(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102007
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】環境への影響を緩和するための飛行経路の重ね合わせ
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20060101AFI20240723BHJP
B64F 1/00 20240101ALI20240723BHJP
【FI】
G08G5/00 A
B64F1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024003816
(22)【出願日】2024-01-15
(31)【優先権主張番号】18/154,657
(32)【優先日】2023-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バイニング, カーク エー.
(72)【発明者】
【氏名】サイプ, アルビン エル.
(72)【発明者】
【氏名】アルタス, スティーヴン エス.
(72)【発明者】
【氏名】バウカム, スティーヴン エル.
(72)【発明者】
【氏名】フランツァー, トリスタン シー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】飛行中の航空機の環境への影響を低減させるよう、航空機の飛行経路を重ね合わせるために、航空機の経路指定を使用するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】航空機のための共通の飛行経路部分を特定し、様々な要因及び変数から、改善された飛行計画を決定して、同じ又は同様なエリアを通過して飛行する航空機のための改善された環境への影響の緩和を利用する。これらの改善された飛行計画は、航空機への摩耗を大幅に増加させることなしに航空機の環境への影響を低減させる。これにより、航空機フリート及び一般的な航空機の飛行ネットワークの環境への影響を低減させることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法(500)であって、
重ね合わせ領域(200)内の環境状態に基づいて、重ね合わせ飛行経路指定のための条件を検出すること(510)、
前記環境状態と第1の航空機(110)のための第1の経路(210)とを使用して、重ね合わせエリア(255)を特定すること(520)、
前記重ね合わせエリアと複数の航空機のための複数の経路とから、共通の飛行経路部分(250)を特定すること(526)であって、前記共通の飛行経路部分(250)は、前記重ね合わせエリアと前記複数の航空機のうちの第2の航空機(120)のための前記複数の経路からの第2の経路とを含む、共通の飛行経路部分(250)を特定すること(526)、
前記第2の航空機が前記共通の飛行経路部分の上の前記重ね合わせエリア内で飛行するためのランデブーを提供するために、前記第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定すること(528)、
前記第2の航空機のための前記基本飛行計画に対する前記少なくとも1つの変更のうちの1以上を用いて、複数の更新された飛行計画を生成すること(530)、
前記複数の更新された飛行計画から、前記重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を選択すること(532)、
前記第2の航空機のための前記基本飛行計画を前記改善された飛行計画で置き換えること(542)、及び
前記第2の航空機について、前記重ね合わせエリア内に前記重ね合わせ目標を提供するための前記改善された飛行計画を実施すること(544)を含む、方法。
【請求項2】
前記重ね合わせエリアは、飛行機雲緩和エリア(255)を含み、前記重ね合わせ目標は、
前記第1の航空機によって生成された飛行機雲に、前記重ね合わせエリア内で前記第2の航空機によって生成された飛行機雲を重ね合わせること(544)、
前記第1の航空機によって生成された前記飛行機雲を破壊すること(544)、及び
前記第1の航空機によって生成された前記飛行機雲の生成に起因するより低い環境湿度に基づいて、前記第2の航空機によって生成される前記飛行機雲を最小限に抑えること(544)、のうちの1以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記重ね合わせエリアを特定することは、
前記環境状態と前記重ね合わせ領域に対する第1の時刻における前記第1の航空機の位置とに基づいて、前記複数の航空機から前記第1の航空機を特定すること(520)、
前記重ね合わせ領域を通って移動する前記第1の航空機によって生成される飛行機雲経路を特定すること(522)、及び
前記第1の航空機によって生成される前記飛行機雲経路に対する前記重ね合わせエリアを特定すること(524)を含み、前記重ね合わせエリアを通って移動する後続の航空機は、前記第1の航空機によって生成された前記飛行機雲経路と、前記後続の航空機によって生成される飛行機雲経路と、のうちの少なくとも一方を変化させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の航空機のための前記基本飛行計画に対する前記少なくとも1つの変更を特定すること(528)は、前記重ね合わせエリア内で前記第2の航空機を配置するために、前記第2の航空機のための1以上の更新された対気速度を決定することを含み、
前記改善された飛行計画を選択すること(532)は、前記第2の航空機及び前記複数の航空機のための経路制御制限に基づいて、ランデブー対気速度を選択することを含み、前記ランデブー対気速度は、前記共通の飛行経路部分内の前記重ね合わせエリア内で前記第2の航空機を配置する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の更新された飛行計画を生成することは、
前記重ね合わせエリアを通る前記第2の航空機を経路指定するための複数の見込み飛行計画を生成すること(530)、及び
前記複数の見込み飛行計画の各々について経路変更値を決定すること(530)を含み、前記更新された飛行計画は、経路変更制限未満の経路変更値を有する見込み飛行計画を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記経路変更値は、
前記複数の見込み飛行計画のうちの見込み飛行計画(530)によってもたらされる更なる燃料燃焼、
前記見込み飛行計画(530)によってもたらされる更なる排出、
前記見込み飛行計画(530)によってもたらされる遅延、及び
前記見込み飛行計画(530)によってもたらされる前記第2の航空機に対する更なる摩耗、のうちの1以上を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
承認のために前記改善された飛行計画を飛行計画アービターに提供すること(540)、及び
前記第2の航空機で前記改善された飛行計画を実施するために承認を受け取ること(540)を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサ(610)と、
指示命令を含むメモリストレージデバイス(620)とを備える、システム(600)であって、前記指示命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、
重ね合わせ領域(200)内の環境状態に基づいて、重ね合わせ飛行経路指定のための条件を検出すること(510)、
前記環境状態と第1の航空機(110)のための第1の経路(210)とを使用して、重ね合わせエリア(255)を特定すること(520)、
前記重ね合わせエリアと複数の航空機のための複数の経路とから、共通の飛行経路部分(250)を特定すること(526)であって、前記共通の飛行経路部分(250)は、前記重ね合わせエリアと前記複数の航空機のうちの第2の航空機(120)のための前記複数の経路からの第2の経路とを含む、共通の飛行経路部分(250)を特定すること(526)、
前記第2の航空機が前記共通の飛行経路部分の上の前記重ね合わせエリア内で飛行するためのランデブーを提供するために、前記第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定すること(528)、
前記第2の航空機のための前記基本飛行計画に対する前記少なくとも1つの変更のうちの1以上を用いて、複数の更新された飛行計画を生成すること(530)、
前記複数の更新された飛行計画から、前記重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を選択すること(532)、
前記第2の航空機のための前記基本飛行計画を前記改善された飛行計画で置き換えること(542)、及び
前記第2の航空機について、前記重ね合わせエリア内に前記重ね合わせ目標を提供するための前記改善された飛行計画を実施すること(544)を含む、動作を実行する、システム。
【請求項9】
前記重ね合わせエリアは、飛行機雲緩和エリア(255)を含み、前記重ね合わせ目標は、
前記第1の航空機によって生成された飛行機雲に、前記重ね合わせエリア内で前記第2の航空機によって生成された飛行機雲を重ね合わせること(544)、
前記第1の航空機によって生成された前記飛行機雲を破壊すること(544)、及び
前記第1の航空機によって生成された前記飛行機雲の生成に起因するより低い環境湿度に基づいて、前記第2の航空機によって生成される前記飛行機雲を最小限に抑えること(544)、のうちの1以上を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記重ね合わせエリアを特定することは、
前記環境状態と前記重ね合わせ領域に対する第1の時刻における前記第1の航空機の位置とに基づいて、前記複数の航空機から前記第1の航空機を特定すること(520)、
前記重ね合わせ領域を通って移動する前記第1の航空機によって生成される飛行機雲経路を特定すること(522)、及び
前記第1の航空機によって生成される前記飛行機雲経路に対する前記重ね合わせエリアを特定すること(524)を含み、前記重ね合わせエリアを通って移動する後続の航空機は、前記第1の航空機によって生成された前記飛行機雲経路と、前記後続の航空機によって生成される飛行機雲経路と、のうちの少なくとも一方を変化させる、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の航空機のための前記基本飛行計画に対する前記少なくとも1つの変更を特定すること(528)は、前記重ね合わせエリア内で前記第2の航空機を配置するために、前記第2の航空機のための1以上の更新された対気速度を決定することを含み、
前記改善された飛行計画を選択すること(532)は、前記第2の航空機及び前記複数の航空機のための経路制御制限に基づいて、ランデブー対気速度を選択することを含み、前記ランデブー対気速度は、前記共通の飛行経路部分内の前記重ね合わせエリア内で前記第2の航空機を配置する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の更新された飛行計画を生成することは、
前記重ね合わせエリアを通る前記第2の航空機を経路指定するための複数の見込み飛行計画を生成すること(530)、及び
前記複数の見込み飛行計画の各々についての経路変更値を決定すること(530)を含み、前記更新された飛行計画は、経路変更制限未満の経路変更値を有する見込み飛行計画を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記経路変更値は、
