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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101991
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240723BHJP
【FI】
H10B12/00 621C
H10B12/00 671B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197261
(22)【出願日】2023-11-21
(31)【優先権主張番号】10-2023-0007486
(32)【優先日】2023-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 義 郎
(72)【発明者】
【氏名】李 珍 秀
(72)【発明者】
【氏名】姜 政 佑
(72)【発明者】
【氏名】崔 俊 洛
(72)【発明者】
【氏名】洪 叡 珍
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083AD04
5F083AD24
5F083AD51
5F083GA27
5F083HA02
5F083HA06
5F083JA02
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA35
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA42
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA19
5F083MA06
5F083MA20
5F083NA01
5F083PR21
(57)【要約】
【課題】電気的特性及び信頼性を向上させた半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置は、導電性パターンを有する構造物と、導電性パターンに電気的に接続されるキャパシタと、を備え、キャパシタは、記導電性パターンに電気的に接続される第1電極構造物と、第1電極構造物上の誘電体層と、誘電体層上の第2電極構造物と、第2電極構造物上のプレート電極と、を含み、第2電極構造物は、第1金属元素及び窒素元素を含む第1電極物質層と、第2金属元素、14族元素、及び酸素元素を含む第1保護物質層と、を含む。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性パターンを有する構造物と、
前記導電性パターンに電気的に接続されるキャパシタと、を備え、
前記キャパシタは、
前記導電性パターンに電気的に接続される第1電極構造物と、
前記第1電極構造物上の誘電体層と、
前記誘電体層上の第2電極構造物と、
前記第2電極構造物上のプレート電極と、を含み、
前記第2電極構造物は、
第1金属元素及び窒素元素を含む第1電極物質層と、
第2金属元素、14族元素、及び酸素元素を含む第1保護物質層と、を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1金属元素と前記第2金属元素とは、互いに同じ元素であり、
前記14族元素は、Siであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
互いに同一の前記第1金属元素及び前記第2金属元素は、Ti、Cr、Nb、Hf、及びZrの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1保護物質層は、窒素元素を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1電極物質層の厚さは、前記第1保護物質層の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1電極物質層は、前記誘電体層と前記第1保護物質層との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1保護物質層は、前記第1電極物質層と前記プレート電極との間に配置されることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2電極構造物は、第2保護物質層を更に含み、
前記第1保護物質層は、前記第1電極物質層と前記誘電体層との間に配置され、
前記第1電極物質層は、前記第1保護物質層と前記第2保護物質層との間に配置され、
前記第1電極物質層の厚さは、前記第1保護物質層及び前記第2保護物質層のそれぞれの厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2保護物質層は、前記第1電極物質層と前記プレート電極との間に配置されることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2保護物質層の物質は、前記第1保護物質層の物質と同一であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2保護物質層の物質は、前記第1保護物質層の物質及び前記第1電極物質層の物質とは異なることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第2電極構造物は、第2電極物質層及び第2保護物質層を更に含み、
前記第1電極物質層と前記第2電極物質層とは、互いに離隔され、
前記第1保護物質層と前記第2保護物質層とは、互いに離隔されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1電極物質層の物質は、前記第2電極物質層の物質と同一であり、
前記第1保護物質層の物質は、前記第2保護物質層の物質と同一であることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1電極物質層の物質は、前記第2電極物質層の物質とは異なり、
前記第1保護物質層の物質は、前記第2保護物質層の物質とは異なることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第2電極構造物は、第3保護物質層を更に含み、
前記第1電極物質層及び第2電極物質層のそれぞれの厚さは、前記第1保護物質層、前記第2保護物質層、及び前記第3保護物質層のそれぞれの厚さよりも大きく、
前記第1保護物質層、前記第2保護物質層、及び前記第3保護物質層は、互いに離隔され、
前記第1電極物質層と前記第2電極物質層とは、互いに離隔され、
前記第1保護物質層、前記第1電極物質層、前記第2保護物質層、前記第2電極物質層、及び前記第3保護物質層のうち、前記第1保護物質層は、最下位層であり、前記第3保護物質層は、最上位層であることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
【請求項16】
導電性パターンを有する構造物と、
前記導電性パターンに電気的に接続されるキャパシタと、を備え、
前記キャパシタは、
前記導電性パターンに電気的に接続される第1電極構造物と、
前記第1電極構造物上の誘電体層と、
前記誘電体層上の第2電極構造物と、
前記第2電極構造物上のプレート電極と、を含み、
前記第2電極構造物は、少なくとも1つの電極物質層及び少なくとも1つの保護物質層を含み、
前記少なくとも1つの電極物質層のそれぞれの厚さは、前記少なくとも1つの保護物質層のそれぞれの厚さよりも大きく、
前記少なくとも1つの電極物質層と前記少なくとも1つの保護物質層とは、互いに同一の金属元素を含み、
前記少なくとも1つの電極物質層は、窒素元素を更に含み、
前記少なくとも1つの保護物質層は、シリコン元素及び酸素元素を更に含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
前記第1電極構造物は、前記導電性パターンの上部面に垂直な方向に延びる柱状であり、
前記少なくとも1つの電極物質層は、酸素元素を含まないことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
導電性パターンを有する構造物と、
前記導電性パターンに電気的に接続されるキャパシタと、を備え、
前記キャパシタは、
前記導電性パターンに電気的に接続される第1電極構造物と、
前記第1電極構造物上の誘電体層と、
前記誘電体層上の第2電極構造物と、
前記第2電極構造物上のプレート電極と、を含み、
前記第2電極構造物は、少なくとも1つの電極物質層及び少なくとも1つの保護物質層を含み、
前記第1電極構造物は、前記導電性パターンの上部面に垂直な方向に延びる柱状であり、
前記誘電体層は、前記第1電極構造物に隣接して、前記第1電極構造物と前記第2電極構造物との間に配置され、
前記少なくとも1つの電極物質層の厚さは、前記少なくとも1つの保護物質層の厚さよりも大きく、
前記少なくとも1つの電極物質層は、第1物質を含み、
前記少なくとも1つの保護物質層は、第2物質及び第3物質の少なくとも1つを含み、
前記第1物質は、金属元素及び窒素元素を含む金属窒化物であり、
前記第2物質は、金属元素、シリコン元素、及び酸素元素を含み、
前記第3物質は、金属元素、シリコン元素、酸素元素、及び窒素元素を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの保護物質層は、複数個であり、
複数の保護物質層は、互いに離隔する第1保護物質層と第2保護物質層とを含み、
前記第1保護物質層は、前記誘電体層に接触し、
前記第2保護物質層は、前記プレート電極に接触することを特徴とする請求項18に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第1物質は、TiN物質であり、
前記第2物質は、TiSiO物質であり、
前記第3物質は、TiSiON物質であることを特徴とする請求項19に記載の半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリは、デジタルデータ保存のためのデジタル電子半導体素子である。半導体メモリは、シリコン集積回路上のmetal-oxide-semiconductor(MOS)のメモリセル内にデータが保存される装置である。半導体メモリの例としては、トランジスタ及びセル当たりのキャパシタを用いるディラム(Dynamic random-access memory:DRAM)がある。
【0003】
