(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102012
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】組み合わせの最適化公式を用いたグラフデータセット内のインフルエンシャルノードの特定
(51)【国際特許分類】
G06F 16/906 20190101AFI20240723BHJP
【FI】
G06F16/906
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024004725
(22)【出願日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】18/156330
(32)【優先日】2023-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】リィウ・シアオユアヌ
(72)【発明者】
【氏名】モハン・アンキス
(72)【発明者】
【氏名】ウパデアーエ・サルバギア
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FA03
5B175KA12
(57)【要約】
【課題】 本開示は、グラフデータセット内のインフルエンシャルノードの特定する方法を提供する。
【解決手段】 方法は、ソーシャルネットワークを表した、複数のノードを含むグラフデータセットを取得することを含み得る。当該方法は、グラフデータセットを第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに分割することを含むことができ、第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタは各々、グラフデータセットからの1つ以上のノードを含む。当該方法は、第1のノードクラスタに含まれる1つ以上の第1の候補インフルエンシャルノード、及び第2のノードクラスタに含まれる1つ以上の第2の候補インフルエンシャルノードを特定することを含み得る。当該方法は、第1の候補インフルエンシャルノード及び第2の候補インフルエンシャルノードのうちの1つ以上をインフルエンサノードとして選択し、インフルエンサノードの各々に対応するソーシャルネットワークに含まれるそれぞれのオブジェクトを特定することを含み得る。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードを含むグラフデータセットを取得し、該グラフデータセットはソーシャルネットワークを表し、
前記グラフデータセットを第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに分割し、該第1のノードクラスタ及び該第2のノードクラスタは各々、前記グラフデータセットからの1つ以上のノードを含み、
前記第1のノードクラスタに含まれる1つ以上の第1の候補インフルエンシャルノード、及び前記第2のノードクラスタに含まれる1つ以上の第2の候補インフルエンシャルノードを特定し、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのうちの1つ以上をインフルエンサノードとして選択し、
前記インフルエンサノードの各々に対応する前記ソーシャルネットワークに含まれるそれぞれのオブジェクトを特定する、
ことを有する方法。
【請求項2】
前記グラフデータセットを前記第1のノードクラスタ及び前記第2のノードクラスタに分割することは、前記第1のノードクラスタ及び前記第2のノードクラスタが同じ数のノード又は互いの閾値内の数のノードを含むように前記グラフデータセットを分けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のノードクラスタに含まれるとして特定される第1の候補インフルエンシャルノードの数、及び前記第2のノードクラスタに含まれるとして特定される第2の候補インフルエンシャルノードの数は、前記グラフデータセットに含まれるノードの総数に比例する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記インフルエンサノードを選択することは、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードを一組の候補インフルエンシャルノードとして集約し、
前記一組の候補インフルエンシャルノードに含まれる各ノードの、前記グラフデータセットに含まれる他のノード各々に対するそれぞれの影響力を合計することに基づいて、前記一組の候補インフルエンシャルノードの累積影響力を決定する、
ことを含み、
前記インフルエンサノードは、前記グラフデータセットに含まれる他のノードに及ぼされる前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのそれぞれの影響力に基づいて、前記一組の候補インフルエンシャルノードから選択される、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記グラフデータセットは、前記複数のノードを接続するエッジがそれぞれの重み値及びそれぞれの方向性を含んだ、重み付き有向グラフデータセットである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の候補インフルエンシャルノードの各々と前記第2の候補インフルエンシャルノードの各々の影響力の程度を決定することは、特定の第1の候補インフルエンシャルノード又は特定の第2の候補インフルエンシャルノードから生じて前記グラフデータセットに含まれる他のノードに接続するエッジの累積和を計算することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
それぞれのインフルエンサノードに対応するとして特定される前記ソーシャルネットワークに含まれる前記オブジェクトは、前記ソーシャルネットワーク上でのユーザアカウントである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
命令を格納するように構成された1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記命令は、実行されることに応答して、システムに処理を実行させ、該処理は、
複数のノードを含むグラフデータセットを取得し、該グラフデータセットはソーシャルネットワークを表し、
前記グラフデータセットを第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに分割し、該第1のノードクラスタ及び該第2のノードクラスタは各々、前記グラフデータセットからの1つ以上のノードを含み、
前記第1のノードクラスタに含まれる1つ以上の第1の候補インフルエンシャルノード、及び前記第2のノードクラスタに含まれる1つ以上の第2の候補インフルエンシャルノードを特定し、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのうちの1つ以上をインフルエンサノードとして選択し、
前記インフルエンサノードの各々に対応する前記ソーシャルネットワークに含まれるそれぞれのオブジェクトを特定する、
ことを有する、1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項9】
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
命令を格納するように構成された1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体と、
を有し、
前記命令は、実行されることに応答して、当該システムに処理を実行させ、該処理は、
複数のノードを含むグラフデータセットを取得し、該グラフデータセットはソーシャルネットワークを表し、
前記グラフデータセットを第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに分割し、該第1のノードクラスタ及び該第2のノードクラスタは各々、前記グラフデータセットからの1つ以上のノードを含み、