前記複数の見込み飛行計画のうちの見込み飛行計画(530)によってもたらされる更なる燃料燃焼、
前記見込み飛行計画(530)によってもたらされる更なる排出、
前記見込み飛行計画(530)によってもたらされる遅延、及び
前記見込み飛行計画(530)によってもたらされる前記第2の航空機に対する更なる摩耗、のうちの1以上を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記動作は、
承認のために前記改善された飛行計画を飛行計画アービターに提供すること(540)、及び
前記第2の航空機で前記改善された飛行計画を実施するために承認を受け取ること(540)を更に含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
コンピュータ可読プログラムコード(411)が具現化されたコンピュータ可読ストレージ媒体(620)を含む、コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラムコードは、動作を実行するように1以上のコンピュータプロセッサ(610)によって実行可能であり、前記動作は、
重ね合わせ領域(200)内の環境状態に基づいて、重ね合わせ飛行経路指定のための条件を検出すること(510)、
前記環境状態と第1の航空機(110)のための第1の経路(210)とを使用して、重ね合わせエリア(255)を特定すること(520)、
前記重ね合わせエリアと複数の航空機のための複数の経路とから、共通の飛行経路部分(250)を特定すること(526)であって、前記共通の飛行経路部分(250)は、前記重ね合わせエリアと前記複数の航空機のうちの第2の航空機(120)のための前記複数の経路からの第2の経路とを含む、共通の飛行経路部分(250)を特定すること(526)、
前記第2の航空機が前記共通の飛行経路部分の上の前記重ね合わせエリア内で飛行するためのランデブーを提供するために、前記第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定すること(528)、
前記第2の航空機のための前記基本飛行計画に対する前記少なくとも1つの変更のうちの1以上を用いて、複数の更新された飛行計画を生成すること(530)、
前記複数の更新された飛行計画から、前記重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を選択すること(532)、
前記第2の航空機のための前記基本飛行計画を前記改善された飛行計画で置き換えること(542)、及び
前記第2の航空機について、前記重ね合わせエリア内に前記重ね合わせ目標を提供するための前記改善された飛行計画を実施すること(544)を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記重ね合わせエリアは、飛行機雲緩和エリア(255)を含み、前記重ね合わせ目標は、
前記第1の航空機によって生成された飛行機雲に、前記重ね合わせエリア内で前記第2の航空機によって生成された飛行機雲を重ね合わせること(544)、
前記第1の航空機によって生成された前記飛行機雲を破壊すること(544)、及び
前記第1の航空機によって生成された前記飛行機雲の生成に起因するより低い環境湿度に基づいて、前記第2の航空機によって生成される前記飛行機雲を最小限に抑えること(544)、のうちの1以上を含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記重ね合わせエリアを特定することは、
前記環境状態と前記重ね合わせ領域に対する第1の時刻における前記第1の航空機の位置とに基づいて、前記複数の航空機から前記第1の航空機を特定すること(520)、
前記重ね合わせ領域を通って移動する前記第1の航空機によって生成される飛行機雲経路を特定すること(522)、及び
前記第1の航空機によって生成される前記飛行機雲経路に対する前記重ね合わせエリアを特定すること(524)を含み、前記重ね合わせエリアを通って移動する後続の航空機は、前記第1の航空機によって生成された前記飛行機雲経路と、前記後続の航空機によって生成される飛行機雲経路と、のうちの少なくとも一方を変化させる、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記第2の航空機のための前記基本飛行計画に対する前記少なくとも1つの変更を特定すること(528)は、前記重ね合わせエリア内で前記第2の航空機を配置するために、前記第2の航空機のための1以上の更新された対気速度を決定することを含み、
前記改善された飛行計画を選択すること(532)は、前記第2の航空機及び前記複数の航空機のための経路制御制限に基づいて、ランデブー対気速度を選択することを含み、前記ランデブー対気速度は、前記共通の飛行経路部分内の前記重ね合わせエリア内で前記第2の航空機を配置する、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記複数の更新された飛行計画を生成することは、
前記重ね合わせエリアを通る前記第2の航空機を経路指定するための複数の見込み飛行計画を生成すること(530)、及び
前記複数の見込み飛行計画の各々について経路変更値を決定すること(530)を含み、前記更新された飛行計画は、経路変更制限未満の経路変更値を有する見込み飛行計画を含み、前記経路変更値は、
前記複数の見込み飛行計画のうちの見込み飛行計画(530)によってもたらされる更なる燃料燃焼、
前記見込み飛行計画(530)によってもたらされる更なる排出、
前記見込み飛行計画(530)によってもたらされる遅延、及び
前記見込み飛行計画(530)によってもたらされる前記第2の航空機に対する更なる摩耗、のうちの1以上を含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記動作は、
承認のために前記改善された飛行計画を飛行計画アービターに提供すること(540)、及び
前記第2の航空機で前記改善された飛行計画を実施するために承認を受け取ること(540)を更に含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の態様は、航空機の制御に関する。特に、本開示は、飛行中の航空機の環境への影響を低減させるよう、航空機の飛行経路を重ね合わせる(overlaying)ために、航空機の経路指定を使用するシステム及び方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 飛行中の航空機は、空域を通って移動する航空機からの、燃料消費による排出や騒音放出を含む、幾つかの種類の環境への影響をもたらす。飛行中の航空機の別の1つの一般的な環境への影響は、通常は飛行機雲(contrail)と呼ばれる水蒸気や結露の軌跡の生成である。飛行機雲は、様々な環境条件の下で、大気中の様々な高度で生成される。燃料の排出と騒音の放出は、大気補正の変化、ならびに騒音の放出に晒され得る人々への不快感を含む、環境全体の変化をもたらし得る。更に、航空機からの飛行機雲が周囲環境における保温性に変化をもたらし得ることを示す研究も増えている。例えば、飛行機雲は地球の大気中に熱赤外線を閉じ込める可能性がある。所与の空域内を飛行する航空機の数が増えれば増えるほど、これらの排出及び放出や飛行機雲の影響は、空域の環境や地球環境を変化させるか又はそれらに影響を及ぼし得る。
【0003】
[0003] 重ね合わせ(overlay)飛行経路指定を提供することを含む、航空産業によってもたらされる環境への影響を低減させ続けるための解決策は、依然として困難である。例えば、民間航空会社などの航空機のオペレータは、民間及び商業運航の大規模な性質により、航空機フリートが環境に与える影響を低減させるために、重ね合わせ飛行経路指定を利用することができなかった。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 1以上のコンピュータのシステムが、システムにインストールされたソフトウェア、ファームウェハ、ハードウェア、又はこれらの組み合わせを有するおかげで、特定の動作又はアクションを実行するように構成され得る。それらは、動作中に、システムにアクションを実行させる。1以上のコンピュータプログラムが、指示命令を含むおかげで、特定の動作又はアクションを実行するように構成され得る。該指示命令は、データ処理装置によって実行されると、該装置にアクションを実行させる。1つの一般的な態様は、方法を含む。該方法は、重ね合わせ領域内の環境状態に基づいて、重ね合わせ飛行経路指定のための条件を検出すること、環境状態と第1の航空機のための第1の経路とを使用して、重ね合わせエリアを特定すること、及び、重ね合わせエリアと複数の航空機のための複数の経路とから、共通の飛行経路部分を特定することを含む。共通の飛行経路部分は、重ね合わせエリアと複数の航空機のうちの第2の航空機のための複数の経路からの第2の経路とを含んでよい。該方法はまた、第2の航空機が共通の飛行経路部分の上の重ね合わせエリア内で飛行するためのランデブーを提供するために、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定すること、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更のうちの1以上を用いて、複数の更新された飛行計画を生成すること、複数の更新された飛行計画から、重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を選択することも含む。該方法はまた、第2の航空機のための基本飛行計画を改善された飛行計画で置き換えること、及び、第2の航空機について、重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を実施することも含む。この態様の他の複数の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1以上のコンピュータストレージデバイスに記録されたコンピュータプログラムを含む。それらの各々は、該方法のアクションを実行するように構成されている。
【0005】
[0005] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、該方法では、重ね合わせエリアが飛行機雲緩和エリアを含んでよく、重ね合わせ目標が、第1の航空機によって生成された飛行機雲に、重ね合わせエリア内で第2の航空機によって生成された飛行機雲を重ね合わせること、第1の航空機によって生成された飛行機雲を破壊すること、及び、第1の航空機によって生成された飛行機雲の生成に起因するより低い環境湿度に基づいて、第2の航空機によって生成される飛行機雲を最小限に抑えること、のうちの1以上を含んでよい。
【0006】
[0006] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、重ね合わせエリアを特定することが、環境状態と重ね合わせ領域に対する第1の時刻における第1の航空機の位置とに基づいて、複数の航空機から第1の航空機を特定すること、重ね合わせ領域を通って移動する第1の航空機によって生成される飛行機雲経路を特定すること、及び、第1の航空機によって生成される飛行機雲経路に対する重ね合わせエリアを特定することを含む。その場合、重ね合わせエリアを通って移動する後続の航空機は、第1の航空機によって生成された飛行機雲経路と、後続の航空機によって生成される飛行機雲経路と、のうちの少なくとも一方を変化させる。
【0007】
