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特開2024-101989人物の身体部分位置推定方法、装置及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101989
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】人物の身体部分位置推定方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20240723BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240723BHJP
【FI】
G06T7/70 A
G06T7/00 660Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023195890
(22)【出願日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】10202300154U
(32)【優先日】2023-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ソー ニ ニ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ チャールズ チヒン
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096BA06
5L096CA02
5L096DA05
5L096FA06
5L096FA67
5L096FA69
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人物の体部位置を推定するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】方法は、人物が検出された画像から、プロセッサによって、人物の身体部分に対応する人物の複数の身体部分位置を検出し、プロセッサにより、検出された複数の身体部分位置に基づいて、頚切痕の位置のような、特定の身体部分位置を推定する人物の身体部分位置を推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサにより、人物が検出された画像から人物の複数の身体部分位置を検出し、前記複数の身体部分位置のそれぞれは、人物の身体部分に対応し、
前記プロセッサは、検出された複数の身体部分位置に基づいて、人物の身体部分位置を推定する、人物の身体部分位置を推定するための方法。
【請求項2】
前記身体部分位置を推定することは、人物の脊髄に沿った椎骨の位置または人物の頚切痕の位置を推定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記人物が検出された画像が、正面から見た前記人物の画像を含むか否かを決定し、前記決定の結果に応答して前記人物の身体部分位置を推定することが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記推定される身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置を推定することは、
前記検出された複数の身体部分位置に基づいて、前記人物の顎、左肩及び右肩のそれぞれの位置を決定し、
左肩と右肩の位置の間の中点の位置を識別し、
顎の位置から中点の位置までの距離を計算し、
顎の位置と計算された距離に基づいて頚切痕の位置を推定する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
さらに、
前記人物が検出された画像が、矢状面を横切る人物の画像を含むか否かを決定し、前記決定の結果に応答して前記人物の身体部分位置の推定が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置の推定は、
前記検出された複数の身体部分位置に基づいて、前記人物の顎及び肩のそれぞれの位置を決定し、
顎の位置から始まり、肩の位置を通る水平線で終わる垂直線に沿った中点位置を識別し、
肩の位置から中点の位置までの距離を計算し、
肩の位置から中点の位置までの線と、肩の位置を通る水平線との間の角度を計算し、
計算された距離と計算された角度に基づいて頚切痕の位置を推定する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
さらに、
頚切痕の推定位置及び脊髄に沿った各椎骨間の相対距離に基づいて、人物の脊髄に沿った椎骨の位置を推定する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサと
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含み、
少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードとが少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも、
人物が検出された画像から前記人物の複数の身体部分位置を検出し、複数の身体部分位置のそれぞれが前記人物の身体部分に対応し、
検出された複数の身体部分位置の1つまたは複数に基づいて、前記人物の身体部分位置を推定することを実行させるように構成された、人物の身体部分位置を推定するための装置。
【請求項9】
前記身体部分位置を推定することは、人物の脊髄に沿った椎骨の位置または人物の頚切痕の位置を推定する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの前記メモリと、前記コンピュータプログラムコードとが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、少なくとも、
前記人物が検出された画像が、正面から見た前記人物の画像を含むか否かを判定し、前記判定の結果に応答して前記人物の身体部分位置の推定が実行されることを、さらに実行させるように構成された、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置の推定は、
検出された複数の身体部分の位置に基づいて、人物の顎、左肩及び右肩のそれぞれの位置を決定し、
左肩と右肩の位置の中間位置を識別し、
顎の位置から中間位置までの距離を計算し、
顎の位置と計算された距離に基づいて頚切痕の位置を推定する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードとが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも、
前記人物が検出された画像が、矢状面を横切る前記人物の画像を含むか否かを判定し、前記人物の身体部分位置の推定は、判定の結果に応答して実行されることを実行させるように構成された請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置の推定は、
