(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101955
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006208
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米谷 謙一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 祐貴
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AC12
2C518AD06
2C518CA03
2C518EA03
2C518EB11
(57)【要約】
【課題】上乗せゲーム数の報知態様の興趣を向上した遊技機を提供する。
【解決手段】主制御部は、疑似ボBに滞在時にMSの滞在ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行可能であり、MSの滞在ゲーム数が終了値に到達した場合、MSを終了させることが可能であり、副制御部は、疑似ボBからMSに復帰時において、MSの滞在ゲーム数と上乗せ抽選処理の上乗せゲーム数との合算値が、特別値に到達しない場合、加算演出として上乗せゲーム数表示演出を実行可能であり、上記合算値が、特別値に到達する場合、加算演出として巻き戻し演出を実行可能である。
【選択図】
図75
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態において、遊技の進行に応じて変動し得る変動値を管理する管理手段と、
前記管理手段に管理される変動値に加算する加算値を決定可能な決定手段と、
前記決定手段により加算値が決定された場合に、加算演出を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記管理手段に管理される変動値が終了値に到達した場合、前記特定遊技状態を終了させることが可能であり、
前記演出実行手段は、
前記管理手段に管理される変動値と前記決定手段により決定された加算値との合算値が、特別値に到達しない場合、前記加算演出として第1加算演出を実行可能であり、
前記管理手段に管理される変動値と前記決定手段により決定された加算値との合算値が、前記特別値に到達する場合、前記加算演出として第2加算演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記管理手段は、
前記合算値が前記特別値を超える場合、当該特別値を新たな変動値として管理可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出実行手段は、
前記第1加算演出の実行時には、前記決定手段により決定された加算値を表示可能であり、
前記第2加算演出の実行時には、前記特別値を表示可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出実行手段は、
前記第2加算演出の実行時には、前記決定手段により決定された加算値を表示しない
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記特別値は、
前記特定遊技状態で遊技可能なゲーム数の上限値であり、
前記変動値は、
前記特定遊技状態でゲームが実行される毎に、前記特別値から減算することにより算出可能である
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場等に設置される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場等に設置される遊技機があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-013604号公報
【特許文献2】特開2019-155063号公報
【特許文献3】特開2020-062492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一形態は、一遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、前記特定遊技状態において、遊技の進行に応じて変動し得る変動値を管理する管理手段と、前記管理手段に管理される変動値に加算する加算値を決定可能な決定手段と、前記決定手段により加算値が決定された場合に、加算演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、前記遊技状態制御手段は、前記管理手段に管理される変動値が終了値に到達した場合、前記特定遊技状態を終了させることが可能であり、前記演出実行手段は、前記管理手段に管理される変動値と前記決定手段により決定された加算値との合算値が、特別値に到達しない場合、前記加算演出として第1加算演出を実行可能であり、前記管理手段に管理される変動値と前記決定手段により決定された加算値との合算値が、前記特別値に到達する場合、前記加算演出として第2加算演出を実行可能であることを特徴とする遊技機の構成にした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の遊技機の外観を示す概略正面図である。
【
図2】第1実施形態の遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
【
図3】第1実施形態の遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態のリール図柄の配列を示す図表である。
【
図5A】第1実施形態の押し順ベル役の図柄の組合せと配当を示す図表である。
【
図5B】第1実施形態の押し順ベル役の図柄の組合せと配当を示す図表である。
【
図6】第1実施形態の押し順ベル役以外の図柄の組合せと配当を示す図表である。
【
図7】第1実施形態の押し順ベル役の押し順と配当の関係を示す図表である。
【
図8】第1実施形態の内部抽選テーブルを示す図表である。
【
図9】第1実施形態のRT状態の状態遷移図である。
【
図10】第1実施形態の遊技状態の状態遷移図である。
【
図11】第1実施形態の遊技状態の状態遷移図である。
【
図12】第1実施形態のCZステージの状態遷移図である。
【
図13】第1実施形態の擬似ボーナスAの状態遷移図である。
【
図14】第1実施形態の擬似設定値抽選テーブルを示す図表である。
【
図15】第1実施形態の遊技状態移行抽選テーブルを示す図表である。
【
図16】第1実施形態の周期数抽選テーブルを示す図表である。
【
図17】第1実施形態の当り周期抽選テーブルを示す図表である。
【
図18】第1実施形態の周期パターン抽選テーブルを示す図表である。
【
図19】第1実施形態の周期ゲーム数抽選テーブルを示す図表である。
【
図20】第1実施形態のAT状態抽選テーブル(通常)を示す図表である。
【
図21】第1実施形態のAT種別抽選テーブル(通常時付与)を示す図表である。
【
図22】第1実施形態のCZステージ抽選テーブルを示す図表である。
【
図23】第1実施形態のCZモード抽選テーブルを示す図表である。
【
図24】第1実施形態のAT種別抽選テーブル(周期C終了後付与)を示す図表である。
【
図25】第1実施形態のAT状態抽選テーブル(CZ1-CZ4)を示す図表である。
【
図26】第1実施形態のAT種別抽選テーブル(CZ)を示す図表である。
【
図27】第1実施形態のナビ報知回数上乗せ抽選テーブルを示す図表である。
【
図28】第1実施形態の抽選テーブルを示す図表である。
【
図29】第1実施形態の特殊準備ステージ抽選テーブルを示す図表である。
【
図30】第1実施形態のAT種別抽選テーブル(CZ5)を示す図表である。
【
図31】第1実施形態のストック抽選テーブルを示す図表である。
【
図32】第1実施形態のATステージ抽選テーブル(低確・高確・超高確)を示す図表である。
【
図33】第1実施形態の超高確抽選テーブル、高確抽選テーブルを示す図表である。
【
図34】第1実施形態のステージ昇格抽選テーブルを示す図表である。
【
図35】第1実施形態の味方キャラクタ抽選テーブルを示す図表である。
【
図36】第1実施形態の敵キャラクタ抽選テーブルを示す図表である。
【
図37】第1実施形態のゼロコンボ抽選テーブルを示す図表である。
【
図38】第1実施形態のチャンスストック抽選テーブル(通常ATステージ)を示す図表である。
【
図39】第1実施形態の高確ゲーム数抽選テーブルを示す図表である。
【
図40】第1実施形態のセットストック抽選テーブル(擬似ボーナスB2)を示す図表である。
【
図41】第1実施形態のセットストック抽選テーブル(擬似ボーナスB1)を示す図表である。
【
図42】第1実施形態のバトル突破抽選テーブルを示す図表である。
【
図43】第1実施形態の特典抽選テーブル(ノーマルAT)を示す図表である。
【
図44】第1実施形態の特典抽選テーブル(エピソードAT)を示す図表である。
【
図45】第1実施形態のセットストック抽選テーブルを示す図表である。
【
図46】第1実施形態のループストック抽選テーブルを示す図表である。
【
図47】第1実施形態のエンディングC抽選テーブルを示す図表である。
【
図48】第1実施形態のループストック報知抽選テーブルを示す図表である。
【
図49】第1実施形態のチャンスストック抽選テーブルを示す図表である。
【
図50】第1実施形態の非有利状態制御処理を示すフローチャートである。
【
図51】第1実施形態の周期A制御処理を示すフローチャートである。
【
図52】第1実施形態の周期B制御処理を示すフローチャートである。
【
図53】第1実施形態の周期C制御処理を示すフローチャートである。
【
図54】第1実施形態のCZ1~CZ4制御処理を示すフローチャートである。
【
図55】第1実施形態のCZ5制御処理を示すフローチャートである。
【
図56】第1実施形態の擬似ボーナスA1制御処理を示すフローチャートである。
【
図57】第1実施形態の擬似ボーナスA1制御処理を示すフローチャートである。
【
図58】第1実施形態の擬似ボーナスA2~A7制御処理を示すフローチャートである。
【
図59】第1実施形態の準備ステージ制御処理を示すフローチャートである。
【
図60】第1実施形態の通常ATステージ制御処理を示すフローチャートである。
【
図61】第1実施形態の擬似ボーナスB制御処理を示すフローチャートである。
【
図62】第1実施形態のバトル準備ステージ制御処理を示すフローチャートである。
【
図63】第1実施形態のバトルステージ制御処理を示すフローチャートである。
【
図64】第1実施形態の終了待機ステージ制御処理を示すフローチャートである。
【
図65】第1実施形態の特化ステージ制御処理を示すフローチャートである。
【
図66】第1実施形態の特殊ATステージ制御処理を示すフローチャートである。
【
図67】第1実施形態の特殊ATステージ演出制御処理を示すフローチャートである。
【
図68】第1実施形態のエンディング制御処理を示すフローチャートである。
【
図69】第1実施形態の通常ステージ中の状態遷移を説明するための図である。
【
図70】第1実施形態のCZステージ中の演出例を説明するための図である。
【
図71】第1実施形態の準備ステージ又はバトル準備ステージ中の演出例を説明するための図である。
【
図72】第1実施形態の通常ATステージ中のゼロコンボ演出の演出例を説明するための図である。
【
図73】第1実施形態のバトルステージ中の状態遷移を説明するための図である。
図73は、第2実施形態のリール241(241a~241c)の図柄の配置を説明する図である。
【
図74】第2実施形態の遊技状態の流れを説明する遷移図である。
【
図75】第2実施形態の遊技状態の流れを説明する遷移図である。
【
図76】第2実施形態の内部抽選テーブル211a、疑似ボ種別抽選テーブル211bを示す図である。
【
図77】第2実施形態の共通1枚役-停止操作テーブル211cを示す図である。
【
図78】第2実施形態の疑似ボA1に滞在中に参照される各種テーブル212a~212cを示す図である。
【
図79】第2実施形態の疑似ボA1に滞在中に参照されるテーブルであって、煽り演出実行抽選テーブル215a~215c、AT抽選テーブル212dを示す図である。
【
図80】第2実施形態のATステージに滞在中に参照される各種テーブル213a,213bを示す図である。
【
図81】第2実施形態のATパートに滞在中に共通1枚役2に当選したゲームの表示器8の表示、リール241の停止態様を説明する図である。
【
図82】第2実施形態の煽り演出を説明する図である。
【
図83】第2実施形態の味方キャラ決定画面251を示す図である。
【
図84】第2実施形態のMS復帰時の上乗せゲーム数表示演出を説明する図である。
【
図85】第2実施形態のMS復帰時の巻き戻し演出を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、スロットマシン1の全体構成について説明する。
スロットマシン1は、本発明に係る遊技機の一実施形態であり、遊技場等に設置されるものである。
図1~
図3に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、筐体1b、メダル投入口2、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、演出ボタン2c、十字キーボタン2d、スタートレバー3、ドラムユニット4、リール41、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、ホッパー7a、メダル払出口7b、表示器8、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、電源装置14、確率設定装置15、外部出力端子16、主制御部10、副制御部20等を備える。
【0008】
なお、主制御部10及び副制御部20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0009】
スロットマシン1は、通常のスロットマシンと同様、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41に表された図柄を視認することができる。
また、表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルを投入するメダル投入口2と、ゲームの開始に際して遊技者の押圧操作によりベット数を設定するベットボタン2a、遊技者の操作により表示器8で表示されている演出等に変化を与えるための演出ボタン2c、遊技者の操作により表示器8における表示項目の選択や解除を行うことが可能な十字キーボタン2dを備えている。
また、段部の前面には、遊技者が遊技を開始する際に操作するスタートレバー3と、遊技者がリール41を停止する際に押圧操作する停止ボタン5を備えている。
【0010】
また、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序を報知可能なナビランプ12(ナビランプ12a、12b、12c)が各リール41a、41b、41cに対応して配設される。
表示窓6の下方には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0011】
前扉1aの上部には、報知手段及び情報表示手段として動作する表示器8を備えている。
表示器8は、例えば、液晶表示器から構成されており、画像による各種演出、遊技における各種情報の表示等を行う。
なお、表示器8は、
図1に示すように1つ設ける構成としているが、これに限らず、複数設けてもよい。例えば、2つの表示器(主表示器と副表示器)を設け、2つ並んだ状態で配置することで、主表示器と副表示器とを合わせて一つの表示部のように機能させてもよい。また、副表示器を主表示器よりもリール41に近い位置に配設し、リール41の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を容易に視認可能に設けてもよい。
また、スロットマシン1の下方に配置される大型の表示部である下パネル表示器に表示器を設けてもよい。
【0012】
表示器8の上方には、報知手段として動作する、音による演出や報知を行うスピーカ9、各役の入賞時の光や、表示器8で表示される演出に対応する光の演出や報知を行うランプ11を備えている。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
【0013】
筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10を備えており、前扉1aの上部には、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20を備えている。
また、筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設されるリール41a、リール41b、リール41cを備え、これらリール41a~41cが、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
【0014】
リール41a~41cは、識別情報表示手段の一例であり、リール41a~41cの周面には、識別情報となる複数(例えば、20個)の図柄として、例えば、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「ベル」、「BAR」、「赤7」、「白7」、「BAR」等が表されている。
なお、リール41a~41cの形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
また、
図4では各図柄を識別する表記となっているが、実際のリール41には各役に対応した所定のデザインが施されている。
また、筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7、メダルを貯留するホッパー7aを備えており、メダル払出装置7から払い出されたメダルは、メダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
【0015】
筐体1bの下部には、電源装置14を備えている。
電源装置14は、主制御部10及び副制御部20を含む各装置に電力を供給するための装置であり、スロットマシン1の外部から入力される電源の電圧又は周波数を監視し、それらの電圧又は周波数が所定値以下に低下したことにより、スロットマシン1への電力供給が停止されたことを示す電断信号を主制御部10及び副制御部20に出力する。
さらに、電源装置14は、電源復帰により、所定値を超える電圧又は周波数を示す電力の供給を検出すると、スロットマシン1への電力供給が開始されたことを示す電源復帰信号を、主制御部10及び副制御部20に出力する。
【0016】
図3は、スロットマシン1の制御系の構成を示している。なお、
図1及び
図2で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付している。
主制御部10は、役の抽選や遊技の進行制御等を行い、副制御部20は、主制御部10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う。
主制御部10と副制御部20との制御情報の伝達は、主制御部10から副制御部20に対して一方向のみに制限され、副制御部20から主制御部10への不正な信号の入力を防止している。
主制御部10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5、ドラムユニット4、メダル払出装置7、有利区間ランプ13、確率設定装置15(設定手段)、外部出力端子16及び副制御部20と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。
【0017】
確率設定装置15は、特典が付与される確率等を複数段階(例えば、6段階)に変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能であり、主制御部10は、確率設定装置15における確率設定操作に基づき、何れか1つの設定値を記憶部に記憶し、当該記憶された設定値に基づいて特典が付与される確率等を制御する。
確率設定装置15で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
【0018】
なお、確率設定装置15における設定値により、遊技者にとって有利な遊技状態として、例えば、後述する擬似ボーナス、CZステージ、ATステージの全てあるいは何れか1つの移行確率を直接変化、あるいは間接的に変化させることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化可能としてもよい。
また、遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
また、設定値を6段階に設定可能としたが、これに限らず、例えば、4段階(設定値1、2、5、6)や3段階(設定1、設定3、設定6)としてもよく、固定の確率値としてもよい。
【0019】
外部出力端子16は、遊技店に設置された管理装置(図示略)や呼出装置(図示略)に対して、スロットマシン1における遊技に関わる情報を出力するもので、スロットマシン1での実行ゲーム数、メダル投入数、メダル払出数、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、ATステージ)の発生回数や移行期間等の各種データを収集するための情報を主制御部10の制御により出力する。
【0020】
主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づいて遊技の開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数値をサンプリングする処理等を行う。そして、主制御部10は、サンプリングされた乱数値に基づき内部抽選処理を行う。また、主制御部10は、記憶部に記憶された制御プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
すなわち、主制御部10は、遊技の実行に対応して、小役や、遊技状態の移行権利等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段を備えている。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づきATステージ等の移行抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0021】
また、主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール41の回転制御を行う。主制御部10は、各リール41a~41cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール41a~41cの回転位置を検出して、各リール41a~41c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0022】
また、主制御部10は、所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー操作、停止ボタン5a~5cの操作、遊技状態の移行など)で、所定の信号やコマンド(制御情報)を副制御部20に出力する。
例えば、主制御部10は、スタートレバー3が操作された場合には、スタートレバー操作があったことを示す信号を副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、各停止ボタン5a~5cが操作された場合には、どの停止ボタン5がどの順番で操作されたのかを識別可能な信号を副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、停止ボタン5の操作により各リール41a~41cが停止された場合、どのリール41がどの順番で停止したのか、上段・中段・下段の図柄などを識別可能な情報を副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、遊技状態が移行する場合には、どの遊技状態に移行したのかを識別可能な情報を副制御部20に出力する。
【0023】
また、主制御部10は、電源装置14から電断信号と電源復帰信号を入力可能に構成されている。
主制御部10は、電断信号を入力すると、その入力時における遊技情報を記憶(退避)する電源断処理を実行する。この遊技情報には、例えば、そのときの遊技状態、当選役、リール41の停止態様、ベット数等の情報が含まれている。
また、主制御部10は、電源復帰信号を入力すると、記憶(退避)した遊技情報を読み出して遊技を再開する電源復帰処理を実行する。すなわち、主制御部10は、電源復帰信号を入力すると、読み出した遊技情報に基づいて電源断直前の状態に復帰させる。
また、主制御部10は、電源復帰処理において、遊技情報を副制御部20に送信する。これにより、副制御部20では、電源断直前の遊技状態に基づいて演出を再開することができる。
【0024】
副制御部20は、演出ボタン2c、スピーカ9、表示器8、ランプ11、ナビランプ12と通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御部20は、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、これらの装置を制御する。
【0025】
副制御部20は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶部に記憶する。
副制御部20は、演出実行手段、演出制御手段として動作することにより、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0026】
また、副制御部20は、電源装置14から電断信号と電源復帰信号を入力可能に構成されている。副制御部20は、電断信号を入力すると、その入力時に実行中の演出内容を特定する演出情報を記憶(退避)する。この演出情報には、例えば、表示器8において表示されている各種情報等が含まれている。
また、副制御部20は、電源復帰信号を入力すると、主制御部10から受信した遊技情報を記憶(退避)した演出情報に基づいて、演出を再開する。
【0027】
このようなスロットマシン1は、主制御部10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技が実行可能である。
遊技の開始にあたり、メダル(クレジットメダルも含む)を用いてベット数の設定を行う。
ベット数の設定は、メダル投入口2から直接メダルを投入して設定する方法と、ベットボタン2aを押圧操作して設定する方法とがある。
【0028】
メダル投入口2からメダルを投入してベット数を設定する方法では、投入されたメダルが前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2bによって検知されることにより、投入分のメダル枚数に対応するベット数(ただし、メダル3枚に対応する3ベットが上限)が設定されることになる。3ベットを超えるメダルが投入された場合には、クレジットメダルとして内部的にデータとして記憶保持される。
なお、ベット数の上限は、「1」、「2」又は「4」以上でもよい。
【0029】
ベットボタン2aが押圧操作されると、内部的にデータとして記憶されたクレジットメダルから、1回の遊技に使用するメダル枚数として所定数(例えば、3枚)のメダル枚数が減算され、減算された分が3ベットとして設定される。
なお、ベットボタンとして、2枚に対応するメダル枚数を設定する2ベットボタンを設けることで、2ベットボタンを1回押すことで2ベットを設定してもよい。
また、ベットボタンとして、1枚に対応するメダル枚数を設定する1ベットボタンを設けることで、1ベットボタンを2回押すことで2ベットを設定してもよく、1ベットボタンを3回押すことで3ベットを設定してもよい。
また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)することができる。
本実施形態では、3ベットによるゲームを、3ベットゲームともいう。
また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)することができる。
【0030】
このように、メダル投入口2からの直接投入や、各ベットボタンの押圧操作により設定されたベット数は、主制御部10の記憶部に記憶され、1回の遊技を実行可能なベット数になったときに、ゲーム開始可能な状態となる。
ゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となり、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームが開始され、リール41が変動を開始するとともに、今回ゲームの抽選結果を決定する内部抽選処理が実行される。内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回遊技の当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
リール41は、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0031】
停止ボタン5a~5cは、リール41の停止操作を行うための操作手段(停止操作手段)の一例であり、押圧操作可能な状態において押圧操作されると、操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール41a~41cが停止制御される。
各リール41a~41cの停止制御は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン(以下、入賞ラインともいう)上に停止可能となる。
【0032】
本実施形態では、例えば、ベル図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄は、すべてのリール41a~41cにおいて、連続する5コマ以内に配置されているので、4コマの引込停止制御により必ず入賞ライン上に停止させることができる。
一方、例えば、ブランクA図柄、ブランクB図柄、BAR図柄、赤7図柄、白7図柄は、連続する5コマ以内に必ずしも配置されていないので、4コマの引込停止制御を行っても入賞ライン上に停止できずに、当選役を取りこぼしてしまう場合がある。つまり、これらの図柄を入賞ライン上に停止させるためには、所望の図柄を狙って停止ボタン5a~5cを押圧操作(所謂目押し操作)する必要がある。
【0033】
そして、第3リール停止操作後に、遊技の結果として入賞ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定され、図柄の組合せに応じた遊技価値(例えば、メダル)が付与される。
なお、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作をされたリールをいう。また、第3リール停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいう。
【0034】
本実施形態では、入賞の判定は、上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりの計5ラインのうち、中段のラインのみを有効ラインとして、中段のライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定されるようになっている。
なお、入賞を判定する入賞ラインの本数は、1ラインに限らず、図柄の配置構成、図柄の種類、当選役に対応する図柄の組合せなどの関係により、適宜変更することができる。
以上のように、スロットマシン遊技が実行される。
【0035】
(当選役と対応する図柄の組合せ)
次に、各当選役と各当選役に対応する図柄の組合せについて説明する。
当選役には、例えば、小役、リプレイ役、ボーナス役がある。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役、チャンス目役、特殊役、共通1枚役がある。
また、チェリー役には、弱チェリー役と強チェリー役があり、特殊役には、特殊役Aと特殊役Bがある。
なお、以下の説明において、チェリー役、スイカ役、チャンス目役を、纏めて「レア役」ともいう。
【0036】
ベル役には、押し順ベル役が設けられている。
押し順ベル役は、停止ボタン5の押し順に従うことにより図柄の組合せが揃う当選役であり、本実施形態では10個の押し順ベル役A1~C4が設けられている。なお、以下の説明において、押し順ベル役A1~C4を纏めて、単に押し順ベル役ともいう。
押し順ベル役A1、A2は、6通りある押し順のうち、2通り(2/6)の押し順(正解押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せが停止表示され、他の4通り(4/6)の押し順(不正解押し順)によって停止ボタン5が操作された場合には、対応する図柄の組合せが停止表示されないようになっている。
具体的には、押し順ベル役A1又は押し順ベル役A2に当選した場合には、正解押し順である、「左→中→右」の押し順(以下、この押し順を「順押し」という)又は「左→右→中」の押し順で停止ボタン5a~5cが操作されると、入賞ライン上に「ベル・ベル・ベル」が停止表示し、それ以外の押し順(不正解押し順)で停止ボタン5a~5cが操作された場合には、他の図柄の組合せが停止表示される。すなわち、押し順ベル役A1、A2は、1操作目に操作する停止ボタン5が正解押し順(停止ボタン5aを操作)であれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止する。
【0037】
不正解押し順によって停止表示される他の図柄の組合せとして、押し順ベルこぼし目とハズレ目がある。
不正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合、押し順ベルこぼし目に対応する図柄の組合せ(
図5A参照)を停止させることができなければ、取りこぼしが発生し、ハズレ目(「リプレイ・チェリー・ベル」など)が停止表示される。
詳細は後述するが、押し順ベルこぼし目に対応する図柄の組合せが停止した場合には、1枚のメダルが付与され、ハズレ目に対応する図柄の組合せが停止した場合には、メダルが付与されないようになっている。
【0038】
押し順ベル役B1~C4は、6通りある押し順のうち、1通り(1/6)の押し順(正解押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せが停止表示され、他の5通り(5/6)の押し順(不正解押し順)によって停止ボタン5が操作された場合には、対応する図柄の組合せが停止表示されないようになっている。
例えば、押し順ベル役B1は、「中→左→右」の押し順(正解押し順)で停止ボタン5a~5cが操作されると、入賞ライン上に「リプレイ・ベル・リプレイ」の図柄組合せが停止表示し、右下りライン上に「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが停止表示する。これ以外の押し順(不正解押し順)で停止ボタン5a~5cが操作された場合には、押し順ベルこぼし目又はハズレ目が停止表示する。
同様に、押し順ベル役B2~C4においても、正解押し順(
図5A参照)で操作された場合には、入賞ライン上に「リプレイ・ベル・リプレイ」の図柄組合せが停止表示し、不正解押し順で操作された場合には、押し順ベルこぼし目又はハズレ目が停止表示する。
【0039】
このように、押し順ベル役A1~C4の何れかが当選した場合には、対応する押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合にのみ、当選した押し順ベル役を入賞させる図柄の組合せが入賞ライン上に停止する。
すなわち、主制御部10は、遊技者による第1停止操作態様として、当選した押し順ベル役に対応する押し順(正解押し順)の操作に基づき、第1の特典として所定数(例えば、4枚や13枚)の遊技価値(メダル)を付与可能な第1停止態様で図柄を停止表示可能である。また、遊技者による第2停止操作態様として、当選した押し順ベル役に対応しない押し順(不正解押し順)の操作に基づき、第2の特典として所定数(例えば、1枚や0枚)の遊技価値(メダル)を付与可能な第2停止態様で図柄を停止表示可能である。
【0040】
なお、押し順ベル役A1、A2に当選した場合には、6通りある押し順のうち、1通り(1/6)の押し順(正解押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せが停止するようにリール41の停止制御を行ってもよい。
また、押し順ベル役B1~C4に当選した場合には、最初に操作する停止ボタン5のみが正解押し順に従っていれば、対応する図柄の組合せが停止するようにリール41の停止制御を行ってもよい。
【0041】
弱チェリー役は、入賞ライン上に「BAR・チェリー・リプレイ」の図柄の組合せが停止可能であり、この場合、右上がりライン上にチェリー図柄が2連続で揃う。
強チェリー役は、入賞ライン上に「BAR・チェリー・白7」などの図柄の組合せが停止可能であり、この場合、右上がりライン上にチェリー図柄が3連続で一直線に揃う。
スイカ役は、入賞ライン上に、「ベル・スイカ・赤7」などの図柄が停止可能であり、この場合、右下がりライン上にスイカ図柄が一直線に揃う。
チャンス目役は、入賞ライン上に「ベル・スイカ・リプレイ」の図柄の組合せが停止可能であり、この場合、スイカ図柄が小V状ラインに揃う。
【0042】
特殊役Aは、入賞ライン上に「赤7・赤7・赤ブランク」の図柄の組合せが停止可能であり、この場合、中段ラインの1ラインに赤7図柄と赤ブランク図柄が停止表示する(以下、この停止態様を「シングル赤7揃い」ともいう)。
特殊役Bは、入賞ライン上に「赤7・赤7・赤7」の図柄の組合せが停止可能であり、この場合、中段ラインと右上がりラインの2ラインに赤7図柄と赤ブランク図柄が停止表示する(以下、この停止態様を「ダブル赤7揃い」ともいう)。
【0043】
共通1枚役は、押し順に関係なく入賞するものの、押し順に応じて停止表示される図柄の組合せが異なる当選役である。
例えば、共通1枚役の当選時に、停止ボタン5a~5cが特定の停止操作順及び操作タイミングで操作された場合には、入賞ライン上にBAR図柄が一直線に停止表示する(以下、この停止態様を、「BAR揃い」ともいう)。
具体的には、「右→中→左」の押し順(以下、この押し順を「逆押し」という)で停止ボタン5a~5cが操作され、且つ、BAR図柄を狙って停止ボタン5a~5cが操作された場合には、BAR揃いが停止可能となる。一方、逆押し以外、又は、特定のタイミングで操作されなかった場合には、BAR揃い以外の図柄の組合せ(例えば「リプレイ・ベル・ベル」等)が停止表示される。
【0044】
リプレイ役は、停止ボタン5の押し順に関係なく入賞するものの、押し順に応じて停止表示される図柄の組合せが異なる当選役である。
例えば、リプレイ役に当選した場合、順押しで停止ボタン5a~5cが操作された場合には、入賞ライン上に「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄の組合せが停止表示する。