前記第1のノードクラスタに含まれる1つ以上の第1の候補インフルエンシャルノード、及び前記第2のノードクラスタに含まれる1つ以上の第2の候補インフルエンシャルノードを特定し、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのうちの1つ以上をインフルエンサノードとして選択し、
前記インフルエンサノードの各々に対応する前記ソーシャルネットワークに含まれるそれぞれのオブジェクトを特定する、
ことを有する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、組み合わせの最適化公式を用いたグラフデータセット内の影響力あるノード(インフルエンシャルノード)の特定に関する。
【背景技術】
【0002】
グラフと称されるデータセットに含まれる複数のノードとしてデータポイントが表現されることがある。グラフデータセットに含まれるノードは、ノード間の類似性及び差異に従って、共にグループ化され得る。所与のデータ分析タスク又は目標に従ってノードを1つ以上のグループに分類するために機械学習モデルが訓練され得る。
【0003】
本開示にて特許請求される事項は、上述のような環境でのみ問題を解決したり動作したりする実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景技術の説明は、本開示にて記載される実施形態が実施され得る技術領域の一例を示すために提供されているに過ぎないものである。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態の一態様によれば、方法は、ソーシャルネットワークを表した、複数のノードを含むグラフデータセットを取得することを含み得る。当該方法は、グラフデータセットを第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに分割することを含むことができ、第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタは各々、グラフデータセットからの1つ以上のノードを含む。当該方法は、第1のノードクラスタに含まれる1つ以上の第1の候補インフルエンシャルノード、及び第2のノードクラスタに含まれる1つ以上の第2の候補インフルエンシャルノードを特定することを含み得る。当該方法は、第1の候補インフルエンシャルノード及び第2の候補インフルエンシャルノードのうちの1つ以上をインフルエンサノードとして選択し、インフルエンサノードの各々に対応するソーシャルネットワークに含まれるそれぞれのオブジェクトを特定することを含み得る。
【0005】
実施形態の目的及び利点は、少なくとも請求項中に具体的に指し示される要素、機構及び組み合わせによって実現・達成されることになる。理解されるべきことには、以上の概略説明及び以下の詳細説明はどちらも、例として与えられ、説明的なものであり、特許請求される発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図を含む添付図面を通じて実施形態例を更に具体的且つ詳細に記載・説明する。
【
図1】本開示の1つ以上の実施形態に従った、グラフデータセットに含まれるインフルエンシャルノードが特定され得る動作環境例の図である。
【
図2】本開示の1つ以上の実施形態に従って特定可能なインフルエンシャルノードを含み得る例示的なグラフデータセット例を示している。
【
図3】本開示の1つ以上の実施形態に従った、グラフデータセットに含まれるインフルエンシャルノードを特定する方法例のフローチャートである。
【
図4】本開示の1つ以上の実施形態に従ったコンピュータシステム例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
オブジェクトのセットを、そのセットに含まれるオブジェクトが何らかの形で互いに関係している場合に、相互に関係するネットワークの一部であると見なすことができる。例えば、ある特定のセットのオブジェクトは、ソーシャルメディアプラットフォーム上のユーザアカウントのグループを含むことができ、ある特定のユーザアカウントが、ユーザアカウント間の友人関係、フォロー・フォロワー関係、社会的交流、又はユーザアカウント間の任意の他のタイプの関係を介して、1つ以上の他のユーザアカウントと関係していることがある。追加の又は代替的な例として、ある特定のセットのオブジェクトは、特定の地理的エリア内の1つ以上の位置を含むことができ、それらの位置間の関係は、特定の地理的エリア内で特定の位置を1つ以上の他の位置に接続する道路を含む。相互に関係するオブジェクトは、それらのオブジェクトのうちの2つ以上の間の関係のために分析するのが困難であることがある。さらに、オブジェクトの数が増加するにつれて、オブジェクト間の関係の複雑さも増加することがあり、それが分析の難しさを更に高め得る。グラフデータセットは、そのような相互に関係するオブジェクトを、オブジェクトのネットワークとして定量化及びモデル化するのに使用されることができ、ネットワークに含まれるオブジェクトのペアは、互いに関係していることもあれば関係していないこともある。特定のグラフデータセットは、特定のネットワーク内のオブジェクトを表す頂点と、特定のグラフデータセットに含まれる2つのオブジェクトを接続するエッジとを含み得る。一部の状況において、エッジは、特定のオブジェクト間の関係の方向性及び/又は重要性に関する定量的な情報を提供する有向エッジ及び/又は重み付きエッジであることができる。
【0008】
相互に関係するオブジェクトをグラフデータセットとして表現することは、グラフデータセットに含まれる他のオブジェクトに何らかの形で影響を及ぼすグラフデータセットに含まれるノードとして特定される特定のオブジェクトの特定を容易にし得る。特定のオブジェクトが別のオブジェクトに影響を及ぼす形は、該特定のオブジェクトと該他のオブジェクトが関係するコンテキストに応じて、これらのオブジェクトが含まれる特定のネットワーク環境に応じて、又は任意の他の要因に基づいて、異なり得る。例えば、ソーシャルネットワークを表すグラフは、ユーザ、メディア、又は該ソーシャルネットワークに関係する任意の他のオブジェクトを表すノードを含むことができ、オブジェクトを接続するエッジは、友人関係、ページビュー、コメントする挙動、反応、印象、又はオブジェクト間の任意の他の相互関係を表すことができる。特定のオブジェクトがソーシャルネットワーク内の他のオブジェクトに対して持ち得る影響力は、特定のオブジェクトがどのように接続されているか(例えば、ソーシャルメディアインフルエンサアカウント)、特定のオブジェクトがどれだけ早く閲覧されたりその他の形で他のオブジェクトと交流したりするか(例えば、口コミ動画又はニュース記事)、又はこれらに類するものを含み得る。
【0009】
既存の影響力モデルは、独立カスケード拡散モデルであり、これは、グラフに含まれるノードのうちのサブセットが、グラフ内の他のノードに対して、そのサブセットに含まれるノードとグラフ内のそれら他のノードとの間での特定のそれぞれの確率で影響を伝播し始めると仮定するものである。漸進的な時間ステップの各々において、影響を受けたノードは各々、1つ以上の隣接ノードに影響を与えて影響の伝播を続ける単一の機会を持つことができる。グラフに含まれるノードの全てが影響を受けるまで、新たに影響を受けたノードが他のノードに影響を伝播し続けることがある。グラフのノード間で影響がどのように伝播されたかに基づいて、特定のノードの影響力の程度が決定され得る。
【0010】
加えて、あるいは代わりに、別の既存の影響力モデルは線形閾値拡散モデルである。線形閾値拡散モデルでは、各ノードにランダムな閾値パラメータを割り当てることができ、ノード間の各エッジにそれぞれの重みを関連付けることができる。特定のノードについて、該特定のノードによって影響を受けている隣接ノードのセットが、それらのノードの各々に割り当てられたランダムな閾値パラメータと、該特定のノードをその隣接ノードに接続するエッジの重みとに基づいて決定され得る。特定のノードがその隣接ノードに対してより大きな影響を及ぼすか、又はその隣接ノードによってより大きな影響を受けるかを決定する際に、異なる基準が考慮されてもよい。例えば、隣接ノードから特定のノードへのエッジの重みの第1の合計が、特定のノードから隣接ノードへのエッジの重みの第2の合計よりも大きい場合、特定のノードは影響を受けていると見なされ得る。
【0011】