前記検出された複数の身体部分位置に基づいて、前記人物の顎及び肩のそれぞれの位置を決定し、
顎の位置から始まり、肩の位置を通る水平線で終わる垂直線に沿った中点の位置を識別し、
前記肩の位置から中点の位置までの距離を計算し、
前記肩の位置から中点の位置までの線と、前記肩の位置を通る水平線との間の角度を計算し、
計算された距離と計算された角度に基づいて前記頚切痕の位置を推定する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードとが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも、
前記頚切痕の推定位置及び脊髄に沿った各椎骨間の相対距離に基づいて、前記人物の脊髄に沿った椎骨の位置を推定することを実行させるように構成された、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
請求項8乃至14のいずれか1項に記載の装置と、
人物の1つまたは複数の画像をキャプチャするように構成された1つまたは複数の画像キャプチャ装置と、を備え、
前記1つまたは複数の画像は、正面から見た人物の画像及び/または矢状面を横切る人物の画像を含む、人物の身体部分位置を推定するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物の身体部分位置を推定するための方法及び装置に広く関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
姿勢は様々な体節が互いに相対的に配置することに関係する。良い姿勢とは、体節に加わるストレスが最小限になるように体の配置がバランスよく保たれていることを意味し、悪い姿勢とは、体の配置がバランスを崩していることを意味し、様々な体節に異常なストレスを引き起こし、異常な解剖学的適応、パフォーマンスの変化、効率の低下につながる可能性がある。
【0003】
姿勢分析は、運動系(骨、筋肉、靭帯)の機能及び神経系による運動系の制御の評価である。骨と筋肉の評価だけでなく、脊髄の配置も対象とする。姿勢分析では、人物の前面図、後面図、側面図から人物の正しい立位配置を調べることができる。
【0004】
姿勢分析では、経験豊富で熟練した理学療法士は、患者の姿勢をより正確かつ自信を持って評価することができるが、若手の理学療法士は患者の姿勢を正確かつ自信を持って評価するのに苦労するかもしれない。現在まで、画像上の目印を識別すること、特定の身体位置に反射マーカを置くこと、患者の足の下に圧力マットを利用することによる手動評価のような姿勢の評価にはいくつかの制限がある。
【0005】
さらに、身体、顔及び脊髄の目印(例えば、解剖学的ポイント)は、全体的な姿勢偏差を評価するために重要である。特に、脊髄の目印は、臨床医によって手動で提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここに開示されるのは、上記の問題の1つまたは複数に対処する人物の身体部分位置を推定するための方法及び装置の実施形態である。
【0007】
さらに、他の望ましい特徴及び特性は、添付の図面及びこの開示の背景と併せて取られる、その後の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様において、本開示は、プロセッサによって、人物が検出された画像から、人物の複数の身体部分位置を検出し、複数の身体部分位置のそれぞれは、人物の身体部分に対応し、プロセッサによって、検出された複数の身体部分位置に基づいて、人物の身体部分位置を推定する人物の身体部分位置を推定する方法を提供する。
【0009】
第2の態様において、本開示は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含み、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも、人物が検出された画像から人物の複数の身体部分位置を検出し、複数の身体部分位置のそれぞれは人物の身体部分に対応し、検出された複数の身体部分位置の1つまたは複数に基づいて人物の身体部分位置を推定する、ことを実行させるように構成された人物の身体部分位置を推定するための装置を提供する。
【0010】
第3の態様において、本開示は、第2の態様の装置と、人物の1つまたは複数の画像をキャプチャするように構成された1つまたは複数の画像キャプチャ装置と、を含み、1つまたは複数の画像は、正面から見た人物の画像及び/または矢状面を横切る人物の画像を含む人物の身体部分位置を推定するためのシステムを提供する。
【0011】
開示された実施形態の付加的な利益及び利点は、明細書及び図面から明らかになるであろう。利益及び/または利点は、明細書及び図面の様々な実施形態及び特徴によって個別に得ることができ、それらの利益及び/または利点の1つまたは複数を得るためにそれらのすべてを提供する必要はない。
【0012】
添付の図は、同様の符号が別々の図全体にわたって同一または機能的に類似の要素を参照しており、以下の詳細な説明とともに明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成しており、様々な実施形態を例示し、本実施形態に従った様々な原理及び利点を非限定的な例のみによって説明するのに役立つ。
【0013】
本発明の実施形態は、図面とともに例のみによって、以下の書面による説明から、よりよく理解され、当業者にとって容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の様々な実施形態による人物の身体部分位置を推定する方法を示すフローチャートを示す。
【0015】
図2】本開示の実施形態による人物の身体部分位置を推定する装置のブロック図を示す。
【0016】
図3】本開示の実施形態による目印検出システムのフローチャートを示す。
【0017】
図4】本開示の実施形態による目印検出の例示的な図を示す。
【0018】
図5】本開示の実施形態による目印検出の別の例示的な図を示す。
【0019】
図6】本開示の実施形態による正面図からの頚切痕(JN)の検出のための図を示す。
【0020】
図7】本開示の実施形態による側面図からの頚切痕(JN)の検出のための図を示す。
【0021】
図8】本開示の実施形態による頚切痕(JN)の検出のための例示的な正面図を示す。
【0022】
図9】本開示の実施形態による頚切痕(JN)の検出のための例示的な側面図を示す。
【0023】
図10】本開示の実施形態による検出された頚切痕(JN)に基づく中心線(CR)位置の識別のための正面図を示す。
【0024】
図11A】本開示の実施形態による中心線(CR)位置、胸部及び胸部中央(例えば、T7)の検出のための右側面図を示す。
図11B】本開示の実施形態による中心線(CR)位置、胸部及び胸部中央(例えば、T7)の検出のための左側面図を示す。
【0025】
図12】本開示の実施形態による脊髄の頚椎(C7)、胸椎(T2,T7,T10)、腰椎(L1及びL4)及び仙椎(S2)の位置の推定のための右側面図を示す。