半導体素子の高集積化及び小型化の要求に応じて、半導体素子の情報保存構造物のサイズも微細化されている。しかし、酸化はキャパシタの上部電極又は誘電膜に酸化膜を形成する。その結果、上部電極及び誘電体層の結晶性が低下し、上部電極の面抵抗が増加して、半導体メモリの電気的特性及び信頼性が低下する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、電気的特性及び信頼性を向上させた半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による半導体装置は、導電性パターンを有する構造物と、前記導電性パターンに電気的に接続されるキャパシタと、を備え、前記キャパシタは、前記導電性パターンに電気的に接続される第1電極構造物と、前記第1電極構造物上の誘電体層と、前記誘電体層上の第2電極構造物と、前記第2電極構造物上のプレート電極と、を含み、前記第2電極構造物は、第1金属元素及び窒素元素を含む第1電極物質層と、第2金属元素、14族元素、及び酸素元素を含む第1保護物質層と、を含む。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による半導体装置は、導電性パターンを有する構造物と、前記導電性パターンに電気的に接続されるキャパシタと、を備え、前記キャパシタは、前記導電性パターンに電気的に接続される第1電極構造物と、前記第1電極構造物上の誘電体層と、前記誘電体層上の第2電極構造物と、前記第2電極構造物上のプレート電極と、を含み、前記第2電極構造物は、少なくとも1つの電極物質層及び少なくとも1つの保護物質層を含み、前記少なくとも1つの電極物質層のそれぞれの厚さは、前記少なくとも1つの保護物質層のそれぞれの厚さよりも大きく、前記少なくとも1つの電極物質層と前記少なくとも1つの保護物質層とは、互いに同一の金属元素を含み、前記少なくとも1つの電極物質層は、窒素元素を更に含み、前記少なくとも1つの保護物質層は、シリコン元素及び酸素元素を更に含む。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の更に他の態様による半導体装置は、導電性パターンを有する構造物と、前記導電性パターンに電気的に接続されるキャパシタと、を備え、前記キャパシタは、前記導電性パターンに電気的に接続される第1電極構造物と、前記第1電極構造物上の誘電体層と、前記誘電体層上の第2電極構造物と、前記第2電極構造物上のプレート電極と、を含み、前記第2電極構造物は、少なくとも1つの電極物質層及び少なくとも1つの保護物質層を含み、前記第1電極構造物は、前記導電性パターンの上部面に垂直な方向に延びる柱状であり、前記誘電体層は、前記第1電極構造物に隣接して、前記第1電極構造物と前記第2電極構造物との間に配置され、前記少なくとも1つの電極物質層の厚さは、前記少なくとも1つの保護物質層の厚さよりも大きく、前記少なくとも1つの電極物質層は、第1物質を含み、前記少なくとも1つの保護物質層は、第2物質及び第3物質の少なくとも1つを含み、前記第1物質は、金属元素及び窒素元素を含む金属窒化物であり、前記第2物質は、金属元素、シリコン元素、及び酸素元素を含み、前記第3物質は、金属元素、シリコン元素、酸素元素、及び窒素元素を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の半導体装置によれば、電極物質層上にシリコン(Si)を含む第1保護物質層及びシリコン(Si)を含む第2保護物質層を配置することで、電極物質層の抵抗が増加することを防止し、キャパシタの静電容量を確保することができる。
【0009】
本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態による半導体装置を示すレイアウト図である。
図2】一実施形態による半導体装置を示す断面図である。
図3a】一実施形態による半導体装置の第1例を示す部分拡大図である。
図3b】一実施形態による半導体装置の第1例を示す断面図である。
図4a】一実施形態による半導体装置の第2例の情報保存構造物の一部領域を拡大して示した部分拡大図である。
図4b】一実施形態による半導体装置の第2例の情報保存構造物を示した断面図である。
図5a】一実施形態による半導体装置の第3例の情報保存構造物の一部領域を拡大して示した部分拡大図である。
図5b】一実施形態による半導体装置の第3例の情報保存構造物を示した断面図である。
図6a】一実施形態による半導体装置の第4例の情報保存構造物の一部領域を拡大して示した部分拡大図である。
図6b】一実施形態による半導体装置の第4例の情報保存構造物を示した断面図である。
図7a】一実施形態による半導体装置の第5例の情報保存構造物の一部領域を拡大して示した部分拡大図である。
図7b】一実施形態による半導体装置の第5例の情報保存構造物を示した断面図である。
図8】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図9a】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
図9b】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
図9c】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
図9d】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
図9e】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
図9f】一実施形態による半導体装置の製造方法を説明するため部分拡大図である。
図10】一実施形態による集積回路装置を示すレイアウト図である。
図11】一実施形態による集積回路装置の断面図である。
図12】一実施形態による半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、一実施形態による半導体装置100を示すレイアウト図である。
【0013】
図2は、一実施形態による半導体装置100を示す断面図である。図2は、図1の半導体装置100を切断線I-I’及びII-II’に沿って切断した断面を示す。
【0014】
図3aは、一実施形態による半導体装置100を示す部分拡大図であり、図3bは、一実施形態による半導体装置100を示す断面図である。図3aは、図2の「A」領域を拡大して示し、図3bは、図3aの半導体装置100を切断線III-III’に沿って切断した断面を示す。
【0015】
説明の便宜上、図1図2図3a、及び図3bでは、半導体装置の主要構成要素のみを示した。
【0016】
図1図2図3a、及び図3bを参照すると、半導体装置100は、活性領域ACTを含む基板101、基板101内で活性領域ACTを限定する素子分離層110、基板101内に埋め込まれて延び、ワードラインWLを含むワードライン構造物WLS、基板101上でワードライン構造物WLSに交差して延び、ビットラインBLを含むビットライン構造物BLS、及びビットライン構造物BLS上の情報保存構造物CAPを含む。情報保存構造物CAPは、情報を保存し、例えばDRAMのキャパシタ構造物である。半導体装置100は、活性領域ACT上の下部導電パターン150、下部導電パターン150上の上部導電パターン160、上部導電パターン160を貫通する絶縁パターン165を更に含む。
【0017】
半導体装置100は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)のセルアレイ(cell array)を含む。例えば、ビットラインBLは活性領域ACTの第1不純物領域105aに接続され、活性領域ACTの第2不純物領域105bは下部及び上部導電パターン(150、160)を介して上部導電パターン160上の情報保存構造物CAPに電気的に接続される。
【0018】
情報保存構造物CAPは、DRAMなどのメモリにおいて情報を保存するキャパシタである。情報保存構造物CAPは、導電性パターン(150、160)、例えば下部及び上部導電パターン(150、160)を含む下部構造物上で導電パターン(150、160)に電気的に接続される。ここで、下部構造物は、基板101、ワードライン構造物WLS、ビットライン構造物BLSなどを含む。
【0019】
情報保存構造物CAPは、第1電極構造物170、第1電極構造物170上の誘電体層180、誘電体層180上の第2電極構造物(190、191、192)、及び第2電極構造物(190、191、192)上のプレート電極199を含む。情報保存構造物CAPは、サポート層(SP1、SP2、SP)3を更に含む。第1電極構造物170は下部電極であり、第2電極構造物(190、191、192)は上部電極である。第1保護物質層191は誘電体層180上に形成され、電極物質層(第1電極物質層)190は第1保護物質層191上に形成され、第2保護物質層192は電極物質層190上に形成される。
【0020】
実施形態によって、上部電極は第2電極構造物(190、191、192)及びプレート電極199を含む。
【0021】
半導体装置100は、セルアレイが配置されるセルアレイ領域、及びセルアレイに配置されるメモリセルを駆動するための周辺回路が配置される周辺回路領域を含む。周辺回路領域はセルアレイ領域の周りに配置される。
【0022】
基板101は、半導体物質、例えばIV族半導体、III-V族化合物半導体、又はII-VI族化合物半導体を含む。例えば、IV族半導体は、シリコン、ゲルマニウム、又はシリコン-ゲルマニウムを含む。基板101は、不純物を更に含む。基板101は、シリコン基板、シリコン-オン-インシュレータ(silicon on insulator:SOI)基板、ゲルマニウム基板、ゲルマニウム-オン-インシュレータ(germanium on insulator:GOI)基板、シリコン-ゲルマニウム基板、又はエピタキシャル層を含む基板である。
【0023】
活性領域ACTは、素子分離層110によって基板101内に定義される。活性領域ACTは、バー(bar)形態であり、基板101内に一方向に延びるアイランド形状に配置される。一方向は、ワードラインWL及びビットラインBLの延長方向に対して傾斜した方向である。活性領域ACTは互いに平行になるように配置されるが、1つの活性領域ACTの端部はこれに隣接する他の活性領域ACTの中心に隣接するように配列される。
【0024】
活性領域ACTは、基板101の上面から所定深さの第1及び第2不純物領域(105a、105b)を有する。第1及び第2不純物領域(105a、105b)は互いに離隔する。第1及び第2不純物領域(105a、105b)は、ワードラインWLによって構成されるトランジスタのソース/ドレイン領域として提供される。ソース領域及びドレイン領域は、実質的に同じ不純物のドーピング又はイオン注入による第1及び第2不純物領域(105a、105b)によって形成されるものであり、最終的に形成されるトランジスタの回路構成によって互いに変えて称される。不純物は、基板101とは反対の導電型を有する不純物を含む。一実施形態において、ソース領域及びドレイン領域で第1及び第2不純物領域(105a、105b)の深さが互いに異なる。
【0025】
素子分離層110は、シャロートレンチ素子分離(shallow trench isolation:STI)工程によって形成される。素子分離層110は、活性領域ACTを囲みながらこれらを互いに電気的に分離する。素子分離層110は、絶縁物質からなり、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、又はこれらの組み合わせである。素子分離層110は、基板101がエッチングされたトレンチの幅に応じて異なる下段深さを有する複数の領域を含む。
【0026】
ワードライン構造物WLSは、基板101内から延びるゲートトレンチ115内に配置される。ワードライン構造物WLSのそれぞれは、ゲート誘電体層120、ワードラインWL、及びゲートキャッピング層125を含む。本明細書において、「ゲート120、WL」はゲート誘電体層120及びワードラインWLを含む構造物を称し、ワードラインWLを「ゲート電極」と称し、ワードライン構造物WLSを「ゲート構造物」と称する。
【0027】
ワードラインWLは、活性領域ACTを横切って第1方向Xに延びるように配置される。例えば、互いに隣接する一対のワードラインWLが1つの活性領域ACTを横切るように配置される。ワードラインWLは、BCAT(buried channel array transistor)のゲートを構成するが、これに限定されない。一実施形態において、ワードラインWLは基板101の上部に配置される形態を有する。ワードラインWLは、ゲートトレンチ115の下部に所定厚さで配置される。ワードラインWLの上面は、基板101の上面よりも低いレベルに位置する。本明細書で用いる用語「レベル」の高低は、基板101の実質的に平坦な上面に基づいて定義される。