[0007] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定することが、重ね合わせエリア内で第2の航空機を配置するために、第2の航空機のための1以上の更新された対気速度を決定することを含んでよく、及び、改善された飛行計画を選択することが、第2の航空機及び複数の航空機のための経路制御制限に基づいて、ランデブー対気速度を選択することを含んでよい。その場合、ランデブー対気速度は、共通の飛行経路部分内の重ね合わせエリア内で第2の航空機を配置する。
【0008】
[0008] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、複数の更新された飛行計画を生成することが、重ね合わせエリアを通る第2の航空機を経路指定するための複数の見込み飛行計画を生成すること、及び、複数の見込み飛行計画の各々について経路変更値を決定することを含んでよい。その場合、更新された飛行計画は、経路変更制限未満の経路変更値を有する見込み飛行計画を含んでよい。経路変更値は、複数の見込み飛行計画のうちの見込み飛行計画によってもたらされる更なる燃料燃焼、見込み飛行計画によってもたらされる更なる排出、見込み飛行計画によってもたらされる遅延、及び見込み飛行計画によってもたらされる第2の航空機に対する更なる摩耗、のうちの1以上を含んでよい。
【0009】
[0009] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、該方法は、承認のために改善された飛行計画を飛行計画アービター(arbiter)に提供すること、及び、第2の航空機で改善された飛行計画を実施するために承認を受け取ることを含んでよい。説明される技法の実施は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータがアクセス可能な媒体のコンピュータソフトウェアを含んでよい。
【0010】
[0010] 本開示は、一態様においてシステムを提供する。該システムは、プロセッサと、指示命令を含むメモリストレージデバイスとを含む。該指示命令は、プロセッサによって実行されると、動作を実行する。該動作は、重ね合わせ領域内の環境状態に基づいて、重ね合わせ飛行経路指定のための条件を検出すること、環境状態と第1の航空機のための第1の経路とを使用して、重ね合わせエリアを特定すること、及び、重ね合わせエリアと複数の航空機のための複数の経路とから、共通の飛行経路部分を特定することを含んでよい。共通の飛行経路部分は、重ね合わせエリアと複数の航空機のうちの第2の航空機のための複数の経路からの第2の経路とを含んでよい。該動作はまた、第2の航空機が共通の飛行経路部分の上の重ね合わせエリア内で飛行するためのランデブーを提供するために、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定すること、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更のうちの1以上を用いて、複数の更新された飛行計画を生成すること、及び、複数の更新された飛行計画から、重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を選択することも含む。該動作はまた、第2の航空機のための基本飛行計画を改善された飛行計画で置き換えること、及び、第2の航空機について、重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を実施することも含む。
【0011】
[0011] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的なシステムと組み合わせて、該システムでは、重ね合わせエリアが飛行機雲緩和エリアを含んでよく、重ね合わせ目標が、第1の航空機によって生成された飛行機雲に、重ね合わせエリア内で第2の航空機によって生成された飛行機雲を重ね合わせること、第1の航空機によって生成された飛行機雲を破壊すること、及び、第1の航空機によって生成された飛行機雲の生成に起因するより低い環境湿度に基づいて、第2の航空機によって生成される飛行機雲を最小限に抑えること、のうちの1以上を含んでよい。
【0012】
[0012] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的なシステムと組み合わせて、該システムでは、重ね合わせエリアを特定することが、環境状態と重ね合わせ領域に対する第1の時刻における第1の航空機の位置とに基づいて、複数の航空機から第1の航空機を特定すること、重ね合わせ領域を通って移動する第1の航空機によって生成される飛行機雲経路を特定すること、及び、第1の航空機によって生成される飛行機雲経路に対する重ね合わせエリアを特定することを含む。その場合、重ね合わせエリアを通って移動する後続の航空機は、第1の航空機によって生成された飛行機雲経路と、後続の航空機によって生成される飛行機雲経路と、のうちの少なくとも一方を変化させる。
【0013】
[0013] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的なシステムと組み合わせて、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定することが、重ね合わせエリア内で第2の航空機を配置するために、第2の航空機のための1以上の更新された対気速度を決定することを含んでよく、及び、改善された飛行計画を選択することが、第2の航空機及び複数の航空機のための経路制御制限に基づいて、ランデブー対気速度を選択することを含んでよい。その場合、ランデブー対気速度は、共通の飛行経路部分内の重ね合わせエリア内で第2の航空機を配置する。
【0014】
[0014] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的なシステムと組み合わせて、システムでは、複数の更新された飛行計画を生成することが、重ね合わせエリアを通る第2の航空機を経路指定するための複数の見込み飛行計画を生成すること、及び複数の見込み飛行計画の各々について経路変更値を決定することを含んでよい。その場合、更新された飛行計画は、経路変更制限未満の経路変更値を有する見込み飛行計画を含んでよい。経路変更値は、複数の見込み飛行計画のうちの見込み飛行計画によってもたらされる更なる燃料燃焼、見込み飛行計画によってもたらされる更なる排出、見込み飛行計画によってもたらされる遅延、及び見込み飛行計画によってもたらされる第2の航空機に対する更なる摩耗、のうちの1以上を含んでよい。
【0015】
[0015] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的なシステムと組み合わせて、該動作は、承認のために改善された飛行計画を飛行計画アービターに提供すること、及び、第2の航空機で改善された飛行計画を実施するために承認を受け取ることを含んでよい。
【0016】
[0016] 本開示は、一態様では、コンピュータプログラム製品を提供する。該コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化されたコンピュータ可読ストレージ媒体を含む。該コンピュータ可読プログラムコードは、動作を実行するように1以上のコンピュータプロセッサによって実行可能である。該動作は、重ね合わせ領域内の環境状態に基づいて、重ね合わせ飛行経路指定のための条件を検出すること、環境状態と第1の航空機のための第1の経路とを使用して、重ね合わせエリアを特定すること、及び、重ね合わせエリアと複数の航空機のための複数の経路とから、共通の飛行経路部分を特定することを含んでよい。共通の飛行経路部分は、重ね合わせエリアと複数の航空機のうちの第2の航空機のための複数の経路からの第2の経路とを含んでよい。該動作は、更に、第2の航空機が共通の飛行経路部分の上の重ね合わせエリア内で飛行するためのランデブーを提供するために、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定することを含んでよい。該動作はまた、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更のうちの1以上を用いて、複数の更新された飛行計画を生成すること、複数の更新された飛行計画から、重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を選択すること、及び、第2の航空機のための基本飛行計画を改善された飛行計画で置き換えることも含む。該動作はまた、第2の航空機について、重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を実施することも含んでよい。
【0017】
[0017] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的なコンピュータプログラム製品と組み合わせて、重ね合わせエリアが飛行機雲緩和エリアを含んでよく、重ね合わせ目標が、第1の航空機によって生成された飛行機雲に、重ね合わせエリア内で第2の航空機によって生成された飛行機雲を重ね合わせること、第1の航空機によって生成された飛行機雲を破壊すること、及び、第1の航空機によって生成された飛行機雲の生成に起因するより低い環境湿度に基づいて、第2の航空機によって生成される飛行機雲を最小限に抑えること、のうちの1以上を含んでよい。
【0018】
[0018] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的なコンピュータプログラム製品と組み合わせて、重ね合わせエリアを特定することが、環境状態と重ね合わせ領域に対する第1の時刻における第1の航空機の位置とに基づいて、複数の航空機から第1の航空機を特定すること、重ね合わせ領域を通って移動する第1の航空機によって生成される飛行機雲経路を特定すること、及び、第1の航空機によって生成される飛行機雲経路に対する重ね合わせエリアを特定することを含む。その場合、重ね合わせエリアを通って移動する後続の航空機は、第1の航空機によって生成された飛行機雲経路と、後続の航空機によって生成される飛行機雲経路と、のうちの少なくとも一方を変化させる。
【0019】
[0019] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的なコンピュータプログラム製品と組み合わせて、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定することが、重ね合わせエリア内で第2の航空機を配置するために、第2の航空機のための1以上の更新された対気速度を決定することを含んでよく、及び、改善された飛行計画を選択することが、第2の航空機及び複数の航空機のための経路制御制限に基づいて、ランデブー対気速度を選択することを含んでよい。その場合、ランデブー対気速度は、共通の飛行経路部分内の重ね合わせエリア内で第2の航空機を配置する。一態様では、上記又は下記の任意の例示的なコンピュータプログラム製品と組み合わせて、複数の更新された飛行計画を生成することが、重ね合わせエリアを通る第2の航空機を経路指定するための複数の見込み飛行計画を生成すること、及び、複数の見込み飛行計画の各々について経路変更値を決定することを含んでよい。その場合、更新された飛行計画は、経路変更制限未満の経路変更値を有する見込み飛行計画を含んでよい。幾つかの実施例では、経路変更値が、複数の見込み飛行計画のうちの見込み飛行計画によってもたらされる更なる燃料燃焼、見込み飛行計画によってもたらされる更なる排出、見込み飛行計画によってもたらされる遅延、及び見込み飛行計画によってもたらされる第2の航空機に対する更なる摩耗、のうちの1以上を含んでよい。
【0020】
