(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010189
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】手術オペレーティングシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
A61B18/12
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190371
(22)【出願日】2023-11-07
(62)【分割の表示】P 2022570408の分割
【原出願日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】202010652994.0
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010662241.8
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518186539
【氏名又は名称】珠海市司邁科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SIMAI CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Unit 7-A,7-B, No.4 Building,CECT High Technology Industrial Park,No. 1, Technology Seven Road,High-tech Zone,Tangjia,Zhuhai, Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】劉春暁
(72)【発明者】
【氏名】林敏
(72)【発明者】
【氏名】羅維涛
(72)【発明者】
【氏名】李鵬飛
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、同一のアクチュエータ器具で、モノポーラモードの切断、バイポーラモードの止血というハイブリッドモードを実現でき、従来のモノポーラ出力と従来のバイポーラ出力のそれぞれの欠点を克服し、また、モノポーラ出力とバイポーラ出力のそれぞれの利点を統合した手術オペレーティングシステムを提供する。
【解決手段】この方法は、手術オペレーティングシステムに適用され、この方法は、オペレーターによる出力モードの選択命令を決定し、モノポーラバイポーラハイブリッドモードを選択する命令を取得した時、第1アクチュエータ器具を制御することで、切断動作及び組織凝固動作を実行することを含む。このシステムは、メイン制御ユニットと、制御パネルと、高周波電源モジュールと、アクチュエータ器具とを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術操作システムであって、
メイン制御ユニットと、制御パネル(1)と、アクチュエータ器具とを含み、前記メイン制御ユニットは、中央コントローラ(2)と、高周波電源モジュール(3)と、スイッチマトリックス(4)とを含み、前記高周波電源モジュール(3)はそれぞれ前記中央コントローラ(2)、前記スイッチマトリックス(4)に接続され、前記中央コントローラ(2)は、前記制御パネル(1)から出力される選択命令を受信し、そしてアクチュエータ器具に内蔵されるチップのモード情報又はペダルスイッチ命令を読み取り、前記中央コントローラ(2)は、スイッチ駆動信号を前記スイッチマトリックス(4)に出力し、前記スイッチマトリックス(4)をオンにするように制御して前記アクチュエータ器具を駆動することを特徴とする、手術オペレーティングシステム。
【請求項2】
前記スイッチマトリックスは、第1スイッチトランジスタ(41)と、第2スイッチトランジスタ(42)と、第3スイッチトランジスタ(43)と、第4スイッチトランジスタ(44)とを含み、前記中央コントローラ(2)は、受信した選択命令に基づいて、前記第1スイッチトランジスタ(41)、第2スイッチトランジスタ(42)、第3スイッチトランジスタ(43)、第4スイッチトランジスタ(44)にスイッチ駆動信号を送信し、前記第1スイッチトランジスタ(41)、第2スイッチトランジスタ(42)、第3スイッチトランジスタ(43)、第4スイッチトランジスタ(44)のオンオフを制御することを特徴とする
請求項1に記載のオペレーティングシステム。
【請求項3】
前記スイッチマトリックス(4)は、第6スイッチトランジスタと、第7スイッチトランジスタとを更に含み、前記中央コントローラ(2)は、受信した選択命令に基づいて、前記第6スイッチトランジスタ、第7スイッチトランジスタにスイッチ駆動信号を送信し、前記第6スイッチトランジスタ、第7スイッチトランジスタのオンオフを制御することを特徴とする
請求項2に記載のオペレーティングシステム。
【請求項4】
前記アクチュエータ器具は、第1アクチュエータ器具と、第2アクチュエータ器具と、回路電極(5)とを含み、前記スイッチマトリックス(4)の第1出力コンセント(21)は、前記第1アクチュエータ器具の末端に接続され、前記スイッチマトリックス(4)の第2出力コンセント(22)は前記第2アクチュエータ器具の末端と前記回路電極(5)の末端にそれぞれ接続され、ここで、前記第1アクチュエータ器具は、バイポーラ器具(7)であり、前記第2アクチュエータ器具は、電極構造(6)であることを特徴とする
請求項1又は2に記載のオペレーティングシステム。
【請求項5】