【0026】
図13】本開示の実施形態による脊髄の頚椎(C7)、胸椎(T2,T7,T10)、腰椎(L1及びL4)及び仙椎(S2)の位置の推定のための左側面図を示す。
【0027】
図14】本開示の実施形態による検出された全身目印を伴う前面/正面図を示す。
【0028】
図15A】本開示の実施形態による検出された全身目印を伴う左側面図を示す。
図15B】本開示の実施形態による検出された全身目印を伴う右側面図を示す。
【0029】
図16図1の方法を実行するために使用するのに適した例示的なコンピュータ装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
身体部分位置は、身体部分が配置されている位置に関連する。身体部分位置の検出は、人物の体の前面図、正面図(例えば、正面から見た人物の画像)、及び/または側面図(例えば、右及び/または左側面図のような矢状面を横切る人物の画像)の画像を利用することができる。画像に基づいて、各身体部分位置を識別し、それぞれの目印(例えば、解剖学的ポイント)によって示すことができる。さらに、検出された身体部分位置に基づいて、頚切痕の位置、人物の中心線の位置、人物の中胸部の位置、または人物の脊髄に沿った椎骨の位置のような特定の身体部分位置を推定することができる。身体部分位置の検出と推定に基づいて、人物の姿勢状態を決定することができる。人物の姿勢状態は、人物の身体部分(例、肩、顎、腰、頭、耳、眉、足首、及び他の同様の身体部分)が身体部分の標準位置(例えば、基準位置)からどのように逸脱しているかに関連している。これは、基準位置からのシフト(例えば、左または右シフト)、傾き(例えば、上向きまたは下向きの傾き)、または回転に関連することがある。任意のシフト、傾き、または回転は、接続している線の比較及び/または体の部分の位置の間で測定された距離、及び線の比較から派生した角度の検出と計算に基づいて検出することができる。例えば、人物の直立中心軸の周りの人物の1つまたは複数の身体部分の回転は、基準線に対して2つの身体部分位置を接続している線の角度の検出に基づいて決定することができる。基準線は、人物の別の2つの身体部分位置を接続している別の線であってもよい。姿勢状態を決定する身体部分に応じて、異なる目印、線及び/または角度を利用することができる。
【0031】
本発明の実施の形態について、図面を参照して、例によってのみ説明する。図面中の類似符号及び文字は、類似要素または同等物を指す。
【0032】
以下の説明のいくつかの部分は、アルゴリズム及びコンピュータメモリ内のデータに対する操作の機能的または記号的表現に関して明示的または暗黙的に提示される。これらのアルゴリズムの説明及び機能的または記号的表現は、データ処理技術に熟練した者が、自身の作業の内容を最も効果的に他の技術に熟練した者に伝えるために使用する手段である。アルゴリズムは、ここでは、一般的に、所望の結果につながる自己整合的な手順のシーケンスであると考えられている。手順は、記憶、転送、結合、比較、及びその他の操作が可能な電気信号、磁気信号または光信号などの物理量の物理的操作を必要とするものである。
【0033】
特に明記されていない限り、また、以下から明らかなように、本明細書全体を通じて、「検出」、「推定」、「比較」、「受信」、「計算」、「決定」、「更新」、「生成」、「初期化」、「出力」、「受信」、「検索」、「識別」、「分散」、「認証」等の用語を用いた議論は、コンピュータシステム内で物理量として表されるデータを、コンピュータシステム内で同様に物理量として表される他のデータに操作し、変換するコンピュータシステムまたは類似の電子機器または他の情報記憶装置、送信装置または表示装置の動作及び処理を指すことが理解される。
【0034】
本明細書には、これらの方法の動作を実行するための装置も開示されている。このような装置は、必要な目的のために特別に構築されてもよく、また、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成されるコンピュータまたは他の装置を含んでもよい。ここに提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータまたは他の装置にも本質的に関連しない。種々の機械は、本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用することができる。あるいは、要求された方法ステップを実行するためのより専門的な装置の構築が適切であり得る。コンピュータの構造は、以下の説明から現れる。
【0035】
さらに、本明細書は、本明細書に記載された方法の個々のステップがコンピュータコードによって実施され得ることが当業者に明白であるという点で、コンピュータプログラムも暗黙的に開示している。コンピュータプログラムは、特定のプログラミング言語及びその実装に限定されることを意図していない。本明細書に含まれる開示の教示を実装するために、様々なプログラミング言語及びそのコーディングを使用することができることが理解されるであろう。さらに、コンピュータプログラムは、特定の制御フローに限定されることを意図していない。本発明の精神または範囲から逸脱することなく、異なる制御フローを使用することができるコンピュータプログラムの他の多くの変形がある。
【0036】
さらに、コンピュータプログラムの1つまたは複数のステップは、連続的ではなく並列的に実行することができる。このようなコンピュータプログラムは、任意のコンピュータ可読媒体に格納することができる。コンピュータ可読媒体は、磁気ディスクまたは光ディスク、メモリチップ、またはコンピュータとのインタフェースに適した他の記憶装置などの記憶装置を含み得る。コンピュータ可読媒体はまた、インターネットシステムに例示されるような有線媒体、またはGSM移動電話システムに例示されるような無線媒体を含み得る。そのようなコンピュータにロードされ実行されるときのコンピュータプログラムは、好ましい方法のステップを実装する装置を効果的にもたらす。
【0037】
(例示的な実施形態)
本開示の様々な実施形態は、人物の身体部分位置を推定するための方法及び装置に関する。
【0038】
解剖学的目印の検出、特に人物の身体画像に基づいて人物の頚切痕、中心線、中胸部及び脊髄椎骨のような身体部分の位置を検出するためには、まだ不足している。これらの身体部分の位置は、例えば人物の脊髄に沿って触診したり、X線画像を介して位置を識別したりするなど、典型的には臨床医によって手動で識別される。したがって、立位姿勢を評価するためのシステムは、上記の問題を解決しようとする解剖学的目印検出システム及び姿勢分析システムを含むことができる。システムの例を図2に示す。目印検出システムは、人物の身体画像に基づいて、人物の頚切痕、中心線、中胸部、脊髄椎骨などの身体部分の位置を推定できるという利点がある。
【0039】
図1は、本開示の様々な実施形態による人物の身体部分位置を推定する方法を示すフローチャート100を示す。ステップ102では、人物が検出された画像から、人物の複数の身体部分位置がプロセッサによって検出され、複数の身体部分位置のそれぞれが人物の身体部分に対応する。ステップ104では、検出された複数の身体部分位置に基づいて、人物の身体部分位置がプロセッサによって推定される。