しかしながら、例えば独立カスケード拡散モデル及び線形閾値拡散モデルなどの既存のグラフ影響力モデルは、ある種の現実世界アプリケーションに適用されるときに欠点を含み得る。特に、既存のグラフ影響力モデルは、オブジェクトが含まれるネットワークに固有の、既存のグラフ影響力モデルにおいて為される仮定とは矛盾し得るオブジェクト挙動に対処できないことがある。例えば、ソーシャルネットワークはそのような独特なオブジェクト挙動を示し得る。全てのノード(例えば、ソーシャルネットワークのユーザ)が既存のグラフ影響力モデルで予測されるように影響を受けるわけではない。例えば、一部のノードは、様々なトピックに完全に関心を持たないユーザを表し得る。追加の又は代替的な例として、特定のオブジェクトの影響伝播挙動は、例えばソーシャルネットワークのユーザインタフェース、一年のうちの時期、オブジェクトのトピック若しくは焦点、又は任意の他の考慮事項などの、様々な要因に応じて異なり得る。加えて、あるいは代わりに、相乗的な効果又は他の累積的な効果(例えば、ソーシャルネットワークにおける社会的圧力又は“群集心理”)が、既存のグラフ影響力モデルにおいて用いられる仮定によって予測されるよりも強かったり弱かったりすることがある。換言すれば、現実世界の影響伝播は複雑すぎて、既存のグラフ影響力モデルを用いてでは表現できないことがある。
【0012】
本開示は、とりわけ、離散最適化問題として影響力最大化をモデル化するシステム及び/又は方法に関係し得る。影響力最大化は、オブジェクトのグループVを含むグラフであって、それらのオブジェクトのうちの1つ以上の間に、各々がそれぞれの重みWを持つ有向エッジEを有するグラフを必要とし得る。オブジェクトのグループに対するオブジェクトのサブセットSの影響力が、オブジェクトの該サブセットから生じて該グループの残りの部分に含まれるオブジェクトで終わるエッジの重みの累積和に基づいて表され得る。この影響力は、オブジェクトの全てのサブセットにわたって最大化され得るパラメータEW(S,V\S)として表されることができ、オブジェクトの各サブセットが最大サイズkを持つ。影響力最大化のこの表現は、例えば線形制約を有する二次目的関数などの離散最適化問題として扱われることができる。
【0013】
本開示の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態に従った、グラフデータセットに含まれるインフルエンシャルノードが特定され得る動作環境100の一実施形態例の図である。動作環境100は、グラフデータセット110を取得し、グラフデータセット110に含まれるインフルエンサノード150及び/又は対応する特定されたインフルエンサオブジェクト170を出力するように構成された、分割モジュール120、インフルエンスモジュール140、及び/又は特定モジュール160を含み得る。
【0015】
一部の実施形態において、分割モジュール120、インフルエンスモジュール140、及び/又は特定モジュール160(ここでは集合的に“コンピューティングモジュール”と称する)は、コンピューティングシステムが1つ以上の処理を実行することを可能にするように構成されたコード及びルーチンを含み得る。加えて、あるいは代わりに、コンピューティングモジュールは、プロセッサ、(例えば、1つ以上の処理の実行を遂行又は制御するための)マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェアを用いて実装され得る。一部の他の例において、コンピューティングモジュールは、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを用いて実装され得る。本開示において、コンピューティングモジュールによって実行されるとして説明される処理は、コンピューティングモジュールが1つ以上の対応するシステムに実行を指示してもよい処理を含み得る。コンピューティングモジュールは、
図3に関して説明する方法例300に関連して更に詳細に後述するような、グラフデータセット110、ノードクラスタ130、インフルエンサノード150、及び/又は特定されたインフルエンサオブジェクト170に関する一連の処理を実行するように構成され得る。
【0016】
グラフデータセット110は、オブジェクトのうちの1つ以上が、ネットワークに含まれる1つ以上の他のオブジェクトと関係した、オブジェクトのネットワークのグラフィカル表現とし得る。例えば、
図2は、本開示の1つ以上の実施形態に従って特定可能なインフルエンシャルノードを含み得るグラフデータセット例200を示している。グラフデータセット200は、何らかの形で互いに関係した、第1のノード210によって表される第1のオブジェクトと、第2のノード215によって表される第2のオブジェクトとを含み得る。第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの間の関係は、第1のノード210と第2のノード215とを接続するエッジ220によって表され得る。加えて、あるいは代わりに、第1のノード210及び/又は第2のノード215は、複数のエッジが第1のノード210及び/又は第2のノード215から他のノードに向かって延びるように、グラフデータセット200に含まれる1つ以上の他のノードに関係していてもよい。
【0017】
図2に示すように、グラフデータセット例200に示されるエッジ220及び他のエッジは、ノードが互いにどのように関係するかを示す方向性を含んでいないので、グラフデータセット例200は無向グラフデータセットであり得る。環境100のグラフデータセット110は、例えば第1のノード210などの第1のノードと例えば第2のノード215などの第2のノードとの間の特定の関係が一方的であるのか相互的であるのかを示す方向性をエッジが含む有向グラフデータセットを含み得る。例えば、ある特定のグラフデータセットは、複数のエンティティ(例えば、異なる商業エンティティ)間での例えば製品、金銭、及び/又はサービスなどのリソースの流れを表すことができ、第1のエンティティから第2のエンティティへのリソースの一方向の流れが、単頭矢印又は任意の他の一方向インジケータによって示される特定の第1のエッジによって表される。追加の又は代替的な例として、第1のエンティティと第2のエンティティとの間でのリソースの双方向の流れは、両頭矢印又は任意の他の双方向インジケータによって示される特定の第2のエッジによって表され得る。
【0018】
一部の実施形態において、グラフデータセット200は、例えばインフルエンシャルノード230などの1つ以上のインフルエンシャルノードを含み得る。インフルエンシャルノード230は、グラフデータセット200によって表されるネットワーク内のオブジェクトであって、当該インフルエンシャルノード230によって表されるオブジェクトの動作、挙動、及び/又はアクションが、グラフデータセット200に含まれる他のノードの動作、挙動、及び/又はアクションに影響を及ぼす可能性が高いオブジェクトを表し得る。これら及び他の実施形態において、インフルエンシャルノード230は、グラフデータセット200内で特定される及び/又は容易に特定可能であることもあれば、そうでないこともある。例えば、ソーシャルメディアネットワーク上のユーザが影響力あるユーザとして分類されるべきかを決定することは、他のユーザへの該ユーザのつながりや、ソーシャルメディアネットワーク上にコンテンツを投稿する頻度に基づいて、又はソーシャルメディアネットワークとの任意の他のやり取りに基づいて、明らかなこともあれば、そうでないこともある。
【0019】
図1の環境100の説明に戻るに、分割モジュール120は、各ノードクラスタ130がn個のノードを含むm個のノードクラスタ130を特定するように構成され得る。分割モジュール120は、各ノードクラスタ130が同じ数の、又は閾値内(例えば、絶対許容値内又は相対パーセンテージ許容レベル内)で同様の数のノードを含むように、グラフデータセット110に含まれるノードを複数のノードクラスタ130に分け得る。一部の実施形態において、分割モジュール120は、ノードクラスタ130の各々が約n個のノードを含むように、m個のノードクラスタ130をランダムに特定するように構成され得る。例えばスペクトルクラスタリングプロセスによってなど、ノード間の接続性の程度に従ってグラフデータセット110のノードをクラスタリングすることは、第1のノードクラスタが他の特定されたクラスタに対して不釣り合いな数のノードを含むことになり得る不均衡なクラスタの特定をもたらし得る。従って、グラフデータセット110を、各ノードクラスタ130が同じ又は同様の数のノードを含む一組の均衡のとれたノードクラスタ130に分割することが、環境100において実行されるプロセス中にグラフデータセット110に含まれるインフルエンシャルノードの特定を改善し得る。