前記バイポーラ器具(7)は、第1導電領域(73)と、第2導電領域(74)と、ハンドルアセンブリ(75)と、バイポーラ器具のアクチュエータ端とを含み、前記第1導電領域(73)は、前記第1出力コンセント(21)の第1出力端に接続され、前記第2導電領域(74)は、前記第1出力コンセント(21)の第2出力端に接続され、前記ハンドルアセンブリ(75)は、前記バイポーラ器具のアクチュエータ端に接続され、ここで、前記バイポーラ器具のアクチュエータ端は、第1アクチュエータ端(71)と、第2アクチュエータ端(72)とを有し、前記電極構造(6)は、第3アクチュエータ端を有することを特徴とする
請求項4に記載のオペレーティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気外科手術技術分野に関し、特に、手術オペレーティングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気メスは、電気外科手術システムから出力されるエネルギーを利用して、人体組織の切断及び凝血を行うものである。ここで、電流の熱効果は、組織の気化を引き起こし、これは、切断の原理である。電流の熱効果は、人体組織タンパク質の変性凝固を引き起こし、これは、凝血の原理である。
【0003】
現在では、電気外科手術システムは一般的には、モノポーラ出力機能とバイポーラ出力機能を有する。
【0004】
従来技術において、
図1に示すように、
図1は、従来の電気外科手術システムのモノポーラ出力機能の作動モードであり、この電気外科手術システムは、高周波電源モジュールと、電気メスペンと、回路電極と、能動リード線と、回路電極リード線とを含み、電気外科手術システムのモノポーラ出力機能の作動モードの具体的な作動フローは、電流が電気メスペンから人体組織を通って、患者に貼られた負極板に入り、回路を形成することである。
【0005】
図2に示すように、
図2は、従来の電気外科手術システムのバイポーラ出力機能の作動モードであり、この電気外科手術システムは、バイポーラシザーズと、能動リード線と、回路電極リード線とを含み、電気外科手術システムのバイポーラ出力機能の作動モードの具体的な作動フローは、バイポーラ器具が組織をバイポーラシザーズ(又は、バイポーラピンセット、バイポーラペンチ)の間に挟み、人体組織に電流を流して組織の気化、凝固止血を行うことである。
【0006】
従って、従来の電気外科手術システムは一般的にはそれぞれモノポーラ出力とバイポーラ出力の機能を有する。ここで、モノポーラ出力の利点は、モノポーラ出力モードを用いるモノポーラ電気メスをバイポーラ電気メスに比べると、モノポーラペン先がより大きいエネルギー密度を有するため、モノポーラ電気メスがバイポーラ電気メスより良好な切断効果を有することである。
【0007】
しかしながら、電気メスペンが電流回路全体における電極の1つに過ぎないため、凝固すべき組織に電力があまり集中せず、ペン先を通過してより広い領域の人体組織を経由して負極板端に達する。従って、その凝血効果は、バイポーラ電気メスよりも悪い。そして、モノポーラ電気メスペンが腹腔内に深く貫入して腹腔鏡下での低侵襲手術を行うことが困難である。モノポーラ電気メスペンが切断を行う時、機械的せん断力の助けを借りることもできない。従って、組織を切断するために、往々にして、比較的に大きい電力を必要とする。しかしながら、比較的に大きい電力は、比較的に大きい組織熱損傷を招く。
【0008】
バイポーラ出力の利点は、組織を凝固する時、凝固すべき組織がバイポーラの両極の間に挟まれるため、電力が両極間の組織に大きく集中することである。バイポーラシザーズ(又は、バイポーラピンセット、バイポーラペンチ)は、モノポーラ電気メスペンより良好な凝血効果を有し、且つバイポーラの機械的構造特性により、切断を行う時、モノポーラ電気メスペンの有しないせん断力を更に有する。
【0009】
しかしながら、バイポーラ器具(バイポーラシザーズ又はバイポーラピンセット、バイポーラペンチ)自体のエネルギー出力は、一般的には、モノポーラ器具よりも小さく、そして、上ブレードと下ブレードとの間の組織エネルギー密度は、モノポーラ電気メスペンのペン先での組織エネルギー密度よりも小さいため、比較的に厚い組織を切断する時、組織の迅速な気化分離の実現が困難である。従って、バイポーラ器具(バイポーラシザーズ又はバイポーラピンセット、バイポーラペンチ)は、薄い組織しか切断できないことが多い。
要するに、モノポーラ出力モードは、切断に有利であり、凝血に不利であり、バイポーラ出力モードは、凝血に有利であり、切断に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の主な目的は、同一のアクチュエータ器具でモノポーラバイポーラハイブリッド出力を実現できるモノポーラバイポーラハイブリッド出力方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、同一のアクチュエータ器具でモノポーラバイポーラハイブリッド出力を実現できる手術オペレーティングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の主な目的を実現するために、本発明は、モノポーラバイポーラハイブリッド出力方法を提供し、この方法は、手術オペレーティングシステムに適用され、この方法は、オペレーターによる出力モードの選択命令を決定し、モノポーラバイポーラハイブリッドモードを選択する命令を取得した時、第1アクチュエータ器具を制御することで、切断動作及び組織凝固動作を実行することを含む。
【0012】
さらなる方案において、モノポーラバイポーラハイブリッドモードで、切断動作を実行する時、メイン制御ユニットは、第1組の制御信号によって、電流に前記第1アクチュエータ器具の第1アクチュエータ端を通過させ、更に人体組織を通過させて回路電極に到達させ、第1電流回路を形成し、前記第1アクチュエータ器具でモノポーラバイポーラハイブリッドモードでの切断動作を完了する。
