケットが、傘や杖を保持する機能を有し、部品を追加しなくても乗客の利便性を向上させることができる。
【0009】
(3)(2)に記載する鉄道車両用内装構造において、前記ブラケットは、前記握り棒に一端が接続し、前記第1凹部が設けられた第1ブラケットと、前記第1ブラケットより下側の位置に配置される第2ブラケットと、を有し、前記第2ブラケットは、前記第1ブラケットの前記第1凹部に対応する位置に、第2凹部が側方に開口して設けられている、ことが好ましい。
【0010】
上記構成の鉄道車両用内装構造は、一端が握り棒に接続する第1ブラケットと第2ブラケットとが上下に配置されており、上側の第1ブラケットに設けられた第1凹部に傘や杖が掛けられる。傘や杖は、第1凹部に掛けられた部分を支点として第2ブラケット側に回動し、第2ブラケットの第2凹部に収まる。第1ブラケットの第1凹部と第2ブラケットの第2凹部との2点で支持される傘や杖は、車両走行時の振動や慣性力によって位置がずれにくく、乗客の邪魔になりにくい。また、第1凹部に掛けられた傘や杖は、第2ブラケットによって回動を制限されるので、揺動して乗客の邪魔になることが抑制される。よって、上記構成を有する鉄道車両用内装構造によれば、乗客の邪魔にならないように車室内で傘や杖を安定して保持することができる。
【0011】
(4)(3)に記載する鉄道車両用内装構造において、前記ブラケットは、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間に介在する中間部を有し、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットと前記中間部とが一体成形されてもよい。
【0012】
上記構成の鉄道車両用内装構造によれば、ブラケットは、傘や杖を保持する機能を損なわずに、握り棒に作用する荷重に対する補強が施される。
【0013】
(5)(3)または(4)に記載する鉄道車両用内装構造において、前記第1ブラケットは、傘あるいは杖を前記第1凹部に掛けた場合に、前記傘あるいは前記杖の下端部を前記車室の床に接触させない高さに配置され、前記第2ブラケットは、前記第1凹部に掛けられた前記傘あるいは前記杖を前記第2凹部で係止可能な高さに設置されている、ことが好ましい。
【0014】
上記構成の鉄道車両用内装構造では、第1ブラケットの第1凹部に掛けられた傘や杖が、ほぼ真下に吊り下げられ、乗客の邪魔になりにくい。
【0015】
(6)(1)から(5)の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造において、前記ブラケットの一端が接続する握り棒は、幼児の手が届く高さに設置されている、ことが好ましい。
【0016】
上記構成を有する鉄道車両用内装構造は、ブラケットの近くに立つ幼児が握り棒を握って体を支えることができる。
【0017】
(7)(3)から(6)の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造において、前記ブラケットの一端が接続する握り棒は、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の領域が鉛直方向に沿って直線状に設けられている、ことが好ましい。
【0018】
上記構成を有する鉄道車両用内装構造は、握り棒が第1ブラケットと第2ブラケットとの部分を鉛直方向に沿って直線状に設けられているので、手の短い子供でも握り棒を自然な姿勢で握ることができる。
【0019】
(8)(3)から(7)の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造において、前記ブラケットの一端が接続する握り棒は、前記第1ブラケットより上方に位置する第1ポール部と、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の配置される第2ポール部とを含み、前記第2ポール部は、軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積が、前記第1ポール部を軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積より小さい、ことが好ましい。
【0020】
上記構成を有する鉄道車両用内装構造は、第1ポール部より低い位置に配置される第2ポール部が第1ポール部より細いので、手の小さい子供でも第2ポール部を握り易い。
【0021】
(9)(3)から(8)の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造において、前記ブラケットは、前記第1凹部に接続する第3凹部が側方に開口して設けられている、ことが好ましい。
【0022】
上記構成を有する鉄道車両用内装構造は、第1ブラケットに掛けた傘や杖が、第1凹部と第2凹部とに加え、第1ブラケットの側方に開口する第3凹部にも収まって保持されるので、車両走行時の振動や慣性力などによって傘や杖の保持位置がずれにくい。
【0023】
(10)(1)から(9)の何れか一つに記載する鉄道車両用内装構造において、前記第1凹部が形成される前記仕切りは、ロングシートの端部に設置される袖仕切りと、クロスシートと出入口との間を仕切る間仕切りとの少なくとも一方である、ことが好ましい。
【0024】
上記構成を有する鉄道車両用内装構造によれば、袖仕切りあるいは間仕切りは、着座する乗客と出入り口に立つ乗客との干渉を防ぐ機能とともに、傘や杖を保持する機能を有し、部品を追加しなくても乗客の利便性を向上させることができる。
【0025】
(11)(1)から(10)の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造において、前記第1凹部が形成される前記握り棒は、前記車室の内壁に固定される握り棒と、座席に接続する握り棒との少なくとも一方である、ことが好ましい。
【0026】
上記構成を有する鉄道車両用内装構造によれば、車室の内壁あるいは座席に固定される握り棒は、当該握り棒を握る乗客を支える機能とともに、傘や杖を保持する機能を有し、部品を追加しなくても乗客の利便性を向上させることができる。
