(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101931
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】口腔洗浄器
(51)【国際特許分類】
A61C 17/02 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A61C17/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006163
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】522042038
【氏名又は名称】株式会社坂本未来総研
(71)【出願人】
【識別番号】596007577
【氏名又は名称】株式会社アントレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 雅宣
(57)【要約】
【課題】音を発生することなく歯から歯垢を除去可能であり、且つ、液体の歯への単位時間当たりの供給量を使用者のイメージ通りの大きさにするのが容易な口腔洗浄器を提供する。
【解決手段】使用者が手Hで把持可能であり、手によって弾性変形させられることにより内部に収納された液体Wに圧力を付与可能な容器状の本体部20と、圧力を受けた液体が本体部から供給されたときに、液体を自身の先端部43から外部に排出可能な液体供給部40と、を備え、先端部に人間の歯T1、T2、T3、T4に接触可能且つ弾性を有する歯垢除去具48が設けられる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が手で把持可能であり、前記手によって弾性変形させられることにより内部に収納された液体に圧力を付与可能な容器状の本体部と、
圧力を受けた前記液体が前記本体部から供給されたときに、前記液体を自身の先端部から外部に排出可能な液体供給部と、
を備え、
前記先端部に、人間の歯に接触可能且つ弾性を有する歯垢除去具が設けられた口腔洗浄器。
【請求項2】
前記液体供給部は、前記本体部から供給された前記液体を前記歯垢除去具に供給可能である請求項1記載の口腔洗浄器。
【請求項3】
前記本体部が、前記手で把持可能且つ弾性変形可能である容器部を備え、
前記容器部が所定の軸線を中心とする回転対称体であり、且つ、前記容器部の前記軸線を中心とする径が、前記軸線の中央部から両端部に向かうにつれて徐々に小さくなる請求項1又は請求項2に記載の口腔洗浄器。
【請求項4】
前記液体供給部が、供給部本体と、前記供給部本体に着脱可能な前記先端部と、を有し、
前記歯垢除去具が複数の除去ブラシを有し、
前記先端部の前記供給部本体に対する回転方向位置が調整可能である請求項1又は請求項2に記載の口腔洗浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の歯に付着した食べかす及び歯垢を除去可能な口腔洗浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
電動式のアクチュエータの駆動力を利用して除去ブラシを動かし且つ液体を噴射する口腔洗浄器が知られている。使用者はこの口腔洗浄器を利用することにより、液体を歯に供給しながら、歯に付着した食べかす及び歯垢を除去可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のアクチュエータの駆動力によって歯に供給された液体の圧力は大きい。そのため、歯に供給された液体が歯によって跳ね返され、使用者の周囲に飛散し易い。さらにアクチュエータは動作するときに大きな音を発生し易い。
【0005】
本発明は、音を発生することなく歯から歯垢を除去可能であり、且つ、液体の歯への単位時間当たりの供給量を使用者のイメージ通りの大きさにするのが容易な口腔洗浄器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の口腔洗浄器は、使用者が手で把持可能であり、前記手によって弾性変形させられることにより内部に収納された液体に圧力を付与可能な容器状の本体部と、圧力を受けた前記液体が前記本体部から供給されたときに、前記液体を自身の先端部から外部に排出可能な液体供給部と、を備え、前記先端部に、人間の歯に接触可能且つ弾性を有する歯垢除去具が設けられた。