【0013】
さらなる方案において、モノポーラバイポーラハイブリッドモードで、組織凝固動作を実行する時、前記メイン制御ユニットは、第2組の制御信号によって、電流に前記第1アクチュエータ器具の第1アクチュエータ端を通過させ、更に切除すべき組織を通過させて前記第1アクチュエータ器具の第2アクチュエータ端に到達させ、第2電流回路を形成し、前記第1アクチュエータ器具でモノポーラバイポーラハイブリッドモードでの組織凝固動作を完了する。
【0014】
さらなる方案において、前記出力モードは、モノポーラモードを更に含み、モノポーラモードで、メイン制御ユニットは、第3組の制御信号によって、電流に第2アクチュエータ器具の第3アクチュエータ端を通過させ、更に人体組織を通過させて回路電極に到達させ、第3電流回路を形成し、前記第2アクチュエータ器具でモノポーラモードでの切断動作及び組織凝固動作を完了する。
さらなる方案において、前記出力モードは、バイポーラモードを更に含み、バイポーラモードで、メイン制御ユニットは、第4組の制御信号によって、電流に前記第1アクチュエータ器具の第1アクチュエータ端を通過させ、更に人体組織を通過させて前記第1アクチュエータ器具の第2アクチュエータ端に到達させ、第4電流回路を形成し、前記第1アクチュエータ器具でバイポーラモードでの切断動作及び組織凝固動作を完了する。
【0015】
上記別の目的を実現するために、本発明による手術オペレーティングシステムは、メイン制御ユニットと、制御パネル(1)と、アクチュエータ器具とを含み、前記メイン制御ユニットは、中央コントローラ(2)と、高周波電源モジュール(3)と、スイッチマトリックス(4)とを含み、前記高周波電源モジュール(3)はそれぞれ前記中央コントローラ(2)、前記スイッチマトリックス(4)に接続され、前記中央コントローラ(2)は、前記制御パネル(1)から出力される選択命令を受信し、そしてアクチュエータ器具に内蔵されるチップのモード情報又はペダルスイッチ命令を読み取り、前記中央コントローラ(2)は、スイッチ駆動信号を前記スイッチマトリックス(4)に出力し、前記スイッチマトリックス(4)をオンにするように制御して前記アクチュエータ器具を駆動する。
【0016】
さらなる方案において、前記スイッチマトリックスは、第1スイッチトランジスタ(41)と、第2スイッチトランジスタ(42)と、第3スイッチトランジスタ(43)と、第4スイッチトランジスタ(44)とを含み、前記中央コントローラ(2)は、受信した選択命令に基づいて、前記第1スイッチトランジスタ(41)、第2スイッチトランジスタ(42)、第3スイッチトランジスタ(43)、第4スイッチトランジスタ(44)にスイッチ駆動信号を送信し、前記第1スイッチトランジスタ(41)、第2スイッチトランジスタ(42)、第3スイッチトランジスタ(43)、第4スイッチトランジスタ(44)のオンオフを制御することを特徴とする。
さらなる方案において、前記スイッチマトリックス(4)は、第6スイッチトランジスタと、第7スイッチトランジスタとを更に含み、前記中央コントローラ(2)は、受信した選択命令に基づいて、前記第6スイッチトランジスタ、第7スイッチトランジスタにスイッチ駆動信号を送信し、前記第6スイッチトランジスタ、第7スイッチトランジスタのオンオフを制御する。
【0017】
さらなる方案において、前記アクチュエータ器具は、第1アクチュエータ器具と、第2アクチュエータ器具と、回路電極(5)とを含み、前記スイッチマトリックス(4)の第1出力コンセント(21)は、前記第1アクチュエータ器具の末端に接続され、前記スイッチマトリックス(4)の第2出力コンセント(22)は前記第2アクチュエータ器具の末端と前記回路電極(5)の末端にそれぞれ接続され、ここで、前記第1アクチュエータ器具は、バイポーラ器具(7)であり、前記第2アクチュエータ器具は、電極構造(6)である。
さらなる方案において、前記バイポーラ器具(7)は、第1導電領域(73)と、第2導電領域(74)と、ハンドルアセンブリ(75)と、バイポーラ器具のアクチュエータ端とを含み、前記第1導電領域(73)は、前記第1出力コンセント(21)の第1出力端に接続され、前記第2導電領域(74)は、前記第1出力コンセント(21)の第2出力端に接続され、前記ハンドルアセンブリ(75)は、前記バイポーラ器具のアクチュエータ端に接続され、ここで、前記バイポーラ器具のアクチュエータ端は、第1アクチュエータ端(71)と、第2アクチュエータ端(72)とを有し、前記電極構造(6)は、第3アクチュエータ端を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本出願における同一のアクチュエータ器具は、モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードで使用可能であり、モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードで、同一のアクチュエータ器具は、モノポーラモードの切断、バイポーラモードの止血というハイブリッドモードを実現でき、従来のモノポーラ出力と従来のバイポーラ出力のそれぞれの欠点を克服し、また、モノポーラ出力とバイポーラ出力のそれぞれの利点を統合した。
モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードで、バイポーラ器具は、モノポーラモードを使用して切断を行うことを実現することができ、それによってバイポーラ器具の1つのアクチュエータ端が比較的に高いエネルギー密度を有することもでき、そして、バイポーラ器具の切断力の助けを借りることができ、バイポーラ器具が低電力で切断機能を実現することができ、それによって手術中に患者に与えるダメージがかなり低減される。
モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードで、バイポーラ器具による凝血は、本質的には依然としてバイポーラ凝血であり、モノポーラモードの凝血効果に比べて、バイポーラ凝血の利点は、凝血箇所の一定の深さで、電力がより集中し、凝固層の深さが厚くなり、それによって出血部位に対してより高い止血効果を果たすことである。
なお、本発明は、上記3つの作動モードを同時に有し、アクチュエータ器具の協働で、手術の必要に応じて出力モードを任意に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来技術の電気外科手術システムのモノポーラ出力機能の作動モードの概略図である。
【
図2】従来技術の電気外科手術システムのバイポーラ出力機能の作動モードの概略図である。
【
図3】本発明の手術オペレーティングシステムの実施例の原理のブロック図である。
【
図4】本発明の手術オペレーティングシステムの実施例の回路の原理図である。
【
図5】本発明の手術オペレーティングシステムの実施例におけるスイッチマトリックスの回路原理図である。
【
図6】本発明の手術オペレーティングシステムの実施例におけるバイポーラ器具の構造概略図である。
【
図7】本発明の手術オペレーティングシステムの実施例における制御パネルの選択モードの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面及び実施例を結び付けて本発明を更に説明する。
手術オペレーティングシステムの実施例:
図3から
図4を参照すると、本発明の手術オペレーティングシステムは、中央コントローラ2、高周波電源モジュール3及びスイッチマトリックス4で構成されるメイン制御ユニットと、制御パネル1と、アクチュエータ器具とを含み、高周波電源モジュール3はそれぞれ中央コントローラ2、スイッチマトリックス4に接続され、中央コントローラ2は、制御パネル1から出力される選択命令を受信し、そしてアクチュエータ器具に内蔵されるチップのモード情報又はペダルスイッチ命令を読み取り、中央コントローラ2は、スイッチ駆動信号をスイッチマトリックス4に出力し、スイッチマトリックス4をオンにするように制御することによって、アクチュエータ器具を駆動する。本実施例の選択命令は、ユーザが制御パネル1のディスプレイ画面によって選択する命令であってもよく、システムが電極に内蔵されるチップによって識別する命令情報であってもよい。
【0021】
ここで、本実施例の中央コントローラ2は、MCUなどの演算機能を有するチップであってもよいが、MCUに限らず、他のマイクロコントローラ、例えば、DSP、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラCPLD、FPGA、特殊用途向け集積回路及び他のプログラマブル回路であってもよい。
本実施例において、手術オペレーティングシステムは、低圧電源10と、スイッチ電源9とを更に含み、低圧電源10は、中央コントローラ2に5V/12V電源を提供し、スイッチ電源9は、高周波電源モジュール3に48V電源を提供する。無論、本実施例の低圧電源10及びスイッチ電源9は、他の電圧出力であってもよく、例えば、スイッチ電源9は、24V電源出力であってもよい。
【0022】
本実施例において、スイッチマトリックス4は、第1スイッチトランジスタ41と、第2スイッチトランジスタ42と、第3スイッチトランジスタ43と、第4スイッチトランジスタ44と、第1出力コンセント21と、第2出力コンセント22と、少なくとも1つの第3出力コンセントとを含み、中央コントローラ2は、受信した選択命令に基づいて、第1スイッチトランジスタ41、第2スイッチトランジスタ42、第3スイッチトランジスタ43、第4スイッチトランジスタ44にスイッチ駆動信号を送信し、第1スイッチトランジスタ41、第2スイッチトランジスタ42、第3スイッチトランジスタ43、第4スイッチトランジスタ44のオンオフを制御する。
ここで、スイッチマトリックス4は、第6スイッチトランジスタと、第7スイッチトランジスタとを更に含み、中央コントローラ2は、受信した選択命令に基づいて、第6スイッチトランジスタ、第7スイッチトランジスタにスイッチ駆動信号を送信し、第6スイッチトランジスタ、第7スイッチトランジスタのオンオフを制御する。
更に、第1スイッチトランジスタ41、第2スイッチトランジスタ42はそれぞれ第1出力コンセント21の第1出力端、第2出力端に接続され、第3スイッチトランジスタ43、第4スイッチトランジスタ44はそれぞれ第2出力コンセント22の第1出力端、第2出力端に接続され、第6スイッチトランジスタ、第7スイッチトランジスタはそれぞれ第3出力コンセントの第1出力端、第2出力端に接続される。
【0023】
本実施例のスイッチマトリックス4として、好ましくは、リレースイッチマトリックスであるが、リレーに限らず、フォトカプラ、トライオード、パワーMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)又はいかなる他の制御可能なスイッチであってもよい。
【0024】
具体的には、
図5に示すように、第1スイッチトランジスタ41、第2スイッチトランジスタ42、第3スイッチトランジスタ43、第4スイッチトランジスタ44、第6スイッチトランジスタ、第7スイッチトランジスタはそれぞれ第1リレースイッチJDQ1、第2リレースイッチJDQ2、第3リレースイッチJDQ3、第4リレースイッチJDQ4、第6リレースイッチJDQ6、第7リレースイッチJDQ7であり、中央コントローラ2は、同種のインバータ(例えば、74HC14Dなど)を介してリレースイッチの6つの信号をオン駆動する。それらはそれぞれ入力電界効果トランジスタG5のCH1_PK2ABDR信号、電界効果トランジスタG1のCH1_PKABDR信号、電界効果トランジスタG4のCH2_PKADR信号、及び電界効果トランジスタG2のCH3_BEMDR信号、電界効果トランジスタG6のCH4_VP2DR信号、電界効果トランジスタG3のCH4_VPDR信号である。
