(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101926
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】光学センサ
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20240723BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S7/481 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006151
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】磯野 雅史
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AB01
5J084AB07
5J084AB20
5J084AC02
5J084BA04
5J084BA06
5J084BA20
5J084BA36
5J084BA40
5J084BA48
5J084BB01
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB28
5J084BB38
5J084BB40
5J084CA03
5J084DA01
5J084EA20
5J084EA40
(57)【要約】
【課題】不要なビーム漏洩を抑制する小型の光学センサの提供。
【解決手段】光学センサ100は、外界と内部とを仕切るハウジングユニット1内において投光ビームPBを投光する投光部20、及びハウジングユニット1内において反射ビームRBを受光する受光部40を、含む光学ユニット2と、ハウジングユニット1内において投光部20からの投光ビームPBを外界へ向けて走査し、外界からの反射ビームRBをハウジングユニット1内において受光部40へ向けて反射する走査ユニット3と、光学ユニット2及び走査ユニット3を制御する制御ユニットとを、備える。制御ユニット5は、ハウジングユニット1内において検出制御での各光路PL,RLのフットプリント外に配置される反射部190と、光学ユニット2との間に各光路PL,RLを走査ユニット3により形成するのに応じて、光学ユニット2の光学特性を監視する監視制御を、実行するように構成される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光ビーム(PB)に対して反射される反射ビーム(RB)を受光する光学センサ(100)であって、
外界と内部とを仕切るハウジングユニット(1)と、
前記ハウジングユニット内において前記投光ビームを投光する投光部(20)、及び前記ハウジングユニット内において前記反射ビームを受光する受光部(40)を、含む光学ユニット(2)と、
前記ハウジングユニット内において前記投光部からの前記投光ビームを前記外界へ向けて走査し、前記外界からの前記反射ビームを前記ハウジングユニット内において前記受光部へ向けて反射する走査ユニット(3)と、
前記光学ユニット及び前記走査ユニットを制御する制御ユニット(5)とを、備え、
前記ハウジングユニットは、
前記投光ビームに対する反射特性を与えられた反射部(190,2190)を、有し、
前記制御ユニットは、
前記ハウジングユニット内において前記投光ビームと前記反射ビームとでフットプリント(PF,RF)同士を重複させた各光路(PL,RL)を、前記走査ユニットにより前記光学ユニットと前記外界との間に形成するのに応じて、前記外界を検出する検出制御(Cd)と、
前記ハウジングユニット内において前記検出制御での各前記光路の前記フットプリント外に配置される前記反射部と、前記光学ユニットとの間に各前記光路を前記走査ユニットにより形成するのに応じて、前記光学ユニットの光学特性を監視する監視制御(Cm)とを、実行するように構成される光学センサ。
【請求項2】
前記反射部は、
前記投光ビームを拡散反射する反射面(191,2191)に前記反射特性を与えられる請求項1に記載の光学センサ。
【請求項3】
前記投光部は、
少なくとも前記外界では基準方向(Y)に沿って長手となるラインビーム状の前記投光ビームを投光し、
前記反射部(190)は、
前記基準方向に沿って長手の反射面(191)に前記反射特性を与えられる請求項1に記載の光学センサ。
【請求項4】
前記投光部は、
基準方向(Y)に沿って離間配列される複数の光源(24)からの個別ビーム(PBi)の集合により、少なくとも前記外界では前記基準方向に沿って長手となるラインビーム状の前記投光ビームを投光し、
複数の前記反射部(2190)は、
前記基準方向に沿って離間配列され、それぞれ対応する前記光源からの前記個別ビームに対して前記反射特性を与えられる請求項1に記載の光学センサ。
【請求項5】
前記投光部は、
前記反射部の配置エリアにおいて前記基準方向に重畳する前記個別ビーム同士の集合により、前記基準方向に沿って長手となるラインビーム状の前記投光ビームを投光する請求項4に記載の光学センサ。
【請求項6】
前記反射部は、
前記ハウジングユニットのうち前記光学ユニット及び前記走査ユニットを保持するフレーム部材(18)において、前記走査ユニットを挟んで前記光学ユニットとは反対側エリアに配置される請求項1~5のいずれか一項に記載の光学センサ。
【請求項7】
前記ハウジングユニットは、