[0020] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的なコンピュータプログラム製品と組み合わせて、該動作は、承認のために改善された飛行計画を飛行計画アービターに提供すること、及び、第2の航空機で改善された飛行計画を実施するために承認を受け取ることを含んでよい。
【0021】
[0021] 本開示の上述の特徴が詳細に理解されるように、上で簡単に要約したものよりも更に詳細な本開示の説明が、幾つかが添付の図面において例示されている例示的な複数の態様を参照することによってなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】[0022] 本開示の複数の態様による、例示的な航空機が生成する環境への影響を示す。
【
図2】[0023] 本開示の複数の態様による、航空機の重ね合わせ経路指定調整の一実施例を示す。
【
図3】[0024] 本開示の複数の態様による、重ね合わせエリア内の例示的な飛行計画を示す。
【
図4】[0025] 本開示の複数の態様による、データ処理アーキテクチャを示す。
【
図5】[0026] 本開示の複数の態様による、重ね合わせ目標のための改善された飛行計画を決定するための方法のフローチャートである。
【
図6】[0027] 本開示の複数の態様による、コンピューティングデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0028] 本開示は、航空機の群の全体的な環境への影響を低減させるために後続の又は第2の航空機にとって可能な航空機の経路を生成するためのシステム及び方法に関する。先頭の航空機と同様な飛行経路を通って飛行又はさもなければ移動する後続の航空機は、低減された航空機の燃料排出、騒音放出、及び低減された飛行機雲の生成や持続を含む、様々な航空機の排出及び放出の地理的範囲を低減させることによって、航空機群の全体的な環境への影響を低減させる。
【0024】
[0029] 民間航空会社などの航空機のオペレータは、運航中にその航空機フリートの全体的な環境への影響を低減させることに大きなインセンティブを有する。例えば、航空機が重ね合わせ飛行経路において移動することにより、航空機群によって生成される飛行機雲の量が低減されてよく、したがって、航空機及びその全体的な環境への影響を低減させることに利点を提供する。世界中の規制当局や消費者層が、航空業界を含む様々な産業からの環境への影響の低減をますます求めるようになるにつれて、こうした懸念はますます重要になっている。しかし、膨大な数の航空機及びその運航は、航空機が移動する経路が様々であり変化するので、重ね合わせ飛行経路を効率的に調整することは困難である。
【0025】
[0030] 例えば、一般的な航空機の飛行手順は、航空機が最適な飛行経路又は重ね合わせ飛行経路を飛行することを妨げ、一方で、大気中に更なる飛行機雲を生成する。更に、2つの航空機を接近編隊飛行や追従飛行させることによって、手作業で飛行経路を同時に重ね合わせたり、飛行機雲を積極的に拡散させたりするには、多大なパイロットの訓練や調整、疲労を伴う手作業の飛行を必要とし、衝突のリスクを必然的にもたらし、旅客や荷物の運送及びほとんどの民間航空機の運航に不適切である。
【0026】
[0031] 本明細書で説明されるシステム及び方法は、航空機の重ね合わせエリアを特定すること、及び、重ね合わせ飛行経路指定を利用するための改善された飛行経路を様々な要因や変数から決定することを提供する。これらの改善された飛行計画は、航空機の一般的な動作を考慮しながら、航空機の環境への影響を低減させる。それによって、環境への影響を低減させることは、所与の燃料量に対する航空機の所与の航続距離を縮めたり、他の運航の/機械的な課題を航空機にもたらしたりすることはない。
【0027】
[0032] 説明されるシステム及び方法はまた、運航中に航空機の環境への影響を低減させることも提供する。幾つかの実施例では、航空機の改善された燃料効率や一般的な動作が、航空機及び運航全体によって生成される飛行機雲の量を低減させることによって、環境的成果を改善する。更に、幾つかの実施例では、多くの航空機によって生成される過剰な数の飛行機雲が、環境に悪影響を及ぼすことが示されている。航空機が運航の少なくとも一部にわたる重ね合わせエリアを通って飛行することにより、複数の航空機によって生成される飛行機雲の数や持続性も低減させることによって、この環境への影響が低減される。
【0028】
[0033]
図1は、本開示の複数の態様による、例示的な航空機が生成する環境への影響を示す。環境100は、第1の航空機110と第2の航空機120とを含む複数の航空機を含む。環境100は、航空機が運航を行う特定の空域又は地理的領域を含んでよい。飛行中の航空機の各々は、環境100に影響を与える。本明細書の複数の実施例では、環境への影響及び環境への影響の低減が、飛行機雲に関して説明されるが、環境への影響は、本明細書で説明されるように、重ね合わせ飛行経路指定を利用することによって低減されてよい任意の種類の影響を含んでよい。
【0029】
[0034] 幾つかの実施例では、第1の航空機110が、環境100の空域を通って移動又はさもなければ飛行するときに、第1の航空機110は飛行機雲115を生成する。幾つかの実施例では、飛行機雲115が、第1の航空機110の燃料排出によってもたらされる結露によって、及び/又は、飛行中の航空機の様々な構成要素の圧力変化(例えば、翼端やエンジンなどの圧力変化)から、形成される凝縮された水及び/又は氷の結晶を含む。第2の航空機120もまた、環境100内に飛行機雲125を生成する。幾つかの実施例では、飛行機雲が、様々な環境への影響をもたらす可能性がある。例えば、飛行機雲は、熱エネルギーが環境100から放射すること(例えば、地球の下層大気から宇宙への放射)を妨げることを含んで、環境100内の熱放射に様々なレベルの変化を引き起こす可能性がある。
【0030】
[0035] 飛行機雲115及び125を含む飛行機雲は、環境100の幾つかの大気条件において消散し得るが、飛行機雲はまた、長い期間にわたり環境100内に持続することもある。例えば、持続する飛行機雲135及び145は、持続する飛行機雲を生成した航空機が環境100の空域から移動した後で、一定期間にわたり環境100内に存在する。飛行機雲115及び125並びに持続する飛行機雲135及び145は共に、環境100内に熱放射を閉じ込めることを含んで、上述された環境への影響をもたらし得る。
【0031】
[0036] 幾つかの実施例では、飛行機雲からの影響を含む飛行機雲115及び125の各々は、重ね合わせエリア内で移動する後続の航空機によって破壊又は低減されてよい。例えば、第1の航空機110によって生成される飛行機雲115は、飛行機雲115に関連付けられた重ね合わせエリア150を含む。重ね合わせエリア150を通って移動する第2の航空機120などの航空機は、飛行機雲115を破壊してよく、飛行機雲115の少なくともある程度の消散を引き起こし、したがって、環境100内に熱放射を閉じ込める飛行機雲115の能力を低減させる。更に、第2の航空機120などの後続の航空機は、重ね合わせエリア150内の飛行機雲生成のための環境湿度の低減に起因して、重ね合わせエリア150内でより少ない飛行機雲を生成するか又は飛行機雲を全く生成しない可能性がある。第2の航空機120などの後続の航空機はまた、飛行機雲115に重ね合わされた重ね合わせエリア150内で飛行機雲を生成し得る。それによって、2つの飛行機雲の全体的な影響は、重ね合わせエリア150の外側の異なる位置における飛行機雲と比較して低減される。
【0032】
[0037] 幾つかの実施例では、第2の航空機120が、第1の航空機110の後ろで重ね合わせエリア150内で移動するように配置されて、第1の航空機110と第2の航空機120との両方の環境への影響を安全に低減させる。本明細書で説明される改善された飛行計画は、第2の航空機120が重ね合わせエリア150内で飛行することを可能にしながら、第1の航空機110と第2の航空機120との間の任意の物理的な又は安全でない相互作用を回避するための適切な間隔を提供する。
【0033】
[0038] 幾つかの実施例では、環境状態と航空機のための変更された飛行計画とが、好適な環境への影響の緩和を提供しない場合がある。例えば、温度、周囲の風、降水、及び他の要因を含む、様々な環境/大気条件が、飛行機雲の生成の機会を低減させ得る。それによって、それぞれの航空機が環境100を通って移動する間に、飛行機雲115及び125は生成されず、又は生成されても迅速に消散する。更に、以下で説明される、第1の航空機110と第2の航空機120との間の距離、又は航空機の経路の間の距離が、それぞれの航空機のための飛行計画の効率的な変更を妨げることがあり、したがって、重ね合わせエリア150を通って移動する環境への影響の潜在的な低減を減少させる。
【0034】
[0039] 更に、第2の航空機120と第1の航空機110が、両方の航空機の環境への影響を低減させることなどの重ね合わせ目標を実現することを確実にしながら、第1の航空機110と第2の航空機120との動作を調整することは、困難なままである。幾つかの実施例では、第1の航空機110と第2の航空機120とが、同じ航空会社などの同じオペレータによって運航されてよい。第1の航空機110と第2の航空機120とはまた、異なるオペレータによって運航されてもよい。例えば、第1の航空機110は、第1の航空会社によって運航されてよく、第2の航空機120は、第2の航空会社によって運航されてよい。両方の例では、重ね合わせエリア150を通過するための移動経路の調整が、
図2~
図6に関して説明されるように、経路の改善及び調整を必要とする。
【0035】
[0040]
図2は、本開示の複数の態様による、航空機の重ね合わせ経路指定調整の一実施例を示す。
図2は、重ね合わせ領域200を含む。幾つかの実施例では、重ね合わせ領域200内の環境状態が、所与の時間における飛行機雲の生成が可能であるか又は可能性が高いことを示す。例えば、重ね合わせ領域200内の温度や環境湿度などを含む大気条件が、重ね合わせ領域200を通って飛行する航空機が、燃料排出、航空機上の圧力変化、又は他の飛行機雲の生成メカニズムを介して、飛行機雲の生成をもたらす可能性が高いことを示し得る。
【0036】
[0041] 幾つかの実施例では、複数の航空機205が、所与の期間内に重ね合わせ領域200を通って移動する。例えば、複数の航空機205は全て、互いに所与の時間(例えば、数分)内に重ね合わせ領域200を通って移動し得る。それによって、複数の航空機205の各々に関連付けられた経路が、重ね合わせ領域200内の飛行機雲の生成を低減させることを含んで、複数の航空機の環境への影響を緩和するように潜在的に変更され得る。
【0037】
[0042] 幾つかの実施例では、複数の航空機205が、第1の航空機110、第2の航空機120、第3の航空機230、及び第4の航空機240を含む。その場合、複数の航空機の各々は、飛行経路に関連付けられる。例えば、第1の航空機110のための第1の経路210、第2の航空機120のための第2の経路220a、第3の航空機230のための第3の経路235、及び第4の航空機240のための第4の経路245が全て、重ね合わせ領域200を通って移動する飛行経路の部分を含んでよい。
【0038】
[0043] 幾つかの実施例では、第1の経路210、第2の経路220a、第3の経路235、及び第4の経路245が、それぞれの航空機がそれらの対応する目的地に移動するときに、それぞれの航空機のための予め計画された又は標準的な移動経路である。例えば、第1の航空機110は、第1の経路210に沿って目的地に移動しており、第2の航空機120は、第2の経路220aに沿って別の目的地に移動しており、第3の航空機230は、第3の経路235に沿って別の目的地に移動している(本明細書では異なる目的地として説明されるが、それぞれの経路の2つ以上は、同じ目的地への経路を提供してもよい)。