【0020】
インフルエンスモジュール140は、ノードクラスタ130の各々に含まれる1つ以上のインフルエンサノード150を特定するように構成され得る。一部の実施形態において、インフルエンスモジュール140は、最初に、ノードクラスタ130の各々に含まれる1つ以上の候補インフルエンシャルノードを特定するように構成され得る。これら及び他の実施形態において、候補インフルエンシャルノードの特定は、最適化問題として投げかけられることができ、従って、候補インフルエンシャルノードを特定するために最適化問題解決技術を適用することができる。例えば、最適化プロセス又はデジタルアニーリングプロセスが適用され得る。
【0021】
インフルエンスモジュール140は、候補インフルエンシャルノードを一組の候補インフルエンシャルノード(候補インフルエンシャルノードのセット)として集約し、候補インフルエンシャルノードの各々によって、グラフデータセット110に含まれるが候補インフルエンシャルノードのセットには含まれない他のノードの各々に及ぼされる影響に基づいて、累積的な影響力を計算し得る。候補インフルエンシャルノードをセットに集約することにより、候補インフルエンシャルノードとして特定されていない他のノードの各々に対して各候補インフルエンシャルノードが及ぼす影響に基づいて、候補インフルエンシャルノードの累積的な影響力を計算することができる。換言すれば、候補インフルエンシャルノードのセットと、グラフデータセット110に含まれる他のノードの各々との間の累積的な影響力を計算することは、特定の候補インフルエンシャルノードが他の候補インフルエンシャルノードに及ぼす影響を考慮から除外することができる。
【0022】
これら及び他の実施形態において、候補インフルエンシャルノードのセットの累積的な影響力は、下の式(1)に関連して説明されるような影響力最大化アルゴリズムに従って計算され得る。影響力最大化アルゴリズムは最適化問題として解かれ得る。特定のノードクラスタ130に含まれる特定のノードがインフルエンサノード150と見なされ得るかは、次の目的関数:
【数1】
に従ってモデル化され得る。
【0023】
式(1)によって表される目的関数は、特定のノードxuの、同じノードクラスタ130に含まれる別のノードxvに対する影響を示す重み行列Wuvに基づいて、最も大きい値の総和をもたらすことになる変数xu及びxvに対応する値を決定することによって最適化され得る。この目的関数は、特定のノードxuの影響、及び他のノードxvの影響を表す変数の値を、例えば0及び1などの2つの取り得る値のうちの一方として設定することによって、二次制約なし二値最適化(quadratic unconstrained binary optimization;QUBO)関数として扱われ得る。式(1)をQUBO関数として設定することにより、特定のノードxuがインフルエンシャルノードであり且つ他のノードxvがインフルエンシャルノードではない状況においてxu(xu-xv)項の値が総和に寄与する。
【0024】
重み行列Wuvは、例えばグラフデータセット110などのグラフデータセットに含まれるノードの各ペアについて、第1のノード(例えば、xu)が第2のノード(例えば、xv)に及ぼす影響を示し得る。一部の実施形態において、重み行列の行が、影響を及ぼす側のノードを表し、重み行列の列が、影響を及ぼされる側のノードを表し得る(逆もまた然りである)。従って、重み付けされないグラフでは、重み行列に含まれる各エントリが1の値を持つように、グラフの各エッジについての影響の程度が等しいと見なされ得る。
【0025】
重み付きグラフでは、第1ペアのノード間の影響度の方が第2ペアのノード間の影響度よりも重要であったり重要でなかったりし得る。加えて、あるいは代わりに、1分離度だけ離れた第1ペアのノード(例えば、互いに直接友人であるソーシャルネットワーク上の2人のユーザ)間の影響度は、2分離度だけ離れた第2ペアのノード(例えば、直接友人ではないが、特定の同じ共通の友人を持つソーシャルネットワーク上の2人のユーザ)間の影響度よりも大きいとし得る。重み付きグラフは、第1ペアのノードによって表されるオブジェクト間の関係の方が第2ペアのノードによって表されるオブジェクト間の関係よりも重要であったり重要でなかったりする環境を表すことができる。
【0026】
例えば、ある特定のグラフは、建物を表すノードと、建物間の道路を表すエッジとを含む。この例において、より大きい交通流量を経験する道路は、あまり通られない道路よりも大きい重みを持つものとして指定されることができ、その結果、より大きい交通流量を有する道路に高度に接続された建物は、より影響力があると見なされ得る。換言すれば、より多い交通流量を経験する道路に接続された建物は、より多くの人にとって重要であると推測され得る。追加の又は代替的な例として、ある特定のグラフは、当該特定のグラフのノードがソーシャルネットワーク上のユーザアカウントを表すソーシャルネットワークを表し得る。ノード間のエッジは、ユーザアカウント間の友人関係を表すことができ、エッジは、特定のユーザアカウントが重要である可能性が高いかどうか(例えば、特定のユーザアカウントが著名人又は権威ある人に関連付けられている)、及び/又は特定のユーザアカウントと別のユーザアカウントとの間の隔たりの程度に基づいて重み付けされ得る。加えて、あるいは代わりに、特定のエッジは、特定のエッジが第1のノードと第2のノードとの間の一方向の関係を表すのか、第1のノードと第2のノードとの間の二方向の関係を表すのかを示す方向性プロパティを含み得る。方向性プロパティは、対応するグラフによってモデル化されるオブジェクト間の特定のタイプの関係を表すことができる。先のソーシャルネットワークの例に戻るに、一方向又は単方向の関係は、第1のユーザが第2のユーザをフォローする(例えば、第2のユーザのソーシャルネットワークとの関わりを第1のユーザが通知されるように)一方で、第2のユーザは第1のユーザをフォローしないフォロワー関係を含み得る。追加の又は代替的な例として、一方向の関係は、第1のユーザが第2のユーザによって生成されたソーシャルメディアコンテンツと激しくインタラクトしているが、第2のユーザは第1のユーザによって生成されたソーシャルメディアコンテンツとインタラクトしていないとし得ることを示し得る。追加の又は代替的な例として、ソーシャルネットワークにおける2方向又は双方向の関係は、第1のユーザと第2のユーザとの間の相互フォロワーシップ、友人関係ステータス、ソーシャルメディアコンテンツとの等しい又は略等しい関わり、等しい又は同様の分離度、これらの何らかの組み合わせ、又は任意の他の相互関係を示し得る。
【0027】
インフルエンスモジュール140は、インフルエンシャルノードの累積的な影響力に最も寄与する上位k個の候補インフルエンシャルノードを選択し、選択したノードをインフルエンサノード150として指定するように構成され得る。インフルエンサノード150の総数に対して、
【数2】
のように制約を課すことができ、ここで、インフルエンサノード150の数x
uは、インフルエンシャルノードセットのサイズkを超えないとし得る。これら及び他の実施形態において、インフルエンシャルノードセットのサイズkは、ノードクラスタ130に含まれるノードの総数及び/又はグラフデータセット110に含まれるノードの総数に比例し得る。例えば、インフルエンシャルノードセットのサイズkはlog(n)の次数に比例してもよく、ここで、nは、グラフデータセット110に含まれるノードの総数を表す。
【0028】
一部の実施形態において、インフルエンスモジュール140は、特定のノードx
uの影響力及び他のノードx
vの影響力を表す変数の値が、0又は1ではなく、-1又は1によって表されるように、量子近似最適化アルゴリズム(quantum approximate optimization algorithm;QAOA)又は凸緩和技術を用いて、式(1)によって表される目的関数を解くように構成され得る。これら及び他の実施形態において、インフルエンスモジュール140は、特定のノードの影響値y