また、逆押しで停止ボタン5a~5cが操作された場合には、停止ボタン5a~5cの操作タイミングに応じて異なる図柄の組合せが停止表示する。
例えば、逆押しでBAR図柄を狙って停止ボタン5a~5cが操作された場合には、有効ライン上に「リプレイ・BAR・BAR」(以下、この停止態様を「BARテンパイ揃い」ともいう)が停止可能である。
【0045】
ボーナス役は、対応する図柄の組合せが「白7・白7・白7」の当選役である。
ボーナス役は、後述するRT状態のうちRT0滞在中に抽選対象であり、当選したゲームでのみ入賞させることができ、入賞するとボーナス状態に移行する。
また、ボーナス役は、主制御部10により、当選したゲーム及び当該ゲーム以降のゲームにおいても対応する図柄の組合せが停止しない限り、ボーナス役に当選した権利を持ち越すことが可能な持越し制御の対象役である。
このため、ボーナス役に当選し、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示するまでの期間は、ボーナス役当選の権利を持ち越して持越し状態(以下、この状態を「ボーナス当選状態」という)となる。
一方、ボーナス役に当選し、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示する(入賞する)と、ボーナス状態に移行し、当該ボーナス状態の終了後にボーナス役の当選の権利を持ち越していない非持越し状態(以下、この状態を「ボーナス非当選状態」という)となる。
【0046】
また、ボーナス役は、共通1枚役と重複して当選する。
ボーナス当選状態では、主制御部10は、小役に対応する図柄の組合せを優先的に停止表示させるリール制御を行い、ボーナス役に対応する図柄の組合せは、最も優先順位の低い役に設定されている。
したがって、ボーナス役が当選した今回ゲームにおいて、ボーナス役に対応する図柄の組合せは停止させることはできず、共通1枚役に対応する図柄の組合せが停止することとなり、ボーナス当選状態が以降のゲームにおいても継続することとなる。
【0047】
以上のような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス役の入賞の有無がそれぞれ判定される。判定の結果、入賞と判定した場合には、
図5に示す「配当」に基づいて遊技価値が付与される(メダルが払い出される)。
すなわち、主制御部10は、図柄の停止態様に応じた遊技価値(メダル)を付与する遊技価値付与手段を備えている。
例えば、押し順ベル役A1~A2の当選時に、正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作されて、対応する図柄の組合せが停止した場合には、4枚のメダルが払い出される。一方、押し順ベル役A1~A2の当選時に、不正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作されて、押し順ベルこぼし目が停止した場合には、1枚のメダルが払い出される。
押し順ベル役B1~C4の当選時に、正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作されて、対応する図柄の組合せが停止した場合には、13枚のメダルが払い出される。一方、押し順ベル役B1~C4の当選時に、不正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作されて、押し順ベルこぼし目が停止した場合には、1枚のメダルが払い出される。
【0048】
なお、上記に限らず、押し順ベル役A1~C4の正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合の払い出し数を全て同じにしてもよい。
この場合、押し順ベル役A1~C4の停止表示態様を同じにしてもよい。また、押し順ベルこぼし目についても、停止表示態様を同じにしてもよい。
【0049】
また、弱チェリー役、強チェリー役、チャンス目役、特殊役A、特殊役B及び共通1枚役の各当選役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、1枚のメダルが払い出される。
また、スイカ役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、3枚のメダルが払い出される。
また、リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、次ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、再遊技が可能な状態となる。
また、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、メダルの払い出しはされない。
【0050】
なお、本実施形態では、ベット数に関わらずメダルの払い出し数を同数としているが、ベット数に応じてメダルの払い出し数を異ならせてもよい。
また、各当選役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記の枚数以外でもよい。
また、各当選役に対応する図柄の組合せは、
図5に示す組合せに限らず、任意に設定することができる。
【0051】
(押し順ベル役の配当)
次に、
図6を参照して、押し順ベル役の押し順に基づく配当について説明する。
図6は、押し順ベル役A1~C4の夫々が当選した場合における、停止操作に応じた払出枚数を示しており、各役において確実に払い出しが発生する押し順と、1/2又は1/4で払い出しが発生する押し順がある。
【0052】
上述したように、内部抽選処理の抽選結果が押し順ベル役(特定遊技結果)の場合には、正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せが停止表示され、不正解押し順で停止ボタン5が操作された場合には、対応する図柄の組合せが停止表示されないようになっている。すなわち、不正解押し順では、押し順ベルこぼし目又はハズレ目が停止表示される。
【0053】
このような制御は、本実施形態に係るスロットマシン1が、メダルの払出数が多い図柄の組合せを優先して引き込むリール制御(以下、「枚数優先制御」という)と、停止可能な図柄の組合せ数が多い図柄を優先して引き込むリール制御(以下、「組合せ数優先制御」という)とを採用することにより実現することができる。
「枚数優先制御」は、正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合のうち、第1リール停止操作時と第2リール停止操作時に、リール41の制御が行われる。
「組合せ数優先制御」は、不正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合に、リール41の制御が行われる。
【0054】
次に、枚数優先制御及び組合せ数優先制御について説明する。以下の説明では、押し順ベル役B1に当選した場合を例に挙げる。
押し順ベル役B1は、
図5Aに示すように、正解押し順(中→左→右)で停止ボタン5bが操作された場合には、対応する図柄の組合せ(リプレイ・ベル・リプレイ)が停止し、13枚のメダルが払い出される。
一方、不正解押し順で停止ボタン5bが操作された場合、押し順ベルこぼし目が停止した場合には、1枚のメダルが払い出され、ハズレ目が停止した場合には、メダルが払い出されない。
【0055】
・正解押し順(中→左→右)で停止ボタンが操作された場合
第1リール停止操作時に、正解押し順である停止ボタン5bが操作された場合には、枚数優先制御が実行されて、メダルの払出数が相対的に多い(払出数が13枚)図柄の組合せ(リプレイ・ベル・リプレイ)を構成するベル図柄を、メダルの払出数が相対的に少ない(払出数が1枚)図柄の組合せを構成する他の図柄(ブランクA図柄、赤7図柄、白7図柄等)よりも優先的に引き込むように制御する。
次に、第2リール停止操作時に、正解押し順である停止ボタン5aが操作された場合においても、枚数優先制御が実行されて、メダルの払出数が相対的に多い(払出数が13枚)図柄の組合せ(リプレイ・ベル・リプレイ)を構成するリプレイ図柄を引き込むように制御する。
最後に、第3リール停止操作時に、正解押し順である停止ボタン5cが操作された場合には、「リプレイ・ベル・-」の「-」を構成する図柄は、押し順ベル役B1に係る図柄の組合せのうちリプレイ図柄のみであるため、リプレイ図柄を引き込むように制御する。その結果「リプレイ・ベル・リプレイ」が停止表示されることになる。
このように、押し順ベル役B1に当選した場合、正解押し順で停止ボタンが操作された場合には、対応する図柄の組合せが停止表示し、13枚のメダルが払い出される。
【0056】
・不正解押し順(中→右→左)で停止ボタンが操作された場合
第1リール停止操作時に、正解押し順である停止ボタン5bが操作された場合には、枚数優先制御が実行されて、上記同様に、ベル図柄を引き込むように制御する。
次に、第2リール停止操作時に、不正解押し順である停止ボタン5cが操作された場合には、組合せ数優先制御が実行されて、ブランクB図柄、赤7図柄、白7図柄、BAR図柄の何れかを引き込むように制御する。
具体的には、押し順に対応する図柄の組合せ(-・ベル・ブランクB/赤7/白7/BAR)は、組合せがそれぞれ1種類であるため、組合せ数優先制御によって、入賞ライン上に引き込み可能なタイミングで停止ボタン5cが操作されたブランクB図柄、赤7図柄、白7図柄、BAR図柄の何れかを引き込むように制御する。
最後に、第3リール停止操作時に、不正解押し順である停止ボタン5aが操作された場合には、「-・ベル・ブランクB/赤7/白7/BAR」の「-」を構成する図柄は、ベル図柄のみであるため、ベル図柄を引き込むように制御する。その結果「ベル・ベル・ブランクB/赤7/白7/BAR」が停止表示されることになる。
このように、押し順ベル役B1に当選した場合、中→右→左の不正解押し順で停止ボタンが操作された場合には、必ず押し順ベルこぼし目が停止表示し、1枚のメダルが払い出される。
【0057】
・不正解押し順(左→中→右)で停止ボタンが操作された場合
第1リール停止操作時に、不正解押し順である停止ボタン5aが操作された場合には、組合せ数優先制御が実行されて、押し順に対応する図柄の組合せ(スイカ・ブランクA/赤7/白7/BAR・ベル)に基づき、スイカ図柄を引き込むように制御する。
次に、第2リール停止操作時に、停止ボタン5bが操作された場合には、ブランクA図柄、赤7図柄、白7図柄、BAR図柄のうち、入賞ライン上に引き込み可能なタイミングで停止ボタン5bが操作された何れかの図柄を引き込むように制御する。
最後に、第3リール停止操作時に、停止ボタン5cが操作された場合には、BAR図柄を入賞ライン上に引き込み可能なタイミングで停止ボタン5aが操作された場合に、BAR図柄が停止する。一方、BAR図柄を入賞ライン上に引き込み可能なタイミングで停止ボタン5aが操作されない場合には、BAR図柄以外の図柄が停止し、ハズレ目が停止表示される。
【0058】
このように、押し順ベル役B1に当選した場合、左→中→右の不正解押し順で停止ボタンが操作された場合には、リール41cの入賞ライン上にBAR図柄が停止する確率は、引込停止制御の都合上、1/4(5コマ/20コマ)の確率となる。この場合、押し順ベルこぼし目が停止表示し、1枚のメダルが払い出される。
一方、リール41cの入賞ライン上にBAR図柄以外が停止する確率は、3/4の確率であり、この場合にはハズレ目が停止表示し、メダルが払い出されない。
【0059】
また、不正解押し順(左→右→中)で停止ボタンが操作された場合も、組合せ数優先制御が実行されて、左→中→右の不正解押し順で停止ボタンが操作された場合と同様のリール制御と、メダルの払い出しがされる。
また、不正解押し順(右→左→中又は右→中→左)で停止ボタンが操作された場合にも、組合せ数優先制御が実行され、
図5Aに示すように赤7図柄又は白7図柄を入賞ライン上に引き込み可能なタイミングで停止ボタン5bが操作された場合にのみ、押し順ベルこぼし目が停止表示し、1枚のメダルが払い出される。
そのため、リール41bの入賞ライン上に赤7図柄又は白7図柄が停止する確率は、引込停止制御の都合上、1/2(10コマ/20コマ)の確率となる。
【0060】
また、押し順ベル役B1以外の押し順ベル役も同様に、上記のような枚数優先制御と組合せ数優先制御に基づくリール制御が行われることで、
図5Aに示すような図柄の組合せが停止表示される。また、不正解押し順の場合には、
図6に示す確率で押し順ベルこぼし目が停止表示され、1枚のメダルが払い出される。
【0061】
このように、主制御部10は、遊技者による停止操作態様として、当選した押し順ベル役に対応する押し順(正解押し順)の操作に基づき、第1の特典として所定数(例えば、13枚や4枚)の遊技価値(メダル)を付与可能な停止表示態様で図柄を停止表示可能であり、一方、遊技者による停止操作態様として、当選した押し順ベル役に対応しない押し順(不正解押し順)の操作に基づき、第2の特典として所定数(例えば、1枚)の遊技価値(メダル)を付与可能な停止表示態様で図柄を停止表示可能である。
また、停止操作態様(不正解押し順)で操作がされた場合、遊技価値(メダル)を付与しない停止表示態様(ハズレ目)で図柄を停止表示可能である。
【0062】
また、主制御部10は、遊技者による停止操作態様として、当選した共通1枚役に対応する操作に基づき、第2の特典として所定数(例えば、1枚)の遊技価値(メダル)を付与可能な停止表示態様で図柄を停止表示可能である。
すなわち、このように異なる停止表示態様で図柄が停止表示される場合であっても、同じ遊技価値(メダル)を付与することが可能である。
【0063】
なお、本実施形態では、押し順ベル役に当選した場合、停止ボタン5の押し順や操作タイミングに応じて、枚数優先制御と組合せ数優先制御を切り替えて実行することで図柄の停止態様を異ならせるようにしているが、これに限らず、例えば、押し順ベル役に当選した場合、停止ボタン5の操作タイミングによらず、押し順のみで停止可能な図柄の組合せを一義的に決めるようにしてもよい。
例えば、押し順ベル役B1の場合、正解押し順(中→左→右)で停止ボタンが操作された場合に、「リプレイ・ベル・リプレイ(13枚払出し)」が停止し、不正解押し順(中→右→左)で停止ボタンが操作された場合に、「リプレイ・ベル・ベル(1枚払出し)」が停止し、不正解押し順(第1リール停止操作時に停止ボタン5c)で操作された場合に、「ベル・リプレイ・ブランクB(1枚払出し)」、「ベル・リプレイ・BAR(1枚払出し)」又は「ハズレ目(0枚払出し)」が停止し、不正解押し順(第1リール停止操作時に停止ボタン5a)で操作された場合に、「ベル・リプレイ・ブランクB(1枚払出し)」又は「ハズレ目(0枚払出し)」が停止するようにして、停止可能な図柄の組合せ数を少なくしてもよい。
【0064】
(各当選役の当選確率)
次に、
図7を参照して、各当選役の当選確率について説明する。
図7は、ボーナス役に関わる各状態(ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態、ボーナス状態)において、各当選役の抽選に用いられる「内部抽選テーブル」を示している。
内部抽選テーブルは、主制御部10による内部抽選処理において取得する乱数値の取得範囲(個数)を65536個とし、そのうちの当たり値(当選)の個数を各々示している。
また、
図7に示す内部抽選テーブルは、3ベットゲームにおける各当選役の当選確率を示しており、確率設定装置15により設定された設定値が設定1~6において、全設定値共通の場合を示している。
【0065】
図7に示すように、各当選役の当選確率は、次の通りである。
押し順ベル役A1~A2の各々は、ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態及びボーナス状態において、当選確率が6950/65536で設定されている。
押し順ベル役B1~B4の各々は、ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態及びボーナス状態において、当選確率が5560/65536で設定されている。
押し順ベル役C1~C4の各々は、ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態及びボーナス状態において、当選確率が1390/65536で設定されている。
【0066】
弱チェリー役は、ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態及びボーナス状態において、当選確率が1024/65536で設定されている。
強チェリー役は、ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態及びボーナス状態において、当選確率が128/65536で設定されている。
スイカ役は、ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態及びボーナス状態において、当選確率が512/65536で設定されている。
チャンス目役は、ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態及びボーナス状態において、当選確率が256/65536で設定されている。
特殊役Aと特殊役Bは、ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態及びボーナス状態において、当選確率が32/65536で設定されている。
ボーナス役は、ボーナス非当選状態において当選確率が12870/65536で設定されている。
リプレイ役は、ボーナス非当選状態、ボーナス当選状態及びボーナス状態において、当選確率が8982/65536で設定されている。
【0067】
このように、ボーナス役以外の各当選役の当選確率は、リプレイ役>押し順ベル役A1~A2>押し順ベル役B1~B4>押し順ベル役C1~C4>弱チェリー役>スイカ役>チャンス目役>強チェリー役>特殊役A、Bの関係性を有している。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
【0068】
なお、
図7に示す内部抽選テーブルでは、全設定値共通の場合を示しているが、これに限らず、設定値に応じて当選確率が変動する当選役と、設定値に応じて当選確率が変動しない当選役を設けてもよい。
また、一部のレア役のみ高設定である程、当選確率が高くなるように設定してもよく、又は、低設定である程、レア役の当選確率が高くなるようにしてもよい。
また、押し順ベル役等のレア役以外の当選役についても、高設定である程、当選確率が高くなるように設定してもよく、又は、低くなるように設定してもよい。
【0069】
本実施形態に係るスロットマシン1は、このような構成に加えて、以下に示すような遊技状態と、この遊技状態に基づく特徴的なゲーム性を備えている。
各遊技状態は、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することにより、それぞれの遊技状態に制御(以下、移行ともいう)される。
【0070】
(RT状態)
まず、
図8を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1が有するRT(リプレイタイム)状態(以下、単にRTともいう)について説明する。
本実施形態に係るスロットマシン1は、RT状態として、RT0、RT1、RT2を有している。なお、本実施形態のRT状態は、3つであるが、2つ以下又は4つ以上であってもよい。
【0071】
RT0は、スロットマシン1のシステムリセット、設定値の変更(同じ設定値を設定し直した場合(設定値の打ち直し)も含む)及びRT2の終了を契機として突入する。
また、RT0(ボーナス非当選状態)は、3ベットゲーム中のボーナス役の当選を契機として終了し、RT1に移行する(
図8の矢印a)。
このように、RT0は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナス役に当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
【0072】
RT1は、ボーナス役に対応した図柄の組合せが停止表示する(ボーナス役に入賞する)ことで終了し、RT2に移行する(
図8の矢印b)。
すなわち、RT1は、ボーナス役に当選してからボーナス役が入賞するまで継続し、RT1では、ボーナス役に内部当選した状態(ボーナス当選状態)で遊技が進行される。
このように、RT1は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナス役が入賞しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT2は、所謂リアルボーナスであるボーナス状態であり、メダルの払い出し数が所定数(例えば、55枚)に達すると終了して、RT0に移行する(
図8の矢印c)。
【0073】
また、本実施形態のRT状態では、RT1からRT2へは、基本的に、移行しないように制御される。
これは、上述したように、ボーナス役に当選した場合、ボーナス役が当選したゲームでは、同時に重複当選する共通1枚役が優先して入賞するため、ボーナス役には入賞せず、次ゲームからRT1(ボーナス当選状態)へ移行する。また、RT1中は、ボーナス役の入賞が可能なハズレ役に当選しないため(
図7参照)、ボーナス役には入賞しない(RT2へは移行しない)ようになっている。
このようなことから、本実施形態に係るスロットマシン1は、RT1からRT2へ移行することはなく、一旦、RT1に移行した場合には、スロットマシン1のシステムリセットが行われない限り、RT1に制御された状態で遊技が進行するようになっている。
【0074】
なお、本実施形態では、ボーナス役は共通1枚役と同時当選するようにしているが、これに限らず、ボーナス役を単独で当選するものとし、このボーナス当選ゲームでボーナス役を入賞可能にしてもよい。
また、RT1中に、ハズレ役を所定確率(例えば、1/200の確率)で発生可能とし、ハズレ役に当選した場合に、ボーナス役に入賞可能にしてもよい。
【0075】
(AT状態)
また、本実施形態に係るスロットマシン1は、AT(アシストタイム)状態に制御可能となっている。AT状態は、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役に対応する押し順を、表示器8、ナビランプ12及びスピーカ9等により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
押し順の報知は、例えば押し順ベル役A1に当選した場合には、「1」、「2」、「3」の押し順ナビを、左から順に表示器8に表示し、「左」、「中」、「右」の音声をスピーカ9から出力し、ナビランプを、12a(左)、12b(中)、12c(右)の順で点灯することにより、停止ボタン5の押し順を報知する。
このため、AT状態の発生により遊技者は、押し順ベル役に対応する押し順で、停止ボタン5a~5cで操作することが容易になるので、容易にメダルを獲得することが可能となり、非AT状態中に比べて出玉スピードが速くなる。
【0076】
(通常区間、有利区間)
主制御部10は、遊技状態(ステージ)とは別に、遊技区間として通常区間及び有利区間のいずれかに制御することが可能な遊技区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ベル役に係る押し順ナビが実行されることのない遊技区間であり、有利区間終了条件が成立することで開始し、有利区間移行条件が成立することで終了する。
本実施形態では、有利区間移行条件の成立としては、共通1枚役以外の当選役に当選したことであり、当選ゲームの第3リール停止操作後に、通常区間から有利区間に移行する。
また、主制御部10の初期状態(リセット時)には通常区間に制御され、通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0077】
なお、有利区間移行条件の成立を、共通1枚役以外に当選した場合としているが、これに限らず、例えば、所定の当選役に対応する図柄の組合せの停止表示又は所定の当選役に対応しない図柄の組合せの停止表示(例えば、ハズレ目又は押し順ベルこぼし目)等によって、移行するようにしてもよい。
また、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行したことを条件に有利区間に移行させ、遊技者にとって有利な遊技状態が連続した場合には有利区間を継続させるようにしてもよい。
【0078】
有利区間は、押し順ナビが実行可能な遊技区間であり、押し順ナビが実行されることで通常区間と比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、所定の有利区間の終了条件が成立することで終了される。
有利区間の終了条件としては、所定の遊技状態(ステージ)が終了したことであり、当選ゲームの第3リール停止操作後に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
また、これとは別に、有利区間の終了条件には、有利区間リミッタに到達した場合に、有利区間が終了して通常区間に移行する。
有利区間リミッタは、「1回の有利区間中のゲーム数(有利区間ゲーム数)が、上限数(リミッタ)に到達したこと」、又は、「1回の有利区間中の獲得枚数(差枚数)が、上限枚数(リミッタ)に到達したこと」の何れかの条件を満たすことである。
なお、上記の有利区間の終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」、「ボーナス役に対応した図柄の組合せが停止表示されたこと」等を含めてもよい。
また、有利区間では、有利区間ランプ13は点灯可能な状態に制御される。なお、有利区間ランプ13は、有利区間に移行後、遊技者が保有するメダル数が増加する遊技状態となった時点で、点灯を開始してもよい。
【0079】
(遊技に関するカウンタ)
有利区間に滞在中は、主制御部10は計数手段として動作し、有利区間中のゲーム数と、有利区間中に獲得したメダル枚数を計数し、以下に示すカウンタ情報として記憶部に記憶する。
・カウンタA…有利区間中のゲーム数の計数値
・カウンタB…有利区間中の獲得枚数(差枚数)の計数値
カウンタA及びカウンタBは、有利区間リミッタ(有利区間における上限遊技回数)に関するカウンタである。
主制御部10は、カウンタAの示す値が「1500」に到達した場合、又は、カウンタBの示す値が「2400」に到達した場合に、有利区間を強制的に終了する。
また、カウンタA及びカウンタBは、エンディングリミッタ(有利区間におけるエンディングまでの上限遊技回数)に関するカウンタでもある。
主制御部10は、カウンタAの示す値が「1480」に到達した場合、又はカウンタBの示す値が「2300」に到達した場合に、後述するエンディングAに強制的に移行させる。
なお、カウンタA及びカウンタBの値は、有利区間が終了した場合(各ステージにおける遊技結果により初期ステージへ移行する場合、有利区間リミッタに到達した場合)に消去される(初期化される)。
また、詳細な説明は省略するが、スロットマシン1は、遊技の進行に応じて更新される複数種類のカウンタ(各遊技状態(ステージ)滞在中のゲーム数を管理するカウンタ、擬似ボーナスBの実行回数を管理するカウンタ等)を備えている。
【0080】
(各遊技状態(ステージ)の詳細)
次に、本実施形態に係るスロットマシン1の各遊技状態と、各遊技状態の遷移及び各遊技状態に基づくゲーム性について説明する。
なお、主制御部10は、通常区間及び有利区間の移行制御と、RT0~2間の移行制御と、各遊技状態(ステージ)間の移行制御とを、独立して行うことができる。ただし、前述したように、本実施形態の遊技は、基本的に、RT1(ボーナス当選状態)で行われるため、各遊技状態(ステージ)の遊技は、基本的に、RT1に滞在した状態で行われる。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態(ステージ)間の移行タイミングは、基本的に、移行条件が成立した遊技の第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。なお、これに限定されず、移行条件の成立後、次ゲームから移行してもよい。
【0081】
図9及び
図10に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技状態(ステージ)として、非有利状態、通常ステージ、CZステージ、擬似ボーナスA、ATステージ、特殊ATステージ、エンディングを有している。
CZステージは、さらに、CZ1~CZ5に分けられる。
擬似ボーナスAは、さらに、擬似ボーナスA1~擬似ボーナスA7に分けられる。
ATステージは、さらに、準備ステージ、通常ATステージ、バトル準備ステージ、バトルステージ、擬似ボーナスB、特化ステージ、終了待機ステージに分けられる。
通常ステージは、非AT状態に制御され、遊技を続けることで、遊技者の手持ちのメダルが漸次減少し、遊技者にとって不利な遊技状態である。一方、ATステージは、AT状態又は一部AT状態に制御され、遊技を続けることで、メダルが増加しやすく、遊技者にとって有利な遊技状態である。
そのため、遊技者は、通常ステージからATステージへの移行を目指し、また、ATステージに長く滞在することを目指して遊技を行うことになる。
通常ステージからATステージへの遷移は複数あるが、基本的な遷移としては、通常ステージからCZステージ又は擬似ボーナスに移行し、その後、ATステージに移行することである。
【0082】
(非有利状態)
非有利状態は、通常区間に制御される遊技状態であり、スロットマシン1のシステムリセット時、設定値が変更(設定値の打ち直しも含む)された場合又は有利区間が終了した場合に滞在する。例えば、通常ステージ、ATステージ、特殊ATステージ及びエンディング等の終了後や、有利区間リミッタに到達した場合に突入する。
非有利状態では、有利区間移行条件が成立した場合(共通1枚役以外に当選した場合)のボーナスの当選状態(ボーナス非当選状態(RT0)、ボーナス当選状態(RT1))に応じて、次の移行先が異なる。例えば、通常ステージ又はCZステージ(CZ3)へ移行可能である。
非有利状態中は、他の遊技状態(ステージ)と外見上識別できないようにしてもよい。例えば、表示器8に表示される表示画面において、非有利状態と他のステージ(例えば、通常ステージ)では同じ背景画像としてもよい。このように、非有利状態と他のステージの表示画面を共通化することで、通常区間から有利区間へ移行したことを、認識し難くすることができ、有利区間の切れ目を分かりづらくし、遊技者が遊技を止めてしまうことを防止することができる。
【0083】
次に、
図49を参照して主制御部10が行う非有利状態制御処理について説明する。
非有利状態制御処理は、現在の遊技状態が非有利状態の場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S1)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S1:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S1:Yes)、今回ゲームにおいて、有利区間移行条件が成立(共通1枚役以外に当選)しているか否かの判定を行う(S2)。
有利区間移行条件が成立していないと判定した場合には(S2:No)、処理を終了し、有利区間移行条件が成立していると判定した場合には(S2:Yes)、擬似設定値抽選を実行する(S3)。
【0084】
擬似設定値抽選は、遊技者に有利な遊技状態(ATステージ等)への移行抽選に影響を与える「擬似設定値」を決定する。
具体的には、
図13に示す「擬似設定値抽選テーブル(ボーナス当選状態)」、「擬似設定値抽選テーブル(ボーナス非当選状態)」を参照することで、ボーナスの当選状態と確率設定装置15により設定されている設定値に基づいて擬似設定値を決定し、その結果を記憶部に記憶する。
擬似設定値は、例えば7段階(1~7)で設定されることを想定しているが、6段階以下又は8段階以上でもよい。
【0085】
例えば、ボーナス当選状態の場合、かつ、設定1が設定されている場合には、96/256の確率で擬似設定値として「1」が選択され、32/256の確率で「2」が選択され、64/256の確率で「3」が選択され、16/256の確率で「4」が選択され、32/256の確率で「5」が選択され、8/256の確率で「6」が選択され、8/256の確率で「7」が選択されるように設定されている。
また、ボーナス当選状態の場合、かつ、設定6が設定されている場合には、16/256の確率で擬似設定値として「1」が選択され、32/256の確率で「2」が選択され、16/256の確率で「3」が選択され、36/256の確率で「4」が選択され、24/256の確率で「5」が選択され、128/256の確率で「6」が選択され、4/256の確率で「7」が選択されるように設定されている。
また、例えば、ボーナス非当選状態の場合、かつ、設定1が設定されている場合には、32/256の確率で擬似設定値として「1」が選択され、32/256の確率で「2」が選択され、44/256の確率で「3」が選択され、16/256の確率で「4」が選択され、84/256の確率で「5」が選択され、16/256の確率で「6」が選択され、32/256の確率で「7」が選択されるように設定されている。
また、説明は省略するが、その他の場合についても図示の確率で擬似設定値が選択されるように設定されている。
【0086】
このように、全体的な傾向として、確率設定装置15に高い設定値が設定される場合の方が、大きい数の擬似設定値が選択される確率が高くなるように設定されている。
また、確率設定装置15における設定値が偶数値の場合と奇数値の場合とで、決定される擬似設定値に特徴が出るような振り分け値となっているので、擬似設定値に応じてATステージに移行するまでの期間の長さが変化することとなり、遊技内容を多彩化でき、興趣性を向上させることが可能となる。
【0087】
また、確率設定装置15に低い設定値(設定1~設定3)が設定される場合には、ボーナス非当選状態の方がボーナス当選状態よりも大きい数の擬似設定値が選択されるように設定されている。
すなわち、ボーナス非当選状態である遊技場の開店時(朝イチ)には、大きい数の擬似設定値が選択され易くなる。
これにより、ボーナス非当選状態中の恩恵を受けられるのは、遊技場の開店時(朝イチ)のみであり、所謂「モーニング機能」として、遊技者にサービスを提供することができ、遊技機の稼働を促進することができる。
【0088】
次いで、遊技状態移行抽選を実行する(S4)。
遊技状態移行抽選は、
図14に示す「遊技状態移行抽選テーブル」を参照することで、ボーナスの当選状態に基づいて遊技状態の移行先を抽選により決定する。
例えば、ボーナスの当選状態がボーナス当選状態の場合には、256/256の確率でCZステージ(CZ3)が選択され、ボーナスの当選状態がボーナス非当選状態の場合には、256/256の確率で通常ステージが選択されるように設定されている。
すなわち、ボーナス非当選状態である遊技場の開店時(朝イチ)では、有利区間移行時に通常ステージに移行し、その後ボーナス役に当選して、ボーナス当選状態が維持される遊技場の営業時間内は、有利区間移行時にCZステージ(CZ3)に移行する。
なお、これに限らず、ボーナス当選状態において有利区間移行時にCZステージ(CZ3)以外に移行可能にしてもよく、ボーナス非当選状態において通常ステージ以外に移行可能にしてもよい。
【0089】
遊技状態移行抽選においてCZステージに当選したか否かの判定を行い(S5)、CZステージに当選したと判定した場合には(S5:Yes)、遊技状態をCZステージ(CZ3)に移行するように制御する(S6)(
図9の矢印b)。
一方、CZステージに当選していない(通常ステージに当選した)と判定した場合には(S5:No)、周期数抽選を実行する(S7)。
周期数抽選は、
図15に示す「周期数抽選テーブル」を参照することで、擬似設定値に基づいて周期数を抽選により決定し、その結果を記憶部に記憶する。
詳細は後述するが、周期数は、通常ステージ中に参照される値であり、後述する周期パターンに基づく遊技を1周期としたその回数を示している。
なお、周期数は、例えば1周期~5周期で設定されることを想定しているが、6周期以上でもよい。
【0090】
例えば、擬似設定値に「1」が設定されている場合には、16/256の確率で周期数として「1」又は「2」が選択され、32/256の確率で「3」が選択され、96/256の確率で「4」又は「5」が選択されるように設定されている。
また、例えば、擬似設定値に「7」が設定されている場合には、192/256の確率で周期数として「1」が選択され、64/256の確率で「2」が選択され、「3」~「5」は選択されないように設定されている。
また、説明は省略するが、その他の擬似設定値についても図示の確率で周期数が選択されるように設定されている。
このように、全体的な傾向として、擬似設定値の値が大きいほど、小さい数の周期数が選択され易いようになっている。すなわち、確率設定装置15により設定されている設定値が高いほど選択される周期数が小さくなるように設定されている。
なお、詳細は後述するが、通常ステージにおいて周期数が少ないほど、遊技者に有利な遊技状態(擬似ボーナスA、ATステージ等)に移行するまでの期間が短くなるため、遊技者にとって有利となる。
【0091】
次いで、周期数抽選において「2」以上の周期数が選択されたか否かの判定を行う(S8)。
「2」以上の周期数が選択されたと判定した場合には(S8:Yes)、当り周期抽選を実行する(S9)。
当り周期抽選は、
図16に示す「当り周期抽選テーブル」を参照することで、複数周期のうちの1周期目を「当り周期」とするか否かを抽選により決定する。
すなわち、当り周期抽選に当選した場合には、その後に移行する、通常ステージにおいて複数の周期を実行することなく、1周期目の遊技終了後にAT状態(擬似ボーナスA、ATステージ)に移行することができる。
例えば、擬似設定値に「1」が設定されている場合には、32/256の確率で当選し、擬似設定値に「4」が設定されている場合には、82/256の確率で当選し、擬似設定値に「7」が設定されている場合には、128/256の確率で当選するように設定されている。また、説明は省略するが、その他の擬似設定値の場合についても図示の確率で当選するように設定されている。
このように、擬似設定値の値が大きいほど、当選し易いようになっている。すなわち、確率設定装置15により設定されている設定値が高いほど当選し易くなっている。
【0092】
次いで、周期パターン抽選を実行する(S10)。
周期パターン抽選は、
図17に示す「周期パターン抽選テーブル(ハズレ周期)」又は「周期パターン抽選テーブル(当り周期)」を参照することで、通常ステージにおける次の遊技が何周期目にあたるかの値(周期数)に基づいて、次周期の周期パターンを抽選により決定し、その結果を記憶部に記憶する。
周期パターンは、1回の周期中に制御される周期の組合せを規定した情報であり、例えば、「周期A→周期B→周期C」、「周期A→周期C」、「周期B→周期C」等がある。
なお、「当り周期」とは、当り周期抽選において当選した場合の周期、又は、周期数抽選において「1」が選択された場合の周期を示している。すなわち、その後に移行する通常ステージにおいて1周期目の遊技終了後に通常ステージが終了して、AT状態(擬似ボーナスA、ATステージ)に移行する場合である。