【0040】
実施形態において、身体部分位置の推定は、人物の脊髄に沿った椎骨の位置または人物の頚切痕の位置の推定を含むことができる。
【0041】
実施形態において、方法は、人物が検出された画像が正面から見た人物の画像を含むかどうかを決定することを含み、ここで、人物の身体部分位置の推定は、決定の結果に応答して実行される。推定される身体部分位置は、人物の頚切痕の位置であってもよく、身体部分位置の推定は、検出された複数の身体部分位置に基づいて、人物の顎、左肩及び右肩のそれぞれの位置を決定すること、左肩及び右肩の位置の間の中間位置を識別すること、顎の位置から中間位置までの距離を計算すること、及び顎の位置と計算された距離に基づいて頚切痕の位置を推定することを含み得る。
【0042】
実施形態において、本方法は、人物が検出される画像が矢状面を横切る人物の画像を含むか否かを判定し、この判定の結果に応答して人物の身体部分位置の推定が実行されることをさらに含むことができる。身体部分位置は、人物の頚切痕の位置であってもよく、身体部分位置の推定は、検出された複数の身体部分位置に基づいて、人物の顎及び肩のそれぞれの位置を決定し、顎の位置から始まり、肩の位置を通る水平線で終わる垂直線に沿った中点位置を識別し、肩の位置から中点位置までの距離を計算する;肩の位置から中点位置までの線と、肩の位置を通る水平線との間の角度を計算し、計算された距離と計算された角度に基づく頚切痕の位置を含むことができる。この方法は、頚切痕の推定位置と、脊髄に沿った各椎骨間の相対距離に基づいて、人物の脊髄に沿った椎骨の位置を推定することをさらに含み得る。
【0043】
図2は、本開示の実施形態による人物の身体部分位置を推定する装置200のブロック図を示す。実施形態において、装置200は、一般に、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを含む物理装置として記述することができる。少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、物理装置に図1に記述された動作を実行させるように構成される。
【0044】
実装において、装置200は、ソース202から入力動画または画像(例えば、人物の体の前面図、正面図及び/または側面図の動画フレームまたは画像、または他の同様の画像)を受信することができる。例えば、入力画像または動画は、新たに撮影された画像または動画であってもよいし、既存の画像または動画データベースからのものであってもよいし、カメラによって撮影されたものであってもよいし、スマートフォン、カメラ、または他の同様のデバイスのようなデバイスに格納されたものであってもよい。一例では、入力動画は、各動画画像フレームが装置200によって分析されるように、複数の静止動画画像フレームに分解されてもよい。装置200は、入力動画または画像から二次元及び/または三次元の身体目印位置のセットを決定するように構成された目印検出システム204と、入力としての二次元及び/または三次元の身体目印位置のセット及び他の人口統計学的データに基づいて身体配置の偏差及び/または姿勢異常スコア(例、非対称スコア)のレベルを決定するように構成されたポーズ分析装置206とを含むことができる。一例では、目印検出システム204は、目印位置を決定するために、画像が人物の身体の前方図、後方図または側面図であるかを決定するように構成されてもよく、また、人物の複数の身体部分位置に対応する検出された目印に基づいて、人物の頚切痕、中心線、中胸部、及び脊髄椎骨のような更なる身体部分の位置を推定するように構成されてもよい。目印検出システム204は、図3~16でさらに説明される。
【0045】
装置200は、ソース202及び/または目印検出システム204及びポーズ分析装置206の入力及び出力から受信した動画及び/または画像をユーザインタフェース210に表示するように構成され得る。装置200のユーザはまた、入力/出力インタフェースディスプレイ212を介してデータ入力によりユーザインタフェース210と相互作用することができる。目印検出システム204及びポーズ分析装置206のそれぞれは、装置200の一部であってもよいし、スタンドアロン装置または他の装置の一部であってもよく、接続を介して装置200と通信していることを理解すべきである。このような接続は、有線、無線(例えば、NFC通信、Bluetoothなどを介して)またはネットワーク(例えば、インターネット)を介してもよい。
【0046】
装置は、ソース202からの動画及び画像、ならびに目印検出システム204及びポーズ分析装置206の入力及び出力を記憶するために、装置200によってアクセス可能なデータ記憶装置208を含むことができる。データ記憶装置が装置200の一部であることが図2に示されているが、データ記憶装置208は装置200の一部を形成することはできず、接続を介して装置200と通信していることが理解されるべきである。このような接続は、有線、無線(例えば、NFC通信、Bluetoothなどを介して)、ネットワーク(例えば、インターネット)またはクラウドサーバを介して行うことができる。別の実施形態では、目印検出システム204、ポーズ分析装置206、及びソース202のそれぞれは、その入力/出力データを格納するための独自のデータ記憶装置を備えることができる。
【0047】
実施形態では、動画または画像(例えば、人物の体の前面図、正面図及び/または側面図の動画フレームまたは画像、または他の同様の画像)は、目印検出システム204によって入力として使用される前にデータ記憶装置208に受信され、格納されるか、またはデータ記憶装置208を経由せずに入力として目印検出システム204に直接送信される。目印検出システム204は、入力動画または画像から二次元及び/または三次元の身体目印位置のセットを決定することができ、ポーズ分析装置206は、入力としての二次元及び/または三次元の身体目印位置のセット及び他の人口統計学的データに基づいて、身体配置の偏差及び/または姿勢異常スコアのレベル(例、非対称スコア)を決定することができる。目印検出システム204及び/またはポーズ分析装置206の出力は、ユーザインタフェース210の入出力ユーザインタフェースディスプレイに表示することができる。
【0048】
実施形態において、人物の身体部分位置を推定するシステムは、装置200と、人物の1つまたは複数の画像をキャプチャするように構成された1つまたは複数の画像キャプチャ装置とを備えることができ、1つまたは複数の画像は、正面から見た人物の画像及び/または矢状面を横切る人物の画像を含む。
【0049】