前記投光ビーム及び前記反射ビームに対する遮光特性が与えられた遮光部(181)を、前記ハウジングユニット内における前記検出制御での各前記光路の前記フットプリント外のうち、前記反射部の周囲に有する請求項1~5のいずれか一項に記載の光学センサ。
【請求項8】
前記ハウジングユニットは、
前記投光ビーム及び前記反射ビームに対して前記外界と前記ハウジングユニット内との間での透光特性が与えられる透光窓(16)を、前記ハウジングユニット内における前記検出制御での各前記光路の前記フットプリント内のうち、前記反射部の配置エリアを避けて有する請求項1~5のいずれか一項に記載の光学センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学センサに関する。
【背景技術】
【0002】
投光部から投光した投光ビームに対して、反射される反射ビームを受光部により受光する光学センサは、広く知られている。こうした光学センサの一種として特許文献1には、走査ユニットにより投光ビームの投光先を外界から筐体内に変更した状態で、反射ビームに基づき投光部及び受光部の動作状態を自己診断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示の光学センサでは、距離検出時に走査ユニットにより走査される投光ビームの光路に対して、反射ビームの光路が仕切り壁により分離されていることは、全体としての体格を小型化する上での支障となっている。しかも、特許文献1に開示の光学センサでは自己診断時の投光ビームが、仕切り壁の穴から反射ビームの光路内へと入射して、筐体内のうち入射窓の内面により反射される際、入射窓から外界へ投光ビームの不要な漏洩が懸念される。
【0005】
本開示の課題は、不要なビーム漏洩を抑制する小型の光学センサを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の一態様は、
投光ビーム(PB)に対して反射される反射ビーム(RB)を受光する光学センサ(100)であって、
外界と内部とを仕切るハウジングユニット(1)と、
ハウジングユニット内において投光ビームを投光する投光部(20)、及びハウジングユニット内において反射ビームを受光する受光部(40)を、含む光学ユニット(2)と、
ハウジングユニット内において投光部からの投光ビームを外界へ向けて走査し、外界からの反射ビームをハウジングユニット内において受光部へ向けて反射する走査ユニット(3)と、
光学ユニット及び走査ユニットを制御する制御ユニット(5)とを、備え、
ハウジングユニットは、
投光ビームに対する反射特性を与えられた反射部(190,2190)を、有し、
制御ユニットは、
ハウジングユニット内において投光ビームと反射ビームとでフットプリント(PF,RF)同士を重複させた各光路(PL,RL)を、走査ユニットにより光学ユニットと外界との間に形成するのに応じて、外界を検出する検出制御(Cd)と、
ハウジングユニット内において検出制御での各光路のフットプリント外に配置される反射部と、光学ユニットとの間に各光路を走査ユニットにより形成するのに応じて、光学ユニットの光学特性を監視する監視制御(Cm)とを、実行するように構成される。
【0008】
このような本開示の一態様によると、外界を検出する検出制御では、外界と内部とを仕切るハウジングユニット内において投光ビームと反射ビームとでフットプリント同士の重複した各光路を、走査ユニットが光学ユニットと外界との間に形成する。これによりハウジングユニット内の光学ユニットでは、投光ビームを投光する投光部と、反射ビームを受光する受光部とを、可及的に近づけて配置することができるので、光学センサ全体の体格を小型化することが可能となる。
【0009】
しかも本開示の一態様によると、光学ユニットの光学特性を監視する監視制御では、ハウジングユニット内において検出制御での各光路のフットプリント外に配置されて反射特性を与えられた、同ハウジングユニットの反射部と光学ユニットとの間に走査ユニットが、各光路を形成する。これによれば監視制御での投光ビームを、検出制御での外界へ向かう光路からは外して、ハウジングユニット内に留めさせることができるので、不要な投光ビームの漏洩を抑制することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第一実施形態による光学センサの全体構成を横断面にて示す模式図である。
【
図2】第一実施形態による光学センサの全体構成を示す縦断面にて示す模式図である。
【
図3】第一実施形態による投光部を示す模式図である。
【
図4】第一実施形態による受光部を示す模式図である。
【
図5】第一実施形態による光学センサの詳細構造を示す斜視図である。
【
図6】第一実施形態による光学センサの監視制御を横断面にて示す模式図である。
【
図7】第一実施形態による光学センサの詳細機能を説明するための模式図である。
【
図8】第二実施形態による光学センサの詳細構造を拡大して示す模式図である。
【
図9】第二実施形態による光学センサの詳細機能を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態を図面に基づき複数説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。また、各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。さらに、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