【0007】
なお明細書及び特許請求の範囲の「歯垢」には、細菌と代謝物のかたまりである歯垢、及び、食べかすが含まれる。
【0008】
請求項1に記載の口腔洗浄器は、使用者が手で把持可能であり、手によって弾性変形させられることにより内部に収納された液体に圧力を付与可能な容器状の本体部を有する。そのため使用者の手から本体部に外力が及ぶと、本体部が弾性変形し、本体部の内部に収納された液体が液体供給部の先端部に供給される。即ち、本体部に外力を与えることにより、本体部の内部に収納された液体を歯に供給できる。そのため、例えば歯垢除去具によって歯から移動させられた歯垢を、歯に供給された液体によって歯から除去できる。
【0009】
使用者が手で本体部を把持しながら本体部に外力を与えるので、使用者は外力の大きさを自身のイメージ通りの大きさにするのが容易である。そのため、本体部内の液体の歯への単位時間当たりの供給量を、使用者のイメージ通りの大きさにするのが容易である。
【0010】
さらに請求項1に記載の口腔洗浄器は電動式のアクチュエータの動力を利用しないので、電動式のアクチュエータの動力を利用する場合と比べて音を発生し難い。
【0011】
請求項2に記載の口腔洗浄器は、請求項1において、前記液体供給部は、前記本体部から供給された前記液体を前記歯垢除去具に供給可能である。
【0012】
請求項2に記載の口腔洗浄器は、本体部から供給された液体を歯垢除去具に供給可能である。そのため、例えば口腔洗浄器による歯垢の除去作業が完了した後に、本体部から供給された液体を用いて、歯垢除去具に付着した歯垢を歯垢除去具から除去できる。
【0013】
請求項3に口腔洗浄器は記載の、請求項1又は請求項2において、前記本体部が、前記手で把持可能且つ弾性変形可能である容器部を備え、前記容器部が所定の軸線を中心とする回転対称体であり、且つ、前記容器部の前記軸線を中心とする径が、前記軸線の中央部から両端部に向かうにつれて徐々に小さくなる。
【0014】
なお明細書及び特許請求の範囲の「回転対称体」には、完全な回転対称体及び略回転対称体が含まれる。さらに「略回転対称体」には楕円形が含まれる。
【0015】
請求項3に記載の口腔洗浄器の本体部が、使用者が手で把持可能且つ弾性変形可能である容器部を備える。さらに容器部が所定の軸線を中心とする回転対称体であり、且つ、容器部の軸線を中心とする径が、軸線の中央部から両端部に向かうにつれて徐々に小さくなる。そのため容器部は使用者が手で把持し易い形状である。そのため、使用者は手から本体部(容器部)に及ぼす外力の大きさを、使用者のイメージ通りの大きさにするのがより容易になる。
【0016】
請求項4に記載の口腔洗浄器は、請求項1又は請求項2において、前記液体供給部が、供給部本体と、前記供給部本体に着脱可能な前記先端部と、を有し、前記歯垢除去具が複数の除去ブラシを有し、前記先端部の前記供給部本体に対する回転方向位置が調整可能である。
【0017】
請求項4に記載の口腔洗浄器の先端部の供給部本体に対する軸線まわりの回転方向位置が調整可能である。使用者による口腔洗浄器の使用態様により、複数の除去ブラシの中の特定の除去ブラシが、他の除去ブラシに比べて大きく劣化することがある。換言すると、供給部本体に対する相対位置が所定位置にある除去ブラシが、他の除去ブラシに比べて大きく劣化することがある。例えばこの場合に、先端部の供給部本体に対する回転方向位置を調整することにより、上記特定の除去ブラシよりも劣化度が小さい他の除去ブラシの供給部本体に対する相対位置を上記所定位置に設定できる。そのため特定の除去ブラシが大きく劣化した後においても、使用者は上記所定位置に移動させられた別の除去ブラシを利用して歯から歯垢を除去できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の口腔洗浄器は、音を発生することなく歯から歯垢を除去可能であり、且つ、液体の歯への単位時間当たりの供給量を使用者のイメージ通りの大きさにするのが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図5】使用者が口腔洗浄器を用いて自分の歯に付着した歯垢を除去する様子を示す斜視図である。