図3は、本開示の実施形態による目印検出システムのフローチャート300を示す。ステップ302では、人物の身体の前面、後面及び側面の画像を取得することができる。一例では、取得した画像が、人物の身体の前面図、正面図(例えば、正面から見た人物の画像)及び/または側面図(例えば、右及び/または左側面図のような矢状面を横切る人物の画像)であるかどうかを決定することができる。入力映像を取得した一例では、映像を複数の静止映像フレームに分解し、各映像フレームが人物の身体の前面図、後面図または側面図であるかどうかを決定することができる。ステップ304では、映像中の各身体部分の解剖学的目印(例えば、対応する身体部分の位置を表す各目印の空間座標)を取得することができる。ステップ306では、顔の目印座標を取得することができる。例えば、ステップ304及び306で、複数の身体部分位置のそれぞれを検出し、それぞれの目印によって示すことができる。ステップ304では、肘、肩、腰、膝、足首、つま先、及び人物の他の同様の身体部分のような身体部分の位置を検出することができる。ステップ306では、顎、耳、及び人物の顔の他の同様の身体部分のような顔上の身体部分の位置を検出することができる。ステップ308では、人物の頚切痕の目印座標を得ることができる。例えば、頚切痕の位置は、人物の顎及び肩の検出された位置に基づいて推定することができる。正面図及び側面図から頚切痕の位置を得るためのプロセスは、それぞれ図6及び図7でさらに説明される。ステップ310では、胸部の目印座標を得ることができる。例えば、人物の頚切痕の推定位置に基づいて、人物の中心線及び中央胸部の位置を推定することができる。中心線及び中央胸部の位置を得るためのプロセスは、図10から図11Cでさらに説明される。ステップ312では、取得された画像が人物の身体の側面図であるかどうかを決定することができる。そうであると決定されない場合、プロセスはステップ314に進み、そこで得られた解剖学的目印を臨床医または医療従事者とレビューし、そしてプロセスを終了する。そうでない場合、プロセスはステップ316に進み、そこで脊髄目印座標が得られ、次にステップ314に進み、そこで得られた解剖学的目印(例えば、脊髄の目印座標を含む)を臨床医または医療従事者とレビューし、そしてプロセスを終了する。例えば、脊髄目印座標(例えば、人物の脊髄の椎骨の位置を示す各目印座標)は、人物の胸部中央の推定位置に基づいて、人物の側面図から推定することができる。脊髄の椎骨の位置を得るためのプロセスについては、図12及び図13でさらに説明する。
【0050】
図4は、本開示の実施形態による目印検出のための例示的な図400を示す。例えば、フローチャート300を参照すると、ステップ304において、セクション402の各身体部分の目印座標を得ることができる。ステップ306において、顔セクション406の目印座標を得ることができる。ステップ310において、胸部セクション404の目印座標を得ることができる。ステップ316において、脊髄セクション408の脊髄目印座標(例えば、人物の体の側面図から見ることができる)を得ることができる。さらに、ステップ308において、頚切痕を示す目印座標410を得ることができる。
【0051】
一例において、MediaPipeホリスティックエンジンのようなオープンソースの身体及び顔の目印検出エンジンを、例えばフローチャート300のステップ304及び306において、必要な解剖学的目印座標を得るために利用することができる。しかしながら、オープンソースのエンジンは、通常、図5の目印図500に示されるように、臨床医が必要とする目印の一部を提供することができない。例えば、符号502に示されるような頚切痕の目印は、通常、臨床医が手動で提供する。必要な解剖学的目印座標は、他の非オープンソースの独自の目印検出エンジンによっても得ることができることが理解されるであろう。
【0052】
図6は、本開示の実施形態による人物(例えば、正面から見た人物の画像)の身体の正面図からの頚切痕(JN)の検出のための図600を示す。人物の顎、左肩及び右肩のそれぞれの位置は、例えばフローチャート300のステップ304及び306で検出される複数の身体部分の位置に基づいて決定され得る。例えば、顎の目印座標(C)はC:[Cx、Cy](例えば、フローチャート300のステップ306で得られる)として定義され得るし、肩の中点の目印座標(Sm)はSm:[Smx、Smy](例えば、フローチャート300のステップ304で得られた人物の左右の肩に対応する目印座標に基づいて、左右の肩の位置の中間位置を識別する。)として定義され得る。更に、顎の位置から肩の中点位置までの距離を計算し、dCSmとして定義され得る。その後、顎の位置と計算された距離に基づいて、人物の頚切痕の位置が推定され得る。例えば、頚切痕の目印座標は、JN:[JNx、JNy]と定義され得る。したがって、顎、肩及び中点の目印座標に基づいて、JNxはSmxに相当し、JNyはSmy-25%dCSmに相当することが決定される。
【0053】
さらに、図7図700に示されているように、人物の体の側面図(例えば、矢状面を横切る人物の画像)から頚切痕の位置を決定することも可能である。人物の顎及び左または右肩のそれぞれの位置(画像が示す人物の側面に応じて)は、例えばフローチャート300のステップ304及び306で検出される複数の身体の部分の位置に基づいて決定することができる。肩の目印座標(S)は、S:[Sx,Sy](例えば、フローチャート300のステップ304で得られた人物の左肩または右肩に対応する目印座標に基づいて)として定義することができる。顎の位置(例えば、フローチャート300のステップ306で得られた顎の位置に対応する目印座標)から始まり、肩の位置を通る水平線で終わる垂直線に沿った中点位置を識別することができる。顎の位置(C)から水平線までの垂直距離をdCSと定義し、この垂直距離の50%(例えば、顎の位置から中点の位置までの距離)を計算してmCSと定義し、肩と中点からの距離を計算してlと定義し、肩の位置から中点の位置までの線と肩の位置(S)を通る水平線との間の角度としてθを計算して定義してもよい。計算した距離Iと計算した角度θに基づいて、頚切痕(JN)を検出してJN:[JNx、JNy]と定義し、JNxはSx±xに相当し、x=cos(θ)*l/2、JNyはSy-yに相当し、y=25%dCSである。これらの技術と計算に基づいて、頚切痕を正面画像(例えば、図8の例示的な正面図画像800からの頚切痕目印802など)と側面画像(例えば、図9の例示的側面図画像900及び902からの頚切痕目印904及び906など)に基づいて識別することができる。
【0054】
図10は、本開示の実施形態による検出された頚切痕(JN)に基づいて中心線(CR)位置を識別するための正面図を示す。頚切痕(JN)に基づいて、中心線(CR)位置を計算することができ、ここで、中心線位置は、頚切痕の位置より3~4インチ(例:8~10cm)下であり得る。図11A及び図11Bの頚切痕(JN)に基づいて、中心線(CR)位置、胸部及び胸部中央(例えば、T7)を検出するために、人物の身体の右側面図1100及び/または左側面図1102を用いて、CR位置または胸部中央またはT7の鏡像を検出することができる。例えば、中心線(CR)を位置決めするために用いられる目印は、T7(例、胸部中部)にある。T7のレベルは、頚切痕の3~4インチ(例:8~10cm)下にある。
【0055】