uが基準値に等しい場合にのみ特定のノードuがインフルエンサノード150となるように、基準変数y
0を設定するように構成され得る。従って、目的関数は:
【数3】
と記述されることができ、ここで、y
vは、影響値y
uを持つ特定のノードuと同じノードクラスタ130に含まれる別のノードの影響変数を表す。インフルエンサノード150の総数に課される制約は:
【数4】
と記述されることができる。
【0029】
これら及び他の実施形態において、インフルエンスモジュール140は、デジタルアニーリングユニットによって解くことが可能なフォーマットで提示されるものである式(1)によって表されるQUBO関数として、又はQAOA若しくは他の量子化アニーリング技術を用いて解くことが可能なフォーマットで提示されるものである式(3)によって表されるQUBO関数として目的関数を解くことによって、ノードクラスタ130ごとに1つ以上のインフルエンサノード150を特定するように構成され得る。
【0030】
一部の実施形態において、インフルエンスモジュール140によって特定されるインフルエンサノード150の数は、グラフデータセット110に含まれるノードの総数に基づいて設定され得る。例えば、ノードクラスタごとに絶対数のインフルエンサノード150(例えば、1つのノード、2つのノード、3つのノード、4つのノード、5つのノードなど)が特定されてもよい。追加の又は代替的な例として、特定のノードクラスタ130のあるパーセンテージ(例えば、特定のノードクラスタ130の1パーセント、2パーセント、5パーセント、10パーセントなど)が、インフルエンシャルノードとして特定されてもよい。
【0031】
特定モジュール160は、インフルエンサノード150を取得し、インフルエンサノード150に対応する1つ以上のインフルエンサオブジェクト170を特定するように構成され得る。一部の実施形態において、インフルエンサオブジェクト170を特定するために、インフルエンスモジュール140によって特定されたインフルエンサノード150の全てが、グラフデータセット110内のインフルエンサノード150に対応するオブジェクトにマッピングされ得る。
【0032】
加えて、あるいは代わりに、特定モジュール160は、インフルエンサノード150のうちのサブセットを選択し、該サブセットのインフルエンサノード150に対応するインフルエンサオブジェクト170を特定するように構成されてもよい。特定モジュール160は、各インフルエンサノード150がグラフデータセット110に対して持つ影響力に従ってインフルエンサノード150を編成するための命令を含み得る。特定モジュール160は、グラフデータセット110の他のノードに対して最も影響力を持った、例えば上位k個のインフルエンサノード150又は上位kパーセントのインフルエンサノード150などの、閾値数のインフルエンサノード150を選択し、選択したインフルエンサノード150をインフルエンサオブジェクト170として特定し得る。
【0033】
本開示の範囲を逸脱することなく、環境100に対して変更、追加、又は省略が為され得る。例えば、記載された方式での異なる要素の指定は、ここに記述される概念を説明する助けとすることを意図しており、限定するものではない。例えば、一部の実施形態において、グラフデータセット110、ノードクラスタ130、インフルエンサノード150、及び特定されるインフルエンサオブジェクト170は、ここに記載される概念を説明する助けとなるように記述される特定の方法で描写されているが、このような描写は限定することを意図していない。また、環境100は、任意の数の他の要素を含んでもよいし、記載されたもの以外のシステム又は状況で実装されてもよい。
【0034】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態に従った、グラフデータセットに含まれるインフルエンシャルノードを特定する方法300の例のフローチャートである。方法300は、任意の好適なシステム、装置、又はデバイスによって実行され得る。例えば、
図1の分割モジュール120、インフルエンスモジュール140、及び/又は特定モジュール160が、方法300に関連する1つ以上の処理を実行し得る。離散的なブロックで示されるが、方法300のブロックのうち1つ以上に関連するステップ及び処理が、特定の実装に応じて、更なるブロックへと分割されたり、より少ないブロックへと結合されたり、除去されたりしてもよい。
【0035】
方法300はブロック302で開始することができ、ソーシャルネットワークを表すグラフデータセットが取得される。一部の実施形態において、グラフデータセットは、
図1の環境100に関連して説明したグラフデータセット110及び/又は
図2に関連して説明したグラフデータセット200と同じ又は同様とし得る。例えば、ユーザ及び/又はトピック(例えば、ハッシュタグ、話題になっている動画、ユーザ投稿、又はこれらに類するもの)が、グラフデータセットのノードとしてモデル化され得る。これら及び他の例において、ユーザ間の関係(例えば、ユーザ間の、友人関係、フォロー、購読、遮断、これらの何らかの組み合わせ、又は任意の他のインタラクティブ挙動)及び/又はトピック間の関係(例えば、トピック間の、共に参照される頻度、同じ若しくは類似のユーザによる使用、又はトピック間の任意の他のインタラクティブ挙動)が、グラフデータセットのノード間のエッジとして表され得る。加えて、あるいは代わりに、グラフデータセットは、ノードを接続するエッジがノード間のつながりのそれぞれの程度に基づくそれぞれの重み値を含む重み付きグラフデータセットであってもよい。加えて、あるいは代わりに、グラフデータセットは、それぞれのエッジがそれぞれのノード間の一方的な関係を表すのか、相互的な関係を表すのかに基づくそれぞれの方向性ある向きをエッジが含む有向グラフデータセットであってもよい。
【0036】
ブロック304にて、グラフデータセットが、第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに分割され得る。一部の実施形態において、グラフデータセットを分割することは、各クラスタがグラフデータセットからの同じ数又は同様の数のノードを含む均衡のとれたクラスタへとノードを分けることを含み得る。ブロック304では第1のノードクラスタと第2のノードクラスタとを含むものとして説明しているが、理解され得ることには、グラフデータセットは2つよりも多いクラスタに分割されてもよい。グラフデータセットの分割は、グラフデータセットのサイズ(例えば、グラフデータセットに含まれるノードの数)、グラフデータセットに含まれると予想されるインフルエンシャルノードの数に依存することができ、あるいは、グラフデータセットの任意の他の特性に従ってもよい。
【0037】
ブロック306にて、第1のノードクラスタに含まれる第1のインフルエンシャルノード、及び第2のノードクラスタに含まれる第2のインフルエンシャルノードが特定され得る。グラフデータセットが重み付きグラフデータセットである状況では、特定の第1のインフルエンシャルノード及び/又は特定の第2のインフルエンシャルノードは、該特定の第1のインフルエンシャルノード及び/又は該特定の第2のインフルエンシャルノードから生じて、グラフデータセットに含まれる他のノードに接続する重み付きエッジの累積和を表すことができる。第1のインフルエンシャルノード及び第2のインフルエンシャルノードは、特定のノードクラスタ及び/又はグラフデータセット全体に含まれるノードの重み付きエッジの最大の累積和を持つ側のノードを含み得る。一部の状況において、グラフデータセットは有向グラフデータセットであってもよく、その場合、特定のノードについての重み付きエッジの累積和は、該特定のノードから生じて他のノードに接続するエッジを含むことができ、他のノードから生じて該特定のノードに接続するエッジを除外することができる。
【0038】
一部の実施形態において、最適化問題に対する解を提供するための技術を第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに適用して第1のインフルエンシャルノード及び第2のインフルエンシャルノードを特定し得るように、第1のインフルエンシャルノード及び第2のインフルエンシャルノードは、第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタが例えばQUBO問題などの最適化問題として設定されるスペクトルクラスタリングプロセスに従って特定されてもよい。例えば、
