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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101907
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】後処理装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20240723BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B65H37/04 Z
B65H37/04 D
G03G15/00 432
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006119
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】萱島 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】清政 拓
(72)【発明者】
【氏名】内山 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】牧田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】上兼 拓巳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正太
(72)【発明者】
【氏名】角田 健也
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072GA08
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA34
(57)【要約】
【課題】後処理を行う位置から待機させる位置に移動させる際に、待機させる位置から一度離れる方向に移動させなくても待機させる位置に移動可能にすること。
【解決手段】媒体(S)の幅方向に対して傾斜し、媒体(S)の角に第1のユニット(21)を案内する第2の案内部(8)と、第2の案内部(8)とは分岐して延びる第3の案内部(9)と、第2の案内部(8)と第3の案内部(9)とを接続する第4の案内部(10)と、を有する案内手段(2)と、第2の案内部(8)と第3の案内部(9)とが分岐する部分に配置され、第1のユニット(21)を第1の案内部(3)から第2の案内部(8)に向けて案内すると共に、第1のユニット(21)を第3の案内部(9)から第1の案内部(3)に向けて案内する分岐手段(7)と、を備えた後処理装置(U4)。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後処理を行うユニットと、
前記ユニットが後処理を行う位置に前記ユニットを案内する案内手段であって、媒体の幅方向に沿って延びる第1の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記媒体の幅方向に対して傾斜し、前記媒体の角に前記ユニットを案内する第2の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記第2の案内部とは分岐して延びる第3の案内部と、前記第2の案内部と前記第3の案内部とを接続する第4の案内部と、を有する前記案内手段と、
前記第2の案内部と前記第3の案内部とが分岐する部分に配置され、前記ユニットを前記第1の案内部から前記第2の案内部に向けて案内すると共に、前記ユニットを前記第3の案内部から前記第1の案内部に向けて案内する分岐手段と、
を備えたことを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記ユニットを前記第1の案内部から前記第2の案内部に向けて案内する第1の分岐位置と、前記ユニットを前記第3の案内部から前記第1の案内部に向けて案内する第2の分岐位置との間で、支持部を中心として移動可能な前記分岐手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記第1の分岐位置に向けて前記分岐手段を付勢する付勢手段、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記第1の分岐位置に移動した前記分岐手段に押し付けられる方向に自重が作用するように水平方向に対して傾斜して配置された前記ユニット、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記ユニットとは異なる後処理を行う第2のユニットであって、前記第1の案内部に案内されて前記媒体の幅方向に沿って移動可能な前記第2のユニット、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記第1の案内部において前記第2の案内部とは逆側の端部に配置され、前記媒体の幅方向に対して傾斜し前記媒体の反対側の角に前記ユニットを案内する第5の案内部であって、前記ユニットの後処理中に前記第2のユニットが待機する前記第5の案内部、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の後処理装置。
【請求項7】
後処理を行うユニットと、
前記ユニットが後処理を行う位置に前記ユニットを案内する案内手段であって、媒体の幅方向に沿って延びる第1の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記媒体の幅方向に対して傾斜し、前記媒体の角に前記ユニットを案内する第2の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記第2の案内部とは分岐して延びる第3の案内部と、前記第2の案内部と前記第3の案内部とを接続する第4の案内部と、を有する前記案内手段と、
前記第2の案内部と前記第3の案内部とが分岐する部分に配置され、前記ユニットを前記第1の案内部から前記第2の案内部に向けて案内する第1の分岐位置と、前記ユニットを前記第3の案内部から前記第1の案内部に向けて案内する第2の分岐位置との間で移動可能な分岐手段と、
を備えたことを特徴とする後処理装置。
【請求項8】
媒体に画像を記録する画像記録装置と、
前記画像記録装置で画像が記録された媒体に対して後処理を行う請求項1ないし7のいずれかに記載の後処理装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置および後処理装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置で画像が記録された媒体の束を綴じる綴じ装置、いわゆるステープラ装置に関し、下記の特許文献1~3に記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1(特開2018-052641号公報)には、第1綴じユニット(300)と第2綴じユニット(500)が案内部材(350)上のガイド溝(350A)を共用しており、第1綴じユニット(300)が第2綴じ位置(P2)に移動する際に、第2綴じユニット(500)を退避機構(600)で移動経路(R1)の脇に移動させる構成が記載されている。