「ハズレ周期」とは、当り周期以外の場合である。
【0093】
ハズレ周期の場合には、例えば、周期数が「1」の場合には、256/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期B→周期C」が選択され、周期数が「2」の場合には、224/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期B→周期C」が選択され、16/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期C」又は「周期B→周期C」が選択され、周期数が「4」の場合には、193/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期B→周期C」が選択され、16/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期C」が選択され、48/256の確率で周期パターンとして「周期B→周期C」が選択されるように設定されている。
【0094】
一方、当り周期の場合には、例えば、周期数が「1」の場合には、256/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期B→周期C」が選択され、周期数が「2」の場合には、192/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期B→周期C」が選択され、32/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期C」又は「周期B→周期C」が選択され、周期数が「5」の場合には、128/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期B→周期C」が選択され、64/256の確率で周期パターンとして「周期A→周期C」又は「周期B→周期C」が選択されるように設定されている。
このように、ハズレ周期よりも当り周期の方が、1周期中に制御される周期の数が少なくなる周期パターンが選択され易いようになっている。
なお、非有利状態制御処理の周期パターン抽選では、その後に移行する通常ステージの遊技は、必ず1周期目であるため、「周期パターン抽選テーブル(ハズレ周期)」及び「周期パターン抽選テーブル(当り周期)」において、周期数として「1」が参照されることになる。
また、周期パターンは、
図17に示すパターンに限らず、周期の個数や組み合わせは任意に設定することができる。
【0095】
次いで、周期ゲーム数抽選を実行して(S11)、通常ステージに移行するように制御し(S12)(
図9の矢印a)、処理を終了する。
周期ゲーム数抽選は、
図18に示す「周期Aゲーム数抽選テーブル(ハズレ周期/当り周期)」、「周期Bゲーム数抽選テーブル(ハズレ周期/当り周期)」、「周期Cゲーム数抽選テーブル(ハズレ周期/当り周期)」を参照することで、次周期中で制御される各周期の実行ゲーム数を抽選により決定し、その結果を記憶部に記憶する。
【0096】
周期ゲーム数抽選は、当り周期か否かと、擬似設定値に基づいて周期ゲーム数を決定する。
具体的には、
図18に示すように、周期Aの場合は、周期ゲーム数として、例えば、16ゲーム、32ゲーム、64ゲームのうち何れかが選択される。周期Bの場合は、例えば、50ゲーム、100ゲーム、150ゲーム、200ゲームのうち何れかが選択される。周期Cの場合は、例えば、23ゲーム、24ゲーム、31ゲーム、32ゲームのうち何れかが選択される。
また、ハズレ周期時の方が当り周期時よりも、小さい周期ゲーム数が選択され易いようになっている。
また、当り周期の場合には、周期Cにおいて23ゲームと32ゲームが選択されるように設定されている。そのため、周期Cにおいては、ゲーム数として32ゲームが選択されるのは、当り周期のみであるので、実際のゲーム数が31ゲームを超えた場合には、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、遊技者は、各周期の周期ゲーム数によって、擬似設定値及び設定値をある程度推測することが可能となり、遊技の興趣性も向上させることが可能である。
以上のように、非有利状態制御処理が行われる。
【0097】
本実施形態に係るスロットマシン1は、有利区間移行時に決定した擬似設定値を当該有利区間中に参照してAT状態に関する抽選を実行する。
具体的には、前述した周期数抽選、周期パターン抽選、当り周期抽選及び周期ゲーム数抽選の他に、後述する他の抽選(CZステージ抽選、AT状態抽選等)においても、擬似設定値に基づいてAT状態に関する抽選が実行されるようになっている。
そのため、一の抽選テーブルを他の抽選テーブルとして用いることで、テーブルデータの記憶領域を抑えることができる。
また、各抽選を実行するごとに、確率設定装置15により設定されている設定値を参照することなく、擬似設定値を参照するため、処理効率を高めることができる。
また、有利区間に移行するごとに擬似設定値を決定し直すため、様々な遊技性を持たせることができるとともに、遊技者に対して設定値の判別を困難にすることも可能となる。
【0098】
(通常ステージ)
通常ステージは、非AT状態に制御され、遊技者にとって不利な遊技状態であるため、遊技者は、一刻も早く遊技者に有利な遊技状態に移行することを望みながら遊技を行うことになる。
通常ステージは、複数の状態(周期)から構成されており、例えば、
図68等に示すように、周期A(第1状態)、周期B(第3状態)及び周期C(第2状態)から構成されている。なお、本実施形態では、周期の種類は、3つとしたが、2つ以下又は4つ以上としてもよい。
基本的に、各周期は、周期A→周期B→周期Cの順に制御され、1又は2以上の周期の実行を1周期とする。例えば、周期A→周期B→周期Cの3つの周期による遊技を1周期として遊技が進行する。
【0099】
1周期中に制御される周期の種類は、周期パターンに基づいている。
具体的には、主制御部10が状態制御手段として動作することにより、周期パターン抽選によって予め決定された周期パターン(例えば、周期A→周期B→周期C)に基づいて各周期に制御する。
また、各周期の実行ゲーム数は、周期ゲーム数抽選によって予め決定される。
具体的には、主制御部10が第1遊技回数決定手段及び第2遊技回数決定手段として動作することにより、例えば、周期Aは、16ゲーム、32ゲーム、64ゲームのうち何れかを決定し、周期Bは、50ゲーム、100ゲーム、150ゲーム、200ゲームのうち何れかを決定し、周期Cは、23ゲーム、24ゲーム、31ゲーム、32ゲームのうち何れかを決定する。
このように、1周期中に制御される周期の種類が周期パターンによって決定され、その各周期の周期ゲーム数が決定される。
【0100】
通常ステージは、1周期に係る遊技を所定回数実行したことを契機に、遊技者に有利な遊技状態(擬似ボーナスA又はATステージ)に移行するように制御される。
所定回数(周期数)は、通常ステージ開始前の周期数抽選によって予め決定される。周期数は、小さい周期数が決定された方が、通常ステージの滞在期間が短くなるため、早期に有利な遊技状態に移行することができる。
また、各周期において、所定の条件が成立した場合(例えば、レア役の当選に伴う移行抽選に当選した場合)には、遊技者に有利な遊技状態に移行するように制御される。
例えば、周期Aにおいて所定の条件が成立した場合には、擬似ボーナスA(特定遊技状態)に移行可能であり、周期B及び周期Cにおいて所定の条件が成立した場合には、CZステージ(特別遊技状態)に移行可能である。
このように、滞在する周期によって移行先が異なるため、遊技の興趣性や遊技者の期待感を高めることができる。
また、通常ステージでは、滞在する周期の違いを、遊技者に対して識別可能に報知する。例えば、表示器8の背景画像等により報知し、周期A滞在中は「昼」の背景画像、周期B中は「夕方」の背景画像、周期C中は「夜」の背景画像を表示する。なお、この表示態様は一例であり、報知態様がそれぞれの周期に関連付けてあれば、任意の報知態様を採用することができる。
【0101】
次に、通常ステージ中に実行される各処理について説明する。
通常ステージ中は、「周期A制御処理」、「周期B制御処理」及び「周期C制御処理」が実行される。これらの処理について、以下順に説明する。
【0102】
図50を参照して主制御部10が行う周期A制御処理について説明する。
周期A制御処理は、現在の周期の種別が周期Aの場合に実行される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S21)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S21:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S21:Yes)、今回ゲームにおいてAT状態抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S22)。
AT状態抽選役は、例えば、弱チェリー役、強チェリー役、スイカ役、チャンス目役、特殊役A,特殊役Bである。なお、AT状態抽選役は、これらに限らず、例えば、非レア役とすることもできる。
【0103】
AT状態抽選役が当選していると判定した場合には(S22:Yes)、AT状態抽選(通常)を実行する(S23)。
AT状態抽選(通常)は、
図19に示す「AT状態抽選テーブル(通常)」を参照することで、擬似設定値と当選役に基づいてAT状態への移行抽選を実行する。
例えば、弱チェリー役に当選し、擬似設定値に奇数値(1、3、5、7)が設定されている場合には、2/256の確率で当選し、擬似設定値に偶数値(2、4、6)が設定されている場合には、1/256の確率で当選するように設定されている。
また、強チェリー役に当選し、擬似設定値に奇数値(1、3、5、7)が設定されている場合には、32/256の確率で当選し、擬似設定値に偶数値(2、4、6)が設定されている場合には、16/256の確率で当選するように設定されている。
また、特殊役A又は特殊役Bに当選した場合には、当選が確定する(256/256)ように設定されている。
また、説明は省略するが、その他の当選役についても図示の確率で抽選が行われる。
このように、擬似設定値の大小にかかわらず、偶数値の場合よりも奇数値の場合の方が、当選し易いようになっている。なお、これに限らず、擬似設定値が大きいほど当選し易いようにしてもよい。
【0104】
次いで、AT状態抽選(通常)に当選したか否かの判定を行う(S24)。
AT状態抽選(通常)に当選したと判定した場合には(S24:Yes)、AT種別抽選(通常時付与)を実行し(S25)、決定された遊技状態(擬似ボーナス)に移行するように制御する(S26)(
図9の矢印e)。
AT種別抽選(通常時付与)は、
図20に示す「AT種別抽選テーブル(通常時付与)」を参照することで、有利区間消化ゲーム数(カウンタA1の示す値)に基づいて移行先を抽選により決定する。
例えば、有利区間消化ゲーム数(カウンタA1の示す値)が「299ゲーム以下」の場合には、移行先として、120/256の確率で「擬似ボーナスA1」が選択され、128/256の確率で「擬似ボーナスA3」が選択され、2/256の確率で「擬似ボーナスA4」~「擬似ボーナスA7」が選択されるように設定されている。
また、有利区間消化ゲーム数(カウンタA1の示す値)が「900ゲーム以上」の場合には、移行先として、「擬似ボーナスA2」が確定する(256/256)ように設定されている。
このように、有利区間消化ゲーム数に応じて、その後に移行するAT状態(擬似ボーナス)の種類が異なるようになっている。
なお、遊技状態の移行抽選を行うこととなる有利区間消化ゲーム数は、上記以外のゲーム数としてもよく、全てのゲームで移行抽選を行うようにしてもよい。また、所定条件の成立により抽選対象のゲーム数を変更するようにしてもよい。
【0105】
また、AT種別抽選(通常時付与)では、有利区間消化ゲーム数が大きいほど、「擬似ボーナスA2」に当選し易くなっている。
これは、次の理由によるものである。
有利区間消化ゲーム数が大きい状態、すなわち、有利区間リミッタ(1500ゲーム)に近い状態では、同じ有利区間中では、その後に移行するAT状態(擬似ボーナス、ATステージ等)の滞在期間が短くなり、遊技者にとって不利となる。
そのため、通常ステージからAT状態(擬似ボーナス、ATステージ等)に移行する際には、残り有利区間ゲーム数が少ない状態では、擬似ボーナスA2に移行し易くし、擬似ボーナスA2の終了後、非有利状態→CZステージ(CZ3)と移行するように制御するようになっている。
これにより、有利区間消化ゲーム数(カウンタA1の示す値)がリセットされて、新たな有利区間の開始直後、CZステージ(CZ3)に移行することができ、その後、AT状態への移行抽選に当選した場合には、十分な滞在期間を確保することができる。
【0106】
S22において、AT状態抽選役が当選していないと判定した場合には(S22:No)、後述する「CZステージ移行権利」を所有するか否かの判定を行う(S27)。
CZステージ移行権利を所有すると判定した場合には(S27:Yes)、「CZモード」を初期化する(CZモード1にする)(S31)。
「CZモード」とは、CZステージへの移行し易さに影響を与えるモードであり、例えば4段階(1~4)で設定される。CZモード1(初期値)→CZモード2→CZモード3→CZモード4の順にモードが昇格し、CZステージに移行するまでは降格しないように制御され、CZステージに移行するとCZモード1にリセットされる。
なお、CZモードは、4段階に限らず、3段階以下又は5段階以上でもよい。
【0107】
一方、CZステージ移行権利を所有しないと判定した場合には(S27:No)、今回ゲームにおいてCZステージ抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S28)。
CZステージ抽選役は、例えば、弱チェリー役、スイカ役である。なお、これらに限らず、例えば、他のレア役や非レア役とすることもできる。
CZステージ抽選役が当選していると判定した場合には(S28:Yes)、CZステージ抽選を実行する(S29)。
CZステージ抽選は、
図21に示す「CZステージ抽選テーブル(CZモード1~4)」を参照することで、現在のCZモードと擬似設定値に基づいてCZステージへの移行抽選を実行する。
図21に示すように、CZステージのうちCZ1、CZ2又はCZ4に移行可能であり、CZ4<CZ2<CZ1の関係性に基づいて当選し易くなっている。
また、CZモード1<CZモード2<CZモード3<CZモード4の関係性に基づいて当選し易くなっている。
【0108】
例えば、CZモード1の場合、擬似設定値に「1」が設定されている場合には、29/256の確率で「CZ1」に当選し、2/256の確率で「CZ2」に当選し、1/256の確率で「CZ4」に当選するように設定されており、擬似設定値に「7」が設定されている場合には、46/256の確率で「CZ1」に当選し、16/256の確率で「CZ2」に当選し、2/256の確率で「CZ4」に当選するように設定されている。
また、CZモード4の場合、擬似設定値に「1」が設定されている場合には、60/256の確率で「CZ1」に当選し、18/256の確率で「CZ2」に当選し、1/256の確率で「CZ4」に当選するように設定されており、擬似設定値に「7」が設定されている場合には、67/256の確率で「CZ1」に当選し、34/256の確率で「CZ2」に当選し、5/256の確率で「CZ4」に当選するように設定されている。
また、説明は省略するが、その他のCZモードや擬似設定値についても図示の確率で抽選が行われる。
【0109】
次いで、CZステージ抽選に当選したか否かの判定を行う(S30)。
CZステージ抽選に当選したと判定した場合には(S30:Yes)、CZモードを初期化し(S31)、CZステージ抽選において決定されたCZの種別に移行するように制御する(S32)(
図9の矢印d)。
【0110】
S28においてCZステージ抽選役が当選していないと判定した場合(S28:No)、又は、S30においてCZステージ抽選に当選していないと判定した場合には(S30:No)、CZモード抽選を実行する(S33)。
CZモード抽選は、
図22に示す「CZモード抽選テーブル」を参照することで、擬似設定値と現在のCZモードに基づいてCZモードを抽選により決定する。
例えば、擬似設定値が1~5の場合、現在のCZモードがCZモード1の場合には、4/256の確率で「CZモード2」が選択され、現在のCZモードがCZモード2の場合には、3/256の確率で「CZモード3」が選択され、現在のCZモードがCZモード3の場合には、2/256の確率で「CZモード4」が選択されるように設定されている。
また、擬似設定値が6~7の場合、現在のCZモードがCZモード1の場合には、8/256の確率で「CZモード2」が選択され、現在のCZモードがCZモード2の場合には、8/256の確率で「CZモード3」が選択され、現在のCZモードがCZモード3の場合には、8/256の確率で「CZモード4」が選択されるように設定されている。
【0111】
このように、擬似設定値が大きい方が当選(CZモードが昇格)し易いようになっている。なお、CZモード抽選では、CZモードが1段階ずつ昇格し、一度昇格したらリセットがされるまで降格しないことを想定しているが、これに限らず、抽選によりCZモードが降格するようにしてもよく、複数段階昇格又は降格してもよい。また、CZモードの初期値はCZモード1以外としてもよい。
また、CZモードは、遊技者に対して報知されないことを想定しているが、遊技者に対して報知してもよく、この場合、CZモードが高い程、CZステージへの移行確率が高まるので、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0112】
次いで、周期Aの最終ゲームか否かの判定を行う(S34)。
周期Aの最終ゲームではないと判定した場合には(S34:No)、処理を終了し、周期Aの最終ゲームであると判定した場合には(S34:Yes)、後述する特殊制御権利を所有するか否かの判定を行う(S35)。
特殊制御権利を所有すると判定した場合には(S35:Yes)、特殊制御権利を使用して遊技状態を非有利状態に移行するように制御する(S36)(
図9の矢印c)。
一方、特殊制御権利を所有しないと判定した場合には(S35:No)、周期パターンを参照して、次に制御される周期が周期Cか否かの判定を行う(S37)。
【0113】
次に制御される周期が周期Cではないと判定した場合には(S37:No)、周期Bに制御し(S41)、一方、次に制御される周期が周期Cであると判定した場合には(S37:Yes)、当該周期が当り周期か否かを判定する(S38)。
当該周期が当り周期であると判定した場合には(S38:Yes)、AT種別抽選(周期C終了後付与)を実行し(S39)、遊技の状態を周期Cに制御する(S40)。
AT種別抽選(周期C終了後付与)は、
図23に示す「AT種別抽選テーブル(周期C終了後付与)」を参照することで、有利区間消化ゲーム数(カウンタA1の示す値)に基づいて、通常ステージ終了後の移行先を抽選により決定する。
当該抽選において決定した通常ステージ終了後の移行先は、その後に移行する周期C(周期C制御処理)中に参照されて、周期C中にAT状態へ移行するようになっている。
【0114】
例えば、有利区間消化ゲーム数が「299ゲーム以下」の場合には、移行先として、120/256の確率で「擬似ボーナスA1」が選択され、124/256の確率で「擬似ボーナスA3」が選択され、2/256の確率で「擬似ボーナスA4」~「擬似ボーナスA7」、「ATステージ(通常準備ステージ、特殊準備ステージ)」が選択されるように設定されている。
また、有利区間消化ゲーム数が「900ゲーム以上」の場合には、移行先として、「擬似ボーナスA2」が確定する(256/256)ように設定されている。
このように、有利区間消化ゲーム数に応じて、移行先が異なるようになっており、前述したAT種別抽選(通常時付与)と同様の理由から、有利区間消化ゲーム数が大きいほど擬似ボーナスA2に当選し易くなっている。
以上のように、周期A制御処理が行われる。
【0115】
このように、今回の周期が当り周期(特定の周期)であって、且つ、周期Aの次に周期C(第2状態)が制御される場合には、擬似ボーナスA(特定遊技状態)及びATステージ(特殊遊技状態)を含む遊技状態のうち何れかに制御するか否かを決定し、周期Cの終了時に、決定された遊技状態に制御可能になっている。
これにより、例えば、移行先の遊技状態を決定後に移行する周期C中に、移行先を示唆するような演出を実行することができ、興趣を向上させることができる。
【0116】
次に、
図51を参照して主制御部10が行う周期B制御処理について説明する。
周期B制御処理は、現在の周期の種別が周期Bの場合に実行される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S51)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S51:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S51:Yes)、CZステージ移行権利を所有するか否かの判定を行う(S52)。
なお、以降のS52~S58については、前述した周期A制御処理におけるS27~S33と同様の処理が実行される。
【0117】
次いで、周期Bの最終ゲームか否かの判定を行い(S59)、周期Bの最終ゲームであると判定した場合には(S59:Yes)、当該周期が当り周期か否かを判定する(S60)。
当該周期が当り周期であると判定した場合には(S60:Yes)、AT種別抽選(周期C終了後付与)を実行し(S61)、遊技の状態を周期Cに制御する(S62)。
AT種別抽選(周期C終了後付与)は、前述した周期A制御処理のS39と同様に、
図23に示す「AT種別抽選テーブル(周期C終了後付与)」を参照することで、有利区間消化ゲーム数に基づいて、通常ステージ終了後の移行先を抽選により決定する。
以上のように、周期B制御処理が行われる。
【0118】
次に、
図52を参照して主制御部10が行う周期C制御処理について説明する。
周期C制御処理は、現在の周期の種別が周期Cの場合に実行される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S71)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S71:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S71:Yes)、当該周期が当り周期か否かを判定する(S72)。
当該周期が当り周期であると判定した場合には(S72:Yes)、周期Cの最終ゲームか否かの判定を行い(S80)、当該周期が当り周期ではないと判定した場合には(S72:No)、CZステージ移行権利を所有するか否かの判定を行う(S73)。
なお、以降のS73~S79に係るCZステージへの移行処理については、前述した周期A制御処理におけるS27~S33とほぼ同様の処理が実行される。
【0119】
周期A制御処理と異なる点として、周期A制御処理では、CZステージ抽選に当選した場合、周期Aの処理を中断してCZステージに移行するように制御するが、周期C制御処理では、CZステージ抽選に当選した場合、すぐにCZステージに移行することなく、周期Cの終了後、次の周期(周期A又は周期B)に制御された後に、CZステージに移行するように制御する。
そのため、周期C中にCZステージ抽選に当選した場合には(S76:Yes)、CZステージ移行権利を付与するとともに、記憶部に記憶し(S78)、その後に移行した周期A又は周期Bにおいて、CZステージ移行権利を使用して、CZステージに移行するようになっている。
これにより、周期A、周期B及び周期Cのうち、周期Cは周期ゲーム数を消化するまでに移行可能な有利な遊技状態が、ATステージのみであることから、周期A、周期Bよりも周期C中の遊技に対して遊技者の期待感を高めることができる。
なお、これに限らず、周期CにおいてCZステージ抽選に当選した場合、周期C中にCZステージに移行するようにしてもよい。
【0120】
次いで、周期Cの最終ゲームか否かの判定を行い(S80)、周期Cの最終ゲームであると判定した場合には(S80:Yes)、当該周期が当り周期か否かを判定する(S81)。
当該周期が当り周期であると判定した場合には(S81:Yes)、AT状態に移行するように制御する(S82)(
図9の矢印e、f)。この場合の移行先は、直前の周期A又は周期Bで実行されたAT種別抽選(周期C終了後付与)において決定された遊技状態(擬似ボーナスA又はATステージ)に移行する。
【0121】
当該周期が当り周期ではないと判定した場合には(S81:No)、有利区間消化ゲーム数(カウンタA1の示す値)が、所定数以上か否かを判定する(S83)。例えば、「900ゲーム」以上か否かを判定する。
有利区間消化ゲーム数が所定数以上であると判定した場合には(S83:Yes)、特殊制御権利を付与し、記憶部に記憶(ストック)し(S84)、周期Aに制御する(S85)。
特殊制御権利は、非有利状態への移行権利である。すなわち、有利区間を終了させて通常区間に移行するための権利である。周期C中にストックした特殊制御権利は、周期C終了後に制御される周期A中に使用されるようになっている(周期A制御処理のS36)。
【0122】
このように、1周期の終了時において、残り有利区間ゲーム数が少ない場合には、強制的に、周期Cの終了後、周期A→非有利状態と制御するようになっている。
これは、その後に、同じ有利区間中にAT状態(擬似ボーナス、ATステージ等)へ移行した場合には、有利区間リミッタ(1500ゲーム)までの期間が短く、AT状態の滞在期間が短くなり、遊技者にとって不利となるため、周期Cの終了後、非有利状態に移行することで、有利区間消化ゲーム数(カウンタA1の示す値)をリセットするようになっている。
これにより、新たな有利区間の開始直後、CZステージ(CZ3)に移行することができ、AT状態への移行抽選に当選した場合には、十分な滞在期間を確保することができる。
【0123】
一方、有利区間消化ゲーム数が所定数以上ではないと判定した場合には(S83:No)、次周期が天井周期か否かを判定する(S86)。
天井周期とは、周期数抽選において決定された周期数のうち最後の周期をいう。例えば、周期数に「3」が決定されている場合には、3周期目を示す。
次周期が天井周期ではないと判定した場合には(S86:No)、当り周期抽選を実行し(S87)、周期パターン抽選と周期パターン抽選を実行する(S88~S89)。一方、次周期が天井周期であると判定した場合には(S86:Yes)、周期パターン抽選と周期パターン抽選を実行する(S88~S89)。
なお、当り周期抽選、周期パターン抽選及び周期ゲーム数抽選(S87~S89)は、前述した非有利状態制御処理におけるS9~S11と同様の処理が実行される。
ただし、非有利状態制御処理における周期パターン抽選(S10)では、必ず周期数として「1」が参照されるが、周期C制御処理の周期パターン抽選では、次の周期数に基づいて抽選がされることになる。
最後に、周期パターン抽選で決定された周期パターンを参照して、次に制御される周期が周期Aか否かを判定して(S90)、周期A又は周期Bに制御する(S85、S91)。
このように、1回の周期ごとに周期パターンと各周期の周期ゲーム数が決定される。
そのため、1周期ごとに、制御される周期の数、周期の種類及び周期ゲーム数が異なるため、通常ステージの滞在期間が変化することとなり、遊技内容を多彩化でき、興趣性を向上させることが可能となる。
以上のように、周期C制御処理が行われる。
なお、通常ステージは、AT状態(擬似ボーナスA又はATステージ)に移行する確率が異なる通常確率状態と高確率状態を設けるようにしてもよく、高確率状態中は、レア役等の当選を契機に、通常確率状態の当選確率よりも高い確率でAT状態への移行処理を行うようにしてもよい。
【0124】
以上のように、通常ステージでは、
図68等に示すように、1周期を複数の周期で構成し、周期ごとに実行される特典付与に関する抽選に当選した場合の特典の種類(例えば、遊技状態の移行先)を異ならせることができる。これにより、遊技が単調にならず、興趣低下を防止することができる。
例えば、周期Aにおいて所定の条件が成立(例えば、AT状態抽選に当選)した場合、擬似ボーナスA(特定遊技状態)に制御可能であり、周期Cにおいて所定の条件が成立(CZステージ抽選に当選)した場合、CZステージ(特別遊技状態)に制御可能である。
【0125】
(CZステージ)
CZステージは、非AT状態に制御され、CZ1~CZ4とCZ5とから構成される遊技状態である。
CZ1、2及びCZ4は、通常ステージから突入し、CZ3は、非有利状態から突入し、CZ5はCZ3から突入する。
CZ1~CZ4は、CZステージ開始時に設定されるナビ報知回数を消化するまで(ナビ報知回数が「0」になるまで)継続し、ナビ報知回数を消化するまでの間に、AT状態への移行をかけた遊技が実行される。
ナビ報知回数は、CZステージ開始時に所定数(例えば、3回)が付与され、リプレイ役の当選を契機に1減算される。また、CZ1~CZ4中に、加算(上乗せ)される場合がある。
すなわち、CZ1~CZ4では、遊技者は、ナビ報知回数が「0」に到達するまでの間に、AT状態抽選に当選することを目指して遊技を行う。
【0126】
CZ1~CZ4において、AT状態抽選に当選した場合には、CZの種類ごとに移行先が異なるようになっている。
具体的には、
図11に示すように、CZ1は、擬似ボーナスA1、擬似ボーナスA3~擬似ボーナスA7、ATステージに移行可能であり、CZ2は、擬似ボーナスA3~擬似ボーナスA7、ATステージに移行可能であり、CZ3は、ATステージに移行可能であり、CZ4は、擬似ボーナスA4~擬似ボーナスA7に加えてATステージに移行可能である。
【0127】
CZステージ中は、例えば、
図69に示すような演出画面が表示器8に表示される。
図69(a)は、CZ1及びCZ2の演出画面例を示しており、
図69(b)は、CZ3の演出画面例を示しており、
図69(c)は、CZ4の演出画面例を示しており、
図69(d)は、CZ5の演出画面例を示している。
CZ1~CZ4では、画面上部には、残りのナビ報知回数81が表示され、画面下部には、ステージ説明画像82が表示される。
ステージ説明画像82は、例えば、各CZ中に付与される可能性のある特典を示しており、例えば、CZ1及びCZ2では「成功すればボーナス!?」、CZ3では「成功すればATステージ!?」、CZ4では「成功すればボーナス+ATステージ!?」等が表示される。
また、CZ1とCZ2は、同一の表示態様からなる画面が表示され、CZ3は、ステージ説明画像82のみ表示が異なる。これにより、その後、非有利状態に制御されるCZ2に滞在していることを遊技者に対して認識し難くすることができる。
CZ4とCZ5は、CZ1~CZ3とは異なる演出画像(演出画像B、演出画像C)が表示される。すなわち、ATステージへの移行の期待度が高いCZ4やCZ5に滞在していることを認識可能にすることができる。
なお、CZ3とCZ5は、同一の演出画像を表示してもよい。これにより、CZ3とCZ5の遊技の区切りを認識困難とすることで、一連の遊技が実行されているかのようにしてもよい。
【0128】
CZ5は、押し順ベルこぼし目が連続して停止表示するまで継続し、その継続期間内に、AT状態への移行をかけた遊技が実行される。
具体的には、継続期間内のレア役の当選回数と押し順ベル役A1、A2の入賞回数の合計が規定回数に到達した場合には、AT状態への移行が確定する。例えば、擬似ボーナスA1やATステージに移行可能である。
CZ5では、画面上部には、残りの規定回数83が表示される(
図69(d))。規定回数は、直前のCZ3において予め決定され、レア役の当選又は押し順ベル役A1、A2が入賞するごとに1減算される。図では、予め決定された4回の規定回数のうち、残り3回が残っていることを示している。
【0129】
次に、
図53及び54を参照して主制御部10が行うCZステージ制御処理について説明する。
まず、
図53を参照してCZ1~CZ4制御処理について説明する。
CZ1~CZ4制御処理は、現在の遊技状態がCZ1~CZ4の場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S101)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S101:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S101:Yes)、今回ゲームにおいて、共通1枚役又はAT状態抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S102)。
【0130】
共通1枚役又はAT状態抽選役が当選していると判定した場合には(S102:Yes)、これらの当選役のうち、特殊役A又は特殊役Bが当選しているか否かの判定を行う(S103)。
特殊役A又は特殊役Bが当選している場合には(S103:Yes)、AT状態への移行が確定し、後述するAT種別抽選(CZ)を実行する(S106)。
一方、特殊役A又は特殊役Bが当選してない場合には(S103:No)、AT状態抽選(CZ)を実行する(S104)。
AT状態抽選(CZ)は、
図24に示す「AT状態抽選テーブル(CZ1~4)」を参照することで、滞在するCZの種類ごとに、擬似設定値に基づいてAT状態への移行抽選を実行する。具体的には、擬似設定値が大きい方が当選し易く設定されており、また、CZ3<CZ1<CZ2<CZ4の関係性に基づいて当選し易くなっている。
【0131】
次いで、AT状態抽選(CZ)に当選したか否かを判定し(S105)、当選したと判定した場合には(S105:Yes)、AT種別抽選(CZ)を実行する(S106)。
AT種別抽選(CZ)は、
図25に示す「AT種別抽選テーブル(CZ)」、「AT種別抽選テーブル(CZ(特殊役))」を参照することで、滞在するCZの種類に基づいて移行先を抽選により決定する。
【0132】
例えば、
図25に示すように、CZ1の場合には、擬似ボーナスA1、擬似ボーナスA3~擬似ボーナスA7、通常準備ステージ及び特殊準備ステージのうち擬似ボーナスA1が最も高い確率で選択されるように設定されており、CZ2の場合には、擬似ボーナスA3~擬似ボーナスA7、通常準備ステージ及び特殊準備ステージのうち擬似ボーナスA3が最も高い確率で選択されるように設定されており、CZ3の場合には、通常準備ステージ及び特殊準備ステージのうち通常準備ステージが最も高い確率で選択されるように設定されており、CZ4の場合には、擬似ボーナスA4~擬似ボーナスA7のうち擬似ボーナスA4が最も高い確率で選択されるように設定されている。
また、特殊役Aが当選している場合には、240/256の確率で通常準備ステージが選択され、16/256の確率で特殊準備ステージが選択されるように設定されており、特殊役Bが当選している場合には、256/256の確率で特殊準備ステージが選択されるように設定されている。
そして、AT種別抽選(CZ)において決定された遊技状態に移行するように制御する(S107)(
図9の矢印j、g)。
【0133】
また、CZステージ中は、遊技者に対してAT状態への移行の期待感を高めるために、表示器8において期待度演出が実行される。
具体的には、副制御部20は、表示器8において、遊技者に対して目押し操作を促す報知を行う。
例えば、特殊役A又は特殊役Bが当選している場合には、赤7図柄の停止操作を促す画像の表示(例えば、「赤7を狙え!」)を表示する。このとき、赤7図柄の目押し操作により、特殊役Aが当選している場合にはシングル赤7揃いが停止可能であり、特殊役Bが当選している場合には、ダブル赤7揃いが停止可能である。
また、共通1枚役が当選している場合には、BAR図柄の停止操作を促す画像の表示(例えば、「BARを狙え!」)と逆押しを促す押し順ナビを表示する。このとき、逆押しで、BAR図柄を目押し操作することにより、BAR揃いが停止可能である。
共通1枚役が当選している場合には、AT状態抽選(CZ)に当選している場合にのみ、上記演出を実行する。なお、AT状態抽選(CZ)に非当選の場合には、逆押し以外(例えば、順押し)を促す押し順ナビを報知してもよい。
【0134】
S105においてAT状態抽選(CZ)に当選していないと判定した場合には(S105:No)、レア役(弱チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役)が当選しているか否かの判定を行う(S108)。
レア役が当選していると判定した場合には(S108:Yes)、ナビ報知回数上乗せ抽選を実行する(S109)。
ナビ報知回数上乗せ抽選は、
図26に示す「ナビ報知回数上乗せ抽選テーブル」を参照することで、当選役に基づいてナビ報知回数の加算(上乗せ)抽選を行う。
例えば、弱チェリー役が当選している場合には、64/256の確率で上乗せ回数として「1」が選択され、スイカ役が当選している場合には、48/256の確率で上乗せ回数として「1」が選択され、16/256の確率で上乗せ回数として「2」が選択される。
また、チャンス目役又は強チェリー役が当選している場合には、必ず上乗せがされるように設定されている。
そして、ナビ報知回数上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行い(S110)、当選したと判定した場合には(S110:Yes)、現在のナビ報知回数に上乗せ回数を加算(S111)し、処理を終了する。
【0135】
S102において、共通1枚役又はAT状態抽選役が当選していないと判定した場合には(S102:No)、リプレイ役が当選しているか否かの判定を行う(S112)。
リプレイ役が当選していないと判定した場合には(S112:No)、処理を終了し、リプレイ役が当選していると判定した場合には(S112:Yes)、ナビ報知回数を1減算する(S113)。
このとき、副制御部20は、表示器8において、上記と同様の期待度演出(例えば、「BARを狙え!」と逆押しを促す押し順ナビ)を実行し、遊技者に対して目押し操作を促す報知を行う。この場合は、逆押しで、BAR図柄を目押し操作した場合でも、BAR揃いは停止表示されず、BARテンパイ揃いが停止する。すなわち、AT状態への移行抽選に当選しているかのような、遊技者の期待感を引き付けるフェイク演出が実行される。
【0136】
次いで、ナビ報知回数が「0」に到達したか否かの判定を行う(S114)。
ナビ報知回数が「0」に到達したと判定した場合には(S114:Yes)、滞在するCZの種類に応じて遊技状態の移行処理を実行する(S115~S120)。
すなわち、リプレイ役の当選によりナビ報知回数が減算し、ナビ報知回数が「0」に到達するまでの間にAT状態抽選に非当選であった場合である。
例えば、CZ1又はCZ2の場合には(S115:Yes)、通常ステージに移行するように制御する(S116)(
図9の矢印h)。このとき、CZステージ突入時の周期に復帰するように制御される。
CZ4の場合には(S115:No、S117:No)、擬似ボーナスAに移行するように制御する(S120)(
図9の矢印g)。
【0137】
CZ3の場合には(S115:No、S117:Yes)、規定回数抽選を実行して(S118)、CZ5に移行するように制御する(S119)(
図9の矢印i)。
規定回数抽選では、