【0027】
本明細書において開示する鉄道車両用内装構造の別態様は、(12)車室の上下方向に設置される握り棒と、一端が前記握り棒に接続するブラケットと、を有し、前記握り棒は、前記ブラケットより上側の第1ポール部と前記ブラケットより下側の第2ポール部とで形状が異なる。
【0028】
本明細書において開示する鉄道車両用内装構造の別態様は、(13)車室の上下方向に設置される握り棒と、一端が前記握り棒に接続する第1ブラケットと、前記第1ブラケットより下側の位置に設置され、一端が前記握り棒に接続する第2ブラケットと、を有し、前記握り棒は、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の領域が鉛直方向に沿って直線状に設けられている。
【0029】
上記鉄道車両用内装構造の機能を有する鉄道車両も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0030】
上記構成によれば、車室に内装部材を設置する鉄道車両用内装構造であって、乗客の邪魔にならないように車室内で傘や杖を保持することができる技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】鉄道車両用内装構造の一例を示す図である。
図2】第1ブラケットを示す図である。
図3】第2ブラケットを示す図である。
図4】ブラケットおよびスタンションポールの取付構造を示す図である。
図5図1のA部断面図である。
図6】ブラケットおよびスタンションポールを通路側から見た図である。
図7】ブラケットおよびスタンションポールを側扉側から見た図である。
図8】第1ブラケットの第1変形例を示す図である。
図9】第2ブラケットの第1変形例を示す図である。
図10】第1ブラケットの第2変形例を示す図である。
図11】第2ブラケットの第2変形例を示す図である。
図12】スタンションポールの第1変形例を示す図である。
図13】スタンションポールの第2変形例を示す図である。
図14】スタンションポールの第3変形例を示す図である。
図15】鉄道車用内装構造の変形例である。
図16】鉄道車用内装構造の変形例である。
図17】鉄道車用内装構造の変形例である。
図18】鉄道車用内装構造の変形例である。
図19】鉄道車用内装構造の変形例である。
図20】鉄道車用内装構造の変形例である。
図21】鉄道車用内装構造の変形例である。
図22】鉄道車用内装構造の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本実施形態にかかる鉄道車両用内装構造および鉄道車両について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書は、スタンションポールおよび袖仕切りが内装部材として車室に設置された鉄道車両用内装構造について開示するものである。
【0033】
図1は、鉄道車両用内装構造の一例を示す図である。図中の前後、左右、上下、車長方向、車幅方向、車高方向は、鉄道車両1における向きと方向を示している。鉄道車両1は、車室2が車体3の内部に設けられている。車室2は、車幅方向両端部に内側壁21が設けられ、内側壁21の下部に床24が設けられている。内側壁21は、車室の内壁の一例である。
【0034】
車体3の側面には、乗客が鉄道車両1に乗り降りする側扉31が車長方向に所定間隔を空けて設けられている。車室2は、側扉31の間の領域にロングシート4が内側壁21に沿って配設されている。袖仕切り5は、ロングシート4の端に座っている乗客と側扉31付近に立っている乗客とを接触させないように、ロングシート4の車長方向両端部に設置されている。
【0035】
袖仕切り5の通路23側には、スタンションポール6が上下方向に沿って延設されている。スタンションポール6の上端部は、荷棚9に取り付けられている。スタンションポール6の下端部は、ブラケット10を介して袖仕切り5に取り付けられている。例えば、ロングシート4の端に座る乗客は、スタンションポール6に掴まって、座ったり立ち上がったりすることができる。また例えば、通路23に立っている乗客は、スタンションポール6を手で握って体を支えることができる。
【0036】
袖仕切り5は「仕切り」の一例である。スタンションポール6は「握り棒」の一例である。袖仕切り5とスタンションポール6とブラケット10は「内装部材」の一例である。
【0037】
袖仕切り5は、乗客が接触する部分に角部がないように、通路23側に位置する通路側端部51(以下「端部51」とする)が円弧状に設けられている。ブラケット10は、第1ブラケット7と、第1ブラケット7より下側に位置する第2ブラケット8と、を有する。第1ブラケット7と第2ブラケット8とは、通路23側に張り出すように、端部51に固定されている。スタンションポール6は、第1ブラケット7の先端部と第2ブラケット8の先端部に取り付けられ、第1ブラケット7と第2ブラケット8とに支持されている。
【0038】
図2(A)は、第1ブラケット7の上面図である。図2(B)は、第1ブラケット7の側面図である。第1ブラケット7は、梁部77と、支持部76とを有する。
【0039】
図2(A)および図2(B)に示すように、梁部77は、上端面71と、下端面72と、第1側面73と、第2側面74との4つの側面を備えている。4つの側面の基端側(図中左側)には、第1ブラケット7を袖仕切り5の端部51に取り付けるための取付面75が設けられている。
【0040】
図2(B)に示すように、取付面75は、円弧状に設けられた端部51(図1参照)に当接可能な形状に形成されている。第1ブラケット7は、梁部77の取付面75と反対側に位置する先端部に、スタンションポール6を支持するための支持部76が設けられている。支持部76は、ポール挿通穴76aが上下方向に貫通して設けられた円筒形状をなす。
【0041】
図2(A)および図2(B)に示すように、第1ブラケット7は、傘や杖を掛けて保持するための上凹面71aと第1側凹面73aと第2側凹面74aとが上端面71と第1側面73と第2側面74とに形成されている。
【0042】