【0004】
特許文献2(特開2020-040786号公報)には、針有り綴じを行う綴じユニット(101)が装置正面側に配置され、針無し綴じを行う綴じユニット(102)が装置背面側に配置され、綴じユニット(101)がレール(191,192)上を移動して、針有り平行綴じ、いわゆる端綴じが可能で、綴じユニット(102)は揺動軸(129)を中心に回転して退避位置といわゆるコーナ綴じ位置との間を移動可能な構成が記載されている。
【0005】
特許文献3(特開2020-026111号公報)には、針有り綴じ部(90)と針無し綴じ部(70)が共通溝(521)を移動可能であり、針有り綴じ部(90)と針無し綴じ部(70)の一方が共通溝(521)上の2か所綴じ位置(61A,61B)や1か所綴じ位置(62A,62B)に移動可能な構成が記載されている。特許文献3記載の技術では、共通溝(521)の延長上の針無し溝(525)と、針無し溝(525)とは分岐する針有り溝(527)が設けられており、針有り綴じ部(90)で綴じ処理を行う場合は、針無し綴じ部(70)を針無し溝(525)に退避させ、針無し綴じ部(70)で綴じ処理を行う場合は、針有り綴じ部(90)を針有り溝(527)に退避させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-052641号公報(「0019」-「0048」、図4図5
【特許文献2】特開2020-040786号公報(「0060」-「0070」、図3
【特許文献3】特開2020-026111号公報(「0048」-「0114」(特に、「0062」)、図9図12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、後処理を行う位置から待機させる位置に移動させる際に、待機させる位置から一度離れる方向に移動させなくても待機させる位置に移動可能にすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の後処理装置は、
後処理を行うユニットと、
前記ユニットが後処理を行う位置に前記ユニットを案内する案内手段であって、媒体の幅方向に沿って延びる第1の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記媒体の幅方向に対して傾斜し、前記媒体の角に前記ユニットを案内する第2の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記第2の案内部とは分岐して延びる第3の案内部と、前記第2の案内部と前記第3の案内部とを接続する第4の案内部と、を有する前記案内手段と、
前記第2の案内部と前記第3の案内部とが分岐する部分に配置され、前記ユニットを前記第1の案内部から前記第2の案内部に向けて案内すると共に、前記ユニットを前記第3の案内部から前記第1の案内部に向けて案内する分岐手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の後処理装置において、
前記ユニットを前記第1の案内部から前記第2の案内部に向けて案内する第1の分岐位置と、前記ユニットを前記第3の案内部から前記第1の案内部に向けて案内する第2の分岐位置との間で、支持部を中心として移動可能な前記分岐手段、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の後処理装置において、
前記第1の分岐位置に向けて前記分岐手段を付勢する付勢手段、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の後処理装置において、
前記第1の分岐位置に移動した前記分岐手段に押し付けられる方向に自重が作用するように水平方向に対して傾斜して配置された前記ユニット、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の後処理装置において、
前記ユニットとは異なる後処理を行う第2のユニットであって、前記第1の案内部に案内されて前記媒体の幅方向に沿って移動可能な前記第2のユニット、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の後処理装置において、
前記第1の案内部において前記第2の案内部とは逆側の端部に配置され、前記媒体の幅方向に対して傾斜し前記媒体の反対側の角に前記ユニットを案内する第5の案内部であって、前記ユニットの後処理中に前記第2のユニットが待機する前記第5の案内部、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の後処理装置は、
後処理を行うユニットと、
前記ユニットが後処理を行う位置に前記ユニットを案内する案内手段であって、媒体の幅方向に沿って延びる第1の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記媒体の幅方向に対して傾斜し、前記媒体の角に前記ユニットを案内する第2の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記第2の案内部とは分岐して延びる第3の案内部と、前記第2の案内部と前記第3の案内部とを接続する第4の案内部と、を有する前記案内手段と、
前記第2の案内部と前記第3の案内部とが分岐する部分に配置され、前記ユニットを前記第1の案内部から前記第2の案内部に向けて案内する第1の分岐位置と、前記ユニットを前記第3の案内部から前記第1の案内部に向けて案内する第2の分岐位置との間で移動可能な分岐手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
媒体に画像を記録する画像記録装置と、
前記画像記録装置で画像が記録された媒体に対して後処理を行う請求項1ないし7のいずれかに記載の後処理装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1,7,8に記載の発明によれば、後処理を行う位置から待機させる位置に移動させる際に、待機させる位置から一度離れる方向に移動させなくても待機させる位置に移動可能にすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、支持部を中心として移動可能な分岐手段で、ユニットを第1の分岐位置と第2の分岐位置との間で移動させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、付勢手段で第1の分岐位置に付勢されており、付勢されない場合に比べて、第1の分岐位置に安定して案内できる。
請求項4に記載の発明によれば、自重で分岐手段に押し付けられない場合に比べて、ユニットを分岐手段で案内しやすい。
請求項5に記載の発明によれば、第1のユニットと第2のユニットで異なる後処理を行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、第2のユニットを第1のユニットとは反対側の位置で待機させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2図2は実施例1の画像の記録部の要部説明図である。