図1の環境100に関連して上述したように、第1のインフルエンシャルノード及び/又は第2のインフルエンシャルノードを特定するために、それぞれ、第1のノードクラスタ及び/又は第2のノードクラスタにデジタルアニーリングプロセス及び/又は量子アニーリングプロセスが適用され得る。特定される第1のインフルエンシャルノードの数及び第2のインフルエンシャルノードの数は、ブロック310に関連して後述するように、適切な数のインフルエンサノードが指定され得るように設定され得る。例えば、第1のノードクラスタから5つ以上の第1のインフルエンシャルノードが特定され、第2のノードクラスタから5つ以上の第の2インフルエンシャルノードが特定され得る。
【0039】
ブロック308にて、第1のインフルエンシャルノード及び第2のインフルエンシャルノードがインフルエンシャルノードのセットとして集約され、グラフデータセットに含まれる他のノードの各々に対するインフルエンシャルノードのセットの累積的な影響力が決定され得る。一部の実施形態において、インフルエンシャルノードのセットの累積的な影響力は、
図1の環境100に関して上の式(1)及び(3)に関連して説明したのと同じ又は同様のやり方で計算され得る。
【0040】
ブロック310にて、インフルエンシャルノードのセットに含まれる1つ以上のノードがインフルエンサノードとして選択され得る。一部の実施形態において、ブロック310で選択されるインフルエンサノードの数は、グラフデータセットに含まれるノードの総数に対して比例して設定され得る。例えば、インフルエンサノードの数は、
図1の環境100に関して上の式(2)及び(4)で説明したように設定され得る。
【0041】
ブロック312にて、インフルエンサノードの各々に対応するソーシャルネットワークに含まれるそれぞれのオブジェクトが特定され得る。一部の状況において、インフルエンサノードに対応するオブジェクトは、所与の期間内(例えば、過去、日、過去の週、過去の月、又は任意の他の期間内)の影響力ある単語、フレーズ、ハッシュタグ、又は任意の他のトピックを表すことができ、これは、的を絞ったマーケティング及び広告に役立ち得る話題となっているトピックの特定を容易にし得る。一部の状況において、インフルエンサノードに対応するオブジェクトは、ソーシャルネットワークの特定のユーザアカウントを表すことができ、これは、分散された誤報ボット、スパム送信者アカウント、売り出し中の著名人アカウント、又はソーシャルネットワークの任意の他のよくつなげられる若しくは著名ユーザアカウントの特定を容易にし得る。
【0042】
開示の範囲を逸脱することなく、方法300に対して変更、追加、又は省略が為され得る。例えば、記載された方式での異なる要素の指定は、ここに記述される概念を説明する助けとすることを意図しており、限定するものではない。また、方法300は、任意の数の他の要素を含んでもよいし、記載されたもの以外のシステム又は状況で実装されてもよい。
【0043】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態に従ったコンピュータシステム400の例である。コンピューティングシステム400は、プロセッサ410、メモリ420、データストレージ430、及び/又は通信ユニット440を含むことができ、これらが全て通信可能に結合され得る。
図1の環境100のいずれか又は全てが、コンピューティングシステム400と一致するコンピューティングシステムとして実装され得る。
【0044】
一般に、プロセッサ410は、様々なコンピュータハードウェア若しくはソフトウェアモジュールを含んだ、如何なる好適な専用又は汎用のコンピュータ、コンピューティングエンティティ又は処理装置を含んでいてもよく、何らかの適用可能なコンピュータ読み取り可能媒体に格納された命令を実行するように構成され得る。例えば、プロセッサ410は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラム命令を解釈及び/又は実行し且つ/或いはデータを処理するように構成されたその他のデジタル回路若しくはアナログ回路を含み得る。
【0045】
図4では単一のプロセッサとして示されているが、理解されることには、プロセッサ410は、本開示に記載された任意数の処理を個々あるいは集合的に実行するように構成された、任意数のネットワーク又は物理的位置にわたって分散された、任意数のプロセッサを含んでいてもよい。一部の実施形態において、プロセッサ410は、メモリ420、データストレージ430、又はメモリ420とデータストレージ430に格納されたプログラム命令及び/又はデータについて、プログラム命令を解釈及び/又は実行し且つ/或いはデータを処理し得る。一部の実施形態において、プロセッサ410は、データストレージ430からプログラム命令をフェッチして該プログラム命令をメモリ420にロードし得る。
【0046】
例えばコンピュータシステム400に
図3の方法300の処理を実行させる命令など、プログラム命令がメモリ420にロードされた後、プロセッサ410が該プログラム命令を実行し得る。例えば、コンピューティングシステム400は、プログラム命令を実行して、グラフデータセットを取得し、グラフデータセットを分割し、第1のノードクラスタに含まれる第1のインフルエンシャルノード及び第2のノードクラスタに含まれる第2のインフルエンシャルノードを特定し、第1のインフルエンシャルノード及び第2のインフルエンシャルノードをインフルエンシャルノードのセットとして集約し、インフルエンシャルノードのセットの影響力の程度を決定し、セットに含まれるインフルエンシャルノードのうちの1つ以上をインフルエンサノードとして指定し、及び/又はそれぞれのインフルエンサノードに対応するソーシャルネットワーク内のオブジェクトを特定し得る。
【0047】
メモリ420及びデータストレージ430は、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造を格納するためのコンピュータ読み取り可能記憶媒体又は1つ以上のコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含み得る。そのようなコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、例えばプロセッサ410などの汎用又は専用のコンピュータによってアクセスされ得る如何なる入手可能な媒体ともし得る。例えば、メモリ420及び/又はデータストレージ430は、
図1のグラフデータセット110、ノードクラスタ130、インフルエンサノード150、及び/又はインフルエンサオブジェクト170を含み得る。一部の実施形態において、コンピューティングシステム400は、メモリ420及びデータストレージ430のいずれかを含んだり含まなかったりし得る。
【0048】
限定ではなく例として、そのようなコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去・プログラム可能型読み出し専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)若しくはその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ若しくはその他の磁気記憶装置、フラッシュメモリデバイス(例えば、ソリッドステートメモリデバイス)、又は、コンピュータ実行可能命令の形態の所望のプログラムコード若しくはデータ構造を格納するために使用されることができ且つ汎用若しくは専用のコンピュータによってアクセスされることが可能なその他の記憶媒体を含む、有形の又は非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含み得る。以上のものの組み合わせもコンピュータ読み取り可能記憶媒体の範囲に含まれ得る。コンピュータ実行可能命令は、例えば、特定の処理又は処理群をプロセッサ410に実行させるように構成された命令及びデータを含み得る。
【0049】