図2(A)に示すように、梁部77は、第1側面73と第2側面74との間の厚みW11が支持部76の外径寸法W12より小さくされている。これにより、傘や杖を梁部77に掛けた場合に、傘のハンドルや杖のグリップがスタンションポール6より外側に張り出す量が抑制され、乗客の邪魔にならないように傘や杖を第1ブラケット7に掛けることが可能になる。
【0043】
図2(A)に示すように、第1側面73および第2側面74の支持部76の近傍には、第1側凹面73aと第2側凹面74aとが対称位置に設けられている。第1側凹面73aと第2側凹面74aとは上下方向に沿ってそれぞれ形成されている。第1側凹面73aは、第1側面73の表面から梁部77の厚み方向に凹むように第1側面73に形成され、側方に開口している。第2側凹面74aは、第2側面74の表面から梁部77の厚み方向に凹むように第2側面74に形成され、側方に開口している。
【0044】
第1側凹面73aと第2側凹面74aは、支持部76の外周面から滑らかに連なるように、第1側面73と第2側面74に形成されている。これにより、第1ブラケット7は、スタンションポール6から近い位置に傘や杖を掛けることが可能となり、傘や杖が着席している乗客の邪魔になりにくくなる。また、着席している乗客の足から極力離れた位置で傘を保持するので、着席している乗客が傘に付着する水滴や傘から滴り落ちる水滴によって濡れにくくなる。また、乗客の手や服などが第1側凹面73aと第2側凹面74aに引っかかりにくくなる。
【0045】
図2(A)に示すように、上端面71は、第1側凹面73aと第2側凹面74aとの間に、上凹面71aが梁部77の厚み方向に沿って設けられている。図2(B)に示すように、上凹面71aは、上端面71の表面から下向きに凹むように上端面71に形成されている。つまり、上凹面71aは、第1ブラケット7の表面に対して凹んで設けられ、上方に開口している。図2(A)および図2(B)に示すように、上凹面71aと第1側凹面73aと第2側凹面74aは、それぞれ、溝幅方向に沿って切断した断面の形状が円弧形状になるように形成されており、第1ブラケット7は乗客と接触する部分に直角あるいは鋭角の角部がなく、乗客の手や服が上凹面71aと第1側凹面73aと第2側凹面74aとにひっかかりにくいように構成されている。また、上凹面71aの最下端位置は、第1側凹面73aと第2側凹面74aの最深部位置と車両幅方向で略同一の位置に設けられている。
【0046】
図2(A)および図2(B)に示すように、支持部76は、ネジ挿通穴76b,76c,76d,76eが径方向に貫通して設けられ、スタンションポール6を第1ブラケット7に固定するための固定ネジ11がネジ挿通穴76b,76c,76d,76eにそれぞれ挿通される(図4参照)。図4に示すように、ネジ挿通穴76b,76cは、第1側面73側から支持部76に開設され、ポール挿通穴76aの中心軸方向に並んで設けられている。図2(B)に示すように、ネジ挿通穴76d,76eは、第2側面74側から支持部76に開設され、ポール挿通穴76aの中心軸方向に並んで設けられている。なお、ネジ挿通穴の数および形成位置は、本実施形態と異なってもよい。
【0047】
図3(A)は、第2ブラケット8の上面図である。図3(B)は、第2ブラケット8の側面図である。第2ブラケット8は、梁部87と支持部86とを備える。梁部87の上端面81は、凹面を形成されず、平坦な面のみで構成されている。第2ブラケット8の全長L21は、第1および第2ブラケット7,8を袖仕切り5の端部51に取り付けた場合に、支持部86が第1ブラケット7の支持部76と同軸上に配置されるように、設定されている。本実施形態では、第2ブラケット8の全長L21は第1ブラケット7の全長L11(図2(A)参照)より短くされている。この他は、第1ブラケット7と同様に、第1側凹面83aと第2側凹面84aが支持部86の外周面から滑らかに連なるように第1側面83と第2側面84に形成されているが、詳細な説明は省略する。
【0048】
本実施形態において、第1ブラケット7および第2ブラケット8の支持部76,86が設けられた先端部は「ブラケットの一端」の一例である。第1ブラケット7および第2ブラケット8の取付面75,85を備える基端部は「ブラケットの他端」の一例である。第1ブラケット7の上凹面71aは、第1凹部の一例である。第1ブラケット7の第1および第2側凹面73a,74aは、第3凹部の一例である。第2ブラケット8の第1側凹面83aおよび第2側凹面84aは、第2凹部の一例である。
【0049】
図4は、スタンションポール6の取付構造を示す図である。第1および第2ブラケット7,8は、取付面75,85を袖仕切り5の端部51にそれぞれ当接させた状態で、端部51に固定されている。スタンションポール6は、第1ブラケット7に対応する位置で、第1ポール61と第2ポール62とに分割されている。第1ポール61と第2ポール62とは、形状が異なっている。第1ポール61は「第1ポール部」の一例である。第2ポール62は「第2ポール部」の一例である。
【0050】
図1に示すように、第1ポール61は、上端部がカーブした形状をなす。第1ポール61は、第1ブラケット7より上方に配置され、荷棚9と第1ブラケット7とに接続されている。図4に示すように、第2ポール62は、直線状に形成されている。第2ポール62は、第1ブラケット7と第2ブラケット8との間に配置されている。第1ブラケット7と第2ブラケット8は、支持部76,86のポール挿通穴76a,86aが同軸上に配置されるように、袖仕切り5に取り付けられている。これにより、第2ポール62は、車室2の床24に対して垂直に配置される。第1ポール61と第2ポール62は、それぞれ、軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の形状が円形状をなす。
【0051】
図5に示すように、第2ポール62は、軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積が、第1ポール61の軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積より小さくなるように、設けられている。本実施形態では、第2ポール62の外径寸法D21は、幼児が握るのに適した値に設定されている。第1ポール61の外径寸法D11は、大人が握るのに適した値に設定されている。