図27に示す「規定回数抽選テーブル」を参照することで、擬似設定値に基づいてCZ3終了後に移行するCZ5において管理される規定回数を予め決定し、記憶部に記憶する。
例えば、擬似設定値が大きい場合(「6」や「7」の場合)は、小さい数の規定回数が選択される確率が高くなるように設定されている。また、擬似設定値が偶数値の場合よりも奇数値の場合の方が、小さい数の規定回数が選択され易いようになっている。なお、これに限らず、擬似設定値が大きいほど小さい数の規定回数が選択され易いようにしてもよい。
以上のように、CZ1~CZ4制御処理が行われる。
【0138】
次に、
図54を参照してCZ5制御処理について説明する。
CZ5制御処理は、現在の遊技状態がCZ5の場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S121)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S121:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S121:Yes)、今回ゲームにおいて、特殊準備ステージ抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S122)。
特殊準備ステージ抽選役は、例えば、弱チェリー役、強チェリー役、スイカ役、チャンス目役である。なお、これらに限らず、他の当選役とすることもできる。
【0139】
特殊準備ステージ抽選役が当選していると判定した場合には(S122:Yes)、特殊準備ステージ抽選を実行する(S123)。
特殊準備ステージ抽選は、
図28に示す「特殊準備ステージ抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいて特殊準備ステージへの移行抽選を実行する。
例えば、弱チェリー役又はスイカ役に当選した場合には、1/256の確率で当選し、チャンス目役に当選した場合には、32/256の確率で当選し、強チェリー役に当選した場合には、64/256の確率で当選するように設定されている。
【0140】
次いで、特殊準備ステージに当選したか否かの判定を行い(S124)、特殊準備ステージ抽選に当選したと判定した場合には(S124:Yes)、特殊準備ステージに移行するように制御する(S125)(
図9の矢印m)。
また、特殊準備ステージ抽選に当選した場合には、副制御部20は、ボタン演出を実行してもよい。例えば、表示器8において、演出ボタン2cの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、演出ボタン2cが操作された場合に、当選を祝福するような画像を表示してもよい。
また、当選役の種類に応じて、ボタン演出が実行される確率を異ならせてもよく、演出内容を異ならせてもよい。
【0141】
一方、S122において特殊準備ステージ抽選役が当選していないと判定した場合(SS122:No)、又は、特殊準備ステージ抽選に非当選と判定した場合には(S124:No)、規定回数減算条件が成立したか否かの判定を行う(S126)。
規定回数減算条件の成立は、例えば、レア役が当選した場合又は押し順ベル役A1、A2が入賞した場合である。
規定回数減算条件が成立したと判定した場合には(S126:Yes)、現在の規定回数を1減算する(S127)。なお、規定回数は、直前のCZ3において規定回数抽選により予め決定されており、CZ5開始時にセットされる。
次いで、規定回数が「0」に到達したか否かの判定を行う(S128)。すなわち、レア役の当選回数及び押し順ベル役A1、A2の入賞回数の合計が規定回数に到達したことで、AT状態への移行権利を獲得可能な状況か否かを判定する。
【0142】
規定回数が「0」に到達したと判定した場合には(S128:Yes)、AT種別抽選(CZ5)を実行する(S129)。
AT種別抽選(CZ5)は、
図29に示す「AT種別抽選テーブル(CZ5)」を参照することで、擬似設定値に基づいて移行先を抽選により決定する。例えば、擬似ボーナスA1、通常準備ステージ又は特殊準備ステージのうち何れかが選択され、擬似ボーナスA1が最も高い確率で選択される。
そして、AT種別抽選(CZ5)において決定された遊技状態に移行するように制御する(S130)(
図9の矢印l、m)。
【0143】
一方、S128において規定回数が「0」に到達していないと判定した場合には(S128:No)、CZ5保証回数が「0」であるか否かの判定を行う(S131)。
CZ5保証回数は、CZ5中の押し順ベルこぼし目の連続停止表示を管理するための値であり、押し順ベルこぼし目が停止した場合に、1減算される。
CZ5保証回数は、例えば、CZ5開始時に「1」が付与される。なお、CZ5保証回数はこれに限らず、任意に設定することができる。
CZ5保証回数が「0」ではない(「1」である)と判定した場合には(S131:No)、処理を終了し、一方、CZ5保証回数が「0」であると判定した場合には(S131:Yes)、CZ5保証回数を1加算(上乗せ)して、処理を終了する。
すなわち、CZ5保証回数が「0」である状態(あと1回押し順ベルこぼし目が停止表示するとCZ5が終了する状態)で、レア役の当選又は押し順ベル役A1、A2が入賞した場合には、CZ5保証回数が1加算(回復)される。
【0144】
S126において、規定回数減算条件が成立していないと判定した場合には(S126:No)、CZ5保証回数減算条件が成立した(押し順ベルこぼし目が停止表示した)か否かの判定を行う(S133)。
CZ5保証回数減算条件が成立したと判定した場合には(S133:Yes)、CZ5保証回数が「0」であるか否かの判定を行う(S134)。すなわち、前回の押し順ベル役Aが当選した際に、押し順ベルこぼし目が停止表示した状態か否かを判定する。
CZ5保証回数が「0」ではない(「1」である)と判定した場合には(S134:No)、CZ5保証回数を1減算して(S135)、処理を終了する。
一方、CZ5保証回数が「0」であると判定した場合には(S134:Yes)、通常ステージ移行前処理(周期数抽選(S136)~通常ステージへ移行(S141))を実行する。すなわち、押し順ベルこぼし目が連続して停止表示したと判定して、CZ5を終了し、通常ステージへ移行する(
図9の矢印k)。
なお、通常ステージ移行前処理(S136(周期数抽選)~S141(通常ステージに移行))は、非有利状態制御処理におけるS7(周期数抽選)~S12(通常ステージに移行)と同様の処理が実行される。
以上のように、CZ5制御処理が行われる。
【0145】
このように、CZ5は、押し順ベルこぼし目が連続して停止表示するまで(CZ5保証回数を消化するまで)の間に、レア役の当選回数と押し順ベル役Aの入賞回数の合計が、規定回数に到達すれば(規定回数が「0」に到達すれば)、AT状態への移行が確定する遊技性を有している。
そのため、CZ3においてAT状態への移行がされずに、CZ5に突入した場合でも、AT状態への移行の可能性があるため、遊技者の期待感を継続させることができる。
また、CZ5は、有利区間開始直後に移行するCZ3終了後に突入するため、例えば、AT状態(擬似ボーナスAやATステージ)が終了した直後に突入する場合がある。そのような場合には、再びAT状態に戻ることができるため、引き戻しゾーンとしても機能し、遊技の興趣を向上することができる。
【0146】
(擬似ボーナスA)
擬似ボーナスAは、AT状態に制御され、当選した押し順ベル役の第1~3リール停止操作に対応する全ての押し順ナビが表示される。そのため、メダルの増加が期待できる遊技状態である。
擬似ボーナスAは、擬似ボーナスA1~擬似ボーナスA7の7つから構成され、それぞれ所定期間(例えば、30ゲーム)継続可能であり、擬似ボーナス終了後は、滞在する擬似ボーナスに応じて移行先が異なるようになっている。
具体的には、
図12等に示すように、擬似ボーナスA1は、通常ステージ又はATステージに移行可能であり、擬似ボーナスA2は、非有利状態に移行可能であり、擬似ボーナスA3は、非有利状態、CZ3又はATステージに移行可能であり、擬似ボーナスA4~6は、ATステージに移行可能であり、擬似ボーナスA7は、特殊ATステージに移行可能である。
すなわち、擬似ボーナスA4~擬似ボーナスA7は、擬似ボーナスの突入と同時にATステージへの移行が確定しており、擬似ボーナスA1及び擬似ボーナスA3は、擬似ボーナス中にATステージへの移行をかけて遊技が進行される。
【0147】
また、擬似ボーナスAの最初のゲームにおいて擬似遊技が実行される。
擬似遊技は、実際には遊技が進行していない状態であり、リール41の作動・停止等を通常の遊技のように行うことで、あたかも遊技が進行しているかのように遊技者に感じさせる演出である。
具体的には、スタートレバー3の操作を契機に、リール41を逆回転させた後、所定のライン上に特定の図柄組合せ(赤7・赤7・赤7)を一旦停止させるリール演出が行われ、擬似ボーナスAが発生したことが報知される。リール演出期間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール41が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
リール演出期間後、スタートレバー3を操作することにより、リール41が正回転し、停止ボタン5の操作が有効となり、擬似ボーナスAの最初のゲームが再開する。
【0148】
次に、擬似ボーナスA中に実行される各種処理について説明する。
擬似ボーナスA中は、「擬似ボーナスA1制御処理」と「擬似ボーナスA2~A7制御処理」が実行される。これらの処理について、以下順に説明する。
【0149】
まず、
図55及び
図56を参照して主制御部10が行う擬似ボーナスA1制御処理について説明する。
擬似ボーナスA1は、低確率状態(以下、低確ともいう)と、低確率状態よりもATステージに当選し易い高確率状態(以下、高確ともいう)と、高確率状態よりもATステージに当選し易い超高確率状態(以下、超高確ともいう)と、を有している。
擬似ボーナスA1中は、現時点の確率状態を遊技者に対して識別可能に報知する。例えば、表示器8の背景画像の種類や色によって報知する。なお、この表示態様は一例であり、報知態様が各確率状態に関連付けてあれば、任意の報知態様を採用することができる。
そのため、遊技者は、擬似ボーナスA1中は、高確率状態又は超高確率状態に移行することを期待しつつ、ATステージへの移行を目指して遊技を行うことになる。
【0150】
擬似ボーナスA1制御処理は、現在の遊技状態が擬似ボーナスA1の場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S151)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S151:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S151:Yes)、今回ゲームにおいて、共通1枚役又はAT状態抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S152)。
【0151】
共通1枚役又はAT状態抽選役が当選していると判定した場合には(S152:Yes)、ATステージへの移行が確定している状態か否かの判定を行う(S153)。すなわち、既にATステージへの移行抽選に当選し、ATステージへの移行権利を獲得しているか否かを判定する。
ATステージへの移行が確定していると判定した場合には(S153:Yes)、ストック獲得抽選を実行する(S154)。
ストック獲得抽選は、
図30に示す「チャンスストック抽選テーブル」又は「セットストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてチャンスストックの獲得抽選又はセットストックの獲得抽選を実行する。
具体的には、特殊役<共通1枚役<弱チェリー役、スイカ役<チャンス目役<強チェリー役の関係性に基づいて当選し易くなっている。
【0152】
チャンスストックは、ATステージ(通常ATステージ)で所有している場合には、擬似ボーナスBに制御することができる権利である。また、ATステージ(バトルステージ)において実行されるバトル突破抽選で参照される。
セットストックは、終了待機ステージで所有している場合には、再度、通常準備ステージに制御することができる権利である。すなわち、ATステージが連荘する。
そのため、これらのストックを多く所有するほど、その後に移行したATステージにおいて有利に遊技を進めることができる。
【0153】
一方、S153においてATステージへの移行が確定していないと判定した場合には(S153:No)、ATステージ抽選を実行する(S155)。
ATステージ抽選は、
図31に示す「ATステージ抽選テーブル(低確、高確、超高確)」を参照することで、現時点の確率状態と、今回ゲームの当選役に基づいて抽選を実行する。
具体的には、低確率状態<高確率状態<超高確率状態の関係性に基づいて、当選期待度が高くなるように設定されており、例えば、共通1枚役に当選した場合には、低確率状態の場合は、1/256の確率で当選し、高確率状態の場合は、16/256の確率で当選し、超高確率状態の場合は、64/256の確率で当選するように設定されている。
また、超高確率状態の場合には、レア役に当選した場合には、当該抽選に必ず当選し、さらに、特殊準備ステージに当選し易いように設定されている。
また、説明は省略するが、その他の当選役に当選した場合にも、図示の確率でATステージ抽選が行われる。
【0154】
次いで、ATステージへの移行が確定している状態(ATステージ抽選に当選した)か否かを判定し(S156)、ATステージへの移行が確定していると判定した場合には(S156:Yes)、S167の処理(最終ゲーム判定処理)へ移り、一方、ATステージへの移行が確定していないと判定した場合には(S156:No)、高確率状態抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S157)。高確率状態抽選役は、例えば、ベル役、弱チェリー役、強チェリー役、スイカ役、チャンス目役である。
【0155】
高確率状態抽選役が当選していると判定した場合には(S157:Yes)、現時点の確率状態に応じて、各種処理が実行される(S158~S166)。
具体的には、現時点の確率状態が低確率状態の場合には(S158:Yes)、高確率状態抽選を実行する(S162)。高確率状態抽選は、
図32に示す「高確抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいて高確率状態への移行抽選を実行する。この場合、押し順ベル役<弱チェリー役、スイカ役<チャンス目役<強チェリー役の関係性に基づいて当選し易くなっている。
高確率状態抽選に当選した場合には(S163:Yes)、例えば、10ゲーム、20ゲーム、30ゲームのうち何れかの高確ゲーム数が付与され、この高確ゲーム数を消化するまでの期間は、確率状態を高確率状態に制御する(S164)。
【0156】
一方、現時点の確率状態が高確率状態又は超高確率状態の場合には(S158:No)、超高確率状態抽選を実行する(S159)。超高確率状態抽選は、
図32に示す「超高確抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいて超高確率状態への移行抽選を実行する。この場合、押し順ベル役<弱チェリー役、スイカ役<チャンス目役<強チェリー役の関係性に基づいて当選し易くなっている。
超高確率状態抽選に当選した場合には(S160:Yes)、確率状態を超高確率状態に制御する(S161)。
超高確率状態は、1ゲームのみ滞在する状態である。そのため、擬似ボーナスA1中に、毎ゲーム、超高確率状態抽選に当選し続ければ、継続して超高確率状態に滞在するものの、超高確率状態抽選に非当選の場合や超高確率状態抽選が実行されない場合には、次ゲーム終了時に超高確率状態から高確率状態に制御される。
擬似ボーナスA1では、現時点の確率状態に応じてATステージへの移行抽選(S155)が行われることから、超高確率状態に制御されている際に、レア役に当選した場合には、高い確率でATステージへの移行が決定することとなり、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0157】
また、現時点の確率状態が高確率状態又は超高確率状態の場合には(S158:No)、低確率状態の場合と同様に、高確率状態抽選を実行する(S162)。
高確率状態抽選に当選した場合には(S163:Yes)、高確ゲーム数が付与(加算)される。すなわち、高確ゲーム数の上乗せがされることになる。
超高確率状態中も高確率状態中と同様に、毎ゲーム、高確ゲーム数が減算されるため、高確ゲーム数が多いほうが、有利に遊技を進めることができる。
なお、これに限らず、各確率状態に滞在可能なゲーム数の管理を全ての確率状態で一括して管理してもよく、又は、全ての確率状態で別々にゲーム数を管理してもよい。
全ての確率状態で別々にゲーム数を管理には、確率状態ごとに優先順位を付けて、優先順位の高い確率状態のゲーム数から消化するようにしてもよい。
【0158】
S157において高確率状態抽選役が当選していないと判定した場合には(S157:No)、高確天井ゲーム数に到達したか否かを判定する(S165)。
高確天井ゲーム数は、低確率状態の滞在上限ゲーム数であり、低確率状態に制御されたゲーム数が高確天井ゲーム数に到達した場合には(S165:Yes)、高確率状態に制御される(S166)。
【0159】
次いで、擬似ボーナスA1の最終ゲームか否かを判定する(S167)。
擬似ボーナスA1の最終ゲームであると判定した場合には(S167:Yes)、ATステージへの移行権利を獲得しているか否かを判定する(S168)。
ATステージへの移行権利を獲得していないと判定した場合には(S168:No)、通常ステージ移行前処理(S169(周期数抽選)~S174(通常ステージへ移行))を実行する。
なお、通常ステージ移行前処理(S169(周期数抽選)~S174(通常ステージに移行))は、非有利状態制御処理におけるS7(周期数抽選)~S12(通常ステージに移行)と同様の処理が実行される。
【0160】
一方、ATステージへの移行権利を獲得していると判定した場合には(S168:Yes)、ATステージ開始時の移行先を決定する処理が実行される(S175~S179)。
具体的には、ATステージ抽選において特殊準備ステージが選択されている場合には(S175:Yes)、特殊準備ステージに移行するように制御し(S178)(
図9の矢印n)
また、ATステージ抽選において、通常準備ステージが選択されている場合には(S175:No)、ステージ昇格抽選を実行する(S176)。ステージ昇格抽選は、
図33に示す「ステージ昇格抽選テーブル」を参照することで、擬似設定値に基づいて特殊準備ステージへの昇格抽選を実行する。具体的には、擬似設定値が、偶数値の場合よりも奇数値の場合の方が、当選し易いようになっている。なお、これに限らず、擬似設定値が大きいほど当選し易いようにしてもよい。
ステージ昇格抽選に当選した場合には(S177:Yes)、特殊準備ステージに移行するように制御し(S178)、ステージ昇格抽選に非当選の場合には(S177:No)、通常準備ステージに移行するように制御する(S179)(
図9の矢印n)。
以上のように、擬似ボーナスA1制御処理が行われる。
【0161】
次に、
図57を参照して主制御部10が行う擬似ボーナスA2~A7制御処理について説明する。
擬似ボーナスA2~A7制御処理は、現在の遊技状態が擬似ボーナスA2~A7のうち何れかの場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S181)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S181:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S181:Yes)、ATステージへの移行権利を獲得しているか否かを判定する(S182)。
【0162】
ATステージへの移行が確定していると判定した場合には(S182:Yes)、ストック獲得抽選を実行して(S183)、S187の処理へ移る。ストック獲得抽選は、前述した擬似ボーナスA1制御処理のS154と同様の処理が実行される。
一方、ATステージへの移行が確定していないと判定した場合には(S182:No)、現在の遊技状態が擬似ボーナスA3か否かを判定する(S184)。
擬似ボーナスA3ではないと判定した場合(擬似ボーナスA2であると判定した場合)には(S184:Yes)、S187の処理へ移り、擬似ボーナスA3であると判定した場合には(S184:Yes)、今回ゲームにおいて、共通1枚役又はAT状態抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S185)。
共通1枚役又はAT状態抽選役が当選していると判定した場合には(S185:Yes)、ATステージ抽選を実行する(S186)。ATステージ抽選は、前述した擬似ボーナスA1制御処理のS155と同様の処理が実行される。なお、この場合は、ATステージ抽選テーブル(低確)を参照して抽選が行われる。
【0163】
すなわち、擬似ボーナス開始時にATステージへの移行が確定している擬似ボーナスA4~擬似ボーナスA7の場合には、擬似ボーナス中に、毎ゲーム、ストックの獲得抽選が実行されることになる。
一方、擬似ボーナス開始時にATステージへの移行が確定していない擬似ボーナスA3の場合には、擬似ボーナス中に、ATステージ抽選に当選した場合には、次ゲームからストックの獲得抽選が実行されることになる。
【0164】
次いで、擬似ボーナスの最終ゲームか否かを判定する(S187)。
最終ゲームであると判定した場合には(S187:Yes)、実行中の擬似ボーナスの種類に応じて、遊技状態の移行処理が実行される(S188~S199)。
具体的には、擬似ボーナスA5又は擬似ボーナスA6の場合には(S188:Yes、S193:No)、ATステージ(通常準備ステージ)に移行するように制御し(S199)(
図9の矢印n)、擬似ボーナスA7の場合には(S188:Yes、S193:No)、特殊ATステージに移行するように制御する(S199)(
図9の矢印r)。
また、ATステージへの移行が確定している擬似ボーナスA3又は擬似ボーナスA4の場合には(S188:Yes、S193:Yes)、ATステージ(通常準備ステージ又は特殊準備ステージ)に移行するように制御する(S194~S198)(
図9の矢印n)。なお、S194~S198の移行先ステージの振り分け処理は、前述した擬似ボーナスA1制御処理のS175~S179と同様の処理が実行される。
また、擬似ボーナスA2の場合には(S188:No、S189:No、S193:No)、非有利状態に移行するように制御する(S199)(
図9の矢印p)。
【0165】
また、ATステージへの移行が確定していない擬似ボーナスA3の場合には(S188:No、S189:Yes)、有利区間消化ゲーム数が所定数(例えば、900ゲーム)以上か否かを判定する(S190)。
有利区間消化ゲーム数が所定数以上である場合には(S190:Yes)、非有利状態に移行するように制御し(S191)(
図9の矢印p)、一方、所定数以上ではない場合には(S190:No)、CZステージ(CZ3)に移行するように制御する(S192)(
図9の矢印o)。
このように、擬似ボーナスA3の終了時に、残り有利区間ゲームが少ない場合には、非有利状態に強制的に制御するのは、前述した周期C制御処理において特殊制御権利を付与する理由と同様である。
すなわち、擬似ボーナスA3→非有利状態→CZステージ(CZ3)と移行するように制御することで、新たな有利区間の開始後に、AT状態への移行抽選に当選した場合には、十分な滞在期間を確保することができるからである。
以上のように、擬似ボーナスA2~A7制御処理が行われる。
【0166】
(ATステージ)
ATステージは、準備ステージ、通常ATステージ、バトル準備ステージ、バトルステージ、終了待機ステージ、擬似ボーナスB及び特化ステージから構成されている。
本実施形態のスロットマシン1は、準備ステージ、通常ATステージ、バトル準備ステージ及びバトルステージの複数の遊技状態で一連のゲームを構成しており、これらの遊技を1セットとして遊技が進行する。
【0167】
具体的には、バトルステージにおいて、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決(バトル)する演出が行われて、味方キャラクタが勝利すると、再度1セットの遊技を開始するために準備ステージに移行し、一方、敵キャラクタが勝利すると、終了待機ステージに移行するようになっている。
味方キャラクタと敵キャラクタは、バトルステージ突入までの複数ゲームにわたって決定される。例えば、準備ステージで味方キャラクタを決定し、バトル準備ステージで敵キャラクタを決定する。
バトルの勝敗は、バトルステージで実行されるバトル突破抽選の結果に対応しており、その当選(勝利)特典は、味方キャラクタと敵キャラクタの組合せに応じて異なるようになっている。そのため、選択されるキャラクタの違いから興趣性を向上させることができる。
【0168】
したがって、バトルステージにおいて実行されるバトル突破抽選に当選すると、ATステージの滞在期間が延長されるため、遊技者にとって有利にゲームが進行されることになる。
また、詳細は後述するが、バトル突破抽選は、ATステージの1セット内の遊技において擬似ボーナスBの実行回数が多い方が当選し易いようになっている。そのため、バトルステージ突入までに、多くの回数擬似ボーナスBに移行することが遊技者にとって有利となる。
また、擬似ボーナスBと特化ステージは、チャンスストックを大量獲得可能な遊技状態であり、ATステージ中にこれらの遊技状態に突入することで、有利にゲームが進行されることになる。
【0169】
また、ATステージでは、遊技性の異なるノーマルAT又はエピソードATの何れかの遊技モードに制御される。
ノーマルATは、原則、ATステージ突入時に制御される遊技モードであり、遊技者の操作によって味方キャラクタと敵キャラクタが選択可能であり、選択されたキャラクタに応じて遊技が進行する。
エピソードATは、特定の条件を満たすと突入し、上限のセット数(例えば、3セット)まで滞在可能である。例えば、ノーマルAT中に、味方キャラクタと敵キャラクタの特定の組合せの場合にバトルに勝利(バトル突破抽選に当選)すると突入する。
また、エピソードATは、味方キャラクタや敵キャラクタは固定で設定され、各遊技状態の滞在ゲーム数も固定で設定される。
また、エピソードAT中に実行される演出は、セット数ごと、すなわち設定されたキャラクタごとに演出内容(表示器8の表示内容、ストーリ、BGM等)が異なっている。
【0170】
(準備ステージ)
準備ステージは、ATステージの突入時(以下、初当りともいう)やATステージの継続(連荘)時に最初に滞在する遊技状態である。
準備ステージは、通常準備ステージと特殊準備ステージを有しており、ノーマルATに制御されている場合は、何れかのステージに滞在する。
また、準備ステージは、一部AT状態に制御される。具体的には、1ゲーム目は非AT状態に制御され、2ゲーム目以降はAT状態に制御される。2ゲーム目以降は、当選した押し順ベル役の第1リール停止操作に対応する押し順ナビのみが表示される。
ノーマルATに制御されている場合は、少なくとも2ゲーム継続し、2ゲーム目以降は押し順ベル役が当選するまで継続する。エピソードATに制御されている場合は、15ゲーム継続する。
なお、上記に限らず、1ゲーム目からAT状態に制御してもよく、当選した押し順ベル役の第1~3リール停止操作に対応する押し順ナビのみを表示してもよい。
【0171】
準備ステージ(ノーマルAT)は、所謂「味方キャラ決定ゾーン」として機能し、2ゲーム目以降に押し順ベル役に当選した場合には、対応する押し順(第1リール停止操作)を報知するとともに、遊技者の停止操作に応じて味方キャラクタを決定するようになっている。
なお、擬似ボーナスA5からATステージに突入した場合には、味方キャラクタ(特殊味方キャラクタA)が既に決定されているため、味方キャラクタの決定処理を実行することなく1ゲームで準備ステージが終了する。
また、エピソードATに制御されている場合も、味方キャラクタが固定で決定されているため、味方キャラクタの決定処理を実行せずに、15ゲームの間継続して準備ステージを終了する。
【0172】
次に、
図58を参照して主制御部10が行う準備ステージ制御処理について説明する。
準備ステージ制御処理は、現在の遊技状態が準備ステージの場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S201)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S201:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S201:Yes)、チャンスストック抽選の実行条件を満たしているか否かの判定を行う(S202)。
【0173】
チャンスストック抽選の実行条件は、現時点の遊技が「3セット目のエピソードATであり、且つ、チャンスストックを6つ以上所有している」以外の場合を条件としている。
このような条件を付加するのは、次の理由からである。
準備ステージにおいて「3セット目のエピソードATであり、且つ、チャンスストックを6つ以上所有している」状態で、チャンスストックを獲得した場合には、チャンスストックを7つ以上所有することになり、詳細は後述するが、その後に移行するバトルステージのバトル突破抽選では当選が確定することになる。その結果、エピソードATの上限セット数である3セットを消化(完走)したことで、エンディング(エンディングB)に移行するようになっている。
また、詳細は後述するが、3セット目のエピソードAT中にバトルステージのバトル突破抽選で当選した場合には、有利区間の差枚数(カウンタBの示す値)が所定数以上である場合には、強制的にエンディング(エンディングB)に移行しないように制御するようになっている。
つまり、遊技者は、3セット目のエピソードAT中にチャンスストックを7つ以上獲得したことで、エンディングBに移行することを確信しているのも関わらず、有利区間中の差枚数の数値によっては、エンディングBに移行せずに終了してしまう場合があり、この場合には疑念や誤解が生じるという問題があった。
そこで、本実施形態では、3セット目のエピソードATでは、7つ目のチャンスストックの獲得を規制することで、エンディング(エンディングB)への移行が確定すること回避し、遊技者に疑念や誤解を与えないようにすることができる。
【0174】
チャンスストック抽選の実行条件を満たしていると判定した場合には(S202:Yes)、今回ゲームにおいて、共通1枚役又はAT状態抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S203)。
共通1枚役又はAT状態抽選役が当選していると判定した場合には(S203:Yes)、ストック獲得抽選を実行する(S204)。ストック獲得抽選は、前述した擬似ボーナスA1制御処理のS154と同様の処理が実行される。
【0175】
なお、S204におけるチャンスストックの獲得抽選は、次のようにしてもよい。
例えば、3セット目のエピソードAT中、且つ、チャンスストックの所有数が5個の場合には、
図48に示す「チャンスストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてチャンスストックの獲得抽選を実行する。
一方、3セット目のエピソードAT中、且つ、チャンスストックの所有数が5個以外の場合には、
図30に示す「チャンスストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてチャンスストックの獲得抽選を実行する。
これにより、3セット目のエピソードATにおいて、7個目のチャンスストックの獲得を規制する際に、段階的に規制することができる。すなわち、チャンスストックの所有数が5個目の場合にも、チャンスストックの獲得をし難くすることで、エンディングへの移行が確定してしまうことを段階的に防止するようにしてもよい。
【0176】
次いで、エピソードATに制御されているか否かを判定する(S205)。
エピソードATに制御されていると判定した場合には(S205:Yes)、最終ゲーム(15ゲーム目)か否かを判定し(S206)、最終ゲームである場合には(S206:Yes)、通常ATステージ(エピソードAT)に移行するように制御して(S207)(
図10の矢印a)、処理を終了する。
一方、エピソードATに制御されていない(ノーマルATに制御されている)と判定した場合には(S205:No)、ATステージ突入前の遊技状態が擬似ボーナスA5であるか否かを判定する(S208)。すなわち、味方キャラクタ(特殊味方キャラクタA)が既に決定されている状態か否かを判定する。
【0177】
直前の遊技状態が擬似ボーナスA5である場合には(S208:Yes)、既に味方キャラクタが決定されているため、通常ATステージに移行するように制御する(S212)。
一方、直前の遊技状態が擬似ボーナスA5ではない場合には(S208:No)、今回ゲームにおいて、押し順ベル役が当選しているか否かの判定を行う(S209)。
押し順ベル役が当選していると判定した場合には(S209:Yes)、準備ステージの1ゲーム目である場合には(S210:No)、処理を終了し、2ゲーム目以降である場合には(S210:Yes)、味方キャラクタを決定する(S211)。その後、通常ATステージ(ノーマルAT)に移行するように制御して(S212)(
図10の矢印a)、処理を終了する。
以上のように、準備ステージ制御処理が行われる。
【0178】
S211における味方キャラクタの決定は、
図34に示す「味方キャラクタ抽選テーブル(通常準備ステージ)」又は「味方キャラクタ抽選テーブル(特殊準備ステージ)」を参照することで、遊技者により第1リール停止操作に基づいて味方キャラクタを決定し、その結果を記憶部に記憶する。
例えば、通常準備ステージの場合には、第1リール停止操作で停止ボタン5aが操作された場合には、味方キャラクタAが選択され、停止ボタン5bが操作された場合には、味方キャラクタBが選択され、停止ボタン5cが操作された場合には、味方キャラクタCが選択されるようになっている。
また、特殊準備ステージの場合には、第1リール停止操作で停止ボタン5aが操作された場合には、特殊味方キャラクタAが選択され、停止ボタン5bが操作された場合には、特殊味方キャラクタBが選択され、停止ボタン5cが操作された場合には、特殊味方キャラクタCが選択されるようになっている。
なお、
図34に示す各テーブルでは、操作される停止ボタンごとに一の味方キャラクタが決定されるように設定されているが、これに限らず、所定の確率に基づいて何れかの味方キャラクタが選択されるようにしてもよい。
【0179】
(味方キャラクタ選択の演出例)
準備ステージでは、2ゲーム目以降に押し順ベル役が当選した場合には、副制御部20は、
図70(a)及び(b)に示すような「味方キャラクタ選択画面」を表示器8に表示させる。
味方キャラクタ選択画面では、例えば、味方キャラクタ84と押し順ナビ85が表示される。
味方キャラクタ84は、左右方向の3つの領域に、異なる味方キャラクタ84がそれぞれ表示される。表示される味方キャラクタ84は、当選した押し順ベル役の種類に関わらす、常に同じ領域に同じキャラクタ表示されることを想定しているが、これに限らず、押し順ベル役の種類に応じて味方キャラクタ84が表示される位置を変化させてもよい。
3つの領域に表示される味方キャラクタ84のうち、当選した押し順ベル役の第1リール停止操作に対応する領域の味方キャラクタ84(特定情報)のみが選択可能に表示される。
例えば、押し順ベル役A1又は押し順ベル役A2が当選した場合は、左側の領域の味方キャラクタ84が選択可能に表示され、押し順ベル役B1~C4が当選した場合は、真ん中又は右側の領域の味方キャラクタ84が選択可能に表示される。
図70(a)及び(b)は、押し順ベル役B1が当選した場合を示しており、第1リール停止操作の正解押し順である停止ボタン5bに対応する位置の味方キャラクタ84が選択可能に表示されている。
【0180】
押し順ナビ85は、当選した押し順ベル役の第1リール停止操作に対応する押し順ナビのみを表示し、残りの2つの第2リール停止操作時及び第3リール停止操作時に関しては、押し順ナビを表示しない。すなわち、選択可能な味方キャラクタ84に対応するように押し順ナビ85が表示される。
このように、味方キャラクタ84の選択方法が、押し順ナビ85に含まれて表示される。
そして、押し順ナビ85に従って停止ボタン5の操作を行うと、対応する味方キャラクタ84が選択されたことが報知される。
なお、押し順ナビ85に従わずに停止ボタン5の操作を行った場合には、押し順ナビ85が消滅するとともに、所定の味方キャラクタが選択されるようにしてもよく、あるいは、操作した停止ボタン5に対応する味方キャラクタが選択されるようにしてもよい。
【0181】
(通常ATステージ)
通常ATステージは、準備ステージから突入し、ノーマルATに制御されている場合は50ゲームの期間、継続可能であり、エピソードATに制御されている場合は100ゲームの期間、継続可能な遊技状態である。これらのゲーム数を消化した場合には、バトル準備ステージへ移行する。
また、通常ATステージは、AT状態に制御され、当選した押し順ベル役の第1リール停止操作に対応する押し順ナビのみが表示される。そのため、押し順ベル役Bや押し順ベル役Cに当選した場合には、第2、3リール停止操作に対応する押し順ナビが表示されないため、不正解押し順となって押し順ベルこぼし目又はハズレ目が停止する場合がある。
【0182】
通常ATステージでは、レア役等の当選を契機に、チャンスストックを大量獲得可能な擬似ボーナスBへの移行抽選が実行される。当該抽選では、擬似ボーナスの抽選状態に応じて抽選が実行される。
擬似ボーナスの抽選状態として、低確率状態と高確率状態を有しており、高確率状態の方が低確率状態よりも当選し易くなっている。そのため、遊技者は、通常ATステージでは、高確率状態に長く滞在することを望みながら遊技を行うことになる。
擬似ボーナスの抽選状態は、主制御部10が確率状態制御手段として動作することにより、通常ATステージ突入時には低確率状態に制御され、詳細は後述するが、低確率状態から高確率状態への移行は、通常ATステージ中に高確カウンタが所定数に到達した場合に移行するようになっている。
【0183】
また、通常ATステージ中は、例えば、キャラクタによる演出画像が表示器8に表示される。ここで表示されるキャラクタとしては、ノーマルATに制御されている場合には、直前の準備ステージで決定した味方キャラクタが表示され、エピソードATに制御されている場合には、予め決定されている固定の味方キャラクタが表示される。
【0184】
次に、
図59を参照して主制御部10が行う通常ATステージ制御処理について説明する。
通常ATステージ制御処理は、現在の遊技状態が通常ATステージの場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、遊技開始操作(ベット操作、スタートレバー操作等)がされたか否かの判定を行う(S221)。
遊技開始操作がされたと判定した場合には(S221:Yes)、チャンスストック抽選の実行条件を満たしているか否かの判定を行う(S222)。
チャンスストック抽選の実行条件を満たしていると判定した場合には(S222:Yes)、今回ゲームにおいて、リプレイ役が当選しているか否かの判定を行う(S223)。