【0012】
(第一実施形態)
図1,2に示すように、本開示の第一実施形態による光学センサ100は、移動体に配置されて外界を光学的に検出するための、LiDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)である。光学センサ100の配置対象となる移動体は、手動運転、自動運転、及び遠隔運転のうち少なくとも一種類の運転が可能な、例えば自動車等の車両である。尚、以下の説明では断り書きがない限り、前、後、上、下、左、及び右が示す各方向は、水平面上の車両を基準として定義される。また、以下の説明において水平方向及び鉛直方向とは、それぞれ水平面上の車両における、当該水平面に対しての平行方向及び垂直方向を意味する。
【0013】
光学センサ100は、例えば前方部、左右の側方部、後方部、及び上部ルーフ等のうち、車両における少なくとも一箇所に配置される。光学センサ100は、外界のうち車両での配置箇所に応じた検出エリアDAへと向けて、投光ビームPBを走査する。光学センサ100は、外界において投光ビームPBが検出エリアDAの物標により反射されることで戻ってくる戻り光を、反射ビームRBとして検出する。こうして反射ビームRBとなる投光ビームPBには、人間から視認困難な近赤外域の光が選択される。
【0014】
光学センサ100は、投光ビームPBに対して反射された反射ビームRBを受光することで、外界のうち検出エリアDAに存在する物標を、検出する。こうした外界物標の検出とは、例えば光学センサ100から物標までの距離、物標が存在する方向、及び物標からの反射ビームRBの反射強度等のうち、少なくとも距離を含む一種類又は複数種類の検出である。車両に適用の光学センサ100において代表的な検出対象となる物標は、例えば歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、及び他車両等の移動物体のうち、少なくとも一種類であってもよい。車両に適用の光学センサ100において代表的な検出対象となる物標は、例えばガードレール、道路標識、道路脇の構造物、及び道路上の落下物等の静止物体のうち、少なくとも一種類であってもよい。
【0015】
光学センサ100には、互いに直交した三軸となるX軸、Y軸、及びZ軸により、三次元座標系が定義されている。特に光学センサ100の三次元座標系では、基準方向としてのY軸方向が車両の鉛直方向に沿って規定されていると共に、X軸方向及びZ軸方向がそれぞれ車両の相異なる水平方向に沿って規定されている。これにより水平面上の車両では、三次元座標系のXY平面及びYZ平面が水平面に垂直な鉛直面に沿うと共に、XZ平面が水平面に沿うこととなる。
【0016】
光学センサ100は、ハウジングユニット1、光学ユニット2、走査ユニット3、及び制御ユニット5を備えている。外界と内部とを仕切るハウジングユニット1は、光学センサ100における他のユニット2,3,5を収容する収容室10を当該内部に形成するための、ハウジング本体12及び透光窓16を有している。
【0017】
ハウジング本体12は、例えば金属又は合成樹脂等の複数基材を主体として、収容室10を囲む箱状に形成されている。ハウジング本体12は、X軸方向に向かって開口する光学開口13を、形成している。ハウジング本体12において外面及び内面の少なくとも一方には、近赤外域並びに可視域の光に対する光学特性として低透過率、低反射率、及び高吸収率が設定されることで、遮光特性が与えられている。
【0018】
透光窓16は、例えば樹脂又はガラス等の基材を主体として、収容室10に臨む平板状に形成されている。透光窓16は、ハウジング本体12により外周側から囲まれて保持されることで、光学開口13を閉塞している。透光窓16には、近赤外域の光に対する光学特性として高透過率、低吸収率、及び低反射率が設定されることで、透光特性が与えられている。以上により透光窓16は、収容室10から検出エリアDAへと投光ビームPBを透過させると共に、検出エリアDAから収容室10へと反射ビームRBを透過させるように、外界とハウジングユニット1内との間にて透光特性を発揮する。
【0019】
光学ユニット2は、投光部20及び受光部40を含んで構成されている。以下、説明の理解を容易にするため、投光部20の説明を先に行い、受光部40の説明は走査ユニット3の説明後に行うものとする。
【0020】
投光部20は、
図1示すように投光光源モジュール22及び投光レンズモジュール26を有している。
図3に示すように投光光源モジュール22は、ハウジングユニット1により保持される基板上に複数の投光光源24がアレイ状に実装されることで、構築されている。特に本実施形態の各投光光源24は、Y軸方向に沿って相互離間して単列に配列された、レーザダイオードである。各投光光源24は、制御ユニット5からの制御信号に従うことで、それぞれ投光ビームPBの一部となるレーザ光をパルス状の個別ビームPBi(後述の
図7参照)として生成する。各投光光源24は、エッジエミッタレーザであってもよいし、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)であってもよい。
【0021】