【0028】
ワードラインWLは、導電性物質、例えば多結晶シリコン(Si)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、タンタル窒化物(TaN)、タングステン(W)、タングステン窒化物(WN)、及びアルミニウム(Al)の少なくとも1つを含む。一例として、ワードラインWLは、互いに異なる物質で形成される下部パターン及び上部パターンを含み、下部パターンは、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン窒化物(WN)、チタン窒化物(TiN)、及びタンタル窒化物(TaN)の少なくとも1つを含み、上部パターンは、P型又はN型不純物でドーピングされたポリシリコンを含む半導体パターンである。
【0029】
ゲート誘電体層120は、ゲートトレンチ115の底面及び内側面上に配置される。ゲート誘電体層120は、ゲートトレンチ115の内側壁をコンフォーマルに覆う。ゲート誘電体層120は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、及びシリコン酸窒化物の少なくとも1つを含む。ゲート誘電体層120は、例えばシリコン酸化膜又は高誘電率を有する絶縁膜である。一実施形態において、ゲート誘電体層120は、活性領域ACTを酸化(oxidation)させて形成された層であるか、又は蒸着によって形成された層である。
【0030】
ゲートキャッピング層125は、ワードラインWLの上部でゲートトレンチ115を埋めるように配置される。ゲートキャッピング層125の上面は、基板101の上面と実質的に同じレベルに位置する。ゲートキャッピング層125は、絶縁物質、例えばシリコン窒化物で形成される。
【0031】
ビットライン構造物BLSは、ワードラインWLに直交して一方向、例えば第2方向Yに延びる。ビットライン構造物BLSは、ビットラインBL、及びビットラインBL上のビットラインキャッピングパターンBCを含む。
【0032】
ビットラインBLは、順に積層された第1導電パターン141、第2導電パターン142、及び第3導電パターン143を含む。例えば、第1導電パターン141上に第2導電パターン142が形成され、第2導電パターン142上に第3導電パターン143が形成される。ビットラインキャッピングパターンBCは、第3導電パターン143上に配置される。第1導電パターン141と基板101との間にバッファ絶縁層128が配置され、第1導電パターン141の一部分(以下、ビットラインコンタクトパターンDC)は活性領域ACTの第1不純物領域105aに接する。ビットラインBLは、ビットラインコンタクトパターンDCを介して第1不純物領域105aに電気的に接続される。ビットラインコンタクトパターンDCの下面は、基板101の上面よりも低いレベルに位置し、ワードラインWLの上面よりも高いレベルに位置する。一実施形態において、ビットラインコンタクトパターンDCは、基板101内に形成されて第1不純物領域105aを露出させるビットラインコンタクトホール内に局所的に配置される。
【0033】
第1導電パターン141は、多結晶シリコンなどの半導体物質を含む。第1導電パターン141は、第1不純物領域105aに直接接触する。第2導電パターン142は金属-半導体化合物を含む。金属-半導体化合物は、例えば第1導電パターン141の一部をシリサイド化した層である。例えば、金属-半導体化合物は、コバルトシリサイド(CoSi)、チタンシリサイド(TiSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)、タングステンシリサイド(WSi)、又はその他の金属シリサイドを含む。第3導電パターン143は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、及びアルミニウム(Al)などの金属物質を含む。ビットラインBLを成す導電パターンの個数、物質の種類、及び/又は積層順序は、実施形態によって多様に変更される。
【0034】
ビットラインキャッピングパターンBCは、第3導電パターン143上に順に積層された第1キャッピングパターン146、第2キャッピングパターン147、及び第3キャッピングパターン148を含む。例えば、第3導電パターン143上に第1キャッピングパターン146が形成され、第1キャッピングパターン146上に第2キャッピングパターン147が形成され、第2キャッピングパターン147上に第3キャッピングパターン148が形成される。第1~第3キャッピングパターン(146、147、148)はそれぞれ絶縁物質、例えばシリコン窒化膜を含む。第1~第3キャッピングパターン(146、147、148)は、それぞれ異なる物質からなり、同じ物質を含むとしても物性の違いによって境界が区分される。第2キャッピングパターン147の厚さは、第1キャッピングパターン146の厚さ及び第3キャッピングパターン148の厚さよりもそれぞれ小さい。ビットラインキャッピングパターンBCを成すキャッピングパターンの個数及び/又は物質の種類は、実施形態によって多様に変更される。
【0035】
スペーサ構造物SSは、ビットライン構造物BLSのそれぞれの両側壁上に配置され、一方向、例えばY方向に延びる。スペーサ構造物SSは、ビットライン構造物BLSと下部導電パターン150との間に配置される。スペーサ構造物SSは、ビットラインBLの側壁及びビットラインキャッピングパターンBCの側壁に沿って延びるように配置される。1つのビットライン構造物BLSの両側に配置された一対のスペーサ構造物SSは、ビットライン構造物BLSを基準に非対称的な形状を有する。スペーサ構造物SSのそれぞれは、複数のスペーサ層を含み、実施形態によってエアスペーサを更に含む。例えば、スペーサ構造物SSは内部エアポケットを更に含む。
【0036】
下部導電パターン150は、活性領域ACTの一領域、例えば第2不純物領域105bに接続される。下部導電パターン150は、ビットラインBLの間及びワードラインWLの間に配置される。下部導電パターン150は、バッファ絶縁層128を貫通して、活性領域ACTの第2不純物領域105bに接続される。下部導電パターン150は、第2不純物領域105bに直接接触する。下部導電パターン150の下面は、基板101の上面よりも低いレベルに位置し、ビットラインコンタクトパターンDCの下面よりも高いレベルに位置する。下部導電パターン150はスペーサ構造物SSによってビットラインコンタクトパターンDCから絶縁される。下部導電パターン150は、導電性物質からなり、例えば多結晶シリコン(Si)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、タンタル窒化物(TaN)、タングステン(W)、タングステン窒化物(WN)、及びアルミニウム(Al)の少なくとも1つを含む。一実施形態において、下部導電パターン150は複数の層を含む。
【0037】
下部導電パターン150と上部導電パターン160との間に金属-半導体化合物層155が配置される。金属-半導体化合物層155は、例えば下部導電パターン150が半導体物質を含む場合、下部導電パターン150の一部をシリサイド化した層である。金属-半導体化合物層155は、例えばコバルトシリサイド(CoSi)、チタンシリサイド(TiSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)、タングステンシリサイド(WSi)、又はその他の金属シリサイドを含む。実施形態によって、金属-半導体化合物層155は省略される。金属-半導体化合物層155が省略される場合、上部導電パターン160が下部導電パターン150に接触する。
【0038】
上部導電パターン160は、下部導電パターン150上に配置される。上部導電パターン160はスペーサ構造物SSの間に延びて金属-半導体化合物層155の上面を覆う。上部導電パターン160はバリア層162及び導電層164を含む。バリア層162は、導電層164の下面及び側面を覆う。バリア層162は、金属窒化物、例えばチタン窒化物(TiN)、タンタル窒化物(TaN)、及びタングステン窒化物(WN)の少なくとも1つを含む。導電層164は、導電性物質、例えば多結晶シリコン(Si)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、チタン窒化物(TiN)、タンタル窒化物(TaN)、及びタングステン窒化物(WN)の少なくとも1つを含む。
【0039】
絶縁パターン165は、上部導電パターン160を貫通するように配置される。上部導電パターン160は、絶縁パターン165によって複数個に分離される。絶縁パターン165は、絶縁物質、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、及びシリコン酸窒化物の少なくとも1つを含む。
【0040】
エッチング停止層168は、第1電極構造物170の間で絶縁パターン165を覆う。エッチング停止層168は、第1電極構造物170の側面の下部領域に接触する。エッチング停止層168は、サポート層(SP1、SP2、SP3)よりも下に配置される。エッチング停止層168の上面は、誘電体層180に直接接触する部分を含む。エッチング停止層168は、例えばシリコン窒化物、及びシリコン酸窒化物の少なくとも1つを含む。
【0041】
第1電極構造物170は上部導電パターン160上に配置される。第1電極構造物170は、エッチング停止層168を貫通して上部導電パターン160に接触する。第1電極構造物170は柱状であるが、これに限定されない。第1電極構造物170は、それぞれニオブ窒化物(NbN)、ニオブ酸化物(NbO)、多結晶シリコン(Si)、イリジウム(Ir)、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、チタンシリサイド窒化物(TiSiN)、タンタル(Ta)、タンタル窒化物(TaN)、タングステン(W)、タングステン窒化物(WN)、及びアルミニウム(Al)の少なくとも1つ又はこれらの組み合わせ、金属窒化物、金属化合物などを含む。
【0042】
誘電体層180は、第1電極構造物170の表面上で、第1電極構造物170のそれぞれの側面及び上部面を覆う。誘電体層180は、第1電極構造物170と電極物質層190との間に配置される。誘電体層180は、サポート層(SP1、SP2、SP3)の上面及び下面を覆う。誘電体層180はエッチング停止層168の上面を覆う。
【0043】
誘電体層180は、高誘電体物質やシリコン酸化物、シリコン窒化物、又はこれらの組み合わせを含む。但し、実施形態によって、誘電体層180は、フルオリン(F)がドーピングされたチタン(Ti)、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、及びランタン(La)の少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを含む酸化物、窒化物、ケイ化物、酸窒化物、又はケイ化酸窒化物を含む。
【0044】
