IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エボニック オクセノ ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲーの特許一覧

特開2024-1020012つの構造異性ビスホスファイトの混合物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102001
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】2つの構造異性ビスホスファイトの混合物
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/6571 20060101AFI20240723BHJP
   C07C 45/50 20060101ALI20240723BHJP
   C07C 47/02 20060101ALI20240723BHJP
   B01J 31/18 20060101ALI20240723BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240723BHJP
【FI】
C07F9/6571 CSP
C07C45/50
C07C47/02
B01J31/18 Z
C07B61/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023222159
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】23152173.3
(32)【優先日】2023-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523448406
【氏名又は名称】エボニック オクセノ ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンナ キアラ サレ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート フランケ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ブラハー
(72)【発明者】
【氏名】ダーク フリダグ
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス クノッサーラ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ククミエルクザイク
(72)【発明者】
【氏名】アナ マルコヴィク
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
4H050
【Fターム(参考)】
4G169AA06
4G169AA08
4G169BA27A
4G169BA27B
4G169BB02B
4G169BC71B
4G169BE01A
4G169BE01B
4G169BE07A
4G169BE07B
4G169BE29A
4G169BE29B
4G169BE37A
4G169BE37B
4G169CB11
4G169DA02
4G169ED01
4G169FA01
4G169FB05
4G169FC04
4H006AA02
4H006AC45
4H006BA24
4H006BA47
4H006BA48
4H006BA53
4H006BC10
4H006BC11
4H006BE20
4H006BE40
4H006BQ10
4H039CL45
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB81
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オレフィンのヒドロホルミル化において収率の増加を達成できる混合物及びヒドロホルミル化の方法を提供する。
【解決手段】下式化合物(1a)及びその構造異性ビスホスファイト化合物の混合物とRh化合物から得られる触媒を使用する、オレフィンをアルデヒドに転化するヒドロホルミル化の方法である。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物(1a):
【化1】
と化合物(1b):
【化2】
とを含む混合物。
【請求項2】
(a)最初にオレフィンを加える工程と、
(b)請求項1記載の混合物を加える工程と
(c)Rh化合物を加える工程と、
(d)HおよびCOを供給する工程と、
(e)前記工程(a)~前記工程(d)からの反応混合物を加熱して、前記オレフィンをアルデヒドに転化する工程と
を含む方法。
【請求項3】
前記工程(a)の前記オレフィンは、エテン、プロペン、1-ブテン、シス-および/またはトランス-2-ブテン、イソブテン、1,3-ブタジエン、1-ペンテン、シス-および/またはトランス-2-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、ヘキセン、テトラメチルエチレン、ヘプテン、1-オクテン、2-オクテン、ジ-n-ブテン、または混合物から選択される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記Rh化合物は、Rh(acac)(CO)、[(acac)Rh(COD)](Umicore、acac=アセチルアセトネートアニオン;COD=1,5-シクロオクタジエン)、RhCO12から選択される、請求項2または請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記Rh化合物は、Rh(acac)(CO)である、請求項2~請求項4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記工程(d)のHおよびCOは、1~6MPa(10~60バール)の範囲の圧力で供給される、請求項2~請求項5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
前記工程(e)の前記反応混合物の加熱は、80℃~160℃の範囲の温度で行われる、請求項2~請求項6のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの構造異性ビスホスファイトの混合物、およびヒドロホルミル化におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第2906572号明細書には、構造異性ビスホスファイトの混合物(2a+2b)が記載されている。