通信ユニット440は、ネットワークを介して情報を送信又は受信するように構成された任意のコンポーネント、装置、システム、又はそれらの組み合わせを含み得る。一部の実施形態において、通信ユニット440は、他の場所若しくは同じ場所にある他のデバイスと通信することができ、あるいは同じシステム内の他のコンポーネントとも通信することができる。例えば、通信ユニット440は、モデム、ネットワークカード(無線若しくは有線)、光通信デバイス、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス(例えばアンテナなど)、及び/又はチップセット(例えばBluetooth(登録商標)デバイス、802.6デバイス(例えば、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN))、WiFi(登録商標)デバイス、WiMax(登録商標)デバイス、セルラー通信設備、又はその他など)、及び/又はこれらに類するものを含み得る。通信ユニット440は、本開示に記載されたネットワーク及び/又は任意の他の装置若しくはシステムとデータを交換することを可能にし得る。例えば、通信ユニット440は、システム400が例えばコンピューティング装置及び/又は他のネットワークなどの他のシステムと通信することを可能にし得る。
【0050】
当業者が本開示を検討した後に認識し得ることには、本開示の範囲から逸脱することなく、システム400に対して変更、追加、又は省略が為され得る。例えば、システム400は、明示的に図示及び説明されたものよりも多数又は少数のコンポーネントを含み得る。
【0051】
上述の開示は、本開示を開示された正確な形態又は特定の使用分野に限定することを意図したものではない。従って、企図されることには、ここに明示的に説明又は暗示されているかを問わず、本開示に照らして本開示に対する様々な代替実施形態及び/又は変更が可能である。このように本開示の実施形態を説明してきたが、認識され得ることには、本開示の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において変形が為され得る。従って、本開示は請求項によってのみ限定される。
【0052】
一部の実施形態において、ここに記載された様々なコンポーネント、モジュール、エンジン及びサービスは、コンピュータシステム上で(例えば、別々のスレッドとして)実行される複数のオブジェクト又はプロセスとして実装され得る。ここに記載されたシステム及びプロセスの一部は概して、(汎用ハードウェアに格納され且つ/或いはそれによって実行される)ソフトウェアにて実装されるとして記述されているが、特有のハードウェア実装、又はソフトウェアと特有のハードウェアとの組み合わせ実装も可能であり且つ企図される。
【0053】
本開示及び特に添付の請求項(例えば、添付の請求項の本体)で使用される用語は概して、“オープン用語”として意図している(例えば、用語“・・・を含んでいる”は、“・・・を含んでいるが、それに限定されない”として解釈されるべきである。
【0054】
また、導入されるクレーム記載の具体数が意図される場合、そのような意図は、請求項中に明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しない。例えば、理解の助けとして、以下に添付される請求項は、クレーム記載を導入するために“少なくとも1つの”及び“1つ以上の”という前置きフレーズの使用を含むことがある。しかしながら、このようなフレーズの使用は、例え同じクレームが“少なくとも1つの”及び“1つ以上の”という前置きフレーズと“a”又は“an”などの不定冠詞とを含んでいるときであっても、不定冠詞“a”又は“an”によるクレーム記載の導入が、そのように導入されたクレーム記載を含む何れか特定の請求項を、唯一のそのような記載を含む実施形態に限定することを意味するようには、解釈されるべきでない(例えば、“a”及び/又は“an”は、“少なくとも1つの”又は“1つ以上の”を意味するように解釈されるべきである)。同じことが、クレーム記載を導入するために使用される定冠詞の使用にもあてはまる。
【0055】
さらに、導入されるクレーム記載の具体数が明示的に記載されている場合であっても、当業者が認識するように、そのような記載は、少なくとも記載の数を意味するように解釈されるべきである(例えば、他の修飾語句のない“2つのもの”なるそのままの記載は、少なくとも2つのもの、又は2つ以上のものを意味する)。また、“A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ”又は“A、B、及びCなどのうちの1つ以上”に似た伝統的表現が使用されるものにおいては、一般に、そのような構文は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、又は、AとBとCを共に、などを含むことを意図している。
【0056】
また、2つ以上の別の用語に先立つ離接的な用語又はフレーズは、実施形態の説明、特許請求の範囲、又は図面の中の何れであろうと、それらの用語のうちの1つ、それらの用語のうちの何れか、又はそれらの用語の双方を含む可能性を意図しているように理解されるべきである。例えば、フレーズ“A又はB”は、“A”若しくは“B”又は“A及びB”の可能性を含むように理解されるべきである。
【0057】
本開示にて記載された全ての例及び条件付きの言葉は、本開示と技術を前進させるために本願の発明者によって与えられる概念とを読者が理解することを支援するための教育的な目的を意図したものであり、そのように具体的に記載した例及び条件への限定ではないと解釈されるべきである。本開示の実施形態を詳細に説明したが、これらの実施形態には、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な変形、代用及び改変が為され得る。
【0058】
以上の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 複数のノードを含むグラフデータセットを取得し、該グラフデータセットはソーシャルネットワークを表し、
前記グラフデータセットを第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに分割し、該第1のノードクラスタ及び該第2のノードクラスタは各々、前記グラフデータセットからの1つ以上のノードを含み、
前記第1のノードクラスタに含まれる1つ以上の第1の候補インフルエンシャルノード、及び前記第2のノードクラスタに含まれる1つ以上の第2の候補インフルエンシャルノードを特定し、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのうちの1つ以上をインフルエンサノードとして選択し、
前記インフルエンサノードの各々に対応する前記ソーシャルネットワークに含まれるそれぞれのオブジェクトを特定する、
ことを有する方法。
(付記2) 前記グラフデータセットを前記第1のノードクラスタ及び前記第2のノードクラスタに分割することは、前記第1のノードクラスタ及び前記第2のノードクラスタが同じ数のノード又は互いの閾値内の数のノードを含むように前記グラフデータセットを分けることを含む、付記1に記載の方法。
(付記3) 前記第1のノードクラスタに含まれるとして特定される第1の候補インフルエンシャルノードの数、及び前記第2のノードクラスタに含まれるとして特定される第2の候補インフルエンシャルノードの数は、前記グラフデータセットに含まれるノードの総数に比例する、付記1に記載の方法。
(付記4) 前記インフルエンサノードを選択することは、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードを一組の候補インフルエンシャルノードとして集約し、
前記一組の候補インフルエンシャルノードに含まれる各ノードの、前記グラフデータセットに含まれる他のノード各々に対するそれぞれの影響力を合計することに基づいて、前記一組の候補インフルエンシャルノードの累積影響力を決定する、
ことを含み、
前記インフルエンサノードは、前記グラフデータセットに含まれる他のノードに及ぼされる前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのそれぞれの影響力に基づいて、前記一組の候補インフルエンシャルノードから選択される、
付記1に記載の方法。