図3図3は実施例1の後処理装置の平面図である。
図4図4は実施例1のステープルユニットの説明図であり、図4Aは針無しステープルユニットの説明図、図4Bは針有りステープルユニットの説明図である。
図5図5は実施例1の針無しステープルユニットの移動の説明図であり、図5Aは針無しステープルユニットが端綴じ位置に移動した状態の説明図、図5Bは針無しステープルユニットが後コーナ綴じ位置に移動した状態の説明図、図5Cは針無しステープルユニットが退避位置に移動した状態の説明図、図5Dは針無しステープルユニットが退避位置から前方に向けて移動する途中の状態の説明図である。
図6図6は従来の針無し綴じユニットと針有り綴じユニットを有する後処理装置におけるユニットの移動の説明図であり、図6Aは2つのユニットが退避位置に移動している状態の説明図、図6Bは針無しステープラが前方に移動した状態の説明図、図6Cはステープラ回転用部材が綴じ位置に移動した状態の説明図、図6Dは針無しステープラが後コーナ綴じ位置に移動した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,-X,Y,-Y,Z,-Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例0019】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、画像記録手段の一例であって画像記録装置の一例としてのプリンタ部U1を有する。プリンタ部U1の上部には、読取手段の一例であって、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U2が支持されている。スキャナ部U2の上部には、原稿の搬送装置の一例としてのオートフィーダU3が支持されている。
【0020】
オートフィーダU3の上部には、媒体の収容手段の一例としての原稿トレイTG1が配置されている。原稿トレイTG1には、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容可能である。原稿トレイTG1の下方には、原稿の排出部の一例としての原稿の排紙トレイTG2が形成されている。原稿トレイTG1と原稿の排紙トレイTG2との間には、原稿の搬送路U3aに沿って、原稿の搬送ローラU3bが配置されている。
【0021】
スキャナ部U2の上面には、透明な原稿台の一例としてのプラテンガラスPGが配置されている。実施例1のスキャナ部U2には、プラテンガラスPGの下方に、読取部の一例としての読取ユニットU2aが配置されている。実施例1の読取ユニットU2aは、プラテンガラスPGの下面に沿って、副走査方向の一例としての左右方向に移動可能に支持されている。なお、読取ユニットU2aは、画像処理部GSに電気的に接続されている。
【0022】
図2は実施例1の画像の記録部の要部説明図である。
画像処理部GSは、プリンタ部U1の書込回路DLに電気的に接続されている。書込回路DLは、潜像の形成手段の一例としての露光装置LHy,LHm,LHc,LHkに電気的に接続されている。
実施例1の露光装置LHy~LHkは、一例として、複数のLEDが主走査方向に並んだLEDヘッドにより構成されている。露光装置LHy~LHkは、書込回路DLから入力された信号に応じて、Y,M,C,Kの各色に対応した書込光を出力可能に構成されている。
前記書込回路DLや電源回路Eは、制御手段の一例としての制御部Cからの制御信号に応じて、書込時期や電源の供給時期が制御される。
図1において、露光装置LHy~LHkの上方には、像保持手段の一例としての感光体PRy,PRm,PRc,PRkが配置されている。図1図2において、各感光体PRy~PRkに書込光が照射される領域により、書込領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kが構成されている。
【0023】
各感光体PRy~PRkの回転方向に対して、書込領域Q1y~Q1kの上流側には、帯電手段の一例としての帯電ローラCRy,CRm,CRc,CRkが配置されている。実施例1の帯電ローラCRy~CRkは、感光体PRy~PRkに接触して従動回転可能に支持されている。
感光体PRy~PRkの回転方向に対して、書込領域Q1y~Q1kの下流側には、現像手段の一例としての現像装置Gy,Gm,Gc,Gkが配置されている。各感光体PRy~PRkと各現像装置Gy~Gkとが対向する領域により、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kが構成されている。
【0024】
感光体PRy~PRkの回転方向に対して、現像装置Gy~Gkの下流側には、1次転写手段の一例としての1次転写ローラT1y,T1m,T1c,T1kが配置されている。各感光体PRy~PRkと各1次転写ローラT1y~T1kとが対向する領域により、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kが構成されている。
感光体PRy~PRkの回転方向に対して、1次転写ローラT1y~T1kの下流側には、清掃手段の一例としての感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
感光体PRy~PRkの回転方向に対して、感光体クリーナCLy~CLkの下流側には、除電手段の一例であって除電装置の一例としての除電器Jy,Jm,Jc,Jkが配置されている。
【0025】
前記Y色の感光体PRy、帯電ローラCRy、露光装置LHy、現像装置Gy、1次転写ローラT1y、感光体クリーナCLy、除電器Jyにより、Y色のトナー像を形成する実施例1のY色の可視像の形成手段の一例としてのY色の作像部Uyが構成されている。同様に、各感光体PRm,PRc,PRk、帯電ローラCRm,CRc,CRk、露光装置LHm,LHc,LHk、現像装置Gm,Gc,Gk、1次転写ローラT1m,T1c,T1k、感光体クリーナCLm,CLc,CLk、除電器Jm,Jc,Jkにより、前記M,C,K色の作像部Um,Uc,Ukが構成されている。
【0026】
前記感光体PRy~PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、像保持手段の一例であって、中間転写手段の一例としての中間転写ベルトBを有する。中間転写ベルトBは、無端帯状の部材により構成されている。
実施例1の中間転写ベルトBは、張架手段の一例としてのテンションローラRtと、片寄りの補正手段の一例としてのウォーキングローラRwと、従動手段の一例としてのアイドラローラRfと、2次転写領域の対向手段の一例としてのバックアップローラT2aと、1次転写ローラT1y~T1kと、駆動部材の一例としての駆動ローラRdにより回転可能に支持されている。実施例1では、駆動ローラRdに駆動が伝達された場合に、中間転写ベルトBが回転する。
【0027】