【
図6】使用者が除去ブラシに水を供給しながら口腔洗浄器を用いて自分の歯に付着した歯垢を除去する様子を示す斜視図である。
【
図8】別の変形例の液体供給部の上部の斜視図である。
【
図9】別の変形例の先端部及び除去ブラシと供給部本体との分解斜視図である。
【
図10】さらに別の変形例の先端部及び除去ブラシと供給部本体との分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態に係る口腔洗浄器10について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、図中に適宜示された矢印UPを上方とする。
【0021】
図1及び
図2に示されるように口腔洗浄器10は、本体部20、中間部30及び液体供給部40を備える。
【0022】
容器状の本体部20は樹脂製の一体成形品である。本体部20は例えばポリエチレン製である。本体部20は、容器部21と、容器部21の上端部22に接続された雄ねじ部24と、を有する。容器部21は軸線AXを中心とする回転対称体である。容器部21の軸線AXを中心とする径は、容器部21の上下方向の中央部が最大であり、中央部から上方及び下方に向かうにつれて徐々に小さくなる。容器部21は弾性変形可能である。容器部21の上端部22の中央部には開口部23が設けられている。上端部22の上面は、軸線AXに対して直交する平面である。さらに上端部22の上面に、略円筒状の雄ねじ部24が設けられている。
【0023】
中間部30は、基部31、雌ねじ部34、接続部35、逆止弁37及び送液用チューブ39を有する。基部31、雌ねじ部34及び接続部35は樹脂製の一体成形品である。
図2及び
図3に示されたように、基部31は軸線AXを中心とする略三角錐形状の中空体である。基部31の上端部32の上面は軸線AXに対して直交する平面である。上端部32の中央部には開口部33が設けられている。基部31の内面に、軸線AXを中心とする筒状体である雌ねじ部34が設けられている。さらに上端部32の下面の中央部に接続部35の上端部が接続されている。接続部35は軸線AXを中心とする筒状体であり、接続部35の上端部が開口部33に接続している。基部31、雌ねじ部34及び接続部35は容器部21より硬く、実質的に変形不能である。さらに
図3に示されたように基部31の内面に、接続部35の外周側に位置する環状のパッキン30Aが設けられている。
【0024】
図2及び
図3に示されるように上端部32に貫通孔36が設けられている。さらに上端部32の下面に貫通孔36を塞ぐ逆止弁37が設けられている。逆止弁37は、基部31の外側の空気が貫通孔36を通って基部31内に流入するのを許容し、且つ、基部31内の空気が貫通孔36を通って基部31の外側へ排出されるのを規制する。さらに接続部35の下端部に、可撓性を有する送液用チューブ39の上端部が着脱可能に接続されている。
【0025】
液体供給部40は、基部41、延長部42、挿入部44及び歯垢除去具48を有する。基部41、延長部42及び挿入部44は樹脂製の一体成形品である。基部41、延長部42及び挿入部44は容器部21より硬く、実質的に変形不能である。基部41は略三角錐形状である。基部41から上方に延びる延長部42の側面形状は略V字形である。即ち、延長部42は互いに交差する下部42A及び上部42Bを有する。基部41の下面に、円筒形状の挿入部44の上端部が接続されている。
図2及び
図3に示されたように挿入部44の外周面に環状凹部44aが形成され、環状凹部44aにエヤータイト用のOリング45(シリコンリング)が装着されている。
図3に示されたように、基部41、延長部42及び挿入部44の内部を流路46が貫通している。
【0026】