【0185】
リプレイ役が当選していると判定した場合には(S223:Yes)、通常ATステージの残りゲーム数が所定数以下か否かを判定する(S224)。例えば、「5ゲーム」以下か否かを判定する。
残りゲーム数が所定数以下であると判定した場合には(S224:Yes)、チャンスストックを所有しているか否かを判定し(S225)、チャンスストックを所有していない場合には(S225:Yes)、ゼロコンボ抽選を実行する(S226)。
【0186】
ゼロコンボ抽選は、チャンスストックの獲得抽選を実行する。
具体的には、
図36に示す「ゼロコンボ抽選テーブル」を参照することで、擬似設定値に基づいて抽選を実行する。
例えば、擬似設定値に「7」が設定されている場合には、最も高い確率で当選するように設定されており、その他の擬似設定値の場合は、偶数値の場合よりも奇数値の場合の方が、当選し易いようになっている。なお、これに限らず、擬似設定値が大きいほど当選し易いようにしてもよい。
ゼロコンボ抽選に当選した場合には、1~3個の何れかのチャンスストックが付与される。なお、獲得可能なチャンスストックの数は、1~3個に限らず、0個又は4個以上としてもよい。
また、ゼロコンボ抽選に当選した場合には(S227:Yes)、副制御部20にゼロコンボ演出を実行させる(S228)。
【0187】
(ゼロコンボ演出)
次に、
図71を参照してゼロコンボ演出の演出例について説明する。
なお、
図71は、説明上、遊技機(スロットマシン)1の構成を簡略化して示しており、図示する各演出画像は、実際に表示される画像を簡略化したものにしている。
ゼロコンボ演出は、ゼロコンボ抽選において決定されたチャンスストックの数を、一括又は分割して表示器8において報知する。
また、ゼロコンボ演出は、擬似遊技によって実行され、3回の擬似遊技が実行される。
擬似遊技では、スタートレバー3の操作を契機に、リール41の回転が開始され、リール41が特定の図柄(例えば、白7図柄)で一時的に停止表示される状態となる(仮停止状態)。
仮停止状態では、リール41を停止させた状態のまま、上下に動作(揺動)させる制御が行われる。このように、リール41を揺動させることで、リール41を見た遊技者に、当該ゲームが通常の遊技とは異なる擬似遊技であることを認識させることができる。
また、擬似遊技は、仮停止状態で各当選役に対応する図柄の組合せが停止表示されたとしても、入賞は発生せず、遊技者に対して遊技価値が付与されない(メダルが払い出されない)ようになっている。
擬似遊技によるリール演出期間が終了すると、リール41が正回転で回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり、通常のゲームが再開される。
【0188】
ゼロコンボ抽選に当選したゲームで、遊技者によりゲーム開始操作がされると、1回目の擬似遊技が開始され、表示器8には、所定の演出画像と、ベットボタン2aを模した画像とベットボタン2aへの操作を促す「BETを押せ!」の文字画像とからなる操作画像が表示される(
図71(a))。
獲得したチャンスストックの数が1個~3個の場合には、この状態で、遊技者からベットボタン2aが操作されると、リール41が逆回転し、その後、特定の図柄(「白7」図柄)が自動で停止表示するとともに、仮停止状態となる。このとき、表示器8には、チャンスストックを獲得した旨が表示される(
図71(d))。
【0189】
そして、所定時間経過後、各リール41の回転が開始するとともに、2回目の擬似遊技が開始されて、表示器8には、所定の演出画像と、スタートレバーを模した画像とスタートレバー3への操作を促す「レバーを叩け!」の文字画像とからなる操作画像が表示される(
図71(b))。
獲得したチャンスストックの数が2個又は3個の場合には、この状態で、遊技者からスタートレバー3が操作されると、リール41が逆回転し、その後、仮停止状態となり、チャンスストックを獲得した旨が表示される(
図71(d))。
一方、チャンスストックの獲得数が1個の場合には、遊技者からスタートレバー3が操作されても、リール41は逆回転せず、特定図柄も停止表示されない。また、チャンスストックを獲得した旨の報知もされない。
【0190】
そして、所定時間経過後、各リール41の回転が開始するとともに、3回目の擬似遊技が開始されて、表示器8には、所定の演出画像と、停止ボタンを模した画像と、停止ボタン5への操作を促す「停止ボタンを押せ!」の文字画像とからなる操作画像が表示される(
図71(c))。
獲得したチャンスストックの数が3個の場合には、この状態で、遊技者から停止ボタン5が操作されると、リール41が逆回転し、その後、仮停止状態となり、チャンスストックを獲得した旨が表示される(
図71(d))。
一方、チャンスストックの獲得数が1個又は2個の場合には、遊技者から停止ボタン5が操作されても、リール41は逆回転せず、特定図柄も停止表示されない。また、チャンスストックを獲得した旨の報知もされない。
【0191】
このように、遊技者の操作を要する操作演出が実行されるとともに、対応する操作手段の操作がされた回数だけ(擬似遊技の回数だけ)、チャンスストックを獲得した旨を報知するようになっている。これにより、遊技の興趣性や遊技者の期待感を高めることができる。
【0192】
なお、
図71(d)の例では、チャンスストックを1個獲得した旨が表示されているが、これに限らず、獲得したチャンスストックの数を、一括して表示器8において報知してもよい。例えば、獲得したチャンスストックの数が2個の場合には、1回目の擬似遊技(ベットボタン操作)では獲得した旨の報知はせず、2回目の擬似遊技(スタートレバー操作)で纏めて報知してもよい。また、獲得したチャンスストックの数が3個の場合には、3回目の擬似遊技(停止ボタン操作)で纏めて報知してもよい。
また、獲得したチャンスストックの数を上限回数として、この上限回数分、スタートレバー3の操作がされることで、チャンスストックを獲得した旨の報知を行ってもよい。
例えば、ゼロコンボ抽選に当選したゲームで、表示器8には、所定の演出画像と、スタートレバーを模した画像とスタートレバー3への操作を促す「レバーを叩け!」の文字画像とからなる操作画像が表示される(
図71(b))。この状態で、遊技者からスタートレバー3が操作されると、特定の図柄が自動で停止表示して、仮停止状態となり、チャンスストックを獲得した旨が表示される(
図71(d))。そして、チャンスストックの数が2個以上の場合には、さらに、スタートレバー3への操作を促す「レバーを叩け!」の文字画像とからなる操作画像が表示されて、これが上限回数まで繰り返される。
以上のように、ゼロコンボ演出が実行される。
【0193】
S221において遊技開始操作がされていないと判定した場合(S221:No)、S222においてチャンスストック抽選の実行条件を満たしていないと判定した場合(S222:No)、又は、S223においてリプレイ役が当選していないと判定した場合には(S223:No)、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S229)。
第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S229:Yes)、チャンスストック抽選の実行条件を満たしているか否かの判定を行う(S230)。
チャンスストック抽選の実行条件を満たしていると判定した場合には(S230:Yes)、今回ゲームにおいて、チャンスストック抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S231)。
チャンスストック抽選役は、例えば、共通1枚役、弱チェリー役、強チェリー役、スイカ役、チャンス目役である。なお、これらに限らず、例えば、非レア役とすることもできる。
【0194】
チャンスストック抽選役が当選していると判定した場合には(S231:Yes)、チャンスストック抽選を実行する(S232)。
チャンスストック抽選は、
図37に示す「チャンスストック抽選テーブル(通常ATステージ・低確)」又は「チャンスストック抽選テーブル(通常ATステージ・高確)」を参照することで、今回ゲームの当選役と抽選状態に基づいて抽選を実行する。
具体的には、低確率状態<高確率状態の関係性に基づいて当選期待度が高くなるように設定されており、例えば、共通1枚役に当選した場合には、低確率状態の場合は、1/256の確率で当選し、高確率状態の場合は、16/256の確率で当選するように設定されている。
また、説明は省略するが、その他の当選役に当選した場合にも、図示の確率でチャンスストック抽選が行われる。
チャンスストック抽選に当選した場合には(S233:Yes)、擬似ボーナスBに移行するように制御する(S234)(
図10の矢印d)。
【0195】
なお、S232におけるチャンスストックの獲得抽選は、次のようにしてもよい。
例えば、3セット目のエピソードAT中、且つ、チャンスストックの所有数が5個の場合には、
図48に示す「チャンスストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてチャンスストックの獲得抽選を実行し、一方、3セット目のエピソードAT中、且つ、チャンスストックの所有数が5個以外の場合には、
図37に示す「チャンスストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役と抽選状態に基づいて抽選を実行してもよい。
【0196】
次いで、今回ゲームにおいて、1枚の払い出しが発生したか否かの判定を行う(S235)。
「1枚の払い出しが発生した」とは、今回ゲームにおいて、押し順ベル役の当選を契機に、押し順ベルこぼし目が停止表示したことで1枚の払い出しが発生した場合、又は、共通1枚役が当選して1枚の払い出しが発生した場合である。
なお、これに限らず、押し順ベルこぼし目の停止表示と共通1枚役の当選の何れか一方としてもよい。
【0197】
1枚の払い出しが発生したと判定した場合には(S235:Yes)、高確カウンタを1加算する(S236)。すなわち、押し順ベル役の当選を契機に、ハズレ目が停止表示した場合には、高確カウンタは加算されない。
なお、これに限らず、ハズレ目が停止表示した場合には、高確カウンタを1又は2以上加算してもよい。
高確カウンタは、擬似ボーナスBの抽選状態を管理するためのカウンタであり、高確カウンタの示す値が、所定数(例えば、「3」)に到達した場合には(S237:Yes)、擬似ボーナスBの抽選状態を低確率状態から高確率状態に制御する。
【0198】
また、高確カウンタの示す値が、所定数(例えば、「3」)以上の場合には、高確ゲーム数抽選を実行する(S238)。
高確ゲーム数抽選は、
図38に示す「高確ゲーム数抽選テーブル」を参照することで、擬似設定値に基づいて高確ゲーム数を抽選により決定する。例えば、5ゲーム、10ゲーム、20ゲーム又は30ゲームのうち何れかが決定されて累積して加算される。
通常ATステージ中は、通常ATステージの残りゲーム数とともに、高確ゲーム数も、毎ゲーム1減算され、高確ゲーム数が「1以上」存在する場合は、高確率状態に制御され、「0」に到達した場合は、低確率状態に制御される。
また、通常ATステージ中は、高確カウンタの値を、表示器8等において遊技者に視認可能に示してもよい。
なお、4回以上連続で1枚の払い出しが発生したことで、高確カウンタの示す値が、「4」以上となった場合でも、高確ゲーム数を付与することを想定しているが、これに限らず、4回目降は高確ゲーム数を付与しないようにしてもよい。
【0199】
一方、S235において1枚の払い出しが発生していないと判定した場合には(S235:No)、高確カウンタの値を「0」に初期化する(S239)。すなわち、連続するゲームで1枚の払い出しが発生しない場合は、高確カウンタを初期化する。
なお、この場合、押し順ベル役の当選を契機に、ハズレ目が停止表示した場合には、高確カウンタを初期化しないようにしてもよい。
したがって、高確カウンタの示す値が、所定数(例えば、「3」)に到達するには、1枚の払い出しが3ゲーム連続で発生する場合となる。
なお、これに限らず、例えば、1枚の払い出しが複数ゲームのうち所定回数発生した場合(例えば、5ゲーム中3ゲームで発生した場合)に、高確率状態に制御してもよい。
【0200】
次いで、チャンスストックを所有しているか否かを判定する(S240)。
チャンスストックを所有している場合には(S240:Yes)、擬似ボーナスBに移行するように制御する(S241)(
図10の矢印d)。
一方、チャンスストックを所有していない場合には(S240:No)、通常ATステージの最終ゲームか否かを判定し(S242)、最終ゲームであると判定した場合には(S242:Yes)、バトル準備ステージに移行するように制御する(S243)(
図10の矢印c)。
以上のように、通常ATステージ制御処理が行われる。
【0201】
なお、通常ATステージ制御処理では、次のような変形例としてもよい。
通常ATステージでは、通常ATステージの残りゲーム数を消化した場合は、高確ゲーム数が残存していても、通常ATステージが終了することを想定しているが、これに限らず、残りゲーム数を消化した際に、高確ゲーム数が残存する場合には、高確ゲーム数を消化するまで継続してもよい。
なお、高確ゲームを消化するまで、通常ATステージを終了させない場合には、通常ATステージに長期滞在してしまうことを防止するために、通常ATステージの残りゲーム数が「0」の状態で、且つ、高確ゲーム数が「1以上」である場合には、高確ゲーム数を上乗せしないことが好ましい。
また、通常ATステージでは、1枚の払い出しが発生した場合に、高確カウンタを加算する場合で説明したが、これに限らず、第1リール停止操作に対応する押し順を誤った場合には、カウンタを加算しないようにしてもよい。これにより、故意に押し順を誤って高確カウンタを加算しようとすることを防ぐことができる。
【0202】
以上のように、通常ATステージでは、押し順ベル役(特定遊技結果)に当選した場合、押し順ベルこぼし目(第2停止表示態様)で図柄の組合せが停止表示される遊技が所定回数(例えば、3回)連続で発生した場合には、特典(高確率状態)を付与することができる。
これによって、第1リール停止操作に対応する押し順ナビのみが表示される通常ATステージでは、押し順ベルこぼし目が連続して停止表示される可能性があり、このような場合に遊技者が著しく不利益を被ってしまうことを防止できる。
また、押し順ベル役に対応する図柄の組合せを停止表示できないことによる遊技者のストレスを軽減することができる。
【0203】
(擬似ボーナスB)
擬似ボーナスBは、AT状態に制御され、当選した押し順ベル役の第1~3リール停止操作に対応する全ての押し順ナビが表示される。そのため、メダルの増加が期待できる遊技状態である。
擬似ボーナスBは、擬似ボーナスB1と擬似ボーナスB2から構成され、所定期間(例えば、10ゲーム)を1セットとして遊技が進行するセット継続型のAT状態である。
擬似ボーナスBは、ATステージの1セット内の遊技において、擬似ボーナスB1と擬似ボーナスB2を合わせて最大8セット実行可能である。
擬似ボーナスB1は、最終セット(8セット目)の実行が確定していない状態において実行される遊技状態である。擬似ボーナスB1の1セットの遊技が終了した際に、チャレンジストックを所有していない場合には、通常ATステージに移行(復帰)する。
擬似ボーナスB2は、最終セット(8セット目)の実行が確定した時点で突入し、最終セット(8セット目)まで継続して実行される遊技状態である。擬似ボーナスB2の最終セット(8セット目)の遊技が終了した場合には、バトル準備ステージへ移行する。
例えば、ATステージの1セット内の遊技において、擬似ボーナスB1の実行回数と所有しているチャレンジストックの数の合計数が「8」に到達した場合に、擬似ボーナスB1から擬似ボーナスB2に移行する。
【0204】
擬似ボーナスB2へ移行した場合には、その後移行するバトルステージのバトル突破抽選において当選(バトル勝利)が確定することになる。
そのため、遊技者は、1セット内のATステージにおいて、擬似ボーナスB1の実行回数に注目し、擬似ボーナスB2に移行することを期待して、遊技を進行することになる。
また、擬似ボーナスB2へ移行する場合には、擬似ボーナスBを完走することを祝福するような画像等の表示による演出が行われる。
この演出の実行タイミングは、最終セット(8セット目)の実行が確定した時点でもよく、擬似ボーナスB1の最終ゲームでもよい。また、所定の確率(例えば、50%)に基づいて、当該演出を実行するか否かを抽選により決定してもよい。
【0205】
次に、
図60を参照して主制御部10が行う擬似ボーナスB制御処理について説明する。
擬似ボーナスB制御処理は、現在の遊技状態が擬似ボーナスB1又は擬似ボーナスB2の場合に実行が開始される。なお、擬似ボーナスBの開始ゲームは、擬似遊技によって実行してもよい。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S251)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S251:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S251:Yes)、擬似ボーナスB2中か否かを判定する(S252)。
【0206】
擬似ボーナスB2中であると判定した場合には(S252:Yes)、今回ゲームにおいて、セットストック抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S253)。
セットストック抽選役は、例えば、共通1枚役、弱チェリー役、強チェリー役、スイカ役、チャンス目役、特殊役A,特殊役Bである。なお、これらに限らず、例えば、非レア役とすることもできる。
セットストック抽選役が当選していると判定した場合には(S253:Yes)、セットストック抽選を実行する(S254)。
セットストック抽選は、
図39に示す「セットストック抽選テーブル(擬似ボーナスB2)」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてセットストックの獲得抽選を実行する。具体的には、共通1枚役<弱チェリー役、スイカ役<チャンス目役<強チェリー役の関係性に基づいて当選し易くなっている。
【0207】
次いで、擬似ボーナスB2の最終ゲーム(10ゲーム目)か否かを判定し(S255)、最終ゲームである場合には(S255:Yes)、バトル準備ステージに移行するように制御して(S256)(
図10の矢印g)、処理を終了する。
【0208】
一方、S252において擬似ボーナスB2中ではない(擬似ボーナスB1中である)と判定した場合には(S252:No)、チャンスストック抽選の実行条件を満たしているか否かの判定を行う(S257)。
チャンスストック抽選の実行条件を満たしていると判定した場合には(S257:Yes)、今回ゲームにおいて、チャンスストック抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S258)。
【0209】
チャンスストック抽選役が当選していると判定した場合には(S258:Yes)、チャンスストック抽選(擬似ボーナスB1)を実行する(S259)。
チャンスストック抽選(擬似ボーナスB1)は、
図40に示す「チャンスストック抽選テーブル(擬似ボーナスB1)」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてチャンスストックの獲得抽選を実行する。具体的には、共通1枚役<弱チェリー役、スイカ役<チャンス目役<強チェリー役の関係性に基づいて当選し易くなっている。
チャンスストック抽選に当選した場合には(S260:Yes)、最終セット(8セット目)の実行が確定したか否かを判定する(S261)。
すなわち、ATステージの1セット内の遊技において、擬似ボーナスB1の実行回数(セット数)と現在のチャンスストックの所有数を合計した数が、「8」に到達したか否かを判定する。
最終セット(8セット目)の実行が確定している場合には、擬似ボーナスB2に移行するように制御する(S262)(
図10の矢印e)。
【0210】
なお、S259におけるチャンスストックの獲得抽選は、次のようにしてもよい。
例えば、3セット目のエピソードAT中、且つ、チャンスストックの所有数が5個の場合には、
図48に示す「チャンスストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてチャンスストックの獲得抽選を実行し、一方、3セット目のエピソードAT中、且つ、チャンスストックの所有数が5個以外の場合には、
図40に示す「チャンスストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいて抽選を実行してもよい。
【0211】
一方、S257においてチャンスストック抽選の実行条件を満たしていない場合(S257:No)、S258においてチャンスストック抽選役が当選していない場合(S258:No)、S260においてチャンスストック抽選に当選していない場合(S260:No)、又はS261において8セット継続が確定していない場合には(S261:No)、擬似ボーナスB1の最終ゲーム(10ゲーム目)か否かを判定する(S263)。
擬似ボーナスB1の最終ゲームであると判定した場合には(S263:Yes)、チャンスストックを所有しているか否かを判定する(S264)。
チャンスストックを所有していない場合には(S264:Yes)、通常ATステージに移行(復帰)するように制御し(S265)(
図10の矢印f)、チャンスストックを所有している場合には(S264:No)、擬似ボーナスB1を継続する(S266)。
以上のように、擬似ボーナスB制御処理が行われる。
【0212】
なお、擬似ボーナスB制御処理では、次に示すような変形例としてもよい。
上記の説明では、擬似ボーナスB2は、最終セット(8セット目)の実行が確定した時点で突入し、その後最終セット(8セット目)まで継続して実行される場合で説明したが、これに限らず、7セット目までは必ず擬似ボーナスB1を実行し、最終セット(8セット目)のみ擬似ボーナスB2を実行してもよい。
また、最終セット(8セット目)まで擬似ボーナスB1を実行し、次セットとして新たに擬似ボーナスB2を実行してもよい。この場合、擬似ボーナスB2のゲーム数を、擬似ボーナスB1とは異なるゲーム数としてもよい。
また、擬似ボーナスB2は、ATステージの1セット内の遊技において、最終セット(8セット目)の擬似ボーナスBの実行が確定したことを契機に移行する場合で説明したが、これに限らず、擬似ボーナスB1が連続して8セット継続した場合(8連荘した場合)に、擬似ボーナスB2に移行するようにしてもよい。
【0213】
(バトル準備ステージ)
バトル準備ステージは、通常ATステージ又は擬似ボーナスBから突入する遊技状態である。
また、バトル準備ステージは、一部AT状態に制御される。具体的には、1ゲーム目は非AT状態に制御され、2ゲーム目以降はAT状態に制御される。また、2ゲーム目以降は、当選した押し順ベル役の第1リール停止操作に対応する押し順ナビのみが表示される。
ノーマルATに制御されている場合は、少なくとも2ゲーム継続し、2ゲーム目以降は押し順ベル役が当選するまで継続する。
なお、上記に限らず、1ゲーム目からAT状態に制御してもよく、当選した押し順ベル役の第1~3リール停止操作に対応する押し順ナビのみを表示してもよい。
【0214】
バトル準備ステージ(ノーマルAT)は、所謂「敵キャラ決定ゾーン」として機能し、2ゲーム目以降に押し順ベル役に当選した場合には、対応する押し順(第1リール停止操作)を報知するとともに、遊技者の停止操作に応じて敵キャラクタを決定するようになっている。
なお、エピソードATに制御されている場合には、敵キャラクタが固定で決定されているため、敵キャラクタの決定処理を実行せずに、固定のゲーム数(例えば、1ゲーム)の間継続してバトル準備ステージを終了する。
【0215】
次に、
図61を参照して主制御部10が行うバトル準備ステージ制御処理について説明する。
バトル準備ステージ制御処理は、現在の遊技状態がバトル準備ステージの場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S271)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S271:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S271:Yes)、今回ゲームにおいて、セットストック抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S272)。
セットストック抽選役が当選していると判定した場合には(S272:Yes)、セットストック抽選を実行する(S273)。セットストック抽選は、前述した擬似ボーナスA1制御処理のS154と同様の処理が実行される。
【0216】
次いで、エピソードATに制御されているか否かを判定する(S274)。
エピソードATに制御されていると判定した場合には(S274:Yes)、当該ゲーム(1ゲーム目)で終了し、バトルステージに移行するように制御して(S278)(
図10の矢印h)、処理を終了する。
一方、エピソードATに制御されていない(ノーマルATに制御されている)と判定した場合には(S274:No)、今回ゲームにおいて、押し順ベル役が当選しているか否かの判定を行う(S275)。
押し順ベル役が当選していると判定した場合には(S275:Yes)、バトル準備ステージの1ゲーム目である場合には(S210:No)、処理を終了し、2ゲーム目以降である場合には(S276:Yes)、敵キャラクタを決定する(S277)。その後、バトルステージに移行するように制御する(S278)(
図10の矢印h)。
【0217】
敵キャラクタの決定抽選は、
図35に示す「敵キャラクタ抽選テーブル」を参照することで、第1リール停止操作に基づいて敵キャラクタを決定し、その結果を記憶部に記憶する。
例えば、第1リール停止操作で停止ボタン5aが操作された場合には、敵キャラクタAが選択され、停止ボタン5bが操作された場合には、敵キャラクタBが選択され、停止ボタン5cが操作された場合には、敵キャラクタCが選択されるようになっている。
以上のように、バトル準備ステージ制御処理が行われる。
【0218】
(敵キャラクタ選択の演出例)
バトル準備ステージでは、2ゲーム目以降に押し順ベル役が当選した場合には、副制御部20は、
図70(c)に示すような「敵キャラクタ選択画面」を表示器8に表示させる。
敵キャラクタ選択画面では、例えば、敵キャラクタ86と押し順ナビ85が表示される。
敵キャラクタ選択画面は、前述した味方キャラクタ選択画面とほぼ同様の演出態様で表示がされる。すなわち、敵キャラクタ86が左右方向の3つの領域にそれぞれ表示され、当選した押し順ベル役の第1リール停止操作に対応する領域の敵キャラクタ86(特別情報)のみが選択可能に表示される。
例えば、
図70(c)は、押し順ベル役B1が当選した場合を示しており、第1リール停止操作の正解押し順である停止ボタン5bに対応する位置の敵キャラクタ86が選択可能に表示されている。
このように、敵キャラクタ86の選択方法が、押し順ナビ85に含まれて表示される。
そして、押し順ナビ85に従って停止ボタン5の操作を行うと、対応する敵キャラクタ86が選択されたことが報知される。
【0219】
(バトルステージ)
バトルステージは、バトル準備ステージから突入し、10ゲームの期間、継続可能な遊技状態である。
また、バトルステージは、AT状態に制御され、当選した押し順ベル役の第1リール停止操作に対応する押し順ナビのみが表示される。
バトルステージでは、ATステージの継続(連荘)に対する遊技者の期待感を高めるための演出が実行される。例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り返すバトル演出が表示器8において実行される。
バトル演出中は、ノーマルATに制御されている場合には、準備ステージで遊技者によって選択された味方キャラクタとバトル準備ステージで遊技者によって選択された敵キャラクタが表示され、エピソードATに制御されている場合には、予め決定されている固定の味方キャラクタと敵キャラクタが表示されて演出が進行する。
【0220】
バトルの勝敗は、バトルステージ突入時に実行されるバトル突破抽選の結果に基づいており、バトル突破抽選に当選している場合には、バトルステージの最終ゲームにおいて、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出が実行され、バトル突破抽選に非当選の場合には、主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北する演出が実行される。
また、バトル演出中は、バトル突破抽選の結果に基づいて演出が進行し、例えばバトル突破抽選に当選している場合には、味方キャラクタが優勢な演出がされることが好ましい。
なお、本実施形態では、バトル突破抽選をバトルステージ突入時の1ゲーム目に実行することを想定しているが、これに限らず、1ゲーム目以外に抽選を行ってもよく、複数回、抽選を行ってもよい。
【0221】
味方キャラクタが敗北した場合(バトル突破抽選が非当選の場合)には、1セットのATステージの遊技を終了し、終了待機ステージへ移行する(
図72参照)。
一方、味方キャラクタが勝利した場合(バトル突破抽選に当選した場合)には、味方キャラクタと敵キャラクタの組合せの違いによって当選(勝利)特典が異なるようになっており、勝利特典の内容に応じて各遊技状態へ移行する(
図72参照)。
【0222】
次に、
図62を参照して主制御部10が行うバトルステージ制御処理について説明する。
バトルステージ制御処理は、現在の遊技状態がバトルステージの場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、1ゲーム目の遊技開始操作(ベット操作、スタートレバー操作等)がされたか否かの判定を行う(S281)。
遊技開始操作がされたと判定した場合には(S281:Yes)、バトル突破抽選を実行する(S282)。
バトル突破抽選は、
図41に示す「バトル突破抽選テーブル」を参照することで、当該セット内の擬似ボーナスBの実行回数と擬似設定値に基づいて抽選を実行する。
具体的には、全体的な傾向として、大きい数の擬似設定値が選択される方が、当選し易いように設定されており、偶数値の場合よりも奇数値の場合の方が、当選し易いようになっている。
また、擬似ボーナスBの実行回数が多い方が当選し易いようになっている。さらに、擬似ボーナスBの実行回数が、7回以上の場合には、バトル突破抽選の当選が確定するように設定されている。
このように、バトルの勝敗は、擬似ボーナスBの実行回数と擬似設定値に基づいて決定されるようになっているが、これに限らず、味方キャラクタと敵キャラクタの組合せによって当選の期待度が異なるようにしてもよい。例えば、味方キャラクタAと敵キャラクタAの組合せよりも味方キャラクタAと敵キャラクタCの組合せの方が当選し易い等とすることができる。
【0223】
次いで、バトル突破抽選の当選特典を決定する(S283)。
具体的には、
図42に示す「特典抽選テーブル(ノーマルAT)」又は
図43に示す「特典抽選テーブル(エピソードAT)」を参照することで、味方キャラクタと敵キャラクタの組合せに応じて特典を決定する。
例えば、ノーマルATに制御されている場合で、かつ、擬似ボーナスBの実行回数が0~7回の場合には、味方キャラクタAと敵キャラクタAの組合せでは、204/256の確率で「継続(準備ステージ)」が選択され、12/256の確率で「特化ステージA」が選択され、40/256の確率で「特化ステージB」が選択され、「特殊ATステージ」は選択されないように設定されている。
また、味方キャラクタBと敵キャラクタBの組合せでは、204/256の確率で「継続(準備ステージ)」が選択され、52/256の確率で「特化ステージA」が選択され、「特化ステージB」と「特殊ATステージ」は選択されないように設定されている。
また、味方キャラクタCと敵キャラクタCの組合せでは、178/256の確率で「継続(準備ステージ)」が選択され、12/256の確率で「特化ステージB」が選択され、66/256の確率で「特殊ATステージ」が選択され、「特化ステージB」は選択されないように設定されている。
また、特殊味方キャラクタAと敵キャラクタAの組合せでは、204/256の確率で「継続(準備ステージ)」が選択され、12/256の確率で「特化ステージA」が選択され、40/256の確率で「特化ステージB」が選択され、「特殊ATステージ」は選択されないように設定されている。
また、これら以外の組合せの場合では、204/256の確率で「継続(準備ステージ)」が選択され、40/256の確率で「特化ステージA」が選択され、12/256の確率で「特化ステージB」が選択され、「特殊ATステージ」は選択されないように設定されている。
【0224】
また、ノーマルATに制御されている場合で、かつ、擬似ボーナスBの実行回数が8回の場合には、「特化ステージA」、「特化ステージB」、「特殊ATステージ」のうち何れかが選択されるようになっている。
また、説明は省略するが、味方キャラクタと敵キャラクタの各組合せに応じて図示の確率で特典が決定されるように設定されている。
【0225】
このように、バトルステージ突入前に遊技者によって決定されたキャラクタの組合せによって当選(勝利)時の特典が異なるようになっている。
具体的には、次のような場合である(
図72参照)。
例えば、準備ステージの2ゲーム目以降(特定遊技)に押し順ベル役Aが当選して、遊技者の停止操作により味方キャラクタAが決定された場合であって、バトル準備ステージの2ゲーム目以降(特別遊技)に押し順ベル役Aが当選して、遊技者の停止操作により敵キャラクタAが選択された場合の方が、準備ステージの2ゲーム目以降(特定遊技)に押し順ベル役Aが当選して、遊技者の停止操作により味方キャラクタAが決定された場合であって、バトル準備ステージの2ゲーム目以降(特別遊技)に押し順ベル役Bが当選して、遊技者の停止操作により敵キャラクタBが選択された場合よりも、特化ステージBへの移行(第1特典)を決定する確率が高くなる。
【0226】
なお、特化ステージBが選択される確率は上記以外でもよく、例えば、味方キャラクタAと敵キャラクタAの組合せにおいては、特化ステージBが選択される確率を100%としてもよいし、味方キャラクタAと敵キャラクタBの組合せにおいては、特化ステージBが選択される確率を0%としてもよい。
すなわち、味方キャラクタAと敵キャラクタAの組合せの方が、味方キャラクタAと敵キャラクタBの組合せよりも特化ステージBへの移行(第1特典)を決定する確率が高くなれば何れでもよい。
【0227】
また、準備ステージの2ゲーム目以降(特定遊技)に、押し順ベル役Aが当選して、遊技者の停止操作により味方キャラクタAが決定された場合であって、バトル準備ステージの2ゲーム目以降(特別遊技)に、押し順ベル役Bが当選して、遊技者の停止操作により敵キャラクタBが選択された場合の方が、準備ステージの2ゲーム目以降(特定遊技)に、押し順ベル役Aが当選して、遊技者の停止操作により味方キャラクタAが決定された場合であって、バトル準備ステージの2ゲーム目以降(特別遊技)に、押し順ベル役Aが当選して、遊技者の停止操作により敵キャラクタAが選択された場合よりも、特化ステージAへの移行(第2特典)を決定する確率が高くなる。
【0228】
なお、特化ステージAが選択される確率は上記以外でもよく、例えば、味方キャラクタAと敵キャラクタBの組合せにおいては、特化ステージAが選択される確率を100%としてもよいし、味方キャラクタAと敵キャラクタAの組合せにおいては、特化ステージAが選択される確率を0%としてもよい。
すなわち、味方キャラクタAと敵キャラクタBの組合せの方が、味方キャラクタAと敵キャラクタAの組合せよりも特化ステージAへの移行(第2特典)を決定する確率が高くなれば何れでもよい。
【0229】
このように、準備ステージとバトル準備ステージにおいて、キャラクタの選択の際に当選する押し順ベル役が同じ場合(同じキャラクタが選択された場合)の方が、有利な特典が付与され易くなる。
なお、これに限らず、異なる押し順ベル役が当選した場合(異なるキャラクタが選択された場合)の方が、有利な特典が付与され易くしてもよい。
【0230】
また、キャラクタの組合せのうち、味方キャラクタBと敵キャラクタBの組合せにおいて、バトル突破抽選で当選した場合には、次セットのATステージの遊技は、エピソードATに制御されるようになっている。
また、キャラクタの組合せのうち、味方キャラクタCと敵キャラクタCの組合せにおいて、バトル突破抽選で当選した場合にのみ、特殊ATステージに移行可能になっている。
【0231】
以上のように、押し順の組合せに応じてキャラクタの組合せを異なせることができ、キャラクタの組合せに応じて特典の種類を異ならせることができる。
そのため、特典の内容にバリエーションを持たせることができるとともに、選択されるキャラクタの違いから付与される特典に関して興味を持たせることができ、興趣を向上させることが可能になる。
また、バトルステージ突入までの複数回の遊技(準備ステージ→通常ATステージ→バトル準備ステージ)に亘って決定したキャラクタの組合せに応じて特典を付与することができるため、特典付与に関する期待感を長期間持続させることが可能になる。
【0232】
また、
図43に示すように、エピソードATに制御されている場合で、かつ、擬似ボーナスBの実行回数が0~7回の場合には、全てのキャラクタの組合せにおいて、204/256の確率で「継続(準備ステージ)」が選択され、40/256の確率で「特化ステージA」が選択され、12/256の確率で「特化ステージB」が選択されるように設定されている。
また、エピソードATに制御されている場合で、かつ、擬似ボーナスBの実行回数が8回の場合には、全てのキャラクタの組合せにおいて、64/256の確率で「特化ステージA」が選択され、192/256の確率で「特化ステージB」が選択されるように設定されている。
なお、これに限らず、味方キャラクタと敵キャラクタの組合せごとに当選確率を異ならせてもよい。
【0233】
S281において、遊技開始操作がされていないと判定した場合には(S281:No)、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S284)。
第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S284:Yes)、今回ゲームにおいて、セットストック抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S285)。
セットストック抽選役が当選していると判定した場合には(S285:Yes)、セットストック抽選を実行する(S286)。セットストック抽選は、前述した擬似ボーナスA1制御処理のS154と同様の処理が実行される。
このように、バトルステージでは、レア役等の当選を契機に、セットストックの獲得抽選を実行する。すなわち、バトル突破抽選とは別に、ATステージの継続抽選を実行する。
これにより、バトル突破抽選の結果によらず、ATステージへ移行することができるため、遊技の興趣を高めることができる。すなわち、バトル突破抽選に非当選で終了待機ステージに移行した場合でも、終了待機ステージからATステージへ移行することができる。
【0234】