前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップローラT2aに対向する位置には、2次転写手段の一例としての2次転写ローラT2bが配置されている。バックアップローラT2aおよび2次転写ローラT2b等により、転写装置の一例としての実施例1の2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ローラT2bと中間転写ベルトBとが接触する領域により2次転写領域Q4が構成されている。
中間転写ベルトBの回転方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、中間転写体の清掃装置の一例として、ベルトクリーナCLbが配置されている。
前記1次転写ローラT1y~T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、転写手段の一例としての実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。また、作像部Uy~Ukおよび転写装置T1+T2+Bとにより、実施例1の画像の記録部Uy~Uk+T1+T2+Bが構成されている。
【0028】
図1において、作像部Uy~Ukの下方には、案内手段の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられている。各ガイドレールGRには、媒体の収容手段の一例としての給紙トレイTR1,TR2,TR3,TR4が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1~TR4には、媒体の一例としての記録用紙Sが収容される。
給紙トレイTR1~TR4の左上方には、取出手段の一例としてのピックアップローラRpが配置されている。記録用紙Sの搬送方向に対して、ピックアップローラRpの下流側には、捌き手段の一例としての捌きローラRsが配置されている。記録用紙Sの搬送方向に対して、捌きローラRsの下流側には、媒体の搬送路の一例として、上方に延びる給紙路SH1が形成されている。給紙路SH1には、搬送手段の一例としての複数の搬送ローラRaが配置されている。
【0029】
複写機Uの左下部には、媒体の収容手段の一例としての手差しトレイTR0が配置されている。手差しトレイTR0の右上部には、ピックアップローラRp0が配置され、手差し給紙路SH0が延びている。手差し給紙路SH0は給紙路SH1に合流している。
給紙路SH1には、2次転写領域Q4の上流側に、搬送時期の調節手段の一例としてのレジローラRrが配置されている。レジローラRrから2次転写領域Q4に向けて搬送路SH2が延びている。
【0030】
記録用紙Sの搬送方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、定着手段の一例としての定着装置Fが配置されている。定着装置Fは、加熱用の定着部材の一例としての加熱ローラFhと、加圧用の定着部材の一例としての加圧ローラFpと、を有する。加熱ローラFhと加圧ローラFpとの接触領域により定着領域Q5が構成されている。
プリンタ部U1の上面には、媒体の排出部の一例としての下段排紙トレイTRhが形成されている。なお、実施例1では、下段排紙トレイTRhに後処理装置の一例としてのフィニッシャーU4が設置されている。定着装置Fの上方には、搬送路の一例としての排紙路SH3が下段排紙トレイTRhに向けて延びている。排紙路SH3の下流端には、媒体の搬送手段の一例としての排紙ローラRhが配置されている。
【0031】
下段排紙トレイTRhの上方には、媒体の排出部の一例としての上段排紙トレイTRh2が配置されている。定着装置Fの上方には、排紙路SH3から分岐して、上段排紙トレイTRh2に向けて延びる上方搬送路SH4が形成されている。
上方搬送路SH4には、媒体の搬送手段の一例としての正逆回転可能な反転ローラRbが配置されている。排紙路SH3と上方搬送路SH4との分岐位置よりも上方には、媒体の搬送路の一例としての反転路SH6が上方搬送路SH4から左下方に分岐している。
【0032】
排紙路SH3と上方搬送路SH4との分岐部分と、上方搬送路SH4と反転路SH6との分岐部分とに渡る形で、切替手段の一例としてのゲートGT1が配置されている。ゲートGT1は、定着装置Fからの記録用紙Sを下段排紙トレイTRhに向けて案内すると共に、上方搬送路SH4から反転路SH6に記録用紙Sを案内する第1の案内位置(第2の位置)と、定着装置Fからの記録用紙Sを上方搬送路SH4に案内する第2の案内位置(第1の位置)との間で切替可能に支持されている。
前記反転路SH6には、媒体の搬送手段の一例としての複数の搬送ローラRaが配置されている。反転路SH6の下流端は、レジローラRrの上流側で給紙路SH1に合流している。
【0033】
(画像形成動作の説明)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う場合には、読取ユニットU2aが初期位置から左右方向に移動して、プラテンガラスPG上の原稿Giが、露光されながら走査される。また、前記オートフィーダU3を使用して自動的に原稿Giを搬送して複写を行う場合には、原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、プラテンガラスPG上の原稿の読み取り位置に順次搬送されて通過し、原稿の排紙トレイTG2に排出される。プラテンガラスPG上の読み取り位置を順次通過する各原稿Giは、読取ユニットU2aに露光されて走査される。なお、原稿Giからの反射光は、読取ユニットU2aで受光される。前記読取ユニットU2aは、受光された原稿Giの反射光を電気信号に変換する。なお、原稿Giの両面読取りが行われる場合には、読取りセンサでも原稿Giが読み取られる。
【0034】
画像処理部GSは、読取ユニットU2aから出力された電気信号が入力される。画像処理部GSは、読取ユニットU2aが読み取ったR,G,Bの色の画像の電気信号を、潜像形成用のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の画像情報に変換する。画像処理部GSは、変換後の画像情報をプリンタ部U1の書込回路DLに出力する。なお、画像処理部GSは、画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報を書込回路DLに出力する。
書込回路DLは、入力された画像情報に応じた制御信号を、露光装置LHy~LHkに出力する。露光装置LHy~LHkは、制御信号に応じた書込光を出力する。
【0035】
各感光体PRy~PRkは、画像形成が開始されると回転駆動する。帯電ローラCRy~CRkには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。したがって、感光体PRy~PRkの表面は、帯電ローラCRy~CRkにより帯電される。帯電された感光体PRy~PRkは、書込領域Q1y~Q1kにおいて、露光装置LHy~LHkにより、表面に静電潜像が形成される。感光体PRy~PRkの静電潜像は、現像領域Q2y~Q2kにおいて、現像装置Gy~Gkにより可視像の一例としてのトナー像に現像される。
【0036】