延長部42(上部42B)の先端部43の上面に歯垢除去具48が設けられている。歯垢除去具48は、4つの除去ブラシ49A、49B、49C、49Dを有する。各除去ブラシ49A、49B、49C、49Dは、多数の弾性変形可能な線材を束ねることにより構成されている。各線材は、例えばナイロンにより構成可能である。
図4に示されたように上部42Bの軸線AXUに沿って先端部43の上面を見たとき、流路46の外周側に位置し且つ流路46を中心とする円周上に各除去ブラシ49A、49B、49C、49Dが位置する。
【0027】
図2に示されたように中間部30が本体部20から分離されているとき、開口部23を利用して水(液体)W(
図3参照)を容器部21の内部へ供給可能である。
【0028】
図3に示されたように中間部30の雌ねじ部34に本体部20の雄ねじ部24を挿入し、本体部20の雄ねじ部24の上面に基部31に装着されたパッキン30Aに接触するまで雄ねじ部24と雌ねじ部34を螺合することにより、本体部20と中間部30が結合される。さらに基部41の下面が基部31の上端部32の上面に接触するまで挿入部44を開口部33に挿入することにより、中間部30と液体供給部40が結合される。挿入部44(Oリング45)の外径は開口部33の径と略同一のため、挿入部44を基部31に対して意図的に上方に相対移動させない限り、挿入部44が開口部33から抜けるおそれは小さい。このように本体部20、中間部30及び液体供給部40が一体化されたとき、
図1に示されたように、軸線AXが液体供給部40の下部42Aを通り抜ける。さらに中間部30と液体供給部40が結合されたとき貫通孔36が露出する。
【0029】
次に、実施形態の口腔洗浄器10の作用及び効果を説明する。
【0030】
図5に示されたように、使用者が手Hで本体部20(容器部21)を把持したまま、先端部43を使用者の口腔Mに接近させる。さらに少なくとも一つの各除去ブラシ49A、49B、49C、49Dを何れかの歯T1~T4に接触させながら先端部43を口腔Mに対して相対移動させると、歯T1~T4に付着している歯垢が歯T1~T4から除去されるか又は歯T1~T4の表面上を相対移動する。歯T1~T4の表面上を相対移動した歯垢の歯T1~T4への付着力は、相対移動する前よりも小さくなり易い。また、少なくとも一つの各除去ブラシ49A、49B、49C、49Dを、隣り合う2本の歯T2、T3の間の隙間GPに挿入しながら先端部43を口腔Mに対して相対移動させると、隙間GPに挟まっていた歯垢が隙間GPから除去されるか又は隙間GPにおいて歯T2、T3に対して相対移動する。隙間GP内を相対移動した歯垢の隙間GPに留まろうとする抵抗力は、相対移動する前よりも小さくなり易い。なお図示した歯T1~T4は使用者の歯の一部であり、図示を省略した歯T1~T4以外の歯及び隙間にある歯垢を、各除去ブラシ49A、49B、49C、49Dを用いて除去又は移動させることが可能である。
【0031】
さらに使用者が手Hから
図1に示された初期形状にある容器部21に所定の大きさの外力を及ぼすと、
図6に示されたように容器部21が所定量だけ弾性変形する。このとき容器部21内の空気が貫通孔36を通って中間部30の外側に排出されることが逆止弁37によって阻止される。これにより容器部21内の圧力が上昇するため、容器部21内の水Wが送液用チューブ39及び流路46を通って、流路46の上端開口(先端部43)から外部へ噴射される。そのため、噴射された水Wは歯T1~T4及び歯垢除去具48に接触する。歯T1~T4の表面上を相対移動した歯垢の歯T1~T4への付着力は相対移動する前よりも小さくなり易いため、噴射された水Wの勢い(噴射速度)が小さい場合であっても、噴射された水Wによって、歯T1~T4の表面に位置する歯垢が歯T1~T4から除去される可能性が高い。また歯T2、T3の隙間GP内を相対移動した歯垢の隙間GPに留まろうとする抵抗力は、相対移動する前よりも小さくなり易いため、噴射された水Wの勢いが小さい場合であっても、噴射された水Wによって歯垢が隙間GPから除去される可能性が高い。
【0032】
さらに使用者が容器部21に加えている外力を消失させると、中間部30の外側の空気が貫通孔36を通って容器部21内に流入する。そのため容器部21が初期形状に復帰する。
【0033】