第2電極構造物(190、191、192)は、交互に積層された複数の層を含む。例えば、第2電極構造物(190、191、192)は、少なくとも1つの保護物質層及び少なくとも1つの電極物質層を含む。例えば、第2電極構造物(190、191、192)は、順に積層された第1保護物質層191、電極物質層190、及び第2保護物質層192を含む。複数の層は、少なくとも1つの電極物質層190及び少なくとも1つの保護物質層(191、192)を含む。少なくとも1つの電極物質層190のそれぞれの厚さは、少なくとも1つの保護物質層(191、192)のそれぞれの厚さよりも大きい。少なくとも1つの電極物質層190及び少なくとも1つの保護物質層(191、192)は、それぞれ同じ金属元素を含む。少なくとも1つの電極物質層190は窒素元素を更に含み、少なくとも1つの保護物質層(191、192)はシリコン元素及び酸素元素を更に含む。少なくとも1つの電極物質層190は酸素元素を含まない。
【0045】
少なくとも1つの電極物質層190のそれぞれは第1物質を含み、少なくとも1つの保護物質層(191、192)の少なくとも1つは第2物質及び第3物質の少なくとも1つを含む。一実施形態によると、第1物質は金属元素及び窒素元素を含む金属窒化物であり、第2物質は、金属元素、シリコン元素、及び酸素元素を含み、第3物質は、金属元素、シリコン元素、酸素元素、及び窒素元素を含む。例えば、第1物質はTiNであり、第2物質はTiSiO物質であり、第3物質はTiSiON物質である。
【0046】
少なくとも1つの保護物質層(191、192)は複数個であり、複数の保護物質層(191、192)は互いに離隔する第1保護物質層191及び第2保護物質層192を含む。第1保護物質層191は誘電体層180に接触し、第2保護物質層192はプレート電極199に接触する。
【0047】
電極物質層190は、複数の第1電極構造物170、サポート層(SP1、SP2、SP3)、及び誘電体層180を覆う。電極物質層190は誘電体層180の表面に沿って延びる。一実施形態によると、電極物質層190は、第1保護物質層191と第2保護物質層192との間に配置される。電極物質層190は、後述する第1保護物質層191によって誘電体層180から離隔されて配置されるが、これに限定されない。また、電極物質層190は、後述する第2保護物質層192によって後述するプレート電極199から離隔されて配置される。電極物質層190の厚さは誘電体層180の厚さよりも小さい。電極物質層190の厚さは、第1保護物質層191及び第2保護物質層192のそれぞれの厚さよりも大きい。
【0048】
電極物質層190は、図2に示したように、単一の電極層で構成されるが、これに限定されない。他の実施形態において、電極物質層190は複数の電極層を含む。電極物質層190は導電性物質を含む。電極物質層190は、例えばTiN、NbN、WN、VN、MoN、TaN、TiSiN、及びTiCNの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせ、金属窒化物、金属化合物などを含む。一実施形態によると、電極物質層190は第1金属元素及び窒素元素を含む。電極物質層190は酸素元素を含まない。
【0049】
第1保護物質層191は、誘電体層180と後述するプレート電極199との間に配置される。例えば、第1保護物質層191は、電極物質層190と誘電体層180との間に配置される。第1保護物質層191は、電極物質層190及び誘電体層180に接触する。第1保護物質層191は、電極物質層190の下面又は上面の少なくとも一部を覆う。第1保護物質層191の厚さは、電極物質層190の厚さよりも小さい。
【0050】
第1保護物質層191は、第2金属元素、元素周期表の14族元素、及び酸素元素を含む。電極物質層190の第1金属元素及び第1保護物質層191の第2金属元素は互いに同じ元素である。互いに同一の第1金属元素及び第2金属元素は、Ti、Cr、Nb、Hf、及びZrの少なくとも1つを含む。一実施形態によると、第1保護物質層191は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)などの金属元素を含む。また、第1保護物質層191は、電極物質層190に含まれる金属元素を含む。第1保護物質層191の14族元素はシリコン(Si)である。第1保護物質層191は、酸素(O)及び窒素(N)の少なくとも1つを含む。例えば、第1保護物質層191は、金属-シリコン酸化物、金属-シリコン窒化物、又は金属-シリコン酸窒化物の少なくとも1つを含む。
【0051】
第2保護物質層192は、第1保護物質層191に対向して、電極物質層190上に配置される。第2保護物質層192は、誘電体層180と後述するプレート電極199との間に配置される。例えば、第2保護物質層192は、電極物質層190と後述するプレート電極199との間に配置される。第2保護物質層192は、電極物質層190及びプレート電極199に接触する。第2保護物質層192は、電極物質層190の下面又は上面の少なくとも一部を覆う。第2保護物質層192の厚さは、電極物質層190の厚さよりも小さい。
【0052】
第2保護物質層192は、第2金属元素、元素周期表の14族元素、及び酸素元素を含む。電極物質層190の第1金属元素及び第2保護物質層192の第2金属元素は互いに同じ元素である。互いに同一の第1金属元素及び第2金属元素は、Ti、Cr、Nb、Hf、及びZrの少なくとも1つを含む。一実施形態によると、第2保護物質層192は、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)などの金属元素を含む。また、第2保護物質層192は、電極物質層190に含まれる金属元素を含む。第2保護物質層192の14族元素はシリコン(Si)である。第2保護物質層192は、酸素(O)及び窒素(N)の少なくとも1つを含む。例えば、第2保護物質層192は、金属-シリコン酸化物、金属-シリコン窒化物、又は金属-シリコン酸窒化物の少なくとも1つを含む。第2保護物質層192の物質は、第1保護物質層191の物質と同じであるが、これに限定されない。第2保護物質層192の物質は、第1保護物質層191及び電極物質層190の物質とは異なり得る。例えば、第1保護物質層191はTiSiO又はTiSiONであり、第2保護物質層192はTiSiO又はTiSiONである。例えば、第1保護物質層191はTiSiOであり、第2保護物質層192はTiSiONである。
【0053】
第1保護物質層191及び第2保護物質層192は、シリコンを含むため、電極物質層190の自然酸化及び誘電体層190による酸化を防止する。これは、二次イオン質量分析法(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectromery:ToF-SIMS)によってシリコンの濃度が増加すると酸素濃度が減少することによって観察される。また、第1保護物質層191及び第2保護物質層192は、電極物質層190の結晶性を向上させる。これにより、本発明の電極物質層190の面抵抗(sheet resistance)は、第1保護物質層191及び第2保護物質層192が存在しない場合の電極物質層190の面抵抗よりも小さい。一実施形態によると、第1保護物質層191及び第2保護物質層192によって、電極物質層190の面抵抗は、100000μΩ/sqr.よりも小さい値を有する。例えば、第1保護物質層191及び第2保護物質層192がジクロロシラン(dichlorosilane:DCS)などを用いたサイクリック(cyclic)CVD工程によって形成された場合、電極物質層190の面抵抗は50000μΩ/sqr.よりも小さい値を有することが観察される。電極物質層190の厚さを従来から約5Å更に小さくする場合にも、上述したように電極物質層190の面抵抗を減少させ、情報保存構造物CAPのサイズを小さくすることができる。従って、第1保護物質層191及び第2保護物質層192が電極物質層190上に形成されることで、電気的特性を向上させた半導体装置100を提供することができる。
【0054】
第1保護物質層191及び第2保護物質層192は、シリコンを含むため、TEM-EELS(Transmission Electron Microscopy Electron Energy Loss Spectroscopy)による構造分析によって、第1保護物質層191及び第2保護物質層192の存在の有無を確認することができる。また、二次イオン質量分析法(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectromery:ToF-SIMS)によってシリコンの存在の有無を確認して、第1保護物質層191及び第2保護物質層192が存在するか否かを確認することができる。
【0055】
プレート電極199は、電極物質層190上に配置される。一実施形態によると、プレート電極199は第2保護物質層192上に配置される。プレート電極199は、複数の第1電極構造物170間の空間、及びサポート層(SP1、SP2、SP3)との間の空間を埋める。プレート電極199は導電性物質を含む。例えば、プレート電極199はシリコン物質又はシリコン-ゲルマニウム物質を含む。例えば、プレート電極199は、ドーパントシリコン物質又はドーパントシリコン-ゲルマニウム物質を含む。
【0056】
サポート層(SP1、SP2、SP3)は、第1サポート層SP1、第1サポート層SP1上の第2サポート層SP2、及び第2サポート層SP2上の第3サポート層SP3を含む。サポート層(SP1、SP2、SP3)は、基板101の上面に垂直な方向で基板101から離隔されて配置される。サポート層(SP1、SP2、SP3)は、第1電極構造物170に接触し、基板101の上面に平行な方向に延びる。
【0057】
サポート層(SP1、SP2、SP3)は、第1電極構造物170及び誘電体層180に直接接触する部分を含む。第3サポート層SP3は、第1サポート層SP1及び第2サポート層SP2よりも厚い厚さを有するが、これに限定されない。サポート層(SP1、SP2、SP3)は、高いアスペクト比(aspect ratio)を有する第1電極構造物170を支持する層である。サポート層(SP1、SP2、SP3)は、それぞれ、例えばシリコン窒化物及びシリコン酸窒化物の少なくとも1つ、又はこれと類似する物質を含む。サポート層(SP1、SP2、SP3)の個数、厚さ、及び/又は配置関係は、図示したものに限定されず、実施形態によって多様に変更される。
【0058】
隣接する第1電極構造物170間に第1電極構造物170を支持するサポート層(SP1、SP2、SP3)が少なくとも1つ以上提供され。例えば、隣接する第1電極構造物170の間に、第1電極構造物170に接触する第1サポート層SP1、第2サポート層SP2、及び第3サポート層SP3が提供される。
【0059】
図1を参照すると、上方から見た平面図において、第1電極構造物170は規則的な配列を有する。一実施形態において、第1電極構造物170は、第1方向Xに沿って所定の距離だけ離隔して配置され、第2方向Yに沿って千鳥状に配置される。但し、第1電極構造物170の配列はこれに限定されない。
【0060】
隣接する複数の第1電極構造物170の間に貫通孔パターンが配置される。一実施形態において、図1の半導体装置100に示したように、4つの隣接する第1電極構造物170の間に1つの貫通孔パターンが配置される。但し、貫通孔パターンはこれに限定されない。
【0061】
図4a~図7bを参照して、一実施形態による半導体装置の多様な例を説明する。図4a~図7bに示した半導体装置は、電極物質層190、第1保護物質層191、第2保護物質層192、及び第3保護物質層193の構造において、図1図3bの実施形態とは差異がある。
【0062】
図4a~図7bの実施形態において、上述の同じ図面符号で説明した特徴は同一又は類似する。以下の実施形態に対する説明において、上述した図1図3bに重複する内容は省略する。