現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y~Q3kに搬送される。1次転写領域Q3y~Q3kにおいて、1次転写ローラT1y~T1kには、電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、各感光体PRy~PRk上のトナー像は、1次転写ローラT1y~T1kにより、中間転写ベルトBに転写される。なお、多色のトナー像の場合、上流側の1次転写領域で中間転写ベルトBに転写されたトナー像に重ねて、下流側のトナー像が転写される。
1次転写後の感光体PRy~PRkの残留物、付着物は、感光体クリーナCLy~CLkにより清掃される。清掃後の感光体PRy~PRk表面は、除電器Jy~Jkで除電される。除電後の感光体PRy~PRkの表面は、帯電ローラCRy~CRkにより再帯電される。
1次転写領域Q3y~Q3kで1次転写ローラT1y~T1kにより中間転写ベルトB上に転写された単色または多色のトナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
【0037】
画像が記録される記録用紙Sは、使用される給紙トレイTR1~TR4のピックアップローラRpにより、取り出される。ピックアップローラRpで取り出された記録用紙Sは、複数枚の記録用紙Sが重ねて取り出された場合、捌きローラRsにより1枚ずつに分離される。捌きローラRsで分離された記録用紙Sは、搬送ローラRaにより給紙路SH1を搬送される。給紙路SH1を搬送された記録用紙Sは、レジローラRrに送られる。手差しトレイTR0に積載された記録用紙Sも、ピックアップローラRp0で手差し給紙路SH0を通じて給紙路SH1に送られる。
レジローラRrは、中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期を合わせて、記録用紙Sを2次転写領域Q4に搬送する。2次転写ローラT2bには、電源回路Eによりトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。したがって、中間転写ベルトB上のトナー像は、中間転写ベルトBから記録用紙Sに転写される。
【0038】
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、表面に付着した付着物等がベルトクリーナCLbにより清掃される。
前記トナー像が2次転写された記録用紙Sは、定着領域Q5を通過する際に加熱定着される。
画像が定着された記録用紙Sは、後処理が行われる場合には、下段排紙トレイTRhに設置された後処理装置の一例としてのフィニッシャーU4に搬送される。記録用紙Sに後処理が行われない場合には、記録用紙Sは上段排紙トレイTRh2に搬送される。下段排紙トレイTRhに記録用紙Sが搬送される場合は、ゲートGT1が第1の案内位置に移動する。したがって、定着装置Fから送り出された記録用紙Sは、排紙路SH3を搬送される。排紙路SH3を搬送された記録用紙Sは、排紙ローラRhによりフィニッシャーU4および下段排紙トレイTRhに向けて搬送される。
フィニッシャーU4は、記録用紙Sに対して、後処理の一例としての綴じ処理を行った後、下段排紙トレイTRhに記録用紙Sを排出する。
【0039】
記録用紙Sが上段排紙トレイTRh2に排出される場合は、ゲートGT1が第2の案内位置に移動して、上段排紙トレイTRh2に排出される。
記録用紙Sが両面印刷される場合、ゲートGT1が第2の案内位置に移動する。そして、記録用紙Sの後端がゲートGT1を通過すると、ゲートGT1が第1の案内位置に移動すると共に、反転ローラRbが逆回転する。したがって、記録用紙Sは、ゲートGT1に案内されて、反転路SH6に送られる。反転路SH6を搬送された記録用紙Sは、表裏が反転された状態でレジローラRrに送られる。
【0040】
(フィニッシャーU4の説明)
図1において、実施例1のフィニッシャーU4は、積載手段の一例としてのコンパイルトレイU4aを有する。コンパイルトレイU4aに対して、媒体の搬送方向の上流側には、綴じ装置の一例としてのステープル装置U4bが配置されている。
コンパイルトレイU4aの媒体搬送方向下流側には、前記下段排紙トレイTRhが配置されている。
【0041】
図3は実施例1の後処理装置の平面図である。
図3において、実施例1のステープル装置U4bは、案内部材の一例としてのガイドプレート1を有する。なお、実施例1では、ガイドプレート1は、全体としてコンパイルトレイU4a側である右側に比べて、左側の方が重力方向で下方となるように配置されている。すなわち、ガイドプレート1は、左下方向に傾斜している。なお、コンパイルトレイU4aに積載される記録用紙Sの端縁を揃えるために、コンパイルトレイU4aは左下方向に傾斜しており、ガイドプレート1も左下方向に傾斜させることが望ましいが、これに限定されない。ガイドプレート1を水平に配置してもよいし、右下方向に傾斜する構成とすることも可能である。
ガイドプレート1には、案内手段の一例としてのガイド溝2が形成されている。実施例1のガイド溝2は、第1の案内部の一例であって、共通案内部の一例としての前後方向に延びる端綴じガイド部3を有する。端綴じガイド部3の前端には、第5の案内部の一例としての前コーナ綴じガイド部4が接続されている。前コーナ綴じガイド部4は、右方に弧状に傾斜、湾曲した形状に形成されている。
【0042】
端綴じガイド部3の後端部には、端綴じガイド部3の延長上に対して右側、すなわち、コンパイルトレイU4aの内側に膨出する膨出部6が形成されている。膨出部6の内部には、分岐手段の一例としての分岐ゲート7が配置されている。分岐ゲート7は、後端の支点部7aでガイドプレート1に支持されている。分岐ゲート7は、支点部7aから右前方に延びる後部7bと、後部7bの前端から前方に延びる中部7cと、中部7cの前端から左前方に延びる前部7dとを有する。
実施例1の分岐ゲート7は、後部7b、中部7c、前部7dが、1つの板状の部材で構成されており、付勢手段の一例としての、いわゆる板バネ状に形成されている。したがって、分岐ゲート7は弾性変形可能に構成されている。
【0043】
前記分岐ゲート7の後部7bおよび中部7cは、膨出部6の右壁6aに対して間隔をあけて配置されている。前記分岐ゲート7の前部7dは膨出部6の右壁6aに対して間隔をあけて配置され、且つ、前部7dの前端は、膨出部6の左壁6b、すなわち、端綴じガイド部3の左壁3bの延長上の壁面に接触して配置されている。
したがって、分岐ゲート7の前部7dと膨出部6の右壁6aとの間の空間により、第2の案内部の一例としての後コーナ綴じガイド部8が構成されている。また、分岐ゲート7と膨出部6の左壁6bとの間の空間により、第3の案内部の一例として、端綴じガイド部3の延長上の退避部9が構成されている。さらに、分岐ゲート7の中部7cおよび後部7bと膨出部6の右壁6aとの間の空間により、第4の案内部の一例として、後コーナ綴じガイド部8と退避部9とを接続する退避接続部10が構成されている。
前記端綴じガイド部3、前コーナ綴じガイド部4、後コーナ綴じガイド部8、退避部9、退避接続部10により、実施例1のガイド溝2が構成されている。
【0044】
ガイドプレート1の左端部には、駆動手段の一例としてのラック歯16が配置されている。実施例1のラック歯16は、前後方向、すなわち、媒体幅方向に沿って延びる板状であり、上面に歯車が形成されている。