このように流路46の上端開口(先端部43)から外部へ噴射される水Wの勢いが小さい場合であっても、口腔洗浄器10によって使用者の歯T1~T4から歯垢を除去できる。そのため、噴射された水Wが歯T1~T4によって跳ね返され使用者の周囲に飛散するおそれは小さい。さらに使用者は、口腔洗浄器10から歯(口腔M)に供給された水Wを飲み込むことが可能である。そのため使用者は洗面所とは別の場所(例えば食卓)において口腔洗浄器10を使用可能である。
【0034】
手Hから容器部21に外力を及ぼすとき、使用者は自身の意思によって外力の大きさを調整できる。さらに容器部21が軸線AXを中心とする回転対称体であり、且つ、容器部21の軸線AXを中心とする径が軸線AXの中央部から上下両端部に向かうにつれて徐々に小さくなる。そのため容器部21は、使用者が手Hで把持し易い形状である。そのため、使用者は手Hから容器部21に及ぼす外力の大きさを、自身のイメージ通りの大きさにするのが容易である。即ち、使用者は容器部21内の水Wが歯T1~T4によって跳ね返され自身の周囲に飛散しないように、先端部43から歯T1~T4へ水Wを供給できる。
【0035】
さらに口腔洗浄器10は電動式のアクチュエータの動力を利用しない。そのため口腔洗浄器10は、電動式のアクチュエータの動力を利用する場合と比べて音を発生し難い。
【0036】
さらに口腔洗浄器10は、先端部43から歯垢除去具48へ水Wを噴射可能である。そのため、例えば口腔洗浄器10による歯垢の除去作業が完了した後に、先端部43から噴射された水Wを用いて、歯垢除去具48に付着した歯垢を歯垢除去具48から除去できる。
【0037】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0038】
例えば
図7に示された態様で本発明を実施してもよい。この変形例の口腔洗浄器10の液体供給部50は、基部41、延長部42及び挿入部44を有し、基部41、延長部42、先端部43及び挿入部44には流路46が形成されている(
図7では、基部41及び挿入部44の図示が省略されている)。さらに先端部43に形成された流路46の上端部に歯垢除去具51が設けられている。この歯垢除去具51は、多数の弾性変形可能な線材を束ねることにより構成された除去ブラシ52である。除去ブラシ52の下部が流路46の上端部に圧入され、除去ブラシ52が先端部43に固定されている。さらに除去ブラシ52の上端部53は略テーパ状に形成されている。そのため上端部53を隣り合う歯T1~T4の隙間GPに挿入し易い。さらに使用者が手Hから容器部21(
図7では図示省略)に外力を及ぼすと、容器部21内の水Wが送液用チューブ39及び流路46を通って除去ブラシ52に供給される。さらに水Wは、除去ブラシ52の内部を通り抜けて、主に上端部53から外部へ噴射される。
【0039】
また
図8、
図9に示された変形例の態様で本発明を実施してもよい。この変形例の口腔洗浄器10の液体供給部60は、基部41、延長部42及び挿入部44を有する(
図8では、基部41及び挿入部44の図示が省略されている)。また延長部42は、互いに着脱可能な供給部本体61及び先端部65を有する。基部41、供給部本体61及び挿入部44は樹脂製の一体成形品である。基部41、供給部本体61及び挿入部44は容器部21より硬く、実質的に変形不能である。供給部本体61の上端部(先端部)には断面形状が略正方形をなす接続部62が設けられている。図示したように接続部62は4つの角部62A、62B、62C、62Dを有する。接続部62の内部には断面形状が略正方形をなす嵌合孔63が形成されている。嵌合孔63の底面には流路46の上端開口部が形成されている。
【0040】
先端部65は略立方体形状である。先端部65の断面形状は嵌合孔63と略同一である。先端部65には、先端部65をその厚み方向に貫通する流路66が形成されている。さらに先端部65の上面に歯垢除去具48(除去ブラシ49A、49B、49C、49D)が設けられている。
【0041】