【0039】
[0044] 幾つかの実施例では、それぞれの経路に沿って移動する航空機の各々が、飛行機雲などの環境への影響を生成する。例えば、第1の経路210に沿って飛行している第1の航空機110は飛行機雲215を生成し、第2の経路220aに沿って飛行している第2の航空機120は、飛行機雲225aを生成する。複数の航空機205のうちの第3の航空機230、第4の航空機240、及び他の航空機もまた、重ね合わせ領域200内で飛行機雲(
図2では示されていない)を生成し得る。
【0040】
[0045] 幾つかの実施例では、重ね合わせ領域200を通って移動している第1の又は先頭の航空機が、先頭の飛行機雲の航空機として選択される。例えば、第1の航空機110は、第2の航空機120及び第3の航空機230の前に、第1の時刻に重ね合わせエリア255を通って移動し得る。それによって、飛行機雲115が、重ね合わせ領域200内に生成される。幾つかの実施例では、重ね合わせエリア255が、本明細書で説明されるように飛行機雲緩和エリアである。その場合、1以上の航空機からの飛行機雲が、飛行機雲の環境への影響を低減させるために変化してよい。
【0041】
[0046]
図1で上述されたように、飛行機雲215は、重ね合わせ領域200内の重ね合わせエリア255に関連付けられる。幾つかの実施例では、重ね合わせエリア255が、空域のエリアを含む。該空域は、後続の航空機が所与の期間内に重ね合わせエリアを通過するときに、重ね合わせ目標を提供する。例えば、重ね合わせエリア255は、飛行機雲215の生成に起因する低減された環境湿度を有するエリアを含み得る。更に、重ね合わせエリア255は、風又は他の環境状態に起因して飛行機雲215がドリフトし得るエリアを含んでよい。
【0042】
[0047] 例えば、第1の航空機110が重ね合わせ領域200を通過した後の第2の時刻において、飛行機雲215は、風216に起因して、第1の経路210に沿った元々の位置から
図2で描かれている位置にドリフトしている。幾つかの実施例では、重ね合わせエリア255を通って移動する複数の航空機205のうちの後続の航空機が、飛行機雲215を低減させ及び/又は後続の航空機によって生成される飛行機雲を低減させる。
【0043】
[0048]
図2で示されているように、第2の航空機120及び第3の航空機230は両方とも、計画された飛行経路に沿って移動するときに、重ね合わせエリア255を通過する。第4の航空機240は、その飛行経路に沿って移動するときに、重ね合わせエリア255を通過しない。幾つかの実施例では、第3の経路235が、経路変更制限内の第3の経路235の変更を可能にする任意の関連付けられた更新された飛行計画を有さない。例えば、第3の経路235が重ね合わせエリア255を通過している間に、その対気速度、経路、高度などに対する変更は、第3の航空機230が非効率に動作することをもたらす可能性がある。例えば、第3の航空機230は、重ね合わせエリア255内で環境への影響を緩和するようにその経路を変更するために、燃料を大量に消費したり、旅程に遅延を生じさせたりする必要があり得る。
【0044】
[0049] 別の一実施例では、後続の航空機が、共通の飛行経路部分を有する。例えば、共通の飛行経路部分250は、第1の経路210及び関連付けられた飛行機雲215と、第2の経路220aとを含む。幾つかの実施例では、第1の航空機110と第2の航空機120が、別個の目的地を有するかもしれないが、航空機は、各それぞれの飛行の一部分の最中に共通の通路又は飛行経路に沿って移動してよい。
【0045】
[0050] この実施例では、第2の航空機120が、第1の経路210又は第2の経路220aを変更することなしに、第2の航空機120及び第1の航空機の飛行機雲の軽減など環境への影響を緩和させてよい。例えば、飛行機雲225aは、飛行機雲215の先行する生成によってもたらされた共通の飛行経路部分250内の大気内の低い水分に起因して、より低い密度で生成し又は迅速に消散する。幾つかの実施例では、共通の飛行経路部分250内の第2の経路220aと経路220bとが、少なくとも2つの経路の部分を含む受動的な重ね合わせを生成する。それによって、航空機は、航空機の経路に対する変更なしに、受動的な重ね合わせにおける同じ経路に沿って同じ空域を通過する。
【0046】
[0051] 第1の航空機110(及び飛行機雲215)並びに/又は第2の航空機120が、所与の時刻に共通の飛行経路部分250内に配置されることを確実にするために、第1の航空機110及び/又は第2の航空機120は、それらの対気速度や高度などを変更して、それぞれのランデブー対気速度で移動してよい。幾つかの実施例では、環境への影響を効率的に緩和するために、ランデブー対気速度が、重ね合わせエリア255及び共通の飛行経路部分250を通って移動するように、それぞれの航空機を配置する。例えば、第2の航空機120は、第2の航空機120が、飛行機雲215及び/又は飛行機雲225aの緩和を提供することとなる時刻に、第2の経路220aに沿って移動することを確実にするためにその対気速度を変更する。
【0047】
[0052] 例えば、第1の位置211において、第1の航空機110は、重ね合わせポイント251に到達するまで、その基本飛行計画対気速度よりも遅いランデブー対気速度で移動するように、その基本飛行計画を更新してよく、第2の位置221において、第2の航空機120は、重ね合わせポイント252に到達するまで、その基本飛行計画対気速度よりも速いランデブー対気速度で移動するように、その基本飛行計画を更新してよい。幾つかの実施例では、第1の航空機110と第2の航空機120が、編隊又はペアとして互いに移動してよい。別の一実施例では、航空機がそれらのそれぞれの速度を変更するが、第1の航空機110と第2の航空機120が、共通の飛行経路部分250又は重ね合わせエリア255を通って編隊で移動することは要求されない。
【0048】
[0053] 幾つかの実施例では、基本飛行計画に対する更新がまた、共通の飛行経路部分250内に航空機を配置するために、第1の航空機と第2の航空機の高度に対する更新/変更も含んでよい。幾つかの実施例では、高度の変更を使用して、先頭の航空機及び後続の航空機が、重ね合わせエリア255内の飛行機雲を低減させることなどの全体的な環境への影響の緩和を提供するときを決定することもできる。
【0049】
[0054] 幾つかの実施例では、後続の航空機(例えば、第2の航空機120)のための改善された飛行計画が、積極的な重なり部分を生成するために飛行経路に対する変更を含む。この実施例では、幾つかの例示的な重ね合わせ経路が、基本飛行計画に対する積極的な変更のために調査されてよい。複数の航空機及び経路のための基本飛行計画は、利益の中でもとりわけ、環境への影響の緩和を提供するために、本明細書で説明される重ね合わせマッチングシステム410によって調査されてよい。この実施例では、第2の航空機120のための改善された飛行計画が、更新された経路220bを含む。経路220bは、その元々の経路(第2の経路220a)の少なくとも一部分について第2の航空機120のための飛行経路を変更する。この実施例では、第2の航空機120が、飛行機雲215に関連付けられた空域を通って移動する。第2の航空機120は、第2の航空機120が飛行機雲を通って移動する部分について飛行機雲215を消散させ又は破壊し得る。更に、第2の航空機120は、飛行機雲225aと比較してより低い熱保持潜在力を有する飛行機雲225bを生成し得る。別の一実施例では、飛行機雲225bが、飛行機雲215に重ね合わされる。それによって、飛行機雲は、2つの重ね合わされない飛行機雲と比較して環境への悪影響を増大させない。
【0050】
[0055] 幾つかの実施例では、経路220bが、その元々の経路(第2の経路220a)に向けて航空機を経路指定し戻す一部分を含む。この実施例では、第2の航空機120がまた、共通の飛行経路部分の外側又は経路220bと第1の経路210との間の重ね合わせセクションの外側の経路220bの一部分に沿って、飛行機雲225cも生成する。上述された複数の実施例では、第2の航空機120及び/又は第1の航空機110のための改善された飛行計画が、先頭の及び後続の航空機のための元々の経路に沿った予期される飛行機雲の生成と比較して、低減された飛行機雲(すなわち、飛行機雲215、225a、225b、及び225c)を提供する。幾つかの実施例では、第1の航空機110及び/又は第2の航空機120が、
図3で示されているように、幾つかの更新された飛行計画から改善された飛行計画を選択した。
【0051】
[0056]
図3は、本開示の複数の態様による、重ね合わせエリア内の例示的な飛行計画を示す。説明を容易にするために、
図3で示されている複数の実施例は、第2の航空機120のための例示的な更新された飛行計画を含む。
図2に関して説明された複数の航空機205の各々についても、同様な判断が行われてよい。この実施例では、第2の航空機120が、第2の経路220a、経路220b、経路321a、経路321b、及び経路321cを含む。幾つかの実施例では、第2の航空機120のための経路220b及び経路321a~321bが、複数の経路の近接部分を含む。その場合、第2の経路220aなどの基本計画経路は、第2の航空機120と共通の飛行経路部分250との積極的な重ね合わせを提供するために、積極的に変更されてよい。
【0052】
[0057] 幾つかの実施例では、第2の経路220aと、飛行機雲215及び/又は共通の飛行経路部分250とが、それぞれの航空機が目的地に移動するときに交差しない。例えば、第2の航空機120のための初期経路(第2の経路220a)は、共通の飛行経路部分250において受動的に重ね合わされない。第2の航空機120の経路を共通の飛行経路部分250の改善された部分の中に(例えば、飛行機雲215内に又は飛行機雲215に重ね合わされるように)変更するために、第2の経路220aは、積極的に変更された経路220bへと変更される。幾つかの実施例では、経路220bが、重ね合わせ目標に基づいて、経路220b及び経路321a~321cを含む複数の見込み経路から選択される。重ね合わせ目標は、第1の航空機によって生成された飛行機雲に、重ね合わせエリア内で第2の航空機によって生成された飛行機雲を重ね合わせること、第1の航空機によって生成された飛行機雲を破壊すること、及び、第1の航空機によって生成された飛行機雲の生成に起因するより低い環境湿度に基づいて、第2の航空機によって生成される飛行機雲を最小限に抑えること、のうちの1以上を含んでよい。
【0053】
[0058] 幾つかの実施例では、複数の積極的な経路が、複数の積極的な経路の各々についての経路変更値を使用して生成され、選択される。幾つかの実施例では、経路変更値が経路変更制限を超えるときに、積極的な飛行が考慮されないか又は選択されなくてよい。例えば、経路321cは、第2の航空機120が燃料燃焼閾値を超えること、又は第2の航空機120若しくは空域システム全体の旅程における様々な遅延をもたらし得る。
【0054】
[0059] 第2の航空機120では、
図3において、更新された経路が、改善された様々な燃料の節約などの他の改善の中でとりわけ、改善された環境への影響の緩和を含む。その場合、本明細書で説明される方法及びシステムは、どの積極的な経路が、
図5に関して本明細書で説明されるように、第1の航空機及び第2の航空機120の環境への影響を最も低減させるか判断する。
【0055】
[0060] 更に、
図2~