ラック歯16とガイド溝2との間には、案内手段の一例としてのガイドシャフト17が支持されている。ガイドシャフト17は媒体幅方向に延びる棒状に形成されている。
【0045】
図4は実施例1のステープルユニットの説明図であり、図4Aは針無しステープルユニットの説明図、図4Bは針有りステープルユニットの説明図である。
図3において、ガイドプレート1の上部には、第1のユニットの一例としての針無しステープルユニット21が配置されている。
図3図4Aにおいて、針無しステープルユニット21は、第1の移動手段の一例としての第1の台車部22を有する。第1の台車部22には、第1の被案内手段の一例としての第1の被ガイド部23が設けられている。第1の被ガイド部23は、ガイドシャフト17が貫通している。したがって、第1の被ガイド部23がガイドシャフト17に沿って移動可能であり、第1の台車部22はガイドシャフト17に沿って前後方向、すなわち、媒体幅方向に沿って移動可能である。
【0046】
第1の台車部22の左部には、移動用の駆動源の一例としての第1の移動モータ26が支持されている。第1の移動モータ26から駆動が伝達される歯車の一例としての第1の駆動ギア27は、ラック歯16に噛み合っている。したがって、第1の移動モータ26の正回転/逆回転/停止に応じて、第1の台車部22はガイドプレートに沿って前後方向に移動して、端綴じ位置S1,S2や後コーナ綴じ位置S3で停止することが可能である。
前記ラック歯16やガイドシャフト17、第1の被ガイド部23、第1の移動モータ26等により実施例1の第1の移動機構16~26が構成されている。
【0047】
第1の台車部22の上部には、第1の傾斜手段の一例としての第1の回転台31が配置されている。第1の回転台31は、第1の台車部22に対して第1の回転軸31aを中心として回転可能に支持されている。第1の回転台31の上部には、第1の綴じ手段の一例としての針無しステープラ32が支持されている。針無しステープラ32は、作動用の駆動源の一例としての第1の作動モータ32aの作動に応じて記録用紙Sを挟んで、ステープル針を使用せずに記録用紙Sの束を綴じる。なお、針無しで記録用紙Sを綴じる方式は、従来公知の任意の方式を採用可能であり、紙の一部を破る方式とすることも可能であるし、紙の厚さ方向に圧力をかけて繊維どうしを絡ませたり、紙を変形させたりする方式とすることも可能である。
【0048】
図5は実施例1の針無しステープルユニットの移動の説明図であり、図5Aは針無しステープルユニットが端綴じ位置に移動した状態の説明図、図5Bは針無しステープルユニットが後コーナ綴じ位置に移動した状態の説明図、図5Cは針無しステープルユニットが退避位置に移動した状態の説明図、図5Dは針無しステープルユニットが退避位置から前方に向けて移動する途中の状態の説明図である。
図4図5において、第1の回転台31の下部には、第1の傾斜案内手段の一例としての第1の傾斜ガイド軸33が支持されている。第1の傾斜ガイド軸33は、第1の台車部22を貫通して、ガイド溝2に嵌まっている。
なお、実施例1では、針無しステープルユニット21は、ガイドプレート1の傾斜に対応して、全体として左下方向に傾斜している。よって、第1の傾斜ガイド軸33は、針無しステープルユニット21の自重により、ガイド溝2の右壁3a,6aよりも左壁3b,6bや分岐ゲート7に接触しやすい状態で配置されている。
【0049】
図5Aにおいて、第1の傾斜ガイド軸33が端綴じガイド部3に嵌まった状態では、針無しステープラ32が図3の破線で示す状態となり、記録用紙Sの端縁に並行な綴じ角度で綴じることが可能である。
図5Bにおいて、第1の傾斜ガイド軸33が後コーナ綴じガイド部8に進入すると、第1の傾斜ガイド軸33が後コーナ綴じガイド部8に沿ってガイドされて、第1の回転台31および針無しステープラ32が図5Aに示す状態から図5Bに示す状態に回転する。したがって、記録用紙Sの端縁に対して傾斜した綴じ角度で綴じることが可能である。
【0050】
図5Cにおいて、図5Bの状態よりも第1の台車部22が後方に移動すると、第1の傾斜ガイド軸33が退避接続部10にガイドされて退避部9に到達する。したがって、図5Cに示すように、第1の回転台31および針無しステープラ32が図5Bに示す状態から図5Cに示す状態に回転する。実施例1では、針無しステープルユニット21は、針無し綴じ処理が実行されない場合は、図5Cに示す退避位置に退避、待機する。
図5Cに示す退避位置では、第1の傾斜ガイド軸33が前記左壁6bに接触することとなり、第1の回転台31および針無しステープラ32が、用紙幅方向に対して傾斜していない状態となる。針無しステープラ32等が傾斜した状態では、後述する針有りステープルユニット41が後側の端綴じ位置S1に移動する際に干渉、衝突する恐れがあるが、実施例1では、傾斜していない状態に針無しステープラ32等が戻ることで、干渉、衝突が抑制される。
【0051】
図5Dにおいて、針無しステープルユニット21が端綴じまたは後コーナ綴じを行う場合は、図5Cの退避位置から前方に向けて移動する。この途中で、針無しステープルユニット21の第1の傾斜ガイド軸33は、分岐ゲート7の前部7dに接触して、分岐ゲート7を押しのける形で、分岐ゲート7を弾性変形させる。したがって、針無しステープルユニット21は退避位置から前方に移動する。
【0052】
図3において、針無しステープルユニット21の前方には、第2のユニットの一例としての針有りステープルユニット41が配置されている。
図3図4Bにおいて、実施例1の針有りステープルユニット41は、針無しステープルユニット21の第1の台車部22、第1の被ガイド部23、第1の移動モータ26、第1の駆動ギア27、第1の回転台31、第1の傾斜ガイド軸33と同様に、第2の台車部42、第2の被ガイド部43、第2の移動モータ46、第2の駆動ギア47、第2の回転台51、第2の傾斜ガイド軸53を有する。したがって、実施例1の針有りステープルユニット41は、第2の移動モータ46の正回転/逆回転/停止に応じて、第2の台車部42がガイドプレートに沿って前後方向に移動して、端綴じ位置S1,S2や前コーナ綴じ位置S4で停止することが可能である。
実施例1の針有りステープルユニット41は、針無しステープルユニット21の針無しステープラ32に替えて、第2の綴じ手段の一例としての針有りステープラ52を有する。針有りステープラ52は、作動用の駆動源の一例としての第2の作動モータ52aの作動に応じて、ステープル針を記録用紙Sに打ち込んで綴じる。したがって、実施例1の針有りステープルユニット41は、針無しステープルユニット21とは異なる後処理が実行可能である。
【0053】
図3において、第2の傾斜ガイド軸53が端綴じガイド部3に嵌まった状態では、針有りステープラ52が、図3の端綴じ位置S1,S2の位置の破線に示すように、記録用紙Sの端縁に並行な綴じ角度で綴じることが可能である。
第2の傾斜ガイド軸53が前コーナ綴じガイド部4に進入すると、第2の傾斜ガイド軸53が前コーナ綴じガイド部4に沿ってガイドされて、第2の回転台51および針有りステープラ52が図3の破線で示す状態から図3の実線で示す状態に回転する。したがって、前コーナ綴じ位置S4において、記録用紙Sの端縁に対して傾斜した綴じ角度で綴じることが可能である。