図12及び13は、本開示の実施形態による脊髄の頚椎(C7)、胸椎(T2,T7,T10)、腰椎(L1及びL4)及び仙椎(S2)の位置を推定するための右側面図1200及び左側面図1300をそれぞれ示す。人物の脊髄に沿った椎骨の位置は、人物の胸部中央の推定位置及び脊髄に沿った各椎骨間の相対距離に基づいて推定することができる。例えば、T7とC7の間のおおよその距離及びErnstらによる胸部と後上腸骨脊椎(PSIS)の比率に関する先行研究に基づいて、C7、T2、T7、T10、L1、L4及びS2(PSIS)の位置は、側面図画像1200及び1300を用いて推定することができる。一例では、脊髄の様々なセグメント間の距離を決定するために、柔軟な定規を人物の背中に置くこともできる。推定距離は、C7からPSISまでのセグメント全体の距離のパーセンテージ位置を計算するために利用することができる。
【0056】
図14図15A及び図15Bは、本開示の実施形態による前方/正面図画像1400、左側面図画像1500及び右側面図画像1502からの目印検出システムの結果をそれぞれ示しており、各目印は身体部分を示し、画像内の人物の身体上のドットで表される。例えば、人物の頚切痕は、画像1400内の目印1402によって示され、画像1500及び1502内の目印1504によって示される。目印検出システムの更なる結果は、図12の身体エッジ画像1202及び図13の身体エッジ画像1302にも示され、ここでは、例えば画像1500及び1502内の人物の全身について検出された目印に基づいて、脊髄について検出された目印がそれぞれ身体エッジ画像1202及び1302上に選択されて表示され、例えば、検出された脊髄の目印は身体エッジ画像1202及び1302内で白いドットとして示される。
【0057】
図16は、例示的なコンピュータ装置1600を示しており、以下、コンピュータシステム1600と同義であるが、このような1または複数のコンピュータ装置1600は、図1の方法を実行するために使用され得る。例示的なコンピュータ装置1600は、図2に示される装置200を実施するために使用され得る。コンピュータ装置1600の以下の説明は、例としてのみ提供され、制限することを意図していない。
【0058】
図16に示されるように、例示的コンピュータ装置1600は、ソフトウェアルーチンを実行するためのプロセッサ1604を含む。明確にするために単一のプロセッサが示されているが、コンピュータ装置1600はマルチプロセッサシステムも含むことができる。プロセッサ1604は、コンピュータ装置1600の他のコンポーネントと通信するために通信インフラストラクチャ1606に接続される。通信インフラストラクチャ1606は、例えば、通信バス、クロスバー、またはネットワークを含むことができる。
【0059】
コンピュータ装置1600は、さらに、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような主メモリ1608と、二次メモリ1610とを含む。二次メモリ1610は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブまたはハイブリッドドライブである記憶ドライブ1612及び/または磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、ソリッドステート記憶ドライブ(USBフラッシュドライブ、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステートドライブ、メモリカードなど)などを含むリムーバブル記憶ドライブ1614を含むことができる。リムーバブル記憶ドライブ1614は、周知の方法でリムーバブル記憶媒体からの読み取り及び/またはリムーバブル記憶媒体1618への書き込みを行う。リムーバブル記憶媒体1618は、磁気テープ、光ディスク、不揮発性メモリ記憶媒体などを含み、リムーバブル記憶ドライブ1614によって読み取り及び書き込みが行われる。当業者には理解されるように、リムーバブル記憶媒体1618は、コンピュータ実行可能プログラムコード命令及び/またはデータを格納したコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0060】
代替の実施形態では、二次メモリ1610は、コンピュータプログラムまたは他の命令をコンピュータ装置1600にロードすることを可能にする他の同様の手段を追加的にまたは代替的に含むことができる。このような手段は、例えば、リムーバブル記憶装置1622及びインタフェース1620を含むことができる。リムーバブル記憶装置1622及びインタフェース1620の例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインタフェース(ビデオゲームコンソール装置に見られるもののような)、リムーバブル記憶装置チップ(EPROMまたはPROMのような)及び関連ソケット、リムーバブル固体記憶装置(USBフラッシュドライブ、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステートドライブ、メモリカードなど)、及びソフトウェア及びデータをリムーバブル記憶装置1622からコンピュータシステム1600に転送することを可能にする他のリムーバブル記憶装置1622及びインタフェース1620を含む。
【0061】
コンピュータ装置1600はまた、少なくとも1つの通信インタフェース1624を含む。通信インタフェース1624は、通信経路1626を介して、コンピュータ装置1600と外部デバイスとの間でソフトウェア及びデータを転送することを可能にする。本発明の様々な実施形態において、通信インタフェース1624は、コンピュータ装置1600と、パブリックデータまたはプライベートデータ通信ネットワークのようなデータ通信ネットワークとの間でデータを転送することを可能にする。通信インタフェース1624は、そのようなコンピュータ装置1600が相互接続されたコンピュータネットワークの一部を形成する異なるコンピュータ装置1600間でデータを交換するために使用することができる。通信インタフェース1624の例は、モデム、ネットワークインタフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート(シリアル、パラレル、プリンタ、GPIB、IEEE1394、RJ45、USBなど)、関連する回路を有するアンテナなどを含むことができる。通信インタフェース1624は、有線であってもよいし、無線であってもよい。通信インタフェース1624を介して転送されるソフトウェア及びデータは、電子的、電磁的、光学的または通信インタフェース1624によって受信可能な他の信号であり得る信号の形態である。これらの信号は、通信経路1626を介して通信インタフェースに提供される。
【0062】
図16に示すように、コンピュータ装置1600は、関連するディスプレイ1630に画像を表現する操作を実行するディスプレイインターフェース1602と、関連するスピーカ1634を介してオーディオコンテンツを再生する操作を実行するオーディオインタフェース1632とをさらに含む。
【0063】