【0052】
スタンションポール6は、第1ポール61の中空穴61aに第2ポール62を嵌め込んだ状態で、第1ブラケット7の先端部に設けられた支持部76のポール挿通穴76aに挿通されている。第1ポール61と第2ポール62には、支持部76のネジ挿通穴76b,76c,76d,76eに挿通した固定ネジ11(図4参照)が締結され、スタンションポール6が第1ブラケット7に結合されている。
【0053】
第1ポール61は、下端面がポール挿通穴76aより下方に突き出さないように第1ブラケット7の支持部76に取り付けられ、見栄え良く車室2に設置できる。また、第1ポール61の下端角部および第2ポール62の上端角部が、支持部76内に収容され、第2ポール62を握る子供の手や、座っている乗客が立つ際に第2ポール62を掴む手に当たらない。
【0054】
図4に示すように、第2ポール62の下端部は、第2ブラケット8のポール挿通穴86aに挿入される。本実施形態のポール挿通穴86aは、第1ブラケット7のポール挿通穴76aと同様に設けられ、第2ポール62より大径に設けられている。スタンションポール6は、リング部材88を介してポール挿通穴86aに第2ポール62を挿通した状態で、第2ブラケット8の先端部に設けられた支持部86のポール挿通穴86aに挿通されている。第2ポール62とリング部材88には、支持部86のネジ挿通穴86b,86c,86d,86eに挿通した固定ネジ11が締結され、スタンションポール6が第2ブラケット8に結合されている。なお、ポール挿通穴86aが第2ポール62と嵌合可能である場合には、リング部材88は省略してよい。
【0055】
第2ポール62は、下端面がポール挿通穴86aより下方に突き出さないように、第2ブラケット8の支持部86に見栄え良く取り付けられる。第2ポール62の下端角部が、支持部86内に収容されるので、幼児の手や乗客の荷物が第2ポール62の下端にひっかからない。
【0056】
図6は、スタンションポール6を通路側から見た図である。第1ブラケット7は、例えば、傘100を第1ブラケット7に掛けた場合に、傘100の下端部に位置する石突102を床24に接触させない位置に、取り付けられている。
【0057】
一般的に使用される傘100の全長は、ハンドル101や石突102の形状や長さにもよるが、90cm前後となる。取付高さH1が90cm未満であると、第1ブラケット7に掛けた傘100が床24に接触し、第1ブラケット7から外れたり、乗客の邪魔になったりする可能性がある。そこで、第1ブラケット7は、床24から第1ブラケット7の上端面71までの取付高さH1が90cm以上となるように、袖仕切り5に取り付けることが望ましい。本実施形態の取付高さH1は、101cmとする。
【0058】
図7は、スタンションポールを側扉31側から見た図である。第2ポール62は、幼児201が第2ポール62を握ることができる高さに設置されている。具体的に、第2ブラケット8は、床24から第2ブラケット8の上端面81までの取付高さH2が50cm以下となるように、袖仕切り5に取り付けることが望ましい。
【0059】
一般的に鉄道車両1に立って乗ることができるのは、筋力がついてきて動きが活発になる2~3歳の幼児201くらいからである。2.5歳幼児の平均身長は、85~95cmくらいである。取付高さH2が、50cmを超えると、身長が85~95cmの幼児201が腕を自然に曲げて第2ポール62を握ることができないからである。本実施形態の取付高さH2は、47cmとする。
【0060】
第2ポール62と袖仕切り5の端部51との間には、隙間S1が設けられている。隙間S1は、幼児の頭部および胴体が通り抜けない大きさとすることが望ましい。幼児の頭部および胴体サイズは、例えば、遊具の安全に関する基準(一般社団法人日本公園施設業協会)により設定される。具体的には、第2ポール62と袖仕切り5の端部51との間隔は、5cm以上であって、直径12.7cmの物体の侵入を抑制する間口を形成する間隔であることが望ましい。近年、電車通学する小学生がいる。間隔が5cm未満である場合、小学生の拳が第2ポール62と端部51との間から咄嗟に抜くことができないおそれがあるからである。間口が直径12.7cmを超える場合、幼児の頭部及び胴体が隙間S1に入り込んで抜けなくなるおそれがあるからである。
【0061】
第2ポール62と袖仕切り5の端部51との間の隙間S1の間隔は、第1ブラケット7から第2ブラケット8に向かって狭くなっている。本実施形態では、第2ブラケット8付近での第2ポール62と端部51との間隔W33は5cmに設定され、第1ブラケット7付近での第2ポール62と端部51との間隔W31が12.7cm以下に設定されている。
【0062】
続いて、スタンションポール6の取付方法を説明する。スタンションポール6は、図7に示すように、第1ポール61の下端部と第2ポール62の上端部とが第1ブラケット7の支持部76に挿入され、固定ネジ11によって支持部76に結合される。第2ポール62の下端部は、第2ブラケット8の支持部86に挿入され、固定ネジ11によって支持部86に結合される。このようにして第1および第2ブラケット7,8と結合されたスタンションポール6は、第1ポール61の上端部が荷棚9に固定される。第1および第2ブラケット7,8は、取付面75,85が袖仕切り5の端部51にネジ締結により取り付けられる。これにより、スタンションポール6が車室2に設置される。
【0063】
スタンションポール6は、第1ポール61が荷棚9から第1ブラケット7の支持部76に向かって通路23側に張り出すようにカーブしている。身長の高い人は手も長い。大人202は、身長が高く、手が長くなるほど、通路23から離れた位置で第1ポール61を握ることができるので、自然な姿勢で第1ポール61を握ることができる。
【0064】
鉄道車両1では、幼児201が第2ポール62を握ることができる高さに第2ポール62が設置されているので、ブラケット10の近くに立つ幼児201がスタンションポール6の第2ポール62を握って体を支えることができる。
【0065】