【0054】
なお、実施例1では、針有りステープルユニット41は、針有り綴じ処理が実行されない場合は、図3に示す前コーナ綴じ位置S4に退避、待機する。したがって、実施例1では、前コーナ綴じ位置S4が、針有りステープルユニット41の退避位置として兼用、共通化されている。なお、実施例1では、針有りステープルユニット41のステープル針の補充が行われる場合も、前コーナ綴じ位置S4においてフィニッシャーU4の図示しない前面の扉が開放されてステープル針の補充が行われる。したがって、前コーナ綴じ位置S4は、針補充位置としても兼用、共通化されている。なお、実施例1では、前コーナ綴じ位置S4と、退避位置、針補充位置が共通化されているが、これに限定されない。退避位置や針補充位置を前コーナ綴じ位置S4とは別の位置とすることも可能であり、前コーナ綴じ位置S4と退避位置は共通化し且つ針補充位置だけ異なる位置としたり、前コーナ綴じ位置S4と針補充位置は共通化し且つ退避位置だけ異なる位置としたり、針補充位置と退避位置は共通化し且つ前コーナ綴じ位置S4だけ異なる位置とする等、任意に変更可能である。
また、実施例1では、針無しステープルユニット21と針有りステープルユニット41とで退避位置が奥側と手前側の反対側に分かれている。同じ側に退避位置を設定する場合、退避位置が重ならないように空間を確保する必要があったり、退避位置へつながるガイド溝も長くする必要があったりして、装置全体が大型化しやすい問題がある。これに対して、実施例1では、同じ側に退避位置が設定される場合に比べて、装置全体の大型化が抑制されている。
【0055】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、コンパイルトレイU4aに積載された記録用紙Sの束は、針無し綴じの設定がされている場合には、端綴じまたはコーナ綴じの設定に応じて針無しステープルユニット21が端綴じ位置S1,S2または後コーナ綴じ位置S3に移動して針無し綴じが実行される。針有り綴じの設定がされている場合は、端綴じまたはコーナ綴じの設定に応じて針有りステープルユニット41が端綴じ位置S1,S2または前コーナ綴じ位置S4に移動して針有り綴じが実行される。
【0056】
図6は従来の針無し綴じユニットと針有り綴じユニットを有する後処理装置におけるユニットの移動の説明図であり、図6Aは2つのユニットが退避位置に移動している状態の説明図、図6Bは針無しステープラが前方に移動した状態の説明図、図6Cはステープラ回転用部材が綴じ位置に移動した状態の説明図、図6Dは針無しステープラが後コーナ綴じ位置に移動した状態の説明図である。
図6において、特許文献3のような従来の後処理装置において、ガイドプレート01に、針無し綴じユニット02と針有り綴じユニット03が装置の後側に配置されている構成において、後コーナ綴じを可能にするには、ガイド溝04に対して進入、退避可能なステープラ回転用部材06が必要であった。例えば、針無し綴じユニット02が後コーナ綴じを行う場合には、針無し綴じユニット02が、図6A図6Bに示すように、一旦後コーナ綴じ位置を通過して、ガイド溝04の端綴じガイド部04aのところまで移動する。そして、図6Cに示すように、綴じ角度に応じた溝部06aを有するステープラ回転用部材06を回転退避位置から綴じ位置に移動させる。そして、図6Dに示すように、針有り綴じユニット03を後コーナ綴じ位置に移動させることで、溝部06aに図示しない傾斜ガイド軸が案内されて針無しステープラ07が回転する。なお、図6Dに示す位置から退避位置に移動させる場合は、図6Dの位置から針無し綴じユニット02を前方に移動させた後、ステープラ回転用部材06を回転退避位置に移動させ、その後、針無し綴じユニット02を後方の退避位置に移動させる。
【0057】
図6に示す構成では、後コーナ綴じ位置で綴じ処理を行う場合に、ユニット02,03を後コーナ綴じ位置から退避させる際に、一旦、前方、すなわち、一度退避位置から離れる方向に移動させる必要があり、退避作業に時間がかかる問題があった。
これに対して、実施例1では、後コーナ綴じ位置S3で作業終了後、後方に向けて移動させるだけで、図5Bの状態を経て、図5Cに示す退避位置に移動可能である。したがって、図6に示すような後処理を行う後コーナ綴じ位置から待機させる退避位置に移動させる際に、退避位置から一度離れる方向に移動させなくても退避位置に移動可能にすることが可能である。よって、作業にかかる時間が短縮可能である。
【0058】
また、特許文献1に記載の技術のように第2綴じユニットを移動経路の脇に移動させる退避機構を有する構成では、退避機構用の空間を確保する必要があって大型化しやすく、退避機構の費用も高額になりやすい。これに対して、実施例1では、退避機構が必要なく特許文献1に比べて小型化されやすく、費用も押さえられる。
特許文献2に記載の技術では、針有りのコーナ綴じができない問題があったが、実施例1では対応可能である。
【0059】
また、実施例1では、針無しステープルユニット21は、端綴じ位置S1,S2等から後方に向けて移動する際には、分岐ゲート7で後コーナ綴じガイド部8側にガイドされると共に、針無しステープルユニット21が退避位置から前方に向けて移動する際には、分岐ゲート7の前部7dを押しのけて弾性変形させる形で移動する。したがって、実施例1では、板バネ状の分岐ゲート7で針無しステープルユニット21の移動方向を案内可能であり、ゲートを駆動するモータやソレノイド等の駆動源を使用する必要がない。したがって、フィニッシャーU4の全体の製造費用や保守費用が抑制される。
特に、実施例1では、分岐ゲート7は、板バネの弾性力で、後コーナ綴じガイド部8側にガイドされる位置(第1の分岐位置)に付勢されている。なお、針無しステープルユニット21が退避位置から前方に移動する際に、針無しステープルユニット21の第1の傾斜ガイド軸33に分岐ゲート7が押されて第2の分岐位置に移動する。
【0060】
また、実施例1では、針無しステープルユニット21が左下方向に傾斜した状態で配置されている。したがって、針無しステープルユニット21の自重が、分岐ゲート7に第1の傾斜ガイド軸33が押し付けられる方向に作用する。よって、針無しステープルユニット21が水平な状態や右下方向に傾斜した構成に比べて、針無しステープルユニット21は、分岐ゲート7に沿って確実に案内されやすい。
【0061】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機Uを例示したが、これに限定されず、例えば、プリンタ、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット方式や熱転写方式等、任意の画像形成装置に適用可能である。
【0062】
(H02)前記実施例において、複写機Uとして、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、3色以下または5色以上の多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、像保持手段の一例として、無端帯状の中間転写ベルトBを例示したが、これに限定されない。例えば、円筒状の中間転写ドラムや、感光体ドラム、感光体ベルトにも適用可能である。また、中間転写体を有せず、感光体から直接記録用紙Sに画像を記録する構成にも適用可能である。