【0025】
無論、本実施例の電界効果トランジスタは、フォトカプラ、例えばPC817であってもよく、アナログスイッチ、例えば74HC4066であってもよく、トライオードなどであってもよく、それによってリレーに対するスイッチ制御を完了する。
【0026】
具体的には、中央コントローラ2は、CH1_PK2ABDR信号を電界効果トランジスタG5のゲート電極に出力し、電界効果トランジスタG5のドレイン電極は、第1リレースイッチJDQ1の第3端に接続され、中央コントローラ2は、CH1_PKABDR信号を電界効果トランジスタG1のゲート電極に出力し、電界効果トランジスタG1のドレイン電極は、第2リレースイッチJDQ2の第3端に接続され、中央コントローラ2は、CH2_PKADR信号を電界効果トランジスタG4のゲート電極に出力し、電界効果トランジスタG4のドレイン電極は、第3リレースイッチJDQ3の第3端に接続され、中央コントローラ2は、CH3_BEMDR信号を電界効果トランジスタG2のゲート電極に出力し、電界効果トランジスタG2のドレイン電極は、第4リレースイッチJDQ4の第3端に接続され、中央コントローラ2は、CH4_VP2DR信号を電界効果トランジスタG6のゲート電極に出力し、電界効果トランジスタG6のドレイン電極は、第6リレースイッチJDQ6の第3端に接続され、中央コントローラ2は、CH4_VPDR信号を電界効果トランジスタG3のゲート電極に出力し、電界効果トランジスタG3のドレイン電極は、第7リレースイッチJDQ7の第3端に接続される。電界効果トランジスタG1、電界効果トランジスタG2、電界効果トランジスタG3、電界効果トランジスタG4、電界効果トランジスタG5、電界効果トランジスタG6、電界効果トランジスタG7のソース電極はそれぞれ接地し、第1のリレースイッチJDQ1の第1端は、ノード1に接続され、ノード1は、ノード3に接続され、第3リレースイッチJDQ3の第1端、第6リレースイッチJDQ6の第1端は、ノード3に接続される。第2リレースイッチJDQ2の第1端、第4リレースイッチJDQ4の第1端及び第7リレースイッチJDQ7の第1端は、ノード2に接続される。第1リレースイッチJDQ1の第2端、第2リレースイッチJDQ2の第2端は、第1出力コンセント21(例えば、SM出力ベース)に接続され、第6リレースイッチJDQ6の第2端、第7リレースイッチJDQ7の第2端は、第3出力コンセント(例えば、VP出力ベース)に接続され、第3リレースイッチJDQ3の第2端、第4リレースイッチJDQ4の第2端は、第2出力コンセント22(例えば、J_MONO和J_PATIENT)に接続される。
本実施例において、アクチュエータ器具は、第1アクチュエータ器具と、第2アクチュエータ器具と、回路電極5とを含み、スイッチマトリックス4の第1出力コンセント21は、第1アクチュエータ器具の末端に接続され、スイッチマトリックス4の第2出力コンセント22は第2アクチュエータ器具の末端と回路電極5の末端にそれぞれ接続され、ここで、第1アクチュエータ器具は、バイポーラ器具7であり、第2アクチュエータ器具は、電極構造6であり、回路電極5は、負極板(敷板)である。本実施例の第2出力コンセント22は、2つのインタフェースコンセントに電気的に分割されてもよく、即ち、1つのインタフェースコンセントは、第2出力コンセント22の3ポートに切zくされ、別のインタフェースコンセントは、第2出力コンセント22の4ポートに接続され、1つのインタフェースコンセントは、第2アクチュエータ器具に接続され、別のインタフェースコンセントは、回路電極5に接続される。
【0027】
図6を参照すると、バイポーラ器具7は、第1導電領域73と、第2導電領域74と、ハンドルアセンブリ75と、バイポーラ器具のアクチュエータ端とを含み、第1導電領域73は、第1出力コンセント21の第1出力端に接続され、第2導電領域74は、第1出力コンセント21の第2出力端に接続され(逆に接続されてもよく)、ハンドルアセンブリ75は、バイポーラ器具のアクチュエータ端に接続される。本実施例のバイポーラ器具7として、好ましくは、バイポーラ電気凝固シザーズであるが、バイポーラ電気凝固シザーズに限らず、バイポーラ電気凝固ペンチ、バイポーラ電気凝固ピンセットなどの他のバイポーラ電気凝固器具であってもよく、本実施例の電極構造6として、好ましくは、モノポーラ電気メスペンモジュール又は類似した構造である。
バイポーラ器具のアクチュエータ端は、第1アクチュエータ端71と、第2アクチュエータ端72とを有し、電極構造6は、第3アクチュエータ端を有し、第1導電領域は、バイポーラアクチュエータ器具の第1アクチュエータ端に電気的に接続され、第2導電領域は、バイポーラアクチュエータ器具の第2アクチュエータ端に電気的に接続され、又は、第1導電領域は、第2アクチュエータ端に電気的に接続され、第2導電領域は、第1アクチュエータ端に電気的に接続される。ここで、バイポーラ器具7の第1アクチュエータ端71は、上ブレード端であり、バイポーラ器具7の第2アクチュエータ端72は、下ブレード端であり、電極構造6の第3アクチュエータ端は、刃先端である。
【0028】