【0063】
図4aは、一実施形態による半導体装置の第2例の情報保存構造物の一部領域を拡大して示した部分拡大図であり、図4bは、一実施形態による半導体装置100aの第2例の情報保存構造物を示した断面図である。図4aは、図2の「A」領域に対応する領域を示し、図4bは、図4aの切断線III-III’に対応する領域に沿って切断した断面を示す。
【0064】
図4a及び図4bを参照すると、図3aの半導体装置100とは異なり、第1保護物質層191を形成する工程を省略して、電極物質層190及び第2保護物質層192を形成する。これにより、電極物質層190は誘電体層180に接触する。第2保護物質層192は、電極物質層190が自然酸化されることを防止することができるため、電極物質層190の面抵抗を改善させることができる。
【0065】
図4aの切断線III-III’のレベルにおいて、情報保存構造物は、第1電極構造物170、第1電極構造物170の外面を囲む誘電体層180、誘電体層180の外面を囲む電極物質層190、電極物質層190の外面を囲む第2保護物質層192、第2保護物質層192の外面を囲むプレート電極199で構成される。電極物質層190は、誘電体層180と第2保護物質層192との間に配置される。第2保護物質層192は、電極物質層190とプレート電極199との間に配置される。一実施形態によると、第2保護物質層192は、電極物質層190及びプレート電極199の両方に接触する。
【0066】
図5aは、一実施形態による半導体装置の第3例の情報保存構造物の一部領域を拡大して示した部分拡大図であり、図5bは、一実施形態による半導体装置100bの第3例の情報保存構造物を示した断面図である。図5aは、図2の「A」領域に対応する領域を示し、図5bは、図5aの切断線III-III’に対応する領域に沿って切断した断面を示す。
【0067】
図5a及び図5bを参照すると、図3aの半導体装置100とは異なり、第2保護物質層192を形成する工程を省略して、電極物質層190及び第1保護物質層191を形成する。これにより、電極物質層190はプレート電極199に接触する。第1保護物質層191は、誘電体層180による電極物質層190が酸化することを防止することができるため、電極物質層190の面抵抗を改善させることができる。
【0068】
図5aの切断線III-III’のレベルにおいて、情報保存構造物は、第1電極構造物170、第1電極構造物170の外面を囲む誘電体層180、誘電体層180の外面を囲む第1保護物質層191、第1保護物質層191の外面を囲む電極物質層190、及び電極物質層190の外面を囲むプレート電極199で構成される。第1保護物質層191は、誘電体層180と電極物質層190との間に配置される。電極物質層190は、第1保護物質層191とプレート電極199との間に配置される。一実施形態によると、電極物質層190は、第1保護物質層191及びプレート電極199の両方に接触する。
【0069】
図6aは、一実施形態による半導体装置の第4例の情報保存構造物の一部領域を拡大して示した部分拡大図であり、図6bは、一実施形態による半導体装置100cの第4例の情報保存構造物を示した断面図である。図6aは、図2の「A」領域に対応する領域を示し、図6bは、図6aの切断線III-III’に対応する領域に沿って切断した断面を示す。
【0070】
図6a及び図6bを参照すると、図2の半導体装置100に加えて電極物質層190と交互に積層される第3保護物質層193を更に含む。電極物質層190のそれぞれは、第3保護物質層193によって互いに離隔される。第1保護物質層191、第2保護物質層192、及び第3保護物質層193のそれぞれは互いに離隔される。電極物質層190のそれぞれは互いに同一である。例えば、電極物質層190のそれぞれは、互いに同じ物質からなる。第1保護物質層191、第2保護物質層192、及び第3保護物質層193のそれぞれは互いに同一である。例えば、第1保護物質層191、第2保護物質層192、及び第3保護物質層193は、それぞれ同じ物質からなる。但し、これに限定されるものではなく、電極物質層190のそれぞれは互いに異なり、第1保護物質層191、第2保護物質層192、及び第3保護物質層193のそれぞれは互いに異なり得る。一実施形態によると、第1保護物質層191の厚さ、第2保護物質層192の厚さ、及び第3保護物質層193の厚さのそれぞれは互いに同一であるが、これに限定されない。電極物質層190のそれぞれの厚さは、第1、第2、及び第3保護物質層(191、192、193)のそれぞれの厚さよりも大きい。一実施形態によると、第1保護物質層191、第2保護物質層192、電極物質層190、及び第3保護物質層193のうち、最下位層は第1保護物質層191であり、最上位層は第3保護物質層193である。第3保護物質層193の個数、厚さ、及び/又は配置関係は、図示したものに限定されず、実施形態によって多様に変更される。
【0071】
図6aの切断線III-III’のレベルにおいて、情報保存構造物は、第1電極構造物170、第1電極構造物170の外面を囲む誘電体層180、誘電体層180の外面を囲む第1保護物質層191、第1保護物質層191の外面を囲む電極物質層190、電極物質層190の外面を囲む第3保護物質層193、電極物質層190の外面を囲む第2保護物質層192、及び第2保護物質層192の外面を囲むプレート電極199で構成される。電極物質層190及び第3保護物質層193は、互いに外面を囲むように互いに交互に配置される。第3保護物質層193の各物質は、上述した第1保護物質層191の物質及び第2保護物質層192の物質と同一であるが、これに限定されない。一実施形態によると、第3保護物質層193は金属-半導体化合物を含む。例えば、第3保護物質層193のそれぞれは、チタン(Ti)、シリコン(Si)、酸素(O)を含み、窒素(N)も含む。
【0072】
第3保護物質層193は、シリコンを含むため、TEM-EELS(Transmission Electron Microscopy Electron Energy Loss Spectroscopy)による構造分析により、第3保護物質層193が存在するか否かを確認することができる。また、二次イオン質量分析法(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectromery、ToF-SIMS)によりシリコンの存在の有無を確認し、第3保護物質層193が存在するか否かを確認することができる。
【0073】
図7aは、一実施形態による半導体装置の第5例の情報保存構造物の一部領域を拡大して示した部分拡大図であり、図7bは、一実施形態による半導体装置100dの第5例の情報保存構造物を示した断面図である。図7aは、図2の「A」領域に対応する領域を示し、図7bは、図7aの切断線III-III’に対応する領域に沿って切断した断面を示す。
【0074】
図7a及び図7bを参照すると、図2の半導体装置100に加えて電極物質層190と交互に積層される第3保護物質層193を更に含む。一実施形態によると、第3保護物質層193のそれぞれの厚さは、第1保護物質層191から第2保護物質層192に行くほど増加してから減少するが、これに限定されない。他の実施形態によると、第3保護物質層193のそれぞれの厚さは、第1保護物質層191から第2保護物質層192に行くほど増加し続ける。他の実施形態によると、第3保護物質層193のそれぞれの厚さは、第1保護物質層191から第2保護物質層192に行くほど減少し続ける。他の実施形態によると、第3保護物質層193のそれぞれの厚さは、第1保護物質層191から第2保護物質層192に行くほど減少してから増加する。一実施形態によると、第1保護物質層191の厚さ、第2保護物質層192の厚さ、及び第3保護物質層193のそれぞれの厚さは互いに異なるが、これに限定されない。
【0075】
図7aの切断線III-III’のレベルにおいて、情報保存構造物は、第1電極構造物170、第1電極構造物170の外面を囲む誘電体層180、誘電体層180の外面を囲む第1保護物質層191、第1保護物質層191の外面を囲む電極物質層190、電極物質層190の外面を囲む第3保護物質層193、電極物質層190の外面を囲む第2保護物質層192、及び第2保護物質層192の外面を囲むプレート電極199で構成される。例えば、誘電体層180は、第1電極構造物170の外面に接触する。電極物質層190及び第3保護物質層193は、互いの外面を囲むように互いに交互に配置される。
【0076】
図8は、一実施形態による半導体装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0077】
図9a~図9fは、一実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。図9a~図9fは、図2の半導体装置100を製造するための製造方法の実施形態を示し、図2のI-I’及びII-II’に対応する断面を示したものである。
【0078】
図8及び図9aを参照すると、基板101上に下部構造物及びモールド構造物STを形成する(段階S10)。
【0079】
先ず、下部基板101に素子分離層110を形成して、活性領域ACTを定義する。基板101に素子分離トレンチを形成し、素子分離層110は素子分離トレンチを埋める。平面的に、活性領域ACTは、ワードラインWLの延長方向及び斜め方向に延びる細長いバー(bar)形態である。素子分離層110をイオン注入マスクとして用いてイオン注入工程を進行して、活性領域ACTの上部に不純物領域を形成する。活性領域ACT及び素子分離層110をパターニングしてゲートトレンチ115を形成する。一対のゲートトレンチ115が活性領域ACTを横切るが、これに限定されない。ゲートトレンチ115によって不純物領域も分離されて第1不純物領域105a及び第2不純物領域105bを形成する。
【0080】
ゲート誘電体層120は、ゲートトレンチ115の内面上に実質的にコンフォーマルな厚さで形成される。次いで、ワードラインWLをゲートトレンチ115の少なくとも一部を埋めるように形成する。ワードラインWLの上面は、活性領域ACTの上面よりも低くなるようにリセスされる。基板101上に絶縁層を積層してゲートトレンチ115を埋め、エッチングしてワードラインWL上にゲートキャッピング層125を形成する。
【0081】
基板101の前面上に絶縁層及び導電層を順に形成し、パターニングして順に積層されたバッファ絶縁層128及び第1導電パターン141を形成する。バッファ絶縁層128は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、及びシリコン酸窒化物の少なくとも1つで形成される。バッファ絶縁層128は、複数個が互いに離隔された形態で形成される。第1導電パターン141は、バッファ絶縁層128の平面的形状に相応する形状を有する。バッファ絶縁層128は、隣接する2つの活性領域ACTの端部、即ち隣接する第2不純物領域105bを同時に覆うように形成される。バッファ絶縁層128及び第1導電パターン141をエッチングマスクとして用いて素子分離層110、基板101、及びゲートキャッピング層125の上部をエッチングしてビットラインコンタクトホールを形成する。ビットラインコンタクトホールは第1不純物領域105aを露出させる。
【0082】