スタンションポール6は、第1ポール61と第2ポール62とで形状が異なるので、大人と子供に適した形状にすることができる。
【0066】
例えば、スタンションポール6は、第1ブラケット7と第2ブラケット8との間の領域、つまり、第2ポール62が、鉛直方向に沿って直線状に配置されているので、手が短い幼児201でも第2ポール62に手が届き、自然な姿勢で第2ポール62を握ることができる。また、第2ポール62が通路23側に張り出していないので、第2ポール62が乗客の邪魔になりにくく、立席定員数にも影響を与えない。
【0067】
スタンションポール6は、第1ポール61より低い位置に配置される第2ポール62が第1ポール61より細いので、手の小さい子供でも第2ポール62を握りやすい。
【0068】
続いて、傘100の保持方法について説明する。鉄道車両1は、図6に示すように、スタンションポール6と袖仕切り5との間に第1ブラケット7と第2ブラケット8とが上下に架設されており、上側の第1ブラケットに設けられた上凹面71aが上端面71の表面から下向きに凹むように形成され、上方に開口している。例えば、スタンションポール6の近くに立つ乗客は、側扉31側から上凹面71aに傘100を掛ける。また例えば、ロングシート4の端に座る乗客は、ロングシート4側から上凹面71aに傘100を掛ける。
【0069】
例えば、側扉31側から上凹面71aに掛けられた傘100は、上凹面71aに掛けられた部分を支点として第2ブラケット8側に回動し、第2ブラケット8の第1側凹面83aに収まる。また例えば、ロングシート4側から上凹面71aに掛けられた傘100は、上凹面71aに掛けられた部分を支点として第2ブラケット8側に回動し、第2ブラケット8の第2側凹面84aに収まる。
【0070】
傘100は、側扉31側とロングシート4側のどちらから上凹面71aに掛けられても、第1ブラケット7と第2ブラケット8との2点で支持されるので、車両走行時の振動や慣性力によってブラケット10から脱落しにくい。
【0071】
また、例えば、側扉31側から上凹面71aに掛けた傘100は、第2ブラケット8によって回動を制限され、下端部がシート4側にあまり飛び出さない。そのため、傘100から滴り落ちる水滴によって、ロングシート4に座っている乗客の足下が濡れることを抑制できる。例えば、ロングシート4側から上凹面71aに掛けた傘100は、第2ブラケット8によって回動を制限され、下端部が側扉31側にあまり飛び出さない。そのため、傘100が側扉31から出入りする乗客の邪魔になることを抑制できる。
【0072】
よって、鉄道車両1の車室2では、乗客の邪魔にならないように傘や杖を安定して保持することができる。また、傘100が他の乗客の邪魔にならないことで、トラブルを未然に防ぐことができる。さらに、車室2では、乗客の近くで傘100を保持するので、傘100の置き忘れを防止できる。
【0073】
傘100は、図6の実線に示すように、側扉31側から第1ブラケット7に掛けられた場合には、第1ブラケット7の上凹面71aと第2ブラケット8の第1側凹面83aに加え、第1ブラケット7の第2側凹面74aにハンドル101の先端部が係合されて保持される。傘100は、図6の二点鎖線に示すように、ロングシート4側から第1ブラケット7に掛けられた場合には、第1ブラケット7の上凹面71aと第2ブラケット8の第2側凹面84aに加え、第1ブラケット7の第1側凹面73aにハンドル101の先端部が収められて保持される。
【0074】
このように、鉄道車両1の車室2では、第1ブラケット7に掛けた傘100が、第1ブラケット7の上凹面71aと第2ブラケット8の第1側凹面83a(第2側凹面84a)とに加え、第1ブラケット7の第2側凹面74a(第1側凹面73a)にも収まって保持される。そのため、車室2では、車両走行時の振動や慣性力などによって傘100の保持位置がずれにくい。
【0075】
図6の実線および二点鎖線に示すように、乗客は、側扉31側とロングシート4側のどちらからでも傘100を第1ブラケット7の上凹面71aに掛けることができる。どちらから掛けても、傘100は、第2ブラケット8側に回動し、ほぼ真下に吊り下げられる。これにより、石突102が第2ブラケット8の真下付近に配置されるので、上凹面71aに掛けた傘100が他の乗客の邪魔になりにくい。
【0076】
車室2では、傘100が床24に接触しないように第1ブラケット7に吊り下げられるので、乗客の邪魔にならないように傘100を保持できる。また、例えば、急ブレーキがかかった場合でも、傘100が第1ブラケット7の上凹面71aおよび第2ブラケット8の第1側凹面83a(第2側凹面84a)に係合して倒れにくく、乗客の邪魔になりにくい。
【0077】
以上説明したように、本形態の鉄道車両用内装構造では、車室2に設置されるブラケット10に設けられた上凹面71aに、傘100が掛けられる。上凹面71aは、ブラケット10に対して上方に開口して設けられている。そのため、傘100は、車両走行時に振動や慣性力が作用しても、上凹面71aの内壁に接触して移動を制限され、上凹面71aから脱落しにくい。上凹面71aは、ブラケット10の上端面71aの表面に対して凹んで一体に設けられている。そのため、上凹面71aが乗客の体に当たったり、乗客の服に引っかかったりしにくい。よって、本形態によれば、車室2に内装部材を設置する鉄道車両用内装構造であって、乗客の邪魔にならないように車室2内で傘100を保持することができる。なお、杖を上凹面71aにかける場合も同様である。
【0078】
車室2は、スタンションポール6を支持するブラケット10が、上凹面71aを形成されることによって、傘100を保持する機能を有するので、部品を追加しなくても乗客の利便性を向上させることができる。
【0079】
本明細書に開示される実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。
【0080】
第2ポール62は、ゴムや樹脂など、柔らかい素材が外周面に装着されていてもよい。この場合、幼児などが第2ポール62を握りやすくなる。
【0081】