図3で示されている複数の実施例では、第1の航空機110、第2の航空機120、及び複数の航空機205、などの航空機が、それぞれの経路に沿って進行中であるか、又はさもなければ飛行中であるときに、様々な経路の更新及び変更が生じる。飛行中に改善された飛行計画を提供することによって、天候状態が航空機の動作に影響を与えるときに、改善された飛行経路を提供するために、複数の航空機に対する動的且つ最新の変更が可能であり得る。しかし、幾つかの実施例では、航空機のオペレータ又は他の飛行計画実施者が、航空機が離陸する前に、燃料効率のために改善された飛行計画を決定し又は調整することを望むかもしれない。
【0056】
[0061] 例えば、
図2に戻って参照すると、第1の航空機110は、第1の経路210に沿って第1の位置211を通過してよく、第2の航空機120は、第2の位置221において出発地にあってよい。環境への影響の緩和を改善するために、共通の飛行経路部分250内で重ね合わせを提供するために、第1の航空機110は、第2の航空機120も共通の飛行経路部分250を通過することを可能にする時間内に、航空機を共通の飛行経路部分250の中に配置するために、その対気速度を変更してよい。更に、第2の航空機120のための基本飛行計画に対する変更は、第2の位置221からの出発時刻に対する変更を含んでよい。例えば、第1の位置211において、第1の航空機110は、より遅い対気速度で移動するために、その基本飛行計画を更新してよく、出発地(第2の位置221)にある第2の航空機120は、飛行機雲215の効果が第2の航空機120によって緩和され得る時間中に、共通の飛行経路部分250を通過するために、離陸を繰り上げるか又は遅らせるように、その基本飛行計画を更新してよい。
【0057】
[0062]
図4は、本開示の複数の態様による、データ処理アーキテクチャ400を示す。航空機を共に群化し、改善された飛行計画を決定して、環境への影響の緩和を改善するために、重ね合わせマッチングシステム410が、航空機401にとって利用可能な様々な飛行計画及び経路を管理し、上述された第1の航空機110と第2の航空機120などの航空機のための改善された飛行計画を選択する。
【0058】
[0063] 重ね合わせマッチングシステム410は、
図1~
図3に関して説明された少なくとも第1の航空機110及び第2の航空機120を含む、航空機401などの様々な航空機、飛行動作システム430、及び航空会社オペレータシステム440と通信する。航空機401、重ね合わせマッチングシステム410、飛行動作システム430、及び航空会社オペレータシステム440は、様々なデータを処理して記憶する
図6に関して説明されるものなどの、1以上のコンピューティングデバイスを表し又はそれらを含む。様々な実施形態では、重ね合わせマッチングシステム410の複数の動作が、様々な態様において、専用ハードウェアで又はクラウドコンピューティング環境の一部として実行されてよい。航空機401、重ね合わせマッチングシステム410、飛行動作システム430、及び航空会社オペレータシステム440は、様々な態様において単一のシステムとして図示されているが、重ね合わせマッチングシステム410は、各々の幾つかのインスタンスと通信し、各インスタンスは、種々の態様において関連付けられたデータの一部又は全部を提供してよい。
【0059】
[0064] 例えば、航空機401は、重ね合わせマッチングシステム410に、航空機401のための飛行計画データ402及び位置データ403などの様々な飛行計画データを提供してよい。飛行計画データ402は、少なくとも、航空機401のための現在計画されている経路、ならびに様々な搭載型の航空機システムから予測される航空機の経路及び時間を含む、基本飛行計画を示し得る。
位置データ(location data)403は、位置、速度、飛行状態などを含む、航空機401の現在の位置及びステータスを含み得る。
【0060】
[0065] 局所的航空交通管制システム、遠隔航空交通管制システム、ならびに地域、国家、又は地球的な航行及び追跡システムを含み得る、飛行動作システム430は、空港又は飛行オペレータに離陸データ431及び位置データ432を提供する。様々な態様において、離陸データ431は、離陸のための予定時刻と離陸待ちの航空機とを含む。位置データ(positional data)432は、航空機401などの様々な航空機がどこに位置するかについての(地上関連の)ADS-B(自動従属監視‐放送)データを含み得る。位置データ432はまた、SWIM(System Wide Information Management)を介して提供される航空機401のための現在の航空機の位置も含んでよい。飛行動作システム430はまた、航空機401のための現在の飛行計画421を含み得る。これには、航空交通管制システムに提出された飛行計画、ならびに許可(クリアランス)422が含まれる。許可422は、指定された時刻に様々な滑走路又は飛行通路を使用するための航空機401の各々のための許可を含む。
【0061】
[0066] 航空会社オペレータシステム440はまた、重ね合わせマッチングシステム410に飛行計画441及び制約データ442を提供する。飛行計画441は、特定の航空会社によって制御される航空機401についての情報を指定し、乗客の数、乗務員マニフェスト(勤務時間及び「ホーム」空港を含む)、現在予定されているフライトのための出発時刻及び到着予定時刻(ETA)、次の予定されているフライトに関する情報など、ならびに予定されているフライトの各々についての基本飛行計画を含んでよい。制約データ442は、経路変動に対する制限、ならびにスケジューリングや他の制限などの航空機のペアリングに影響を与える可能性がある制約を含む、航空機401のための様々な制約を指定する。
【0062】
[0067] 重ね合わせマッチングシステム410は、複数の航空機のための重ね合わせマッチングを実行するために、及び更なる処理及び分析のために様々なシステムにそれらの決定を通信し戻すために、他のシステムからデータを受け取る。例えば、航空機401のための更新されたランデブー速度及び編隊対気速度が、航空機401、ならびに他の潜在的な飛行実施者(航空会社オペレータシステム440や飛行動作システム430など)に提供し戻される。
【0063】
[0068] 重ね合わせマッチングシステム410は、重ね合わせ予測器411を含む。重ね合わせ予測器411は、経路重ね合わせを利用するために航空機401及び他の航空機を特定し、航空機401の改善された環境への影響の緩和を提供するために、改善された飛行計画を決定するよう様々な更新された飛行計画を生成する。コンプライアンスモジュール412は、提案された飛行計画が航空会社オペレータシステム440によって提供された制約データ442内の制約に適合していること、ならびに飛行動作システム430によって制御される他の航空交通に適合していることを検証する。
【0064】
[0069] 幾つかの実施例では、重ね合わせマッチングシステム410が、航空機401のパイロット又は自動操縦システムに改善された飛行計画を提供する。例えば、改善された飛行計画は、航空機401に搭載された自動操縦システムによって受け取られ、実施されてよい。その場合、航空機401は、改善された飛行計画について重ね合わせマッチングシステム410によって特定された変更を実施する。更に、重ね合わせマッチングシステム410はまた、改善された飛行計画を航空会社オペレータシステム440及び飛行動作システム430にも提供してよい。航空会社オペレータシステム440及び飛行動作システム430は、航空機401のための基本飛行計画のそれぞれの記録を更新し、改善された飛行計画について更新された変更を航空機401に伝える。
【0065】
[0070]
図5は、本開示の複数の態様による、重ね合わせ目標のための改善された飛行計画を決定するための方法500のフローチャートである。方法500は、ブロック505で開始し、重ね合わせマッチングシステム410が、重ね合わせ領域内の環境状態をモニタする。例えば、重ね合わせマッチングシステム410は、複数の航空機205などの任意の影響を受ける航空機の飛行経路に沿って飛行機雲が発生しやすい、重ね合わせ領域200内の環境状態と高度をモニタする。
【0066】
[0071] ブロック510において、重ね合わせマッチングシステム410は、重ね合わせ領域内の環境状態に基づいて、重ね合わせ飛行経路指定のための条件を検出する。例えば、重ね合わせマッチングシステム410は、重ね合わせ領域内の温度、環境湿度、周囲の風などが、重ね合わせ領域200内の持続的な飛行機雲をもたらすこととなるときを検出する。条件が重ね合わせ領域200内の持続的な飛行機雲を示さない一実施例では、方法500がブロック505に戻る。持続的な飛行機雲が発生しそうな一実施例では、方法500がブロック520に進む。
【0067】
[0072] ブロック520~522において、重ね合わせマッチングシステム410は、環境状態と第1の航空機のための第1の経路とを使用して、重ね合わせエリアを特定する。例えば、ブロック520において、重ね合わせマッチングシステム410は、環境状態と重ね合わせ領域に対する第1の時刻における第1の航空機の位置とに基づいて、複数の航空機から第1の航空機を特定する。幾つかの実施例では、影響を受ける航空機の前方にある他の航空機の存在が、重ね合わせマッチングシステム410によって分析される。他の航空機の前方の航空機から、先頭の飛行機雲を生成する航空機が選択される。例えば、第1の航空機110は、複数の航空機205のうちの他の航空機の前に、重ね合わせ領域200を通過すると特定される。選択のための基準は、影響を受ける航空機(例えば、第2の航空機120)の飛行機雲の領域(重ね合わせ領域200)への入場ポイントからの距離と、候補となる先頭の航空機(例えば、第1の航空機110)が重ね合わせ領域200及び/又は重ね合わせエリア255の中に入ってからの時間とを含む。
【0068】
[0073] ブロック522において、重ね合わせマッチングシステム410は、重ね合わせ領域を通って移動する第1の航空機によって生成される飛行機雲経路を特定する。例えば、重ね合わせマッチングシステム410は、飛行機雲経路(飛行機雲215)の任意の関連付けられたドリフト又は消散を含む、飛行機雲経路(飛行機雲215)の生成及び位置を決定する。
【0069】
[0074] ブロック524において、重ね合わせマッチングシステム410は、第1の航空機によって生成された飛行機雲経路に対する重ね合わせエリアを特定する。幾つかの実施例では、重ね合わせエリアを通って移動する後続の航空機が、第1の航空機によって生成された飛行機雲経路と、後続の航空機によって生成される飛行機雲経路と、のうちの少なくとも一方を変化させる。例えば、重ね合わせマッチングシステム410は、飛行機雲経路(飛行機雲215)に関連付けられた重ね合わせエリア255を特定する。
【0070】
[0075] ブロック526において、重ね合わせマッチングシステム410は、重ね合わせエリアと複数の航空機のための複数の経路とから、重ね合わせエリアと複数の航空機のうちの第2の航空機のための複数の経路からの第2の経路をと含む共通の飛行経路部分を特定する。例えば、重ね合わせマッチングシステム410は、第2の航空機120と第2の経路220aとが、共通の飛行経路部分250内にあることを特定する。幾つかの実施例では、航空機のための共通の飛行経路部分が、航空機及び/又は生成された飛行機雲(例えば、飛行機雲215)の位置の類似性と時間の類似性との両方を含む。例えば、第1の航空機と第2の航空機とは、同様な時間において同様なエリア内で移動する。幾つかの実施例では、第1の航空機と第2の航空機とが、一部の距離にわたり同じ経路に沿って移動してよく、したがって、飛行経路部分の受動的な重なりを提供する。他の複数の実施例では、第1の航空機と第2の航空機とが、同じ通路又は飛行経路に沿って移動しないかもしれないが、経路は互いに近くて(例えば、近接した経路)よい。更に、幾つかの実施例では、重ね合わせマッチングシステム410が、共通の飛行経路部分を有するが、環境への影響を低減させるために共通の飛行経路部分を通って有利に移動する可能性は低い航空機を除去してよい。