投光光源モジュール22は、Y軸方向に沿って長手且つX軸方向に沿って短手の長方形輪郭をもって擬似的に規定される光源窓25を、基板の片面側に形成している。光源窓25は、各投光光源24におけるレーザ発振開口の集合体として、構成されている。各投光光源24のレーザ発振開口から投射される個別ビームPBi(後述の
図7参照)は、少なくとも外界の検出エリアDAにおいては鉛直方向に沿って長手のラインビーム状に整形される投光ビームPBとして、光源窓25から投射されることとなる。
【0022】
図1に示すように投光レンズモジュール26は、少なくとも一つの投光レンズ260が鏡筒261を介してハウジングユニット1により保持される構造に、構築されている。透光特性の投光レンズ260は、例えば樹脂又はガラス等の基材を主体として、発揮する光学作用に応じたレンズ形状に形成されている。投光レンズ260は、例えば集光、コリメート、及び整形等のうち少なくとも一種類の光学作用を、投光光源モジュール22からの投光ビームPBに対して発揮する。投光レンズ260は、例えば金属又は樹脂等により形成された遮光特性の鏡筒261内に、位置決めされている。
【0023】
こうした構成の投光レンズモジュール26は、
図1,2の如くハウジングユニット1内の収容室10において投光光軸POAを形成するように、投光光源モジュール22とはZ軸方向にずれて位置合わせされている。そこで収容室10では、投光光源モジュール22から投射された投光ビームPBが、投光レンズモジュール26からの光学作用により投光光軸POAに沿って、外界側となる走査ユニット3側へ投光される。
【0024】
走査ユニット3は、走査ミラー32及び走査モータ36を有している。ハウジングユニット1内の収容室10において走査ミラー32は、光学ユニット2からはZ軸方向にずれて、且つ透光窓16からはX軸方向にずれて配置されている。走査ミラー32は、基材の片面であるミラー面33に反射膜が蒸着された板状に、形成されている。走査ミラー32は、Y軸方向に沿う回転中心線まわりに回転自在に、ハウジングユニット1によって支持されている。走査ミラー32は、機械的又は電気的なストッパにより有限となる駆動範囲内において、揺動運動可能となっている。
【0025】
収容室10において走査モータ36は、走査ミラー32の周囲に配置されている。走査モータ36は、例えばボイスコイルモータ、ブラシ付きDCモータ、又はステッピングモータ等である。走査モータ36の出力軸は、走査ミラー32に対して直接的に、又は例えば減速機等の駆動機構を介して間接的に、結合されている。走査モータ36は、出力軸と共に走査ミラー32を回転駆動可能に、ハウジングユニット1によって保持されている。走査モータ36は、制御ユニット5からの制御信号に従うことで、走査ミラー32を駆動範囲内にて回転駆動(即ち、揺動駆動)する。
【0026】
そこで収容室10では走査ミラー32が、投光部20の投光レンズモジュール26から投光されてくる投光ビームPBを、走査モータ36の回転角度に応じたミラー面33により透光窓16へ向けて反射する。これにより走査ミラー32は、透光窓16を透過する投光ビームPBを、外界の検出エリアDAへ向けて走査する。このとき検出エリアDAに対しての投光ビームPBによる走査は、走査ミラー32の回転駆動に従って、本実施形態では水平方向での走査に実質制限される。
【0027】
それと共に収容室10では走査ミラー32が、外界の検出エリアDAから透光窓16を透過して入射してくる反射ビームRBを、走査モータ36の回転角度に応じたミラー面33により受光部40へ向けて反射する。このとき走査ミラー32の回転運動速度に対しては、投光ビームPB及び反射ビームRBの速度が十分に大きい。これにより反射ビームRBは、投光ビームPBに対する角度が実質同一回転角度と擬制可能な走査ミラー32から反射作用を受けることで、投光ビームPBとは逆行するように受光部40側へ導光される。
【0028】
受光部40は、投光部20に対してY軸方向にずれて配置されることで、走査ミラー32からはZ軸方向にずれた光学ユニット2を当該投光部20と共同して構成している。受光部40は、
図1に示すように受光レンズモジュール42及び受光検出モジュール45を有している。受光レンズモジュール42は、少なくとも一つの受光レンズ420が鏡筒421を介してハウジングユニット1により保持される構造に、構築されている。透光特性の受光レンズ420は、例えば樹脂又はガラス等の基材を主体として、発揮する光学作用に応じたレンズ形状に形成されている。受光レンズ420は、走査ミラー32からの反射ビームRBを受光検出モジュール45へと結像させるように、光学作用を発揮する。受光レンズ420は、例えば金属又は樹脂等により形成された遮光特性の鏡筒421内に、位置決めされている。
【0029】
受光レンズモジュール42は、
図1,2の如くハウジングユニット1内の収容室10において受光光軸ROAを形成するように、受光検出モジュール45とはZ軸方向にずれて位置合わせされている。受光レンズモジュール42の受光光軸ROAは、投光レンズモジュール26の投光光軸POAに対してY軸方向にずれている。これにより収容室10では、走査ミラー32のミラー面33から投光ビームPBとはY軸方向にずれて反射されてくる反射ビームRBが、受光レンズモジュール42からの光学作用により受光光軸ROAに沿って導光されることで、受光検出モジュール45により受光される。
【0030】