【0063】
(H04)前記実施例において、後処理を行うユニットとして、針無しステープルユニット21と針有りステープルユニット41を有する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ガイドプレート1上に、1つのステープルユニットのみが配置された構成にも適用可能である。また、3つ以上のステープルユニットを有する構成にも適用可能である。さらに、ステープルユニットに限定されず、パンチ穴を形成する穿孔ユニットや折り線を形成するユニット、ミシン線を形成するユニット等にも適用可能である。
【0064】
(H05)前記実施例において、フィニッシャーU4が下段排紙トレイTRhに設置された構成を例示したが、これに限定されない。複写機Uの側部に外付けされた後処理装置とすることも可能である。
(H06)前記実施例において、回転台31,51は、台車部22,42に対して回転移動する構成を例示したがこれに限定されない。例えば、台車部22,42に対してスライド移動する構成や、回転とスライドが組み合わされた移動をする形態等、任意の形態に適用可能である。
(H07)前記実施例において、分岐ゲート7は板バネ状の形態を例示したが、これに限定されない。例えば、分岐ゲート7を板バネで構成せず、弾性変形をほとんどしない構成とし、回転軸を中心として回転可能且つモータやソレノイド等の駆動源を使用して案内する方向を切り替え可能な構成とすることも可能である。この時、コイルバネやトーションバネ等の付勢部材で分岐ゲートを第1の分岐位置に向けて付勢する構成とすることも可能である。
【0065】
(付記)
(((1)))
後処理を行うユニットと、
前記ユニットが後処理を行う位置に前記ユニットを案内する案内手段であって、媒体の幅方向に沿って延びる第1の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記媒体の幅方向に対して傾斜し、前記媒体の角に前記ユニットを案内する第2の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記第2の案内部とは分岐して延びる第3の案内部と、前記第2の案内部と前記第3の案内部とを接続する第4の案内部と、を有する前記案内手段と、
前記第2の案内部と前記第3の案内部とが分岐する部分に配置され、前記ユニットを前記第1の案内部から前記第2の案内部に向けて案内すると共に、前記ユニットを前記第3の案内部から前記第1の案内部に向けて案内する分岐手段と、
を備えたことを特徴とする後処理装置。
(((2)))
前記ユニットを前記第1の案内部から前記第2の案内部に向けて案内する第1の分岐位置と、前記ユニットを前記第3の案内部から前記第1の案内部に向けて案内する第2の分岐位置との間で、支持部を中心として移動可能な前記分岐手段、
を備えたことを特徴とする(((1)))に記載の後処理装置。
(((3)))
前記第1の分岐位置に向けて前記分岐手段を付勢する付勢手段、
を備えたことを特徴とする(((2)))に記載の後処理装置。
(((4)))
前記第1の分岐位置に移動した前記分岐手段に押し付けられる方向に自重が作用するように水平方向に対して傾斜して配置された前記ユニット、
を備えたことを特徴とする(((3)))に記載の後処理装置。
(((5)))
前記ユニットとは異なる後処理を行う第2のユニットであって、前記第1の案内部に案内されて前記媒体の幅方向に沿って移動可能な前記第2のユニット、
を備えたことを特徴とする(((1)))ないし(((4)))のいずれかに記載の後処理装置。
(((6)))
前記第1の案内部において前記第2の案内部とは逆側の端部に配置され、前記媒体の幅方向に対して傾斜し前記媒体の反対側の角に前記ユニットを案内する第5の案内部であって、前記ユニットの後処理中に前記第2のユニットが待機する前記第5の案内部、
を備えたことを特徴とする(((5)))に記載の後処理装置。
(((7)))
後処理を行うユニットと、
前記ユニットが後処理を行う位置に前記ユニットを案内する案内手段であって、媒体の幅方向に沿って延びる第1の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記媒体の幅方向に対して傾斜し、前記媒体の角に前記ユニットを案内する第2の案内部と、前記第1の案内部の端部に配置され且つ前記第2の案内部とは分岐して延びる第3の案内部と、前記第2の案内部と前記第3の案内部とを接続する第4の案内部と、を有する前記案内手段と、
前記第2の案内部と前記第3の案内部とが分岐する部分に配置され、前記ユニットを前記第1の案内部から前記第2の案内部に向けて案内する第1の分岐位置と、前記ユニットを前記第3の案内部から前記第1の案内部に向けて案内する第2の分岐位置との間で移動可能な分岐手段と、
を備えたことを特徴とする後処理装置。
(((8)))
媒体に画像を記録する画像記録装置と、
前記画像記録装置で画像が記録された媒体に対して後処理を行う(((1)))ないし(((7)))のいずれかに記載の後処理装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0066】
(((1)))にかかる後処理装置によれば、後処理を行う位置から待機させる位置に移動させる際に、待機させる位置から一度離れる方向に移動させなくても待機させる位置に移動可能にすることができる。
(((2)))にかかる後処理装置によれば、支持部を中心として移動可能な分岐手段で、ユニットを第1の分岐位置と第2の分岐位置との間で移動させることができる。
(((3)))にかかる後処理装置によれば、付勢手段で第1の分岐位置に付勢されており、付勢されない場合に比べて、第1の分岐位置に安定して案内できる。
(((4)))にかかる後処理装置によれば、自重で分岐手段に押し付けられない場合に比べて、ユニットを分岐手段で案内しやすい。
(((5)))にかかる後処理装置によれば、第1のユニットと第2のユニットで異なる後処理を行うことができる。
(((6)))にかかる後処理装置によれば、第2のユニットを第1のユニットとは反対側の位置で待機させることができる。
(((7)))にかかる後処理装置によれば、後処理を行う位置から待機させる位置に移動させる際に、待機させる位置から一度離れる方向に移動させなくても待機させる位置に移動可能にすることができる。
(((8)))にかかる画像形成装置によれば、後処理を行う位置から待機させる位置に移動させる際に、待機させる位置から一度離れる方向に移動させなくても待機させる位置に移動可能にすることができる。
【符号の説明】
【0067】
2…案内手段、
3…第1の案内部、
4…第5の案内部、
7…分岐手段、付勢手段、
8…第2の案内部、
9…第3の案内部、
10…第4の案内部、
21…第1のユニット、
41…第2のユニット、
S…媒体、
S3…後処理を行う位置、
U…画像形成装置、
U1…画像記録装置、
U4…後処理装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6