第2ブラケット8は、第1側凹面83aと第2側凹面84aは省略してもよい。ただし、第2ブラケット8が第1側凹面83aと第2側凹面84aとを備えることによって、傘100あるいは杖が、第1ブラケット7の上凹面71aと第2ブラケット8の第1側凹面83aまたは第2側凹面84aとの2点で支持される。これにより、傘100や杖は、車両走行時の振動や慣性力によって位置がずれにくく、乗客の邪魔になりにくい。また、上凹面71aに掛けられた傘100や杖は、第2ブラケット8によって回動を制限されるので、揺動して乗客の邪魔になることが抑制される。よって、かかる鉄道車両用内装構造によれば、乗客の邪魔にならないように車室2内で傘100や杖を安定して保持することができる。
【0082】
第1ブラケット7は、傘100を上凹面71aに掛けた場合に、傘100の下端部を床24に接触させる高さに設置されていてもよい。ただし、第1ブラケット7は、傘100を上凹面71aに掛けた場合に、傘100の下端部を床24に接触させない高さに設置されることにより、乗客の邪魔にならないように傘100を保持できる。また、この場合に、第2ブラケット8は、上凹面71aに掛けられた傘100を係止可能な高さに設置されなくもよい。ただし、第2ブラケット8は、上凹面71aに掛けられた傘100を係止可能な高さに設置されることにより、傘100が上凹面71aからほぼ真下に吊り下げられ、乗客の邪魔になりにくい。
【0083】
スタンションポール6は、幼児の手の届く高さに設置されない構造であってもよい。ただし、スタンションポール6は、幼児の手の届く高さに設置されることによって、ブラケット10の近くに立つ幼児がスタンションポール6を握って体を支えることができる。
【0084】
第1ブラケット7の第1側凹面73aと第2側凹面74aは省略してもよい。第1および第2ブラケット7、8は、第1側凹面73a,83aまたは第2側凹面74a,84aの何れか一方を備えていてもよい。第2ブラケット8が第1側凹面83aだけを備える場合、第1ブラケット7は第2側凹面74aを有し、第2ブラケット8が第2側凹面84aだけを備える場合、第1ブラケット7は第1側凹面73aを有することが望ましい。このように、第1および第2ブラケット7,8が前後互い違いに凹面を有することで、上凹面71aに掛けた傘100のハンドル101を第1側凹面73aまたは第2側凹面74aに係合させ、さらに、第2ブラケット8の第2側凹面84aまたは第1側凹面83aに係合させやすくなり、傘100の保持力が向上する。
【0085】
第1ブラケット7と第2ブラケット8の代わりに、例えば、図8および図9の第1変形例の第1ブラケット7Aと第2ブラケット8Aが使用されてもよい。第1ブラケット7Aおよび第2ブラケット8Aは、アーチ部207,208によって、第1側面73,83に凹面73aA,83aAが設けられ、第2側面74,84に凹面が設けられていない。凹面73aA,83aAは、第1側面73,83と第2側面74,84の両方に凹面を形成する場合より凹み幅を大きくして、傘や杖などと係合しやすくすることができる。
【0086】
図8に示すように、第1ブラケット7Aの下端面72は、上凹面71aに対して上下対称位置となる位置に下凹面72aが設けられている。袖仕切り5の端部51が、円弧形状でなく、鉛直方向に真っ直ぐ配置されている場合、図8(A)(B)および図9(A)(B)に示す第1ブラケット7Aと第2ブラケット8Aは、上下反転させれば、凹面73aA,83aAの向きを前後反対にすることができる。よって、共通の部品によって仕様変更することが可能になる。
【0087】
第1ブラケット7Aと第2ブラケット8Aは、例えば、図10および図11の第2変形例に示す第1ブラケット7Bと第2ブラケット8Bのような形状であってもよい。すなわち、アーチ部307,308の外側と外側の面をそれぞれ支持部76,86の外周面になだらかに接続し、第1および第2ブラケット7B,8Bの凹凸を減らして美観や清掃性を向上させてもよい。
【0088】
スタンションポール6の代わりに、図12に示すように、1本で構成された第1変形例のスタンションポール6Aが使用されてもよい。
【0089】
スタンションポール6に代えて、ブラケット10あるいは第1ブラケット7より上側の第1ポール部の断面積と、ブラケット10あるいは第1ブラケット7より下側の第2ポール部の断面積とが同じスタンションポールを使用してもよい。ただし、第2ポール部の断面積が第1ポール部の断面積より小さいことで、第1ポール部より低い位置に配置される第2ポール部が第1ポール部より細くなるので、手の小さい子供でも第2ポール部を握りやすい。
【0090】
第1ポール61と第2ポール62との形状の違いは、断面形状の違いであってもよい。例えば、スタンションポール6の代わりに、図13に示す第2変形例のスタンションポール6Bが使用されてもよい。スタンションポール6Bの第2ポール62Bは、軸方向に対して直交する方向に切断した断面の形状が、三角形や、六角形や、楕円形状など、円形でない形状である。これによれば、小さい手の幼児が手を滑らせずに第2ポール62Bを掴みやすくなる。
【0091】
この場合、例えば、図13に示すように、第2ポール62Bは、乗客に把持されるポール本体部621の上端部に、第1ポール61の中空穴61aに挿入される挿入部622を一体的に設けるとよい。スタンションポール6Bは、ポール本体部621と挿入部622との間の段差部623を第1ポール61の下端面に突き当て、挿入部622を中空穴61aに挿入した状態で、第1ポール61の下端部と第2ポール62Bの上端部が第1ブラケット7の支持部76に収容され、第1ポール61と第2ポール62Bと支持部76とが固定ネジ11によって結合される。
【0092】
スタンションポール6の代わりに、図14に示す第3変形例のスタンションポール6Cが使用されてもよい。スタンションポール6Cの第2ポール62Cは、ポール本体部625と、第1ポール61の中空穴61a内に配置される挿入部626とを有する。ポール本体部625は、軸方向に対して直交する方向に切断した断面の形状が円形でない形状であり、軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積が、第1ポール61を軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積より、小さい。スタンションポール6Cは、第2ポール62Cの挿入部626を第1ポール61の中空穴61aに挿入した状態で、第1ポール61の下端部と第2ポール62Cの上端部が第1ブラケット7の支持部76に収容され、第1ポール61と第2ポール62Cと支持部76とが固定ネジ11によって結合される。