こうした収容室10では、投光ビームPBが形成する光路PLのフットプリントPFと、反射ビームRBが形成する光路RLのフットプリントRFとは、Y軸方向において部分重複する重複エリアSAを、走査ミラー32の駆動範囲に亘って形成する。ここで特に投光ビームPB及び反射ビームRBのフットプリントPF,RF同士は、透光窓16における収容室10側及び外界側の各面のうち、少なくとも一方側にて部分重複するように設計されている。これにより透光窓16は、収容室10における各光路PL,RLのフットプリントPF,RF内に位置して、外界と収容室10との間での透光特性を各ビームPB,RBに対して発揮する。以上においてフットプリントPF,RFは、それぞれ後述する検出制御Cdでの各ビームPB,RBの軌跡となる光路PL,RLが、走査ミラー32の駆動範囲に亘って形成され得る空間エリアを、意味している。
【0031】
図4に示すように受光検出モジュール45は、ハウジングユニット1により保持される基板上に複数の受光画素46がアレイ状に実装されることで、構築されている。各受光画素46は、少なくともY軸方向に沿って配列されている。受光検出モジュール45は、Y軸方向に沿って長手且つX軸方向に沿って短手の長方形輪郭を呈する受光面450を、基板の片面側に形成している。受光面450は、各受光画素46における入射面の集合体として、構成されている。ここで各受光画素46はさらに、それぞれ複数ずつの受光素子460としての、例えばシングルフォトンアバランシェダイオード(Single Photon Avalanche Diode)等から形成されている。こうした各受光画素46は、受光レンズモジュール42から受光面450へと入射した反射ビームRBを、Y軸方向に沿って広がったライン状ビームとして受光する。
【0032】
図1に示すように受光検出モジュール45は、出力回路47を有している。出力回路47は、投光光源モジュール22による投光ビームPBの投光周期に同期した、走査ミラー32の回転角度に対応付けられる走査ライン別の検出フレームにおいて、制御ユニット5からの制御信号に従う制御周期毎にサンプリング処理を実行する。このとき出力回路47は、制御周期毎に各受光画素46の受光素子460からの応答出力を合成することで、検出信号を生成する。こうして生成された検出信号は、出力回路47から走査ライン別に制御ユニット5へと出力される。
【0033】
図2に示す制御ユニット5は、プロセッサ及びメモリを含むコンピュータの、少なくとも一つを主体として構築されている。制御ユニット5は、投光光源モジュール22、走査モータ36、及び受光検出モジュール45と接続されている。制御ユニット5は、投光周期毎に投光ビームPBを生成するように、光学ユニット2のうち投光光源モジュール22を制御する。それと共に制御ユニット5は、投光光源モジュール22による投光周期に同期した走査ミラー32による走査及び反射を制御するように、走査モータ36を制御する。さらに制御ユニット5は、投光光源モジュール22による投光周期、並びに走査ミラー32による走査及び反射に合わせて、光学ユニット2のうち受光検出モジュール45から出力される検出信号を処理する。
【0034】
ここで、
図1,2の如く外界の検出エリアDAにおける物標を検出する検出制御Cdでは、制御ユニット5が受光検出モジュール45からの検出信号処理により、三次元点群データを物標検出データとして生成する。そこで検出制御Cdは、ハウジングユニット1内の収容室10において各ビームPB,RBのフットプリントPF,RF同士が重複した各光路PL,RLを、走査ユニット3が光学ユニット2と外界との間に形成するのに応じて、実行される。
【0035】
(詳細構造・詳細機能)
次に、光学センサ100の詳細構造及び詳細機能を説明する。
図1,2,5,6に示すようにハウジングユニット1は、フレーム部材18及び反射部材19をさらに有している。
【0036】
フレーム部材18は、例えば金属又は合成樹脂等の基材を主体として、収容室10をX軸方向に二分する隔壁状に形成されている。フレーム部材18は、ハウジング本体12により外周側から囲まれて保持されることで、透光窓16とはX軸方向に片面を向き合わせて配置されている。フレーム部材18の両板面には、近赤外域並びに可視域の光に対する光学特性として低透過率、低反射率、及び高吸収率が設定されることで、遮光特性が与えられている。
【0037】
ハウジングユニット1内の収容室10においてフレーム部材18は、光学ユニット2の各部20,40及び走査モータ36を、X軸方向における透光窓16とは反対側に保持している。それと共に収容室10においてフレーム部材18は、両面間を貫通する走査開口180により、各ビームPB,RBが形成する光路PL,RLのフットプリントPF,RFを外周側から囲んでいる。
【0038】
Z軸方向における走査開口180の片側では、フレーム部材18がYZ平面とXY平面との各々に沿って屈曲されることで、特に後述する反射部190周囲の遮光部181が各ビームPB,RBに対する遮光特性をもって形成されている。これにより収容室10では、検出制御Cdでの各光路PL,RLのフットプリントPF,RF外のうち、走査ユニット3をZ軸方向に挟んで光学ユニット2とは反対側となるエリアに、遮光部181が配置されている。
【0039】