ビットラインコンタクトホールを埋めるビットラインコンタクトパターンDCを形成する。ビットラインコンタクトパターンDCを形成することは、ビットラインコンタクトホールを埋める導電層を形成し、平坦化工程を実行することを含む。一例として、ビットラインコンタクトパターンDCはポリシリコンで形成される。第1導電パターン141上に、順に第2導電パターン142、第3導電パターン143、第1~第3キャッピングパターン(146、147、148)を形成した後、第1~第3キャッピングパターン(146、147、148)をエッチングマスクとして第1~第3導電パターン(141、142、143)を順にエッチングする。その結果、第1~第3導電パターン(141、142、143)を含むビットラインBL、及び第1~第3キャッピングパターン(146、147、148)を含むビットラインキャッピングパターンBCを含むビットライン構造物BLSが形成される。
【0083】
ビットライン構造物BLSの側面上にスペーサ構造物SSを形成する。スペーサ構造物SSは複数の層で形成される。スペーサ構造物SSの間にフェンス絶縁パターン154が形成される。フェンス絶縁パターン154は、シリコン窒化物又はシリコン酸窒化物を含む。フェンス絶縁パターン154及び第3キャッピングパターン148をエッチングマスクとする異方性エッチング工程を行って、第2不純物領域105bを露出させる開口部を形成する。
【0084】
開口部の下部に下部導電パターン150を形成する。下部導電パターン150は、ポリシリコンなどの半導体物質で形成される。一例として、下部導電パターン150は、開口部を埋めるポリシリコン層を形成した後、エッチバック工程を行って形成される。
【0085】
下部導電パターン150上に金属-半導体化合物層155を形成する。金属-半導体化合物層155の形成は、金属層の蒸着工程及び熱処理工程を含む。
【0086】
開口部の上部に上部導電パターン160を形成する。上部導電パターン160を形成することは、バリア層162及び導電層164を順に形成することを含む。この後、バリア層162及び導電層164にパターニング工程を行い、これを貫通する絶縁パターン165を形成する。これにより、基板101、ワードライン構造物WLS、及びビットライン構造物BLSなどを含む下部構造物が形成される。
【0087】
下部構造物上にエッチング停止層168をコンフォーマルに形成し、エッチング停止層168上にモールド層118及び予備サポート層(SP1’、SP2’、SP3’)を交互に積層する。モールド層118及び予備サポート層(SP1’、SP2’、SP3’)はモールド構造物STを成す。エッチング停止層168は、モールド層118に対して特定のエッチング条件でエッチング選択性を有する絶縁性物質、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物、シリコン酸炭化物、シリコン炭窒化物の少なくとも1つを含む。モールド層118はシリコン酸化物で形成され、予備サポート層(SP1’、SP2’、SP3’)はシリコン窒化物で形成される。
【0088】
図8及び図9bを参照すると、モールド層118及び予備サポート層(SP1’、SP2’、SP3’)を貫通する複数の孔HL1を形成する(段階S20)。例えば、モールド膜118及び予備サポート層(SP1’、SP2’、SP3’)の一部を除去して複数の孔HL1を形成する。複数の孔HL1を形成する段階で、エッチング停止層168はエッチング工程の進行を停止するストッパーの役割を果たす。複数の孔HL1はエッチング停止層168を貫通して上部導電パターン160を露出させる。複数の孔HL1は、第1電極構造物170が形成される領域であり、図1に示したように、平面上で所定の間隔で離隔されて規則的な配列で形成される。
【0089】
図8及び図9cを参照すると、複数の孔HL1に導電性物質を埋めて第1電極構造物170を形成する(段階S30)。
【0090】
第1電極構造物170は、複数の孔HL1の下端で上部導電パターン160に接続されるように形成される。第1電極構造物170を形成することは、複数の孔HL1の内部及び複数の孔HL1上に導電性物質層を形成し、導電性物質層に対して平坦化工程、例えば化学的機械的研磨(CMP、Chemical Mechanical Polishing)工程及び/又はエッチバックを行うことを含む。これにより、第1電極構造物170はノードが分離されて互いに離隔した複数のパターンで形成される。第1電極構造物170は、例えば多結晶シリコン(Si)、TiN、NbN、WN、VN、MoN、TaN、TiSiN、及びTiCNの少なくとも1つで形成される。一実施形態において、第1電極構造物170の形成工程は、ALD(Atomic Layer Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)などによって行われる。
【0091】
図8及び図9dを参照すると、モールド構造物STの一部、即ちモールド層118及び/又は予備サポート層(図9eのSP1’、SP2’、SP3’)の少なくとも一部を除去して開口部HL2を形成する(段階S40)。
【0092】
この後、第1電極構造物170上に別途のマスクを形成し、マスクを用いてモールド層(図9cの118)及び予備サポート層(図9eのSP1’、SP2’、SP3’)の少なくとも一部を除去する。これにより、予備サポート層(図9cのSP1’、SP2’、SP3’)は第1~第3サポート層(SP1、SP2、SP3)に形成される。第1~第3サポート層(SP1、SP2、SP3)は、マスクの構造によってパターニングされ、複数の開口部を含む形態を有する。複数の開口部は、図1に示したように、4つの隣接する第1電極構造物170の間に配置される。第1~第3サポート層(SP1、SP2、SP3)は、隣接する第1電極構造物170を互いに接続する。モールド層118は、サポート層(SP1、SP2、SP3)に対して選択的に除去される。一実施形態において、モールド層118を除去する工程は、エッチング液(例えば、フルオリン化水素(HF)溶液)を用いたウェットエッチング(wet etching)工程などによって行われる。マスクは、モールド層118をエッチングした後に、又はモールド層118をエッチングする間に除去する。モールド層118が除去された領域に開口部HL2が形成される。
【0093】
図8図9e、図9fを参照すると、開口部HL2内に第1電極構造物170を覆う誘電体層180、少なくとも1つの保護物質層(191、192)、及び少なくとも1つの電極物質層190を含む第2電極構造物(190、191、192)を形成する(段階S50、段階S60)。例えば、誘電体層180が形成され、誘電体層180上に第1保護物質層191が形成され、第1保護物質層191上に電極構造物190が形成され、電極構造物190上に第2保護物質層192が形成される。
【0094】
先ず、第1電極構造物170及び第1~第3サポート層(SP1、SP2、SP3)上に誘電体層180を形成する(段階S50)。誘電体層180を形成する工程は、それぞれALD(Atomic Layer Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)などにより行われる。
【0095】
少なくとも1つの保護物質層(191、192)及び少なくとも1つの電極物質層190を含む第2電極構造物(190、191、192)を形成する(段階S60)。
【0096】
少なくとも1つの電極物質層190は第1物質で形成され、少なくとも1つの保護物質層(191、192)は第2物質及び第3物質の少なくとも1つを含むように形成される。
【0097】
第1物質を形成すること、及び少なくとも1つの保護物質層(191、192)を形成することは、第1金属元素を提供するための金属前駆体及び窒化(nitridation)させるための工程ガスを用いて金属窒化物を形成することを含む。
【0098】
第2物質を形成することは、第1金属元素を提供するための金属前駆体及び14族元素を提供するための14族元素前駆体を用いて物質を形成し、物質を酸化させることを含む。例えば、第2物質はTiSiO物質である。
【0099】
第2物質を形成することは、第1金属元素を提供するための金属前駆体、14族元素を提供するための14族元素前駆体、及び窒化させるための工程ガスを用いて物質を形成し、物質を酸化させることを含む。例えば、第2物質はTiSiON物質である。
【0100】
シリコン前駆体は、例えばモノシラン(monosilane、MS)、ジシラン(disilane:DS)、モノクロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(dichlorosilane:DCS)、TCS(Trichlorosilane)、HCS(Hexachlorosilane)、又はこれらの組み合わせが用いられる。一実施形態によると、シリコン前駆体はジクロロシラン(dichlorosilane:DCS)である。但し、これは一実施形態に過ぎず、限定されるものではなく、実施形態によって他の要素で構成される。窒化させるための工程ガスはアンモニア(NH)ガスである。
【0101】
第1保護物質層191上に電極物質層190を形成する。電極物質層190を形成する工程は、それぞれALD(Atomic Layer Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)などにより行われる。一実施形態によると、電極物質層190の金属元素がTi元素である場合、電極物質層190を形成するための金属元素前駆体はTiClである。
【0102】
図1図2図3a、及び図3bを再び参照すると、第2電極構造物(190、191、192)を覆うプレート電極199を形成する(段階S70)。例えば、プレート電極199は、第2保護物質層192上に形成される。プレート電極199を形成する工程は、ALD(Atomic Layer Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)などにより行われる。これにより、第1電極構造物170、誘電体層180、電極物質層190、第1保護物質層191、及び第2保護物質層192を含む情報保存構造物CAPを形成して、情報保存構造物CAPを含む半導体装置100を製造する。
【0103】
図10は、一実施形態による集積回路装置を示すレイアウト図である。
【0104】
図11は、一実施形態による集積回路装置の断面図である。図11は、図10の切断線X1-X1’及びY1-Y1’に沿った断面図である。
【0105】
図10及び図11を参照すると、集積回路装置200は、基板210、複数の第1導電ライン220、チャネル層230、ゲート電極240、ゲート絶縁層250、及び情報保存構造物280を含む集積回路装置200は、垂直チャネルトランジスタ(vertical channel transistor:VCT)を含むメモリ装置である。垂直チャネルトランジスタは、チャネル層230のチャネル長さが基板210から垂直方向に沿って延びる構造を示す。
【0106】
基板210上には、下部絶縁層212が配置される。例えば、下部絶縁層212は基板210に接触する下部絶縁層212上において、複数の第1導電ライン220が第1方向(X方向)に互いに離隔して第2方向(Y方向)に延びる。下部絶縁層212上には、複数の第1絶縁パターン222が複数の第1導電ライン220の間の空間を埋めるように配置される。複数の第1絶縁パターン222は第2方向(Y方向)に延び、複数の第1絶縁パターン222の上面は複数の第1導電ライン220の上面と同一レベルに配置される。複数の第1導電ライン220は、集積回路装置200のビットラインとして機能する。
【0107】