次いで、今回ゲームがバトルステージの最終ゲーム(10ゲーム目)か否かを判定し(S287)、最終ゲームである場合には(S287:Yes)、主制御部10が継続判定手段として動作することにより、バトル突破抽選に当選しているか否かを判定する(S288)。
バトル突破抽選に当選していない場合には(S288:No)、終了待機ステージに移行するように制御する(S293)(
図10の矢印j)。
一方、バトル突破抽選に当選している場合には(S288:Yes)、現在、エピソードATの3セット目であるか否かを判定する(S289)。
エピソードATの3セット目ではない場合には(S289:No)、決定されている当選特典に応じて各遊技状態に移行する(S291)。
具体的には、「継続(準備ステージ)」が決定されている場合には、準備ステージに移行するように制御し(
図10の矢印i)、「特化ステージA」が決定されている場合には、特化ステージAに移行するように制御し(
図10の矢印k)、「特化ステージB」が決定されている場合には、特化ステージBに移行するように制御し(
図10の矢印k)、「特殊ATステージ」が決定されている場合には、特殊ATステージに移行するように制御する(
図10の矢印l)。
【0235】
エピソードATの3セット目である場合には(S289:Yes)、エピソードATの上限セット数(3セット)を消化したこと(エンディング移行条件1の成立)で、エンディングBに移行するように制御されるが、この場合には、主制御部10が判定手段として動作することで、エンディングの移行規制条件が成立しているか否かの判定を行う。
具体的には、有利区間差枚数が所定数(2109枚)以下であり、かつ、有利区間ゲーム数が所定数(1470ゲーム)以下であるか否かを判定する(S290)。
すなわち、290枚獲得しても有利区間が終了しない状況であり、かつ、29ゲーム消化しても有利区間が終了しない状況であるか否かを判定する。
言い換えると、有利区間差枚数が2110枚以上であること、又は、有利区間消化ゲーム数が1471ゲーム以上であることの移行規制条件を満たしているかを判定する。
【0236】
移行規制条件を満たしている場合には(S290:No)、セットストックを消去(初期化)し(S292)、終了待機ステージに移行するように制御する(S293)(
図10の矢印j)。
一方、移行規制条件を満たしていない場合には(S290:Yes)、エンディングBに移行するように制御する(S291)(
図10の矢印m)。
【0237】
このように、バトルステージにおいて、エピソードATの3セット目に係るバトル突破抽選に当選したことでエンディング移行条件1が成立した場合であっても、移行規制条件が成立する場合には、バトル突破抽選の結果を無効とし、エンディングBへの移行を規制する。
このような制御を行うのは、有利区間の終了間際でエンディングに移行し、エンディング中に有利区間リミッタに到達した場合には、エンディングが途中で強制的に終了することとなり、遊技者に不満感を与える虞があるからである。
【0238】
そこで、このような事態を防止するため、移行規制条件を設けて、エンディングへの移行を制御している。
具体的には、次のような場合である。
バトルステージにおいてエンディング移行条件1が成立したときに、有利区間消化ゲーム数が1471ゲーム以上の場合には、エンディングBの滞在ゲーム数(30ゲーム)を消化する前に有利区間リミッタ(1500ゲーム)に到達してしまうため、エンディングへの移行を規制する。
また、有利区間差枚数が2110枚以上の場合にも、エンディングBの滞在ゲーム数(30ゲーム)を消化する前に有利区間リミッタ(2400枚)に到達するため、エンディングへの移行を規制する。
【0239】
例えば、次のような方法によって移行規制条件を満たすか否かを判定することができる。
有利区間リミッタまでの残りの有利区間差枚数が、エンディングBの滞在ゲーム数(30ゲーム)よりも1回少ない特定回数(29ゲーム)に、1回の遊技で遊技者が使用した遊技価値の数(3枚)と遊技者に付与された遊技価値の数(13枚)との差数の最大数(10枚)を乗じた特別数(29×10=290枚)よりも大きい場合には、移行規制条件を満たすと判定する。
つまり、エンディングB中に、押し順ベル役B又は押し順ベル役Cに当選し、最大の差枚数(10枚)を獲得し続けた場合には、30ゲームを消化する前に、有利区間リミッタ(2400枚)に到達してしまうことになるため、エンディングへの移行を規制する。
以上のように、バトルステージ制御処理が行われる。
【0240】
なお、バトルステージ制御処理では、次に示すような変形例としてもよい。
エンディング移行条件1が成立した場合に、移行規制条件が成立する場合でも、エンディングBへ移行するように制御してもよい。この場合、その後に移行したエンディングBで有利区間リミッタの到達によりエンディングBが途中で終了してしまうが、例えば、残り分のエンディングの演出を実行することで有利区間が終了していない(エンディングが終了していない)かのように見せてもよい。これにより、エンディングの演出の全てを、遊技者に見せることができる。
また、有利区間のリミッタに到達した際に、一旦、有利区間が終了したかのように見せて、その後、エンディングへの移行を報知してもよい。
また、バトル突破抽選は、当該セット内の擬似ボーナスBの実行回数に基づいて抽選を実行する場合で説明したが、これに限らず、擬似ボーナスBの実行回数と現在所有しているチャンスストックの数の合計数に基づいて抽選を実行してもよい。
【0241】
(終了待機ステージ)
終了待機ステージは、バトルステージから突入し、2ゲームの間滞在する遊技状態である。
また、終了待機ステージは、AT状態に制御され、当選した押し順ベル役の第1リール停止操作に対応する押し順ナビのみが表示される。
終了待機ステージの1ゲーム目は、ATステージの遊技が終了する旨を報知し、2ゲーム目は、次に移行する遊技状態に応じて所定の報知を行う。
例えば、移行先が非有利状態又は通常ステージの場合には、リザルト画面が表示器8において表示される。リザルト画面には、ATステージ中の遊技の結果を遊技者に報知するための情報が表示され、例えば、ATステージ中に実行されたゲーム回数(総ゲーム数)や獲得したメダル枚数(総獲得枚数)等が表示される。
なお、リザルト画面では、確率設定装置15により設定されている設定値を遊技者に対して示唆又は確定的に告知するための設定示唆情報を報知手段(表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、表示器8において、所定のキャラクタを表示し、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測可能としてもよい。
また、セットストックを所有していることにより、移行先が準備ステージとなる場合には、再度1セットのATステージに係る遊技が開始される旨の表示がされる。例えば、表示器8では、味方キャラクタが復活する演出が実行されて、再度準備ステージに復帰するような演出がされる。
【0242】
次に、
図63を参照して主制御部10が行う終了待機ステージ制御処理について説明する。
終了待機ステージ制御処理は、現在の遊技状態が終了待機ステージの場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S301)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S301:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S301:Yes)、今回ゲームにおいて、セットストック抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S302)。
セットストック抽選役が当選していると判定した場合には(S302:Yes)、セットストック抽選を実行する(S303)。セットストック抽選は、前述した擬似ボーナスA1制御処理のS154と同様の処理が実行される。
【0243】
次いで、セットストックを所有しているか否かを判定する(S304)。
セットストックを所有している場合には(S304:No)、ステージ昇格抽選を継続する(S305)。
なお、S305~S308の処理については、前述した擬似ボーナスA1制御処理におけるS176~S179と同様の処理が実行され、準備ステージに移行するように制御される(
図10の矢印o)。
【0244】
一方、セットストックを所有していない場合には(S304:Yes)、有利区間消化ゲーム数(カウンタA1の示す値)が、所定数以上か否かを判定する(S309)。例えば、「900ゲーム」以上か否かを判定する。
有利区間消化ゲーム数が所定数以上であると判定した場合には(S309:Yes)、非有利状態に移行するように制御される(S310)(
図10の矢印q)。
このように、ATステージの1セットの遊技終了時において、残り有利区間ゲーム数が少ない場合には、強制的に、非有利状態に制御するようになっている。すなわち、有利区間を終了して通常区間に制御する。
これは、仮に有利区間を引き継いだ場合には、移行先の通常ステージにおいて、AT状態(擬似ボーナス、ATステージ等)へ移行した場合には、有利区間リミッタ(1500ゲーム)までの期間が短く、AT状態の滞在期間が短くなるため、遊技者にとって不利となるためである。
【0245】
一方、有利区間消化ゲーム数が所定数以上ではないと判定した場合には(S309:No)、通常ステージ移行前処理(周期数抽選(S311)~通常ステージへ移行(S316)(
図10の矢印p))が実行される。
すなわち、ATステージの1セット終了時において、残り有利区間ゲーム数が多い場合には、有利区間を引き継いで、通常ステージへ移行する。
なお、S311(周期数抽選)~S316(通常ステージに移行)は、非有利状態制御処理におけるS7(周期数抽選)~S12(通常ステージに移行)と同様の処理が実行される。
以上のように、終了待機ステージ制御処理が行われる。
【0246】
なお、終了待機ステージ制御処理では、次のような変形例としてもよい。
S302の処理の前に、直前のバトルステージ制御処理においてS292を実行したか否かを判定してもよい。すなわち、バトルステージにおいて移行規制条件を満たしたことで、セットストックを消去(初期化)したか否かの判定を行ってもよい。
バトルステージにおいてセットストックを消去した場合は、S310に移行することで、非有利状態に移行するように制御し、一方、セットストックを消去していない場合には、S302に移行するように制御してもよい。
これにより、バトルステージにおいて残り有利区間ゲーム数が少ないことから、強制的に非有利状態に制御するためにセットストックを消去したにも関わらず、終了待機ステージ制御処理のセットストック抽選(S303)に当選して、ATステージに移行することを規制することができる。
【0247】
(特化ステージ)
特化ステージは、バトルステージから突入可能であり、所定期間(例えば、5ゲーム)継続する。
特化ステージは、特化ステージAと特化ステージBを有しており、毎ゲーム、チャンスストックとセットストックの獲得抽選が実行され、ストックの獲得確率が高い遊技状態である。
【0248】
次に、
図64を参照して主制御部10が行う特化ステージ制御処理について説明する。
特化ステージ制御処理は、現在の遊技状態が特化ステージA又は特化ステージBの場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S321)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S321:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S321:Yes)、今回ゲームにおいて、チャンスストック抽選の実行条件を満たしているか否かの判定を行う(S322)。
チャンスストック抽選の実行条件を満たしていると判定した場合には(S322:Yes)、特化ステージA中か否かの判定を行う(S323)。
【0249】
特化ステージAの場合には(S323:Yes)、
図44に示す「チャンスストック抽選テーブル(特化ステージA)」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてチャンスストックの獲得抽選を実行する(S324)。
特化ステージBの場合には(S323:No)、
図44に示す「チャンスストック抽選テーブル(特化ステージB)」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてチャンスストックの獲得抽選を実行する(S325)。
具体的には、特化ステージBの方が特化ステージAよりも当選し易いように設定されている。また、共通1枚役<弱チェリー役、スイカ役<チャンス目役<強チェリー役の関係性に基づいて当選し易くなっている。
【0250】
なお、S324におけるチャンスストックの獲得抽選は、次のようにしてもよい。
例えば、3セット目のエピソードAT中、且つ、チャンスストックの所有数が5個の場合には、
図48に示す「チャンスストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいてチャンスストックの獲得抽選を実行し、一方、3セット目のエピソードAT中、且つ、チャンスストックの所有数が5個以外の場合には、
図44に示す「チャンスストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいて抽選を実行してもよい。
【0251】
次いで、セットストック抽選を実行する(S326)。セットストック抽選は、前述した擬似ボーナスB1制御処理のS254と同様の処理が実行される。
特化ステージの最終ゲーム(5ゲーム目)か否かを判定し(S327)、最終ゲームではない場合には(S327:No)、処理を終了し、最終ゲームである場合には(S327:Yes)、準備ステージに移行するように制御して(S328)(
図10の矢印n)、処理を終了する。
以上のように、特化ステージ制御処理が行われる。
【0252】
(特殊ATステージ)
特殊ATステージは、バトルステージから突入可能であり、所定期間(例えば、10ゲーム)を1セットとして遊技が進行するセット継続型の遊技状態である。
また、特殊ATステージは、AT状態に制御され、当選した押し順ベル役の第1~3リール停止操作に対応する全ての押し順ナビが表示される。そのため、メダルの増加が期待できる遊技状態である。
【0253】
特殊ATステージでは、1セットの遊技終了後に、再び特殊ATステージを継続(連荘)可能な権利であるループストックの獲得抽選が実行される。そのため、ループストックを多く獲得するほど、特殊ATステージに長く滞在することができ、有利となる。
また、ループストックを獲得した場合には、遊技者に対して獲得した旨を認識可能に報知されるようになっている。
特殊ATステージは、最大30セットまで継続(連荘)が可能であり、30セット目の継続が確定すると(エンディング移行条件2)、その後、エンディングCに移行する。一方、特殊ATステージが継続(連荘)しない場合には、非有利状態に移行する。
そのため、遊技者は、特殊ATステージが連荘するか否かに注目し、エンディングCに移行することを期待して、遊技を進行することになる。
【0254】
次に、
図65を参照して主制御部10が行う特殊ATステージ制御処理について説明する。
特殊ATステージは、少なくとも3セット継続されるようになっている。すなわち、特殊ATステージの開始時に、保障セット数として、ループストックが「3個」付与された状態で遊技が開始される。なお、これに限らず、保障セット数の初期値は、3個以外(0個を含む)としてもよい。
また、特殊ATステージ開始時には、現時点で所有するチャンスストックとセットストックが、ループストックに変換されるようになっている。そのため、特殊ATステージまでに消化しきれていないストックを無駄なく使用するので、遊技者の興趣の低下を防止することができる。
【0255】
特殊ATステージ制御処理は、現在の遊技状態特殊ATステージの場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S331)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S331:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S331:Yes)、今回ゲームにおいて、ループストック抽選役が当選しているか否かの判定を行う(S332)。
ループストック抽選役は、例えば、共通1枚役、弱チェリー役、強チェリー役、スイカ役、チャンス目役である。なお、これらに限らず、例えば、非レア役とすることもできる。
【0256】
ループストック抽選役が当選していると判定した場合には(S332:Yes)、ループストック抽選を実行する(S333)。
ループストック抽選は、
図45に示す「ループストック抽選テーブル」を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいて抽選を実行する。この場合、共通1枚役<弱チェリー役、スイカ役<チャンス目役<強チェリー役の関係性に基づいて当選し易くなっている。
ループストック抽選に当選した場合には、主制御部10は実行権利付与手段及び実行権利記憶手段として動作することで、ループストックを1個付与し、記憶部に記憶する。なお、これに限らず、付与されるループストックの個数は、1個以外としてもよい。
【0257】
次いで、特殊ATステージの最終ゲーム(10ゲーム目)か否かを判定し(S334)、最終ゲームである場合には(S334:Yes)、現在、30セット目であるか否かを判定する(S335)。
30セット目の場合には(S335:Yes)、特殊ATステージの上限セット数(30セット)を消化した(エンディング移行条件2が成立した)ことにより、エンディングCに移行するように制御する(S336)(
図10の矢印r)。
【0258】
一方、30セット目ではない場合には(S335:No)、主制御部10が継続判定手段として動作することにより、ループストックを所有しているか否かを判定する(S337)。
ループストックを所有していない場合には(S337:Yes)、現在、20~29セット目であるか否かを判定し(S338)、20~29セット目ではない場合には(S338:No)、非有利状態に移行するように制御する(S342)(
図10の矢印s)。
一方、ループストックを所有していない場合で、20~29セット目である場合には(S338:No)、主制御部10が判定手段として動作することで、エンディングの移行規制条件が成立しているか否かの判定を行う。
具体的には、有利区間差枚数が所定数(2109枚)以下であり、かつ、有利区間ゲーム数が所定数(1470ゲーム)以下であるか否かを判定する(S339)。
すなわち、290枚獲得しても有利区間が終了しない状況であり、かつ、29ゲーム消化しても有利区間が終了しない状況であるか否かを判定する。
言い換えると、有利区間差枚数が2110枚以上であること、又は、有利区間消化ゲーム数が1471ゲーム以上であることの移行規制条件を満たしているかを判定する。
【0259】
移行規制条件を満たしている場合には(S339:No)、非有利状態に移行するように制御する(S342)(
図10の矢印s)。
一方、移行規制条件を満たしていない場合には(S339:Yes)、エンディングC抽選を実行する(S340)。
エンディングC抽選は、
図46に示す「エンディングC抽選テーブル」を参照することで、セット継続(連荘)回数に基づいてエンディングCへの移行抽選を実行する。
具体的には、セット数が多い方が当選し易くなっており、例えば、20~22セット目の場合には、160/256の確率で当選し、23~25セット目の場合には、192/256の確率で当選し、26~27セット目の場合には、224/256の確率で当選し、28~29セット目の場合には、240/256の確率で当選するように設定されている。
エンディングC抽選に当選した場合には(S341:Yes)、エンディングCに移行するように制御する(S343)(
図10の矢印r)。
【0260】
一方、S337において、ループストックを所有していると判定した場合には(S337:No)、現在、29セット目であるか否かを判定し(S344)、29セット目ではない場合には(S344:No)、主制御部10は、実行権利使用手段として動作することで、ループストックを1個消費して、次セットを実行するために特殊ATステージを継続する(S347)。
一方、29セット目である場合には(S344:Yes)、特殊ATステージの上限セット数(30セット)の消化が確定した(エンディング移行条件2が成立した)ことで、エンディングCに移行するように制御されるが、この場合には、エンディングの移行規制条件が成立しているか否かの判定を行う。
【0261】
具体的には、有利区間差枚数が所定数(2009枚)以下であり、かつ、有利区間ゲーム数が所定数(1460ゲーム)以下であるか否かを判定する(S345)。
すなわち、390枚獲得しても有利区間が終了しない状況であり、かつ、39ゲーム消化しても有利区間が終了しない状況であるか否かを判定する。
言い換えると、有利区間差枚数が2010枚以上であること、又は、有利区間消化ゲーム数が1461ゲーム以上であることの移行規制条件を満たしているかを判定する。
移行規制条件を満たしている場合には(S345:No)、非有利状態に移行するように制御する(S346)(
図10の矢印s)。
一方、移行規制条件を満たしていない場合には(S345:Yes)、主制御部10は、実行権利使用手段として動作することで、ループストックを1個消費して、30セット目を実行するために特殊ATステージを継続する(S347)。
【0262】
このように、特殊ATステージにおいて、30セット目の移行が確定したことで、エンディング移行条件2が成立した場合であっても、移行規制条件が成立する場合には、30セット目の継続判定結果を無効とし、エンディングCへの移行を規制する。
このような制御を行うのは、前述したバトルステージにおけるエンディングBへの移行規制と同様であり、エンディングが途中で終了することで遊技者に不満感を与えることを防止するためである。
例えば、次のような方法によって移行規制条件を満たすか否かを判定することができる。
有利区間リミッタまでの残りの有利区間差枚数が、エンディングCの滞在ゲーム数(30ゲーム)と30セット目の滞在ゲーム数(10ゲーム)の合計よりも1回少ない特定回数(39ゲーム)に、1回の遊技で遊技者が使用した遊技価値の数(3枚)と遊技者に付与された遊技価値の数(13枚)との差数の最大数(10枚)を乗じた特別数(39×10=390枚)よりも大きい場合には、移行規制条件を満たすと判定する。
つまり、特殊ATステージの30セット目とエンディングC中に、押し順ベル役B又は押し順ベル役Cに当選し、最大の差枚数(10枚)を獲得し続けた場合には、40ゲームを消化する前に、有利区間リミッタ(2400枚)に到達してしまうことになるため、エンディングへの移行を規制する。
以上のように、特殊ATステージ制御処理が行われる。
【0263】
(特殊ATステージ演出制御処理)
次に、
図66を参照して副制御部20が行う特殊ATステージ演出制御処理について説明する。
前述したように、特殊ATステージにおいてループストックを獲得した場合には、原則、ループストックを獲得した旨を示す情報(特定情報)を遊技者に対して報知する。
一方、ループストックを獲得した旨の情報の報知を、所定の条件が成立する場合には、規制するようになっている。
例えば、報知した回数が、特定数に到達した場合には、特定情報の報知を規制する。
また、特殊ATステージの後半(完走間際)に係る遊技では、特定情報の報知がされ難いように制御する。
【0264】
まず、副制御部20は、1ゲーム目の遊技開始操作(ベット操作、スタートレバー操作等)がされたか否かの判定を行う(S351)。具体的には、副制御部20は、主制御部10から遊技開始操作に係る信号を受信した場合に操作がされたと判定する。
遊技開始操作がされたと判定した場合には(S351:Yes)、ループストックの獲得報知回数の値を「0」に初期化する(S352)。
【0265】
次いで、ループストックを獲得した(ループストック抽選で当選した)か否かを判定する(S353)。この場合、副制御部20は、主制御部10からループストック抽選で当選した旨を示すコマンドを受信することで判定する。
ループストックを獲得したと判定した場合には(S353:Yes)、ループストック獲得報知回数の値が「26回」未満か否かを判定する(S354)。
すなわち、ループストック抽選の当選を契機として、既にループストックを獲得した旨の報知が26回されているか否かを判定する。
ループストック獲得報知回数の値が「26回」未満ではない場合には(S354:No)、処理を終了する。すなわち、ループストックの獲得報知を行わないように制御する。
【0266】
このような判定処理は、特殊ATステージの最大継続セット数である30セットの回数と、保障セット数分の3セットの回数に基づいている。
ループストック獲得報知回数が「26回」という状況は、既に26回の報知がされた状況であり、次回の27回目の報知がされれば、エンディングに移行できることを認識可能な状態である。
そのため、既に26回の報知がされた状況で、報知を行うとエンディングの確定を遊技者に対して報知することになる。
しかしながら、このような状況で報知を行った場合、前述したようなエンディングCの移行規制条件を満たした場合には、エンディングの確定を遊技者に対して報知したにもかかわらず、エンディングCに移行しない状況が発生し、遊技者が不信感や疑義が生じる可能性がある。
そこで、このような事態を防止するため、ループストック獲得報知回数が、特定数(例えば、26回)に到達した場合には、報知を規制するように制御している。
なお、「特定数」として、特殊ATステージ開始時に付与される保障セット数のみを考慮したが、これに限らず、特殊ATステージ開始時にチャンスストックとセットストックを変換したループストック分も含めて特定数を設定してもよい。
【0267】
一方、S354においてループストック獲得報知回数の値が「26回」未満である場合には(S354:Yes)、ループストック獲得報知抽選を実行する(S355)。
ループストック獲得報知抽選は、
図47に示す「ループストック報知抽選テーブル」を参照することで、有利区間消化ゲーム数(カウンタA1の示す値)に基づいて報知するか否かを抽選により決定する。
【0268】
例えば、有利区間消化ゲーム数が「399ゲーム以下」の場合には、224/256の確率で「報知」が選択され、「400~599ゲーム」の場合には、192/256の確率で「報知」が選択され、「600~699ゲーム」の場合には、128/256の確率で「報知」が選択され、「700~799ゲーム」の場合には、224/256の確率で「報知」が選択され、「800~1500ゲーム」の場合には、32/256の確率で「報知」が選択されるように設定されている。
このように、有利区間消化ゲーム数が大きいほど「報知」が選択され難くなっている。
これにより、特殊ATステージの後半(例えば、20~29セット目)の遊技において、エンディングの移行抽選に当選したにもかかわらず、移行規制条件を満たしたことでエンディングへ移行がされないような場合であっても、この期間では、ループストックの獲得報知がされ難いため、遊技者に不信感や疑義が生じてしまうことを防止することができる。
【0269】
次いで、ループストック獲得報知抽選において当選したか否かの判定を行い(S356)、当選したと判定した場合には(S356:Yes)、ループストック獲得報知回数の値を1加算するとともに(S357)、ループストックの獲得報知を実行する(S358)。
例えば、表示器8において、ストック獲得抽選に当選したことを遊技者が認識可能な、所定の背景画像や文字情報を含む演出画像を表示する。また、表示器8での演出画像の表示に対応して、スピーカ9から所定の効果音が出力されるとともに、ランプ11が所定の発光態様により発光される。また、当選したレア役の種類毎に演出画像を異なるものとしてもよい。
以上のように、特殊ATステージ演出制御処理が行われる。
【0270】
(エンディング)
エンディングは、有利区間の終了に近づいてきた場合に移行可能な遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態の終盤といった位置付けである。
エンディングは、AT状態に制御され、当選した押し順ベル役の第1~3リール停止操作に対応する全ての押し順ナビが表示される。
また、エンディングは、エンディングA、エンディングB及びエンディングCの3つから構成されている。
エンディングAは、有利区間中にエンディングリミッタに到達した場合に、各ステージから突入する。また、エンディングB又はエンディングCの終了後に突入する。その後、エンディングAは、有利区間リミッタまで継続する。
エンディングBは、エピソードATの上限セット数(3セット)を消化した場合(エンディング移行条件1)に、バトルステージから突入し、所定期間(例えば、30ゲーム)継続して、終了後はエンディングAに移行する。
エンディングCは、特殊ATステージの上限セット数(30セット)を消化した場合(エンディング移行条件2)に、特殊ATステージから突入し、所定期間(例えば、30ゲーム)継続して、終了後はエンディングAに移行する。
なお、エンディングB又はエンディングC中にエンディングリミッタに到達した場合には、所定期間(例えば、30ゲーム)消化するまでは、エンディングAには移行しないように制御され、消化後にエンディングAに移行する。
エンディングB及びエンディングC中は、遊技者に有利な状態が上限まで継続したことを祝福するような演出(完走演出)が実行される。
なお、エンディングを、エンディングA、エンディングB及びエンディングCの3つから構成し、それぞれの遊技状態で各機能を備えているが、これに限らず、1つのエンディングで全ての機能を備える遊技状態としてもよい。
【0271】
また、前述したように、エンディング移行条件1の成立時、又は、エンディング移行条件2の成立時において、移行規制条件を満たす場合には、エンディングへの移行が規制されるようになっている。
具体的には、バトルステージにおいて、移行規制条件が成立する場合(有利区間差枚数が2110枚以上、又は、有利区間消化ゲーム数が1471ゲーム以上の場合)には、エンディング移行条件1が成立する場合であっても、エンディングBへの移行が規制される。
また、特殊ATステージにおいて、移行規制条件が成立する場合(有利区間差枚数が2110枚以上、又は、有利区間消化ゲーム数が1471ゲーム以上の場合)には、エンディング移行条件2が成立する場合であっても、エンディングCへの移行が規制される。
【0272】
次に、
図67を参照して主制御部10が行うエンディング制御処理について説明する。
エンディング制御処理は、現在の遊技状態がエンディングA、エンディングB又はエンディングCの場合に実行が開始される。
まず、主制御部10は、第3リール停止操作がされたか否かの判定を行う(S361)。
第3リール停止操作がされていないと判定した場合には(S361:No)、処理を終了し、第3リール停止操作がされたと判定した場合には(S361:Yes)、有利区間リミッタに到達したか否かを判定する(S362)。
すなわち、有利区間消化ゲーム数(カウンタAの示す値)が1500ゲームに到達したか否か、又は、有利区間差枚数(カウンタBの示す値)が2400枚に到達したか否かを判定する。
【0273】
有利区間リミッタに到達したと判定した場合には(S362:No)、有利区間を終了するとともに、非有利状態に移行するように制御して(S364)(
図10の矢印t)、処理を終了する。
一方、有利区間リミッタに到達していないと判定した場合には(S362:Yes)、エンディングB又はエンディングCの最終ゲーム(30ゲーム目)か否かを判定し(S363)、最終ゲームである場合には(S363:Yes)、エンディングAに移行するように制御して(S365)、処理を終了する。
以上のように、エンディング制御処理が行われる。
【0274】
以上説明したように、本発明においては、所定条件が成立したことに基づいて、遊技結果(当選役)を決定可能な遊技結果決定手段(主制御部10)と、遊技者が停止操作可能な停止操作手段(停止ボタン5)と、遊技結果決定手段により決定された遊技結果と、停止操作手段に対する停止操作態様と、に応じた停止表示態様で、変動表示している識別情報(図柄)を停止表示可能な識別情報表示手段(リール41)と、識別情報表示手段に停止表示された識別情報の停止表示態様に応じた遊技価値(メダル等)を付与可能な遊技価値付与手段(主制御部10)と、遊技に関する特典を付与可能な特典付与手段(主制御部10)と、を備え、識別情報表示手段は、遊技結果決定手段が特定遊技結果(押し順ベル役)を決定し、且つ、停止操作手段が第1停止操作態様(正解押し順:中→左→右操作)で停止操作をされた場合、識別情報を第1停止表示態様(押し順ベル役に対応する図柄の組合せ)で停止表示可能であり、遊技結果決定手段が特定遊技結果を決定し、且つ、停止操作手段が第2停止操作態様(不正解押し順:左→中→右操作)で停止操作をされた場合、識別情報を第2停止表示態様(押し順ベルこぼし目又はハズレ目)で停止表示可能であり、遊技価値付与手段は、識別情報表示手段において、第1停止表示態様で識別情報が停止表示される場合の方が、第2停止表示態様で識別情報が停止表示される場合よりも、多くの遊技価値を付与することが可能であり、特典付与手段は、第2停止表示態様で識別情報が停止表示される遊技が、所定回数連続で発生した場合、特典を付与可能な構成としている。
【0275】
このような構成を備えることで、本発明に係るスロットマシン1は、押し順ベル役に当選した場合、押し順ベルこぼし目で図柄の組合せが停止表示される遊技が所定回数連続で発生した場合には、特典を付与することができる。
これによって、第1リール停止操作に対応する押し順ナビのみが表示される遊技状態(例えば、通常ATステージ)では、押し順ベルこぼし目が連続して停止表示される可能性があり、このような場合に遊技者が著しく不利益を被ってしまうことを防止できる。
また、押し順ベル役に対応する図柄の組合せを停止表示させることができないことによる遊技者のストレスを軽減することができる。
【0276】
一方、従来の遊技機は、特定のゲームで押し順役に当選し、当該押し順役に定められている特定の押し順で停止操作された場合、AT遊技等の特典が付与される遊技性を有する。
しかしながら、この遊技機では、特定の押し順で停止操作されなかった場合、遊技者に何等特典が付与されないため、遊技者が著しく不利益を被ってしまう虞があり、遊技の興趣性を向上させる上で不十分であった。
このように、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0277】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
以下の説明及び図面では、第1実施形態との主要な相違点について示すこととする。第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同様な名称を適宜付し、また同一の符号又は末尾(下2桁等)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
なお、本実施形態、図面では、適宜、疑似ボーナスを、単に疑似ボとも表記し、ゲームをGとも表記する。
図73は、第2実施形態のリール241(241a~241c)の図柄の配置を説明する図である。
図74、
図75は、第2実施形態の遊技状態の流れを説明する遷移図である。
図76は、第2実施形態の内部抽選テーブル211a、疑似ボ種別抽選テーブル211bを示す図である。
図77は、第2実施形態の共通1枚役-停止操作テーブル211cを示す図である。
図78は、第2実施形態の疑似ボA1に滞在中に参照される各種テーブル212a~212cを示す図である。
図79は、第2実施形態の疑似ボA1に滞在中に参照されるテーブルであって、煽り演出実行抽選テーブル215a~215c、AT抽選テーブル212dを示す図である。
図80は、第2実施形態のATステージに滞在中に参照される各種テーブル213a,213bを示す図である。
【0278】
図74、
図75に示すように、本実施形態の遊技状態の基本的な遊技の流れは、第1実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態の遊技の流れの概略は、以下の通りである。
通常ステージからCZ1ステージ,CZ3ステージに移行し、CZ1ステージから疑似ボA1,A2、CZ2ステージ等を介してATステージに移行可能であり、又はCZ3ステージからATステージに直接移行可能である。
ATステージでは、メインステージ(MSともいう)及び疑似ボBを往復するように移行することによりジャッジレベルを増やす。MSから移行後のバトルステージの遊技は、ジャッジレベルが多い程、遊技者にとって有利となる。なお、MSは、第1実施形態の通常ATステージに相当する遊技状態である。バトルステージに勝利することによりMSで再度遊技可能となり、一方、バトルステージで敗北することにより非有利状態に移行する。
【0279】
(図柄の配列、当選役)
図73(A)に示すように、リール241a~241cの周面には、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「ブランク」、「ベル」、「BAR」、「紫7」、「白7」、「BAR」等の図柄を有する。
また、
図73(B)、
図73(C)に示すように、停止図柄の組み合わせは、本実施形態の停止図柄の組み合わせとして、一般的なもの(スイカ、弱チェリー、強チェリー、チャンス目等)の他に、確定目(1種)、レアポイント目(4種)等を有する。
なお、
図73には、図示を省略したが、停止図柄の組み合わせは、共通1枚役(後述する)に対応した図柄の組み合わせ、ポイント目に対応した図柄の組み合わせ等を有する。
【0280】
(各種テーブル)
本実施形態の遊技機の抽選テーブルについて、説明する。
なお、以下の抽選テーブルに記載された数値(振分値)は一例であり、他の数値でよい。また、以下の抽選テーブルは、全設定で数値(振分値)が共通のものと、設定毎に数値(振分値)が異なるものとがあるが、一例である。つまり、抽選テーブルは、全設定で数値(振分値)が共通であっても、異なるものであってもよい。さらに、一部の設定のみ(偶数のみ、奇数のみ、高設定のみ等)、他の設定とは数値(振分値)が異なっていたり、他の設定とは異なるテーブルを有していてもよい。
【0281】
これらの抽選テーブルを利用した処理の詳細は後述するが、概略は、以下の通りである。
図76から
図80に示すように、主制御部10の記憶部は、内部抽選テーブル211a、疑似ボ種別抽選テーブル211b、共通1枚役-停止操作テーブル211c、天井pt抽選テーブル212a、昇格pt抽選テーブル212b、上乗ゲーム数抽選テーブル212c、AT抽選テーブル212d、疑似ボB移行抽選テーブル213a、MSゲーム数上乗抽選テーブル213bを有する。
これらのテーブルは、主制御部10が、各種抽選処理の実行時に参照する。これらのテーブルを利用した処理は、後述するが、概略は以下の通りである。
【0282】
内部抽選テーブル211aは、ボーナス当選状態における各ゲームの抽選処理で参照される。
図76の内部抽選テーブル211aは、一例として、3ベットゲームにおける各当選役の当選確率を示している。図示及び詳細な説明は省略するが、記憶部は、1ベットゲーム、2ベットゲームにおける各当選役に対応した当選確率に関する抽選テーブルも記憶している。