反射部材19は、例えば金属又は合成樹脂等の基材を主体として、屈曲板状に形成されている。反射部材19は、フレーム部材18の遮光部181においてYZ平面に沿った透光窓16側に、保持されている。これにより収容室10では、検出制御Cdでの各光路PL,RLのフットプリントPF,RF外のうち、走査ユニット3をZ軸方向に挟んで光学ユニット2とは反対側となるエリアに、反射部材19が配置されている。それと共に収容室10では、検出制御Cdでの各光路PL,RLのフットプリントPF,RF内のうち、こうした反射部材19の配置エリアを避けて、透光窓16が設けられている。
【0040】
反射部材19は、YZ平面とXY平面とに沿って広がる屈曲部分により、Z軸方向では各ユニット3,2側となる周囲に遮光部181の広がる反射部190を、形成している。反射部190は、この屈曲部分のうちYZ平面に沿ってZ軸方向での各ユニット3,2側を向く表面により、基準方向としてのY軸方向に長手となる反射面191を、構築している。反射面191には、近赤外域の光に対する光学特性として低透過率、低吸収率、及び高拡散反射率が設定されることで、反射特性が与えられている。ここで特に反射面191の拡散反射率は、反射部190表面の凹凸により光(ここでは、投光ビームPB)を拡散反射(即ち、乱反射)する光学特性を、表している。そこで反射面191は、例えば均等拡散反射面として形成される。
【0041】
このような詳細構造に応じて制御ユニット5は、例えば光学センサ100の起動時等、
図1,2の検出制御Cdが非実施となる期間には、同検出制御Cdとは異なる詳細機能としての監視制御Cmを、
図6の如く実行するように構成されている。ここで監視制御Cmでは、光学センサ100における各部20,40のうち少なくとも一方である監視対象に関しての光学特性として、例えば異常、故障、又は経年劣化に起因する、投光ビームPBの投光強度変動若しくは反射ビームRBの受光強度変動等が監視される。
【0042】
そこで監視制御Cmは、ハウジングユニット1内の収容室10において検出制御Cdでの各光路PL,RLのフットプリントPF,RF外に位置する反射部190と、光学ユニット2との間に各光路PL,RLを走査ユニット3が形成するのに応じて、実行される。このとき、投光ビームPBが反射部190の反射面191により拡散反射されることで生じる反射ビームRBのうち、一部のビーム成分が受光検出モジュール45の受光面450にまで到達することで、反射部190及ぶ光学ユニット2間に各光路PL,RLが
図6の如く形成される。これにより、反射ビームRBとして受光面450に到達したビーム成分は、対象の光学特性を監視可能な範囲にて元の投光ビームPBよりも低下させた設定強度をもって、受光検出モジュール45により受光される。また、反射部190の反射面191により拡散反射されることで生じる反射ビームRBについては、ビーム成分の透光窓16への到達自体と、当該到達が生じたとても外界へと漏れるビーム成分の強度とが、抑えられることとなる。
【0043】
以上により監視制御Cmでは、投光ビームPBに対して実質不変の反射特性を反射面191にもつ反射部190の反射した反射ビームRBを受光しての検出信号に基づくことで、監視対象の光学特性を表す特性データが制御ユニット5により生成される。このとき収容室10では、
図7に示すように反射部190の配置エリアにおいてY軸方向に部分重畳する個別ビームPBi同士の集合ビームが投光ビームPBとして、Y軸方向に長手の反射面191により反射されることとなる。
【0044】
(作用効果)
ここまで説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
【0045】
第一実施形態によると、外界を検出する検出制御Cdでは、外界と内部とを仕切るハウジングユニット1内において投光ビームPBと反射ビームRBとでフットプリントPF,RF同士の重複した各光路PL,RLを、走査ユニット3が光学ユニット2と外界との間に形成する。これによりハウジングユニット1内の光学ユニット2では、投光ビームPBを投光する投光部20と、反射ビームRBを受光する受光部40とを、可及的に近づけて配置することができるので、光学センサ100全体の体格を小型化することが可能となる。
【0046】
しかも第一実施形態によると、光学ユニット2の光学特性を監視する監視制御Cmでは、ハウジングユニット1内において検出制御Cdでの各光路PL,RLのフットプリントPF,RF外に配置されて反射特性を与えられた、同ハウジングユニット1の反射部190と光学ユニット2との間に走査ユニット3が、各光路PL,RLを形成する。これによれば監視制御Cmでの投光ビームPBを、検出制御Cdでの外界へ向かう光路PL,RLからは外して、ハウジングユニット1内に留めさせることができるので、不要な投光ビームPBの漏洩を抑制することも可能となる。
【0047】
第一実施形態による反射部190は、投光ビームPBを拡散反射する反射面191に反射特性を与えられる。これによれば、外界よりも受光部40に近い反射部190により反射されて生じる反射ビームRBであっても、投光ビームPBよりも強度を抑えて受光部40に受光させることができる。故に、受光部40での反射ビームRBの受光強度が飽和することに起因して監視制御Cmでの光学特性の監視精度が低下する事態を、抑止することが可能となる。
【0048】
第一実施形態による投光部20は、少なくとも外界では基準方向としてのY軸方向に沿って長手となる、ラインビーム状の投光ビームPBを投光する。そこで、第一実施形態による反射部190は、投光ビームPBが沿うY軸方向に沿って長手の反射面191に反射特性を与えられるので、投光ビームPBの形状に合わせた必要最小限のサイズに小さく形成され得る。故に、光学センサ100の小型化に貢献することが可能となる。