本実施例の高周波電源モジュール3は、3つのエネルギー出力モードを有し、それらは、それぞれ、モノポーラ出力モード、バイポーラ出力モード又はモノポーラバイポーラハイブリッド出力モードという本発明の手術オペレーティングシステムの3つの出力モードに対応する。メイン制御ユニットによって、オペレーティングシステムをモノポーラ出力モード、バイポーラ出力モード又はモノポーラ/バイポーラハイブリッド出力モードで作動させることで、システムのモノポーラバイポーラハイブリッド出力モードを選択する時、オペレーティングシステムの同一のアクチュエータ器具でモノポーラバイポーラハイブリッド出力を実現することができる。
【0029】
モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードを選択する場合、切断時、電流は、バイポーラ器具7のブレード端を通過し、人体組織を経由して負極板に流入し(本質的にはモノポーラ切断である)、凝血時、電流は、電流は、バイポーラ器具7の上ブレード端を通過して、バイポーラ器具7の間に挟まれる人体組織を経由してバイポーラ器具7の下ブレード端に流入する(本質的にはバイポーラ凝血である)。これから分かるように、同一のアクチュエータ器具でモノポーラバイポーラハイブリッド出力(モノポーラ切断、バイポーラ凝血)及びバイポーラ出力(バイポーラ切断、バイポーラ凝血)を実現することができる。
具体的には、バイポーラ器具7を使用して組織切断を行う時に使用されるものは、モノポーラエネルギー出力モードである。この時、バイポーラ器具7の上ブレード端でのみエネルギーを出力し、電流は、組織を通過して負極板に到達する。バイポーラ器具7を使用して組織の凝血を行う時、バイポーラエネルギー出力モードを行う。電流は、バイポーラ器具7の上ブレード端と下ブレード端を流すが、負極板を通過しない。つまり、同一のアクチュエータ器具(バイポーラ器具7)にモノポーラ、バイポーラという2つのエネルギー出力モードのそれぞれの利点が統合されているだけでなく、モノポーラ、バイポーラという2つのエネルギー出力モードのそれぞれの元々の欠点を克服した。
モノポーラモードで、回路電極5は、第2出力コンセント22の第1出力端(ワイヤ4又はワイヤ3)に電気的に接続され、電極構造6は、第2出力コンセント22(ワイヤ3又はワイヤ4)に電気的に接続される。モノポーラモードを選択する時、システムは、第3スイッチトランジスタ43又は第4スイッチトランジスタ44をオンにしてモノポーラ回路を形成し、モノポーラ切断と凝血を完了する。
【0030】
バイポーラモードで、バイポーラ器具7は、第1出力コンセント21(バイポーラ出力コンセント)に接続され、バイポーラモードを選択する時、システムは、第1スイッチトランジスタ41又は第2スイッチトランジスタ42をオンにしてバイポーラ回路を形成し、バイポーラ切断と凝血を完了する。
【0031】
モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードを選択する時、バイポーラ器具7は、第1出力コンセント21に接続され、回路電極5は、第2出力コンセント22に接続される。
切断ペダルをイネーブルするか又は手で切断ボダンを制御する時、システムは、第1スイッチトランジスタ41と回路電極5に接続される第4スイッチトランジスタ44をオンにし、第2スイッチトランジスタ42と第3スイッチトランジスタ43をオフにし、電流にバイポーラ器具7のアクチュエータ端(ブレード端)を通過させ、人体組織を経由して回路電極5に到達させて電流回路を形成し、本質的なモノポーラ回路を形成し、バイポーラ器具7でモノポーラ切断を完了する。
凝血ペダルをイネーブルする時又は手で凝血ボダンを制御する時、システムは、第1スイッチトランジスタ41、第2スイッチトランジスタ42をオンにし、回路電極5に接続される第4スイッチトランジスタ44をオフにし、電極構造6に接続される第3スイッチトランジスタ43をオフにし、電流にバイポーラ器具7の1つのアクチュエータ端(例えば、上ブレード端)を通過させ、人体組織を経由してバイポーラ器具7の別のアクチュエータ端(例えば、下ブレード端)に到達させて回路を形成し、本質的なバイポーラ凝血回路を形成し、バイポーラ凝血効果を実現する。
本実施例において、高周波電源モジュール3は、第4エネルギー出力モードを更に有し、これは、本発明の手術オペレーティングシステムの第4出力モードであるバイポーラVPモードに対応する。
本発明のバイポーラVPモードは、2番目のバイポーラモード出力又は2つ以上のバイポーラモード出力であり、その出力原理は、バイポーラモードと同じであり、即ち、第6スイッチトランジスタ及び第7スイッチトランジスタが追加され、該当する出力ベースに、該当するバイポーラ器具7が追加される。
好ましくは、本実施例の制御パネル1は、タッチディスプレイであってもよいが、タッチディスプレイに限らず、メタルドームであってもよく、接触子等の入力信号を受信できるいずれか1つの誘導型表示装置であってもよい。
【0032】
具体的には、中央コントローラ2は、インタフェース及び無線周波数アダプタ(例えば、J_RF1コンセント)によって高周波電源モジュール3を制御し、高周波電源モジュール3は、J_RFコンセント及びリレースイッチマトリックスによって患者に出力する。ここで、中央コントローラ2と高周波電源モジュール3との通信方式は、シリアルデータフォーマットであってもよく、パラレルデータフォーマットであってもよい。シリアルデータフォーマットは、SPI、IIC、uart、1線バスなどであってもよく、パラレルデータフォーマットは、8ビット、16ビット、32ビットなどの非同期クロックであってもよく、8ビット、16ビット、32ビットなどの同期クロックであってもよい。
手術オペレーティングシステムのモノポーラバイポーラハイブリッド出力方法の実施例:
図7を参照すると、本発明のモノポーラバイポーラハイブリッド出力方法は、電気外科手術オペレーティングシステムに適用され、この方法は、制御パネル1によって、モノポーラモード、バイポーラモード又はモノポーラバイポーラハイブリッドモードに対する選択命令を決定し、この選択命令は、オペレーターから与えられるものであり、又は、アクチュエータ器具に内蔵されるチップにより読み取られたモード情報から与えられるものであり、メイン制御ユニットがモノポーラバイポーラハイブリッドモードを選択する命令を取得した時、第1アクチュエータ器具を制御することで、切断動作及び組織凝固動作を実行することを含む。
具体的には、上記オペレーティングシステムは、タッチディスプレイを介して中央コントローラ2との情報交換を実現する。モード選択について、システムが起動された後、タッチディスプレイが待機画面に入り、右側領域は、モノポーラ領域であり、左側領域は、バイポーラモード領域であり、ここで、左上領域は、バイポーラSM領域であり、左下領域は、バイポーラVP制御領域である。
実際の適用において、左上のバイポーラSM領域内に2つのモード選択ボタンがある。第1モード選択ボタン:第1バイポーラモードが押下された時、バイポーラ出力モードになり、即ち、リレーの選択によって、電流にバイポーラ器具7の1つのアクチュエータ端を通過させ、更にバイポーラの間に挟まれる人体組織を経由してバイポーラ器具7の別のアクチュエータ端に流入させる。第2モード選択ボタン:第2バイポーラモードが押下された時、モノポーラバイポーラハイブリッドモードになり、システムは、回路電極5が既に患者に接続されたことを検出した時、システムは、リレーの選択によって、電流にバイポーラ器具7のアクチュエータ端を通過させ、更に人体組織を経由して回路電極5に流入させる(本質的には、モノポーラ切断である)。凝血時、電流は、バイポーラ器具7の1つのアクチュエータ端を通過し、更にバイポーラの間に挟まる人体組織を経由してバイポーラ器具7の別のアクチュエータ端に流入する(本質的には、バイポーラ凝血である)。
本実施例において、このシステムは、バスによって電極情報を読み取ることができ、それによって読み取られた電極情報に基づいて、電極によるデフォルト出力モードがバイポーラ出力又はモノポーラバイポーラハイブリッド出力であることを確認する。
【0033】
モノポーラバイポーラハイブリッドモードで、切断動作を実行する時、メイン制御ユニットは、第1組の制御信号によって、電流に第1アクチュエータ器具の第1アクチュエータ端71を通過させた後、更に人体組織を通過させて回路電極5に到達させることによって、第1電流回路を形成し、第1アクチュエータ器具でモノポーラバイポーラハイブリッドモードでのモノポーラ切断動作を完了する。
本実施例において、モノポーラバイポーラハイブリッドモードで、組織凝固動作を実行する時、メイン制御ユニットは、第2組の制御信号によって、電流に第1アクチュエータ器具の第1アクチュエータ端71を通過させた後、更に切除すべき組織を通過させて第1アクチュエータ器具の第2アクチュエータ端72に到達させることによって、第2電流回路を形成し、第1アクチュエータ器具でモノポーラバイポーラハイブリッドモードでのバイポーラ組織凝固動作を完了する。
モノポーラモードで、メイン制御ユニットは、第3組の制御信号によって、電流に第2アクチュエータ器具の第3アクチュエータ端を通過させた後、更に人体組織を通過させて回路電極5に到達させることによって、第3電流回路を形成し、第2アクチュエータ器具でモノポーラモードでの切断動作及び組織凝固動作を完了する。
バイポーラモードで、メイン制御ユニットは、第4組の制御信号によって、電流に第1アクチュエータ器具の第1アクチュエータ端71を通過させた後、更に人体組織を通過させて第1アクチュエータ器具の第2アクチュエータ端72に到達させることによって、第4電流回路を形成し、第1アクチュエータ器具でバイポーラモードでの切断動作及び組織凝固動作を完了する。
無論、本実施例の第1組の制御信号、第2組の制御信号、第3組の制御信号、第4組の制御信号はいずれも、中央コントローラ2によって高周波電源モジュール3及びリレーマトリックスを制御することによって出力され、そして種々の電流回路を形成する。
モノポーラモードを使用する時、電極構造6(例えば、電気メスペンの切断)又は凝血ボタンを押下し、回路によって、フォトカプラのフォトカプラ信号又は演算増幅器の増幅電気信号をトリガーし、フォトカプラ信号又は増幅電気信号を中央コントローラ2に伝送し、中央コントローラ2は、同種のインバータを介してリレースイッチ信号CH2_PKADR及びCH3_BEMDRをオン駆動し、第4スイッチトランジスタ44(例えば、第4リレースイッチJDQ4)及び第3スイッチトランジスタ43(例えば、第3リレースイッチJDQ3)をオンにし、中央コントローラ2によって、残りのリレーをオフにするように制御し、高周波電源モジュール3から高周波電流を出力し、この高周波電流は、第3スイッチトランジスタ43(例えば、第3リレースイッチJDQ3)を通過して電極構造6(例えば、電気メスペン)に到達し、更に人体組織を経由して回路電極5に到達した後、第4スイッチトランジスタ44(例えば、第4リレースイッチJDQ4)を経由して高周波電源モジュール3に戻ることによって、モノポーラ切断と凝血を実現する。
【0034】
バイポーラモードを使用する時、ペダルを踏み、又は、手で切断ボタンを制御し、又は、手で凝血ボタンを制御し、回路トリガーにより、データ伝送インタフェースを経由して信号を中央コントローラ2に伝送し、中央コントローラ2は、同種のインバータを介してリレースイッチ信号CH1_PK2ABDR及びCH1_PKABDRをオン駆動し、第1スイッチトランジスタ41(例えば、第1リレースイッチJDQ1)及び第2スイッチトランジスタ42(例えば、第2リレースイッチJDQ2)をオンにし、中央コントローラ2によって、残りのリレーをオフにするように制御し、高周波電流は、第1スイッチトランジスタ41(例えば、第1リレースイッチJDQ1)を通過してバイポーラ器具7の1つのアクチュエータ端に到達し、更にバイポーラ器具7に挟まれる病変組織を経由してバイポーラ器具7の別のアクチュエータ端に到達し、続いて、このバイポーラ器具7の別のアクチュエータ端から、第2スイッチトランジスタ42(例えば、第2リレースイッチJDQ2)を経由して高周波電源モジュール3に戻ることによって、バイポーラ切断と凝血を実現する。これから分かるように、本発明によるアクチュエータ器具(例えば、バイポーラ電気凝固シザーズ、ペンチ、ピンセット)は、従来のバイポーラアクチュエータ器具よりも良好な臨床効果を有する。