【0093】
第1ブラケット7と第2ブラケット8は、上凹面71aと第1および第2側凹面73a,83a,74a,84aを成形によって設けてもよいし、切削等の追加工によって設けてもよい。また、第1および第2ブラケット7,8の全長L11,L21は、切断によって調整されてもよい。
【0094】
端部51は、円弧状に設けられていなくてもよい。例えば、端部51は直線状に設けられていてもよい。
【0095】
第1側凹面73aと第2側凹面74aは、支持部76の外周面に滑らかに連なるように形成されていなくてもよい。例えば、第1側凹面73aと第2側凹面74aは、支持部76から離れた位置に設けられてもよい。
【0096】
上凹面71aと第1側凹面73aと第2側凹面74aは、それぞれ、溝幅方向に沿って切断した断面の形状が円弧形状でなくてもよく、例えば、矩形状や多角形形状であってもよい。上凹面71aと第1側凹面73aと第2側凹面74aとの断面形状は、異なってもよい。
【0097】
支持部76のポール挿通穴76aは、上下方向に貫通していなくてもよい。例えば、ポール挿通穴76aが内部壁によって上下に仕切られていてもよい。
【0098】
車室2は、ロングシート4に代えて、あるいは、ロングシート4と併用して、クロスシートが設置されていてもよい。
【0099】
袖仕切り5とブラケット10とを省き、図15に示すブラケット10Aを使用してスタンションポール6を支持する構造としてもよい。ブラケット10Aは、第1ブラケット7および第2ブラケット8と比べて全長が長い第1ブラケット7Aと第2ブラケット8Aとを内側壁21に接続している。これによれば、スタンションポール6を支持するブラケット10Aに傘100や杖を支持する機能を持たせ、部品を増やすことなく乗客の利便性を向上させることができる。第1ブラケット7Aと第2ブラケット8Aとの間には、袖仕切り5Aが配置されてもよい。これによれば、第1ブラケット7Aと第2ブラケット8Aが、袖仕切り5Aも支持できる。また、袖仕切り5Aが小さくなることで、車室2に解放感を与えることができる。
【0100】
ブラケット10に代えて、例えば図16(A)に示すブラケット10Bを使用してもよい。ブラケット10Bは、例えば、第1ブラケット7Bと第2ブラケット8Bとの先端部に中間部15が一体成形されて接続している。この場合、スタンションポール6Bは、中間部15の内部に挿通して、第1ブラケット7Bと第2ブラケット8Bと中間部15とに支持されるようにしてもよい。また、中間部15の太さは、スタンションポール6Bの太さと同じでもよいし、スタンションポール6Bの太さより細くてもよい。この場合、スタンションポール6Bは、中間部15に挿通されずに第1ブラケット7Bに支持されてもよい。この場合、中間部15は、スタンションポール6Bの一部としても機能する。このようなブラケット10Bは、第1ブラケット7Bに上凹面71aを設けて傘や杖を保持する機能を損なわずに、スタンションポール6Bに作用する荷重に対する補強が施される。
【0101】
なお、図16(B)に示すように、中間部15は、第1ブラケット7Bと第2ブラケット8Bとの先端部に接続しなくてもよい。例えば、中間部15は、袖仕切り5の端部51に沿って配置されるように第1ブラケット7Bと第2ブラケット8Bに接続していてもよい。図16(C)に示すブラケット10Bに示すように、複数の中間部15が第1ブラケット7Bと第2ブラケット8Bとの間に一体成形されていてもよい。
【0102】
図17(A)(B)(C)に示すように、ブラケット10Bは、袖仕切り5でなく、内側壁21に固定される構造としてもよい。この場合、第1ブラケット7Bと第2ブラケット8Bとの間には袖仕切り5Bが配置されてもよい。
【0103】
スタンションポール6の下端部は、ブラケット10の第2ブラケット8に支持されていなくてもよい。例えば、図18(A)に示すように、スタンションポール6Cは、ブラケット10の第2ブラケット8を貫通し、下端部が床24に固定されていてもよい。また、例えば、図18(B)に示すように、スタンションポール6Dは、ブラケット10の第2ブラケット8に貫き通された部分6Dxを側構体側に折り曲げられ、内側壁21に固定されてもよい。なお、スタンションポール6C,6Dは、図15に示すブラケット10A、図16および図17に示すブラケット10Bに対しても同様に配置してもよい。
【0104】
スタンションポール6およびブラケット10の代わりに、図19(A)に示すスタンションポール6Eとブラケット10Eを使用してもよい。ブラケット10Eは、第2ブラケット8を備えず、第1ブラケット7のみで構成されている。スタンションポール6Eは、第1ブラケット7より下側の部分62Eが、袖仕切り5の端部51側に折り曲げられ、端部51に接続されている。図19(B)に示すように、内側壁21に接続されるスタンションポール6Fとブラケット10Fが使用されてもよい。この場合、第1ブラケット7Aと、スタンションポール6Fの第1ブラケット7Aより下側に配置される部分62Fとの間に、袖仕切り5Fを配置してもよい。なお、スタンションポール6E,6Fには、第2ブラケット8に形成した第1側凹面83aおよび第2側凹面84aと同様に凹面が形成されてもよい。
【0105】
第1凹部は、車室の内壁から内向きに突出して設置される仕切りに設けられてもよい。例えば図20(A)に示すように、内側壁21から内向きに突出する袖仕切り5Gの端部51に、スタンションポール6Gが接続している。端部51は、スタンションポール6Gとの間に乗客の手を出し入れ可能な隙間を開けて配置されている。袖仕切り5Gの上端部には、車両中央寄りに凹面54が設けられ、傘や杖を凹面54に掛けることができるようにされている。
【0106】