一実施形態において、複数の第1導電ライン220は、ドーピングされたポリシリコン、金属、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、導電性金属酸化物、又はこれらの組み合わせを含む。例えば、複数の第1導電ライン220は、ドーピングされたポリシリコン、Al、Cu、Ti、Ta、Ru、W、Mo、Pt、Ni、Co、TiN、TaN、WN、NbN、TiAl、TiAlN、TiSi、TiSiN、TaSi、TaSiN、RuTiN、NiSi、CoSi、IrO、RuO、又はこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されるものではない。複数の第1導電ライン220は、上述の物質の単一層又は多重層を含む。一実施形態において、複数の第1導電ライン220は2次元半導体物質を含み、例えば2次元半導体物質はグラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube、)又はこれらの組み合わせを含む。
【0108】
チャネル層230は、複数の第1導電ライン220上で第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に離隔して配置されるマトリックス形態で配列される。チャネル層230は、第1方向(X方向)に沿った第1幅、及び第3方向(Z方向)に沿った第1高さを有し、第1高さが第1幅よりも更に大きい。例えば、第1高さは第1幅の約2~10倍であるが、これに限定されるものではない。チャネル層230の底部は第1ソース/ドレイン領域(図示省略)として機能し、チャネル層230の上部(upper portion)は第2ソース/ドレイン領域(図示省略)として機能し、第1及び第2ソース/ドレイン領域間のチャネル層230の一部分はチャネル領域(図示省略)として機能する。第1ソース/ドレイン領域及び第2ソース/ドレイン領域は垂直に互いに離隔され、チャネル領域は垂直チャネル領域である。
【0109】
一実施形態において、チャネル層230は酸化物半導体を含み、例えば酸化物半導体は、InGaZnO、InGaSiO、InSnZnO、InZnO、ZnO、ZnSnO、ZnN、ZrZnSnO、SnO、HfInZnO、GaZnSnO、AlZnSnO、YbGaZnO、InGaO、又はこれらの組み合わせを含む。チャネル層230は、酸化物半導体の単一層又は多重層を含む。一部に示す例において、チャネル層230は、シリコンのバンドギャップエネルギーよりも更に大きいバンドギャップエネルギーを有する。例えば、チャネル層230は、約1.5eV~5.6eVのバンドギャップエネルギーを有する。例えば、チャネル層230は、約2.0eV~4.0eVのバンドギャップエネルギーを有する場合に最適のチャネル性能を有する。例えば、チャネル層230は多結晶又は非晶質であるが、これに限定されるものではない。一実施形態において、チャネル層230は2次元半導体物質を含み、例えば2次元半導体物質はグラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(carbon nanotube)、又はこれらの組み合わせを含む。
【0110】
ゲート電極240は、チャネル層230の両側壁上で第1方向(X方向)に延びる。ゲート電極240は、チャネル層230の第1側壁に向かい合う第1サブゲート電極240P1、及びチャネル層230の第1側壁とは反対の第2側壁に向かい合う第2サブゲート電極240P2を含む。第1サブゲート電極240P1と第2サブゲート電極240P2との間に1つのチャネル層230が配置されることによって、集積回路装置200はデュアルゲートトランジスタ構造を有する。しかし、本発明の技術的思想はこれに限定されるものではなく、第2サブゲート電極240P2が省略され、チャネル層230の第1側壁に向かい合う第1サブゲート電極240P1のみが形成されて、シングルゲートトランジスタ構造を実現することもできる。
【0111】
ゲート電極240は、ドーピングされたポリシリコン、金属、導電性金属窒化物、導電性金属シリサイド、導電性金属酸化物、又はこれらの組み合わせを含む。例えば、ゲート電極240は、ドーピングされたポリシリコン、Al、Cu、Ti、Ta、Ru、W、Mo、Pt、Ni、Co、TiN、TaN、WN、NbN、TiAl、TiAlN、TiSi、TiSiN、TaSi、TaSiN、RuTiN、NiSi、CoSi、IrO、RuO、又はこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されるものではない。
【0112】
ゲート絶縁層250は、チャネル層230の側壁を囲み、チャネル層230とゲート電極240との間に介在する。例えば、図11に示したように、チャネル層230の全体の側壁がゲート絶縁層250によって囲まれ、ゲート電極240の側壁の一部分がゲート絶縁層250に接触する。他の実施形態において、ゲート絶縁層250は、ゲート電極240の延長方向(即ち、第1方向(X方向))に延び、チャネル層230の側壁のうちのゲート電極240に向かい合う2つの側壁のみがゲート絶縁層250に接触する。
【0113】
一実施形態において、ゲート絶縁層250は、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン酸化膜よりも高い誘電定数を有する高誘電膜、又はこれらの組み合わせからなる。高誘電膜は、金属酸化物又は金属酸化窒化物からなる。例えば、ゲート絶縁層250として使用可能な高誘電膜は、HfO、HfSiO、HfSiON、HfTaO、HfTiO、HfZrO、ZrO、Al、又はこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されるものではない。
【0114】
複数の第1絶縁パターン222上には、複数の第2絶縁パターン232が第2方向(Y方向)に沿って延び、複数の第2絶縁パターン232のうちの隣接する2つの第2絶縁パターン232の間にチャネル層230が配置される。また、隣接する2つの第2絶縁パターン232の間に、2つの隣接するチャネル層230の間の空間に第1埋め込み層234及び第2埋め込み層236が配置される。第1埋め込み層234は2つの隣接するチャネル層230の間の空間の底部に配置され、第2埋め込み層236は第1埋め込み層234上で2つの隣接するチャネル層230の間の空間の残りを埋めるように形成される。第2埋め込み層236の上面はチャネル層230の上面と同じレベルに配置され、第2埋め込み層236はゲート電極240の上面を覆う。これとは異なり、複数の第2絶縁パターン232が複数の第1絶縁パターン222と連続的な物質層で形成されるか、又は第2埋め込み層236が第1埋め込み層234と連続的な物質層で形成され得る。例えば、単一の連続層は、第2絶縁パターン232及びこれに対応する第1絶縁パターン222を形成する。例えば、単一の連続層は、第2埋め込み層236及びこれに対応する第1埋め込み層234を形成する。
【0115】
チャネル層230上にはストレージコンタクト260が配置される。例えば、ストレージコンタクト260はチャネル層230に接触する。ストレージコンタクト260は、チャネル層230に垂直に重なるように配置され、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に離隔して配置されるマトリックス形態で配列される。ストレージコンタクト260は、ドーピングされたポリシリコン、Al、Cu、Ti、Ta、Ru、W、Mo、Pt、Ni、Co、TiN、TaN、WN、NbN、TiAl、TiAlN、TiSi、TiSiN、TaSi、TaSiN、RuTiN、NiSi、CoSi、IrO、RuO、又はこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されるものではない。上部絶縁層262は、複数の第2絶縁パターン232及び第2埋め込み層236上でストレージコンタクト260の側壁を囲む。
【0116】
上部絶縁層262上にはエッチング停止膜270が配置され、エッチング停止膜270上に情報保存構造物280が配置される。エッチング停止膜270は、上部絶縁層262及び情報保存構造物280に接触する。情報保存構造物280は、第1電極構造物282、誘電層284、及びプレート電極286を含む。
【0117】
第1電極構造物282は、エッチング停止膜270を貫通してストレージコンタクト260の上面に電気的に接続される。第1電極構造物282は、第3方向(Z方向)に延びるピラータイプで形成されるが、これに限定されるものではない。一実施形態において、第1電極構造物282は、ストレージコンタクト260に垂直に重なるように配置され、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に離隔して配置されるマトリックス形態で配列される。これとは異なり、ストレージコンタクト260と第1電極構造物282との間にランディングパッド(図示省略)が更に配置されて、第1電極構造物282は六角形状に配列され得る。
【0118】
集積回路装置200において、情報保存構造物280は、誘電層284上の第1保護物質層(図3aの「191」参照)、第1保護物質層191上の電極物質層(図3aの「190」参照)、電極物質層190上の第2保護物質層(図3aの「192」参照)、及びプレート電極286を含む。
【0119】
図12は、一実施形態による半導体装置の断面図である。
【0120】
図12を参照すると、半導体装置300は、基板301、基板301上の下部構造物310、基板301上に交互に積層された複数の構造物LS、複数の第1絶縁層321、及び互いに離隔する複数の第2導電パターン350を含む。複数の構造物LSのそれぞれは、X方向に延びる活性層330、活性層330に交差してX方向に直交するY方向に延びる第1導電パターン340、活性層330と第1導電パターン340との間のゲート誘電層342、第1導電パターン340と第2導電パターン350との間のゲートキャッピング層344、情報保存構造物DSの第1電極361、及び第1導電パターン340と第1電極361との間の第2絶縁層322を含む。情報保存構造物DSは、第1電極361上の誘電層365、誘電層365上の第1保護物質層(図3aの「191」参照)、第1保護物質層191上の電極物質層(図3aの「190」参照)、電極物質層190上の第2保護物質層192、及び誘電層365上の第2電極362を更に含む。X方向とY方向とは互いに直交し、基板301の上面に平行である。Z方向はX方向及びY方向に垂直であり、基板301の上面に垂直である。
【0121】
下部構造物310が基板301上に配置される。複数の構造物LS及び複数の第1絶縁層321は、下部構造物310上に積層される。下部構造物310は、基板301上の素子領域、及び素子領域を覆う絶縁領域を含む。絶縁領域は、絶縁物質、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、及びシリコン酸炭化物の少なくとも1つを含む絶縁層で形成される。
【0122】
複数の構造物LS及び複数の第1絶縁層321は、基板301上にモールド構造物を成す。複数の構造物LSは、複数の第1絶縁層321の間に配置され、複数の第1絶縁層321によってZ方向に互いに離隔される。第1絶縁層321はX方向に沿って延び、端部は第2導電パターン350内に延びる。例えば、第1絶縁層321の一部は第2導電パターン350内に延びる。第2絶縁層322は、第1絶縁層321と活性層330との間、及び第1導電パターン340と情報保存構造物DSとの間に配置される。第1絶縁層321及び第2絶縁層322は、それぞれ絶縁物質、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、及びシリコン酸炭化物の少なくとも1つを含む。第1絶縁層321は第2絶縁層322よりも水平に更に長く延びる。第2絶縁層322の厚さは第1絶縁層321の厚さよりも厚い。例えば、第2絶縁層322のZ方向の厚さは、第1絶縁層321のZ方向の厚さよりも厚い。