本明細書で使用される用語「コンピュータプログラム製品」は、部分的には、リムーバブル記憶媒体1618、リムーバブル記憶装置1622、記憶ドライブ1612に取り付けられたハードディスク、または通信経路1626(無線リンクまたはケーブル)を介して通信インタフェース1624に搬送波を搬送するソフトウェアを指すことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、実行及び/または処理のために記録された命令及び/またはデータをコンピュータ装置1600に提供する任意の非一時的で不揮発性の有形記憶媒体を指す。このような記憶媒体の例としては、磁気テープ、CD-ROM、DVD、ブルーレイディスク、ハードディスクドライブ、ROMまたは集積回路、固体記憶ドライブ(USBフラッシュドライブ、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステートドライブ、メモリカードなど)、ハイブリッドドライブ、光磁気ディスク、またはPCMCIAカードなどのコンピュータ読み取り可能なカードなどがあり、これらのデバイスがコンピュータ装置1600の内部または外部にあるかどうかは問わない。コンピュータ装置1600へのソフトウェア、アプリケーションプログラム、命令及び/またはデータの提供にも関与することができる一時的または非有形のコンピュータ読み取り可能な伝送媒体の例としては、無線または赤外線伝送チャネル、他のコンピュータまたはネットワーク化されたデバイスへのネットワーク接続、及び電子メールの送信及びウェブサイトなどに記録された情報を含むインターネットまたはイントラネットなどがある。
【0064】
コンピュータプログラム(コンピュータプログラムコードとも呼ばれる)は、主メモリ1608及び/または二次メモリ1610に格納される。コンピュータプログラムは、通信インタフェース1624を介して受信することもできる。そのようなコンピュータプログラムが実行されると、コンピュータ装置1600は、本明細書で説明する実施形態の1つまたは複数の特徴を実行することができる。様々な実施形態において、コンピュータプログラムが実行されると、プロセッサ1604は、上述の実施形態の特徴を実行することができる。従って、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム1600のコントローラを表す。
【0065】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に格納され、リムーバブル記憶ドライブ1614、記憶ドライブ1612、またはインタフェース1620を使用してコンピュータ装置1600にロードされ得る。コンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。あるいは、コンピュータプログラム製品は、通信経路1626を介してコンピュータシステム1600にダウンロードされ得る。ソフトウェアは、プロセッサ1604によって実行されると、コンピュータ装置1600に、図1に示されるような方法を実行するために必要な操作を実行させる。
【0066】
図16の実施形態は、装置200の動作及び構造を説明するために、単に例として提示されていることを理解されたい。したがって、いくつかの実施形態では、コンピュータ装置1600の1つまたは複数の特徴を省略することができる。また、いくつかの実施形態では、コンピュータ装置1600の1つまたは複数の特徴を一緒に組み合わせることができる。さらに、いくつかの実施形態では、コンピュータ装置1600の1つまたは複数の特徴を1つまたは複数の構成部品に分割することができる。
【0067】
当業者には、広く記載された本発明の精神または範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示されるように、本発明に多数の変形及び/または修正を加えることができることが理解されるであろう。したがって、本実施形態は、すべての点において例示的であり、限定的ではないと考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
当業者には、広く記載された本発明の精神または範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示されるように、本発明に多数の変形及び/または修正を加えることができることが理解されるであろう。したがって、本実施形態は、すべての点において例示的であり、限定的ではないと考えられる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
プロセッサにより、人物が検出された画像から人物の複数の身体部分位置を検出し、前記複数の身体部分位置のそれぞれは、人物の身体部分に対応し、
前記プロセッサは、検出された複数の身体部分位置に基づいて、人物の身体部分位置を推定する、人物の身体部分位置を推定するための方法。
(付記2)
前記身体部分位置を推定することは、人物の脊髄に沿った椎骨の位置または人物の頚切痕の位置を推定する、付記1に記載の方法。
(付記3)
さらに、前記人物が検出された画像が、正面から見た前記人物の画像を含むか否かを決定し、前記決定の結果に応答して前記人物の身体部分位置を推定することが実行される、付記1に記載の方法。
(付記4)
前記推定される身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置を推定することは、
前記検出された複数の身体部分位置に基づいて、前記人物の顎、左肩及び右肩のそれぞれの位置を決定し、
左肩と右肩の位置の間の中点の位置を識別し、
顎の位置から中点の位置までの距離を計算し、
顎の位置と計算された距離に基づいて頚切痕の位置を推定する、付記3に記載の方法。
(付記5)
さらに、
前記人物が検出された画像が、矢状面を横切る人物の画像を含むか否かを決定し、前記決定の結果に応答して前記人物の身体部分位置の推定が実行される、付記1に記載の方法。
(付記6)
前記身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置の推定は、
前記検出された複数の身体部分位置に基づいて、前記人物の顎及び肩のそれぞれの位置を決定し、
顎の位置から始まり、肩の位置を通る水平線で終わる垂直線に沿った中点位置を識別し、
肩の位置から中点の位置までの距離を計算し、
肩の位置から中点の位置までの線と、肩の位置を通る水平線との間の角度を計算し、
計算された距離と計算された角度に基づいて頚切痕の位置を推定する、付記5に記載の方法。
(付記7)
さらに、
頚切痕の推定位置及び脊髄に沿った各椎骨間の相対距離に基づいて、人物の脊髄に沿った椎骨の位置を推定する、付記6に記載の方法。
(付記8)
少なくとも1つのプロセッサと
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含み、
少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードとが少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも、