【0283】
共通1枚役-停止操作テーブル211cは、共通1枚役1,2に当選時に参照される。
疑似ボ種別抽選テーブル211bは、CZ1ステージに滞在中に参照される。
天井pt抽選テーブル212a、昇格pt抽選テーブル212b、上乗ゲーム数抽選テーブル212cは、疑似ボA1の第1パートに滞在中に参照される。
AT抽選テーブル212dは、疑似ボA1の第2パートに滞在中に参照される。
疑似ボB移行抽選テーブル213a、MSゲーム数上乗抽選テーブル213bは、ATステージに滞在中に参照される。
【0284】
図79に示すように、副制御部20の記憶部は、煽り演出実行抽選テーブル215a(残3pt以上)、煽り演出実行抽選テーブル215b(残2pt)、煽り演出実行抽選テーブル215c(残1pt)を記憶している。
後述するように、副制御部20は、疑似ボA1の第1パートに滞在中の各ゲームにおいて、これらのテーブル215a~215cを参照して、煽り演出処理を実行する。
【0285】
(各当選役に当選時の基本動作)
図76の内部抽選テーブル211aに示す各当選役の入賞時における特典(再遊技、メダルの払出数等)は、以下の通りである。
リプレイ1、リプレイ2:再遊技、払出数0枚
共通1枚役1、共通1枚役2、・・・、チャンス目2:払出数1枚
共通ベルA1、共通ベルA2:払出数3枚
押し順ベルA3、押し順ベルA4、・・・、押し順ベルA6:払出数9枚
押し順ベルA3~押し順ベルA6は、取りこぼした場合(不正解の押し順で操作された場合)に、「ポイント目」が停止して払出数は「1枚」となる。
弱チェリー、・・・、チャンス目2は、取りこぼすと、払出数0枚となる。
これら以外の役は、取りこぼしがない。
【0286】
(共通1枚役と停止出目の対応関係)
図77の共通1枚役-停止操作テーブル211cに示すように、共通1枚役1,2に当選したゲームでは、遊技者によって停止操作された押し順、目押し操作で狙った図柄等に応じた停止出目が、予め定められている。
実施形態では、左停止ボタン5aが最初に停止されることを、左1st操作ともいう。同様に、中停止ボタン5b,右停止ボタン5cが最初に停止されることを、中1st操作、右1st操作ともいう。
【0287】
(左1st操作)
レアポイント目:左1st操作され、かつ、7図柄(リール241上の白7、紫7が連続している範囲)を目押しで狙うことなく操作された場合には、レアpt目図柄が停止表示される。
この場合、7図柄を狙って目押し操作されたか否の判定は、白7を有効ライン(右斜め下ライン)上に停止するようなタイミングで停止ボタン5が操作されたか否かを判定してもよい。
【0288】
なお、本実施形態の遊技機は、共通1枚役に当選した場合に、左1st操作の押し順ナビ、7図柄を停止する目押しナビを同時に実行しない。このため、通常ステージ等に滞在中には、遊技者は、左1st操作を行い、かつ、7図柄を目押しで狙うことなく停止ボタン5を操作することになる。このため、通常ステージ等に滞在中に共通1枚役に当選した場合には、レアpt目に対応した図柄が停止表示される。
【0289】
(中1st操作)
確定目:中1st操作され、かつ、BARを狙って目押し操作された場合に停止表示される。
なお、BARを狙わない場合は、他の1枚払出出目が停止する。
【0290】
(右1st操作)
共通1枚役1,2に当選したゲームにおいて、右1st操作を受けた場合には、白7揃い、紫7揃い、ブランク・白7・白7、他1枚役に対応した出目が停止する。
(白7揃い、紫7揃い)
7図柄を狙って全停止ボタン5a,5b,5cが目押し操作され、かつ、以下の操作順で操作された場合には、「白7揃い(右斜め下ライン)」、「紫7揃い(中段ライン)」の何れかの出目が停止する。
白7揃い:共通1枚役1に当選したゲームにおいて、停止ボタン5a,5b,5cを「右→中→左」の順に操作した場合に停止する。また、共通1枚役2に当選したゲームにおいて、停止ボタン5a,5b,5cを「右→左→中」の順に操作した場合に停止する。
紫7揃い:共通1枚役1に当選したゲームにおいて、停止ボタン5a,5b,5cを「右→左→中」の順に操作した場合に停止する。また、共通1枚役2に当選したゲームにおいて、停止ボタン5a,5b,5cを「右→中→左」の順に操作した場合に停止する。
【0291】
(ブランク・白7・白7)
以下の条件を全て満たした場合には、右斜め下ライン上に、ブランク・白7・白7が停止表示される。
・共通1枚役1,2に当選したゲームにおいて、右1st操作がされたこと
・中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが7図柄を狙って目押し操作され、かつ、左停止ボタン5aが単独の紫7を狙って目押し操作されたこと
【0292】
(他1枚役に対応した出目)
共通1枚役1,2に当選したゲームにおいて右1st操作がされた場合に、以下の条件の何れかを満たしたときには、他1枚役に対応した出目が停止表示される。
・中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが、7図柄を狙って目押し操作されなかったこと
・左停止ボタン5aが、7図柄を狙って目押し操作されなかったこと、又は単独の紫7を狙って目押し操作されなかったこと
【0293】
なお、「レアpt目」、「確定目」を停止させることができる役は、上述したものに限定されない。例えば、「確定目」は、押し順ベルとしての共通ベルA1,A2の何れかが当選した場合であって、中1st操作を受け付けた場合に停止表示されてもよく、また、「レアpt目」は、リプレイ1が当選した場合に停止表示されてもよい。
【0294】
(押し順ナビ)
押し順ナビ(特定操作順報知手段)は、AT状態に制御された状態では、押し順をともなう当選役に当選したゲームにおいて、3つの停止ボタン5a,5b,5cを当選役に応じた操作順で操作するように報知する。
押し順の報知は、例えば、第1停止操作に関する報知(1stナビともいう)、第1~第3停止操作の押し順に関する報知(全ナビともいう)の何れかを実行できる。
なお、実施形態では、押し順ナビを実行する装置自体(主制御部10、表示器8、ナビランプ12等)も、適宜、押し順ナビともいう。
【0295】
押し順ナビは、共通ベルA1,A2、押し順ベルA3~ベルA6に当選したゲームにおいて、1stナビ又は全ナビを実行する。なお、ベル役当選時に実行される押し順ナビを、ベルナビともいう。
実施形態では、1stナビのみを実行するAT状態を、一部AT等ともいう。また、実施形態では、このように押し順ナビが実行される共通ベル役を、適宜、押し順ナビとしての共通ベル等ともいう。
押し順ナビは、共通ベルA1が当選したゲームでは「左→中→右」の停止操作を促す報知を実行可能であり、また、共通ベルA2が当選したゲームでは、「左→右→中」の停止操作を促す報知を実行可能である。なお、共通ベルA1,A2は、何れの押し順でも、「ベル・ベル・ベル」の図柄の組み合わせが停止表示する役であるため、押し順ナビは、報知を実行しなくてもよい。実施形態では、「ベル・ベル・ベル」の図柄の組み合わせで停止表示する態様を、ベルが揃う、ベル揃い等ともいう。
【0296】
一部AT中に共通ベルA1,A2が当選したゲームでは、押し順ナビは、左停止ボタン5aを操作する報知(左1stナビともいう)を実行する。なお、前述したように、共通ベルA1,A2は、何れの押し順でもベル図柄が揃う役であるため、押し順ナビは、報知を実行しなくてもよく、その他の停止操作順序、特定図柄の報知等を実行してもよい。
また、後述するように、押し順ナビは、疑似ボA1準備に滞在時に、共通1枚役1,2に当選したゲームにおいて、全ナビを実行する。
【0297】
(目押しナビ)
目押しナビ(停止識別情報報知手段)は、目押しで停止すべき図柄を表示器8等(報知手段)で報知、示唆等する。例えば、
図81(A)は、目押しで停止すべき図柄として、7図柄を報知した例である。なお、実施形態では、目押しナビを実行する装置自体(表示器8等)も、適宜、目押しナビともいう。
【0298】
[遊技の流れ]
本実施形態の遊技機の遊技の流れについて説明する。
図74、
図75に示すように、本実施形態の遊技機は、非有利状態、通常ステージ、CZ1ステージ、CZ2ステージ、CZ3ステージ、疑似ボA1準備、疑似ボA2準備、疑似ボA1、疑似ボA2、ATステージ、エンディング等の複数の遊技状態を有する。
遊技状態の基本的な有利度は、以下の通りである。
CZ1ステージは、疑似ボA1準備、疑似ボA2準備に移行するチャンスであるため、通常ステージよりも遊技者に有利である。疑似ボA1準備、疑似ボA2準備は、疑似ボA1,A2に移行するチャンスであるため、CZ1ステージよりも遊技者に有利である。疑似ボA1,A2は、ATステージに移行するチャンスであるため、疑似ボA1準備、疑似ボA2準備よりも遊技者に有利である。
CZ2ステージ、CZ3ステージは、ATステージに移行するチャンスであるため、通常ステージ等よりも遊技者に有利である。
ATステージは、獲得メダルを増やす主要な機会であるため、遊技者に最も有利な遊技状態である。
【0299】
なお、遊技状態の移行タイミングは、基本的には、各ゲームの第3リール停止操作後である。
(通常ステージ)
通常ステージは、ATステージ終了後に移行する非有利状態から移行し得る遊技状態である。通常ステージは、非AT状態に制御される。
主制御部10は、通常ステージに滞在中の各ゲームにおいて、CZ1ステージ、CZ3ステージへの移行抽選処理を実行する。CZ1ステージ、CZ3ステージへの移行に関する処理は、第1実施形態の処理を適宜利用するようにしてもよい(
図9の矢印d参照)。通常ステージに滞在中のCZ1ステージ、CZ3ステージへの移行抽選処理で当選したことに基づいて、通常ステージからCZ1ステージ、CZ3ステージに移行する。
【0300】
なお、通常ステージにおいて、規定ゲーム数(例えば、662G)消化すると、疑似ボA1準備に移行するようにしてもよい。
また、通常ステージの各ゲームは、非AT状態に制御されるが、これに限定されず、例えば、有利区間中であれば、所定の確率(例えば1/200)で一部AT状態又はAT状態に制御されるようにしてもよい。
【0301】
(CZ1ステージ)
CZ1ステージは、所定ゲーム数の間、滞在する。CZ1ステージの滞在ゲーム数は、例えば、CZ1ステージに移行時に、5G、10G、疑似ボ準備(疑似ボA1準備、疑似ボA2準備)に当選するまで等のなかから抽選により決定するようにしてもよい。
CZ1ステージ滞在中の各ゲームは、非AT状態に制御されるが、所定の確率(例えば1/10等)で、一部AT状態又はAT状態に制御されるようにしてもよい。
主制御部10は、CZ1ステージに滞在中のゲームでは、疑似ボ準備移行抽選を実行するか否かの抽選を実行し、この抽選に当選することに応じて、疑似ボ準備移行抽選を実行する。
さらに、主制御部10は、疑似ボ準備移行抽選に当選したことに応じて、CZ1ステージの最終ゲーム終了時に、疑似ボ種別抽選テーブル211bを参照することにより、疑似ボA1準備、疑似ボA2準備の何れに移行するかを決定するための種別抽選を実行する。なお、この種別抽選は、例えば、CZ1ステージの最終ゲーム終了後の次ゲーム開始時(疑似ボ準備の最初のゲーム開始)等、疑似ボ準備へ移行するとき以外のタイミングで実行されてもよい。
【0302】
疑似ボ準備への移行抽選に当選することなくCZ1ステージの滞在ゲーム数を消化したことに応じて、通常ステージに移行する。
一方、CZ1ステージの各ゲームにおいて、疑似ボ準備への移行抽選に当選したことに応じて、種別抽選で決定した疑似ボ準備(疑似ボA1準備、疑似ボA2準備)に移行する。
【0303】
(疑似ボA1準備、疑似ボA2準備)
疑似ボA1準備、疑似ボA2準備は、白7揃い、紫7揃い等(特定図柄の組合せ(特図等ともいう))が停止するまで継続する。
以下説明するように、特図を停止させることができる1枚役(共通1枚役1又は2)が当選したゲームで、特図を停止しなかった場合、疑似ボA1準備、疑似ボA2準備が継続し、ATパートから非ATパートに制御される。
【0304】
(疑似ボA1準備)
疑似ボA1準備は、ATパート、非ATパートの少なくとも2つの遊技状態を有する。
(ATパート)
図81は、第2実施形態のATパートに滞在中に共通1枚役2に当選したゲームの表示器8の表示、リール241の停止態様を説明する図である。
なお、
図81(B)から
図81(E)には、表示器8は、目押し操作が成功又は失敗したこと等を含む情報を表示する例を示すが、これに限定されず、このような情報を表示しなくてもよい。また、
図81(E)には、表示器8は、「非ATパート開始」の情報を表示する例を示すが、このような情報を表示しなくてもよい。
主制御部10は、疑似ボA1準備に移行した場合には、最初に、ATパートに移行する。ATパートは、AT状態に制御される。
ATパートでは、主制御部10は、共通ベルA1,A2、押し順ベルA3~A6に当選したゲームにおいて、押し順ナビ(第4操作順報知)を実行する。このため、主制御部10は、押し順ナビに従った操作を受け付けることにより、ベルが揃うようリール241を停止させ、メダル(遊技価値)を遊技者に付与可能である。
【0305】
また、これに加えて、ATパートでは、共通1枚役1,2に当選したゲームにおいて、押し順ナビ及び目押しナビを実行する。
詳細な説明は省略するが、白7図柄は、疑似ボA1に対応した図柄であり、また、紫7図柄は、疑似ボA2に対応した図柄である。このため、疑似ボA1準備に滞在中に、共通1枚役1,2に当選したゲームでは、白7揃いが停止表示されるようなナビが実行される。
すなわち、共通1枚役1に当選したゲームでは、7図柄を目押しするように促す目押しナビが実行され、かつ、「右→中→左」の押し順ナビが実行される。また、共通1枚役2に当選したゲームでは、7図柄を目押しするように促す目押しナビが実行され、かつ、「右→左→中」の押し順ナビが実行される(
図81(A)参照)。そして、主制御部10は、以下に説明する第1操作態様~第3操作態様の操作を受け付ける。
以下、共通1枚役2に当選したゲームの例について説明するが、共通1枚役1に当選したゲームについても、同様な処理が行われる。
【0306】
(第1操作態様の処理:
図81(B))
図81(B)に示すように、第1操作態様は、目押しナビ「7図柄狙い」、押し順ナビ「右→左→中」の両方の報知に従って、遊技者が停止ボタン5a,5b,5cを操作した操作態様である(
図81(B)に「〇」と示す)。つまり、第1操作態様は、これらのナビが報知する操作態様に対応した操作態様である。
主制御部10は、停止ボタン5が第1操作態様で操作された場合には、共通1枚役-停止操作テーブル211cを参照することにより、第1停止態様で停止表示すること、つまり、複数の図柄を特図である白7揃いで停止表示することが可能である。
そして、主制御部10は、停止ボタン5が第1操作態様で操作され、白7揃いで停止表示されたことに基づいて、疑似ボA1準備中のATパートから疑似ボA1に移行するように制御可能である。この場合、表示器8は、第3リール停止操作後に、疑似ボA1が開始することを報知する報知画面を表示する。
【0307】
(第2操作態様の処理:
図81(C))
図81(C)に示すように、第2操作態様は、遊技者が目押しナビ「7図柄狙い」に従って停止ボタン5a,5b,5cを操作し(
図81(C)に「〇」と示す)、かつ、押し順ナビ「右→左→中」に従わずに停止ボタン5a,5b,5cを操作する操作態様「右→中→左」である(
図81(C)に「×」と示す)。つまり、第2操作態様は、7図柄を停止するように目押し操作されたものの、押し順ナビに従わなかった操作態様である。このため、第2操作態様は、押し順ナビが報知する操作態様とは差異を有する。
主制御部10は、停止ボタン5が第2操作態様で操作された場合に、複数の図柄を、第2停止態様で停止表示することが可能である。第2停止態様は、右斜め下の有効ライン上に特図である白7・紫7・白7(中段のライン上に紫7・紫7・紫7の紫7揃い)が停止表示した態様である。
【0308】
そして、主制御部10は、停止ボタン5が第2操作態様で操作され、白7・紫7・白7が停止表示されたことに基づいて、疑似ボA1準備中のATパートから疑似ボA1に移行するように制御可能である。この場合、表示器8は、第3リール停止操作後に、疑似ボA1が開始することを報知する報知画面を表示する。
【0309】
(第2操作態様の他態様:
図81(D))
図81(D)に示すように、第2操作態様の他態様は、遊技者が押し順ナビ「右→左→中」の報知に従って停止ボタン5a,5b,5cを操作し(
図81(D)に「〇」と示す)、かつ、右リール241c、中リール241bについては目押しナビに従って7図柄を狙って目押し操作したものの、左リール241aについては7図柄ではなく単独の紫7の図柄(
図73(A)参照)が停止するように左停止ボタン5aを目押し操作した態様である(
図81(D)に「△」と示す)。
主制御部10は、停止ボタン5が第2操作態様の他態様で操作された場合に、共通1枚役-停止操作テーブル211cを参照することにより、複数の図柄を、
図81(D)に示す第2停止態様の態様で停止表示することが可能である。
第2停止態様の態様は、右斜め下の有効ライン上に特図であるブランク・白7・白7(中段ライン上に紫7・白7・紫7の7揃い)が停止表示した態様である。
【0310】
そして、主制御部10は、停止ボタン5が第2操作態様の他態様で操作され、第2停止態様の他態様で停止表示されたことに基づいて、疑似ボA1準備中のATパートから疑似ボA1に移行するように制御可能である。
【0311】
なお、左リール241aに関して、単独の紫7を停止するように目押し操作した態様は、遊技者が7図柄を狙って目押し操作したものの、操作タイミングを少し外したことにより、結果として、単独の紫7が停止するように操作された概念を含む。
また、第2操作態様の他態様は、押し順ナビについては、遊技者がナビ「右→左→中」に従うことに限定されず、「右→中→左」の順に操作されたことを含んでもよい。つまり、第2操作態様の他態様は、右1st操作であり、かつ、右リール241c、中リール241bについては7図柄を狙って目押し操作したものの、左リール241aについては7図柄ではなく単独の紫7が停止するように目押し操作した態様を含んでもよい。
【0312】
上記第2操作態様(
図81(C))、第2操作態様の他態様(
図81(D))で説明したように、主制御部10は、押し順ナビに従った操作を受け付けた場合に加えて、押し順ナビに従わない操作を受け付けた場合、目押しナビ(7図柄狙い)に一部従わない操作(単独の紫7狙い)を受け付けた場合にも、「特図」を停止表示することがあるように制御可能であり、また、疑似ボA1が開始されることを報知できる。
これにより、主制御部10は、ATパートに滞在中に共通1枚役1,2に当選したゲームにおいて、目押し操作が適正であれば、押し順が一部間違っていても、非ATパートに移行しないように制御し、疑似ボA1に移行可能に制御するので、遊技者の利益を確保でき、遊技者を救済できる。
【0313】
なお、
図81(C)、
図81(D)に示すように、第3リール停止操作後に、リール241が疑似ボA1とは関連性が小さい特図を表示した状態(つまり、疑似ボA1に対応付いた白7図柄が揃わない状態)でも、表示器8は、疑似ボA1が開始することを遊技者に分かりやすいように報知する報知画面を表示する。このため、本実施形態の遊技機は、遊技者が疑似ボA1に移行したことを気付かずに遊技してしまうことを抑制できる。
【0314】
(第3操作態様:
図81(E))
図81(E)に示すように、第3操作態様は、遊技者が目押しナビ「7図柄狙い」に従わずに停止ボタン5a,5b,5cを操作した操作態様である(
図81(E)に「×」で示す)。つまり、第3操作態様は、遊技者が目押しナビを無視等して、停止ボタン5を操作した態様である。なお、第3操作態様は、押し順ナビに関しては、報知に従って操作した場合、報知に従わずに操作した場合の両方を含む(
図81(E)に「〇又は×」と示す)。
このため、目押しナビに関しては、第3操作態様の遊技者が操作した停止ボタン5の操作態様と、目押しナビが報知する操作態様との差異の程度は、第2操作態様の遊技者が操作した停止ボタン5の操作態様と、目押しナビが報知する操作態様との差異の程度よりも大きい。
主制御部10は、停止ボタン5が第3操作態様で操作された場合に、共通1枚役-停止操作テーブル211cを参照することにより、複数の図柄を、特図とは異なる図柄の組み合わせであって、他1枚役に対応した図柄の組み合わせ(第1停止態様及び第2停止態様とは異なる第3停止態様)で停止表示する(
図81(E)参照)。
図81(E)に示すように、この停止態様は、停止ライン(右斜め下の有効ライン、中段ライン等)上に、7図柄が揃わないように停止表示した態様である。
【0315】
そして、主制御部10は、停止ボタン5が第3操作態様で操作され、他1枚役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたことに応じて、疑似ボA1準備中のATパートから、同じ疑似ボA1準備中の非ATパートに移行する。
図81(E)に示すように、この場合、表示器8は、第3リール停止操作後に、非ATパートに移行することを報知する報知画面を表示してもよい。
後述するように、非ATパートは、ベル役A1~A6に当選時において、押し順ナビが実行されないため、ATパートよりも不利な遊技状態である。
これにより、本実施形態の遊技機は、停止ボタン5の操作態様が、第1操作態様よりも大きく異なる態様である場合(差異の程度が第2操作態様よりも大きい場合)には、遊技者にペナルティを課すことができる。また、この場合、リール241は、他1枚役に対応した図柄の組み合わせが停止表示することにより、不利な遊技状態である非ATパートに移行することを、明確に報知できる。
【0316】
(非ATパート)
非ATパートは、非AT状態に制御される。非ATパートは、特図が停止表示されるまで継続する。つまり、疑似ボA1準備は、ATパートで特図を停止させることができない場合には、AT状態から非AT状態へと制御された状態で継続することになる。
このため、遊技者は、共通ベルA1、A2に当選したゲームではメダルを獲得できるが、押し順ベルA3~A6に当選したゲームでは、押し順ナビが実行されないため、基本的にはメダルを獲得できない。このため、非ATパートは、ATパートよりも遊技者にとって不利である。
【0317】
但し、非ATパートにおいて、共通1枚役1,2に当選したゲームでは、目押しナビ、押し順ナビを実行する。このため、遊技者は、上記第1操作態様、第2操作態様、第2操作態様の他態様で停止ボタン5を操作することにより、特図を揃えることができる。
特図が揃った場合には、ATパートと同様に、疑似ボA1に移行する。
一方、共通1枚役1,2に当選したゲームにおいて、上記第3操作態様で操作することにより特図が揃わなかった場合には、非ATパートが継続する。
【0318】
このように、疑似ボA1準備に滞在中は、共通1枚役1,2が当選した(特図停止タイミングが到来した)後にも、疑似ボA1準備が継続しまうと、遊技進行に応じて遊技者の持玉が減っていくことになる。このため、遊技者は、ATパート、非ATパートに滞在中には、共通1枚役1,2が当選したゲームで特図を停止させるように操作して疑似ボA1に移行することにより、遊技を有利に進めることができる。
【0319】
詳細な説明は、省略するが、主制御部10は、疑似ボA1準備(ATパート、非ATパートの両パート)に滞在中に共通1枚役1に当選したゲームでは、共通1枚役-停止操作テーブル211cを参照することにより、白7揃いに対応した操作態様の報知、つまり、白7狙いの目押しナビ、「右→中→左」の押し順ナビを実行する。主制御部10は、これらのナビに対応した第1操作態様、第2操作態様、第2操作態様の他態様、第3操作態様に関する処理を実行する。
【0320】
(疑似ボA1)
疑似ボA1は、ATステージへの移行をかけて遊技を行う疑似ボーナスである。
疑似ボA1は、第1パート、第2パート、第3パート(OPステージともいう)の3つの遊技状態を有する。疑似ボA1は、これらの全パートにおいて、AT状態に制御される。
【0321】
(第1パート)
第1パートは、疑似ボA1の開始時の遊技状態である。第1パートは、最低20G継続する。
主制御部10は、第1パートの1G目において、天井ptを決定するために天井pt決定処理を実行する。天井pt決定処理では、主制御部10は、天井pt抽選テーブル212aを参照することにより、天井ptを3、5、・・・、9ptのなかから抽選によって決定する。なお、天井pt決定処理は、他のタイミング(疑似ボA1準備の終了時等)に実行してもよい。
【0322】
主制御部10は、第1パートの各ゲームにおいて、昇格pt抽選テーブル212bを参照することにより、当選役に基づいて昇格pt抽選処理を実行する。
主制御部10は、第1パートにおけるpt(第2パートへの移行権利に関するポイント)を計数し、累計の昇格ptが天井ptに到達した場合(肯定の判定がなされた場合)に、第2パートへ移行する。一方、主制御部10は、第1パートに滞在中に、累計の昇格ptが天井ptに到達することなく(肯定の判定がなされることなく)、第1パートが終了した場合、疑似ボA1の第1パートから通常ステージに移行する。
【0323】
このように、主制御部10は、第1パートに滞在中に当選した昇格ptの累積値に基づいて、第1パートから第2パートに移行させるか否かに関する判定を実行可能である。
上記処理により、累計の昇格ptが天井ptに到達する前に第1パートの残りG数が0に到達した場合は、通常ステージへ移行することになるが、これに限定されず、第1パート終了時における天井pt数までの不足pt数や、昇格ptの累積値等に応じて、CZ2ステージ、第2パート、ATステージ等への移行抽選を行うようにしてもよい。
【0324】
なお、主制御部10は、第1パートの各ゲームにおいて、昇格pt抽選処理とは別に、上乗ゲーム数抽選テーブル212cを参照することにより、当選役に基づくG数上乗せ抽選処理を実行している。このため、累計ptが20G以内に天井ptに到達しなくても、第2パートへ移行するチャンスがある。
主制御部10は、同一ゲーム内において、このG数上乗せ抽選処理と、昇格pt抽選処理との両方を実行可能であるが、これに限定されない。例えば、これらの2つの抽選処理の順序を予め定めておき、一方の抽選処理で当選した場合には他方の抽選処理を実行しなくてもよく、また、一方の抽選処理で当選した場合のみ、他方の抽選処理を実行するようにしてもよい。
【0325】
(煽り演出)
図82は、第2実施形態の煽り演出を説明する図である。
副制御部20は、第1パートに滞在中には、各ゲームにおいて、煽り演出処理を実行する。副制御部20は、上記抽選処理によって決定された天井pt、現時点での累計の昇格pt等の情報を、適宜、主制御部10から送信される情報によって取得し、管理している。煽り演出処理では、各ゲームにおいて、これら天井pt、累計の昇格pt等に基づいて、
図79の煽り演出実行抽選テーブル215a~215cを参照することにより、煽り演出抽選処理を実行する。
図82に示すように、煽り演出は、接近中表示演出、超接近中表示演出の2種を有する。表示器8は、接近中表示演出を実行時には「接近中!」という文字を左右方向にスクロール表示し、また、超接近中表示演出を実行時には「超接近中!」という文字を左右方向にスクロール表示する。
煽り演出抽選処理では、天井ptまでの残りpt(3pt以上、2pt、1pt)に基づいて煽り演出実行抽選テーブル215a~215cの何れかを選択する。そして、選択したテーブルを参照することにより、現状の累計pt数に基づいて、「煽り演出を実行しない」、「接近中表示演出を実行する」、「超接近中表示演出を実行する」の何れかを抽選により決定する。
【0326】
煽り演出は、一旦開始された後には、以下の条件1~3の少なくとも1つが成立するまで継続されるが、他の条件が成立するまで継続されるようにしてもよい。
条件1:昇格ptを1pt以上獲得
条件2:5G経過
条件3:天井ptに到達
【0327】
なお、実施形態では、副制御部20は、煽り演出実行中には、煽り演出抽選処理を実行しないが、これに限定されず、煽り演出抽選処理を実行するようにしてもよい。
このように、煽り演出実行中に煽り演出抽選処理を実行する場合、条件1の成立時に煽り演出に再度当選するときがあり得る。このように、煽り演出に再度当選した場合には、実行中の煽り演出と再度当選した煽り演出とが同一種類であるか否かに関わらず、実行中の煽り演出をそのまま継続させてもよい。また、副制御部20は、両者が異なる場合、例えば、実行中の煽り演出が「接近中演出」であり、再度当選した煽り演出が「超接近中演出」である場合には、実行中の「接近中演出」を「超接近中演出」に切り替える際に、直ちに切り替えてもよいし、また、所定のインターバル(例えば、1ゲーム)をおいてから切り替えてもよい。さらに、副制御部20は、煽り演出に再度当選した場合は、次の昇格ptの獲得で第2パートに移行する場合のみ、煽り演出を継続してもよい。
【0328】
(第2パート)
第2パートは、第1パートの残りG数に対して5Gを加算したG数、継続する。第2パートは、第1パートとは異なり、G数上乗せ抽選処理が実行されず、つまり、ゲーム数を加算不可能に制御される。このため、第2パートは、遊技者にとって、緊張感のある遊技状態となる。
主制御部10は、第2パートに滞在中には、各ゲームにおいて、AT抽選テーブル212d(
図79参照)を参照することにより、当選役に基づいてAT移行抽選処理を実行する。
第2パートにおいて、このAT移行抽選処理に当選した場合、ATステージへの移行が確定し、第2パートから第3パートを介してATステージに移行する。このように、第2パートのATステージへの移行抽選は、第1パートから第2パートへの移行形態(複数のゲームを経て昇格ptを加算していくような形態)とは異なり、一遊技完結型の抽選である。
一方、主制御部10は、第2パートにおいて、AT移行抽選処理に当選しなかった場合は、CZ2ステージに移行する。後述するように、CZ2ステージは、ATステージへ移行する場合がある。このため、遊技者は、「折角、第1パート突破したのにATステージに移行しなかった」等といった喪失感を覚えるような場面でも、「しかし、移行後のCZ2ステージでも、ATステージに移行するチャンスがある」等と積極的に考えることができるので、このような喪失感を軽減でき、遊技意欲を維持できる。
【0329】
このように、主制御部10は、第2パートに滞在中の一のゲームにおいて、第2遊技状態への移行権利に当選したことに基づいて、第2遊技状態へ移行させるか否かの判定を実行可能である。そして、主制御部10は、肯定の判定がなされた場合、第2遊技状態に制御することが可能であり、一方、肯定の判定がなされることなく、第2パートが終了した場合、CZ2ステージに移行することが可能である。
【0330】
なお、第2パートにおいてAT移行抽選処理に当選しなかった場合には、第2パートの滞在ゲーム数に応じたAT移行抽選や、所定の確率(例えば1/10)で当選するAT移行抽選を実行してもよい。この場合には、第2パートにおいてAT移行抽選に当選しなかったときでも、ATステージへの移行可能性を有するように制御できる。
【0331】
(第3パート)
第3パートは、疑似ボA1の一遊技状態であるものの、ATステージへの移行が確定した状態であり、加えて、第3パートで獲得したジャッジレベルは、後述するようにATステージに移行後にも使用可能な特典でもある。このため、第3パートは、ATステージのOPステージ(オープニングステージ)としても位置付けられる。
第3パートの1G目では、5G、10Gの何れか決定する加算G数抽選処理(それぞれ1/2等の確率で当選)を実行する。第3パートは、第2パートの残りG数に対して加算G数抽選処理で決定した加算G数を加算したG数、継続する。なお、第3パートに滞在中の各ゲームでは、第2パートと同様に、G数の上乗せ抽選は実行されない。
【0332】
第3パートに滞在中の各ゲームでは、ジャッジレベルを加算するためのLV加算抽選処理(特典の付与に関する制御)を実行する。LV加算抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が100%、その他の役の当選時の当選確率が1%等である。ジャッジレベルは、第3パートに移行時の初期値がLV1であり、LV7に到達するとAT状態の継続が確定する。
なお、ジャッジレベルの初期値は、LV2以上でもよく、また、AT状態の継続が確定するジャッジレベルは、LV7以外でもよい。さらに、AT状態の継続が確定するジャッジレベルは、セット毎に抽選で決定してもよい。
【0333】
このように、疑似ボA1は、第1パート、第2パート等の遊技状態を有し、第1パートに滞在中には、複数の遊技に亘って抽選を行って累積ポイントを増やしていく遊技性を有し、一方、第2パートに滞在中には一遊技完結型の抽選を実行する遊技性を有する。このため、疑似ボA1は、パート毎に異なる遊技性を持つことができる。
また、第1パートは、ゲーム数の加算が可能であるので、第1パートから第2パートに移行しやすい。一方で、第2パートは、ゲーム数の加算が不可能であるので、疑似ボA1からATステージ(第3パートを介したATステージ)に移行可能なゲーム数が制限される。このため、疑似ボA1は、遊技が進むに従って、つまり、第1パートから第2パートに移行するに従って、緊張感が高まるといった遊技を実現できる。
【0334】
さらに、第1パート、第2パートは、終了時の態様に応じて、各パートから移行先が異なる。つまり、第1パートからは、第2パート又は通常ステージに移行し、一方、第2パートからは、第3パートを介してATステージするか、又はCZ2ステージに移行する。これにより、疑似ボA1からの遊技状態の遷移を多様にできる。
また、第1パートから第2パートに移行することにより、ATステージの移行確率が向上する。さらに、第2パートでATステージへの移行が確定しなかった場合でも、CZ2ステージへ移行する(つまり、第1パートよりも第2パートの方がCZ2ステージへの移行確率が高く、移行期待度が高い)。
このため、疑似ボA1に滞在中にAT移行抽選に当選しなかった場合には、疑似ボA1終了時点でATステージへの当選確率が高いとき程(惜しければ惜しい程)、CZ2ステージへの移行確率が高くなる。CZ2ステージは、ATステージに移行する可能性を有する。このため、ATステージへの移行抽選に後一歩で当選する状況で、疑似ボA1が終了してしまった場合に、遊技者が不満を感じてしまうことを低減できる。
【0335】
また、第3パートは、将来移行するATステージで使用可能な特典を獲得できるチャンスであるので、消化ゲームが単に進行される遊技状態ではない。このため、第3パートの遊技の興趣を向上できる。
【0336】
(CZ2ステージ)
前述したように、疑似ボA1の第2パートは、AT移行抽選処理に当選することなく終了したことに応じて、CZ2ステージに移行する。なお、有利区間開始時(つまり、非有利区間終了時)に、CZ2ステージに移行するようにしてもよい。
CZ2ステージは、非AT状態に制御されるが、これに限定されない。例えば、CZ2ステージは、一部AT状態又はAT状態に制御されてもよく、また、押し順ベル役等に当選時において、所定の当選確率(例えば1/20)で一部AT状態又はAT状態に制御されてもよい。
【0337】
CZ2ステージは、5Gを1セットとして構成され、1セット突破する毎に5ゲームが再セットされる遊技状態であり、いわゆるSTタイプのCZステージである。1セットの突破条件は、その5G中に所定役(例えば、共通1枚役、弱チェリー、スイカ、チャンス目、強チェリーの何れか)が当選することである。CZ2ステージに滞在中に5セットを突破することを条件として、CZ2ステージからATステージの準備ステージへの移行が確定する。
なお、実施形態では、1度に1セットを突破する仕様であるが、1度に2セット以上を突破するようにしてもよい。また、残ゲーム数は、リプレイ役に当選時には、減算されないが、減算されてもよく、又は加算されてもよい。
【0338】
このように、疑似ボA1の第2パートから移行したCZ2ステージで、ATステージへ移行する可能性を有するため、「第1パート→第2パート→CZ2ステージ→通常→・・・第1パート」のようにループしてしまう状況を回避できる。
【0339】
(疑似ボA2準備→疑似ボA2→ATステージ)
疑似ボA2準備以降の遊技の流れについて説明する。
(疑似ボA2準備)
前述したように、CZ1ステージ滞在中に疑似ボ準備への移行抽選に当選後、種別抽選で疑似ボA2準備に当選したことに基づいて、疑似ボA2準備に移行する。なお、この抽選で疑似ボA2準備に当選したことによって、疑似ボA2準備及び疑似ボA2を介してATステージへ移行することが確定する。
疑似ボA2準備に滞在中の制御は、詳細な説明を省略するが、疑似ボA1準備とほぼ同様に制御され、つまり、ATパート、非ATパート等の遊技状態を有する。疑似ボA2準備は、特図が停止するまで継続する。
疑似ボA2準備滞在中のゲームにおいて、共通1枚役1,2が当選し、第1操作態様、第2操作態様、第2操作態様の他態様で操作されたことにより、特図が停止表示された場合には、疑似ボA2に移行する。
【0340】
なお、実施形態では、疑似ボA1準備及び疑似ボA2準備が個別の遊技状態である例を示したが、これに限定されず、一つの疑似ボ準備を設け、当該疑似ボ準備から疑似ボA1又は疑似ボA2に移行するように制御してもよい。
【0341】
(疑似ボA2)
疑似ボA2は、AT状態に制御され、30G継続する。
疑似ボA2は、いわゆるEPB(エピソードボーナス)であり、30Gを消化することに応じてATステージに移行する。この場合、疑似ボA2からATステージに直接移行してもよく、また、疑似ボA2から他の遊技状態(例えば上記第3パート)を介してATステージに移行してもよい。
【0342】
(CZ3ステージ→ATステージ)
前述したように、通常ステージ滞在中に、CZ3ステージへの移行抽選処理で当選したことに基づいて、通常ステージからCZ3ステージに移行する。
CZ3ステージ中の各ゲームは、CZ1ステージと同様に、非AT状態に制御されるが、所定の確率(例えば1/10等)で、一部AT状態又はAT状態に制御されるようにしてもよい。
CZ3ステージは、最低10G継続する遊技状態である。なお、主制御部10は、CZ3ステージに移行時や、CZ3ステージ滞在中のレア役に当選したゲームにおいて、CZ3ステージのゲーム数の上乗せ抽選等を実行してもよい。
主制御部10は、CZ3ステージの各ゲームでは、ATステージへの移行抽選を実行するか否かの抽選を実行している。そして、主制御部10は、この抽選に当選することにより、ATステージへの移行抽選を実行する。
【0343】
CZ3ステージに滞在中に、ATステージへの移行抽選に当選した場合には、CZ3ステージのゲーム数を消化後に、ATステージへ移行する。一方、CZ3ステージに滞在中にATステージへの移行抽選に非当選であった場合、つまり、ATステージへの移行抽選に当選することなくCZ3ステージのゲーム数を消化した場合には、通常ステージに移行する。
なお、各種抽選処理の当選率は、CZ3ステージからATステージの移行確率が例えば1/3等と高確率になるように、設定されていてもよい。
【0344】
(ATステージ)
図75に示すように、ATステージは、準備ステージ、MS(第1実施形態の通常ATステージに相当)、疑似ボB、バトル準備ステージ、バトルステージ、待機ステージ、特化ステージの遊技状態を有する。
【0345】
(準備ステージ:味方キャラ決定ゾーン)
図83は、第2実施形態の味方キャラ決定画面251を示す図である。
準備ステージは、疑似ボA1,CZ2ステージ、CZ3ステージ等からATステージへの移行時において、最初に開始される遊技状態である。準備ステージは、AT状態に制御される。準備ステージは、2G以上継続する。