【0035】
モノポーラバイポーラハイブリッドモードを使用する場合、切断動作を実行する時、ペダルを踏むか又は手で切断ボタンを制御し、回路トリガーにより、データ伝送インタフェースを経由して信号を中央コントローラ2に伝送し、中央コントローラ2は、同種のインバータを介してリレースイッチ信号CH1_PK2ABDR及びCH3_BEMDRをオン駆動し、第1スイッチトランジスタ41及び第4スイッチトランジスタ44をオンにし、中央コントローラ2によって、残りのスイッチトランジスタをオフにするように制御し、高周波電流は、第1スイッチトランジスタ41を経由してバイポーラ器具7のアクチュエータ端に到達し、更に人体組織を経由して回路電極5に到達し、続いて第4スイッチトランジスタ44を経由して高周波電源モジュール3に戻ることによって、モノポーラ切断操作を実現する。
組織凝固動作を実行する時、ペダルを踏むか又は手で凝血ボタンを制御し、回路トリガーにより、データ伝送インタフェースを経由して信号を中央コントローラ2に伝送し、中央コントローラ2は、同種のインバータを介してリレースイッチ信号CH1_PK2ABDR及びCH1_PKABDRをオン駆動し、第1スイッチトランジスタ41及び第2スイッチトランジスタ42をオンにし、中央コントローラ2によって、残りのリレーをオフにするように制御し、高周波電流は、第1スイッチトランジスタ41を経由してバイポーラ器具7の1つのアクチュエータ端に到達し、更にバイポーラ器具7に挟まれる病変組織を経由してバイポーラ器具7の別のアクチュエータ端に到達し、続いてこのバイポーラ器具7の別のアクチュエータ端から、第2スイッチトランジスタ42を経由して高周波電源モジュール3に戻ることによって、バイポーラ凝血操作を実現する。
本システムは、バイポーラVPモード出力を更に含み、例えば、タッチディスプレイのバイポーラVP制御領域によってこのモードを選択し、又は、ペダルスイッチの中央の切り替えボタンによってSMポート出力とVPポート出力を切り替える。バイポーラVPモードは、2番目のバイポーラモード出力又は2つ以上のバイポーラモード出力であり、即ち、第6スイッチトランジスタ及び第7スイッチトランジスタが追加され、該当する出力ベースに、該当するバイポーラ電気凝固器具が追加される。バイポーラVPモードで、中央コントローラ2は、同種のインバータを介してリレースイッチ信号をオン駆動し、第6スイッチトランジスタ、第7スイッチトランジスタ(例えば、第6リレースイッチJDQ6、第7リレースイッチJDQ7)をオンにし、中央コントローラ2は、残りのリレーをオフにするように制御し、その原理は、上記バイポーラモードと同じであるが、ただ1つ又は複数の無線周波数出力ベースによる出力(例えば、第3出力ベース)を追加することで、異なる無線周波数出力ベースによる出力を実現する。1つの無線周波数出力ベースを更に追加する時、バイポーラ電気凝固器具を相応的に追加すればよい。
【0036】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本出願における同一のアクチュエータ器具は、モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードで使用可能であり、モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードで、同一のアクチュエータ器具は、モノポーラモードの切断、バイポーラモードの止血というハイブリッドモードを実現でき、従来のモノポーラ出力と従来のバイポーラ出力のそれぞれの欠点を克服し、また、モノポーラ出力とバイポーラ出力のそれぞれの利点を統合した。
モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードで、バイポーラ器具7は、モノポーラモードを使用して切断を行うことを実現することができ、それによってバイポーラ器具7の1つのアクチュエータ端が比較的に高いエネルギー密度を有することもでき、そして、バイポーラ器具7の切断力の助けを借りることができ、バイポーラ器具7が低電力で切断機能を実現することができ、それによって手術中に患者に与えるダメージがかなり低減される。
モノポーラバイポーラハイブリッド出力モードで、バイポーラ器具7による凝血は、本質的には依然としてバイポーラ凝血であり、モノポーラモードの凝血効果に比べて、バイポーラ凝血の利点は、凝血箇所の一定の深さで、電力がより集中し、凝固層の深さが厚くなり、それによって出血部位に対してより高い止血効果を果たすことである。
【0037】
なお、本発明は、上記3つの作動モードを同時に有し、アクチュエータ器具の協働で、手術の必要に応じて出力モードを任意に切り替えることができる。
【0038】
説明すべきこととして、以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎないが、発明の設計構想はこれに限定されず、この構想を利用して本発明に対して行われる非本質的な修正はいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。