(付記5) 前記グラフデータセットは、前記複数のノードを接続するエッジがそれぞれの重み値及びそれぞれの方向性を含んだ、重み付き有向グラフデータセットである、付記1に記載の方法。
(付記6) 前記第1の候補インフルエンシャルノードの各々と前記第2の候補インフルエンシャルノードの各々の影響力の程度を決定することは、特定の第1の候補インフルエンシャルノード又は特定の第2の候補インフルエンシャルノードから生じて前記グラフデータセットに含まれる他のノードに接続するエッジの累積和を計算することを含む、付記5に記載の方法。
(付記7) それぞれのインフルエンサノードに対応するとして特定される前記ソーシャルネットワークに含まれる前記オブジェクトは、前記ソーシャルネットワーク上でのユーザアカウントである、付記1に記載の方法。
(付記8) 命令を格納するように構成された1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記命令は、実行されることに応答して、システムに処理を実行させ、該処理は、
複数のノードを含むグラフデータセットを取得し、該グラフデータセットはソーシャルネットワークを表し、
前記グラフデータセットを第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに分割し、該第1のノードクラスタ及び該第2のノードクラスタは各々、前記グラフデータセットからの1つ以上のノードを含み、
前記第1のノードクラスタに含まれる1つ以上の第1の候補インフルエンシャルノード、及び前記第2のノードクラスタに含まれる1つ以上の第2の候補インフルエンシャルノードを特定し、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのうちの1つ以上をインフルエンサノードとして選択し、
前記インフルエンサノードの各々に対応する前記ソーシャルネットワークに含まれるそれぞれのオブジェクトを特定する、
ことを有する、1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(付記9) 前記グラフデータセットを前記第1のノードクラスタ及び前記第2のノードクラスタに分割することは、前記第1のノードクラスタ及び前記第2のノードクラスタが同じ数のノード又は互いの閾値内の数のノードを含むように前記グラフデータセットを分けることを含む、付記8に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(付記10) 前記第1のノードクラスタに含まれるとして特定される第1の候補インフルエンシャルノードの数、及び前記第2のノードクラスタに含まれるとして特定される第2の候補インフルエンシャルノードの数は、前記グラフデータセットに含まれるノードの総数に比例する、付記8に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(付記11) 前記インフルエンサノードを選択することは、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードを一組の候補インフルエンシャルノードとして集約し、
前記一組の候補インフルエンシャルノードに含まれる各ノードの、前記グラフデータセットに含まれる他のノード各々に対するそれぞれの影響力を合計することに基づいて、前記一組の候補インフルエンシャルノードの累積影響力を決定する、
ことを含み、
前記インフルエンサノードは、前記グラフデータセットに含まれる他のノードに及ぼされる前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのそれぞれの影響力に基づいて、前記一組の候補インフルエンシャルノードから選択される、
付記8に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(付記12) 前記グラフデータセットは、前記複数のノードを接続するエッジがそれぞれの重み値及びそれぞれの方向性を含んだ、重み付き有向グラフデータセットである、付記8に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(付記13) 前記第1の候補インフルエンシャルノードの各々と前記第2の候補インフルエンシャルノードの各々の影響力の程度を決定することは、特定の第1の候補インフルエンシャルノード又は特定の第2の候補インフルエンシャルノードから生じて前記グラフデータセットに含まれる他のノードに接続するエッジの累積和を計算することを含む、付記12に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(付記14) それぞれのインフルエンサノードに対応するとして特定される前記ソーシャルネットワークに含まれる前記オブジェクトは、前記ソーシャルネットワーク上でのユーザアカウントである、付記8に記載の1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
(付記15) システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
命令を格納するように構成された1つ以上の非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体と、
を有し、
前記命令は、実行されることに応答して、当該システムに処理を実行させ、該処理は、
複数のノードを含むグラフデータセットを取得し、該グラフデータセットはソーシャルネットワークを表し、
前記グラフデータセットを第1のノードクラスタ及び第2のノードクラスタに分割し、該第1のノードクラスタ及び該第2のノードクラスタは各々、前記グラフデータセットからの1つ以上のノードを含み、
前記第1のノードクラスタに含まれる1つ以上の第1の候補インフルエンシャルノード、及び前記第2のノードクラスタに含まれる1つ以上の第2の候補インフルエンシャルノードを特定し、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのうちの1つ以上をインフルエンサノードとして選択し、
前記インフルエンサノードの各々に対応する前記ソーシャルネットワークに含まれるそれぞれのオブジェクトを特定する、
ことを有する、
システム。
(付記16) 前記グラフデータセットを前記第1のノードクラスタ及び前記第2のノードクラスタに分割することは、前記第1のノードクラスタ及び前記第2のノードクラスタが同じ数のノード又は互いの閾値内の数のノードを含むように前記グラフデータセットを分けることを含む、付記15に記載のシステム。
(付記17) 前記第1のノードクラスタに含まれるとして特定される第1の候補インフルエンシャルノードの数、及び前記第2のノードクラスタに含まれるとして特定される第2の候補インフルエンシャルノードの数は、前記グラフデータセットに含まれるノードの総数に比例する、付記15に記載のシステム。
(付記18) 前記インフルエンサノードを選択することは、
前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードを一組の候補インフルエンシャルノードとして集約し、
前記一組の候補インフルエンシャルノードに含まれる各ノードの、前記グラフデータセットに含まれる他のノード各々に対するそれぞれの影響力を合計することに基づいて、前記一組の候補インフルエンシャルノードの累積影響力を決定する、
ことを含み、
前記インフルエンサノードは、前記グラフデータセットに含まれる他のノードに及ぼされる前記第1の候補インフルエンシャルノード及び前記第2の候補インフルエンシャルノードのそれぞれの影響力に基づいて、前記一組の候補インフルエンシャルノードから選択される、
付記15に記載のシステム。
(付記19) 前記グラフデータセットは、前記複数のノードを接続するエッジがそれぞれの重み値及びそれぞれの方向性を含んだ、重み付き有向グラフデータセットである、付記15に記載のシステム。
(付記20) 前記第1の候補インフルエンシャルノードの各々と前記第2の候補インフルエンシャルノードの各々の影響力の程度を決定することは、特定の第1の候補インフルエンシャルノード又は特定の第2の候補インフルエンシャルノードから生じて前記グラフデータセットに含まれる他のノードに接続するエッジの累積和を計算することを含む、付記19に記載のシステム。
【外国語明細書】