【0071】
[0076] ブロック528において、重ね合わせマッチングシステム410は、第2の航空機が共通の飛行経路部分の上の重ね合わせエリア内で飛行するためのランデブーを提供するために、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定する。幾つかの実施例では、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を特定することが、第2の航空機を重ね合わせエリア255及び共通飛行経路部分内で配置するために、第2の航空機120のための1以上の更新された対気速度を決定することを含む。
【0072】
[0077] ブロック530において、重ね合わせマッチングシステム410は、複数の更新された飛行計画を生成する。幾つかの実施例では、これが、重ね合わせエリアを通る第2の航空機を経路指定するための複数の見込み飛行計画を生成することを含む。幾つかの実施例では、見込み飛行計画を生成することが、複数の見込み飛行計画の各々について経路変更値を決定することを含む。その場合、更新された飛行計画は、経路変更制限未満の経路変更値を有する見込み飛行計画を含む。経路変更制限は、飛行の変更によってもたらされる、更なる燃料消費、燃料排出を含む更なる排出、騒音放出などに関する制限を含んでよい。
【0073】
[0078] 例えば、重ね合わせマッチングシステム410は、重ね合わせ予測器411及びコンプライアンスモジュール412を使用して、複数の任意選択的な更新された飛行経路を生成する。例えば、複数の更新された飛行計画は、ランデブー空中動作、高度変更、共通の経路部分に沿った様々なランデブー及び分岐ポイント、ならびに少なくとも第2の航空機のための様々な任意選択的な経路更新、の様々な組み合わせを含んでよい。幾つかの実施例では、更新された飛行計画がまた、第1の航空機の基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更を含んでもよい。更新された飛行計画はまた、飛行計画に対する任意の変更が、航空機のオペレータによって課される商業上又は民間の制約に違反しないことを確実にするために、飛行計画441及び制約データ442とクロスチェックされ得る。更新された飛行計画はまた、空域内の航空機の制御が維持され、更新された飛行計画が、空域を通って移動する複数の航空機205又は他の航空機に安全性又は他のリスクをもたらさないことを確実にするために、飛行動作システム430とクロスチェックされてもよい。
【0074】
[0079] 別個の実施例として示されたが、重ね合わせマッチングシステム410はまた、
図1~
図3で示されている複数の実施例の各々から任意選択的な飛行計画を生成してもよい。例えば、第2の航空機120では、重ね合わせマッチングシステム410が、改善された飛行計画を決定するために、共通の飛行経路部分250内の任意の種類の重ね合わせと上記の複数の実施例の任意の組み合わせとを含む、飛行計画を生成してよい。
【0075】
[0080] ブロック532において、重ね合わせマッチングシステム410は、複数の更新された飛行計画から、重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を選択する。幾つかの実施例では、改善された飛行計画を選択することが、第2の航空機及び複数の航空機についての経路制御制限に基づいて、ランデブー空中動作を選択することを含む。その場合、ランデブー空中動作は、第2の航空機を共通の飛行経路部分内の重ね合わせエリア内で配置する。見込み計画及び更新された計画の生成並びに改善された計画の選択は、幾つかの考慮要素を使用する。
【0076】
[0081] 例えば、生成された見込み飛行計画における推奨される飛行経路の逸脱は、1以上の可能な重ね合わせ目標を使用して生成されてよい。これらの重ね合わせ目標は、先頭の航空機の飛行機雲に重ね合わせるように、後続の航空機の飛行機雲を配置することを含んでよい(例えば、飛行機雲225bは飛行機雲115に重ね合わされる)。重ね合わせ目標はまた、先頭の航空機の飛行機雲を破壊し又は消散させる(例えば、第2の航空機120が飛行機雲215を破壊する)こと、及び/又は、持続する飛行機雲の生成に必要な空気内の水分のかなりの部分が、先頭の航空機によって飛行機雲(例えば、飛行機雲215)の中に消費された、重ね合わせエリア255内で飛行することも含んでよい(したがって、影響を受ける航空機による持続する飛行機雲の生成の可能性は低減される)。
【0077】
[0082] 幾つかの実施例では、第2の航空機のための基本飛行計画に対する少なくとも1つの変更も、先頭の航空機と影響を受ける航空機とが共通の飛行経路部分250を通過する間の先頭の航空機の飛行機雲の風ドリフト(例えば、風によってもたらされるドリフト216)に対応する距離だけの先頭の航空機からのオフセットに基づく。
【0078】
[0083] 幾つかの実施例では、経路変更の期間及び距離が、元々の経路を上回る所定の最大許容可能追加燃料燃焼、又は経済的影響(燃料、遅延、保守費用など)及び環境的影響(総排出量や排出の高度など)を含み得る他の基準によって制限され得る。幾つかの実施例では、元々の経路からの最大許容可能オフセット燃料燃焼に達すると、見込み経路は元々の経路に戻ることを含むことになる。
【0079】
[0084] 幾つかの実施例では、見込み経路が、空域交通航行距離、時間、及び高度の規則によって、航空機を分離しておくための制限を含み得る。これは、航空管制当局による経路変更の承認を容易にし、編隊飛行の必要性をなくし、先頭の航空機と後続の航空機との間の直接的な調整の必要性をなくすという利点がある。
【0080】
[0085] 上述されたように、ブロック532において、重ね合わせマッチングシステム410は、複数の更新された飛行計画から、重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を選択する。幾つかの実施例では、改善された計画が、第2の航空機の元々の経路(第2の経路220a)に対する最も低いリソースコスト又は変更で重ね合わせ目標を提供する。例えば、経路220bは、重ね合わせ目標のうちの1以上に第2の経路220aからの最も少ない変更を提供するものとして見込み経路から選択される。
【0081】
[0086] ブロック540において、重ね合わせマッチングシステム410は、承認のために飛行計画アービターに改善された飛行計画を提供する。幾つかの実施例では、重ね合わせマッチングシステム410が、航空機401のパイロット又は自動操縦システムに改善された飛行計画を提供する。例えば、改善された飛行計画は、航空機401に搭載された自動操縦システムによって受け取られ、実施されてよい。その場合、航空機401は、改善された飛行計画について重ね合わせマッチングシステム410によって特定された変更を実施する。更に、重ね合わせマッチングシステム410はまた、改善された飛行計画を航空会社オペレータシステム440及び飛行動作システム430にも提供してよい。航空会社オペレータシステム440及び飛行動作システム430は、航空機401のための基本飛行計画のそれぞれの記録を更新し、改善された飛行計画について更新された変更を航空機401に伝える。自動操縦システム又は他のシステムが改善された飛行計画を拒絶する一実施例では、重ね合わせマッチングシステム410が、更新された飛行計画からの更なる選択肢をアービターに提供してよい。いずれの更新された飛行計画も拒絶された一実施例では、方法500が、ブロック505に戻って、環境状態のモニタを継続する。
【0082】
[0087] 幾つかの実施例では、ブロック540において、重ね合わせマッチングシステム410が、第2の航空機において改善された飛行計画を実施するための承認を受け取り、ブロック542に進んで、重ね合わせマッチングシステム410が、第2の航空機のための基本飛行計画を改善された飛行計画で置き換える。例えば、重ね合わせマッチングシステム410は、第2の航空機に搭乗している飛行乗務員(例えば、第2の航空機120に搭乗している飛行乗務員)及び第2の航空機の飛行オペレータ(例えば、第2の航空機120の航空路線コーディネータ)に、改善された飛行計画を提供してよい。改善された飛行計画は、他の要因及び情報の中でとりわけ、更新された速度及び経路、ならびに予期される環境への影響の低減、並びに目的地に到着するための潜在的な時間の変更を含む、更新された飛行計画を含んでよい。重ね合わせマッチングシステム410はまた、飛行計画の調整のための一貫性を提供し、ならびに航空機401に改善された飛行計画を実施させるために、基本飛行計画を、飛行計画データ402、飛行計画441、及び現在の飛行計画421内の改善された飛行計画で置き換える。
【0083】
[0088] 幾つかの実施例では、重ね合わせマッチングシステム410がまた、第1の航空機のための基本飛行計画を改善された飛行計画で置き換える。改善された飛行計画はまた、第1の航空機に搭乗している飛行乗務員(例えば、第1の航空機110に搭乗している飛行乗務員)と第1の航空機のための飛行オペレータとのうちの一方に提供されてよい。幾つかの実施例では、改善された飛行計画が、改善された飛行計画を受け取るシステム(例えば、航空機401、航空会社オペレータシステム440、及び飛行動作システム430)のいずれかによって受諾又は拒絶され得る。例えば、環境への影響の低減又は他の要因が運航のための飛行オペレータの全体的な目標に含まれていないときに、様々なシステムは、改善された飛行計画を拒絶することがあり及び/又は基本飛行計画に沿って継続してよい。改善された飛行計画がまた受け取られ、第2の航空機の動作が改善された飛行計画の実行を開始するように調整されてよい。
【0084】
[0089] 別の一実施例では、先頭の航空機と後続の航空機との両方を含む航空機が、航空機が共通の飛行経路部分を通過することを確実にするために、改善された飛行計画の実行(第1の航空機又は第2の航空機のペアとしての各役割のために調整された)を開始する必要があり得る。幾つかの実施例では、両方の航空機が改善された飛行計画を受け取り、実施を開始することを確実にするために、航空機に改善された飛行計画が提供され、それが実施されるときに、重ね合わせマッチングシステム410が、航空機のペアの間の更なる調整を提供する。
【0085】
[0090] ブロック544において、重ね合わせマッチングシステム410は、第2の航空機について、重ね合わせエリア内に重ね合わせ目標を提供するための改善された飛行計画を実施する。例えば、重ね合わせマッチングシステム410は、航空機401(第2の航空機としての)に搭載されている自動操縦システムに、対気速度を変更し、経路を切り替え、又はさもなければ改善された飛行計画の実施を開始するための、ステップの実施を開始させる。幾つかの実施例では、改善された飛行計画が第1の航空機の基本飛行計画に対する変更を含むときなどに、重ね合わせマッチングシステム410はまた、第1及び第2の航空機の低減された環境への影響のために、第1の航空機で改善された飛行計画を実行する。
【0086】
[0091] 幾つかの実施例では、重ね合わせマッチングシステム410が、飛行動作システム430及び/又は航空会社オペレータシステム440を介して、改善された飛行計画を実施する。その場合、飛行動作システム430及び航空会社オペレータシステム440は、(1以上の)改善された飛行計画をそれぞれの航空機に中継し、又はさもなければ第1航空機及び第2の航空機に改善された飛行計画を実施させる。
【0087】
[0092]
図6は、本開示の複数の態様による、コンピューティングデバイスを示す。