先端部65は液体供給部60の嵌合孔63に対して着脱可能である。先端部65が嵌合孔63に挿入されると、実質的に先端部65が接続部62に対して固定され且つ流路46の上端部と流路66の下端部が水密状態で接続される。そのため使用者が手Hから初期形状にある容器部21に所定の大きさの外力を及ぼし容器部21が弾性変形すると、容器部21内の水Wが送液用チューブ39、流路46及び流路66を通って、流路66の上端開口(先端部65)から外部へ噴射される。
【0042】
さらに先端部65は、その回転方向位置を調整しながら接続部62に対して着脱可能である。即ち、例えば
図8に示されたように除去ブラシ49Aが角部62Aと対向し、除去ブラシ49Bが角部62Bと対向し、除去ブラシ49Cが角部62Cと対向し、除去ブラシ49Dが角部62Dと対向するように先端部65を接続部62に装着可能である。また図示は省略されているが、例えば、除去ブラシ49Aが角部62Bと対向し、除去ブラシ49Bが角部62Cと対向し、除去ブラシ49Cが角部62Dと対向し、除去ブラシ49Dが角部62Aと対向するように先端部65を接続部62に装着可能である。
【0043】
使用者による口腔洗浄器10の使用態様により、例えば除去ブラシ49Aが、他の除去ブラシ49B、49C、49Dに比べて大きく劣化することがある。換言すると、使用者の口腔洗浄器10の使用方法のクセに起因して、角部62Aと対向する位置にある除去ブラシ49Aが他の除去ブラシ49B、49C、49Dより大きな力で歯T1~T4に繰り返し接触させられることにより、除去ブラシ49Aが他の除去ブラシ49B、49C、49Dに比べて大きく劣化することがある。例えばこの場合に、先端部65を接続部62から一旦取り外し且つ先端部65の供給部本体61(接続部62)に対する回転方向位置を変更した後に先端部65を接続部62に再度接続することにより、例えば除去ブラシ49Aよりも劣化度が小さい除去ブラシ49Bを角部62Aと対向する位置に移動させられる。そのため、除去ブラシ49Aが大きく劣化した後においても、使用者は角部62Aと対向する位置に移動させられた除去ブラシ49Bを利用して、歯T1~T4から歯垢を除去できる。
【0044】
また
図10に示された態様で本発明を実施してもよい。この変形例の口腔洗浄器10の液体供給部70は、基部41、延長部42及び挿入部44を有し、基部41、延長部42、先端部43及び挿入部44には流路46が形成されている(
図10では、基部41及び挿入部44の図示が省略されている)。さらに先端部43の上面に歯垢除去具71の下端面が固定されている。歯垢除去具71の下端面の外周縁部は流路46の上端開口より外周側に位置する。歯垢除去具71は、シリコンゴム製且つ略円柱形状である。歯垢除去具71の上端部72は略テーパ状に形成されている。さらに歯垢除去具71には、歯垢除去具71をその軸線方向に貫通する流路73が形成されている。歯垢除去具71の上端部72は、隣り合う歯T1~T4の隙間GPに挿入し易い。さらに使用者が手Hから容器部21(
図10では図示省略)に外力を及ぼすと、容器部21内の水Wが送液用チューブ39及び流路46、73を通って上端部72から外部へ噴射される。
【0045】
また液体供給部40、60に設けられる除去ブラシの数を変更してもよい。例えば、液体供給部40、60に2つ又は3つの除去ブラシが設けられてもよい。さらに液体供給部40、60に5つ以上の除去ブラシが設けられてもよい。
【0046】
容器部21内に入れられる液体は水Wでなくてもよい。例えば、洗浄液が容器部21内に入れてもよい。
【0047】
容器部21が上記形状とは異なる形状であってもよい。例えば容器部21が円柱形状であってもよい。
【0048】
先端部65が略立方体形状とは異なる形状であってもよい。例えば、先端部65及び嵌合孔63の流路66の軸線に直交する断面の形状が三角形又は四角形以外の多角形であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 口腔洗浄器
20 本体部
21 容器部
40 液体供給部
43 先端部
48 歯垢除去具
49A 49B 49C 49D 除去ブラシ
50 液体供給部
51 歯垢除去具
60 液体供給部
61 供給部本体
65 先端部
AX 軸線
H 手
T1 T2 T3 T4 歯
W 水(液体)