【0049】
第一実施形態による反射部190は、ハウジングユニット1のうち光学ユニット2及び走査ユニット3を保持するフレーム部材18において、走査ユニット3を挟んで光学ユニット2とは反対側エリアに配置される。これによれば、ハウジングユニット1を構成するフレーム部材18を有効活用して、反射部190を光学ユニット2に可及的に近づけて配置することができるので、光学センサ100の小型化に貢献することが可能となる。
【0050】
第一実施形態によるハウジングユニット1の遮光部181は、同ハウジングユニット1内における検出制御Cdでの各光路PL,RLのフットプリントPF,RF外のうち、反射部190周囲にて遮光特性を与えられる。これによれば、検出制御CdにおいてビームPB,RBの少なくとも一方が、例えば散乱等により検出制御Cdでの各光路PL,RL外へと迷光したとしても、反射部190へ到達するのを遮光部181により抑止され得る。故に、反射部190での不要な反射に起因する、外界へのビーム漏洩及び外界検出の精度低下を、抑制することが可能となる。
【0051】
第一実施形態によるハウジングユニット1内では、両ビームPB,RBに対しての透光特性が外界との間に与えられる、同ハウジングユニット1の透光窓16が、検出制御Cdでの各光路PL,RLのフットプリントPF,RF内のうち、反射部190の配置エリアを避けて設けられる。これにより監視制御Cmでは、検出制御Cdでの各光路PL,RLのフットプリントPF,RF外に配置される反射部190によって反射された反射ビームRBは、それらフットプリントPF,RF内の透光窓16から外界へと漏洩する事態を、抑制可能となる。
【0052】
それと共に第一実施形態では、検出制御CdにおいてフットプリントPF,RF内の透光窓16を透過する各ビームPB,RBは、それらフットプリントPF,RF外の反射部190への到達を抑止され得る。故に、反射部190での不要な反射に起因する、外界へのビーム漏洩及び外界検出の精度低下を、抑制することも可能となる。しかも第一実施形態によると、検出制御CdにおいてフットプリントPF,RF内に各ビームPB,RBを透過させる透光窓16には、フットプリントPF,RF外の反射部190から拡散反射された反射ビームRBの到達自体と、当該到達が生じたとても外界へと漏れるビーム成分の強度とが、抑えられ得る。故に、拡散反射に起因した外界へのビーム漏洩も抑制可能である。
【0053】
(第二実施形態)
図8に示すように第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態の反射部材2019は、基準方向としてY軸方向に沿って相互離間して配置される、突片状の複数反射部2190を有している。各反射部2190は、YZ平面とXY平面とに対する鋭角方向αに沿ってX軸方向の透光窓16側とは反対側を向く傾斜面により、それぞれ個別の反射面2191を構築している。これら各反射部2190の個別反射面2191には、近赤外域の光に対する光学特性として低透過率、低吸収率、及び高拡散反射率が第一実施形態と同様に設定されることで、反射特性が与えられている。
【0054】
こうした詳細構造に応じて第二実施形態の監視制御Cmでは、
図9に示すように各反射部2190においてそれぞれ対応する投光光源24からの個別ビームPBiに対して反射特性の与えられた、相互離間の反射面2191毎に当該対応ビームPBiが反射される。このとき、各反射部2190の配置エリアにおいて隣接する個別ビームPBi同士ではY軸方向に相互重畳する箇所を避けて相互離間した反射面2191により、各個別ビームPBiが分離して拡散反射される。そこで、個別ビームPBiにそれぞれ対応した分離状の反射ビームRBを受光する監視制御Cmでは、監視対象となる各投光光源24別の光学特性を表すように特性データが制御ユニット5によって生成される。
【0055】
以上説明の第二実施形態では第一実施形態と同様に投光部20が、基準方向としてのY軸方向に沿って離間配列される複数の投光光源24からの個別ビームPBiの集合により、少なくとも外界ではY軸方向に沿って長手となるラインビーム状の投光ビームPBを投光する。そこで、第二実施形態ではY軸方向に沿って離間配列される複数反射部2190に、それぞれ対応する投光光源24からの個別ビームPBiに対して反射特性が与えられる。これにより監視制御Cmでは、投光ビームPBとなる各投光光源24からの個別ビームPBi毎に反射部2190からの反射ビームRBを受光して、それら各投光光源24の光学特性を個別監視することができる。故に、特に投光部20に対する光学特性の監視精度を高めることが可能となる。
【0056】
ここで第二実施形態においても投光部20は、反射部2190の配置エリアにおいてY軸方向に重畳する個別ビームPBi同士の集合により、Y軸方向に沿って長手となるラインビーム状の投光ビームPBを投光することとなる。これによれば、監視制御Cmにより各投光光源24の光学特性の個別監視するために、投光ビームPBとなる各投光光源24からの個別ビームPBi毎に反射ビームRBを反射する、複数反射部2190同士を可及的に近づけて配置し得るので、光学センサ100の小型化を図ることが可能となる。
【0057】
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0058】