また例えば、図20(B)に示すように、袖仕切り5Hの端部51に、スタンションポール6Hを支持する支持部55,56を設けてもよい。支持部55,56は、端部51から車両中央側に突き出している。上側の支持部55には、第1ブラケット7の上凹面71aと第1側凹面73aに対応する凹面55a,55bを形成してもよい。下側の支持部56には、第2ブラケット8の第1側凹面83aに対応する凹面56aを形成してもよい。なお、袖仕切り5Hに支持されるスタンションポール6Hの下端部は、床24に接続されてもよいし、内側壁21に接続されてもよい。
【0107】
図20(C)に示すように、クロスシート4Iと出入口との間を仕切る間仕切りに凹面54を形成してもよい。袖仕切り5G、袖仕切り5H、および、間仕切り5Iは「仕切り」の一例である。凹面54および凹面55aは「第1凹部」の一例である。
【0108】
第1凹部は、乗客が握る握り棒に設けられてもよい。例えば、図21(A)に示すように、袖仕切り5の端部51に接続するスタンションポール6Jに凹部63を形成してもよい。仕切り5は、クロスシート4Iと出入口との間を仕切る間仕切り5Iであってもよい。例えば、図21(B)に示すように、側扉31の横の内側壁21に固定される取手301に凹部301aを形成してもよい。図21(C)に示すように、妻仕切りあるいは運客仕切りの壁面22に固定される取手302に凹部302aを形成してもよい。乗客は、凹部63、301a、302aに傘や杖を掛けることができる。スタンションポール6J、取手301、および、取手302は「乗客が握る握り棒」の一例である。凹部63、301a、302aは「第1凹部」の一例である。壁面22は「車室の内壁」の一例である。
【0109】
例えば、図22に示すように、クロスシート4Kの通路側にスタンションポール6Kを配置し、このスタンションポール6Kが、内側壁21から内向きに突き出す第1ブラケット7Kと第2ブラケット8Kに支持されるようにしてもよい。この場合、第1ブラケット7Kには、上凹面71aと第1側凹面73aを複数箇所に設け、第2ブラケット8Kには、複数の上凹面71aに対応する位置にそれぞれ第1側凹面83aを設けてもよい。第1ブラケット7Kと第2ブラケット8Kとの間には間仕切り5Kが配置されてもよい。間仕切り5Kとスタンションポール6Kとの間には、幼児の手は入るが、幼児の頭部および胴体は入らない隙間が形成されていてもよい。スタンションポール6Kは、例えば、床24に接続され、第1ブラケット7Kより下側の部分が第1ブラケット7Kより上側の部分より細くされていてもよい。
【0110】
第1ブラケット7および第2ブラケット8は、クロスシートと出入口との間を仕切る間仕切りの車両中央側に位置する端部に取り付けられ、スタンションポールをクロスシートの近くに設置するようにしてもよい。
【0111】
スタンションポール6は、上記形態に限定されず、例えば上端部から下端部まで同じ形状、太さで設けられてもよい。例えば、スタンションポール6は、第1ブラケット7と第2ブラケット8との間の領域が鉛直方向に沿って直線状に設けられていなくてもよい。例えば、当該領域は、螺旋状に設けられてもよいし、第2ポール62が床24に対して斜めに設置されていてもよい。例えば、第1ブラケット7より上側の領域は、直線状に設けられてもよい。
【0112】
ただし、鉄道車両は、老若男女、体格の異なる人たちが利用する。乗客が握る握り棒は、車両走行時に乗客が握って体を支えるために利用される。また、シートの近くに設置される握り棒は、シートに座ったり立ったりする乗客を補助する。このような握り棒は、年齢や体格の異なる多くの人が容易に利用できるように車室に設置されることが好ましい。
【0113】
例えば、上記形態のスタンションポール6は、握り棒の一種であり、ブラケット10の第1ブラケット7より上側に位置する第1ポール61と、ブラケット10の第1ブラケット7より下側に位置する第2ポール62とで形状が異なる。例えば、第1ポール61は、大人が身長に合わせて握りやすい形状とし、第2ポール62は、老人や子供が握りやすい形状とする。このような鉄道車両用内装構造によれば、老若男女、体格の異なる人たちが握りやすいようにスタンションポール6を車室2に設置することができる。
【0114】
また例えば、上記形態では、スタンションポール6は、第1ブラケット7と第2ブラケット8との間の領域が鉛直方向に沿って直線状に設けられている。そのため、手の短い幼児でも、第1ブラケット7よりも下側にて、身長に合わせてスタンションポール6を自然な姿勢で握ることができる。
【0115】
なお、乗客の年齢や体格に合わせてスタンションポールを握りやすくするために、第1ポール61と第2ポール62とを異なる形状としなくてもよい。また、スタンションポール6の第1ブラケット7と第2ブラケット8との間の領域を鉛直方向に沿って直線状に設ける場合には、スタンションポール6に接続するブラケット10に第1凹部が設けられていなくてもよい。また、スタンションポール6自体や、スタンションポール6がブラケット10を介して接続する袖仕切り5にも、傘や杖を掛けるための第1凹部が形成されていなくてもよい。
【0116】
[予備請求項1]
請求項12に記載する鉄道車両用内装構造において、
前記第2ポール部は、軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積が、前記第1ポール部を軸線方向に対して直交する方向に切断した断面の断面積より小さい、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【0117】
[予備請求項2]
請求項12又は予備請求項1に記載する鉄道車両用内装構造において、
前記第2ポール部は、幼児の手が届く高さに設置されている、
ことを特徴とする鉄道車両用内装構造。
【0118】
[予備請求項3]
請求項12、予備請求項1、予備請求項2の何れか1つに記載する鉄道車両用内装構造を備えることを特徴とする鉄道車両。
【符号の説明】
【0119】
1 鉄道車両
2 車室
5 袖仕切り
6 スタンションポール
10 ブラケット
21 内側壁
71a 上凹面
100 傘
図1
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図22