【0123】
活性層330は、基板301上に配置されて、X方向に水平に延びる。活性層330は、Z方向において複数が互いに離隔されて積層され、Y方向において複数個配列される。Z方向において複数個配列される活性層330は、複数の第1絶縁層321の間に配置される。活性層330は、第1導電パターン340に交差してX方向に延びるライン形態、バー(bar)形態、又は柱状を有する。活性層330は、半導体物質、例えばシリコン、ゲルマニウム、又はシリコン-ゲルマニウムを含む。
【0124】
活性層330は、第1不純物領域330a、第2不純物領域330b、及びチャネル領域330cを含む。第1不純物領域330aは第2導電パターン350に電気的に接続される。第2不純物領域330bは、情報保存構造物DSの第1電極361に電気的に接続される。第2不純物領域330bのX方向における長さは第1不純物領域330aのX方向の長さよりも長いが、これに限定されない。チャネル領域330cは、第1不純物領域330aと第2不純物領域330bとの間に配置される。チャネル領域330cは第1導電パターン340に重なる。例えば、チャネル領域330cは、第1導電パターン340にx方向に重なる。第1不純物領域330a及び第2不純物領域330bは水平方向又はx方向において互いに離隔されて互いに同じレベルに配置され、チャネル領域330cは水平チャネル領域330cである。
【0125】
第1不純物領域330a及び第2不純物領域330bは、活性層330に不純物のドーピング又はイオン注入工程を行うことで形成される。第1不純物領域330a及び第2不純物領域330bは、n型又はp型の導電型を有する。
【0126】
第1不純物領域330aの一部は図1のメモリセルトランジスタ(MCT)のソース領域に対応し、第2不純物領域330bの一部は図1のメモリセルトランジスタ(MCT)のドレイン領域に対応し、チャネル領域330cは図1のメモリセルトランジスタ(MCT)のチャネルに対応する。第1不純物領域330aの一部は、メモリセルトランジスタ(MCT)のソース領域を第2導電パターン350、即ちビットラインBLに直接接続するための第1コンタクト領域を提供し、第2不純物領域330bの一部は、メモリセルトランジスタ(MCT)のドレイン領域を情報保存要素(DSE)、即ち情報保存構造物DSに直接接続するための第2コンタクト領域を提供する。
【0127】
他の例において、活性層330は、酸化物半導体(oxide semiconductor)、例えばハフニウム-シリコン酸化物(HSO)、ハフニウム-亜鉛酸化物(HZO)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO)、インジウム-ガリウム酸化物(IGO)、インジウム-スズ酸化物(ITO)、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(IGZO)、及びインジウム-スズ-亜鉛酸化物(ITZO)の少なくとも1つを含む。
【0128】
他の例において、活性層330は、原子が所定の結晶構造を成し、トランジスタのチャネルを形成することができる二次元物質(two-dimensional material、2D material)を含む。二次元物質層は、TMD物質層(Transition Metal Dichalcogenide material layer)、ブラックリン物質層(black phosphorous material layer)、及びhBN物質層(hexagonal Boron-Nitride material layer)の少なくとも1つを含む。例えば、二次元物質層は、二次元物質を形成することができるBiOSe、Crl、WSe、MoS、TaS、WS、SnSe、ReS、β-SnTe、MnO、AsS、P(black)、InSe、h-BN、GaSe、GaN、SrTiO、マキシン(MXene)、及びヤヌス2D物質(Janus 2D materials)の少なくとも1つを含む。
【0129】
他の例において、構造物LSは、活性層330の第1領域330a及び第2領域330bにそれぞれ接続され、活性層330から成長したエピタキシャル層を更に含む。
【0130】
第1導電パターン340は、基板301上に配置されて、Y方向に水平に延びる。第1導電パターン340は、Z方向において複数個が互いに離隔して積層され、X方向において複数個が配列される。第1導電パターン340は、活性層330のチャネル領域330cと第1絶縁層321との間に配置される。第1導電パターン340は、活性層330の上面及び下面上に配置される。第1導電パターン340は、第2導電パターン350に交差してY方向に延びるライン形態、バー形態、又は柱状を有する。図示していないが、1つのメモリセル内でZ方向に積層される複数の第1導電パターン340は、それぞれの上面が露出するコンタクト領域を提供するために、Y方向に互いに異なる長さで延びる。
【0131】
第1導電パターン340は導電物質を含み、導電物質は、ドーピングされた半導体物質、導電性金属窒化物、金属、及び金属-半導体化合物の少なくとも1つを含む。第1導電パターン340は、図2を参照して説明したワードラインWLであり、「ゲート電極」とも称される。
【0132】
ゲート誘電層342は、第1導電パターン340と活性層330との間に配置される。ゲート誘電層342は、隣接する第1絶縁層321の間で、第2絶縁層322が側面からエッチングされて形成されたギャップ領域の内側空間に実質的にコンフォーマルな厚さを有するように形成される。ゲート誘電層342は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、又は高誘電率(high-k)物質を含む。
【0133】
ゲートキャッピング層344は、第1導電パターン340を側面から一部除去した領域を埋めるように配置される。例えば、ゲートキャッピング層344は、側面が第1導電パターン340の側面に接触し、上面及び下面はゲート誘電層342によって覆われる。ゲートキャッピング層344は、第1導電パターン340から第2導電パターン350を電気的に絶縁させる。
【0134】
第2導電パターン350は、基板301上にZ方向に垂直に延びる。第2導電パターン350は、Y方向に複数個配列される。第2導電パターン350は、活性層330の第1不純物領域330a及び第1端部面に隣接して配置される。第2導電パターン350は、エピタキシャル層の傾斜した側面に向かい合う傾斜した内側面を有する。1つの第2導電パターン350にZ方向に積層される複数の活性層330が電気的に接続される。第2導電パターン350は、Z方向に延びるライン形態、バー形態、又は柱状を有する。図示していないが、半導体素子は、第2導電パターン350上に配置され、第2導電パターン350に接続され、X方向に延びる上部配線を更に含む。第2導電パターン350は、ドーピングされた半導体物質、導電性金属窒化物、金属、及び金属-半導体化合物の少なくとも1つを含む。
【0135】
情報保存構造物DSは、活性層330の第2不純物領域330b及び第2端部面に隣接して配置される。情報保存構造物DSは活性層330に電気的に接続される。情報保存構造物DSは、第1電極361、第1電極361上の誘電層365、及び誘電層365上の第2電極362を含む。情報保存構造物DSの第1電極361は、図12に示したように、シリンダ(cylinder)形状を有するが、これに限定されず、実施形態において、ピラー(pillar)の形態を有する。
【0136】
第1電極361は、第2絶縁層322が側面からエッチングされて形成されたギャップ領域の内側空間に実質的にコンフォーマルな厚さを有するように形成される。第1電極361は、導電性物質を蒸着した後、第1絶縁層321の側面上の部分を除去して構造物LS別にノードが分離された状態である。第1電極361は、ドーピングされた半導体物質、導電性金属窒化物、金属、及び導電性金属酸化物の少なくとも1つを含む。
【0137】
誘電層365は第1電極361をコンフォーマルに覆う。誘電層365は、第1電極361の突出した部分を覆い、第2電極362に向かって突出した部分を含む。誘電層365は、高誘電体物質やシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はこれらの組み合わせを含む。但し、実施形態によって、誘電層365は、Hf、Al、Zr、及びLaの少なくとも1つを含む酸化物、窒化物、ケイ化物、酸窒化物、又はケイ化酸窒化物を含む。
【0138】
第2電極362は誘電層365を覆う。第2電極362は、シリンダ形状を有する第1電極361の内部空間を埋める。第2電極362は、ドーピングされた半導体物質、導電性金属窒化物、金属、及び金属-半導体化合物の少なくとも1つを含む。
【0139】
半導体装置300において、情報保存構造物DSは、誘電層365上の第1保護物質層(図3aの「191」参照)、第1保護物質層191上の電極物質層(図3aの「190」参照)、及び電極物質層190上の第2保護物質層(図3aの「192」参照)を更に含む。
【0140】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0141】
100、100a、100b、100c、100d 半導体装置
101、210、301 基板
105a、105b 第1、第2不純物領域
110 素子分離層
115 ゲートトレンチ
118 モールド層
120 ゲート誘電体層
125 ゲートキャッピング層
128 バッファ絶縁層
141、142、143 第1~第3導電パターン
146、147、148 第1~第3キャッピングパターン
150、160 下部、上部導電パターン(導電性パターン)
154 フェンス絶縁パターン
155 金属-半導体化合物層
162 バリア層
164 導電層
165 絶縁パターン
168 エッチング停止層
170、282 第1電極構造物
180 誘電体層
190 (第1)電極物質層(第2電極構造物)
191、192 第1、第2保護物質層(第2電極構造物)
193 第3保護構造物
199、286 プレート電極
200、300 集積回路装置
212、262 下部、上部絶縁層
220 第1導電ライン
222、232 第1、第2絶縁パターン
230 チャネル層
234、236 第1、第2埋め込み層
240 ゲート電極
240P1、240P2 第1、第2サブゲート電極
250 ゲート絶縁層
260 ストレージコンタクト
270 エッチング停止膜
280 情報保存構造物(キャパシタ)
284、365 誘電層
310 下部構造物
321、322 第1、第2絶縁層
330 活性層
330a、330b 第1、第2不純物領域
330c チャネル領域
340、350 第1、第2導電パターン
342 ゲート誘電層
344 ゲートキャッピング層
361、362 第1、第2電極
ACT 活性領域
CAP 情報保存構造物(キャパシタ)
BC ビットラインキャッピングパターン
BL ビットライン
BLS ビットライン構造物
DC ビットラインコンタクトパターン
DS 情報保存構造物
HL1 孔
HL2 開口部
LS 構造物
SP1、SP2、SP3 第1~第3サポート層
SP1‘、SP2’、SP3‘ 予備サポート層
SS スペーサ構造物
ST モールド構造物
WL ワードライン
WLS ワードライン構造物

図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図10
図11
図12