【0003】
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第2906572号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的目的は、オレフィンのヒドロホルミル化において収率の増加を達成できる混合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1記載の混合物によって達成される。
【0007】
化合物(1a)と化合物(1b)とを含む混合物。
【0008】
【化2】
【0009】
混合物自体に加えて、混合物を使用する方法も特許請求されている。
【0010】
(a)最初にオレフィンを加える工程と、
(b)上記の混合物を加える工程と
(c)Rh化合物を加える工程と、
(d)HおよびCOを供給する工程と、
(e)工程(a)~工程(d)からの反応混合物を加熱して、オレフィンをアルデヒドに転化する工程と
を含む方法。
【0011】
本方法の一変形例では、工程(a)のオレフィンは、エテン、プロペン、1-ブテン、シス-および/またはトランス-2-ブテン、イソブテン、1,3-ブタジエン、1-ペンテン、シス-および/またはトランス-2-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、ヘキセン、テトラメチルエチレン、ヘプテン、1-オクテン、2-オクテン、ジ-n-ブテン、またはそれらの混合物から選択される。
【0012】
本方法の一変形例では、Rh化合物は、Rh(acac)(CO)、[(acac)Rh(COD)](Umicore、acac=アセチルアセトネートアニオン、COD=1,5-シクロオクタジエン)、RhCO12から選択される。
【0013】
本方法の一変形例では、Rh化合物は、Rh(acac)(CO)である。
【0014】
本方法の一変形例では、工程(d)のHおよびCOは、1~6MPa(10~60バール)の範囲の圧力で供給される。
【0015】
本方法の一変形例では、工程(e)の反応混合物の加熱は、80℃~160℃の範囲の温度で行われる。
【0016】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
【実施例0017】
触媒実験
定圧装置、ガス流量計およびスパージングスターラーを備えたHEL Group社(英国、ハートフォードシャー)製の16mLオートクレーブ内で、ヒドロホルミル化を実施した。基質(1-オクテン)を還流下、ナトリウム上で数時間加熱し、アルゴン下で蒸留した。
【0018】
実験用の反応溶液を、アルゴン雰囲気下で予め調製した。この目的のために、100ppmのRh(acac)(CO)と、対応する量のホスファイト化合物(L:Rh=50:1)とを秤量し、8.0mlのトルエンで調製した。それぞれの場合に導入したトルエンの質量をGC分析で測定した。次いで、1.80gの1-オクテン(16ミリモル)を添加した。次いで、調製した溶液をオートクレーブに導入し、当該オートクレーブをアルゴンで3回、合成ガスで3回パージした(Linde社、H(99.999%):CO(99.997%)=1:1)。次いで、オートクレーブを、撹拌(900rpm)しながら、全圧10バールで所望の温度まで加熱した。反応温度に到達したら、合成ガス圧力を17バールに上昇させ、反応を定圧で1時間実施した。反応時間が経過したら、オートクレーブを室温に冷却し、撹拌しながら減圧し、アルゴンでパージした。反応終了後、0.5mLの各反応混合物を取り出し、4mLのペンタンで希釈し、ガスクロマトグラフィー(HP5890シリーズIIプラス、PONA法、50m×0.2mm×0.5μm)で分析した。残留オレフィンおよびアルデヒドを、溶媒トルエンを内部標準として、定量的に測定した。
【0019】
混合物(1a+1b)と混合物(2a+2b)を用いて、実験を実施した。
混合物(2a+2b)は比較例として機能する。
【0020】
触媒実験の結果
湿度[Rh]:100ppm、圧力(p):17バール、温度(T):120℃、時間(t):1時間
表:1-オクテンのヒドロホルミル化
【0021】
【表1】
【0022】
実施した実験は、与えられた目的が本発明の混合物によって達成されることを実証している。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物(1a):
【化1】
と化合物(1b):
【化2】
とを含む混合物。
【請求項2】
(a)最初にオレフィンを加える工程と、
(b)請求項1記載の混合物を加える工程と
(c)Rh化合物を加える工程と、
(d)HおよびCOを供給する工程と、
(e)前記工程(a)~前記工程(d)からの反応混合物を加熱して、前記オレフィンをアルデヒドに転化する工程と
を含む方法。
【請求項3】
前記工程(a)の前記オレフィンは、エテン、プロペン、1-ブテン、シス-および/またはトランス-2-ブテン、イソブテン、1,3-ブタジエン、1-ペンテン、シス-および/またはトランス-2-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、ヘキセン、テトラメチルエチレン、ヘプテン、1-オクテン、2-オクテン、ジ-n-ブテン、または混合物から選択される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記Rh化合物は、Rh(acac)(CO)、[(acac)Rh(COD)](Umicore、acac=アセチルアセトネートアニオン;COD=1,5-シクロオクタジエン)、RhCO12から選択される、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記Rh化合物は、Rh(acac)(CO)である、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記工程(d)のHおよびCOは、1~6MPa(10~60バール)の範囲の圧力で供給される、請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記工程(e)の前記反応混合物の加熱は、80℃~160℃の範囲の温度で行われる、請求項2記載の方法。
【外国語明細書】