人物が検出された画像から前記人物の複数の身体部分位置を検出し、複数の身体部分位置のそれぞれが前記人物の身体部分に対応し、
検出された複数の身体部分位置の1つまたは複数に基づいて、前記人物の身体部分位置を推定することを実行させるように構成された、人物の身体部分位置を推定するための装置。
(付記9)
前記身体部分位置を推定することは、人物の脊髄に沿った椎骨の位置または人物の頚切痕の位置を推定する、付記8に記載の装置。
(付記10)
少なくとも1つの前記メモリと、前記コンピュータプログラムコードとが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、少なくとも、
前記人物が検出された画像が、正面から見た前記人物の画像を含むか否かを判定し、前記判定の結果に応答して前記人物の身体部分位置の推定が実行されることを、さらに実行させるように構成された、付記8に記載の装置。
(付記11)
前記身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置の推定は、
検出された複数の身体部分の位置に基づいて、人物の顎、左肩及び右肩のそれぞれの位置を決定し、
左肩と右肩の位置の中間位置を識別し、
顎の位置から中間位置までの距離を計算し、
顎の位置と計算された距離に基づいて頚切痕の位置を推定する、付記10に記載の装置。
(付記12)
少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードとが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも、
前記人物が検出された画像が、矢状面を横切る前記人物の画像を含むか否かを判定し、前記人物の身体部分位置の推定は、判定の結果に応答して実行されることを実行させるように構成された付記8に記載の装置。
(付記13)
前記身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置の推定は、
前記検出された複数の身体部分位置に基づいて、前記人物の顎及び肩のそれぞれの位置を決定し、
顎の位置から始まり、肩の位置を通る水平線で終わる垂直線に沿った中点の位置を識別し、
前記肩の位置から中点の位置までの距離を計算し、
前記肩の位置から中点の位置までの線と、前記肩の位置を通る水平線との間の角度を計算し、
計算された距離と計算された角度に基づいて前記頚切痕の位置を推定する、付記12に記載の装置。
(付記14)
少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードとが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも、
前記頚切痕の推定位置及び脊髄に沿った各椎骨間の相対距離に基づいて、前記人物の脊髄に沿った椎骨の位置を推定することを実行させるように構成された、付記13に記載の装置。
(付記15)
付記8乃至14のいずれか1項に記載の装置と、
人物の1つまたは複数の画像をキャプチャするように構成された1つまたは複数の画像キャプチャ装置と、を備え、
前記1つまたは複数の画像は、正面から見た人物の画像及び/または矢状面を横切る人物の画像を含む、人物の身体部分位置を推定するためのシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサにより、人物が検出された画像から人物の複数の身体部分位置を検出し、前記複数の身体部分位置のそれぞれは、人物の身体部分に対応し、
前記プロセッサは、検出された複数の身体部分位置に基づいて、人物の身体部分位置を推定する、人物の身体部分位置を推定するための方法。
【請求項2】
前記身体部分位置を推定することは、人物の脊髄に沿った椎骨の位置または人物の頚切痕の位置を推定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記人物が検出された画像が、正面から見た前記人物の画像を含むか否かを決定し、前記決定の結果に応答して前記人物の身体部分位置を推定することが実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記推定される身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置を推定することは、
前記検出された複数の身体部分位置に基づいて、前記人物の顎、左肩及び右肩のそれぞれの位置を決定し、
左肩と右肩の位置の間の中点の位置を識別し、
顎の位置から中点の位置までの距離を計算し、
顎の位置と計算された距離に基づいて頚切痕の位置を推定する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
さらに、
前記人物が検出された画像が、矢状面を横切る人物の画像を含むか否かを決定し、前記決定の結果に応答して前記人物の身体部分位置の推定が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記身体部分位置は、前記人物の頚切痕の位置であり、
前記身体部分位置の推定は、
前記検出された複数の身体部分位置に基づいて、前記人物の顎及び肩のそれぞれの位置を決定し、
顎の位置から始まり、肩の位置を通る水平線で終わる垂直線に沿った中点位置を識別し、
肩の位置から中点の位置までの距離を計算し、
肩の位置から中点の位置までの線と、肩の位置を通る水平線との間の角度を計算し、
計算された距離と計算された角度に基づいて頚切痕の位置を推定する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
さらに、
頚切痕の推定位置及び脊髄に沿った各椎骨間の相対距離に基づいて、人物の脊髄に沿った椎骨の位置を推定する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサと
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含み、
少なくとも1つのメモリと、コンピュータプログラムコードとが少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に、少なくとも、
人物が検出された画像から前記人物の複数の身体部分位置を検出し、複数の身体部分位置のそれぞれが前記人物の身体部分に対応し、
検出された複数の身体部分位置の1つまたは複数に基づいて、前記人物の身体部分位置を推定することを実行させるように構成された、人物の身体部分位置を推定するための装置。
【請求項9】
前記身体部分位置を推定することは、人物の脊髄に沿った椎骨の位置または人物の頚切痕の位置を推定する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の装置と、
人物の1つまたは複数の画像をキャプチャするように構成された1つまたは複数の画像キャプチャ装置と、を備え、
前記1つまたは複数の画像は、正面から見た人物の画像及び/または矢状面を横切る人物の画像を含む、人物の身体部分位置を推定するためのシステム。
【外国語明細書】