図6は、重ね合わせマッチングシステム410、飛行動作システム430、航空会社オペレータシステム440、及び/又は航空機401の搭載されたコンピュータのうちの1以上によって、本開示において説明されるような、重ね合わせマッチングを提供するように使用されてよい、コンピューティングデバイス600又は他の処理システムの例示的なコンピューティング構成要素を示す。
【0088】
[0093] コンピューティングデバイス600は、プロセッサ610、メモリ620、及びインターフェース630を含む。プロセッサ610及びメモリ620は、本明細書で説明される様々なデータの記憶及び検索を含む、コンピューティングデバイス600用の様々なプログラム及び/又は動作を実行するために、計算機能を提供する。
【0089】
[0094] 本明細書で説明される機能を実行することができる任意のコンピュータプロセッサ又は複数のプロセッサであってよいプロセッサ610は、ユーザから受け取った入力及びインターフェース630から受け取ったデータに基づいて、命令を実行する。
【0090】
[0095] 通信インターフェース630は、コンピューティングデバイス600を外部のデバイス、例えば、外部のメモリデバイス、外部のコンピューティングデバイス、電源、無線送信器などに接続し、様々な接続ポート(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、Firewire、イーサネット、同軸ジャック)及びケーブルを含んでよい。インターフェース630は、コンピューティングデバイス600などのコンピューティングデバイス間で送受信し、航空機401及び/又はそのオペレータにアラート(ゴー、ノーゴー、及び注意アラートを含む)を通信するために使用される。
【0091】
[0096] メモリ620は、概して、様々なプロセッサが実行可能な指示命令を含むメモリストレージデバイスである。該指示命令は、プロセッサ610によって実行されると、本明細書で説明される様々な機能を実行する。プロセッサが実行可能な指示命令は、概して、メモリ620内の様々な「アプリケーション」若しくは「モジュール」の中へ記述若しくは組織化され得るが、代替的な実施態様は、異なる機能及び/又は機能の組み合わせを有してよい。メモリ620はまた、概して、様々なアプリケーション又はモジュールによって使用され又は出力される情報を記憶するデータ構造も含む。本開示では、メモリ620が、少なくとも、オペレーティングシステム621及び1以上のアプリケーション622用の指示命令を含む。メモリ620は、1以上のメモリデバイス、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、又は、プロセッサ610が実行してよい指示命令を含む任意の他の種類の揮発性若しくは不揮発性ストレージ媒体などであってよい。
【0092】
[0097] コンピューティングデバイス600が、重ね合わせマッチングシステム410(
図4につき)の機能性を提供するときに、メモリ620は、本開示で説明されるその機能性を提供するために実行可能なコンピュータ可読プログラムコードなどのプロセッサが実行可能な指示命令を含む。幾つかの態様では、メモリ620が、重ね合わせ予測器411及びコンプライアンスモジュール412による分析のためのデータを局所的にキャッシュするためのデータベースを含むが、離陸データ431、現在の飛行計画421、位置データ(positional data)432、許可422、飛行計画441、制約データ442、飛行計画データ402、及び位置データ(location data)403などを含む、飛行動作システム、航空会社オペレータシステム、及び/又は航空機に保持され、それらからのインターフェース630を介して受け取られるデータも使用し得る。
【0093】
[0098] 現在の開示では、様々な態様が参照される。しかし、本開示は、特定の説明された態様に制限されないことを理解されたい。その代わりに、本明細書で提供される教示を実装し、実践するために、下記の特徴及び要素の任意の組み合わせが、種々の態様に関連しているか否かに関わらず想定される。更に、態様の要素が、「AとBのうちの少なくとも1つ」の形態で説明されるときに、要素Aのみ、要素Bのみ、及び要素A及びBを含む態様が、各々想定されることを理解されたい。更に、幾つかの態様は、他の潜在的な解決策及び/又は先行技術を超える利点を実現し得るが、特定の利点が所与の態様によって実現されるか否かは、本開示を限定していない。したがって、本明細書で開示される複数の態様、複数の特徴、及び複数の利点は、単なる例示であり、(1以上の)請求項に明記されない限り、付随する特許請求の範囲の要素であるとも、付随する特許請求の範囲を限定するとも見なされない。同様に、「本発明」への言及は、本明細書で開示されている発明のあらゆる主題を一般化するものと解釈すべきではなく、(1以上の)請求項に明記されない限り、付随する特許請求の範囲の要素であるとも、付随する特許請求の範囲を限定するとも見なすべきではない。
【0094】
[0099] 当業者によって理解され得るように、本明細書で説明される複数の態様は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、複数の態様は、専らハードウェアである態様、専らソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)である態様、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた態様の形式を採り得る。本明細書では、それらは全て「回路」、「モジュール」、又は「システム」と広く称され得る。更に、本明細書で説明される複数の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化される1以上のコンピュータ可読記憶媒体内で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態を採り得る。
【0095】
[0100] コンピュータ可読ストレージ媒体で具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又は、それらの任意の好適な組み合わせを含むがそれらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して伝送され得る。
【0096】
[0101] 本開示の複数の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語もしくはこれに類するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれていてよい。プログラムコードは、専らユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで、独立型のソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータで且つ部分的に遠隔コンピュータで、又は専ら遠隔コンピュータ又はサーバで実行されてよい。後者の場合、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、又は例えば、インターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して)外部のコンピュータに接続されてよい。
【0097】
[0102] 本開示の複数の態様は、本開示の複数の態様による、方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品の、フローチャート及び/又はブロック図を参照しながら、本明細書で説明される。フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート及び/又はブロック図における複数のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム指示命令によって実施され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム指示命令は、機械を生産するために、汎用コンピュータ又は特殊用途コンピュータのプロセッサ、或いは他のプログラマブルデータ処理装置に提供されてよい。それによって、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行されるこれらの指示命令が、フローチャート及び/又はブロック図の(1以上の)ブロック内で特定される機能/作用を実施するための手段を創出する。
【0098】
[0103] これらのコンピュータプログラム指示命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスが、特定の様態で機能するように指示し得る、コンピュータ可読媒体に記憶されることも可能である。それによって、コンピュータ可読媒体内に記憶された指示命令が、製造品を作製する。それらの指示命令は、フローチャート及び/又はブロック図の(1以上の)ブロック内で特定される機能/作用を実施する指示命令を含む。
【0099】
[0104] コンピュータプログラム指示命令はまた、コンピュータに実装されたプロセスを生成するために、一連の動作ステップが、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイスで実行されることをもたらすように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスにロードされ得る。それによって、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスで実行される指示命令は、フローチャート及び/又はブロック図の(1以上の)ブロックで特定される機能/作用を実装するためのプロセスを提供する。
【0100】
[0105] 複数の図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な態様による、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の実現可能な実施態様の、アーキテクチャ、機能、及び動作を示している。そのため、フローチャート及びブロック図における各ブロックは、特定の(1以上)論理機能を実装するための1以上の実行可能な指示命令を含む、コードのモジュール、コードのセグメント、又はコードの一部分を表わし得る。幾つかの代替的な実施態様では、ブロック内に記述されている機能が、複数の図面で記述されている順序とは異なって行われてよい。例えば、連続的に図示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてよく、又は、それらのブロックは、しばしば、含まれる機能に応じて逆順に実行されてよい。ブロック図及び/又はフローチャートの各ブロック、並びに、ブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、特定の機能若しくは作用を実施する特殊用途のハードウェアベースのシステムによって、又は、特殊用途ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって、実装され得ることにも、留意されたい。
【0101】
[0106] 以上の説明は本開示の態様を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱しなければ、本開示の他の態様及び更なる態様が考案されてよく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって定められる。
【外国語明細書】