【0346】
主制御部10は、準備ステージ滞在中の2G目以降のベル役A1~A6当選時において、味方キャラ決定処理を実行する。味方キャラ決定処理は、ATステージ進行時に設定される味方キャラの種別を決定する処理である。主制御部10は、ATステージに滞在中の各種抽選処理等では、味方キャラの種別に応じた制御を実行する。
【0347】
図83に示すように、主制御部10は、味方キャラ決定処理では、味方キャラ決定画面251を表示器8に表示する。
味方キャラ決定画面251は、それぞれ味方キャラA~Cを左から右側に向けて表示する。また、各押し順ナビ(数字1~3の表示)を、味方キャラA~Cの表示領域に重ねて表示する。
そして、ベル役A1~A6当選時において、押し順ナビの1stナビに応じた味方キャラを決定する。
例えば、
図83の味方キャラ決定画面251は、共通ベル役A1に当選時の例である。押し順ナビは、左から右側に向けて、数字1,2,3の順に表示されているため、数字1は、味方キャラAに重ねて表示されている。この場面で、遊技者が1stナビに従って左停止ボタン5aを操作すると、主制御部10は、この操作を受け付けて、味方キャラとして味方キャラAを決定する。
【0348】
このように、ATステージにおいて設定される味方キャラと、各ベル役の1stナビとが以下のように対応付いているので、主制御部10は、ベル役A1~A6の当選時において、それぞれ押し順ナビの1stナビに応じた味方キャラを決定する。
ベルA1又はA2(左1stナビ):味方キャラA
ベルA3又はA4(中1stナビ):味方キャラB
ベルA5又はA6(右1stナビ):味方キャラC
主制御部10は、味方キャラを決定したことに応じて、準備ステージからMSに移行する。
【0349】
(MS(メインステージ))
MSは、最低20G継続する遊技状態である。MSは、一部AT状態(ベル役当選時に1stナビのみ実行)に制御される。
なお、後述するように、MSの滞在ゲーム数は、疑似ボBに滞在中に上乗せ抽選処理の結果に応じて、上乗せされる。
主制御部10は、MSでゲームが実行される毎に残ゲーム数を1Gずつ減らすことにより、MSの遊技の進行に応じて変動し得る残ゲーム数(変動値)を管理する。
【0350】
MSは、疑似ボBへ高確率で移行する遊技状態である。
レア役当選時の疑似ボBへの移行抽選の当選確率は、100%である。
また、主制御部10は、押し順ベル取りこぼし目停止時、及び共通1枚役当選時には、疑似ボB移行抽選テーブル213aを参照することにより、疑似ボB移行抽選処理を実行する。
【0351】
図80に示すように、疑似ボB移行抽選テーブル213aは、味方キャラA~Cと、当選確率とを対応付けて記憶している。また、各味方キャラA~Cは、それぞれ低、中、高、超高の当選確率を記憶している。
疑似ボB移行抽選テーブル213aは、遊技者にとって、味方キャラAが最も不利であり、また、味方キャラCが最も有利に設定されている。つまり、低、中、高の当選確率は、味方キャラAが最も低く、味方キャラAが最も高い。なお、超高の当選確率は、味方キャラA~Cで同値(1/2.1)である。
【0352】
主制御部10は、MS移行時には、当選確率を初期値である低に設定し、ポイント目又はレアpt目が停止表示される毎に、中→高→超高の順に1段階ずつ向上するように制御する。また、主制御部10は、当選確率を、ポイント目又はレアpt目以外の出目が停止表示されることに基づいて、初期値である低に再設定するように制御する。
なお、押し順ベルこぼし及び共通1枚役の当選が5回連続した場合(なお、超高においては、2回押し順ベルこぼし又は共通1枚役が発生)、又はレア役に当選した場合に、疑似ボBへの移行抽選に当選するが、当選確率は、この移行抽選に当選後にも低に再設定される。
【0353】
主制御部10は、MS滞在中に疑似ボB移行抽選に当選したことに応じて、MS滞在の滞在ゲーム数のカウントダウン(減算処理)を一時停止して、疑似ボBに移行する。また、主制御部10は、MSの滞在ゲーム数を消化したこと(残ゲーム数がゼロ(終了値)に到達したこと)に応じて、MSを終了してバトル準備ステージに移行する。
【0354】
(疑似ボB移行にともなうジャッジレベルのレベルアップ)
主制御部10は、MSから疑似ボBに移行することに応じて、ジャッジレベルをLV1、加算する。
ジャッジレベルは、ATステージの各種処理において参照されるパラメータであり、LV値が高い程、遊技者にとって有利である。このため、MSから疑似ボBへの移行回数が多い程、ジャッジレベルが高くなり、ATステージは、遊技者に有利に進む。後述するように、ジャッジレベルの初期値はLV1であり、また、ジャッジレベルの最高値はLV7である。
【0355】
(疑似ボB:CB(チャンスボーナス))
疑似ボBは、8G継続する疑似ボーナスである。疑似ボBに滞在中は、AT状態に制御される。
【0356】
疑似ボB移行時において、ジャッジレベルがLV7に到達していた場合には、ATステージの継続が確定する。前述したようにMSから疑似ボBに移行する毎にジャッジレベルがLV1上昇するため、1回のMS滞在中に、疑似ボBに6回移行した場合には、ジャッジレベルがLV7に到達する。この場合には、ATステージの継続が確定する。この場合には、疑似ボBの滞在ゲーム数消化に応じて、バトル準備ステージに移行する。
一方、疑似ボB移行時において、ジャッジレベルがLV7に到達していない場合には、疑似ボBの滞在ゲーム数消化に応じて、MSに復帰する。
【0357】
(疑似ボBからMS復帰時のゲーム数上乗せ抽選処理)
主制御部10は、疑似ボBからMSに復帰(移行)する場合には、疑似ボBの最終ゲームにおいて、MSゲーム数上乗抽選テーブル213bを参照することにより、ゲーム数上乗せ抽選処理を実行して、上乗せゲーム数を決定する。ゲーム数上乗せ抽選処理の結果に応じたゲーム数が、疑似ボB移行前のMSの残ゲーム数に上乗せされる。
図80に示すように、MSゲーム数上乗抽選テーブル213bは、上乗せゲーム数を、1、4、・・・、20Gのなかから抽選可能なテーブルである。上乗せゲーム数は、最小1Gであり、最高20Gである。また、上乗せ1Gの当選確率が最も高く(192/256)、上乗せ11G及び20Gの当選確率が最も低い(1/256)。
【0358】
(疑似ボBからMS復帰時の上乗せ演出)
図84は、第2実施形態のMS復帰時の上乗せゲーム数表示演出を説明する図である。
図85は、第2実施形態のMS復帰時の巻き戻し演出を説明する図である。
前述したように、MSの上限ゲーム数は20Gである。このため、疑似ボB移行時におけるMSの残ゲーム数、ゲーム数上乗せ抽選処理の結果に応じて、上乗せ後のゲーム数(合算値)は、MSの上限ゲーム数20Gに到達しない場合(20G未満)、上限ゲーム数20Gに到達した場合(20G以上の場合)の2つの場合がある。
以下説明するように、副制御部20は、上乗せゲーム数が決定された結果、上乗せ後のゲーム数(合算ゲーム数ともいう)が20G未満である場合には上乗せゲーム数表示演出(第1加算演出)を実行し、上乗せ後のゲーム数が20G以上である場合には巻戻し演出(第2加算演出)を実行する。
上乗せゲーム数表示演出、巻戻し演出の流れを、表示器8の画面の遷移を参照しながら説明する。
【0359】
(上乗せゲーム数表示演出:
図84)
図84(A)は、MS滞在中に疑似ボB移行が当選した際の画面である。この場面では、MSの残ゲーム数は、16Gである。
84(B)は、疑似ボBの最終ゲーム終了時の画面である。この場面では、演出ボタン2cの操作を促すような情報を表示する。
図84(C)は、演出ボタン2cの操作後の画面である。この場面では、ゲーム数上乗せ抽選処理で決定した上乗せゲーム数を表示する。
図84(C)の例では、ゲーム数上乗せ抽選処理で決定した上乗せゲーム数3Gに対応して、「+3」と表示されている。つまり、副制御部20は、合算ゲーム数が19G(上限ゲーム数未満)であるため、上乗せゲーム数表示演出を実行しているわけである。
図84(D)は、上乗せゲーム数表示演出を実行後、MSの1G目の開始時に画面である。この場面では、19Gから今回ゲーム分の1Gが減算されて、残ゲーム数が18Gと表示されている。
【0360】
このように、疑似ボからMS復帰時のMSの残ゲーム数が、MSの上限ゲーム数未満である場合には、上乗せゲーム数表示演出を実行することにより、ゲーム数上乗せ抽選処理で決定した上乗せゲーム数を、直接的に報知し、遊技者に刺激を与えることができる。
【0361】
(巻戻し演出:
図85)
図85(A)は、
図84(A)と同様に、MS滞在中に疑似ボB移行が当選した際の画面であり、MSの残ゲーム数16Gの場面である。
図85(B)は、疑似ボBの最終ゲーム終了時の画面である。この場面では、
図84(B)とは異なり、演出ボタン2cに関する情報が表示されない。
図85(C)は、上乗せゲーム数表示演出を実行後、MSの1G目の開始時(スタートレバー操作時)の画面である。この場面では、「リスタート」と表示される。つまり、MSの滞在ゲーム数が上限値からの再度カウントダウンされることを示唆する画面が表示される。
図85(D)は、
図85(C)の表示に続いて表示される画面であって、例えば、20~30の範囲の数値を乱数で表示したり、カウントダウンで表示することにより、MSの滞在ゲーム数が上限値である20Gに巻き戻るようにする演出である。
【0362】
図85(E)は、
図85(D)の表示に続いて表示される画面であって、MSの滞在ゲーム数が上限値である20Gに設定されたことを報知する画面である。
つまり、副制御部20は、ゲーム数上乗せ抽選処理で決定した上乗せゲーム数が4G以上であったために、合算ゲーム数が20G以上(上限ゲーム数以上)であるため、巻き戻し演出を実行したわけである。
なお、副制御部20は、合算ゲーム数が20Gである場合、及び20Gを超える場合には、この上限ゲーム数である20Gを新たな残ゲーム数として管理する。このため、合算ゲーム数のうち上限ゲーム数を超える値については、一律に管理でき、個別の値に応じた個別管理が不要である。
【0363】
図85(F)は、巻戻し演出を実行後、MSの1G目の開始時に画面である。この場面では、20Gから今回ゲーム分の1Gが減算されて、残ゲーム数が19Gと表示されている。
【0364】
このように合算ゲーム数がMSの上限ゲーム数以上である場合に、上乗せゲーム数表示演出ではなく、巻戻し演出を実行する理由は、以下の通りである。
例えば、上乗せゲーム数が11Gである場合には、上乗せゲーム数と、MSの残ゲーム数16Gとの合算ゲーム数は、27Gとなる。しかし、MSの上限ゲーム数が20Gであるので、20Gを超えた7Gは、実行されない。このため、
図85(F)に示すように、MS復帰時の1G目には、残ゲーム数19Gと表示されることになる。
このような場合に、仮に、上乗せゲーム数表示演出を実行することにより上乗せゲーム数11Gをそのまま報知してしまえば(
図84(C)参照)、遊技者は、上乗せゲーム数11Gの表示と、疑似ボ移行前のMSの残ゲーム数16G(
図84(A)、
図85(A)参照)と、MS復帰時に1G目の残ゲーム数19G(
図85(F)参照)とに基づいて、20Gを超えた7Gについて実行されないことを察知できてしまう。この場合には、実行されない7Gについて、喪失感を遊技者に与える可能性があるといった問題がある。
【0365】
このような問題を解決するために、実施形態では、合算ゲーム数が20G以上である場合に、上乗せゲーム数表示演出ではなく、巻戻し演出を実行することにより、上乗せゲーム数を報知するのではなく、合算ゲーム数が上限ゲーム数に到達したことを報知している。また、20Gを超えた上乗せ分について、遊技者にわからないように演出し、遊技者に意識させないように制御している。
また、MS復帰時に、上乗せゲーム数表示演出、巻戻し演出の2種を選択的に実行するので、演出が単調にならずに、興趣を向上できる等といった作用、効果も奏する。
【0366】
(バトル準備ステージ:敵キャラ決定ゾーン)
バトル準備ステージは、2G以上継続する遊技状態である。バトル準備ステージは、AT状態に制御される。
主制御部10は、バトル準備ステージでは、敵キャラを決定するための敵キャラ抽選処理を実行する。上記味方キャラ抽選処理で決定した味方キャラと、敵キャラ抽選処理で決定した敵キャラとが、バトルステージに移行後に対戦する。
【0367】
敵キャラ抽選処理では、バトル準備ステージ移行後、2G目以降のベル役A1~A6の当選時に、押し順ベルの1stナビに応じた敵キャラを決定する。敵キャラ抽選処理では、パラメータとしてジャッジレベルが参照され、ジャッジレベルが高い程、遊技者にとって有利な敵キャラが選択されやすいように制御される。このため、MSから疑似ボBへの移行回数が多い程、ジャッジレベルが高くなり、遊技者にとって有利になる。
詳細な説明は省略するが、敵キャラ抽選処理は、例えば、味方キャラ抽選処理(
図83参照)と同様な演出等が実行される。
バトル準備ステージは、敵キャラ抽選処理によって敵キャラを決定した場合に終了し、バトルステージに移行する。
【0368】
(バトルステージ:ジャッジバトル)
バトルステージは、10G継続する遊技状態である。バトルステージは、AT状態に制御される。
主制御部10は、バトルステージにおいて、ATステージ継続抽選処理を実行する。なお、主制御部10は、ジャッジレベルがLV7に到達していた場合には、継続抽選を行わず、ATステージの継続を確定する。
ATステージ継続抽選処理は、敵キャラ抽選処理で決定した敵キャラによって、ATステージの継続率が異なるように制御される。つまり、ATステージ継続抽選処理では、敵キャラ抽選処理で決定した敵キャラが有利である程、ATステージの継続率が高くなるように制御される。
【0369】
このように、主制御部10は、MS開始前に決定した味方キャラと、MS終了後に決定した敵キャラとの組合せに基づいて、ATステージ継続抽選処理を実行する。主制御部10は、バトルステージに滞在中にATステージ継続抽選処理で継続が当選した場合には、バトルステージの滞在ゲーム数を消化後に、待機ステージ及び特化ステージの何れか1つに移行する。この場合、主制御部10は、高設定である程、特化ステージに移行しやすく制御したり、味方キャラの種別及び敵キャラの種別の組み合わせ等(第1実施形態参照)に応じて特化ステージに移行しやすく制御してもよい。
一方、主制御部10は、バトルステージに滞在中にATステージ継続抽選処理で継続が当選することなく、滞在ゲーム数を消化した場合には、エンディングに移行する。
【0370】
(待機ステージ:休憩ゾーン)
待機ステージは、5G継続する遊技状態である。待機ステージは、AT状態に制御される。待機ステージは、MS移行前に一時的に滞在する休憩ゾーンとして位置付けられる。
詳細な説明は省略するが、主制御部10は、待機ステージ滞在中において、各種抽選処理を実行することにより、ジャッジレベルを上昇させる処理を実行する。
待機ステージの滞在ゲーム数5Gを消化することに応じて、準備ステージに移行する。
【0371】
(特化ステージ:特化ゾーン)
特化ステージは、最低5G継続する遊技状態である。特化ステージは、AT状態に制御される。特化ステージは、1セットが5Gで構成され、所定の継続抽選に当選することにより、1セット終了後に次セットが継続する、いわゆるSTタイプの遊技状態である。
特化ステージは、待機ステージと同様に、各種抽選処理を実行することにより、ジャッジレベルを上昇させる処理を実行する。特化ステージは、継続可能な遊技状態であるので、ジャッジレベルが待機ステージよりも上昇しやすく、特化ゾーンとして位置付けられる。
特化ステージは、継続抽選に当選することなく1セット5Gを消化したこと、又はジャッジレベルがLV6に到達したことに応じて、準備ステージに移行する。
【0372】
(エンディング)
エンディングは、ATステージの終了後に、非有利状態へ移行する前に滞在する遊技状態である。エンディングは、第1実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
なお、ATステージの終了後の状態が、有利区間の終了条件に対して余裕がある場合(有利区間の消化ゲーム数又はメダル払い出し枚数が十分に少ない場合等)には、非有利状態ではなく、通常ステージに移行してもよい。
また、ATステージの終了後の状態が、このように有利区間の終了条件に対して余裕がある場合には、エンディングを介することなく、通常ステージに移行してもよい。
さらに、MS終了時の状態が、エンディング移行への所定条件を満たさない場合は、第1実施形態と同様に、基本的に通常ステージへ移行するようにしてもよい。
【0373】
(1)以上説明したように、本実施形態の遊技機は、疑似ボBからMS復帰時の上乗せ演出を、上乗せゲーム数表示演出、巻き戻し演出のなかから選択して実行するので、演出のバリエーションを増やして、演出効果を高めることができる。また、MSの上限ゲーム数を超える上乗せ分、即ち無駄になった上乗せ分を認識させないように演出できる。
これに対して従来のゲーム機(例えば特許文献1に記載の遊技機)は、上乗せ報知演出として、上乗せゲーム数を表示するのみであり、演出効果が期待できず、興趣を低下させる可能性があった。
【0374】
(2)また、本実施形態の疑似ボA1は、第1パートを突破すると第2パートへ移行し、さらに第2パートを突破するとATステージ移行が確定する。また、第1パートで疑似ボA1(特定遊技状態)が終了する場合よりも、第2パートで疑似ボA1が終了する場合の方が、CZ2ステージに移行する確率が高い。このため、疑似ボA1終了時点でATステージへの移行抽選に当選する確率が高い程、CZ2ステージへの移行確率が高くなるため、ATステージへの移行抽選に当選することなく疑似ボA1が終了した際にも、遊技者の遊技意欲を維持でき、不満を低減できる。
これに対して従来の遊技機(例えば特許文献2に記載の遊技機)は、特定の遊技状態おいて、ATステージ等への移行抽選に所定回数(7回等)当選しなかった場合、当該抽選で当選した回数に関わらず、その後の遊技状態に優劣がつかない。具体的には、上記抽選で1回しか当選せずに特定の遊技状態が終了した場合と、上記抽選で6回も当選して特定の遊技状態が終了した場合とで、その後に移行する遊技状態が同じであった。もう少しで移行抽選に当選する状況で特定の遊技状態が終了してしまった際に、遊技者の大きな不満を感じる可能性があった。
【0375】
(3)さらに、本実施形態の遊技機は、疑似ボA1準備に滞在中に、特図が停止表示されることにより、疑似ボA1に移行可能である。そして、共通1枚役の当選時において、第1停止操作態様、第2停止操作態様等の操作を受け付けた場合には、特図を停止表示可能である。一方、第3停止操作態様の操作を受け付けた場合には、他の1枚役に対応した図柄の組み合わせ(非特図)を停止表示可能であり、かつ、疑似ボA1準備が継続するよう制御可能である。これにより、例えば、遊技者が、誤った停止操作をしてしまった場合等、つまり、押し順ナビとは一部異なる操作態様で停止操作をしてしまった場合等でも、遊技状態を進行できる。これによって、遊技者が誤操作をした場合等でも遊技者を救済でき、遊技者がストレスを感じてしまうことを防止できる。
これに対して従来の遊技機(例えば特許文献3に記載の遊技機)は、有利な遊技状態への準備状態において特定役に当選した場合に、誤った停止操作により所定図柄の組合せが停止表示されないことにより、準備状態が継続してしまう可能性がある。このように、誤った停止操作により準備状態が継続してしまうと、遊技が進行しないことに起因して、遊技者がストレスを感じてしまう可能性があった。
【0376】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、準備ステージの2ゲーム目以降に味方キャラクタを決定し、その後、バトル準備ステージの2ゲーム目以降に敵キャラクタを決定するようにしているが、これに限らず、準備ステージで敵キャラクタを決定し、その後、バトル準備ステージで味方キャラクタを決定してもよい。
【0377】
また、味方キャラクタA~Cと敵キャラクタA~Cの関連性(相性)を予め設定してもよく、関連のあるキャラクタ同士が選択された場合には、バトル突破抽選の当選確率を高くしてもよく、又は、当選特典として有利な特典が付与される確率を高くしてもよく、その双方としてもよい。
また、味方キャラクタA~Cと特殊味方キャラクタA~Cをそれぞれ関連付けてもよい。例えば、特殊味方キャラクタA~Cは、味方キャラクタA~Cそれぞれの変身後のキャラクタである等の関連付けをし、特殊味方キャラクタA~Cが選択された方が、有利であることを認識可能にしてもよい。
これにより、キャラクタの選択に注目を集めることができ、興趣性を向上させることが可能となる。
【0378】
また、3体目のキャラクタを決定してもよい。例えば、バトルステージの突入までに、押し順ベル役の当選を契機として、遊技者の停止操作によって決定し、3体目のキャラクタとして味方キャラクタが選択された場合には、バトル突破抽選の当選確率を高くしてもよく又は当選特典として特化ステージA以外が選択される確率を高くしてもよく、その双方としてもよい。
3体目のキャラクタとして敵キャラクタが選択された場合には、その反対に、バトル突破抽選の当選確率を低くしてもよく又は当選特典として特化ステージAが選択される確率を高くしてもよく、その双方としてもよい。
【0379】
また、実施形態では、遊技者による1の停止操作態様に対して1のキャラクタが割り振られる場合で説明したが、これに限らず、2以上の停止操作態様に対して1のキャラクタが割り振られるようにしてもよい。
【0380】
また、実施形態では、通常ATステージにおいて1枚の払い出しが連続して所定回数発生した場合には、付与する特典として、高確率状態への制御、高確ゲーム数の付与として説明したが、これに限らず、擬似ボーナスBへの移行やセットストックの付与等であってもよく、他の特典でもよい。
【0381】
また、実施形態では、遊技者にとって有利な遊技状態(擬似ボーナスA、ATステージ又は擬似ボーナスB)への移行する場合には、遊技者の期待感を高めるために、各遊技状態へ移行する前に所定ゲーム数の前兆演出を実行してもよい。なお、前兆演出は、その他の遊技状態(前兆状態でない状態)と演出内容が変化したことを遊技者が認識でき、期待感を高めるものであれば何れでもよい。
また、前兆演出には、各遊技状態の移行抽選に当選した場合の本前兆演出と、当選しなかった場合のフェイク前兆演出とが設定されていて、本前兆演出が実行された場合には、最終的に各遊技状態へ移行することが報知され、フェイク前兆演出が実行された場合には、最終的に各遊技状態へ移行しないことが報知されるようにしてもよい。
【0382】
また、実施形態では、AT状態を管理可能な値としてゲーム数としているが、これに限らず、例えば、差枚数、ベルナビ回数、小役当選回数、メダルの獲得枚数、メダルの払出枚数等とすることもできる。
【0383】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、各演出中の所定の時期に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、各演出中の所定の時期に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0384】
また、各処理において参照するテーブルは、一例であり、前述したテーブルにのみ限定されるものではない。
また、各種テーブルに係る当選確率は、前述した数値に限らず、任意の数値に設定することができる。
【0385】
また、実施形態では、遊技状態制御手段などの各種手段としての動作を主制御部10が行ったが、副制御部20がその一部又は全部を行い、副制御部20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御部20が表示器8等において演出を実行する演出制御手段などの各種手段としての動作を行ったが、主制御部10がその一部又は全部を行い、主制御部10が各種手段として動作することもできる。
【0386】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ機など、その他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【0387】
また、実施形態では、可変表示手段としてモータにより駆動制御されるリール41を用いたが、これに代えて又はこれに加えて、液晶表示器などの表示器8にリール等の図柄が変動する画像を表示させることにより、表示器を識別情報の可変表示手段として用いることもできる。
【0388】
さらに、実施形態の遊技機は、以下のように変形してもよい。
(1)実施形態において、主制御部は、疑似ボA1準備に滞在中に共通1枚役に当選したゲームにおいて、目押し操作が正確であれば、押し順が一部間違っていても、特図を停止することがあるように制御する例を示したが、これに限定されない。
主制御部は、例えば、疑似ボA1準備(第1遊技状態)に滞在中に、共通1枚役に当選し押し順ナビ(特定操作順報知)、目押しナビ(停止識別情報報知)が実行されたゲームにおいて、押し順が正確であれば、目押し操作が一部間違っていても、特図を停止することがあるように制御してもよい。この場合、主制御部は、以下のように制御してもよい。
主制御部は、第1操作態様として、停止ボタンを、目押しナビ(停止識別情報報知)の報知に従って操作し、かつ、押し順ナビ(特定操作順報知手段)の報知に従って操作された場合には、特図(第1停止態様)を停止表示してもよい。
主制御部は、第2操作態様として、停止ボタンを、目押しナビの報知に従わずに操作し、かつ、押し順ナビの報知に従って操作された場合には、特図(第2停止態様)を停止表示してもよい。
主制御部は、第3操作態様として、停止ボタンを、目押しナビの報知に従わずに操作し、かつ、押し順ナビの報知に従わずに操作された場合には、他1枚役に対応した図柄の組み合わせ(第1停止態様及び第2停止態様とは異なる第3停止態様)で停止表示してもよい。
【0389】
主制御部は、これらの場合にも、実施形態と同様な作用、効果(遊技者の停止操作が一部誤った場合等でも遊技者を救済可能等)を奏する。
【0390】
(2)実施形態において、AT状態は、ベル役当選時において、押し順ナビが実行されるように制御される状態である例を示したが、これに限定されない。AT状態は、当選役に対応した図柄を報知し小役を獲得可能な目押し型のATを含んでもよい。
目押し型のATとしては、例えば、図柄を報知する色押しナビ(色ナビ)等を実行してもよい。この場合には、押し順に関係無く、特定のリールに対して当選役に対応した図柄(白7図柄、紫7図柄、BAR図柄等)の種類を報知してもよい。この場合には、遊技者は、報知された図柄の色(白、紫、黒)を目安に目押しを行うことで、当選役を入賞させることができる。なお、図柄を報知するのではなく、色のみを報知してもよい。
【0391】
(3)実施形態において、遊技機は、純増可変型AT機(いわゆる疑似A+AT機)であるの例を示したが、これに限定されない。遊技機は、例えば、A+AT機でもよく、A+ART機でもよく、ART機又はAT機でもよい。
また、実施形態の遊技機は、AT中において、押し順ベル役当選時に1stナビのみ実行する一部AT状態と、押し順ベル役当選時に全ナビを実行するAT状態が混在することにより、疑似A+AT機を実現しているが、これに限定されない。遊技機は、例えば、一部又は全ての一部AT状態をAT状態としてもよく、一部は全てのAT状態を一部AT状態としてもよい。
さらに、一部AT状態は、押し順ベル役当選時において、例えば50%当選する抽選により全ナビ及び又は一部ナビを実行するかどうかを決定することで実現してもよく、予め定められた順序で、全ナビ実行及び全ナビ非実行を切り替えることで実現してもよい。
また、有利区間上限ゲーム数は、仕様等に応じて適宜変更でき、例えば4000G等であるが、これより多くても少なくてもよく、上限が無くてもよい。同様に、有利区間上限差枚数は、+2400枚であるが、これより多くても少なくてもよいし、上限が無くてもよい。また、有利区間上限差枚数は、差枚数ではなくMYで管理してもよい。
【0392】
(4)実施形態において、遊技機は、基本的に、ボーナス持越し中に遊技を行うことを想定しているが、ボーナス非持越し中に遊技を行うようにしてもよい。
【0393】
(5)実施形態の遊技機は、通常時には、左1st操作をされない場合、ペナルティとして、当該ゲームにおいてATステージ移行に関する抽選を実行しないが、これに限定されない。遊技機は、左1st操作をされない場合であって、押し順ベル役が入賞する場合以外は、ATステージ移行に関する抽選を実行するようにしてもよい。
なお、遊技機は、通常時に左1st操作をされない場合に、推奨される押し順の推奨情報(特定情報)を報知することで、遊技者がペナルティを受けてしまうことを抑制してもよい。推奨情報は、例えば、押し順ナビのような番号表示等を表示器に表示したものでもよい。
【0394】
なお、このような推奨情報を長期間表示してしまうと、遊技者が遊技台を選ぶ際に不利に働く可能性があるため、店舗(遊技場)にとって不利益になる可能性がある。このため、遊技機は、推奨情報を以下のタイミングで消去し、報知期間を短期間にして、店舗の利益を確保できるようにしてもよい。
・遊技終了後の所定時間経過後に表示されるアドバタイズが表示されたタイミング
遊技終了後、次ゲームのためのメダルをBETした場合、次ゲームが開始するまで推奨情報が表示される。しかし、精算等によりBETをクリア後、所定時間経過後にアドバタイズに移行するために、これに応じて推奨情報が消去されることになる。
また、クレジットを精算等することで、メダルのBET数のみならず、クレジットをクリアすれば、その直後にアドバタイズに移行し、これに応じて推奨情報が消去されることになる。
・次ゲームの遊技が開始されたタイミング
【0395】
(6)実施形態において、誤った押し順で停止操作された場合に、特図が停止可能に制御される遊技状態は、疑似ボ準備中である例を示したが、これに限定されない。他の遊技状態(例えば、ATステージ移行前のAT準備状態や、特化ステージ移行前の特化ステージ準備状態、CZステージ移行前のCZ準備状態等)においても、同様に制御されてもよい。
また、遊技者に不利な遊技状態(例えば、非AT状態)において、特図が停止表示された場合にも、有利な遊技状態(例えばATステージ)に移行しないようにしてもよい。
この場合には、疑似ボA1のATパートに滞在中に、目押しナビ等に従たなかったことにより非ATパートに移行した場合には、ATステージステージへの移行機会がなくなることになる。これにより、目押しナビ等に従たなかったことに起因して、より厳格なペナルティを遊技者に与えることができる。
【0396】
(7)実施形態において、右1st操作を受け付けた場合のみ、特図が停止され得る例を示したが、これに限定されない。共通1枚役当選時に中1st操作、左1st操作を受け付けた場合(つまり、右停止ボタン以外の停止ボタンが最初に停止操作された場合)に、特図が停止されるようにしてもよい。
【0397】
(8)実施形態において、特図は、3つの図柄の特定の組み合わせである例を示したが、これに限定されない。特図は、例えば、有効ライン上に一又は二以上の特定の図柄(白7図柄等)が停止表示されたこととしてもよい。
【0398】
(9)実施形態において、疑似ボ準備中に共通1枚役当選時に特図が停止表示されない場合に、次の遊技状態(疑似ボ)に移行しない例を示したが、これに限定されない。例えば、共通1枚役に当選し、特図を停止できないゲームが所定回数(例えば3回)となった場合に、強制的に次の遊技状態に移行してもよい。
この場合、疑似遊技で特図に対応する図柄組合せを停止させるように制御すれば、遊技者に違和感を与えることがない。
【0399】
(10)実施形態において、押し順ナビに従わない停止操作を受け付けて、特図を停止表示した場合(例えば、
図81(C)の場合)には、押し順ナビに従って停止操作を受け付けることにより本来停止する特図(白7揃い)を、所定の報知態様(音、ランプ、各種表示装置等)で報知してもよい。
【0400】
(11)実施形態において、1回又は複数回における疑似ボ準備中の遊技回数や、特図停止の失敗回数に応じて、特図の種類を減らす又は増やすようにしてもよい。
(12)実施形態において、特図を停止するための押し順とは異なる停止操作態様(例えば、押し順ナビ「右→左→中(逆はさみ)」とは異なる「左→右→中(順はさみ)」の停止操作態様等)を受け付けた場合に、特図が必ず停止表示されるようにしてもよい。
【0401】
(13)実施形態において、疑似ボA1の第1パートに滞在中には、第2パートを介して第3パートに移行可能である例を示したが、これに限定されない。例えば、第1パートに滞在中に所定の役(例えば「リプレイ2」)が当選した場合には、第3パートに直接移行可能に制御してもよい。第1パートから第3パートに直接移行した場合には、第2パートに移行した場合に付与される5Gは付与してもしなくてもよい。
さらに、疑似ボA1のパート数を3パート以上に増やして、3パート以上突破したことを条件に、ATへ移行するようにしてもよい。
【0402】
さらに、疑似ボA1に滞在中の制御は、適宜変更、設定できる。例えば、仕様等に応じて、以下のように設定してもよい。
・第1パート→通常ステージの移行確率が100%
・第2パート→CZ2ステージの移行確率が100%
・第1パート→通常ステージの移行確率が90%、かつ、第1パート→CZ2ステージの移行確率が10%
・第2パート→通常の移行確率が10%、かつ、第2パート→CZ2ステージの移行確率が90%
【0403】
(14)実施形態において、特図が停止表示されたことに応じて、遊技状態が疑似ボ準備から疑似ボに移行可能である例を示したが、これに限定されない。遊技機の仕様等に応じて、特図が停止表示されたことに応じて移行可能な遊技状態は、適宜変更できる。例えば、ATステージ滞在中に特図が停止表示されことに応じて、特化ステージに移行可能に制御してもよい。
【0404】
(15)実施形態において、AT移行抽選に当選することなく疑似ボA1の第2パートが終了した場合には、CZ2ステージに移行する例を示したが、これに限定されず、他の遊技状態(通常ステージ等)に移行してもよい。
【0405】
(16)実施形態において、疑似ボからMS復帰時に合算ゲーム数(MSの残ゲーム数と上乗せゲーム数との和)が20G以上である場合には、巻戻し演出を実行される例を示したが、これに限定されない。例えば、合算ゲーム数が丁度20Gである場合には、上乗せゲーム数表示演出を実行するようにしてもよい。
この場合には、副制御部は、例えば、高設定である程、上乗せゲーム数表示演出が実行される確率を高くなるように制御することにより(設定1~3では巻き戻し演出が60%、上乗せゲーム数表示演出が40%、設定4~6では巻き戻し演出が40%、上乗せゲーム数表示演出が60%等)、設定示唆を行うようにしてもよい。
【0406】
(17)実施形態において、MS復帰時の上乗せ演出は、2種(上乗せゲーム数表示演出、巻き戻し演出)である例を示したが、これに限定されない。これら以外の上乗せ演出(例えば、残ゲーム数をカウントアップ表示する演出等)があってもよい。
また、演出条件とは矛盾した演出(合算ゲーム数が20G以上であるのに上乗せゲーム数表示演出を実行する、合算ゲーム数が20G未満であるのに巻き戻し演出を実行する等)を実行してもよい。
さらに、疑似ボBから復帰時のMSを、巻き戻し演出の実行後のみ、又は上乗せゲーム数表示演出実行後よりも巻き戻し演出の実行後の方が高い確率で、一部AT状態ではなく、AT状態に制御するようにしてもよい。
【0407】
(18)実施形態において、MSの滞在期間は、ゲーム数によって管理される例を示したが、これに限定されない。MSの滞在期間は、例えば、差枚数、払出数、特定小役(押し順ベル役等)の当選回数等で管理されるようにしてもよい。また、疑似ボBからMSに復帰時において、上乗せゲーム数を報知する演出に代えて、これら差枚数、払出数、特定小役に関する報知を実行してもよい。
【0408】
(19)実施形態において、各種抽選を実行する契機は、仕様等に応じて適宜変更してもよい。例えば、疑似ボA1の第1パートに滞在中の昇格pt抽選処理等は、押し順ベルA3~A6のこぼし目停止時(ポイント目停止時)等にも実行するようにしてもよい。
【0409】
(20)実施形態において、共通ベルA1、A2は、押順不問役としたが、共通ベルA1を左→中→右の操作で所定数(例えば9枚)の払出しが発生し、その他の押し順では取りこぼしが発生する押し順ベルA1とし、共通ベルA2を左→右→中の操作で所定数(例えば9枚)の払出しが発生し、その他の押し順では取りこぼしが発生する押し順ベルA2としてもよい。また、押し順ベルA1、A2の当選時には、共通ベルA1、A2の当選時の代わりに、各種処理(共通1枚役当選時の処理、味方キャラ決定処理、敵キャラ抽選処理等)を実行してもよい。また、共通ベルA1、A2と上記押し順ベルA1、A2の双方が当選可能となるように内部抽選を実行し、押し順ベルA1、A2の当選時には、共通ベルA1、A2の当選時の代わりに、上記各種処理を実行し、共通ベルA1、A2の当選時には上記各種処理を実行しないようにしてもよい。
【0410】
なお、上記実施形態、変形形態は、以下の形態を含む。
(1)一遊技状態(通常ステージ等)よりも遊技者に有利な特定遊技状態(MS)に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態において、遊技の進行に応じて変動し得る変動値(MSの残ゲーム数)を管理する管理手段(主制御部10)と、
前記管理手段に管理される変動値に加算する加算値(上乗せゲーム数)を決定可能な決定手段(主制御部10)と、
前記決定手段により加算値が決定された場合に、加算演出を実行可能な演出実行手段(副制御部20)と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記管理手段に管理される変動値が終了値(残ゲーム数が0G)に到達した場合、前記特定遊技状態を終了させることが可能であり、
前記演出実行手段は、
前記管理手段に管理される変動値と前記決定手段により決定された加算値との合算値が、特別値(MSの上限ゲーム数)に到達しない場合、前記加算演出として第1加算演出(上乗せゲーム数表示演出)を実行可能であり、
前記管理手段に管理される変動値と前記決定手段により決定された加算値との合算値が、前記特別値に到達する場合、前記加算演出として第2加算演出(巻き戻し演出)を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
(2)前記管理手段は、
前記合算値が前記特別値を超える場合、当該特別値を新たな変動値として管理可能である
ことを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記演出実行手段は、
前記第1加算演出の実行時には、前記決定手段により決定された加算値を表示可能であり、
前記第2加算演出の実行時には、前記特別値を表示可能である
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記第2加算演出の実行時には、前記決定手段により決定された加算値を表示しない
ことを特徴とする(3)に記載の遊技機。
(5)前記特別値は、
前記特定遊技状態で遊技可能なゲーム数の上限値であり、
前記変動値は、
前記特定遊技状態でゲームが実行される毎に、前記特別値から減算することにより算出可能である
ことを特徴とする(2)に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0411】
1 スロットマシン
5 停止ボタン
8 表示器
10 主制御部
20 副制御部