変形例では、水平方向に沿うY軸方向と、鉛直方向に沿うX軸方向とが、規定されてもよい。変形例では、ハウジングユニット1のうち光学ユニット2及び走査ユニット3を保持するフレーム部材18以外の、例えばハウジング本体12等において検出制御Cdでの各光路PL,RLのフットプリントPF,RF外に反射部190,2910が設けられてもよい。変形例では、反射部190,2910の周囲に遮光部181が設けられなくてもよい。変形例では、例えばYZ平面とXY平面とに対する鋭角方向に沿って傾斜してX軸方向の透光窓16側とは反対側を向く等の反射面191,2191が形成されることで、反射部190,2190には拡散反射特性に代えて、正反射特性が与えられてもよい。
【0059】
変形例において光学センサ100の適用対象となる移動体は、例えば自律走行又はリモート走行により荷物搬送若しくは情報収集等の可能な、自律走行ロボットであってもよい。変形例において光学センサ100の適用対象は、移動体以外、例えば静止構造物等であってもよい。
【0060】
(付言)
本明細書には、以下に列挙する複数の技術的思想と、それらの複数の組み合わせが開示されている。
【0061】
(技術的思想1)
投光ビーム(PB)に対して反射される反射ビーム(RB)を受光する光学センサ(100)であって、
外界と内部とを仕切るハウジングユニット(1)と、
前記ハウジングユニット内において前記投光ビームを投光する投光部(20)、及び前記ハウジングユニット内において前記反射ビームを受光する受光部(40)を、含む光学ユニット(2)と、
前記ハウジングユニット内において前記投光部からの前記投光ビームを前記外界へ向けて走査し、前記外界からの前記反射ビームを前記ハウジングユニット内において前記受光部へ向けて反射する走査ユニット(3)と、
前記光学ユニット及び前記走査ユニットを制御する制御ユニット(5)とを、備え、
前記ハウジングユニットは、
前記投光ビームに対する反射特性を与えられた反射部(190,2190)を、有し、
前記制御ユニットは、
前記ハウジングユニット内において前記投光ビームと前記反射ビームとでフットプリント(PF,RF)同士を重複させた各光路(PL,RL)を、前記走査ユニットにより前記光学ユニットと前記外界との間に形成するのに応じて、前記外界を検出する検出制御(Cd)と、
前記ハウジングユニット内において前記検出制御での各前記光路の前記フットプリント外に配置される前記反射部と、前記光学ユニットとの間に各前記光路を前記走査ユニットにより形成するのに応じて、前記光学ユニットの光学特性を監視する監視制御(Cm)とを、実行するように構成される光学センサ。
【0062】
(技術的思想2)
前記反射部は、
前記投光ビームを拡散反射する反射面(191,2191)に前記反射特性を与えられる技術的思想1に記載の光学センサ。
【0063】
(技術的思想3)
前記投光部は、
少なくとも前記外界では基準方向(Y)に沿って長手となるラインビーム状の前記投光ビームを投光し、
前記反射部(190)は、
前記基準方向に沿って長手の反射面(191)に前記反射特性を与えられる技術的思想1又は2に記載の光学センサ。
【0064】
(技術的思想4)
前記投光部は、
基準方向(Y)に沿って離間配列される複数の光源(24)からの個別ビーム(PBi)の集合により、少なくとも前記外界では前記基準方向に沿って長手となるラインビーム状の前記投光ビームを投光し、
複数の前記反射部(2190)は、
前記基準方向に沿って離間配列され、それぞれ対応する前記光源からの前記個別ビームに対して前記反射特性を与えられる技術的思想1又は2に記載の光学センサ。
【0065】
(技術的思想5)
前記投光部は、
前記反射部の配置エリアにおいて前記基準方向に重畳する前記個別ビーム同士の集合により、前記基準方向に沿って長手となるラインビーム状の前記投光ビームを投光する技術的思想4に記載の光学センサ。
【0066】
(技術的思想6)
前記反射部は、
前記ハウジングユニットのうち前記光学ユニット及び前記走査ユニットを保持するフレーム部材(18)において、前記走査ユニットを挟んで前記光学ユニットとは反対側エリアに配置される技術的思想1~5のいずれか一項に記載の光学センサ。
【0067】
(技術的思想7)
前記ハウジングユニットは、
前記投光ビーム及び前記反射ビームに対する遮光特性が与えられた遮光部(181)を、前記ハウジングユニット内における前記検出制御での各前記光路の前記フットプリント外のうち、前記反射部の周囲に有する技術的思想1~6のいずれか一項に記載の光学センサ。
【0068】
(技術的思想8)
前記ハウジングユニットは、
前記投光ビーム及び前記反射ビームに対して前記外界と前記ハウジングユニット内との間での透光特性が与えられる透光窓(16)を、前記ハウジングユニット内における前記検出制御での各前記光路の前記フットプリント内のうち、前記反射部の配置エリアを避けて有する技術的思想1~7のいずれか一項に記載の光学センサ。
【符号の説明】
【0069】
1:ハウジングユニット、2:光学ユニット、3:走査ユニット、5:制御ユニット、16:透光窓、18:フレーム部材、20:投光部、24:投光光源、40:受光部、100:光学センサ、181:遮光部、190,2190:反射部、191,2191:反射面、Cd:検出制御、Cm:監視制御、PB:投光ビーム、PBi:個別ビーム、PF,RF:フットプリント、PL,RL:光路、RB:反射ビーム、Y:基準方向